説明

通信システム、通信端末装置、中継通信装置、通信方法及びプログラム

【課題】容易に正確な場所を特定する。
【解決手段】通信端末装置100Aと通信端末装置100Bがインフラストラクチャモードで中継通信装置200を介して中継通信を行っているときに、中継通信装置200で特定された通信端末装置100Aの現在位置が通信端末装置100Bへと通知される。通信端末装置100Aと通信端末装置100Bがアドホックモードで端末間の直接通信を行うための設定情報が、中継通信装置200から提供される。通信端末装置100Aと通信端末装置100Bは、中継通信装置200から提供された設定情報に基づいて、相互に直接通信を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、通信端末装置、中継通信装置、通信方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
端末装置の所在位置に基づいて店舗や事業所の電話番号を確定し、この電話番号への呼び出しを行うことにより、注文品の迅速な配達などを可能にするものが提案されている(例えば特許文献1)。また、端末装置の現在位置情報に基づいて配車するタクシーを検索することにより、迅速にタクシーを配車できるようにしたものも提案されている(例えば特許文献2)。さらに、ユーザ端末装置の測位情報に基づいて最寄りの店舗を検索するとともに、その測位情報を配達者端末装置に送信して、ユーザの元までプリントを配達できるようにしたものも提案されている(例えば特許文献3)。加えて、注文を受信する際に電波の強さなどから検出した注文用端末装置の位置情報を受付装置から配達用端末装置に送信して、配達者が出力された位置情報を参照して配達できるようにしたものも提案されている(例えば特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−247635号公報
【特許文献2】特開2003−151083号公報
【特許文献3】特開2003−267553号公報
【特許文献4】特開2002−15239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献に記載された技術では、いずれも中継通信装置となるものが介在することにより、一方の端末装置の現在位置を他方の端末装置に通知している。そのため、双方の端末装置が接近した場合でも、一方の端末装置の現在位置を正確に特定できなければ、例えば商品や役務の提供者が端末装置の携帯電話機能を利用して注文者に電話をかけることなどにより、商品や役務の提供場所などを確定しなければならなくなり、電話料金の課金が発生するなどの問題が生じることがある。特に、一方の端末装置が中継通信装置との通信が可能な範囲から外れて移動するときには、その現在位置を正確に特定できなくなることがある。また、GPSシステムなどの高度な位置特定システムを使用して端末装置の現在位置を特定したり、特定された現在位置が正確でなければ端末装置の側で修正する処理を実行したりする必要がある。
【0005】
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、容易に正確な場所を特定できる通信システム、通信端末装置、中継通信装置、通信方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の第1の観点にかかる通信システムは、
相互に直接通信を可能な複数の通信端末装置と、
前記複数の通信端末装置との無線通信を可能な中継通信装置とを備え、
前記中継通信装置は、
前記複数の通信端末装置の現在位置を特定する中継側位置特定手段と、
前記複数の通信端末装置に含まれる第1端末装置について、前記中継側位置特定手段により特定された現在位置を、前記複数の通信端末装置に含まれて前記第1端末装置とは異なる第2端末装置に通知する中継側位置通知手段と、
前記第1端末装置と前記第2端末装置との間で直接通信を行うための設定情報を提供する設定情報提供手段とを備え、
前記第1端末装置と前記第2端末装置は、前記中継通信装置から提供された設定情報に基づいて、相互に直接通信を行う直接通信制御手段を備える。
【0007】
前記中継通信装置は、
前記中継側位置特定手段により特定された前記第1端末装置の現在位置、及び、前記中継側位置特定手段により特定された前記第2端末装置の現在位置に基づいて、前記第1端末装置と前記第2端末装置とが直接通信を可能か否かを判定する直接通信判定手段と、
前記直接通信判定手段により直接通信が可能と判定されたときに、前記第1端末装置と前記第2端末装置との間での直接通信を指示する直接通信指示手段とを備えてもよい。
【0008】
前記直接通信判定手段は、前記中継側位置特定手段により特定された前記第1端末装置の現在位置と、前記中継側位置特定手段により特定された前記第2端末装置の現在位置とが、所定距離以内になったときに、直接通信が可能と判定してもよい。
【0009】
前記直接通信指示手段は、前記第1端末装置または前記第2端末装置と前記中継通信装置との間における通信品質が低下する可能性があるときに、直接通信を指示してもよい。
【0010】
前記第1端末装置と前記第2端末装置は、前記中継通信装置から直接通信が指示されたときに、直接通信の開始指示を報知する開始指示報知手段を備えてもよい。
【0011】
各前記複数の通信端末装置は、
自機の現在位置を特定する端末側位置特定手段と、
前記端末側位置特定手段により特定された現在位置を前記中継通信装置に通知する端末側位置通知手段とを備え、
前記中継側位置特定手段は、前記複数の通信端末装置からの通知により、前記複数の通信端末装置の現在位置を特定してもよい。
【0012】
前記端末側位置通知手段は、自機を識別するための端末識別情報を、現在位置とともに前記中継通信装置に通知する識別情報通知手段を含み、
前記設定情報提供手段は、前記第1端末装置から通知された端末識別情報を設定情報として前記第2端末装置に提供するとともに、前記第2端末装置から通知された端末識別情報を設定情報として前記第1端末装置に提供する識別情報提供手段を含んでもよい。
【0013】
前記第2端末装置は、前記第1端末装置と直接通信を開始する前に、前記中継通信装置から通知された前記第1端末装置の現在位置を報知する第1位置報知手段を備え、
前記第1端末装置と前記第2端末装置は、
直接通信を開始した後に、相互に前記端末側位置特定手段により特定した現在位置を通知する直接位置通知手段と、
直接通信を開始した後に、直接通信の相手先から通知された現在位置を報知する第2位置報知手段とを備えてもよい。
【0014】
前記中継通信装置は、
前記中継側位置特定手段により特定された前記第1端末装置の現在位置に基づいて、前記第1端末装置が前記第2端末装置と直接通信を開始する前に移動可能な範囲を特定する移動可能範囲特定手段と、
前記移動可能範囲特定手段により特定された移動可能な範囲を前記第1端末装置に通知する移動可能範囲通知手段とを備え、
前記第1端末装置は、前記中継通信装置から通知された移動可能な範囲を報知する移動可能範囲報知手段を備えてもよい。
【0015】
この発明の第2の観点にかかる通信端末装置は、
自機の現在位置を特定する端末位置特定手段と、
前記端末位置特定手段により特定された現在位置を中継通信装置に通知する位置通知手段と、
前記中継通信装置から通知された直接通信を行う相手先の現在位置を報知する相手先位置報知手段と、
前記中継通信装置から提供された設定情報に基づいて、前記相手先との直接通信を行う直接通信制御手段とを備える。
【0016】
この発明の第3の観点にかかる中継通信装置は、
複数の通信端末装置の現在位置を特定する端末位置特定手段と、
前記複数の通信端末装置に含まれる第1端末装置について、前記端末位置特定手段により特定された現在位置を、前記複数の通信端末装置に含まれて前記第1端末装置とは異なる第2端末装置に通知する位置中継通知手段と、
前記第1端末装置と前記第2端末装置との間で直接通信を行うための設定情報を提供する設定情報提供手段と、
前記端末位置特定手段により特定された前記第1端末装置の現在位置、及び、前記端末位置特定手段により特定された前記第2端末装置の現在位置に基づいて、前記第1端末装置と前記第2端末装置とが直接通信を可能か否かを判定する直接通信判定手段と、
前記直接通信判定手段によって直接通信が可能と判定されたときに、前記第1端末装置と前記第2端末装置との間での直接通信を指示する直接通信指示手段とを備える。
【0017】
この発明の第4の観点にかかる通信方法は、
相互に直接通信を可能な複数の通信端末装置の現在位置を、前記複数の通信端末装置との無線通信を可能な中継通信装置において特定し、
前記中継通信装置が、前記複数の通信端末装置に含まれる第1端末装置について特定した現在位置を、前記複数の通信端末装置に含まれて前記第1端末装置とは異なる第2端末装置に通知し、
前記第2端末装置が、前記中継通信装置から通知された前記第1端末装置の現在位置を報知し、
前記中継通信装置が、前記第1端末装置と前記第2端末装置との間で直接通信を行うための設定情報を提供し、
前記第1端末装置と前記第2端末装置が、前記中継通信装置から提供された設定情報に基づいて、相互に直接通信を行う。
【0018】
この発明の第5の観点にかかるプログラムは、
コンピュータに、
相互に直接通信を可能な複数の通信端末装置の現在位置を、前記複数の通信端末装置との無線通信を可能な中継通信装置において特定する手順と、
前記中継通信装置が、前記複数の通信端末装置に含まれる第1端末装置について特定した現在位置を、前記複数の通信端末装置に含まれて前記第1端末装置とは異なる第2端末装置に通知する手順と、
前記第2端末装置が、前記中継通信装置から通知された前記第1端末装置の現在位置を報知する手順と、
前記中継通信装置が、前記第1端末装置と前記第2端末装置との間で直接通信を行うための設定情報を提供する手順と、
前記第1端末装置と前記第2端末装置が、前記中継通信装置から提供された設定情報に基づいて、相互に直接通信を行う手順と、
を含む処理を実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、容易に正確な場所を特定できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】通信システムの構成例を示す図である。
【図2】通信端末装置や中継通信装置の構成例を示す図である。
【図3】ユーザ端末処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】中継通信装置処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】配達員端末処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】通信システムの動作例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、図面を参照して、この発明の実施の形態に係る通信システムについて詳細に説明する。図1は、この実施形態に係る通信システム10の一構成例を示している。通信システム10は、複数の通信端末装置100A、100Bと、中継通信装置200とを含んで構成されている。なお、図1では、一例として、2つの通信端末装置100A、100Bを示しているが、これに限定されず、より多くの通信端末装置が含まれていてもよい。
【0022】
複数の通信端末装置100A、100Bはそれぞれ、例えば国際標準規格IEEE802.11などに基づく無線LAN、あるいは「Wi-Fi Direct」といった、任意の無線通信仕様による無線通信機能を備えた通信端末装置100を用いて、インフラストラクチャモードとアドホックモードとを切り替えて通信を行うことができればよい。インフラストラクチャモードは、通信端末装置100が中継通信装置200を介して他の通信端末装置100などと通信する動作モードである。アドホックモードは、ピア・ツー・ピアモードまたはインディペンデントモードとも称され、複数の通信端末装置100が中継通信装置200を介することなく、端末間で相互に直接通信を行う動作モードである。
【0023】
図2(A)は、通信端末装置100の一構成例を示している。図2(A)に示す通信端末装置100は、制御部101と、通信部102と、記憶部103と、操作部104と、情報出力部105とを備えている。通信端末装置100は、例えば携帯電話装置、無線通信機能を有するPDA(Personal Digital Assistant)や音声プレーヤやゲーム装置やパーソナルコンピュータなどといった、任意の情報処理装置として構成されたものであればよい。
【0024】
制御部101は、例えばCPU(Central Processing Unit)などを用いて構成され、通信端末装置100の動作を制御する。通信部102は、例えば無線信号を送受信するためのアンテナや信号処理回路などを含んで構成され、インフラストラクチャモードのときには、中継通信装置200を介して他の通信端末装置100などとの間で通信を行い、アドホックモードのときには、中継通信装置200を介することなく他の通信端末装置100との間で相互に端末間の直接通信を行う。
【0025】
記憶部103は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記憶装置、光学記憶装置、あるいは、これらの一部もしくは全部を含んだ任意の記憶装置を用いて構成され、制御部101によって実行される動作プログラムや、各種の設定データなどを記憶する。
【0026】
操作部104は、例えば電源スイッチや各種キー、各種ボタン、タッチパネル、スティックコントローラ、あるいは、これらの一部もしくは全部を含む任意の操作検出装置を用いて構成され、通信端末装置100の使用者による指示操作を検出して、その検出信号を制御部101へと伝送する。情報出力部105は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)といった表示装置、スピーカといった音声出力装置、LED(Light Emitting Diode)といった発光装置、あるいは、これらの一部もしくは全部を含んだ任意の出力装置を用いて構成され、制御部101による動作プログラムの実行結果として生成された各種情報や、通信部102が受信した各種情報などを、使用者に報知するよう出力する。
【0027】
図2(B)は、中継通信装置200の一構成例を示している。図2(B)に示す中継通信装置200は、制御部201と、通信部202と、記憶部203とを備えている。制御部201及び記憶部203は、通信端末装置100が備える制御部101及び記憶部103と同様の構成を有するものであればよい。通信部202は、インフラストラクチャモードの通信端末装置100との間で無線信号を送受信して通信を行うことができるものであればよい。中継通信装置200は、例えばパーソナルコンピュータやワークステーションといった、汎用のコンピュータとして構成されたものであってもよいし、例えば無線LANルータに内蔵されたマイクロコンピュータといった、特定用途のコンピュータとして構成されたものであってもよい。
【0028】
なお、中継通信装置200においても、通信端末装置100が備える操作部104や情報出力部105と同様の構成が設けられてもよい。中継通信装置200は、1台のコンピュータによって構成されるものであってもよいし、例えばインターネットやイントラネット、公衆電話回線、あるいは、これらの一部もしくは全部を含む任意の電気通信ネットワークを介して接続された複数台のコンピュータによって構成されるものであってもよい。また、中継通信装置200の通信部202は、アクセスポイントAPとなる無線LANルータ(無線ブリッジまたは無線ハブでもよい)などと任意の電気通信ネットワークを介して接続されることなどにより、インフラストラクチャモードの通信端末装置100との間で通信を行うことができるものであってもよい。すなわち、中継通信装置200と通信端末装置100との間では、少なくとも一部の通信経路において無線通信が行われるものであればよい。
【0029】
以下に、この発明の実施の形態に係る通信システム10が備える各構成の動作例を説明する。この動作例では、図1に示す通信端末装置100Aの使用者が所定の配達サービスを受けるユーザであって、通信端末装置100Aがユーザ端末となる一方で、図1に示す通信端末装置100Bの使用者が配達サービスを提供する事業者の配達員であって、通信端末装置100Bが配達員端末となるものとする。
【0030】
図3は、ユーザ端末となる通信端末装置100Aが実行するユーザ端末処理の一例を示すフローチャートである。図4は、中継通信装置200が実行する中継通信装置処理の一例を示すフローチャートである。図5は、配達員端末となる通信端末装置100Bが実行する配達員端末処理の一例を示すフローチャートである。通信端末装置100Aや通信端末装置100Bでは、制御部101が記憶部103に記憶されている動作プログラムを読み出して、図3や図5に示される処理を実行すればよい。中継通信装置200では、制御部201が記憶部203に記憶されている動作プログラムを読み出して、図4に示される処理を実行すればよい。
【0031】
図3に示す処理において、ユーザ端末である通信端末装置100Aの制御部101は、例えば操作部104から伝送される検出信号などに基づいて、所定の中継通信開始要求があったか否かを判定する(ステップS101)。一例として、中継通信開始要求は、通信端末装置100Aの使用者であるユーザのキー操作などに応じて、配達サービスを受けるために注文情報の発信を要求するものであればよい。このとき、中継通信開始要求がなければ(ステップS101;No)、そのまま要求があるまで待機する。
【0032】
ステップS101にて中継通信開始要求があったときには(ステップS101;Yes)、インフラストラクチャモードで中継通信装置200を介して配達員端末である通信端末装置100Bとの間で通信する中継通信を実行するための制御を行う(ステップS102)。ここで、通信端末装置100Aの制御部101は、中継通信開始要求に応答して、インフラストラクチャモードでの通信に使用する無線接続を確立するための制御を行うようにしてもよい。一例として、通信端末装置100Aの制御部101は、通信部102によりアクセスポイントAPなどから伝送されるビーコン信号を受信できたか否かを判定し、受信できた場合に、アソシエーション要求をアクセスポイントAPなどに送信させ、さらにアソシエーション応答を受信することで、アクセスポイントAPなどとの無線接続を完了できればよい。なお、ビーコン信号の受信を待って要求を送るものに限定されず、例えばビーコン信号の受信なしにプローブ要求を送信させ、プローブ応答を受信することで、無線接続を完了できるようにしてもよい。あるいは、既にアクセスポイントAPとの無線接続が完了している場合には、その無線接続における通信チャネルを使用して、中継通信を実行するための制御が行われるようにすればよい。
【0033】
ステップS102の処理を実行するとき、通信端末装置100Aの制御部101は、例えばGPSシステムを利用することなどにより、自機である通信端末装置100Aの現在位置を特定してもよい。そして、特定された現在位置を中継通信装置200に通知するための通信制御を行うようにしてもよい。すなわち、通信端末装置100Aの制御部101は、記憶部103から読み出した動作プログラムに基づいてステップS102の処理を実行することなどにより、自機である通信端末装置100Aの現在位置を特定する機能と、特定された現在位置を中継通信装置200に通知する機能とを、実現することができればよい。なお、中継通信装置200の側で、例えば通信端末装置100Aとの間で無線接続が確立されているアクセスポイントAPの設置位置などから、通信端末装置100Aの現在位置をある程度まで特定できる場合であれば、通信端末装置100Aの制御部101は、これらの機能を実装しなくてもよい。
【0034】
また、ステップS102の処理において、通信端末装置100Aの制御部101は、自機である通信端末装置100Aを特定するための端末識別情報を、中継通信装置200に通知するための制御を行ってもよい。端末識別情報は、例えばMAC(Media Access Control)アドレス、IP(Internet Protocol)アドレス、電話番号、製造コード(シリアルナンバーなど)、製造者情報(ベンダーコードなど)、あるいは、これらの一部もしくは全部を含む情報であればよい。
【0035】
通信端末装置100Aと中継通信装置200とが、例えばWEP(Wired Equivalent Privacy)、WPA−TKIP(Wi-Fi Protected Access-Temporal Key Integrity Protocol;単にWPAともいう)もしくはWPA−AES(WPA-Advanced Encryption Standard;WPA2ともいう)といった、所定の暗号化方式を用いて無線通信を行っている場合には、通信端末装置100Aがアドホックモードで端末間の直接通信を行うときに使用する通信パラメータを、その暗号化方式を用いて暗号化した上で、中継通信装置200に通知するようにしてもよい。この通信パラメータは、例えばSSID(Service Set ID)もしくはESSID(Extended SSID)、暗号化キー、認証方式、周波数チャネル、あるいは、これらの一部もしくは全部を示すデータであればよい。
【0036】
このように、通信端末装置100Aの制御部101は、記憶部103から読み出した動作プログラムに基づいてステップS102の処理を実行することなどにより、自機である通信端末装置100Aを特定するための端末識別情報や通信パラメータの一部または全部を、中継通信装置200に通知する機能を実現することができればよい。なお、中継通信装置200の側で、通信端末装置100Aや通信端末装置100Bがアドホックモードで端末間の直接通信を行うときに使用する通信パラメータを設定できる場合、または、通信端末装置100Aと通信端末装置100Bとが中継通信装置200から独立してアドホックモードのときに使用する通信パラメータを設定できる場合であれば、通信端末装置100Aの制御部101は、通信パラメータを暗号化して中継通信装置200に通知する機能を実装しなくてもよい。
【0037】
加えて、ステップS102の処理において、通信端末装置100Aの制御部101は、例えば使用者による所定のキー操作などに基づいて指定された注文内容などを示す注文情報を、中継通信装置200に通知するための制御を行ってもよい。注文情報は、例えば商品名もしくはサービス名、数量、配達要望時間、あるいは、これらの一部もしくは全部を含む情報であればよい。このように、通信端末装置100Aの制御部101は、記憶部103から読み出した動作プログラムに基づいてステップS102の処理を実行することなどにより、注文内容を示す注文情報を中継通信装置200に通知する機能を実現することができればよい。
【0038】
ステップS102の処理により中継通信が行われたときには、中継通信装置200から移動可能範囲の通知があったか否かを判定する(ステップS103)。このとき、移動可能範囲の通知があれば(ステップS103;Yes)、通知された移動可能範囲を通信端末装置100Aの使用者に報知するための制御を行う(ステップS104)。
【0039】
一例として、中継通信装置200から通知された移動可能範囲がテキストデータで示されている場合には、情報出力部105に含まれる表示装置の表示領域でテキストデータに対応する文字情報を表示させればよい。文字情報の具体例としては、「現在位置から100メートル以上移動しないでください」といったメッセージを報知するものであればよい。他の一例として、中継通信装置200から通知された移動可能範囲が音声データで示されている場合には、情報出力部105に含まれるスピーカで音声データに対応する音声情報を出力させればよい。この音声情報は、文字情報と同様のメッセージを報知するものであればよい。さらに他の一例として、中継通信装置200から通知された移動可能範囲が画像データで示される場合には、情報出力部105に含まれる表示装置の表示領域で画像データに対応する画像情報を表示させればよい。この画像情報の具体例としては、例えば通信端末装置100AやアクセスポイントAPの周辺地図上に、通信端末装置100Aの使用者が移動可能な領域を認識可能に示して報知するものであればよい。このように、通信端末装置100Aの制御部101は、記憶部103から読み出した動作プログラムに基づいてステップS104の処理を実行することなどにより、中継通信装置200から通知された移動可能範囲を報知する機能を実現することができればよい。
【0040】
移動可能範囲の通知がない場合には(ステップS103;No)、ステップS104の処理をスキップすればよい。あるいは、移動可能範囲の通知がないときに、ステップS102の処理を繰り返し実行することにより、アクセスポイントAPなどとの無線接続を維持して待機するようにしてもよい。このとき、ステップS102の処理で端末間の直接通信に使用する通信パラメータを1回通知していれば、この情報を繰り返し通知する必要はない。その一方で、通信端末装置100Aの現在位置は、時間の経過とともに変化することがあるので、通信端末装置100Aを特定するための端末識別情報とともに、定期的(一定時間が経過するごと)あるいは不定期的(一定距離の移動が検出されるごとなど)に繰り返し現在位置を通知するようにしてもよい。また、一定時間が経過しても移動可能範囲の通知がない場合には、中継通信装置200との通信が適切に行われなかったと判断して、インフラストラクチャモードにおける中継通信装置200との通信を終了させてもよいし、ステップS104の処理をスキップしてステップS105の処理に進むようにしてもよい。
【0041】
その後、中継通信装置200との通信中に、インフラストラクチャモードでの通信からアドホックモードで端末間の直接通信へと切り替える旨の切替指示があったか否かを判定する(ステップS105)。切替指示がない場合には(ステップS105;No)、ステップS102の処理に戻り、アクセスポイントAPなどとの無線接続を維持して待機すればよい。このとき、ステップS104の処理で移動可能範囲を1回報知していれば、これを繰り返し報知する必要はない。なお、通信端末装置100Aが無線接続するアクセスポイントAPが変更された場合のように、新たに移動可能範囲が通知されたときには、ステップS104の処理で改めて移動可能範囲を報知するようにしてもよい。また、ステップS102の処理で行う各種の通知については、ステップS103の処理で移動可能範囲の通知がないときにステップS102の処理を繰り返し実行する場合と同様であればよい。
【0042】
ステップS105にて切替指示があったときには(ステップS105;Yes)、インフラストラクチャモードにおける中継通信装置200を介した通信から、アドホックモードにて、配達員端末である通信端末装置100Bとの端末間における直接通信へと、切り替えるための制御を行う(ステップS106)。
【0043】
一例として、通信端末装置100Aの制御部101は、中継通信装置200からの切替指示に応答して、アドホックモードへの切替指示を通信端末装置100Aの使用者に報知するための制御を行えばよい。この場合には、情報出力部105に含まれる表示装置の表示領域で所定の文字情報を表示させることや、情報出力部105に含まれるスピーカから所定の音声情報を出力させること、情報出力部105に含まれる指示報知用のLEDを点灯させること、あるいは、これらの一部もしくは全部を含めた所定の報知動作を情報出力部105にて実行させることにより、例えば「アドホックモードに切り替えてください」といった、所定のメッセージを報知することができればよい。そして、通信端末装置100Aの使用者がメッセージに応答して所定のキー操作を行うことなどにより、インフラストラクチャモードでの通信からアドホックモードでの通信への切替えが行われるようにすればよい。
【0044】
他の一例として、通信端末装置100Aの制御部101は、中継通信装置200からの切替指示に応答して、アドホックモードでの通信への切替えを、自動的に行うようにしてもよい。
【0045】
ステップS106の処理を実行するときには、中継通信装置200からの切替指示とともに、通信端末装置100Bの端末識別情報が設定情報として通知された場合であれば、この通知された端末識別情報を用いて、通信端末装置100Bとの端末間におけるアドホックモードでの直接通信を開始するための設定が行われるようにすればよい。また、中継通信装置200の側で、通信端末装置100Aや通信端末装置100Bがアドホックモードで端末間の直接通信を行うときに使用する通信パラメータを設定した場合などでは、この通信パラメータが設定情報として通知されることがある。こうした場合には、通知された通信パラメータを用いて、通信端末装置100Bとの端末間におけるアドホックモードでの直接通信を開始するための設定が行われるようにすればよい。
【0046】
ステップS106の処理による切替制御に続いて、通信端末装置100Bとの端末間における直接通信が確立したか否かを判定する(ステップS107)。このとき、端末間の直接通信が確立しなければ(ステップS107;No)、確立するまで待機する。これに対して、端末間の直接通信が確立したときには(ステップS107;Yes)、通信端末装置100Bとの端末間にける直接通信を実行するための制御を行う(ステップS108)。
【0047】
ステップS108の処理では、通信端末装置100Aの現在位置を通信端末装置100Bに通知する一方、通信端末装置100Bの現在位置が通信端末装置100Aに通知されればよい。そして、通信端末装置100Bから通知された現在位置を報知する制御を行うようにしてもよい。このときには、情報出力部105に含まれる表示装置の表示領域で所定の文字情報もしくは画像情報を表示させることや、情報出力部105に含まれるスピーカから所定の音声情報を出力させること、あるいは、これらの一部もしくは全部を含めた所定の報知動作を情報出力部105にて実行させることにより、通信端末装置100Bの現在位置を通信端末装置100Aの使用者が認識可能に報知できればよい。
【0048】
このように、通信端末装置100Aの制御部101は、記憶部103から読み出した動作プログラムに基づいてステップS108の処理を実行することなどにより、アドホックモードで端末間の直接通信を開始した後に、その直接通信を行う相手先である通信端末装置100Bとの間で相互に現在位置を通知する機能と、直接通信を行う相手先である通信端末装置100Bから通知された現在位置を報知する機能とを、実現することができればよい。
【0049】
なお、通信端末装置100Aと通信端末装置100Bは、アドホックモードで端末間の直接通信を開始した後に、各使用者どうしの音声通話により、現在位置の通知や報知ができるようにしてもよい。この場合でも、通信端末装置100Aと通信端末装置100Bは、公衆回線を使用せず直接通信により音声通話ができるので、電話料金の発生を防止して、容易に正確な場所を特定することができる。
【0050】
このように、通信端末装置100Aの制御部101は、記憶部103から読み出した動作プログラムに基づいてステップS106やステップS108の処理を実行することなどにより、中継通信装置200から通知された設定情報に基づいて、通信端末装置100Bとの端末間におけるアドホックモードでの直接通信を行う機能を実現することができればよい。
【0051】
ステップS108の処理により端末間での直接通信が実行中であるときには、例えば通信端末装置100Aの使用者による所定のキー操作などに基づいて、端末間の直接通信を終了するか否かを判定する(ステップS109)。このとき、端末間の直接通信を終了しないのであれば(ステップS109;No)、ステップS108の処理に戻り、通信端末装置100Bとの無線接続を維持すればよい。
【0052】
端末間の直接通信を終了するときには(ステップS109;Yes)、その通信を終了させるための設定が行われる(ステップS110)。一例として、ステップS110の処理では、通信端末装置100Aにて制御部101が通信部102へと所定の通信終了指令を送ることなどにより、端末間の直接通信を終了させればよい。このときには、例えば通信端末装置100Bの端末識別情報や通信パラメータといった、端末間の直接通信を行うために使用した設定情報を消去する処理が行われればよい。すなわち、通信端末装置100Aの制御部101は、記憶部103から読み出した動作プログラムに基づいてステップS110の処理を実行することなどにより、端末間の直接通信を行うための設定情報を消去する機能を実現することができればよい。
【0053】
次に、図4に示す中継通信装置処理について説明する。図4に示す処理において、中継通信装置200の制御部201は、例えば通信部202が通信端末装置100Aからの要求を受信したか否かなどに応じて、インフラストラクチャモードの通信端末装置100Aや通信端末装置100Bとの間で通信する中継通信を開始するか否かを判定する(ステップS201)。このとき、中継通信を開始しないのであれば(ステップS201;No)、中継通信を開始するまで、そのまま待機する。
【0054】
中継通信を開始する場合には(ステップS201;Yes)、通信端末装置100Aと通信端末装置100Bとの間で中継通信装置200を介した中継通信を実行するための制御を行う(ステップS202)。このとき、中継通信装置200の制御部201は、通信端末装置100Aと通信端末装置100Bの現在位置を特定するための制御を行う。
【0055】
一例として、通信端末装置100Aや通信端末装置100Bから現在位置が通知される場合であれば、これらの通知から、通信端末装置100Aと通信端末装置100Bの現在位置を特定すればよい。他の一例として、中継通信装置200の制御部201は、通信端末装置100Aや通信端末装置100Bが無線接続しているアクセスポイントAPの設置位置などに基づいて、通信端末装置100Aや通信端末装置100Bの現在位置を特定してもよい。この場合には、複数のアクセスポイントAPごとに、機器識別情報と設置位置情報とを対応付けたアクセスポイント情報テーブルを、例えば中継通信装置200の記憶部203などに予め記憶しておけばよい。機器識別情報は、アクセスポイントAPを構成する無線LANルータなどを特定するための情報であり、例えばMACアドレス、IPアドレス、製造コード(シリアルナンバーなど)、あるいは、これらの一部もしくは全部を含む情報であればよい。設置位置情報は、アクセスポイントAPの設置位置を特定するための情報であり、例えば所在地を示す地名や地番であってもよいし、例えば「○○公園正門売店前」といった地名や地番では特定できない場所を示す情報であってもよい。制御部201は、通信端末装置100Aや通信端末装置100Bが無線接続しているアクセスポイントAPの機器識別情報に基づいて、アクセスポイント情報テーブルを参照して設置位置情報を読み出すことにより、現在位置を特定することができればよい。
【0056】
また、中継通信装置200では、例えばアクセスポイントAPにて検出された通信端末装置100Aや通信端末装置100Bからの電波強度などに基づいて、アクセスポイントAPから通信端末装置100Aや通信端末装置100Bまでの距離を、ある程度まで特定できるようにしてもよい。そして、特定された通信端末装置100Aの現在位置を、通信端末装置100Bに通知するための通信制御を行うようにしてもよい。
【0057】
このように、中継通信装置200の制御部201は、記憶部203から読み出した動作プログラムに基づいてステップS202の処理を実行することなどにより、通信端末装置100Aや通信端末装置100Bの現在位置を特定する機能と、特定された通信端末装置100Aの現在位置を通信端末装置100Bに通知する機能とを、実現することができればよい。
【0058】
また、ステップS202の処理において、中継通信装置200の制御部201は、通信端末装置100Aの移動可能範囲を特定するための制御を行う。一例として、記憶部203などに記憶されたアクセスポイント情報テーブルでは、複数のアクセスポイントAPごとに、移動可能範囲を示す文字情報、音声情報、画像情報、あるいは、これらの一部もしくは全部を含む任意の移動可能範囲情報が、予め設定されていればよい。中継通信装置200の制御部201は、通信端末装置100Aが無線接続しているアクセスポイントAPの機器識別情報に基づいて、アクセスポイント情報テーブルを参照して移動可能範囲情報を読み出すことにより、通信端末装置100Aの移動可能範囲を特定することができればよい。そして、特定された移動可能範囲を通信端末装置100Aに通知するための制御が行われるようにすればよい。
【0059】
このように、中継通信装置200の制御部201は、記憶部203から読み出した動作プログラムに基づいてステップS202の処理を実行することなどにより、通信端末装置100Aの移動可能範囲を特定する機能と、特定された通信端末装置100Aの移動可能範囲を通信端末装置100Aに通知する機能とを、実現することができればよい。
【0060】
加えて、ステップS202の処理において、中継通信装置200の制御部201は、通信端末装置100Aや通信端末装置100Bの端末識別情報を取得するための制御を行うようにしてもよい。一例として、通信端末装置100Aや通信端末装置100BがアクセスポイントAPとの無線接続を確立するときに端末識別情報を通知する場合であれば、このとき通知された端末識別情報を記憶部203に一時記憶するなどして取得すればよい。また、中継通信装置200の側から通信端末装置100Aや通信端末装置100Bに対して端末識別情報の送信要求を送り、この送信要求に応答して通信端末装置100Aや通信端末装置100Bから通知された端末識別情報を記憶部203に一時記憶するなどして取得してもよい。
【0061】
このように、中継通信装置200の制御部201は、記憶部203から読み出した動作プログラムに基づいてステップS202の処理を実行することなどにより、通信端末装置100Aや通信端末装置100Bを特定するための端末識別情報を取得する機能を実現することができればよい。通信端末装置100Aから取得した端末識別情報は、通信端末装置100Aの現在位置や注文情報とともに、通信端末装置100Bに通知されるようにすればよい。通信端末装置100Bから取得した端末識別情報は、通信端末装置100Bの現在位置とともに、通信端末装置100Aに通知されるようにしてもよい。
【0062】
ステップS202の処理により中継通信が行われたときには、ユーザ端末である通信端末装置100Aと配達員端末である通信端末装置100Bの端末間でアドホックモードにおける直接通信が可能になったか否かを判定する(ステップS203)。このとき、中継通信装置200の制御部201は、ステップS202の処理により特定された通信端末装置100Aの現在位置と、通信端末装置100Bの現在位置とが、所定距離以内になったときに、端末間の直接通信が可能になったと判定すればよい。一例として、通信端末装置100Aと通信端末装置100Bが同一のアクセスポイントAPとの間で無線接続を確立したときに、通信端末装置100Aの現在位置と通信端末装置100Bの現在位置が所定距離以内になったと判定すればよい。
【0063】
このように、中継通信装置200の制御部201は、記憶部203から読み出した動作プログラムに基づいてステップS203の処理を実行することなどにより、ステップS202の処理で特定された通信端末装置100Aの現在位置と通信端末装置100Bの現在位置に基づいて、通信端末装置100Aと通信端末装置100Bとが端末間の直接通信を可能か否かを判定する機能を実現することができればよい。より具体的に、中継通信装置200の制御部201は、記憶部203から読み出した動作プログラムに基づいてステップS203の処理を実行することなどにより、ステップS202の処理で特定された通信端末装置100Aの現在位置と通信端末装置100Bの現在位置とが所定距離以内になったときに、端末間の直接通信が可能と判定する機能を実現することができればよい。
【0064】
通信端末装置100Aと通信端末装置100Bとが端末間の直接通信を行うことができないときには(ステップS203;No)、ステップS202の処理を繰り返し実行することにより、アクセスポイントAPなどと通信端末装置100A及び通信端末装置100Bとの無線接続を維持して待機すればよい。このときには、配達員端末である通信端末装置100Bの現在位置を定期的あるいは不定期的に特定するための制御が行われるようにすればよい。そして、ステップS202の処理で新たに特定された通信端末装置100Bの現在位置に基づいてステップS203の処理が実行されることにより、端末間の直接通信が可能になるまで繰り返し判定を行うようにすればよい。
【0065】
その後、端末間の直接通信が可能になったと判定されたときには(ステップS203;Yes)、ユーザ端末である通信端末装置100Aと配達員端末である通信端末装置100Bに対して、インフラストラクチャモードでの通信からアドホックモードで端末間の直接通信へと切り替える旨の切替指示を伝送するための制御を行う(ステップS204)。このときには、通信端末装置100Aと通信端末装置100Bの端末間でアドホックモードにおける直接通信を行うための設定情報を、通信端末装置100Aと通信端末装置100Bに通知するための制御が行われればよい。
【0066】
一例として、中継通信装置200の制御部201は、ステップS202の処理で取得した通信端末装置100Aの端末識別情報を、設定情報として通信端末装置100Bに通知する一方、ステップS202の処理で取得した通信端末装置100Bの端末識別情報を、設定情報として通信端末装置100Aに通知すればよい。なお、通信端末装置100Aの端末識別情報は、ステップS202の処理にて通信端末装置100Aの現在位置が通信端末装置100Bに通知されるときに、この現在位置とともに通信端末装置100Bへと通知されるようにしてもよい。
【0067】
他の一例として、中継通信装置200の制御部201は、通信端末装置100Aから端末間の直接通信で使用する通信パラメータが通知される場合であれば、この通信パラメータを設定情報として通信端末装置100Bに通知すればよい。さらに他の一例として、中継通信装置200の側で通信パラメータを設定できる場合であれば、制御部201などにより設定された通信パラメータを、設定情報として通信端末装置100Aと通信端末装置100Bに通知すればよい。
【0068】
このように、中継通信装置200の制御部201は、記憶部203から読み出した動作プログラムに基づいてステップS204の処理を実行することなどにより、端末間の直接通信が可能と判定されたときに、通信端末装置100Aと通信端末装置100Bの端末間での直接通信を指示する機能や、端末間の直接通信を行うための設定情報を提供する機能などを実現することができればよい。より具体的に、中継通信装置200の制御部201は、記憶部203から読み出した動作プログラムに基づいてステップS204の処理を実行することなどにより、ステップS202の処理で特定された通信端末装置100Aの端末識別情報を設定情報として通信端末装置100Bに提供する機能と、ステップS202の処理で特定された通信端末装置100Bの端末識別情報を設定情報として通信端末装置100Aに提供する機能とを、実現することができればよい。
【0069】
なお、ステップS204の処理による切替指示は、通信端末装置100Aまたは通信端末装置100Bと中継通信装置200との間における通信品質が低下する可能性があるときに、行われるようにしてもよい。例えば、アクセスポイントAPにて検出された通信端末装置100Aまたは通信端末装置100Bからの電波強度が予め定めた最低品質基準値に近い低品質範囲内であるときには、通信端末装置100Aまたは通信端末装置100Bが少し移動すればアクセスポイントAPとの無線接続が切断される可能性があるとして、通信品質が低下する可能性があると判定されればよい。
【0070】
こうしてインフラストラクチャモードからアドホックモードへの切替指示が行われた後、通信端末装置100Aや通信端末装置100BにてアクセスポイントAPなどとの無線接続が切断されたときには、中継通信装置200における通信制御が終了することになる。
【0071】
次に、図5に示す配達員端末処理について説明する。図5に示す処理において、配達員端末である通信端末装置100Bの制御部101は、例えば中継通信装置200からの通信開始要求を通信部102で受信したか否かなどに応じて、インフラストラクチャモードで中継通信装置200を介してユーザ端末である通信端末装置100Aとの間で通信する中継通信を開始するか否かを判定する(ステップS301)。一例として、通信端末装置100Bでは、ステップS301の処理が実行される前に、アクセスポイントAPなどとの無線接続が確立されており、通信部102にて中継通信装置200からの通信開始要求を受信することができるように設定されていればよい。あるいは、ステップS301の処理が実行されるまでは、アクセスポイントAPなどとの無線接続が確立されていない場合でも、中継通信装置200からの通信開始要求に応じて、通信端末装置100BとアクセスポイントAPなどとの無線接続を確立することができればよい。
【0072】
通信端末装置100Bにて中継通信が開始されないのであれば(ステップS301;No)、中継通信を開始するまで、そのまま待機する。これに対して、中継通信を開始する場合には(ステップS301;Yes)、インフラストラクチャモードで中継通信装置200を介してユーザ端末である通信端末装置100Aとの間で通信する中継通信を実行するための制御を行う(ステップS302)。
【0073】
ステップS302の処理を実行するとき、通信端末装置100Bの制御部101は、例えばGPSシステムを利用することなどにより、自機である通信端末装置100Bの現在位置を特定してもよい。そして、特定された現在位置を中継通信装置200に通知するための通信制御を行うようにしてもよい。すなわち、通信端末装置100Bの制御部101は、記憶部103から読み出した動作プログラムに基づいてステップS302の処理を実行することなどにより、自機である通信端末装置100Bの現在位置を特定する機能と、特定された現在位置を中継通信装置200に通知する機能とを、実現することができればよい。なお、中継通信装置200の側で、例えば通信端末装置100Bとの間で無線接続が確立されているアクセスポイントAPの設置位置などから、通信端末装置100Bの現在位置をある程度まで特定できる場合であれば、通信端末装置100Bの制御部101は、これらの機能を実装しなくてもよい。
【0074】
また、ステップS302の処理において、通信端末装置100Bの制御部101は、自機である通信端末装置100Bを特定するための端末識別情報を、中継通信装置200に通知するための制御を行ってもよい。このとき通知される端末識別情報は、ユーザ端末である通信端末装置100Aから中継通信装置200へと通知される端末識別情報と同種の情報であればよい。このように、通信端末装置100Bの制御部101は、記憶部103から読み出した動作プログラムに基づいてステップS302の処理を実行することなどにより、自機である通信端末装置100Bを特定するための端末識別情報を、中継通信装置200に通知する機能を実現することができればよい。
【0075】
加えて、ステップS302の処理において、通信端末装置100Bの制御部101は、通信端末装置100Aから発信された注文情報を取得するための制御を行ってもよい。このように、通信端末装置100Bの制御部101は、記憶部103から読み出した動作プログラムに基づいてステップS302の処理を実行することなどにより、注文内容を示す注文情報を取得する機能を実現することができればよい。
【0076】
その後、中継通信装置200との通信中に、インフラストラクチャモードでの通信からアドホックモードで端末間の直接通信へと切り替える旨の切替指示があったか否かを判定する(ステップS303)。切替指示がない場合には(ステップS303;No)、ステップS302の処理を繰り返し実行することにより、アクセスポイントAPなどとの無線接続を維持して待機すればよい。このとき、配達員端末である通信端末装置100Bの現在位置は、時間の経過とともに変化するので、通信端末装置100Bを特定するための端末識別情報とともに、定期的(一定時間が経過するごと)あるいは不定期的(一定距離の移動が検出されるごとなど)に繰り返し現在位置を通知すればよい。
【0077】
ステップS303にて切替指示があったときには(ステップS303;Yes)、インフラストラクチャモードにおける中継通信装置200を介した通信から、アドホックモードにて、ユーザ端末である通信端末装置100Aとの端末間における直接通信へと、切り替えるための制御を行う(ステップS304)。この制御の一部または全部は、通信端末装置100Aにて直接通信へと切り替えるための制御と同様の制御であればよい。
【0078】
なお、ステップS304の処理を実行するときには、中継通信装置200からの切替指示とともに、通信端末装置100Aの端末識別情報が設定情報として通知された場合であれば、この通知された端末識別情報を用いて、通信端末装置100Bとの端末間におけるアドホックモードでの直接通信を開始するための設定が行われるようにすればよい。また、中継通信装置200の側で、通信端末装置100Aや通信端末装置100Bがアドホックモードで端末間の直接通信を行うときに使用する通信パラメータを設定した場合などでは、この通信パラメータが設定情報として通知されることがある。こうした場合には、通知された通信パラメータを用いて、通信端末装置100Bとの端末間におけるアドホックモードでの直接通信を開始するための設定が行われるようにすればよい。
【0079】
ステップS304の処理による切替制御に続いて、通信端末装置100Aとの端末間にける直接通信が確立したか否かを判定する(ステップS305)。このとき、端末間の直接通信が確立しなければ(ステップS305;No)、確立するまで待機する。これに対して、端末間の直接通信が確立したときには(ステップS305;Yes)、通信端末装置100Aとの端末間にける直接通信を実行するための制御を行う(ステップS306)。
【0080】
ステップS306の処理では、通信端末装置100Bの現在位置を通信端末装置100Aに通知する一方、通信端末装置100Aの現在位置が通信端末装置100Bに通知されればよい。そして、通信端末装置100Aから通知された現在位置を報知する制御を行うようにしてもよい。この制御の一部または全部は、通信端末装置100Aにて通信端末装置100Bの現在位置を報知するための制御と同様の制御であればよい。
【0081】
このように、通信端末装置100Bの制御部101は、記憶部103から読み出した動作プログラムに基づいてステップS306の処理を実行することなどにより、アドホックモードで端末間の直接通信を開始した後に、その直接通信を行う相手先である通信端末装置100Aとの間で相互に現在位置を通知する機能と、直接通信を行う相手先である通信端末装置100Aから通知された現在位置を報知する機能とを、実現することができればよい。なお、アドホックモードで端末間の直接通信を開始した後に、音声通話により現在位置の通知や報知ができるようにしてもよいことは、通信端末装置100Aの場合と同様である。
【0082】
このように、通信端末装置100Bの制御部101は、記憶部103から読み出した動作プログラムに基づいてステップS304やステップS306の処理を実行することなどにより、中継通信装置200から通知された設定情報に基づいて、通信端末装置100Aとの端末間におけるアドホックモードでの直接通信を行う機能を実現することができればよい。
【0083】
図6は、通信システム10における各構成の動作例を示すシーケンス図である。まず、通信端末装置100Aと通信端末装置100Bは、予め設置された複数のアクセスポイントAPのうち、いずれかとの間で無線接続を確立することなどにより、インフラストラクチャモードで中継通信装置200を介した中継通信を行う。なお、ユーザ端末である通信端末装置100Aが無線接続を確立するアクセスポイントAPと、配達員端末である通信端末装置100Bが無線接続を確立されるアクセスポイントAPは、設置位置が異なる別個のアクセスポイントであればよい。
【0084】
ユーザ端末である通信端末装置100Aでは、制御部101がステップS102の処理を実行することにより、通信端末装置100Aの端末識別情報や注文情報などを、中継通信装置200に通知する(通知A1)。このときには、通信端末装置100Aの現在位置も、通信端末装置100Aから中継通信装置200に通知されてもよい。中継通信装置200では、制御部201がステップS202の処理を実行することにより、通信端末装置100Aから通知された端末識別情報や注文情報などを、通信端末装置100Bに通知する(通知B1)。このときには、通信端末装置100Aから通知された現在位置、あるいは、中継通信装置200において特定した通信端末装置100Aの現在位置も、中継通信装置200から通信端末装置100Bに通知される。
【0085】
中継通信装置200から通知B1を受けた通信端末装置100Bでは、制御部101がステップS302の処理を実行することにより、通信端末装置100Bの端末識別情報などを、中継通信装置200に通知する(通知B2)。このときには、通信端末装置100Bの現在位置も、通信端末装置100Bから中継通信装置200に通知されてもよい。通知B2にて通信端末装置100Bの現在位置が通知される場合には、この通知B2が繰り返し行われることにより、通信端末装置100Bの端末識別情報と現在位置とが、定期的あるいは不定期的に中継通信装置200へと通知されればよい。
【0086】
また、通信端末装置100Aから通知A1を受けた中継通信装置200では、制御部201がステップS202の処理を実行することにより、通信端末装置100Aの移動可能範囲を通信端末装置100Aに通知する(通知A2)。通信端末装置100Aでは、通知A2による移動可能範囲が使用者に対して報知されればよい。
【0087】
さらに、通信端末装置100Bから通知B2を受けた中継通信装置200では、制御部201がステップS203の処理を実行することにより、通信端末装置100Aと通信端末装置100Bの現在位置に基づいて、端末間の直接通信が可能であると判定したときに、制御部201がステップS204の処理を実行することにより、インフラストラクチャモードでの通信からアドホックモードでの通信への切替指示を、通信端末装置100Aと通信端末装置100Bに伝送する(指示A3、指示B3)。このときには、通信端末装置100Aの端末識別情報が端末間で相互に直接通信を行うための設定情報として通信端末装置100Bに通知される一方、通信端末装置100Bの端末識別情報が設定情報として通信端末装置100Aに通知されてもよい。あるいは、通信端末装置100Aと通信端末装置100Bの端末間で相互に直接通信を行うために使用する通信パラメータが、通信端末装置100Aと通信端末装置100Bの一方または両方に通知されてもよい。
【0088】
中継通信装置200から指示A3を受けた通信端末装置100Aや、中継通信装置200から指示B3を受けた通信端末装置100Bでは、制御部101がステップS106(通信端末装置100Aの場合)またはステップS304(通信端末装置100Bの場合)の処理を実行することにより、インフラストラクチャモードでの中継通信を終了して、アドホックモードでの直接通信(端末間通信)を開始する。その後、通信端末装置100Aの制御部101がステップS108の処理を実行することや、通信端末装置100Bの制御部101がステップS306の処理を実行することにより、通信端末装置100Aの現在位置を通信端末装置100Bに通知する一方、通信端末装置100Bの現在位置を通信端末装置100Aに通知する(通知C)。
【0089】
こうして通信端末装置100Aと通信端末装置100Bの端末間における直接通信が行われることなどにより、通信端末装置100Aの使用者であるユーザと、通信端末装置100Bの使用者である配達員は、相互の正確な場所を、容易に特定することができる。
【0090】
以上説明したように、通信システム10では、通信端末装置100Aと通信端末装置100Bがインフラストラクチャモードで中継通信装置200を介して中継通信を行っているときに、中継通信装置200で特定された通信端末装置100Aの現在位置が通信端末装置100Bへと通知される。また、通信端末装置100Aと通信端末装置100Bがアドホックモードで端末間における直接通信を行うための設定情報が、中継通信装置200から提供される。そして、通信端末装置100Aと通信端末装置100Bは、中継通信装置200から提供された設定情報に基づいて、相互に直接通信を行うことができる。これにより、容易に正確な場所を特定して、例えば配達員は注文を受けてから短時間でユーザに商品や役務を提供することが可能になる。
【0091】
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、上記の動作例では、通信端末装置100Aの使用者が所定の配達サービスを受けるユーザであって、通信端末装置100Aがユーザ端末となる一方で、通信端末装置100Bの使用者が配達サービスを提供する事業者の配達員であって、通信端末装置100Bが配達員端末となるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば通信端末装置100Aの使用者と通信端末装置100Bの使用者とが待ち合わせをする場合といった、より一般的に正確な場所の特定が要求される場合にも、適用することができる。
【0092】
その他にも、通信システム10を構成する通信端末装置100や中継通信装置200の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、各種通知の内容などは、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
【0093】
この発明を実現するための動作プログラム及び各種データは、通信端末装置100や中継通信装置200に含まれるコンピュータに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供されてもよいし、予めコンピュータ等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布されてもよい。さらに、この発明を実現するための動作プログラム及び各種データは、電気通信ネットワーク等を介して接続された他の機器からダウンロードすることによって配布されるようにしてもよい。
【0094】
そして、各処理の実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、電気通信ネットワーク等を介してダウンロードした動作プログラム及び各種データを、内蔵の記憶装置に一旦格納することにより実行可能としてもよいし、電気通信ネットワーク等を介して接続された他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行してもよい。さらには、他の機器と電気通信ネットワーク等を介して各種データの交換を行うことにより各処理を実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0095】
10 通信システム
100、100A、100B 通信端末装置
101、201 制御部
102、202 通信部
103、203 記憶部
104 操作部
105 情報出力部
200 中継通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に直接通信を可能な複数の通信端末装置と、
前記複数の通信端末装置との無線通信を可能な中継通信装置とを備え、
前記中継通信装置は、
前記複数の通信端末装置の現在位置を特定する中継側位置特定手段と、
前記複数の通信端末装置に含まれる第1端末装置について、前記中継側位置特定手段により特定された現在位置を、前記複数の通信端末装置に含まれて前記第1端末装置とは異なる第2端末装置に通知する中継側位置通知手段と、
前記第1端末装置と前記第2端末装置との間で直接通信を行うための設定情報を提供する設定情報提供手段とを備え、
前記第1端末装置と前記第2端末装置は、前記中継通信装置から提供された設定情報に基づいて、相互に直接通信を行う直接通信制御手段を備える、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記中継通信装置は、
前記中継側位置特定手段により特定された前記第1端末装置の現在位置、及び、前記中継側位置特定手段により特定された前記第2端末装置の現在位置に基づいて、前記第1端末装置と前記第2端末装置とが直接通信を可能か否かを判定する直接通信判定手段と、
前記直接通信判定手段により直接通信が可能と判定されたときに、前記第1端末装置と前記第2端末装置との間での直接通信を指示する直接通信指示手段とを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記直接通信判定手段は、前記中継側位置特定手段により特定された前記第1端末装置の現在位置と、前記中継側位置特定手段により特定された前記第2端末装置の現在位置とが、所定距離以内になったときに、直接通信が可能と判定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記直接通信指示手段は、前記第1端末装置または前記第2端末装置と前記中継通信装置との間における通信品質が低下する可能性があるときに、直接通信を指示する、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記第1端末装置と前記第2端末装置は、前記中継通信装置から直接通信が指示されたときに、直接通信の開始指示を報知する開始指示報知手段を備える、
ことを特徴とする請求項2、3または4に記載の通信システム。
【請求項6】
各前記複数の通信端末装置は、
自機の現在位置を特定する端末側位置特定手段と、
前記端末側位置特定手段により特定された現在位置を前記中継通信装置に通知する端末側位置通知手段とを備え、
前記中継側位置特定手段は、前記複数の通信端末装置からの通知により、前記複数の通信端末装置の現在位置を特定する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項7】
前記端末側位置通知手段は、自機を識別するための端末識別情報を、現在位置とともに前記中継通信装置に通知する識別情報通知手段を含み、
前記設定情報提供手段は、前記第1端末装置から通知された端末識別情報を設定情報として前記第2端末装置に提供するとともに、前記第2端末装置から通知された端末識別情報を設定情報として前記第1端末装置に提供する識別情報提供手段を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の通信システム。
【請求項8】
前記第2端末装置は、前記第1端末装置と直接通信を開始する前に、前記中継通信装置から通知された前記第1端末装置の現在位置を報知する第1位置報知手段を備え、
前記第1端末装置と前記第2端末装置は、
直接通信を開始した後に、相互に前記端末側位置特定手段により特定した現在位置を通知する直接位置通知手段と、
直接通信を開始した後に、直接通信の相手先から通知された現在位置を報知する第2位置報知手段とを備える、
ことを特徴とする請求項6または7に記載の通信システム。
【請求項9】
前記中継通信装置は、
前記中継側位置特定手段により特定された前記第1端末装置の現在位置に基づいて、前記第1端末装置が前記第2端末装置と直接通信を開始する前に移動可能な範囲を特定する移動可能範囲特定手段と、
前記移動可能範囲特定手段により特定された移動可能な範囲を前記第1端末装置に通知する移動可能範囲通知手段とを備え、
前記第1端末装置は、前記中継通信装置から通知された移動可能な範囲を報知する移動可能範囲報知手段を備える、
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項10】
自機の現在位置を特定する端末位置特定手段と、
前記端末位置特定手段により特定された現在位置を中継通信装置に通知する位置通知手段と、
前記中継通信装置から通知された直接通信を行う相手先の現在位置を報知する相手先位置報知手段と、
前記中継通信装置から提供された設定情報に基づいて、前記相手先との直接通信を行う直接通信制御手段とを備える、
ことを特徴とする通信端末装置。
【請求項11】
複数の通信端末装置の現在位置を特定する端末位置特定手段と、
前記複数の通信端末装置に含まれる第1端末装置について、前記端末位置特定手段により特定された現在位置を、前記複数の通信端末装置に含まれて前記第1端末装置とは異なる第2端末装置に通知する位置中継通知手段と、
前記第1端末装置と前記第2端末装置との間で直接通信を行うための設定情報を提供する設定情報提供手段と、
前記端末位置特定手段により特定された前記第1端末装置の現在位置、及び、前記端末位置特定手段により特定された前記第2端末装置の現在位置に基づいて、前記第1端末装置と前記第2端末装置とが直接通信を可能か否かを判定する直接通信判定手段と、
前記直接通信判定手段によって直接通信が可能と判定されたときに、前記第1端末装置と前記第2端末装置との間での直接通信を指示する直接通信指示手段とを備える、
ことを特徴とする中継通信装置。
【請求項12】
相互に直接通信を可能な複数の通信端末装置の現在位置を、前記複数の通信端末装置との無線通信を可能な中継通信装置において特定し、
前記中継通信装置が、前記複数の通信端末装置に含まれる第1端末装置について特定した現在位置を、前記複数の通信端末装置に含まれて前記第1端末装置とは異なる第2端末装置に通知し、
前記第2端末装置が、前記中継通信装置から通知された前記第1端末装置の現在位置を報知し、
前記中継通信装置が、前記第1端末装置と前記第2端末装置との間で直接通信を行うための設定情報を提供し、
前記第1端末装置と前記第2端末装置が、前記中継通信装置から提供された設定情報に基づいて、相互に直接通信を行う、
ことを特徴とする通信方法。
【請求項13】
コンピュータに、
相互に直接通信を可能な複数の通信端末装置の現在位置を、前記複数の通信端末装置との無線通信を可能な中継通信装置において特定する手順と、
前記中継通信装置が、前記複数の通信端末装置に含まれる第1端末装置について特定した現在位置を、前記複数の通信端末装置に含まれて前記第1端末装置とは異なる第2端末装置に通知する手順と、
前記第2端末装置が、前記中継通信装置から通知された前記第1端末装置の現在位置を報知する手順と、
前記中継通信装置が、前記第1端末装置と前記第2端末装置との間で直接通信を行うための設定情報を提供する手順と、
前記第1端末装置と前記第2端末装置が、前記中継通信装置から提供された設定情報に基づいて、相互に直接通信を行う手順と、
を含む処理を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−172113(P2011−172113A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35300(P2010−35300)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(308036402)JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社 (1,152)
【Fターム(参考)】