説明

透明電極素子、情報入力装置、および電子機器

【課題】透明導電膜で構成された電極領域の視認性を極限まで低下させることが可能な透明電極素子を提供する。
【解決手段】基材11と、基材11上に設けられた透明導電膜13と、透明導電膜13を用いて構成された電極領域15と、電極領域15に隣接した領域であってランダムな方向に延設された溝パターン17aによって透明導電膜13が独立した島状に分割されている絶縁領域17とを有する透明電極素子1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、透明電極素子、情報入力装置、および電子機器に関し、特にはパターニングされた電極領域を有する透明電極素子と、この透明電極素子を用いた情報入力装置、およびこの透明電極素子を表示パネルに設けたを電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
表示パネルの表示面側に配置される情報入力装置(いわゆるタッチパネル)は、透明基板上にX方向に延びる電極パターンと、Y方向に延びる電極パターンとをそれぞれ絶縁状態で配列させた構成である。これらの電極パターンは、インジウムスズ酸化物(ITO)のような金属酸化物からなる透明導電膜、または金属ナノワイヤーを集積させた透明導電膜を用いて構成されている。
【0003】
このような構成の情報入力装置において、透明導電膜を用いて構成された電極パターンの抵抗値を低く抑えようとした場合、ある程度の膜厚が必要とされる。このため、情報入力装置を外側から見た場合に電極パターンが視認され易くなり、この情報入力装置が配置された表示パネルにおいての表示画像の視認性が低下する要因となる。
【0004】
そこで、電極パターン間にフローティング状態のダミー電極を設けることにより、電極パターンと電極パターン間とのコントラストを抑えて電極パターンの存在を目立たなくする構成が提案されている(例えば下記特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−129708号公報
【特許文献2】特開2010−2958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したダミー電極を設けた構成の情報入力装置であっても、電極パターンとダミー電極との間には、電極パターンに沿って連続して透明導電膜が除去された領域が形成されるため、完全に電極パターンを見えなくすることはできなかった。
【0007】
そこで本技術は、透明導電膜で構成された電極領域の視認性を極限まで低下させることが可能な透明電極素子、および情報入力装置を提供することを目的とする。また本技術は、表示パネルの表示面側に透明導電膜からなる電極領域をパターン形成した構成において、高精彩な表示を行うことが可能とした電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するための本技術の透明電極素子は、基材と、この基材上に設けられた透明導電膜と、この透明導電膜を用いて構成された電極領域とを有している。またさらに、この電極領域に隣接した領域であって、ランダムな方向に延設された溝パターンによって、上述の透明導電膜が独立した島状に分割された絶縁領域を有している。
【0009】
また本技術は、このような構成の透明電極素子を用いた情報入力装置と、このような構成の透明電極素子を表示パネルの表示面側に配置した電子機器でもある。
【0010】
このような構成の透明電極素子では、電極領域に隣接して配置された絶縁領域に、独立した島状に分割された透明導電膜を配置したことにより、電極領域と絶縁領域とのコントラストが小さく抑えられる。特に、絶縁領域の透明導電膜は、ランダムな方向に延設された溝パターンによって分割されている。このため、モアレの発生が抑制され、かつ絶縁領域と電極領域との境界に電極領域に沿って連続した溝パターンが配置されることはなく、電極領域の輪郭が目立たない構成となっている。しかも、絶縁領域における透明導電膜の被覆率は、溝パターンの幅によって広い範囲で調整されるため、透明導電膜の被覆率が高い絶縁領域を構成することができる。これにより、電極領域と絶縁領域とのコントラストを小さくすることが可能になる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本技術によれば、透明導電膜で構成された電極領域を備えた透明電極素子および情報入力装置において、電極領域と絶縁領域とのコントラストを小さく抑え、電極領域の視認性を極限まで低下させることが可能になる。また表示パネルの表示面側に透明導電膜からなる電極領域をパターン形成した電子機器において、電極領域が表示パネルにおいての表示特性に影響を及ぼすことが防止され、高精彩な表示を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態の透明電極素子の構成を説明する平面図である。
【図2】第1実施形態の透明電極素子の構成を説明するための要部を拡大した平面図および断面図である。
【図3】第2実施形態の透明電極素子の構成を説明するための要部を拡大した平面図および断面図である。
【図4】ランダムパターン生成のアルゴリズムを説明する略線図(その1)である。
【図5】ランダムパターン生成のアルゴリズムを説明するフローチャート(その1)である。
【図6】ランダムパターン生成のアルゴリズムを説明する略線図(その2)である。
【図7】ランダムパターン生成のアルゴリズムを説明するフローチャート(その2)である。
【図8】ランダムパターン生成のアルゴリズムを説明する略線図(その3)である。
【図9】ランダムパターンの生成方法のイメージを示す模式図である。
【図10】生成パターンに基づいて作成した電極領域における孔パターンのレイアウト図である。
【図11】生成パターンに基づいて絶縁領域の溝パターンを作成する手順を示す平面図である。
【図12】溝パターンの幅の変更を示す平面図である。
【図13】本技術の透明電極素子の第1の製造方法に用いられる原盤の構成を示す図である。
【図14】原盤を用いた本技術の透明電極素子の第1の製造方法を説明するための断面工程図である。
【図15】本技術の透明電極素子の第2の製造方法を説明するための断面工程図である。
【図16】本技術の透明電極素子の変形例1〜4を示す断面図である。
【図17】本技術の透明電極素子を用いた情報入力装置の構成の一例を示す構成図である。
【図18】情報入力装置を備えた表示装置(電子機器)の構成を説明する斜視図である。
【図19】表示部を備えたテレビ(電子機器)を示す斜視図である。
【図20】表示部を備えたデジタルカメラ(電子機器)を示す斜視図である。
【図21】表示部を備えたノート型パーソナルコンピュータ(電子機器)を示す斜視図である。
【図22】表示部を備えたビデオカメラ(電子機器)を示す斜視図である。
【図23】表示部を備えた携帯端末装置(電子機器)の正面図である。
【図24】実施例1〜3の電極領域および絶縁領域のパターンを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本技術の実施の形態を、図面に基づいて次の順に説明する。
1.第1実施形態(電極領域および絶縁領域にランダムパターンを設けた透明電極素子)
2.第2実施形態(絶縁領域のみにランダムパターンを設けた透明電極素子)
3.透明電極素子のパターン作成方法
4.透明電極素子の第1の製造方法(原盤を用いる方法)
5.透明電極素子の第2の製造方法(パターンエッチングを適用する方法)
6.透明電極素子の変形例1〜4
7.第3実施形態(透明電極素子を用いた情報入力装置)
8.第4実施形態(情報入力装置を用いた表示装置)
9.第5実施形態(電子機器への適用例)
【0014】
≪1.第1実施形態≫
(電極領域および絶縁領域にランダムパターンを設けた透明電極素子)
図1は第1実施形態の透明電極素子の構成を説明する平面図である。図2は図1における拡大部Aの拡大平面図と、この拡大平面図におけるA−A’部分の断面図である。これらの図に示す透明電極素子1は、例えば表示パネルにおける表示面側に好適に配置される透明電極素子であって、以下のように構成される。
【0015】
すなわち透明電極素子1は、基材11と、この基材11上に設けられた透明導電膜13とを備えている。さらにこの透明電極素子1は、透明導電膜13を用いて構成された複数の電極領域15と、これらの電極領域15に隣接して配置された絶縁領域17とを有しており、絶縁領域17にも透明導電膜13が配置されているところが特徴的である。次に各部材および領域の詳細を説明する。
【0016】
<基材11>
基材11は、例えば透明材料で構成されたものであって、例えば、公知のガラスまたは公知のプラスチックを用いることができる。公知のガラスとしては、例えば、ソーダライムガラス、鉛ガラス、硬質ガラス、石英ガラス、液晶化ガラスなどが挙げられる。公知のプラスチックとしては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエステル(TPEE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、アラミド、ポリエチレン(P)、ポリアクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン(PP)、ジアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、環状オレフィンポリマー(COP)、ノルボルネン系熱可塑性樹脂などが挙げられる。
【0017】
ガラスを用いた基材11の厚みは、20μm〜10mmであることが好ましいが、この範囲に特に限定されるものではない。プラスチックを用いた基材11の厚さは、20μm〜500μmであることが好ましいが、この範囲に特に限定されるものではない。
【0018】
<透明導電膜13>
透明導電膜13の材料としては、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化インジウム、アンチモン添加酸化錫、フッ素添加酸化錫、アルミニウム添加酸化亜鉛、ガリウム添加酸化亜鉛、シリコン添加酸化亜鉛、酸化亜鉛−酸化錫系、酸化インジウム−酸化錫系、酸化亜鉛−酸化インジウム−酸化マグネシウム系などの金属酸化物が用いられる。この他にも、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタル、チタン、ビスマス、アンチモン、鉛などの金属、またはこれらの合金などが挙げられる。
【0019】
透明導電膜13の材料としては、この他にもカーボンナノチューブをバインダー材料に分散させた複合材料、または金属ナノワイヤーやこれに有色化合物を吸着させたことで表面での光の乱反射を防止した材料を用いても良い。さらに置換または無置換のポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、およびこれらから選ばれる1種または2種からなる(共)重合体の導電性ポリマーを使用してもよい。これら2種以上を複合して使用してもよい。
【0020】
透明導電膜13の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法などのPVD法や、CVD法、塗工法、印刷法など用いることができる。透明導電膜13の厚みは、パターニング前の状態(基材11の全面に透明導電膜が形成されている状態)にて表面抵抗が1000Ω/□以下となるように適宜選択することが好ましい。
【0021】
<電極領域15>
電極領域15は、透明導電膜13に対して複数の孔パターン15aをランダムに設けた領域として構成されている。つまり電極領域15は、透明導電膜13を用いて構成されており、ランダムパターンとしてランダムな大きさの孔パターン15aがランダムに配列されているのである。ここでは例えば、様々な直径を有する円形の孔パターン15aを、それぞれ独立して透明導電膜13に配置されており、これによって各電極領域15が全体として導電性が確保されているのである。
【0022】
この電極領域15においては、各孔パターン15aに対して設定される直径の範囲によって、透明導電膜13による被覆率が調整されていることとする。この被覆率は、電極領域15に必要とされる導電性が得られる程度に、透明導電膜13の材質および膜厚ごとに設定される。尚、孔パターン15aの直径の範囲による被覆率の調整は、以降のランダムパターンの生成方法の項目において説明する。
【0023】
尚、電極領域15に配置される孔パターン15aの形状は、円形に限定されることはない。孔パターン15aの形状としては、目視により認識できず周期性を持たなければよく、例えば、円形状、楕円形状、円形状の一部を切り取った形状、楕円形状の一部を切り取った形状、多角形状、角を取った多角形状および不定形状からなる群より選ばれる1種または2種以上を組み合わせて用いるようにしてもよい。
【0024】
また、電極領域15は、次に説明する絶縁領域17に溝パターン17aを反転させて透明導電膜13を帯状パターンとして設け、この帯状パターンによって分離された孔パターン15aを配置した構成であっても良い。この場合、電極領域15には、透明導電膜13で構成される帯状パターンがランダムな方向に延設された状態となる。またこのような延設方向がランダムな帯状パターンも、ランダムパターンとなる。
【0025】
ただし、孔パターン15aは、個々のサイズが大きすぎると目視によって形状が視認できてしまう。このため、任意の点からいずれの方向にも100μm以上連続して孔パターン15aおよび透明導電膜13部分が続くような形状部分が、電極領域15中に多数存在する状態は避けることが好ましい。例えば孔パターン15aを円形状にする場合、直径を100μm未満にすることが好ましい。
【0026】
<絶縁領域17>
絶縁領域17は、電極領域15に隣接して配置された領域であり、各電極領域15間を埋め込むと共に、各電極領域15間を絶縁する状態で設けられている。この絶縁領域17に配置された透明導電膜13は、ランダムな方向に延設された溝パターン17aによって独立した島状に分割されている。つまり絶縁領域17は、透明導電膜13を用いて構成されており、ランダムな方向に延設された溝パターン17aによって透明導電膜13を分割してなる島状パターンが、ランダムパターンとして配置されているのである。これらの島状パターン(すなわちランダムパターン)は、ランダムな方向に延設された溝パターン17aによって、ランダムな多角形に分割されたものとなる。尚、延設方向がランダムな溝パターン17a自体も、ランダムパターンとなる。
【0027】
ここで、絶縁領域17に設けられた各溝パターン17aは、絶縁領域17においてランダムな方向に延設されたものであり、延設方向に対して垂直をなす幅(線幅と称する)が同一の線幅であることとする。この絶縁領域17においては、各溝パターン17aの線幅によって、透明導電膜13による被覆率が調整されている。この被覆率は、電極領域15においての透明導電膜13による被覆率と同程度となるように設定されていることとする。ここで同程度とは、電極領域15および絶縁領域17のピッチごとに、これらの領域15,17がパターンとして視認できない程度とする。尚、溝パターン17aの線幅による被覆率の調整は、以降のランダムパターンの生成方法の項目において説明する。
【0028】
ただし、溝パターン17aによって分離される島状の透明導電膜13は、個々のサイズが大きすぎると目視によって形状が視認できてしまう。このため、任意の点からいずれの方向にも100μm以上連続して透明導電膜13部分が続くような形状部分が、電極領域15中に多数存在する状態は避けることが好ましい。
【0029】
また以上のような電極領域15と絶縁領域17との境界には、これらの領域15−17間にわたって配置された透明導電膜13が、ランダムに配置される。
【0030】
<第1実施形態の効果>
以上説明した構成の透明電極素子1では、電極領域15を構成する透明導電膜13に対して複数の孔パターン15aをランダムに設けたことにより、電極領域15においての透明導電膜13による被覆率が抑えられている。一方、電極領域15に隣接する絶縁領域17には、島状に分割された透明導電膜13が配置されている。これにより、電極領域15と絶縁領域17とにおいての、透明導電膜13による被覆率差が小さく抑えられ、これらの領域15,17間のコントラストを低下させて電極領域15のパターンの視認性を低下させることができる。
【0031】
特に、電極領域15の透明導電膜13にはランダムに孔パターン15aが設けられ、かつ絶縁領域17の透明導電膜13は、ランダムな方向に延設された溝パターン17aによって分割されている。このため、モアレの発生が抑制され、しかも絶縁領域17と電極領域15との境界に、電極領域15に沿って連続した溝パターンが配置されることはなく、電極領域の輪郭が目立たない構成となっている。
【0032】
しかも以降の≪3.透明電極素子のパターン作成方法≫で述べるように、絶縁領域17における透明導電膜13の被覆率は、溝パターン17aの幅によって広い範囲で調整可能である。このため、電極領域15におけるシート抵抗を低く抑えるために透明導電膜13の膜厚を厚く設定した場合であっても、透明導電膜13の被覆率が高い絶縁領域17を構成することができるため、電極領域15のコントラストを効果的に小さくすることが可能になる。
【0033】
≪2.第2実施形態≫
(絶縁領域のみにランダムパターンを設けた透明電極素子)
図3は第2実施形態の透明電極素子の構成を説明するための拡大図である。図3Aは、図1における拡大部Aに対応する拡大平面図であり、図3Bは、図3Aの拡大平面図におけるA−A’部分の断面図である。これらの図に示す透明電極素子2が、図2を用いて説明した第1実施形態の透明電極素子と異なるところは、電極領域15’がベタ膜状の透明導電膜13で構成されているところにあり、他の構成は同様である。
【0034】
すなわち、電極領域15’は、この領域内に透明導電膜13がベタ膜状で配置され、透明導電膜13による被覆率が100%である。このような電極領域15’と絶縁領域17との境界にも、これらの領域15’−17間にわたって配置された透明導電膜13が、ランダムに配置される。
【0035】
この場合、絶縁領域17の構成は第1実施形態と同様であるが、絶縁領域17における透明導電膜13の被覆率の設定範囲は、第1実施形態よりも高くなる。このため、この被覆率を調整する溝パターン17aの線幅の調整範囲は、第1実施形態よりも小さくなる。
【0036】
<第2実施形態の効果>
このような構成の透明電極素子2であっても、電極領域15’に隣接する絶縁領域17には、ランダムな方向に延設された溝パターン17aによって島状に分割された透明導電膜13が配置されている。このため、第1実施形態と同様に、モアレの発生が抑制され、しかも電極領域15’の輪郭が目立たない構成であるとともに、電極領域15’におけるシート抵抗を低く抑えるために透明導電膜13の膜厚を厚く設定した場合であっても、透明導電膜13の被覆率が高い絶縁領域17を構成することができる。したがって、電極領域15のコントラストを効果的に小さくすることが可能になる。
【0037】
≪3.透明電極素子のパターン作成方法≫
次に、第1実施形態で説明した透明電極素子1における電極領域のパターン作成方法、および第1実施形態および第2実施形態で説明した透明電極素子1,2における絶縁領域のパターン作成方法について説明する。尚、ここで説明するパターン作成方法は、あくまでも一例であり、本技術の透明電極素子がこのパターン作成方法を適用して得られたものに限定されることはない。
【0038】
[ランダムパターンの生成]
先ず、円の半径を設定範囲内でランダムに変化させて配置する際、隣接した円が常に接するように円の中心座標を計算し配置することで、配置のランダム性と高密度充填とを両立したランダムパターンを生成する。この場合、以下のような(1)、(2)のアルゴリズムにより、少ない計算量で高密度、かつ一様にランダム配置されたランダムパターンが得られる。
【0039】
(1)X軸上に「半径をある範囲でランダム」とした円を接するように並べる。以下に、必要なパラメータを示す。
Xmax:円を生成する領域のX座標最大値
Yw:X軸上に円を配置する時に、円の中心が取り得るY座標の最大値の設定
Rmin:生成する円の最小半径
Rmax:生成する円の最大半径
Rnd:0.0〜1.0の範囲で得られる乱数値
Pn:X座標値xn、Y座標値yn、半径rnで定義される円
【0040】
図4には、上記(1)のアルゴリズムを説明する略線図を示す。この図に示すように、Y座標値をX軸上である0.0から概ねRminの値の範囲でランダムに決定し、また半径をRminからRmaxの範囲でランダムに決定した円を、既存の円に接するように並べることを繰り返し、X軸上にランダムに1列の円を並べる。
【0041】
以下、図5に示したフローチャートを用いて(1)のアルゴリズムについて説明する。
まず、ステップS1において、上述した(1)で必要なパラメータを設定する。次に、ステップS2において、円P0(x0,y0,r0)を以下のように設定する。
x0=0.0
y0=0.0
r0=Rmin+(Rmax−Rmin)×Rnd
【0042】
その後、ステップS2’において、n=1に設定する。
【0043】
次に、ステップS3において、円Pn(xn,yn,rn)を以下の式により決定する。
rn=Rmin+(Rmax−Rmin)×Rnd
yn=Yw×Rnd
xn=xn-1+(rn−rn-1)×cos(asin(yn−yn-1)/(rn−rn-1))
【0044】
次に、ステップS4において、Xn>Xmaxであるか否かを判別する。ステップS4にてXn>Xmaxであると判別された場合には、処理は終了する。ステップS4にてXn>Xmaxでないと判別された場合には、処理はステップS5に進む。ステップS5において、円Pn(xn,yn,rn)を記憶する。次に、ステップS6において、nの値をインクリメントし、ステップS3に処理を移行する。
【0045】
(2)「ランダムな半径の円」を決定し、既存の2つの円に接し、他の円に重ならないよう下から順に積上げる。以下に、必要なパラメータを示す。
Ymax:円を生成する領域のY座標最大値
Rmin:生成する円の最小半径
Rmax:生成する円の最大半径
Rfill:充填率を上げるため、補助的に円を設定する場合の最小半径
Rnd:0.0〜1.0の範囲で得られる乱数値
Pn:X座標値xn、Y座標値yn、半径rnで定義される円
【0046】
図6には、上記(2)のアルゴリズムを説明する略線図を示す。この図に示すように、(1)で決定したX軸上に1列に並んだ円(破線で図示)を元に、RminからRmaxの範囲でランダムな半径の円を決定し、Y座標が小さい方から他の円に接するように円を配置し重ねて行く。また、Rminより小さいRfillを設定し、決定した円では埋まらない隙間ができた場合にのみ、隙間を埋めることで充填率を向上させる。Rminより小さい円を用いない場合は、Rfill=Rminと設定する。
【0047】
以下、図7に示したフローチャートを用いて(2)のアルゴリズムについて説明する。
まず、ステップS11において、上述した(2)で必要なパラメータを設定する。次に、ステップS12において、(1)で生成した円P0から円PnのうちY座標値yiが最小な円Piを求める。次に、ステップS13において、yi<Ymaxである否かを判別する。ステップS13にてyi<Ymaxではない(No)と判別された場合には、処理は終了となる。ステップS13において、yi<Ymaxである(Yes)と判別された場合には、ステップS14において追加する円Pkの半径rkをrk=Rmin+(Rmax−Rmin)×Rndとする。次に、ステップS15において、円Pi近傍で円Piを除きY座標値yiが最小な円Pjを求める。
【0048】
次に、ステップS16において、最小な円Piが存在するか否かを判別する。ステップS16にて最小な円Piが存在しないと判別した場合には、ステップS17において、以降Piは無効とする。ステップS16にて最小な円Piが存在すると判別した場合には、ステップS18において、円Piと円Pjとに接する半径rkの円Pkが存在するかを求める。
【0049】
図8には、ステップS18において、接する2つの円に、任意の半径の円が接するように配置するときの座標の求め方を示す。
【0050】
次に、ステップS19において、円Piと円Pjとに接する半径rkの円Pkが存在するか否かを判別する。ステップS19において円Pkが存在しないと判別した場合には、ステップS20において、以降円Pi、円Pjの組み合わせは除外する。ステップS19において円Pkが存在すると判別した場合には、ステップS21において、円P0から円Pnに円Pkと重なる円が存在するか否かを判別する。ステップS21にて重なる円が存在しないと判別した場合には、ステップS24において、円Pk(xk,yk,rk)を記憶する。次に、ステップS25においてnの値をインクリメントし、ステップS26においてPn=Pkとし、さらにステップS27においてkの値をインクリメントしてステップS12に処理を移行する。
【0051】
ステップS21にて重なる円が存在すると判別した場合には、ステップS22にて円Pkの半径rkをRfill以上の範囲で小さくすれば重なりを回避できるか否かを判別する。ステップS22にて重なりを回避できないと判別した場合には、ステップS20において、以降円Pi、円Pjの組み合わせは除外する。ステップS22にて重なりを回避できると判別した場合には、半径rkを重なりを回避できる最大の値にする。次に、ステップS24において、円Pk(xk,yk,rk)を記憶する。次に、ステップS25において、nの値をインクリメントし、ステップS26においてPn=Pkとし、さらにステップS27においてkの値をインクリメントしてステップS12に処理を移行する。
【0052】
図9Aは、ランダムパターンの生成方法のイメージを示す模式図である。図9Bは、円の面積比率を80%としたランダムパターン生成の例を示す図である。図9Aに示すように、円の半径を設定した範囲(Rmin〜Rmax)内でランダムに変化させて積み上げることで、規則性を廃した密度の高いランダムパターンを生成することができる。
【0053】
次に、以上のようにしてランダムパターンを生成した後には、このランダムパターンに基づいて、以下のように電極領域における孔パターンおよび絶縁領域における溝パターンを作成する。
【0054】
[電極領域のパターン作成]
図10Aに示すように、生成したランダムパターンの円半径を縮小する、または図10B示すように、生成したランダムパターンの円内に、例えば角を取った正方形でパターンのような任意の図形を描く。これにより、孤立したランダムパターンを作成し、これらを図2Aに示した電極領域15における孔パターン15aとすることで、電極領域15のランダムパターンを得る。
【0055】
尚、生成したランダムパターンの円内に描く図形は、円、楕円、多角形、角を取った多角形、不定形などが挙げられ、この図形の選択によりパターンの傾向を変えたり、面積占有率(透明導電膜13での被覆率)を調整することができる。
【0056】
[絶縁領域のパターン作成]
図11Aに示すように、生成したランダムパターンにおいて、外周が接する円の中心同士を結ぶ直線を発生させる。これにより、図11Bに示すように、ランダムな方向に延設された線分によって構成された多角形のランダムパターンが生成される。次に、図11Cに示すように、多角形のランダムパターンを構成する線分を所定の線幅に太らせ、これらの太らせた線分を図2Aに示した絶縁領域17における溝パターン17aとすることで、絶縁領域17のランダムパターンを得る。
【0057】
図12に示すように、溝パターン17aは、様々な線幅Wに変化させることができる。溝パターン17aの線幅Wを変化させることにより、溝パターン17aで分割された透明導電膜13による絶縁領域17の被覆率が、広い範囲で調整可能である。下記表1には、ランダムパターンとして生成させる円の半径rの範囲(Rmin〜Rmax)、および溝パターン17aの線幅W毎に、透明導電膜13による絶縁領域17の被覆率[%]を算出した結果を示す。
【0058】
【表1】

【0059】
上記表1に示すように、溝パターン17aによって透明導電膜13を分割してなる絶縁領域17では、透明導電膜13による被覆率を28.5%〜74.9%の広い範囲で調整することが可能であることがわかる。
【0060】
これに対して、例えば図2Aに示した電極領域15の反転パターンを絶縁領域とした場合、この絶縁領域においての透明導電膜13の被覆率は、次の計算により上限65%程度が限界値として導かれる。
【0061】
すなわち、ある領域に円を配列する場合、円の充填率の最大値は、円を千鳥配列した状態が理論的な最大値90.7%となる。ここで、円の半径を50μmとした時、各円を独立して配置するために円と円との間に8μmの間隔を設けるとすると、各円の半径は(50−8/2)=46μmに縮小される。この状態での円の面積率は(46×46)/(50×50)=0.846となり、円の充填率は(90.7%)×(0.846)=76.7%となる。
【0062】
ここで、各円の半径をランダムにした場合、円と円との隙間がさらに広がり、実際の充填率は、千鳥配列での充填率(90.7%)と格子配列での充填率(78.5%)との間の値になる。この値は、ランダムに生成させた円の最大半径と最小半径との比(分布)によって変わるが、おおよそ最大80%程度となる。
【0063】
そこで、初期にランダムパターンとして生成する円の半径rの範囲をRmin=35μm〜Rmax=50μmとし、円と円との間に8μmの間隔を設けることとする。この場合の円の充填率は、80%×(31×31)/(35×35)=62.76%〜80%×(46×46)/(50×50)=67.71%の間となる。ランダムに生成させた円の分布を、少し大きい円にシフトさせても充填率65%程度が限界値として導かれるのである。このようにして算出された充填率65%程度の限界値は、溝パターン17aによって透明導電膜13を分割してなる絶縁領域17において算出した被覆率74.9%よりも低いことがわかる。
【0064】
≪4.透明電極素子の第1の製造方法≫
(原盤を用いる方法)
次に、第1実施形態および第2実施形態で説明した透明電極素子の第1の製造方法として、原盤を用いる製造方法を説明する。
【0065】
[原盤]
図13Aは、第1の製造方法で用いられる原盤の形状の一例を示す斜視図である。図13Bは、図13Aに示した電極領域形成部15rおよび絶縁領域形成部17rの一部(拡大部B)を拡大して示す平面図である。これらの図に示す原盤21は、例えば、転写面としての円柱面を有するロール原盤であり、その円柱面には電極領域形成部15rおよび絶縁領域形成部17rが交互に敷き詰められている。
【0066】
電極領域形成部15rには、凹形状の複数の孔部15raが離間して形成されている。これらの孔部15raは、透明電極素子の電極領域における孔パターンを印刷により形成するための部分である。また電極領域形成部15rにおける各孔部15ra間の凸部分は、電極領域に配置される透明導電膜を印刷によって形成するための部分である。尚、この原盤21が、図3を用いて説明した透明電極素子2の製造に用いる原盤である場合、電極領域形成部15rには孔部15raを配置せず、電極領域形成部15rは同一高さの印刷面とすれば良い。
【0067】
絶縁領域形成部17rには、凹形状の溝部17raがランダムな方向に延設されている。これらの溝部17raは、透明電極素子の絶縁領域における溝パターンを印刷により形成するための部分である。また絶縁領域形成部17rにおける各溝部17raで分離された島状の凸部分は、絶縁領域に独立した島状で配置される透明導電膜を印刷により形成するための部分であり、電極領域形成部15rの凸部分と同一高さを有する部分である。
【0068】
[透明電極素子の製造手順]
図14は、上述した原盤21を用いた透明電極素子の第1の製造方法を説明するための断面工程図である。次にこれらの図に基づいて第1の製造方法の手順を説明する。
【0069】
先ず図14Aに示すように、原盤21の転写面に導電性インクを塗布し、塗布した導電性インクを基材11の表面に印刷する。印刷法としては、例えば、スクリーン印刷、水なし平板印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、反転オフセット印刷などを用いることができる。次に、図14Bに示すように、必要に応じて、基材11の表面に印刷された導電性インクを加熱することにより、導電性インクを乾燥および/または焼成する。これにより、目的とする第1実施形態の透明電極素子1、または第2実施形態の透明電極素子2を得ることができる。
【0070】
≪5.透明電極素子の第2の製造方法≫
(パターンエッチングを適用する方法)
次に、第1実施形態および第2実施形態で説明した透明電極素子の第2の製造方法として、パターンエッチングを適用する方法を説明する。
【0071】
先ず、図15Aに示すように、電極領域15と絶縁領域17とが設定された基材11の表面上に透明導電膜13を成膜する。透明導電膜13の成膜方法としては、化学的気相成長法(CVD:Chemical Vapor Deposition)や、物理的気相成長法(PVD:Physical Vapor Deposition)の中から、透明導電膜を構成する材料によって選択された方法が適用される。CVD法としては、熱CVD、プラズマCVD、光CVDなどが適用される。PVD法としては、真空蒸着、プラズマ援用蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどが適用される。透明導電膜13を成膜する際には、必要に応じて基材11を加熱しても良い。
【0072】
次に、必要に応じて、透明導電膜13に対してアニール処理を施す。これにより、透明導電膜13が、例えばアモルファスと多結晶との混合状態、または多結晶状態となり、透明導電膜13の導電性が向上する。
【0073】
次いで、図15Bに示すように、透明導電膜13の表面上に、リソグラフィー法を適用してレジストパターンPRを形成する。このレジストパターンPRは、電極領域15に対応する部分に独立した複数の孔パターン15PRaを有し、絶縁領域17に対応する部分に各方向に延設された溝パターン17PRaを有する。孔パターン15PRaは、電極領域15の透明導電膜13に形成する孔パターンに対応して形成される。また溝パターン17PRaは、絶縁領域17の透明導電膜13に形成する溝パターンに対応して形成される。尚、図3を用いて説明した透明電極素子2を製造する場合であれば、電極領域15に対応する部分には、孔パターンを設けずにレジストパターンPRで覆う。
【0074】
以上のレジストパターンPRを構成するレジスト材料は、例えば有機系レジスト、および無機系レジストのいずれを用いてもよい。有機系レジストとしては、例えばノボラック系レジストや化学増幅型レジストを用いることができる。また、無機系レジストとしては、例えば、1種または2種以上の遷移金属からなる金属化合物を用いることができる。
【0075】
次に、図15Cに示すように、レジストパターンPRをマスクにして透明導電膜13をパターンエッチングする。これにより、電極領域15の透明導電膜13に孔パターン15aを形成し、絶縁領域17の透明導電膜13に溝パターン17aを形成する。透明導電膜13のパターンエッチングは、例えば、ドライエッチングおよびウエットエッチングのいずも用いることができるが、設備が簡易である点からすると、ウエットエッチングを用いることが好ましい。尚、レジストパターンPRが、電極領域15に対応する部分に孔パターンを有していない場合、電極領域15の透明導電膜13に孔パターン15aが形成されることはない。
【0076】
以上の後には、図15Dに示すように、アッシングなどにより透明導電膜13上に形成されたレジストパターンPRを剥離し、目的とする第1実施形態の透明電極素子1(または第2実施形態の透明電極素子2)を得る。
【0077】
≪6.透明電極素子の変形例1〜4≫
図16には、本技術の透明電極素子の変形例1〜4の断面図を示す。以下、これらの図に基づいて、透明電極素子の各変形例を説明する。尚、図16A〜16Dにおいては、第1実施形態の透明電極素子1に対して各変形例を適用した構成を図示しているが、各変形例は第2実施形態の透明電極素子2に対して同様に適用することも可能である。
【0078】
[変形例1]
図16Aには透明電極素子の変形例1として、基材11の両面に透明導電膜13を設けた透明電極素子1-1の構成を示す。基材11の両面には、電極領域15と絶縁領域17とが設定された透明導電膜13が設けられている。ここでは、例えば基材11の第1面上においては、x方向に電極領域15が配列され、これらの電極領域15間を埋め込む状態で絶縁領域17が配置されている。一方、基材11の第2面上においては、y方向に電極領域15が配列され、これらの電極領域15を埋め込む状態で絶縁領域17が配置されている。
【0079】
このように基材11を挟んでx−y方向に電極領域15を配列した透明電極素子1-1は、以降に説明するように情報入力装置として用いることができる。尚、この変形例1に対して、図3を用いて説明した第2実施形態を適用する場合、基材11の少なくとも一方の面上の電極領域15に透明導電膜13をベタ膜で配置すれば良い。
【0080】
[変形例2]
図16Bには透明電極素子の変形例2として、透明導電膜13を覆うハードコート層23を設けた透明電極素子1-2の構成を示す。ハードコート層23は、基材11にプラスチック基材を用いる場合、製造工程においての基材11の傷付き防止、耐薬品性付与、オリゴマーなどの低分子量物の析出を抑制するためのものであり、また透明導電膜13を保護するためのものである。
【0081】
このようなハードコート層23を構成する材料としては、光または電子線などにより硬化する電離放射線硬化型樹脂、または熱により硬化する熱硬化型樹脂を用いることが好ましく、紫外線により硬化する感光性樹脂が最も好ましい。このような感光性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリオールアクリレート、ポリエーテルアクリレート、メラミンアクリレートなどのアクリレート系樹脂を用いることができる。例えば、ウレタンアクリレート樹脂は、ポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、あるいはプレポリマーを反応させ、得られた生成物に、水酸基を有するアクリレートまたはメタクリレート系のモノマーを反応させることによって得られる。ハードコート層23の厚みは、1μm〜20μmであることが好ましいが、この範囲に特に限定されるものではない。
【0082】
ハードコート層23は、ハードコート塗料を基材11上に塗工することにより形成される。塗工方法は、特に限定されるものではなく公知の塗工方法を用いることができる。公知の塗工方法としては、例えば、マイクログラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ダイレクトグラビアコート法、ダイコート法、ディップ法、スプレーコート法、リバースロールコート法、カーテンコート法、コンマコート法、ナイフコート法、スピンコート法などが挙げられる。ハードコート塗料は、例えば、二官能以上のモノマーおよび/またはオリゴマーなどの樹脂原料、光重合開始剤、および溶剤を含有する。基材11上に塗工されたハードコート塗料を乾燥させることにより、溶剤を揮発させる。その後、例えば電離放射線照射または加熱により、基材11上にて乾燥されたハードコート塗料を硬化させてハードコート層23とする。
【0083】
尚、以上のようなハードコート層23は、基材11において、透明導電膜13が設けられていない面上に設けても良い。
【0084】
[変形例3]
図16Cには透明電極素子の変形例3として、基材11と透明導電膜13との間に下地層25を設けた透明電極素子1-3の構成を示す。下地層25は、例えば光学調整機能や密着性補助機能を有する。
【0085】
光学調整機能を有する下地層25は、透明導電膜13に形成した孔パターン15aや溝パターン17aの非視認性をアシストするため層である。このような光学調整機能を有する下地層25は、例えば屈折率が異なる2層以上の積層体から構成され、透明導電膜13側を低屈折率層とする。より具体的には、たとえば、従来公知の光学調整層を用いることができる。このような光学調整層としては、例えば、特開2008−98169号公報、特開2010−15861号公報、特開2010−23282号公報、特開2010−27294号公報に記載されているものを用いることができる。
【0086】
密着性補助機能を有する下地層25は、基材11と透明導電膜13との間の密着性を確保するための層である。このような密着性補助機能を有する下地層25は、例えば、ポリアクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、および金属元素の塩化物や過酸化物やアルコキシドなどの加水分解・脱水縮合生成物などを用いることができる。
【0087】
尚、基材11と透明導電膜13との間の密着性の確保を目的とした場合、下地層25を設けることなく、基材11における透明導電膜13の形成面に密着性を補助するための処理を施しても良い。このような処理としては、グロー放電またはコロナ放電を照射する放電処理、酸またはアルカリを用いた化学薬品処理が例示される。また透明導電膜13を設けた後、カレンダー処理により密着を向上させるようにしても良い。
【0088】
[変形例4]
図16Dには透明電極素子の変形例4として、基材11において透明導電膜13が設けられた面と反対側の面に、シールド層27を設けた透明電極素子1-4の構成を示す。シールド層27は、透明導電膜13で構成された電極領域15においての電磁波などに起因するノイズを低減するための層である。
【0089】
このシールド層27を構成する材料としては、透明導電膜13と同様の材料を用いることができる。シールド層27の形成方法としても、透明導電膜13と同様の方法を用いることができる。ただし、シールド層27はパターニングせず基材11の表面全体に形成された状態で使用される。
【0090】
≪7.第3実施形態≫
(透明電極素子を用いた情報入力装置)
図17には、透明電極素子を用いた情報入力装置の要部構成図を示す。この図に示す情報入力装置3は、例えば表示パネルの表示面上に配置される静電容量方式のタッチパネルであり、2枚の透明電極素子1x,1yを用いて構成されている。これらの透明電極素子1x、1yのそれぞれは、図2を用いて説明した第1実施形態の透明電極素子または図3を用いて説明した第2実施形態の透明電極素子、またはこれらの変形例2〜4の透明電極素子の何れかであることとする。
【0091】
各透明電極素子1x,1yは、例えば第1実施形態で説明した電極領域15x1,15x2,…、15y1,15y2,…を、基材11上にそれぞれ並列配置させている。これらの透明電極素子1x,1yは、電極領域15x1,15x2,…と電極領域15y1,15y2,…とを、x−y方向に直交させた状態で配置し、接着性の絶縁性膜31を介して貼り合わせられている。尚、このような2枚の透明電極素子1x、1yを張り合わせた構成に換えて、変形例1で説明したように基材11の両面に透明導電膜13を配置した構成の透明電極素子1-1を用いても良い。
【0092】
ここでの図示は省略するが、この情報入力装置3には、透明電極素子1x,1yの各電極領域15x1,15x2,…、15y1,15y2,…に対して、個別に測定電圧を印加するための複数の端子が配線されていることとする。
【0093】
また、この情報入力装置3において情報の入力面側となる透明電極素子1x上には、必要に応じて接着層33を介して光学層35を設けても良い。これらの接着層33および光学層35は、透明材料で構成される。また光学層35に換えて、酸化シリコン(SiO)膜のようなセラミックコート(オーバーコート)層を設けても良い。
【0094】
以上のような情報入力装置3は、透明電極素子1xに配列して設けられた電極領域15x,15x2,…と、透明電極素子1yに配列して設けられた電極領域15y1,15y2,…とに対して、交互に測定電圧を印加する。この状態で、基材11の表面に指またはタッチペンが触れると、情報入力装置3内に存在する各部の容量が変化し、各電極領域15x1,15x2,…、15y1,15y2,…の測定電圧の変化となって現れる。この変化は、指またはタッチペンが触れた位置からの距離によって異なり、指またはタッチペンが触れた位置で最も大きくなる。このため、測定電圧の変化が最大となる、電極領域15xn,15ynでアドレスされた位置が、指またはタッチペンが触れた位置として検出される。
【0095】
<第3実施形態の効果>
以上説明した第3実施形態の情報入力装置3では、第1実施形態および第2実施形態さらには変形例で説明した透明電極素子1x,1yを用いている。これにより、各電極領域15x1,15x2,…、15y1,15y2,…の視認性を極限まで低下させることが可能になる。これにより、次に説明するように、この情報入力装置3を表示パネルの表示面上に配置した場合に、情報入力装置3における電極領域15x1,15x2,…、15y1,15y2,…のパターンが、表示パネルにおいての表示特性に影響を及ぼすことを防止できる。
【0096】
尚、本第3実施形態においては、2枚の透明電極素子1x,1yを用いた情報入力装置3の構成を説明した。しかしながら、本技術の情報入力装置がこのような構成に限定されることはなく、透明電極素子を備えた構成の情報入力装置に広く適用可能である。例えば1枚の基材11の同一面上にそれぞれ絶縁された状態で電極領域15x1,15x2,…、15y1,15y2,…を設けた透明電極素子を用いた構成であっても良い。さらに、抵抗膜方式のタッチパネルであっても良い。このような構成であっても、第3実施形態の情報入力装置3と同様の効果を得ることができる。
【0097】
≪8.第4実施形態≫
(情報入力装置を用いた表示装置)
図18には、本技術の電子機器の一例として情報入力装置を備えた表示装置の斜視図を示す。この図に示す表示装置4は、表示パネル43における表示面上に、例えば第3実施形態で説明した構成の情報入力装置3を配置したものである。
【0098】
表示パネル43は、特に限定されるものではないが、例示するならば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ(Plasma Display Panel:PDP)、エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence:EL)ディスプレイ、表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(Surface-conduction Electron-emitter Display:SED)などの各種の平面型の表示装置が挙げられる。この他にも、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイであっても良い。
【0099】
この表示パネル43には、例えばフレキシブルプリント基板45が接続されており、表示画像の信号が入力される構成となっている。
【0100】
このような表示パネル43における画像の表示面上に、表示面を覆う状態で情報入力装置3が重ねて配置されている。この情報入力装置3には、フレキシブルプリント基板37が接続されており、ここから情報入力装置3の各電極領域15x1,15x2,…、15y1,15y2,…に、上述した測定電圧が印加される。
【0101】
これにより、ユーザは、表示パネル43で表示された表示画像の一部に指やタッチペンを接触させることにより、接触部分の位置情報を情報入力装置3に入力することができる。
【0102】
<第4実施形態の効果>
以上説明した第4実施形態の表示装置4では、第3実施形態で説明した構成の情報入力装置3を表示パネル43の表示面上に配置している。このため、表示パネル43での表示が、情報入力装置3を構成する電極領域15x1,15x2,…、15y1,15y2,…の視認性に影響を及ぼされることはない。したがって、情報入力装置3を有しつつも、表示パネル43においての高精彩な表示を確保することが可能になる。
【0103】
≪9.第5実施形態≫
(電子機器への適用例)
図19〜図23には、図18を用いて説明した第4実施形態の情報入力装置を備えた表示装置を、表示部に適用した電子機器の一例を示す。以下に、本技術の電子機器の適用例について説明する。
【0104】
図19は、本技術が適用されるテレビを示す斜視図である。本適用例に係るテレビ100は、フロントパネル102やフィルターガラス103等から構成される表示部101を含み、その表示部101として先に説明した表示装置を適用する。
【0105】
図20は、本技術が適用されるデジタルカメラを示す図であり、図20Aは表側から見た斜視図、図20Bは裏側から見た斜視図である。本適用例に係るデジタルカメラ110は、フラッシュ用の発光部111、表示部112、メニュースイッチ113、シャッターボタン114等を含み、その表示部112として先に説明した表示装置を適用する。
【0106】
図21は、本技術が適用されるノート型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。本適用例に係るノート型パーソナルコンピュータ120は、本体121に、文字等を入力するとき操作されるキーボード122、画像を表示する表示部123等を含み、その表示部123として先に説明した表示装置を適用する。
【0107】
図22は、本技術が適用されるビデオカメラを示す斜視図である。本適用例に係るビデオカメラ130は、本体部131、前方を向いた側面に被写体撮影用のレンズ132、撮影時のスタート/ストップスイッチ133、表示部134等を含み、その表示部134として先に説明した表示装置を適用する。
【0108】
図23は、本技術が適用される携帯端末装置、例えば携帯電話機を示す正面図である。本適用例に係る携帯電話機140は、上側筐体141、下側筐体142、連結部(ここではヒンジ部)143、表示部144を含み、その表示部144として先に説明した表示装置を適用する。
【0109】
<第5実施形態の効果>
以上説明した第5実施形態の各電子機器では、第4実施形態で説明した表示装置を表示部に用いているため、情報入力装置3を有しつつも、表示パネル43においての高精彩な表示を行うことが可能になる。
【実施例】
【0110】
以下のようにして、実施例1〜3および比較例の透明電極素子を作製した。
【0111】
先ず文献(「ACS Nano」2010年,VOL.4,NO.5,p.2955-2963)を参照した既存の方法により、直径30nm、長さ10〜50μmの銀ナノワイヤーを作製した。
【0112】
次に、作製した銀ナノワイヤーと共に下記の材料をエタノールに投入し、超音波を用いて銀ナノワイヤーをエタノールに分散させることで分散液を作製した。
銀ナノワイヤー:0.28重量%
アルドリッチ製ヒドロキシプロピルメチルセルロース(透明樹脂材料):0.83重量%
旭化成製デュラネートD101(樹脂硬化剤):0.083重量%
日東化成製ネオスタンU100(硬化促進触媒):0.0025重量%
エタノール(溶剤):98.8045重量%
【0113】
作製した分散液を、番手8のコイルバーで透明基材上に塗布して分散膜を形成した。銀ナノワイヤーの目付量は約0.05g/m2とした。透明基材としては、膜厚125μmのPET(三菱樹脂化学製O300E)を用いた。次いで、大気中において85℃で2分間の加熱処理を行い、分散膜中の溶剤を乾燥除去した。さらに続けて大気中において150℃で30分間の加熱処理を行い、分散膜中の透明樹脂材料を硬化させ、透明導電膜としての銀ナノワイヤー層を得た。このようにして得られた銀ナノワイヤー層を有する透明導電性フィルムのシート抵抗は100Ω/□であった。
【0114】
次に、透明導電性フィルムの銀ナノワイヤー層上にレジスト層を形成した後、ランダムパターンの形成されたCrフォトマスクを用い、銀ナノワイヤー層の電極領域と絶縁領域とに対してパターン露光を行った。この際、各実施例1〜3では、電極領域と絶縁領域とに対して次の様にパターン露光を行った。
【0115】
<実施例1>
図24に示すように、電極領域にはランダムパターンなし、絶縁領域にはランダムパターンとして溝パターンが形成されるようにパターン露光を行った。ランダムパターン生成の際に用いたパラメータは次のようである。
電極領域…なし
絶縁領域…半径範囲:25μm〜45μm、溝パターンの線幅:8μm
【0116】
<実施例2>
図24に示すように、電極領域にはランダムパターンとして孔パターンが形成され、絶縁領域にはランダムパターンとして溝パターンが形成されるようにパターン露光を行った。ランダムパターン生成の際に用いたパラメータは次のようである。
電極領域…半径範囲:35μm〜48μm、半径縮小値:18.5μm
絶縁領域…実施例1と同一
【0117】
<実施例3>
図24に示すように、電極領域にはランダムパターンとして帯状パターンが形成され、絶縁領域にはランダムパターンとして溝パターンが形成されるようパターン露光を行った。ランダムパターン生成の際に用いたパラメータは次のようである。
電極領域…半径範囲:25μm〜45μm、帯状パターンの線幅:30μm
絶縁領域…実施例1と同一
【0118】
<比較例>
電極領域、絶縁領域とも、ランダムパターン無しとした。
【0119】
以上のようにパターン露光を行った後、レジスト層を現像してレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして、銀ナノワイヤー層をウエットエッチングした。エッチング終了後には、レジスト層をアッシング処理により除去した。
【0120】
以上により、透明導電膜による各被覆率パラメータを有する電極領域および絶縁領域を備えた透明電極素子を得た。
【0121】
<評価>
実施例1〜3および比較例で作製した各透明電極素子について、電極領域および絶縁領域のパターンの非視認性、モアレ・干渉光、ギラツキを目視にて評価した。この結果を、透明導電膜による各被覆率パラメータと共に下記表2に合わせて示した。各項目の評価基準は次のようである。
【0122】
[非視認性]
◎:どの角度から見てもパターンを全く視認できない
○:パターンが非常に視認しにくいが、角度によっては視認可能
×:視認可能
【0123】
[モアレおよび干渉光]
◎:あらゆる角度から観察してモアレおよび干渉光が感じられない
○:正面から観察してモアレおよび干渉光がないが、斜めから観察してモアレおよび干渉
光が少し感じられる
×:正面から観察してモアレおよび干渉光が感じられる
【0124】
[ギラツキ]
◎:あらゆる角度から観察してギラツキが感じられない
○:正面から観察してギラツキがないが、斜めから観察してギラツキが少し感じられる
×:正面から観察してギラツキが感じられる
【0125】
【表2】

【0126】
上記表2に示す結果から、実施例1〜3のように、絶縁領域にも透明導電膜を設けたことにより、電極領域および絶縁領域のパターンの非視認性が良好になることが確認された。特に実施例2,3のように、電極領域の透明導電膜にもランダムパターンを設けることで、電極領域と絶縁領域とにおいての透明導電膜による被覆率差を抑えたことにより、実施例1よりもさらにパターンの非視認性が良好になることが確認された。
【0127】
また実施例2,3の電極領域は、銀ナノワイヤー層からなる透明導電膜の被覆率が抑えられているため、銀ナノワイヤー表面での外光の乱反射による反射L値の値が小さくなっていた。またこの結果として、透明電極素子を表示パネルの表示面上に配置した構成において、電極領域に直線状パターンやダイヤモンドパターンなどを使用した場合と比較し、実施例2,3の透明電極素子を使用した場合では、表示画面の黒表示が沈む効果が確認された。これにより、透明電極素子を用いたタッチパネルを表示面上に設けた表示装置において、表示特性が向上する効果も見られた。
【0128】
さらに追加の実施例として、実施例1〜3で得たランダムパターンを有する銀ナノワイヤー層(透明導電膜)を、有色化合物を溶解した溶液に浸漬し、銀ナノワイヤー表面に有色化合物を吸着させる処理を行った。この処理により、実施例1〜3の銀ナノワイヤー層(透明導電膜)で構成された電極領域と絶縁領域ともに、反射L値がより小さくなることが確認された。その結果、金属ナノワイヤーに有色化合物を吸着させた透明導電膜を用い、これにランダムパターンを形成した透明電極素子をタッチパネルとして用いることにより、表示面上にタッチパネルを設けながらも表示パネルにおいての表示特性を維持可能であることが確認された。
【0129】
尚、本技術は以下のような構成も取ることができる。
【0130】
(1)
基材と、
前記基材上に設けられた透明導電膜と、
前記透明導電膜を用いて構成された電極領域と、
前記電極領域に隣接した領域であって、ランダムな方向に延設された溝パターンによって前記透明導電膜が独立した島状に分割されている絶縁領域とを有する
透明電極素子。
【0131】
(2)
前記電極領域と前記絶縁領域との境界には、当該領域間にわたる前記透明導電膜がランダムに配置されている
(1)記載の透明電極素子。
【0132】
(3)
前記絶縁領域に配置された前記各溝パターンは、同一の線幅を有する
(1)または(2)記載の透明電極素子。
【0133】
(4)
前記電極領域を構成する前記透明導電膜には、複数の孔パターンがランダムに設けられている
(1)〜(3)の何れかに記載の透明電極素子。
【0134】
(5)
前記電極領域は、前記透明導電膜によって構成された複数の帯状パターンがランダムな方向に延設して配置され、当該帯状パターンによって前記孔パターンが分割されている
(4)記載の透明電極素子。
【0135】
(6)
前記基材は、透明材料で構成されている
(1)〜(5)の何れかに記載の透明電極素子。
【0136】
(7)
基材と、
前記基材上に設けられた透明導電膜と、
前記透明導電膜を用いて構成された複数の電極領域と
前記複数の電極領域に隣接した領域であって、ランダムな方向に延設された溝パターンによって前記透明導電膜が独立した島状に分割されている絶縁領域とを有する
情報入力装置。
【0137】
(8)
表示パネルと、
前記表示パネルの表示面側に設けられた透明導電膜と、
前記透明導電膜を用いて構成された複数の電極領域と
前記複数の電極領域に隣接した領域であって、ランダムな方向に延設された溝パターンによって前記透明導電膜が独立した島状に分割されている絶縁領域とを有する
電子機器。
【符号の説明】
【0138】
1,1-1,1-2,1-3,1-4,1x,1y,2:透明電極素子、
3:情報入力装置、
4:表示装置(電子機器)、
11:基材、
13:透明導電膜、
15,15’:電極領域、
15a:孔パターン、
15x1,15x2,…,15y1,15y2,…:電極領域、
17:絶縁領域、
17a:溝パターン、
43:表示パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
前記基材上に設けられた透明導電膜と、
前記透明導電膜を用いて構成された電極領域と、
前記電極領域に隣接した領域であって、ランダムな方向に延設された溝パターンによって前記透明導電膜が独立した島状に分割されている絶縁領域とを有する
透明電極素子。
【請求項2】
前記電極領域と前記絶縁領域との境界には、当該領域間にわたる前記透明導電膜がランダムに配置されている
請求項1記載の透明電極素子。
【請求項3】
前記絶縁領域に配置された前記各溝パターンは、同一の線幅を有する
請求項1記載の透明電極素子。
【請求項4】
前記電極領域を構成する前記透明導電膜には、複数の孔パターンがランダムに設けられている
請求項1記載の透明電極素子。
【請求項5】
前記電極領域は、前記透明導電膜によって構成された複数の帯状パターンがランダムな方向に延設して配置され、当該帯状パターンによって前記孔パターンが分割されている
請求項4記載の透明電極素子。
【請求項6】
前記基材は、透明材料で構成されている
請求項1記載の透明電極素子。
【請求項7】
基材と、
前記基材上に設けられた透明導電膜と、
前記透明導電膜を用いて構成された複数の電極領域と
前記複数の電極領域に隣接した領域であって、ランダムな方向に延設された溝パターンによって前記透明導電膜が独立した島状に分割されている絶縁領域とを有する
情報入力装置。
【請求項8】
表示パネルと、
前記表示パネルの表示面側に設けられた透明導電膜と、
前記透明導電膜を用いて構成された複数の電極領域と
前記複数の電極領域に隣接した領域であって、ランダムな方向に延設された溝パターンによって前記透明導電膜が独立した島状に分割されている絶縁領域とを有する
電子機器。




【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図11】
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【図13】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−185770(P2012−185770A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50060(P2011−50060)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】