説明

通信システム、車載通信装置、および路側通信装置

【課題】車載通信装置および路側通信装置を備えた通信システムにおいて、建物等の遮蔽物が存在する場合であっても、良好な通信を行うことができるようにする。
【解決手段】車載通信装置は、地上設備の通信可能領域を方位に従って複数に分割したそれぞれのエリアに対して異なるデータの送信タイミングを対応付けた報知情報を、受信したデータから抽出し(S420)、自車両の位置を特定するための位置特定情報により特定される自車両の位置が複数のエリアうちの何れに該当するかを検出し、報知情報に基づいて、自車両の位置が該当するエリアに対応付けられた送信タイミングを、自身から送信すべきデータである車両データを送信する際のタイミングとして設定する(S430〜S450)。この結果、異なる方位から送信される車両データが互いに干渉しないようにすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載通信装置および路側通信装置を備えた通信システム、並びにこのシステムを構成する車載通信装置および路側通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記通信システムとして、路側通信装置から車載通信装置までの距離(電波強度)に応じて車載通信装置が信号を送信するタイミングを異なるタイミングに設定することで、車載通信装置から送信される信号同士が衝突しにくく構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−041145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、無線LAN等の無線通信においては、各通信装置から送信される信号が衝突しないような通信制御が実施されている。この通信制御としては、例えばCSMA/CA方式等がある。
【0005】
上記通信システムにおいて、各車載通信装置から送信される信号が衝突しないような通信制御が実施されるためには、各車載通信装置が他の通信装置から信号が送信されていることを把握する必要がある。車載通信装置は、他の車載通信装置から信号が送信されているときに、自身からの信号の送信を延期することで信号が衝突しないように制御するからである。
【0006】
しかしながら、上記通信システムでは、路側通信装置から車載通信装置までの距離に応じて車載通信装置がデータを送信するタイミングを異なるタイミングに設定するので、路側通信装置から同距離に位置する車載通信装置同士が互いに信号送信を把握できる場合、信号が衝突することなく良好な通信ができるが(図19(a)参照)、建物等の遮蔽物の影響によって互いの信号送信を把握できない場合、複数の車載通信装置が同じタイミングで信号送信をしてしまい、信号が衝突することで通信が成立しない虞がある(図19(b)参照)。
【0007】
そこで、このような問題点を鑑み、車載通信装置および路側通信装置を備えた通信システムにおいて、建物等の遮蔽物が存在する場合であっても、良好な通信を行うことができるようにすることを本発明の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するために成された第1の構成の通信システムにおいて、路側通信装置は、自身の通信可能領域を方位に従って複数に分割したそれぞれの分割領域に対して異なるデータの送信タイミングを対応付けたタイミングデータを通信可能領域に対して送信するタイミングデータ送信手段、を備え、車載通信装置は、他車両に搭載された車載通信装置または路側通信装置から送信されたデータを受信し、データにタイミングデータが含まれる場合、タイミングデータを抽出するタイミングデータ抽出手段と、自車両の位置を特定するための位置特定情報を取得する位置情報取得手段と、位置特定情報により特定される自車両の位置が複数の分割領域のうちの何れに該当するかを検出し、タイミングデータに基づいて、自車両の位置が該当する分割領域に対応付けられた送信タイミングを、自身から送信すべきデータである車両データを送信する際のタイミングとして設定するタイミング設定手段と、を備えている。
【0009】
このような通信システムによれば、方位によって車載通信装置からの送信タイミングを設定するので、タイミング設定手段により設定されたタイミングで各車両が車両データを送信すれば、異なる方位から送信される車両データが互いに干渉しないようにすることができる。よって、建物等の遮蔽物が存在する場合であっても、良好な通信を行うことができるようにする。
【0010】
なお、本発明における方位とは、単なる向きを含む概念であり、交差点中心を基準とした方位や、路側通信装置(アンテナ部分など)を基準としたときの方位等を示す。また、位置情報取得手段は、GPS受信機によるもの、ジャイロあるいは慣性走行装置によるもの、地上に設置されたビーコンやレスポンダによるもの、地上設備からの電波誘導によるもの、周囲の風景画像の認識によるもの等の何れかによって得られた位置特定情報を取得するようにすればよい。
【0011】
ところで、上記通信システムにおいては、第2の構成のように、タイミングデータでは、特定の交差点に接続される複数の道路を複数のグループに振り分け、該グループ毎に分割領域が設定されていてもよい。
【0012】
このような通信システムによれば、グループ毎に異なる送信タイミングを設定することができる。
加えて、上記通信システムにおいては、第3の構成のように、タイミングデータでは、交差点に接続される道路毎に分割領域が設定されていてもよい。
【0013】
このような通信システムによれば、交差点に接続される1つ1つの道路上には遮蔽物がほとんど存在することがないことを鑑みて、交差点に接続される道路毎に分割領域を設定しているので、確実に良好な通信を行うことができる。
【0014】
また、上記通信システムにおいては、第4の構成のように、タイミングデータでは、車載通信装置同士の通信を遮蔽する遮蔽物の位置に応じて複数の道路を複数のグループに振り分け、これらのグループ毎に分割領域が設定されていてもよい。
【0015】
このような通信システムによれば、同時にデータを送信する可能性がある車載通信装置同士が遮蔽物によって互いの通信状態が把握できない状況にならないように遮蔽物の位置に応じて分割領域を設定することができる。
【0016】
この場合、交差点に接続される道路のうちの遮蔽物を挟む各道路には異なるグループに設定されていればよい。具体的には、例えば、第5の構成のように、タイミングデータでは、交差点に接続される対向する道路が同グループに設定されていてもよい。
【0017】
このような通信システムによれば、交差点に接続される対向する道路同士は見通しがよく遮蔽物が存在しない場合が多いことを鑑みて、交差点に接続される対向する道路を同グループに設定にするので、車載通信装置は、同グループに属する他の車載通信装置の通信状態を良好に把握することができる。
【0018】
或いは、上記通信システムにおいては、第6の構成のように、タイミングデータでは、交差点に接続される複数の道路のうち、各道路間に遮蔽物が存在しない隣接する複数の道路が同グループに設定されていてもよい。
【0019】
このような通信システムによれば、各道路間に遮蔽物が存在しなければ、隣接する道路であっても同じグループに設定することができ、良好に通信を行うことができる。
また、上記通信システムにおいては、第7の構成のように、タイミングデータでは、路側通信装置または特定の交差点までの距離に応じて、さらに細分化された分割領域が設定されていてもよい。
【0020】
このような通信システムによれば、分割領域をさらに細分化するので、データの衝突をより抑制することができる。
さらに、上記通信システムにおいては、第8の構成のように、タイミングデータでは、分割領域毎に交通事故が発生する確率を表す危険度が高くなるに連れて車両データを送信するための送信期間の割合が大きくなるように各分割領域に対する送信タイミングが対応付けられていてもよい。
【0021】
このような通信システムによれば、危険度が高い分割領域から送信される車両データを送信するための送信期間が、危険度が低い分割領域の送信期間よりも長く設定されるので、危険度が高い分割領域から送信される車両データ同士の衝突を防止しやすくすることができる。また、車両データ同士の衝突が生じたとしても、送信期間が長く設定されているので、送信期間内に再送が完了する可能性が高くなる。よって、より安全に寄与することができる。
【0022】
また、上記通信システムにおいては、第9の構成のように、路側通信装置は、分割領域毎の危険度を取得する分割領域危険度取得手段と、取得した危険度に応じて送信タイミングを設定したタイミングデータを生成するタイミングデータ生成手段と、を備え、タイミングデータ送信手段は、タイミングデータ生成手段によって生成されたタイミングデータを送信するよい。
【0023】
このような通信システムによれば、変化する危険度に対応した送信タイミングを設定することができる。ここで、危険度とは、例えば、車両の位置や走行速度を検出するセンサ等を用いて車両の位置や挙動を検出する構成を別途備えておき、事故の際の第1当事者(事故における過失が最も重い者)になり得る車両の数や、各分割領域を走行する車両の走行速度の大きさ等に応じた値を設定することが考えられる。
【0024】
さらに、上記通信システムにおいては、第10の構成のように、路側通信装置の通信可能領域に隣接する他の路側通信装置による通信可能領域内における危険度を表す隣接危険度を取得する隣接危険度取得手段と、隣接危険度に基づいて、分割領域毎の危険度を推定する危険度推定手段と、を備えていてもよい。
【0025】
このような通信システムによれば、隣接危険度を利用して通信可能領域内の危険度を推定することができる。
また、上記通信システムにおいては、第11の構成のように、車載通信装置間の通信は、CSMA/CA方式で実施されてもよい。
【0026】
このような通信システムによれば、各車載通信装置からの信号が衝突することなく良好に通信を行うことができる。
さらに、上記通信システムにおいては、第12の構成のように、タイミングデータには、タイミングデータを有効とする範囲を示す有効範囲に関する情報が含まれており、車載通信装置は、自身の位置が有効範囲外である場合に、このタイミングデータに基づく車両データの送信を禁止する送信禁止手段、を備えていてもよい。
【0027】
このような通信システムによれば、タイミングデータを有効とする範囲を設定することができる。よって、複数の路側通信装置が比較的近距離に配置されており、車載通信装置が複数の路側通信装置と通信可能な場合であっても、何れかの路側通信装置によって指定された送信タイミングで通信を行うことができるので、データの衝突の頻度を低減することができる。
【0028】
また、上記目的を達成するための構成としては、上記システムを構成する車載通信装置(第13の構成)や路側通信装置(第14の構成)としてもよい。このような車載通信装置や路側通信装置では、上記システムを構成することができるので、上記システムを構成した際に、上記システムと同様の効果を享受することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】第1実施形態の通信システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】路側パケット送信処理を示すフローチャート(a)、および報知情報のデータ構成を示す説明図(b)である。
【図3】位置・送信期間情報テーブルを示す構成図(a)、およびフレーム構成を示す説明図(b)である。
【図4】第1実施形態においてエリアの分割方法を示す鳥瞰図である。
【図5】第1実施形態の車側パケット受信処理を示すフローチャートである。
【図6】車側パケット送信処理を示すフローチャート(a)、および送信開始時刻決定処理を示すフローチャート(b)である。
【図7】第1実施形態の変形例(その1)にてエリアの分割方法を示す鳥瞰図(a)、および位置・送信期間情報テーブルを示す構成図(b)である。
【図8】第1実施形態の変形例(その2)にてエリアの分割方法を示す鳥瞰図(a)、および位置・送信期間情報テーブルを示す構成図(b)である。
【図9】第1実施形態の変形例(その3)にてエリアの分割方法を示す鳥瞰図(a)、および位置・送信期間情報テーブルを示す構成図(b)である。
【図10】第2実施形態の通信システムの概略構成を示す鳥瞰図である。
【図11】送信期間情報設定処理を示すフローチャート(a)、および危険度の設定方法示すグラフ(b)である。
【図12】エリアと危険度との関係を示す説明図(a)、および危険度に応じた送信期間の設定例を示すグラフ(b)である。
【図13】第2実施形態の変形例(その1)にてエリアの分割方法を示す鳥瞰図である。
【図14】第2実施形態の変形例(その1)にて危険度の検出例を示す鳥瞰図である。
【図15】エリアと危険度(平均走行速度、交通量)との関係を示す説明図である。
【図16】第2実施形態の変形例(その2)にてエリアの分割方法を示す鳥瞰図である。
【図17】路側パケット受信処理を示すフローチャートである。
【図18】第2実施形態の変形例にて車側パケット受信処理を示すフローチャート(a)、および位置・送信期間情報テーブルを示す構成図(b)である。
【図19】従来構成の通信システムの概要を示す鳥瞰図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に本発明にかかる実施の形態を図面と共に説明する。なお本発明の実施の形態は、上記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0031】
[第1実施形態]
[第1実施形態の構成]
図1(a)は本発明が適用された通信システム1の概略構成を示すブロック図である。また、図1(b)は、通信システム1を構成する地上設備20(路側通信装置)の概略構成を示すブロック図である。
【0032】
通信システム1は、道路を走行する複数の車両にそれぞれ搭載された車載通信装置10(10a、10b等)、および道路側に配置された地上設備20が互いに無線通信可能とされている。特に、本実施形態の通信システム1では、地上設備20が車載通信装置10に対してデータを送信する送信タイミングを指定する報知情報を送信し、車載通信装置10がこの報知情報に基づく送信タイミングでデータを送信する。ここで、地上設備20において電波を送受信するためのアンテナは、見通しがよい交差点の中央部分に配置されているものとする。
【0033】
車載通信装置10は、図1(a)に示すように、通信コントローラ11と位置把握装置12と、送受信機13とを備えている。位置把握装置12は、自車両の絶対的な位置を把握するための構成とされており、例えば、GPS受信機として構成されている。なお、位置把握装置12は、ジャイロや慣性走行装置によるもの、地上に設置されたビーコンやレスポンダによるもの、地上設備からの電波誘導によるもの、或いは周囲の風景画像の認識によるもの等、として構成されていてもよいし、これらの任意の組み合わせとして構成されていてもよい。
【0034】
送受信機13は、周知の通信モジュールとして構成されており、通信コントローラ11による指令に従って、他の車載通信装置10との通信や、地上設備20との通信を実施する。
【0035】
通信コントローラ11は、CPU、ROM、RAM等を備えた周知のマイコンとして構成されており、CPUは、ROM等に格納されたプログラムに従った処理を実施する。特に、本実施形態の通信コントローラ11は、位置把握装置12によって検出された自車両の位置と送受信機13を介して入力される各種信号に応じて、自車両の位置や走行速度等を含む車両情報を他の車載通信装置10や地上設備20に送信する処理(後述する車側パケット送信処理や車側パケット受信処理等)を実施する。
【0036】
次に、地上設備20は、図1(b)に示すように、制御部21と、位置条件・送信期間情報記憶部22と、信号送受信部23と、を備えている。位置条件・送信期間情報記憶部22は、後述する位置・送信期間情報テーブルが記録されている。
【0037】
信号送受信部23は、車載通信装置10の送受信機13と同様の構成とされており、各車載通信装置10との通信を行う。
制御部21は、CPU、ROM、RAM等を備えた周知のマイコンとして構成されており、CPUは、ROM等に格納されたプログラムに従った処理を実施する。特に、制御部21は、各車載通信装置10がデータを送信するタイミングを示す報知情報を生成し、この報知情報を含む信号を各車載通信装置10に対して送信する。
【0038】
[第1実施形態の処理]
図2(a)は、地上設備20の制御部21が実行する路側パケット送信処理を示すフローチャートである。路側パケット送信処理は、繰り返し起動される処理であって、報知情報を生成し、送信する処理である。
【0039】
詳細には、図2(a)に示すように、まず、地上設備20によるパケット送信要求の有無を判定する(S110)。なお、報知情報は、所定周期(例えば100ms)以内毎に送信される。パケット送信要求がなければ(S110:NO)、S110の処理を繰り返す。
【0040】
また、パケット送信要求があれば(S110:YES)、位置条件・送信期間情報記憶部22から位置・送信期間情報テーブルを読み込み(S120:タイミングデータ生成手段)、報知情報を生成する(S130:タイミングデータ生成手段)。
【0041】
ここで、報知情報には、図2(b)に示すように、送信元の地上設備20を特定するための情報である地上設備ID、送信元の地上設備20の位置を特定するための地上設備位置情報、および位置・送信期間情報テーブルが含まれている。位置・送信期間情報テーブルでは、特定の交差点(地上設備20が配置された交差点)に接続される複数の道路を複数のグループに振り分け、このグループ毎にエリア(分割領域)が設定されており、エリア毎に異なる送信期間が設定されている。
【0042】
位置・送信期間情報テーブルは、例えば、図3(a)に示すように、各エリアを特定するための情報であるエリアID(1〜G)、位置条件(ここでは交差点に繋がる各道路を個別に特定するための情報であり、例えば交差点中心を基準とした方位の範囲などを示す。X1〜XG)、送信期間情報(T1〜TG)が含まれている。特に、本実施形態では、交差点に接続される道路毎にエリア、位置条件、送信期間が設定されている。
【0043】
例えば、交差点に4方向から道路が接続された十字路である場合には、G=4としてエリア、位置条件、送信期間が設定される(図4(a)参照)。また、交差点に3方向から道路が接続されたT字路である場合には、G=3としてエリア、位置条件、送信期間が設定される(図4(b)参照)。
【0044】
また、本実施形態では、IEEE802.11で規定されるCSMA/CA方式で各装置間の通信が実施され、エリアg(g=1〜G)における送信開始タイミングtgは下記(1)式で与えられる。
【0045】
【数1】

【0046】
なお、SIFSは、IEEE802.11で規定される最短のフレーム間隔を示す。
そして、エリアg+1における送信開始タイミングtg+1をエリアgにおける送信終了タイミングとして、各エリアにおける送信期間情報Tg(送信開始タイミングおよび送信終了タイミング)が設定される。
【0047】
なお、図3(b)に示すように、1サイクルにおける時分割フレーム長Tは、路車間通信期間TI(地上設備20がデータ送信する期間)と車車間通信期間Tv(車載通信装置10がデータを送信する期間)とからなる。そして、路車間通信期間TIは車車間通信期間Tvの前に設定されているので、送信期間情報(T1〜TG)は、路車間通信期間TIだけ遅れたタイミングが起点に設定される。
【0048】
続いて、報知情報をパケット送信する(S140:タイミングデータ送信手段)。なお、報知情報は、独立した情報として送信されてもよいし、地上設備20が車載通信装置10に対して交通情報等の情報を配信する際に付加される情報として送信されてもよい。
【0049】
そして、地上設備20からパケット送信を行う通信が終了したか否かを判定する(S150)。通信が終了していなければ(S150:NO)、S140の処理に戻る。通信が終了していれば(S150:YES)、路側パケット送信処理を終了する。
【0050】
次に、地上設備20から受けた報知情報に対応した車載通信装置10による処理について、図5を用いて説明する。図5は車側パケット受信処理を示すフローチャートである。
車側パケット受信処理は、繰り返し起動される処理であって、受信した報知情報を登録するための処理である。車側パケット受信処理では、まず、受信パケットの有無を判定する(S210)。受信パケットがなければ(S210:NO)、S210の処理を繰り返す。
【0051】
また、受信パケットがあれば(S210:YES)、受信パケットに報知情報が含まれているか否かを判定する(S220)。報知情報が含まれていれば(S220:YES)、報知情報をRAM等のメモリに登録し(S240)、S250の処理に移行する。
【0052】
また、報知情報が含まれていなければ(S220:NO)、直ちにS250の処理に移行し、報知情報以外の受信データを処理する(S250)。この処理では、例えば、地上設備20から送信された交通情報等の各種情報や、他の車載通信装置10から送信された他車両の位置や速度の情報を含む車両情報等を、情報毎に整理して記録する処理等を行う。
【0053】
続いて、データの受信を行う通信が終了したか否かを判定する(S260)。通信が終了していなければ(S260:NO)、S250の処理に戻る。通信が終了していれば(S260:YES)、車側パケット受信処理を終了する。
【0054】
次に、車載通信装置10からデータを送信する際の処理について図6を用いて説明する。図6(a)は車側パケット送信処理を示すフローチャート、図6(b)は車側パケット送信処理のうちの送信開始時刻決定処理を示すフローチャートである。
【0055】
車側パケット送信処理は、車載通信装置10の電源が投入されると開始され、その後繰り返し実施される処理であって、まず、パケット送信要求の有無を判定する(S310)。パケット送信要求がなければ(S310:NO)、S310の処理を繰り返す。
【0056】
また、パケット送信要求があれば(S310:YES)、地上設備20からの報知情報がRAM等のメモリに登録されているか否かを判定する(S320:タイミングデータ抽出手段)。報知情報が登録されていなければ(S320:NO)、直ちにS340の処理に移行し任意のタイミングでパケット送信を行う。
【0057】
また、報知情報が登録されていれば(S320:YES)、後述する送信開始時刻決定処理を実施することで、報知情報に基づく送信開始時刻を設定し(S330)、設定された送信開始時刻になるとパケット送信を行う(S340)。
【0058】
そして、車載通信装置10からパケット送信を行う通信が終了したか否かを判定する(S350)。通信が終了していなければ(S350:NO)、S340の処理に戻る。また、通信が終了していれば(S350:YES)、車側パケット送信処理を終了する。
【0059】
なお、車側パケット送信処理において、地上設備20からの報知情報が登録されていない場合(S320:NO)には、S310の処理に戻るようにしてもよい。
次に、送信開始時刻決定処理では、図6(b)に示すように、位置把握装置12から自身の位置情報を取得する(S410:位置情報取得手段)。そして、受信済みの報知情報を読み込み(S420:タイミングデータ抽出手段)、自車両の位置情報と報知情報に含まれる位置条件とから自車両の存在エリアを特定する(S430:タイミング設定手段)。例えば、自車両及び地上設備の位置情報が緯度及び経度で、報知情報に含まれる位置条件が交差点中心を基準とした方位の範囲である場合、自車両と地上設備の緯度・経度に基づいて地上設備を基準とした自車両の方位を特定し、特定された方位が含まれる位置条件に対応付けられたエリアを自車両の存在エリアと特定する。
【0060】
また、存在エリアに対応する送信期間情報(送信可能の時間帯)を特定し(S440:タイミング設定手段)、送信開始時刻(現在時刻から送信期間開始までの時間)を算出する(S450:タイミング設定手段)。このような処理が終了すると、送信開始時刻決定処理を終了する。
【0061】
[第1実施形態による効果]
以上のように詳述した通信システム1において、地上設備20の制御部21は、自身の通信可能領域を方位に従って複数に分割したそれぞれのエリアに対して異なるデータの送信タイミングを対応付けた報知情報を通信可能領域に対して送信する。そして、車載通信装置10の通信コントローラ11は、他車両に搭載された車載通信装置または地上設備20から送信されたデータを受信し、データに報知情報が含まれる場合、報知情報を抽出し、また、自車両の位置を特定するための位置特定情報を取得する。そして、位置特定情報により特定される自車両の位置が複数のエリアうちの何れにこの該当するかを検出し、報知情報に基づいて、自車両の位置がこの該当するエリアに対応付けられた送信タイミングを、自身から送信すべきデータである車両データを送信する際のタイミングとして設定する。
【0062】
このような通信システム1によれば、方位によって車載通信装置10からの送信タイミングを設定するので、設定されたタイミングで各車両が車両データを送信すれば、異なる方位から送信される車両データが互いに干渉しないようにすることができる。よって、建物等の遮蔽物が存在する場合であっても、良好な通信を行うことができるようにする。
【0063】
また、上記通信システム1においては、特定の交差点に接続される複数の道路を複数のグループに振り分け、このグループ毎にエリアが設定されている。このような通信システム1によれば、グループ毎に異なる送信タイミングを設定することができる。
【0064】
また、上記通信システム1において報知情報では、交差点に接続される道路毎にエリアが設定されている。このような通信システム1によれば、交差点に接続される1つ1つの道路上には遮蔽物がほとんど存在することがないことを鑑みて、交差点に接続される道路毎にエリアを設定しているので、確実に良好な通信を行うことができる。
【0065】
また、上記通信システム1において、車載通信装置10間の通信は、CSMA/CA方式で実施されている。このような通信システム1によれば、各車載通信装置10からの信号が衝突することなく良好に通信を行うことができる。
【0066】
[第1実施形態の変形例]
上記第1実施形態の通信システム1における通信方式は、CSMA/CA方式としたが、CSMA/CA方式に限らず、信号の衝突をしないように制御する方式、または信号が衝突したときに再送する方式等を採用することができる。また、上記第1実施形態では、交差点に接続される道路毎に異なるエリア(グループ)を割り当てたが、交差点に接続される道路をいくつかの組として同じエリアに割り当ててもよい。
【0067】
例えば、図7(a)に示すように、交差点に接続される対向する道路を同エリアに設定するとよい。この場合の位置・送信期間情報テーブルでは、図7(b)に示すように、グループAに属する道路と、この道路に対向するグループCに属する道路とをエリア(エリアID)1に設定し、グループBに属する道路と、この道路に対向するグループDに属する道路とをエリア(エリアID)2に設定する。
【0068】
このような通信システム1によれば、交差点に接続される対向する道路同士は見通しがよく遮蔽物が存在しない場合が多いことを鑑みて、交差点に接続される対向する道路を同グループに設定にするので、車載通信装置10は、同グループに属する他の車載通信装置10の通信状態を良好に把握することができる。
【0069】
また、図8(a)に示すように、車載通信装置10同士の通信を遮蔽する建物等に遮蔽物の位置によっては、交差点に接続される複数の道路のうち隣接する複数の道路を同エリアに設定してもよい。ただし、交差点に接続される複数の道路のうち、各道路間に遮蔽物が存在しない隣接する複数の道路を同エリアに設定する。
【0070】
この場合の位置・送信期間情報テーブルでは、図8(b)に示すように、グループAに属する道路と、この道路に隣接するグループBに属する道路とをエリア(エリアID)1に設定し、グループCに属する道路と、この道路に隣接するグループDに属する道路とをエリア(エリアID)2に設定する。
【0071】
このような通信システム1によれば、同時にデータを送信する可能性がある車載通信装置10同士が建物等の遮蔽物によって互いの通信状態が把握できない状況にならないように遮蔽物の位置に応じてエリアを設定することができる。そして、各道路間に遮蔽物が存在しなければ、隣接する道路であっても同じグループに設定することができ、良好に通信を行うことができる。
【0072】
また、上記通信システム1においては、図9(a)に示すように、地上設備20または特定の交差点までの距離に応じて、さらに細分化されたエリアが設定されていてもよい。この場合の位置・送信期間情報テーブルでは、図9(b)に示すように、各グループに属する道路を閾値Dthで区分し、区分された各領域について、エリアが設定される。
【0073】
このような通信システム1によれば、エリアをさらに細分化するので、データの衝突をより抑制することができる。
[第2実施形態]
次に、別形態の通信システムについて説明する。本実施形態(第2実施形態)以下の実施形態では、第1実施形態の通信システム1と異なる箇所のみを詳述し、第1実施形態の通信システム1と同様の箇所については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0074】
図10は第2実施形態の通信システム2の概要を示す、交差点の鳥瞰図である。第2実施形態の通信システムでは、地上設備20に事故情報DB25が備えられている。この事故情報DB25では、エリア毎に危険度Rが対応付けられている。
【0075】
第2実施形態の地上設備20(制御部21のCPU)では、図11(a)に示す送信期間情報設定処理を実施する。送信期間情報設定処理は、地上設備20がパケット送信する度、危険度が更新される度等、任意のタイミングで実施される。
【0076】
送信期間情報設定処理では、図11(a)に示すように、まず、各エリアに設定された危険度を事故情報DB25から取得する(S510:分割領域危険度取得手段)。ここで、危険度Rは、図11(b)に示すように、交通事故発生件数が増加するに連れて危険度Rが段階的に高くなるように設定されている。
【0077】
なお、危険度Rの情報は、交差点毎に事故情報DB25に記録された固定値としての情報であってもよいし、時間帯毎に変更されたり、最新の情報が外部指令によって更新されたりしてもよい。このようにして、図12(a)に示すように、交通事故発生件数に応じた値がエリアgの危険度Rとして設定される。
【0078】
続いて、送信期間を算出する(S520:タイミングデータ生成手段、危険度推定手段)。この処理では、危険度の比に応じて車車間通信期間Tvを分割する。
【0079】
【数2】

【0080】
例えば、図12(a)に示すように、エリア1〜4の危険度が順に3,1,2,1であるとすると、図12(b)に示すように、送信期間の長さの比も、順に3:1:2:1となる。続いて、設定された送信期間をRAM等のメモリに記憶させ(S530:タイミングデータ生成手段)、送信期間情報設定処理を終了する。
【0081】
このような上記通信システム2においては、エリア毎に交通事故が発生する確率を表す危険度が高くなるに連れて車両データを送信するための送信期間の割合が大きくなるように各エリアに対する送信タイミングが対応付けられる。
【0082】
このような通信システム2によれば、危険度が高いエリアから送信される車両データを送信するための送信期間が、危険度が低いエリアの送信期間よりも長く設定されるので、危険度が高いエリアから送信される車両データ同士の衝突を防止しやすくすることができる。また、車両データ同士の衝突が生じたとしても、送信期間が長く設定されているので、送信期間内に再送が完了する可能性が高くなる。よって、より安全に寄与することができる。
【0083】
[第2実施形態の変形例]
第2実施形態のように、危険度を利用する際には、図13に示すように、各エリアにおいて車両の有無や台数を検知する車両感知器24a〜24dを交差点手前の領域に備えておき、この車両感知器24a〜24dによる検知結果を利用して危険度を動的に設定するようにしてもよい。
【0084】
この場合、危険度および車車間通信期間は、例えば、下記の手順で設定される。
【0085】
【数3】

【0086】
なお、第1当事者とは、交通事故が発生した場合において、最初に交通事故に関与した車両等(自転車や歩行者を含む)のうちの最も過失の重いものを示す。
例えば、図14(a)〜図14(c)の例では、道幅が広い優先道路と、道幅が狭い非優先道路との交差点を想定して第1当事者になる可能性がある車両の数をそれぞれ検知している。図14(a)に示す例では、出会い頭衝突事故が起こると仮定した場合、第1当事者がエリア2(g=2)に位置し、第2当事者がエリア1(g’=1)に位置することを示す。
【0087】
また、図14(b)に示す例では、右折時衝突事故(右直事故)が起こると仮定した場合、第1当事者がエリア3(g=3)に位置し、第2当事者がエリア1(g’=1)に位置することを示す。さらに、図13(c)に示す例では、左折時衝突事故(追突事故)が起こると仮定した場合、第1当事者、第2当事者ともに、エリア3(g=3)に位置することを示す。
【0088】
次に、動的に危険度を設定する例としては、図15(a)に示すように、各エリアを走行する車両の平均速度を検出し、この平均速度を危険度として設定してもよい。この場合、平均速度に応じて車車間通信期間Tvを分割するようにしてもよい。
【0089】
【数4】

【0090】
なお、平均速度に換えて、各エリアを走行する車両速度の最大値や、車両数(所定の閾値以上の速度の車両の数)等に応じて危険度を設定してもよい。また、エリア毎の送信期間が極端に短くならないようにするために、送信期間情報(T1〜TG)には下限値を設けておいてもよい。
【0091】
また、地上設備20は、隣接する地上設備20と危険度に関する情報を交換し、危険度を設定する際に利用してもよい。詳細には、図16に示すように、隣接する交差点の各エリアにおいてそれぞれ車両感知器を備えておき、この車両感知器による検知結果を利用して危険度を動的に設定するようにしてもよい。
【0092】
図16に示すエリア配置の場合、図面上部の交差点におけるエリア3、および図面下部の交差点におけるエリア1’は繋がった道路であるため、一方の交通量が分かれば他方の交通量が予測可能である。このような場合には、例えば、路側パケット送信処理の際に、報知情報として自身が検知した危険度の情報も送信し、他の地上設備から送信された危険度の情報を受信するために、図17に示すような路側パケット受信処理を実施すればよい。
【0093】
なお、危険度の情報としては、例えば図15(b)、図15(c)に示すような、各交差点における各エリアの交通量の情報が交換される。路側パケット受信処理では、図17に示すように、まず、受信パケットの有無を判定する(S610)。受信パケットがなければ(S610:NO)、S610の処理を繰り返す。
【0094】
また、受信パケットがあれば(S610:YES)、受信データを処理する(S660:隣接危険度取得手段)。この処理では、例えば、他の地上設備20から送信された交通量の情報をRAM等のメモリに記録する処理等を行う。
【0095】
続いて、データの受信を行う通信が終了したか否かを判定する(S670)。通信が終了していなければ(S670:NO)、S610の処理に戻る。通信が終了していれば(S670:YES)、路側パケット受信処理を終了する。
【0096】
このような構成において、報知情報を作成する際(S130)には、下記のようにして各エリアにおける車車間通信期間を設定する。
【0097】
【数5】

【0098】
つまり、自身が属する交差点における危険度と、隣接する交差点における危険度とのうちの危険度が高い方を採用することで、危険度が将来的に上昇することを予測し、予測後の危険度で通信を制御することができる。
【0099】
次に、上記通信システムにおいて報知情報には、報知情報を有効とする範囲を示す有効範囲に関する情報(図18(b)に示す位置制限情報)が含まれており、車載通信装置10の通信コントローラ11は、自身の位置が有効範囲外である場合に、この報知情報に基づく車両データの送信を禁止するようにしてもよい。なお、位置制限情報には、報知情報を有効とする有効領域の範囲を示す情報(例えば、交差点からの距離等)の情報が含まれている。
【0100】
このような構成を具体的に実現するためには、図18(a)に示すような車側パケット受信処理を実施するとよい。図18(a)に示す車側パケット受信処理では、前述の車側パケット受信処理において、S220およびS240の間にてS230の処理を実施する。すなわち、受信したパケットに報知情報が含まれている場合(S220:YES)、自車両の位置が報知情報に含まれる位置制限情報にて設定される有効領域の範囲内であるか否かを判定する(S230:送信禁止手段)。
【0101】
有効領域の範囲内であれば(S230:YES)、報知情報を登録する(S240)。また、有効領域の範囲外であれば(S230:NO)、S210の処理に戻る。
このような通信システム1によれば、報知情報を有効とする範囲を設定することができる。よって、複数の地上設備20が比較的近距離に配置されており、車載通信装置10が複数の地上設備20と通信可能な場合であっても、何れかの地上設備20によって指定された送信タイミングで通信を行うことができるので、データの衝突の頻度を低減することができる。
【符号の説明】
【0102】
1…通信システム、2…通信システム、10…車載通信装置、11…通信コントローラ、12…位置把握装置、13…送受信機、20…地上設備、21…制御部、22…位置条件・送信期間情報記憶部、23…信号送受信部、24…車両感知器、25…事故情報DB。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された車載通信装置と、路側に配置され前記車載通信装置と通信可能な路側通信装置と、を備えた通信システムであって、
前記路側通信装置は、
自身の通信可能領域を方位に従って複数に分割したそれぞれの分割領域に対して異なるデータの送信タイミングを対応付けたタイミングデータを前記通信可能領域に対して送信するタイミングデータ送信手段、を備え、
前記車載通信装置は、
他車両に搭載された車載通信装置または前記路側通信装置から送信されたデータを受信し、前記データに前記タイミングデータが含まれる場合、該タイミングデータを抽出するタイミングデータ抽出手段と、
自車両の位置を特定するための位置特定情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置特定情報により特定される自車両の位置が複数の分割領域のうちの何れに該当するかを検出し、前記タイミングデータに基づいて、自車両の位置が該当する分割領域に対応付けられた送信タイミングを、自身から送信すべきデータである車両データを送信する際のタイミングとして設定するタイミング設定手段と、
を備えたことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信システムにおいて、
前記タイミングデータは、特定の交差点に接続される複数の道路を複数のグループに振り分け、該グループ毎に前記分割領域が設定されていること
を特徴とする通信システム。
【請求項3】
請求項2に記載の通信システムにおいて、
前記タイミングデータは、前記交差点に接続される道路毎に前記分割領域が設定されていること
を特徴とする通信システム。
【請求項4】
請求項2に記載の通信システムにおいて、
前記タイミングデータは、前記車載通信装置同士の通信を遮蔽する遮蔽物の位置に応じて前記複数の道路を複数のグループに振り分け、該グループ毎に前記分割領域が設定されていること
を特徴とする通信システム。
【請求項5】
請求項4に記載の通信システムにおいて、
前記タイミングデータは、前記交差点に接続される対向する道路が同グループに設定されていること
を特徴とする通信システム。
【請求項6】
請求項4に記載の通信システムにおいて、
前記タイミングデータは、前記交差点に接続される複数の道路のうち、各道路間に遮蔽物が存在しない隣接する複数の道路が同グループに設定されていること
を特徴とする通信システム。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の通信システムにおいて、
前記タイミングデータは、前記路側通信装置または特定の交差点までの距離に応じて、さらに細分化された分割領域が設定されていること
を特徴とする通信システム。
【請求項8】
請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の通信システムにおいて、
前記タイミングデータは、前記分割領域毎に交通事故が発生する確率を表す危険度が高くなるに連れて車両データを送信するための送信期間の割合が大きくなるように各分割領域に対する送信タイミングが対応付けられていること
を特徴とする通信システム。
【請求項9】
請求項8に記載の通信システムにおいて、
前記路側通信装置は、
前記分割領域毎の危険度を取得する分割領域危険度取得手段と、
取得した危険度に応じて前記送信タイミングを設定したタイミングデータを生成するタイミングデータ生成手段と、
を備え、
前記タイミングデータ送信手段は、前記タイミングデータ生成手段によって生成されたタイミングデータを送信すること
を特徴とする通信システム。
【請求項10】
請求項1〜請求項9の何れか1項に記載の通信システムにおいて、
当該路側通信装置の通信可能領域に隣接する他の路側通信装置による通信可能領域内における危険度を表す隣接危険度を取得する隣接危険度取得手段と、
前記隣接危険度に基づいて、前記分割領域毎の危険度を推定する危険度推定手段と、
を備えたことを特徴とする通信システム。
【請求項11】
請求項1〜請求項10の何れか1項に記載の通信システムにおいて、
前記車載通信装置間の通信は、CSMA/CA方式で実施されること
を特徴とする通信システム。
【請求項12】
請求項1〜請求項11の何れか1項に記載の通信システムにおいて、
前記タイミングデータには、当該タイミングデータを有効とする範囲を示す有効範囲に関する情報が含まれており、
前記車載通信装置は、自身の位置が前記有効範囲外である場合に、このタイミングデータに基づく車両データの送信を禁止する送信禁止手段、を備えたこと
を特徴とする通信システム。
【請求項13】
自身の通信可能領域を方位に従って複数に分割したそれぞれの分割領域に対して異なるデータの送信タイミングを対応付けたタイミングデータを前記通信可能領域に対して送信する、路側に配置された路側通信装置、と通信可能な、車両に搭載された車載通信装置であって、
当該車載通信装置は、請求項1〜請求項12の何れか1項に記載の通信システムを構成する車載通信装置として構成されたこと
を特徴とする車載通信装置。
【請求項14】
自身の位置に対して設定された送信タイミングでデータの送信を行う車載通信装置と通信可能な路側に配置された路側通信装置であって、
当該路側通信装置は、請求項1〜請求項12の何れか1項に記載の通信システムを構成する路側通信装置として構成されたこと
を特徴とする路側通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図3】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−45289(P2013−45289A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182739(P2011−182739)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 社団法人 電子情報通信学会、電子情報通信学会2011年総合大会講演論文集、平成23年2日28日 社団法人 電子情報通信学会、電子情報通信学会技術研究報告、第111巻、第94号、平成23年6月16日
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(504133110)国立大学法人電気通信大学 (383)
【Fターム(参考)】