説明

透過促進剤としてのプロピレングリコールを含むテストステロンゲル

【課題】テストステロンを含有する医薬組成物及びゲル、並びにそれらの使用方法、より詳細には、テストステロンを含有するハイドロアルコール/アルコール系の医薬組成物及びゲルを提供すること。
【解決手段】本発明の組成物は、局所的及び経皮的用途に適し、プロピレングリコールを含む。プロピレングリコールは、本発明の組成物において非常に強力な透過促進剤であることが示され、その透過促進剤単独で、又は、例えばミリスチン酸イソプロピルなどの他の透過促進剤との組み合わせで使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テストステロンを含む医薬組成物及びゲル、並びにその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(男性におけるテストステロン)
男性の主要な循環アンドロゲンであるテストステロンは、コレステロールから合成される。精巣中の約5億のライディッヒ細胞は、一日当たり6〜7mg産生されるテストステロンの95%以上を分泌する。脳下垂体で産生される2つのホルモン(黄体形成ホルモン(「LH」)及び卵胞刺激ホルモン(「FSH」))は、精巣機能の発達及び維持に必要であり、またテストステロン産生の負の制御をする。循環テストステロンは、2つの異なる経路により、様々な17−ケトステロイドに代謝される。テストステロンは、酵素5−α−レダクターゼによりジヒドロテストステロン(「DHT」)に、又はアロマターゼ酵素複合体によりエストラジオール(「E2」)に代謝される。テストステロンは、98%がタンパク質に結合した状態で血液を循環する。男性において、上記結合のほぼ40%が、性ホルモン結合グロブリン(「SHBG」)との高い親和性による結合である。その残りの60%は、アルブミンへの弱い結合である。ここで、テストステロンの測定値に関する臨床検査結果が多数存在するので、以下に記す。
【0003】
通常の成人男性のホルモン濃度に関し、UCLA−Harbor医療センターにおいて以下の表のようにまとめられている。
【0004】
男性のホルモン濃度:ホルモンの正常域
テストステロン(総量) 298〜1043ng/dL
遊離テストステロン 3.5〜17.9ng/dL
DHT 31〜193ng/dL
DHT/T比率 0.052〜0.33
DHT+T 372〜1349ng/dL
SHBG 10.8〜46.6nmol/L
FSH 1.0〜6.9mLU/mL
LH 1.0〜8.1mLU/mL
E2 17.1〜46.1pg/mL
【0005】
上記文献では、テストステロンの半減期がかなりの幅で変動すること(10〜100分)が報告されている。しかしながら、当該研究においては、通常の青年男性の循環テストステロンにおける日差変動は公知である。午前6:00頃〜8:00に最大レベルに達し、その後一日を通じてそのレベルが減少する。特徴的なプロファイルとしては、最高720ng/dL及び最低430ng/dLのテストステロンレベルを示すことである。しかしながら、この概日周期の生理的重要性は、存在するとしても、解明されていない。
【0006】
(女性におけるテストステロン)
成人女性の尿へのアンドロゲンステロイド排出は、50年以上前に報告されている。当時より、生理学者及び臨床医により、ヒトの女性のテストステロン及び他の内因性のアンドロゲンホルモンの分泌源及び生物学的機能が解析されていた。アンドロゲンが女性の卵巣及び副腎から分泌されることが、現在公知となっている。健常な「循環」を示す女性においては、各分泌源から、一日当たり産生されるテストステロン(300μg)の約50%(直接形態及びその前駆体)ずつが産生される。多嚢胞卵巣症候群及び特定のアンドロゲンを産生する腫瘍の場合に生じる過剰なアンドロゲン産生による副作用についてはしばしば報告されるが、女性のアンドロゲンの通常時における生理作用に関する報告は極めて少ない。動物実験、男性の生理学及び不十分なアンドロゲン産生の女性の症状から推定して、通常の女性におけるアンドロゲンの主要な生理作用には、筋肉、皮膚、毛髪及び骨の同化に対する作用、赤血球の産生を刺激する作用、免疫機能の調節作用、並びに情緒、幸福感及び性機能に対する心理的作用が含まれるが、これに限定されるものではない。
【0007】
更に、内因性のアンドロゲンは陰毛の発達に重要で、また様々な標的再生組織におけるエストロゲン及びプロゲスチンの活性を調節すると考えられる。また、アンドロゲンは涙腺の分泌機能の調節において重要な役割を果たすとも考えられている。
【0008】
循環テストステロンの50%は、黄体形成ホルモンの制御下における、卵巣の卵胞膜細胞からの直接的な分泌に由来する。残りの半分は、副腎性アンドロゲン前駆体デヒドロエピアンドロステロン、アンドロステンジオン及びデヒドロエピアンドロステロン硫酸塩の末端における変換に由来する。テストステロンはまた、ジヒドロテストステロン又はエストラジオールに変換されうる。すなわち、テストステロンは、ホルモン及びプロホルモン両方の機能を果たす。
【0009】
テストステロンの98%は、タンパク質に結合した状態で血中を循環する。女性において、その結合のほぼ66%は、性ホルモン結合グロブリンとの高い親和性によるものである。残りの34%は、アルブミンへの弱い結合である。ここで、テストステロンの測定値に関する臨床検査結果が多数存在するので、以下に記す。性ホルモン結合グロブリンに結合するステロイドの親和性の順序は、最も強い方から、ジヒドロテストステロン>テストステロン>アンドロステンジオン>エストラジオール>エストロンである。性ホルモン結合グロブリンは、ジヒドロテストステロンと弱く結合するが、ジヒドロテストステロン硫酸塩とは結合しない。下表は、通常の閉経前の女性の凡そのホルモン濃度を示す。
【表1】

他のホルモンの不足と比較し、女性におけるテストステロンの不足は、診断対象としてはほとんど着目されていなかった。
【0010】
にもかかわらず、アンドロゲン産生が明らかに不十分であり、付随する症候が記載されている症例(例えば、若年期に卵巣を摘出された/子宮を摘出された女性、エストロゲン代償療法を受けている閉経後の女性、経口避妊薬を服用している女性、副腎の機能不全をもつ女性、コルチコステロイドによる副腎の抑制をもつ女性及びヒト免疫不全ウィルス陽性の女性を含む)が存在する。
【0011】
テストステロン濃度の上昇が性的挙動及び性衝動を変化させることが知られているため、テストステロンを男性、更には女性に投与する方法が研究されている。これらの方法には、筋肉内注射、経口投与、ペレットインプラント及び経皮パッチが含まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、これらのテストステロン送達方法には、幾つかの欠点が存在する。例えば、皮下へのペレットインプラント及びエステル注入は痛みを伴い、また外科的手技及び/又は通院が必要となる。更に、男性の性機能低下のインプラント療法は、漏出(8.5%)、出血(2.3%)又は感染(0.6%)の危険性を含む。これらの方法の多く(例えば口内/舌下/バッカルへの使用)は、望ましくない薬物動態のプロファイルを生じさせるテストステロン濃度の異常値を引き起こし、それに続きベースライン値に戻る。経皮パッチでは、最適な薬物動態の特徴には程遠く、多くの患者に不快感を与え、また皮層刺激が顕著になる。更に、パッチの場合、投薬の柔軟性に欠け、また視覚的にも格好が悪くなり、特に激しい身体の運動の間に剥がれてしまうこともありうる。経口投与は、患者においてテストステロン濃度の異常値及び予測不可能な吸収パターンを生じさせる。更に、上記の調製物は肝臓で代謝されるため、言うまでもなく初回通過代謝による肝毒性の危険性が存在する。
【0013】
近年では、1%のテストステロンゲルの男性への使用が承認され、皮層刺激の少ない、柔軟が投薬が可能となっている。このゲルは、米国において商標「アンドロジェル(Androgel)」(登録商標)としてユニメッドファーマシューティカルズ社(Deerfield、イリノイ州)、ソルウェイファーマシューティカルズ社(マリエッタ、GA 30062)から入手可能である。
【表2】

※無水エタノール67gに相当。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、テストステロンを含有する医薬組成物及びゲル、並びにそれらの使用方法を提供する。より詳細には、本発明は、テストステロンを含有するハイドロアルコール/アルコール系の医薬組成物及びゲルを提供する。それは局所的及び経皮的用途に適し、プロピレングリコールを含む。本発明の組成物は、非常に有効なテストステロン送達の実現以外にも、美的な意味においても非常に魅力的である。プロピレングリコールは、本発明の組成物において非常に強力な透過促進剤であることが示され、その透過促進剤単独で、又は、例えばミリスチン酸イソプロピルなどの他の透過促進剤との組み合わせで使用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、テストステロン、少なくとも一つのC2−C6アルコール、少なくとも一つのゲル化剤、少なくとも一つの透過促進剤及び水を含む医薬組成物に関する。
【0016】
上記医薬組成物は、例えばゲル、溶液、クリーム、ローション、スプレー、軟膏、エアゾールなどの様々な形態で調製できる。好ましくは、上記医薬組成物はゲルである。
【0017】
本発明にて使用される用語「テストステロン」は、テストステロン自体のみならず、そのエナンチオマー、異性体、互変異性体、塩類、キレート、エステル、アミド、誘導体、プロドラッグ及び前駆体(例えばDHT(ジヒドロテストステロン)、17−メチルテストステロン、17[α]−メチル−テストステロン3−シクロペンチルエノールエーテル、エナント酸テストステロン、テストステロンシピオネート、テストステロンウンデカノエート、テストステロンシクロデキストリン、テストステロンブシクラート)をも指す。本発明によれば、テストステロンは、天然由来でも、又は半合成若しくは合成により調製してもよい。
【0018】
C2−C6アルコールは、従来技術において公知である。この種のアルコールには、エタノール、プロパノール、イソプロパノール(プロパン−2−オール)、n−プロパノール(プロパン−1−オール)、ブタノール、ブタン−1−オール、ブタン−2−オール、ter−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールが含まれる。エタノールが好ましく、なぜなら、皮膚に接触すると急速に蒸発し、テストステロンの経皮通過が能率的に行われるからである。
【0019】
ゲル化剤は、従来技術において公知である。「ゲル化剤」の用語は一般に、ポリマー性を有し、特定の溶媒(例えば水)と接触するとゲル化する能力を有する化合物を指す。ゲル化剤は、本発明の医薬組成物の粘度を上昇させうるが、可溶化剤としても作用しうる。ゲル化剤の例としては、アニオン重合体、例えばアクリル酸ベースのポリマー(ポリアクリル酸ポリマー(例えばカルボポール(登録商標)、Goodrich Specialty Polymers and Chemicals Division of Cleveland、オハイオ、を含む))、セルロース誘導体、ポロキサマー及びポロキサミンが挙げられる。より詳細には、カルボマー又はアクリル酸ベースのポリマーには例えばカルボポール(登録商標)980又は940、981又は941、1382又は1382、5984、2984、934又は934P(カルボポール(登録商標)はアリルスクロース又はアリルペンタエリスリトールによって架橋されたアクリル酸のポリマー)、Pemulen TR1(登録商標)又はTR2(登録商標)、Ultrez、Synthalen CRなど、セルロース誘導体には例えばエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)など、ポロキサマー又はポリエチレン−ポリプロピレン共重合体には例えばLutrol(登録商標)の等級68又は127、ポロキサミン、及び他のゲル化剤には例えばキトサン、デキストラン、ペクチン及び天然ゴムなどが含まれる。これらのゲル化剤の全てが、単独又は組み合わせにより、本発明の医薬組成物に使用できる。上記ゲル化剤は、本発明の組成物のpH及び所望の粘性を考慮しつつ選択できる。
【0020】
特にヒドロキシプロピルセルロース、カルボポール(登録商標)980及びLutrol(登録商標)が、本発明において好適である。
【0021】
透過促進剤もまた、従来技術において公知である。「透過促進剤」は通常、薬又は有効成分の皮膚内部への透過を加速する媒介剤として公知である。これらの媒介剤はまた、浸透加速剤、アジュバント及び透過促進剤とも呼ばれている。この種類の媒介剤には、多様な作用機構を有するものが含まれ、薬物の溶解性及び拡散性を改良する機能を有するもの、並びに、角質層の水分保持能力を変化させ、皮膚を軟化し、皮膚の透過性を改善し、浸透補助剤又は毛嚢開口剤として作用し、又は一時的に皮膚(例えば境界層)の状態を変化させることにより経皮吸収を改善するものなどが含まれる。
【0022】
特に明記しない限り、パーセンテージ(%)は、組成物の総重量に基づく重量%を指す。
【0023】
一実施態様において、上記医薬組成物にはテストステロンが0.5〜5.0%(w/w)好ましくは0.5〜2.5%(w/w)、より好ましくは0.6〜2.0%(w/w)、更に好ましくは0.7〜1.5%(w/w)、より更に好ましくは0.75〜1.25%(w/w)、より更に好ましくは0.8〜1.2%(w/w)、より更に好ましくは0.9〜1.1%(w/w)、最も好ましくは約1.0%(w/w)含まれる。
【0024】
本発明の他の実施態様において、上記医薬組成物にはテストステロンが0.5〜5.0%(w/w)、好ましくは0.5〜2.5%(w/w)、より好ましくは、0.75〜2.25%(w/w)、更に好ましくは0.9〜2.0%(w/w)、より更に好ましくは1.0〜1.8%(w/w)、より更に好ましくは1.25〜1.75%(w/w)、より更に好ましくは1.3〜1.6%(w/w)、最も好ましくは1.5%(w/w)含まれる。
【0025】
他の実施態様において、上記医薬組成物には、少なくとも一つのC2−C6アルコールが40.0〜75.0%(w/w)、好ましくは40.0〜70.0%(w/w)、より好ましくは45.0〜65.0%(w/w)、更に好ましくは50.0〜60.0%(w/w)、より更に好ましくは52.0〜58.0%(w/w)、より更に好ましくは53.0〜57.0%(w/w)、より更に好ましくは54.0〜56.0%(w/w)、最も好ましくは約56%(w/w)含まれる。
【0026】
本発明の他の実施態様において、上記C2−C6アルコールは、エタノール、プロパン−1−オール及びプロパン−2−オール、並びにそれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、上記C2−C6アルコールはエタノールである。
【0027】
本発明の他の実施態様において、上記医薬組成物には少なくとも一つのゲル化剤が0.1〜5.0%(w/w)、好ましくは0.15〜4.5%(w/w)、より好ましくは、0.2〜4.0%(w/w)、更に好ましくは0.25〜3.5%(w/w)、より更に好ましくは0.3〜3.0%(w/w)、より更に好ましくは0.4〜2.5%(w/w)、より更に好ましくは0.5〜2.0%(w/w)、最も好ましくは0.5〜1.0%(w/w)含まれる。
【0028】
本発明の他の実施態様において、上記ゲル化剤は、アクリル酸ベースのポリマー(セルロース化合物(セルロースエステル及び誘導体(セルロース誘導体(例えばエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カルボキシメチルセルロース(CMC)など)を含む)を含む)、カルボマー(カルボポール(Carbopol)(登録商標)ポリマー、例えばカルボポール(登録商標)980又は940、981又は941、1382又は1382、5984、2984、934又は934Pなど、Pemulen TR1(登録商標)又はTR2(登録商標)、Ultrez、Synthalen CRなど)、ポロキサミン、ポロキサマー若しくはポリエチレン−ポリプロピレンの共重合体(例えばLutrol(登録商標)の等級68又は127、ポロキサミン又はその他のゲル化剤(キトサン、デキストラン、ペクチン及び天然ゴムなど))、並びにそれらの混合物、からなる群から選択される。
【0029】
本発明の他の実施態様において、上記医薬組成物にはプロピレングリコールが0.1〜5.0%(w/w)、好ましくは0.15〜4.5%(w/w)、より好ましくは0.2〜4.0%(w/w)、更に好ましくは0.3〜3.5%(w/w)、より更に好ましくは0.4〜3.0%(w/w)、より更に好ましくは0.5〜2.5%(w/w)、最も好ましくは0.5〜2.0%(w/w)含まれる。本発明において驚くべきことに、本発明のテストステロン成分及び組成物において、プロピレングリコールが、非常に有効で、かつ適合性に富む透過促進剤であることが見出された。更に、本発明のプロピレングリコールの使用により、非常に魅力的な外観を呈する医薬組成物が得られる。本発明の医薬組成物は透明度が高く、視覚的に魅力的で、非常に好適なテクスチャーを有するため、患者への使用がよりよいものとなる。更に、本発明の医薬組成物は、低級アルコールの含有が必要となる。更に、本発明の組成物は非常に安定であり、プロピレングリコールは標準的な中和剤(例えばトリエタノールアミン)との適合性を有することが明らかとなっている。本発明の組成物には、幾つかの透過促進剤を含有させてもよい。
【0030】
本発明において、上記医薬組成物は、更に水を任意に含有させてもよい。
一つの実施態様において、本発明は:
−テストステロン 0.5〜5.0%(w/w)
−少なくとも一つのC2−C6アルコール 40.0〜75.0%(w/w)
−少なくとも一つのゲル化剤 0.1〜5.0%(w/w)
−プロピレングリコール 0.1〜5.0%(w/w)
−任意に水、
を含んでなる医薬組成物を提供する。
【0031】
他の実施態様において、本発明は:
−テストステロン 0.75〜1.25%(w/w)
−少なくとも一つのC2−C6アルコール 50.0〜70.0%(w/w)
−少なくとも一つのゲル化剤 0.1〜4.0%(w/w)
−プロピレングリコール 0.2〜4.0%(w/w)
−任意に水、
を含んでなる医薬組成物を提供する。
【0032】
他の実施態様において、本発明は:
−テストステロン 0.8〜1.2%(w/w)
−少なくとも一つのC2−C6アルコール 50.0〜70.0%(w/w)
−少なくとも一つのゲル化剤 0.1〜3.0%(w/w)
−プロピレングリコール 0.3〜3.0%(w/w)
−任意に水、
を含んでなる医薬組成物を提供する。
【0033】
他の実施態様において、本発明は:
−テストステロン 0.9〜1.1%(w/w)
−少なくとも一つのC2−C6アルコール 50.0〜70.0%(w/w)
−少なくとも一つのゲル化剤 0.1〜2.5%(w/w)
−プロピレングリコール 0.4〜2.5%(w/w)
−任意に水、
を含んでなる医薬組成物を提供する。
【0034】
他の実施態様において、本発明は:
−テストステロン 約1.0%(w/w)
−少なくとも一つのC2−C6アルコール 50.0〜70.0%(w/w)
−少なくとも一つのゲル化剤 0.1〜2.5%(w/w)
−プロピレングリコール 0.4〜2.5%(w/w)
−任意に水、
を含んでなる医薬組成物を提供する。
【0035】
他の実施態様において、本発明は:
−テストステロン 1.0〜2.0%(w/w)
−少なくとも一つのC2−C6アルコール 50.0〜75.0%(w/w)
−少なくとも一つのゲル化剤 0.1〜5.0%(w/w)
−プロピレングリコール 0.1〜5.0%(w/w)
−任意に水、
を含んでなる医薬組成物を提供する。
【0036】
他の実施態様において、本発明は:
−テストステロン 1.25〜1.75%(w/w)
−少なくとも一つのC2−C6アルコール 50.0〜70.0%(w/w)
−少なくとも一つのゲル化剤 0.1〜4.0%(w/w)
−プロピレングリコール 0.2〜4.0%(w/w)
−任意に水、
を含んでなる医薬組成物を提供する。
【0037】
他の実施態様において、本発明は:
−テストステロン 1.4〜1.6%(w/w)
−少なくとも一つのC2−C6アルコール 50.0〜70.0%(w/w)
−少なくとも一つのゲル化剤 0.1〜3.0%(w/w)
−プロピレングリコール 0.3〜3.0%(w/w)
−任意に水、
を含んでなる医薬組成物を形成する。
【0038】
他の実施態様において、本発明は:
−テストステロン 約1.5%(w/w)
−少なくとも一つのC2−C6アルコール 50.0〜70.0%(w/w)
−少なくとも一つのゲル化剤 0.1〜2.5%(w/w)
−プロピレングリコール 0.4〜2.5%(w/w)
−任意に水、
を含んでなる医薬組成物を提供する
【0039】
上記医薬組成物は、テストステロンの経皮的送達の制御に適している。すなわち、上記医薬組成物により、患者自身による自発的な投与が可能となり、投与の間医師の存在を必要としない。また、上記投与には手術又は注射が必要ない。
【0040】
本発明において、好ましいことに、プロピレングリコールは特にテストステロン投与量及び本発明の組成物のゲル化剤との組み合わせにより、テストステロンの非常に強力な透過促進剤として機能する。
【0041】
他の実施態様において、本発明の医薬組成物には更に塩基が含まれる。好ましくは、上記塩基は薬学的に許容できるものであり、好ましくはトリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、アルギニン、アミノメチルプロパノール又はトロメタミン及びそれらの混合物からなる群から選択される。上記医薬組成物のpHが経皮投与にとり最適でないとき(例えば上記ゲル化剤が少なくとも一つのアクリル酸ベースのポリマーを含むとき)、上記塩基は、ヒトの皮膚上の局所投与において上記医薬組成物を中和する役割を果たす。更に、上記塩基(中和剤)により、電荷の中和及びポリマー塩類の形成の間、上記ポリマー鎖の最適な膨張がなされる。特に上記ゲル化剤がアクリル酸ベースのポリマーを含むとき、上記塩基には好ましくはトリエタノールアミンが含まれる。またそれにより、本発明の医薬組成物が最適な粘性を有するようになる。当業者であれば、組成物の目的最終pHに合わせるため、特に、含まれる上記ゲル化剤の性質や組成物のアルコール含有量に応じて、組成物中に添加する上記塩基の適当量を適宜調節できる。例えば、カルボマーの場合及び/又は高アルコール含量の場合は、塩基としてトロメタミン及び/又はNaOHを使用し、組成物の目的最終pHに調整するために必要な量を調節できる。あるいは、一つの実施態様において、本発明の医薬組成物にはトリエタノールアミンが0.1〜5.0%(w/w)、好ましくは0.15〜4.5%(w/w)、より好ましくは、0.2〜4.0%(w/w)、更に好ましくは0.25〜3.5%(w/w)、より更に好ましくは0.3〜3.0%(w/w)、より更に好ましくは0.4〜2.5%(w/w)、より更に好ましくは0.5〜2.0%(w/w)、最も好ましくは0.5〜1.0%(w/w)含まれる。
【0042】
好ましくは、本発明による医薬組成物のpHは2〜9、好ましくは3〜8、より好ましくは3〜7である。本発明の他の実施態様において、上記医薬組成物には更にミリスチン酸イソプロピルが含まれる。本発明において予想外にも、プロピレングリコールと組み合わせて、更なる透過促進剤としてミリスチン酸イソプロピルを使用すると、顕著に効果が高まることが見出された。好ましくは、上記医薬組成物にはミリスチン酸イソプロピルが0.05〜5.0%(w/w)、好ましくは0.1〜4.0%(w/w)、より好ましくは0.15〜3.0%(w/w)、更に好ましくは0.25〜2.5%(w/w)、より更に好ましくは0.25〜2.0%(w/w)、より更に好ましくは0.25〜1.5%(w/w)、より更に好ましくは0.25〜1.0%(w/w)、最も好ましくは0.5〜0.75%(w/w)含まれる。
【0043】
すなわち、一つの実施態様において、本発明は以下の組成の医薬組成物を提供する。
−テストステロン 0.5〜5.0%(w/w)
−少なくとも一つのC2−C6アルコール 40.0〜75.0%(w/w)
−少なくとも一つのゲル化剤 0.1〜5.0%(w/w)
−プロピレングリコール 0.1〜5.0%(w/w)
−ミリスチン酸イソプロピル 0.1〜4.0%(w/w)
−任意に水。
【0044】
他の実施態様において、本発明は以下の組成の医薬組成物を提供する。
−テストステロン 0.75〜1.25%(w/w)
−少なくとも一つのC2−C6アルコール 50.0〜70.0%(w/w)
−少なくとも一つのゲル化剤 0.1〜4.0%(w/w)
−プロピレングリコール 0.2〜4.0%(w/w)
−ミリスチン酸イソプロピル 0.15〜2.0%(w/w)
−任意に水。
【0045】
他の実施態様において、本発明は以下の組成の医薬組成物を提供する。
−テストステロン 0.8〜1.2%(w/w)
−少なくとも一つのC2−C6アルコール 50.0〜70.0%(w/w)
−少なくとも一つのゲル化剤 0.1〜3.0%(w/w)
−プロピレングリコール 0.3〜3.0%(w/w)
−ミリスチン酸イソプロピル 0.35〜1.5%(w/w)
−任意に水。
【0046】
他の実施態様において、本発明は以下の組成の医薬組成物を提供する。
−テストステロン 0.9〜1.1%(w/w)
−少なくとも一つのC2−C6アルコール 50.0〜70.0%(w/w)
−少なくとも一つのゲル化剤 0.1〜2.5%(w/w)
−プロピレングリコール 0.4〜2.5%(w/w)
−ミリスチン酸イソプロピル 0.4〜1.0%(w/w)
−任意に水。
【0047】
他の実施態様において、本発明は以下の組成の医薬組成物を提供する。
−テストステロン 約1.0%(w/w)
−少なくとも一つのC2−C6アルコール 50.0〜70.0%(w/w)
−少なくとも一つのゲル化剤 0.1〜2.5%(w/w)
−プロピレングリコール 0.4〜2.5%(w/w)
−ミリスチン酸イソプロピル 約0.5%(w/w)
−任意に水。
【0048】
他の実施態様において、本発明は以下の組成の医薬組成物を提供する。
−テストステロン 1.0〜2.0%(w/w)
−少なくとも一つのC2−C6アルコール 50.0〜75.0%(w/w)
−少なくとも一つのゲル化剤 0.1〜5.0%(w/w)
−プロピレングリコール 0.1〜5.0%(w/w)
−ミリスチン酸イソプロピル 0.1〜4.0%(w/w)
−任意に水。
【0049】
他の実施態様において、本発明は以下の組成の医薬組成物を提供する。
−テストステロン 1.25〜1.75%(w/w)
−少なくとも一つのC2−C6アルコール 50.0〜70.0%(w/w)
−少なくとも一つのゲル化剤 0.1〜4.0%(w/w)
−プロピレングリコール 0.2〜4.0%(w/w)
−ミリスチン酸イソプロピル 0.15〜2.0%(w/w)
−任意に水。
【0050】
他の実施態様において、本発明は以下の組成の医薬組成物を提供する。
テストステロン 1.4〜1.6%(w/w)
−少なくとも一つのC2−C6アルコール 50.0〜70.0%(w/w)
−少なくとも一つのゲル化剤 0.1〜3.0%(w/w)
−プロピレングリコール 0.3〜3.0%(w/w)
−ミリスチン酸イソプロピル 0.35〜1.5%(w/w)
−任意に水。
【0051】
他の実施態様において、本発明は以下の組成の医薬組成物を提供する。
−テストステロン 約1.5%(w/w)
−少なくとも一つのC2−C6アルコール 50.0〜70.0%(w/w)
−少なくとも一つのゲル化剤 0.1〜2.5%(w/w)
−プロピレングリコール 0.4〜2.5%(w/w)
−ミリスチン酸イソプロピル 0.4〜1.0%(w/w)
−任意に水。
【0052】
更に、上記医薬組成物には通常の医薬用添加物、塩、緩和剤、安定化剤、抗菌性物質、香料及び/又は噴霧剤を含めてもよい。上記医薬組成物には、少なくとも一つの更なる活性成分(例えば他のホルモン)を含めてもよい。
【0053】
本発明はまた、本発明の上記医薬組成物を含む経真皮的(transdermal)又は経表皮的(transcutaneous)な送達に有用なゲルを提供する。すなわち、本発明はまた、テストステロン含有ハイドロアルコールゲルに関する。
【0054】
他の実施態様において、本発明は、上記医薬組成物又は上記ハイドロアルコールゲルを含む服用パケット、単回投与パケット又は多回投与パケットを提供する。好ましいことに、上記医薬組成物にこの種の工夫を施すことにより、患者にとり投与が更に容易になる。すなわち、これらの包装形態は、投与計画(例えば毎日又は毎週の投与)を反映するものでもよい。
【0055】
他の実施態様において、上記医薬組成物又は上記ハイドロアルコールゲルを含む、例えば手動ポンプ又はバルブなどのディスペンサーが提供される。適用される組成物の量に応じて、この種のディスペンサーでは投与量を柔軟に調節できる。
【0056】
一実施例において、上記パケット又はディスペンサーには、その取り扱い説明を付記してもよい。
【0057】
本発明に係る医薬組成物、ゲル、包装及びコンテナは、テストステロンの欠乏の治療、及びテストステロンの欠乏に関連する症状及び/又は障害の治療及び/又は予防に有用である。本明細書で用いられる「治療する」又は「治療」の用語は、うつ病性障害を伴う哺乳類のいかなる症状、障害又は疾患の治療も指し、その症状、障害又は疾患であると思われるがその症状、障害又は疾患であると未だ診断されていない患者において、その症状、障害又は疾患が生じるこるのを防止すること;症状、障害又は疾患の発症を止める(例えば症状、障害又は疾患を阻害する)こと;症状、障害又は疾患を緩和する(例えば症状、障害又は疾患を後退させる)こと;又は、疾患又は障害による症状を緩和する(例えば疾患又は障害の徴候を止める)ことが含まれるが、これらに限定されない
【0058】
症状、障害又は疾患に関する「予防する」又は「予防」の用語は、症状、障害又は疾患が、存在しない場合には生じさせないこと、又は、その症状、障害又は疾患がすでに存在する場合には更に症状、障害又は疾患を進行させないことを意味する。
【0059】
本発明における「テストステロンの欠乏」とは、同じ年齢の健常者の標準の血清濃度と比較し、患者の遊離テストステロンの血清濃度が低い状態を指す。例えば、通常の女性の循環器系では、一日当たりテストステロンが約300μg合成される。その総血清テストステロン濃度は、通常約20ng/dL〜約80ng/dLであり、約40ng/dLが平均である。健常な若年女性において、例えば、平均の遊離テストステロン濃度は通常約3.6pg/mLである。しかしながら、幾つかの要因が、テストステロンの総濃度及び遊離血清濃度に影響しうる。例えば、定期的に排卵している女性では、月経周期の中部3分の1の時点で、血中テストステロン濃度が小規模であるが顕著に増加する。しかしながら、黄体期及び卵胞期において平均テストステロン濃度(1.2nmol/L又は33ng/dL)と遊離テストステロン濃度(12.8pmol/L又は3.6pg/mL)は大きくは異ならない。更に、テストステロン産生は30歳以降は連続的に低下し、60歳代の女性の血清テストステロン濃度は若い30歳代の女性のわずか50%となる。遊離テストステロンのパーセンテージは、一般に加齢に伴う変化を示さないが、遊離テストステロンの絶対量については低下が観察されている。この低下は閉経期に急に生じるものではないが、その代わり、副腎及び卵巣でのアンドロゲン産生の加齢に伴う減少の結果として、段階的かつ連続的に生じる。すなわち、女性は閉経に伴う症状を、閉経直前の数年間に自覚し始める。閉経期に続くテストステロンの低下は、卵巣不全、腎臓分泌の減少及び末梢部の転換の組み合わせから生じる。また、例えば卵巣摘出術の後、テストステロン濃度は約50%減少する。テストステロンの欠乏の診断は、関連する医療分野に携わる一般の医師に公知である。
【0060】
本発明の医薬組成物及びゲルは、男性又は女性のテストステロン不足と関連する多くの生理的及び心理的パラメータ及び/又は症状の治療に有用である。例えば、本発明の医薬組成物及びゲルは以下の場合に有用である。
−性衝動の増加、性的機能の向上及び/又は性的機能不全の治療;性腺機能低下症の正常化;
−骨密度及び関連する指標の増加、除脂肪体重の増加、脂肪体重の減少;筋肉質量及び機能の向上;
−血糖値の正常化;糖尿病性網膜症の改善並びに糖尿病性患者のインシュリン要求性の低下;白内障の発症の治療、予防又は減少;
−高血圧の正常化を含む心臓血管疾患の発症の治療、予防又は減少、及び肥満の治療;コレステロール値の正常化;患者の異常な心電図を正常化し、血管運動の症状の治療、予防又は減少;
−ヒト免疫不全ウィルス消耗症候群の防止;
−骨粗鬆症、オステオペニア、膣の乾燥及び膣壁の壁厚保減少の防止;閉経期の症状及び一過性熱感の緩和;月経前症候群の治療;
−アルツハイマー病や痴呆の発症の治療、予防又は減少;
−認識の改善;情緒及び自尊心の回復、うつ病性障害の治療及び/又は予防、認識機能不全の治療、予防又は減少;
−自己免疫疾患の治療。
【0061】
本発明の医薬組成物及びゲルは、他のホルモン若しくはステロイド、患者のテストステロンレベルを増加させる医薬品、エストロゲンホルモン又は他の医薬品(例えば抗うつ病薬)と共に「複合治療」に使用することができる。
【0062】
本発明はまた、例えば、上記のゲル又は溶液の形態で医薬組成物を調製する方法に関する。
【0063】
一つの実施態様において、上記方法には、撹拌しながら、少なくとも一つのC2−C6アルコール及び少なくとも一つの透過促進剤(例えばプロピレングリコール及び/又はミリスチン酸イソプロピル)を含む溶媒中にテストステロンを溶解させる工程が含まれる。
【0064】
他の実施態様において、上記方法には、得られた混合物に、撹拌しながら水を添加する工程が含まれる。
【0065】
ゲルの調製が必要な場合、撹拌しながら、少なくとも一つのゲル化剤(例えばカルボポール(登録商標))を更に混合物に添加する。
【0066】
撹拌しながら、トリエタノールアミンのような塩基/中和剤を任意に混合物に添加してもよい。
【0067】
他の実施態様において、本発明は、上記の医薬組成物又はゲルを調製する方法であって、以下の工程を含む方法に関する。
−少なくとも一つのC2−C6アルコール、少なくとも一つの透過促進剤(例えばプロピレングリコール及び/又はミリスチン酸イソプロピル)及びテストステロンを含有する混合物を調製すること;
−任意に水を添加し、混合すること;
−任意にゲル化剤をこの混合物に添加し、混合すること;
−任意に塩基を添加し、再び混合すること。
【0068】
他の実施態様において、本発明はまた、アンドロゲン/テストステロンの欠乏に関連する生理的症状を治療する経皮投与用医薬の調製における、本発明のゲル又は溶液の使用に関する。
【0069】
他の実施態様において、本発明は治療方法に関する。
【0070】
一つの実施態様において、上記方法は、テストステロンを、それを必要とする患者に投与する工程を含む。
【0071】
一つの実施態様において、本発明の医薬組成物又はゲルは、健康な皮膚(例えば肩、腕、大腿部又は脚の外部)に塗布される。
【0072】
患者に送達されるテストステロン量を測定、決定するため、血清テストステロン濃度を標準的な分析技術により測定してもよい。
【0073】
それを用いることで、当業者であれば、投与された組成物量を、上記医薬組成物の正確なテストステロン投与量に基づき、測定する方法を決定できるであろう。
【0074】
一般に、ゲル形態又は溶液形態の本発明の医薬組成物の投与量は、通常一日当たり2.5g〜5g(製剤)である。
【0075】
本発明の効果は、以下の実施例から明らかになるが、それらは単なる例示として下記に記載されるものであり、それらに限定されない。当業者は、上記の本発明の好適な特徴を任意に組み合わせることができると認識するであろう。
【0076】
本願明細書に記載の全ての引用は、その全内容が本願明細書に援用される。本発明の他の実施態様は特に示さないが、それは当業者にとって自明であり、したがって本発明の技術的範囲及び技術思想に含まれるものでもある。本発明の実施は、特に明記しない限り、薬理学及び薬剤学の従来技術を使用するが、それは当業者の技量の範囲内である。
【実施例1】
【0077】
テストステロンゲル製剤の経皮送達の試験は、放射性標識(14C)テストステロン及び液体シンチレーション滴定を使用し、動物及びヒトの皮膚について行った。これらの試験は、動態パラメータ(24時間後の放出量及び流量)について行った。2つの側面について解析した。
−物理化学的試験(テストステロン溶解性及びゲル粘性)
−経皮送達(テストステロン濃度、ゲル化剤の性質、透過促進剤の存在による影響)
【0078】
材料及び方法:
1.材料
薬物
テストステロン(Fluka社)
14Cテストステロン(アマシャム社)
ゲル化剤
カルボポール(登録商標)934P(Carb.934P)(Polyplastic社)
カルボポール(登録商標)980(Carb.980)(Lot4419、Laboratoires Besins Iscovesco社)
Klucel(登録商標)
中和剤
トリエタノールアミン(lot 4343、Laboratoires Besins Iscovesco社)
透過促進剤
Transcutanol(Gattefosse社)
オレイン酸(OA)(Prolabo社)
プロピレングリコール(PG)(Gattefosse社)
プロピレングリコールジペラルゴン酸塩(PGDP)(Gattefosse社)
動物皮膚モデル
裸のラット、オス、5週齢
ヒト皮膚モデル
腹部の形成手術時に採取した生検標本、白人女性、35歳
【0079】
2.放射性標識テストステロンゲルの調製
ゲル化剤(ポリマー)を必要なだけの水量により一晩膨張させた。おそらく透過促進剤の存在により、標識及び非標識テストステロンがエタノールに溶解した。水相及びアルコール相を混合し、更にトリエタノールアミンを用いて中和した。完全に均一になるまで、スパチュラで混合した。17の試薬に関し、経皮送達の評価を行った。その組成物を下表に記載する(製剤の合計量に対する重量%表示)。製剤13及び14は、非ゲル化溶液に該当する。
【表3】

(Carb.=カルボポール(登録商標))
【0080】
3.皮膚浸透動態のプロトコル
3.1.皮膚浸透セル
2つの異形の区画を有する静的流動セルを用いた(図1)。上の円筒状ドナー区画1(断面:2.54cm)から、皮膚2上へ製剤(溶液又は局所投与の形態)の投与を行うことができる。この上部区画1は、金属リングにより下部の区画4とつながっている。下部の受容側の区画4(平均容積:10mL)は、同様に2.54cmの上部開口部を有する。針及びカテーテルシステムを備える横方向のシャント5からサンプリングを行う。この下部の区画における溶媒のホモジナイズは、マグネチックスターラー3によって行う(図1参照)。
【0081】
3.2.生体膜
動物由来の皮膚
オスの裸のラットの皮膚(IOPSラット、5週齢)の皮膚生検標本を、腹部からサンプリングした。内部面に位置する脂肪組織を除去し、皮膚を2.54cmより大きい領域面積のサンプルとなるように切除した。各サンプルを、皮膚外表面が上方を向く形で、下部区画に設けた。
【0082】
ヒト皮膚
35歳の白人女性の腹部の、形成手術により切除されたサンプルを用いて試験を行った。サンプリング直後にサンプルを使用し、約250μmの厚さに皮膚分節した。
【0083】
3.3試験プロトコル
皮膚浸透セルの2つの区画1、4を、皮膚断片2によって構成した。受容側の区画4に、正確に測定された量の0.5%アルブミン溶液を充填した。更にセルを、恒温槽の37℃の撹拌プラットフォーム上で15時間振とうし、皮膚と受容側の溶媒とを平衡化した。
【0084】
皮膚2上へ製剤を投与し、動態を開始させた。皮膚2.54cm当たり約20mgの投与量により行った。24時間にわたり、2mLのサンプルを一定の時間間隔で受容側区画4からサンプリングし、その直後に、体積を一定に保つために2mLの新しいアルブミン溶液をその区画に添加した。製剤ごとに、5つの浸透セルを使用した。冷蔵保存の後、サンプルを液体シンチレーション滴定した。
【0085】
4.14Cテストステロン滴定
サンプルを1mLずつに二つに分け、4mLのシンチレーション液(Pico Fluor 40(登録商標))を添加し、測定時間を5分に設定した。更にサンプルを、β分光光度計(ベックマン社)を使用して液体シンチレーションによって滴定した。シンチレーションにおいては、クエンチングにより検出効率が減少するため、クエンチング曲線と称される較正曲線を作成して正確な測定を行った。サンプルごとに、外部のスタンダードの線源と実際の放射能から、クエンチングによる測定値を算出した。
【0086】
結果
1.テストステロン溶解性
既知量の溶媒(2mL)を、密閉したエルレンマイヤーフラスコで37℃にて撹拌した。テストステロンの既知量から開始し、フラクションを徐々に添加した。エルレンマイヤーフラスコ中の量を(差によって)測定し、テストステロンの残量を秤量した。37℃の水/エタノール混合液、及びプロピレングリコール(PG)オレイン酸(OA)プロピレングリコールジペラルゴン酸塩(PGDP)、transcutolなど様々な透過促進剤へのテストステロン溶解性に関し、インクリメント法で測定した。
様々な媒介剤におけるテストステロン溶解性
【表4】

【0087】
また、エタノール含量に対応するテストステロンの溶解性を解析した。
テストステロンの水/エタノール混合液への溶解度
【表5】

図2のグラフを参照。
【0088】
2.ゲルの粘性
ゲルのレオロジーをCarri−Med応力制御レオメータ(測定ジオメトリー:平面/平面、直径2cm、すきま1mm、温度20℃)で測定した。流動曲線を、以下の定義済みの剪断サイクルに従い、流動性をプロットした。
上昇段階:2分間、0〜300N/mまで応力増加;
プラトー:1分間、300N/mの一定応力;
下降段階:2分間、300〜0N/mまで応力減少。
いかなる履歴現象サイクルなしに、全てのゲルは軟化(擬塑性)の挙動を示した。
【0089】
2つのレオロジー試験を行った。
−カルボポール(登録商標)934ゲルの粘性の、エタノール含量による影響
−カルボポール(登録商標)980ゲルの粘性の、ポリマー含量による影響
【0090】
2.1.カルボポール(登録商標)934Pハイドロアルコールゲルの粘性
カルボポール(登録商標)ハイドロアルコールゲルのエタノール含量による影響を、95%エタノール含量を50%〜70%まで変化させて試験した。
【表6】

エタノールが55%以上では、粘度はエタノール含量増加に伴い大きく減少した。粘性は、エタノール50%にて増加した。
【0091】
2.2.カルボポール(登録商標)980ゲルの粘性
40%エタノールを含むハイドロアルコールゲルにおけるポリマー含量の影響について、カルボポール(登録商標)980を0.3%〜0.7%まで変化させて試験した。1分間、300N/mの応力でプラトーの状態にし、粘性を測定した。
【表7】

【0092】
3.ラット皮膚における、テストステロン製剤の皮膚浸透
表3の製剤の皮膚浸透を、ラット皮膚を用いてin vitroにて解析した。製剤25は、異質性(相分離)の理由により評価できなかった。24時間における放出量及び24時間における遊離率についての結果を下表に示す。
【表8】

製剤11〜27では8mg/cmを投与した。
【0093】
4.ヒト皮膚におけるテストステロン浸透
製剤15を対照とし、製剤26及び27を用いてヒト皮膚の評価を行った。結果を以下に示す。
【0094】
製剤26
5つのセルでの平均浸透パラメータ値:
【表9】

平均動態のプロット線を図3に示す。
平均流速:0.26μg/cm.h
【0095】
製剤27
5つのセルでの平均浸透パラメータ値
【表10】

平均動態のプロット線を図4に示す。
平均流速:0.39μg/cm.h
【0096】
製剤15(対照)
5つのセルでの平均浸透パラメータ値
【表11】

平均動態のプロット線を図5に示す。
平均流速:0.15μg/cm.h
【実施例2】
【0097】
材料及び方法
1.材料
[1,2,6,7−H]テストステロン(アマシャムラボラトリーズ社):MW=295(1mCi/mL(37MBq/mL)、エタノール溶液中);99Ci/mmol(3.66TBq/mmol)比活性、すなわち336mCi/mg(Lot18)。
無水エタノール(Carlo Erba社、lot V4N051154N)
Laboratoires Besins社によって調製された材料
カルボポール(登録商標)980 lot92010/4420
カルボポール(登録商標)934 lot/3898
テストステロン lot92039/4461
ミリスチン酸イソプロピル lot91169/5781
トリエタノールアミン(TEA) lot9304020/5721
プロピレングリコール(PG)
皮膚投与した製剤:(最終的な製剤100gに対する重量)
【表12】

製剤を以下の通り調製した。
【0098】
製剤1:
放射性標識ゲル1gを、以下の通り調製した:
−100μL(100μCi)の放射性標識(H)テストステロン溶液を乾燥させ、更に、
−57gの無水エタノール中に2.5gのテストステロンを溶解した溶液595mg、
−391.5mgのベースゲル(1gのカルボポール(登録商標)934に38.15gの水を吸収させ、完全な膨張の後、使用前に、粘質物をultra−turaxにより2、3秒間ホモジナイズしたもの)、及び
−13.5mgのTEA、に再懸濁した。
製剤の放射線量:100μCi/gゲル。すなわち0.8μCi及び200μgのテストステロンを、1.77cmのセル当たり8mg(約10μL)投与した。
【0099】
製剤2:
放射性標識ゲル1gを、以下のプロトコルに従って調製した:
−100μL(100μCi)の放射性標識(H)テストステロン溶液を乾燥させ、更に、
−58gの無水エタノール中に1gのテストステロンと0.5gのPGを溶解した溶液595mg、
−393mgのベースゲル(0.6gのカルボポール(登録商標)980に38.7gの水を吸収させ、完全な膨張の後、使用前に、粘質物をultra−turaxにより2、3秒間ホモジナイズしたもの)、及び
−水で2倍希釈した12mgのTEAに再懸濁した。
製剤の放射線量:100μCi/gゲル。すなわち0.8μCi及び80μgのテストステロンを、セル当たり8mg(約10μL)投与した。
【0100】
製剤3:
放射性標識ゲル1gを、以下のプロトコルに従って調製した:
−100μL(100μCi)の放射性標識(H)テストステロン溶液を乾燥させ、更に、
−58gの無水エタノール中に1gのテストステロンと0.5gのPGを溶解した溶液595mg、
−389mgのベースゲル(0.8gのカルボポール(登録商標)980に38.1gの水を吸収させ、完全な膨張の後、使用前に、粘質物をultra−turaxにより2、3秒間ホモジナイズしたもの)、及び
−水で2倍希釈した16mgのTEAに再懸濁した。
製剤の放射線量:100μCi/gゲル。すなわち0.8μCi及び80μgのテストステロンを、セル当たり8mg(約10μL)投与した。
【0101】
製剤4:
放射性標識ゲル1gを、以下のプロトコルに従って調製した:
−100μL(100μCi)の放射性標識(H)テストステロン溶液を乾燥させ、更に、
−67gの無水エタノール中に1gのテストステロンと0.5gのミリスチン酸イソプロピルを溶解した溶液685mg、
−267.75mgのベースゲル(0.9gのカルボポール(登録商標)980に25.875gの水を吸収させ、完全な膨張の後、使用前に、粘質物をultra−turaxにより2、3秒間ホモジナイズしたもの)、及び
−NaOH(0.1M)溶液47.25mgに再懸濁した。
製剤の放射線量:100μCi/gゲル。すなわち0.8μCi及び80μgのテストステロンを、セル当たり8mg(約10μL)投与した。
【0102】
製剤5:
放射性標識ゲル1gを、以下のプロトコルに従って調製した:
−100μL(100μCi)の放射性標識(H)テストステロン溶液を乾燥させ、更に、
−67gの無水エタノール中に1gのテストステロンと0.5gのミリスチン酸イソプロピルを溶解した溶液685mg、
−305mgのベースゲル(0.5gのカルボポール(登録商標)980に30gの水を吸収させ、完全な膨張の後、使用前に、粘質物をultra−turaxにより2、3秒間ホモジナイズしたもの)、及び
−2倍希釈したTEA10mgに再懸濁した。
製剤の放射線量:100μCi/gゲル。すなわち0.8μCi及び80μgのテストステロンを、セル当たり8mg(約10μL)投与した。
【0103】
2.方法
インビトロ経皮吸収:
原理
静置型拡散セル(フランツセル)(経皮吸収が行われる生存液(レセプター液)と真皮とが接触している状態である)に設置されたヒト腹部の皮膚分節された生検標本を用い、インビトロ経皮吸収の定量試験を行った。
【0104】
セル
皮膚生検標本はセルの2つの部分との間に水平に設置され、2つの区画を区切る:
−一方の表皮側の区画は、ガラス製のシリンダー(正確な1.77cmの領域を有し、皮膚の上側に配置される);
−他方は真皮側であり、外皮の下部面に位置し、横方向の収集ポートを有する一定体積の貯蔵ポートを含む。
【0105】
上記の2要素は、クランプを介して構成した。
【0106】
下側区画(真皮側)に、ウシ血清アルブミンを15g/Lで補充した、9g/L塩化ナトリウム溶液で構成される生存液を充填した。各時点にて、生存液を横方向の収集ポートから外部に全量をサンプリングし、新しい液体と置換した。
【0107】
下部セルを37℃に維持した。マグネチックスターラーにより撹拌し、受容側の液体の温度及び組成を一定に維持した。
【0108】
上部(表皮側区画)は外部に開いているため、表皮の表面は研究室の空気に露出している。
【0109】
ヒト腹部の皮膚の生検標本の皮膚分節:
白人のドナーの形成手術において採取したヒト腹部の皮膜サンプルを使用した。皮膚を、使用前に−20℃にて保存した。真皮の下に付着する脂肪細胞をメスで外科的に除去し、約0.5mmの厚さに皮膚を分節した。各分析において、様々な皮膚サンプルをロットごとに等しく使用した。
【0110】
一般のプロトコル
フランツセルは通常、試験する製剤を投与する日の前日にインストールする。表皮側区画が試験室の空気に接触している状態で、真皮側区画を37℃の一定温度に保ちつつ、皮膚を約17時間アルブミンを含む生理食塩水と接触させた。これらの条件下では、皮膚は非常に水和する。
【0111】
10μLの溶液(約8μL、約8μCi)を、ガラス製シリンダーによって区切られた表皮の表面全体に、マイクロピペットによって塗布した。真皮側区画に含まれる液体を、2時間後、4時間後、6時間後、8時間後及び24時間後において、横方向の収集ポートからサンプリングした。各時点において、生存液を外部へ全量サンプリングし、新しい液と置換した。
【0112】
分析終了時、処理した真皮側の表面を以下のプロトコルに従い、200μLの各種溶媒で洗浄した。
−1回目洗浄:セタブロン(登録商標)/水(1/9(v/v));
−2回目洗浄:水;
−3回目洗浄:セタブロン(登録商標)/水(1/9(v/v));
−4回目洗浄:水;
−5回目洗浄:水。
【0113】
更に、投与した領域をQ−tips(登録商標)で拭いた。更に表皮及び真皮をメスで機械的に分離し、それぞれ1mL及び3mLのSoluene(登録商標)(パッカード社)中で消化させた。
【0114】
放射能測定
Packard−tricarb 4530パーティクルカウンターを使用し、液体シンチレーション測定した。
【0115】
放射性サンプルの調製:
拡散セルの下側区画からサンプリングされた生存液を、直接15mLの液体シンチレーションカクテル(Picofluor 4OR、Packard社)に添加し、放射能測定装置により測定した。洗浄液及びQ−tips(登録商標)を、約30mLの95%エタノール入りのバイアルに添加し、正確に秤量した。4℃で一晩インキュベートした後、この正確に秤量された希釈液の放射能を、生存液と同じ手順に従い測定した。表皮及び真皮を、最初に強い有機塩基で溶解させる必要がある。それらをSoluene350(登録商標)パッカードを用いて37℃、24時間接触させて溶解(100mg組織あたり1mL)させ、更に15mLの液体シンチレーションカクテル(Hionic Fluor 30(登録商標)、Packard社)を添加し、更にメーターで測定した。
【0116】
放射能測定:
クエンチングが関与する場合、計数率を外部スタンダードから作成した較正曲線により修正し、各試料の真の活性を表す毎分の壊変率(dpm)を測定した。各サンプルのcpmからバックグラウンド値を引いた。シンチレーション液ごとにクエンチング曲線を作成した。
【0117】
最適な希釈較正曲線による計数率から算出した結果を、各投与量におけるサンプル中に存在する物質の重量又はパーセンテージとして表す。
【0118】
経真皮吸収:
経真皮吸収の度合いは、時間ごとに、添加量(Qi)の吸収パーセンテージ(%)を算出することによって評価した:
%=(Qt/Qi)×100
(式中、Qtは時点tにおける吸収量である)。
【0119】
各時間間隔における平均流量及び吸収量を、ng/cm/h、及びngの単位でそれぞれ測定し、表した。
【0120】
6〜8回の実験結果の平均を結果とし、標準偏差(SD)を取った。
【0121】
分散分析を行い、上記の結果平均の比較を行った。
【0122】
3.結果
最終的な製剤100g中に存在する物質の重量パーセント濃度で表した。
【0123】
フランツセル中へのインビトロにおけるテストステロン浸透(蓄積値)
平均値+/−Sdを時間ごとに表す。
【表13】


@:対照との差異(分散分析、フィッシャー検定(p<5%))
※:対照との差異(anova、フィッシャー検定及びシェッフェF検定(p<5%))
回収値(蓄積値)
【表14】

E:表皮、D:真皮、C:セル、W:洗浄、T:全量
@:対照との差異(分散分析、フィッシャー検定(p<5%))
°:製剤2、3及び4との差異(anova、フィッシャー検定(p<5%))
*:対照との差異(anova、フィッシャー検定及びシェッフェF検定(p<5%))
フランツセル中へのインビトロにおけるテストステロン浸透(非蓄積値)
【0124】
平均値+/−Sdを時間ごとに表す。
【表15】

@:対照との差異(分散分析、フィッシャー検定(p<5%))
※:対照との差異(分散分析、フィッシャー検定及びシェッフェF検定(p<5%))
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】2つの異形の区画を有する静的流動セルを示す模式図。
【図2】テストステロンの水/エタノール混合液への溶解度を示すグラフ。
【図3】製剤26の平均動態のプロット線を示す。
【図4】製剤27の平均動態のプロット線を示す。
【図5】製剤15(対照)の平均動態のプロット線を示す。
【符号の説明】
【0126】
1 上部区画1
2 皮膚
3 マグネチックスターラー
4 下部区画
5 シャント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含んでなる、医薬組成物:
−テストステロンを0.5〜5.0%(w/w)
−少なくとも一つのC2−C6アルコールを40.0〜75.0%(w/w)
−少なくとも一つのゲル化剤を0.1〜5.0%(w/w)
−プロピレングリコールを0.1〜5.0%(w/w)
−任意に水。
【請求項2】
前記C2−C6アルコールが、エタノール、プロパン−1−オール及びプロパン−2−オール、並びにそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記ゲル化剤が、アクリル酸ベースのポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース化合物及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1又は2のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項4】
上記ゲル化剤がカルボマー、例えばカルボポール(登録商標)980、カルボポール(登録商標)934P、カルボポール(登録商標)1342、カルボポール(登録商標)1382、並びにそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つのゲル化剤を含む、請求項1乃至3のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項5】
更に塩基を、好ましくはトリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、アルギニン、アミノメチルプロパノール、トロメタミン及びそれらの混合物からなる群から選択される塩基を含む、請求項1乃至4のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項6】
ミリスチン酸イソプロピルを更に含む、請求項1乃至5のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項記載の医薬組成物を含む、経真皮送達又は経表皮送達に有用なゲル。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれか一項記載の医薬組成物又は請求項7記載のゲルを含む、単位投与パケット、単回投与パケット又は複数回投与パケット。
【請求項9】
請求項1乃至6のいずれか一項記載の医薬組成物又は請求項7記載のゲルを含む、例えば手押しポンプなどのディスペンサー。
【請求項10】
少なくとも一つのC2−C6アルコール、少なくとも一つの透過促進剤及びテストステロンを含む混合物を準備する工程と、
任意に水を添加し、混合する工程と、
任意にこの混合物にゲル化剤を添加し、混合する工程と、
任意に塩基を添加し、再度混合する工程を含む、請求項1乃至6のいずれか一項記載の医薬組成物又は請求項7記載のゲルを調製する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−512425(P2008−512425A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530680(P2007−530680)
【出願日】平成17年9月7日(2005.9.7)
【国際出願番号】PCT/EP2005/010293
【国際公開番号】WO2006/027278
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(505233549)ラボラトワール ブザン アンテルナスィヨナル (9)
【Fターム(参考)】