説明

通信システム、ネットワーク装置、ゲートウエイ装置、コンピュータプログラム、データ送信方法及びデータ転送方法

【課題】移動体パケット通信ネットワークを流れる短いパケットの数を低減する。
【解決手段】無線アクセスネットワークとコアネットワークとを接続するゲートウエイ装置(6)との間にベアラが設定されるネットワーク装置(4、8)は、トンネリングプロトコルに従ってユーザデータをカプセル化するトンネリング処理部(101、302)と、同一のゲートウエイ装置へ送信される複数のカプセル化されたユーザデータを結合した結合データを生成するデータ結合部(110、320)と、結合データに含まれるユーザデータを伝送するベアラのベアラ識別子を格納するネットワークプロトコルのヘッダを生成するヘッダ生成部(113、323)と、結合データにヘッダを付加したパケットをゲートウエイ装置へ送信する送信部(104、300)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で論じられる実施態様は、移動体パケット通信ネットワークにおけるユーザデータの伝送技術に関する。
【背景技術】
【0002】
移動局装置は、比較的パケット長が短いパケットを送信する場合がある。このようなパケットには、例えば「ショートパケット」と呼ばれる約128バイト以下のパケットが含まれる。短いパケットを連続して実行する場合には、パケットのヘッダを処理するパケット処理を行う頻度が多くなる。このため、短いパケットを連続して実行する場合に発生する単位時間当たりのパケット処理の負荷量は、長いパケットを連続して実行する場合に比べて大きい。したがって、移動体パケット通信ネットワーク内を流れる短いパケットの数が増加すると、パケット処理を行うルータ装置やサーバ装置に求められる処理能力が高くなる。
【0003】
なお、組み込み機器からサーバに向けてそれぞれ第一パケットが送信される場合に、2個の第一パケットは、中継装置においてパケット処理手段により1個の第二パケットに統合され、コンピュータネットワーク全体に送信されるネットワークシステムが知られている。サーバは、第二パケットを受信すると、第二パケットが自身宛であることを検知し、第二パケットをパケット処理手段により2個の第一パケットに分割した後に、データ処理手段によりデータ処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−295454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
移動体パケット通信ネットワーク内を流れる短いパケットの数を減らすために、例えば、同一送信先アドレスの複数のパケットを1パケットに結合してからネットワーク上で伝送することが考えられる。複数のパケットを結合すれば、1パケットのパケット長が長くなるので、パケット処理を行うルータ装置やサーバ装置の負担が軽減される。
【0006】
しかし、移動体パケット通信ネットワークでは、ユーザデータを伝送するベアラが設定される。このようなベアラには、例えば3GPPで規定されるEPS(Evolved Packet System)ベアラやUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)ベアラがある。また、ベアラ上を伝送するユーザデータをトンネリングするプロトコルには、例えば3GPP(The 3rd Generation Partnership Project)にて規定されるGTP(GPRS (General Packet Radio Service) Tunneling Protocol)がある。
【0007】
無線アクセスネットワークとコアネットワークとを接続するゲートウエイ装置は、一方のネットワーク内で設定されるベアラと、他方のネットワーク内で設定されるベアラとの間でユーザデータを転送する。このとき、ゲートウエイ装置は、一方のベアラから受信したデータをトンネリングプロトコルに従って逆カプセル化し、再びデータをカプセル化してから他方のベアラへ送信する。
【0008】
単純に複数個のパケットを結合して1パケットとしてネットワークに流すと、ゲートウエイ装置は先頭のパケットのみを逆カプセル化及びカプセル化し、2個目以降のパケットに対してはこれらの処理を行わない。この結果、ベアラを用いたユーザデータの伝送ができなくなるという不都合が発生する。
【0009】
開示の装置及び方法は、移動体パケット通信ネットワークを流れる短いパケットの数を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
装置の一観点によれば、ネットワークプロトコルによりユーザデータが伝送される第1ネットワークと第2ネットワークとを接続するゲートウエイ装置と、ゲートウエイ装置との間にネットワークプロトコルよりも上位のトンネリングプロトコルによりユーザデータを伝送するための第1ベアラが移動局装置毎に設定される第1ネットワーク内の第1ネットワーク装置と、ゲートウエイ装置との間にトンネリングプロトコルによりユーザデータを伝送するための第2ベアラが移動局装置毎に設定される第2ネットワーク内の第2ネットワーク装置を含む通信システムが与えられる。
【0011】
第1ネットワーク装置は、トンネリングプロトコルに従ってユーザデータをカプセル化する第1トンネリング処理部、同一のゲートウエイ装置へ送信される複数のカプセル化されたユーザデータを結合した結合データを生成するデータ結合部、結合データに含まれるユーザデータを伝送する第1ベアラのベアラ識別子を格納し且つゲートウエイ装置を送信先として指定するネットワークプロトコルのヘッダを生成するヘッダ生成部、及び、結合データにヘッダを付加したパケットを第1ネットワークへ送信する第1送信部を備える。
【0012】
ゲートウエイ装置は、トンネリングプロトコルに従ってカプセル化された複数のカプセル化されたユーザデータを結合した結合データに、結合データに含まれるユーザデータを伝送する第1ベアラのベアラ識別子を格納するネットワークプロトコルのヘッダを付加したパケットを、第1ネットワークを経由して受信する受信部、ヘッダから、第1ベアラのベアラ識別子を取得する識別子取得部、パケットの送信元情報と第1ベアラのベアラ識別子とに基づいて、第2ネットワーク装置を識別し、ユーザデータを伝送する第2ベアラの識別子を特定するトンネリング処理部、複数のカプセル化されたユーザデータを結合した結合データに、結合データに含まれるユーザデータを伝送する第2ベアラのベアラ識別子を格納しかつ第2ネットワーク装置を送信先として指定するネットワークプロトコルのヘッダが付加されたパケットを再生成するパケット再生成部、及び、パケット再生成部により再生成されるパケットを、第2ネットワークへ送信する第2送信部を備える。
【0013】
コンピュータプログラムの一観点によれば、ネットワークプロトコルによりユーザデータが伝送される第1ネットワークと第2ネットワークとを接続するゲートウエイ装置との間でネットワークプロトコルよりも上位のトンネリングプロトコルによりユーザデータを伝送するためのベアラが移動局装置毎に設定される、第1ネットワーク内のネットワーク装置としてコンピュータを動作させるコンピュータプログラムが与えられる。
【0014】
コンピュータプログラムは、トンネリングプロトコルに従ってユーザデータをカプセル化する処理、同一のゲートウエイ装置へ送信される複数のカプセル化されたユーザデータを結合した結合データを生成する処理、結合データに含まれるユーザデータを伝送するベアラのベアラ識別子を格納するネットワークプロトコルのヘッダを生成する処理、結合データにヘッダを付加したパケットをゲートウエイ装置へ送信する処理を、コンピュータに実行させる。
【0015】
コンピュータプログラムの他の一観点によれば、ネットワークプロトコルによりユーザデータが伝送される第1ネットワークと第2ネットワークとを接続し、第1ネットワーク内の第1ネットワーク装置との間にネットワークプロトコルよりも上位のトンネリングプロトコルによりユーザデータを伝送するための第1ベアラが移動局装置毎に設定され、第2ネットワーク内の第2ネットワーク装置との間にトンネリングプロトコルによりユーザデータを伝送するための第2ベアラが移動局装置毎に設定されるゲートウエイ装置としてコンピュータを動作させるコンピュータプログラムが与えられる。
【0016】
コンピュータプログラムは、トンネリングプロトコルに従ってカプセル化された複数のカプセル化されたユーザデータを結合した結合データに、結合データに含まれるユーザデータを伝送する第1ベアラのベアラ識別子を格納するネットワークプロトコルのヘッダを付加したパケットを、第1ネットワークを経由して受信する処理、ヘッダから、第1ベアラのベアラ識別子を取得する処理、パケットの送信元情報と第1ベアラのベアラ識別子とに基づいて、第2ネットワーク装置を識別する処理、パケットの送信元情報と第1ベアラのベアラ識別子とに基づいて、ユーザデータを伝送する第2ベアラの識別子を特定する処理、複数のカプセル化されたユーザデータを結合した結合データに、結合データに含まれるユーザデータを伝送する第2ベアラのベアラ識別子を格納するネットワークプロトコルのヘッダが付加されたパケットを再生成する処理、再生成されるパケットを、第2ネットワーク装置へ送信する処理をコンピュータに実行させる。
【0017】
方法の一観点によれば、ネットワークプロトコルによりユーザデータが伝送される第1ネットワーク及び第2ネットワークを接続するゲートウエイ装置と第1ネットワーク内のネットワーク装置との間でネットワークプロトコルよりも上位のトンネリングプロトコルにより移動局装置毎に設定されるベアラを介してユーザデータを送信するデータ送信方法が与えられる。
【0018】
データ送信方法は、トンネリングプロトコルに従ってユーザデータをカプセル化すること、同一のゲートウエイ装置へ送信される複数のカプセル化されたユーザデータを結合した結合データを生成すること、結合データに含まれるユーザデータを伝送するベアラのベアラ識別子を格納するネットワークプロトコルのヘッダを生成すること、結合データにヘッダを付加したパケットを第1ネットワーク装置からゲートウエイ装置へ送信することを含む。
【0019】
方法の一観点によれば、ネットワークプロトコルによりユーザデータが伝送される第1ネットワーク及び第2ネットワークを接続するゲートウエイ装置と第1ネットワーク内の第1ネットワーク装置との間でネットワークプロトコルよりも上位のトンネリングプロトコルにより移動局装置毎に設定される第1ベアラから、ゲートウエイ装置と第2ネットワーク内の第2ネットワーク装置との間でトンネリングプロトコルにより移動局装置毎に設定される第2ベアラへ、ユーザデータを転送するデータ転送方法が与えられる。
【0020】
データ転送方法は、トンネリングプロトコルに従ってカプセル化された複数のカプセル化されたユーザデータを結合した結合データに、結合データに含まれるユーザデータを伝送する第1ベアラのベアラ識別子を格納するネットワークプロトコルのヘッダを付加したパケットを、第1ネットワークを経由して受信すること、ヘッダから、第1ベアラのベアラ識別子を取得すること、パケットの送信元情報と第1ベアラのベアラ識別子とに基づいて、第2ネットワーク装置を識別すること、パケットの送信元情報と第1ベアラのベアラ識別子とに基づいて、ユーザデータを伝送する第2ベアラの識別子を特定すること、複数のカプセル化されたユーザデータを結合した結合データに、結合データに含まれるユーザデータを伝送する第2ベアラのベアラ識別子を格納するネットワークプロトコルのヘッダが付加されたパケットを再生成すること、再生成されるパケットを、ゲートウエイ装置から第2ネットワーク装置へ送信することを含む。
【発明の効果】
【0021】
本件開示の装置又は方法によれば、移動体パケット通信ネットワークを流れる短いパケットの数が低減される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】通信システムの全体構成例を示す図である。
【図2】ベアラの設定例の説明図である。
【図3】(A)はカプセル化されたユーザデータを含むパケットのデータフォーマットの模式図であり、(B)はパケットのデータフォーマットの実施例を示す図であり、(C)は本明細書の説明で使用するパケットの表記例を示す図である。
【図4】基地局装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【図5】第1ゲートウエイ装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【図6】(A)は基地局装置の構成例を示す図であり、(B)は基地局装置のアップリンク信号処理部の構成例を示す図である。
【図7】(A)は結合部により生成されるパケットのデータフォーマットの模式図であり、(B)は拡張領域のデータフォーマットの例を示す図である。
【図8】結合部により生成されるパケットの例を示す図である。
【図9】アップリンクにおける基地局装置の処理の一例の説明図である。
【図10】タイマによるパケットの読出処理の一例の説明図である。
【図11】(A)は第1ゲートウエイ装置の構成例を示す図であり、(B)は第1ゲートウエイ装置のアップリンク信号処理部の構成例を示す図である。
【図12】パケット再生成部によるヘッダの変更結果を示す図である。
【図13】パケット再生成部によるパケットの結合処理の説明図(その1)である。
【図14】パケット再生成部によるパケットの結合処理の説明図(その2)である。
【図15】アップリンク信号処理部のパケット再生成部の構成例を示す図である。
【図16】アップリンクにおける第1ゲートウエイ装置の処理の一例の説明図である。
【図17】送信先別結合処理の一例の説明図である。
【図18】(A)は第2ゲートウエイ装置の構成例を示す図であり、(B)は第2ゲートウエイ装置のアップリンク信号処理部の第1例の構成を示す図である。
【図19】(A)及び(B)は、分離部によるパケットの分離処理の第1例の説明図である。
【図20】(A)は第2ゲートウエイ装置のアップリンク信号処理部の第2例の構成を示す図であり、(B)は分離部によるパケットの分離処理の第2例の説明図である。
【図21】アップリンクにおける第2ゲートウエイ装置の処理の一例の説明図である。
【図22】(A)〜(C)は、第2ゲートウエイ装置、第1ゲートウエイ装置及び基地局装置のダウンリンク信号処理部の構成例を示す図である。
【図23】第2ゲートウエイ装置がダウンリンクにおいて生成するパケットの例を示す図である。
【図24】ダウンリンク信号処理部のパケット再生成部の構成例を示す図である。
【図25】(A)及び(B)は、パケット再生成部によるパケットの分割処理の説明図である。
【図26】無線ネットワーク制御装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<1.通信システムの構成>
以下、添付する図面を参照して本発明の実施例について説明する。図1は、通信システムの全体構成例を示す図である。通信システム1は、無線アクセスネットワーク2a及び2b、並びにコアネットワーク3を備える。無線アクセスネットワーク2aは、基地局装置4a及び4bを含む。また、無線アクセスネットワーク2bは、基地局装置4c及び4dを含む。以下の説明では、移動局装置5a〜5cが基地局装置4aに接続し、移動局装置5d及び5eが基地局装置4cに接続する場合を想定する。
【0024】
通信システム1は、無線アクセスネットワーク2b及び2cと、コアネットワーク3とを接続する第1ゲートウエイ装置6を備える。通信システム1は、コアネットワーク3と公衆網7とを接続する第2ゲートウエイ装置8を備える。移動局装置5a〜5eと外部のサーバ装置9との間でユーザデータが送信される場合には、パケットが第2ゲートウエイ装置8を経由して公衆網7を流れる。
【0025】
なお、添付する図面においてゲートウエイを「GW」と表記することがある。また、以下の説明において、無線アクセスネットワーク2a及び2bを総称して「無線アクセスネットワーク2」と表記することがある。また、基地局装置4a〜4dを総称して「基地局装置4」と表記することがある。また、移動局装置5a〜5eを総称して「移動局装置5」と表記することがある。また、以下の説明及び図面において、基地局装置を単に「基地局」と表記し、移動局装置を単に「移動局」と表記し、ゲートウエイ装置を単に「ゲートウエイ」と表記し、サーバ装置を単に「サーバ」と表記する。
【0026】
ある実施例において通信システム1は、ベアラ制御装置10を備えていてよい。ベアラ制御装置10は、無線アクセスネットワーク2及びコアネットワーク3においてユーザデータの伝送を行うベアラの設定を制御する。
【0027】
ある実施例では、通信システム1がEPSに適用されてよい。第1ゲートウエイ6はS−GW(Serving Gateway)に対応し、第2ゲートウエイ8はPDNGW(Packed Data Network Gateway)に対応し、ベアラ制御装置10はMME(Mobility Management Entity)に対応する。
【0028】
他の実施例では、通信システム1がUMTSに適用されてもよい。第1ゲートウエイ6はSGSN(Serving GPRS Support Node)に対応し、第2ゲートウエイ8はGGSN(Gateway GPRS Support Node)に対応する。通信システム1がUMTSに適用される場合には、無線アクセスネットワーク2に、無線ネットワーク制御装置(RNC:Radio Network Controller)が設けられ、ベアラ制御装置10は設けられない。なお、本明細書に開示される装置および方法は、これらの特定の移動通信システムの例に限定されることなく、他の移動体パケット通信ネットワークにも広く適用可能である。
【0029】
以下の説明では、無線アクセスネットワーク2及びコアネットワーク3にてパケットを転送するネットワークプロトコルにおいて、基地局4a〜4dにそれぞれアドレスad20からad23が与えられている場合を想定する。同様に第1ゲートウエイ6及び第2ゲートウエイ8には、それぞれアドレスad50及びad80が与えられる。ネットワークプロトコルは、例えば、インターネットプロトコルやUDP(User Datagram Protocol)であってよい。
【0030】
<2.ベアラ>
続いて、通信システム1において設定されるベアラについて説明する。図2は、通信システム1において設定されるベアラの説明図である。基地局4と第1ゲートウエイ6との間には、アップリンク及びダウンリンクにおいてそれぞれベアラ20及び23が設定されている。第1ゲートウエイ6と第2ゲートウエイ8との間にはアップリンク及びダウンリンクにおいてそれぞれベアラ21及び22が設定されている。基地局4は、第1ネットワーク装置及び第2ネットワーク装置のいずれか一方の一例である。また、第2ゲートウエイ8は、第1ネットワーク装置及び第2ネットワーク装置の他方の一例である。
【0031】
また、基地局4が第1ネットワーク装置の例であるとき、無線アクセスネットワーク2は第1ネットワークの一例であり、コアネットワーク3は第2ネットワークの一例である。第2ゲートウエイ8が、第1ネットワーク装置の例であるとき、コアネットワーク3は第1ネットワークの一例であり、無線アクセスネットワーク2は第2ネットワークの一例である。
【0032】
なお、通信システム1がUMTSに適用される実施例では、基地局4に代えて無線ネットワーク制御装置と第1ゲートウエイ6の間にベアラ20及び23が設定される。無線ネットワーク制御装置は、第1ネットワーク装置及び第2ネットワーク装置のいずれか一方の一例である。
【0033】
基地局4が第1ネットワーク装置の例であるとき、ベアラ20及び23は第1ベアラの一例であり、ベアラ21及び22は第2ベアラの一例である。第2ゲートウエイ8が、第1ネットワーク装置の例であるとき、ベアラ21及び22は第1ベアラの一例であり、ベアラ20及び23は第2ベアラの一例である。
【0034】
ベアラ20〜23を設定するトンネリングプロトコルは、同一のプロトコルであってよい。トンネリングプロトコルの一例はGTPである。また、通信システム1がEPSに適用される実施例では、ベアラ20及び23はS1ベアラに対応し、ベアラ21及び22はS5/S8ベアラに対応する。通信システム1がUMTSに適用される実施例では、ベアラ20及び23はIuベアラに対応し、ベアラ21及び22はCNベアラに対応する。
【0035】
ベアラ20〜23には、各ベアラを識別するためのベアラ識別子が割り当てられる。例えばトンネリングプロトコルとしてGTPが使用される実施例では、ベアラ識別子はTEID(トンネルエンドポイント識別子: Tunnel Endpoint IDentifier)に対応する。ベアラ20〜23は移動局5のアタッチ時に設定され、基地局4又は無線ネットワーク制御装置、第1ゲートウエイ6及び第2ゲートウエイ8は、それぞれが終端装置して動作するベアラのベアラ識別子を決定及び取得する。
【0036】
ある実施例では、移動局5がアタッチする際にベアラ制御装置10が第1ゲートウエイ6及び第2ゲートウエイ8を選択する。ベアラ制御装置10は第1ゲートウエイ6が割り当てたベアラ20を識別するベアラ識別子を基地局4へ送信する。ベアラ制御装置10は基地局4が割り当てたベアラ23のベアラ識別子を第1ゲートウエイ6へ送信する。第1ゲートウエイ6及び第2ゲートウエイ8はそれぞれベアラ22及びベアラ21の識別子を割当てて相互に交換する。このようなベアラ識別子の割当て及び取得は、例えば、通信システム1がEPSに適用される実施例において実行される。
【0037】
他の実施例では、移動局5がアタッチする際に第1ゲートウエイ6が第2ゲートウエイ8を選択する。第1ゲートウエイ6及び第2ゲートウエイ8はそれぞれベアラ22及びベアラ21の識別子を割当て、相互に交換する。また、無線ネットワーク制御装置及び第1ゲートウエイ6は、それぞれベアラ23及びベアラ20の識別子を割当てて相互に交換する。このようなベアラ識別子の割当て及び取得は、例えば、通信システム1がUMTSに適用される実施例において実行される。
【0038】
<3.パケットの構成>
次に、ユーザデータがトンネリングプロトコルによってカプセル化された際のパケットの例について説明する。図3の(A)に、カプセル化されたユーザデータを含むパケットのデータフォーマットの模式図を示す。
【0039】
パケット30は、ネットワークプロトコルのヘッダ31と、下位層の通信プロトコルのヘッダ32と、ユーザデータ33と、トンネリングプロトコルのヘッダ34と、チェックサム35を含む。ヘッダ31は、無線アクセスネットワーク2及びコアネットワーク3にてパケットを転送するネットワークプロトコルのヘッダである。ヘッダ31は、ネットワークプロトコルに従うパケットの転送処理に使用される送信先情報36及び送信元情報37が含まれている。なお、添付する図面において、送信先情報36及び送信元情報37をそれぞれ「DA」及び「SA」と表記する。
【0040】
ヘッダ32は、無線アクセスネットワーク2及びコアネットワーク3にてパケットを転送するネットワークプロトコルよりも下位層の通信プロトコルのヘッダである。トンネリングプロトコルのヘッダ34は、ベアラ20〜23上で伝送されるユーザデータのカプセル化に使用されるトンネリングプロトコルのヘッダである。ヘッダ34は、カプセル化されたユーザデータが伝送されるベアラのベアラ識別子38を含んでいる。なお、添付する図面において、トンネリングプロトコルのヘッダ34及びベアラ識別子38をそれぞれ「TP」及び「BI」と表記する。
【0041】
チェックサム35は、パケット30に付加される誤り検出符号である。チェックサム35は、ヘッダ31内に含まれるチェックサムであってもよく、またヘッダ31以外の他のヘッダに含まれるチェックサムであってよい。また、チェックサム35の計算範囲はヘッダ31部分だけであってもよく、ユーザデータを含んでいてもよい。
【0042】
図3の(B)は、ベアラ20〜23上においてユーザデータがGTPによってカプセル化される場合のパケット30の実施例を示す図である。L2ヘッダ41、IP(Internet Protocol)ヘッダ42、GTPヘッダ44が、それぞれヘッダ32、31及び34に対応する。TEID46がベアラ識別子38に対応する。チェックサム35は、IPヘッダ42のチェックサム及びUDPヘッダ43のチェックサムの両方又はいずれか一方に対応してよい。
【0043】
図3の(C)は、以下の説明において使用するパケットの表記例の説明図である。以下、パケットを説明する場合には、送信先情報36、送信元情報37、チェックサム35、トンネリングプロトコルのヘッダ34、ユーザデータを表記し、下位層のプロトコルのヘッダ32の表記を省略する。また、送信先情報36、送信元情報37の参照符号であるDA及びSAの下には、その値を併記する。例えば図3の(C)に示す表記例では、送信先及び送信元のアドレスがそれぞれ「ad50」及び「ad20」であることを示す。また、ヘッダ34の参照符号であるTPの下には、ベアラ識別子BIの値を併記する。図3の(C)に示す表記例では、ベアラ識別子の値が「1」であることを示す。
【0044】
<4.各装置の説明>
<4.1 ハードウエア構成>
続いて、通信システム1に含まれる各装置のハードウエア構成について説明する。図4は、基地局4のハードウエア構成の一例を示す図である。基地局4は、プロセッサ50、補助記憶装置51、メモリ52、無線インタフェース53、アンテナ54、ネットワークインタフェース55、及びデータバス56を備える。
【0045】
プロセッサ50は、補助記憶装置51に記憶される制御プログラムを実行することにより、基地局4の動作を制御するための各処理や、ユーザデータを伝送するための後述の処理を実行する。補助記憶装置51には、上記制御プログラムが記憶される。補助記憶装置51は、不揮発性メモリや読み出し専用メモリなどを記憶素子として含んでいてもよいメモリ52には、プロセッサ50により実行されている実行中のプログラムや、このプログラムによって一時的に使用されるデータが記憶される。メモリ52は、ランダムアクセスメモリを含んでいてよい。
【0046】
無線インタフェース53は、アンテナ54を介して無線信号の送受を行い移動局5との間の無線通信処理を行う。ネットワークインタフェース55は、無線アクセスネットワーク2との通信処理を行う。上記の構成要素50〜53及び55は、データバス56によって電気的に接続されている。なお、図4に示すハードウエア構成は、あくまで基地局4を実現するハードウエア構成の1つである。本明細書において以下に記載される処理を実行するものであれば、他のどのようなハードウエア構成が採用されてもよい。
【0047】
図5は、第1ゲートウエイ6のハードウエア構成の一例を示す図である。第1ゲートウエイ6は、プロセッサ60、補助記憶装置61、メモリ62、ネットワークインタフェース63、及びデータバス64を備える。
【0048】
プロセッサ60は、補助記憶装置61に記憶される制御プログラムを実行することにより、第1ゲートウエイ6の動作を制御するための各処理や、ユーザデータを伝送するための後述の処理を実行する。補助記憶装置61には、上記制御プログラムが記憶される。補助記憶装置61は、不揮発性メモリや読み出し専用メモリなどを記憶素子として含んでいてもよいメモリ62には、プロセッサ60により実行されている実行中のプログラムや、このプログラムによって一時的に使用されるデータが記憶される。メモリ62は、ランダムアクセスメモリを含んでいてよい。
【0049】
ネットワークインタフェース63は、無線アクセスネットワーク2及びコアネットワーク3との通信処理を行う。上記の構成要素60〜63は、データバス64によって電気的に接続されている。なお、図5に示すハードウエア構成は、あくまで第1ゲートウエイ6を実現するハードウエア構成の1つである。本明細書において以下に記載される処理を実行するものであれば、他のどのようなハードウエア構成が採用されてもよい。また、第2ゲートウエイ8や、通信システム1が無線ネットワーク制御装置を備える実施例における無線ネットワーク制御装置のハードウエア構成も、図5に示す構成と同様であってよい。
【0050】
<4.2 各装置の構成及びアップリンクの処理の説明>
続いて、各装置の機能及びアップリンクの処理について説明する。なお、以下においてパケットの具体例を提示する説明は、移動局5a〜5cが基地局4aに接続され、サーバ9へアクセスする場合を想定する。
【0051】
図6の(A)は、基地局4の構成例を示す図である。基地局4は、無線通信部100と、トンネリング処理部101と、アップリンク信号処理部102と、ダウンリンク信号処理部103と、ネットワーク通信部104を備える。図4のプロセッサ50は、補助記憶装置51に記憶されるプログラムに従い、必要に応じて基地局4の他のハードウエア要素との協調動作を行うことにより、図示される基地局4の構成要素による情報処理を行う。なお、図6の(A)は、以下の説明に関係する機能を中心として示している。ある実施例において無線通信部100による信号処理は、図4に示す無線インタフェース53により実行されてよい。また、トンネリング処理部101、アップリンク信号処理部102及びダウンリンク信号処理部103による信号処理はプロセッサ50により実行されてよい。またネットワーク通信部104による信号処理は、ネットワークインタフェース55により実行されてよい。他の実施例では、無線通信部100及びネットワーク通信部104による信号処理の一部をプロセッサ50が実行してもよく、また、アップリンク信号処理部102及びダウンリンク信号処理部103による信号処理の一部又は全部をネットワークネットワークインタフェース55が実行してもよい。
【0052】
無線通信部100は、無線インタフェース53及びアンテナ54を介して基地局4と移動局5との無線通信処理を行う。無線通信部100は、無線リンクを介して、移動局5から基地局4へ送信されるアップリンクユーザデータを受信し、また移動局5へダウンリンクユーザデータを送信する。
【0053】
トンネリング処理部101は、移動局5のアタッチの際に、ベアラ20及びベアラ23を形成するトンネリングプロトコルに従って、ベアラ20及びベアラ23の識別子、及び相手方の終端装置となる第1ゲートウエイ6のアドレスを示す送信先情報を特定する。トンネリング処理部101は、無線通信部100が移動局5から受信したユーザデータをベアラ20で伝送するトンネリングプロトコルヘッダ34を生成する。トンネリング処理部101は、ヘッダ34をユーザデータに付加することによって、ユーザデータをカプセル化する。
【0054】
アップリンク信号処理部102は、カプセル化されたユーザデータを無線アクセスネットワーク2上で伝送するパケットを生成するための信号処理を行う。ダウンリンク信号処理部103は、無線アクセスネットワーク2から受信したパケットからカプセル化されたユーザデータを取り出す信号処理を行う。トンネリング処理部101は、ダウンリンク信号処理部103によってパケットから取り出されたユーザデータを逆カプセル化する。ダウンリンクの信号処理については後述する。ネットワーク通信部104は、ネットワークインタフェース55により、無線アクセスネットワーク2との間のパケットの送受信を行う。
【0055】
図6の(B)はアップリンク信号処理部102の構成例を示す図である。アップリンク信号処理部102は、結合部110、バッファ111及びタイマ112を備える。結合部110は、同一の第1ゲートウエイ6へ送信される複数のカプセル化されたユーザデータを結合する。すなわち結合部110は、複数のカプセル化されたユーザデータを、送信先の第1ゲートウエイ6毎に結合する。以下の説明において、複数のカプセル化されたユーザデータが結合するデータを「結合データ」と表記する。
【0056】
結合部110は、結合データを格納するパケットに付加されるネットワークプロトコルのヘッダ31を生成するヘッダ生成部113を備える。ヘッダ生成部113は、結合データに含まれるユーザデータの送信先の第1ゲートウエイ6のアドレスを、送信先情報36として指定する。また、ヘッダ生成部113は、基地局4のアドレスを送信元情報37として指定する。
【0057】
ヘッダ生成部113は、結合データに含まれるユーザデータ毎に、ユーザデータを伝送するベアラ20の識別子をヘッダ31の拡張領域に格納する。ある実施例では、拡張領域は、IPv4(Internet Protocol version 4)に規定されるオプションフィールドであってよい。他の実施例では、拡張領域は、IPv6(Internet Protocol version 6)に規定される拡張ヘッダであってよい。
【0058】
ヘッダ生成部113は、結合データに含まれるユーザデータの数を、拡張領域に格納する。また、ヘッダ生成部113は、格納するユーザデータ毎にカプセル化されたユーザデータのデータ長を格納領域に格納する。結合部110は、結合データにヘッダ31を付加する。
【0059】
図7の(A)は、結合部110により生成されるパケットのデータフォーマットの模式図である。カプセル化されたユーザデータ33a〜33c…は、複数のユーザデータ33−1〜33−3…にそれぞれトンネリングプロトコルのヘッダ34−1〜34−3…が付加されたデータである。パケット30は、複数のカプセル化されたユーザデータ33a〜33c…が結合した結合データを格納する。パケット30には拡張領域39が付加される。なお、添付する図面において拡張領域39を「EA」と表記する。
【0060】
図7の(B)に、拡張領域39のデータフォーマットの例を示す。拡張領域39は、情報要素「タイプ」と、「データ長」と、「ユーザデータ数」と、「データ長[1]」〜「データ長[3]」…と、「BI[1]」〜「BI[3]」…を含んでよい。
【0061】
情報要素「タイプ」には、拡張領域39が以下の情報を格納するために使用されていることを示す番号が指定される。情報要素「データ長」には、拡張領域39に格納されるデータの長さが指定される。
【0062】
情報要素「ユーザデータ数」には、拡張領域39に格納されるユーザデータ数が指定される。情報要素「データ長[1]」〜「データ長[3]」…には、第1番目〜第3番目…のカプセル化されたユーザデータ33a〜33c…のデータ長が指定される。情報要素「BI[1]」〜「BI[3]」…には、ユーザデータ33−1〜33−3…を伝送するベアラ20の識別子が指定される。
【0063】
図8は、結合部110により生成されるパケット30の例を示す図である。パケット30には、データ10〜データ12を含む結合データが格納される。3つのデータ10〜12は、それぞれ移動局5aから5cからサーバ9へ送信するユーザデータである。ヘッダTP10〜TP12は、それぞれデータ10〜12をカプセル化するトンネリングプロトコルヘッダである。データ10〜12が伝送されるベアラ20のベアラ識別子の値はそれぞれ「1」、「2」及び「3」である。また、パケット30の送信先情報及び送信元情報として、第1ゲートウエイ6のアドレス「ad50」及び基地局4aのアドレス「ad20」が指定されている。
【0064】
拡張領域の情報要素「ユーザデータ数」には、パケット30に格納されるユーザデータの数である「3」が指定される。また、情報要素「データ長[1]」〜「データ長[3]」には、カプセル化された状態でのデータ10〜データ12のデータ長である「128」、「150」及び「200」が指定される。情報要素「BI[1]」〜「BI[3]」には、データ10〜12が伝送されるベアラ20のベアラ識別子「1」、「2」及び「3」が指定される。
【0065】
図6の(B)を参照する。結合部110は、ユーザデータの結合処理の際に、カプセル化されたユーザデータを格納するパケットを、送信先毎にバッファ111内に格納する。結合部110は、タイマ112を用いて、送信先毎に、バッファ111へパケットを格納し始めてから経過する経過時間を測定する。結合部110は、経過期間が所定のタイムアウト期間を超える場合にバッファ111からパケットを読み出してネットワーク通信部104へ出力する。また、結合部110は、パケット長が所定長を超える場合にも、バッファ111からパケットを読み出してネットワーク通信部104へ出力する。ネットワーク通信部104へ出力されたパケットは、無線アクセスネットワーク2へ送信される。
【0066】
次に、アップリンクのデータを伝送する際に基地局4により行われる処理の流れについて、図9を参照して説明する。なお、他の実施例において各オペレーションAA〜ALはステップであってよい。
【0067】
オペレーションAAにおいて無線通信部100は、移動局5から送信されたユーザデータを受信する。オペレーションABにおいてトンネリング処理部は、受信したユーザデータにトンネリングプロトコルヘッダを付加することにより、ユーザデータをカプセル化する。トンネリング処理部101は、カプセル化されたユーザデータを結合部110へ出力する。
【0068】
オペレーションACにおいて結合部110は、カプセル化されたユーザデータが所定長L1よりも短いか否かを判断する。カプセル化されたユーザデータが所定長L1よりも短くない場合(オペレーションAC:N)には、処理はオペレーションADへ進む。ユーザデータが所定長L1よりも短い場合(オペレーションAC:Y)には、処理はオペレーションAEへ進む。
【0069】
オペレーションADにおいてヘッダ生成部113は、カプセル化されたユーザデータを格納するパケットを生成する。ネットワーク通信部104は、パケットを無線アクセスネットワーク2へ送信する。その後、処理は終了する。
【0070】
オペレーションAEにおいて結合部110は、トンネリング処理部101から受信したカプセル化されたユーザデータの送信先と同じ第1ゲートウエイ6へ送信するパケットが、既にバッファ111に格納されているか否かを判断する。パケットが格納されている場合(オペレーションAE:Y)には、処理はオペレーションAHへ進む。パケットが格納されていない場合(オペレーションAE:N)には、処理はオペレーションAFへ進む。
【0071】
オペレーションAFにおいてヘッダ生成部113は、カプセル化されたユーザデータを格納するパケットを生成する。ヘッダ生成部113は、拡張領域の情報要素「ユーザデータ数」の値を「1」に設定する。また、ヘッダ生成部113は、カプセル化されたユーザデータのデータ長と、トンネリングプロトコルヘッダに含まれるベアラ識別子を拡張領域に格納する。また、ヘッダ生成部113は、パケットに付加するチェックサムを計算する。結合部110は、カプセル化されたユーザデータを格納するパケットをバッファ111に保存する。
【0072】
オペレーションAGにおいてタイマ112は、パケットの格納開始時期からの経過期間の測定を開始する。その後、処理は終了する。
【0073】
オペレーションAHにおいて結合部110は、受信したユーザデータと同じ送信先を持つバッファ111に格納済みのパケットに、受信したカプセル化されたユーザデータを結合した場合に、パケット長が所定長L2より短いか否かを判断する。結合後のパケットが所定長よりも短くない場合(オペレーションAH:N)には、処理はオペレーションAIへ進む。結合後のパケットが所定長よりも短い場合(オペレーションAH:Y)には、処理はオペレーションAJへ進む。
【0074】
オペレーションAIにおいて結合部110は、既にバッファ111に格納されているパケットを読み出して、ネットワーク通信部104へ出力する。ネットワーク通信部104は、パケットを無線アクセスネットワーク2へ送信する。その後、オペレーションAAで受信したユーザデータのためにオペレーションAF及びAGが実行された後、処理は終了する。
【0075】
オペレーションAJにおいて結合部110は、バッファ111に格納済みのパケットに、カプセル化されたユーザデータを結合する。オペレーションAKにおいて結合部110は、拡張領域の情報要素「ユーザデータ数」の値を1つ増加させる。また、ヘッダ生成部113は、カプセル化されたユーザデータのデータ長と、トンネリングプロトコルヘッダに含まれるベアラ識別子を拡張領域に格納する。オペレーションALにおいてヘッダ生成部113は、パケットに追加されるデータ部分の値を加えることによりチェックサムを更新する。その後、処理は終了する。
【0076】
上述のとおり、バッファ111に格納されたパケットは、タイマ112の測定期間が所定のタイムアウト期間を超えた場合に読み出されて無線アクセスネットワーク2へ送信される。図10は、タイマ112によるパケットの読出処理の一例の説明図である。なお、他の実施例において各オペレーションBA〜BCはステップであってよい。オペレーションBA〜BCは、送信先毎に実行される。
【0077】
オペレーションBAにおいて結合部110、タイマ112が時間測定中であるか否か、すなわち、対象の送信先について、パケットがバッファ111に格納されているか否かを判断する。タイマ112が時間測定中でない場合(オペレーションBA:N)には、処理が終了する。タイマ112が時間測定中の場合(オペレーションBA:Y)には、処理はオペレーションBBへ進む。
【0078】
オペレーションBBにおいてタイマ112の測定期間が所定のタイムアウト期間を超えるか否かを判断する。測定期間が所定のタイムアウト期間を超える場合(オペレーションBB:Y)には、処理はオペレーションBCへ進む。測定期間が所定のタイムアウト期間を超えない場合(オペレーションBB:N)には、処理はオペレーションBBへ戻る。オペレーションBCにおいて結合部110は、バッファ111に格納されているパケットを読み出して、ネットワーク通信部104へ出力する。ネットワーク通信部104は、パケットを無線アクセスネットワーク2へ送信する。その後、タイマ112は時間測定を停止する。
【0079】
次に、第1ゲートウエイ6の構成及び処理について説明する。図11の(A)は、第1ゲートウエイ6の構成例を示す図である。第1ゲートウエイ6は、ネットワーク通信部200及び204と、トンネリング処理部201と、アップリンク信号処理部202と、ダウンリンク信号処理部203を備える。図5のプロセッサ60は、補助記憶装置61に記憶されるプログラムに従い、必要に応じて第1ゲートウエイ6の他のハードウエア要素との協調動作を行うことにより、図示される第1ゲートウエイ6の構成要素による情報処理を行う。なお、図11の(A)は、以下の説明に関係する機能を中心として示している。ある実施例においてネットワーク通信部200及び204による信号処理は、図5に示すネットワークインタフェース63により実行されてよい。また、トンネリング処理部201、アップリンク信号処理部202及びダウンリンク信号処理部203による信号処理はプロセッサ60により実行されてよい。他の実施例では、ネットワーク通信部200及び204による信号処理の一部をプロセッサ60が実行してもよく、また、アップリンク信号処理部202及びダウンリンク信号処理部203による信号処理の一部又は全部をネットワークネットワークインタフェース63が実行してもよい。
【0080】
ネットワーク通信部200は、ネットワークインタフェース63により、無線アクセスネットワーク2との間のパケットの送受信を行う。トンネリング処理部201は、移動局5のアタッチの際に、ベアラ20〜ベアラ23を形成するトンネリングプロトコルに従って、ベアラ20〜ベアラ23の識別子、及び相手方の終端装置となる基地局4及び第2ゲートウエイ8のアドレスを示す送信先情報を特定する。
【0081】
トンネリング処理部201は、ベアラ20を経由して受信したパケットの送信元情報と、パケットのヘッダの拡張領域に格納されたベアラ20のベアラ識別子に基づいて、ユーザデータを転送するベアラ21のベアラ識別子を特定する。トンネリング処理部201は、ベアラ20を経由して受信したパケットの送信元情報と、パケットのヘッダの拡張領域に格納されたベアラ20のベアラ識別子に基づいて、パケットを転送する第2ゲートウエイ8のアドレスを示す送信先情報を特定する。
【0082】
アップリンク信号処理部202は、ベアラ20上で受信したユーザデータを格納するパケットを処理し、このユーザデータをベアラ21上で転送するパケットに再生成する処理を実行する。ダウンリンク信号処理部202は、ベアラ22上で受信したユーザデータを格納するパケットを処理し、このユーザデータをベアラ23上で転送するパケットに再生成する処理を実行する。ダウンリンクの信号処理については後述する。ネットワーク通信部204は、ネットワークインタフェース63により、コアネットワーク3との間のパケットの送受信を行う。
【0083】
図11の(B)は、第1ゲートウエイ6のアップリンク信号処理部202の構成例を示す図である。アップリンク信号処理部202は、識別子取得部210及びパケット再生成部211を備える。識別子取得部210は、ベアラ20上で受信されたパケットのヘッダの拡張領域からベアラ20のベアラ識別子を取得する。識別子取得部210は、取得されたベアラ識別子をトンネリング処理部201へ出力する。
【0084】
パケット再生成部211は、ベアラ20上で受信されたパケットの送信元情報をトンネリング処理部201へ出力する。トンネリング処理部201は、受信したベアラ識別子と送信元情報に応答して、パケットを転送するベアラ21の識別子と転送先の第2ゲートウエイ8のアドレスを示す送信先情報を、パケット再生成部211へ出力する。
【0085】
パケット再生成部211は、パケットに格納されるユーザデータ毎に、拡張領域に格納されているベアラ20のベアラ識別子をトンネリング処理部201から受信したベアラ21のベアラ識別子に変更する。パケット再生成部211は、パケットの送信先情報を、トンネリング処理部201から受信した第2ゲートウエイ8のアドレスを示す送信先情報に変更する。またパケット再生成部211は、パケットの送信元情報を、第1ゲートウエイ6のアドレスを示す送信先情報に変更する。
【0086】
また、パケット再生成部211は、受信したパケットに付加されるチェックサムに、変更前後のベアラ識別子及び送信先情報の値の差分を加えることにより、チェックサムの更新を行う。
【0087】
図12を参照して、パケット再生成部211によるパケットのヘッダの変更結果を説明する。図12で示すパケット30は、図8に示したパケット30をパケット再生成部211が処理することにより再生成されたパケットである。パケット30の送信先情報及び送信元情報として、第2ゲートウエイ8のアドレス「ad80」及び第1ゲートウエイ6のアドレス「ad50」が指定されている。
【0088】
また、拡張領域に格納されるベアラ識別子の値が、それぞれ「1」、「2」及び「3」から、データ10〜12が伝送されるベアラ21のベアラ識別子の値「10」、「11」及び「12」に書き換えられている。
【0089】
同一の第2ゲートウエイ8へ送信されるユーザデータを格納する複数のパケットが受信されたとき、パケット再生成部211はこれらのパケットに各々格納されていた結合データ同士をさらに結合して、1つの結合データとして1パケットに格納してもよい。図13及び図14を参照して、パケット再生成部211によるパケットの結合処理を説明する。
【0090】
基地局4cに接続している移動局5d及び5eも、サーバ9へユーザデータを送信する場合を想定する。図13に示すパケット30−1は、移動局5d及び5eから送信されたユーザデータを基地局4cから第1ゲートウエイ6へ伝送するパケットの例を示す図である。
【0091】
パケット30−1には、データ13及びデータ14を含む結合データが格納される。3つのデータ13及び14は、それぞれ移動局5d及び5eからサーバ9へ送信するユーザデータである。ヘッダTP13及びTP14は、それぞれデータ13及び14をカプセル化するトンネリングプロトコルヘッダである。データ13及び14が伝送されたベアラのベアラ識別子の値はそれぞれ「4」及び「5」である。また、パケット30−1の送信先情報及び送信元情報として、第1ゲートウエイ6のアドレス「ad50」及び基地局4cのアドレス「ad22」が指定されている。
【0092】
パケット30−1に格納されるユーザデータと、図8に示したパケット30に格納されたユーザデータ30を同じ第2ゲートウエイ8へ送信する場合、パケット再生成部211は、これらのパケットに格納されるカプセル化されたユーザデータを再度結合する。すなわち、パケット30−1及びパケット30に格納されるユーザデータの送信先として同じ第2ゲートウエイ8が指定されている場合、パケット再生成部211はこれらのパケットに格納される結合データを再度結合する。
【0093】
図14で示すパケット30は、図8及び図13に示したパケットをパケット再生成部211が処理することにより再生成されたパケットである。パケットは、移動局5a〜5eからサーバ9へ送信するユーザデータであるデータ10〜14と、データ10〜14をカプセル化するトンネリングプロトコルヘッダTP10〜TP14を結合した結合データを格納する。パケットの送信先情報及び送信元情報として、第2ゲートウエイ8のアドレス「ad80」及び第1ゲートウエイ6のアドレス「ad50」が指定されている。
【0094】
拡張領域に格納される情報要素「ユーザデータ数」の値が、結合後のユーザデータの数である「5」に変更されている。また、拡張領域には、データ10〜14を第1ゲートウエイ6から第2ゲートウエイ8まで伝送するベアラのベアラ識別子「10」〜「14」が格納されている。
【0095】
上述ヘッダの変更とデータの結合を行うパケット再生成部211の構成を説明する。図15は、アップリンク信号処理部202のパケット再生成部211の構成例を示す図である。パケット再生成部211は、結合部220と、バッファ221と、タイマ222を備える。
【0096】
結合部220は、複数の受信パケットにそれぞれ格納される、同一の第2ゲートウエイ8へ送信される複数の結合データを更に結合し、この結合データを1つのパケットに格納する。結合部220は、ヘッダ変更部223と、チェックサム計算部224を備える。
【0097】
ヘッダ変更部223は、パケットの送信先情報をトンネリング処理部201から受信した第2ゲートウエイ8のアドレスを示す送信先情報へ変更する。またパケットの送信元情報を第1ゲートウエイ6のアドレスを示す送信先情報に変更する。また、ヘッダ変更部223は、拡張領域に格納されているベアラ20のベアラ識別子をトンネリング処理部201から受信したベアラ21のベアラ識別子へ変更する。
【0098】
複数のパケットの結合データが結合される際に、ヘッダ変更部223は、拡張領域の情報要素「ユーザデータ数」を結合後のユーザデータ数に変更する。また、ヘッダ変更部223は、結合される受信パケットに各々含まれる情報要素「データ長[1]」…を結合させる。またヘッダ変更部223は、結合される受信パケットに各々含まれる情報要素「BI[1]」…を結合させる。
【0099】
チェックサム計算部224は、パケットに付加するチェックサムを更新する計算を行う。このときチェックサム計算部224は、受信パケットのチェックサムに対して、変更前後のベアラ識別子及び送信先情報の値の差分を加えることにより、チェックサムの更新を行う。このようにパケットのヘッダ部分に生じた変化の差分に基づいてチェックサムの計算を行うことで、チェックサム計算部224は、結合データ部分についてのチェックサムの計算を省略することができる。
【0100】
結合部220は、複数のパケットの結合データを結合する際に、送信先毎に、結合データを格納するパケットをバッファ221内に格納する。結合部220は、タイマ222を用いて、送信先毎に、バッファ221へパケットを格納し始めてから経過した経過時間を測定する。結合部220は、経過期間が所定のタイムアウト期間を超える場合にバッファ221からパケットを読み出してネットワーク通信部204へ出力する。
【0101】
また、結合部220は、パケット長が所定長を超える場合にも、バッファ221からパケットを読み出してネットワーク通信部204へ出力する。ネットワーク通信部204へ出力されたパケットは、コアネットワーク3へ送信される。
【0102】
次に、アップリンクのデータを伝送する際に第1ゲートウエイ6により行われる処理の流れについて、図16を参照して説明する。なお、他の実施例において各オペレーションCA〜CDはステップであってよい。
【0103】
オペレーションCAにおいてネットワーク通信部200は、無線アクセスネットワーク2において送信されたパケットを受信する。オペレーションCBにおいて結合部220は、受信したパケットに結合データが格納されているか否かを判断する。受信したパケットに結合データが格納されている場合(オペレーションCB:Y)には、処理はオペレーションCDへ進む。受信したパケットに結合データが格納されていない場合(オペレーションCB:N)には、処理はオペレーションCCへ進む。
【0104】
オペレーションCCにおいて結合部220は、受信したパケットと同じ宛先の第2ゲートウエイ8へ送信するパケットをバッファ221から読み出して、ネットワーク通信部104へ出力する。結合部220は、受信したパケットをネットワーク通信部204へ出力する。これらパケットは、ネットワーク通信部204によりコアネットワーク3へ送信される。タイマ222は時間測定を停止する。その後、処理は終了する。
【0105】
オペレーションCDにおいて結合部220は、受信したパケットに格納される結合データを、同じ宛先の第2ゲートウエイ8毎に結合する送信先別結合処理を行う。送信先別結合処理の後、処理は終了する。
【0106】
図17は、送信先別結合処理CDの一例の説明図である。なお、他の実施例において各オペレーションDA〜DKはステップであってよい。オペレーションDAにおいて識別子取得部210は、受信パケットを伝送したベアラ20のベアラ識別子を取得しトンネリング処理部201へ出力する。パケット再生成部211は、受信パケットの送信元情報をトンネリング処理部201へ出力する。トンネリング処理部201は、これらベアラ識別子と送信元情報に応答して、パケットを転送するベアラ21の識別子と転送先の第2ゲートウエイ8を特定する。
【0107】
結合部220は、受信パケットに格納されるユーザデータと同じ第2ゲートウエイ8へ送信するパケットが、既にバッファ111に格納されているか否かを判断する。パケットが格納されている場合(オペレーショDA:Y)には、処理はオペレーションDGへ進む。パケットが格納されていない場合(オペレーションDA:N)には、処理はオペレーションDBへ進む。
【0108】
オペレーションDBにおいてヘッダ変更部223は、受信したパケットの送信先情報及び送信元情報を変更する。オペレーションDCにおいてヘッダ変更部223は、拡張領域の情報を更新する。オペレーションDDにおいてチェックサム計算部224は、パケットに付加するチェックサムを更新する。このときチェックサム計算部224は、受信パケットのチェックサムに、変更前後のベアラ識別子及び送信先情報の値の差分を加えることにより、チェックサムの更新を行う。オペレーションDEにおいて結合部220は、パケットをバッファ221に保存する。オペレーションDFにおいてタイマ222は、パケットの格納開始時期からの経過期間の測定を開始する。その後、処理は終了する。
【0109】
オペレーションDGにおいて結合部220は、受信したパケットに格納されるユーザデータと同じ送信先を持つバッファ221に格納済みのパケットに、受信されたパケットの結合データを結合した場合に、パケット長が所定長L2より短いか否かを判断する。結合後のパケットが所定長よりも短くない場合(オペレーションDG:N)には、処理はオペレーションDHへ進む。結合後のパケットが所定長よりも短い場合(オペレーションDG:Y)には、処理はオペレーションDIへ進む。
【0110】
オペレーションDHにおいて結合部220は、既にバッファ221に格納されているパケットを読み出して、ネットワーク通信部204へ出力する。ネットワーク通信部204は、パケットをコアネットワーク3へ送信する。その後、オペレーションCAで受信したパケットのためにオペレーションDB〜DFが実行された後、処理は終了する。
【0111】
オペレーションDIにおいて結合部220は、バッファ221に格納済みのパケットに、受信されたパケットに格納された結合データを更に結合する。オペレーションDJにおいてヘッダ変更部223は、拡張領域内の情報を更新する。すなわち、ヘッダ変更部223は、拡張領域の情報要素「ユーザデータ数」の値を結合後の結合データに含まれるユーザデータの数に設定する。また、ヘッダ変更部223は、結合後の結合データに含まれるカプセル化されたユーザデータのデータ長と、トンネリングプロトコルヘッダに含まれるベアラ識別子を拡張領域に格納する。
【0112】
オペレーションDKにおいてチェックサム計算部113は、バッファ221に格納されるチェックサムの値を更新する。その後、処理は終了する。
【0113】
上述のとおり、バッファ221に格納されたパケットは、タイマ222の測定期間が所定のタイムアウト期間を超えた場合に読み出されて無線アクセスネットワーク2へ送信される。タイマ222によるパケットの読出処理は、図10を参照して説明した読出処理と同様であってよい。
【0114】
次に、第2ゲートウエイ8の構成及び処理について説明する。図18の(A)は、第2ゲートウエイ8の構成例を示す図である。第2ゲートウエイ8は、ネットワーク通信部300及び303と、アップリンク信号処理部301と、トンネリング処理部302と、ダウンリンク信号処理部304を備える。図5に示す第1ゲートウエイ6のハードウエア構成と同様に、プロセッサ60が補助記憶装置に記憶されるプログラムに従い、必要に応じて第2ゲートウエイ8の他のハードウエア要素との協調動作を行うことにより、図示される第2ゲートウエイ8の構成要素による情報処理を行う。なお、図18の(A)は、以下の説明に関係する機能を中心として示している。ある実施例においてネットワーク通信部300及び303による信号処理は、ネットワークインタフェース63により実行されてよい。また、トンネリング処理部302、アップリンク信号処理部301及びダウンリンク信号処理部302による信号処理はプロセッサ60により実行されてよい。他の実施例では、ネットワーク通信部300及び303による信号処理の一部をプロセッサ60が実行してもよく、また、アップリンク信号処理部301及びダウンリンク信号処理部304による信号処理の一部又は全部をネットワークネットワークインタフェース63が実行してもよい。
【0115】
ネットワーク通信部300は、ネットワークインタフェース63により、コアネットワーク3との間のパケットの送受信を行う。アップリンク信号処理部301は、コアネットワーク3から受信したパケットからカプセル化されたユーザデータを取り出す信号処理を行う。またアップリンク信号処理部301は、パケットのヘッダの拡張領域に格納されたベアラ21のベアラ識別子を取得する。
【0116】
トンネリング処理部302は、移動局5のアタッチの際に、ベアラ21及び22を形成するトンネリングプロトコルに従って、ベアラ21及び22の識別子、及び相手方の終端装置となる第1ゲートウエイ6のアドレスを示す送信先情報を特定する。トンネリング処理部302は、パケットのヘッダの拡張領域から取得されたベアラ21のベアラ識別子に応じて、パケットから取り出されたユーザデータを逆カプセル化する。ネットワーク通信部303は、ネットワークインタフェース63により公衆網7との間のパケットの送受信を行う。
【0117】
トンネリング処理部302は、ネットワーク通信部303が公衆網7から受信したユーザデータをカプセル化する。ダウンリンク信号処理部304は、カプセル化されたユーザデータをコアネットワーク3上で伝送するパケットを生成するための信号処理を行う。ダウンリンクの信号処理については後述する。
【0118】
図18の(B)は、第2ゲートウエイ8のアップリンク信号処理部301の構成例を示す図である。アップリンク信号処理部301は、分離部310と識別子取得部311を備える。分離部310は、ネットワーク通信部300がベアラ21上で受信したパケットに格納される結合データから、カプセル化されたユーザデータを分離する。
【0119】
図19の(A)に、ネットワーク通信部300が受信したパケットの例を示す。パケットの送信先情報及び送信元情報として、第2ゲートウエイ8のアドレス「ad80」及び第1ゲートウエイ6のアドレス「ad50」が指定されている。各カプセル化されたユーザデータ33a〜33cのトンネリングプロトコルヘッダTP11〜TP12に格納されるベアラ識別子の値は、ベアラ20のベアラ識別子の値「1」〜「3」のままである。また、拡張領域には、ベアラ21のベアラ識別子の値「10」、「11」及び「12」が格納されている。
【0120】
分離部310は、拡張領域の情報要素「ユーザデータ数」及び「データ長[1]」、「データ長[2]」…の値に基づいて、結合データからカプセル化された各ユーザデータ33a〜33cを分離する。図19の(B)に、図19の(A)に示すパケットから分離されたカプセル化された各ユーザデータ33a〜33cを示す。
【0121】
識別子取得部311は、受信したパケットに格納されるヘッダの拡張領域から、カプセル化されたユーザデータ33a〜33cをそれぞれ伝送するベアラ21のベアラ識別子を取得する。図19の(A)に示す例では、識別子取得部311は、ユーザデータ33a〜33cをそれぞれ伝送するベアラ21のベアラ識別子「10」〜「12」を取得する。
【0122】
トンネリング処理部302は、識別子取得部311が取得したベアラ21のベアラ識別子に応じて、分離部310がパケットから取り出したユーザデータを逆カプセル化する。
【0123】
ある実施例では、パケットから分離したユーザデータのトンネリンクプロトコルのヘッダのベアラ識別子の値を、識別子取得部311が取得したベアラ識別子の値に変更してから、トンネリング処理部302に入力してもよい。図20の(A)は、第2ゲートウエイ8のアップリンク信号処理部301の第2例を示す図である。
【0124】
アップリンク信号処理部301は、トンネリングヘッダ変更部312を備える。トンネリングヘッダ変更部312は、分離部310がパケットから分離したトンネリンクプロトコルのベアラ識別子の値を、識別子取得部311が取得したベアラ21のベアラ識別子に変更する。
【0125】
図20の(B)は、ベアラ識別子の値が変更されたユーザデータ33a〜33cを示す。トンネリングプロトコルヘッダTP11〜TP12に格納されるベアラ識別子の値は、ベアラ21のベアラ識別子の値「10」、「11」及び「12」に変更されている。トンネリングヘッダ変更部312は、ベアラ識別子の値が変更されたユーザデータをトンネリング処理部302に出力する。
【0126】
次に、アップリンクのデータを伝送する際に第2ゲートウエイ8により行われる処理の流れについて、図21を参照して説明する。なお、他の実施例において各オペレーションEA〜EGはステップであってよい。
【0127】
オペレーションEAにおいてネットワーク通信部300は、コアネットワーク3において送信されたパケットを受信する。オペレーションEBにおいて分離部310は、受信したパケットに結合データが格納されているか否かを判断する。受信したパケットに結合データが格納されている場合(オペレーションEB:Y)には、処理はオペレーションEEへ進む。受信したパケットに結合データが格納されていない場合(オペレーションEB:N)には、処理はオペレーションECへ進む。
【0128】
オペレーションECにおいてトンネリング処理部302は、受信したパケットを逆カプセル化する。オペレーションEDにおいてネットワーク通信部303は、逆カプセル化されユーザデータを公衆網7上で伝送するパケットを生成して、パケットを公衆網7へ送信する。
【0129】
オペレーションEEにおいて分離部310は、受信パケットに格納された結合データから、カプセル化された各ユーザデータを分離する。オペレーションEFにおいて識別子取得部311は、受信パケットの拡張領域から、ユーザデータをそれぞれ伝送するベアラ21のベアラ識別子を取得する。オペレーションEGにおいてトンネリング処理部302は、識別子取得部311が取得したベアラ識別子に応じて、分離部310が分離したユーザデータを逆カプセル化する。その後、オペレーションEDにおいて逆カプセル化されたユーザデータが公衆網7へ送信される。
【0130】
<4.3 ダウンリンクにおける各装置の処理の説明>
続いて、ダウンリンクの処理について説明する。なお、以下の説明において、移動局5a〜5cが基地局4aに接続し、移動局5d及び5eが基地局4cに接続する場合を想定する。また、以下の説明において、サーバ9から移動局5a、5b及び5eへデータが送信される場合について想定する。
【0131】
図18の(A)に示すネットワーク通信部303は、公衆網7から移動局5へ送信されるパケットを受信する。トンネリング処理部302は、ネットワーク通信部303が公衆網7から受信したパケットに格納されるユーザデータをカプセル化する。ダウンリンク信号処理部304は、カプセル化されたユーザデータをコアネットワーク3上で伝送するパケットを生成するための信号処理を行う。ネットワーク通信部300は、ダウンリンク信号処理部304により生成されたパケットをコアネットワーク3へ送信する。
【0132】
図22の(A)は、第2ゲートウエイ8のダウンリンク信号処理部304の構成例を示す図である。ダウンリンク信号処理部304は、結合部320、バッファ321及びタイマ322を備える。また、結合部320は、ヘッダ生成部323を備える。すなわち、ダウンリンク信号処理部304は、基地局4のアップリンク信号処理部102と同様の構成を有している。
【0133】
ダウンリンク信号処理部304は、アップリンク信号処理部102の処理と同様の処理により、同一の第1ゲートウエイ6へ送信される複数のカプセル化されたユーザデータを結合する。ヘッダ生成部323は、結合データを格納するパケットのヘッダを生成する。ヘッダ生成部323は、結合データに含まれるユーザデータの送信先の第1ゲートウエイ6のアドレス及び第2ゲートウエイ8のアドレスをそれぞれパケットの送信先情報及び送信元情報として指定する。
【0134】
ヘッダ生成部323は、結合データに含まれるユーザデータ毎に、ユーザデータを伝送するベアラ22の識別子をパケットのヘッダの拡張領域に格納する。また、ヘッダ生成部323は、結合データに含まれるユーザデータの数、及びユーザデータのデータ長を格納領域に格納する。
【0135】
図23は、第2ゲートウエイ8がダウンリンクにおいて生成するパケットの例を示す図である。パケット30−2には、データ110、111及び114を含む結合データが格納される。3つのデータ110、111及び114は、それぞれサーバ9から移動局5a、5b及び5eへ送信するユーザデータである。ヘッダTP110、TP111及びTP114は、それぞれデータ110、111及び114をカプセル化するトンネリングプロトコルヘッダである。データ110、111及び114が伝送されるベアラ22のベアラ識別子の値はそれぞれ「21」、「22」及び「25」である。また、パケット30−2の送信先情報及び送信元情報として、第1ゲートウエイ6のアドレス「ad50」及び第2ゲートウエイ8のアドレス「ad80」が指定されている。
【0136】
拡張領域の情報要素「ユーザデータ数」には、パケット30−2に格納されるユーザデータの数である「3」が指定される。また、情報要素「データ長[1]」〜「データ長[3]」には、カプセル化された状態でのデータ110、データ111及び114のデータ長である「130」、「128」及び「184」が指定される。情報要素「BI[1]」〜「BI[3]」には、データ110、111及び114が伝送されるベアラ22のベアラ識別子の値「21」、「22」及び「25」が指定される。
【0137】
次に、第1ゲートウエイ6におけるダウンリンクの処理を説明する。図11に示すネットワーク通信部204は、コアネットワーク3のベアラ22を経由して第2ゲートウエイ8から第1ゲートウエイ6へ送信されるパケットを受信する。トンネリング処理部201は、ベアラ22を経由して受信したパケットの送信元情報と、パケットのヘッダの拡張領域に格納されたベアラ22のベアラ識別子に基づいて、ユーザデータを転送するベアラ23のベアラ識別子を特定する。トンネリング処理部201は、ベアラ22を経由して受信したパケットの送信元情報と、パケットのヘッダの拡張領域に格納されたベアラ22のベアラ識別子に基づいて、パケットを転送する基地局4のアドレスを示す送信先情報を特定する。
【0138】
ダウンリンク信号処理部203は、ベアラ22上で受信したユーザデータを格納するパケットを処理し、このユーザデータをベアラ23上で転送するパケットに再生成する処理を実行する。ネットワーク通信部200は、ダウンリンク信号処理部203により生成されたパケットを無線アクセスネットワーク2へ送信する。
【0139】
図22の(B)は、第1ゲートウエイ6のダウンリンク信号処理部203の構成例を示す図である。ダウンリンク信号処理部203は、識別子取得部230及びパケット再生成部231を備える。識別子取得部230は、ベアラ22上で受信されたパケットのヘッダの拡張領域からベアラ22のベアラ識別子を取得する。識別子取得部230は、取得されたベアラ識別子をトンネリング処理部201へ出力する。
【0140】
パケット再生成部231は、ベアラ22上で受信されたパケットの送信元情報をトンネリング処理部201へ出力する。トンネリング信号処理部201は、受信したベアラ識別子と送信元情報に応答して、パケットを転送するベアラ23の識別子と転送先の基地局装置5のアドレスを示す送信先情報を、パケット再生成部231へ出力する。
【0141】
パケット再生成部231は、パケットに格納されるユーザデータ毎に、拡張領域に格納されているベアラ22のベアラ識別子をベアラ23のベアラ識別子に変更する。パケット再生成部211は、パケットの送信先情報及び送信元情報を、基地局4及び第1ゲートウエイ6のアドレスに変更する。また、パケット再生成部231は、受信パケットのチェックサムに、変更前後のベアラ識別子及び送信先情報の値の差分を加えることにより、チェックサムの更新を行う。
【0142】
受信パケットに格納される結合データに含まれるユーザデータの送信先が複数の基地局4を含む場合、パケット再生成部231は、送信先の基地局4毎に結合データを分割する。また、パケット再生成部231は、同一の基地局4へ送信されるユーザデータを格納する複数のパケットが受信されたとき、これらのパケットに格納されていた結合データ同士を結合する。
【0143】
図24は、ダウンリンク信号処理部203のパケット再生成部231の構成例を示す図である。パケット再生成部231は、分割部240と、結合部241と、バッファ242と、タイマ243を備える。結合部241は、ヘッダ変更部223と、チェックサム計算部224を備える。
【0144】
分割部240は、受信パケットに格納される結合データを送信先の基地局4毎に分割する。図25の(A)及び図25の(B)に示すパケット30−3及び30−4は、図23のパケット30−2に格納された結合データを分割して生成されたデータをそれぞれ格納する。パケット30−3には、基地局4aへ送信するカプセル化されたデータ110及び111を含む結合データが格納される。パケット30−4には、基地局4cへ送信するカプセル化されたデータ114が格納される。
【0145】
パケット30−3の拡張領域の情報要素「ユーザデータ数」には、パケット30−3に格納されるユーザデータの数である「2」が指定される。また、情報要素「データ長[1]」及び「データ長[2]」には、カプセル化された状態でのデータ110及びデータ111のデータ長である「130」及び「128」が指定される。情報要素「BI[1]」及び「BI[2]」には、データ110及び111が伝送されるベアラ22のベアラ識別子の値「21」及び「22」が指定される。
【0146】
パケット30−4の拡張領域の情報要素「ユーザデータ数」には、パケット30−4に格納されるユーザデータの数である「1」が指定される。また、情報要素「データ長[1]」には、カプセル化された状態でのデータ114のデータ長である「184」が指定される。情報要素「BI[1]」には、データ114が伝送されるベアラ22のベアラ識別子の値「25」が指定される。
【0147】
ある実施例では、アップリンク信号処理部202にも同様の分割部を設けてもよい。分割部は、結合データに含まれるユーザデータの送信先が複数の第2ゲートウエイ8を含むとき、送信先の第2ゲートウエイ8毎に結合データを分割する。このようにアップリンクに分割部を設けることによって、第2ゲートウエイ8が複数設けられるシステムで、送信先が異なるユーザデータを含む結合データをアップリンクで第1ゲートウエイ6が受信した場合に、結合データを分割することができる。
【0148】
図24を参照する。結合部241、バッファ242及びタイマ243は、アップリンク信号処理部202の結合部220、バッファ221及びタイマ222と同様の処理を行い、ダウンリンクにて同一の基地局4へ送信される複数の結合データを結合する。
【0149】
ヘッダ変更部244は、結合データに含まれるユーザデータの送信先の基地局4のアドレス及び第1ゲートウエイ6のアドレスをそれぞれパケットの送信先情報及び送信元情報として指定する。ヘッダ変更部344は、結合データに含まれるユーザデータ毎に、ユーザデータを伝送するベアラ23の識別子をパケットのヘッダの拡張領域に格納する。
【0150】
次に、基地局4におけるダウンリンクの処理を説明する。図6に示すネットワーク通信部104は、無線アクセスネットワーク2のベアラ23を経由して第1ゲートウエイ6から基地局4へ送信されるパケットを受信する。ダウンリンク信号処理部103は、無線アクセスネットワーク2から受信したパケットからカプセル化されたユーザデータを取り出す信号処理を行う。またダウンリンク信号処理部103は、パケットのヘッダの拡張領域に格納されたベアラ23のベアラ識別子を取得する。
【0151】
図22の(C)は、基地局4のダウンリンク信号処理部103の構成例を示す図である。ダウンリンク信号処理部103は、分離部120及び識別子取得部121を備える。すなわちダウンリンク信号処理部103は、第2ゲートウエイ8のアップリンク信号処理部301と同様の構成を有している。ダウンリンク信号処理部103は、アップリンク信号処理部301と同様の処理により、ユーザデータ及びベアラ23のベアラ識別子を取得する。
【0152】
トンネリング処理部101は、パケットのヘッダの拡張領域から取得されたベアラ23のベアラ識別子に応じて、パケットから取り出されたユーザデータを逆カプセル化する。ネットワーク通信部300は、逆カプセル化したユーザデータを移動局5へ送信する。
【0153】
なお本実施の形態は、基地局4に代えて無線ネットワーク制御装置と第1ゲートウエイ6の間にベアラ20及び23が設定されるシステムに適用してもよい。図26は、無線ネットワーク制御装置の構成例を示す図である。無線ネットワーク制御装置は、図6の(A)に示す基地局4と同様の構成を備える。
【0154】
無線ネットワーク制御装置は、基地局4から無線ネットワーク制御装置へ送信されるアップリンクユーザデータを受信し、また基地局4へダウンリンクユーザデータを送信する通信部105を備える。トンネリング処理部101は、通信部105が受信するアップリンクユーザデータをカプセル化する。また通信部105は、トンネリング処理部101により逆カプセル化されたユーザデータを基地局4へ送信する。
【0155】
本実施の形態によれば、トンネリングプロトコルによりカプセル化された複数のユーザデータが結合されてパケットに格納されていても、結合されたそれぞれのユーザデータに対して逆カプセル化を行うことが可能となる。このため、トンネリングプロトコルによってベアラが設定される移動体パケット通信ネットワークにおいても、ユーザデータを結合してパケットに格納することによって短いパケットの数を低減することが可能になる。
【0156】
また、ネットワーク内を流れる短いパケットの数が増加すると、ユーザデータに対する制御情報のオーバヘッドが大きくなる。本実施例によれば、複数のユーザデータに対して1つのネットワークプロトコルヘッダを付ければ足りるので、ユーザデータに対する制御情報のオーバヘッドを低減することが可能になる。
【0157】
本実施例では、トンネリングプロトコルより下位のネットワークプロトコルヘッダの拡張領域にベアラ識別子が格納される。ユーザデータをベアラ間で転送する時に、第1ゲートウエイ6はネットワークプロトコルヘッダに格納されたベアラ識別子を書き換える。第1ゲートウエイ装置からユーザデータを受信する第2ゲートウエイ8又は基地局4は、ネットワークプロトコルヘッダに格納されたベアラ識別子を参照して逆カプセル化を行う。
【0158】
このため、第1ゲートウエイ6は、ユーザデータの転送時に、トンネルプロトコルヘッダに格納されたベアラ識別子の書き換えを省略することができる。このため、第1ゲートウエイ6の処理が軽減される。また、第1ゲートウエイ6は、トンネルプロトコルヘッダ内部のベアラ識別子の書き換えを省略できるため、結合データ内を参照しなくてよい。このため、カプセル化されたユーザデータの結合によって、第1ゲートウエイ6によるトンネルプロトコルヘッダ内のベアラ識別子の書き換え処理の負荷が増加することが防止される。
【0159】
また、トンネルプロトコルヘッダ内のベアラ識別子の書き換えがない場合には、パケット転送時におけるトンネルプロトコルヘッダの変更を避けることができる。すなわち、パケット転送時における結合データの変更を避けることができる。このため、第1ゲートウエイ6は、ヘッダ部分に生じる変更前後の差分のみを受信パケットの元のチェックサムに加えることにより、チェックサムを更新することができる。このためデータ部分についてのチェックサムの計算を省略することができるため、第1ゲートウエイ6の付加がさらに軽減される。
【0160】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
ネットワークプロトコルによりユーザデータが伝送される第1ネットワークと第2ネットワークとを接続するゲートウエイ装置と、該ゲートウエイ装置との間に前記ネットワークプロトコルよりも上位のトンネリングプロトコルにより前記ユーザデータを伝送するための第1ベアラが移動局装置毎に設定される前記第1ネットワーク内の第1ネットワーク装置と、前記ゲートウエイ装置との間に前記トンネリングプロトコルにより前記ユーザデータを伝送するための第2ベアラが移動局装置毎に設定される前記第2ネットワーク内の第2ネットワーク装置と、を含む通信システムであって、
前記第1ネットワーク装置は、
前記トンネリングプロトコルに従ってユーザデータをカプセル化する第1トンネリング処理部、
同一の前記ゲートウエイ装置へ送信される複数の前記カプセル化されたユーザデータを結合した結合データを生成するデータ結合部、
前記結合データに含まれるユーザデータを伝送する前記第1ベアラのベアラ識別子を格納し且つ前記ゲートウエイ装置を送信先として指定する前記ネットワークプロトコルのヘッダを生成するヘッダ生成部、及び、
前記結合データに前記ヘッダを付加したパケットを前記第1ネットワークへ送信する第1送信部、を備え、
前記ゲートウエイ装置は、
前記トンネリングプロトコルに従ってカプセル化された複数のカプセル化されたユーザデータを結合した結合データに、該結合データに含まれるユーザデータを伝送する前記第1ベアラのベアラ識別子を格納する前記ネットワークプロトコルのヘッダを付加したパケットを、前記第1ネットワークを経由して受信する受信部、
前記ヘッダから、前記第1ベアラのベアラ識別子を取得する識別子取得部、
前記パケットの送信元情報と前記第1ベアラのベアラ識別子とに基づいて、前記第2ネットワーク装置を識別し、前記ユーザデータを伝送する前記第2ベアラの識別子を特定するトンネリング処理部、
複数の前記カプセル化されたユーザデータを結合した結合データに、該結合データに含まれるユーザデータを伝送する前記第2ベアラのベアラ識別子を格納しかつ前記第2ネットワーク装置を送信先として指定する前記ネットワークプロトコルのヘッダが付加されたパケットを再生成するパケット再生成部、及び、
前記パケット再生成部により再生成されるパケットを、前記第2ネットワークへ送信する第2送信部を備えることを特徴とする通信システム。
【0161】
(付記2)
ネットワークプロトコルによりユーザデータが伝送される第1ネットワークと第2ネットワークとを接続するゲートウエイ装置との間で前記ネットワークプロトコルよりも上位のトンネリングプロトコルにより前記ユーザデータを伝送するためのベアラが移動局装置毎に設定される、前記第1ネットワーク内のネットワーク装置であって、
前記トンネリングプロトコルに従ってユーザデータをカプセル化するトンネリング処理部、
同一の前記ゲートウエイ装置へ送信される複数の前記カプセル化されたユーザデータを結合した結合データを生成するデータ結合部、
前記結合データに含まれるユーザデータを伝送する前記ベアラのベアラ識別子を格納し且つ前記ゲートウエイ装置を送信先として指定する前記ネットワークプロトコルのヘッダを生成するヘッダ生成部、及び、
前記結合データに前記ヘッダを付加したパケットを前記第1ネットワークへ送信する送信部、
を備えることを特徴とするネットワーク装置。
【0162】
(付記3)
前記ネットワーク装置は、
前記トンネリングプロトコルに従ってカプセル化された複数のカプセル化されたユーザデータを結合した結合データに、該結合データに含まれるユーザデータを伝送する前記ベアラのベアラ識別子を格納する前記ネットワークプロトコルのヘッダを付加したパケットを、前記第1ネットワークを経由して受信する受信部、
受信された前記結合データから前記カプセル化されたユーザデータを分離する分離部、及び、
受信された前記ヘッダから前記ベアラ識別子を取得する識別子取得部を備え、
前記トンネリング処理部は、前記ヘッダから取得されたベアラ識別子に応じて、前記結合データから分離された前記カプセル化されたユーザデータを逆カプセル化することを特徴とする付記2に記載のネットワーク装置。
【0163】
(付記4)
前記データ結合部が複数のユーザデータを結合させる期間を制限するタイマを備えることを特徴とする付記2又は3に記載のネットワーク装置。
【0164】
(付記5)
前記データ結合部は、1つの結合データのデータ長を制限することを特徴とする付記2〜4のいずれか一項に記載のネットワーク装置。
【0165】
(付記6)
ネットワークプロトコルによりユーザデータが伝送される第1ネットワークと第2ネットワークとを接続し、該第1ネットワーク内の第1ネットワーク装置との間に前記ネットワークプロトコルよりも上位のトンネリングプロトコルにより前記ユーザデータを伝送するための第1ベアラが移動局装置毎に設定され、前記第2ネットワーク内の第2ネットワーク装置との間に前記トンネリングプロトコルにより前記ユーザデータを伝送するための第2ベアラが移動局装置毎に設定されるゲートウエイ装置であって、
前記トンネリングプロトコルに従ってカプセル化された複数のカプセル化されたユーザデータを結合した結合データに、該結合データに含まれるユーザデータを伝送する前記第1ベアラのベアラ識別子を格納する前記ネットワークプロトコルのヘッダを付加したパケットを、前記第1ネットワークを経由して受信する受信部、
前記ヘッダから、前記第1ベアラのベアラ識別子を取得する識別子取得部、
前記パケットの送信元情報と前記第1ベアラのベアラ識別子とに基づいて、前記第2ネットワーク装置を識別し、前記ユーザデータを伝送する前記第2ベアラの識別子を特定するトンネリング処理部、
複数の前記カプセル化されたユーザデータを結合した結合データに、該結合データに含まれるユーザデータを伝送する前記第2ベアラのベアラ識別子を格納しかつ前記第2ネットワーク装置を送信先として指定する前記ネットワークプロトコルのヘッダが付加されたパケットを再生成するパケット再生成部、及び、
前記パケット再生成部により再生成されるパケットを、前記第2ネットワークへ送信する送信部、
を備えることを特徴とするゲートウエイ装置。
【0166】
(付記7)
前記第2ネットワーク装置へ送信するパケットに付加されるチェックサムの算出において、前記第1ネットワークから受信したパケットに付加されたチェックサムに前記ベアラ識別子の変更前後の差分を加えるチェックサム計算部を備えることを特徴とする付記6に記載のゲートウエイ装置。
【0167】
(付記8)
ネットワークプロトコルによりユーザデータが伝送される第1ネットワークと第2ネットワークとを接続するゲートウエイ装置との間で前記ネットワークプロトコルよりも上位のトンネリングプロトコルにより前記ユーザデータを伝送するためのベアラが移動局装置毎に設定される、前記第1ネットワーク内のネットワーク装置としてコンピュータを動作させるコンピュータプログラムであって、
前記トンネリングプロトコルに従ってユーザデータをカプセル化し、
同一の前記ゲートウエイ装置へ送信される複数の前記カプセル化されたユーザデータを結合した結合データを生成し、
前記結合データに含まれるユーザデータを伝送する前記ベアラのベアラ識別子を格納する前記ネットワークプロトコルのヘッダを生成し、
前記結合データに前記ヘッダを付加したパケットを前記ゲートウエイ装置へ送信する、
処理を、前記コンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【0168】
(付記9)
ネットワークプロトコルによりユーザデータが伝送される第1ネットワークと第2ネットワークとを接続し、該第1ネットワーク内の第1ネットワーク装置との間に前記ネットワークプロトコルよりも上位のトンネリングプロトコルにより前記ユーザデータを伝送するための第1ベアラが移動局装置毎に設定され、前記第2ネットワーク内の第2ネットワーク装置との間に前記トンネリングプロトコルにより前記ユーザデータを伝送するための第2ベアラが移動局装置毎に設定されるゲートウエイ装置としてコンピュータを動作させるコンピュータプログラムであって、
前記トンネリングプロトコルに従ってカプセル化された複数のカプセル化されたユーザデータを結合した結合データに、該結合データに含まれるユーザデータを伝送する前記第1ベアラのベアラ識別子を格納する前記ネットワークプロトコルのヘッダを付加したパケットを、前記第1ネットワークを経由して受信し、
前記ヘッダから、前記第1ベアラのベアラ識別子を取得し、
前記パケットの送信元情報と前記第1ベアラのベアラ識別子とに基づいて、前記第2ネットワーク装置を識別し、
前記パケットの送信元情報と前記第1ベアラのベアラ識別子とに基づいて、前記ユーザデータを伝送する前記第2ベアラの識別子を特定し、
複数の前記カプセル化されたユーザデータを結合した結合データに、該結合データに含まれるユーザデータを伝送する前記第2ベアラのベアラ識別子を格納する前記ネットワークプロトコルのヘッダが付加されたパケットを再生成し、
再生成される前記パケットを、前記第2ネットワーク装置へ送信する、
処理を前記コンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【0169】
(付記10)
ネットワークプロトコルによりユーザデータが伝送される第1ネットワーク及び第2ネットワークを接続するゲートウエイ装置と前記第1ネットワーク内のネットワーク装置との間で前記ネットワークプロトコルよりも上位のトンネリングプロトコルにより移動局装置毎に設定されるベアラを介してユーザデータを送信するデータ送信方法であって、
前記トンネリングプロトコルに従ってユーザデータをカプセル化し、
同一の前記ゲートウエイ装置へ送信される複数の前記カプセル化されたユーザデータを結合した結合データを生成し、
前記結合データに含まれるユーザデータを伝送する前記ベアラのベアラ識別子を格納する前記ネットワークプロトコルのヘッダを生成し、
前記結合データに前記ヘッダを付加したパケットを前記第1ネットワーク装置から前記ゲートウエイ装置へ送信する、ことを特徴とするデータ送信方法。
【0170】
(付記11)
ネットワークプロトコルによりユーザデータが伝送される第1ネットワーク及び第2ネットワークを接続するゲートウエイ装置と前記第1ネットワーク内の第1ネットワーク装置との間で前記ネットワークプロトコルよりも上位のトンネリングプロトコルにより移動局装置毎に設定される第1ベアラから、前記ゲートウエイ装置と前記第2ネットワーク内の第2ネットワーク装置との間で前記トンネリングプロトコルにより移動局装置毎に設定される第2ベアラへ、ユーザデータを転送するデータ転送方法であって、
前記トンネリングプロトコルに従ってカプセル化された複数のカプセル化されたユーザデータを結合した結合データに、該結合データに含まれるユーザデータを伝送する前記第1ベアラのベアラ識別子を格納する前記ネットワークプロトコルのヘッダを付加したパケットを、前記第1ネットワークを経由して受信し、
前記ヘッダから、前記第1ベアラのベアラ識別子を取得し、
前記パケットの送信元情報と前記第1ベアラのベアラ識別子とに基づいて、前記第2ネットワーク装置を識別し、
前記パケットの送信元情報と前記第1ベアラのベアラ識別子とに基づいて、前記ユーザデータを伝送する前記第2ベアラの識別子を特定し、
複数の前記カプセル化されたユーザデータを結合した結合データに、該結合データに含まれるユーザデータを伝送する前記第2ベアラのベアラ識別子を格納する前記ネットワークプロトコルのヘッダが付加されたパケットを再生成し、
再生成される前記パケットを、前記ゲートウエイ装置から前記第2ネットワーク装置へ送信することを特徴とするデータ転送方法。
【符号の説明】
【0171】
1 通信システム
2、2a、2b 無線アクセスネットワーク
3 コアネットワーク
4、4a〜4d 基地局装置
5、5a〜5e 移動局装置
6 第1ゲートウエイ装置
7 公衆網
8 第2ゲートウエイ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークプロトコルによりユーザデータが伝送される第1ネットワークと第2ネットワークとを接続するゲートウエイ装置と、該ゲートウエイ装置との間に前記ネットワークプロトコルよりも上位のトンネリングプロトコルにより前記ユーザデータを伝送するための第1ベアラが移動局装置毎に設定される前記第1ネットワーク内の第1ネットワーク装置と、前記ゲートウエイ装置との間に前記トンネリングプロトコルにより前記ユーザデータを伝送するための第2ベアラが移動局装置毎に設定される前記第2ネットワーク内の第2ネットワーク装置と、を含む通信システムであって、
前記第1ネットワーク装置は、
前記トンネリングプロトコルに従ってユーザデータをカプセル化する第1トンネリング処理部、
同一の前記ゲートウエイ装置へ送信される複数の前記カプセル化されたユーザデータを結合した結合データを生成するデータ結合部、
前記結合データに含まれるユーザデータを伝送する前記第1ベアラのベアラ識別子を格納し且つ前記ゲートウエイ装置を送信先として指定する前記ネットワークプロトコルのヘッダを生成するヘッダ生成部、及び、
前記結合データに前記ヘッダを付加したパケットを前記第1ネットワークへ送信する第1送信部、を備え、
前記ゲートウエイ装置は、
前記トンネリングプロトコルに従ってカプセル化された複数のカプセル化されたユーザデータを結合した結合データに、該結合データに含まれるユーザデータを伝送する前記第1ベアラのベアラ識別子を格納する前記ネットワークプロトコルのヘッダを付加したパケットを、前記第1ネットワークを経由して受信する受信部、
前記ヘッダから、前記第1ベアラのベアラ識別子を取得する識別子取得部、
前記パケットの送信元情報と前記第1ベアラのベアラ識別子とに基づいて、前記第2ネットワーク装置を識別し、前記ユーザデータを伝送する前記第2ベアラの識別子を特定するトンネリング処理部、
複数の前記カプセル化されたユーザデータを結合した結合データに、該結合データに含まれるユーザデータを伝送する前記第2ベアラのベアラ識別子を格納しかつ前記第2ネットワーク装置を送信先として指定する前記ネットワークプロトコルのヘッダが付加されたパケットを再生成するパケット再生成部、及び、
前記パケット再生成部により再生成されるパケットを、前記第2ネットワークへ送信する第2送信部を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
ネットワークプロトコルによりユーザデータが伝送される第1ネットワークと第2ネットワークとを接続するゲートウエイ装置との間で前記ネットワークプロトコルよりも上位のトンネリングプロトコルにより前記ユーザデータを伝送するためのベアラが移動局装置毎に設定される、前記第1ネットワーク内のネットワーク装置であって、
前記トンネリングプロトコルに従ってユーザデータをカプセル化するトンネリング処理部、
同一の前記ゲートウエイ装置へ送信される複数の前記カプセル化されたユーザデータを結合した結合データを生成するデータ結合部、
前記結合データに含まれるユーザデータを伝送する前記ベアラのベアラ識別子を格納し且つ前記ゲートウエイ装置を送信先として指定する前記ネットワークプロトコルのヘッダを生成するヘッダ生成部、及び、
前記結合データに前記ヘッダを付加したパケットを前記第1ネットワークへ送信する送信部、
を備えることを特徴とするネットワーク装置。
【請求項3】
前記ネットワーク装置は、
前記トンネリングプロトコルに従ってカプセル化された複数のカプセル化されたユーザデータを結合した結合データに、該結合データに含まれるユーザデータを伝送する前記ベアラのベアラ識別子を格納する前記ネットワークプロトコルのヘッダを付加したパケットを、前記第1ネットワークを経由して受信する受信部、
受信された前記結合データから前記カプセル化されたユーザデータを分離する分離部、及び、
受信された前記ヘッダから前記ベアラ識別子を取得する識別子取得部を備え、
前記トンネリング処理部は、前記ヘッダから取得されたベアラ識別子に応じて、前記結合データから分離された前記カプセル化されたユーザデータを逆カプセル化することを特徴とする請求項2に記載のネットワーク装置。
【請求項4】
ネットワークプロトコルによりユーザデータが伝送される第1ネットワークと第2ネットワークとを接続し、該第1ネットワーク内の第1ネットワーク装置との間に前記ネットワークプロトコルよりも上位のトンネリングプロトコルにより前記ユーザデータを伝送するための第1ベアラが移動局装置毎に設定され、前記第2ネットワーク内の第2ネットワーク装置との間に前記トンネリングプロトコルにより前記ユーザデータを伝送するための第2ベアラが移動局装置毎に設定されるゲートウエイ装置であって、
前記トンネリングプロトコルに従ってカプセル化された複数のカプセル化されたユーザデータを結合した結合データに、該結合データに含まれるユーザデータを伝送する前記第1ベアラのベアラ識別子を格納する前記ネットワークプロトコルのヘッダを付加したパケットを、前記第1ネットワークを経由して受信する受信部、
前記ヘッダから、前記第1ベアラのベアラ識別子を取得する識別子取得部、
前記パケットの送信元情報と前記第1ベアラのベアラ識別子とに基づいて、前記第2ネットワーク装置を識別し、前記ユーザデータを伝送する前記第2ベアラの識別子を特定するトンネリング処理部、
複数の前記カプセル化されたユーザデータを結合した結合データに、該結合データに含まれるユーザデータを伝送する前記第2ベアラのベアラ識別子を格納しかつ前記第2ネットワーク装置を送信先として指定する前記ネットワークプロトコルのヘッダが付加されたパケットを再生成するパケット再生成部、及び、
前記パケット再生成部により再生成されるパケットを、前記第2ネットワークへ送信する送信部、
を備えることを特徴とするゲートウエイ装置。
【請求項5】
前記第2ネットワーク装置へ送信するパケットに付加されるチェックサムの算出において、前記第1ネットワークから受信したパケットに付加されたチェックサムに前記ベアラ識別子の変更前後の差分を加えるチェックサム計算部を備えることを特徴とする請求項4に記載のゲートウエイ装置。
【請求項6】
ネットワークプロトコルによりユーザデータが伝送される第1ネットワークと第2ネットワークとを接続するゲートウエイ装置との間で前記ネットワークプロトコルよりも上位のトンネリングプロトコルにより前記ユーザデータを伝送するためのベアラが移動局装置毎に設定される、前記第1ネットワーク内のネットワーク装置としてコンピュータを動作させるコンピュータプログラムであって、
前記トンネリングプロトコルに従ってユーザデータをカプセル化し、
同一の前記ゲートウエイ装置へ送信される複数の前記カプセル化されたユーザデータを結合した結合データを生成し、
前記結合データに含まれるユーザデータを伝送する前記ベアラのベアラ識別子を格納する前記ネットワークプロトコルのヘッダを生成し、
前記結合データに前記ヘッダを付加したパケットを前記ゲートウエイ装置へ送信する、
処理を、前記コンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項7】
ネットワークプロトコルによりユーザデータが伝送される第1ネットワークと第2ネットワークとを接続し、該第1ネットワーク内の第1ネットワーク装置との間に前記ネットワークプロトコルよりも上位のトンネリングプロトコルにより前記ユーザデータを伝送するための第1ベアラが移動局装置毎に設定され、前記第2ネットワーク内の第2ネットワーク装置との間に前記トンネリングプロトコルにより前記ユーザデータを伝送するための第2ベアラが移動局装置毎に設定されるゲートウエイ装置としてコンピュータを動作させるコンピュータプログラムであって、
前記トンネリングプロトコルに従ってカプセル化された複数のカプセル化されたユーザデータを結合した結合データに、該結合データに含まれるユーザデータを伝送する前記第1ベアラのベアラ識別子を格納する前記ネットワークプロトコルのヘッダを付加したパケットを、前記第1ネットワークを経由して受信し、
前記ヘッダから、前記第1ベアラのベアラ識別子を取得し、
前記パケットの送信元情報と前記第1ベアラのベアラ識別子とに基づいて、前記第2ネットワーク装置を識別し、
前記パケットの送信元情報と前記第1ベアラのベアラ識別子とに基づいて、前記ユーザデータを伝送する前記第2ベアラの識別子を特定し、
複数の前記カプセル化されたユーザデータを結合した結合データに、該結合データに含まれるユーザデータを伝送する前記第2ベアラのベアラ識別子を格納する前記ネットワークプロトコルのヘッダが付加されたパケットを再生成し、
再生成される前記パケットを、前記第2ネットワーク装置へ送信する、
処理を前記コンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項8】
ネットワークプロトコルによりユーザデータが伝送される第1ネットワーク及び第2ネットワークを接続するゲートウエイ装置と前記第1ネットワーク内のネットワーク装置との間で前記ネットワークプロトコルよりも上位のトンネリングプロトコルにより移動局装置毎に設定されるベアラを介してユーザデータを送信するデータ送信方法であって、
前記トンネリングプロトコルに従ってユーザデータをカプセル化し、
同一の前記ゲートウエイ装置へ送信される複数の前記カプセル化されたユーザデータを結合した結合データを生成し、
前記結合データに含まれるユーザデータを伝送する前記ベアラのベアラ識別子を格納する前記ネットワークプロトコルのヘッダを生成し、
前記結合データに前記ヘッダを付加したパケットを前記第1ネットワーク装置から前記ゲートウエイ装置へ送信する、ことを特徴とするデータ送信方法。
【請求項9】
ネットワークプロトコルによりユーザデータが伝送される第1ネットワーク及び第2ネットワークを接続するゲートウエイ装置と前記第1ネットワーク内の第1ネットワーク装置との間で前記ネットワークプロトコルよりも上位のトンネリングプロトコルにより移動局装置毎に設定される第1ベアラから、前記ゲートウエイ装置と前記第2ネットワーク内の第2ネットワーク装置との間で前記トンネリングプロトコルにより移動局装置毎に設定される第2ベアラへ、ユーザデータを転送するデータ転送方法であって、
前記トンネリングプロトコルに従ってカプセル化された複数のカプセル化されたユーザデータを結合した結合データに、該結合データに含まれるユーザデータを伝送する前記第1ベアラのベアラ識別子を格納する前記ネットワークプロトコルのヘッダを付加したパケットを、前記第1ネットワークを経由して受信し、
前記ヘッダから、前記第1ベアラのベアラ識別子を取得し、
前記パケットの送信元情報と前記第1ベアラのベアラ識別子とに基づいて、前記第2ネットワーク装置を識別し、
前記パケットの送信元情報と前記第1ベアラのベアラ識別子とに基づいて、前記ユーザデータを伝送する前記第2ベアラの識別子を特定し、
複数の前記カプセル化されたユーザデータを結合した結合データに、該結合データに含まれるユーザデータを伝送する前記第2ベアラのベアラ識別子を格納する前記ネットワークプロトコルのヘッダが付加されたパケットを再生成し、
再生成される前記パケットを、前記ゲートウエイ装置から前記第2ネットワーク装置へ送信することを特徴とするデータ転送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−248956(P2012−248956A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117267(P2011−117267)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】