説明

透過型表示パネルの検査装置、透過型表示パネルの検査方法、透過型表示パネルの製造方法、プログラム及び記録媒体

【課題】透過型表示パネルに、少なくとも2種類以上の異なる階調の表示領域を同時に有する検査パターンを有する場合において、表示領域毎の欠陥を高精度に検出する。
【解決手段】光透過量の増減を制御することにより階調表示を行う液晶パネル11の欠陥検査を行う。液晶パネル11を背後から照射する複数の蛍光管1aを有し、かつ各蛍光管1aの液晶パネル11への照射光量を増減制御するバックライトユニット1と、液晶パネル11に、少なくとも2種類以上の異なる階調の表示領域を同時に有する検査パターンを表示させる液晶パネル点灯制御装置3と、階調が高い表示領域ほど蛍光管1aの照射光量を小さくすると共に、階調が低い表示領域ほど蛍光管1aの照射光量を大きくするようにバックライトユニット1を制御するバックライト制御装置2とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば透過型液晶パネル等の透過型表示パネルの背面からバックライトを照射して、透過型表示パネルの欠陥部分の抽出を行うことにより透過型表示パネルの欠陥検査を行う透過型表示パネルの検査装置、透過型表示パネルの検査方法、透過型表示パネルの製造方法、プログラム及び記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶パネル製造ラインの検査工程においては、液晶パネルの点灯検査としてバックライトを一様に光らせた状態で液晶パネルの透過光を検査員により観察し、又はカメラ等のセンサを用いて観察する。
【0003】
ところで、液晶パネルの回路不良や異物の混入等を原因とする液晶パネルの欠陥は、特定の表示モードでのみ顕在化する場合が多いため、上記点灯検査は複数の表示モードを液晶パネル上に表示しながら検査を行う必要がある。
【0004】
例えば、特許文献1に開示する表示パネルの検査方法では、例えば黒表示における輝点欠陥検査時にはバックライトの強度を上げることにより、輝点の背景に対する相対強度を上げる等、複数の表示モード及び検査の目的に適したバックライト強度の制御を行っている。これにより、検査員が欠陥を発見するのを容易にしている。
【特許文献1】特開2006−343688号公報(2006年12月21日公開)
【特許文献2】特開2002−244097号公報(2002年8月28日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の液晶パネルの検査装置では、パネル全面に一様な表示を行う場合の検査精度を上げることはできるものの、パネル内に特定の明暗パターンが存在した場合にのみ出現するような欠陥を強調する場合であってもパネル全面の透過光量を照明強度に比例して増大又は減少させる。このため、暗い領域を強調するために明るい領域が飽和する、又はその逆に、明るい領域を抑制するために暗い領域の輝度が低下するという問題点を有している。
【0006】
例えば、ソース−ドレイン間の短絡によるリーク欠陥を検出するための検査パターンとして、例えば特許文献2には、透過型表示パネルにおける表示画面を2分割し、一方が黒表示されかつ他方が白表示される場合と、上記一方が白表示されかつ上記他方が黒表示される場合とにより行うことが開示されている。このような場合には、上記の問題が発生する。
【0007】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、透過型表示パネルに、少なくとも2種類以上の異なる階調の表示領域を同時に有する検査パターンを有する場合において、表示領域毎の欠陥を高精度に検出する透過型表示パネルの検査装置、透過型表示パネルの検査方法、透過型表示パネルの製造方法、プログラム及び記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の透過型表示パネルの検査装置は、上記課題を解決するために、光透過量の増減を制御することにより階調表示を行う、被検査物である透過型表示パネルの欠陥検査を行う透過型表示パネルの検査装置において、上記透過型表示パネルを背後から照射する複数の光源を有し、かつ各光源の上記透過型表示パネルへの照射光量を増減制御する照射手段と、上記透過型表示パネルに、少なくとも2種類以上の異なる階調の表示領域を同時に有する検査パターンを表示させる検査パターン表示手段と、上記階調が高い表示領域ほど上記光源の透過型表示パネルへの照射光量を小さくすると共に、上記階調が低い表示領域ほど上記光源の透過型表示パネルへの照射光量を大きくするように上記照射手段を制御する光量制御手段とを備えていることを特徴としている。なお、光透過量とは、単位面積当たりの光透過量をいう。
【0009】
また、本発明の透過型表示パネルの検査方法は、上記課題を解決するために、光透過量の増減を制御することにより階調表示を行う、被検査物である透過型表示パネルの欠陥検査を行う透過型表示パネルの検査方法において、上記透過型表示パネルを背後から照射する複数の光源を設ける工程と、上記透過型表示パネルに、少なくとも2種類以上の異なる階調の表示領域を同時に有する検査パターンを表示させる工程と、上記階調が高い表示領域ほど上記光源の透過型表示パネルへの照射光量を小さくすると共に、上記階調が低い表示領域ほど上記光源の透過型表示パネルへの照射光量を大きくするように制御する工程とを含むことを特徴としている。
【0010】
また、本発明の透過型表示パネルの製造方法は、上記課題を解決するために、上記記載の透過型表示パネルの検査装置における照射手段の前面位置に透過型表示パネルを配置する工程と、上記透過型表示パネルの検査装置における照射手段の前面位置に配置された透過型表示パネルを、上記記載の透過型表示パネルの検査方法により、欠陥検査する工程とを含むことを特徴としている。
【0011】
上記の発明によれば、照射手段は、透過型表示パネルを背後から照射する複数の光源を有し、かつ各光源の上記透過型表示パネルへの照射光量を増減制御するようになっている。そして、透過型表示パネルに、少なくとも2種類以上の異なる階調の表示領域を同時に有する検査パターンを表示させる場合の欠陥検査においては、光量制御手段が、階調が高い表示領域ほど光源の透過型表示パネルへの照射光量を小さくすると共に、階調が低い表示領域ほど光源の透過型表示パネルへの照射光量を大きくするように照射手段を制御する。
【0012】
このため、検査対象である透過型表示パネルを特定の条件下で点灯させたときに発生させた場合にのみ顕在化する透過型表示パネルの欠陥の検査を高精度に行うために、例えば、照射手段の光源毎の強度を透過型表示パネルの階調に基づいて制御することができる。
【0013】
この結果、透過型表示パネルに現れた欠陥を透過型表示パネルの表示領域毎に最適な条件下で検査することができるようになり、欠陥の検出精度向上が可能になる。すなわち、検査員或いは検査用機材は、透過型表示パネルの全面を一様な照射光量下で観察できるようになるので、欠陥の発見を容易に行うことができるようになる。
【0014】
特に、例えば、カメラで撮像した画像をコンピュータで処理することにより透過型表示パネルの欠陥検査を行う場合には、カメラのダイナミックレンジの範囲に適したパネル透過光条件が設定できるようになる。この結果、カメラの露光時間やゲインの設定を変更しながら複数回撮像を行う必要がなく、検査を迅速に行うことができるようになる。
【0015】
したがって、透過型表示パネルに、少なくとも2種類以上の異なる階調の表示領域を同時に有する検査パターンを有する場合において、表示領域毎の欠陥を高精度に検出する透過型表示パネルの検査装置、透過型表示パネルの検査方法、透過型表示パネルの製造方法を実現することができる。
【0016】
また、本発明の透過型表示パネルの検査装置では、前記検査パターンは、前記透過型表示パネルにおける表示画面を2分割し、分割画面の一方が黒表示されかつ他方が白表示される場合と、分割画面の一方が白表示されかつ上記他方が黒表示される場合とを含むことが好ましい。
【0017】
これにより、ソース(S)方向の電荷がドレイン(D)に漏出して発生するいわゆるSDリークの欠陥を精度良く検出することができる。
【0018】
また、本発明の透過型表示パネルの検査装置では、前記検査パターンは、前記透過型表示パネルの最小階調から最大階調までを少なくとも3分割した、異なる階調の表示領域に分割表示されたものからなっていることが好ましい。
【0019】
これにより、透過型表示パネルの最小階調から最大階調までを少なくとも3分割した、異なる階調の表示領域に分割表示された検査パターンを用いるので、特定の階調でコントラストが目立つ線欠陥である特定階調線欠陥、又はドライバにおける特定のビットの動作不良によって生じる特定階調不良の線欠陥を精度良く発見することができる。
【0020】
また、本発明の透過型表示パネルの検査装置では、前記光量制御手段は、前記検査パターンにおける前記透過型表示パネルの各表示領域の階調毎における光源の標準光量による光透過量を測定する光透過量測定手段と、上記光透過量測定手段にて求めた各表示領域の光透過量に基づいて、各光源の出力を決定する部位出力設定手段とを備えていることが好ましい。
【0021】
これにより、光透過量測定手段及び部位出力設定手段により、表示領域毎の欠陥を検出するときに、具体的に、目視又はカメラによる検出において、検出し易く、かつカメラの測定ダイナミックレンジの範囲内になるように光透過量を設定することができる。
【0022】
また、本発明の透過型表示パネルの検査装置では、前記透過型表示パネルにおける、光源からの透過光を撮像する撮像手段と、上記撮像手段にて撮像した像を画像処理し濃淡比較を行うことにより欠陥部分の抽出を行う画像処理手段が設けられていることが好ましい。
【0023】
これにより、撮像手段により光源からの透過光を撮像し、画像処理手段にて、その撮像手段にて撮像した像を画像処理し濃淡比較を行うことにより欠陥部分の抽出を行うことができる。
【0024】
また、本発明の透過型表示パネルの検査装置では、前記撮像手段は、エリアセンサ型カメラであることが好ましい。
【0025】
上記の発明によれば、撮像手段は、エリアセンサ型カメラである。すなわち、エリアセンサは、ラインセンサよりも撮像範囲が広い。しかし、エリアセンサは、一般に、撮像光量を調整するためのゲイン設定及び露光時間の制御が取込み領域全域で均一である。したがって、検査対象物に階調に基づく濃淡が存在すると飽和(高光量領域)或いは感度不足(低光量領域)が発生する可能性がある。すなわち、撮像手段がエリアセンサ型カメラである場合は、一般的に素子の出力は露光時間で決まる受光量にセンサ全体で一様なアナログゲインをかけたものになる。したがって、パネル透過光の強度の範囲が広いとカメラ素子のダイナミックレンジを超えるため飽和又は情報の欠落が発生する。
【0026】
したがって、本発明では、このようなエリアセンサ型カメラを用いた場合において、透過型表示パネルの表示領域における光源の照射光量を制御することによって、検査対象物全域で高感度の検査を行うことができる。
【0027】
また、本発明の透過型表示パネルの検査装置では、前記光源は、蛍光管からなると共に、前記光量制御手段は、蛍光管の前記透過型表示パネルへの照射光量を制御することが好ましい。
【0028】
これにより、光源は蛍光管からなるので、透過型表示パネルの光源として一般的な蛍光管を用いる場合に、透過型表示パネルに、少なくとも2種類以上の異なる階調の表示領域を同時に有する検査パターンを有する場合において、表示領域毎の欠陥を高精度に検出する透過型表示パネルの検査装置、透過型表示パネルの検査方法、透過型表示パネルの製造方法を実現することができる。
【0029】
また、本発明の透過型表示パネルの検査装置では、前記光源は、発光素子からなると共に、前記光量制御手段は、上記発光素子の前記透過型表示パネルへの照射光量を制御することが好ましい。
【0030】
これにより、光源は、発光素子からなるので、近年、透過型表示パネルの光源として用いられるようになってきた発光素子を用いる場合に、透過型表示パネルに、少なくとも2種類以上の異なる階調の表示領域を同時に有する検査パターンを有する場合において、表示領域毎の欠陥を高精度に検出する透過型表示パネルの検査装置、透過型表示パネルの検査方法、透過型表示パネルの製造方法を実現することができる。
【0031】
また、本発明の透過型表示パネルの検査装置では、前記光量制御手段は、前記検査パターン表示手段による検査パターンに対応する照射手段における各光源の点灯位置及び照射光量を含む点灯パターンを記憶する点灯パターン記憶手段を備えていることが好ましい。
【0032】
これにより、検査パターンが決まれば、点灯パターン記憶手段から、随時、検査パターンに対応する照射手段における各光源の点灯位置及び照射光量を含む点灯パターンを呼び出して照射手段の各光源を点灯制御できるので、点灯制御を早く行うことができる。
【0033】
また、本発明の透過型表示パネルの検査装置では、前記光量制御手段は、光源の寿命を考慮して各光源の出力を決定する寿命制御手段を備えていることが好ましい。
【0034】
すなわち、光量制御手段が照射手段の光源の照射光量を増減制御する場合に、光源の寿命を考慮しないと、適切な光透過量が得られない。
【0035】
これに対して、本発明では、寿命制御手段は、光源の寿命を考慮して各光源の出力を決定する。この結果、蛍光管に対する有効電圧を、撮像手段によって撮像した画像の各光源に対応する領域の輝度変化を適切に補償するように逐次制御することができる。
【0036】
また、本発明の透過型表示パネルの検査装置では、前記透過型表示パネルを照射手段の前面位置に搬送配置する搬送手段を備えていることが好ましい。
【0037】
これにより、本発明では、透過型表示パネルと、照射手段及びその他の構成要素を分離することが可能である。したがって、透過型表示パネル以外の構成要素を固定し、透過型表示パネルを順次交換しながら検査を行うことができる。また、最終製品において照射手段に光源毎の照射強度調整機能を設ける必要がなくなる。
【0038】
なお、上記透過型表示パネルの検査装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記透過型表示パネルの検査装置をコンピュータにて実現させる透過型表示パネルの検査装置の検査プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0039】
本発明の透過型表示パネルの検査装置は、以上のように、透過型表示パネルを背後から照射する複数の光源を有し、かつ各光源の上記透過型表示パネルへの照射光量を増減制御する照射手段と、上記透過型表示パネルに、少なくとも2種類以上の異なる階調の表示領域を同時に有する検査パターンを表示させる検査パターン表示手段と、上記階調が高い表示領域ほど上記光源の透過型表示パネルへの照射光量を小さくすると共に、上記階調が低い表示領域ほど上記光源の透過型表示パネルへの照射光量を大きくするように制御する光量制御手段とを備えているものである。
【0040】
また、本発明の透過型表示パネルの検査方法は、以上のように、上記透過型表示パネルを背後から照射する複数の光源を設ける工程と、上記透過型表示パネルに、少なくとも2種類以上の異なる階調の表示領域を同時に有する検査パターンを表示させる工程と、上記階調が高い表示領域ほど上記光源の透過型表示パネルへの照射光量を小さくすると共に、上記階調が低い表示領域ほど上記光源の透過型表示パネルへの照射光量を大きくするように制御する工程とを含む方法である。
【0041】
また、本発明の透過型表示パネルの製造方法は、以上のように、上記記載の透過型表示パネルの検査装置における照射手段の前面位置に透過型表示パネルを配置する工程と、上記透過型表示パネルの検査装置における照射手段の前面位置に配置された透過型表示パネルを、上記記載の透過型表示パネルの検査方法により、欠陥検査する工程とを含む製造方法である。
【0042】
それゆえ、透過型表示パネルに、少なくとも2種類以上の異なる階調の表示領域を同時に有する検査パターンを有する場合において、表示領域毎の欠陥を高精度に検出する透過型表示パネルの検査装置、透過型表示パネルの検査方法、透過型表示パネルの製造方法を実現することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
本発明の一実施形態について図1ないし図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0044】
本実施の形態の透過型表示パネルとしての液晶パネルの検査を行うための検査装置としての液晶パネル検査装置10の構成を図1に基づいて説明する。図1は、上記液晶パネル検査装置10の構成を示すブロック図である。
【0045】
上記液晶パネル検査装置10は、図1に示すように、検査対象である透過型の液晶パネル11に背面から光を照射させる例えば5本の光源としての蛍光管1aとこの蛍光管1aの光を拡散させる拡散板1bとからなる照射手段としてのバックライトユニット1と、上記バックライトユニット1の点灯を制御する光量制御手段としてのバックライト制御装置2と、上記液晶パネル11の点灯を制御する検査パターン表示手段としての液晶パネル点灯制御装置3と、液晶パネル11から透過光を正面から撮像する撮像手段としてのカメラ4と、上記カメラ4にて撮像した液晶パネル11の像を画像処理する画像処理手段としての画像処理装置5とを有している。
【0046】
本実施の形態では、上記液晶パネル検査装置10は、検査対象である液晶パネル11とは独立であり製造装置の一部として固定されている。そして、液晶パネル11は、図示しない搬送手段としてのコンベア等の搬送ライン上を移動して順次液晶パネル検査装置10に設置されるようになっている。なお、液晶パネル11は、階調を制御するソースドライバ、走査線を制御するゲートドライバ、及びこれらソースドライバ及びゲートドライバを制御するコントロール回路を含んでいる。したがって、液晶パネル11には、製品となるときには必要となるバックライトは含まれていない。
【0047】
そして、液晶パネル検査装置10に設置された液晶パネル11に対して背面からバックライトユニット1における独立に輝度を制御可能な5本の蛍光管1aにて光を照射させ、この光を拡散板1bにて拡散させて液晶パネル11に入光させる。次いで、液晶パネル11の透過光を、この液晶パネル11の正面に設置したカメラ4によって観測する。
【0048】
上記カメラ4は、画像処理装置5により制御されており、カメラ4によって液晶パネル11の正面から撮像した撮像した検査用画像は、画像処理装置5によって画像処理され、濃淡比較を行うことによって、欠陥の判別が行われる。なお、画像処理装置5により画像処理し、濃淡比較を行うことによって欠陥を判別する方法については、公知の技術であるので、説明を省略する。
【0049】
上記のカメラ4は、例えばラインセンサを備えたものとすることができる。これにより、ラインセンサは取り込み周期≒露光周期となるので、後述するように、ゲイン調整で対応できない範囲の光量調整を、独立に輝度を制御可能な5本の蛍光管1aを備えたバックライトユニット1にて行うことにより検査精度向上が可能になる。
【0050】
なお、カメラ4は、ラインセンサを備えたものに限らず、エリアセンサを備えたものとすることも可能である。エリアセンサは、一般に、光量を調整するためのゲイン設定及び露光時間の制御が取込み領域全域で均一である。したがって、検査対象物に光量の濃淡が存在すると飽和(高光量領域)或いは感度不足(低光量領域)が発生する可能性がある。この場合にも、本実施の形態では、独立に輝度を制御可能な5本の蛍光管1aを備えたバックライトユニット1にて飽和及び感度不足領域の光量を制御することによって、検査対象物全域で高感度の検査を行うことができる。
【0051】
上記のバックライト制御装置2、液晶パネル点灯制御装置3、及び画像処理装置5は、いずれも液晶パネル検査装置10によって同期を取りながら制御される。なお、本発明においては、液晶パネル点灯制御装置3は必ずしも液晶パネル検査装置10に必須のものではない。前述したように、液晶パネル11には、ソースドライバ、ゲートドライバ、並びにソースドライバ及びゲートドライバを制御するコントロール回路が備えられているので、液晶パネル点灯制御装置3がなくても、液晶パネル11側で該液晶パネル11の検査パターンの表示制御を行うことができるためである。
【0052】
このような構成をとることにより、最終製品のバックライト仕様に関わりなく液晶パネル11の欠陥検査を実現できるようになる。
【0053】
ここで、検査に際して、液晶パネル11の透過性は、液晶パネル点灯制御装置3によって制御することができるようになっている。例えば、図2(a)(b)に示すように、全面黒表示や全面白表示のように一様な検査パターンを表示することや、図2(c)(d)に示すように、画面を2分割して、パネル上部を白表示としかつパネル下部を黒表示とする一方、これとは逆に、2分割された画面において、パネル上部を黒表示としかつパネル下部を白表示とする検査パターンを表示することができる。また、パネル上部からパネル下部にかけてグラデーションとなるような一様でない検査パターンを表示することができる。
【0054】
上記液晶パネル11の検査を行うための検査パターンについて、図3(a)(b)〜図5に基づいて詳述する。なお、図3(a)(b)〜図5においては、簡略化のためにグレー表示としているが、必ずしもこれに限らず、カラー表示であってもよい。
【0055】
すなわち、液晶パネル11の欠陥として、例えば、黒点、輝点等の画素欠陥や黒線、輝線等の線欠陥としての現象が現れるが、これらの現象に対する欠陥原因は、一律ではなく種々のものがある。したがって、欠陥原因を求めるためには、液晶パネル11の画面に種々の検査パターンを表示させて行うのが一般的である。
【0056】
例えば、図3(a)に示すように、全面白表示21の検査パターンにおいては、例えばノーマリブラックモードにおいて、液晶パネル11の全画素を例えば階調255の状態、つまり光透過量100%の透過状態となっており、そのときに、黒点が出現する場合には、その画素が常時消灯状態であり、その画素に欠陥が存在していることが把握できる。また、図3(a)において、黒線が出現する場合には、その画素列が常時消灯状態であり、その画素列にデータを供給するデータバスラインに欠陥が存在していることが把握できる。
【0057】
同様に、図3(b)に示すように、全面黒表示22の検査パターンにおいては、例えばノーマリブラックモードにおいて、液晶パネル11の全画素を例えば階調0の状態、つまり光透過量0%の透過状態となっており、このときに、輝点が出現する場合には、その画素が常時点灯状態であり、その画素に欠陥が存在していることが把握できる。また、図3(b)において、輝線が出現する場合には、その画素列が常時点灯状態であり、その画素列にデータを供給するデータバスラインに欠陥が存在していることが把握できる。
【0058】
また、欠陥の原因として、例えば、図4(a)(b)に示すように、液晶パネル11における縦方向の該当画素以外の画素に電荷がかかっている場合に、配線のリークによって電荷が該画素に流れ込むリーク欠陥がある。
【0059】
このようなリーク欠陥を発見するために、図4(a)(b)に示すように、液晶パネル11の半面を白表示し、液晶パネル11の残り半面を黒表示した白黒表示23又は黒白表示24にて検査を行う。
【0060】
例えば、ソース(S)方向の電荷がドレイン(D)に漏出して発生するいわゆるSDリークの欠陥を発見するためには、図4(a)(b)に示すように、液晶パネル11の全画素のソース(S)に例えば階調255の電圧を印加すると共に、液晶パネル11を上下2分割し、ゲート(G)を半面毎にオフして検査を行う。この結果、検査パターンとしては、図2(c)(d)に示すように、白黒表示23及び黒白表示24の2種類となる。
【0061】
この検査パターンにおいて、画素のソース(S)とドレイン(D)とが短絡している場合には、図4(a)(b)に示すように、黒表示の部分に輝点欠陥(当該255階調を示す明るさの輝点)が発生する。
【0062】
すなわち、ゲート(G)がオフとなっている半面黒表示において、画素にSDリークが存在すると、ソース(S)電圧の電圧変化がドレイン(D)を介してそのまま画素の電圧変化となる。したがって、ゲート(G)オフ期間における黒表示領域中に輝点欠陥が存在すれば、その欠陥は、SDリークの欠陥であることが把握できる。
【0063】
次に、液晶パネル11の欠陥としては、液晶パネル11の図示しないドライバ部に欠陥があり特定の階調を表示した場合にのみ該当液晶素子が透過率最大になるドライバ欠陥がある。
【0064】
このようなドライバ欠陥を発見するためには、ドライバを共有する方向に表示階調を変更しながら検査を行う必要がある。例えば、ドライバがパネル縦方向に共通である場合は、図2(e)に示すように、画面上辺から下辺にかけて透過率にグラデーションをつけた全階調表示25の検査パターンを表示させる。その結果、図5に示すように、特定の階調でコントラストが目立つ線欠陥である特定階調線欠陥25a、又はドライバにおける特定のビットの動作不良によって生じる特定階調不良25bの線欠陥を発見することができる。例えば、最小階調0〜最大階調255の場合、8ビットで表される。このため、この8ビットのうちの1つのビットに欠陥があると、その欠陥ビットを用いる階調範囲で輝線欠陥が出現する。
【0065】
したがって、全階調表示25の検査パターンによって、コントラスト欠陥及びドライバにおける特定のビットの動作不良を発見することができる。
【0066】
なお、図4(a)(b)に示す白黒表示23又は黒白表示24にて検査を行う場合において、白黒表示23における白表示部分の隅部は、液晶パネル11の位置合わせを行うときに、液晶パネル11の隅角が、所定位置と一致しているかの確認を行う必要がある。その場合に、白黒表示23における白表示部分の隅部が明る過ぎると、該位置の確認が困難となる。したがって、白表示部分においては、液晶パネル11の隅角の位置合わせを行う場合においても、蛍光管1aの光量調整することによって、位置合わせを容易に行うことができるものとなる。
【0067】
なお、本実施の形態では、図2(a)〜(e)に示すように、液晶パネル11の検査用の表示パターンは簡易のために、全面白表示21、全面黒表示22、白黒表示23、黒白表示24、全階調表示25の5パターンとしている。しかし、必ずしもこれに限らず、より多くの検査用の表示パターンを用いることができる。
【0068】
ところで、このような液晶パネル11の欠陥の発生により、人間の目視検査により、当該点欠陥及び線欠陥を認識することができるが、例えば全面白表示21における黒点欠陥検査時において、バックライトユニット1における蛍光管1aの光量が一定である場合には、画素は液晶パネル11に比べて微細であるので、見落とす可能性がある。また、逆に、全面黒表示22における輝点欠陥検査時において、バックライトユニット1における蛍光管1aの光量が一定である場合にも、画素は液晶パネル11に比べて微細であるので、見落とす可能性がある。
【0069】
また、目視検査に限らず、カメラ4にて液晶パネル11の像を撮像するときにも、カメラ4には、明るさに対する感度に一定の範囲が存在するので、全面白表示21における黒点等が写らない可能性がある。すなわち、検査員が目視で検査を行う場合は、人の目の光量調整機能により上記のようなパネル輝度の差があっても対応可能であるが、カメラ等の機械的手段を用いて検査を行う場合はダイナミックレンジの制限により、検査精度が向上する領域と検査精度が低下する領域とが混在することになる。
【0070】
そこで、例えば、前記特許文献1では、全面黒表示22においてはバックライトの強度を上げることにより輝点の背景に対する相対強度を上げ、全面白表示21においてはバックライトの強度を下げることにより黒点の背景に対する相対強度を下げている。これにより、検査員が欠陥を発見するのを容易にしている。
【0071】
しかしながら、本実施の形態のように、白黒表示23、黒白表示24及び全階調表示25を行う場合には、バックライトユニット1の強度を上下しても全画面においては輝点又は黒点の背景に対する適切な相対強度を得ることができない。例えば、暗い領域を強調するために明るい領域が飽和する、又はその逆に、明るい領域を抑制するために暗い領域の輝度が低下するという問題点を有している。
【0072】
そこで、本実施の形態では、液晶パネル11の検査を行うときに、欠陥を出現させる検査パターンの濃淡を緩和するように検査パターンに対応した領域別に、バックライト制御装置2にて、バックライトユニット1における蛍光管1aの光量出力を制御するようになっている。すなわち、バックライトユニット1における複数としての例えば5本の蛍光管1aは、それぞれが出射光量を大きくしたり小さくしたりの個別制御ができるようになっている。なお、本実施の形態の液晶パネル検査装置10では、液晶パネル11の縦方向に5個の領域で個別に、蛍光管1aの制御が可能となっているが、これは検査対象である液晶パネル11のドライバが液晶パネル11の縦方向に共通であるためである。
【0073】
ここで、バックライト制御装置2は、液晶パネル11の光透過量が多い表示領域ほど蛍光管1aの出射光量を小さくすると共に、液晶パネル11の光透過量が少ない表示領域ほど蛍光管1aの出射光量を大きくするように、バックライトユニット1を制御するようになっている。
【0074】
具体的には、図2(a)に示す全面白表示21の場合には、図6(a)に示すように、全ての蛍光管1aの光量を例えば輝度50%にした点灯パターン31とする。すなわち、図2(a)に示す全面白表示21では、蛍光管1aの光量は多くなくても、液晶パネル11の欠陥を認識できるので、図6(a)に示すように、蛍光管1aの輝度を小さく抑えることができる。
【0075】
また、図2(b)に示す全面黒表示22の場合には、図6(b)に示すように、全ての蛍光管1aの光量を例えば輝度100%にした点灯パターン32とする。すなわち、図2(b)に示す全面黒表示22では、蛍光管1aの光量が多くなければ、液晶パネル11の欠陥の認識が困難となるので、図6(b)に示すように、蛍光管1aの輝度を例えば、最大限の100%にする。
【0076】
同様の考え方にて、図2(c)〜(e)においては、図3(c)〜(e)に示すように蛍光管1aの輝度をバックライト制御装置2にて制御する。
【0077】
具体的には、図2(c)に示す白黒表示23の場合には、図6(c)に示すように、白表示部位に近い領域1及び領域2の蛍光管1aの光量を例えば輝度50%とし、黒表示部位に近い領域3〜領域5の蛍光管1aの光量を例えば輝度100%とした点灯パターン33とする。図2(d)に示す黒白表示24の場合には、図6(d)に示すように、黒表示部位に近い領域1〜領域3の蛍光管1aの光量を例えば輝度100%とし、白表示部位に近い領域4及び領域5の蛍光管1aの光量を例えば輝度50%とした点灯パターン34とする。最後に、図2(e)に示す全階調表示25の場合には、図6(e)に示すように、白表示から黒表示の順に、領域1の蛍光管1aの光量を例えば輝度50%とし、領域2の蛍光管1aの光量を例えば輝度62.5%とし、領域3の蛍光管1aの光量を例えば輝度75%とし、領域4の蛍光管1aの光量を例えば輝度87.5%とし、領域5の蛍光管1aの光量を例えば輝度100%とした点灯パターン35とする。
【0078】
これらにより、液晶パネル11の白表示部分においては黒点の背景の光量が低減され、液晶パネル11の黒表示部分においては輝点の光量が増加される。したがって、人間の目視検査において、検査員が欠陥を発見するのが容易となる。また、カメラ4による液晶パネル11の像の撮像においても、カメラ4の感度範囲となり、カメラ4による機械的な自動検出を可能とすることができる。
【0079】
なお、本実施の形態では、バックライトユニット1における各蛍光管1aの光量設定値は、図2(a)〜(e)に示す検査パターンの5パターンにそれぞれ対応している。したがって、検査パターンが上記5パターンと異なるものである場合には、その検査パターンイに合わせて、各蛍光管1aの光量設定値も変化する。本実施の形態では、図1に示すように、バックライト制御装置2には、このような検査パターンに対応するバックライトユニット1における各光源の点灯位置及び出射光量を含む点灯パターンを記憶する例えばルックアップテーブルからなる点灯パターン記憶手段としての点灯パターン記憶部2aが設けられている。したがって、バックライト制御装置2は、この点灯パターン記憶部2aから、検査パターンに対応する点灯パターンを選択して、バックライトユニット1の各蛍光管1aを点灯制御することができるようになっている。
【0080】
ここで、上記蛍光管1aの輝度の設定方法について説明する。すなわち、本実施の形態では、蛍光管1aの輝度を設定する方法として、以下の方法を用いることができる。
【0081】
例えば、図2に示す全階調表示25を表示させ、図7(a)に示すように、蛍光管1aを標準光量に設定した状態で、各蛍光管1aでの領域5〜領域1における各光透過量を計測する。この計測した透過量に対してそれぞれ一定のオフセットを加えて、目標最大光透過量を算出する。そして、「最大許容光透過量÷目標最大光透過量=蛍光管強度」の演算により、図7(b)に示すように、各領域5〜領域1の蛍光管1aの強度を設定する。すなわち、目標最大光透過量は、計測した光透過量に、背景に対して欠陥を目立つようにするため及び液晶パネル11のバラツキを考慮するためのオフセットを加えたものであり、目標とする光透過量であるといえる。なお、蛍光管1aのこの光量設定は、検査の前に行われる。
【0082】
同図7(a)(b)において、具体的には、最大許容光透過量を3.3とし、領域5では3.3÷1.0=3.3、領域3では3.3÷2.0=1.7、領域1では3.3÷3.0=1.1としている。
【0083】
これにより、カメラ4のダイナミックレンジに適した蛍光管1aの照射光量とすることが可能である。すなわち、本実施の形態では、検査対象の液晶パネル11の部分毎の光透過量と反比例するように蛍光管1aの照射強度を変更することができる。この結果、検査員或いは検査用機材は液晶パネル11の全面を一様な照射光量下で観察できるようになるので、欠陥の発見を容易に行うことができるようになる。
【0084】
また、本実施の形態では、上述した蛍光管1aの光量設定は、図1に示すように、バックライト制御装置2に設けられた光透過量測定手段としての光透過量測定部2bと部位出力設定手段としての部位出力設定部2cによって行うことができるようになっている。すなわち、光透過量測定部2bは、液晶パネル11の各階調における蛍光管1aの標準光量での光透過量を測定する。また、部位出力設定部2cは、上記光透過量測定部2bにて求めた光透過量から部位毎の蛍光管1aの出力を決定する。
【0085】
なお、本実施の形態では、検査を行う毎に、そのルックアップテーブルを光透過量測定部2bでの測定結果をその都度ルックアップテーブルを修正しておくことが可能である。これにより、毎回、液晶パネル11の表示階調毎の光透過量を上記光透過量測定部2bにて求めることなく、ルックアップテーブルからデータを読み出すので、蛍光管1aの光量設定を短時間で行うことができる。
【0086】
上記構成の液晶パネル検査装置10における液晶パネル検査方法について、図8のフローチャートに基づいて説明する。図8は液晶パネル検査方法を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの前段階として、液晶パネル11の階調つまり光透過量に応じた蛍光管1aの照射光量は設定されているのものとする。すなわち、ここで説明する検査パターンは、図2(a)〜(e)に示す5つの検査パターンであり、点灯パターンは、図6(a)〜(e)に示す5つの点灯パターンである。
【0087】
先ず、図8に示すように、液晶パネル点灯制御装置3にて液晶パネル11の検査パターンとして、全面白表示21に変更する(S1)。次いで、バックライト制御装置2にて、バックライトユニット1を点灯パターン31に変更する(S2)。そして、この状態で、カメラ4により液晶パネル11の画像を撮像し、画像処理装置5にて画像処理を行うという欠陥検査を行う(S3)。その結果、欠陥が見つかれば(S4)、欠陥種類及び欠陥位置を保存する(S5)。S4において欠陥が見つからなければ、次の図2(b)に示す全面黒表示22の検査に移行する。
【0088】
液晶パネル11の全面黒表示22の検査では、液晶パネル点灯制御装置3にて液晶パネル11の検査パターンとして、全面黒表示22に変更する(S6)。次いで、バックライト制御装置2にて、バックライトユニット1を点灯パターン32に変更する(S7)。そして、この状態で、カメラ4により液晶パネル11の画像を撮像し、画像処理装置5にて画像処理を行うという欠陥検査を行う(S8)。その結果、欠陥が見つかれば(S9)、欠陥種類及び欠陥位置を保存する(S10)。S9において欠陥が見つからなければ、次の図2(c)に示す白黒表示23の検査に移行する。
【0089】
液晶パネル11の白黒表示23の検査では、液晶パネル点灯制御装置3にて液晶パネル11の検査パターンとして、白黒表示23に変更する(S11)。次いで、バックライト制御装置2にて、バックライトユニット1を点灯パターン33に変更する(S12)。そして、この状態で、カメラ4により液晶パネル11の画像を撮像し、画像処理装置5にて画像処理を行うという欠陥検査を行う(S13)。その結果、欠陥が見つかれば(S14)、欠陥種類及び欠陥位置を保存する(S15)。S14において欠陥が見つからなければ、次の図2(d)に示す黒白表示24の検査に移行する。
【0090】
液晶パネル11の黒白表示24の検査では、液晶パネル点灯制御装置3にて液晶パネル11の検査パターンとして、黒白表示24に変更する(S16)。次いで、バックライト制御装置2にて、バックライトユニット1を点灯パターン34に変更する(S17)。そして、この状態で、カメラ4により液晶パネル11の画像を撮像し、画像処理装置5にて画像処理を行うという欠陥検査を行う(S18)。その結果、欠陥が見つかれば(S19)、欠陥種類及び欠陥位置を保存する(S20)。S19において欠陥が見つからなければ、次の図2(e)に示す全階調表示25の検査に移行する。
【0091】
液晶パネル11の全階調表示25の検査では、液晶パネル点灯制御装置3にて液晶パネル11の検査パターンとして、全階調表示25に変更する(S21)。次いで、バックライト制御装置2にて、バックライトユニット1を点灯パターン35に変更する(S22)。そして、この状態で、カメラ4により液晶パネル11の画像を撮像し、画像処理装置5にて画像処理を行うという欠陥検査を行う(S23)。その結果、欠陥が見つかれば(S24)、欠陥種類及び欠陥位置を保存する(S25)。S23において欠陥が見つからなければ、今までに保存した欠陥の抽出を行い、検査結果の統合を行う(S26)。
【0092】
この処理により、バックライトユニット1における領域毎の光強度制御機能を利用した液晶パネル11の欠陥検査を実現できるようになる。
【0093】
そして、図2(a)〜(e)に示す液晶パネル11の検査パターンと図6(a)〜(e)に示すバックライトユニット1の点灯パターンとを組合せることにより、カメラ4への入射光量は液晶パネル11の全面にわたって略一定になるので、特に領域毎にゲインを調整することが難しいエリア型カメラであってもパネル全面を均一の条件下で検査することができるようになる。
【0094】
すなわち、所定の欠陥が出現する点灯パターンに合わせたバックライトユニット1の部位毎の制御目標値変更を行うことにより、液晶パネル11の全面の透過光強度を略一定に保つことができるようになる。
【0095】
したがって、デジタルカメラ等のカメラ4を用いて機械的に液晶パネル11の検査を行うときに、液晶パネル11の全面の照射光量条件を一定範囲内に保ち、カメラ4のダイナミックレンジにパネル透過光強度の範囲を収めることができるようになるので、カメラ4の画像の飽和や量子化誤差の影響を低減できるようになり、検査の精度を高めることができるようになる。
【0096】
なお、本実施の形態においては、上記バックライトユニット1は、照射光量を独立制御可能な複数の蛍光管1aにて構成した。しかし、必ずしもこれに限らず、例えば、LED(Light Emitting Diode:発光素子)にて構成することが可能である。このLEDは、マトリックス状に配置しておく。これにより、必ずしも縦方向だけでなく、横方向にもLEDの照射光量を独立に制御可能となる。また、LEDは、サイズが小さく、細かいパターンに対応できる。その結果、非常に配置自由度が高く、複雑なパターンに対応できる。また、LEDは蛍光管1aに比べて寿命が長い。さらに、蛍光管1aは、経時劣化において最初に端部の照度が落ち、検査に影響が出ることがあるが、LEDではそういう問題も起こらない。
【0097】
また、上記バックライト制御装置2では、蛍光管1aの寿命についての照射光量制御までは行っていなかったが、必ずしもこれに限らず、蛍光管1aの寿命を考慮した照射光量制御を行うことが可能である。
【0098】
この場合には、図1に示すように、バックライト制御装置2には、ライト寿命制御部2dが設けられる。このライト寿命制御部2dにおける蛍光管1aの照射光量制御について以下に説明する。
【0099】
例えば、図9(a)に示すように、i番目の蛍光管1aに対応する全面白表示21の画面領域の例えば直前5時間の輝度平均をIiとし、目標輝度をIdとする。このとき、図9(b)に示すように、輝度平均Iiが目標輝度Idの90%以下に低下した場合、ライト寿命制御部2dは、蛍光管1aの電圧を調整する。例えば、現在の蛍光管入力電圧がViであった場合、変更後電圧Vi’は、
Vi’=Id/Ii
とする。なお、変更後電圧Vi’が電源調整リミットVMaxを越えたときは調整ができなくなるので、蛍光管1aを交換するものとする。また、全面白表示21以外の4パターンの蛍光管1aの電圧は、全面白表示21の検査パターンにおける蛍光管入力電圧Viに比例して調整するものとする。
【0100】
これにより、蛍光管1aの寿命を考慮して、検査パターンに応じた蛍光管1aの光量制御を行うことができる。なお、図9(b)では、蛍光管1aの交換時間を、例えば23時間として記載しているが、これは説明のために、便宜上そのように記載したものであり、実際には、このような短時間で蛍光管1aの寿命により取り替えるということはない。
【0101】
最後に、液晶パネル検査装置10の各ブロック、特に画像処理装置5、液晶パネル点灯制御装置3、及びバックライト制御装置2は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0102】
すなわち、液晶パネル検査装置10は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit )、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである液晶パネル検査装置10の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記液晶パネル検査装置10に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0103】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0104】
また、液晶パネル検査装置10を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0105】
このように、本実施の形態の液晶パネル検査装置10は、液晶パネル11を背後から照射する複数の光源を有し、かつ各光源の上記液晶パネル11への照射光量を増減制御するバックライトユニット1と、液晶パネル11に、少なくとも2種類以上の異なる階調の表示領域を同時に有する検査パターンを表示させる液晶パネル点灯制御装置3と、階調が高い表示領域ほど上記光源の液晶パネル11への照射光量を小さくすると共に、上記階調が低い表示領域ほど上記光源の液晶パネル11への照射光量を大きくするようにバックライトユニット1を制御するバックライト制御装置2とを備えている。
【0106】
また、本実施の形態の液晶パネル11の検査方法は、液晶パネル11を背後から照射する複数の光源を設ける工程と、液晶パネル11に、少なくとも2種類以上の異なる階調の表示領域を同時に有する検査パターンを表示させる工程と、階調が高い表示領域ほど上記光源の液晶パネル11への照射光量を小さくすると共に、階調が低い表示領域ほど上記光源の液晶パネル11への照射光量を大きくするように制御する工程とを含んでいる。
【0107】
また、本実施の形態の液晶パネル11の製造方法は、上記記載の液晶パネル検査装置10におけるバックライトユニット1の前面位置に液晶パネル11を配置する工程と、液晶パネル検査装置10におけるバックライトユニット1の前面位置に配置された液晶パネル11を、上記記載の液晶パネル11の検査方法により、欠陥検査する工程とを含む方法である。
【0108】
これにより、検査対象である液晶パネル11を特定の条件下で点灯させたときに発生させた場合にのみ顕在化する液晶パネル11の欠陥の検査を高精度に行うために、バックライトユニット1における蛍光管1a毎の強度を液晶パネル11の階調に基づいて制御することができる。この結果、蛍光管1aに現れた欠陥を液晶パネル11の表示領域毎に最適な条件下で検査することができるようになり、欠陥の検出精度向上が可能になる。すなわち、検査員或いはカメラ4は、液晶パネル11の全面を一様な照射光量下で観察できるようになるので、欠陥の発見を容易に行うことができるようになる。
【0109】
特に、カメラ4で撮像した画像をコンピュータで処理することにより液晶パネル11の欠陥検査を行う場合には、カメラ4のダイナミックレンジの範囲に適したパネル透過光条件が設定できるようになる。この結果、カメラ4の露光時間やゲインの設定を変更しながら複数回撮像を行う必要がなく、検査を迅速に行うことができるようになる。
【0110】
したがって、液晶パネル11に、少なくとも2種類以上の異なる階調の表示領域を同時に有する検査パターンを有する場合において、表示領域毎の欠陥を高精度に検出する液晶パネル検査装置10、液晶パネル11の検査方法、液晶パネル11の製造方法を実現することができる。
【0111】
また、本実施の形態の液晶パネル検査装置10では、検査パターンは、液晶パネル11における表示画面を2分割し、分割画面の一方が黒表示されかつ他方が白表示される場合と、分割画面の一方が白表示されかつ上記他方が黒表示される場合とを含む。
【0112】
これにより、ソース(S)方向の電荷がドレイン(D)に漏出して発生するいわゆるSDリークの欠陥を精度良く検出することができる。
【0113】
また、本実施の形態の液晶パネル検査装置10では、液晶パネル11の最小階調である階調0から最大階調である階調255までを少なくとも3分割、例えば7分割した、異なる階調の表示領域に分割表示された検査パターンを用いるので、特定の階調でコントラストが目立つ線欠陥である特定階調線欠陥、又はドライバにおける特定のビットの動作不良によって生じる特定階調不良の線欠陥を精度良く発見することができる。
【0114】
また、本実施の形態の液晶パネル検査装置10では、バックライト制御装置2は、検査パターンにおける液晶パネル11の各表示領域の階調毎における蛍光管1aの標準光量による光透過量を測定する光透過量測定部2bと、この光透過量測定部2bにて求めた各表示領域の光透過量に基づいて、各蛍光管1aの出力を決定する部位出力設定部2cとを備えていることが好ましい。
【0115】
これにより、光透過量測定部2b及び部位出力設定部2cにより、表示領域毎の欠陥を検出するときに、具体的に、目視又はカメラ4による検出において、検出し易く、かつカメラ4の測定ダイナミックレンジの範囲内になるように光透過量を設定することができる。
【0116】
また、本実施の形態の液晶パネル検査装置10では、カメラ4により蛍光管1aからの透過光を撮像し、画像処理装置5にて、そのカメラ4にて撮像した像を画像処理し濃淡比較を行うことにより欠陥部分の抽出を行うことができる。
【0117】
また、本実施の形態の液晶パネル検査装置10では、カメラ4は、エリアセンサ型カメラであることが好ましい。
【0118】
すなわち、エリアセンサは、ラインセンサよりも撮像範囲が広い。しかし、エリアセンサは、一般に、撮像光量を調整するためのゲイン設定及び露光時間の制御が取込み領域全域で均一である。したがって、検査対象物に階調に基づく濃淡が存在すると飽和(高光量領域)或いは感度不足(低光量領域)が発生する可能性がある。すなわち、カメラ4がエリアセンサ型カメラである場合は、一般的に素子の出力は露光時間で決まる受光量にセンサ全体で一様なアナログゲインをかけたものになる。この結果、パネル透過光の強度の範囲が広いとカメラ素子のダイナミックレンジを超えるため飽和、又は情報の欠落が発生する。
【0119】
したがって、本実施の形態では、このようなエリアセンサ型カメラを用いた場合において、液晶パネル11の表示領域における光源の照射光量を制御することによって、検査対象物全域で高感度の検査を行うことができる。
【0120】
また、カメラ4の光学条件によっては光透過量の多い領域で蛍光管1aの出射強度を大きくした場合、カメラ4の感度を上げるためにゲインを上げた場合等にレンズ内の反射やカメラ素子の構造に起因するゴーストが発生する場合がある。
【0121】
しかし、本実施の形態の液晶パネル検査装置10では、ゴーストの発生する可能性のある領域のみ、蛍光管1aの照射強度を下げることによりゴーストに起因する検査精度の低下を回避することができるようになる。
【0122】
また、本実施の形態の液晶パネル検査装置10では、光源は蛍光管1aからなるので、液晶パネル11の光源として一般的な蛍光管1aを用いる場合に、液晶パネル11に、少なくとも2種類以上の異なる階調の表示領域を同時に有する検査パターンを有する場合において、表示領域毎の欠陥を高精度に検出する液晶パネル検査装置10、液晶パネル11の検査方法、液晶パネル11の製造方法を実現することができる。
【0123】
また、本実施の形態の液晶パネル検査装置10では、光源は、LED等の発光素子からなるとすることができる。すなわち、近年、液晶パネル11の光源として用いられるようになってきた発光素子を用いる場合に、液晶パネル11に、少なくとも2種類以上の異なる階調の表示領域を同時に有する検査パターンを有する場合において、表示領域毎の欠陥を高精度に検出する表示領域毎の欠陥を高精度に検出する液晶パネル検査装置10、液晶パネル点灯制御装置3による液晶パネル11の検査方法、液晶パネル11の製造方法を実現することができる。
【0124】
なお、本実施の形態では、上述したように、光量制御手段としてのバックライト制御装置2は、蛍光管1aやLED等の発光素子の液晶パネル11への照射光量を増減制御するものとなっている。
【0125】
しかしながら、本発明においては、必ずしもこれに限らず、光量制御手段は、バックライトユニット1と液晶パネル11との間に設けたシャッター機構によっても構成することが可能である。すなわち、シャッター機構としてルーバー形式のシャッターを設け、このルーバーを全閉から全開までを自在に変化できるようにしておけば、バックライトユニット1による光源の液晶パネル11への照射光量を変化できるものとなる。
【0126】
また、本実施の形態の液晶パネル検査装置10では、バックライト制御装置2は、液晶に対応するバックライトユニット1における各光源の点灯位置及び照射光量を含む点灯パターンを記憶する例えばルックアップテーブル等の点灯パターン記憶手段としての点灯パターン記憶部2aを備えている。
【0127】
これにより、検査パターンが決まれば、点灯パターン記憶部2aから、随時、検査パターンに対応するバックライトユニット1における各光源の点灯位置及び照射光量を含む点灯パターンを呼び出してバックライトユニット1の各光源を点灯制御できるので、点灯制御を早く行うことができる。
【0128】
また、本実施の形態の液晶パネル検査装置10では、バックライト制御装置2は、蛍光管1aの寿命を考慮して各蛍光管1aの出力を決定するライト寿命制御部2dを備えていることが好ましい。
【0129】
すなわち、バックライト制御装置2がバックライトユニット1の蛍光管1aの照射光量を増減制御する場合に、蛍光管1aの寿命を考慮しないと、適切な光透過量が得られない。
【0130】
これに対して、本実施の形態では、ライト寿命制御部2dは、蛍光管1aの寿命を考慮して各蛍光管1aの出力を決定する。この結果、蛍光管1aに対する有効電圧を、カメラ4によって撮像した画像の各蛍光管1aに対応する領域の輝度変化を適切に補償するように逐次制御することができる。
【0131】
また、本実施の形態の液晶パネル検査装置10では、液晶パネル11をバックライトユニット1の前面位置に搬送配置する搬送手段としてのコンベアを備えていることが好ましい。
【0132】
これにより、本実施の形態では、液晶パネル11と、バックライトユニット1及びその他の構成要素を分離することが可能である。したがって、液晶パネル11以外の構成要素を固定し、液晶パネル11を順次交換しながら検査を行うことができる。また、最終製品においてバックライトユニット1に光源毎の照射強度調整機能を設ける必要がなくなる。
【0133】
なお、上記液晶パネル検査装置10は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記液晶パネル検査装置10をコンピュータにて実現させる液晶パネル11の検査装置の検査プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明は、例えば透過型液晶パネル等の透過型表示パネルの背面からバックライトを照射して、透過型表示パネルの欠陥部分の抽出を行うことにより透過型表示パネルの欠陥検査を行う透過型表示パネルの検査装置、透過型表示パネルの検査方法、透過型表示パネルの製造方法、プログラム及び記録媒体に適用することができる。
【0135】
また、透過型表示パネルとしては、例えば透過型液晶パネル、プロジェクタ等の透過型表示パネルに適用することができる。さらに、バックライトとしては、複数の蛍光管又はLED(Light Emitting Diode)等を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】本発明における液晶パネル検査装置の実施の一形態を示すブロック図である。
【図2】(a)〜(e)は上記液晶パネル検査装置の被検査対象である液晶パネルの検査用の表示パターンを示す平面図である。
【図3】(a)は液晶パネルの全面白表示の検査パターンにおける欠陥を示す平面図であり、(b)は液晶パネルの全面黒表示における欠陥を示す平面図である。
【図4】(a)は液晶パネルの白黒表示の検査パターンにおける欠陥を示す平面図であり、(b)は液晶パネルの黒白表示における欠陥を示す平面図である。
【図5】液晶パネルの全階調表示の検査パターンにおける欠陥を示す平面図である。
【図6】(a)〜(e)は、図2(a)〜(e)に示す液晶パネルの検査用の表示パターンに対応するバックライトユニットの点灯パターンを示す平面図である。
【図7】(a)(b)は、蛍光管における設定強度の求め方を示すグラフである。
【図8】上記の液晶パネル検査装置における液晶パネルの検査方法を示すフローチャートである。
【図9】(a)(b)は、上記液晶パネル検査装置のバックライト制御装置におけるライト寿命制御部による設定強度の求め方を示すグラフである。
【符号の説明】
【0137】
1 バックライトユニット(照射手段)
1a 蛍光管(光源)
2 バックライト制御装置(光量制御手段)
2a 点灯パターン記憶部(点灯パターン記憶手段)
2b 光透過量測定部(光透過量測定手段)
2c 部位出力設定部(部位出力設定手段)
2d ライト寿命制御部(ライト寿命制御手段)
3 液晶パネル点灯制御装置(検査パターン表示手段)
4 カメラ(撮像手段)
5 画像処理装置(画像処理手段)
10 液晶パネル検査装置(透過型表示パネルの検査装置)
11 液晶パネル(透過型表示パネル)
21 全面白表示(検査パターン)
22 全面黒表示(検査パターン)
23 白黒表示(検査パターン)
24 黒白表示(検査パターン)
25 全階調表示(検査パターン)
31〜35 点灯パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過量の増減を制御することにより階調表示を行う、被検査物である透過型表示パネルの欠陥検査を行う透過型表示パネルの検査装置において、
上記透過型表示パネルを背後から照射する複数の光源を有し、かつ各光源の上記透過型表示パネルへの照射光量を増減制御する照射手段と、
上記透過型表示パネルに、少なくとも2種類以上の異なる階調の表示領域を同時に有する検査パターンを表示させる検査パターン表示手段と、
上記階調が高い表示領域ほど上記光源の透過型表示パネルへの照射光量を小さくすると共に、上記階調が低い表示領域ほど上記光源の透過型表示パネルへの照射光量を大きくするように上記照射手段を制御する光量制御手段とを備えていることを特徴とする透過型表示パネルの検査装置。
【請求項2】
前記検査パターンは、前記透過型表示パネルにおける表示画面を2分割し、分割画面の一方が黒表示されかつ他方が白表示される場合と、分割画面の一方が白表示されかつ上記他方が黒表示される場合とを含むことを特徴とする請求項1記載の透過型表示パネルの検査装置。
【請求項3】
前記検査パターンは、前記透過型表示パネルの最小階調から最大階調までを少なくとも3分割した、異なる階調の表示領域に分割表示されたものからなっていることを特徴とする請求項1記載の透過型表示パネルの検査装置。
【請求項4】
前記光量制御手段は、
前記検査パターンにおける前記透過型表示パネルの各表示領域の階調毎における光源の標準光量による光透過量を測定する光透過量測定手段と、
上記光透過量測定手段にて求めた各表示領域の光透過量に基づいて、各光源の出力を決定する部位出力設定手段とを備えていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の透過型表示パネルの検査装置。
【請求項5】
前記透過型表示パネルにおける、光源からの透過光を撮像する撮像手段と、
上記撮像手段にて撮像した像を画像処理し濃淡比較を行うことにより欠陥部分の抽出を行う画像処理手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の透過型表示パネルの検査装置。
【請求項6】
前記撮像手段は、エリアセンサ型カメラであることを特徴とする請求項5記載の透過型表示パネルの検査装置。
【請求項7】
前記光源は、蛍光管からなると共に、
前記光量制御手段は、蛍光管の前記透過型表示パネルへの照射光量を制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の透過型表示パネルの検査装置。
【請求項8】
前記光源は、発光素子からなると共に、
前記光量制御手段は、上記発光素子の前記透過型表示パネルへの照射光量を制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の透過型表示パネルの検査装置。
【請求項9】
前記光量制御手段は、
前記検査パターン表示手段による検査パターンに対応する照射手段における各光源の点灯位置及び照射光量を含む点灯パターンを記憶する点灯パターン記憶手段を備えていることを特徴とする請求項7又は8記載の透過型表示パネルの検査装置。
【請求項10】
前記光量制御手段は、光源の寿命を考慮して各光源の出力を決定する寿命制御手段を備えていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の透過型表示パネルの検査装置。
【請求項11】
前記透過型表示パネルを照射手段の前面位置に搬送配置する搬送手段を備えていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の透過型表示パネルの検査装置。
【請求項12】
光透過量の増減を制御することにより階調表示を行う、被検査物である透過型表示パネルの欠陥検査を行う透過型表示パネルの検査方法において、
上記透過型表示パネルを背後から照射する複数の光源を設ける工程と、
上記透過型表示パネルに、少なくとも2種類以上の異なる階調の表示領域を同時に有する検査パターンを表示させる工程と、
上記階調が高い表示領域ほど上記光源の透過型表示パネルへの照射光量を小さくすると共に、上記階調が低い表示領域ほど上記光源の透過型表示パネルへの照射光量を大きくするように制御する工程とを含むことを特徴とする透過型表示パネルの検査方法。
【請求項13】
請求項1記載の透過型表示パネルの検査装置における照射手段の前面位置に透過型表示パネルを配置する工程と、
上記透過型表示パネルの検査装置における照射手段の前面位置に配置された透過型表示パネルを、請求項12記載の透過型表示パネルの検査方法により、欠陥検査する工程とを含むことを特徴とする透過型表示パネルの製造方法。
【請求項14】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の透過型表示パネルの検査装置を動作させる透過型表示パネルの検査プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための透過型表示パネルの検査プログラム。
【請求項15】
請求項14に記載の透過型表示パネルの検査プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図2】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−31332(P2009−31332A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−192074(P2007−192074)
【出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】