説明

透明両面粘着シートおよび画像表示装置

【課題】優れた粘着力、加熱や紫外線によって黄変しない光学信頼性、並びに、被着体を酸化劣化させない腐食信頼性を備えた新たな透明両面粘着シートを提供する。
【解決手段】
(メタ)アクリル酸エステルを単量体として重合乃至共重合してなるアクリル系ポリマーと、下記式(1)で表されるアミン化合物とを含有する粘着剤組成物から形成されることを特徴とする透明両面粘着シートを提案する。
CH=CH(R)−X−N(R)(R)・・・(1)
(式中、Rは水素又はメチル基であり、R及びRはそれぞれ独立に水素又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、XはC(=O)(R)、O(R)、COO(R)、OCO(R)、CONH(R)、C(=O)、O、COO、OCO及びCONHのいずれかであって、前記Rは炭素数1〜6の炭化水素基である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばパソコン、モバイル端末(PDA)、ゲーム機、テレビ(TV)、カーナビ、タッチパネル、ペンタブレットなどの画像表示装置、例えばプラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ(OLED)、電気泳動ディスプレイ(EPD)、干渉変調ディスプレイ(IMOD)などの画像表示パネルを用いた画像表示装置において、各構成部材を貼り合わせるのに好適な透明両面粘着シート、中でもITO膜やIGZO膜などのように酸化劣化し易い部分を有する構成部材を貼り合わせるのに特に好適な透明両面粘着シートに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばパソコン、モバイル端末(PDA)、ゲーム機、テレビ(TV)、カーナビ、タッチパネル、ペンタブレットなどの画像表示装置、例えばプラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ(OLED)、電気泳動ディスプレイ(EPD)、干渉変調ディスプレイ(IMOD)などの平面型画像表示パネルを用いた画像表示装置においては、視認性確保や破損防止などのため、各構成部材間に空隙を設けず、各構成物材間を粘着シートや液状粘着剤で貼り合わせて一体化することが行われている。
【0003】
例えばタッチパネルディスプレイにおいては、表面保護パネルと液晶モジュールとの間にタッチパネルが介在した構成が現在の主流となっており、これらの構成部材を積層する際は、視認性確保や破損防止のために、表面保護パネルとタッチパネル間、並びに液晶モジュールとタッチパネル間を粘着シートや粘着剤で貼着して一体化することが行われている。
【0004】
ところで、粘着シートや液状粘着剤などの組成や調製方法を決定する際、接着力や凝集力など粘着材としての基本物性を付与するために、カルボン酸基等の高極性成分を共重合成分乃至添加剤として導入することが一般的に行われている。しかし、このような高極性成分は酸化作用を有しているため、高温高湿等の環境下や長期保管によって粘着シートが被着体の酸化劣化等を引き起こすことがあった。このような被着体の酸化劣化は、ITO膜やIGZO膜などのような金属部材からなる部分を備えた構成部材を貼り合わせる場合には特に留意する必要がある。
【0005】
そこで、このような問題点に鑑みて、カルボキシル基などの酸性成分を粘着剤組成物に導入しないことにより、被着体の酸化劣化を抑制する提案が為されている。例えばアルコキシアルキルアクリレート(成分A)及び水酸基を有するアクリル系モノマー(成分B)を必須の単量体成分として構成される質量平均分子量40万〜160万のアクリル系ポリマーを含む粘着剤組成物が提案されている(特許文献1参照)。
ところが、高極性成分代替としての水酸基導入(1)は、接着力等粘着物性や耐発泡性が従来品に及ばず、必ずしも満足できるものではなかった。
【0006】
また、(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(B)官能基含有不飽和単量体および(C)開環しない2個以上の窒素原子含有複素環構造を有するエチレン性不飽和単量体成分からなる共重合体を主成分とする樹脂組成物と、架橋剤とを含有してなる粘着材組成物なども提案されている(特許文献2参照)。
含窒素化合物(C)は、粘着物性への寄与はあるものの、加熱や紫外線に対する安定性に劣り、黄変等光学的な信頼性が得難いため、画像表示装置などの光学系用途には不向きであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−215923号公報
【特許文献2】特開2007−246882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
画像表示装置用の粘着シートとしては、上述のように、加熱や紫外線などによって黄変などせず、しかも、被着体を酸化劣化させない性質を有することが重要であるほか、構成部材間の空隙を充填するに足る十分な厚みを得られることが求められる場合があるため、溶剤系の粘着剤組成物ではなく、ホットメルト系の粘着剤組成物から作製できる組成のものが好ましい。
【0009】
そこで本発明は、優れた粘着力を有することは勿論、加熱や紫外線などによって黄変しない光学信頼性、並びに、仮にカルボキシル基などの酸性成分を含んでいても、被着体を酸化劣化させない腐食信頼性を備えており、好ましくは、ホットメルト系の粘着剤組成物から作製できる、新たな透明両面粘着シートを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者が上記課題を解決するために鋭意検討したところ、特定のアクリル系ポリマーと特定のアミン化合物とを組み合わせて粘着剤組成物を調製するに当たり、極性を有する特定のアミン化合物を配合することにより、粘着剤としての粘着力並びに耐発泡信頼性を高めることができるばかりか、特定のアミン化合物は、粘着剤組成物中の酸性成分を安定化させて被着体の腐食劣化を有効に抑制できることを見出した。また、アミノ基などの黄変の原因成分を含んでいても、アクリル酸エステル共重合体組成成分由来の酸成分によって該黄変原因成分を安定化させることができることを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至ったものである。
【0011】
すなわち、本発明は、(メタ)アクリル酸エステルを単量体として重合乃至共重合してなるアクリル系ポリマーと、下記式で表されるアミン化合物とを含有する粘着剤組成物から形成されてなることを特徴とする透明両面粘着シートを提案するものである。
CH=CH(R)−X−N(R)(R
(式中、Rは水素又はメチル基であり、R及びRはそれぞれ独立に水素又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、XはC(=O)(R)、O(R)、COO(R)、OCO(R)、CONH(R)、C(=O)、O、COO、OCO及びCONHのいずれかであって、前記Rは炭素数1〜6の炭化水素基である。)
【発明の効果】
【0012】
本発明が提案する透明両面粘着シートにおいて、上記の如き特定のアミン化合物は、極性を有するため、粘着剤としての粘着力並びに耐発泡信頼性を高めることができるばかりか、粘着剤組成物中の酸性成分を安定化させることができるため、たとえカルボキシル基などを含んでいても、被着体の酸化劣化を抑えて腐食信頼性を得ることができる。また、アクリル酸エステル共重合体組成成分由来の酸成分は、黄変の原因成分であるアミン化合物中のアミノ基を安定化させて黄変を抑制することができるため、加熱や紫外線などによって黄変しない光学信頼性をも得ることができる。
さらに、本発明が提案する透明両面粘着シートは、溶剤を用いないホットメルト系の粘着剤組成物から作製できるため、構成部材間の空隙を充填するに足る十分な厚みを持たせることができる。
【0013】
よって、本発明が提案する透明両面粘着シートは、例えばパソコン、モバイル端末(PDA)、ゲーム機、テレビ(TV)、カーナビ、タッチパネル、ペンタブレットなどの画像表示装置、例えばプラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ(OLED)、電気泳動ディスプレイ(EPD)、干渉変調ディスプレイ(IMOD)などの画像表示パネルを用いた画像表示装置において、各構成部材を貼り合わせるのに好適である。その中でも、被着体を酸化劣化させない腐食信頼性の観点から、ITO膜やIGZO膜などのように酸化劣化し易い電極を備えたタッチパネルを貼り合わせるのに特に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】後述する実施例で行った耐腐食信頼性の評価試験方法を説明するための図であり、(A)は耐腐食信頼性評価用ITOガラス基板のITOパターンの上面図、(B)は、耐腐食信頼性評価用ITOガラス基板上に粘着シートを被覆した状態を示した上面図、(C)は耐腐食信頼性評価用サンプルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための形態例に基づいて本発明を説明するが、本発明が次に説明する実施形態に限定されるものではない。
【0016】
<透明両面粘着シート>
本実施形態に係る透明両面粘着シート(以下、「本粘着シート」と称する。)は、(メタ)アクリル酸エステルを単量体として重合乃至共重合してなるアクリル系ポリマーと、特定の第アミン化合物と、必要に応じて架橋剤などとを含有する粘着剤組成物(以下、「本粘着剤組成物」と称する。)から形成することができる。
【0017】
なお、本粘着シートは、本粘着剤組成物を使用して形成された層を有するものであればよく、本粘着剤組成物から形成された単層構成からなるものに限らず、本粘着剤組成物以外の他の粘着剤組成物から形成した層との複層構成からなるものであってもよい。
【0018】
(アミン化合物)
本粘着剤組成物は、下記式(1)で表されるアミン化合物を含むことが重要である。
CH=CH(R)−X−N(R)(R)・・(1)
【0019】
このようなアミン化合物は、極性成分を有するので、それ自身が粘着力を付与する成分として働くことができる。
また、上記アミン化合物はそれ自体が腐食性を有さないばかりか、本粘着剤組成物に含まれるアクリル系ポリマーが腐食に起因するカルボキシル基などの酸成分を有する場合であっても、上記アミン化合物のアミノ基が、アクリル系ポリマーの酸成分と配位結合を形成して、酸成分を安定化させることができるので、酸成分による腐食作用を抑制することができる。
さらに、上記アミン化合物は、配位結合性の塩基性のほかに、共有結合性の二重結合基を含むため、アクリル系ポリマー中の酸成分とアミノ基との配位結合状態が温湿度変化等によって可逆的に変化した場合も、前記共有結合性基をアクリルポリマーにグラフトさせて共有結合を形成することで、添加モノマーの溶出や不均一化による粘着特性の経時変化を抑制することができる。よって、環境中に溶出したりブリードアウトしたりするのを防ぐこともできる。 なお、本粘着シートにおいて、アミン化合物は、アクリル系ポリマーと共重合させてベースポリマーとするのではなく、ベースポリマーに添加させてグラフト重合させることで、ホットメルト成形する場合でも、少量で効率よく作用できると考えられる。
【0020】
上記アミン化合物を表す上記式(1)において、Rは水素又はメチル基であればよく、中でも重合反応性の観点から水素であるのが好ましい。
【0021】
また、上記式(1)において、R及びRはそれぞれ独立に水素又は炭素数1〜6の炭化水素基であればよい。
中でも、組成物または粘着シートとした後の安定性や着色の懸念を軽減する観点から、R及びRのうちの少なくとも一方が炭化水素であることが好ましく、更に好ましくは両方とも炭化水素基であること、すなわち上記アミン化合物が第3級アミンであることが好ましい。
上記アミン化合物の極性や塩基性が強過ぎると、粘着剤組成物をホットメルトした場合に、その極性や塩基性によって自然に架橋してゲル化してしまう可能性がある。これに対して、上記アミン化合物が第3級アミンであれば、適度な極性、適度な塩基性を有するため、ホットメルトした場合に自然に架橋してゲル化してしまうことがないため、ホットメルト系の粘着剤組成物とする場合には、特に第3級アミンであることが好ましい。
【0022】
、Rが示す炭素数1〜6の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基等の飽和炭化水素基のほか、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘプタメチレン基、ヘキサメチレン基、ビニル基、プロペニル基、シクロヘキセニル基、アリル基、ブテニル基、フェニレン基等の不飽和炭化水素基を挙げることができ、これらは適当な原子上に置換基を有していてもよい。
かかる置換基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等の炭化水素基などが挙げられる。これらの置換基位置および置換基数は特に制限されず、複数個置換している場合、それら置換基は同一でも異なっていてもよい。また、R、Rが結合し環状構造を有してもよい。
【0023】
さらに、本粘着剤組成物中の酸性基との配位結合性の観点を加味すると、R及びRは、立体障害の少ないメチル基又はエチル基であるのが好ましく、中でもメチル基であるのがより好ましい。
【0024】
上記アミン化合物を表す上記式(1)において、−X−は、2重結合部分とアミノ基部分の連結部分であり、該連結部の組成は任意である。直接連結されていてもよいし、任意の組成の鎖で連結されていてもよい。具体的には、例えば−C(=O)(R)−、−O(R)−、−COO(R)−、−OCO(R)−、−CONH(R)−、−C(=O)−、−O−、−COO−、−OCO−及び−CONH−などを挙げることができる。
中でも、Xは、(メタ)アクリル酸エステル、ビニルエーテル、アクリルアミド及びアセチルビニル基から選ばれるいずれかであるものが好ましく、その中でも、耐加水分解性並びに優れた反応性の観点から、アクリル酸エステル又はアクリルアミド基が好ましい。
【0025】
上記XにおけるRは、炭素数1〜6の炭化水素基であればよい。例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基、シクロヘキシレン基等を挙げることができる。なお、環状構造を有する場合について、両官能基の結合位は任意である。
これらの中でも、二重結合性基及びアミノ基のお互いが反応に係る立体障害とならないために、前記炭化水素基の炭素数は2以上(エチレン基以降)であるのが好ましい。
【0026】
なお、本粘着剤組成物をホットメルト系の粘着剤組成物として調製する場合には、上記アミン化合物の極性や塩基性が強過ぎると、粘着剤組成物をホットメルトした際に、その極性や塩基性によって自然に架橋してゲル化してしまうため、極性の高い反応基を有しないアミン化合物であるのがより一層好ましい。
【0027】
上記アミン化合物の具体例としては、例えばN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N、N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート,ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート,ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
【0028】
(アクリル系ポリマー)
本粘着剤組成物は、上記アミン化合物以外に、(メタ)アクリル酸エステルを単量体として重合乃至共重合してなるアクリル系ポリマーを含むものである。
【0029】
アクリル系ポリマーとしては、より好適には (メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体を挙げることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体を形成するために用いる(メタ)アクリレート、即ち、アルキルアクリレート又はアルキルメタクリレート成分としては、アルキル基がn−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、n−ブチル、イソブチル、メチル、エチル、イソプロピルのうちのいずれか1つであるアルキルアクリレート又はアルキルメタクリレートの1種又はこれらから選ばれた2種以上の混合物であるのが好ましい。
その他の成分として、カルボキシル基、水酸基、グリシジル基等の有機官能基を有するアクリレート又はメタクリレートを共重合させてもよい。具体的には、前記アルキル(メタ)アクリレート成分と有機官能基を有する(メタ)アクリレート成分とを適宜に選択的に組み合わせた単量体成分を出発原料として加熱重合して、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体ポリマーを得ることができる。中でも好ましくは、イソ−オクチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレートの1種又はこれらから選ばれた2種以上の混合物か、或いは、イソ−オクチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等から少なくとも1種類以上と、カルボキシル基、水酸基、グリシジル基等の有機官能基を有するアクリレート又はメタクリレートとを共重合させたものを挙げることができる。
また、(メタ)アクリレート以外にも、重合可能なビニルエーテル化合物を上記(メタ)アクリル酸エステルと共に共重合させてもよい。
【0030】
より具体的には、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリート、n−ブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート等の単量体成分(a)と、親水性や有機官能基などをもつ酢酸ビニル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、アクリルニトリル、メタクリルニトリル、フッ素アクリレート、シリコーンアクリレート等の単量体成分(b)とを共重合させて得られる(メタ)アクリル酸エステル共重合体を好ましい例として挙げることができる。
【0031】
これらの単量体を用いた重合処理としては、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合などの公知の重合方法が採用可能であり、その際に重合方法に応じて熱架橋開始剤や光架橋開始剤などの架橋開始剤を用いることにより(メタ)アクリル酸エステル共重合体を得ることができる。
【0032】
上記したアクリル系ポリマーとして、カルボキシル基を有する単量体と、(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体であるアクリル系ポリマーを例示することができる。より具体的には、アクリル酸が共重合されて成る共重合体を用いた場合、凝集力や粘着力に富み、粘着材としての好適な諸物性を発現することができるが、これに由来する酸性分の影響により、金属物質を有する被着体に適用させると、被着体が腐食する虞がある。
しかしながら、上述したように、本粘着シートを形成するために用いる粘着剤組成物には、特定の第3級アミンを含有されているため、このような腐食の問題が低減されている。
【0033】
よって、本粘着剤組成物には、アクリル系ポリマーとして、カルボキシル基を有する単量体と、(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体を用いることが好ましく、中でもアクリル酸を含む(メタ)アクリル酸エステル共重合体を用いることがより一層好ましい。
【0034】
溶剤を使用しない場合には、分子量が大きなベースポリマーを使用することが難しいため、アクリル系ポリマーの質量平均分子量は10万〜70万、特に20万〜60万、中でも特に25万〜50万であるのが好ましい。
【0035】
(配合割合)
本粘着剤組成物において、アクリル系ポリマーと、アミン化合物との配合割合は、アクリル系ポリマー100質量部に対し、アミン化合物が0.08〜10質量部の範囲であるのが好ましく、中でも1質量部以上或いは8質量部以下であるのがより好ましく、その中でも5質量部以下であることがより一層好ましい。
【0036】
また、前記アクリル系ポリマーとして、カルボキシル基を有する単量体と、(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体を用いる場合には、粘着剤組成物における、カルボキシル基を有する前記単量体のモル当量(A)と、粘着剤組成物における前記アミン化合物のモル当量(B)との関係が次の関係式(2)を満足するように調製するのが好ましい。
0.3×(A)≦(B)≦2.0×(A)・・・(2)
このような関係式(2)を満足するようにアミン化合物を配合することで、アミノ基に起因する着色をより効果的に抑えることができ、粘着性能を損なわずITOなどの酸化劣化をより効果的に抑制することができ、さらには極性材料の導入によって粘着シートの湿熱白化をより効果的に抑制することができる。
【0037】
(架橋剤、架橋開始剤)
本粘着剤組成物は、架橋剤乃至架橋開始剤を配合し、アクリル系ポリマーを架橋するように調製することもできる。
例えば、上記したアクリル酸エステル系(共)重合体を架橋する際には、アクリル酸エステル(共)重合体中に導入した水酸基やカルボン酸基等の反応性基と化学結合しうる架橋剤を添加し、加熱や養生により反応させる方法や、架橋剤としての(メタ)アクリロイル基を2個以上有する多官能(メタ)アクリレートおよび光架橋開始剤等の反応開始剤を添加し、紫外線照射等によって架橋する方法を挙げることができる。
【0038】
この種の架橋剤としては、例えば例えば(メタ)アクリロイル基を2個以上有する多官能(メタ)アクリレート、或いは、イソシアネート基、エポキシ基、メラミン基、グリコール基、シロキサン基、アミノ基などの有機官能基を2個以上有する多官能有機官能基樹脂、或いは、亜鉛、アルミ、ナトリウム、ジルコニウム、カルシウムなどの金属錯体を有する有機金属化合物などを挙げることができる。
【0039】
これら架橋剤の含有量は、アクリル系ポリマーの架橋性基導入量に対して0.5〜2等量の範囲とするのが好ましい。
【0040】
光架橋開始剤は、光照射によりラジカルを発生させて系中の重合反応の起点となるが、(メタ)アクリル酸エステルやビニル基の反応性ラジカル発生機構は大きく2つに分類され、自身の単結合を開裂し分解してラジカルを発生させるα開裂型と、系中の水酸基などから水素を励起させラジカルを発生させる水素引抜型とがある。これらの中でも、分子間水素引抜型光架橋開始剤を用いることが好ましい。
【0041】
光架橋開始剤の添加量は、特に制限されるものではなく、一般的にはアクリル系ポリマー100質量部に対し、0.1〜10質量部、特に0.2質量部以上或いは5質量部以下、その中でも0.5質量部以上或いは3質量部以下の割合で調整するのが好ましい。但し、他の要素とのバランスでこの範囲を超えてもよい。
【0042】
アクリル酸エステル系(共)重合体を架橋する際には、必要に応じて反応触媒(三級アミン系化合物、四級アンモニウム系化合物、ラウリル酸スズ化合物など)を適宜添加してもよい。
【0043】
(その他の成分)
本粘着剤組成物は、溶剤を用いて調製することも可能であるが、溶剤を用いないホットメルト系の粘着剤組成物として調製することができる。
溶剤を用いないホットメルト系の粘着剤組成物とすれば、溶剤を用いた粘着剤組成物に比べて、より厚みを持たせることができるため、画像表示装置の構成部材間の空隙を充填するに足る十分な厚みを持たせることができる。
【0044】
(製造方法)
本粘着シートは、本粘着剤組成物を離型PET等の工程用剥離フィルムの離型処理面上に目的に厚さになるように製膜し、必要に応じて加熱や紫外線照射等の処理を施して架橋反応を進行させて得ることができる。
【0045】
<用途>
本粘着シートは、例えばパソコン、モバイル端末(PDA)、ゲーム機、テレビ(TV)、カーナビ、タッチパネル、ペンタブレットなどの画像表示装置、例えばプラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ(OLED)、電気泳動ディスプレイ(EPD)、干渉変調ディスプレイ(IMOD)などの画像表示パネルを用いた画像表示装置において、各構成部材を貼り合わせるのに好適である。その中でも、被着体を酸化劣化させない腐食信頼性の観点から、ITO膜やIGZO膜などのように酸化劣化し易い電極を備えたタッチパネルを貼り合わせるのに特に好適である。
【0046】
具体的には、液晶モジュールの視認側と表面保護パネルとの間にタッチパネルが介挿されてなる構成を備えた画像表示装置において、表面保護パネルと液晶モジュールの視認側との間に配置され、タッチパネルと他の構成部材、例えばタッチパネルと液晶モジュール、タッチパネルと表面保護パネルとを貼り合わせるのに特に有用である。すなわち、画像表示装置における表面保護パネルと、液晶モジュールの視認側との間に配設して、2つの部材を貼着・一体化させるために用いることが好ましく、この際、2つの部材のうち、少なくとも1つの部材がタッチパネルであることがより好ましい。
【0047】
ちなみに、通常のタッチパネルには、ITO(酸化インジウム錫)やIGZO(酸化インジウムガリウム亜鉛)などの金属酸化物から形成された透明導電膜を有する上部電極板および下部電極板が備えられている。これらの金属酸化物膜は、腐食性が高く、高温や湿熱環境下において粘着材のアウトガスや溶出成分由来の酸成分などにより腐食して、場合によっては、電極が断線するなどのおそれがある。しかし、本粘着シートは、このような腐食作用が低減されたものであるので、一面側をタッチパネルと当接するようにして貼着させ、他面側にて他の部材と貼着させて用いることが好ましい。
【0048】
前記表面保護パネルとしては、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、脂環式ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂およびエポキシ系樹脂などからなる合成樹脂板や、ガラス板などを挙げることができる。
【0049】
<画像表示装置>
例えば液晶モジュールの視認側と表面保護パネルとの間にタッチパネルが介挿されてなる構成を備えた画像表示装置であって、当該タッチパネルを、本粘着シートを用いて他の構成部材と貼り合わせてなる構成を備えた画像表示装置(「本画像表示装置」と称する)を構成することができる。
【0050】
このように、本画像表示装置は、腐食作用が低減された本粘着シートをタッチパネルと当接するようにして貼着して一体化させてなる構成を有するものであるため、ITOやIGZOなどの金属酸化物からなる膜が、粘着シートに由来する酸成分などにより腐食して電極が断線するなどのおそれがないという利点を有している。
【0051】
(語句の説明など)
なお、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、その厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいい、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいう(日本工業規格JISK6900)。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
また、画像表示パネル、保護パネル等のように「パネル」と表現する場合、板体、シートおよびフィルムを包含するものである。
【0052】
本明細書において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
また、「X以上」(Xは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
【実施例】
【0053】
以下、実施例及び比較例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0054】
<実施例1>
2−エチルヘキシルアクリレート(Tg−70℃)70質量部と、酢酸ビニル(Tg32℃)26質量部と、アクリル酸(Tg106℃)4質量部とをランダム共重合してなるアクリル酸エステル共重合体(Mw=50万)1kgに対し、添加モノマーとして、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート50g並びに光架橋開始剤として4−メチルベンゾフェノン7gを混合してホットメルト用粘着剤組成物を調製した。
【0055】
剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂製「MRA75」厚み75μm、単に「剥離フィルム」とも称する)に、前記粘着剤組成物をホットメルトさせて厚み200μmとなるようアプリケータにて塗工した後、表面に剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂 「MRF50」 厚み50μm、単に「剥離フィルム」とも称する)を被覆させた。
前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離フィルム)越しに、表裏両側から高圧水銀ランプにて2000mJの紫外線を照射して前記粘着剤組成物を架橋させ、厚さ200μmの両面粘着シートを作製した。
【0056】
<実施例2>
添加モノマーとして、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートの代わりに、N、N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド50gを混合した以外は、実施例1と同様にして両面粘着シート2を作製した。
【0057】
<実施例3>
実施例1のアクリル酸エステル共重合体の代わりに、2−エチルヘキシルアクリレート(Tg−70℃)65質量部と、酢酸ビニル(Tg32℃)35質量部とをランダム共重合してなるアクリル酸エステル共重合体(Mw=50万)を用いた以外は、実施例1と同様にして両面粘着シート3を作製した。
【0058】
<実施例4>
2−エチルヘキシルアクリレート(Tg−70℃)20質量部と、ブチルアクリレート(Tg−55℃)78質量部と、アクリル酸アクリル酸(Tg106℃)2質量部とをランダム共重合してなるアクリル酸エステル共重合体(Mw=60万)1kgに対し、添加モノマーとしてN、N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド20g並びに光架橋開始剤として4−メチルベンゾフェノン7gを混合してホットメルト用粘着組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして粘着シート4を作成した。
【0059】
<実施例5>
実施例4において、N、N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド20gを混合した代わりに、N、N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドを45g混合した以外は実施例4と同様にして粘着シート5を作成した。
【0060】
<比較例1>
実施例1のアクリル酸エステル共重合体1kgに対し、光架橋開始剤として4−メチルベンゾフェノン7gを混合してホットメルト用粘着剤組成物を調製した。
剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂製「MRA75」厚み75μm、単に「剥離フィルム」とも称する)に、前記粘着剤組成物をホットメルトさせて厚み200μmとなるようアプリケータにて塗工した後、表面に剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂 「MRF50」 厚み50μm、単に「剥離フィルム」とも称する)を被覆させた。
前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離フィルム)越しに、表裏両側から高圧水銀ランプにて2000mJの紫外線を照射して前記粘着剤組成物を架橋させ、厚さ200μmの両面粘着シートを作製した。
【0061】
<比較例2>
実施例3のアクリル酸エステル共重合体1kgに対し、光架橋開始剤として4−メチルベンゾフェノン7gを混合して粘着剤組成物を調製した。
剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂製「MRA75」厚み75μm、単に「剥離フィルム」とも称する)に、前記粘着剤組成物を厚み200μmとなるようアプリケータにて塗工した後、表面に剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂 「MRF50」 厚み50μm、単に「剥離フィルム」とも称する)を被覆させた。
前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離フィルム)越しに、表裏両側から高圧水銀ランプにて2000mJの紫外線を照射して前記粘着剤組成物を架橋させ、厚さ200μmの両面粘着シートを作製した。
【0062】
<評価>
(光学信頼性)
実施例及び比較例で作成した両面粘着シートの表裏の剥離フィルムを順次剥がして0.5mm厚さのソーダライムガラスに挟みこむように貼着し、光学特性評価用サンプルを作製した。ヘイズメータNDH5000(日本電色工業社製)を用い、粘着材のヘイズを測定した。
作製した光学特性評価用サンプルを、65℃90%RHの湿熱条件下に300時間保管し、取り出して5日後のシートについても同様に測定を行った。このとき、保管直後又は5日後の粘着シートのヘイズが1%を超えるものを「×」、両方のヘイズが1%以下であるものを「○」と判定した。
【0063】
(粘着力)
実施例及び比較例で作製した両面粘着シートについて、一方の剥離フィルムを剥がし、裏打ちフィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績株式会社製;商品名「コスモシャインA4300」、厚み100μm)をハンドローラーにてロール圧着した。これを10mm巾×100mm長の短冊状に裁断し、残る剥離フィルムを剥がして露出した粘着面を、ソーダライムガラスにハンドローラーを用いてロール貼着した。常態にて24時間養生した後、裏打ちフィルムを180°をなす角度に剥離速度60mm/分にて引っ張りながらガラスから粘着シートを剥離し、ロードセルで引っ張り強度を測定して、粘着シートのガラスに対する180°剥離強度を測定した。このときの剥離強度が4N/cm以上であるものを「○」、3N未満であるものを「×」と判定した。
【0064】
(耐腐食信頼性)
ガラス基板(60mm×45mm)上に、線巾70μm、線長さ46mm、線間隔30μmで10.5往復するようにITOの往復線を形成すると共に、該往復線の両末端にITOからなる2mm角の正方形を形成してITOパターン(長さ約97cm)を形成し、耐腐食信頼性評価用ITOガラス基板を作成した(図1(A)を参照)。
実施例及び比較例で作成した粘着シート片面の剥離フィルムを剥がし、その露出面にPETフィルム(東洋紡績製 コスモシャインA4100 125μm)をハンドローラーにて貼着した。次に、前記粘着シートを40mm×45mmに切り出した後、残る剥離フィルムを剥がして、図1(B)に示すように、ITOの往復線上40mm長さを被覆するように、耐腐食信頼性評価用ITOガラス基板に粘着シートをハンドローラーにて貼着し、耐腐食信頼性評価用サンプルを作成した(図1(C)参照)。
作成したサンプルを、65℃90%湿度下に500時間保管し、100時間毎の線末端間抵抗値の変化を追跡した。抵抗値の変化が500時間で5%以上のものを「×」、5%未満を「○」と判定した。
【0065】
【表1】

【0066】
(考察)
実施例1−5で用いたアミン化合物の作用は、主として、極性成分を有する点、アクリル系ポリマーの酸成分と配位結合し得るアミノ基を有している点、共有結合性の二重結合基を含んでいる点に起因していると考えられる。よって、下記式(1)で表されるアミン化合物であれば、実施例1−5で用いたアミン化合物と同様の作用を発揮するものと考えることができる。
CH=CH(R)−X−N(R)(R)・・・(1)
(式中のRは水素又はメチル基であればよく、R及びRはそれぞれ独立に水素又は炭素数1〜6の炭化水素基であればよく、Xは任意であればよい。)
【0067】
さらにまた、特にホットメルト系の粘着剤組成物とする場合には、適度な極性と適度な塩基性を有し、ホットメルトした場合に自然に架橋してゲル化してしまうことがないなどの点で、上記アミン化合物は第3級アミンであるのが好ましい。逆に言えば、共有結合性の二重結合基を含む第3級アミンであれば、実施例1などで用いたN、N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドと同様の効果を得ることができる。
【0068】
また、アクリル系ポリマーが、カルボキシル基を有する単量体と、(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体である場合には、アミン化合物のアミノ基によってカルボキシル基の酸化作用を抑制する必要があるため、カルボキシル基に対して一定以上のアミン化合物を配合するのが好ましいと考えることができる。
上記実施例及び比較例、並びにこれまでの試験結果などから、カルボキシル基を有する前記単量体の粘着剤組成物におけるモル当量(A)と、前記アミン化合物の粘着剤組成物におけるモル当量(B)との関係が次の関係式(2)を満足するように配合するのが好ましいと考えることができる。
0.3×(A)≦(B)≦2.0×(A)・・・(2)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(メタ)アクリル酸エステルを単量体として重合乃至共重合してなるアクリル系ポリマーと、下記式(1)で表されるアミン化合物とを含有する粘着剤組成物から形成されることを特徴とする透明両面粘着シート。
CH=CH(R)−X−N(R)(R)・・・(1)
(式中、Rは水素又はメチル基であり、R及びRはそれぞれ独立に水素又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、XはC(=O)(R)、O(R)、COO(R)、OCO(R)、CONH(R)、C(=O)、O、COO、OCO及びCONHのいずれかであって、前記Rは炭素数1〜6の炭化水素基である。)
【請求項2】
前記アミン化合物が、第3級アミンであることを特徴とする請求項1に記載の透明両面粘着シート。
【請求項3】
前記アクリル系ポリマーが、カルボキシル基を有する単量体と、(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明両面粘着シート。
【請求項4】
前記アクリル系ポリマーが、カルボキシル基を有する単量体と、(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体であり、粘着剤組成物における、カルボキシル基を有する前記単量体のモル当量(A)と、粘着剤組成物における前記アミン化合物のモル当量(B)との関係が次の関係式(2)を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の透明両面粘着シート。
0.3×(A)≦(B)≦2.0×(A)・・・(2)
【請求項5】
前記粘着剤組成物が、分子間水素引抜型光架橋開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透明両面粘着シート。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の透明両面粘着シートからなる画像表示装置用透明両面粘着シートであって、
液晶モジュールの視認側と表面保護パネルとの間にタッチパネルが介挿されてなる構成を備えた画像表示装置において、表面保護パネルと液晶モジュールの視認側との間に配置され、2つの部材を貼着して一体化させるための透明両面粘着シートであり、少なくともその1つの部材がタッチパネルであることを特徴とする画像表示装置用透明両面粘着シート。
【請求項7】
液晶モジュールの視認側と表面保護パネルとの間にタッチパネルが介挿されてなる構成を備えた画像表示装置であって、請求項1〜5のいずれかに記載の透明粘着シートが、タッチパネルと当接して貼着・一体化してなる構成を備えた画像表示装置。

【図1】
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【公開番号】特開2012−246407(P2012−246407A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120135(P2011−120135)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000006172)三菱樹脂株式会社 (1,977)
【Fターム(参考)】