通信システムおよび通信システムにおける通信装置
【課題】ネットワーク上に、少なくとも1つの入力先となるMFP、少なくとも1つの出力先となるMFP、複数の操作手段となるコードレス子機、通信管理と通信処理を行う通信機器が、LAN等のインタフェースで互いに接続されているシステムである。この場合、複数のコードレス子機のそれぞれを使用するユーザが異なる場合、コードレス子機を使用する各ユーザのプライバシーを守ることができる通信システムおよび通信システムにおける通信装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】上記コードレス子機から通信管理レポートの出力要求があったときに、当該コードレス子機に関する通信管理レポートを、上記通信装置が、上記画像処理装置に出力要求する通信システムである。
【解決手段】上記コードレス子機から通信管理レポートの出力要求があったときに、当該コードレス子機に関する通信管理レポートを、上記通信装置が、上記画像処理装置に出力要求する通信システムである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークで接続された複数のコードレス電話装置と少なくとも1つの画像処理装置とによって構成されている通信システムにおいて、通信履歴を出力する通信システムおよび通信システムにおける通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のFAX機能付き電話は、コードレス子機等の電話としての機能が充実している反面、プリンタ機能、スキャナ機能等の性能が劣る。一方、PCの周辺機器である複合機(以下、「MFP」という)は、FAX、スキャナ、プリンタが一台になった装置であるが、スキャナ、プリンタ機能が充実している反面、FAX等の電話機能は、FAX機能付き電話よりも劣る。このために、上記全ての機能を満足させるためには、重複した機能を持つにもかかわらず、ユーザは、両者を購入する必要があるという問題がある。なお、上記「MFP」は、Multi Function Peripheralである。
【0003】
上記問題を解決するためには、FAXを含めた通信機能のみを実行する端末と、画像のスキャン、プリント機能のみを実行する端末とを用意し、これらを、LANを含めた各インタフェースで接続する。そして、後者から入力されたデータを使用して、前者がFAX機能を実行するというシステムが要望される。
【0004】
また、一方で通信回線に接続されている1台のファクシミリ装置に、LAN等の各インタフェースによって、接続されているPC、ワークステーションが複数台存在するシステムについて提案されている。この場合、各PC、ワークステーションによって指示された通信履歴を、その端末ごとに出力するための手段が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
つまり、1台のファクシミリ装置に、複数のPCやワークステーションが繋がり、これらのPC等から、ファクシミリ装置を介して、通信した場合、従来のような通信管理レポートの出力方法では、どのPCから送信指示等が出たのかわからない。そこで、特許文献1記載の手段は、PC(端末)毎に、通信管理情報がわかるように管理し、出力できるようにしたものである。
【特許文献1】特開平7−115531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来例では、通信管理を行っている手段と、通信履歴のレポート(以下、「通信管理レポート」という)を出力している手段とが、同一のファクシミリ装置である。そして、現在のネットワークに複数の操作手段、入力先、出力先が設定されている状況に対応していないという問題がある。
【0007】
また、複数のコードレス子機による操作が可能な通信手段に、通信手段を持たない少なくとも1つのMFPが、LAN等のインタフェースで互いに接続されたシステムにおいては、次のことが望まれる。つまり、特定のMFPから入力された通信の履歴、特定のコードレス子機に関連する通信の履歴、特定のMFPか出力された通信の履歴等、ユーザが望む通信履歴が記述された通信管理レポートを、ユーザが望むMFPでの出力が望まれる。
【0008】
つまり、複数のコードレス子機のそれぞれを使用するユーザが異なる場合、各ユーザのプライバシーに配慮する必要がある。
【0009】
本発明は、ネットワーク上に、少なくとも1つの入力先となるMFP、少なくとも1つの出力先となるMFP、複数の操作手段となるコードレス子機、通信管理と通信処理を行う通信機器が、LAN等のインタフェースで互いに接続されているシステムである。この場合、複数のコードレス子機のそれぞれを使用するユーザが異なる場合、コードレス子機を使用する各ユーザのプライバシーを守ることができる通信システムおよび通信システムにおける通信装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
また、本発明は、ネットワーク上に、少なくとも1つの入力先として設定される画像処理装置、スキャナ、少なくとも1つの出力先として設定される画像処理装置、プリンタ、複数の操作手段として設定されるコードレス子機を有する。また、本発明は、通信管理と通信処理とを行う通信機器を有する。これらが、LAN等のインタフェースで、互いに接続されているシステムである。この場合、画像処理装置が持つ形式の通信管理レポートを作成することができ、また、複数の画像処理装置が接続されている場合、画像処理装置のそれぞれに処理を分散できるようにする。これによって、1台で全て実行する場合よりもそれぞれの負荷が少なくなり、通信システム全体の効率が上がるようにする。
【0011】
さらに、本発明は、通信管理レポートをプリントすることを指定された画像通信装置が故障等している場合でも、通信管理レポートを確実にプリントすることができる通信システムおよび通信システムにおける通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、コードレス電話機能とファクシミリ通信機能とを具備する通信装置と、スキャナ機能、プリンタ機能のうちの少なくとも一方を具備する少なくとも1つの画像処理装置と、無線接続によって上記通信装置との間で制御信号と音声信号とを送受信する複数のコードレス子機と、上記通信装置と上記画像処理装置とを接続するネットワークとを有する通信システムにおいて、上記通信装置は、上記コードレス子機から通信管理レポートの出力要求があったときに、当該コードレス子機に関する通信管理レポートを、上記画像処理装置に出力要求することを特徴とする通信システムである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1、4、7記載の発明は、ネットワーク上に、少なくとも1つの入力先となるMFP、少なくとも1つの出力先となるMFP、複数の操作手段となるコードレス子機、通信管理と通信処理を行う通信機器が、互いに接続されているシステムである。この場合、LAN等のインタフェースで互いに接続されている。このシステムにおいて、複数のコードレス子機のそれぞれを使用するユーザが異なる場合、コードレス子機を使用する各ユーザのプライバシーを守ることができるという効果を奏する。
【0014】
請求項8、9、10記載の発明は、コードレス電話機能とファクシミリ通信機能とを具備する通信装置と、スキャナ機能、プリンタ機能のうちの少なくとも一方を具備する複数の画像処理装置とを有する。また、無線接続によって上記通信装置との間で制御信号と音声信号とを送受信するコードレス子機と、上記通信装置と上記画像処理装置とを接続するネットワークとを有する通信システムである。このシステムにおいて、通信管理レポートをプリントすることを指定されている画像処理装置に、上記通信管理レポートをプリントさせる。したがって、その画像処理装置が持つ形式の通信管理レポートを作成することができるという効果を奏する。また、複数の画像処理装置のそれぞれに処理を分散できるので、1台で全て実行する場合よりもそれぞれの負荷が少なくなり、通信システム全体の効率が上がるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
発明を実施するための最良の形態は、次の実施例である。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の実施例1である通信システムCS1を示すブロック図である。
【0017】
通信システムCS1は、通信BOX100と、コードレス子機200(200−1、200−2)と、MFP300(300−1、300−2)と、DHCP機能を有するネットワークルータ400とを有する。また、一般的なPC(パーソナルコンピュータ)500と、ネットワークケーブル600とを有する。
【0018】
通信BOX100は、通信装置の一例である。
【0019】
コードレス子機200は、無線によって通信BOX100と接続されている。
【0020】
MFP300は、画像処理装置の一例である。実施例1において、MFP300は、ネットワーク600に複数接続可能であり、実施例1では、2台のMFP300−1、300−2が設けられているが、3台以上のMFPを接続するようにしてもよく、また、MFPを1台のみ接続するようにしてもよい。
【0021】
ネットワークケーブル600は、IEEE802.3で規定されているようなネットワークで各々接続されている。また、ネットワークケーブル600は、IEEE802.11a/b/gで規定されているような無線ネットワークで接続されていてもよい。
【0022】
図2は、実施例1における通信BOX100を示すブロック図である。
【0023】
通信BOX100は、コードレス子機200とのやり取りを行う無線インタフェース、ファクシミリ通信やコードレス子機200による通話を行うための公衆回線網700とのインタフェースを有する。また、通信BOX100は、ネットワークによって接続されたPC500やMFP300との間で、通信するためのインタフェースを備えている。
【0024】
通信BOX100は、制御部101と、ROM102と、RAM103と、バッファメモリ104と、符号復号化部105と、通信制御部106と、モデム107と、クロスポイントスイッチ部108と、無線制御部109とを有する。また、通信BOX100は、ネットワーク制御部110と、システムバス111と、電話帳メモリ113と、WEBページメモリ114とを有する。
【0025】
制御部101は、ROM102に記憶されているプログラムに従って、通信BOX100の全体を制御する。
【0026】
ROM102は、制御部101の制御プログラムや、オペレーティングシステム(OS)プログラム等が格納され、制御部101は、ここに格納されている制御プログラムに従って、通信BOX100の動作を制御する。実施例1では、ROM102に格納されている各制御プログラムは、ROM102に格納されているOSプログラムの管理下で、スケジューリングやタスク切り替え等のソフトウエア制御を実行する。
【0027】
RAM103は、演算処理や、オペレータが登録した設定値や装置の管理データ等の記憶、通信BOX100をネットワークルータに接続したときに取得するアドレスの記憶に使用される。また、RAM103は、ネットワークに接続されているMFP300のアドレスの記憶、FAX受信した際に、自動出力する設定になっている場合における出力先となるMFP300の設定情報の保存等に使用される。
【0028】
バッファメモリ104は、ネットワークを通じて送られてくる画像データやデータパケットの蓄積、公衆回線700を介して送受信されるファクシミリ画像データの蓄積を行う。また、バッファメモリ104は、コードレス子機200からファクシミリ送信指示を受けたときに、同時にコードレス子機200から送られてきた相手先ダイヤル番号情報の蓄積を行う。
【0029】
符号復号化部105は、動作モードに応じて、MFP300から受信した画像データ、または公衆回線700から受信した画像データを、MH、MR、JBIG、JPEG等の圧縮伸張する符号復号化処理を行うものである。
【0030】
通信制御部106は、公衆回線700と通信BOX100とを接続するインタフェースであり、局交換機からの呼出信号を検出するリンガ検出回路、ダイヤル生成回路、2線−4線変換を行うためのトランス回路等で構成されている。また、コードレス子機200による通話の音声信号やファクシミリ通信の変調信号は、通信制御部106を通じて公衆回線700との間で送受信される。
【0031】
モデム107は、デジタルデータをファクシミリ通信のために変復調するものである。
【0032】
クロスポイントスイッチ部108は、制御部101からの制御によって、通信制御部106を介して送受信されるアナログ信号を、動作モードに応じて、モデム107と、無線制御部109との間で切り替える。
【0033】
無線制御部109は、RFモジュールを含み、無線によって接続されたコードレス子機200との間で通信を行うために、制御データと音声信号とを変調し、無線送信可能な形式に変換し、アンテナ112に送る。また、アンテナ112から無線受信した信号を復調し、制御データを制御部101に出力し、アナログ信号(音声信号)をクロスポイントスイッチ部108に出力する。コードレス子機200が使用されると、通信BOX100とコードレス子機200とが無線によって接続され、音声パスが形成される。
【0034】
ネットワーク制御部110は、IEEE802.3等によって規定されたネットワークでの通信制御を行う。また、ネットワーク制御部110は、ネットワークに接続され、TCP/IP等の規格に沿ってプロトコル制御を行い、MFP300からのデータパケットの受信と、MFP300へのデータパケットの送信とを行う。
【0035】
ネットワーク制御部110は、データパケットを受信すると、データパケットを受信したことを制御部101に通知する。
【0036】
電話帳メモリ113は、コードレス子機200毎に登録されている通信相手先名称、電話番号、FAX番号等を記憶する。
【0037】
システムバス111は、制御部101と各ブロックとを接続するシステムバスである。
【0038】
WEBページメモリ114は、コードレス子機200の表示部に表示するメモリであり、HTML形式で記述された各種設定メニュー画面を記憶する。
【0039】
ネットワークケーブル600は、通信BOX100と、MFP300と、PC500とネットワークルータ400とを互いに接続する。
【0040】
公衆回線700は、これを通じて電話の通話やファクシミリ通信を行う。
【0041】
なお、無線制御部109は、コードレス子機から通信管理レポートの出力要求を受信する出力要求受信手段の例である。また、ネットワーク制御部110は、上記通信管理レポートの出力要求を受信したときに、当該コードレス子機に関する通信管理レポートを、MFP300に出力要求する通信管理レポート出力手段の例でもある。
【0042】
また、上記通信管理レポート出力手段は、当該コードレス子機が通信した通信先と、指定したMFP300に関する通信管理レポートを、MFP300に出力要求する手段である。
【0043】
図3は、実施例1におけるコードレス子機200を示すブロック図である。
【0044】
コードレス子機200は、制御部201と、ROM202と、RAM203と、ベースバンド部204と、無線部205と、アンテナ206と、表示部207とを有する。また、コードレス子機200は、操作部208と、スピーカ209と、レシーバ210と、マイク211と、EEPROM212と、システムバス213とを有する。
【0045】
制御部201は、コードレス子機200の全体の制御を行う。
【0046】
ROM202は、制御部201の制御プログラムやオペレーティングシステム(OS)プログラム等を格納し、制御部201は、ここに格納されている制御プログラムに従って、通信BOX100の動作を制御する。
【0047】
コードレス子機200を区別するコードレス子機IDもここに保存される。
【0048】
RAM203は、演算処理や表示部207に表示する画像データを格納し、通信BOX100から受信した電話帳データ等を記憶する。
【0049】
操作部208は、ダイヤル番号等を入力するダイヤルキーや、通話キー、送信キー、電話帳キー等の機能キーによって構成されている。
【0050】
表示部207は、操作部208の操作に従って、各種設定画面や入力されたダイヤル番号、通信BOX100の動作状況等を表示する。
【0051】
ベースバンド部204は、モデム・コンパンダ、秘話・アンプ機能を有し、制御データおよび音声信号を伝送効率のよい形式に変復調する。ベースバンド部204からの変調信号を、無線部205を介して、通信BOX100に伝送する。また無線部205からの変調信号を復調し、制御信号は、制御部201に出力し、音声信号をスピーカ209へ出力する。
【0052】
無線部205は、ベースバンド部204からの変調信号を、無線送信可能な形式に変換し、アンテナ206に送るとともに、アンテナ206から無線受信した信号から、変調信号を取り出し、ベースバンド部204に出力する。
【0053】
マイク211は、通話音声信号を入力する。スピーカ209は、音声信号を拡声出力し、また着信音等を鳴動させる。レシーバ210は、通話音声信号を出力する。
【0054】
EEPROM212は、コードレス子機200と通信BOX100との間の無線通信を確立するためのシステムの呼出符号(システムID)、コードレス子機200のコードレス子機番号ID等を記憶する不揮発性のメモリの例である。
【0055】
システムバス213は、制御部201と上記各ブロックとを接続する。
【0056】
図4は、実施例1におけるMFP300を示すブロック図である。
【0057】
MFP300は、画像読取部と画像記録部とを有し、読み取った画像データをネットワークに出力し、ネットワークから受信した画像データを、上記記録部が記録し、または、上記読取部が読み取った画像データを、上記記録部が記録するものである。
【0058】
MFP300は、制御部301と、ROM302と、RAM303と、バッファメモリ304と、操作部305と、読取処理部306と、読取部307と、記録処理部308と、記録部309と、表示部310とを有する。また、MFP300は、符号復号化処理部311と、ネットワーク制御部312と、システムバス323とを有する。
【0059】
制御部301は、システム制御部であり、MFP300の全体を制御する。
【0060】
ROM302は、制御部301の制御プログラムやオペレーティングシステム(OS)プログラム等を格納し、格納された制御プログラムに従って端末装置の動作を制御する。実施例1では、ROM302に格納されている各制御プログラムは、ROM302に格納されているOSプログラムの管理下で、スケジューリングやタスク切り替え等のソフトウエア制御が行われる。また、各MFP300を区別するために、MFPのIDもここに保存される。
【0061】
RAM303は、演算処理や、オペレータが登録した設定値や装置の管理データ等の記憶、さらにはMFP300をネットワークルータに接続した時に取得するアドレスの記憶等に使用される。
【0062】
バッファメモリ304は、読み取った画像データや受信した画像データを蓄積し、また、ネットワークを介して送受信されるデータパケットの蓄積等を行うものである。
【0063】
操作部305は、各種入力キーで構成され、オペレータによる各種入力操作を行うものである。
【0064】
表示部310は、LED、LCD等で構成され、読み取りモードを設定するための表示や、各種設定のための表示、MFP300の動作状況の表示等を行うものである。
【0065】
読取処理部306は、読取部307において光電変換素子によって原稿を光学的に読み取り、電気的な画像データに変換した画像信号を、2値化処理、中間調処理等の各種画像処理を施し、高精細な画像データを出力するものである。
【0066】
読取処理部306は、ROM302に格納されている制御プログラムのスキャン制御タスクプログラムによって制御される。読取部307は、CCDやコンタクトイメージセンサ等の光電変換素子によって構成されている。
【0067】
記録処理部308は、記録部309が画像データを記録するために、記録画像データに、解像度変換処理やスムージング処理を行う。また、記録処理部308は、記録部309に紙無し、紙ジャム、トナー(またはインク)切れ等の障害が発生したときに、記録部309から障害情報を受け取り、制御部301に通知する。さらに、記録処理部308は、ROM302に格納されている制御プログラムのプリンタ制御タスクプログラムによって制御される。
【0068】
記録部309は、レーザビームプリンタやインクジェットプリンタ等で構成され、記録紙検知手段、トナー(またはインク)検知手段、ジャム検知手段を有している。
【0069】
符号復号化処理部311は、動作モードに応じて、画像データを、MH、MR、JBIG、JPEG等の圧縮伸張する符号復号化処理を行うものである。
【0070】
ネットワーク制御部312は、IEEE802.3等によって規定されたネットワークでの通信制御を行う。ネットワーク制御部312は、ネットワークに接続され、TCP/IP等の規格に沿ってプロトコル制御を行い、MFP300が取得したアドレスを宛先にしたデータパケットの受信と、MFP300からのデータパケットの送信とを行う。ネットワーク制御部312は、データパケットを受信すると、データパケットを受信したことを制御部301に通知する。
【0071】
システムバス323は、制御部301と各ブロックとを接続するシステムバスである。
【0072】
図5は、コードレス子機200の外観を示す図である。
【0073】
コードレス子機200は、操作部208と表示部207とを有する。
【0074】
操作部208は、ダイヤル番号等を入力するためのダイヤルキーや、通話キー、送信キー、電話帳キー等の機能キーから構成されている。表示部207は、入力されたダイヤル番号等を表示する。通信管理レポートを出力指示する場合、機能キーによって、通信管理レポート出力モードメニューが呼び出され、そこで各設定が行われる。
【0075】
次に、実施例における通信管理の動作について説明する。
【0076】
図6〜図8は、実施例1において、ファクシミリ送信、受信時、コードレス子機200による通話時における各装置の動作を示すフローチャートである。
【0077】
まず、ファクシミリ送信する場合、ユーザは、MFP300の読取部307の図示しない原稿台に送信原稿をセットし、コードレス子機200の操作部208に設けられているダイヤルキーによって、送信相手先の番号を入力する(S1)。送信キーを押下すると(S2)、コードレス子機200は、入力された相手先番号情報と、ファクシミリ送信指示情報と、自身が保存するコードレス子機IDとを、通信BOX100に送信する(S3)。
【0078】
通信BOX100は、相手先番号情報とともにファクシミリ送信指示情報を受信すると(S11〜S12)、相手先番号情報を、バッファメモリ104に一旦、記憶し(S13)、MFP300のIDを保存する(S15)。ネットワーク制御部312を通じて、読み取り開始命令を、MFP300に送信する(S16)。この際、通信BOX100は、上記情報の送信先であるコードレス子機200が持つコードレス子機IDを、相手先番号情報と関連付けて保存する(S14)。
【0079】
MFP300は、通信BOX100から送られた読み取り開始命令を、ネットワーク制御部312が受信すると、原稿の読み取りを行い、読み取った画像データを、バッファメモリ304に順次、蓄積する。そして、バッファメモリ304に蓄積した画像データを、ネットワーク制御部312を介して、通信BOX100に送る。これを原稿の読み取り終了まで繰り返す。
【0080】
通信BOX100は、MFP300が送信した画像データを受信すると(S17)、バッファメモリ104に順次、蓄積する。そして受信したデータを一旦バッファメモリ104に記憶した後に、順次、符号復号化部105に転送し、画像データの符号化を行い(S18)、バッファメモリ104に再度蓄積する。
【0081】
同時に、制御部101は、クロスポイントスイッチ部108を、モデム107側に切り替え(S19)、バッファメモリ104に一時記憶した相手先番号情報を読み出し(S20)、通信制御部106が、公衆回線700に発呼する(S21)。相手側ファクシミリ装置が応答すると、バッファメモリ104に蓄積した画像データを、モデム107が変調し、ITU−TのT.30勧告で標準化されたファクシミリ通信手順に則って相手先に送信する(S22)。画像データの送信を全て終了すると(S23)、通信BOX100は、公衆回線700との接続を切断する(S24)。そして、通信結果、通信日時、通信に要した時間を、上記コードレス子機ID、MFPのID、相手先番号情報と関連つけて保存し、待機状態に戻る(S25)。
【0082】
次に、実施例1における通話(発信)の動作について説明する。
【0083】
通話(発信)の場合、コードレス子機200の操作部208に設けられているダイヤルキーによって、相手先の番号を入力し(S1)、通話キーを押下する(S4)。通話キーが押下されると、コードレス子機200は、入力された相手先番号情報と、発呼指示情報と、自身が保存するコードレス子機IDとを、通信BOX100に送信する(S5)。
【0084】
通信BOX100は、相手先番号情報とともに発呼指示情報を受信すると(S11〜S12)、制御部101は、クロスポイントスイッチ部108を、無線制御部109側に切り替える(S26)。そして、コードレス子機200から受信した相手先番号を、通信制御部106が発呼する(S29)。この際、通信BOX100は、上記情報の送信先であるコードレス子機200が持つコードレスIDと相手先番号情報とを関連付けて保存する(S27〜S28)。相手先が応答すると、クロスポイントスイッチ部108と無線制御部109とを介して、コードレス子機200による通話が可能になる(S30、S6)。
【0085】
通話が終了し、コードレス子機200の切キーが押下されると(S7)、コードレス子機200から通信BOX100に、切断指示情報を送信する(S8)。通信BOX100は、コードレス子機200から切断指示情報を受信すると(S31)、公衆回線700との接続を切断する(S32)。そして、通信結果、通信日時、通信に要した時間を、上記コードレス子機ID、相手先番号情報に関連つけて保存し、待機状態に戻る(S33)。
【0086】
次に、実施例1におけるファクシミリ受信の動作について説明する。
【0087】
公衆回線700からFAX受信が要求されると(S41〜S42)、通信BOX100は、ITU−TのT.30勧告で標準化されたファクシミリ通信手順に則って画像データを受信する(S43)。この画像データは、順次、バッファメモリ104に蓄積され、受信が完了したら、回線を切断する(S43)。蓄積された画像データは、順次、符号復号化部105に転送され、画像データの復号化処理後に、再度、バッファメモリ104へ保存される(S45)。回線切断時、通信結果、通信日時、通信に要した時間も保存し、相手先番号が認識可能な場合は、それも関連付けて保存する(S44)。
【0088】
その後、通信BOX100に予め設定されているFAX受信した画像データを印刷するMFP300を識別し(S46)、この識別されたMFP300に、ネットワーク制御部312を介して、上記画像データを送信する(S47)。このMFP300は、通信BOX100が、FAX画像送信先の電話番号を認識できる場合、この認識された電話番号ごとに、印刷するMFP300を変えるように制御するようにしてもよい。また、手動受信のように一度通信BOX100で受信した後に、特定のコードレス子機200によって、印刷先となるMFP300を指定するようにしてもよい。対象となるMFP300において、受信した画像データを印刷する。
【0089】
次に、実施例1において、通話(着信)の動作について説明する。
【0090】
公衆回線700より通話(着信)が要求されたときに(S41〜S42)、通信BOX100は、着信用のコードレス子機200、または通信BOX100に接続することが可能な全てのコードレス子機200を呼び出す(S49)。これら呼び出されたコードレス子機200の中の1つのコードレス子機200において、ユーザがフックアップしたことを認識したら(S50)、制御部101は、クロスポイントスイッチ部108を無線制御部109側に切り換える(S51)。そして、通話状態へ移行する(S53)。
【0091】
この際に、通信BOX100は、上記フックアップされたコードレス子機200が持つコードレス子機IDを保存し、相手先番号を認識できる場合、その相手先番号も関連付けて保存する(S52)。通話終了後に(S54)、通信BOX100は、回線を切断し(S55)、通信結果、通信日時、通話時間を、上記コードレス子機IDに関連つけて保存し、待機状態へ移行する(S56)。
【0092】
次に、実施例1における通信管理レポートを作成する動作について説明する。
【0093】
図9、図10は、実施例1において、複数のコードレス子機200の1つから、通信管理レポートの作成依頼が行われたときにおけるコードレス子機200、通信BOX100の動作を示すフローチャートである。
【0094】
ユーザは、複数のコードレス子機200の中の1台のコードレス子機200から、通信管理レポート出力モードメニュー(通信管理レポートを出力するモードにおいて各種設定を行うためのメニュー)を呼び出す(S61)。複数のコードレス子機200のうちで通信管理レポート情報を取得したいコードレス子機200と、複数のMFP300のうちで通信管理レポート情報を取得したいMFP300とを設定する(S62〜S65)。その後に、通信管理レポートを出力(印刷)させるMFP300を設定し(S66)、通信BOX100に、上記設定の情報と、通信管理レポートの出力要求とを送信する(S67)。上記設定は、全項目設定する必要はなく、たとえば、通信管理レポートの出力先として使用されるMFP300を、通信BOX100に予め設定しておけば、S66において出力先を設定する必要はない。
【0095】
同様に、コードレス子機200毎に、出力すべきMFP300を予め設定しておけば(コードレス子機200とMFP300との関係を固定しておけば)S66において出力先を設定する必要はない。
【0096】
通信BOX100は、通信管理レポートの出力要求を受信したら(S71)、通信管理レポートに記載するべきコードレス子機200のコードレス子機ID、MFP300のIDを識別する(S72〜S73)。そして、上記処理において保存された履歴情報(S13〜S15、S25、S27〜S28、S33、S44、S46、S52、S56)から、上記コードレス子機ID、MFPのIDを持つ情報を、検索し(S75)、抜き出す。
【0097】
上記検索された情報を含むレポートデータを作成し(S76)、バッファメモリ104に一時、格納し、S66において設定された、もしくは予め設定された出力先であるMFP300に、ネットワーク制御部312を介して、送信する(S77〜S78)。この送信の終了後に、通信BOX100は、待機状態に移行し(S79)、上記MFP300は、印刷処理を実行する。
【0098】
上記処理において、通信BOX100は、上記設定されたコードレス子機200と、指定されたMFP300に関係する全ての通信管理レポートとを記述したレポートデータを作成する。そして、コードレス子機200、MFP300を指定する場合、コードレス子機200、MFP300が複数であっても、上記と同様に処理する。コードレス子機200のみ指定した場合は、コードレス子機200に関係するすべてのMFP300の通信管理レポートを出力するよう処理する。
【0099】
また、複数のMFP300が、出力先として設定されている場合、出力先として設定されている全てのMFP300に、レポートデータを送信する。
【0100】
実施例1によれば、ネットワーク上に複数のMFP300、複数のコードレス子機200が存在する場合でも、ユーザが必要とする通信管理レポートを得ることが可能であり、ユーザは、その通信管理レポートを容易に認識することができる。
【0101】
また、実施例1は、ネットワーク上に、入力先となる複数のMFP、出力先となる複数のMFP、操作手段となる複数のコードレス子機、通信管理と通信処理を行う通信機器が、LAN等のインタフェースで互いに接続されているシステムである。このシステムで、通信管理レポートの出力要求を送信したコードレス子機のみについての通信管理レポートを出力するので、複数のコードレス子機のそれぞれを使用するユーザが異なる場合、コードレス子機を使用する各ユーザのプライバシーを守ることができる。
【0102】
通信BOX100を使用する全てのユーザの共有情報は、グローバル電話帳に登録され、このグローバル電話帳を、通信BOX100が管理している。また、全てのユーザの共有情報を、1つのレコードとして記憶するので、共有情報が複数のメモリに重複して登録されることを防止することができ、メモリ容量の無駄を防止することができる。
【0103】
また、複数のコードレス子機200のうちの1つのコードレス子機200を使用しているユーザが、他のコードレス子機200を使用して、通信管理レポートを出力指示することもできる。この場合、上記他のコードレス子機200に、自己のパスワードを入力し、このパスワードが通信BOX100で認証されると、上記閲覧が可能になる。
【実施例2】
【0104】
実施例2である通信システムCS2は、通信BOX1100と、コードレス子機1200−1、1200−2と、MFP1300−1、1300−2と、ルータ1400と、PC1500と、ネットワークケーブル1600と、公衆回線1700とを有する。
【0105】
また、通信システムCS2、通信BOX1100、コードレス子機1200−1、1200−2は、それぞれ、通信システムCS1、通信BOX100、コードレス子機200−1、200−2に対応し、基本的にはそれぞれ同じ構成である。MFP1300−1、1300−2、ルータ1400、PC1500、ネットワークケーブル1600、公衆回線1700は、それぞれ、MFP300−1、300−2、ルータ400、PC500、ネットワークケーブル600、公衆回線700に対応する。そして、基本的にはそれぞれ同じ構成であるので、その詳細な構成の説明を省略する。
【0106】
次に、実施例2における通信管理の動作について説明する。
【0107】
図11〜図14は、実施例2において、ファクシミリ送信、受信時における各装置の動作を示すフローチャートであり、また、コードレス子機1200による通話時における各装置の動作を示すフローチャートである。
【0108】
まず、ファクシミリ受信の場合について説明する。
【0109】
公衆回線1700から、FAX受信を要求されると(S81、S82)、通信BOX1100は、ITU−TのT.30勧告で標準化されたファクシミリ通信手順に則って画像データを受信する(S83)。この受信した画像データは、順次、バッファメモリ1104に蓄積され、受信が完了したら、回線を切断する。
【0110】
蓄積された画像データは、順次、符号復号化部1105に転送され、画像データの復号化処理後に、再度、バッファメモリ1104へ保存される(S84)。その後に、通信BOX1100に予め設定されているMFP1300であって、FAX受信した画像データを印刷するMFP1300を識別する。この識別されたMFP1300に、ネットワーク制御部1312を介して、上記画像データを送信する(S85〜S86)。
【0111】
通信BOX1100が、FAX画像送信先の電話番号を認識できる場合、その電話番号毎に、印刷するMFP1300を変えるように制御するようにしてもよい。また、手動受信のように、一度通信BOX1100で受信した後に、特定のコードレス子機1200が、印刷先となるMFP1300を指定するようにしてもよい。この指定されたMFP1300において、受信した画像データを印刷する。
【0112】
画像データを送信した後に、通信結果、通信日時、通信に要した時間も保存する。相手先番号が認識可能な場合は、上記相手先番号も含め、着信を通知すべきコードレス子機1200のコードレス子機IDや、印刷したMFP1300のIDに関連付けて保存する(これらの情報を以降、「通信履歴情報」という)(S88)。
【0113】
この際、通信BOX1100は、原稿の記録処理を実行したMFP1300のシステム構成を認識し、この認識されたMFP1300が、通信履歴情報を保存し、通信管理レポートを作成できるかどうかを判断する(S141〜S143)。通信管理レポートを作成できる場合、通信BOX1100は、MFP1300が通信管理レポートを作成するのに必要な情報を認識した後に、この認識された情報を、通信履歴情報から選別する。そして、MFP1300内の情報記憶手段であるRAM1303に保存させる(S144〜S147)。
【0114】
また、通信管理レポートを作成することができない場合、通信BOX1100の情報記憶手段であるRAM1103に、通信管理レポートを保存する(S148)。なお、着信時に原稿の記録処理を実行するMFP1300を、以降、「データ保存MFP」という。
【0115】
次に通話(着信)の場合について説明する。
【0116】
公衆回線1700から、通話(着信)が要求されたときに(S81〜S82)、通信BOX1100は、着信用のコードレス子機1200、または通信BOX1100に接続することができる全てのコードレス子機1200を呼び出す(S89)。これら呼び出された全てのコードレス子機200の中の1つのコードレス子機において、ユーザがフックアップしたことを認識したら(S90)、制御部1101は、クロスポイントスイッチ部1108を、無線制御部1109側に切り換える(S91)。そして、通話状態へ移行する(S93)。この際、通信BOX1100は、そのコードレス子機1200が持つコードレス子機IDを保存し、相手先番号を認識できる場合、その相手先番号も関連付けて保存する(S92)。
【0117】
通話終了後に(S94)、通信BOX1100は、回線を切断し(S95)、通信結果、通信日時、通話時間を、上記コードレス子機IDに関連つけて保存し、待機状態へ移行する(S96)。この際、これらの情報(通信結果、通信日時、通話時間と、これらに関連つけられたコードレス子機ID)は、通信BOX1100の記憶装置であるRAM1103に保存される(S141〜S143、S148)。
【0118】
次に、ファクシミリ送信の動作について説明する。
【0119】
ユーザは、ファクシミリ送信のために、MFP1300の読取部1307の原稿台に送信原稿をセットし、コードレス子機1200の操作部1208に設けられているダイヤルキーによって、送信相手先の番号を入力する(S101)。そして、送信キーを押下すると(S102)、コードレス子機1200は、通信BOX1100に、入力された相手先番号情報と、ファクシミリ送信指示情報と、自身が保存するコードレス子機IDとを送信する(S103)。
【0120】
通信BOX1100は、相手先番号情報とともにファクシミリ送信指示情報を受信すると(S111、S112)、相手先番号情報を、一旦バッファメモリ1104に記憶し(S113)、MFP1300のIDを保存する(S115)。ネットワーク制御部1312を通じて、このMFP1300に、読み取り開始命令を送信する(S116)。
【0121】
この際、通信BOX1100は、上記情報の送信先であるコードレス子機1200が持つコードレス子機IDを、相手先番号情報と関連付けて保存する(S114)。
【0122】
MFP1300において、通信BOX1100から送られた読み取り開始命令を、ネットワーク制御部1312が受信すると、原稿の読み取りを行い、読み取った画像データを、順次バッファメモリ1304に蓄積する。バッファメモリ1304に蓄積した画像データを、ネットワーク制御部1312を介して、通信BOX1100に送る。この動作を、原稿の読み取り終了まで繰り返す。
【0123】
通信BOX1100は、MFP1300から送られた画像データを受信すると(S117)、順次、バッファメモリ1104に蓄積する。受信したデータをバッファメモリ1104に記憶した後に、順次、符号復号化部1105に転送し、画像データの符号化を行い(S118)、再度バッファメモリ1104に蓄積する。同時に、制御部1101は、クロスポイントスイッチ部1108を、モデム1107側に切り替え(S119)、バッファメモリに一時記憶した相手先番号情報を読み出し(S120)、通信制御部1106が公衆回線1700に発呼する(S121)。
【0124】
相手側ファクシミリ装置が応答すると、バッファメモリ1104に蓄積した画像データを、モデム1107が変調し、ITU−TのT.30勧告で標準化されたファクシミリ通信手順に則って相手先に送信する(S122)。画像データの送信が全て終了すると(S123)、通信BOX1100は、公衆回線1700との接続を切断する(S124)。
【0125】
そして、通信結果、通信日時、通信に要した時間を、上記コードレス子機ID、MFPのID、相手先番号情報と関連つけて保存し、待機状態に戻る(S125)。
【0126】
この際、通信BOX1100は、データ保存したMFP1300のシステム構成を認識し、そのデータ保存MFP1300が、通信履歴情報を保存し、通信管理レポートを作成できるかどうかを判断する(S141〜S143)。MFP1300が通信管理レポートを作成できると判断された場合、通信BOX1100は、データ保存したMFP1300が通信管理レポートを作成するのに必要な情報を認識する。その後に、それを通信履歴情報から選別し、データ保存したMFP1300内の情報記憶手段であるRAM1303に保存させる(S144〜S147)。
【0127】
一方、MFP1300が通信管理レポートを作成できないと判断された場合、通信BOX1100の情報記憶手段であるRAM1103に保存する(S148)。
【0128】
次に、実施例2における通話(発信)の動作について説明する。
【0129】
通話(発信)する場合、コードレス子機1200の操作部1208に設けられているダイヤルキーによって、相手先の番号を入力し(S101)、通話キーを押下する(S104)。通話キーが押下されると、コードレス子機1200は、入力された相手先番号情報と、発呼指示情報と、自身が保持しているコードレス子機IDとを、通信BOX1100に送信する(S105)。
【0130】
通信BOX1100は、相手先番号情報と発呼指示情報とを受信すると(S111、S112)、制御部1101は、クロスポイントスイッチ部1108を無線制御部1109側に切り替える(S126)。そして、コードレス子機1200から受信した相手先番号を、通信制御部1106が発呼する(S129)。その際、通信BOX1100は、上記情報の送信先であるコードレス子機1200が持つコードレスIDと、相手先番号情報とを関連付けて保存する(S127〜S128)。相手先が応答すると、クロスポイントスイッチ部1108と無線制御部1109とを介して、コードレス子機1200による通話が可能になる(S130)。
【0131】
通話が終了し、コードレス子機1200の切キーが押下されると(S107)、コードレス子機1200から通信BOX1100に、切断指示情報が送信される(S108)。通信BOX1100は、コードレス子機1200から切断指示情報を受信すると(S131)、公衆回線1700との接続を切断する(S132)。そして、通信結果、通信日時、通信に要した時間を、上記コードレス子機ID、相手先番号情報に関連つけて保存し(S133)、待機状態に戻る。その際、これらの情報は、通信BOX1100の記憶装置であるRAM1103に保存される(S141〜S143、S148)。
【0132】
次に、実施例2において、通信管理レポートを作成する動作について説明する。
【0133】
図15、図16は、実施例2において、複数のコードレス子機1200のうちの1つのコードレス子機1200から、通信管理レポートの作成を依頼されたときに、コードレス子機1200、通信BOX1100の動作を示すフローチャートである。
【0134】
なお、通信BOX1100に接続されているMFP1300は、通信管理機能と通信管理レポート作成機能とを持つMFP1300と、両機能を保持しないプリンタ1300として記述する。
【0135】
ユーザは、複数のコードレス子機1200の中の1台のコードレス子機1200から、通信管理レポート出力モードメニューを呼び出す(S151)。そして、通信管理レポートを表示することを望むコードレス子機1200、MFP1300(プリンタ1300)を設定する(S152〜S155)。その後に、通信管理レポートを出力するMFP1300(プリンタ1300)を設定し(S156)、通信BOX1100に、これらの設定情報と出力要求とを送信する(S157)。
【0136】
これらの設定は、全項目設定する必要はなく、レポートの出力先として使用されるMFP1300(プリンタ1300)の設定を、通信BOX1100に、予め設けておけば、レポートの出力先として使用されるMFP1300を設定する必要はない。これと同様に、コードレス子機1200毎に、出力先となるMFP1300(プリンタ1300)を固定するように設定されていれば、レポートの出力先として使用されるMFP1300を設定する必要はない。
【0137】
通信管理レポートの上記出力要求を、通信BOX1100が受信する(S161)。要求を発信したコードレス子機1200のコードレス子機ID、通信管理レポートに記載するべきMFP1300(プリンタ1300)(以下、「レポート記載MFP1300」という)のMFPのIDを識別する。また、それに対応するデータ保存MFP1300のIDと、出力先のMFP1300(プリンタ1300)(以下、「出力端末」という)のMFPのIDを識別する(S162〜S164)。
【0138】
データ保存MFP1300と出力端末のMFPのIDとが一致すると、まず、通信BOX1100は、自身の記憶手段であるRAM1103の内部の通信履歴情報を検索する。そして、上記のコードレス子機IDと上記レポート記載MFP1300のIDとに関連付けられた通信履歴情報(以下、「ユーザ指定IDリンク情報」という)が存在していないかどうかを検索する(S166)。上記出力端末が、通信履歴情報を保存し、通信管理レポートを作成するための手段を持っているかどうかを判別する(S167)。
【0139】
上記出力端末が、通信管理レポートの作成手段を持っていない場合(つまり、上記出力端末がプリンタ1300である場合)には、通信BOX1100内で検索したユーザ指定IDリンク情報のみを用い、通信管理レポートデータを作成する。そして、出力端末であるプリンタ1300に、上記作成された通信管理レポートと印刷要求とを送信する(S172)。
【0140】
また、出力端末が通信管理レポートの作成手段を保持する。つまり、MFP1300であり、しかも、通信BOX1100内にユーザ指定IDリンク情報が存在している場合、通信BOX1100は、上記コードレス子機IDと、上記レポート記載MFP1300のIDと、ユーザ指定IDリンク情報とを送出する。すなわち、要求先の端末内に保存されたそれらのIDに関連する通信履歴を用いた通信管理レポートデータの作成要求と印刷要求とを、出力端末であるMFP1300に送出する(S168〜S170)。
【0141】
この場合、MFP1300が出力した通信管理レポートには、MFP1300に保存されていた上記コードレス子機IDと上記レポート記載MFP1300のIDとに関連した通信履歴情報が記載される。また、MFP1300が出力した通信管理レポートには、通信BOX1100内に保存されていた上記コードレス子機IDとレポート記載MFP1300のIDに関連する通信履歴情報とが記載される。
【0142】
一方、上記出力端末が、通信管理レポートの作成手段を保持している場合(つまりMFP1300であり、しかも、通信BOX1100内にユーザ指定IDリンク情報が存在していない場合)、通信BOX1100は、次のものを送出する。つまり、上記コードレス子機IDと、レポート記載MFP1300のIDと、それらのIDに関連する通信履歴を用いた通信管理レポートデータの作成要求と、印刷要求とを、出力端末であるMFP1300に送出する(S168、S170)。
【0143】
この場合、MFP1300から出力された通信管理レポートには、MFP1300に保存されている上記コードレス子機IDと、レポート記載MFP1300のIDとに関連する通信履歴情報が記載される。
【0144】
また、データ保存MFP1300と出力端末のMFPのIDとが一致しない場合、通信BOX1100は、自身の記憶手段であるRAM1103の内部の通信履歴情報を検索し、ユーザ指定IDリンク情報が存在していないかどうかを検索する(S176)。そして、出力端末が通信履歴情報を保存し、通信管理レポートを作成する手段を持っているかどうかを判別する(S177)。
【0145】
出力端末が、通信管理レポートの作成手段を持っていない場合(プリンタ1300である場合)、通信BOX1100が検索したユーザ指定IDリンク情報のみを用い、通信管理レポートデータを作成する。そして、出力端末であるプリンタ1300に、印刷要求とともに送信する(S171、S172)。
【0146】
また、出力端末が通信管理レポートの作成手段を保持する場合(つまりMFP1300であり、しかも、通信BOX1100内にユーザ指定IDリンク情報が存在している場合)、通信BOX1100は、次のものを送出する。つまり、上記コードレス子機ID、レポート記載MFP1300のID、ユーザ指定IDリンク情報、それらのIDに関連する通信履歴を用いた通信管理レポートデータの作成要求とを送出する。また、作成されたデータを通信BOX1100に転送させるレポートデータ転送要求を送出する。この場合、通信BOX1100に転送させるレポートデータ転送要求を、データ保存MFP1300であるMFP1300に送出する(S178〜S180)。
【0147】
転送された通信管理レポートデータを受信した通信BOX1100は、出力端末に対してそのデータと印刷要求とを送信する(S181、S172)。この場合、出力端末から出力された通信管理レポートには、MFP1300に保存されていた上記コードレス子機IDと、レポート記載MFP1300のIDに関連した通信履歴情報とが記載される。また、出力端末から出力された通信管理レポートには、通信BOX1100内に保存されていた上記コードレス子機IDと、レポート記載MFP1300のIDに関連した通信履歴情報とが記載される。
【0148】
一方、出力端末が通信管理レポートの作成手段を保持している場合(つまりMFP1300であり、しかも、通信BOX1100内にユーザ指定IDリンク情報が存在していない場合)、通信BOX1100は、次のように送出する。つまり、上記コードレス子機ID、レポート記載MFP1300のID、それらのIDに関連する通信履歴を用いた通信管理レポートデータの作成要求と、作成されたデータを通信BOX1100に転送させるレポートデータ転送要求とを送出する。この場合、データ保存MFP1300であるMFP1300に送出する(S178、S180)。
【0149】
転送された通信管理レポートデータを受信した通信BOX1100は、出力端末に、そのデータと印刷要求とを送信する。この場合、MFP1300から出力された通信管理レポートには、MFP1300に保存されていた上記コードレス子機ID、レポート記載MFP1300のIDに関連した通信履歴情報が記載される。
【0150】
上記の処理を終了した後に、各出力端末において通信管理レポートが出力される。したがって、通信BOX1100は、出力端末からの印刷処理完了通知の受信待ち状態に移行し(S174)、受信したら、その結果を作成要求があったコードレス子機1200に通知する(S175)。
【0151】
上記構成によって、ネットワーク上に複数のMFP1300、プリンタ、スキャナ、複数のコードレス子機1200が存在する場合でも、ユーザが必要とする通信管理レポートを得ることができ、ユーザは、その通信履歴を容易に認識することができる。
【実施例3】
【0152】
本発明の実施例3は、上記実施例の機能を実現するプログラムを、システムまたは装置に、直接または遠隔から供給し、そのシステムまたは装置が、供給されたプログラムコードを読み出して実行する実施例である。
【0153】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0154】
この場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタによって実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0155】
プログラムを供給する記録媒体として、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカードがある。また、プログラムを供給する記録媒体として、ROM、DVD(DVD−ROM、DVD−R)等がある。
【0156】
プログラムを供給する場合、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのものをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによって供給できる。また、圧縮され自動インストール機能を含むファイルを、ハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても、プログラムを供給できる。
【0157】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。
【0158】
つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明のクレームに含まれるものである。
【0159】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせるようにしてもよい。このようにすれば、その鍵情報を使用することによって暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0160】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、上記実施例の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づいて、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行う。このようにすれば、その処理によっても上記実施例の機能が実現され得る。
【0161】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後に、そのプログラムの指示に基づいて実行するようにしてもよい。これによって、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても上記実施例の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】本発明の実施例1である通信システムCS1を示すブロック図である。
【図2】実施例1における通信BOX100を示すブロック図である。
【図3】実施例1におけるコードレス子機200を示すブロック図である。
【図4】実施例1におけるMFP300を示すブロック図である。
【図5】コードレス子機200の外観を示す図である。
【図6】実施例1において、ファクシミリ送信、受信時、コードレス子機200による通話時における各装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】実施例1において、ファクシミリ送信、受信時、コードレス子機200による通話時における各装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】実施例1において、ファクシミリ送信、受信時、コードレス子機200による通話時における各装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】実施例1において、複数のコードレス子機200の1つから、通信管理レポートの作成依頼が行われたときにおけるコードレス子機200、通信BOX100の動作を示すフローチャートである。
【図10】実施例1において、複数のコードレス子機200の1つから、通信管理レポートの作成依頼が行われたときにおけるコードレス子機200、通信BOX100の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施例2において、ファクシミリ送信、受信時における各装置の動作を示すフローチャートであり、また、コードレス子機1200による通話時における各装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】実施例2において、ファクシミリ送信、受信時における各装置の動作を示すフローチャートであり、また、コードレス子機1200による通話時における各装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】実施例2において、ファクシミリ送信、受信時における各装置の動作を示すフローチャートであり、また、コードレス子機1200による通話時における各装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】実施例2において、ファクシミリ送信、受信時における各装置の動作を示すフローチャートであり、また、コードレス子機1200による通話時における各装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】実施例2において、複数のコードレス子機1200のうちの1つのコードレス子機1200から、通信管理レポートの作成を依頼されたときに、コードレス子機1200、通信BOX1100の動作を示すフローチャートである。
【図16】実施例2において、複数のコードレス子機1200のうちの1つのコードレス子機1200から、通信管理レポートの作成を依頼されたときに、コードレス子機1200、通信BOX1100の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0163】
CS1、CS2…通信システム、
100、1100…通信BOX、
200、1200…コードレス子機、
300、1300…MFP。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークで接続された複数のコードレス電話装置と少なくとも1つの画像処理装置とによって構成されている通信システムにおいて、通信履歴を出力する通信システムおよび通信システムにおける通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のFAX機能付き電話は、コードレス子機等の電話としての機能が充実している反面、プリンタ機能、スキャナ機能等の性能が劣る。一方、PCの周辺機器である複合機(以下、「MFP」という)は、FAX、スキャナ、プリンタが一台になった装置であるが、スキャナ、プリンタ機能が充実している反面、FAX等の電話機能は、FAX機能付き電話よりも劣る。このために、上記全ての機能を満足させるためには、重複した機能を持つにもかかわらず、ユーザは、両者を購入する必要があるという問題がある。なお、上記「MFP」は、Multi Function Peripheralである。
【0003】
上記問題を解決するためには、FAXを含めた通信機能のみを実行する端末と、画像のスキャン、プリント機能のみを実行する端末とを用意し、これらを、LANを含めた各インタフェースで接続する。そして、後者から入力されたデータを使用して、前者がFAX機能を実行するというシステムが要望される。
【0004】
また、一方で通信回線に接続されている1台のファクシミリ装置に、LAN等の各インタフェースによって、接続されているPC、ワークステーションが複数台存在するシステムについて提案されている。この場合、各PC、ワークステーションによって指示された通信履歴を、その端末ごとに出力するための手段が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
つまり、1台のファクシミリ装置に、複数のPCやワークステーションが繋がり、これらのPC等から、ファクシミリ装置を介して、通信した場合、従来のような通信管理レポートの出力方法では、どのPCから送信指示等が出たのかわからない。そこで、特許文献1記載の手段は、PC(端末)毎に、通信管理情報がわかるように管理し、出力できるようにしたものである。
【特許文献1】特開平7−115531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来例では、通信管理を行っている手段と、通信履歴のレポート(以下、「通信管理レポート」という)を出力している手段とが、同一のファクシミリ装置である。そして、現在のネットワークに複数の操作手段、入力先、出力先が設定されている状況に対応していないという問題がある。
【0007】
また、複数のコードレス子機による操作が可能な通信手段に、通信手段を持たない少なくとも1つのMFPが、LAN等のインタフェースで互いに接続されたシステムにおいては、次のことが望まれる。つまり、特定のMFPから入力された通信の履歴、特定のコードレス子機に関連する通信の履歴、特定のMFPか出力された通信の履歴等、ユーザが望む通信履歴が記述された通信管理レポートを、ユーザが望むMFPでの出力が望まれる。
【0008】
つまり、複数のコードレス子機のそれぞれを使用するユーザが異なる場合、各ユーザのプライバシーに配慮する必要がある。
【0009】
本発明は、ネットワーク上に、少なくとも1つの入力先となるMFP、少なくとも1つの出力先となるMFP、複数の操作手段となるコードレス子機、通信管理と通信処理を行う通信機器が、LAN等のインタフェースで互いに接続されているシステムである。この場合、複数のコードレス子機のそれぞれを使用するユーザが異なる場合、コードレス子機を使用する各ユーザのプライバシーを守ることができる通信システムおよび通信システムにおける通信装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
また、本発明は、ネットワーク上に、少なくとも1つの入力先として設定される画像処理装置、スキャナ、少なくとも1つの出力先として設定される画像処理装置、プリンタ、複数の操作手段として設定されるコードレス子機を有する。また、本発明は、通信管理と通信処理とを行う通信機器を有する。これらが、LAN等のインタフェースで、互いに接続されているシステムである。この場合、画像処理装置が持つ形式の通信管理レポートを作成することができ、また、複数の画像処理装置が接続されている場合、画像処理装置のそれぞれに処理を分散できるようにする。これによって、1台で全て実行する場合よりもそれぞれの負荷が少なくなり、通信システム全体の効率が上がるようにする。
【0011】
さらに、本発明は、通信管理レポートをプリントすることを指定された画像通信装置が故障等している場合でも、通信管理レポートを確実にプリントすることができる通信システムおよび通信システムにおける通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、コードレス電話機能とファクシミリ通信機能とを具備する通信装置と、スキャナ機能、プリンタ機能のうちの少なくとも一方を具備する少なくとも1つの画像処理装置と、無線接続によって上記通信装置との間で制御信号と音声信号とを送受信する複数のコードレス子機と、上記通信装置と上記画像処理装置とを接続するネットワークとを有する通信システムにおいて、上記通信装置は、上記コードレス子機から通信管理レポートの出力要求があったときに、当該コードレス子機に関する通信管理レポートを、上記画像処理装置に出力要求することを特徴とする通信システムである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1、4、7記載の発明は、ネットワーク上に、少なくとも1つの入力先となるMFP、少なくとも1つの出力先となるMFP、複数の操作手段となるコードレス子機、通信管理と通信処理を行う通信機器が、互いに接続されているシステムである。この場合、LAN等のインタフェースで互いに接続されている。このシステムにおいて、複数のコードレス子機のそれぞれを使用するユーザが異なる場合、コードレス子機を使用する各ユーザのプライバシーを守ることができるという効果を奏する。
【0014】
請求項8、9、10記載の発明は、コードレス電話機能とファクシミリ通信機能とを具備する通信装置と、スキャナ機能、プリンタ機能のうちの少なくとも一方を具備する複数の画像処理装置とを有する。また、無線接続によって上記通信装置との間で制御信号と音声信号とを送受信するコードレス子機と、上記通信装置と上記画像処理装置とを接続するネットワークとを有する通信システムである。このシステムにおいて、通信管理レポートをプリントすることを指定されている画像処理装置に、上記通信管理レポートをプリントさせる。したがって、その画像処理装置が持つ形式の通信管理レポートを作成することができるという効果を奏する。また、複数の画像処理装置のそれぞれに処理を分散できるので、1台で全て実行する場合よりもそれぞれの負荷が少なくなり、通信システム全体の効率が上がるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
発明を実施するための最良の形態は、次の実施例である。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の実施例1である通信システムCS1を示すブロック図である。
【0017】
通信システムCS1は、通信BOX100と、コードレス子機200(200−1、200−2)と、MFP300(300−1、300−2)と、DHCP機能を有するネットワークルータ400とを有する。また、一般的なPC(パーソナルコンピュータ)500と、ネットワークケーブル600とを有する。
【0018】
通信BOX100は、通信装置の一例である。
【0019】
コードレス子機200は、無線によって通信BOX100と接続されている。
【0020】
MFP300は、画像処理装置の一例である。実施例1において、MFP300は、ネットワーク600に複数接続可能であり、実施例1では、2台のMFP300−1、300−2が設けられているが、3台以上のMFPを接続するようにしてもよく、また、MFPを1台のみ接続するようにしてもよい。
【0021】
ネットワークケーブル600は、IEEE802.3で規定されているようなネットワークで各々接続されている。また、ネットワークケーブル600は、IEEE802.11a/b/gで規定されているような無線ネットワークで接続されていてもよい。
【0022】
図2は、実施例1における通信BOX100を示すブロック図である。
【0023】
通信BOX100は、コードレス子機200とのやり取りを行う無線インタフェース、ファクシミリ通信やコードレス子機200による通話を行うための公衆回線網700とのインタフェースを有する。また、通信BOX100は、ネットワークによって接続されたPC500やMFP300との間で、通信するためのインタフェースを備えている。
【0024】
通信BOX100は、制御部101と、ROM102と、RAM103と、バッファメモリ104と、符号復号化部105と、通信制御部106と、モデム107と、クロスポイントスイッチ部108と、無線制御部109とを有する。また、通信BOX100は、ネットワーク制御部110と、システムバス111と、電話帳メモリ113と、WEBページメモリ114とを有する。
【0025】
制御部101は、ROM102に記憶されているプログラムに従って、通信BOX100の全体を制御する。
【0026】
ROM102は、制御部101の制御プログラムや、オペレーティングシステム(OS)プログラム等が格納され、制御部101は、ここに格納されている制御プログラムに従って、通信BOX100の動作を制御する。実施例1では、ROM102に格納されている各制御プログラムは、ROM102に格納されているOSプログラムの管理下で、スケジューリングやタスク切り替え等のソフトウエア制御を実行する。
【0027】
RAM103は、演算処理や、オペレータが登録した設定値や装置の管理データ等の記憶、通信BOX100をネットワークルータに接続したときに取得するアドレスの記憶に使用される。また、RAM103は、ネットワークに接続されているMFP300のアドレスの記憶、FAX受信した際に、自動出力する設定になっている場合における出力先となるMFP300の設定情報の保存等に使用される。
【0028】
バッファメモリ104は、ネットワークを通じて送られてくる画像データやデータパケットの蓄積、公衆回線700を介して送受信されるファクシミリ画像データの蓄積を行う。また、バッファメモリ104は、コードレス子機200からファクシミリ送信指示を受けたときに、同時にコードレス子機200から送られてきた相手先ダイヤル番号情報の蓄積を行う。
【0029】
符号復号化部105は、動作モードに応じて、MFP300から受信した画像データ、または公衆回線700から受信した画像データを、MH、MR、JBIG、JPEG等の圧縮伸張する符号復号化処理を行うものである。
【0030】
通信制御部106は、公衆回線700と通信BOX100とを接続するインタフェースであり、局交換機からの呼出信号を検出するリンガ検出回路、ダイヤル生成回路、2線−4線変換を行うためのトランス回路等で構成されている。また、コードレス子機200による通話の音声信号やファクシミリ通信の変調信号は、通信制御部106を通じて公衆回線700との間で送受信される。
【0031】
モデム107は、デジタルデータをファクシミリ通信のために変復調するものである。
【0032】
クロスポイントスイッチ部108は、制御部101からの制御によって、通信制御部106を介して送受信されるアナログ信号を、動作モードに応じて、モデム107と、無線制御部109との間で切り替える。
【0033】
無線制御部109は、RFモジュールを含み、無線によって接続されたコードレス子機200との間で通信を行うために、制御データと音声信号とを変調し、無線送信可能な形式に変換し、アンテナ112に送る。また、アンテナ112から無線受信した信号を復調し、制御データを制御部101に出力し、アナログ信号(音声信号)をクロスポイントスイッチ部108に出力する。コードレス子機200が使用されると、通信BOX100とコードレス子機200とが無線によって接続され、音声パスが形成される。
【0034】
ネットワーク制御部110は、IEEE802.3等によって規定されたネットワークでの通信制御を行う。また、ネットワーク制御部110は、ネットワークに接続され、TCP/IP等の規格に沿ってプロトコル制御を行い、MFP300からのデータパケットの受信と、MFP300へのデータパケットの送信とを行う。
【0035】
ネットワーク制御部110は、データパケットを受信すると、データパケットを受信したことを制御部101に通知する。
【0036】
電話帳メモリ113は、コードレス子機200毎に登録されている通信相手先名称、電話番号、FAX番号等を記憶する。
【0037】
システムバス111は、制御部101と各ブロックとを接続するシステムバスである。
【0038】
WEBページメモリ114は、コードレス子機200の表示部に表示するメモリであり、HTML形式で記述された各種設定メニュー画面を記憶する。
【0039】
ネットワークケーブル600は、通信BOX100と、MFP300と、PC500とネットワークルータ400とを互いに接続する。
【0040】
公衆回線700は、これを通じて電話の通話やファクシミリ通信を行う。
【0041】
なお、無線制御部109は、コードレス子機から通信管理レポートの出力要求を受信する出力要求受信手段の例である。また、ネットワーク制御部110は、上記通信管理レポートの出力要求を受信したときに、当該コードレス子機に関する通信管理レポートを、MFP300に出力要求する通信管理レポート出力手段の例でもある。
【0042】
また、上記通信管理レポート出力手段は、当該コードレス子機が通信した通信先と、指定したMFP300に関する通信管理レポートを、MFP300に出力要求する手段である。
【0043】
図3は、実施例1におけるコードレス子機200を示すブロック図である。
【0044】
コードレス子機200は、制御部201と、ROM202と、RAM203と、ベースバンド部204と、無線部205と、アンテナ206と、表示部207とを有する。また、コードレス子機200は、操作部208と、スピーカ209と、レシーバ210と、マイク211と、EEPROM212と、システムバス213とを有する。
【0045】
制御部201は、コードレス子機200の全体の制御を行う。
【0046】
ROM202は、制御部201の制御プログラムやオペレーティングシステム(OS)プログラム等を格納し、制御部201は、ここに格納されている制御プログラムに従って、通信BOX100の動作を制御する。
【0047】
コードレス子機200を区別するコードレス子機IDもここに保存される。
【0048】
RAM203は、演算処理や表示部207に表示する画像データを格納し、通信BOX100から受信した電話帳データ等を記憶する。
【0049】
操作部208は、ダイヤル番号等を入力するダイヤルキーや、通話キー、送信キー、電話帳キー等の機能キーによって構成されている。
【0050】
表示部207は、操作部208の操作に従って、各種設定画面や入力されたダイヤル番号、通信BOX100の動作状況等を表示する。
【0051】
ベースバンド部204は、モデム・コンパンダ、秘話・アンプ機能を有し、制御データおよび音声信号を伝送効率のよい形式に変復調する。ベースバンド部204からの変調信号を、無線部205を介して、通信BOX100に伝送する。また無線部205からの変調信号を復調し、制御信号は、制御部201に出力し、音声信号をスピーカ209へ出力する。
【0052】
無線部205は、ベースバンド部204からの変調信号を、無線送信可能な形式に変換し、アンテナ206に送るとともに、アンテナ206から無線受信した信号から、変調信号を取り出し、ベースバンド部204に出力する。
【0053】
マイク211は、通話音声信号を入力する。スピーカ209は、音声信号を拡声出力し、また着信音等を鳴動させる。レシーバ210は、通話音声信号を出力する。
【0054】
EEPROM212は、コードレス子機200と通信BOX100との間の無線通信を確立するためのシステムの呼出符号(システムID)、コードレス子機200のコードレス子機番号ID等を記憶する不揮発性のメモリの例である。
【0055】
システムバス213は、制御部201と上記各ブロックとを接続する。
【0056】
図4は、実施例1におけるMFP300を示すブロック図である。
【0057】
MFP300は、画像読取部と画像記録部とを有し、読み取った画像データをネットワークに出力し、ネットワークから受信した画像データを、上記記録部が記録し、または、上記読取部が読み取った画像データを、上記記録部が記録するものである。
【0058】
MFP300は、制御部301と、ROM302と、RAM303と、バッファメモリ304と、操作部305と、読取処理部306と、読取部307と、記録処理部308と、記録部309と、表示部310とを有する。また、MFP300は、符号復号化処理部311と、ネットワーク制御部312と、システムバス323とを有する。
【0059】
制御部301は、システム制御部であり、MFP300の全体を制御する。
【0060】
ROM302は、制御部301の制御プログラムやオペレーティングシステム(OS)プログラム等を格納し、格納された制御プログラムに従って端末装置の動作を制御する。実施例1では、ROM302に格納されている各制御プログラムは、ROM302に格納されているOSプログラムの管理下で、スケジューリングやタスク切り替え等のソフトウエア制御が行われる。また、各MFP300を区別するために、MFPのIDもここに保存される。
【0061】
RAM303は、演算処理や、オペレータが登録した設定値や装置の管理データ等の記憶、さらにはMFP300をネットワークルータに接続した時に取得するアドレスの記憶等に使用される。
【0062】
バッファメモリ304は、読み取った画像データや受信した画像データを蓄積し、また、ネットワークを介して送受信されるデータパケットの蓄積等を行うものである。
【0063】
操作部305は、各種入力キーで構成され、オペレータによる各種入力操作を行うものである。
【0064】
表示部310は、LED、LCD等で構成され、読み取りモードを設定するための表示や、各種設定のための表示、MFP300の動作状況の表示等を行うものである。
【0065】
読取処理部306は、読取部307において光電変換素子によって原稿を光学的に読み取り、電気的な画像データに変換した画像信号を、2値化処理、中間調処理等の各種画像処理を施し、高精細な画像データを出力するものである。
【0066】
読取処理部306は、ROM302に格納されている制御プログラムのスキャン制御タスクプログラムによって制御される。読取部307は、CCDやコンタクトイメージセンサ等の光電変換素子によって構成されている。
【0067】
記録処理部308は、記録部309が画像データを記録するために、記録画像データに、解像度変換処理やスムージング処理を行う。また、記録処理部308は、記録部309に紙無し、紙ジャム、トナー(またはインク)切れ等の障害が発生したときに、記録部309から障害情報を受け取り、制御部301に通知する。さらに、記録処理部308は、ROM302に格納されている制御プログラムのプリンタ制御タスクプログラムによって制御される。
【0068】
記録部309は、レーザビームプリンタやインクジェットプリンタ等で構成され、記録紙検知手段、トナー(またはインク)検知手段、ジャム検知手段を有している。
【0069】
符号復号化処理部311は、動作モードに応じて、画像データを、MH、MR、JBIG、JPEG等の圧縮伸張する符号復号化処理を行うものである。
【0070】
ネットワーク制御部312は、IEEE802.3等によって規定されたネットワークでの通信制御を行う。ネットワーク制御部312は、ネットワークに接続され、TCP/IP等の規格に沿ってプロトコル制御を行い、MFP300が取得したアドレスを宛先にしたデータパケットの受信と、MFP300からのデータパケットの送信とを行う。ネットワーク制御部312は、データパケットを受信すると、データパケットを受信したことを制御部301に通知する。
【0071】
システムバス323は、制御部301と各ブロックとを接続するシステムバスである。
【0072】
図5は、コードレス子機200の外観を示す図である。
【0073】
コードレス子機200は、操作部208と表示部207とを有する。
【0074】
操作部208は、ダイヤル番号等を入力するためのダイヤルキーや、通話キー、送信キー、電話帳キー等の機能キーから構成されている。表示部207は、入力されたダイヤル番号等を表示する。通信管理レポートを出力指示する場合、機能キーによって、通信管理レポート出力モードメニューが呼び出され、そこで各設定が行われる。
【0075】
次に、実施例における通信管理の動作について説明する。
【0076】
図6〜図8は、実施例1において、ファクシミリ送信、受信時、コードレス子機200による通話時における各装置の動作を示すフローチャートである。
【0077】
まず、ファクシミリ送信する場合、ユーザは、MFP300の読取部307の図示しない原稿台に送信原稿をセットし、コードレス子機200の操作部208に設けられているダイヤルキーによって、送信相手先の番号を入力する(S1)。送信キーを押下すると(S2)、コードレス子機200は、入力された相手先番号情報と、ファクシミリ送信指示情報と、自身が保存するコードレス子機IDとを、通信BOX100に送信する(S3)。
【0078】
通信BOX100は、相手先番号情報とともにファクシミリ送信指示情報を受信すると(S11〜S12)、相手先番号情報を、バッファメモリ104に一旦、記憶し(S13)、MFP300のIDを保存する(S15)。ネットワーク制御部312を通じて、読み取り開始命令を、MFP300に送信する(S16)。この際、通信BOX100は、上記情報の送信先であるコードレス子機200が持つコードレス子機IDを、相手先番号情報と関連付けて保存する(S14)。
【0079】
MFP300は、通信BOX100から送られた読み取り開始命令を、ネットワーク制御部312が受信すると、原稿の読み取りを行い、読み取った画像データを、バッファメモリ304に順次、蓄積する。そして、バッファメモリ304に蓄積した画像データを、ネットワーク制御部312を介して、通信BOX100に送る。これを原稿の読み取り終了まで繰り返す。
【0080】
通信BOX100は、MFP300が送信した画像データを受信すると(S17)、バッファメモリ104に順次、蓄積する。そして受信したデータを一旦バッファメモリ104に記憶した後に、順次、符号復号化部105に転送し、画像データの符号化を行い(S18)、バッファメモリ104に再度蓄積する。
【0081】
同時に、制御部101は、クロスポイントスイッチ部108を、モデム107側に切り替え(S19)、バッファメモリ104に一時記憶した相手先番号情報を読み出し(S20)、通信制御部106が、公衆回線700に発呼する(S21)。相手側ファクシミリ装置が応答すると、バッファメモリ104に蓄積した画像データを、モデム107が変調し、ITU−TのT.30勧告で標準化されたファクシミリ通信手順に則って相手先に送信する(S22)。画像データの送信を全て終了すると(S23)、通信BOX100は、公衆回線700との接続を切断する(S24)。そして、通信結果、通信日時、通信に要した時間を、上記コードレス子機ID、MFPのID、相手先番号情報と関連つけて保存し、待機状態に戻る(S25)。
【0082】
次に、実施例1における通話(発信)の動作について説明する。
【0083】
通話(発信)の場合、コードレス子機200の操作部208に設けられているダイヤルキーによって、相手先の番号を入力し(S1)、通話キーを押下する(S4)。通話キーが押下されると、コードレス子機200は、入力された相手先番号情報と、発呼指示情報と、自身が保存するコードレス子機IDとを、通信BOX100に送信する(S5)。
【0084】
通信BOX100は、相手先番号情報とともに発呼指示情報を受信すると(S11〜S12)、制御部101は、クロスポイントスイッチ部108を、無線制御部109側に切り替える(S26)。そして、コードレス子機200から受信した相手先番号を、通信制御部106が発呼する(S29)。この際、通信BOX100は、上記情報の送信先であるコードレス子機200が持つコードレスIDと相手先番号情報とを関連付けて保存する(S27〜S28)。相手先が応答すると、クロスポイントスイッチ部108と無線制御部109とを介して、コードレス子機200による通話が可能になる(S30、S6)。
【0085】
通話が終了し、コードレス子機200の切キーが押下されると(S7)、コードレス子機200から通信BOX100に、切断指示情報を送信する(S8)。通信BOX100は、コードレス子機200から切断指示情報を受信すると(S31)、公衆回線700との接続を切断する(S32)。そして、通信結果、通信日時、通信に要した時間を、上記コードレス子機ID、相手先番号情報に関連つけて保存し、待機状態に戻る(S33)。
【0086】
次に、実施例1におけるファクシミリ受信の動作について説明する。
【0087】
公衆回線700からFAX受信が要求されると(S41〜S42)、通信BOX100は、ITU−TのT.30勧告で標準化されたファクシミリ通信手順に則って画像データを受信する(S43)。この画像データは、順次、バッファメモリ104に蓄積され、受信が完了したら、回線を切断する(S43)。蓄積された画像データは、順次、符号復号化部105に転送され、画像データの復号化処理後に、再度、バッファメモリ104へ保存される(S45)。回線切断時、通信結果、通信日時、通信に要した時間も保存し、相手先番号が認識可能な場合は、それも関連付けて保存する(S44)。
【0088】
その後、通信BOX100に予め設定されているFAX受信した画像データを印刷するMFP300を識別し(S46)、この識別されたMFP300に、ネットワーク制御部312を介して、上記画像データを送信する(S47)。このMFP300は、通信BOX100が、FAX画像送信先の電話番号を認識できる場合、この認識された電話番号ごとに、印刷するMFP300を変えるように制御するようにしてもよい。また、手動受信のように一度通信BOX100で受信した後に、特定のコードレス子機200によって、印刷先となるMFP300を指定するようにしてもよい。対象となるMFP300において、受信した画像データを印刷する。
【0089】
次に、実施例1において、通話(着信)の動作について説明する。
【0090】
公衆回線700より通話(着信)が要求されたときに(S41〜S42)、通信BOX100は、着信用のコードレス子機200、または通信BOX100に接続することが可能な全てのコードレス子機200を呼び出す(S49)。これら呼び出されたコードレス子機200の中の1つのコードレス子機200において、ユーザがフックアップしたことを認識したら(S50)、制御部101は、クロスポイントスイッチ部108を無線制御部109側に切り換える(S51)。そして、通話状態へ移行する(S53)。
【0091】
この際に、通信BOX100は、上記フックアップされたコードレス子機200が持つコードレス子機IDを保存し、相手先番号を認識できる場合、その相手先番号も関連付けて保存する(S52)。通話終了後に(S54)、通信BOX100は、回線を切断し(S55)、通信結果、通信日時、通話時間を、上記コードレス子機IDに関連つけて保存し、待機状態へ移行する(S56)。
【0092】
次に、実施例1における通信管理レポートを作成する動作について説明する。
【0093】
図9、図10は、実施例1において、複数のコードレス子機200の1つから、通信管理レポートの作成依頼が行われたときにおけるコードレス子機200、通信BOX100の動作を示すフローチャートである。
【0094】
ユーザは、複数のコードレス子機200の中の1台のコードレス子機200から、通信管理レポート出力モードメニュー(通信管理レポートを出力するモードにおいて各種設定を行うためのメニュー)を呼び出す(S61)。複数のコードレス子機200のうちで通信管理レポート情報を取得したいコードレス子機200と、複数のMFP300のうちで通信管理レポート情報を取得したいMFP300とを設定する(S62〜S65)。その後に、通信管理レポートを出力(印刷)させるMFP300を設定し(S66)、通信BOX100に、上記設定の情報と、通信管理レポートの出力要求とを送信する(S67)。上記設定は、全項目設定する必要はなく、たとえば、通信管理レポートの出力先として使用されるMFP300を、通信BOX100に予め設定しておけば、S66において出力先を設定する必要はない。
【0095】
同様に、コードレス子機200毎に、出力すべきMFP300を予め設定しておけば(コードレス子機200とMFP300との関係を固定しておけば)S66において出力先を設定する必要はない。
【0096】
通信BOX100は、通信管理レポートの出力要求を受信したら(S71)、通信管理レポートに記載するべきコードレス子機200のコードレス子機ID、MFP300のIDを識別する(S72〜S73)。そして、上記処理において保存された履歴情報(S13〜S15、S25、S27〜S28、S33、S44、S46、S52、S56)から、上記コードレス子機ID、MFPのIDを持つ情報を、検索し(S75)、抜き出す。
【0097】
上記検索された情報を含むレポートデータを作成し(S76)、バッファメモリ104に一時、格納し、S66において設定された、もしくは予め設定された出力先であるMFP300に、ネットワーク制御部312を介して、送信する(S77〜S78)。この送信の終了後に、通信BOX100は、待機状態に移行し(S79)、上記MFP300は、印刷処理を実行する。
【0098】
上記処理において、通信BOX100は、上記設定されたコードレス子機200と、指定されたMFP300に関係する全ての通信管理レポートとを記述したレポートデータを作成する。そして、コードレス子機200、MFP300を指定する場合、コードレス子機200、MFP300が複数であっても、上記と同様に処理する。コードレス子機200のみ指定した場合は、コードレス子機200に関係するすべてのMFP300の通信管理レポートを出力するよう処理する。
【0099】
また、複数のMFP300が、出力先として設定されている場合、出力先として設定されている全てのMFP300に、レポートデータを送信する。
【0100】
実施例1によれば、ネットワーク上に複数のMFP300、複数のコードレス子機200が存在する場合でも、ユーザが必要とする通信管理レポートを得ることが可能であり、ユーザは、その通信管理レポートを容易に認識することができる。
【0101】
また、実施例1は、ネットワーク上に、入力先となる複数のMFP、出力先となる複数のMFP、操作手段となる複数のコードレス子機、通信管理と通信処理を行う通信機器が、LAN等のインタフェースで互いに接続されているシステムである。このシステムで、通信管理レポートの出力要求を送信したコードレス子機のみについての通信管理レポートを出力するので、複数のコードレス子機のそれぞれを使用するユーザが異なる場合、コードレス子機を使用する各ユーザのプライバシーを守ることができる。
【0102】
通信BOX100を使用する全てのユーザの共有情報は、グローバル電話帳に登録され、このグローバル電話帳を、通信BOX100が管理している。また、全てのユーザの共有情報を、1つのレコードとして記憶するので、共有情報が複数のメモリに重複して登録されることを防止することができ、メモリ容量の無駄を防止することができる。
【0103】
また、複数のコードレス子機200のうちの1つのコードレス子機200を使用しているユーザが、他のコードレス子機200を使用して、通信管理レポートを出力指示することもできる。この場合、上記他のコードレス子機200に、自己のパスワードを入力し、このパスワードが通信BOX100で認証されると、上記閲覧が可能になる。
【実施例2】
【0104】
実施例2である通信システムCS2は、通信BOX1100と、コードレス子機1200−1、1200−2と、MFP1300−1、1300−2と、ルータ1400と、PC1500と、ネットワークケーブル1600と、公衆回線1700とを有する。
【0105】
また、通信システムCS2、通信BOX1100、コードレス子機1200−1、1200−2は、それぞれ、通信システムCS1、通信BOX100、コードレス子機200−1、200−2に対応し、基本的にはそれぞれ同じ構成である。MFP1300−1、1300−2、ルータ1400、PC1500、ネットワークケーブル1600、公衆回線1700は、それぞれ、MFP300−1、300−2、ルータ400、PC500、ネットワークケーブル600、公衆回線700に対応する。そして、基本的にはそれぞれ同じ構成であるので、その詳細な構成の説明を省略する。
【0106】
次に、実施例2における通信管理の動作について説明する。
【0107】
図11〜図14は、実施例2において、ファクシミリ送信、受信時における各装置の動作を示すフローチャートであり、また、コードレス子機1200による通話時における各装置の動作を示すフローチャートである。
【0108】
まず、ファクシミリ受信の場合について説明する。
【0109】
公衆回線1700から、FAX受信を要求されると(S81、S82)、通信BOX1100は、ITU−TのT.30勧告で標準化されたファクシミリ通信手順に則って画像データを受信する(S83)。この受信した画像データは、順次、バッファメモリ1104に蓄積され、受信が完了したら、回線を切断する。
【0110】
蓄積された画像データは、順次、符号復号化部1105に転送され、画像データの復号化処理後に、再度、バッファメモリ1104へ保存される(S84)。その後に、通信BOX1100に予め設定されているMFP1300であって、FAX受信した画像データを印刷するMFP1300を識別する。この識別されたMFP1300に、ネットワーク制御部1312を介して、上記画像データを送信する(S85〜S86)。
【0111】
通信BOX1100が、FAX画像送信先の電話番号を認識できる場合、その電話番号毎に、印刷するMFP1300を変えるように制御するようにしてもよい。また、手動受信のように、一度通信BOX1100で受信した後に、特定のコードレス子機1200が、印刷先となるMFP1300を指定するようにしてもよい。この指定されたMFP1300において、受信した画像データを印刷する。
【0112】
画像データを送信した後に、通信結果、通信日時、通信に要した時間も保存する。相手先番号が認識可能な場合は、上記相手先番号も含め、着信を通知すべきコードレス子機1200のコードレス子機IDや、印刷したMFP1300のIDに関連付けて保存する(これらの情報を以降、「通信履歴情報」という)(S88)。
【0113】
この際、通信BOX1100は、原稿の記録処理を実行したMFP1300のシステム構成を認識し、この認識されたMFP1300が、通信履歴情報を保存し、通信管理レポートを作成できるかどうかを判断する(S141〜S143)。通信管理レポートを作成できる場合、通信BOX1100は、MFP1300が通信管理レポートを作成するのに必要な情報を認識した後に、この認識された情報を、通信履歴情報から選別する。そして、MFP1300内の情報記憶手段であるRAM1303に保存させる(S144〜S147)。
【0114】
また、通信管理レポートを作成することができない場合、通信BOX1100の情報記憶手段であるRAM1103に、通信管理レポートを保存する(S148)。なお、着信時に原稿の記録処理を実行するMFP1300を、以降、「データ保存MFP」という。
【0115】
次に通話(着信)の場合について説明する。
【0116】
公衆回線1700から、通話(着信)が要求されたときに(S81〜S82)、通信BOX1100は、着信用のコードレス子機1200、または通信BOX1100に接続することができる全てのコードレス子機1200を呼び出す(S89)。これら呼び出された全てのコードレス子機200の中の1つのコードレス子機において、ユーザがフックアップしたことを認識したら(S90)、制御部1101は、クロスポイントスイッチ部1108を、無線制御部1109側に切り換える(S91)。そして、通話状態へ移行する(S93)。この際、通信BOX1100は、そのコードレス子機1200が持つコードレス子機IDを保存し、相手先番号を認識できる場合、その相手先番号も関連付けて保存する(S92)。
【0117】
通話終了後に(S94)、通信BOX1100は、回線を切断し(S95)、通信結果、通信日時、通話時間を、上記コードレス子機IDに関連つけて保存し、待機状態へ移行する(S96)。この際、これらの情報(通信結果、通信日時、通話時間と、これらに関連つけられたコードレス子機ID)は、通信BOX1100の記憶装置であるRAM1103に保存される(S141〜S143、S148)。
【0118】
次に、ファクシミリ送信の動作について説明する。
【0119】
ユーザは、ファクシミリ送信のために、MFP1300の読取部1307の原稿台に送信原稿をセットし、コードレス子機1200の操作部1208に設けられているダイヤルキーによって、送信相手先の番号を入力する(S101)。そして、送信キーを押下すると(S102)、コードレス子機1200は、通信BOX1100に、入力された相手先番号情報と、ファクシミリ送信指示情報と、自身が保存するコードレス子機IDとを送信する(S103)。
【0120】
通信BOX1100は、相手先番号情報とともにファクシミリ送信指示情報を受信すると(S111、S112)、相手先番号情報を、一旦バッファメモリ1104に記憶し(S113)、MFP1300のIDを保存する(S115)。ネットワーク制御部1312を通じて、このMFP1300に、読み取り開始命令を送信する(S116)。
【0121】
この際、通信BOX1100は、上記情報の送信先であるコードレス子機1200が持つコードレス子機IDを、相手先番号情報と関連付けて保存する(S114)。
【0122】
MFP1300において、通信BOX1100から送られた読み取り開始命令を、ネットワーク制御部1312が受信すると、原稿の読み取りを行い、読み取った画像データを、順次バッファメモリ1304に蓄積する。バッファメモリ1304に蓄積した画像データを、ネットワーク制御部1312を介して、通信BOX1100に送る。この動作を、原稿の読み取り終了まで繰り返す。
【0123】
通信BOX1100は、MFP1300から送られた画像データを受信すると(S117)、順次、バッファメモリ1104に蓄積する。受信したデータをバッファメモリ1104に記憶した後に、順次、符号復号化部1105に転送し、画像データの符号化を行い(S118)、再度バッファメモリ1104に蓄積する。同時に、制御部1101は、クロスポイントスイッチ部1108を、モデム1107側に切り替え(S119)、バッファメモリに一時記憶した相手先番号情報を読み出し(S120)、通信制御部1106が公衆回線1700に発呼する(S121)。
【0124】
相手側ファクシミリ装置が応答すると、バッファメモリ1104に蓄積した画像データを、モデム1107が変調し、ITU−TのT.30勧告で標準化されたファクシミリ通信手順に則って相手先に送信する(S122)。画像データの送信が全て終了すると(S123)、通信BOX1100は、公衆回線1700との接続を切断する(S124)。
【0125】
そして、通信結果、通信日時、通信に要した時間を、上記コードレス子機ID、MFPのID、相手先番号情報と関連つけて保存し、待機状態に戻る(S125)。
【0126】
この際、通信BOX1100は、データ保存したMFP1300のシステム構成を認識し、そのデータ保存MFP1300が、通信履歴情報を保存し、通信管理レポートを作成できるかどうかを判断する(S141〜S143)。MFP1300が通信管理レポートを作成できると判断された場合、通信BOX1100は、データ保存したMFP1300が通信管理レポートを作成するのに必要な情報を認識する。その後に、それを通信履歴情報から選別し、データ保存したMFP1300内の情報記憶手段であるRAM1303に保存させる(S144〜S147)。
【0127】
一方、MFP1300が通信管理レポートを作成できないと判断された場合、通信BOX1100の情報記憶手段であるRAM1103に保存する(S148)。
【0128】
次に、実施例2における通話(発信)の動作について説明する。
【0129】
通話(発信)する場合、コードレス子機1200の操作部1208に設けられているダイヤルキーによって、相手先の番号を入力し(S101)、通話キーを押下する(S104)。通話キーが押下されると、コードレス子機1200は、入力された相手先番号情報と、発呼指示情報と、自身が保持しているコードレス子機IDとを、通信BOX1100に送信する(S105)。
【0130】
通信BOX1100は、相手先番号情報と発呼指示情報とを受信すると(S111、S112)、制御部1101は、クロスポイントスイッチ部1108を無線制御部1109側に切り替える(S126)。そして、コードレス子機1200から受信した相手先番号を、通信制御部1106が発呼する(S129)。その際、通信BOX1100は、上記情報の送信先であるコードレス子機1200が持つコードレスIDと、相手先番号情報とを関連付けて保存する(S127〜S128)。相手先が応答すると、クロスポイントスイッチ部1108と無線制御部1109とを介して、コードレス子機1200による通話が可能になる(S130)。
【0131】
通話が終了し、コードレス子機1200の切キーが押下されると(S107)、コードレス子機1200から通信BOX1100に、切断指示情報が送信される(S108)。通信BOX1100は、コードレス子機1200から切断指示情報を受信すると(S131)、公衆回線1700との接続を切断する(S132)。そして、通信結果、通信日時、通信に要した時間を、上記コードレス子機ID、相手先番号情報に関連つけて保存し(S133)、待機状態に戻る。その際、これらの情報は、通信BOX1100の記憶装置であるRAM1103に保存される(S141〜S143、S148)。
【0132】
次に、実施例2において、通信管理レポートを作成する動作について説明する。
【0133】
図15、図16は、実施例2において、複数のコードレス子機1200のうちの1つのコードレス子機1200から、通信管理レポートの作成を依頼されたときに、コードレス子機1200、通信BOX1100の動作を示すフローチャートである。
【0134】
なお、通信BOX1100に接続されているMFP1300は、通信管理機能と通信管理レポート作成機能とを持つMFP1300と、両機能を保持しないプリンタ1300として記述する。
【0135】
ユーザは、複数のコードレス子機1200の中の1台のコードレス子機1200から、通信管理レポート出力モードメニューを呼び出す(S151)。そして、通信管理レポートを表示することを望むコードレス子機1200、MFP1300(プリンタ1300)を設定する(S152〜S155)。その後に、通信管理レポートを出力するMFP1300(プリンタ1300)を設定し(S156)、通信BOX1100に、これらの設定情報と出力要求とを送信する(S157)。
【0136】
これらの設定は、全項目設定する必要はなく、レポートの出力先として使用されるMFP1300(プリンタ1300)の設定を、通信BOX1100に、予め設けておけば、レポートの出力先として使用されるMFP1300を設定する必要はない。これと同様に、コードレス子機1200毎に、出力先となるMFP1300(プリンタ1300)を固定するように設定されていれば、レポートの出力先として使用されるMFP1300を設定する必要はない。
【0137】
通信管理レポートの上記出力要求を、通信BOX1100が受信する(S161)。要求を発信したコードレス子機1200のコードレス子機ID、通信管理レポートに記載するべきMFP1300(プリンタ1300)(以下、「レポート記載MFP1300」という)のMFPのIDを識別する。また、それに対応するデータ保存MFP1300のIDと、出力先のMFP1300(プリンタ1300)(以下、「出力端末」という)のMFPのIDを識別する(S162〜S164)。
【0138】
データ保存MFP1300と出力端末のMFPのIDとが一致すると、まず、通信BOX1100は、自身の記憶手段であるRAM1103の内部の通信履歴情報を検索する。そして、上記のコードレス子機IDと上記レポート記載MFP1300のIDとに関連付けられた通信履歴情報(以下、「ユーザ指定IDリンク情報」という)が存在していないかどうかを検索する(S166)。上記出力端末が、通信履歴情報を保存し、通信管理レポートを作成するための手段を持っているかどうかを判別する(S167)。
【0139】
上記出力端末が、通信管理レポートの作成手段を持っていない場合(つまり、上記出力端末がプリンタ1300である場合)には、通信BOX1100内で検索したユーザ指定IDリンク情報のみを用い、通信管理レポートデータを作成する。そして、出力端末であるプリンタ1300に、上記作成された通信管理レポートと印刷要求とを送信する(S172)。
【0140】
また、出力端末が通信管理レポートの作成手段を保持する。つまり、MFP1300であり、しかも、通信BOX1100内にユーザ指定IDリンク情報が存在している場合、通信BOX1100は、上記コードレス子機IDと、上記レポート記載MFP1300のIDと、ユーザ指定IDリンク情報とを送出する。すなわち、要求先の端末内に保存されたそれらのIDに関連する通信履歴を用いた通信管理レポートデータの作成要求と印刷要求とを、出力端末であるMFP1300に送出する(S168〜S170)。
【0141】
この場合、MFP1300が出力した通信管理レポートには、MFP1300に保存されていた上記コードレス子機IDと上記レポート記載MFP1300のIDとに関連した通信履歴情報が記載される。また、MFP1300が出力した通信管理レポートには、通信BOX1100内に保存されていた上記コードレス子機IDとレポート記載MFP1300のIDに関連する通信履歴情報とが記載される。
【0142】
一方、上記出力端末が、通信管理レポートの作成手段を保持している場合(つまりMFP1300であり、しかも、通信BOX1100内にユーザ指定IDリンク情報が存在していない場合)、通信BOX1100は、次のものを送出する。つまり、上記コードレス子機IDと、レポート記載MFP1300のIDと、それらのIDに関連する通信履歴を用いた通信管理レポートデータの作成要求と、印刷要求とを、出力端末であるMFP1300に送出する(S168、S170)。
【0143】
この場合、MFP1300から出力された通信管理レポートには、MFP1300に保存されている上記コードレス子機IDと、レポート記載MFP1300のIDとに関連する通信履歴情報が記載される。
【0144】
また、データ保存MFP1300と出力端末のMFPのIDとが一致しない場合、通信BOX1100は、自身の記憶手段であるRAM1103の内部の通信履歴情報を検索し、ユーザ指定IDリンク情報が存在していないかどうかを検索する(S176)。そして、出力端末が通信履歴情報を保存し、通信管理レポートを作成する手段を持っているかどうかを判別する(S177)。
【0145】
出力端末が、通信管理レポートの作成手段を持っていない場合(プリンタ1300である場合)、通信BOX1100が検索したユーザ指定IDリンク情報のみを用い、通信管理レポートデータを作成する。そして、出力端末であるプリンタ1300に、印刷要求とともに送信する(S171、S172)。
【0146】
また、出力端末が通信管理レポートの作成手段を保持する場合(つまりMFP1300であり、しかも、通信BOX1100内にユーザ指定IDリンク情報が存在している場合)、通信BOX1100は、次のものを送出する。つまり、上記コードレス子機ID、レポート記載MFP1300のID、ユーザ指定IDリンク情報、それらのIDに関連する通信履歴を用いた通信管理レポートデータの作成要求とを送出する。また、作成されたデータを通信BOX1100に転送させるレポートデータ転送要求を送出する。この場合、通信BOX1100に転送させるレポートデータ転送要求を、データ保存MFP1300であるMFP1300に送出する(S178〜S180)。
【0147】
転送された通信管理レポートデータを受信した通信BOX1100は、出力端末に対してそのデータと印刷要求とを送信する(S181、S172)。この場合、出力端末から出力された通信管理レポートには、MFP1300に保存されていた上記コードレス子機IDと、レポート記載MFP1300のIDに関連した通信履歴情報とが記載される。また、出力端末から出力された通信管理レポートには、通信BOX1100内に保存されていた上記コードレス子機IDと、レポート記載MFP1300のIDに関連した通信履歴情報とが記載される。
【0148】
一方、出力端末が通信管理レポートの作成手段を保持している場合(つまりMFP1300であり、しかも、通信BOX1100内にユーザ指定IDリンク情報が存在していない場合)、通信BOX1100は、次のように送出する。つまり、上記コードレス子機ID、レポート記載MFP1300のID、それらのIDに関連する通信履歴を用いた通信管理レポートデータの作成要求と、作成されたデータを通信BOX1100に転送させるレポートデータ転送要求とを送出する。この場合、データ保存MFP1300であるMFP1300に送出する(S178、S180)。
【0149】
転送された通信管理レポートデータを受信した通信BOX1100は、出力端末に、そのデータと印刷要求とを送信する。この場合、MFP1300から出力された通信管理レポートには、MFP1300に保存されていた上記コードレス子機ID、レポート記載MFP1300のIDに関連した通信履歴情報が記載される。
【0150】
上記の処理を終了した後に、各出力端末において通信管理レポートが出力される。したがって、通信BOX1100は、出力端末からの印刷処理完了通知の受信待ち状態に移行し(S174)、受信したら、その結果を作成要求があったコードレス子機1200に通知する(S175)。
【0151】
上記構成によって、ネットワーク上に複数のMFP1300、プリンタ、スキャナ、複数のコードレス子機1200が存在する場合でも、ユーザが必要とする通信管理レポートを得ることができ、ユーザは、その通信履歴を容易に認識することができる。
【実施例3】
【0152】
本発明の実施例3は、上記実施例の機能を実現するプログラムを、システムまたは装置に、直接または遠隔から供給し、そのシステムまたは装置が、供給されたプログラムコードを読み出して実行する実施例である。
【0153】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0154】
この場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタによって実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0155】
プログラムを供給する記録媒体として、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカードがある。また、プログラムを供給する記録媒体として、ROM、DVD(DVD−ROM、DVD−R)等がある。
【0156】
プログラムを供給する場合、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのものをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによって供給できる。また、圧縮され自動インストール機能を含むファイルを、ハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても、プログラムを供給できる。
【0157】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。
【0158】
つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明のクレームに含まれるものである。
【0159】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせるようにしてもよい。このようにすれば、その鍵情報を使用することによって暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0160】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、上記実施例の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づいて、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行う。このようにすれば、その処理によっても上記実施例の機能が実現され得る。
【0161】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後に、そのプログラムの指示に基づいて実行するようにしてもよい。これによって、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても上記実施例の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】本発明の実施例1である通信システムCS1を示すブロック図である。
【図2】実施例1における通信BOX100を示すブロック図である。
【図3】実施例1におけるコードレス子機200を示すブロック図である。
【図4】実施例1におけるMFP300を示すブロック図である。
【図5】コードレス子機200の外観を示す図である。
【図6】実施例1において、ファクシミリ送信、受信時、コードレス子機200による通話時における各装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】実施例1において、ファクシミリ送信、受信時、コードレス子機200による通話時における各装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】実施例1において、ファクシミリ送信、受信時、コードレス子機200による通話時における各装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】実施例1において、複数のコードレス子機200の1つから、通信管理レポートの作成依頼が行われたときにおけるコードレス子機200、通信BOX100の動作を示すフローチャートである。
【図10】実施例1において、複数のコードレス子機200の1つから、通信管理レポートの作成依頼が行われたときにおけるコードレス子機200、通信BOX100の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施例2において、ファクシミリ送信、受信時における各装置の動作を示すフローチャートであり、また、コードレス子機1200による通話時における各装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】実施例2において、ファクシミリ送信、受信時における各装置の動作を示すフローチャートであり、また、コードレス子機1200による通話時における各装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】実施例2において、ファクシミリ送信、受信時における各装置の動作を示すフローチャートであり、また、コードレス子機1200による通話時における各装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】実施例2において、ファクシミリ送信、受信時における各装置の動作を示すフローチャートであり、また、コードレス子機1200による通話時における各装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】実施例2において、複数のコードレス子機1200のうちの1つのコードレス子機1200から、通信管理レポートの作成を依頼されたときに、コードレス子機1200、通信BOX1100の動作を示すフローチャートである。
【図16】実施例2において、複数のコードレス子機1200のうちの1つのコードレス子機1200から、通信管理レポートの作成を依頼されたときに、コードレス子機1200、通信BOX1100の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0163】
CS1、CS2…通信システム、
100、1100…通信BOX、
200、1200…コードレス子機、
300、1300…MFP。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コードレス電話機能とファクシミリ通信機能とを具備する通信装置と、スキャナ機能、プリンタ機能のうちの少なくとも一方を具備する少なくとも1つの画像処理装置と、無線接続によって上記通信装置との間で制御信号と音声信号とを送受信する複数のコードレス子機と、上記通信装置と上記画像処理装置とを接続するネットワークとを有する通信システムにおいて、
上記通信装置は、上記コードレス子機から通信管理レポートの出力要求があったときに、当該コードレス子機に関する通信管理レポートを、上記画像処理装置に出力要求することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
請求項1において、
上記通信装置は、上記コードレス子機から画像処理装置の指定があった場合、当該コードレス子機と当該画像処理装置に関する通信管理レポートを、上記画像処理装置に出力要求することを特徴とする通信システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
上記通信装置は、上記コードレス子機から画像処理装置の出力先指定があった場合、該通信管理情報を、上記出力先画像処理装置に出力要求することを特徴とする通信システム。
【請求項4】
スキャナ機能、プリンタ機能のうちの少なくとも一方を具備する少なくとも1つの画像処理装置とネットワークを介して接続され、無線接続によって制御信号と音声信号とを送受信する複数のコードレス子機と接続され、コードレス電話機能とファクシミリ通信機能とを具備する通信装置において、
上記コードレス子機から通信管理レポートの出力要求を受信する出力要求受信手段と;
上記通信管理レポートの出力要求を受信したときに、当該コードレス子機に関する通信管理レポートのみを、上記画像処理装置に出力要求する通信管理レポート出力要求手段と;
を有することを特徴とする通信システムにおける通信装置。
【請求項5】
請求項4において、
上記通信管理レポート出力要求手段は、上記コードレス子機から画像処理装置の指定があった場合、当該コードレス子機と当該画像処理装置に関する通信管理レポートを、上記画像処理装置に出力要求する手段であることを特徴とする通信装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5において、
上記通信管理レポート出力要求手段は、上記コードレス子機から画像処理装置の出力先指定があった場合、該通信管理情報を、上記出力先画像処理装置に出力要求する手段であることを特徴とする通信装置。
【請求項7】
スキャナ機能、プリンタ機能のうちの少なくとも一方を具備する少なくとも1つの画像処理装置とネットワークを介して接続され、無線接続によって制御信号と音声信号とを送受信する複数のコードレス子機と接続され、コードレス電話機能とファクシミリ通信機能とを具備する通信装置を制御するプログラムにおいて、
上記コードレス子機から通信管理レポートの出力要求を受信する出力要求受信手順と;
上記通信管理レポートの出力要求を受信したときに、当該コードレス子機に関する通信管理レポートのみを、上記画像処理装置に出力要求する通信管理レポート出力要求手順と;
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項8】
コードレス電話機能とファクシミリ通信機能とを具備する通信装置と、スキャナ機能、プリンタ機能のうちの少なくとも一方を具備する複数の画像処理装置と、無線接続によって上記通信装置との間で制御信号と音声信号とを送受信する少なくとも1つのコードレス子機と、上記通信装置と上記画像処理装置とを接続するネットワークとを有する通信システムにおいて、
上記通信装置は、通信管理レポートを出力する画像処理装置を指定する画像処理装置指定手段を有する装置であることを特徴とする通信システム。
【請求項9】
スキャナ機能、プリンタ機能のうちの少なくとも一方を具備する複数の画像処理装置とネットワークを介して接続され、無線接続によって制御信号と音声信号とを送受信する少なくとも1つのコードレス子機と接続され、コードレス電話機能とファクシミリ通信機能とを具備する通信装置において、
通信管理レポートを出力する画像処理装置を指定する画像処理装置指定手段を有することを特徴とする通信装置。
【請求項10】
スキャナ機能、プリンタ機能のうちの少なくとも一方を具備する複数の画像処理装置とネットワークを介して接続され、無線接続によって制御信号と音声信号とを送受信する少なくとも1つのコードレス子機と接続され、コードレス電話機能とファクシミリ通信機能とを具備する通信装置を制御するプログラムにおいて、
通信管理レポートを出力する画像処理装置を指定する画像処理装置指定手順をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項1】
コードレス電話機能とファクシミリ通信機能とを具備する通信装置と、スキャナ機能、プリンタ機能のうちの少なくとも一方を具備する少なくとも1つの画像処理装置と、無線接続によって上記通信装置との間で制御信号と音声信号とを送受信する複数のコードレス子機と、上記通信装置と上記画像処理装置とを接続するネットワークとを有する通信システムにおいて、
上記通信装置は、上記コードレス子機から通信管理レポートの出力要求があったときに、当該コードレス子機に関する通信管理レポートを、上記画像処理装置に出力要求することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
請求項1において、
上記通信装置は、上記コードレス子機から画像処理装置の指定があった場合、当該コードレス子機と当該画像処理装置に関する通信管理レポートを、上記画像処理装置に出力要求することを特徴とする通信システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
上記通信装置は、上記コードレス子機から画像処理装置の出力先指定があった場合、該通信管理情報を、上記出力先画像処理装置に出力要求することを特徴とする通信システム。
【請求項4】
スキャナ機能、プリンタ機能のうちの少なくとも一方を具備する少なくとも1つの画像処理装置とネットワークを介して接続され、無線接続によって制御信号と音声信号とを送受信する複数のコードレス子機と接続され、コードレス電話機能とファクシミリ通信機能とを具備する通信装置において、
上記コードレス子機から通信管理レポートの出力要求を受信する出力要求受信手段と;
上記通信管理レポートの出力要求を受信したときに、当該コードレス子機に関する通信管理レポートのみを、上記画像処理装置に出力要求する通信管理レポート出力要求手段と;
を有することを特徴とする通信システムにおける通信装置。
【請求項5】
請求項4において、
上記通信管理レポート出力要求手段は、上記コードレス子機から画像処理装置の指定があった場合、当該コードレス子機と当該画像処理装置に関する通信管理レポートを、上記画像処理装置に出力要求する手段であることを特徴とする通信装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5において、
上記通信管理レポート出力要求手段は、上記コードレス子機から画像処理装置の出力先指定があった場合、該通信管理情報を、上記出力先画像処理装置に出力要求する手段であることを特徴とする通信装置。
【請求項7】
スキャナ機能、プリンタ機能のうちの少なくとも一方を具備する少なくとも1つの画像処理装置とネットワークを介して接続され、無線接続によって制御信号と音声信号とを送受信する複数のコードレス子機と接続され、コードレス電話機能とファクシミリ通信機能とを具備する通信装置を制御するプログラムにおいて、
上記コードレス子機から通信管理レポートの出力要求を受信する出力要求受信手順と;
上記通信管理レポートの出力要求を受信したときに、当該コードレス子機に関する通信管理レポートのみを、上記画像処理装置に出力要求する通信管理レポート出力要求手順と;
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項8】
コードレス電話機能とファクシミリ通信機能とを具備する通信装置と、スキャナ機能、プリンタ機能のうちの少なくとも一方を具備する複数の画像処理装置と、無線接続によって上記通信装置との間で制御信号と音声信号とを送受信する少なくとも1つのコードレス子機と、上記通信装置と上記画像処理装置とを接続するネットワークとを有する通信システムにおいて、
上記通信装置は、通信管理レポートを出力する画像処理装置を指定する画像処理装置指定手段を有する装置であることを特徴とする通信システム。
【請求項9】
スキャナ機能、プリンタ機能のうちの少なくとも一方を具備する複数の画像処理装置とネットワークを介して接続され、無線接続によって制御信号と音声信号とを送受信する少なくとも1つのコードレス子機と接続され、コードレス電話機能とファクシミリ通信機能とを具備する通信装置において、
通信管理レポートを出力する画像処理装置を指定する画像処理装置指定手段を有することを特徴とする通信装置。
【請求項10】
スキャナ機能、プリンタ機能のうちの少なくとも一方を具備する複数の画像処理装置とネットワークを介して接続され、無線接続によって制御信号と音声信号とを送受信する少なくとも1つのコードレス子機と接続され、コードレス電話機能とファクシミリ通信機能とを具備する通信装置を制御するプログラムにおいて、
通信管理レポートを出力する画像処理装置を指定する画像処理装置指定手順をコンピュータに実行させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−158501(P2007−158501A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−347800(P2005−347800)
【出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]