説明

通信システムにおける通信モード決定方法及びシステム

【課題】通信システムにおける通信モードを決定する方法及びシステムを提供する。
【解決手段】このシステム及び方法は、第1の移動端末及び第2の移動端末がピアツーピア(P2P)通信が可能な所定の領域内に位置するか否かを判定し、第1の移動端末及び第2の移動端末間の通信モードがセルラー通信モードである場合の第1の期待性能を推定し、第1の移動端末及び第2の移動端末が所定の領域内に位置すると、第1の移動端末及び第2の移動端末間の通信モードがP2P通信モードである場合の第2の期待性能を推定し、第1の期待性能と第2の期待性能とを比較することにより、第1の移動端末と第2の移動端末との間の通信モードとしてセルラー通信モード及びP2P通信モードのいずれか1つを選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、通信モードを決定する方法及びシステムに関し、特に、移動端末(Mobile Station:以下、“MS”と称する。)間の通信モードを決定する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信システムにおいて、送信側MSであるソース(source)MS(以下、“MS_S”と称する。)及び受信側MSであるデスティネーション(destination)MS(以下、“MS_D”と称する。)間の2つの通信モードは、大きくセルラー(cellular)通信モード及びピアツーピア(Peer-To-Peer:以下、“P2P”と称する。)通信モードに区分される。上記セルラー通信モードは、MS_Sが基地局(Base Station:以下、“BS”と称する。)を介してMS_Dと通信するモードであり、P2P通信モードは、MS_SがBSを通過せずMS_Dと直接通信するモードである。
【0003】
図1を参照して、従来のセルラー通信モード及びP2P通信モードについて説明する。
【0004】
図1は、従来の通信システムにおけるセルラー通信モード動作及びP2P通信モード動作を示す図である。
【0005】
図1を参照すると、上記通信システムは、BS101と、ソースMS103(MS_S)と、第1のデスティネーションMS105(MS_D1)と、第2のデスティネーションMS107(MS_D2)と、を含む。
【0006】
図1において、MS_Sは、セルラー通信モードでMS_D2と通信する。MS_Sがセルラー通信モードを使用する理由は、MS_D2がMS_Sにより送信された信号の最大距離内に含まれていないためである。ここで、上記最大距離は、MS_S103及び第2のMS_D107に知られており、MS_S103がP2P通信モードを使用して第2のMS_D107と通信することが好ましいと判断される距離を意味する。例えば、上記通信システムにより予め定められた最大距離を‘d’であると仮定すると、MS_SとMS_D2との間の距離は、dより距離Δだけ大きい。MS_SとMS_D2との間の総距離が‘d+Δ’であるために、MS_D2は、‘d’内に位置せず、MS_S及びMS_D2は、セルラー通信モードを使用する。逆に、MS_D1は、距離‘d’内に位置し、MS_Sは、P2P通信モードにおいて、MS_D1と通信する。
【0007】
しかしながら、MS_D1が距離‘d’内にあるとしても、MS_SとMS_D1との間のP2P通信のために使用可能なリソースが存在しないか、又はMS_S及びMS_D1がP2P通信モードで動作するための合意動作が完了しなかった場合には、MS_Sは、セルラー通信モードを用いてMS_D1と通信する。
【0008】
上述したように、MS_SとMS_Dとの間のP2P通信を容易にするためには、P2P通信に関する双方の合意がなされなければならず、P2P通信のための準備が完了しなければならない。ここで、P2P通信のための準備とは、MS_SをP2P通信モードで動作して信号を送信するように設定し、MS_DをP2P通信モードで動作して信号を受信するように設定することを意味する。
【0009】
したがって、MSが他のMSと通信することを希望する際には、通信モードの選択及び通信モード間の双方の合意を含む一連の過程を毎回経らなければならない。これらの過程は、時間を消費し、MSユーザーに不便さを及ぼす。さらに、P2P通信モードが好ましい状況でも、P2P通信モードについての合意に達していないと、P2P通信モードで動作することができない。
【特許文献1】韓国特許出願公開第2003−0024435号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のような背景に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、通信システムにおいて、MS間の通信モードを自動で決定し、MS間の通信モードについての合意動作なしに、上記決定された通信モードでMSを動作する方法及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のような目的を達成するために、本発明の一態様によれば、通信システムにおける通信モードを決定する方法が提案される。かかる方法は、第1の移動端末及び第2の移動端末がピアツーピア(P2P)通信が可能な所定の領域内に位置するか否かを判定するステップと、上記第1の移動端末及び上記第2の移動端末間の通信モードがセルラー通信モードである場合の第1の期待性能を推定するステップと、上記第1の移動端末及び上記第2の移動端末が上記所定の領域内に位置すると、上記第1の移動端末及び上記第2の移動端末間の通信モードがP2P通信モードである場合の第2の期待性能を推定するステップと、上記第1の期待性能と上記第2の期待性能とを比較することにより、上記第1の移動端末と上記第2の移動端末との間の通信モードとして上記セルラー通信モード及び上記P2P通信モードのいずれか1つを選択するステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明の他の態様によれば、通信システムにおける通信モードを決定するシステムが提案される。かかるシステムは、第1の移動端末及び第2の移動端末がピアツーピア(P2P)通信が可能な所定の領域内に位置するか否かを判定し、上記第1の移動端末及び上記第2の移動端末間の通信モードがセルラー通信モードである場合の第1の期待性能を推定し、上記第1の移動端末及び上記第2の移動端末が上記所定の領域内に位置すると、上記第1の移動端末及び上記第2の移動端末間の通信モードがP2P通信モードである場合の第2の期待性能を推定し、上記第1の期待性能と上記第2の期待性能とを比較することにより、上記第1の移動端末と上記第2の移動端末との間の通信モードとして上記セルラー通信モード及び上記P2P通信モードのいずれか1つを選択することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の実施形態は、通信システムにおけるMS間の最適の通信モードを自動で決定し、MS間の個別の合意動作なしに、決定された最適の通信モードで動作することにより、ユーザーは、さらに効率的な通信サービスを受信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の詳細な構成および要素のように、本発明の詳細な説明で定義される特徴は、本発明の実施形態の包括的な理解を助けるために提供される。したがって、本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく、ここに説明された実施形態の様々な変更及び変形が可能であるということは、当該技術分野における通常の知識を有する者には明らかである。また、明瞭性と簡潔性の観点から、当業者に良く知られている機能や構成に関する具体的な説明は、省略する。
【0015】
本発明の実施形態は、通信システムにおける移動端末(Mobile Station:以下、“MS”と称する。)間の最適の通信モードを自動で選択し、MS間の通信モードの合意動作なしに、上記選択された通信モードを実行するための方法及びシステムを提案する。
【0016】
本発明を説明するに先立って、MS間の通信を実行するための通信モードについて簡単に説明する。上記通信モードは、セルラー(cellular)通信モード及びピアツーピア(Peer To Peer:以下、“P2P”と称する。)通信モードに大別される。上記セルラー通信モードにおいて、送信側MSであるソース(source)MS(以下、“MS_S”と称する。)が基地局(Base Station:以下、“BS”と称する。)を介して受信側MSであるデスティネーション(destination)MS(以下、“MS_D”と称する。)と通信する一方で、P2P通信モードにおいて、MS_Sは、BSを通過せず、MS_Dと直接通信する。
【0017】
図2及び図3を参照して、本発明の実施形態による通信システムにおけるMS_SがMS_Dとの通信のための通信モードを選択する動作について説明する。
【0018】
図2は、本発明の実施形態による通信システムにおけるMS_Sが、MS_S自身とMS_Dとの間の通信モードを決定する動作の信号フローを示す図である。
【0019】
図2を参照すると、上記通信システムは、ソースMS(MS_S201)と、デスティネーションMS(MS_D203)と、BS205と、を含む。
【0020】
MS_D203に送信されるデータが発生すると、MS_S201は、ステップ207で、MS_D203との通信を要請する通信要請信号をBS205に送信する。BS205は、ステップ209で、MS_S201及びMS_D203が同一のセル内に存在するか否かを検査する。上記検査の結果、MS_S201及びMS_D203が相互に異なるセルに存在すると判定すると、BS205は、ステップ211で、MS_S201とMS_D203との間の通信のためのセルラー通信モードを選択し、ステップ213で、セルラー通信モードでの動作のための(すなわち、セルラー通信のための)リソース割当情報をMS_S201に送信する。ステップ229で、MS_S201は、上記受信されたリソース割当情報に従ってMS_D203とセルラー通信モードで動作する。
【0021】
一方、上記検査の結果、MS_S201及びMS_D203が同一のセル内に存在すると判定した場合は、BS205は、ステップ215で、制御信号をMS_D203に送信する。上記制御情報は、MS_D203が所定の時間、所定のリソース、及び所定の信号パターンを使用して、P2P通信モード(すなわち、P2P通信)で動作するための基準信号をMS_S201に送信するように制御する。また、BS205は、ステップ217で、P2P通信基準信号に関連した情報、すなわち、上記所定の時間、リソース、及び信号パターンに関する情報をMS_S201に送信する。
【0022】
図2の実施形態において、MS_S201がMS_D203とのP2P通信のために必要とされる基準信号関連情報に関する知識が全くない場合について説明した。しかしながら、MS_S201は、BS205から受信されたブロードキャスト情報からP2P通信のための基準信号関連情報を取得することができる。この際、ステップ217は省略される。また、BS205は、固定値情報が上記基準信号関連情報(すなわち、所定の時間、リソース、及び信号パターンに関する情報)に含まれている場合に、通信システムにおいて、固定値に関する情報をMS_S201に送信しないこともある。
【0023】
一方、MS_S201は、ステップ219で、BS205からセルラー通信のための基準信号を受信し、セルラー通信基準信号によりMS_D203とのセルラー通信の期待性能(以下、“セルラー通信期待性能”と称する。)を推定する。上記セルラー通信基準信号としては、プリアンブル(preamble)信号、パイロット(pilot)信号、及びデータ信号などがあり、これら信号のうち少なくとも1つによりセルラー通信期待性能は推定される。MS_S201は、例えば、サービス品質(Quality of Service:QoS)等級、データ送信率、通信料金比率、送受信電力レベル、通信容量、信号対雑音比(Signal-to-Noise Ratio:SNR)、フレーム誤り率(Frame Error Rate:FER)、ビット誤り率(Bit Error Rate:BER)、及びシンボル誤り率(Symbol Error Rate:SER)の中の少なくとも1つによりセルラー通信期待性能を推定する。また、本実施形態では、上記セルラー通信期待性能がステップ219で推定されるが、ステップ225で通信モードを決定する前であれば、いかなる時点でも、上記推定が行われることができることに留意すべきである。
【0024】
MS_D203は、ステップ221で、BS205から受信した制御信号に従って、所定の時間で所定のリソース及び所定の信号パターンを使用して、P2P通信基準信号をMS_S201に送信する。P2P通信基準信号を受信すると、MS_S201は、ステップ223で、上記受信された信号を使用して、P2P通信の期待性能(以下、“P2P通信期待性能”と称する。)を推定する。P2P通信期待性能の推定は、少なくとも2つの方法で考慮されることができる。ステップ221で受信されたP2P通信基準信号及びステップ217で受信された基準信号関連情報に基づいて、同期(synchronization)を取得することによりP2P通信期待性能を推定する方法と、P2P通信基準信号の信号レベルを測定することによりP2P通信期待性能を推定する方法とがある。また、例えば、サービス品質(Quality of Service:QoS)等級、データ送信率、通信料金比率、送受信電力レベル、通信容量、信号対雑音比(Signal-to-Noise Ratio:SNR)、フレーム誤り率(Frame Error Rate:FER)、ビット誤り率(Bit Error Rate:BER)、及びシンボル誤り率(Symbol Error Rate:SER)の中の少なくとも1つによりP2P通信期待性能を推定してもよい。
【0025】
ステップ219及びステップ223で行われた推定に基づいて、MS_S201は、ステップ225で、MS_D203との通信モードを決定する。例示的な一実現例では、MS_S201は、ステップ219で推定されたセルラー通信期待性能からステップ223で推定されたP2P通信期待性能を減算し、この差をしきい値と比較することにより、MS_D203との通信モードを決定する。上記しきい値は、MSの特性、料金システム、BSのサービス領域内のMSの数、通信リソースの占有度、及びデータ送信量等のうち少なくとも1つに従って決定される実数値である。
【0026】
上記検査の結果、上記差が上記しきい値より大きいか又は同一である場合に、MS_S201は、ステップ225で、セルラー通信モードを選択し、ステップ229で、MS_D203とセルラー通信モードで動作する。他方、上記差が上記しきい値未満である場合に、MS_S201は、ステップ225で、P2P通信モードを選択し、ステップ227で、P2P通信モードでMS_D203と通信する。
【0027】
図3は、本発明の実施形態による通信システムにおいて、MS_SがMS_S自身とMS_Dとの間の通信モードを決定するための動作を示すフローチャートである。
【0028】
図3を参照すると、ステップS301で、MS_Dに送信されるデータが発生すると、MS_Sは、MS_Dとの通信を要請する通信要請信号をBSに送信する。ステップS303で、MS_Sは、セルラー通信のためのリソース割当情報をBSから受信したか否かを検査する。MS_Sが上記リソース割当情報を受信した場合には、MS_Sは、ステップS317で、MS_Dとセルラー通信モードで動作する。MS_Sが上記リソース割当情報を受信しなかった場合には、MS_Sは、ステップS305で、P2P通信基準信号に関連した情報をBSから受信し、ステップS307で、通信モードを決定するために、MS_Dとのセルラー通信期待性能を推定する。
【0029】
ステップS309で、MS_Sは、MS_DからP2P通信基準信号を受信した後に、ステップS311で、MS_Sは、P2P通信期待性能を推定する。例示的な一実現例では、MS_Sは、P2P通信基準信号及び基準信号関連情報に基づいて同期を取得するか、又はP2P通信基準信号の信号レベルを測定することにより、MS_DとのP2P期待性能を推定する。
【0030】
MS_Sは、ステップS313で、セルラー通信期待性能からP2P通信期待性能を減算することにより計算された差を所定のしきい値と比較する。上記検査の結果、この差が所定のしきい値より大きいか又は同一である場合は、MS_Sは、ステップS317で、MS_Dとの通信のためのセルラー通信モードを選択する。他方、この差が所定のしきい値より小さい場合は、MS_Sは、ステップS315で、MS_DとP2P通信モードで動作する。
【0031】
図3では、MS_Sがセルラー通信期待性能及びP2P通信期待性能を推定することにより、MS_S自身とMS_Dとの通信のための通信モードを決定する場合について説明した。他の例示的実施形態では、MS_Sは、上記セルラー通信期待性能及びP2P通信期待性能をBSにフィードバックし、BSが、MS_SとMS_Dとの間の通信モードを決定する役割を果たすことができる。
【0032】
次いで、図4及び図5を参照して、本発明の実施形態によるBSのサービス領域、すなわち、BSの送信信号が及ぶことができる最大距離に対応する領域内のMS間の通信モードを決定するためのBSの動作について説明する。
【0033】
図4は、本発明の実施形態による通信システムにおけるBSがBSのサービス領域内のMS間の通信モードを決定する動作の信号フローを示す図である。
【0034】
図4を参照すると、上記通信システムは、ソースMS(MS_S401)と、デスティネーションMS(MS_D403)と、BS405とを含む。ここで、MS_S401及びMS_D403がBS405のサービス領域内に含まれると仮定する。
【0035】
MS_D403に送信されるデータが発生すると、MS_S401は、ステップ407で、MS_D403との通信を要請する通信要請信号をBS405に送信する。MS_S401及びMS_D403は、ステップ409及びステップ411で、位置情報取得装置、例えば、全地球測位システム(Global Positioning System:以下、“GPS”と称する。)を使用して自身の位置を確認し、上記確認された位置情報をBS405に送信する。例示的な一実現例では、ステップ409及びステップ411は、システム状況に基づいて省略されてもよい。すなわち、BS405は、MS_S401及びMS_D403の位置に関する情報を事前に取得してもよく、又は任意の方法で決定してもよい。例えば、BS405は、自分を基準にするMS_S401及びMS_D403の角度、MS_S401及びMS_D403からのレンジング(ranging)信号の強度、及びMS_S401とMS_D403との間の距離を推定することにより、上記位置情報を決定してもよい。
【0036】
BS405は、ステップ413で、MS_S401及びMS_D403の受信された位置情報に基づいてセルラー通信期待性能を推定し、ステップ415で、MS_S401及びMS_D403が所定の領域内に存在するか否かを検査する。本発明の例示的実施形態では、上記所定の領域として同一のセルを一例にして説明したが、上記所定の領域は、隣接BSのサービス領域、すなわち、隣接セル領域であることもできる。また、本発明の実施形態では、ステップ413で、セルラー通信期待性能が推定されるが、この過程は、通信モードを決定する前に、すなわち、ステップ423の前であればいかなる時点でも、上記推定が行われることができることに留意しなければならない。
【0037】
上記検査の結果、MS_S401及びMS_D403が相互に異なるセルに存在する場合に、BS405は、ステップ417で、MS_S401とMS_D403との間の通信モードとしてセルラー通信モードを決定し、ステップ419で、セルラー通信のためのリソース割当情報をMS_S401に送信する。したがって、MS_S401は、ステップ427で、上記リソース割当情報に基づいてセルラー通信モードで動作する。
【0038】
他方、上記検査の結果、MS_S401及びMS_D403が同一のセル内に存在する場合に、ステップ421で、BS405は、ステップ409及びステップ411で受信された位置情報に基づいて計算されたMS_S401とMS_D403との間の距離に関する情報を使用してP2P通信期待性能を推定する。その後、BS405は、ステップ423で、セルラー通信期待性能からP2P通信期待性能を減算することにより計算された差を所定のしきい値と比較し、MS_S401とMS_D403との間の通信モードを決定する。具体的に言うと、上記差が上記しきい値より大きいか又は同一である場合に、ステップ427で、BS405は、上記通信モードとしてセルラー通信モードを選択し、MS_S401は、セルラー通信モードでMS_D403と通信する。上記差が上記しきい値未満である場合に、ステップ425で、BS405は、上記通信モードとしてP2P通信モードを選択し、MS_S401は、P2P通信モードでMS_D403と通信する。
【0039】
図5は、本発明の実施形態による通信システムにおけるBSが、BS自身のサービス領域内のMS間の通信モードを決定する動作を示すフローチャートである。
【0040】
図5を参照すると、ステップS501で、BSは、MS_SからMS_Dとの通信を要請する通信要請信号を受信する。ステップS503で、BSは、MS_S及びMS_Dから対応するMSの位置情報を受信するか、又はMS_SとMS_Dとの間の距離を推定することにより、対応するMSの位置情報を取得する。ステップS505で、BSは、MS_S及びMS_Dの位置情報に基づいてセルラー通信期待性能を推定する。
【0041】
ステップ507で、BSは、MS_S及びMS_Dが同一のセル内に存在するか否かを検査する。上記検査の結果、MS_S及びMS_Dが相互に異なるセルに存在すると判定すると、BSは、ステップS515で、セルラー通信のためのリソース割当情報をMS_Sに送信し、ステップ517で、セルラー通信モードで動作する。
【0042】
他方、上記検査の結果、MS_S及びMS_Dが同一のセル内に存在すると判定する場合は、BSは、ステップS509で、MS_SとMS_Dとの間の距離に関する情報を使用してP2P通信期待性能を推定する。その後、BSは、ステップS511で、セルラー通信期待性能からP2P通信期待性能を減算することにより計算された差を所定のしきい値と比較する。上記検査の結果、上記差がしきい値未満である場合に、BSは、ステップS513で、P2P通信モードで動作する。他方、上記差がしきい値より大きいか又は同一である場合に、BSは、ステップS517で、セルラー通信モードで動作する。
【0043】
以上、本発明を具体的な実施形態を参照して詳細に説明してきたが、本発明の範囲及び精神を逸脱することなく様々な変形が可能であるということは、当該技術分野における通常の知識を持つ者には明らかであり、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるべきではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものの範囲内で定められるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0044】

【図1】セルラー通信モード及びP2P通信モードを使用する従来の通信システムを示す図である。
【図2】本発明の実施形態による通信システムにおけるMS_SがMS_SとMS_Dとの間の通信モードを決定する動作の信号フローを示す図である。
【図3】本発明の実施形態による通信システムにおけるMS_SがMS_SとMS_Dとの間の通信モードを決定する動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態による通信システムにおけるBSがBSのサービス領域内のMS間の通信モードを決定する動作の信号フローを示す図である。
【図5】本発明の実施形態による通信システムにおけるBSがBSのサービス領域内のMS間の通信モードを決定する動作を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムにおける通信モードを決定する方法であって、
第1の移動端末及び第2の移動端末がピアツーピア(P2P)通信が可能な所定の領域内に位置するか否かを判定するステップと、
前記第1の移動端末及び前記第2の移動端末間の通信モードがセルラー通信モードである場合の第1の期待性能を推定するステップと、
前記第1の移動端末及び前記第2の移動端末が前記所定の領域内に位置するとき、前記第1の移動端末及び前記第2の移動端末間の通信モードがP2P通信モードである場合の第2の期待性能を推定するステップと、
前記第1の期待性能と前記第2の期待性能とを比較することにより、前記第1の移動端末と前記第2の移動端末との間の通信モードとして前記セルラー通信モード及び前記P2P通信モードのいずれか1つを選択するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1の期待性能及び第2の期待性能は、サービス品質等級、データ送信率、通信料金、送受信電力レベル、通信容量、信号対雑音比、フレーム誤り率、ビット誤り率、及びシンボル誤り率のうち少なくとも1つにより推定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の期待性能は、プリアンブル信号、パイロット信号、及びデータ信号のうち少なくとも1つを使用して推定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の期待性能を推定するステップは、
前記第1の移動端末が、所定の時間、所定のリソース、及び所定の信号パターンに関する情報を含む基準信号関連情報を基地局から受信するステップと、
前記第1の移動端末が、前記所定の時間に前記所定のリソース及び前記所定の信号パターンを使用して送信される基準信号を前記第2の移動端末から受信するステップと、
前記第1の移動端末が前記基準信号関連情報及び前記受信された基準信号に基づいて同期を取得することにより前記第2の期待性能を推定するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の期待性能を推定するステップは、
前記第1の移動端末が、所定の時間に所定のリソース及び所定の信号パターンを使用して送信される基準信号を前記第2の移動端末から受信するステップと、
前記第1の移動端末が前記基準信号の信号レベルを測定することにより、前記第2の期待性能を推定するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記セルラー通信モード及び前記P2P通信モードのいずれか1つを選択するステップは、
前記第1の期待性能から前記第2の期待性能を減算することにより差を計算するステップと、
前記差が所定のしきい値より大きいか又は同一である場合に、前記第1の移動端末と前記第2の移動端末との間の通信モードとして前記セルラー通信モードを選択するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記セルラー通信モード及び前記P2P通信モードのいずれか1つを選択するステップは、
前記第1の期待性能から前記第2の期待性能を減算することにより差を計算するステップと、
前記差が所定のしきい値より小さい場合に、前記第1の移動端末と前記第2の移動端末との間の通信モードとして前記P2P通信モードを選択するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記所定のしきい値は、移動端末の特性、料金システム、基地局のサービス領域内の移動端末の数、通信リソースの占有度、及びデータ送信量のうち少なくとも1つに基づいて決定される実数値であることを特徴とする請求項6及び請求項7の中のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記所定の領域は、基地局のセル及び隣接する基地局のセルのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の移動端末及び前記第2の移動端末が前記所定の領域内に位置しない場合に、前記第1の移動端末と前記第2の移動端末との間の通信モードとして前記セルラー通信モードを選択し、基地局が前記セルラー通信モードでの動作のためのリソース割当情報を前記第1の移動端末に送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の期待性能及び前記第2の期待性能を推定するステップは、
前記第1の移動端末に関する位置情報及び前記第2の移動端末に関する位置情報を取得するステップをさらに含み、
前記第1の期待性能及び前記第2の期待性能のうち少なくとも1つは、前記第1の移動端末に関する位置情報及び前記第2の移動端末に関する位置情報に基づいて計算された前記第1の移動端末と前記第2の移動端末との間の距離に関する情報に従って推定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の移動端末が前記第1の期待性能及び前記第2の期待性能を基地局にフィードバックするステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
通信システムにおける通信モードを決定するシステムであって、
第1の移動端末及び第2の移動端末がピアツーピア(P2P)通信が可能な所定の領域内に位置するか否かを判定し、
前記第1の移動端末及び前記第2の移動端末間の通信モードがセルラー通信モードである場合の第1の期待性能を推定し、
前記第1の移動端末及び前記第2の移動端末が前記所定の領域内に位置するとき、前記第1の移動端末及び前記第2の移動端末間の通信モードがP2P通信モードである場合の第2の期待性能を推定し、
前記第1の期待性能と前記第2の期待性能とを比較することにより、前記第1の移動端末と前記第2の移動端末との間の通信モードとして前記セルラー通信モード及び前記P2P通信モードのいずれか1つを選択することを特徴とするシステム。
【請求項14】
前記第1の期待性能及び第2の期待性能は、サービス品質等級、データ送信率、通信料金、送受信電力レベル、通信容量比率、信号対雑音比、フレーム誤り率、ビット誤り率、及びシンボル誤り率のうち少なくとも1つにより推定されることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の期待性能は、プリアンブル信号、パイロット信号、及びデータ信号の中の少なくとも1つを使用して推定されることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1の移動端末が、所定の時間、所定のリソース、及び所定の信号パターンに関する情報を含む基準信号関連情報を基地局から受信し、
前記所定の時間に前記所定のリソース及び前記所定の信号パターンを使用して送信される基準信号を前記第2の移動端末から受信し、前記基準信号関連情報及び前記受信された基準信号に基づいて同期を取得することにより、前記第2の期待性能を推定することを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1の移動端末が、所定の時間に所定のリソース及び所定の信号パターンを使用して送信される基準信号を前記第2の移動端末から受信し、
前記基準信号の信号レベルを測定することにより、前記第2の期待性能を推定することを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1の期待性能から前記第2の期待性能を減算することにより差を計算し、
前記差が所定のしきい値より大きいか又は同一である場合に、前記第1の移動端末と前記第2の移動端末との間の通信モードとして前記セルラー通信モードを選択することを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の期待性能から前記第2の期待性能を減算することにより差を計算し、前記差が所定のしきい値より小さい場合に、前記第1の移動端末と前記第2の移動端末との間の通信モードとして前記P2P通信モードを選択することを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項20】
前記所定のしきい値は、移動端末の特性、料金システム、基地局のサービス領域内の移動端末の数、通信リソースの占有度、及びデータ送信量のうち少なくとも1つに基づいて決定される実数値であることを特徴とする請求項18及び請求項19の中のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項21】
前記所定の領域は、基地局のセル及び隣接する基地局のセルの中の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項22】
前記第1の移動端末及び前記第2の移動端末が前記所定の領域内に位置しない場合に、基地局は、前記第1の移動端末と前記第2の移動端末との間の通信モードとして前記セルラー通信モードを選択し、前記セルラー通信モードでの動作のためのリソース割当情報を前記第1の移動端末に送信することを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項23】
基地局は、前記第1の移動端末に関する位置情報及び前記第2の移動端末に関する位置情報を取得し、前記第1の移動端末及び前記第2の移動端末に関する位置情報に基づいて計算された前記第1の移動端末と前記第2の移動端末との間の距離に関する情報に従って、前記第1の期待性能及び前記第2の期待性能の中の少なくとも1つを推定することを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項24】
前記第1の移動端末が前記第1の期待性能及び前記第2の期待性能を基地局にフィードバックすることを特徴とする請求項13に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−17559(P2009−17559A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−175707(P2008−175707)
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【出願人】(503447036)サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド (2,221)
【Fターム(参考)】