通信システム、通信装置および通信制御方法
【課題】信号の補償動作における補償量を調整する必要が生じた場合に、通信装置間の通信に用いるネットワークを用いて補償量調整の制御を行う手段を得る。
【解決手段】通信システムは、第1および第2の伝送路を介して互いに接続された第1の通信装置と第2の通信装置を備える通信システムにおいて、第1の通信装置は、信号の入力断を検出する入力断検出手段と、入力断検出手段により入力断が検出された場合に、第1の通知を第2の通信装置に対して送信する第1の通知送信手段と、を備え、第2の通信装置は、第1の通知を第1の伝送路を介して受信した場合、第1の通知を受信した旨の通知(第2の通知)を、第1の通信装置に通知する第2の通知送信手段、を備え、第1の通知送信手段は、第1の通信装置が第2の通知を第2の伝送路を介して受信するまで、第2の通信装置に第1の通知を送信し続ける。
【解決手段】通信システムは、第1および第2の伝送路を介して互いに接続された第1の通信装置と第2の通信装置を備える通信システムにおいて、第1の通信装置は、信号の入力断を検出する入力断検出手段と、入力断検出手段により入力断が検出された場合に、第1の通知を第2の通信装置に対して送信する第1の通知送信手段と、を備え、第2の通信装置は、第1の通知を第1の伝送路を介して受信した場合、第1の通知を受信した旨の通知(第2の通知)を、第1の通信装置に通知する第2の通知送信手段、を備え、第1の通知送信手段は、第1の通信装置が第2の通知を第2の伝送路を介して受信するまで、第2の通信装置に第1の通知を送信し続ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、補償動作を行って信号の送受信を行う通信システム、その通信システムに適用可能な通信装置および通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信装置間の伝送路の状態に応じて、送信する信号の補償を行って通信を行う通信システムがある。例えば、光ファイバを用いた通信システムにおいては、光ファイバが有する波長分散による信号波形の歪みが生じることとなり、効率よく通信を行うためには、この信号波形の歪みをキャンセルするよう分散補償を行う必要がある。以下では、説明の便宜上、光通信システムを例にとり説明を行う。光通信システムにおける分散補償方式の一つとして、伝送路の送信端の光伝送装置において可変分散補償を実施する方式がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
波長分散は光ファイバ長に比例して変化する物理量である。特に、近年の40Gb/s以上の高速光ファイバ通信システムでは、ファイバ割りいれなどによるわずかな分散量の変化によっても波形が容易に歪み、通信品質が劣化してしまう。このため、敷設箇所での工事による光ファイバ伝送路の迂回や、光ファイバ伝送路の故障修理などによって、光パスが通過する光ファイバ長が変化した場合に、分散補償量を最適な値に調整する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−34830号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、光ファイバ伝送路の送信端において波長分散補償を実施する光伝送装置の従来の波長分散補償制御方式は、アウトオブバンドのネットワークを介してオペレータが調整開始を光伝送装置に指示していたために、アウトオブバンドのネットワークと光伝送装置間の通信が切断している場合やアウトオブバンドのネットワークが設置されていない場合などに調整を制御できないという問題があった。ここで、アウトオブバンドのネットワークとは、管理専用に用意したネットワークのことであり、通常、オペレータがこのネットワークを用いて各通信装置の故障等の管理を行う。また、WDM(Wavelength Division Multiplexing)システムにおいては、オペレータが光パス単位で操作を行うため、1本の伝送路を多数の光パスが通過している場合、オペレータに負荷がかかっていた。オペレータが操作ミスし、運用中の光パスに対して調整実施を指示した場合に、運用中のパスの信号品質に影響を及ぼす恐れがあった。
【0006】
この発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、信号の補償動作における補償量を調整する必要が生じた場合に、アウトオブバンドのネットワーク等の管理用ネットワークを用いず、通信装置間で調整を制御する手段の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る通信システムは、第1および第2の伝送路を介して互いに接続された第1の通信装置と第2の通信装置を備え、第1の通信装置は、第2の伝送路を介して第2の通信装置からの信号を受信し、第2の通信装置は、第1の伝送路を介して、第1の通信装置からの信号を受信するとともに、第2の通信装置からの信号の、第1の通信装置における受信状態に応じて補償動作を行うよう構成された通信システムにおいて、第1の通信装置は、第2の通信装置から第1の通信装置への信号の入力断を検出する入力断検出手段と、入力断検出手段により入力断が検出された場合に、入力断を検出した旨の通知(以下、第1の通知と記す)を、第2の通信装置に対して送信する第1の通知送信手段と、を備え、第2の通信装置は、第1の通知を第1の伝送路を介して受信した場合、第1の通知を受信した旨の通知(以下、第2の通知)を、第1の通信装置に通知する第2の通知送信手段、を備え、第1の通知送信手段は、第1の通信装置が第2の通知を第2の伝送路を介して受信するまで、第2の通信装置に第1の通知を送信する。
【0008】
また、この発明に係る通信装置は、第1および第2の伝送路を介して接続された対向通信装置からの信号の入力断を検出する入力断検出手段と、入力断検出手段により入力断が検出された場合に、入力断の検出に関する通知(以下、第1の通知とする)を、第2の通信装置に送信する第1の通知送信手段と、を備え、第1の通知送信手段は、対向通信装置が第1の通知を第1の伝送路を介して受信した場合に、送信する第1の通知の受信に関する通知を、第2の伝送路を介して受信するまで、第1の通知の送信を実行する。
【0009】
また、この発明に係る通信制御方法は、第1および第2の伝送路を介して互いに接続された第1の通信装置と第2の通信装置を備え、第1の通信装置は、第2の伝送路を介して第2の通信装置からの信号を受信し、第2の通信装置は、第1の伝送路を介して第1の通信装置からの信号を受信するとともに、第2の通信装置からの信号の、第1の通信装置における受信状態に応じて補償動作を行うように構成された通信システムに適用可能な通信制御方法において、第2の通信装置から第1の通信装置への信号の入力断を検出する入力断検出ステップと、入力断検出ステップにおいて信号の入力断が検出された場合、入力断を検出した旨の通知(以下、第1の通知とする)を、第2の通信装置に送信する第1の通知送信ステップと、第1の通知を第2の通信装置が第1の伝送路を介して受信した場合、第1の通知を受信した旨の通知(以下、第2の通知とする)を第1の通信装置に送信する第2の通知送信ステップと、を備え、第1の通知送信ステップにおいて、第2の通知を第2の伝送路を介して受信するまで、第2の通知装置へ第1通知の送信が実行される。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、信号の補償動作における補償量を調整する必要が生じた場合に、通信装置間の通信に用いるネットワークを用いて補償量調整の制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1に係る通信システムの構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1に示すトランスポンダの動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態1に示すトランスポンダの動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1に示すトランスポンダの動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態1に示す通信システムにおいて使用する信号フレームの構成図である。
【図6】本発明の実施の形態1に示すトランスポンダの動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態1に示す伝送路の切断/復旧の順序を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態1に示す伝送路の切断/復旧の順序を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態1に示す伝送路の切断/復旧の順序を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る通信システムの構成図である。
【図11】本発明の実施の形態2に示す通信システムにおいて使用する信号フレームの構成図である。
【図12】本発明の実施の形態2に示すトランスポンダの動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態2に示すトランスポンダの動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態2に示すトランスポンダの動作を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施の形態2に示すトランスポンダの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
本発明を適用した通信システムについて、光通信システムを例にとり説明する。図1に、この発明の実施の形態1に係る通信システムの構成図を示す。ここでは、2つの通信装置(ノード)がそれぞれ2つの光伝送路により接続されている場合について示す。なお、3つ以上のノードが接続されている場合にも当然に本発明を適用することができる。図1においては省略しているが、各ノードにはそれぞれ端末等が接続されており、異なるノードに接続された端末間の通信を、各ノードおよび光伝送路を介して行う。図1において、ノード1aはn個(nは正の整数)のトランスポンダ111a、112a、...、11naと合波部12a、分波部13a、増幅部14a,15aから構成されており、トランスポンダ111aは自ノードが送信端となる伝送路16aを介して他方のトランスポンダ111bに光信号を送信し、自ノードが受信端となる伝送路16bを介して他方のトランスポンダ111bから光信号を受信する。トランスポンダ111aは、送信機能部1111a、受信機能部1112aを備えており、送信機能部1111aは、分散補償機能部11111aを備えている。
【0013】
送信機能部1111aはノード1aに接続された端末から受信したデータ信号(電気信号)を光信号に変換して出力し、この光信号に基づいて分散補償機能部11111aは、内部に記憶された可変の分散補償値を用いて分散補償、すなわち、伝送路16aにおいて生じる波長分散をキャンセルするような波形の信号を形成する。受信機能部1112aは伝送路16bを経由して受信した光信号を電気信号に変換する。また、伝送路16bからの光入力の有無を判定し、ノード1bから送信される信号の入力断を検出する。トランスポンダ112a〜11naの構成はトランスポンダ111aと同様であり、説明を省略する。
【0014】
合波部12aは、トランスポンダ111a〜11naから出力された信号を合波して光多重信号を生成し、増幅部14aに出力する。分波部13aは増幅部15aから受信した光多重信号を分波してそれぞれトランスポンダ111a〜11naに出力する。増幅部14aは合波部12aから入力された光多重信号を増幅して伝送路16aに出力し、増幅部15aは伝送路16bから入力された光多重信号を増幅して分波部13aに出力する。ノード1bも同様の構成である。
【0015】
伝送路16aはノード1aからノード1b方向の光多重信号を伝送し、伝送路16bはノード1bからノード1a方向の光多重信号を伝送する。伝送路16a,16bは、光伝送路であり、例えば光ファイバにより構成されている。なお、ここでは、ノード1a,ノード1b間を異なる2つ伝送路を用いて接続した場合について示すが、1つの光ファイバを用いて双方向の通信を共有するような構成としてもよい。
【0016】
次に動作について説明する。
まず通常の通信動作について説明する。ノード1aに接続された端末(図1においては省略)において送信すべきデータが発生した場合、ノード1aはデータが発生した端末から電気信号であるデータ信号を受信する。ノード1aは、トランスポンダ111a内の送信機能部1111aにおいて、受信した電気信号を光信号に変換し、分散補償機能部11111aに出力する。分散補償機能部11111aでは、内部に格納された分散補償値に基づいて、分散補償を行って合波部12aに出力する。出力された光信号は、合波部12aで他のトランスポンダからの光信号とともに多重化され、増幅部14aにおいて増幅されたあと、伝送路16aを介してノード1bへ送信される。ノード1aから光信号を受信したノード1bは、増幅部15bにおいて光信号を増幅し、分波部13bにおいて分波した後、トランスポンダ111bに出力され、送信機能部1111bにより光信号から電気信号に変換され、データ信号の宛先に記載された端末(図1においては省略)に転送される。なお、ここでは、光信号に対して分散補償を行う構成について示すが、光信号に変換する前の電気信号に対して分散補償を行い、分散補償を行った電気信号を光信号に変換するようにしてもよい。
【0017】
光ファイバ割りいれ等により、通信装置間の光伝送路長等が変化した場合に、分散補償量を最適な値に調整する必要がある。本発明の実施の形態1に係る通信システムでは、この分散補償値の調整を通信装置間で自律的に行うよう制御する。以下、その分散補償制御動作について説明する。
【0018】
まず、分散補償制御の全体的な動作について図2および図3を参照して説明する。ここでは、各ノードのトランスポンダのうち、トランスポンダ111aとトランスポンダ111b間で通信を行うものとして、その動作をトランスポンダ111aとトランスポンダ111bとで分けて、それぞれ図3、図2を参照して説明する。また、ノード1a→ノード1bの通信に用いられる伝送路16aの光ファイバ交換を行うことにより、ノード1aにおいて分散補償値の調整を行うものとして説明する。
【0019】
トランスポンダ111bはトランスポンダ111aと通信を開始すると、トランスポンダ111aへ周期的に信号を送信し、トランスポンダ111aから周期的に信号を受信する(ステップS21)。トランスポンダ111bは、トランスポンダ111aとの通信を監視し、受信機能部1111bにおいて光信号入力断が検出された場合、対向のノード1aの調整が必要であることを検知する(ステップS22)。調整が必要であることを検知した場合は、トランスポンダ111bにおいて光信号の入力断が発生したこと、すなわち、分散補償値の調整が必要であることを対向のトランスポンダ111aに通知する(ステップS23)。調整が必要であることを通知されたトランスポンダ111aは、調整が必要であることを認識した旨の通知をトランスポンダ111bに送信する。この時、光伝送路16aが復旧している場合には、トランスポンダ111bにこの通知が届くこととなるが、復旧していない場合には届かない。光伝送路16aが復旧し、調整が必要であることを認識した旨の通知を、トランスポンダ111bが受信した場合、通常通信状態に戻るが、受信していない場合、トランスポンダ111aに調整が必要であることを通知し続ける(ステップS24)。
【0020】
一方、トランスポンダ111aは、トランスポンダ111bと通信を開始すると、信号をトランスポンダ111bへ周期的に送信し、トランスポンダ111bからの信号の周期的な受信を実施する(ステップS21)。トランスポンダ111bからトランスポンダ111aでの調整が必要である旨の通知を受信した場合(ステップS32)、光伝送路16aが復旧されているかを検知し、復旧されている場合は、復旧した伝送路に合わせて分散補償値を調整する(ステップS33)。調整終了後、トランスポンダ111aへ、トランスポンダ111bから調整が必要である旨の通知を受信したこと、すなわち、調整が必要であることを認識した旨を通知する(ステップS34)。ここで、通知を送る前に分散補償値の調整を行う構成としたが、これに限ったものではなく、この通知を行った後に分散補償値を調整するような構成としてもよい。
【0021】
以下に、図2および図3に記載の各ステップに対応する動作について詳細に説明する。ここでは、伝送路16aに光ファイバを割りいれる場合、すなわちノード1a→ノード1b方向の通信での分散補償値を調整する必要がある場合について説明する。
【0022】
まず、対向のトランスポンダの分散補償値の調整が必要であることを検知するための動作(図2中のステップS22)について、トランスポンダ111bの動作を例に説明する。ここでは、受信側のトランスポンダにおける光入力断の発生を検出することにより、対向のトランスポンダ(送信側のトランスポンダ)の分散補償値の調整が必要であることを検知するようにしている。対向のトランスポンダの分散補償値の調整が必要であることの検知は、たとえば、OTN(Optical Transport Network)に規定されている、Och-dLOS-P警報を検出することにより実施する。Och-dLOS-P警報は、自装置の光信号の入力断を検出したトランスポンダが生成する警報である。伝送路16aに光ファイバを割りいれる場合は、伝送路16aが一端切断され、トランスポンダ111bにおいてOch-dLOS-P警報が発生することなる。トランスポンダ111bはOch-dLOS-P警報が発生している間は光入力断状態であり、Och-dLOS-P警報が発生していない間は光入力がある状態と判断することができる。
【0023】
光ファイバ割りいれ作業が完了すると、受信機能部1112bは光入力の回復を検知する。この場合、伝送路16aの伝送路長が変化するため、伝送路16aの送信端にあるトランスポンダ1111aは分散補償機能部11111aの分散補償値を調整する必要がある。したがって、トランスポンダ111bは受信機能部1112bにおいて光入力断が発生し、Och-dLOS-P警報が発生すると、対向するトランスポンダ111aの分散補償機能部11111aの調整が必要であると判断する。なお、対向のトランスポンダの分散補償値の調整が必要であることの検知の方法は、上述の方法に限られるものではない。
【0024】
次に、対向のトランスポンダに分散補償値の調整が必要であることを通知する動作(図2中のステップS23)について、トランスポンダ111bの動作を例に図4を参照して説明する。ここでは、図5に示す信号フレーム3を用いて通知を行うものとして説明する。図5に示す信号フレーム3は、主信号領域30と制御信号領域31から構成されており、主信号領域30は通信内容の情報を格納した領域、制御信号領域31はトランスポート制御に用いる信号を格納した領域、調整必要情報領域311は、対向トランスポンダ111bの分散補償機能部11111bの分散補償値の調整が「必要」か「不要」かを示す領域、調整必要認識情報領域312は、トランスポンダ111aが分散補償機能部11111aの調整が必要であることを認識しているか否かを対向のトランスポンダ111bに通知する領域、その他の制御情報領域313は調整必要情報領域311、調整必要認識情報領域312が示す情報以外の制御情報を示す領域である。なお、ここでは、各領域の記載内容を「 」で表すものとし、例えば、調整必要情報領域311が「必要」、のように表記するものとする。
【0025】
トランスポンダ111bは、通常の通信状態にある場合は、信号フレーム3の調整必要情報領域311を「不要」にしてこの信号をトランスポンダ111aへ送信する(ステップS41)。また、トランスポンダ111bは、トランスポンダ111aとの通信状態を監視し、受信機能部1112bでの光入力断を検出する(ステップS42)。光ファイバ割りいれのために伝送路16aが切断されると、受信機能部1112bは光入力断を検出し、トランスポンダ111bは送信する信号フレーム3の調整必要情報領域311を「必要」にし(ステップS43)、伝送路16bを介してこの信号フレームを対向のトランスポンダ111aへ送信する。また、受信機能部1112bでの光入力が回復しているか否かを判定する(ステップS44)。
【0026】
光入力が回復している場合、トランスポンダ111bは、トランスポンダ111aから受信した信号フレーム3の調整必要認識情報領域312が「認識」であるか否かを判定する(ステップS45)。トランスポンダ111bでは、トランスポンダ111aから受信する信号フレーム3の調整必要認識情報領域312が、後述するように「認識」となるまで、送信信号フレーム3の調整必要情報領域311を「必要」にした状態で、トランスポンダ111aへ信号を送信し続ける。調整必要認識情報領域312が「認識」となった場合にだけ通常の通信状態へ移行し、送信信号フレーム3の調整必要情報領域311を「不要」にする。以上のように、トランスポンダ111bは、対向のトランスポンダ111aから、調整が必要であることを認識した旨の通知を受信するまで、トランスポンダ111aに調整が必要であることを通知し続ける構成となっている。なお、この通知は断続的なものであっても連続的なものであっても、本発明においては実質的な変わりはない。
【0027】
対向のトランスポンダへ、自トランスポンダの分散補償値調整が必要である旨を認識したことを通知する動作について、トランスポンダ111aの動作を例に図6を参照して説明する。トランスポンダ111aはトランスポンダ111bとの間で、通常の通信を実施中は、トランスポンダ111aは送信する信号フレーム3の調整必要認識情報領域312を「未」にして信号を送信し(ステップS61)、トランスポンダ111aから受信した信号フレーム3の調整必要情報領域311が「必要」であるか否かを判定する(ステップS62)。調整必要情報領域311が「必要」の場合は、トランスポンダ111aは送信する信号フレーム3の調整必要認識情報領域312を「認識」にし(ステップS63)、受信した信号フレーム3の調整必要情報領域311が「不要」か否かを判定する(ステップS64)。調整必要情報領域311が「不要」である場合は通常の通信状態へ移行し、送信する信号フレーム3の調整必要認識情報領域を「未」にする。以上のように、トランスポンダ111aは、トランスポンダ111bから分散補償値の調整が必要である旨の通知を受信した場合、その通知の内容を認識したことをトランスポンダ111bに通知する構成となっている。
【0028】
トランスポンダ111aにおける調整動作(図3中のステップS33)は、たとえば次のように実施する。トランスポンダ111aは分散補償機能部11111aの分散補償値を変更すると、対向のトランスポンダ111bは受信機能部1112bでの受信信号品質の測定結果を信号フレーム3のその他の制御情報領域313に挿入してトランスポンダ111aに通知する。トランスポンダ111aは分散補償機能部11111aの分散補償値をいくつか変更し、それぞれの場合における受信機能部1112bでの信号品質を比較して、最適な分散補償値を決定する。なお、分散補償値の調整の方法は、上述した方法に限ったものではない。
【0029】
実施の形態1に係る通信システムは、以上のような構成をしているため、伝送路の送信端ノードにある分散補償機能部の分散補償値を調整する必要が生じた際、調整が必要であることを送信端ノードのトランスポンダに、通信装置間の伝送路のみを用いて自律的に調整を開始することが可能となり、アウトオブバンドのネットワークが設置されていない場合でも、分散補償値の調整を制御することが可能となる。
【0030】
ここでは、通知する内容を信号フレームの制御信号領域に記載して送信することにより通知する構成について示したが、通知方法としてはこれに限ったものではない。例えば、各通知内容に対応する光出力をON/OFFのパターンを予め定めておき、その定められたパターンで自ノードの光出力をON/OFFして、対向ノードに通知する内容を伝達するようにしても良い。これにより、分散補償値の調整が行われていない、波形が崩れた状態で通知を行う場合にも対向ノードに通知することできる。
【0031】
また、OTNでは、受信信号の光入力断が発生している際に送信ノードに送り返す、OTU-aBDIという警報が規定されている。しかし当該警報は、受信端での光入力断のみならず、接続試験に用いるTTI(Trail Trace Indicator)値の誤設定時など、光ファイバの切断以外の場合にも発生してしまうため、対向ノードにおける光入力断の検出のために本警報を用いると不要な調整を実施する可能性がある。本発明のように、受信機能部1112bが検出した光入力断(Och-dLOS-P警報)によって、対向のトランスポンダ111aの分散補償機能部11111aの調整が必要であると判断し、その結果を、信号フレーム3の調整必要情報領域311に格納して、トランスポンダ111aに通知するので、分散補償部11111aは伝送路16aが切断された場合に調整を実施し、不要な調整を避けることが可能となる。
【0032】
ここでは、通信装置間の通信に用いる伝送路として光伝送路、特に、光ファイバアを用いた例について示したが、これに制限されるものではなく、例えば、同軸線路等を用いた場合であっても同様の効果が得られる。
【0033】
また、実施の形態1に係る通信システムでは、次のような効果も得られる。
2つの通信装置(ノード1a,1b)が、2つの伝送路16a,16bで接続される場合、伝送路16a,16bがそれぞれ切断、復旧する順番としては以下の(ア)〜(ウ)の3つのパターンが考えられ、各パターンについて図7〜9にその切断/復旧の順序を示すブロック図を示す。なお、ノード1aとノード1bは同様の通信装置であり、ここでは、伝送路16aが先に切断される場合について説明するが、伝送路16bから切断される場合であっても実質的に伝送路16aが先に切断される場合と変わらず、ここでは説明を省略する。
(ア)伝送路16aが切断→伝送路16aが復旧(図7)
(イ)伝送路16aが切断→伝送路16bが切断→伝送路16aが復旧→伝送路16bが復旧(図8)
(ウ)伝送路16aが切断→伝送路16bが切断→伝送路16bが復旧→伝送路16aが復旧(図9)
図7〜9では、説明の便宜上、各ノードで1つのトランスポンダのみを記載しており、他のトランスポンダについては省略している。また、図7〜9においては、各伝送路の切断・復旧および各ノード警報の発生を時系列で上から下の順に記載している。
【0034】
各パターンについて、本発明の実施の形態1に係る通信システムを適用せず、通信に用いるネットワークを用いて自律的に分散補償を制御するようにした場合の動作について説明する。
まず、図7に示す上記(ア)の場合について説明する。(ア)では、まず伝送路16aが切断され、光信号の入力の途絶えたノード1bのトランスポンダ(TPND)でOch-dLOS-P警報が発生し、伝送路16bを介して伝送路16aの切断が生じたことを通知する。これにより、ノード1aにおいて、OTU-dBDI警報が発生する。ここで、OTU-dBDI警報は、受信ノード(ノード1b)でOch-LOS-Pなどの警報を検出した際、警報が発生したことを受信ノードから送信ノードに通知し、その通知を受け取った送信ノードで発出する警報である。これにより、ノード1aでは、自ノードが分散補償値の調整が必要であることを認識することできる。一方、光伝送路16bでは切断が発生していないので、ノード1bでは分散補償値の調整は必要ではない。
【0035】
図8に示す上記(イ)の場合について説明する。この場合、まず、伝送路16aが切断され、上記(ア)の場合と同様にノード1bのトランスポンダにおいて、Och-dLOS-P警報が発生し、送信ノードに転送され、送信ノードで発出する警報(OTU-dBDI)が発生し、自ノードの分散補償値の調整が必要であることを認識できる。
【0036】
次に、伝送路16bが切断されることにより、ノード1aにおいてもOch-dLOS-P警報が発生する。この場合、伝送路16aは、切断された状態であるため、Och-dLOS-P警報が発生したことを、ノード1bに通知することはできない。次に、伝送路16aが復旧し、この時点でノード1aにおいてOch-dLOS-P警報は発生しているため、ノード1aの送信機能部からOch-dLOS-P警報が発生したことをノード1bに通知し、ノード1bでも自ノードの分散補償値を調整する必要があることを認識することができる。したがって、ノード1aおよびノード1bは、自ノードが分散補償値を調整する必要のあることを認識することができる。
【0037】
図9に示す上記(ウ)の場合について示す。この場合、(イ)の場合と同様に、伝送路16aが切断され、ノード1aは自ノードの分散補償値を調整する必要があることを認識することができる。また、伝送路16bが切断され、ノード1aでOch-dLOS-P警報が発生した場合、この場合、伝送路16aは、切断された状態であるため、Och-dLOS-P警報が発生したことを、ノード1bに通知することはできない。次に、伝送路16bが復旧し、続いて伝送路16aが復旧する。この場合、伝送路16bが先に復旧しているため、伝送路16aの復旧時ではノード1aにおいてOch-dLOS-P警報は発生していないため、ノード1bに対しては、伝送路16bの切断したことの通知が行われず、ノード1bでは、実際には切断が発生しているためノード1bにおける分散補償値の調整が必要となるが、ノード1bでは認識ができない。したがって、ノード1aでは自ノードの分散補償値を調整する必要があることを認識することができるのに対して、ノード1bでは、自ノードの分散補償値を調整する必要があるが、それを認識できないという問題が生じる。
【0038】
本発明の実施の形態1に係る通信システムでは、トランスポンダ111aが分散補償機能部11111aにおける調整の必要性を認識し、送信する信号フレーム3の調整必要認識情報領域312を「認識」に変更するまで、トランスポンダ111bはトランスポンダ111aに調整必要であることを通知し続けるので、図9に示す上記(ウ)の場合のように、伝送路16aの切断中に伝送路16bの切断および復旧された場合でも、トランスポンダ111bは分散補償機能部1111bの調整が必要であることを知ることができる。したがって、実施の形態1に係る通信装置では、図9に示す上記(ウ)のような場合であっても、各ノードが分散補償値の調整が必要であることを通知および認識することでき、より適切に分散補償値調整の制御を行うことができるという効果が得られる。
【0039】
実施の形態2.
実施の形態1では、2つのノードが接続され、1つのトランスポンダの送信機能部と受信機能部が、対向する光ファイバ伝送路の送信側と受信側に接続される場合について示したが、実施の形態2では、3つのノードが接続され、1つのトランスポンダの送信機能部と受信機能部が同方向の光ファイバ伝送路に接続される場合について示す。
【0040】
図10に、実施の形態2に係る通信システムの構成図を示す。図10において、ノード1aおよびノード1bは図1と同様のノードであり説明を省略する。ノード6は、トランスポンダ611a〜61na、611b〜61nb、増幅部62a、62b、66a、66b、分波部63a、63b、合波部64a、64b、通信路681a〜68na、681b〜68nbから構成されており、増幅部62aは伝送路66aから入力された光多重信号を増幅して分波部63aに出力する。分波部63aは増幅部62aから入力された光多重信号を分波してトランスポンダ611a〜61naに入力する。増幅部62b、分波部63bについても同様である。ノード6は、ノード1aからノード1bへ送信される信号の中継を行うものであり、以下で、適宜、中継ノードと呼ぶこととする。
【0041】
トランスポンダ611aは分波部63aから受信した光信号を電気信号に変換し、電気信号を3R(Re-amplification:増幅、Re-timing:タイミング再生、Re-shaping:波形整形)再生した後に再度光信号に変換して合波部64aへ出力する。すなわち、受信機能部6112aは分波部63aから入力された光信号を電気信号に変換して3R再生した後に送信機能部6111aへ送信する。また、増幅部62aおよび分波部63aを経由した伝送路66aからの光入力の有無を判定し、制御信号71を、通信路681aを経由してトランスポンダ611bの送信機能部6111bに送信する。送信機能部6111aは、受信機能部6112aから受信した電気信号を光信号に変換して合波部64aに出力する。分散補償機能部61111aは、可変の分散補償値が格納されており、この分散補償値に基づいて伝送路67aにおいて生じる波長分散をキャンセルするような信号を生成する。通信路681aはトランスポンダ611aの受信機能部6112a制御信号71をトランスポンダ611bの送信機能部6111bへ送信する際に用いる。他のトランスポンダ612a〜61na,611b〜61nbについても同様である。
【0042】
図10に示す構成において、中継ノード内に格納され、通信の方向が対向するトランスポンダ611aとトランスポンダ611bは「ペア」のトランスポンダと呼ぶものとする。トランスポンダ612a〜61na、612b〜61nbについても同様である。
【0043】
合波部64aは、トランスポンダ611a〜61naから入力された光信号を多重した光多重信号を増幅部66aへ出力し、増幅部65aは、合波部64aから入力された光多重信号を増幅する。合波部64b、増幅部65bについても同様である。伝送路66aはトランスポンダ111aからトランスポンダ611aへ光信号を伝送させ、伝送路67aはトランスポンダ611aからトランスポンダ111bへ光信号を伝送させる。また、同様に、伝送路66bはトランスポンダ111bからトランスポンダ611aへ光信号を伝送させ、伝送路6baはトランスポンダ611aからトランスポンダ111aへ光信号を伝送させる。
【0044】
図11は、トランスポンダ611aの受信機能部6112aがトランスポンダ111aから受信した制御信号31と受信機能部6112aで検出した光入力断の情報をトランスポンダ611bに送信する際に用いる制御信号フレームフォーマットである。トランスポンダ611bの受信機能部6112bも同様に、この制御信号フレームフォーマットを用いてトランスポンダ111bから受信した制御信号31と受信機能部6112bで検出した光入力断の情報をトランスポンダ611aに転送する。トランスポンダ612a〜61na、611b〜61nbも同様の制御信号71を用いてペアとなるトランスポンダとの情報のやりとりを行う。
【0045】
図11において、制御信号71はトランスポート制御に用いる信号である。調整必要情報領域711は、転送先のトランスポンダ611bの分散補償機能部61111bの分散補償値の調整が「必要」か「不要」かを示す領域、調整必要認識情報領域712は、対向のトランスポンダ111aが、分散補償機能部11111aの分散補償値の調整が必要であることを通知され、その旨を認識しているか否かを通知する領域、光入力断検出情報領域713は、トランスポンダ611aの受信機能部6112aにおいて光入力断を検出しているか否かを示す領域、その他の制御情報領域714は調整必要情報領域711、調整必要認識情報領域721が示す情報以外の制御情報を示す領域である。
【0046】
動作について説明する。
まず通常の通信動作について説明する。ノード1aに接続された端末(図10においては省略)において送信すべきデータが発生し、ノード1aはデータが発生した端末から電気信号であるデータ信号を受信する。ノード1aは、トランスポンダ111a内の送信機能部1111aにおいて、受信した電気信号を光信号に変換し、分散補償機能部11111aに出力する。分散補償機能部11111aでは、内部に格納された分散補償値に基づいて、分散補償を行って合波部12aに出力する。出力された光信号は、合波部12aで他のトランスポンダからの光信号とともに多重化され、増幅部14aにおいて増幅されたあと、伝送路66aを介してノード6へ送信される。なお、ここでは、光信号に対して分散補償を行う構成について示すが、光信号に変換する前の電気信号に対して分散補償を行い、分散補償を行った電気信号を光信号に変換するようにしてもよい。
【0047】
ノード1aから光信号を受信したノード6は、増幅部62aにおいて光信号を増幅し、分波部63aにおいて分波した後、トランスポンダ611aに出力される。トランスポンダ611a内の受信機能部6111aにおいて、電気信号への変換および3R再生が行われ、送信機能部6111aにおいて再度光信号に変換された後、分散補償機能部61111aにより分散補償処理が行われ、合波部64aへ出力される。出力された光信号は、合波部64bで他のトランスポンダからの光信号とともに多重化され、増幅部14aにおいて増幅されたあと、伝送路67aを介してノード1bへ送信される。ノード1aから光信号を受信したノード1bは、増幅部15bにおいて光信号を増幅し、分波部13bにおいて分波した後、トランスポンダ111bに出力され、送信機能部1111bにより光信号から電気信号に変換され、データ信号の宛先に記載された端末(図10においては省略)に転送される。
【0048】
次に、分散補償制御の全体的な動作について説明する。ここでは、伝送路66aに光ファイバを割りいれる場合と、伝送路67aに光ファイバを割りいれる場合とに分けて説明を行う。
【0049】
まず、伝送路66aに光ファイバを割りいれる場合について説明する。この場合、ノード1aのトランスポンダ111aの動作は、実施の形態1に示す場合と同様であり、図3に示すとおりである。また、ノード6についても、実施の形態1に示すノード1bと場合と同様の動作を行い、図2に示すとおりである。
以下に、実施の形態2に係る通信システムおける、図3および図2に記載の各ステップに対応する動作について詳細に説明する。
【0050】
対向のトランスポンダの分散補償値の調整が必要であることを検知する動作について、トランスポンダ611aの動作を例に説明する。伝送路66aに光ファイバを割りいれる場合は、伝送路66aが切断される。このとき受信機能部6112aにおいて光入力断を検出し、トランスポンダ611aにおいてOch-dLOS-P警報が発生する。光ファイバ割りいれ作業が完了すると、受信機能部6112aにおける光入力が回復し、Och-dLOS-P警報は発生しなくなる。この場合、伝送路66aの伝送路長が変化するため、伝送路66aの送信端にあるトランスポンダ111aは分散補償機能部11111aの分散補償値を調整する必要がある。したがって、トランスポンダ611aは、実施の形態1に示す場合と同様に受信機能部6112aにおいて光入力断が発生し、Och-dLOS-P警報が発生すると、トランスポンダ111aの分散補償機能部11111aの調整が必要であると判断する。調整が必要であると判断した場合、光入力断検出情報領域713を「発生」にして、制御信号71をトランスポンダ611bへ送信する。
【0051】
次に、対向のトランスポンダに分散補償値の調整が必要であることを通知する動作について、トランスポンダ611bの動作を例に図12を参照して説明する。トランスポンダ611bは、通常の通信状態では、調整必要情報領域311を「不要」にして信号フレーム3をトランスポンダ111aに送信する(ステップS121)。また、トランスポンダ611aの受信機能部6112aから受信した制御信号71の光入力断検出情報領域713が「発生」か否かを判定する(ステップS122)。受信機能部6112aにおいて光入力断を検出し、制御信号71の光入力断検出情報領域713が「発生」となっている場合は、トランスポンダ611bは調整必要情報領域311を「必要」にして、信号フレーム3をトランスポンダ111aに送信する(ステップS123)。
【0052】
トランスポンダ611bは、トランスポンダ611aの受信機能部6112aから受信した制御信号71の調整必要認識情報領域712が「認識」か否かを判定する(ステップS124)。トランスポンダ611aが、後述のようにトランスポンダ111aから、分散補償値調整が必要である旨を認識した旨の通知を受信せず、調整必要認識情報領域712が「未」の場合は、トランスポンダ611bは、調整必要情報領域311を「必要」にした状態で、信号フレーム3をトランスポンダ111aに送信し続ける。調整必要認識情報領域712が「認識」となった場合には、通常の通信状態に移行する。以上のように、トランスポンダ611bは、トランスポンダ111aから分散補償値の調整が必要である旨の通知を受信した場合、その通知の内容を認識したことをトランスポンダ111aに通知する構成となっている。
【0053】
トランスポンダ111aにおける自トランスポンダの分散補償値調整が必要である旨を認識したことを通知する動作および調整動作については、実施の形態1と同様であり説明を省略する。
【0054】
次に、伝送路67aに光ファイバを割りいれる場合について説明する。この場合、ノード1bのトランスポンダ111bの動作は、実施の形態1に示すノード1bと同様であり、図2に示すとおりである。また、ノード6についても、実施の形態1に示すノード1aと場合と同様の動作を行い、図3に示すとおりである。
以下に、実施の形態2に係る通信システムにおける、図2および図3に記載の各ステップに対応する動作について詳細に説明する。
【0055】
トランスポンダ111bが、対向のトランスポンダ(トランスポンダ611b)の分散補償値の調整が必要であることを検知するための動作および分散補償値の調整が必要であることをトランスポンダ611bに通知する動作は、実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
【0056】
対向のトランスポンダへペアとなるトランスポンダが、分散補償値調整が必要である旨を認識したことを通知する動作について、トランスポンダ611aの動作を例に図13を参照して説明する。トランスポンダ611aの送信機能部6111aは、通常の通信状態では、調整必要認識情報領域312を「未」にして、トランスポンダ111bへ信号フレーム3を送信する(ステップS131)。また、受信機能部6112bから受信した制御信号71の調整必要情報領域711が「必要」か否かを判定する(ステップS132)。トランスポンダ111bから、自ノードの分散補償値の調整が必要であることを通知されて調整必要情報領域711が「必要」となっている場合、トランスポンダ611aの送信機能部6111aは、内部に格納された分散補償値の調整を実施した後、調整必要認識情報領域312を「認識」にし信号フレーム3を送信し(ステップS133)、トランスポンダ611bの受信機能部6112bから受信した制御信号71の調整必要情報領域711が「不要」となった場合、通常通信状態に移行する(ステップS134)。
【0057】
トランスポンダ611aにおける調整動作は、実施の形態1に示すトランスポンダ111aと同様であり、説明を省略する。
【0058】
実施の形態2に係る通信システムは、ノード6におけるペアとなるトランスポンダ間で制御信号のやりとりを行う点で、実施の形態1に係る通信システムとは異なる。ここでは、この制御信号のやりとりに関して、対向のトランスポンダから受信した信号フレーム3の調整必要情報領域311および調整必要認識情報領域312の情報を、ペアのトランスポンダに転送する動作について、トランスポンダ611aの動作を例に図14を参照して説明する。
【0059】
トランスポンダ611aの受信機能部6112aは、通常の通信状態では、調整必要情報領域711を「不要」にし(ステップS141)、また、調整必要認識情報領域712を「未」にしてトランスポンダ611bに制御信号71を送信する(ステップS142)。また、トランスポンダ611aの受信機能部6112aは、受信した信号フレーム3の調整必要情報領域311が「必要」か否かを判定し(ステップS143)、「不要」の場合はトランスポンダ611aの受信機能部6112aは送信する制御信号71の調整必要情報領域711を「不要」にする(ステップS144)。また、調整必要情報領域311が「必要」の場合は、トランスポンダ611aの受信機能部6112aは送信する制御信号71の調整必要情報領域711を「必要」にする(ステップS145)。
【0060】
トランスポンダ611aの受信機能部6112aは、受信した信号フレーム3の調整必要認識情報町域312が「認識」か否かを判定し(ステップS146)、「未」であればトランスポンダ611aの受信機能部6112aは送信する制御信号71の調整必要認識情報町域712を「未」にする(ステップS147)。また、調整必要認識情報町域312が「認識」であればトランスポンダ611aの受信機能部6112aは送信する制御信号71の調整必要認識情報領域711を「認識」にする(ステップS148)。
【0061】
また、送信する制御信号71の光入力断検出情報領域713の変更処理について、トランスポンダ611aの動作を例に、図15を参照して説明する。
【0062】
トランスポンダ611aの受信機能部6112aは、通常の通信状態では、送信する制御信号71の光入力断検出情報領域713を「未」にする(ステップS151)。トランスポンダ611aの受信機能部6112aは受信する光入力断が発生しているか否かを判定し(ステップS152)、光入力断が発生した場合はトランスポンダ611aの受信機能部6112aは送信する制御信号71の光入力断検出情報領域713を「検出」にする(ステップS153)。また、トランスポンダ611aの受信機能部6112aは受信する光入力が回復しているか否かを判定し(ステップS154)、回復している場合は通常の通信状態へ移行する。
トランスポンダ612a〜61na、611b〜61nbも同様に動作する。
【0063】
トランスポンダ611a、611bの対向トランスポンダが、トランスポンダ1aまたはトランスポンダ1bの場合について説明したが、本方式は、対向のトランスポンダが、トランスポンダ611aと同様の構成のトランスポンダの場合でも適用される。
【0064】
実施の形態2に係る通信システムは、以上のような構成をしているため、実施の形態1の場合と同様に、通信装置間の通信に用いるネットワークのみを用いて補償量調整の制御を行うことができる。また、中継ノード内のペアとなるトランスポンダ間で制御信号のやり取りを行うことにより、中継ノードを介して通信を行うような場合においても、適切に補償量調整の制御を行うことができる。
【符号の説明】
【0065】
1a,1b ノード、3 信号フレーム、6 ノード、12a,12b 合波部、13a,13b 分波部、14a,14b 増幅部、15a,15b 増幅部、16a,16b 伝送路、30 主信号領域、31 制御信号領域、62a,62b 合波部、63a,63b 分波部、64a,64b 増幅部、65a,65b 増幅部、66a,66b 伝送路、67a,67b 伝送路、681a〜68na,681b〜68nb 通信路、311 調整必要情報領域、312 調整必要認識情報領域、313 その他の制御情報領域、111a〜11na,111b〜11nb トランスポンダ、1111a〜11n1a,1111b〜11n1b 送信機能部、1112a〜11n2a,1111b〜11n2b 受信機能部、11111a〜11n11a,11111b〜11n11b 分散補償機能部、611a〜61na,611b〜61nb トランスポンダ、6111a〜61n1a,6111b〜61n1b 送信機能部、6112a〜61n2a,6111b〜61n2b 受信機能部、61111a〜61n11a,61111b〜61n11b 分散補償機能部
【技術分野】
【0001】
この発明は、補償動作を行って信号の送受信を行う通信システム、その通信システムに適用可能な通信装置および通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信装置間の伝送路の状態に応じて、送信する信号の補償を行って通信を行う通信システムがある。例えば、光ファイバを用いた通信システムにおいては、光ファイバが有する波長分散による信号波形の歪みが生じることとなり、効率よく通信を行うためには、この信号波形の歪みをキャンセルするよう分散補償を行う必要がある。以下では、説明の便宜上、光通信システムを例にとり説明を行う。光通信システムにおける分散補償方式の一つとして、伝送路の送信端の光伝送装置において可変分散補償を実施する方式がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
波長分散は光ファイバ長に比例して変化する物理量である。特に、近年の40Gb/s以上の高速光ファイバ通信システムでは、ファイバ割りいれなどによるわずかな分散量の変化によっても波形が容易に歪み、通信品質が劣化してしまう。このため、敷設箇所での工事による光ファイバ伝送路の迂回や、光ファイバ伝送路の故障修理などによって、光パスが通過する光ファイバ長が変化した場合に、分散補償量を最適な値に調整する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−34830号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、光ファイバ伝送路の送信端において波長分散補償を実施する光伝送装置の従来の波長分散補償制御方式は、アウトオブバンドのネットワークを介してオペレータが調整開始を光伝送装置に指示していたために、アウトオブバンドのネットワークと光伝送装置間の通信が切断している場合やアウトオブバンドのネットワークが設置されていない場合などに調整を制御できないという問題があった。ここで、アウトオブバンドのネットワークとは、管理専用に用意したネットワークのことであり、通常、オペレータがこのネットワークを用いて各通信装置の故障等の管理を行う。また、WDM(Wavelength Division Multiplexing)システムにおいては、オペレータが光パス単位で操作を行うため、1本の伝送路を多数の光パスが通過している場合、オペレータに負荷がかかっていた。オペレータが操作ミスし、運用中の光パスに対して調整実施を指示した場合に、運用中のパスの信号品質に影響を及ぼす恐れがあった。
【0006】
この発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、信号の補償動作における補償量を調整する必要が生じた場合に、アウトオブバンドのネットワーク等の管理用ネットワークを用いず、通信装置間で調整を制御する手段の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る通信システムは、第1および第2の伝送路を介して互いに接続された第1の通信装置と第2の通信装置を備え、第1の通信装置は、第2の伝送路を介して第2の通信装置からの信号を受信し、第2の通信装置は、第1の伝送路を介して、第1の通信装置からの信号を受信するとともに、第2の通信装置からの信号の、第1の通信装置における受信状態に応じて補償動作を行うよう構成された通信システムにおいて、第1の通信装置は、第2の通信装置から第1の通信装置への信号の入力断を検出する入力断検出手段と、入力断検出手段により入力断が検出された場合に、入力断を検出した旨の通知(以下、第1の通知と記す)を、第2の通信装置に対して送信する第1の通知送信手段と、を備え、第2の通信装置は、第1の通知を第1の伝送路を介して受信した場合、第1の通知を受信した旨の通知(以下、第2の通知)を、第1の通信装置に通知する第2の通知送信手段、を備え、第1の通知送信手段は、第1の通信装置が第2の通知を第2の伝送路を介して受信するまで、第2の通信装置に第1の通知を送信する。
【0008】
また、この発明に係る通信装置は、第1および第2の伝送路を介して接続された対向通信装置からの信号の入力断を検出する入力断検出手段と、入力断検出手段により入力断が検出された場合に、入力断の検出に関する通知(以下、第1の通知とする)を、第2の通信装置に送信する第1の通知送信手段と、を備え、第1の通知送信手段は、対向通信装置が第1の通知を第1の伝送路を介して受信した場合に、送信する第1の通知の受信に関する通知を、第2の伝送路を介して受信するまで、第1の通知の送信を実行する。
【0009】
また、この発明に係る通信制御方法は、第1および第2の伝送路を介して互いに接続された第1の通信装置と第2の通信装置を備え、第1の通信装置は、第2の伝送路を介して第2の通信装置からの信号を受信し、第2の通信装置は、第1の伝送路を介して第1の通信装置からの信号を受信するとともに、第2の通信装置からの信号の、第1の通信装置における受信状態に応じて補償動作を行うように構成された通信システムに適用可能な通信制御方法において、第2の通信装置から第1の通信装置への信号の入力断を検出する入力断検出ステップと、入力断検出ステップにおいて信号の入力断が検出された場合、入力断を検出した旨の通知(以下、第1の通知とする)を、第2の通信装置に送信する第1の通知送信ステップと、第1の通知を第2の通信装置が第1の伝送路を介して受信した場合、第1の通知を受信した旨の通知(以下、第2の通知とする)を第1の通信装置に送信する第2の通知送信ステップと、を備え、第1の通知送信ステップにおいて、第2の通知を第2の伝送路を介して受信するまで、第2の通知装置へ第1通知の送信が実行される。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、信号の補償動作における補償量を調整する必要が生じた場合に、通信装置間の通信に用いるネットワークを用いて補償量調整の制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1に係る通信システムの構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1に示すトランスポンダの動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態1に示すトランスポンダの動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1に示すトランスポンダの動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態1に示す通信システムにおいて使用する信号フレームの構成図である。
【図6】本発明の実施の形態1に示すトランスポンダの動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態1に示す伝送路の切断/復旧の順序を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態1に示す伝送路の切断/復旧の順序を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態1に示す伝送路の切断/復旧の順序を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る通信システムの構成図である。
【図11】本発明の実施の形態2に示す通信システムにおいて使用する信号フレームの構成図である。
【図12】本発明の実施の形態2に示すトランスポンダの動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態2に示すトランスポンダの動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態2に示すトランスポンダの動作を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施の形態2に示すトランスポンダの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
本発明を適用した通信システムについて、光通信システムを例にとり説明する。図1に、この発明の実施の形態1に係る通信システムの構成図を示す。ここでは、2つの通信装置(ノード)がそれぞれ2つの光伝送路により接続されている場合について示す。なお、3つ以上のノードが接続されている場合にも当然に本発明を適用することができる。図1においては省略しているが、各ノードにはそれぞれ端末等が接続されており、異なるノードに接続された端末間の通信を、各ノードおよび光伝送路を介して行う。図1において、ノード1aはn個(nは正の整数)のトランスポンダ111a、112a、...、11naと合波部12a、分波部13a、増幅部14a,15aから構成されており、トランスポンダ111aは自ノードが送信端となる伝送路16aを介して他方のトランスポンダ111bに光信号を送信し、自ノードが受信端となる伝送路16bを介して他方のトランスポンダ111bから光信号を受信する。トランスポンダ111aは、送信機能部1111a、受信機能部1112aを備えており、送信機能部1111aは、分散補償機能部11111aを備えている。
【0013】
送信機能部1111aはノード1aに接続された端末から受信したデータ信号(電気信号)を光信号に変換して出力し、この光信号に基づいて分散補償機能部11111aは、内部に記憶された可変の分散補償値を用いて分散補償、すなわち、伝送路16aにおいて生じる波長分散をキャンセルするような波形の信号を形成する。受信機能部1112aは伝送路16bを経由して受信した光信号を電気信号に変換する。また、伝送路16bからの光入力の有無を判定し、ノード1bから送信される信号の入力断を検出する。トランスポンダ112a〜11naの構成はトランスポンダ111aと同様であり、説明を省略する。
【0014】
合波部12aは、トランスポンダ111a〜11naから出力された信号を合波して光多重信号を生成し、増幅部14aに出力する。分波部13aは増幅部15aから受信した光多重信号を分波してそれぞれトランスポンダ111a〜11naに出力する。増幅部14aは合波部12aから入力された光多重信号を増幅して伝送路16aに出力し、増幅部15aは伝送路16bから入力された光多重信号を増幅して分波部13aに出力する。ノード1bも同様の構成である。
【0015】
伝送路16aはノード1aからノード1b方向の光多重信号を伝送し、伝送路16bはノード1bからノード1a方向の光多重信号を伝送する。伝送路16a,16bは、光伝送路であり、例えば光ファイバにより構成されている。なお、ここでは、ノード1a,ノード1b間を異なる2つ伝送路を用いて接続した場合について示すが、1つの光ファイバを用いて双方向の通信を共有するような構成としてもよい。
【0016】
次に動作について説明する。
まず通常の通信動作について説明する。ノード1aに接続された端末(図1においては省略)において送信すべきデータが発生した場合、ノード1aはデータが発生した端末から電気信号であるデータ信号を受信する。ノード1aは、トランスポンダ111a内の送信機能部1111aにおいて、受信した電気信号を光信号に変換し、分散補償機能部11111aに出力する。分散補償機能部11111aでは、内部に格納された分散補償値に基づいて、分散補償を行って合波部12aに出力する。出力された光信号は、合波部12aで他のトランスポンダからの光信号とともに多重化され、増幅部14aにおいて増幅されたあと、伝送路16aを介してノード1bへ送信される。ノード1aから光信号を受信したノード1bは、増幅部15bにおいて光信号を増幅し、分波部13bにおいて分波した後、トランスポンダ111bに出力され、送信機能部1111bにより光信号から電気信号に変換され、データ信号の宛先に記載された端末(図1においては省略)に転送される。なお、ここでは、光信号に対して分散補償を行う構成について示すが、光信号に変換する前の電気信号に対して分散補償を行い、分散補償を行った電気信号を光信号に変換するようにしてもよい。
【0017】
光ファイバ割りいれ等により、通信装置間の光伝送路長等が変化した場合に、分散補償量を最適な値に調整する必要がある。本発明の実施の形態1に係る通信システムでは、この分散補償値の調整を通信装置間で自律的に行うよう制御する。以下、その分散補償制御動作について説明する。
【0018】
まず、分散補償制御の全体的な動作について図2および図3を参照して説明する。ここでは、各ノードのトランスポンダのうち、トランスポンダ111aとトランスポンダ111b間で通信を行うものとして、その動作をトランスポンダ111aとトランスポンダ111bとで分けて、それぞれ図3、図2を参照して説明する。また、ノード1a→ノード1bの通信に用いられる伝送路16aの光ファイバ交換を行うことにより、ノード1aにおいて分散補償値の調整を行うものとして説明する。
【0019】
トランスポンダ111bはトランスポンダ111aと通信を開始すると、トランスポンダ111aへ周期的に信号を送信し、トランスポンダ111aから周期的に信号を受信する(ステップS21)。トランスポンダ111bは、トランスポンダ111aとの通信を監視し、受信機能部1111bにおいて光信号入力断が検出された場合、対向のノード1aの調整が必要であることを検知する(ステップS22)。調整が必要であることを検知した場合は、トランスポンダ111bにおいて光信号の入力断が発生したこと、すなわち、分散補償値の調整が必要であることを対向のトランスポンダ111aに通知する(ステップS23)。調整が必要であることを通知されたトランスポンダ111aは、調整が必要であることを認識した旨の通知をトランスポンダ111bに送信する。この時、光伝送路16aが復旧している場合には、トランスポンダ111bにこの通知が届くこととなるが、復旧していない場合には届かない。光伝送路16aが復旧し、調整が必要であることを認識した旨の通知を、トランスポンダ111bが受信した場合、通常通信状態に戻るが、受信していない場合、トランスポンダ111aに調整が必要であることを通知し続ける(ステップS24)。
【0020】
一方、トランスポンダ111aは、トランスポンダ111bと通信を開始すると、信号をトランスポンダ111bへ周期的に送信し、トランスポンダ111bからの信号の周期的な受信を実施する(ステップS21)。トランスポンダ111bからトランスポンダ111aでの調整が必要である旨の通知を受信した場合(ステップS32)、光伝送路16aが復旧されているかを検知し、復旧されている場合は、復旧した伝送路に合わせて分散補償値を調整する(ステップS33)。調整終了後、トランスポンダ111aへ、トランスポンダ111bから調整が必要である旨の通知を受信したこと、すなわち、調整が必要であることを認識した旨を通知する(ステップS34)。ここで、通知を送る前に分散補償値の調整を行う構成としたが、これに限ったものではなく、この通知を行った後に分散補償値を調整するような構成としてもよい。
【0021】
以下に、図2および図3に記載の各ステップに対応する動作について詳細に説明する。ここでは、伝送路16aに光ファイバを割りいれる場合、すなわちノード1a→ノード1b方向の通信での分散補償値を調整する必要がある場合について説明する。
【0022】
まず、対向のトランスポンダの分散補償値の調整が必要であることを検知するための動作(図2中のステップS22)について、トランスポンダ111bの動作を例に説明する。ここでは、受信側のトランスポンダにおける光入力断の発生を検出することにより、対向のトランスポンダ(送信側のトランスポンダ)の分散補償値の調整が必要であることを検知するようにしている。対向のトランスポンダの分散補償値の調整が必要であることの検知は、たとえば、OTN(Optical Transport Network)に規定されている、Och-dLOS-P警報を検出することにより実施する。Och-dLOS-P警報は、自装置の光信号の入力断を検出したトランスポンダが生成する警報である。伝送路16aに光ファイバを割りいれる場合は、伝送路16aが一端切断され、トランスポンダ111bにおいてOch-dLOS-P警報が発生することなる。トランスポンダ111bはOch-dLOS-P警報が発生している間は光入力断状態であり、Och-dLOS-P警報が発生していない間は光入力がある状態と判断することができる。
【0023】
光ファイバ割りいれ作業が完了すると、受信機能部1112bは光入力の回復を検知する。この場合、伝送路16aの伝送路長が変化するため、伝送路16aの送信端にあるトランスポンダ1111aは分散補償機能部11111aの分散補償値を調整する必要がある。したがって、トランスポンダ111bは受信機能部1112bにおいて光入力断が発生し、Och-dLOS-P警報が発生すると、対向するトランスポンダ111aの分散補償機能部11111aの調整が必要であると判断する。なお、対向のトランスポンダの分散補償値の調整が必要であることの検知の方法は、上述の方法に限られるものではない。
【0024】
次に、対向のトランスポンダに分散補償値の調整が必要であることを通知する動作(図2中のステップS23)について、トランスポンダ111bの動作を例に図4を参照して説明する。ここでは、図5に示す信号フレーム3を用いて通知を行うものとして説明する。図5に示す信号フレーム3は、主信号領域30と制御信号領域31から構成されており、主信号領域30は通信内容の情報を格納した領域、制御信号領域31はトランスポート制御に用いる信号を格納した領域、調整必要情報領域311は、対向トランスポンダ111bの分散補償機能部11111bの分散補償値の調整が「必要」か「不要」かを示す領域、調整必要認識情報領域312は、トランスポンダ111aが分散補償機能部11111aの調整が必要であることを認識しているか否かを対向のトランスポンダ111bに通知する領域、その他の制御情報領域313は調整必要情報領域311、調整必要認識情報領域312が示す情報以外の制御情報を示す領域である。なお、ここでは、各領域の記載内容を「 」で表すものとし、例えば、調整必要情報領域311が「必要」、のように表記するものとする。
【0025】
トランスポンダ111bは、通常の通信状態にある場合は、信号フレーム3の調整必要情報領域311を「不要」にしてこの信号をトランスポンダ111aへ送信する(ステップS41)。また、トランスポンダ111bは、トランスポンダ111aとの通信状態を監視し、受信機能部1112bでの光入力断を検出する(ステップS42)。光ファイバ割りいれのために伝送路16aが切断されると、受信機能部1112bは光入力断を検出し、トランスポンダ111bは送信する信号フレーム3の調整必要情報領域311を「必要」にし(ステップS43)、伝送路16bを介してこの信号フレームを対向のトランスポンダ111aへ送信する。また、受信機能部1112bでの光入力が回復しているか否かを判定する(ステップS44)。
【0026】
光入力が回復している場合、トランスポンダ111bは、トランスポンダ111aから受信した信号フレーム3の調整必要認識情報領域312が「認識」であるか否かを判定する(ステップS45)。トランスポンダ111bでは、トランスポンダ111aから受信する信号フレーム3の調整必要認識情報領域312が、後述するように「認識」となるまで、送信信号フレーム3の調整必要情報領域311を「必要」にした状態で、トランスポンダ111aへ信号を送信し続ける。調整必要認識情報領域312が「認識」となった場合にだけ通常の通信状態へ移行し、送信信号フレーム3の調整必要情報領域311を「不要」にする。以上のように、トランスポンダ111bは、対向のトランスポンダ111aから、調整が必要であることを認識した旨の通知を受信するまで、トランスポンダ111aに調整が必要であることを通知し続ける構成となっている。なお、この通知は断続的なものであっても連続的なものであっても、本発明においては実質的な変わりはない。
【0027】
対向のトランスポンダへ、自トランスポンダの分散補償値調整が必要である旨を認識したことを通知する動作について、トランスポンダ111aの動作を例に図6を参照して説明する。トランスポンダ111aはトランスポンダ111bとの間で、通常の通信を実施中は、トランスポンダ111aは送信する信号フレーム3の調整必要認識情報領域312を「未」にして信号を送信し(ステップS61)、トランスポンダ111aから受信した信号フレーム3の調整必要情報領域311が「必要」であるか否かを判定する(ステップS62)。調整必要情報領域311が「必要」の場合は、トランスポンダ111aは送信する信号フレーム3の調整必要認識情報領域312を「認識」にし(ステップS63)、受信した信号フレーム3の調整必要情報領域311が「不要」か否かを判定する(ステップS64)。調整必要情報領域311が「不要」である場合は通常の通信状態へ移行し、送信する信号フレーム3の調整必要認識情報領域を「未」にする。以上のように、トランスポンダ111aは、トランスポンダ111bから分散補償値の調整が必要である旨の通知を受信した場合、その通知の内容を認識したことをトランスポンダ111bに通知する構成となっている。
【0028】
トランスポンダ111aにおける調整動作(図3中のステップS33)は、たとえば次のように実施する。トランスポンダ111aは分散補償機能部11111aの分散補償値を変更すると、対向のトランスポンダ111bは受信機能部1112bでの受信信号品質の測定結果を信号フレーム3のその他の制御情報領域313に挿入してトランスポンダ111aに通知する。トランスポンダ111aは分散補償機能部11111aの分散補償値をいくつか変更し、それぞれの場合における受信機能部1112bでの信号品質を比較して、最適な分散補償値を決定する。なお、分散補償値の調整の方法は、上述した方法に限ったものではない。
【0029】
実施の形態1に係る通信システムは、以上のような構成をしているため、伝送路の送信端ノードにある分散補償機能部の分散補償値を調整する必要が生じた際、調整が必要であることを送信端ノードのトランスポンダに、通信装置間の伝送路のみを用いて自律的に調整を開始することが可能となり、アウトオブバンドのネットワークが設置されていない場合でも、分散補償値の調整を制御することが可能となる。
【0030】
ここでは、通知する内容を信号フレームの制御信号領域に記載して送信することにより通知する構成について示したが、通知方法としてはこれに限ったものではない。例えば、各通知内容に対応する光出力をON/OFFのパターンを予め定めておき、その定められたパターンで自ノードの光出力をON/OFFして、対向ノードに通知する内容を伝達するようにしても良い。これにより、分散補償値の調整が行われていない、波形が崩れた状態で通知を行う場合にも対向ノードに通知することできる。
【0031】
また、OTNでは、受信信号の光入力断が発生している際に送信ノードに送り返す、OTU-aBDIという警報が規定されている。しかし当該警報は、受信端での光入力断のみならず、接続試験に用いるTTI(Trail Trace Indicator)値の誤設定時など、光ファイバの切断以外の場合にも発生してしまうため、対向ノードにおける光入力断の検出のために本警報を用いると不要な調整を実施する可能性がある。本発明のように、受信機能部1112bが検出した光入力断(Och-dLOS-P警報)によって、対向のトランスポンダ111aの分散補償機能部11111aの調整が必要であると判断し、その結果を、信号フレーム3の調整必要情報領域311に格納して、トランスポンダ111aに通知するので、分散補償部11111aは伝送路16aが切断された場合に調整を実施し、不要な調整を避けることが可能となる。
【0032】
ここでは、通信装置間の通信に用いる伝送路として光伝送路、特に、光ファイバアを用いた例について示したが、これに制限されるものではなく、例えば、同軸線路等を用いた場合であっても同様の効果が得られる。
【0033】
また、実施の形態1に係る通信システムでは、次のような効果も得られる。
2つの通信装置(ノード1a,1b)が、2つの伝送路16a,16bで接続される場合、伝送路16a,16bがそれぞれ切断、復旧する順番としては以下の(ア)〜(ウ)の3つのパターンが考えられ、各パターンについて図7〜9にその切断/復旧の順序を示すブロック図を示す。なお、ノード1aとノード1bは同様の通信装置であり、ここでは、伝送路16aが先に切断される場合について説明するが、伝送路16bから切断される場合であっても実質的に伝送路16aが先に切断される場合と変わらず、ここでは説明を省略する。
(ア)伝送路16aが切断→伝送路16aが復旧(図7)
(イ)伝送路16aが切断→伝送路16bが切断→伝送路16aが復旧→伝送路16bが復旧(図8)
(ウ)伝送路16aが切断→伝送路16bが切断→伝送路16bが復旧→伝送路16aが復旧(図9)
図7〜9では、説明の便宜上、各ノードで1つのトランスポンダのみを記載しており、他のトランスポンダについては省略している。また、図7〜9においては、各伝送路の切断・復旧および各ノード警報の発生を時系列で上から下の順に記載している。
【0034】
各パターンについて、本発明の実施の形態1に係る通信システムを適用せず、通信に用いるネットワークを用いて自律的に分散補償を制御するようにした場合の動作について説明する。
まず、図7に示す上記(ア)の場合について説明する。(ア)では、まず伝送路16aが切断され、光信号の入力の途絶えたノード1bのトランスポンダ(TPND)でOch-dLOS-P警報が発生し、伝送路16bを介して伝送路16aの切断が生じたことを通知する。これにより、ノード1aにおいて、OTU-dBDI警報が発生する。ここで、OTU-dBDI警報は、受信ノード(ノード1b)でOch-LOS-Pなどの警報を検出した際、警報が発生したことを受信ノードから送信ノードに通知し、その通知を受け取った送信ノードで発出する警報である。これにより、ノード1aでは、自ノードが分散補償値の調整が必要であることを認識することできる。一方、光伝送路16bでは切断が発生していないので、ノード1bでは分散補償値の調整は必要ではない。
【0035】
図8に示す上記(イ)の場合について説明する。この場合、まず、伝送路16aが切断され、上記(ア)の場合と同様にノード1bのトランスポンダにおいて、Och-dLOS-P警報が発生し、送信ノードに転送され、送信ノードで発出する警報(OTU-dBDI)が発生し、自ノードの分散補償値の調整が必要であることを認識できる。
【0036】
次に、伝送路16bが切断されることにより、ノード1aにおいてもOch-dLOS-P警報が発生する。この場合、伝送路16aは、切断された状態であるため、Och-dLOS-P警報が発生したことを、ノード1bに通知することはできない。次に、伝送路16aが復旧し、この時点でノード1aにおいてOch-dLOS-P警報は発生しているため、ノード1aの送信機能部からOch-dLOS-P警報が発生したことをノード1bに通知し、ノード1bでも自ノードの分散補償値を調整する必要があることを認識することができる。したがって、ノード1aおよびノード1bは、自ノードが分散補償値を調整する必要のあることを認識することができる。
【0037】
図9に示す上記(ウ)の場合について示す。この場合、(イ)の場合と同様に、伝送路16aが切断され、ノード1aは自ノードの分散補償値を調整する必要があることを認識することができる。また、伝送路16bが切断され、ノード1aでOch-dLOS-P警報が発生した場合、この場合、伝送路16aは、切断された状態であるため、Och-dLOS-P警報が発生したことを、ノード1bに通知することはできない。次に、伝送路16bが復旧し、続いて伝送路16aが復旧する。この場合、伝送路16bが先に復旧しているため、伝送路16aの復旧時ではノード1aにおいてOch-dLOS-P警報は発生していないため、ノード1bに対しては、伝送路16bの切断したことの通知が行われず、ノード1bでは、実際には切断が発生しているためノード1bにおける分散補償値の調整が必要となるが、ノード1bでは認識ができない。したがって、ノード1aでは自ノードの分散補償値を調整する必要があることを認識することができるのに対して、ノード1bでは、自ノードの分散補償値を調整する必要があるが、それを認識できないという問題が生じる。
【0038】
本発明の実施の形態1に係る通信システムでは、トランスポンダ111aが分散補償機能部11111aにおける調整の必要性を認識し、送信する信号フレーム3の調整必要認識情報領域312を「認識」に変更するまで、トランスポンダ111bはトランスポンダ111aに調整必要であることを通知し続けるので、図9に示す上記(ウ)の場合のように、伝送路16aの切断中に伝送路16bの切断および復旧された場合でも、トランスポンダ111bは分散補償機能部1111bの調整が必要であることを知ることができる。したがって、実施の形態1に係る通信装置では、図9に示す上記(ウ)のような場合であっても、各ノードが分散補償値の調整が必要であることを通知および認識することでき、より適切に分散補償値調整の制御を行うことができるという効果が得られる。
【0039】
実施の形態2.
実施の形態1では、2つのノードが接続され、1つのトランスポンダの送信機能部と受信機能部が、対向する光ファイバ伝送路の送信側と受信側に接続される場合について示したが、実施の形態2では、3つのノードが接続され、1つのトランスポンダの送信機能部と受信機能部が同方向の光ファイバ伝送路に接続される場合について示す。
【0040】
図10に、実施の形態2に係る通信システムの構成図を示す。図10において、ノード1aおよびノード1bは図1と同様のノードであり説明を省略する。ノード6は、トランスポンダ611a〜61na、611b〜61nb、増幅部62a、62b、66a、66b、分波部63a、63b、合波部64a、64b、通信路681a〜68na、681b〜68nbから構成されており、増幅部62aは伝送路66aから入力された光多重信号を増幅して分波部63aに出力する。分波部63aは増幅部62aから入力された光多重信号を分波してトランスポンダ611a〜61naに入力する。増幅部62b、分波部63bについても同様である。ノード6は、ノード1aからノード1bへ送信される信号の中継を行うものであり、以下で、適宜、中継ノードと呼ぶこととする。
【0041】
トランスポンダ611aは分波部63aから受信した光信号を電気信号に変換し、電気信号を3R(Re-amplification:増幅、Re-timing:タイミング再生、Re-shaping:波形整形)再生した後に再度光信号に変換して合波部64aへ出力する。すなわち、受信機能部6112aは分波部63aから入力された光信号を電気信号に変換して3R再生した後に送信機能部6111aへ送信する。また、増幅部62aおよび分波部63aを経由した伝送路66aからの光入力の有無を判定し、制御信号71を、通信路681aを経由してトランスポンダ611bの送信機能部6111bに送信する。送信機能部6111aは、受信機能部6112aから受信した電気信号を光信号に変換して合波部64aに出力する。分散補償機能部61111aは、可変の分散補償値が格納されており、この分散補償値に基づいて伝送路67aにおいて生じる波長分散をキャンセルするような信号を生成する。通信路681aはトランスポンダ611aの受信機能部6112a制御信号71をトランスポンダ611bの送信機能部6111bへ送信する際に用いる。他のトランスポンダ612a〜61na,611b〜61nbについても同様である。
【0042】
図10に示す構成において、中継ノード内に格納され、通信の方向が対向するトランスポンダ611aとトランスポンダ611bは「ペア」のトランスポンダと呼ぶものとする。トランスポンダ612a〜61na、612b〜61nbについても同様である。
【0043】
合波部64aは、トランスポンダ611a〜61naから入力された光信号を多重した光多重信号を増幅部66aへ出力し、増幅部65aは、合波部64aから入力された光多重信号を増幅する。合波部64b、増幅部65bについても同様である。伝送路66aはトランスポンダ111aからトランスポンダ611aへ光信号を伝送させ、伝送路67aはトランスポンダ611aからトランスポンダ111bへ光信号を伝送させる。また、同様に、伝送路66bはトランスポンダ111bからトランスポンダ611aへ光信号を伝送させ、伝送路6baはトランスポンダ611aからトランスポンダ111aへ光信号を伝送させる。
【0044】
図11は、トランスポンダ611aの受信機能部6112aがトランスポンダ111aから受信した制御信号31と受信機能部6112aで検出した光入力断の情報をトランスポンダ611bに送信する際に用いる制御信号フレームフォーマットである。トランスポンダ611bの受信機能部6112bも同様に、この制御信号フレームフォーマットを用いてトランスポンダ111bから受信した制御信号31と受信機能部6112bで検出した光入力断の情報をトランスポンダ611aに転送する。トランスポンダ612a〜61na、611b〜61nbも同様の制御信号71を用いてペアとなるトランスポンダとの情報のやりとりを行う。
【0045】
図11において、制御信号71はトランスポート制御に用いる信号である。調整必要情報領域711は、転送先のトランスポンダ611bの分散補償機能部61111bの分散補償値の調整が「必要」か「不要」かを示す領域、調整必要認識情報領域712は、対向のトランスポンダ111aが、分散補償機能部11111aの分散補償値の調整が必要であることを通知され、その旨を認識しているか否かを通知する領域、光入力断検出情報領域713は、トランスポンダ611aの受信機能部6112aにおいて光入力断を検出しているか否かを示す領域、その他の制御情報領域714は調整必要情報領域711、調整必要認識情報領域721が示す情報以外の制御情報を示す領域である。
【0046】
動作について説明する。
まず通常の通信動作について説明する。ノード1aに接続された端末(図10においては省略)において送信すべきデータが発生し、ノード1aはデータが発生した端末から電気信号であるデータ信号を受信する。ノード1aは、トランスポンダ111a内の送信機能部1111aにおいて、受信した電気信号を光信号に変換し、分散補償機能部11111aに出力する。分散補償機能部11111aでは、内部に格納された分散補償値に基づいて、分散補償を行って合波部12aに出力する。出力された光信号は、合波部12aで他のトランスポンダからの光信号とともに多重化され、増幅部14aにおいて増幅されたあと、伝送路66aを介してノード6へ送信される。なお、ここでは、光信号に対して分散補償を行う構成について示すが、光信号に変換する前の電気信号に対して分散補償を行い、分散補償を行った電気信号を光信号に変換するようにしてもよい。
【0047】
ノード1aから光信号を受信したノード6は、増幅部62aにおいて光信号を増幅し、分波部63aにおいて分波した後、トランスポンダ611aに出力される。トランスポンダ611a内の受信機能部6111aにおいて、電気信号への変換および3R再生が行われ、送信機能部6111aにおいて再度光信号に変換された後、分散補償機能部61111aにより分散補償処理が行われ、合波部64aへ出力される。出力された光信号は、合波部64bで他のトランスポンダからの光信号とともに多重化され、増幅部14aにおいて増幅されたあと、伝送路67aを介してノード1bへ送信される。ノード1aから光信号を受信したノード1bは、増幅部15bにおいて光信号を増幅し、分波部13bにおいて分波した後、トランスポンダ111bに出力され、送信機能部1111bにより光信号から電気信号に変換され、データ信号の宛先に記載された端末(図10においては省略)に転送される。
【0048】
次に、分散補償制御の全体的な動作について説明する。ここでは、伝送路66aに光ファイバを割りいれる場合と、伝送路67aに光ファイバを割りいれる場合とに分けて説明を行う。
【0049】
まず、伝送路66aに光ファイバを割りいれる場合について説明する。この場合、ノード1aのトランスポンダ111aの動作は、実施の形態1に示す場合と同様であり、図3に示すとおりである。また、ノード6についても、実施の形態1に示すノード1bと場合と同様の動作を行い、図2に示すとおりである。
以下に、実施の形態2に係る通信システムおける、図3および図2に記載の各ステップに対応する動作について詳細に説明する。
【0050】
対向のトランスポンダの分散補償値の調整が必要であることを検知する動作について、トランスポンダ611aの動作を例に説明する。伝送路66aに光ファイバを割りいれる場合は、伝送路66aが切断される。このとき受信機能部6112aにおいて光入力断を検出し、トランスポンダ611aにおいてOch-dLOS-P警報が発生する。光ファイバ割りいれ作業が完了すると、受信機能部6112aにおける光入力が回復し、Och-dLOS-P警報は発生しなくなる。この場合、伝送路66aの伝送路長が変化するため、伝送路66aの送信端にあるトランスポンダ111aは分散補償機能部11111aの分散補償値を調整する必要がある。したがって、トランスポンダ611aは、実施の形態1に示す場合と同様に受信機能部6112aにおいて光入力断が発生し、Och-dLOS-P警報が発生すると、トランスポンダ111aの分散補償機能部11111aの調整が必要であると判断する。調整が必要であると判断した場合、光入力断検出情報領域713を「発生」にして、制御信号71をトランスポンダ611bへ送信する。
【0051】
次に、対向のトランスポンダに分散補償値の調整が必要であることを通知する動作について、トランスポンダ611bの動作を例に図12を参照して説明する。トランスポンダ611bは、通常の通信状態では、調整必要情報領域311を「不要」にして信号フレーム3をトランスポンダ111aに送信する(ステップS121)。また、トランスポンダ611aの受信機能部6112aから受信した制御信号71の光入力断検出情報領域713が「発生」か否かを判定する(ステップS122)。受信機能部6112aにおいて光入力断を検出し、制御信号71の光入力断検出情報領域713が「発生」となっている場合は、トランスポンダ611bは調整必要情報領域311を「必要」にして、信号フレーム3をトランスポンダ111aに送信する(ステップS123)。
【0052】
トランスポンダ611bは、トランスポンダ611aの受信機能部6112aから受信した制御信号71の調整必要認識情報領域712が「認識」か否かを判定する(ステップS124)。トランスポンダ611aが、後述のようにトランスポンダ111aから、分散補償値調整が必要である旨を認識した旨の通知を受信せず、調整必要認識情報領域712が「未」の場合は、トランスポンダ611bは、調整必要情報領域311を「必要」にした状態で、信号フレーム3をトランスポンダ111aに送信し続ける。調整必要認識情報領域712が「認識」となった場合には、通常の通信状態に移行する。以上のように、トランスポンダ611bは、トランスポンダ111aから分散補償値の調整が必要である旨の通知を受信した場合、その通知の内容を認識したことをトランスポンダ111aに通知する構成となっている。
【0053】
トランスポンダ111aにおける自トランスポンダの分散補償値調整が必要である旨を認識したことを通知する動作および調整動作については、実施の形態1と同様であり説明を省略する。
【0054】
次に、伝送路67aに光ファイバを割りいれる場合について説明する。この場合、ノード1bのトランスポンダ111bの動作は、実施の形態1に示すノード1bと同様であり、図2に示すとおりである。また、ノード6についても、実施の形態1に示すノード1aと場合と同様の動作を行い、図3に示すとおりである。
以下に、実施の形態2に係る通信システムにおける、図2および図3に記載の各ステップに対応する動作について詳細に説明する。
【0055】
トランスポンダ111bが、対向のトランスポンダ(トランスポンダ611b)の分散補償値の調整が必要であることを検知するための動作および分散補償値の調整が必要であることをトランスポンダ611bに通知する動作は、実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
【0056】
対向のトランスポンダへペアとなるトランスポンダが、分散補償値調整が必要である旨を認識したことを通知する動作について、トランスポンダ611aの動作を例に図13を参照して説明する。トランスポンダ611aの送信機能部6111aは、通常の通信状態では、調整必要認識情報領域312を「未」にして、トランスポンダ111bへ信号フレーム3を送信する(ステップS131)。また、受信機能部6112bから受信した制御信号71の調整必要情報領域711が「必要」か否かを判定する(ステップS132)。トランスポンダ111bから、自ノードの分散補償値の調整が必要であることを通知されて調整必要情報領域711が「必要」となっている場合、トランスポンダ611aの送信機能部6111aは、内部に格納された分散補償値の調整を実施した後、調整必要認識情報領域312を「認識」にし信号フレーム3を送信し(ステップS133)、トランスポンダ611bの受信機能部6112bから受信した制御信号71の調整必要情報領域711が「不要」となった場合、通常通信状態に移行する(ステップS134)。
【0057】
トランスポンダ611aにおける調整動作は、実施の形態1に示すトランスポンダ111aと同様であり、説明を省略する。
【0058】
実施の形態2に係る通信システムは、ノード6におけるペアとなるトランスポンダ間で制御信号のやりとりを行う点で、実施の形態1に係る通信システムとは異なる。ここでは、この制御信号のやりとりに関して、対向のトランスポンダから受信した信号フレーム3の調整必要情報領域311および調整必要認識情報領域312の情報を、ペアのトランスポンダに転送する動作について、トランスポンダ611aの動作を例に図14を参照して説明する。
【0059】
トランスポンダ611aの受信機能部6112aは、通常の通信状態では、調整必要情報領域711を「不要」にし(ステップS141)、また、調整必要認識情報領域712を「未」にしてトランスポンダ611bに制御信号71を送信する(ステップS142)。また、トランスポンダ611aの受信機能部6112aは、受信した信号フレーム3の調整必要情報領域311が「必要」か否かを判定し(ステップS143)、「不要」の場合はトランスポンダ611aの受信機能部6112aは送信する制御信号71の調整必要情報領域711を「不要」にする(ステップS144)。また、調整必要情報領域311が「必要」の場合は、トランスポンダ611aの受信機能部6112aは送信する制御信号71の調整必要情報領域711を「必要」にする(ステップS145)。
【0060】
トランスポンダ611aの受信機能部6112aは、受信した信号フレーム3の調整必要認識情報町域312が「認識」か否かを判定し(ステップS146)、「未」であればトランスポンダ611aの受信機能部6112aは送信する制御信号71の調整必要認識情報町域712を「未」にする(ステップS147)。また、調整必要認識情報町域312が「認識」であればトランスポンダ611aの受信機能部6112aは送信する制御信号71の調整必要認識情報領域711を「認識」にする(ステップS148)。
【0061】
また、送信する制御信号71の光入力断検出情報領域713の変更処理について、トランスポンダ611aの動作を例に、図15を参照して説明する。
【0062】
トランスポンダ611aの受信機能部6112aは、通常の通信状態では、送信する制御信号71の光入力断検出情報領域713を「未」にする(ステップS151)。トランスポンダ611aの受信機能部6112aは受信する光入力断が発生しているか否かを判定し(ステップS152)、光入力断が発生した場合はトランスポンダ611aの受信機能部6112aは送信する制御信号71の光入力断検出情報領域713を「検出」にする(ステップS153)。また、トランスポンダ611aの受信機能部6112aは受信する光入力が回復しているか否かを判定し(ステップS154)、回復している場合は通常の通信状態へ移行する。
トランスポンダ612a〜61na、611b〜61nbも同様に動作する。
【0063】
トランスポンダ611a、611bの対向トランスポンダが、トランスポンダ1aまたはトランスポンダ1bの場合について説明したが、本方式は、対向のトランスポンダが、トランスポンダ611aと同様の構成のトランスポンダの場合でも適用される。
【0064】
実施の形態2に係る通信システムは、以上のような構成をしているため、実施の形態1の場合と同様に、通信装置間の通信に用いるネットワークのみを用いて補償量調整の制御を行うことができる。また、中継ノード内のペアとなるトランスポンダ間で制御信号のやり取りを行うことにより、中継ノードを介して通信を行うような場合においても、適切に補償量調整の制御を行うことができる。
【符号の説明】
【0065】
1a,1b ノード、3 信号フレーム、6 ノード、12a,12b 合波部、13a,13b 分波部、14a,14b 増幅部、15a,15b 増幅部、16a,16b 伝送路、30 主信号領域、31 制御信号領域、62a,62b 合波部、63a,63b 分波部、64a,64b 増幅部、65a,65b 増幅部、66a,66b 伝送路、67a,67b 伝送路、681a〜68na,681b〜68nb 通信路、311 調整必要情報領域、312 調整必要認識情報領域、313 その他の制御情報領域、111a〜11na,111b〜11nb トランスポンダ、1111a〜11n1a,1111b〜11n1b 送信機能部、1112a〜11n2a,1111b〜11n2b 受信機能部、11111a〜11n11a,11111b〜11n11b 分散補償機能部、611a〜61na,611b〜61nb トランスポンダ、6111a〜61n1a,6111b〜61n1b 送信機能部、6112a〜61n2a,6111b〜61n2b 受信機能部、61111a〜61n11a,61111b〜61n11b 分散補償機能部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2の伝送路を介して互いに接続された第1の通信装置と第2の通信装置を備え、前記第1の通信装置は、前記第2の伝送路を介して前記第2の通信装置からの信号を受信し、前記第2の通信装置は、前記第1の伝送路を介して、前記第1の通信装置からの信号を受信するとともに、前記第2の通信装置からの信号の、前記第1の通信装置における受信状態に応じて補償動作を行うよう構成された通信システムにおいて、
前記第1の通信装置は、
前記第2の通信装置から前記第1の通信装置への信号の入力断を検出する入力断検出手段と、
前記入力断検出手段により入力断が検出された場合に、前記入力断を検出した旨の通知(以下、第1の通知とする)を、前記第2の通信装置に対して送信する第1の通知送信手段と、
を備え、
前記第2の通信装置は、
前記第1の通知を前記第1の伝送路を介して受信した場合、前記第1の通知を受信した旨の通知(以下、第2の通知とする)を、前記第1の通信装置に通知する第2の通知送信手段、
を備え、
前記第1の通知送信手段は、前記第1の通信装置が前記第2の通知を前記第2の伝送路を介して受信するまで、前記第2の通信装置に前記第1の通知を送信すること、
を特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記第2の通信装置は、予め定められた分散補償値を用いた分散補償を行って、前記第1の通信装置に信号を送信し、
前記第1の通知送信手段は、前記第1の通知として、前記分散補償値を調整する必要がある旨の通知を送信すること、
を特徴とする請求項1記載の通信システム。
【請求項3】
前記第2の通知送信手段は、前記第2の通知として、前記第1の通知を受信し、前記分散補償値を調整する必要があることを認識した旨の通知を送信すること、
を特徴とする請求項2記載の通信システム。
【請求項4】
前記第1の通知送信手段は、断続的または連続的に前記第1の通知を送信すること、
を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項5】
前記第1の通知送信手段は、前記第2の通信装置の分散補償値の調整が必要であることを通知する調整必要情報領域を有する信号フレームを送信すること、
を特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項6】
前記第2の通知送信手段は、前記第2の通信装置が、前記第1の対向の通信装置から分散補償値の調整が必要であることを通知され、それを認識したことを前記第1の通信装置に通知する調整必要認識情報領域を有する信号フレームを送信すること、
を特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項7】
前記第1の通信装置および前記第2の通信装置のうち少なくとも一方は、複数のトランスポンダを備え、
前記複数のトランスポンダ間で制御信号のやり取りを行うこと、
を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項8】
第1および第2の伝送路を介して接続された対向通信装置からの信号の入力断を検出する入力断検出手段と、
前記入力断検出手段により入力断が検出された場合に、前記入力断の検出に関する通知(以下、第1の通知とする)を、前記第2の通信装置に送信する第1の通知送信手段と、
を備え、
前記第1の通知送信手段は、前記対向通信装置が前記第1の通知を前記第1の伝送路を介して受信した場合に、送信する前記第1の通知の受信に関する通知(以下、第2の通知とする)を、前記第2の伝送路を介して受信するまで、前記第1の通知の送信を実行すること、
を特徴とする通信装置。
【請求項9】
第1および第2の伝送路を介して互いに接続された第1の通信装置と第2の通信装置を備え、前記第1の通信装置は、前記第2の伝送路を介して前記第2の通信装置からの信号を受信し、前記第2の通信装置は、前記第1の伝送路を介して前記第1の通信装置からの信号を受信するとともに、前記第2の通信装置からの信号の、前記第1の通信装置における受信状態に応じて補償動作を行うように構成された通信システムに適用可能な通信制御方法において、
前記第2の通信装置から前記第1の通信装置への信号の入力断を検出する入力断検出ステップと、
前記入力断検出ステップにおいて信号の入力断が検出された場合、前記入力断を検出した旨の通知(以下、第1の通知とする)を、前記第2の通信装置に送信する第1の通知送信ステップと、
前記第1の通知を前記第2の通信装置が前記第1の伝送路を介して受信した場合、前記第1の通知を受信した旨の通知(以下、第2の通知とする)を前記第1の通信装置に送信する第2の通知送信ステップと、
を備え、
前記第1の通知送信ステップにおいて、前記第2の通知を前記第2の伝送路を介して受信するまで、前記第2の通知装置へ前記第1通知の送信が実行されること、
を特徴とする通信制御方法。
【請求項1】
第1および第2の伝送路を介して互いに接続された第1の通信装置と第2の通信装置を備え、前記第1の通信装置は、前記第2の伝送路を介して前記第2の通信装置からの信号を受信し、前記第2の通信装置は、前記第1の伝送路を介して、前記第1の通信装置からの信号を受信するとともに、前記第2の通信装置からの信号の、前記第1の通信装置における受信状態に応じて補償動作を行うよう構成された通信システムにおいて、
前記第1の通信装置は、
前記第2の通信装置から前記第1の通信装置への信号の入力断を検出する入力断検出手段と、
前記入力断検出手段により入力断が検出された場合に、前記入力断を検出した旨の通知(以下、第1の通知とする)を、前記第2の通信装置に対して送信する第1の通知送信手段と、
を備え、
前記第2の通信装置は、
前記第1の通知を前記第1の伝送路を介して受信した場合、前記第1の通知を受信した旨の通知(以下、第2の通知とする)を、前記第1の通信装置に通知する第2の通知送信手段、
を備え、
前記第1の通知送信手段は、前記第1の通信装置が前記第2の通知を前記第2の伝送路を介して受信するまで、前記第2の通信装置に前記第1の通知を送信すること、
を特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記第2の通信装置は、予め定められた分散補償値を用いた分散補償を行って、前記第1の通信装置に信号を送信し、
前記第1の通知送信手段は、前記第1の通知として、前記分散補償値を調整する必要がある旨の通知を送信すること、
を特徴とする請求項1記載の通信システム。
【請求項3】
前記第2の通知送信手段は、前記第2の通知として、前記第1の通知を受信し、前記分散補償値を調整する必要があることを認識した旨の通知を送信すること、
を特徴とする請求項2記載の通信システム。
【請求項4】
前記第1の通知送信手段は、断続的または連続的に前記第1の通知を送信すること、
を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項5】
前記第1の通知送信手段は、前記第2の通信装置の分散補償値の調整が必要であることを通知する調整必要情報領域を有する信号フレームを送信すること、
を特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項6】
前記第2の通知送信手段は、前記第2の通信装置が、前記第1の対向の通信装置から分散補償値の調整が必要であることを通知され、それを認識したことを前記第1の通信装置に通知する調整必要認識情報領域を有する信号フレームを送信すること、
を特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項7】
前記第1の通信装置および前記第2の通信装置のうち少なくとも一方は、複数のトランスポンダを備え、
前記複数のトランスポンダ間で制御信号のやり取りを行うこと、
を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項8】
第1および第2の伝送路を介して接続された対向通信装置からの信号の入力断を検出する入力断検出手段と、
前記入力断検出手段により入力断が検出された場合に、前記入力断の検出に関する通知(以下、第1の通知とする)を、前記第2の通信装置に送信する第1の通知送信手段と、
を備え、
前記第1の通知送信手段は、前記対向通信装置が前記第1の通知を前記第1の伝送路を介して受信した場合に、送信する前記第1の通知の受信に関する通知(以下、第2の通知とする)を、前記第2の伝送路を介して受信するまで、前記第1の通知の送信を実行すること、
を特徴とする通信装置。
【請求項9】
第1および第2の伝送路を介して互いに接続された第1の通信装置と第2の通信装置を備え、前記第1の通信装置は、前記第2の伝送路を介して前記第2の通信装置からの信号を受信し、前記第2の通信装置は、前記第1の伝送路を介して前記第1の通信装置からの信号を受信するとともに、前記第2の通信装置からの信号の、前記第1の通信装置における受信状態に応じて補償動作を行うように構成された通信システムに適用可能な通信制御方法において、
前記第2の通信装置から前記第1の通信装置への信号の入力断を検出する入力断検出ステップと、
前記入力断検出ステップにおいて信号の入力断が検出された場合、前記入力断を検出した旨の通知(以下、第1の通知とする)を、前記第2の通信装置に送信する第1の通知送信ステップと、
前記第1の通知を前記第2の通信装置が前記第1の伝送路を介して受信した場合、前記第1の通知を受信した旨の通知(以下、第2の通知とする)を前記第1の通信装置に送信する第2の通知送信ステップと、
を備え、
前記第1の通知送信ステップにおいて、前記第2の通知を前記第2の伝送路を介して受信するまで、前記第2の通知装置へ前記第1通知の送信が実行されること、
を特徴とする通信制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−191313(P2012−191313A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51454(P2011−51454)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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