説明

透過型表示装置、表示方法および表示プログラム

【課題】ユーザーの実際の眼の具合に対応することができる透過型表示装置、表示方法および表示プログラムを提供する。
【解決手段】透過型表示装置は、外界からの光を画像取り出しエリアに透過させ、且つ、画像取り出しエリアに画像光を出力する表示部110A、Bと、ユーザーの眼の状態を検出するセンサー130A、Bと、ユーザーからの操作入力を受け付ける操作入力部270と、センサーにより検出されたユーザーの眼の状態に基づいてユーザーの眼の状態があらかじめ定められた状態になったと判定した場合に表示部によりあらかじめ定められた画像を表示し、これに応じて操作入力部によりあらかじめ定められたユーザーからの操作入力が受け付けられたことを検出した場合に表示部の表示モードを切り替える制御部230と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過型(シースルー型)表示装置、表示方法および表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、液晶パネルと当該液晶パネルを後方から照射するためのバックライト(BL)とを備えた画像表示素子を装置本体に収納した頭部装着型表示装置(HMD:ヘッドマウントディスプレイ)のバックライトを駆動する方法が開示されている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3635825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている頭部装着型表示装置のバックライト駆動方法では、ユーザーの実際の眼(目)の疲労具合などに対応するという点で、更なる開発が要求されていた。
【0005】
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、ユーザーの実際の眼の具合に対応することができる透過型表示装置、表示方法および表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、外界からの光を画像取り出しエリアに透過させ、且つ、前記画像取り出しエリアに画像光を出力する表示部と、ユーザーの眼の状態を検出するセンサーと、前記ユーザーからの操作入力を受け付ける操作入力部と、前記センサーにより検出された前記ユーザーの眼の状態に基づいて前記ユーザーの眼の状態があらかじめ定められた状態になったと判定した場合に前記表示部によりあらかじめ定められた画像を表示し、これに応じて前記操作入力部によりあらかじめ定められた前記ユーザーからの操作入力が受け付けられたことを検出した場合に前記表示部の表示モードを切り替える制御部と、を備えることを特徴とする透過型表示装置である。
【0007】
この構成により、制御部は、ユーザーの眼の状態があらかじめ定められた状態になったと判定した場合にあらかじめ定められた画像を表示し、これに応じてあらかじめ定められた前記ユーザーからの操作入力が受け付けられたことを検出した場合に表示部の表示モードを切り替える。これにより、透過型表示装置は、ユーザーの実際の眼の具合に対応することができる。
【0008】
また、本発明は、前記制御部は、前記センサーにより検出された前記ユーザーの眼の状態に基づいて、前記ユーザーの眼の状態として、前記ユーザーの眼の瞬きの回数を判定し、前記ユーザーの眼の瞬きの回数が第1の所定値以上となったと判定した場合と前記ユーザーの眼の瞬きの回数が第2の所定値以下となったと判定した場合とのうちの一方または両方において、前記ユーザーの眼の状態が前記あらかじめ定められた状態になったと判定する、ことを特徴とする透過型表示装置である。
【0009】
この構成により、制御部は、ユーザーの眼の瞬きの回数が第1の所定値以上となったと判定した場合と前記ユーザーの眼の瞬きの回数が第2の所定値以下となったと判定した場合とのうちの一方または両方において、前記ユーザーの眼の状態があらかじめ定められた状態になったと判定して、あらかじめ定められた画像を表示し、これに応じてあらかじめ定められた前記ユーザーからの操作入力が受け付けられたことを検出した場合に表示部の表示モードを切り替える。これにより、透過型表示装置は、ユーザーの実際の眼の具合に対応することができる。
【0010】
また、本発明は、前記制御部は、前記表示モードの切り替えとして、前記表示部により眼の保養映像を表示する表示モードへ切り替える、ことを特徴とする透過型表示装置である。
【0011】
この構成により、制御部は、ユーザーの眼の状態があらかじめ定められた状態になったと判定した場合にあらかじめ定められた画像を表示し、これに応じてあらかじめ定められた前記ユーザーからの操作入力が受け付けられたことを検出した場合に、表示部の表示モードを、前記表示部により眼の保養映像を表示する表示モードへ切り替える。これにより、透過型表示装置は、ユーザーの実際の眼の具合に対応することができる。
【0012】
また、本発明は、前記制御部は、前記表示モードの切り替えとして、前記表示部のバックライトをオフにする表示モードへ切り替える、ことを特徴とする透過型表示装置である。
【0013】
この構成により、制御部は、ユーザーの眼の状態があらかじめ定められた状態になったと判定した場合にあらかじめ定められた画像を表示し、これに応じてあらかじめ定められた前記ユーザーからの操作入力が受け付けられたことを検出した場合に、表示部の表示モードを、前記表示部のバックライトをオフにする表示モードへ切り替える。これにより、透過型表示装置は、ユーザーの実際の眼の具合に対応することができる。
【0014】
また、本発明は、前記制御部は、前記センサーにより検出された前記ユーザーの眼の状態に基づいて、前記ユーザーの眼の状態として、前記ユーザーの眼の瞳孔の大きさを判定し、前記ユーザーの眼の瞳孔の大きさが小さくなったと判定した場合と前記ユーザーの眼の瞳孔の大きさが大きくなったと判定した場合とのうちの一方または両方において、前記ユーザーの眼の状態が前記あらかじめ定められた状態になったと判定する、ことを特徴とする透過型表示装置である。
【0015】
この構成により、制御部は、ユーザーの眼の瞳孔の大きさが小さくなったと判定した場合と前記ユーザーの眼の瞳孔の大きさが大きくなったと判定した場合とのうちの一方または両方において、前記ユーザーの眼の状態があらかじめ定められた状態になったと判定して、あらかじめ定められた画像を表示し、これに応じてあらかじめ定められた前記ユーザーからの操作入力が受け付けられたことを検出した場合に表示部の表示モードを切り替える。これにより、透過型表示装置は、ユーザーの実際の眼の具合に対応することができる。
【0016】
また、本発明は、前記制御部は、前記ユーザーの眼の瞳孔の大きさが小さくなったと判定した場合に前記表示部によりあらかじめ定められた画像を表示し、これに応じて前記操作入力部によりあらかじめ定められた前記ユーザーからの操作入力が受け付けられたことを検出した場合に、前記表示モードの切り替えとして、前記表示部のバックライトの輝度を低下させる表示モードへ切り替える、ことを特徴とする透過型表示装置である。
【0017】
この構成により、制御部は、ユーザーの眼の瞳孔の大きさが小さくなったと判定した場合に表示部によりあらかじめ定められた画像を表示し、これに応じて操作入力部によりあらかじめ定められた前記ユーザーからの操作入力が受け付けられたことを検出した場合に、前記表示部のバックライトの輝度を低下させる表示モードへ切り替える。これにより、透過型表示装置は、ユーザーの実際の眼の具合に対応することができる。
【0018】
また、本発明は、前記制御部は、前記ユーザーの眼の瞳孔の大きさが大きくなったと判定した場合に前記表示部によりあらかじめ定められた画像を表示し、これに応じて前記操作入力部によりあらかじめ定められた前記ユーザーからの操作入力が受け付けられたことを検出した場合に、前記表示モードの切り替えとして、前記表示部のシェードの透過率を上げる表示モードへ切り替える、ことを特徴とする透過型表示装置である。
【0019】
この構成により、制御部は、ユーザーの眼の瞳孔の大きさが大きくなったと判定した場合に表示部によりあらかじめ定められた画像を表示し、これに応じて操作入力部によりあらかじめ定められた前記ユーザーからの操作入力が受け付けられたことを検出した場合に、前記表示部のシェードの透過率を上げる表示モードへ切り替える。これにより、透過型表示装置は、ユーザーの実際の眼の具合に対応することができる。
【0020】
また、本発明は、前記表示部は、ユーザーの頭部に装着される表示装置に備えられ、前記表示部は、表示素子と、前記表示素子からの画像光を投射する投射レンズと、前記投射レンズに対して固定されて前記投射レンズからの画像光を前記画像取り出しエリアに導く導光部と、を備え、前記導光部を介して前記表示素子からの画像光の画像と外界からの光の画像とを同時に観察可能である、ことを特徴とする透過型表示装置である。
【0021】
この構成により、制御部は、ユーザーの眼の状態があらかじめ定められた状態になったと判定した場合にあらかじめ定められた画像を表示し、これに応じてあらかじめ定められた前記ユーザーからの操作入力が受け付けられたことを検出した場合に表示部の表示モードを切り替える。これにより、透過型表示装置は、ユーザーの実際の眼の具合に対応することができる。
【0022】
また、本発明は、表示部が、外界からの光を画像取り出しエリアに透過させ、且つ、前記画像取り出しエリアに画像光を出力するステップと、制御部が、センサーにより検出されたユーザーの眼の状態に基づいて前記ユーザーの眼の状態があらかじめ定められた状態になったと判定した場合に前記表示部によりあらかじめ定められた画像を表示し、これに応じて操作入力部によりあらかじめ定められた前記ユーザーからの操作入力が受け付けられたことを検出した場合に前記表示部の表示モードを切り替えるステップと、を有することを特徴とする透過型表示装置における表示方法である。
【0023】
この方法により、制御部は、ユーザーの眼の状態があらかじめ定められた状態になったと判定した場合にあらかじめ定められた画像を表示し、これに応じてあらかじめ定められた前記ユーザーからの操作入力が受け付けられたことを検出した場合に表示部の表示モードを切り替える。これにより、透過型表示装置は、ユーザーの実際の眼の具合に対応することができる。
【0024】
また、本発明は、表示部が、外界からの光を画像取り出しエリアに透過させ、且つ、前記画像取り出しエリアに画像光を出力する手順と、センサーが、ユーザーの眼の状態を検出する手順と、操作入力部が、前記ユーザーからの操作入力を受け付ける手順と、制御部が、前記センサーにより検出された前記ユーザーの眼の状態に基づいて前記ユーザーの眼の状態があらかじめ定められた状態になったと判定した場合に前記表示部によりあらかじめ定められた画像を表示し、これに応じて前記操作入力部によりあらかじめ定められた前記ユーザーからの操作入力が受け付けられたことを検出した場合に前記表示部の表示モードを切り替える手順と、をコンピューターに実行させるための透過型表示装置における表示プログラムである。
【0025】
このプログラムにより、制御部は、ユーザーの眼の状態があらかじめ定められた状態になったと判定した場合にあらかじめ定められた画像を表示し、これに応じてあらかじめ定められた前記ユーザーからの操作入力が受け付けられたことを検出した場合に表示部の表示モードを切り替える。これにより、透過型表示装置は、ユーザーの実際の眼の具合に対応することができる。
【0026】
以上のように、本発明によれば、透過型表示装置は、ユーザーの眼の状態があらかじめ定められた状態になったと判定した場合にあらかじめ定められた画像を表示し、これに応じてあらかじめ定められた前記ユーザーからの操作入力が受け付けられたことを検出した場合に表示部の表示モードを切り替える。これにより、ユーザーの実際の眼の具合に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態に係る透過型表示装置の外観図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る表示装置の左眼用表示部の構成例を示す平面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る透過型表示装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る透過型表示装置において行われる処理の手順の一例を示すフローチャート図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る透過型表示装置において行われる処理の手順の一例を示すフローチャート図である。
【図6】本発明の他の一実施形態に係る透過型表示装置の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る透過型表示装置(本実施形態では、透過型のヘッドマウントディスプレイ)の外観図である。
本実施形態に係る透過型表示装置は、眼鏡のような形状を有する表示装置100と、ユーザー(人)の手で持つことが可能な程度の大きさを有する制御装置(コントローラー)200と、を備える。
【0029】
また、表示装置100と制御装置200とは、有線または無線で、通信可能に接続される。
本実施形態では、表示装置100の左眼側と右眼側のそれぞれと制御装置200とが有線のケーブルで通信可能に接続されている。そして、表示装置100の左眼側と右眼側のそれぞれと制御装置200とは、このケーブルを介して、画像の信号(画像信号)や制御の信号(制御信号)を通信する。
【0030】
表示装置100は、左眼用の表示部(左眼用表示部)110Aと、右眼用の表示部(右眼用表示部)110Bと、光センサー120と、左眼用のセンサー(左眼用センサー)130Aと、右眼用のセンサー(右眼用センサー)130Bと、を備える。
制御装置200は、操作部210と、操作ボタン部250と、を備える。
【0031】
左眼用表示部110Aは、左眼用の画像形成部(左眼用画像形成部)10Aと、左眼用の導光部(図2に示される左眼用導光部20A)と、左眼用の反射部(左眼用反射部)21Aと、左眼用のシェード(左眼用シェード)420Aと、を備える。
右眼用表示部110Bは、右眼用の画像形成部(右眼用画像形成部)10Bと、右眼用の導光部(図2に示される左眼用導光部20Aと同様な右眼用導光部20B)と、右眼用の反射部(右眼用反射部)21Bと、右眼用のシェード(右眼用シェード)420Bと、を備える。
【0032】
図2は、本発明の一実施形態に係る表示装置100の左眼用表示部110Aの構成例を示す平面図である。また、図2には、表示装置100を装着するユーザー(人)の左眼310Aと、当該ユーザーの左眼310Aに対する左眼用センサー130Aを示してある。
なお、左眼用表示部110Aと右眼用表示部110Bとは互いに左右対称の構成を有しており、ここでは、左眼用表示部110Aの構成例についてのみ説明する。
【0033】
左眼用画像形成部10Aは、左眼用の画像生成部(左眼用画像生成部)11Aと、左眼用の投射光学系(左眼用投射光学系)12Aと、を備える。
左眼用画像生成部11Aは、左眼用のバックライトの光源(左眼用バックライト光源)410Aと、左眼用の光変調素子(左眼用光変調素子)411Aと、を備える。
【0034】
左眼用バックライト光源410Aは、本実施形態では、赤色、緑色および青色といった発光色ごとの光源の集合から構成されている。各光源としては、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)などを用いることができる。
左眼用光変調素子411Aとしては、例えば、表示素子である液晶表示デバイスなどを用いることができる。
【0035】
図1および図2を参照して、本実施形態に係る透過型表示装置の概略を説明する。
左眼用画像生成部11Aには、制御装置200から左眼用の画像信号が入力される。
左眼用画像生成部11Aにおいて、左眼用バックライト光源410Aの各光源が、赤色光、緑色光および青色光を射出する。また、左眼用画像生成部11Aは、左眼用バックライト光源410Aの各光源から射出された赤色光、緑色光および青色光を拡散させて、左眼用光変調素子411Aに投射する。左眼用光変調素子411Aは、制御装置200から左眼用画像生成部11Aに入力された画像信号に応じて、投射された赤色光、緑色光および青色光を空間変調することにより、当該画像信号に応じた画像光を射出する。
左眼用投射光学系12Aは、例えば、入力される画像光を投射する投射レンズの群から構成され、左眼用画像生成部11Aの左眼用光変調素子411Aから射出された画像光を投射して、平行な状態の光束にする。
【0036】
左眼用導光部20Aは、左眼用投射光学系12Aにより平行な状態の光束にされた画像光を、左眼用反射部21Aが有する三角プリズムのあらかじめ定められた面(半透過反射面)に投射する。ここで、左眼用反射部21Aに形成されている半透過反射面の表裏のうち、装着時にユーザーの左眼310Aに向く側には、ミラー層などの反射コーティングが施されている。左眼用反射部21Aに形成されている半透過反射面に投射された画像光は、この反射コーティングされた面により、ユーザーの左眼310Aに向けて全反射される。これにより、左眼用反射部21Aのあらかじめ定められた位置のエリア(画像取り出しエリア)には、投射された画像光に応じた画像光が出力される。
【0037】
本実施形態では、左眼用導光部20Aの導光板により伝達される画像光が左眼用反射部21Aに形成されている半透過反射面により反射され、その反射光がユーザーの左眼310Aに入って、その左眼310Aの網膜上に虚像を形成する。 なお、本実施形態では、左眼用導光部20Aは、左眼用投射光学系12Aに対して固定され、当該左眼用投射光学系12Aからの画像光を所定の位置に導く。
【0038】
また、左眼用反射部21Aに外界から入射する光の少なくとも一部は、左眼用反射部21Aに形成されている前記した半透過反射面を透過し、ユーザーの左眼310Aに導かれる。これにより、ユーザーには、左眼用画像形成部10Aにより形成された画像と、外界からの光学像とが重畳されて見える。
また、左眼用シェード420Aは、その透過率に応じて、外界から左眼用反射部21Aの方(ユーザーの左眼310Aの方)に入射する光を低減させる。
【0039】
ユーザーは、表示装置100を頭部に装着することにより、表示装置100の画像取り出しエリア(左眼用反射部21Aの画像取り出しエリア、右眼用反射部21Bの画像取り出しエリア)から出力される画像光に応じた画像が表示されているように見えることで、その画像を認識することができる。また、ユーザーは、表示装置100の画像取り出しエリア(左眼用反射部21Aの画像取り出しエリア、右眼用反射部21Bの画像取り出しエリア)に外界からの光の少なくとも一部が透過させられることにより、表示装置100を頭部に装着したまま、外界を見ることができる。すなわち、外界からの光が画像取り出しエリア(左眼用反射部21Aの画像取り出しエリア、右眼用反射部21Bの画像取り出しエリア)を透過することが可能である。
このように、ユーザーは、導光部(左眼用導光部20A、右眼用導光部20B)を介して、透過型表示装置による表示対象の画像と外界の画像とを同時に見る(観察する)ことが可能であり、虚像を視認することができる。 また、ユーザーは、制御装置200の操作部210や操作ボタン部250に対して操作入力をすることができる。
【0040】
ここで、左眼用画像形成部10Aは、装着時にユーザーの頭部の左側に位置するように、表示装置100の左側のテンプル部に備えられる。左眼用画像形成部10Aは、ユーザーの左眼用に画像を形成し、形成した画像の光を左眼用反射部21Aのあらかじめ定められた位置(画像取り出しエリアの位置)に向けて出力する。
左眼用反射部21Aの画像取り出しエリアは、装着時にユーザーの左眼310Aの前に位置するように、表示装置100の左側のリム部に設けられる。
【0041】
また、右眼用画像形成部10Bは、装着時にユーザーの頭部の右側に位置するように、表示装置100の右側のテンプル部に備えられる。右眼用画像形成部10Bは、ユーザーの右眼用に画像を形成し、形成した画像の光を右眼用反射部21Bのあらかじめ定められた位置(画像取り出しエリアの位置)に向けて出力する。
右眼用反射部21Bの画像取り出しエリアは、装着時にユーザーの右眼の前に位置するように、表示装置100の右側のリム部に設けられる。
【0042】
以下で、本実施形態に係る透過型表示装置について、より詳しく説明する。
図3は、本実施形態に係る透過型表示装置の構成例を示すブロック図である。
制御装置200は、操作部210と、操作ボタン部250のほかに、制御部230と、記憶部240と、電源部260と、を備える。
また、制御装置200では、操作部210と操作ボタン部250とのうちの一方または両方により、ユーザーからの操作入力を受け付ける操作入力部270が構成される。
【0043】
本実施形態に係る透過型表示装置における各構成部について説明する。
まず、表示装置100について説明する。
左眼用表示部110Aに備えられた左眼用画像形成部10A、左眼用導光部20A、左眼用反射部21A、左眼用シェード420A、左眼用画像形成部10Aに備えられた左眼用画像生成部11A、左眼用投射光学系12A、左眼用画像生成部11Aに備えられた左眼用バックライト光源410A、左眼用光変調素子411Aは、図1および図2を参照して説明したような構成を有しており動作を行う。
【0044】
また、右眼用表示部110Bに備えられた右眼用画像形成部10B、右眼用導光部20B、右眼用反射部21B、右眼用シェード420B、右眼用画像形成部10Bに備えられた右眼用画像生成部11B、右眼用投射光学系12B、右眼用画像生成部11Bに備えられた右眼用バックライト光源410B、右眼用光変調素子411Bは、左眼用について図1および図2を参照して説明したのと同様な構成を有しており動作を行う。
【0045】
光センサー120は、外界の光(環境光)のレベルを検出し、その検出結果を制御装置200の制御部230に送信する。
ここで、光センサー120により検出する環境光のレベルとしては、例えば、環境光の輝度のレベルを用いることができる。
【0046】
本実施形態では、光センサー120は、ユーザーが表示装置100を装着した状態において、当該ユーザーの頭部の正面に位置するように、表示装置100のリム部またはブリッジ部(本実施形態では、ブリッジ部の中央の位置)に備えられている。本実施形態では、光センサー120は、外界からシェード(左眼用シェード420A、右眼用シェード420B)および画像取り出しエリア(左眼用反射部21Aの画像取り出しエリア、右眼用反射部21Bの画像取り出しエリア)への方向と同じ(または、ほぼ同じ)方向の環境光を検出するように配置されている。これにより、光センサー120は、外界からシェード(左眼用シェード420A、右眼用シェード420B)および画像取り出しエリア(左眼用反射部21Aの画像取り出しエリア、右眼用反射部21Bの画像取り出しエリア)に入射される環境光のレベル(または、それに応じたレベル)を検出する。
【0047】
左眼用センサー130Aは、ユーザーが表示装置100を装着した状態において、当該ユーザーの左眼310Aの状態を検出する。左眼用センサー130Aは、その検出結果を制御部230に送信する。
本実施形態では、左眼用センサー130AとしてCCD(Charge Coupled Device)のカメラを用いており、このカメラを、左眼用反射部21Aの画像取り出しエリアに対して左上の位置に、ユーザーの左眼310A(がくると想定される位置)を撮像する向きで、配置してある。本実施形態では、左眼用センサー130Aは、ユーザーの左眼310A(がくると想定される位置)を撮像し、撮像した画像(例えば、動画像)をユーザーの左眼310Aの状態の検出結果として制御部230に送信する。
【0048】
右眼用センサー130Bは、ユーザーが表示装置100を装着した状態において、当該ユーザーの右眼の状態を検出する。右眼用センサー130Bは、その検出結果を制御部230に送信する。
本実施形態では、右眼用センサー130BとしてCCD(Charge Coupled Device)のカメラを用いており、このカメラを、右眼用反射部21Bの画像取り出しエリアに対して右上の位置に、ユーザーの右眼(がくると想定される位置)を撮像する向きで、配置してある。本実施形態では、右眼用センサー130Bは、ユーザーの右眼(がくると想定される位置)を撮像し、撮像した画像(例えば、動画像)をユーザーの右眼の状態の検出結果として制御部230に送信する。
【0049】
次に、制御装置200について説明する。
操作部210は、制御装置200の筐体に備えられた操作面に対する操作入力を検出し、その検出結果を制御部230に出力する。
ここで、操作部210は、例えば、操作入力をするユーザーの指が触れた操作面上の位置を、操作面上の絶対座標で検出する。操作部210は、例えば、トラックパッドである。
【0050】
操作ボタン部250は、複数の操作ボタンを備える。各操作ボタンは、ユーザーにより押下されることにより、押下された操作ボタンにあらかじめ対応付けられた処理を示す信号を制御部230に出力する。
【0051】
記憶部240は、各種の情報を記憶する。具体的には、記憶部240は、例えば、制御部230により実行されるプログラムの情報、各種の処理で使用される情報を記憶する。
電源部260は、制御装置200および表示装置100に備えられた電源を必要とする各構成部に、電源を供給する。
【0052】
制御部230は、制御装置200における各種の処理を実行する。制御部230は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを用いて構成される。
具体的には、制御部230は、例えば、操作部210から操作入力の検出結果が入力された場合に当該検出結果に応じた処理を実行する機能、操作ボタン部250において押下された操作ボタンにあらかじめ対応付けられた処理を示す信号が入力された場合に当該信号に応じた処理を実行する機能、記憶部240に情報を書き込む機能および記憶部240に記憶された情報を読み出す機能、電源部260から各構成部への電源の供給の状態を制御する機能を有する。
【0053】
また、制御部230は、例えば、光センサー120から入力される環境光のレベルの検出結果を取得する機能、左眼用センサー130Aから入力されるユーザーの左眼310Aの状態の検出結果(本実施形態では、ユーザーの左眼310Aを撮像した画像)を取得する機能、右眼用センサー130Bから入力されるユーザーの右眼の状態の検出結果(本実施形態では、ユーザーの右眼を撮像した画像)を取得する機能を有する。
【0054】
また、制御部230は、左眼用センサー130Aから入力されたユーザーの左眼310Aの状態の検出結果(本実施形態では、ユーザーの左眼310Aを撮像した画像)に基づいて、当該ユーザーの左眼310Aの状態を判定する機能、右眼用センサー130Bから入力されたユーザーの右眼の状態の検出結果(本実施形態では、ユーザーの右眼を撮像した画像)に基づいて、当該ユーザーの右眼の状態を判定する機能を有する。
【0055】
本実施形態では、制御部230は、ユーザーの眼(右眼、左眼)を撮像した画像に基づいて、当該ユーザーの眼の状態として、当該ユーザーの眼の瞬きの回数を検出(判定)する機能を有する。このような瞬きの回数の検出は、任意の画像処理によって行われてもよく、例えば、公知の画像処理を利用して実現することができる。
なお、通常、人の眼では、眼が疲労しているときには瞬きの回数が通常より多く、眼がドライアイの状態であるときには瞬きの回数が通常より少ない。
【0056】
また、制御部230は、例えば、左眼用バックライト光源410Aの各光源から射出する光の輝度(バックライトの輝度)を制御する機能、右眼用バックライト光源410Bの各光源から射出する光の輝度(バックライトの輝度)を制御する機能、左眼用シェード420Aの透過率を制御する機能、右眼用シェード420Bの透過率を制御する機能、左眼用に表示する画像のガンマ(γ)値を制御する機能、右眼用に表示する画像のガンマ(γ)値を制御する機能を有する。
【0057】
また、制御部230は、例えば、表示装置100によりユーザーに対して表示させる画像について、左眼用画像生成部11Aに左眼用の画像信号を出力する機能、右眼用画像生成部11Bに右眼用の画像信号を出力する機能を有する。
ここで、ユーザーに対して同時に表示させる左眼用の画像信号と右眼用の画像信号とは、例えば、同一の画像信号であってもよく、または、画像の視差などに応じて異なる画像信号であってもよい。
【0058】
また、表示装置100により表示する画像としては、様々な内容の画像が用いられてもよい。
具体的には、表示装置100により表示する画像としては、例えば、映画などの動画のコンテンツの画像、または、あらかじめ定められたユーザーに対する警告を示す画像(警告画像)などを用いることができる。警告画像は、例えば、コンテンツの画像に対して、オンスクリーンディスプレイ(OSD)で表示することも可能である。
【0059】
また、制御部230は、例えば、複数の表示モード(表示態様)を切り替える機能を有する。
ここで、複数の表示モードとしては、様々なものが用いられてもよい。
具体的には、複数の表示モードとしては、例えば、バックライトの光源(左眼用バックライト光源410A、右眼用バックライト光源410B)の輝度、シェード(左眼用シェード420A、右眼用シェード420B)の透過率、表示する画像(左眼用の画像、右眼用の画像)、表示する画像(左眼用の画像、右眼用の画像)の大きさ、表示する画像(左眼用の画像、右眼用の画像)の背景の色、表示する画像(左眼用の画像、右眼用の画像)の色、表示する画像(左眼用の画像、右眼用の画像)のガンマ値などのうちの1つ以上の態様が異なるモードを用いることができる。
【0060】
本実施形態では、制御部230は、ユーザーの眼の状態を検出し、その検出結果に基づいて、検出したユーザーの眼の状態が例えば疲労したとみなされるあらかじめ定められた状態になったと判定した場合には、ユーザーに対してあらかじめ定められた警告画像を表示し、これに応じて、ユーザーからあらかじめ定められた操作入力を受け付けた場合には、あらかじめ定められたように表示モードを切り替える。
【0061】
本実施形態に係る透過型表示装置において行われる動作の例について説明する。
図4は、本発明の第1実施形態に係る透過型表示装置において行われる処理の手順の一例を示すフローチャート図である。
まず、本実施形態に係る透過型表示装置がオフ状態であるときに、当該透過型表示装置の制御装置200の操作ボタン部250に備えられたあらかじめ定められた操作ボタンなどがユーザーにより操作されると、当該透過型表示装置がオン状態になり、制御装置200の電源部260から各構成部に電源が供給される。これにより、当該透過型表示装置の使用が開始される(ステップS1)。
【0062】
ここで、本実施形態に係る透過型表示装置の表示装置100がユーザーにより装着されるとする。
制御部230は、左眼用センサー130Aから入力される情報(本実施形態では、ユーザーの左眼310Aを撮像した画像)と、右眼用センサー130Bから入力される情報(本実施形態では、ユーザーの右眼を撮像した画像)に基づいて、あらかじめ定められた期間(例えば、1分など)におけるユーザーの眼の瞬きの回数を検出し、検出した瞬きの回数(例えば、20回/分など)を初期値として記憶部240に記憶する(ステップS2)。
【0063】
ここで、ユーザーの瞬きの回数の初期値を検出する始点のタイミングとしては、例えば、あらかじめ定められた任意のタイミングを用いることができる。
具体的には、ユーザーの瞬きの回数の初期値を検出する始点のタイミングとしては、例えば、ユーザーが表示装置100を装着したことを制御部230が検出した(例えば、左眼と右眼のうちの一方または両方についてユーザーの眼が撮像された画像が取得されたことを制御部230が検出した)時点のタイミング、あるいは、この時点からあらかじめ定められた時間が経過した時点のタイミング、あるいは、制御装置200の操作ボタン部250に備えられたあらかじめ定められた操作ボタンがユーザーにより操作されたことを制御部230が検出したタイミングなどを用いることができる。
【0064】
また、制御部230は、例えば、ユーザーの瞬きの回数の初期値を、あらかじめ定められた期間ごと、または、あらかじめ定められた検出回数ごとに、検出し直してもよい。この場合、例えば、ユーザーの瞬きの回数の初期値を検出し直すたびに、ステップS3の処理へ戻る構成とすることもできる。
【0065】
また、ユーザーの眼の状態(本実施形態では、瞬きの回数)は、例えば、ユーザーの左眼と右眼のうちの一方のみの状態を検出してもよく、または、ユーザーの左眼と右眼の両方の状態を検出してもよい。本実施形態では、ユーザーの眼の状態として、ユーザーの左眼と右眼の両方の状態を検出する。
ユーザーの眼の状態として、ユーザーの左眼と右眼の両方の状態を検出する場合には、例えば、左眼について検出された結果と右眼について検出された結果について、その値が大きい方を採用する構成、その値が小さい方を採用する構成、あるいは、その値の平均値を採用する構成などを用いることができる。
【0066】
また、本実施形態では、制御部230は、瞬きの回数の初期値に応じて、第1の閾値〜第8の閾値を設定して記憶部240に記憶し、その後、必要なときに、記憶部240に記憶された第1の閾値〜第8の閾値を読み出して使用する。
本実施形態では、第1の閾値>第2の閾値>第3の閾値>第4の閾値>初期値>第5の閾値>第6の閾値>第7の閾値>第8の閾値となるように、あらかじめ定められたように、制御部230が各閾値を設定する。初期値から各閾値を求める方法としては、例えば、初期値にあらかじめ定められた演算を行った結果を閾値とする方法、または、初期値と各閾値との対応をあらかじめ定めておいて、その対応に基づいて、初期値に対応した各閾値を求める方法などを用いることができる。
【0067】
一例として、初期値=20回/分である場合に、第1の閾値=100回/分、第2の閾値=80回/分、第3の閾値=60回/分、第4の閾値=30回/分、第5の閾値=10回/分、第6の閾値=7回/分、第7の閾値=5回/分、第8の閾値=3回/分と設定することができる。
なお、各閾値(第1の閾値〜第8の閾値)としては、それぞれ、様々な値が用いられてもよい。
【0068】
その後、制御部230は、あらかじめ定められたタイミングで、左眼用センサー130Aから入力される情報(本実施形態では、ユーザーの左眼310Aを撮像した画像)と、右眼用センサー130Bから入力される情報(本実施形態では、ユーザーの右眼を撮像した画像)に基づいて、あらかじめ定められた期間(例えば、1分など)におけるユーザーの瞬きの回数を検出し、検出した瞬きの回数についてあらかじめ定められた判定を行う(ステップS3)。
【0069】
ここで、制御部230がユーザーの瞬きの回数を検出するあらかじめ定められたタイミングとしては、任意のタイミングが用いられてもよく、例えば、一定の周期(例えば、10分など)のタイミングを用いることができる。
【0070】
そして、制御部230は、ステップS3の処理における判定として、検出したユーザーの瞬きの回数が、第4の閾値(一例として、30回/分)以上であるか、あるいは、第5の閾値(一例として、10回/分)以下であるか、あるいは、第4の閾値未満であって第5の閾値を超える値であるか(初期値程度(とみなす)であるか)を判定する。
【0071】
ステップS3の処理における判定の結果、制御部230は、検出したユーザーの瞬きの回数が第4の閾値以上であると判定した場合には、ユーザーの眼が疲労している状態であるとみなして、注意を喚起する(ステップS4)。
また、ステップS3の処理における判定の結果、制御部230は、検出したユーザーの瞬きの回数が第5の閾値以下であると判定した場合には、ユーザーの眼がドライアイの危険性がある状態であるとみなして(ステップS13)、注意を喚起する(ステップS4)。
【0072】
ここで、ステップS4の処理における注意喚起としては、例えば、制御部230は、表示装置100の画像取り出しエリア(左眼用反射部21Aの画像取り出しエリア、右眼用反射部21Bの画像取り出しエリア)に、ユーザーに対して注意を喚起するための内容の画像の光を出力して、当該画像を表示させる。この画像としては、例えば、「眼を休めましょう」などの文字メッセージを含む画像を用いることができる。また、この画像は、例えば、通常の画像として表示してもよく、あるいは、OSDにより表示することもできる。
【0073】
ステップS3の処理における判定の結果、制御部230は、検出したユーザーの瞬きの回数が第4の閾値未満であって第5の閾値を超える値であると判定した場合には、通常の動作を行い(ステップS12)、ステップS3の処理へ移行する(ステップS3)。
【0074】
ステップS4の処理の後に、制御部230は、あらかじめ定められたタイミング(例えば、前記した一定の周期のタイミングにおける次のタイミング)で、左眼用センサー130Aから入力される情報(本実施形態では、ユーザーの左眼310Aを撮像した画像)と、右眼用センサー130Bから入力される情報(本実施形態では、ユーザーの右眼を撮像した画像)に基づいて、あらかじめ定められた期間(例えば、1分など)におけるユーザーの瞬きの回数を検出し、検出した瞬きの回数についてあらかじめ定められた判定を行う(ステップS5)。
【0075】
そして、制御部230は、ステップS5の処理における判定として、検出したユーザーの瞬きの回数が、第3の閾値(一例として、60回/分)以上であるか、あるいは、第6の閾値(一例として、7回/分)以下であるか、あるいは、第3の閾値未満であって第6の閾値を超える値であるか(初期値程度(とみなす)であるか)を判定する。
【0076】
ステップS5の処理における判定の結果、制御部230は、検出したユーザーの瞬きの回数が第3の閾値以上であると判定した場合には、ユーザーの眼が一層疲労している状態であるとみなして、ユーザーに対して休息を促すことを決定し(ステップS6)、ユーザーに対して休息を促すために注意を喚起する(ステップS7)。
また、ステップS5の処理における判定の結果、制御部230は、検出したユーザーの瞬きの回数が第6の閾値以下であると判定した場合には、ユーザーの眼がドライアイの状態であるとみなして(ステップS14)、ユーザーに対して休息を促すことを決定し(ステップS6)、ユーザーに対して休息を促すために注意を喚起する(ステップS7)。
【0077】
ステップS5の処理における判定の結果、制御部230は、検出したユーザーの瞬きの回数が第3の閾値未満であって第6の閾値を超える値であると判定した場合には、通常の動作を行い(ステップS12)、ステップS3の処理へ移行する(ステップS3)。
【0078】
ここで、ステップS7の処理における注意喚起としては、例えば、制御部230は、表示装置100の画像取り出しエリア(左眼用反射部21Aの画像取り出しエリア、右眼用反射部21Bの画像取り出しエリア)に、ユーザーに対して注意を喚起するための内容の画像の光を出力して、当該画像を表示させる。この画像としては、例えば、「休息しますか?」などの文字メッセージを含む画像(警告画像)を用いることができる。また、この画像は、例えば、通常の画像として表示してもよく、あるいは、OSDにより表示することもできる。
【0079】
また、例えば、ステップS7の処理における注意喚起において、さらに、制御部230は、表示装置100の画像取り出しエリア(左眼用反射部21Aの画像取り出しエリア、右眼用反射部21Bの画像取り出しエリア)に、眼の疲れあるいはドライアイを軽減するために有効な説明の情報を含む画像の光を出力して、当該画像を表示させることもできる。この場合、ユーザーに対して積極的に休息を取るように促すことができる。
【0080】
また、制御部230は、ステップS7の処理における注意喚起を行った後に、ユーザーからの操作入力を待機する。
ユーザーは、「休息しますか?」などの文字メッセージを含む画像(警告画像)の表示に対して、制御装置200の操作部210または操作ボタン部250を操作して、「YES(はい:休息する)」または「NO(いいえ:休息しない)」を示す操作入力を行う。
【0081】
ステップS7の処理における注意喚起を行った後に、制御部230は、ユーザーにより「YES(はい:休息する)」を示す操作入力が行われたことを検出した場合には、あらかじめ定められたように、表示モードを切り替える(ステップS8)。
表示モードを切り替える方法としては、例えば、あらかじめ定められた眼の保養映像を表示していない状態(例えば、通常の画像を表示している状態)の表示モードから、あらかじめ定められた眼の保養映像を表示する表示モードへ切り替える方法、または、通常の画像(映像)を表示している表示モードから、その画像の表示を一時停止させてバックライト(左眼用バックライト光源410A、右眼用バックライト光源410B)をオフにする表示モードへ切り替える方法、などを用いることができる。
【0082】
なお、他の構成例として、ユーザーにより所望の表示モードを選択して指示することが可能な構成とすることもできる。この構成では、例えば、ユーザーが制御装置200の操作部210または操作ボタン部250を操作して所望の表示モードを選択して指示し、制御部230が当該指示に応じて指示された表示モードへ切り替える。この場合に、制御部230は、切り替えることが可能な1つまたは複数の表示モードを示す情報(例えば、切り替えることが可能な表示モードの一覧)をユーザーに対して表示させてもよく、ユーザーは当該表示の内容を見て所望の表示モードを選択して指示する。
【0083】
ここで、本実施形態では、切り替え後の表示モードとしては、切り替え前の表示モードと比べて、ユーザーの眼の疲労やドライアイの状態を緩和することができると考えられる表示モードを用いる。
【0084】
一方、ステップS7の処理における注意喚起を行った後に、制御部230は、ユーザーにより「NO(いいえ:休息しない)」を示す操作入力が行われたことを検出した場合には、あらかじめ定められたように、ユーザーの眼の状態(本実施形態では、瞬きの回数)を検出する頻度を上げる(ステップS15)。
ここで、ユーザーの眼の状態(本実施形態では、瞬きの回数)を検出する頻度を上げる方法としては、例えば、ユーザーの眼の状態を検出する一定の周期を短くする方法(例えば、周期を10分から5分へ変更するなどの方法)を用いることができる。
【0085】
そして、制御部230は、ステップS15の処理における判定として、検出したユーザーの瞬きの回数が、第2の閾値(一例として、80回/分)以上または第7の閾値(一例として、5回/分)以下のうちのいずれかであるか、あるいは、第1の閾値(一例として、100回/分)以上または第8の閾値(一例として、3回/分)以下のうちのいずれかであるかを判定する。
【0086】
ステップS15の処理における判定の結果、制御部230は、検出したユーザーの瞬きの回数が第2の閾値以上または第7の閾値以下のうちのいずれかであると判定した場合には、検出したユーザーの瞬きの回数が第2の閾値以上であればユーザーの眼が一層疲労している状態であるとみなし、検出したユーザーの瞬きの回数が第7の閾値以下であればユーザーの眼が一層ドライアイの状態であるとみなして、ユーザーに対して休息を促すことを決定して、ステップS6の処理へ移行する(ステップS6)。
【0087】
また、ステップS15の処理における判定の結果、制御部230は、検出したユーザーの瞬きの回数が第1の閾値以上または第8の閾値以下のうちのいずれかであると判定した場合には、検出したユーザーの瞬きの回数が第1の閾値以上であればユーザーの眼が非常に疲労している状態であるとみなし、検出したユーザーの瞬きの回数が第8の閾値以下であればユーザーの眼が非常にドライアイの状態であるとみなして、ユーザーの意思にかかわらずに強制的に表示モードを切り替えることを決定して、ステップS8の処理へ移行する(ステップS8)。
【0088】
ステップS8の処理において表示モードを切り替えた後に、制御部230は、ユーザーに眼の改善具合の自覚症状があるか否かを、ユーザーからの操作入力に応じて判定する(ステップS9)。
具体的には、ステップS9の処理において、制御部230は、表示装置100の画像取り出しエリア(左眼用反射部21Aの画像取り出しエリア、右眼用反射部21Bの画像取り出しエリア)に、ユーザーに対して眼の改善具合の自覚症状があるか否かを質問する内容の画像の光を出力して、当該画像を表示させる。この画像としては、例えば、「眼の疲れは取れましたか?」などの文字メッセージを含む画像を用いることができる。また、この画像は、例えば、通常の画像として表示してもよく、あるいは、OSDにより表示することもできる。
【0089】
また、制御部230は、ステップS9の処理における画像表示を行った後に、ユーザーからの操作入力を待機する。
ユーザーは、「眼の疲れは取れましたか?」などの文字メッセージを含む画像の表示に対して、制御装置200の操作部210または操作ボタン部250を操作して、「YES(はい:疲れが取れた)」または「NO(いいえ:疲れが取れない)」を示す操作入力を行う。
【0090】
ステップS9の処理における画像表示を行った後に、制御部230は、ユーザーにより「YES(はい:疲れが取れた)」を示す操作入力が行われたことを検出した場合には、通常の動作を行うことを決定して、ステップS12の処理へ移行する(ステップS12)。
【0091】
一方、ステップS9の処理における画像表示を行った後に、制御部230は、ユーザーにより「NO(いいえ:疲れが取れない)」を示す操作入力が行われたことを検出した場合には、システムスタンバイの状態へ移行することを決定して、表示装置100の画像取り出しエリア(左眼用反射部21Aの画像取り出しエリア、右眼用反射部21Bの画像取り出しエリア)に、ユーザーに対してシステムスタンバイの状態へ移行することを警告するための内容の画像の光を出力して、当該画像を表示させる(ステップS10)。この画像としては、例えば、「システムスタンバイに入ります」などの文字メッセージを含む画像を用いることができる。また、この画像は、例えば、通常の画像として表示してもよく、あるいは、OSDにより表示することもできる。
そして、制御部230は、システムスタンバイの状態へ移行する(ステップS11)。
【0092】
ここで、図4に示したフローチャートの例では、ユーザーの眼の瞬きの回数が所定値よりも多いときと所定値よりも少ないときの両方について注意喚起(例えば、警告表示)や表示モードの切り替えを行ったが、他の例として、ユーザーの眼の瞬きの回数が所定値よりも多いときと所定値よりも少ないときのいずれか一方のみについて注意喚起(例えば、警告表示)や表示モードの切り替えを行う構成とすることもできる。
【0093】
以上のように、本実施形態に係る透過型表示装置では、制御部230は、ユーザーの眼の状態(本実施形態では、瞬きの回数)を検出し、その検出結果に基づいて、検出したユーザーの眼の状態が例えば疲労したとみなされるあらかじめ定められた状態になったと判定した場合には、ユーザーに対してあらかじめ定められた警告画像を表示し、これに応じて、ユーザーからあらかじめ定められた操作入力を受け付けた場合には、あらかじめ定められたように表示モードを切り替える。
【0094】
これにより、本実施形態に係る透過型表示装置では、ユーザーの実際の眼の具合(本実施形態では、ユーザーの眼について瞬きの回数に基づいて推測される疲労の具合やドライアイの具合)に対応することができ、ユーザーの実際の眼の具合に応じた表示モードへ切り替えることができる。
【0095】
本実施形態に係る透過型表示装置によると、ユーザーの眼の状態の監視(モニタリング)として、瞬きの回数を検出することで、初期の使用時などと比べて疲れ眼またはドライアイの度合を推測する。通常、初期における瞬きの回数と表示装置100の使用中に疲れてきたときまたはドライアイになってきたときにおける瞬きの回数とで単位時間当たりの回数に違いが出ることから、表示装置100の使用中に検出した瞬きの回数が所定の回数(例えば、頻度など)を超えたときや所定の回数(例えば、頻度など)を下回ったときに、ユーザーに対して注意を促す(例えば、警告画像を表示する)。そして、ユーザーが眼の休息を希望する場合には、ユーザーの眼の休息を実現する表示モードへ切り替える。
【0096】
本実施形態では、制御部230は、ユーザーの眼の休息を実現する表示モードとして、眼の保養映像への切り替え、または、映像を止めて、バックライトを消灯させる(オフにする)ことを行う。これにより、表示装置100の連続使用時におけるユーザーの眼の健康を保護することができ、ユーザーの眼の不快感を減らすことができる。
【0097】
具体例として、眼の保養映像として自然画の映像を表示させる場合に、特に、遠くの山並みや自然の緑などの映像を表示させることで、ユーザーの眼の焦点位置を変化させて、眼に優しい色を見させることにより、眼の疲れの改善を図ることができる。
【0098】
他の例として、表示モードの切り替えとして、制御部230は、バックライトの輝度を変化させること、シェードの透過率を変化させること、表示する画像を変化させること、表示する画像の大きさを変化させること、表示する画像の背景の色を変化させること、表示する画像の色を変化させること、表示する画像のガンマ値を変化させること、などのうちの1つ以上を行うことができる。
【0099】
具体例として、表示する画像を小さくして、反射部21A、21Bの画像取り出しエリアの隅に眼の逃げ場(例えば、遠くを見ることができるところ)を設けること、表示する画像の色をカラーから白黒へ変更すること、表示する画像の色を8ビット表示から2ビット表示へ変更すること、表示する画像の背景の色を緑寄りに変更すること、表示する画像のガンマ値を変更して緑を強調した背景にすること、あるいは、左眼用反射部21Aの画像取り出しエリアと右眼用反射部21Bの画像取り出しエリアとの両眼について画像の光を出力して当該画像を表示させる状態(両眼表示の状態)からいずれか一方の眼のみについて画像を表示させる状態(片眼表示の状態)の表示モードへ切り替えることなどにより、ユーザーの眼の負担を低減させることができる。
【0100】
なお、従来では、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)はクローズド型が主流であり、ユーザーは真っ暗な状態の中で長時間にわたって画像(映像)を見るため、眼の疲労やドライアイなどの影響が生じる可能性があった。
一方、本実施形態に係る透過型表示装置では、シースルー型のHMDにおいて、長時間の使用による眼の疲労やドライアイなどの影響を低減させることができ、さらに、眼の保養映像をユーザーに見せることなどにより、ユーザーの眼の疲労やドライアイを軽減あるいは改善させることができる。これにより、ユーザーは、より快適に、透過型表示装置を使用することができる。
【0101】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態に係る透過型表示装置は、概略的には、図1、図2、図3に示される第1実施形態に係る透過型表示装置と同様な構成を有している。このため、本実施形態では、図1〜図3に示したものと同一の符号を用いて説明する。
以下では、主に、第1実施形態の場合とは異なる構成および動作について詳しく説明する。
【0102】
本実施形態では、制御部230は、ユーザーの眼(左眼、右眼)を撮像した画像に基づいて、当該ユーザーの眼の状態として、当該ユーザーの瞳孔の大きさを検出(判定)する機能を有する。このような瞳孔の大きさの検出は、任意の画像処理によって行われてもよく、例えば、公知の画像処理を利用して実現することができる。
なお、通常、人の眼では、暗いものを見るときには瞳孔の大きさが大きく、明るいものを見るときには瞳孔の大きさが小さい。
【0103】
本実施形態に係る透過型表示装置において行われる動作の例について説明する。
図5は、本発明の第2実施形態に係る透過型表示装置において行われる処理の手順の一例を示すフローチャート図である。
まず、本実施形態に係る透過型表示装置がオフ状態であるときに、当該透過型表示装置の制御装置200の操作ボタン部250に備えられたあらかじめ定められた操作ボタンなどがユーザーにより操作されると、当該透過型表示装置がオン状態になり、制御装置200の電源部260から各構成部に電源が供給される。これにより、当該透過型表示装置の使用が開始される(ステップS21)。
【0104】
ここで、本実施形態に係る透過型表示装置の表示装置100がユーザーにより装着されるとする。
制御部230は、左眼用センサー130Aから入力される情報(本実施形態では、ユーザーの左眼310Aを撮像した画像)と、右眼用センサー130Bから入力される情報(本実施形態では、ユーザーの右眼を撮像した画像)に基づいて、ユーザーの眼の瞳孔の大きさを検出し、検出した瞳孔の大きさを初期値として記憶部240に記憶する(ステップS21)。制御部230は、その後、必要なときに、記憶部240に記憶された初期値を読み出して使用する。
【0105】
ここで、ユーザーの眼の瞳孔の大きさの初期値を検出するタイミングとしては、例えば、あらかじめ定められた任意のタイミングを用いることができる。
具体的には、ユーザーの眼の瞳孔の大きさの初期値を検出するタイミングとしては、例えば、ユーザーが表示装置100を装着したことを制御部230が検出した(例えば、左眼と右眼のうちの一方または両方についてユーザーの眼が撮像された画像が取得されたことを制御部230が検出した)時点のタイミング、あるいは、この時点からあらかじめ定められた時間が経過した時点のタイミング、あるいは、制御装置200の操作ボタン部250に備えられたあらかじめ定められた操作ボタンがユーザーにより操作されたことを制御部230が検出したタイミングなどを用いることができる。
【0106】
また、ユーザーの眼の状態(本実施形態では、瞳孔の大きさ)は、例えば、ユーザーの左眼と右眼のうちの一方のみの状態を検出してもよく、または、ユーザーの左眼と右眼の両方の状態を検出してもよい。本実施形態では、ユーザーの眼の状態として、ユーザーの左眼と右眼の両方の状態を検出する。
ユーザーの眼の状態として、ユーザーの左眼と右眼の両方の状態を検出する場合には、例えば、左眼について検出された結果と右眼について検出された結果について、その値が大きい方を採用する構成、その値が小さい方を採用する構成、あるいは、その値の平均値を採用する構成などを用いることができる。
【0107】
その後、制御部230は、光センサー120から入力される情報(本実施形態では、光センサー120により検出された環境光のレベル)を取得し、取得した情報に基づいて、バックライトの光源(左眼用バックライト光源410A、右眼用バックライト光源410B)を最適な輝度に設定する(ステップS22)。
【0108】
ここで、本実施形態では、光センサー120から制御部230に入力される情報(本実施形態では、光センサー120により検出される環境光のレベル)と、バックライトの光源(左眼用バックライト光源410A、右眼用バックライト光源410B)の最適な輝度との対応が、あらかじめ、記憶部240に記憶されている。制御部230は、記憶部240に記憶された当該対応に基づいて、バックライトの光源(左眼用バックライト光源410A、右眼用バックライト光源410B)を最適な輝度に設定する。この場合、この対応の内容は、例えば、シェード(左眼用シェード420A、右眼用シェード420B)の透過率によっても変化してもよい。
【0109】
その後、制御部230は、あらかじめ定められたタイミングで、左眼用センサー130Aから入力される情報(本実施形態では、ユーザーの左眼310Aを撮像した画像)と、右眼用センサー130Bから入力される情報(本実施形態では、ユーザーの右眼を撮像した画像)に基づいて、ユーザーの眼の瞳孔の大きさを検出し、検出した瞳孔の大きさについてあらかじめ定められた判定を行う(ステップS23)。
【0110】
ここで、制御部230がユーザーの瞳孔の大きさを検出するあらかじめ定められたタイミングとしては、任意のタイミングが用いられてもよく、例えば、一定の周期(例えば、10分など)のタイミングを用いることができる。
【0111】
具体的には、制御部230は、ステップS23の処理における判定として、検出したユーザーの瞳孔の大きさが、初期値と比べて変化がないか、あるいは、初期値と比べて小さくなっているか、あるいは、初期値と比べて大きくなっているかを判定する。
【0112】
ここで、制御部230では、検出したユーザーの瞳孔の大きさと初期値との大小を比較する場合に、例えば、検出したユーザーの瞳孔の大きさが(初期値−第9の閾値)以下であるときに初期値と比べて小さいと判定し、検出したユーザーの瞳孔の大きさが(初期値+第10の閾値)以上であるときに初期値と比べて大きいと判定し、他のとき(つまり、検出したユーザーの瞳孔の大きさが(初期値−第9の閾値)を超えて(初期値+第10の閾値)未満であるとき)に初期値と比べて変化がないと判定する構成を用いることもできる。なお、第9の閾値と第10の閾値は、それぞれ、正の値である。
この構成では、各閾値(第9の閾値〜第10の閾値)としては、それぞれ、様々な値が用いられてもよい。
【0113】
また、本実施形態では、ステップS23の処理において、制御部230は、ユーザーの瞳孔の大きさの初期値を、今回に検出したユーザーの瞳孔の大きさで更新する。つまり、本実施形態では、ステップS23の処理において、初期を除いては、前回に検出したユーザーの瞳孔の大きさと今回に検出したユーザーの瞳孔の大きさとを比較して、その変化を検出する。
【0114】
なお、他の構成例として、制御部230は、例えば、あらかじめ定められた期間ごと、または、あらかじめ定められた検出回数ごとに、ステップS21の処理へ戻って、瞳孔の大きさの初期値を検出する構成とすることもできる。
【0115】
ステップS23の処理における判定の結果、制御部230は、検出したユーザーの瞳孔の大きさが変化なしであると判定した場合には、通常の動作を行い(ステップS24)、ステップS23の処理へ移行する(ステップS23)。
【0116】
ステップS23の処理における判定の結果、制御部230は、検出したユーザーの瞳孔の大きさが小さくなっていると判定した場合には、表示装置100によりユーザーが画像を見る環境(本実施形態では、環境光)が明るくなったとみなして、ユーザーに対して注意を喚起する(ステップS25)。
【0117】
ここで、ステップS25の処理における注意喚起としては、例えば、制御部230は、表示装置100の画像取り出しエリア(左眼用反射部21Aの画像取り出しエリア、右眼用反射部21Bの画像取り出しエリア)に、ユーザーに対して注意を喚起するための内容の画像の光を出力して、当該画像を表示させる。この画像としては、例えば、「明るすぎですか?」などの文字メッセージを含む画像(警告画像)を用いることができる。また、この画像は、例えば、通常の画像として表示してもよく、あるいは、OSDにより表示することもできる。
【0118】
また、制御部230は、ステップS25の処理における注意喚起を行った後に、ユーザーからの操作入力を待機する。
ユーザーは、「明るすぎですか?」などの文字メッセージを含む画像(警告画像)の表示に対して、制御装置200の操作部210または操作ボタン部250を操作して、「YES(はい:明るすぎる)」または「NO(いいえ:明るすぎない)」を示す操作入力を行う。
【0119】
ステップS25の処理における注意喚起を行った後に、制御部230は、ユーザーにより「YES(はい:明るすぎる)」を示す操作入力が行われたことを検出した場合には、あらかじめ定められたように、表示モードを切り替える(ステップS26)。
【0120】
表示モードを切り替える方法としては、本実施形態では、あらかじめ定められたように、バックライトの光源(左眼用バックライト光源410A、右眼用バックライト光源410B)の輝度を低下させる表示モードへ切り替える方法を用いる。
なお、バックライトの輝度を低下させる方法としては、様々な方法が用いられてもよく、例えば、瞳孔の大きさあるいはその変化量と、バックライトの輝度あるいはその変化量との対応をあらかじめ設定して記憶部240に記憶しておき、制御部230が、記憶部240に記憶された当該対応に基づいて、バックライトの輝度を制御する方法を用いることができる。この場合、この対応の内容は、例えば、シェード(左眼用シェード420A、右眼用シェード420B)の透過率によっても変化してもよい。
【0121】
ここで、本実施形態では、切り替え後の表示モードとしては、切り替え前の表示モードと比べて、ユーザーの眼の疲労やドライアイの状態を緩和することができると考えられる表示モードを用いている。
【0122】
一方、ステップS25の処理における注意喚起を行った後に、制御部230は、ユーザーにより「NO(いいえ:明るすぎない)」を示す操作入力が行われたことを検出した場合には、ステップS23の処理へ移行する(ステップS23)。
【0123】
また、ステップS23の処理における判定の結果、制御部230は、検出したユーザーの瞳孔の大きさが大きくなっていると判定した場合には、表示装置100によりユーザーが画像を見る環境(本実施形態では、環境光)が暗くなったとみなして、ユーザーに対して注意を喚起する(ステップS27)。
【0124】
ここで、ステップS27の処理における注意喚起としては、例えば、制御部230は、表示装置100の画像取り出しエリア(左眼用反射部21Aの画像取り出しエリア、右眼用反射部21Bの画像取り出しエリア)に、ユーザーに対して注意を喚起するための内容の画像の光を出力して、当該画像を表示させる。この画像としては、例えば、「暗すぎですか?」などの文字メッセージを含む画像(警告画像)を用いることができる。また、この画像は、例えば、通常の画像として表示してもよく、あるいは、OSDにより表示することもできる。
【0125】
また、制御部230は、ステップS27の処理における注意喚起を行った後に、ユーザーからの操作入力を待機する。
ユーザーは、「暗すぎですか?」などの文字メッセージを含む画像(警告画像)の表示に対して、制御装置200の操作部210または操作ボタン部250を操作して、「YES(はい:暗すぎる)」または「NO(いいえ:暗すぎない)」を示す操作入力を行う。
【0126】
ステップS27の処理における注意喚起を行った後に、制御部230は、ユーザーにより「YES(はい:暗すぎる)」を示す操作入力が行われたことを検出した場合には、あらかじめ定められたように、表示モードを切り替える(ステップS28)。
【0127】
表示モードを切り替える方法としては、本実施形態では、あらかじめ定められたように、シェード(左眼用シェード420A、右眼用シェード420B)の透過率を上げる表示モードへ切り替える方法を用いる。
なお、シェードの透過率を上げる方法としては、様々な方法が用いられてもよく、例えば、瞳孔の大きさあるいはその変化量と、シェードの透過率あるいはその変化量との対応をあらかじめ設定して記憶部240に記憶しておき、制御部230が、記憶部240に記憶された当該対応に基づいて、シェードの透過率を制御する方法を用いることができる。この場合、この対応の内容は、例えば、バックライトの光源(左眼用バックライト光源410A、右眼用バックライト光源410B)の輝度によっても変化してもよい。
【0128】
ここで、本実施形態では、切り替え後の表示モードとしては、切り替え前の表示モードと比べて、ユーザーの眼の疲労やドライアイの状態を緩和することができると考えられる表示モードを用いている。
【0129】
また、表示モードを切り替えた後に、制御部230は、環境光のレベルに基づいてバックライトの光源(左眼用バックライト光源410A、右眼用バックライト光源410B)を最適な輝度に設定するステップS22の処理へ移行する(ステップS22)。
【0130】
一方、ステップS27の処理における注意喚起を行った後に、制御部230は、ユーザーにより「NO(いいえ:暗すぎない)」を示す操作入力が行われたことを検出した場合には、ステップS23の処理へ移行する(ステップS23)。
【0131】
ここで、図5に示したフローチャートの例では、ユーザーの眼の瞳孔の大きさが小さくなったときと大きくなったときの両方について注意喚起(例えば、警告表示)や表示モードの切り替えを行ったが、他の例として、ユーザーの眼の瞳孔の大きさが小さくなったときと大きくなったときのいずれか一方のみについて注意喚起(例えば、警告表示)や表示モードの切り替えを行う構成とすることもできる。
【0132】
以上のように、本実施形態に係る透過型表示装置では、制御部230は、ユーザーの眼の状態(本実施形態では、瞳孔の大きさ)を検出し、その検出結果に基づいて、検出したユーザーの眼の状態が例えば疲労したとみなされるあらかじめ定められた状態になったと判定した場合には、ユーザーに対してあらかじめ定められた警告画像を表示し、これに応じて、ユーザーからあらかじめ定められた操作入力を受け付けた場合には、あらかじめ定められたように表示モードを切り替える。
【0133】
これにより、本実施形態に係る透過型表示装置では、ユーザーの実際の眼の具合(本実施形態では、ユーザーの眼について瞳孔の大きさに基づいて推測される負担(疲労しそうな状況)の具合)に対応することができ、ユーザーの実際の眼の具合に応じた表示モードへ切り替えることができる。
【0134】
本実施形態に係る透過型表示装置によると、ユーザーの眼の状態の監視(モニタリング)として、瞳孔の大きさを検出することで、周囲の明るさの度合いを推測する。そして、バックライトの輝度やシェードの透過率の最適化を行う。
【0135】
具体例として、通常、暗い場所または天候が暗く変化した状況では瞳孔は広がるが、バックライトが明るすぎると瞳孔は小さくなるため、この場合には、バックライトの輝度を下げることで、ユーザーの眼の疲れを予防する。
また、瞳孔が大きくなったときには、シェードの透過率を上げることで、ユーザーの眼の疲れを予防する。なお、シェードの透過率を上げる代わりにバックライトの輝度を上げることも可能であるが、シェードの透過率を上げる方が低消費電力化を図ることができる。
【0136】
また、通常、周囲の明るさ(例えば、シェードの透過率を考慮したもの)とバックライトの明るさに差があると眼が疲れやすくなる。このため、本実施形態では、環境光(外光)を光センサー120で検出することにより、環境光に対する最適なバックライト輝度を設定して、ユーザーの眼への負担を軽減させることも可能である。また、例えば、最適なバックライトの輝度を選定することにより、低消費電力化を図ることも可能である。
【0137】
[以上に示した実施形態のまとめ]
ここで、光センサー120は、任意の位置に備えられてもよい。
また、左眼用センサー130Aや右眼用センサー130Bとしては、他の例として、ユーザーの眼に赤外光を射出してその反射光に基づいてユーザーの眼の状態を検出するセンサー(赤外光センサー)を用いることもできる。この場合、左眼用センサー130Aや右眼用センサー130Bとしては、例えば、図1に示されるのと同じ位置などに備えることができる。
【0138】
また、左眼用センサー130Aや右眼用センサー130Bとしては、他の例として、表示装置100のツル(テンプル)の内側(眼鏡のツルの内側)に圧力センサーを備えて、表示装置100を装着したユーザーが眼を動かす筋肉の動きを検出して、その検出結果に基づいてユーザーの眼の状態を判定する当該圧力センサーを用いることもできる。
図6は、このような圧力センサーを用いた場合における、本発明の他の一実施形態に係る透過型表示装置の外観図である。
図6に示される透過型表示装置は、図1に示される左眼用センサー130Aおよび右眼用センサー130Bの代わりに、圧力センサーから構成される左眼用センサー510Aおよび右眼用センサー510Bを備える。なお、図6に示される他の構成部分については、図1に示されるものと同様であり、図1に示されるのと同じ符号を用いて示してある。
【0139】
また、ユーザーの眼の状態としては、他の例として、眼の開き具合を検出することもできる。通常、眼の開き具合(一例として、あらかじめ定められた期間における眼の開き具合の平均値)が小さくなるにつれて眼が疲労してきたとみなすことができる。なお、この場合、左眼用センサーや右眼用センサーとしては、例えば、カメラや、赤外光センサーや、圧力センサーなどが利用されてもよい。
【0140】
また、左眼用シェード420Aと右眼用シェード420Bは、例えば、別体であってもよく、または、一体であってもよい。
また、シェード(左眼用シェード420A、右眼用シェード420B)は、例えば、表示部(左眼用表示部110A、右眼用表示部110B)に対して、一体として備えられてもよく、または、着脱可能な構成で備えられてもよい。
また、以上の実施形態では、シェード(左眼用シェード420A、右眼用シェード420B)を備える表示装置100を示したが、他の構成例として、シェードに関する制御を行わない場合には、表示装置100にシェードが備えられなくてもよい。
【0141】
また、電源部260は、制御装置200ではなく表示装置100に備えられてもよく、または、制御装置200と表示装置100の両方に電源部が備えられてもよい。
【0142】
また、対となっている左眼用の構成部と右眼用の構成部について、例えば、左眼用と右眼用とで同一の制御を行ってもよく、または、左眼用と右眼用とで異なる制御を行ってもよい。
また、対となっている左眼用の構成部と右眼用の構成部について、例えば、左眼用と右眼用との両方に対して制御(同一の制御または異なる制御)を行ってもよく、または、左眼用と右眼用とのうちの一方のみに制御を行ってもよい。
【0143】
また、以上の実施形態では、制御装置200の操作入力部270(本実施形態では、操作部210と操作ボタン部250とのうちの一方または両方)をユーザーが操作することで、その操作入力を制御部230が検出する例を示したが、他の構成例として、ユーザーからの操作入力を受け付ける操作入力部の一部または全部が、例えば、表示装置100に備えられてもよい。
また、他の構成例として、左眼用センサー130Aと右眼用センサー130Bとのうちの一方または両方、または他のセンサー(例えば、カメラなど)を操作入力部として、ユーザーの眼の動きなどに基づいてユーザーからの操作入力を受け付けてもよい。具体例として、ユーザーの眼が閉じられた状態があらかじめ定められた値以上の時間継続した場合には「YES」または「NO」の操作入力を受け付ける構成や、ユーザーの左眼と右眼について一方の側の眼が開かれて他方の側の眼が閉じられた状態があらかじめ定められた値以上の時間継続した場合には「YES」または「NO」の操作入力を受け付ける構成などを用いることができる。
【0144】
また、以上の実施形態では、左眼用と右眼用との両方の構成部を有する透過型表示装置(両眼用の透過型表示装置)を例として示したが、他の構成例として、左眼用と右眼用とのうちの一方のみの透過型表示装置(片眼用の透過型表示装置)に適用されてもよい。
また、以上の実施形態では、外界からの光を画像取り出しエリアに透過させるシースルー型の表示装置(透過型の表示装置)に適用した例を示したが、外界からの光を画像取り出しエリアに透過させないクローズド型の表示装置(非透過型の表示装置)に適用することも可能である。
【0145】
また、本発明は、例えば、導光方式として、ホログラムの反射面を使用するものに適用されてもよい。
また、本発明は、例えば、導光板を用いずに、画像光を単に反射面で反射させるようなものに適用されてもよい。
なお、本発明は、例えば、公知の様々な技術が適用されてもよい。具体例として、表示装置100は、光学系として、瞳分割方式シースルー光学系を備えてもよく、あるいは、半透過鏡方式シースルー光学系を備えてもよい。また、具体例として、表示装置100は、光学系として、特開2008−20770号公報に記載された画像表示装置が備える光学系、特許第4636164号公報に記載された頭部装着型ディスプレイが備える光学系、国際公開第2009/041055号に記載されたビーム走査型表示装置が備える光学系、あるいは、特許第4055283号公報に記載された表示装置が備える光学系を備えてもよい。
【0146】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0147】
なお、以上に説明した透過型表示装置における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここで言う「コンピューターシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD(Compact Disk)−ROM等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことを言う。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリー(RAM:Random Access Memory)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0148】
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことを言う。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0149】
10A…左眼用画像形成部、10B…右眼用画像形成部、11A…左眼用画像生成部、11B…右眼用画像生成部、12A…左眼用投射光学系、12B…右眼用投射光学系、20A…左眼用導光部、20B…右眼用導光部、21A…左眼用反射部、21B…右眼用反射部、100…表示装置、110A…左眼用表示部、110B…右眼用表示部、120…光センサー、130A…左眼用センサー、130B…右眼用センサー、200…制御装置、210…操作部、230…制御部、240…記憶部、250…操作ボタン部、260…電源部、270…操作入力部、310A…ユーザーの左眼、410A…左眼用バックライト光源、410B…右眼用バックライト光源、411A…左眼用光変調素子、411B…右眼用光変調素子、420A…左眼用シェード、420B…右眼用シェード、510A…左眼用センサー、510B…右眼用センサー、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外界からの光を画像取り出しエリアに透過させ、且つ、前記画像取り出しエリアに画像光を出力する表示部と、
ユーザーの眼の状態を検出するセンサーと、
前記ユーザーからの操作入力を受け付ける操作入力部と、
前記センサーにより検出された前記ユーザーの眼の状態に基づいて前記ユーザーの眼の状態があらかじめ定められた状態になったと判定した場合に前記表示部によりあらかじめ定められた画像を表示し、これに応じて前記操作入力部によりあらかじめ定められた前記ユーザーからの操作入力が受け付けられたことを検出した場合に前記表示部の表示モードを切り替える制御部と、
を備えることを特徴とする透過型表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記センサーにより検出された前記ユーザーの眼の状態に基づいて、前記ユーザーの眼の状態として、前記ユーザーの眼の瞬きの回数を判定し、
前記ユーザーの眼の瞬きの回数が第1の所定値以上となったと判定した場合と前記ユーザーの眼の瞬きの回数が第2の所定値以下となったと判定した場合とのうちの一方または両方において、前記ユーザーの眼の状態が前記あらかじめ定められた状態になったと判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の透過型表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記表示モードの切り替えとして、前記表示部により眼の保養映像を表示する表示モードへ切り替える、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の透過型表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記表示モードの切り替えとして、前記表示部のバックライトをオフにする表示モードへ切り替える、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の透過型表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記センサーにより検出された前記ユーザーの眼の状態に基づいて、前記ユーザーの眼の状態として、前記ユーザーの眼の瞳孔の大きさを判定し、
前記ユーザーの眼の瞳孔の大きさが小さくなったと判定した場合と前記ユーザーの眼の瞳孔の大きさが大きくなったと判定した場合とのうちの一方または両方において、前記ユーザーの眼の状態が前記あらかじめ定められた状態になったと判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の透過型表示装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記ユーザーの眼の瞳孔の大きさが小さくなったと判定した場合に前記表示部によりあらかじめ定められた画像を表示し、これに応じて前記操作入力部によりあらかじめ定められた前記ユーザーからの操作入力が受け付けられたことを検出した場合に、前記表示モードの切り替えとして、前記表示部のバックライトの輝度を低下させる表示モードへ切り替える、
ことを特徴とする請求項5に記載の透過型表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記ユーザーの眼の瞳孔の大きさが大きくなったと判定した場合に前記表示部によりあらかじめ定められた画像を表示し、これに応じて前記操作入力部によりあらかじめ定められた前記ユーザーからの操作入力が受け付けられたことを検出した場合に、前記表示モードの切り替えとして、前記表示部のシェードの透過率を上げる表示モードへ切り替える、
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の透過型表示装置。
【請求項8】
前記表示部は、ユーザーの頭部に装着される表示装置に備えられ、
前記表示部は、表示素子と、前記表示素子からの画像光を投射する投射レンズと、前記投射レンズに対して固定されて前記投射レンズからの画像光を前記画像取り出しエリアに導く導光部と、を備え、
前記導光部を介して前記表示素子からの画像光の画像と外界からの光の画像とを同時に観察可能である、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の透過型表示装置。
【請求項9】
表示部が、外界からの光を画像取り出しエリアに透過させ、且つ、前記画像取り出しエリアに画像光を出力するステップと、
制御部が、センサーにより検出されたユーザーの眼の状態に基づいて前記ユーザーの眼の状態があらかじめ定められた状態になったと判定した場合に前記表示部によりあらかじめ定められた画像を表示し、これに応じて操作入力部によりあらかじめ定められた前記ユーザーからの操作入力が受け付けられたことを検出した場合に前記表示部の表示モードを切り替えるステップと、
を有することを特徴とする透過型表示装置における表示方法。
【請求項10】
表示部が、外界からの光を画像取り出しエリアに透過させ、且つ、前記画像取り出しエリアに画像光を出力する手順と、
センサーが、ユーザーの眼の状態を検出する手順と、
操作入力部が、前記ユーザーからの操作入力を受け付ける手順と、
制御部が、前記センサーにより検出された前記ユーザーの眼の状態に基づいて前記ユーザーの眼の状態があらかじめ定められた状態になったと判定した場合に前記表示部によりあらかじめ定められた画像を表示し、これに応じて前記操作入力部によりあらかじめ定められた前記ユーザーからの操作入力が受け付けられたことを検出した場合に前記表示部の表示モードを切り替える手順と、
をコンピューターに実行させるための透過型表示装置における表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−114123(P2013−114123A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261492(P2011−261492)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】