説明

透明ポリアミド組成物およびそれから製造された物品

少なくとも1種の非晶質半芳香族ポリアミドおよび少なくとも1種の半結晶質半芳香族ポリアミドを含む、改良された耐クリープ性を有する透明ポリアミド組成物。これらの組成物を組込む製品も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良された耐クリープ性を有する透明ポリアミド組成物に関する。さらに詳細には、本発明は少なくとも1種の非晶質半芳香族ポリアミドと、少なくとも1種の半結晶質半芳香族ポリアミドとの溶融混合ブレンドを含み、選択された曇り度および光透過率特性を有するかかる組成物、ならびに該組成物から製造された物品に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアミド樹脂は優れた靭性、強度、および耐薬品性を有し、多種多様な用途にエンジニアリング樹脂として有用である。多くの用途において、透明ポリアミドを使用することが望ましいが、多くのポリアミドは半結晶質材料であり、そのため、入射光がポリマーに存在する結晶ドメインによって散乱されるため不透明であることが多い。透明ポリアミドは既知であるが、一般的には非晶質であり、結果として、低減された耐熱性を有し、これらの材料から形成された物品は、クリープ現象、または経時変形を起こし易い。
【0003】
米国特許公報(特許文献1)は、非晶質熱可塑性脂肪族ポリアミドコポリマーと半結晶質熱可塑性ポリアミドとのブレンドについて開示している。得られたブレンドは透明にすることができ、良好な耐溶剤性、寸法安定性を有し、かつ湿潤条件下で物理的性質を保持することを開示している。(特許文献2)は、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサメチレンジアミンおよび脂環式ジアミンから得られたコポリアミドと、芳香族ジアミンおよびジカルボン酸から得られた半芳香族ポリアミドとの化合により作製された、改良された耐アルコール性を有するポリアミド樹脂組成物を開示している。
【0004】
本発明の目的は、透明でありかつ良好な耐クリープ性を有するポリアミド組成物を提供することである。本発明の別の目的は、1種または複数種の非晶質半芳香族ポリアミドと1種または複数種の半結晶質半芳香族ポリアミドとの溶解混合ブレンドを含むポリアミド組成物を提供することであり、これらの組成物が定義された最大の曇り度および最小の光透過率特性を示すようにする。本発明の組成物の特徴は加工が容易であることであり、当業者の間で広く理解された様々な方法のうちのいずれかを使用した溶融混合にそれらが非常に適している。本発明の組成物の利点は、光学的透明度がその重要な特徴である、広範囲の物品に従来の溶融加工技術を使用して、それらが容易に成形されることである。これらおよび他の目的、本発明の特徴および利点は、以下の本発明の説明を参照すれば、一層よく理解されるようになるであろう。
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,404,317号明細書
【特許文献2】特開平03−033157号公報
【非特許文献1】「ジャーナル・オブ・サーマル・アナライシス・アンド・カロリメトリー(Journal of Thermal Analysis and Calorimetry)」、第69巻(2002年)37〜52頁
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書では、
(i)約50〜約95重量パーセントの少なくとも1種の非晶質半芳香族ポリアミドであって、
(a)約20〜約49モルパーセントのイソフタル酸、
(b)約1〜約30モルパーセントのテレフタル酸、
(c)約25〜約50モルパーセントのヘキサメチレンジアミン、
(d)任意選択的に0〜約25モルパーセントの少なくとも1種の脂環式ジアミン、
(e)任意選択的に0〜約40モルパーセントの1種または複数種のアミノカルボン酸および/またはラクタム
から誘導される反復単位を含み、
約4J/g未満の融解熱を有する非晶質半芳香族ポリアミドと、
(ii)約5〜約50重量パーセントの少なくとも1種の半結晶質半芳香族ポリアミドであって、
(f)テレフタル酸および、任意選択的に、1種または複数種の追加の芳香族または脂肪族の二酸、
(g)少なくとも1種の脂肪族ジアミン、および
(h)任意選択的に、1種または複数種のアミノカルボン酸および/またはラクタム
から誘導される反復単位を含み、
該テレフタル酸が(f)の約50〜100モルパーセントを構成し、1種または複数種のアミノカルボン酸またはラクタムが(f)+(g)+(h)の総量の0〜約25モルパーセントを構成し、
少なくとも約280℃の融点および少なくとも約5J/gの融解熱を有する該半結晶質半芳香族ポリアミドとの溶解混合ブレンドを含む透明ポリアミド組成物であって、
ASTM D1003に従って、組成物の厚さ2mmの試料を測定する場合に、組成物が12未満の曇り度および少なくとも約65パーセントの光透過率を有する透明ポリアミド組成物が開示され、かつ請求される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の透明な組成物は、少なくとも1種の非晶質半芳香族ポリアミドおよび少なくとも1種の半結晶質半芳香族ポリアミドを含む。
【0008】
本明細書で使用され、かつ当業者に理解される、テレフタル酸、イソフタル酸およびジカルボン酸という用語はまた、カルボン酸エステル、ジエステルおよび酸塩化物を含みうる、これらの材料の対応するカルボン酸誘導体をも指す。
【0009】
(非晶質半芳香族ポリアミド)
少なくとも1種の非晶質半芳香族ポリアミドは、約20〜約49モルパーセントのイソフタル酸、約1〜30モルパーセントのテレフタル酸、および約25〜約50モルパーセントのヘキサメチレンジアミン由来の反復単位を含む。ポリアミドは、任意選択的に、0〜約25モルパーセント(かつ使用される場合、好ましくは約1〜25モルパーセント)の1種または複数種の脂環式(alicylic)ジアミンを含んでもよい。ただし、モル百分率は非晶質ポリアミドの総量を基準にする。非晶質ポリアミドの約40モルパーセント以下の反復単位は、任意選択的に、1種または複数種のアミノカルボン酸(または酸誘導体)、および/またはラクタム、および/または4〜20個の炭素原子を含有する脂肪族ジカルボン酸、および/または4〜20個の炭素原子を含有する脂肪族ジアミンに由来しうる。
【0010】
脂環式ジアミンは好ましくは少なくとも1つのシクロヘキサン部分を含有する。好適な脂環式ジアミンの例には、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、およびビス(p−アミノシクロヘキシル)メタンが挙げられる。いずれの脂環式ジアミンの立体異性体も使用されうる。
【0011】
非晶質ポリアミドは、さらに以下の詳細な説明に記載する通りに測定すると、約4J/g未満の融解熱を有する。
【0012】
非晶質ポリアミドは、存在する半結晶質および非晶質ポリアミドの総量を基準にして、約50〜約95重量パーセントで、またはさらに好ましくは約70〜約92重量パーセントで存在する。
【0013】
(半結晶質半芳香族ポリアミド)
少なくとも1種の半結晶質半芳香族ポリアミドは、6〜20個の炭素原子を有する、テレフタル酸モノマーおよび1種または複数種の脂肪族ジアミンモノマー由来の反復単位を含む。半結晶質ポリアミドは、1種または複数種の追加の脂肪族または芳香族ジカルボン酸モノマー由来の反復単位を任意選択的に含有しうる。さらに、半結晶質ポリアミドは、1種または複数種のアミノカルボン酸(または酸誘導体)および/またはラクタム由来の反復単位を任意選択的に含有しうる。
【0014】
追加のジカルボン酸モノマーの好適な例には、好ましくは6〜20個の炭素原子を有するものが挙げられ、かつこれらに限定されるものではないが、イソフタル酸、ドデカン二酸、セバシン酸およびアジピン酸が挙げられる。テレフタル酸モノマーは、半結晶質ポリアミドを製造するために使用されるジカルボン酸モノマーの約50〜100モルパーセントを構成する。
【0015】
脂肪族ジアミンモノマーは直鎖状または分岐状であってもよい。好ましい脂肪族ジアミンは、ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,10−ジアミノデカンおよび1,12−ジアミノドデカンを含む。半結晶質半芳香族ポリアミドの反復単位が由来されうるもとになるアミノカルボン酸(または酸誘導体)および/またはラクタムの好適な例には、カプロラクタム、11−アミノウンデカン酸、およびラウロラクタムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0016】
使用される場合、1種または複数種のアミノカルボン酸およびラクタムは、半結晶質ポリアミドを製造するために使用される全モノマーの約1〜約25モルパーセントで存在することが好ましいであろう。
【0017】
好ましい半結晶質ポリアミドの例には、ヘキサメチレンアジパミド/ヘキサメチレンテレフタルアミドコポリアミド(ポリアミド6,T/6,6)、ヘキサメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリアミド(ポリアミド6,T/D,T)、ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド)(ポリアミド12,T)、ポリ(デカメチレンテレフタルアミド)(ポリアミド10,T)、デカメチレンテレフタルアミド/デカメチレンドデカノアミドコポリアミド(10,T/10,12)およびポリ(ノナメチレンテレフタルアミド)(ポリアミド9,T)が挙げられる。
【0018】
半結晶質ポリアミドは、少なくとも約280℃の融点を有し、かつ好ましくは約340℃未満である。半結晶質ポリアミドは、少なくとも約5J/gの融解熱を有する。本明細書において、融解熱は、20℃/分の加熱速度でASTM D3418−82によって測定する。融解吸熱のピークは融点として取られる。融解熱は融解吸熱下の面積として取られる。これらのすべてを二次加熱で測定するとは、試料を融点および/またはガラス転移点のいずれか高い方を超えるまで20℃/分で加熱し、次いで、該試料を30℃まで20℃/分で冷却することを意味する。加熱サイクルが再び開始され、次いで二次加熱で測定が行われ、さらに20℃/分でも行われた。
【0019】
半結晶質ポリアミドは、存在する半結晶質および非晶質ポリアミドの総量を基準にして、約5〜約50重量パーセント、またはより好ましくは約8〜約30重量パーセントで存在する。
【0020】
(添加剤)
本発明の組成物は、様々な添加剤のいずれかを、単独でまたは互いに組合せて含有しうる。これらの添加剤は、紫外線(UV)光安定剤、蛍光増白剤、滑剤、酸化防止剤および/または熱安定剤、着色剤、およびナノ粒子充填剤から選択されてもよく、目的の特性に従う。これらの各添加剤について、直ちに以下にさらに詳細に述べる。
【0021】
本発明の組成物は、組成物の総重量を基準にして、紫外線(UV)光安定剤の約0.05〜約2.5重量パーセントを任意選択的に含みうる。好適な紫外線安定剤は、ヒンダードアミン光安定剤、ベンゾトリアゾール、レゾルシノール、ベンゾフェノンおよびサリチル酸を含む。好ましい紫外線光安定化剤はN−(2−エトキシフェニル)−N’−(2−エチルフェニル)−エタンジアミドである。
【0022】
本発明の組成物は、少なくとも1種の蛍光増白剤の、組成物の総重量を基準にして、約0.001〜約3重量パーセントを任意選択的に含みうる。蛍光増白剤の例には、ビス(ベンゾオキサゾリルスチルベン)、ジアミノスチルベン、およびビス(トリアゾリル(triazoyl))スチルベンなどのスチルベン;ビス(ベンゾオキサゾリル(benzoxazoyls));ピラゾール;およびジスチリルビフェニルが挙げられる。好ましい蛍光増白剤は4−4’−ビス(2−ベンゾオキサゾリル)スチルベンであり、これはイーストブライト(Eastobrite)(登録商標)OB−1としてイーストマン・ケミカル(Eastman Chemical)から入手可能である。
【0023】
組成物は、滑剤およびプロセス助剤の、組成物の総重量を基準にして約0.001〜約1重量パーセントを任意選択的に含みうる。好ましい滑剤はジステアリン酸アルミニウムである。
【0024】
組成物は、約0.01〜約1重量パーセントの酸化防止剤および/または熱安定剤、約0.1〜約1重量パーセントの着色剤、約0.5〜約3重量パーセントのナノ粒子などの他の添加剤を任意選択的に含みうる。ただし、それらの存在が、かなりまたは有害に曇り度を上昇させないか、あるいは組成物の光透過率を低下させないことを条件とする。酸化防止剤と熱安定剤の例には、ヒンダードフェノールおよびヒドロキノンが挙げられる。ナノ粒子の例には、ナノ粘土が挙げられる。
【0025】
本発明の組成物は、任意の既知の方法を使用して、成分を溶融混合することによって製造される。成分材料は、単一または二軸押出機、ブレンダー、捏和機、バンブリミキサーなどの溶融混合機を使用して均質に混合され、樹脂組成物が得られる。あるいは、材料の一部を溶融混合機中で混合し、次いで材料の残りを加えて、均質になるまでさらに溶解混合してもよい。
【0026】
本発明の組成物は透明である。透明であるとは、組成物の厚さ2mmの試料をASTM D1003に従って測定する場合に、それらが12以下の曇り度および少なくとも約65パーセントの、または好ましくは少なくとも約75パーセントの光透過率を有することを意味する。
【0027】
組成物は、射出成形、押出し、ブロー成形、射出ブロー形成、熱成形などの任意の好適な溶融加工技術を使用して、物品に形成してもよい。
【0028】
本発明の組成物は、光学的透明度および良好な機械的性質が望ましい、任意の多種多様な物品の製造に好適である。上記の一般法則に限定することを意図せずに、本発明の組成物から形成された物品は、燃料および/または油タンク用のあるいはリザーバ用のサイトウィンドウを含みうる。他の好適な用途は、光学的に透明であり、かつ良好な機械的性質および耐クリープ性を有する部品の使用を必要とするものである。
【実施例】
【0029】
曇り度および光透過率を、ASTM D1003−61に従い、積分球透過率計によって、厚さ2mmの試料について測定した。直径200〜250mmの球体は無光沢な白色の内側面を有する。光電管は、球体内部の散乱光の一定の強度を検出する。試験片が存在しない場合、1.3度の環状ギャップで、円偏光トラップは入射光線をすべて捕らえる。これらの測定から、全透過率TはT=I2/I1として計算される。また次のような拡散透過率T
=(I4−I3(I2/I1))/I1
式中、
I1:入射光
I2:試験片によって透過した全光
I3:機器によって散乱した光
I4:機器および試験片によって散乱した光
曇り度=100×(Td/Tt)
【0030】
破断点伸び、引張特性、およびノッチ付アイゾッド衝撃強さを、乾燥−成形された試料について23℃で標準のISO試験手順を使用して測定した。
【0031】
耐クリープ性を、時間−温度重ね合せの原理に基づいた、加速クリープ試験方法を使用して、動的機械的分析器で測定した。本方法は一般に、(非特許文献1)に記載されている。時間は試料の加熱によりシミュレートされる。各試料について、動的機械的分析器において10×42×4.2mmの屈曲棒を留め、2000psiの一定した応力荷重をかけた。実験は約26℃で始められ、温度は5℃ずつ上昇して約110℃になった。各温度で試料が約30分で温度と平衡になるようにし、15分間荷重をかけて、60分間で回復するようにした。
【0032】
(実施例1〜4)
表1で示される成分は、押出しによって組合せられ溶解混合された。58mmの二裂の(bilobal)二軸押出機を、実施例1および2の場合に使用し、57mmの三裂押出機を実施例3および実施例4の場合に使用した。溶融温度は、約340〜約345℃の範囲であった。
【0033】
非晶質ポリアミドAは、約50モルパーセントのヘキサメチレンジアミン、約15モルパーセントのテレフタル酸、および約35モルパーセントのイソフタル酸由来のポリアミドである。半結晶質ポリアミドAは、約300℃の融点を有するポリアミド6,T/D,Tである。紫外線光安定化剤は、クラリアント(Clariant)社からサンデュヴァー(Sanduvor)VSUとして市販されている、N−(2−エトキシフェニル)−N’−(2−エチルフェニル)−エタンジアミドである。蛍光増白剤は、イーストマン・ケミカル(Eastman Chemical)から入手可能なイーストブライト(Eastobrite)(登録商標)OB−1である。
【0034】
【表1】

【0035】
(実施例5〜9および比較例1)
表2で示される成分は、40mmの二軸押出機を使用して、押出しによって組合せられ溶解混合された。溶融温度は、約340〜約345の範囲であった。非晶質ポリアミドBは、約47モルパーセントのヘキサメチレンジアミン、約3モルパーセントの脂環式ジアミン、約15モルパーセントのテレフタル酸、および約35モルパーセントのイソフタル酸由来のポリアミドである。半結晶質ポリアミドAは、約300℃の融点を有するポリアミド6,T/D,Tである。半結晶質ポリアミドBは、約312℃の融点を有するポリアミド6,T/6,6である。
【0036】
上述のように、各組成物の耐クリープ性を測定し、10時間までの合計時間でシミュレートした後の全歪みパーセント(弾性歪みとクリープ歪みの合計)は、表2に示されている。表2で報告された初期歪みは弾性歪みである。より低い歪みパーセントはより大きな耐クリープ性に対応する。
【0037】
比較例1(非晶質ポリアミド)と、実施例5〜9(非晶質ポリアミドと半結晶質半芳香族ポリアミドとのブレンド)との比較は、半結晶質半芳香族ポリアミドの存在が組成物の耐クリープ性を有意に改良することを示す。
【0038】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)約50〜約95重量パーセントの少なくとも1種の非晶質半芳香族ポリアミドであって、
(a)約20〜約49モルパーセントのイソフタル酸、
(b)約1〜約30モルパーセントのテレフタル酸、
(c)約25〜約50モルパーセントのヘキサメチレンジアミン、
(d)任意選択的に0〜約25モルパーセントの少なくとも1種の脂環式ジアミン、および
(e)任意選択的に0〜約40モルパーセントの1種または複数種のアミノカルボン酸および/またはラクタム
から誘導される反復単位を含み、
約4J/g未満の融解熱を有する前記非晶質半芳香族ポリアミドと、
(ii)約5〜約50重量パーセントの少なくとも1種の半結晶質半芳香族ポリアミドであって、
(f)テレフタル酸および、任意選択的に、1種または複数種の追加の芳香族または脂肪族の二酸、
(g)少なくとも1種の脂肪族ジアミン、および
(h)任意選択的に、1種または複数種のアミノカルボン酸および/またはラクタム
から誘導される反復単位を含み、
前記テレフタル酸が(f)の約50〜100モルパーセントを構成し、前記1種または複数種のアミノカルボン酸および/またはラクタムが(f)+(g)+(h)の総量の0〜約25モルパーセントを構成し、
少なくとも約280℃の融点および少なくとも約5J/gの融解熱を有する半結晶質半芳香族ポリアミドと
の溶融混合ブレンドを含む透明ポリアミド組成物であって、
ASTM D1003に従って、組成物の厚さ2mmの試料を測定する場合に、組成物が12未満の曇り度および少なくとも約65パーセントの光透過率を有することを特徴とする透明ポリアミド組成物。
【請求項2】
前記半結晶質半芳香族ポリアミドが、ポリアミド6,T/6,6;ポリアミド6,T/D,T;ポリアミド12,T;ポリアミド10,T;ポリアミド10,T/10,12;およびポリアミド9,Tの1種または複数種からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
少なくとも1種の紫外線安定剤、少なくとも1種の蛍光増白剤、少なくとも1種の滑剤、少なくとも1種の酸化防止剤および/または熱安定剤、少なくとも1種の着色剤、および/または少なくとも1種のナノ粒子充填剤からなる群から選択される1種または複数種の添加剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
少なくとも1種の紫外線安定剤が、組成物の総重量を基準にして、約0.5〜約2.5重量パーセントで存在することを特徴とする請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
少なくとも1種の蛍光増白剤が、組成物の総重量を基準にして、約0.001〜約3重量パーセントで存在することを特徴とする請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
少なくとも1種の滑剤が、組成物の総重量を基準にして、約0.001〜約1重量パーセントで存在することを特徴とする請求項3に記載の組成物。
【請求項7】
少なくとも1種の酸化防止剤および/または熱安定剤が、組成物の総重量を基準にして、約0.01〜約1重量パーセントで存在することを特徴とする請求項3に記載の組成物。
【請求項8】
少なくとも1種の着色剤が、組成物の総重量を基準にして、約0.1〜約1重量パーセントで存在することを特徴とする請求項3に記載の組成物。
【請求項9】
少なくとも1種のナノ粒子充填剤が、組成物の総重量を基準にして、約0.5〜約3重量パーセントで存在することを特徴とする請求項3に記載の組成物。
【請求項10】
脂環式ジアミンが1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、およびビス(p−アミノシクロヘキシル)メタンの1種または複数種であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
非晶質半芳香族ポリアミドが(d)約1〜約25モルパーセントの少なくとも1種の脂環式ジアミン由来の反復単位を含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
蛍光増白剤が少なくとも1種のスチルベン、ピラゾール、および/またはジスチリルビフェニルであることを特徴とする請求項5に記載の組成物。
【請求項13】
滑剤がジステアリン酸アルミニウムであることを特徴とする請求項6に記載の組成物。
【請求項14】
請求項1に記載の組成物から製造されたことを特徴とする物品。
【請求項15】
燃料または油タンクあるいはリザーバ用のサイトウィンドウの形態であることを特徴とする請求項14に記載の物品。

【公表番号】特表2008−510040(P2008−510040A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525821(P2007−525821)
【出願日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【国際出願番号】PCT/US2005/028705
【国際公開番号】WO2006/020845
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】