説明

通信システム、通信装置および通信方法

【課題】通信品質を向上させること。
【解決手段】第1通信装置は、第1信号光と、第1信号光と波長が異なるダミー光と、を合波して送信する送信器を備える。第1増幅器は、送信器によって送信された光を一定のパワーに増幅する。第2通信装置は、第1増幅器によって増幅された光からダミー光を分離し、分離したダミー光を可変の透過率で透過させる可変透過部を有し、可変透過部を透過したダミー光を、ダミー光と波長が異なる第2信号光と合波して送信する。第2増幅器は、第2通信装置によって送信された光を一定のパワーに増幅する。受信器は、第1通信装置に設けられ、第2増幅器によって増幅された光に含まれる第2信号光を受信する。制御部は、可変透過部の透過率を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を伝送する通信システム、通信装置および通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、長距離の海底波長多重伝送システムにおいて、海底中継器を含む海中区間は、システムの最大波長数で所要伝送特性を満足するように最適設計されている。しかし、初期建設コスト最適化のために、初期建設時には、一般的に最大波長数よりも少ない波長数で運用が開始される(たとえば数%〜10%程度)。
【0003】
この場合は、海底中継器は最大波長数における光出力で一定制御されており、初期波長数が最大波長数よりも少ないと、信号のチャネル当りのパワーが高くなり、伝送路内で非線形効果を受けて伝送品質が劣化する。この劣化を防ぐため、未実装帯域にダミー光(DL光)を合波して伝送し、伝送品質を確保する技術が知られている。また、長距離伝送のためには各信号の伝送特性の最適化が求められる。このため、ダミー光のレベル調整によって信号光のレベルを調整する技術が求められている。
【0004】
長距離伝送システムにおいては、ファイバや海中機器の特性が多段に累積し、伝送信号は累積分散やファイバ非線形の影響を受ける。このため、波形劣化が大きくなり、それぞれの回線で伝送信号のレベルの最適化が求められる。特にOADM(Optical Add Drop Multiplexer:光挿入分岐装置)を有するシステムでは、システムコストの最小化を図り、信号の秘匿性を確保しながら、幹線上下回線および分岐線上下回線を個別に最適化する手法が求められる。
【0005】
従来の技術としては、ファイバーグレーティングとサーキュレータを組み合わせることでOADMを構成する構成が知られている(たとえば、下記特許文献1,2参照。)。このような構成においては、たとえば、分岐線のアド(add)信号が幹線信号と合波される際に、分岐局からダミー光を挿入することでアド信号のレベル調整を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−150433号公報
【特許文献2】特開平11−275007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来技術では、たとえば海底分岐装置など、複雑な制御機構や光源を設けることが困難な通信装置からの信号光を伝送する回線におけるダミー光のパワーを、他の回線のダミー光のパワーとは別に調整することが困難である。このため、たとえば信号光の波長数によっては、中継器によって増幅された信号光のパワーが適切な範囲から外れ、通信品質が劣化するという問題がある。
【0008】
たとえば、海底分岐装置からの分岐(ドロップ)回線におけるダミー光のパワーは、海底分岐装置の幹線(スルー)回線や海底分岐装置への挿入(アド)回線におけるダミー光のパワーとは別に調整することが困難である。
【0009】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、通信品質を向上させることができる通信システム、通信装置および通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一側面によれば、第1信号光と、前記第1信号光と波長が異なるダミー光と、を合波した光を、光を一定のパワーに増幅する第1増幅器を介して送信し、前記第1増幅器を介して送信した光から前記ダミー光を分波し、分波したダミー光を可変の透過率で透過させ、透過させたダミー光と、前記ダミー光と波長が異なる第2信号光と、を合波した光を、光を一定のパワーに増幅する第2増幅器を介して送信し、前記第2増幅器を介して送信した光に含まれる前記第2信号光を受信し、前記透過率を制御する通信システム、通信装置および通信方法が提案される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一側面によれば、通信品質を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、実施の形態にかかる通信システムの構成例を示す図である。
【図2】図2は、図1に示した通信システムの適用例を示す図である。
【図3】図3は、各光の波長配置の一例を示す図である。
【図4】図4は、光フィルタの波長透過特性の一例を示す図である。
【図5】図5は、ダミー光の波長制御によるダミー光のパワーの変化の一例を示す図である。
【図6】図6は、分岐線の上り回線におけるダミー光のパワーの調整の一例を示す図である。
【図7】図7は、分岐線の下り回線におけるダミー光のパワーの調整の一例を示す図である。
【図8】図8は、分岐線の上り回線における波長多重光の一例を示す図である。
【図9】図9は、分岐線の下り回線における波長多重光の一例を示す図である。
【図10】図10は、光フィルタの波長透過特性の変形例1を示す図である。
【図11】図11は、図10に示した変形例1に対応する分岐線の下り回線における波長多重光の一例を示す図である。
【図12】図12は、光フィルタの波長透過特性の変形例2を示す図である。
【図13】図13は、図12に示した変形例2に対応する分岐線の下り回線における波長多重光の一例を示す図である。
【図14】図14は、光フィルタの波長透過特性の変形例3を示す図である。
【図15】図15は、図2に示した通信システムの変形例を示す図である。
【図16】図16は、VOAの波長透過特性の一例を示す図である。
【図17】図17は、図16に示した波長透過特性に対応する分岐線の下り回線における波長多重光の一例を示す図である。
【図18】図18は、ダミー光のパワーの制御の一例を示すフローチャートである。
【図19】図19は、図1に示した通信システムの他の適用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる通信システム、通信装置および通信方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
(実施の形態)
(通信システムの構成例)
図1は、実施の形態にかかる通信システムの構成例を示す図である。図1に示すように、実施の形態にかかる通信システム100は、第1通信装置110と、第1増幅器120と、第2通信装置130と、第2増幅器140と、を含んでいる。第1通信装置110と第2通信装置130は、回線101および回線102によって互いに光を送受信する。回線101には第1増幅器120が設けられている。回線102には第2増幅器140が設けられている。
【0015】
第1通信装置110は、送信器111と、制御部113と、受信器112と、を備えている。送信器111は、信号光(第1信号光)とダミー光とを合波(波長多重)した波長多重光を第1増幅器120へ送信する。たとえば、送信器111は、信号光を生成する光源と、ダミー光を生成する光源と、信号光とダミー光とを合波する合波器と、を備える。または、送信器111は、外部から入力された信号光とダミー光とを合波する合波器を備えていてもよい。
【0016】
信号光は、波長が異なる複数の信号光を含んでいてもよい。ダミー光は、信号光と波長が異なる光である。また、ダミー光は、たとえばCW光(Continuous Wave:連続光)である。ただし、ダミー光はCW光に限らず任意の光でよい。また、ダミー光は、波長が異なる複数のダミー光を含んでいてもよい。
【0017】
受信器112は、第2増幅器140から送信された波長多重光に含まれる信号光を受信する。具体的には、受信器112は、第2増幅器140から送信された波長多重光を信号光とダミー光とに分波(波長多重分離)し、分波した信号光を受信する。
【0018】
制御部113は、送信器111が合波するダミー光のパワーを制御するパワー制御部である。たとえば、送信器111は、ダミー光を可変の増幅量で増幅する可変増幅器を備え、制御部113は、可変増幅器の増幅量を制御する。または、送信器111は、ダミー光を可変の減衰量で減衰させる可変減衰器を備え、制御部113は、可変減衰器の減衰量を制御する。または、送信器111がダミー光を生成する光源を備える場合は、制御部113は、光源が生成するダミー光のパワーを制御してもよい。制御部113は、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現される。詳細は後述する。あるいはFPGA(Field−Programmable Gate Array)を用いて実現してもよい。
【0019】
第1増幅器120は、第1通信装置110から送信された波長多重光を一定のパワーになるように増幅する(出力一定制御)。第1増幅器120は、増幅した波長多重光を第2通信装置130へ送信する。第1増幅器120は、たとえば、第1通信装置110と第2通信装置130との間の中継器に設けられる。
【0020】
第2通信装置130は、分波部131と、可変透過部132と、合波部133と、を備えている。分波部131は、第1増幅器120から送信された波長多重光からダミー光を分波する。なお、分波部131は、波長多重光に含まれるすべてのダミー光を分波してもよいし、波長多重光に含まれる一部のダミー光を分波してもよい。分波部131は、分波したダミー光を可変透過部132へ出力する。また、分波部131は、波長多重光から分波した信号光を出力する。
【0021】
可変透過部132は、分波部131から出力されたダミー光を可変の透過率で透過させる。可変透過部132を透過したダミー光は合波部133へ出力される。たとえば、可変透過部132は、光の波長によって透過率が異なる波長透過特性を有する光フィルタによって実現することができる。ダミー光の波長を制御することで可変透過部132の透過率を変化させることができる。または、可変透過部132は、設定により減衰量が変化するVOA(Variable Optical Attenuator:光可変減衰器)によって実現することができる。この場合は、VOAへ入力する制御信号によって可変透過部132の透過率を変化させることができる。
【0022】
合波部133には、第1通信装置110へ送信するための信号光(第2信号光)と、可変透過部132から出力されたダミー光と、が入力される。合波部133は、入力された信号光とダミー光とを合波する。合波部133は、合波した波長多重光を第2増幅器140へ送信する。
【0023】
なお、第2通信装置130は、分波部131から出力された信号光を他の通信装置へ転送する転送部(たとえばOADM回路)を備えていてもよいし、分波部131から出力された信号光を受信(終端)する受信器を備えていてもよい。また、第2通信装置130は、他の通信装置から送信された信号光を第2信号光として合波部133へ入力する転送部(たとえばOADM回路)を備えていてもよいし、合波部133へ入力する第2信号光を生成する送信器を備えていてもよい。
【0024】
第2増幅器140は、第2通信装置130から送信された波長多重光を一定のパワーになるように増幅する(出力一定制御)。第2増幅器140は、増幅した波長多重光を第1通信装置110へ送信する。第2増幅器140は、たとえば、第2通信装置130と第1通信装置110との間の中継器に設けられる。
【0025】
第2通信装置130の可変透過部132の透過率を制御する制御部は、たとえば第1通信装置110に設ける。これにより、回線101,102における信号光のパワーを第1通信装置110によってそれぞれ調整することができる。たとえば、波長透過特性を有する光フィルタによって可変透過部132を実現する場合は、第1通信装置110の送信器111が合波するダミー光の波長を制御する制御部を第1通信装置110に設ける。
【0026】
たとえば、可変波長のダミー光を生成する可変波長光源を送信器111に設け、送信器111の可変波長光源を制御することによってダミー光の波長を制御することができる。なお、可変透過部132の透過率を制御する制御部と、ダミー光のパワーを制御するパワー制御部と、は1つの制御回路によって実現してもよいし、別の制御回路によって実現してもよい。また、可変透過部132の透過率を制御する制御部は第1通信装置110とは異なる装置に設けてもよい。
【0027】
図1に示した通信システム100によれば、送信器111が送信する波長多重光に含まれるダミー光のパワーを制御部113によって制御することで、第1増幅器120によって増幅される波長多重光に含まれるダミー光のパワーを調整することができる。これにより、第1増幅器120によって出力一定制御により増幅された波長多重光に含まれる信号光のパワーを調整することができる。
【0028】
また、可変透過部132におけるダミー光の透過率を制御することで、第2増幅器140によって増幅される波長多重光に含まれるダミー光のパワーを調整することができる。これにより、第2増幅器140によって出力一定制御により増幅された波長多重光に含まれる信号光のパワーを調整することができる。
【0029】
したがって、たとえば、波長多重光における信号光の波長数が回線101,102で異なっていても、回線101,102におけるダミー光のパワーを個別に調整することで、回線101,102における信号光のパワーをそれぞれ調整することができる。これにより、たとえば、信号光のパワーが高くなり過ぎて伝送路内の非線形効果により信号光が劣化することを回避することができる。また、たとえば、信号光のパワーが低くなり過ぎてOSNR(Optical Signal Noise Ratio:光信号雑音比)が低下することを回避することができる。このため、通信品質を向上させることができる。
【0030】
また、回線101,102にそれぞれ設けられる第1増幅器120および第2増幅器140の出力パワーを個別に設定しなくても、回線101,102における信号光のパワーをそれぞれ調整することができる。これにより、第1増幅器120および第2増幅器140のそれぞれに同じ種類の増幅器を用いることもできるため、増幅器の種類を減らすことができる。このため、保守や運用の効率を向上させることができる。特に、第1増幅器120および第2増幅器140を、海底中継器などの保守や運用が困難な装置に設ける場合は、第1増幅器120および第2増幅器140のそれぞれに同じ種類の増幅器を用いることで保守や運用の効率を向上させることができる。
【0031】
また、回線101のダミー光を折り返して回線102に合波することで、回線102の送信側(たとえば第2通信装置130)にダミー光のための光源を設けなくてもよい。このため、回線102の送信側の装置を簡単にすることができる。また、回線102の送信側の消費電力を低減することができる。
【0032】
また、パッシブ部品である光フィルタによって可変透過部132を実現する場合は、第2通信装置130の構成を簡単にし、信頼性を向上させることができる。このため、たとえば海底分岐装置などに第2通信装置130を適用する場合に、第2通信装置130の信頼性を向上させることで第2通信装置130の保守や運用を容易にすることができる。
【0033】
なお、回線102が第2通信装置130と第1通信装置110との間の回線であり、受信器112が第1通信装置110に設けられる構成について説明したが、受信器112は第1通信装置110とは異なる通信装置に設けられていてもよい。この場合は、回線102は、受信器112が設けられた通信装置と第2通信装置130との間の回線となる。
【0034】
図2は、図1に示した通信システムの適用例を示す図である。図2に示す海底通信システム200は、図1に示した通信システム100を適用した海底通信システムの例である。図2に示すように、海底通信システム200は、陸揚局210と、海底中継器221,224と、海底分岐装置230と、海底中継器241,244と、陸揚局250と、海底中継器290,280と、陸揚局270と、を含んでいる。
【0035】
陸揚局210から海底分岐装置230を経由して陸揚局250へ伝送する光回線を上り幹線とする。また、陸揚局250から海底分岐装置230を経由して陸揚局210へ伝送する光回線を下り幹線とする。また、上り幹線または下り幹線から分岐した光を海底分岐装置230から陸揚局270へ伝送する光回線を分岐線の下り回線とする。また、陸揚局270から海底分岐装置230へ伝送する光回線を分岐線の上り回線とする。分岐線の上り回線によって伝送された信号光は海底分岐装置230によって上り幹線または下り幹線へ挿入され、陸揚局210または陸揚局250へ伝送される。
【0036】
陸揚局210には海底端局装置211(SLTE:Submarine Line Terminal Equipment)が設けられている。海底端局装置211は、送信器212と、受信器213と、を備えている。送信器212は、波長が異なる複数の光を波長多重した波長多重光を海底中継器221へ送信する。送信器212が送信する波長多重光には、たとえば1波長以上の信号光と、ダミー光と、が含まれる。受信器213は、海底中継器221から送信された波長多重光に含まれる信号光を受信する。
【0037】
海底中継器221は、増幅器222,223を備えている。増幅器222は、陸揚局210から送信された波長多重光を一定のパワーとなるように増幅する。増幅器222は、増幅した波長多重光を海底中継器224へ送信する。増幅器223は、海底中継器224から送信された波長多重光を一定のパワーとなるように増幅する。増幅器223は、増幅した波長多重光を陸揚局210へ送信する。
【0038】
海底中継器224は、増幅器225,226を備えている。増幅器225は、海底中継器221から送信された波長多重光を一定のパワーとなるように増幅する。増幅器225は、増幅した波長多重光を海底分岐装置230へ送信する。増幅器226は、海底分岐装置230から送信された波長多重光を一定のパワーとなるように増幅する。増幅器226は、増幅した波長多重光を海底中継器221へ送信する。
【0039】
海底分岐装置230は、OADM回路231,232(挿入分岐装置)を備えている。OADM回路231,232のそれぞれは、図1に示した第2通信装置130に対応する構成である。OADM回路231は、陸揚局210から陸揚局250への上りの波長多重光の分岐挿入を行う。具体的には、OADM回路231は、多重分離部233と、多重化部234と、多重分離部235と、光フィルタ236と、光カプラ237(CPL)と、を備えている。
【0040】
多重分離部233は、海底中継器224から送信された波長多重光に含まれる任意の信号光を分離して光カプラ237へ出力する分岐部である。また、多重分離部233は、分離して光カプラ237へ出力した信号光を除く波長多重光を多重化部234へ出力する。多重化部234は、多重分離部233から出力された波長多重光に、多重分離部235から出力された信号光を波長多重して海底中継器241へ送信する挿入部である。
【0041】
多重分離部235は、図1に示した分波部131に対応する構成である。多重分離部235には、海底中継器290から送信され、上り幹線へのアド信号を含む波長多重光が入力される。多重分離部235は、入力された波長多重光に含まれる信号光とダミー光とを分離する。多重分離部235は分離した信号光を多重化部234へ出力する。また、多重分離部235は、分離したダミー光を光フィルタ236へ出力する。
【0042】
光フィルタ236は、図1に示した可変透過部132に対応する構成である。光フィルタ236は、多重分離部235から出力されたダミー光を光カプラ237へ透過させる。また、光フィルタ236は、波長により透過率が異なる波長透過特性を有する。これにより、多重分離部235から出力されたダミー光を、ダミー光の波長に応じたパワーに減衰させて光カプラ237へ出力することができる。また、光フィルタ236の前段または後段に、ダミー光を増幅させる増幅器を設けてもよい。これにより、多重分離部235から出力されたダミー光のパワーを増加させて光カプラ237へ出力することも可能になる。ダミー光を増幅させる増幅器は、たとえば増幅量が固定の増幅器とする。これにより、OADM回路231の構成を簡単にすることができる。
【0043】
光カプラ237は、図1に示した合波部133に対応する構成である。光カプラ237は、多重分離部233から出力された信号光と、光フィルタ236から出力されたダミー光と、を合波(波長多重)する。光カプラ237は、合波した波長多重光を、上り幹線からのドロップ信号を含む波長多重光として海底中継器290へ出力する。
【0044】
OADM回路231の多重分離部233、多重化部234、多重分離部235および光フィルタ236は、たとえばバンドパスフィルタによって実現することができる。バンドパスフィルタには、たとえば誘電体多層膜やFBG(Fiber Bragg Grating:ファイバブラッグ格子)などを用いることができる。
【0045】
また、たとえば多重分離部235と光フィルタ236は、信号光の帯域は多重化部234へ出力し、ダミー光の帯域は波長に応じた分だけ光カプラ237へ出力する1つの光フィルタによって実現することも可能である。これにより、OADM回路231の構成を簡単にすることができる。
【0046】
OADM回路232は、陸揚局250から陸揚局210への下りの波長多重光の分岐挿入を行う。たとえば、OADM回路232は、OADM回路231と同様の構成を備えている。ただし、OADM回路232の多重分離部233には、海底中継器241から送信された下りの波長多重光が入力される。
【0047】
OADM回路232の多重化部234は、下りの波長多重光を海底中継器224へ送信する。OADM回路232の多重分離部235は、海底中継器290から送信され、下り幹線へのアド信号を含む波長多重光を多重分離する。OADM回路232の光カプラ237は、合波した波長多重光を下り幹線からのドロップ信号を含む波長多重光として海底中継器290へ出力する。
【0048】
海底中継器241は、増幅器242,243を備えている。増幅器242は、海底分岐装置230から送信された波長多重光を一定のパワーとなるように増幅する。増幅器242は、増幅した波長多重光を海底中継器244へ送信する。増幅器243は、海底中継器244から送信された波長多重光を一定のパワーとなるように増幅する。増幅器243は、増幅した波長多重光を海底分岐装置230へ送信する。
【0049】
海底中継器244は、増幅器245,246を備えている。増幅器245は、海底中継器241から送信された波長多重光を一定のパワーとなるように増幅する。増幅器245は、増幅した波長多重光を陸揚局250へ送信する。増幅器246は、陸揚局250から送信された波長多重光を一定のパワーとなるように増幅する。増幅器246は、増幅した波長多重光を海底中継器241へ送信する。
【0050】
陸揚局250には海底端局装置251(SLTE)が設けられている。海底端局装置251は、受信器252と、送信器253と、を備えている。受信器252は、海底中継器244から送信された波長多重光に含まれる信号光を受信する。送信器253は、波長が異なる複数の光を波長多重した波長多重光を海底中継器221へ送信する。送信器253が送信する波長多重光には、たとえば1波長以上の信号光とダミー光とが含まれる。
【0051】
陸揚局270には海底端局装置271,272(SLTE)が設けられている。海底端局装置271,272のそれぞれは、図1に示した第1通信装置110に対応する構成である。海底端局装置271は、上り幹線へのアド信号を送信するとともに、上り幹線からのドロップ信号を受信する。具体的には、送信器111と、制御部113と、受信器112と、を備えている。
【0052】
送信器111は、上り幹線へのアド信号およびダミー光を含む波長多重光を海底中継器280へ送信する。受信器112には、海底中継器280から送信され、上り幹線からのドロップ信号およびダミー光を含む波長多重光が入力される。受信器112は、入力された波長多重光に含まれるドロップ信号を受信する。
【0053】
制御部113は、送信器111が送信する波長多重光に含まれるダミー光のパワーを制御することで、上り幹線へのアド信号とともに伝送されるダミー光のパワーを調整する。これにより、送信器111によって送信され、海底中継器280,290によって増幅された上り幹線へのアド信号のパワーを調整することができる。また、制御部113は、送信器111が送信する波長多重光に含まれるダミー光の波長を制御する。これにより、海底中継器290,280によって増幅され、受信器112によって受信される上り幹線からのドロップ信号のパワーを調整することができる。
【0054】
海底端局装置272は、下り幹線へのアド信号を送信するとともに、下り幹線からのドロップ信号を受信する。たとえば、海底端局装置272は、たとえば海底端局装置271と同様の構成を備えている。海底端局装置272の送信器111は、下り幹線へのアド信号およびダミー光を含む波長多重光を海底中継器280へ送信する。海底端局装置272の受信器112には、海底中継器280から送信され、下り幹線からのドロップ信号およびダミー光を含む波長多重光が入力される。海底端局装置272の受信器112は、入力された波長多重光に含まれるドロップ信号を受信する。
【0055】
海底端局装置272の制御部113は、海底端局装置272の送信器111が送信する波長多重光に含まれるダミー光のパワーを制御することで、下り幹線へのアド信号とともに伝送されるダミー光のパワーを調整する。これにより、海底端局装置272の送信器111によって送信され、海底中継器280,290によって増幅された下り幹線へのアド信号のパワーを調整することができる。
【0056】
また、海底端局装置272の制御部113は、海底端局装置272の送信器111が送信する波長多重光に含まれるダミー光の波長を制御する。これにより、海底中継器290,280によって増幅され、海底端局装置272の受信器112によって受信される下り幹線からのドロップ信号のパワーを調整することができる。
【0057】
海底中継器280は、増幅器281〜284を備えている。増幅器281,282のそれぞれは、図1に示した第1増幅器120に対応する構成である。増幅器281は、海底端局装置271から送信され、上り幹線へのアド信号を含む波長多重光を一定のパワーとなるように増幅する。増幅器281は、増幅した波長多重光を海底中継器290へ送信する。増幅器282は、海底端局装置272から送信され、下り幹線へのアド信号を含む波長多重光を一定のパワーとなるように増幅する。増幅器282は、増幅した波長多重光を海底中継器290へ送信する。
【0058】
増幅器283,284のそれぞれは、図1に示した第2増幅器140に対応する構成である。増幅器283は、海底中継器290から送信され、上り幹線からのドロップ信号を含む波長多重光を一定のパワーとなるように増幅する。増幅器283は、増幅した波長多重光を海底端局装置271へ送信する。増幅器284は、海底中継器290から送信され、下り幹線からのドロップ信号を含む波長多重光を一定のパワーとなるように増幅する。増幅器284は、増幅した波長多重光を海底端局装置272へ送信する。
【0059】
海底中継器290は、増幅器291〜294を備えている。増幅器291,292のそれぞれは、図1に示した第1増幅器120に対応する構成である。増幅器291は、海底中継器280から送信され、上り幹線へのアド信号を含む波長多重光を一定のパワーとなるように増幅する。増幅器291は、増幅した波長多重光をOADM回路231へ送信する。増幅器292は、海底中継器280から送信され、下り幹線へのアド信号を含む波長多重光を一定のパワーとなるように増幅する。増幅器292は、増幅した波長多重光をOADM回路232へ送信する。
【0060】
増幅器293,294のそれぞれは、図1に示した第2増幅器140に対応する構成である。増幅器293は、OADM回路231から送信され、上り幹線からのドロップ信号を含む波長多重光を一定のパワーとなるように増幅する。増幅器293は、増幅した波長多重光を海底中継器280へ送信する。増幅器294は、OADM回路232から送信され、下り幹線からのドロップ信号を含む波長多重光を一定のパワーとなるように増幅する。増幅器294は、増幅した波長多重光を海底中継器280へ送信する。
【0061】
図2に示した海底通信システム200によれば、海底端局装置271,272の受信器112によって、分岐線の上り回線と下り回線の各ダミー光のパワーを調整することができる。このため、分岐線の上り回線と下り回線の各信号光のパワーを適切な範囲に調整することができる。また、分岐線の上り回線と下り回線の各ダミー光のパワーは、上り幹線および下り幹線の各ダミー光に対して独立して調整することができる。このため、上り幹線および下り幹線と、分岐線の上り回線および下り回線における各信号光のパワーをそれぞれ適切な範囲に調整することができる。
【0062】
(波長多重光の波長配置)
図3は、各光の波長配置の一例を示す図である。図3に示す波長配置310,320,330,340,350,360,370,380は、図2に示したOADM回路231の各部における光の波長配置を示している。各波長配置において、横軸は波長を示し、縦軸はパワーを示している。
【0063】
波長配置310は、海底端局装置211からOADM回路231へ送信された上り幹線の波長多重光の波長配置を示している。波長配置310に示すように、海底端局装置211からOADM回路231へ送信された上り幹線の波長多重光には、信号光311と、ダミー光312,313と、が含まれている。
【0064】
波長配置320は、多重分離部233によって分離されて光カプラ237へ出力された信号光321の波長配置を示している。信号光321は、波長配置310に示した信号光311に含まれる任意の信号光である。
【0065】
波長配置330は、OADM回路231の内部(たとえば多重分離部233と多重化部234との間)における波長多重光の波長配置を示している。波長配置330に示すように、OADM回路231の内部における波長多重光には、信号光331と、ダミー光332,333と、が含まれている。波長配置330は、波長配置310から、波長配置320に示した信号光321を除いた光になる。
【0066】
波長配置340は、OADM回路231から海底端局装置251へ送信される上り幹線の波長多重光の波長配置を示している。波長配置340に示すように、OADM回路231から海底端局装置251へ送信される上り幹線の波長多重光には、信号光341と、ダミー光342,343と、が含まれている。波長配置340は、波長配置330と、多重化部234によって合波された陸揚局270からの信号光(信号光361)と、を含む。
【0067】
波長配置350は、陸揚局270からOADM回路231へ送信された上り幹線へのアド信号を含む波長多重光の波長配置を示している。波長配置350に示すように、陸揚局270からOADM回路231へ送信された波長多重光には、信号光351と、ダミー光352,353と、が含まれている。
【0068】
波長配置360は、多重分離部235によって分離された信号光361の波長配置を示している。波長配置360に示すように、多重分離部235によって分離された信号光361は、波長配置350に示した信号光351が分離された光である。波長配置370は、多重分離部235によって分離されたダミー光372,373の波長配置を示している。波長配置370に示すように、多重分離部235によって分離されたダミー光372,373は、波長配置350に示したダミー光352,353が抽出された光である。
【0069】
波長配置380は、OADM回路231から陸揚局270へ送信される、上り幹線からのドロップ信号を含む波長多重光の波長配置を示している。波長配置380に示すように、OADM回路231から陸揚局270へ送信される波長多重光には、信号光381と、ダミー光382,383、が含まれている。信号光381は、波長配置320に示した信号光321である。ダミー光382,383は、波長配置370に示したダミー光372,373である。
【0070】
(光フィルタの波長透過特性)
図4は、光フィルタの波長透過特性の一例を示す図である。図4において、横軸は、光フィルタ236へ入力される光の波長[nm]を示している。縦軸は、光フィルタ236を透過する光の損失[dB]を示している。波長透過特性401は、光フィルタ236の波長に対する損失の特性を示している。波長透過特性401に示すように、光フィルタ236は、波長によって損失(透過率)が異なる特性を有する。
【0071】
これにより、海底端局装置271,272の制御部113によってダミー光の波長を制御することで、光フィルタ236を透過するダミー光のパワーを調整することができる。このため、OADM回路231,232から海底中継器290,280を経由してそれぞれ海底端局装置271,272へ送信される波長多重光に含まれるダミー光のパワーを調整することができる。これにより、海底端局装置271,272によって受信される波長多重光に含まれる信号光のパワーを調整することができる。
【0072】
(ダミー光のパワーの調整)
図5は、ダミー光の波長制御によるダミー光のパワーの変化の一例を示す図である。図5において、横軸は、光フィルタ236へ入力される光の波長[nm]を示している。縦軸は、光フィルタ236を透過した光のレベル(光レベル)[dB]を示している。ダミー光501〜504は、光フィルタ236を透過する各ダミー光の一例である。ノイズ510は、光フィルタ236を透過する光ノイズである。波長透過特性401は、図4に示した光フィルタ236の波長透過特性である。
【0073】
たとえば、ダミー光503の波長を短波長方向に変化させると、光フィルタ236の波長透過特性401によってダミー光503に対する損失が小さくなる。このため、ダミー光503の光レベルが高くなり、ダミー光503aのようになる。このように、光フィルタ236は、波長によって損失(透過率)が異なる波長透過特性401を有する。これにより、ダミー光の波長を制御することでOADM回路231から陸揚局270へ折り返されるダミー光のパワーを変化させることができる。
【0074】
図6は、分岐線の上り回線におけるダミー光のパワーの調整の一例を示す図である。図6において、横軸は光の波長を示し、縦軸は光のパワーを示している。信号光610およびダミー光620,630は、たとえば海底端局装置271からOADM回路231(分岐線の上り回線)へ送信される波長多重光に含まれる信号光とダミー光の一例を示している。海底端局装置271からOADM回路231へ送信される波長多重光に含まれるダミー光620,630のパワーは、送信器111において信号光と合波するダミー光のパワーを制御部113によって制御することによって変化させることができる。
【0075】
図7は、分岐線の下り回線におけるダミー光のパワーの調整の一例を示す図である。図7において、横軸は光の波長を示し、縦軸は光のパワーを示している。信号光710およびダミー光720,730は、たとえばOADM回路231から海底端局装置271(分岐線の下り回線)へ送信される波長多重光に含まれる信号光とダミー光の一例を示している。OADM回路231から海底端局装置271へ送信される波長多重光に含まれるダミー光720,730のパワーは、送信器111において信号光と合波するダミー光の波長を制御部113によって制御することによって変化させることができる。
【0076】
図8は、分岐線の上り回線における波長多重光の一例を示す図である。図8に示す信号光801およびダミー光802,803は、海底端局装置271からOADM回路231(分岐線の上り回線)へ送信される波長多重光に含まれる信号光およびダミー光の一例である。信号光801には複数波長の信号光が含まれており、各信号光のパワーは一定であるとする。ダミー光802,803のそれぞれには複数波長のダミー光が含まれており、各ダミー光のパワーは一定であるとする。ダミー光802に含まれる各ダミー光の波長は、信号光810の各信号光よりも短波長側に設定されている。ダミー光803に含まれる各ダミー光の波長は、信号光810の各信号光よりも長波長側に設定されている。
【0077】
図9は、分岐線の下り回線における波長多重光の一例を示す図である。光フィルタ236の特性を図4に示した波長透過特性401とし、分岐線の上り回線における波長多重光を図8のようにした場合について説明する。この場合は、図2に示したOADM回路231から海底端局装置271(分岐線の下り回線)へ送信される波長多重光に含まれる信号光およびダミー光は信号光901およびダミー光902,903のようになる。ダミー光902,903は、波長が長くなるほど損失が大きくなる波長透過特性401の光フィルタ236を通過することにより、波長が長くなるほどパワーが低くなっている。
【0078】
(光フィルタの波長透過特性の変形例)
図10は、光フィルタの波長透過特性の変形例1を示す図である。図10において、図4に示した部分と同様の部分については説明を省略する。光フィルタ236は、図10に示す波長透過特性1001を有していてもよい。波長透過特性1001は、信号光の波長が設定される信号帯域1002においては損失が一定な特性である。また、波長透過特性1001は、信号帯域1002の短波長側においては、波長が長くなるほど損失が小さくなる特性である。また、波長透過特性1001は、信号帯域1002の長波長側においては、波長が長くなるほど損失が大きくなる特性である。
【0079】
図11は、図10に示した変形例1に対応する分岐線の下り回線における波長多重光の一例を示す図である。光フィルタ236の特性を図10に示した波長透過特性1001とし、分岐線の上り回線における波長多重光を図8のようにした場合について説明する。この場合は、図2に示したOADM回路231から海底端局装置271(分岐線の下り回線)へ送信される波長多重光に含まれる信号光およびダミー光は信号光1101およびダミー光1102,1103のようになる。
【0080】
ダミー光1102の波長は、図10に示した信号帯域1002より短波長側に設定されている。このため、ダミー光1102は、波長が長くなるほどパワーが高くなっている。ダミー光1103の波長は、図10に示した信号帯域1002より長波長側に設定されている。このため、ダミー光1103は、波長が長くなるほどパワーが低くなっている。
【0081】
図8に示したダミー光802,803の波長を、信号帯域1002に近づけたり遠ざけたりすることで、分岐線の下り回線における波長多重光に含まれるダミー光1102,1103のパワーをダイナミックに変化させることができる。
【0082】
図12は、光フィルタの波長透過特性の変形例2を示す図である。図12において、図4に示した部分と同様の部分については説明を省略する。光フィルタ236は、図12に示す波長透過特性1201を有していてもよい。波長透過特性1201は、信号光の波長が設定される信号帯域1202においては損失が一定な特性である。また、波長透過特性1201は、信号帯域1202の両側のダミー光の波長帯域において、損失が波長に対して周期的に変化する特性である。
【0083】
図13は、図12に示した変形例2に対応する分岐線の下り回線における波長多重光の一例を示す図である。光フィルタ236の特性を図12に示した波長透過特性1201とし、分岐線の上り回線における波長多重光を図8のようにした場合について説明する。この場合は、図2に示したOADM回路231から海底端局装置271(分岐線の下り回線)へ送信される波長多重光に含まれる信号光およびダミー光は信号光1301およびダミー光1302,1303のようになる。
【0084】
ダミー光1302,1303の波長は、図12に示した信号帯域1202の両側に設定されている。このため、ダミー光1302,1303は、波長に対してパワーが周期的に変化している。図8に示したダミー光802,803の波長を変化させることで、分岐線の下り回線における波長多重光に含まれるダミー光1302,1303のパワーを変化させることができる。これにより、海底中継器280,290における出力一定制御により、受信器112によって受信される信号光801のパワーを調整することができる。
【0085】
また、光フィルタ236の波長透過特性1201においては、損失が波長に対して周期的に変化しているため、ダミー光802,803の波長の変化量が小さくてもダミー光1302,1303のパワーを変化させることができる。このため、送信器111が合波するダミー光の波長の可変幅を小さくすることが可能になるため、回路規模を縮小することが可能になる。
【0086】
図14は、光フィルタの波長透過特性の変形例3を示す図である。図14において、横軸は、光フィルタ236へ入力される光の波長[nm]を示している。縦軸は、光フィルタ236を透過する光の透過率[dB]を示している。光フィルタ236は、外部からの制御によって波長透過特性を変更可能な可変フィルタとしてもよい。波長透過特性1401〜1415は、光フィルタ236に設定可能な波長透過特性を示している。
【0087】
波長透過特性1401〜1415に示すように、光フィルタ236は、たとえば波長に対する透過率の傾斜を変更可能な可変光フィルタとする。これにより、ダミー光のパワーの調整をより柔軟に行うことができる。光フィルタ236の波長透過特性は、たとえば海底端局装置271の制御部113が、分岐線の上り回線を用いて制御信号を光フィルタ236へ送信することによって制御する。ただし、制御信号を送信する経路はこれに限らず、他の経路を用いてもよい。また、光フィルタ236の波長透過特性の制御は、海底端局装置271に限らず、他の装置から行ってもよい。
【0088】
(通信システムの変形例)
図15は、図2に示した通信システムの変形例を示す図である。図15において、図2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図15に示すように、OADM回路231,232のそれぞれは、図2に示した光フィルタ236に代えてVOA1501を備えていてもよい。
【0089】
VOA1501は、多重分離部235から出力されたダミー光を、可変の減衰量によって減衰させる。VOA1501は、減衰させたダミー光を光カプラ237へ出力する。光カプラ237は、多重分離部233から出力された信号光と、VOA1501から出力されたダミー光と、を合波することで波長多重する。
【0090】
これにより、多重分離部235から出力されたダミー光を、VOA1501の減衰量に応じて減衰させて光カプラ237へ出力することができる。また、VOA1501の前段または後段に、ダミー光を増幅させる増幅器を設けてもよい。これにより、多重分離部235から出力されたダミー光のパワーを増加させて光カプラ237へ出力することも可能になる。ダミー光を増幅させる増幅器は、たとえば増幅量が固定の増幅器とする。これにより、OADM回路231の構成を簡単にすることができる。
【0091】
VOA1501の減衰量は、たとえば海底端局装置271の制御部113が、分岐線の上り回線を用いて制御信号をVOA1501へ送信することによって制御する。ただし、制御信号を送信する経路はこれに限らず、他の経路を用いてもよい。また、VOA1501の減衰量の制御は、海底端局装置271に限らず、他の装置から行ってもよい。
【0092】
図16は、VOAの波長透過特性の一例を示す図である。図16において、横軸は、VOA1501へ入力される光の波長[nm]を示している。縦軸は、VOA1501を透過する光の損失[dB]を示している。波長透過特性1601は、VOA1501の波長に対する損失の特性を示している。波長透過特性1601に示すように、VOA1501は、波長によらず損失が一定の特性であってもよい。ただし、波長透過特性1601は、外部からの制御により、損失方向に変化させることができる。
【0093】
これにより、たとえば海底端局装置271,272の制御部113によって波長透過特性1601を制御することで、VOA1501を透過するダミー光のパワーを調整することができる。このため、OADM回路231,232から海底中継器290,280を経由してそれぞれ海底端局装置271,272へ送信される波長多重光に含まれるダミー光のパワーを調整することができる。これにより、海底端局装置271,272によって受信される波長多重光に含まれる信号光のパワーを調整することができる。
【0094】
図17は、図16に示した波長透過特性に対応する分岐線の下り回線における波長多重光の一例を示す図である。VOA1501の特性を図16に示した波長透過特性1601とし、分岐線の上り回線における波長多重光を図8のようにした場合について説明する。この場合は、図15に示したOADM回路231から海底端局装置271(分岐線の下り回線)へ送信される波長多重光に含まれる信号光およびダミー光は信号光1701およびダミー光1702,1703のようになる。
【0095】
ダミー光1702,1703は、波長によらずパワーが一定となっている。図16に示した波長透過特性1601の損失方向に変化させることで、分岐線の下り回線における波長多重光に含まれるダミー光1702,1703のパワーを変化させることができる。これにより、海底中継器280,290における出力一定制御により、受信器112によって受信される信号光1701のパワーを調整することができる。
【0096】
(ダミー光のパワーの制御)
図18は、ダミー光のパワーの制御の一例を示すフローチャートである。一例として、海底端局装置271の制御部113が、上り幹線における分岐線の上り回線と下り回線の各ダミー光のパワーを制御する場合について説明する。この場合は、制御部113は、たとえば図18に示す各ステップを実行する。
【0097】
まず、制御部113は、海底端局装置271から送信する上り幹線へのアド信号の陸揚局250における受信品質を示す受信品質情報を取得する(ステップS1801)。つぎに、制御部113は、陸揚局210から送信された上り幹線のスルー信号の陸揚局250における受信品質を示す受信品質情報を取得する(ステップS1802)。ステップS1801,S1802における受信品質情報の取得方法については後述する。
【0098】
つぎに、制御部113は、ステップS1801,S1802によって取得された各受信品質情報が示すアド信号とスルー信号の各受信品質が同じ(ほぼ同じも含む)か否かを判断する(ステップS1803)。各受信品質が同じでない場合(ステップS1803:No)は、制御部113は、送信器111が送信する波長多重光に含まれるダミー光のパワーを変化させ(ステップS1804)、ステップS1801へ戻る。
【0099】
たとえば、制御部113は、アド信号とスルー信号の各受信品質の差が小さくなる変化方向を判定し、判定した方向へダミー光のパワーを一定量変化させる。ステップS1801〜S1804により、アド信号の受信品質が、スルー信号の受信品質と同じになるように、アド信号に合波するダミー光のパワーを制御することができる。なお、アド信号の受信品質が閾値以上になるように、アド信号に合波するダミー光のパワーを制御してもよい。この場合は、ステップS1802は省いてもよい。
【0100】
ステップS1803において、アド信号とスルー信号の各受信品質が同じである場合(ステップS1803:Yes)は、制御部113は、ステップS1505へ移行する。すなわち、制御部113は、陸揚局210から送信されOADM回路231によってドロップされたドロップ信号の海底端局装置271における受信品質を示す受信品質情報を取得する(ステップS1805)。受信品質情報の取得方法については後述する。
【0101】
つぎに、制御部113は、ステップS1805によって取得された受信品質情報が示すドロップ信号の受信品質が閾値以上か否かを判断する(ステップS1806)。受信品質情報が示すドロップ信号の受信品質が閾値以上でない場合(ステップS1806:No)は、制御部113は、送信器111が送信する波長多重光に含まれるダミー光の波長を変化させ(ステップS1807)、ステップS1805へ戻る。
【0102】
たとえば、制御部113は、ドロップ信号の受信品質が向上する変化方向を判定し、判定した方向へダミー光の波長を一定量変化させる。ステップS1805〜S1807により、スルー信号の受信品質が閾値以上になるように、スルー信号に合波するダミー光のパワーを制御することができる。
【0103】
ステップS1806において、受信品質情報が示すドロップ信号の受信品質が閾値以上である場合(ステップS1806:Yes)は、制御部113は、一連の処理を終了する。ステップS1801,S1802,S1805における受信品質情報には、たとえばエラーレートなどを用いることができる。
【0104】
ステップS1801,S1802における、制御部113による受信品質情報の取得方法について説明する。たとえば、海底端局装置251は、受信器252によって受信した信号光のうちの、海底端局装置271から送信されてOADM回路231によってアドされた信号光の受信品質を測定する。そして、海底端局装置251は、測定した受信品質を示す受信品質情報を海底端局装置271へ送信する。これにより、制御部113は、海底端局装置271から送信する上り幹線へのアド信号の受信品質を示す受信品質情報を取得することができる。
【0105】
また、海底端局装置251は、受信器252によって受信した信号光のうちの、海底端局装置211から送信されてOADM回路231によってスルーされた信号光の受信品質を測定する。そして、海底端局装置251は、測定した受信品質を示す受信品質情報を海底端局装置271へ送信する。これにより、制御部113は、陸揚局210から送信された上り幹線のスルー信号の海底端局装置251における受信品質を示す受信品質情報を取得することができる。
【0106】
海底端局装置251から海底端局装置271へ受信品質情報を送信する経路には、たとえば、下り幹線から陸揚局270へのドロップ経路を用いることができる。ただし、受信品質情報を送信する経路はこれに限らず、他の経路を用いてもよい。
【0107】
ステップS1805における、制御部113による受信品質情報の取得方法について説明する。たとえば、海底端局装置271は、受信器112によって受信した信号光のうちの、海底端局装置211から送信されてOADM回路231によってドロップされた信号光の受信品質を測定する測定部を備える。測定部は、測定した受信品質を示す受信品質情報を制御部113へ出力する。これにより、制御部113は、海底端局装置211から送信されOADM回路231によってドロップされたドロップ信号の海底端局装置271における受信品質を示す受信品質情報を取得することができる。
【0108】
このように、制御部113は、海底端局装置271から送信するアド信号(第1信号光)の受信品質を示す受信品質情報を取得し、取得した受信品質情報に基づいてダミー光のパワーを制御する。これにより、海底端局装置271から送信するアド信号の受信品質が所定の条件をみたすようにダミー光のパワーを制御することができる。このため、分岐線の上り回線における通信品質を向上させることができる。
【0109】
また、制御部113は、海底端局装置271から送信するアド信号に含まれる信号光の波長数を取得し、取得した波長数に応じてダミー光のパワーを制御してもよい。たとえば、制御部113は、海底端局装置271から送信するアド信号に含まれる信号光の波長数が多いほど、ダミー光のパワーを小さくする。
【0110】
また、制御部113は、OADM回路231からのドロップ信号(第2信号光)の受信品質を示す受信品質情報を取得し、取得した受信品質情報に基づいてダミー光の透過率を制御する。これにより、OADM回路231からのドロップ信号の受信品質が所定の条件をみたすようにダミー光の透過率を制御することができる。このため、分岐線の下り回線における通信品質を向上させることができる。
【0111】
また、制御部113は、OADM回路231からのドロップ信号に含まれる信号光の波長数を取得し、取得した波長数に応じてダミー光の透過率を制御してもよい。たとえば、制御部113は、OADM回路231からのドロップ信号に含まれる信号光の波長数が多いほど、ダミー光の透過率を小さくする。
【0112】
(通信システムの他の適用例)
図19は、図1に示した通信システムの他の適用例を示す図である。図19に示す海底通信システム1900は、幹線局1901,1906と、海底中継器1902,1905,1908,1910と、海底分岐装置1903,1904と、分岐局1907,1909と、を含んでいる。
【0113】
図1に示した通信システム100は、たとえば海底分岐装置1903、分岐局1907および海底中継器1908の部分に適用することができる。また、図1に示した通信システム100は、たとえば海底分岐装置1904、分岐局1909および海底中継器1910の部分に適用することができる。
【0114】
このように、図1に示した通信システム100は、海底通信システム1900の各分岐線に適用することができる。ただし、図1に示した通信システム100は、海底通信システム200や海底通信システム1900の各分岐線に限らず、双方向の回線を有する各通信システムに適用することができる。たとえば、図1に示した第1通信装置110を海底通信システム200の陸揚局210に適用し、図1に示した第2通信装置130を海底通信システム200の海底分岐装置230または陸揚局250に適用してもよい。
【0115】
以上説明したように、通信システム、通信装置および通信方法によれば、通信品質を向上させることができる。
【0116】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0117】
(付記1)第1信号光と、前記第1信号光と波長が異なるダミー光と、を合波して送信する送信器と、
前記送信器によって送信された光を一定のパワーに増幅する第1増幅器と、
前記第1増幅器によって増幅された光から前記ダミー光を分波し、分波したダミー光を可変の透過率で透過させ、透過したダミー光と、前記ダミー光と波長が異なる第2信号光と、を合波して送信する通信装置と、
前記通信装置によって送信された光を一定のパワーに増幅する第2増幅器と、
前記第2増幅器によって増幅された光に含まれる前記第2信号光を受信する受信器と、
前記透過率を制御する制御部と、
を含むことを特徴とする通信システム。
【0118】
(付記2)前記制御部は、前記送信器によって合波される前記第1信号光のパワーを制御することを特徴とする付記1に記載の通信システム。
【0119】
(付記3)前記通信装置は、前記分波したダミー光を透過させ、光の波長により透過率が異なる光フィルタを備え、
前記制御部は、前記送信器によって合波される前記ダミー光の波長を制御することを特徴とする付記1または2に記載の通信システム。
【0120】
(付記4)前記光フィルタは、前記ダミー光の波長帯域において波長に対して透過率が周期的に変化する特性を有することを特徴とする付記3に記載の通信システム。
【0121】
(付記5)前記光フィルタは、透過する光の波長に対する透過率の特性が可変の可変光フィルタであり、
前記制御部は、前記可変光フィルタの前記特性を制御することを特徴とする付記3または4に記載の通信システム。
【0122】
(付記6)前記通信装置は、前記分波したダミー光を透過させ、減衰量が可変の光可変減衰器を備え、
前記制御部は、前記光可変減衰器の前記減衰量を制御することを特徴とする付記1または2に記載の通信システム。
【0123】
(付記7)前記通信装置は、
前記第1増幅器によって増幅された光に含まれる前記第1信号光を他の光回線に挿入する挿入部と、
前記光回線から前記第2信号光を分岐する分岐部と、
を備え、前記分岐部によって分岐された第2信号光と前記ダミー光とを合波する挿入分岐装置であることを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の通信システム。
【0124】
(付記8)前記送信器および前記受信器は同一の通信装置に設けられていることを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の通信システム。
【0125】
(付記9)前記通信装置は、海底に設けられる通信装置であることを特徴とする付記1〜8のいずれか一つに記載の通信システム。
【0126】
(付記10)前記制御部は、前記第2信号光の受信品質を示す受信品質情報を取得し、取得した受信品質情報に基づいて前記透過率を制御することを特徴とする付記1〜9のいずれか一つに記載の通信システム。
【0127】
(付記11)前記制御部は、前記第1信号光の受信品質を示す受信品質情報を取得し、取得した受信品質情報に基づいて前記ダミー光のパワーを制御することを特徴とする付記2に記載の通信システム。
【0128】
(付記12)第1信号光と、前記第1信号光と波長が異なるダミー光と、を合波して送信された光から前記ダミー光を分波し、分波したダミー光を可変の透過率で透過させ、透過したダミー光と、前記ダミー光と波長が異なる第2信号光と、を合波して送信する他の通信装置との間で光を送受信する通信装置において、
前記第1信号光と前記ダミー光とを合波し、合波した光を、光を一定のパワーに増幅する第1増幅器を介して前記他の通信装置へ送信する送信器と、
前記他の通信装置によって、光を一定のパワーに増幅する第2増幅器を介して送信された光に含まれる前記第2信号光を受信する受信器と、
前記透過率を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【0129】
(付記13)第1信号光と、前記第1信号光と波長が異なるダミー光と、を合波した光を送信する送信器を備える他の通信装置との間で光を送受信する通信装置において、
前記他の通信装置によって、光を一定のパワーに増幅する第1増幅器を介して送信された光から前記ダミー光を分波する分波部と、
前記分波部によって分波されたダミー光を可変の透過率で透過させる透過部と、
前記透過部を透過したダミー光と、前記ダミー光と波長が異なる第2信号光と、を合波する合波部と、
を備え、前記合波部によって合波された光を、光を一定のパワーに増幅する第2増幅器を介して前記他の通信装置へ送信することを特徴とする通信装置。
【0130】
(付記14)第1信号光と、前記第1信号光と波長が異なるダミー光と、を合波した光を、光を一定のパワーに増幅する第1増幅器を介して送信し、
前記第1増幅器を介して送信した光から前記ダミー光を分波し、
分波したダミー光を可変の透過率で透過させ、
透過させたダミー光と、前記ダミー光と波長が異なる第2信号光と、を合波し、
合波した光を、光を一定のパワーに増幅する第2増幅器を介して送信し、
前記第2増幅器を介して送信した光に含まれる前記第2信号光を受信し、
前記透過率を制御する、
ことを特徴とする通信方法。
【符号の説明】
【0131】
100 通信システム
101,102 回線
110 第1通信装置
111,212,253 送信器
112,213,252 受信器
113 制御部
120 第1増幅器
130 第2通信装置
131 分波部
132 可変透過部
133 合波部
140 第2増幅器
200,1900 海底通信システム
210,250,270 陸揚局
211,251,271,272 海底端局装置
221,224,241,244,280,290,1902,1905,1908,1910 海底中継器
222,223,225,226,242,243,245,246,281〜284,291〜294 増幅器
230,1903,1904 海底分岐装置
231,232 OADM回路
233,235 多重分離部
234 多重化部
236 光フィルタ
237 光カプラ
310,320,330,340,350,360,370,380 波長配置
311,321,331,341,351,361,381,610,710,801,810,901,1101,1301,1701 信号光
312,313,332,333,342,343,352,353,372,373,382,383,501〜503,503a,504,620,630,720,730,802,803,902,903,1102,1103,1302,1303,1702,1703 ダミー光
401,1001,1201,1401〜1415,1601 波長透過特性
510 ノイズ
1002,1202 信号帯域
1501 VOA
1901,1906 幹線局
1907,1909 分岐局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1信号光と、前記第1信号光と波長が異なるダミー光と、を合波して送信する送信器と、
前記送信器によって送信された光を一定のパワーに増幅する第1増幅器と、
前記第1増幅器によって増幅された光から前記ダミー光を分波し、分波したダミー光を可変の透過率で透過させ、透過したダミー光と、前記ダミー光と波長が異なる第2信号光と、を合波して送信する通信装置と、
前記通信装置によって送信された光を一定のパワーに増幅する第2増幅器と、
前記第2増幅器によって増幅された光に含まれる前記第2信号光を受信する受信器と、
前記透過率を制御する制御部と、
を含むことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記送信器によって合波される前記第1信号光のパワーを制御することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記通信装置は、前記分波したダミー光を透過させ、光の波長により透過率が異なる光フィルタを備え、
前記制御部は、前記送信器によって合波される前記ダミー光の波長を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記通信装置は、
前記第1増幅器によって増幅された光に含まれる前記第1信号光を他の光回線に挿入する挿入部と、
前記光回線から前記第2信号光を分岐する分岐部と、
を備え、前記分岐部によって分岐された第2信号光と前記ダミー光とを合波する挿入分岐装置であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の通信システム。
【請求項5】
第1信号光と、前記第1信号光と波長が異なるダミー光と、を合波して送信された光から前記ダミー光を分波し、分波したダミー光を可変の透過率で透過させ、透過したダミー光と、前記ダミー光と波長が異なる第2信号光と、を合波して送信する他の通信装置との間で光を送受信する通信装置において、
前記第1信号光と前記ダミー光とを合波し、合波した光を、光を一定のパワーに増幅する第1増幅器を介して前記他の通信装置へ送信する送信器と、
前記他の通信装置によって、光を一定のパワーに増幅する第2増幅器を介して送信された光に含まれる前記第2信号光を受信する受信器と、
前記透過率を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項6】
第1信号光と、前記第1信号光と波長が異なるダミー光と、を合波した光を送信する送信器を備える他の通信装置との間で光を送受信する通信装置において、
前記他の通信装置によって、光を一定のパワーに増幅する第1増幅器を介して送信された光から前記ダミー光を分波する分波部と、
前記分波部によって分波されたダミー光を可変の透過率で透過させる透過部と、
前記透過部を透過したダミー光と、前記ダミー光と波長が異なる第2信号光と、を合波する合波部と、
を備え、前記合波部によって合波された光を、光を一定のパワーに増幅する第2増幅器を介して前記他の通信装置へ送信することを特徴とする通信装置。
【請求項7】
第1信号光と、前記第1信号光と波長が異なるダミー光と、を合波した光を、光を一定のパワーに増幅する第1増幅器を介して送信し、
前記第1増幅器を介して送信した光から前記ダミー光を分波し、
分波したダミー光を可変の透過率で透過させ、
透過させたダミー光と、前記ダミー光と波長が異なる第2信号光と、を合波し、
合波した光を、光を一定のパワーに増幅する第2増幅器を介して送信し、
前記第2増幅器を介して送信した光に含まれる前記第2信号光を受信し、
前記透過率を制御する、
ことを特徴とする通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−205045(P2012−205045A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67258(P2011−67258)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】