説明

通信システム、移動通信端末、動作設定方法およびプログラム

【課題】利用する場所に応じて柔軟に動作モードを変更する。
【解決手段】移動通信端末100が、無線LANアクセスポイント200から取得したアクセスポイント識別情報に基づいて、サーバ300からサーバ設定モードとサーバ設定優先度とを取得し、アクセスポイント識別情報と対応付けて記憶部にあらかじめ記憶している端末設定モードと端末設定優先度とを該記憶部から読み出し、サーバ設定優先度が端末設定優先度よりも高い優先度を示すものである場合、移動通信端末100の動作モードをサーバ設定モードへ変更し、それ以外の場合は、移動通信端末100の動作モードを前記端末設定モードへ変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信端末が具備する機能の動作を設定する通信システム、移動通信端末、機能設定方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、映画館や病院、電車内などの公共施設では、携帯端末の電源をOFFにしたり、動作モードをマナーモードに設定したり、自宅に帰ったらマナーモードを解除したりするなど、携帯端末の利用者は、場所によって携帯端末の設定を自ら変更することが多い。
【0003】
しかし、その設定を変更することを忘れてしまったり、設定を変更すること自体が煩わしかったりすることがある。
【0004】
そこで、GPS(Global Positioning System)機能を用いて、GPS衛星から携帯端末の位置情報を取得し、取得した位置情報に応じた設定の変更を自動的に行う技術が考えられている。
【0005】
しかしながら、GPS機能を用いて位置情報を取得しようとした場合、地下や室内などで位置情報の取得ができなかったり、衛星位置の変化により測位結果にばらつきが出てしまったりすることがあるため、設定した場所で正確に設定が反映されないおそれがある。
【0006】
そこで、携帯端末と接続されたアクセスポイントに応じて、当該携帯端末の機能を制限する技術が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−203507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した技術においては、各機能の許可と禁止とのどちらか一方への設定がされるだけであって、他の動作モードへ変更するものではない。また、複数の端末へサーバからの一律の指示がされるため、利用者の希望する動作モードへ変更することができないという問題点がある。
【0009】
本発明の目的は、上述した課題を解決する通信システム、移動通信端末、動作設定方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の通信システムは、
無線LANアクセスポイントと、移動通信端末と、サーバとから構成された通信システムにおいて、
前記移動通信端末は、当該移動通信端末との間で通信を行う前記無線LANアクセスポイントから、該無線LANアクセスポイントを識別可能なアクセスポイント識別情報を取得し、該取得したアクセスポイント識別情報に基づいて前記サーバからサーバ設定モードとサーバ設定優先度とを取得し、前記取得したアクセスポイント識別情報と対応付けて記憶部にあらかじめ記憶している端末設定モードと端末設定優先度とを該記憶部から読み出し、前記サーバ設定優先度が前記端末設定優先度よりも高い優先度を示すものである場合、当該移動通信端末の動作モードを前記サーバ設定モードへ変更し、それ以外の場合は、当該移動通信端末の動作モードを前記端末設定モードへ変更することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の移動通信端末は、
無線LAN通信機能を具備した移動通信端末であって、
当該移動通信端末との間で通信を行う無線LANアクセスポイントを検索し、該検索された無線LANアクセスポイントから、該無線LANアクセスポイントを識別可能なアクセスポイント識別情報を取得する無線LAN通信部と、
該取得したアクセスポイント識別情報に基づいて、当該移動通信端末と接続されたサーバからサーバ設定モードとサーバ設定優先度とを取得するサーバインタフェース部と、
前記アクセスポイント識別情報と端末設定モードと端末設定優先度とをあらかじめ対応付けて記憶する記憶部と、
前記サーバ設定優先度が、前記無線LAN通信部が取得したアクセスポイント識別情報と対応付けて前記記憶部が記憶している前記端末設定優先度よりも高い優先度を示すものである場合、当該移動通信端末の動作モードを前記サーバ設定モードへ変更し、それ以外の場合は、当該移動通信端末の動作モードを、前記無線LAN通信部が取得したアクセスポイント識別情報と対応付けて前記記憶部が記憶している前記端末設定モードへ変更する動作モード変更部とを有する。
【0012】
また、本発明の動作設定方法は、
移動通信端末に具備された機能の動作モードを設定する動作設定方法であって、
前記移動通信端末との間で通信を行う無線LANアクセスポイントから、該無線LANアクセスポイントを識別可能なアクセスポイント識別情報を取得する処理と、
該取得したアクセスポイント識別情報に基づいて、前記移動通信端末と接続されたサーバからサーバ設定モードとサーバ設定優先度とを取得する処理と、
前記サーバ設定優先度が、前記取得したアクセスポイント識別情報と対応付けて記憶している端末設定優先度よりも高い優先度を示すものである場合、前記移動通信端末の動作モードを前記サーバ設定モードへ変更する処理と、
それ以外の場合は、前記移動通信端末の動作モードを、前記取得したアクセスポイント識別情報と対応付けて記憶している端末設定モードへ変更する処理とを行う。
【0013】
また、本発明のプログラムは、
無線LAN通信機能を具備した移動通信端末に実行させるためのプログラムであって、
当該移動通信端末との間で通信を行う無線LANアクセスポイントから、該無線LANアクセスポイントを識別可能なアクセスポイント識別情報を取得する手順と、
該取得したアクセスポイント識別情報に基づいて、当該移動通信端末と接続されたサーバからサーバ設定モードとサーバ設定優先度とを取得する手順と、
前記サーバ設定優先度が、前記取得したアクセスポイント識別情報と対応付けて記憶している端末設定優先度よりも高い優先度を示すものである場合、当該移動通信端末の動作モードを前記サーバ設定モードへ変更する手順と、
それ以外の場合は、当該移動通信端末の動作モードを、前記取得したアクセスポイント識別情報と対応付けて記憶している端末設定モードへ変更する手順とを実行させる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明においては、利用する場所に応じて柔軟に動作モードを変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の通信システムの一形態を示す図である。
【図2】図1に示した移動通信端末の内部構成の一例を示す図である。
【図3】図1に示したサーバから移動通信端末へ送信される応答信号のフォーマットの一例を示す図である。
【図4】図2に示した記憶部に記憶されたアクセスポイント識別情報と端末設定モードと端末設定優先度との対応付けの一例を示す図である。
【図5】図1に示したサーバに記憶されているアクセスポイント識別情報とサーバ設定モードとサーバ設定優先度との対応付けの一例を示す図である。
【図6】本形態における動作設定方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【図7】本形態における動作設定方法の他の例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の通信システムの一形態を示す図である。
【0018】
本形態は図1に示すように、移動通信端末100と、無線LANアクセスポイント200と、サーバ300と、無線基地局400とから構成されている。
【0019】
移動通信端末100は、無線LAN(Local Area Network)通信機能を用いて、無線LANアクセスポイント200との間で無線通信を行う。また、移動通信端末100は、通話や電子メール送受信等の一般的な携帯端末に具備された無線通信機能を用いて無線基地局400との間で通信を行う。
【0020】
図2は、図1に示した移動通信端末100の内部構成の一例を示す図である。
【0021】
図1に示した移動通信端末100には図2に示すように、無線LAN通信部110と、サーバインタフェース部120と、記憶部130と、動作モード変更部140と、移動通信端末100全体を制御する制御部150とが設けられている。なお、図2には、図1に示した移動通信端末100が具備する構成要素のうち、本発明に係わる構成要素のみを示した。
【0022】
無線LAN通信部110は、移動通信端末100との間で通信を行う無線LANアクセスポイントを検索する。この検索方法は、一般的に行われている方法で良く、ここでは特に規定しない。以下の説明では、検索された無線LANアクセスポイントが、図1に示した無線LANアクセスポイント200である場合を例に挙げて説明する。
【0023】
また、無線LAN通信部110は、無線LANアクセスポイント200との間で無線LAN通信機能を用いて通信を行う。
【0024】
また、無線LAN通信部110は、検索した無線LANアクセスポイント200から、無線LANアクセスポイント200を識別可能なアクセスポイント識別情報を取得する。このアクセスポイント識別情報は、無線LANアクセスポイント200固有にあらかじめ付与されている情報であり、他の無線LANアクセスポイントと識別できる情報であれば良い。また、この取得の方法については、どのような方法であってもかまわない。
【0025】
また、無線LAN通信部110は、取得したアクセスポイント識別情報をサーバインタフェース部120および動作モード変更部140へ出力する。
【0026】
サーバインタフェース部120は、無線LAN通信部110から出力されてきたアクセスポイント識別情報に基づいて、サーバ300からサーバ設定モードとサーバ設定優先度とを取得する。この取得の処理において、どのような信号をサーバインタフェース部120からサーバ300へ送信し、それに対してどのようなサーバ設定モードとサーバ設定優先度とが含まれた応答信号がサーバ300から送信されてくるものであるかは特に規定しない。例えば、無線LAN通信部110から出力されてきたアクセスポイント識別情報を含んだ要求信号をサーバインタフェース部120からサーバ300へ送信し、サーバ300にて当該アクセスポイント識別情報に応じたサーバ設定モードとサーバ設定優先度とを含んだ応答信号を移動通信端末100へ送信するものであっても良い。
【0027】
図3は、図1に示したサーバ300から移動通信端末100へ送信される応答信号のフォーマットの一例を示す図である。
【0028】
図1に示したサーバ300から移動通信端末100へ送信される応答信号は図3に示すように、ヘッダ801と、サーバ設定モード802と、サーバ設定優先度803とから構成されている。
【0029】
ヘッダ801は、当該応答信号の宛先の情報や送信元の情報が含まれる一般的なヘッダである。
【0030】
サーバ設定モード802は、サーバインタフェース部120から送信されたアクセスポイント識別情報に基づいて、サーバ300にて検索されたサーバ設定モードを示す情報である。
【0031】
サーバ設定優先度803は、サーバインタフェース部120から送信されたアクセスポイント識別情報に基づいて、サーバ300にて検索されたサーバ設定優先度である。
【0032】
これらの検索方法の詳細については、後述する。
【0033】
また、サーバインタフェース部120は、取得したサーバ設定モードとサーバ設定優先度とを動作モード変更部140へ出力する。
【0034】
また、サーバインタフェース部120は、サーバ300からサーバ設定モードとサーバ設定優先度とを取得することができなかった場合、その旨を動作モード変更部140へ通知する。
【0035】
記憶部130は、アクセスポイント識別情報と端末設定モードと端末設定優先度をあらかじめ対応付けて記憶する。
【0036】
図4は、図2に示した記憶部130に記憶されたアクセスポイント識別情報と端末設定モードと端末設定優先度との対応付けの一例を示す図である。
【0037】
図2に示した記憶部130には図4に示すように、アクセスポイント識別情報と端末設定モードと端末設定優先度とがあらかじめ対応付けられて登録されている。このアクセスポイント識別情報は、移動通信端末100の動作モードの変更を必要とする公共施設等の所望の場所に設けられた無線LANアクセスポイントそれぞれに付与されているものである。
【0038】
例えば図4に示すように、複数のアクセスポイント識別情報と、複数の端末設定モードと、複数の端末設定優先度とが、それぞれ対応付けられて記憶されている。ここで、端末設定優先度は、A>B>Cの優先順位の高さとする。
【0039】
動作モード変更部140は、無線LAN通信部110から出力されてきたアクセスポイント識別情報を検索キーとして、当該アクセスポイント識別情報と対応付けて記憶部130に記憶されている端末設定モードと端末設定優先度とを読み出す。
【0040】
また、動作モード変更部140は、サーバインタフェース部120から出力されてきたサーバ設定優先度と、記憶部130から読み出した端末設定優先度とを比較する。
【0041】
そして、動作モード変更部140は、サーバ設定優先度が端末設定優先度よりも高い優先度を示すものである場合、移動通信端末100の動作モードを、サーバインタフェース部120から出力されてきたサーバ設定モードへ変更する。
【0042】
一方、動作モード変更部140は、サーバ設定優先度が端末設定優先度よりも高い優先度を示すものではない場合、移動通信端末100の動作モードを、記憶部130から読み出した端末設定モードへ変更する。
【0043】
また、動作モード変更部140は、無線LAN通信部110から出力されてきたアクセスポイント識別情報およびそのアクセスポイント識別情報と対応付けられた端末設定モードと端末設定優先度とを記憶部130に記憶していない場合、移動通信端末100の動作モードを、サーバインタフェース部120から出力されてきたサーバ設定モードへ変更する。
【0044】
また、動作モード変更部140は、無線LAN通信部110から出力されてきたアクセスポイント識別情報があらかじめ設定された特定アクセスポイント識別情報である場合、この特定アクセスポイント識別情報を検索キーとして、当該特定アクセスポイント識別情報と対応付けて記憶部130に記憶されている端末設定モードを読み出す。そして、移動通信端末100の動作モードを、読み出した端末設定モードへ変更する。
【0045】
また、動作モード変更部140は、変更する前の動作モードを記憶しておき、通信を行っていた無線LANアクセスポイント200の通信圏(エリア700)外へ出た場合、移動通信端末100の動作モードを変更する前の動作モードへ戻す。
【0046】
また、動作モード変更部140は、上述したように移動通信端末100の動作モードを変更するだけではなく、設定の変更を促す表示を行うものであっても良い。
【0047】
なお、これらの動作モードの変更は、動作モード変更部140から制御部150へ指示することで、制御部150によって行われる。
【0048】
無線LANアクセスポイント200は、通信圏内であるエリア700内に存在する移動通信端末100との間で無線LAN通信を行うアクセスポイント(AP)である。また、無線LANアクセスポイント200は、病院等の公共施設や自宅等のあらかじめ登録された場所に設けられている。また、無線LANアクセスポイント200は、インターネット600と接続されている。
【0049】
サーバ300は、無線通信網500を介して無線基地局400と接続されたサーバである。また、サーバ300は、アクセスポイント識別情報と上述したサーバ設定モードとサーバ設定優先度とをあらかじめ対応付けて記憶している。
【0050】
図5は、図1に示したサーバ300に記憶されているアクセスポイント識別情報とサーバ設定モードとサーバ設定優先度との対応付けの一例を示す図である。
【0051】
図1に示したサーバ300には図5に示すように、アクセスポイント識別情報とサーバ設定モードとサーバ設定優先度とがあらかじめ対応付けられて登録されている。このアクセスポイント識別情報は、移動通信端末の動作モードの変更を必要とする公共施設等の所望の場所に設けられた無線LANアクセスポイントそれぞれに付与されているものである。
【0052】
例えば図5に示すように、複数のアクセスポイント識別情報と、複数のサーバ設定モードと、複数のサーバ設定優先度とが、それぞれ対応付けられて記憶されている。ここで、サーバ設定優先度は、A>B>Cの優先順位の高さとする。
【0053】
ここで、動作モード変更部140における処理を、記憶部130に図4に示した対応付けが記憶されており、サーバ300に図5に示した対応付けが記憶されている場合を例に挙げて具体的に説明する。
【0054】
例えば、無線LAN通信部110から出力されてきたアクセスポイント識別情報が「0001」である場合、記憶部130にてアクセスポイント識別情報「0001」と対応付けられている端末設定モード「マナーモード設定」と端末設定優先度「B」とを読み出す。また、サーバ300にてアクセスポイント識別情報「0001」と対応付けられているサーバ設定モード「電源オフ」とサーバ設定優先度「A」とを取得する。そして、端末設定優先度「B」とサーバ設定優先度「A」とを比較し、優先度の高いサーバ設定優先度「A」と対応付けられているサーバ設定モード「電源オフ」を選択する。そして、移動通信端末100の動作モードを、選択したサーバ設定モード「電源オフ」へ変更する。
【0055】
また、無線LAN通信部110から出力されてきたアクセスポイント識別情報が「0002」である場合、記憶部130にてアクセスポイント識別情報「0002」と対応付けられている端末設定モードと端末設定優先度とがないため、これらの読み出しは行われない。また、サーバ300にてアクセスポイント識別情報「0002」と対応付けられているサーバ設定モード「マナーモード設定」とサーバ設定優先度「C」とを取得する。そして、移動通信端末100の動作モードを、サーバ300から取得したサーバ設定モード「マナーモード設定」へ変更する。
【0056】
また、無線LAN通信部110から出力されてきたアクセスポイント識別情報が「0003」である場合、記憶部130にてアクセスポイント識別情報「0003」と対応付けられている端末設定モード「電源オフ」と端末設定優先度「B」とを読み出す。また、サーバ300にてアクセスポイント識別情報「0003」と対応付けられているサーバ設定モード「着信音量小」とサーバ設定優先度「C」とを取得する。そして、端末設定優先度「B」とサーバ設定優先度「C」とを比較し、優先度の高い端末設定優先度「B」と対応付けられている端末設定モード「電源オフ」を選択する。そして、移動通信端末100の動作モードを、選択した端末設定モード「電源オフ」へ変更する。
【0057】
また、無線LAN通信部110から出力されてきたアクセスポイント識別情報が「0004」である場合、記憶部130にてアクセスポイント識別情報「0004」と対応付けられている端末設定モード「マナーモード解除」と端末設定優先度「B」とを読み出す。また、サーバ300にてアクセスポイント識別情報「0003」と対応付けられているサーバ設定モード「着信音量大」とサーバ設定優先度「C」とを取得する。そして、端末設定優先度「B」とサーバ設定優先度「C」とを比較し、優先度の高い端末設定優先度「B」と対応付けられている端末設定モード「マナーモード解除」を選択する。そして、移動通信端末100の動作モードを、選択した端末設定モード「マナーモード解除」へ変更する。
【0058】
以下に、本形態における動作設定方法について説明する。
【0059】
図6は、本形態における動作設定方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【0060】
まず、無線LAN通信部110によって、移動通信端末100がエリア700内に存在するかどうかが判定される(ステップS1)。これは、無線LAN通信部110によって、無線LANアクセスポイント(AP)200が検出された場合、移動通信端末100がエリア700内に存在すると判定されるものである。
【0061】
移動通信端末100がエリア700内に存在すると判定されると、無線LAN通信部110によって無線LANアクセスポイント200から、無線LANアクセスポイント200にあらかじめ付与されているアクセスポイント識別情報が取得される(ステップS2)。
【0062】
アクセスポイント識別情報が取得されると、当該アクセスポイント識別情報が無線LAN通信部110からサーバインタフェース部120と動作モード変更部140とへ出力される。
【0063】
そして、動作モード変更部140によって、当該アクセスポイント識別情報と対応付けられた端末設定モードと端末設定優先度とが記憶部130に記憶されているかどうかが判定される(ステップS3)。
【0064】
当該アクセスポイント識別情報と対応付けられた端末設定モードと端末設定優先度とが記憶部130に記憶されている場合、その端末設定モードと端末設定優先度とが、動作モード変更部140によって記憶部130から読み出される(ステップS4)。
【0065】
また、サーバインタフェース部120によって、サーバ300にて当該アクセスポイント識別情報と対応付けられたサーバ設定モードとサーバ設定優先度とが記憶されているかどうかが判定される(ステップS5)。これは、上述したような要求信号に対して、応答信号がサーバ300から送信されてきた場合、当該アクセスポイント識別情報と対応付けられたサーバ設定モードとサーバ設定優先度とが記憶されていると判定し、そうでない場合は、当該アクセスポイント識別情報と対応付けられたサーバ設定モードとサーバ設定優先度とが記憶されていないと判定するものであっても良い。
【0066】
そして、サーバ300にて当該アクセスポイント識別情報と対応付けられたサーバ設定モードとサーバ設定優先度とが記憶されている場合、そのサーバ設定モードとサーバ設定優先度とがサーバインタフェース部120によってサーバ300から取得される(ステップS6)。この取得方法は、上述したような要求信号と応答信号とを用いるものであっても良い。取得されたサーバ設定モードとサーバ設定優先度とは、サーバインタフェース部120から動作モード変更部140へ出力される。
【0067】
すると、無線LAN通信部110から出力されてきた端末設定優先度と、サーバインタフェース部120から出力されてきたサーバ設定優先度とが、動作モード変更部140にて比較され、どちらの優先度が高いかが判定される(ステップS7)。
【0068】
サーバインタフェース部120から出力されてきたサーバ設定優先度が、無線LAN通信部110から出力されてきた端末設定優先度よりも、高い優先度を示すものではない場合、動作モード変更部140によって移動通信端末100の動作モードが、記憶部130から読み出された端末設定モードへ変更される(ステップS8)。
【0069】
また、ステップS5にて、サーバ300にて当該アクセスポイント識別情報と対応付けられたサーバ設定モードとサーバ設定優先度とが記憶されていない場合も、ステップS8にて、動作モード変更部140によって移動通信端末100の動作モードが、記憶部130から読み出された端末設定モードへ変更される。
【0070】
一方、ステップS3にて、当該アクセスポイント識別情報と対応付けられた端末設定モードと端末設定優先度とが記憶部130に記憶されていない場合、ステップS5の処理と同様に、サーバインタフェース部120によって、サーバ300にて当該アクセスポイント識別情報と対応付けられたサーバ設定モードとサーバ設定優先度とが記憶されているかどうかが判定される(ステップS9)。
【0071】
そして、サーバ300にて当該アクセスポイント識別情報と対応付けられたサーバ設定モードとサーバ設定優先度とが記憶されている場合、ステップS6の処理と同様に、そのサーバ設定モードとサーバ設定優先度とがサーバインタフェース部120によってサーバ300から取得される(ステップS10)。取得されたサーバ設定モードとサーバ設定優先度とは、サーバインタフェース部120から動作モード変更部140へ出力される。
【0072】
すると、動作モード変更部140によって移動通信端末100の動作モードが、サーバインタフェース部120から出力されてきたサーバ設定モードへ変更される(ステップS11)。
【0073】
また、ステップS7にて、サーバインタフェース部120から出力されてきたサーバ設定優先度が、無線LAN通信部110から出力されてきた端末設定優先度よりも、高い優先度を示すものである場合も、ステップS11にて、動作モード変更部140によって移動通信端末100の動作モードが、サーバインタフェース部120から出力されてきたサーバ設定モードへ変更される。
【0074】
また、ステップS9にて、サーバ300にて当該アクセスポイント識別情報と対応付けられたサーバ設定モードとサーバ設定優先度とが記憶されていない場合は、処理は終了する。
【0075】
図7は、本形態における動作設定方法の他の例を説明するためのフローチャートである。
【0076】
まず、無線LAN通信部110によって、移動通信端末100がエリア700内に存在するかどうかが判定される(ステップS21)。これは、無線LAN通信部110によって、無線LANアクセスポイント(AP)200が検出された場合、移動通信端末100がエリア700内に存在すると判定されるものである。
【0077】
移動通信端末100がエリア700内に存在すると判定されると、無線LAN通信部110によって無線LANアクセスポイント200から、無線LANアクセスポイント200にあらかじめ付与されているアクセスポイント識別情報が取得される(ステップS22)。
【0078】
アクセスポイント識別情報が取得されると、当該アクセスポイント識別情報が無線LAN通信部110からサーバインタフェース部120と動作モード変更部140とへ出力される。
【0079】
そして、動作モード変更部140によって、当該アクセスポイント識別情報と対応付けられた端末設定モードと端末設定優先度とが記憶部130に記憶されているかどうかが判定される(ステップS23)。
【0080】
当該アクセスポイント識別情報と対応付けられた端末設定モードと端末設定優先度とが記憶部130に記憶されている場合、その端末設定モードと端末設定優先度とが、動作モード変更部140によって記憶部130から読み出される(ステップS24)。
【0081】
すると、読み出された端末設定モードと端末設定優先度とに対応付けられたアクセスポイント識別情報が、あらかじめ設定された特定アクセスポイント識別情報であるかどうかが動作モード変更部140にて判定される(ステップS25)。ここで、特定アクセスポイント識別情報であるかどうかは、図4に示した対応付けに、「特定」かどうかを示す情報もあらかじめ対応付けておき、その情報に基づいて判定するものであっても良い。
【0082】
特定アクセスポイント識別情報ではないと判定された場合、サーバインタフェース部120によって、サーバ300にて当該アクセスポイント識別情報と対応付けられたサーバ設定モードとサーバ設定優先度とが記憶されているかどうかが判定される(ステップS26)。これは、上述したような要求信号に対して、応答信号がサーバ300から送信されてきた場合、当該アクセスポイント識別情報と対応付けられたサーバ設定モードとサーバ設定優先度とが記憶されていると判定し、そうでない場合は、当該アクセスポイント識別情報と対応付けられたサーバ設定モードとサーバ設定優先度とが記憶されていないと判定するものであっても良い。
【0083】
そして、サーバ300にて当該アクセスポイント識別情報と対応付けられたサーバ設定モードとサーバ設定優先度とが記憶されている場合、そのサーバ設定モードとサーバ設定優先度とがサーバインタフェース部120によってサーバ300から取得される(ステップS27)。この取得方法は、上述したような要求信号と応答信号とを用いるものであっても良い。取得されたサーバ設定モードとサーバ設定優先度とは、サーバインタフェース部120から動作モード変更部140へ出力される。
【0084】
すると、無線LAN通信部110から出力されてきた端末設定優先度と、サーバインタフェース部120から出力されてきたサーバ設定優先度とが、動作モード変更部140にて比較され、どちらの優先度が高いかが判定される(ステップS28)。
【0085】
サーバインタフェース部120から出力されてきたサーバ設定優先度が、無線LAN通信部110から出力されてきた端末設定優先度よりも、高い優先度を示すものではない場合、動作モード変更部140によって移動通信端末100の動作モードが、記憶部130から読み出された端末設定モードへ変更される(ステップS29)。
【0086】
また、ステップS25にて、当該アクセスポイント識別情報が特定アクセスポイント識別情報であると判定された場合も、ステップS29にて、動作モード変更部140によって移動通信端末100の動作モードが、記憶部130から読み出された端末設定モードへ変更される。
【0087】
また、ステップS26にて、サーバ300にて当該アクセスポイント識別情報と対応付けられたサーバ設定モードとサーバ設定優先度とが記憶されていない場合も、ステップS29にて、動作モード変更部140によって移動通信端末100の動作モードが、記憶部130から読み出された端末設定モードへ変更される。
【0088】
一方、ステップS23にて、当該アクセスポイント識別情報と対応付けられた端末設定モードと端末設定優先度とが記憶部130に記憶されていない場合、ステップS26の処理と同様に、サーバインタフェース部120によって、サーバ300にて当該アクセスポイント識別情報と対応付けられたサーバ設定モードとサーバ設定優先度とが記憶されているかどうかが判定される(ステップS30)。
【0089】
そして、サーバ300にて当該アクセスポイント識別情報と対応付けられたサーバ設定モードとサーバ設定優先度とが記憶されている場合、ステップS27の処理と同様に、そのサーバ設定モードとサーバ設定優先度とがサーバインタフェース部120によってサーバ300から取得される(ステップS31)。取得されたサーバ設定モードとサーバ設定優先度とは、サーバインタフェース部120から動作モード変更部140へ出力される。
【0090】
すると、動作モード変更部140によって移動通信端末100の動作モードが、サーバインタフェース部120から出力されてきたサーバ設定モードへ変更される(ステップS32)。
【0091】
また、ステップS28にて、サーバインタフェース部120から出力されてきたサーバ設定優先度が、無線LAN通信部110から出力されてきた端末設定優先度よりも、高い優先度を示すものである場合も、ステップS32にて、動作モード変更部140によって移動通信端末100の動作モードが、サーバインタフェース部120から出力されてきたサーバ設定モードへ変更される。
【0092】
また、ステップS30にて、サーバ300にて当該アクセスポイント識別情報と対応付けられたサーバ設定モードとサーバ設定優先度とが記憶されていない場合は、処理は終了する。
【0093】
以上説明したように、本発明において、病院等の公共施設や自宅など、所望の場所に設けられた無線LANアクセスポイントをあらかじめ登録しておき、無線LAN測位を用いることで、登録された場所に入った時に、移動通信端末100の設定を強制的に変更したり、設定の変更を促したり、または自ら設定したものに自動的に切り替わったりするなど、利用者の操作の煩わしさを解消することができる。
【0094】
また、無線LANアクセスポイントを利用することで、より正確で細かなエリアごとに移動通信端末100の動作モードの設定が可能である。
【0095】
なお、上述したような無線LAN測位だけではなく、GPS機能を併用することで、さらに精度の高い判定が可能となる。
【0096】
上述した移動通信端末100に設けられた各構成要素が行う処理は、目的に応じてそれぞれ作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を手順として記述したコンピュータプログラム(以下、プログラムと称する)を移動通信端末100にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを移動通信端末100に読み込ませ、実行するものであっても良い。移動通信端末100にて読取可能な記録媒体とは、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、DVD、CDなどの移設可能な記録媒体の他、移動通信端末100に内蔵された記憶部130、ROM、RAM等のメモリやHDD等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、移動通信端末100に設けられた制御部150にて読み込まれ、制御部150の制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、制御部150は、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
【符号の説明】
【0097】
100 移動通信端末
110 無線LAN通信部
120 サーバインタフェース部
130 記憶部
140 動作モード変更部
150 制御部
200 無線LANアクセスポイント
300 サーバ
400 無線基地局
500 無線通信網
600 インターネット
700 エリア
801 ヘッダ
802 サーバ設定モード
803 サーバ設定優先度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線LANアクセスポイントと、移動通信端末と、サーバとから構成された通信システムにおいて、
前記移動通信端末は、当該移動通信端末との間で通信を行う前記無線LANアクセスポイントから、該無線LANアクセスポイントを識別可能なアクセスポイント識別情報を取得し、該取得したアクセスポイント識別情報に基づいて前記サーバからサーバ設定モードとサーバ設定優先度とを取得し、前記取得したアクセスポイント識別情報と対応付けて記憶部にあらかじめ記憶している端末設定モードと端末設定優先度とを該記憶部から読み出し、前記サーバ設定優先度が前記端末設定優先度よりも高い優先度を示すものである場合、当該移動通信端末の動作モードを前記サーバ設定モードへ変更し、それ以外の場合は、当該移動通信端末の動作モードを前記端末設定モードへ変更することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信システムにおいて、
前記移動通信端末は、前記取得したアクセスポイント識別情報に応じた端末設定モードを記憶していない場合、当該移動通信端末の動作モードを前記サーバ設定モードへ変更することを特徴とする通信システム。
【請求項3】
請求項1に記載の通信システムにおいて、
前記移動通信端末は、前記取得したアクセスポイント識別情報に応じたサーバ設定モードを前記サーバから取得できない場合、当該移動通信端末の動作モードを前記端末設定モードへ変更することを特徴とする通信システム。
【請求項4】
請求項1に記載の通信システムにおいて、
前記サーバは、前記アクセスポイント識別情報と前記サーバ設定モードと前記サーバ設定優先度とをあらかじめ対応付けて記憶していることを特徴とする通信システム。
【請求項5】
請求項1に記載の通信システムにおいて、
前記移動通信端末は、前記取得したアクセスポイント識別情報があらかじめ設定された特定アクセスポイント識別情報である場合、当該移動通信端末の動作モードを、前記特定アクセスポイント識別情報と対応付けて記憶している端末設定モードへ変更することを特徴とする通信システム。
【請求項6】
請求項1に記載の通信システムにおいて、
前記移動通信端末は、前記変更する前の動作モードを記憶しておき、通信を行っていた無線LANアクセスポイントの通信圏外へ出た場合、前記動作モードを前記変更する前の動作モードへ戻すことを特徴とする通信システム。
【請求項7】
無線LAN通信機能を具備した移動通信端末であって、
当該移動通信端末との間で通信を行う無線LANアクセスポイントを検索し、該検索された無線LANアクセスポイントから、該無線LANアクセスポイントを識別可能なアクセスポイント識別情報を取得する無線LAN通信部と、
該取得したアクセスポイント識別情報に基づいて、当該移動通信端末と接続されたサーバからサーバ設定モードとサーバ設定優先度とを取得するサーバインタフェース部と、
前記アクセスポイント識別情報と端末設定モードと端末設定優先度とをあらかじめ対応付けて記憶する記憶部と、
前記サーバ設定優先度が、前記無線LAN通信部が取得したアクセスポイント識別情報と対応付けて前記記憶部が記憶している前記端末設定優先度よりも高い優先度を示すものである場合、当該移動通信端末の動作モードを前記サーバ設定モードへ変更し、それ以外の場合は、当該移動通信端末の動作モードを、前記無線LAN通信部が取得したアクセスポイント識別情報と対応付けて前記記憶部が記憶している前記端末設定モードへ変更する動作モード変更部とを有する移動通信端末。
【請求項8】
移動通信端末に具備された機能の動作モードを設定する動作設定方法であって、
前記移動通信端末との間で通信を行う無線LANアクセスポイントから、該無線LANアクセスポイントを識別可能なアクセスポイント識別情報を取得する処理と、
該取得したアクセスポイント識別情報に基づいて、前記移動通信端末と接続されたサーバからサーバ設定モードとサーバ設定優先度とを取得する処理と、
前記サーバ設定優先度が、前記取得したアクセスポイント識別情報と対応付けて記憶している端末設定優先度よりも高い優先度を示すものである場合、前記移動通信端末の動作モードを前記サーバ設定モードへ変更する処理と、
それ以外の場合は、前記移動通信端末の動作モードを、前記取得したアクセスポイント識別情報と対応付けて記憶している端末設定モードへ変更する処理とを行う動作設定方法。
【請求項9】
無線LAN通信機能を具備した移動通信端末に、
当該移動通信端末との間で通信を行う無線LANアクセスポイントから、該無線LANアクセスポイントを識別可能なアクセスポイント識別情報を取得する手順と、
該取得したアクセスポイント識別情報に基づいて、当該移動通信端末と接続されたサーバからサーバ設定モードとサーバ設定優先度とを取得する手順と、
前記サーバ設定優先度が、前記取得したアクセスポイント識別情報と対応付けて記憶している端末設定優先度よりも高い優先度を示すものである場合、当該移動通信端末の動作モードを前記サーバ設定モードへ変更する手順と、
それ以外の場合は、当該移動通信端末の動作モードを、前記取得したアクセスポイント識別情報と対応付けて記憶している端末設定モードへ変更する手順とを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−74826(P2012−74826A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216864(P2010−216864)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】