説明

透析膜

【課題】 多種の抗生物質、糖類、アミノ酸、有機系毒物その他の有機化合物の混合物水溶液から特定の一種類の成分を透析によって容易に分別抽出または分別除去、分別単離あるいは検出、定量分析することが可能な極めて薄い分子認識樹脂膜を用いた透析膜を提供する。
【解決手段】 分別・単離の対象となる特定の化合物分子を透過可能な内径を有する微細孔を多数備えた多孔質支持体膜12上に、分別・単離の対象となる特定の化合物分子の鋳型分子を分子インプリントした分子認識樹脂膜11を形成し、分子認識樹脂膜11によって特定の化合物分子を選択的に透析させ、且つ多孔質支持体膜12の微細孔から化合物分子を透過させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透析膜及びその製造方法に係わり、例えば生乳などの生物体液や、分泌液中に含まれる微量の特定抗生物質、特定糖類、特定有機化合物等の分析、生物体液および分泌液以外に有機化合物水溶液中に含まれる多種の微量特定単一有機化合物を分別、単離、定量等するための透析膜及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多種類にわたる有機化合物を含む生物体液又は分泌液から、その中に含まれる微量の特定の抗生物質や特定の糖類、その他の有機化合物を分別、定量する場合には複雑な前処理操作を必要とする。例えば脂肪、蛋白、糖類その他の多量かつ多種類の有機化合物を含有する生乳中に微量のペニシリンGとテトラサイクリンが含まれている場合、高速液体クロマトグラフ質量分析計を用いた方法(例えばM.Kozono等 Seikatu Eisei
49巻, 220-226頁2005年)が有効であるが、その定量測定にはこれらの含有有機化合物の除去のための遠心分離、濾過、溶出など、何段階にも及ぶ熟練を要する前処理操作が必要であり、測定装置も非常に高価である。
【0003】
また、多種類にわたる微量の薬剤や有機化合物を含む水溶液から、特定の薬剤成分や有機化合物成分を抽出する操作も高度な技術を要する。水溶液中に含まれる微量の毒物成分の分別除去や分析も同様である。このため、食品化学分野、製薬分野、医療分野では、特定抗生物質、有機薬剤、糖類、アミノ酸、毒物等を、安価で簡便な手法によって分別単離、分析することが求められている。
【0004】
このような抗生物質、有機化合物を除去する薄膜として、分子インプリントポリマー(Molecularly Imprinted Polymers、分子認識樹脂と称されることもある)が、公知である。特開2005-232205号公報には、「分子インプリントセルロース及びその製造方法」に関する発明が記載され、同発明はセルロース等に水素結合、静電的結合、疎水性結合等によりセルロースと結合可能な鋳型分子を分子インプリントすることによって、分子インプリントセルロースを形成するものである。具体的には、セルロース又はセルロース誘導体、及び鋳型分子を含む有機溶媒溶液から有機溶媒を除去して固化させた後、鋳型分子を抽出することによって、セルロース膜を形成するものである。
【特許文献1】特開2005-232205号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した特開2005-232205号公報記載の発明のセルロース膜の実用化に際しては手抄筒を用いて抄紙することにより湿紙を作成し、その後、乾燥作業を経てから、実際の利用に供するためのフィルタ(濾材)や透析膜に形成する必要がある。つまり、同公報記載のセルロース膜を、濾材や透析膜として使用するには更なる加工が必要であり、必然的に作業手間、工程数の増加、コスト高を余儀なくされ、製造効率の低下をもたらすという問題点があった。
【0006】
また、特開2005-232205号公報記載の発明におけるセルロース膜は、化合物の鋳型分子を、セルロース膜に形成した鋳型よって捕捉することを目的としている。即ち、同発明のセルロース膜には、その膜厚との関係から、鋳型分子を透過させる機能は有しておらず、単に特定分子が鋳型に結合するだけなため、鋳型によって捕捉可能な分子の数に必然的に限度があり、特定の分子を選択に抽出して透過させて分別・単離させるという透析などの用途に供することは技術的に困難であった。
【0007】
本発明は、このような諸事情に対処するために提案されたものであって、分別・単離の対象となる特定の化合物分子、例えば多種類の抗生物質、有機化合物などを含む生物体液、分泌液および多種類の有機化合物を含有する水溶液から、特定の単一種の抗生物質、その他の有機化合物等の化合物分子を容易に分別・単離することができるとともに、安価で構造が簡素化され、製造工程を削減することが可能な透析膜及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、分別・単離の対象となる特定の化合物分子を透過可能な内径を有する微細孔を多数備えた多孔質支持体膜上に、分別・単離の対象となる前記特定の化合物分子の鋳型分子を分子インプリントした分子認識樹脂膜を形成し、該分子認識樹脂膜によって該特定の化合物分子を選択的に透析させ、且つ前記多孔質支持体膜の微細孔から該化合物分子を透過させるようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1において、前記多孔質支持体膜はニトロセルロース等、その他のセルロース誘導体であることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、分別・単離の対象となる特定の化合物分子を透過可能な内径を有する微細孔を多数備えた多孔質支持体膜上に、前記特定の化合物の分子の鋳型を有する樹脂の有機溶媒溶液を塗布する工程と、前記有機溶媒溶液を乾燥させて分子認識樹脂膜を形成する工程と、を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
上述のように、請求項1又は2に記載の発明によれば、分別・単離の対象となる特定の化合物分子を透過可能な内径を有する微細孔を多数備えた多孔質支持体膜の上に、分別・単離の対象となる特定の化合物分子の鋳型分子が分子インプリントされた分子認識樹脂膜を形成するようにしている。このため、従来、極めて薄く取り扱いが困難だった分子認識樹脂膜が補強され、形成される透析膜の機械的強度を向上させることが可能である。
【0012】
特に、請求項3記載の発明によれば、多孔質支持体膜上に、分別・単離をしようとする特定の化合物の分子の鋳型分子を含む有機溶媒溶液を塗布して乾燥させることによって分子認識樹脂膜を形成するようにしている。これにより、極めて薄い透析膜の作成を短時間で容易、且つ安価に行うことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る透析膜及びその製造方法の好適な実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は本発明の一つの実施形態に係る透析膜の構造を示した概略図である。図1に示されるように、透析膜1は、極めて薄い分子認識樹脂膜11と、多孔質支持体膜12とからなる積層構造を有している。分子認識樹脂膜11は、ニトロセルロース膜
(厚さ100μm、孔径 0.025μm)の多孔質支持体膜12上に形成されている。多孔質支持体膜12は、分別・単離の対象となる特定の化合物分子を透過可能な内径を有する微細孔を多数備えている。
【0014】
分子認識樹脂膜11は、分別単離の対象となる特定の化合物分子の鋳型分子が分子インプリントされ、鋳型分子と相補的な関係にある特定の化合物分子を認識して選択的に透過させることができるようになっており、分子認識樹脂膜11を透過した化合物分子は、さらに多孔質支持体膜12の微細孔を透過する。これによって、透析膜1による特定の化合物分子の分別・単離が可能になっている。
【0015】
本実施形態の透析膜1は以下のように作成される。まず、多孔質支持体膜12上に、特定有機化合物分子認識樹脂を含むアセトニトリル飽和溶液を、ピペットを用いて数回塗布する。そして、室温で1昼夜乾燥させることによって分子認識樹脂膜11を多孔質支持体膜12上に形成することで一連の作成工程が終了する。得られた透析膜1は室温空気中で保存する。この透析膜1は、従来のように手抄筒を用いて抄紙するなどの工程が不要となり、製造工程を大幅に削減することが可能となる。
【0016】
前述したように、本実施形態の透析膜1は、特定の化合物分子を透過可能な内径を有する微細孔を多数備えた多孔質支持体膜12上に、分別・単離の対象となる特定の化合物分子の鋳型分子を分子インプリントしてなる分子認識樹脂膜11を積層して形成している。これによって、取り扱いが困難だった分子認識樹脂膜11が多孔質支持体膜12によって補強された状態となるので、透析膜1の機械的強度が向上する。
【0017】
(実施例1)
上記において説明した本発明のペニシリンG用透析膜を用いて微量のペニシリンGとテトラサイクリンを含む生乳からペニシリンGだけを透析し、分別・単離する実験を行った。本実施例で用いる透析膜は、分別・単離する化合物として、多数のペニシリンGの鋳型分子を包有し、発明の実施の形態で詳述した製造工程によって形成されるものである。
【0018】
図2は生乳のサンプルから透析によってペニシリンGを定量する計測装置20の概略構成を示した図である。図2(A)に示されるように、計測装置20は二つのポリスチロール製の測定試料用セル22、電気化学セル24と、その間を仕切るシリコーンゴム製の厚さ約3mmのシリコーン板23とを備えて構成されている。シリコーン板23の中央部は、寸法13mm×13mmの正方形状にくり抜かれ, その上部に、本発明の透析膜(分子認識膜11及び多孔質支持体膜12)1がシリコーン系接着剤によって固定される。透析膜29は、寸法15mm×15mmの正方形状に形成されている。
【0019】
電気化学セル24の内側には、抗生物質測定用の電気化学センサー電極27、白金製対極26、および銀/塩化銀の比較電極(参照電極)28が挿入され、各電極には電気化学セル24内の緩衝液の電流変化を測定する図示しないポテンシオスタットが接続されている。電気化学センサー電極27は、金板に酵素(ヒスタミンデヒドロゲナーゼ)、金微粒子、テトラチアフルバレン、ナフィオン樹脂、ゼラチンを担持したヒスタミン計測用電気化学バイオセンサーで、抗生物質存在下で、ヒスタミン酸化の活性機能の低下によるヒスタミン酸化で生じる過酸化水素の酸化電流の低下現象を利用して抗生物質を定量測定するものである。図2(B)に示されるように、透析膜29を固定したシリコーン板23は、測定試料用セル22、電気化学セル24との間に、シリコーン系接着剤によって接着されている。
【0020】
(ペニシリンGの選択的透析の検証)
以下に本発明のペニシリンG用の透析膜1によって、ペニシリンG、テトラサイクリンを含む生乳から透析によってペニシリンGの分別が可能であることを確認した実験結果を図3に示す。なお、図3において、縦軸は電流(nA)、横軸は時間(min)である。
【0021】
まず、測定用試料セル22内に試料導入管21Aから生乳4mlを入れるとともに、電気化学セル24内に100ppbのヒスタミンを含有するリン酸緩衝液(pH7.1)で満たす。ヒスタミン酸化の電流値が一定になった後(バックグラウンド電流〜31)、測定用試料セル22中の生乳に濃度4ppb(32)となるように、テトラサイクリンを加えてヒスタミン酸化電流を測定する。つぎに濃度40ppb(33)となるように、テトラサイクリンを加えヒスタミン酸化電流を測定する。その後、濃度4ppb(34)となるように、ペニシリンGを加えヒスタミン酸化電流を測定する。
【0022】
図3に示されるように、生乳中のテトラサイクリンの添加は濃度40ppb(33)までヒスタミン酸化電流に変化は認められない。一方、引き続き行った4ppb(34)のペニシリンGの添加では酸化電流は著しく低下した。後述の実施例3 で示すようにテトラサイクリンはヒスタミンの酸化反応を阻害する。したがって図3の測定結果は生乳中のペニシリンGが選択的にペニシリンG用の透析膜29を通過することを示している。
【0023】
(実施例2)
本発明のペニシリンG用の透析膜1を用いて微量のペニシリンGとペニシリンGと類似分子構造を持つアンピシリンを含む生乳からペニシリンGを透析し、分別・単離する実験を行った。透析膜はペニシリンG用で、計測装置は図2と同一である。測定操作も上記のペニシリンG,テトラサイクリンの分別実験と同様である。
【0024】
以下に実験内容および結果の詳細を図4に示す。
測定試料用セルに生乳4mlをとり、電気化学セル24を100ppbのヒスタミンを含むリン酸緩衝溶液で満たす。ヒスタミン酸化電流値が一定になった後(バックグラウンド電流〜41)、測定試料用セル22中の生乳に濃度4ppb(42)になるようにアンピシリンを加え、ヒスタミン酸化電流を測定する。次にアンピシリンの濃度を20ppb(43)にし、ヒスタミン酸化電流を測定する。さらにこの生乳に濃度4ppb(44)になるようにペニシリンGを加え、酸化電流を測定する。
【0025】
図4に示されるように、アンピシリンは上記テトラサイクリンの場合と同様に濃度20ppbにいたるまで電気化学センサー電極27のヒスタミン酸化電流値に変化を与えなかった。
引き続き行った4ppbのペニシリンGの添加では酸化電流は著しく低下し、生乳中のペニシリンが選択的に透析され、分別・単離が可能なことが確認された。濃度4ppbのペニシリンGの添加では添加後、ヒスタミン酸化電流の低下にペニシリンGと分子構造が類似するアンピシリン分子によるペニシリンGの分子認識樹脂膜11の透析妨害とみられる50〜60分間のインダクションピリオドが観測された。
【0026】
(実施例3)
本発明のテトラサイクリン用の透析膜1を用いて微量のペニシリンGとテトラサイクリンを含む生乳からテトラサイクリンだけを透析し、分別する実験を行った。計測装置は図2と同一である。測定操作も実施例1、実施例2の操作と同一である。以下に実施内容および結果の詳細を図5に示す。
【0027】
測定試料用セル22に4mlの生乳をとり、電気化学セル24を100ppbのヒスタミンを含むリン酸緩衝溶液でみたす。ヒスタミン酸化の電流値が一定になった後(バックグラウンド電流〜51)、測定試料用セル22中の生乳に濃度40ppbとなるようにペニシリンGを加え(52)、ヒスタミン酸化電流を測定する。つぎにこの生乳にテトラサイクリンを濃度0.4ppbになるようにテトラサイクリンを加え(53)、ヒスタミン酸化電流を測定し、さらに濃度4ppb(54)になるようにテトラサイクリンを追加し(54)、ヒスタミン酸化電流を測定する。
【0028】
図5に示されるように、テトラサイクリン用透析膜ではペニシリンGは濃度40ppbにおいても透析されず、電気化学センサー電極27のヒスタミンの酸化電流値に変化が観測されない。 他方引き続き行った0.4ppbおよび4ppbのテトラサイクリンの添加では、その濃度に応じて酸化電流は顕著に低下し、生乳中のテトラサイクリンが選択的に透析され、ペニシリンGと分別・単離されたことが実験結果より明らかとなった。
【0029】
以上説明した本発明の透析膜は下記の効果を有する。
1.透析膜として、多数の特定抗生物質または有機化合物分子の鋳型分子を包有する極めて薄い分子認識樹脂膜を用いるため、該抗生物質または該有機化合物分子だけが選択的に透析され、容易に他の抗生物質または有機化合物から分別・単離できる。
また、分子認識樹脂膜は極めて薄い超薄膜に形成されているので、分子を分別・単離する際に、分子に対する透過機能を長時間に亘って維持することができ、透析膜として使い易く、耐久性が大幅に向上している。
2.透析に用いられる装置は図2に示すように、ヒスタミン計測用の電気化学センサーと該センサーの電位設定と電量測定するためのポテンシオスタットが必要なだけであり、安価に製作でき、操作も容易である。
3.分子認識樹脂膜の製作に関してもそれほど困難でなく、鋳型分子として、分子認識膜樹脂膜は膜自体が極めて薄いために、材料となる有機溶媒並びに鋳型分子が少量で済み、分子認識樹脂膜を安価に製作できる。
【0030】
なお、本実施形態では、鋳型分子を溶かす分子認識樹脂膜11の素となる有機溶媒として、アセトニトリル飽和溶液を使用しているが、鋳型分子の種類によっては、アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類一般、アルコール類、エーテル類、ジメチルスルホアミド、テトラヒドロフラン、その他の有機溶媒を適宜用いることができる。
【0031】
また、多孔質支持体膜12として、ニトロセルロース膜を使用しているが、これに限らず、分別・単離の対象となる特定の化合物分子を透過可能な内径を有する微細孔を多数備えている多孔質の支持体膜であれば、アセチルセルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、硫酸セルロース、セルロースエーテル類、セルロースエステルなどを用いることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0032】
以上説明したように、本発明によれば、分別・単離の対象となる例えば多種類の抗生物質、有機化合物などを含む生物体液、分泌液および多種類の有機化合物を含有する水溶液から、特定の単一種の抗生物質、その他の有機化合物等の化合物分子を容易に分別・単離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一つの実施形態に係る透析膜の構造を示した概略図である。
【図2】本発明の一つの実施形態に係る透析膜を使用して生乳のサンプルから透析によってペニシリンGを定量する計測装置の概略構成を示した図である。
【図3】本発明のペニシリンG用の透析膜によってペニシリンG、テトラサイクリンを含む生乳から、透析によってペニシリンGの分別が可能であることを確認した実験結果を示すグラフである。
【図4】ペニシリンG用の透析膜によって微量のペニシリンGとペニシリンGと類似分子構造を持つアンピシリンを含む生乳からペニシリンGを透析し、分別・単離した場合の実験結果を示すグラフである。
【図5】テトラサイクリン用の透析膜を用いて微量のペニシリンGとテトラサイクリンを含む生乳からテトラサイクリンだけを透析し、分別する実験を行った場合の実験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0034】
1 透過膜(分子認識膜/ニトロセルロース透過膜)
11 分子認識膜
12 多孔質支持体膜(ニトロセルロース透過膜)
21A 試料導入管
21B 試料排出管
22 測定試料用セル
23 シリコーン板
24 電気化学セル
25 電解液導入・排出管
26 白金製対極
27 電気化学センサー電極
28 参照電極




【特許請求の範囲】
【請求項1】
分別・単離の対象となる特定の化合物分子を透過可能な内径を有する微細孔を多数備えた多孔質支持体膜上に、分別・単離の対象となる前記特定の化合物分子の鋳型分子を分子インプリントした分子認識樹脂膜を形成し、該分子認識樹脂膜によって該特定の化合物分子を選択的に透析させ、且つ前記多孔質支持体膜の微細孔から該化合物分子を透過させるようにしたことを特徴とする透析膜。
【請求項2】
前記多孔質支持体膜はニトロセルロース等、その他のセルロース誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の透析膜。
【請求項3】
分別・単離の対象となる特定の化合物分子を透過可能な内径を有する微細孔を多数備えた多孔質支持体膜上に、前記特定の化合物の分子の鋳型を有する樹脂の有機溶媒溶液を塗布する工程と、
前記有機溶媒溶液を乾燥させて分子認識樹脂膜を形成する工程と、を具備したことを特徴とする透析膜の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−120607(P2011−120607A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−89117(P2008−89117)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(507056553)十勝テレホンネットワーク株式会社 (4)
【Fターム(参考)】