通信システム及び通信方法
【課題】異なるネットワーク間にある端末間を通信可能とするシステムを提供する。
【解決手段】広域IP網net1に配してSIP機能を備えた中継サーバSと、該中継サーバSを介した発信端末C1と、該中継サーバSを介した着信端末C2と、を備えた通信システム1であって、発信端末C1及び着信端末C2は前記広域IP網net1を介して通信する第1のIPアドレスと、通信方式をXMPPとしてインターネット網内の短絡回線XDを介して通信する第2のIPアドレスと、を備え、発信端末C1は着信端末C2と前記広域IP網net1にて通信を確立した後に、前記短絡回線XDに切り換えて通信した。
【解決手段】広域IP網net1に配してSIP機能を備えた中継サーバSと、該中継サーバSを介した発信端末C1と、該中継サーバSを介した着信端末C2と、を備えた通信システム1であって、発信端末C1及び着信端末C2は前記広域IP網net1を介して通信する第1のIPアドレスと、通信方式をXMPPとしてインターネット網内の短絡回線XDを介して通信する第2のIPアドレスと、を備え、発信端末C1は着信端末C2と前記広域IP網net1にて通信を確立した後に、前記短絡回線XDに切り換えて通信した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信システム及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から異なるネットワークを介して情報端末装置間にて情報交換が行われている。例えば、インターネットを利用してリアルタイムにメッセージをXMPPプロトコルを用いて交換する通信システムがある(例えば特許文献1)。
【0003】
特許文献1ではネットワークA内の情報端末装置とネットワークB内の情報端末装置とがインターネット網を介して情報交換を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−208430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の通信システムによると、ネットワークA内の情報端末装置とネットワークB内の情報端末装置とは違うプライベートアドレスのネットワークに属する。このため、ネットワークA内の情報端末装置とネットワークB内の情報端末装置とが接続するためには、お互いの情報端末装置のアドレスを知っているXMPPサーバが必要となる。従って、従来の通信システムを構築するためにはシステム構成が複雑になるという問題があった。
【0006】
本発明はXMPPサーバを必要としないで、異なるネットワーク間にある端末間を通信可能とするシステムを簡単に構築することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明の通信システムは、広域IP網に配してSIP機能を備えた中継サーバと、該中継サーバを介した発信端末と、該中継サーバを介した着信端末と、を備えた通信システムであって、前記発信端末及び前記着信端末は前記広域IP網を介して通信する第1のIPアドレスと、通信方式をXMPPとしてインターネット網内の短絡回線を介して通信する第2のIPアドレスと、を備え、前記発信端末は前記着信端末と前記広域IP網にて通信を確立した後に、前記短絡回線に切り換えて通信することを特徴とする。
【0008】
この構成によると、SIP(Session Initiation Protocol)機能を備えた中継サーバが広域IP網に配されている。発信端末は中継サーバを介して着信端末へと第1のIPアドレスを用いて通信する。広域IP網の通信が確立すると、インターネット網内の短絡回線を介した通信を第2のIPアドレスを用いて通信する。通信方式はXMPP(eXtensible Messaging and Presence Protocol)である。
【0009】
また、本発明は、上記構成の通信システムにおいて、前記発信端末が前記短絡回線に切り換えた後に、前記広域IP網の通信を切断することを特徴とする。この構成によると、発信端末が短絡回線に切り換えた後に、広域IP網の通信を切断する。そうすると、発信端末と着信端末との間の通信は短絡回線で行われる。
【0010】
また、本発明は、上記構成の通信システムにおいて、前記広域IP網は制御回線と、データ回線と、からなり、前記発信端末は前記制御回線ではSIP制御データを送信し、前記データ回線ではXMPP制御データを送信することを特徴とする。
【0011】
この構成によると、広域IP網は制御回線と、データ回線と、からなる。制御回線ではSIP制御データを送信し、データ回線ではXMPP制御データを送信する。このように発信端末は回線毎に送信するデータを使い分けている。
【0012】
また、本発明は、上記構成の通信システムにおいて、前記XMPP制御データがHTML(HyperText Markup Language)ファイルから成ることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記構成の通信システムにおいて、発信端末はSIP URI(Uniform Resource Identifier)を用いて着信端末を特定することを特徴とする。この構成によると、発信端末は電話番号などに関連付けられたSIP URIを用いて着信端末を特定する。
【0014】
また、上記課題を解決するために本発明の通信方法は、広域IP網内に配してSIP機能を備えた中継サーバと、該中継サーバを介して発信する発信端末と、該中継サーバを介して着信する着信端末と、を備えた通信方法であって、前記発信端末及び前記着信端末は前記広域IP網を介して通信する第1のIPアドレスと、通信方式をXMPPとしてインターネット網内の短絡回線を介して通信する第2のIPアドレスと、を備え、前記発信端末は前記着信端末との通信を前記広域IP網にて確立するステップと、前記短絡回線に切り換えて通信するステップと、を備えたことを特徴とする。
【0015】
この構成によると、SIP(Session Initiation Protocol)機能を備えた中継サーバが広域IP網に配されている。発信端末は中継サーバを介して着信端末へと第1のIPアドレスを用いて通信する。広域IP網の通信が確立した後、インターネット網内の短絡回線を介した通信を第2のIPアドレスを用いて通信する。通信方式をXMPPである。
【0016】
また、本発明は、上記構成の通信方法において、前記発信端末がインターネット網に切り換えた後に、前記広域IP網の通信を切断するステップを備えたことを特徴とする。この構成によると、発信端末が短絡回線に切り換えた後に、広域IP網の通信を切断する。そうすると、発信端末と着信端末との間の通信は短絡回線で行われる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、XMPPサーバを必要としないで、異なるネットワーク間にある端末間を通信可能とするシステムを簡単に構築できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態の通信システムの全体構成を示す図
【図2】本発明の第1実施形態の発信端末の構成を示すブロック図
【図3】本発明の第1実施形態の発信端末から着信端末への接続動作を示すタイミングチャート図
【図4】本発明の第1実施形態のDNS設定情報を示す図
【図5】本発明の第1実施形態のDNS設定情報を示す図
【図6】本発明の第1実施形態のXMPP制御データを示す図
【図7】本発明の第1実施形態のXMPP制御データを示す図
【図8】本発明の第1実施形態のXMPP制御データを示す図
【図9】本発明の第1実施形態のXMPP制御データを示す図
【図10】本発明の第1実施形態のXMPP制御データを示す図
【図11】本発明の第1実施形態のDNS設定情報を示す図
【図12】本発明の第1実施形態のDNS設定情報を示す図
【図13】本発明の第1実施形態のXMPP制御データを示す図
【図14】本発明の第1実施形態のメッセージ内容を示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の実施形態の通信システム1を説明するための図である。図1に示すように所定の通信事業者が保有する広域ネットワークとしての広域IP網net1が設けられている。また広域IP網net1を包括するインターネット網net2が設けられている。広域IP網net1はSIP制御データを送受信する制御回線SCと、XMPP制御データなどを送受信するデータ回線SDと、からなる。インターネット網net2内には後述する所定の手続きを経て開設される短絡回線XDが設けられている。
【0020】
広域IP網net1には中継サーバSと発信端末C1と着信端末C2とが配される。中継サーバSはIPアドレスとしてIPssを備える。
【0021】
発信端末C1はIPアドレスとして広域IP網net1で使用されるIPuacと短絡回線XDで使用されるIPc1とを備える。またIPuacを用いた通信では制御用のポート番号(5060番)とデータ通信用のポート番号(PORTuac(図3参照))とが用いられる。
【0022】
着信端末C2はIPアドレスとして広域IP網net1で使用されるIPuasと短絡回線XDで使用されるIPc2とを備える。またIPuasでは制御用のポート番号(5060番)とデータ通信用のポート番号(PORTuas(図3参照))とが用いられる。
【0023】
発信端末C1は中継サーバSを介し、発信端末C1とは異なるネットワークに配される着信端末C2と通信を行う。また、後述するように発信端末C1は短絡回線XDを開設すると、短絡回線XDを介して着信端末C2と直接通信することが可能である。
【0024】
図2は発信端末C1構成を示すブロック図である。なお、着信端末C2も略同一の構成である。発信端末C1は各部を制御する制御部22を備えている。制御部22には通信部21と、表示部23と、記憶部24と、入力部25と、が接続されている。表示部23はマルチメディアなどの所定のデータが表示される。入力部25はユーザによって操作入力され、発信端末C1に与えられる様々な指示を受け付ける。記憶部24はROMやRAMなどによって構成され、所定のプログラムやユーザの入力操作によって入力されるデータなどを記憶する。通信部21は有線又は無線で通信可能な構成であって、SIPやXMPPに規定されたプロトコル通信を行うことができる。
【0025】
ここで、SIPとはSession Initiation Protocol(セッション開始プロトコル)の略である。TCP/IPネットワーク上で様々なデータ、音声、映像などの通信を行うために、端末間の通信の開始や切断を行う。このために呼制御プロトコルと呼ばれている。TCP/IP上での動作を基本として標準化されているため、インターネットで利用されるプロトコルとの親和性が高く、非常にシンプルなプロトコルである。
【0026】
また、XMPP(eXtensible Messaging and Presence Protocol)とはIETF(Internet Engineering Task Force)のXMPPワーキンググループから独立したXSF(XMPP Standards Foundation)により規格・標準化が進められているXML(eXtensible Markup Language)ベースのプロトコルである。XMPPはインスタントメッセージ、プレゼンス(「相手が今どういう状態にあるのか」)、多人数チャット、音声またはテレビ電話、協調作業、コンテンツ・シンジケーション、XMLデータの一般化ルーティングなどのアプリケーションを動的に制御する。これによりインターネットなどの通信システムにおいてリアルタイムなコミュニケーションを行う。また、それぞれの目的に応じて規格化された複数の拡張プロトコル(XEP:XMPP Extension Protocol)からなっている。
【0027】
通信部21は第1のIPアドレス21Aと、第2のIPアドレス21Bと、を有している。第1のIPアドレス21Aは広域IP網net1内の通信で用いられ、第2のIPアドレス21Bはインターネット網net2内の通信で用いられる。第1のIPアドレス21AはIPuacを構成し、第2のIPアドレス21BはIPc1を構成する。なお、着信端末C2の場合には第1のIPアドレス21AはIPuasを構成し、第2のIPアドレス21BはIPc2を構成する。
【0028】
制御部22はXMPPクライアント制御部221と、SIP制御部222と、を有している。
【0029】
XMPPクライアント制御部221ではXMPPに規定された様々な応用プロトコルを利用することができる。本実施形態ではxep−0166:Jingleを利用する。xep−0166:Jingleは発信端末C1と着信端末C2との間にデータを送受信する通信経路を確立する機能を規定したプロトコルである。
【0030】
SIP制御部222は着信端末C2へ通信するためにSIP制御データを作成するとともに、着信端末C2から受信したSIP制御データを解読する。そして、SIP制御データに沿って呼接続処理などの制御を行う。例えば通話中は音声データをエンコードし、そのエンコードしたデータをRTP(Real-time Transport Protocol)パケットによって送信する。
【0031】
次に図3のタイミングチャートを用いて、発信端末C1から着信端末C2へ短絡回線XDを開設する動作について説明する。
【0032】
ステップS1では発信端末C1は接続したい着信端末C2に対してSIP URI(例えば電話番号)を用いて接続を要求する。この場合INVITEリクエストを中継サーバSに対して送信する。
【0033】
ステップS2では中継サーバSはSIP URIから着信端末C2のIPアドレスを特定し、着信端末C2へINVITEリクエストを送信する。
【0034】
ステップS3では中継サーバSは発信端末C1に暫定的に100 Tryingレスポンスを返送し、着信端末C2に接続しようとしていることを通知する。
【0035】
ステップS4ではINVITEリクエストを受信した着信端末C2は受信処理を開始する。具体的には呼び出し中であることを示す180 Ringingレスポンスを中継サーバSに返送する。
【0036】
ステップS5では中継サーバSは着信端末C2から返送された180 Ringingレスポンスを中継し、発信端末C1に送信する。
【0037】
ステップS6では着信端末C2は200 OKレスポンスを中継サーバSへ送信する。ステップS7では中継サーバSは発信端末C1に200 OKレスポンスを送信する。
【0038】
ステップS8では発信端末C1は200 OKレスポンスを受信したことを示すACKリクエストを着信端末C2に対して送信する。
【0039】
ACKリクエストを着信端末C2が受信することにより、発信端末C1と着信端末C2との間の通信が確立する。
【0040】
上記ステップS1〜S8までは制御回線SCを介してSIP制御データを用いた通信を行う。
【0041】
ステップS9ではデータ回線SDを用いてSIP/SDP(Session Description Protocol)のデータの送受信が開始される。図4のDNS設定情報d1を発信端末C1は送信し、図5のDNS設定情報d2を発信端末C2は送信する。これらの設定情報を送受信することにより、互いの端末はそれぞれのサービス情報を発見することができる。そして図6に示すような転送経路設定情報e1を用いて、XMPP通信を初期化する。なお、XMPP制御データは転送経路設定情報e1を構成する。
【0042】
次のステップからは発信端末C1と着信端末C2との間に短絡回線XDが開設される手順について詳細に説明する。
【0043】
ここで、発信端末C1は短絡回線XDの開設を提案する側、すなわち、Jingleのイニシエータとなる。また、着信端末C2は短絡回線XDの開設の提案に対して同意又は拒否する側、すなわち、Jingleのレスポンダとなる。
【0044】
ステップS10では発信端末C1は着信端末C2に対してJingle回線を開設するように提案する。この際、図7に示すような転送経路設定情報m1をXMPPクライアント制御部221において作成し、着信端末C2へ送信する。転送経路設定情報m1では<iq>タグには送信元である発信端末C1のJID("Jabber ID")、転送経路設定情報m1の識別子("12345")、送信先である着信端末C2のJID、転送経路設定情報m1のtype属性("set")などが記述されている。また、短絡回線XDで使用するIPアドレスやポート番号の設定は<transport <candidate>>のタグで行う。XMPP制御データは転送経路設定情報m1を構成する。
【0045】
ステップS11では着信端末C2のXMPPクライアント制御部221’はその提案を確認したことを示す転送経路設定情報m2(図8参照)を発信端末C1に送信する。
【0046】
図8に示すように転送経路設定情報m2では<iq>タグに送信元である着信端末C2のJID(“Jabber ID”)、着信端末C2が確認した転送経路設定情報m1の識別子("12345")、送信先である発信端末C1のJID、転送経路設定情報m2のtype属性("result")が記述されている。
【0047】
ステップS12では発信端末C1と着信端末C2との間で、短絡回線XDを開設するための設定内容についての交渉(Jingle回線ネゴシエーション)が行われる。これにより、端末間での通信可能なトランスポートの設定(例えば、IPアドレスセットやポート番号)などが決定される。
【0048】
ステップS13では着信端末C2のXMPPクライアント制御部221’は短絡回線XDの設定の提案に同意する旨を示す転送経路設定情報m3(図9参照)を発信端末C1に送信する。
【0049】
ステップS14では発信端末C1のXMPPクライアント制御部221は受け取った転送経路設定情報m3を確認する転送経路設定情報m4(図10参照)を着信端末C2に送信する。
【0050】
ステップS10〜S14までのXMPP制御データ(転送経路設定情報m1〜m4など)の通信はデータ回線SDを用いて行う。
【0051】
ステップS1〜14までの通信は広域IP網net1間の通信である。また。この通信では発信端末C1の第1のIPアドレス21A(IPuac)と、着信端末C2の第1のIPアドレス21A’(IPuas)と、が用いられる。
【0052】
上記のような処理を経て、ステップS15では発信端末C1と着信端末C2との間で直接通信する短絡回線XDが開設される。短絡回線XDの通信では発信端末C1の第2のIPアドレス21B(IPc1)と、着信端末C2の第2のIPアドレス21B’(IPc2)と、が用いられる。
【0053】
そして、図11のDNS設定情報d3を発信端末C1は送信し、図12のDNS設定情報d4を発信端末C2は送信する。これらの設定情報を送受信することにより、互いの端末のサービス情報を発見することができる。その後は図13に示すような転送経路設定情報e2を用いて、XMPP通信を初期化する。
【0054】
ステップS16では発信端末C1から着信端末C2にメソッド BYEが送信される。ステップS17ではメソッド BYEに対する200 OKレスポンスが着信端末C2から発信端末C1に返送される。これにより発信端末C1と着信端末C2との間の広域IP網net1を介した通信が終了する。
【0055】
このため、ステップS18では中継サーバSを介さない通信が実行される。そして例えば、図14に示すようなメッセージf1が送受信される。この通信ではサーバレス通信となり、XMPPサーバは必要ではない。即ち、発信端末C1と着信端末C2とが直接短絡回線XDを介してやり取りが行われる。短絡回線XDはインターネット網net2内に設けられており、インターネット上にある発信端末C1と着信端末C2とが直接データのやりとりが可能となる。
【0056】
以上のように本実施形態によると、広域IP網net1に配してSIP機能を備えた中継サーバSと、該中継サーバSを介した発信端末C1と、該中継サーバSを介した着信端末C2と、を備えた通信システム1であって、発信端末C1及び着信端末C2は前記広域IP網net1を介して通信する第1のIPアドレス21Aと、通信方式をXMPPとしてインターネット網内の短絡回線XDを介して通信する第2のIPアドレス21Bと、を備え、発信端末C1は着信端末C2と前記広域IP網net1にて通信を確立した後に、前記短絡回線XDに切り換えて通信する。
【0057】
このため、所定の業者が保有する既存の中継サーバSを用いることで、異なるネットワーク間にある端末間を通信可能とするシステムを簡単に構築できる。また、異なるネットワーク間にある発信端末C1と着信端末C2との間に複数の回線を設け、端末が回線を選択可能とすることで、発信端末C1と着信端末C2との間の通信の信頼性や柔軟性を向上できる通信システムを提供できる。
【0058】
さらにまた、一般的には異なるネットワーク間にある端末間はマルチキャストDNSを利用できない規定となっているために、通信したい相手の端末を見つけること困難である。しかしながら、本実施例のように既存の中継サーバSを用いることで、異なるネットワーク間にある端末間を容易に見つけることができる。
【0059】
また、発信端末C1が短絡回線XDに切り換えた後に、広域IP網net1の通信を切断するため、使用しない回線を切断することで通信コストの低減に貢献できる。
【0060】
また、広域IP網net1は制御回線SCと、データ回線SDと、からなり、発信端末C1は制御回線SCではSIP制御データを送信し、データ回線SDではXMPP制御データを送信する。このように回線によって送信するデータを使い分けることで、データ転送の効率化が図れる。
【0061】
また、転送経路設定情報m1などのXMPP制御データがHTMLファイルから成る。このため、柔軟かつ容易にXMPP制御データの修正が可能である。
【0062】
また、発信端末C1はSIP URI(電話番号など)を用いて着信端末C2を特定する。電話番号によって着信端末C2を特定できるので、IPアドレスやドメインよりも簡易に特定することができる。
【0063】
(第2の実施形態)
第1実施形態ではステップS15〜16において、広域IP網net1の通信を切断したが、通信を継続してもよい。たとえば、広域IP網net1では帯域保証をしていれば重要なデータを優先的に広域IP網net1を用いて送信する。回線を使用目的によって選択することで、ネットワーク間の通信の信頼性や柔軟性を向上できる。
【0064】
また、発信端末C1は第1のIPアドレス21Aと第2のIPアドレス21Bとを異なるような構成であったが、同じ構成であってもよい。この場合、通信したい相手先の経路(ルーティング情報)をプロトコルに応じて変更すればよい。
【符号の説明】
【0065】
1 通信システム
6 ストリーム仕様情報
60a〜60d ストリーム属性情報
7 html表示仕様情報
70a〜70d 表示属性情報
21 通信部
21A 第1のIPアドレス
21B 第2のIPアドレス
22 制御部
221 XMPPクライアント制御部
222 クライアント制御部
23 表示部
24 記憶部
25 入力部
C1 発信端末
C2 着信端末
m1〜m4 転送経路設定情報
S 中継サーバ
SC 制御回線
SD データ回線
XD 短絡回線
【技術分野】
【0001】
本発明は通信システム及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から異なるネットワークを介して情報端末装置間にて情報交換が行われている。例えば、インターネットを利用してリアルタイムにメッセージをXMPPプロトコルを用いて交換する通信システムがある(例えば特許文献1)。
【0003】
特許文献1ではネットワークA内の情報端末装置とネットワークB内の情報端末装置とがインターネット網を介して情報交換を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−208430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の通信システムによると、ネットワークA内の情報端末装置とネットワークB内の情報端末装置とは違うプライベートアドレスのネットワークに属する。このため、ネットワークA内の情報端末装置とネットワークB内の情報端末装置とが接続するためには、お互いの情報端末装置のアドレスを知っているXMPPサーバが必要となる。従って、従来の通信システムを構築するためにはシステム構成が複雑になるという問題があった。
【0006】
本発明はXMPPサーバを必要としないで、異なるネットワーク間にある端末間を通信可能とするシステムを簡単に構築することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明の通信システムは、広域IP網に配してSIP機能を備えた中継サーバと、該中継サーバを介した発信端末と、該中継サーバを介した着信端末と、を備えた通信システムであって、前記発信端末及び前記着信端末は前記広域IP網を介して通信する第1のIPアドレスと、通信方式をXMPPとしてインターネット網内の短絡回線を介して通信する第2のIPアドレスと、を備え、前記発信端末は前記着信端末と前記広域IP網にて通信を確立した後に、前記短絡回線に切り換えて通信することを特徴とする。
【0008】
この構成によると、SIP(Session Initiation Protocol)機能を備えた中継サーバが広域IP網に配されている。発信端末は中継サーバを介して着信端末へと第1のIPアドレスを用いて通信する。広域IP網の通信が確立すると、インターネット網内の短絡回線を介した通信を第2のIPアドレスを用いて通信する。通信方式はXMPP(eXtensible Messaging and Presence Protocol)である。
【0009】
また、本発明は、上記構成の通信システムにおいて、前記発信端末が前記短絡回線に切り換えた後に、前記広域IP網の通信を切断することを特徴とする。この構成によると、発信端末が短絡回線に切り換えた後に、広域IP網の通信を切断する。そうすると、発信端末と着信端末との間の通信は短絡回線で行われる。
【0010】
また、本発明は、上記構成の通信システムにおいて、前記広域IP網は制御回線と、データ回線と、からなり、前記発信端末は前記制御回線ではSIP制御データを送信し、前記データ回線ではXMPP制御データを送信することを特徴とする。
【0011】
この構成によると、広域IP網は制御回線と、データ回線と、からなる。制御回線ではSIP制御データを送信し、データ回線ではXMPP制御データを送信する。このように発信端末は回線毎に送信するデータを使い分けている。
【0012】
また、本発明は、上記構成の通信システムにおいて、前記XMPP制御データがHTML(HyperText Markup Language)ファイルから成ることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記構成の通信システムにおいて、発信端末はSIP URI(Uniform Resource Identifier)を用いて着信端末を特定することを特徴とする。この構成によると、発信端末は電話番号などに関連付けられたSIP URIを用いて着信端末を特定する。
【0014】
また、上記課題を解決するために本発明の通信方法は、広域IP網内に配してSIP機能を備えた中継サーバと、該中継サーバを介して発信する発信端末と、該中継サーバを介して着信する着信端末と、を備えた通信方法であって、前記発信端末及び前記着信端末は前記広域IP網を介して通信する第1のIPアドレスと、通信方式をXMPPとしてインターネット網内の短絡回線を介して通信する第2のIPアドレスと、を備え、前記発信端末は前記着信端末との通信を前記広域IP網にて確立するステップと、前記短絡回線に切り換えて通信するステップと、を備えたことを特徴とする。
【0015】
この構成によると、SIP(Session Initiation Protocol)機能を備えた中継サーバが広域IP網に配されている。発信端末は中継サーバを介して着信端末へと第1のIPアドレスを用いて通信する。広域IP網の通信が確立した後、インターネット網内の短絡回線を介した通信を第2のIPアドレスを用いて通信する。通信方式をXMPPである。
【0016】
また、本発明は、上記構成の通信方法において、前記発信端末がインターネット網に切り換えた後に、前記広域IP網の通信を切断するステップを備えたことを特徴とする。この構成によると、発信端末が短絡回線に切り換えた後に、広域IP網の通信を切断する。そうすると、発信端末と着信端末との間の通信は短絡回線で行われる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、XMPPサーバを必要としないで、異なるネットワーク間にある端末間を通信可能とするシステムを簡単に構築できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態の通信システムの全体構成を示す図
【図2】本発明の第1実施形態の発信端末の構成を示すブロック図
【図3】本発明の第1実施形態の発信端末から着信端末への接続動作を示すタイミングチャート図
【図4】本発明の第1実施形態のDNS設定情報を示す図
【図5】本発明の第1実施形態のDNS設定情報を示す図
【図6】本発明の第1実施形態のXMPP制御データを示す図
【図7】本発明の第1実施形態のXMPP制御データを示す図
【図8】本発明の第1実施形態のXMPP制御データを示す図
【図9】本発明の第1実施形態のXMPP制御データを示す図
【図10】本発明の第1実施形態のXMPP制御データを示す図
【図11】本発明の第1実施形態のDNS設定情報を示す図
【図12】本発明の第1実施形態のDNS設定情報を示す図
【図13】本発明の第1実施形態のXMPP制御データを示す図
【図14】本発明の第1実施形態のメッセージ内容を示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の実施形態の通信システム1を説明するための図である。図1に示すように所定の通信事業者が保有する広域ネットワークとしての広域IP網net1が設けられている。また広域IP網net1を包括するインターネット網net2が設けられている。広域IP網net1はSIP制御データを送受信する制御回線SCと、XMPP制御データなどを送受信するデータ回線SDと、からなる。インターネット網net2内には後述する所定の手続きを経て開設される短絡回線XDが設けられている。
【0020】
広域IP網net1には中継サーバSと発信端末C1と着信端末C2とが配される。中継サーバSはIPアドレスとしてIPssを備える。
【0021】
発信端末C1はIPアドレスとして広域IP網net1で使用されるIPuacと短絡回線XDで使用されるIPc1とを備える。またIPuacを用いた通信では制御用のポート番号(5060番)とデータ通信用のポート番号(PORTuac(図3参照))とが用いられる。
【0022】
着信端末C2はIPアドレスとして広域IP網net1で使用されるIPuasと短絡回線XDで使用されるIPc2とを備える。またIPuasでは制御用のポート番号(5060番)とデータ通信用のポート番号(PORTuas(図3参照))とが用いられる。
【0023】
発信端末C1は中継サーバSを介し、発信端末C1とは異なるネットワークに配される着信端末C2と通信を行う。また、後述するように発信端末C1は短絡回線XDを開設すると、短絡回線XDを介して着信端末C2と直接通信することが可能である。
【0024】
図2は発信端末C1構成を示すブロック図である。なお、着信端末C2も略同一の構成である。発信端末C1は各部を制御する制御部22を備えている。制御部22には通信部21と、表示部23と、記憶部24と、入力部25と、が接続されている。表示部23はマルチメディアなどの所定のデータが表示される。入力部25はユーザによって操作入力され、発信端末C1に与えられる様々な指示を受け付ける。記憶部24はROMやRAMなどによって構成され、所定のプログラムやユーザの入力操作によって入力されるデータなどを記憶する。通信部21は有線又は無線で通信可能な構成であって、SIPやXMPPに規定されたプロトコル通信を行うことができる。
【0025】
ここで、SIPとはSession Initiation Protocol(セッション開始プロトコル)の略である。TCP/IPネットワーク上で様々なデータ、音声、映像などの通信を行うために、端末間の通信の開始や切断を行う。このために呼制御プロトコルと呼ばれている。TCP/IP上での動作を基本として標準化されているため、インターネットで利用されるプロトコルとの親和性が高く、非常にシンプルなプロトコルである。
【0026】
また、XMPP(eXtensible Messaging and Presence Protocol)とはIETF(Internet Engineering Task Force)のXMPPワーキンググループから独立したXSF(XMPP Standards Foundation)により規格・標準化が進められているXML(eXtensible Markup Language)ベースのプロトコルである。XMPPはインスタントメッセージ、プレゼンス(「相手が今どういう状態にあるのか」)、多人数チャット、音声またはテレビ電話、協調作業、コンテンツ・シンジケーション、XMLデータの一般化ルーティングなどのアプリケーションを動的に制御する。これによりインターネットなどの通信システムにおいてリアルタイムなコミュニケーションを行う。また、それぞれの目的に応じて規格化された複数の拡張プロトコル(XEP:XMPP Extension Protocol)からなっている。
【0027】
通信部21は第1のIPアドレス21Aと、第2のIPアドレス21Bと、を有している。第1のIPアドレス21Aは広域IP網net1内の通信で用いられ、第2のIPアドレス21Bはインターネット網net2内の通信で用いられる。第1のIPアドレス21AはIPuacを構成し、第2のIPアドレス21BはIPc1を構成する。なお、着信端末C2の場合には第1のIPアドレス21AはIPuasを構成し、第2のIPアドレス21BはIPc2を構成する。
【0028】
制御部22はXMPPクライアント制御部221と、SIP制御部222と、を有している。
【0029】
XMPPクライアント制御部221ではXMPPに規定された様々な応用プロトコルを利用することができる。本実施形態ではxep−0166:Jingleを利用する。xep−0166:Jingleは発信端末C1と着信端末C2との間にデータを送受信する通信経路を確立する機能を規定したプロトコルである。
【0030】
SIP制御部222は着信端末C2へ通信するためにSIP制御データを作成するとともに、着信端末C2から受信したSIP制御データを解読する。そして、SIP制御データに沿って呼接続処理などの制御を行う。例えば通話中は音声データをエンコードし、そのエンコードしたデータをRTP(Real-time Transport Protocol)パケットによって送信する。
【0031】
次に図3のタイミングチャートを用いて、発信端末C1から着信端末C2へ短絡回線XDを開設する動作について説明する。
【0032】
ステップS1では発信端末C1は接続したい着信端末C2に対してSIP URI(例えば電話番号)を用いて接続を要求する。この場合INVITEリクエストを中継サーバSに対して送信する。
【0033】
ステップS2では中継サーバSはSIP URIから着信端末C2のIPアドレスを特定し、着信端末C2へINVITEリクエストを送信する。
【0034】
ステップS3では中継サーバSは発信端末C1に暫定的に100 Tryingレスポンスを返送し、着信端末C2に接続しようとしていることを通知する。
【0035】
ステップS4ではINVITEリクエストを受信した着信端末C2は受信処理を開始する。具体的には呼び出し中であることを示す180 Ringingレスポンスを中継サーバSに返送する。
【0036】
ステップS5では中継サーバSは着信端末C2から返送された180 Ringingレスポンスを中継し、発信端末C1に送信する。
【0037】
ステップS6では着信端末C2は200 OKレスポンスを中継サーバSへ送信する。ステップS7では中継サーバSは発信端末C1に200 OKレスポンスを送信する。
【0038】
ステップS8では発信端末C1は200 OKレスポンスを受信したことを示すACKリクエストを着信端末C2に対して送信する。
【0039】
ACKリクエストを着信端末C2が受信することにより、発信端末C1と着信端末C2との間の通信が確立する。
【0040】
上記ステップS1〜S8までは制御回線SCを介してSIP制御データを用いた通信を行う。
【0041】
ステップS9ではデータ回線SDを用いてSIP/SDP(Session Description Protocol)のデータの送受信が開始される。図4のDNS設定情報d1を発信端末C1は送信し、図5のDNS設定情報d2を発信端末C2は送信する。これらの設定情報を送受信することにより、互いの端末はそれぞれのサービス情報を発見することができる。そして図6に示すような転送経路設定情報e1を用いて、XMPP通信を初期化する。なお、XMPP制御データは転送経路設定情報e1を構成する。
【0042】
次のステップからは発信端末C1と着信端末C2との間に短絡回線XDが開設される手順について詳細に説明する。
【0043】
ここで、発信端末C1は短絡回線XDの開設を提案する側、すなわち、Jingleのイニシエータとなる。また、着信端末C2は短絡回線XDの開設の提案に対して同意又は拒否する側、すなわち、Jingleのレスポンダとなる。
【0044】
ステップS10では発信端末C1は着信端末C2に対してJingle回線を開設するように提案する。この際、図7に示すような転送経路設定情報m1をXMPPクライアント制御部221において作成し、着信端末C2へ送信する。転送経路設定情報m1では<iq>タグには送信元である発信端末C1のJID("Jabber ID")、転送経路設定情報m1の識別子("12345")、送信先である着信端末C2のJID、転送経路設定情報m1のtype属性("set")などが記述されている。また、短絡回線XDで使用するIPアドレスやポート番号の設定は<transport <candidate>>のタグで行う。XMPP制御データは転送経路設定情報m1を構成する。
【0045】
ステップS11では着信端末C2のXMPPクライアント制御部221’はその提案を確認したことを示す転送経路設定情報m2(図8参照)を発信端末C1に送信する。
【0046】
図8に示すように転送経路設定情報m2では<iq>タグに送信元である着信端末C2のJID(“Jabber ID”)、着信端末C2が確認した転送経路設定情報m1の識別子("12345")、送信先である発信端末C1のJID、転送経路設定情報m2のtype属性("result")が記述されている。
【0047】
ステップS12では発信端末C1と着信端末C2との間で、短絡回線XDを開設するための設定内容についての交渉(Jingle回線ネゴシエーション)が行われる。これにより、端末間での通信可能なトランスポートの設定(例えば、IPアドレスセットやポート番号)などが決定される。
【0048】
ステップS13では着信端末C2のXMPPクライアント制御部221’は短絡回線XDの設定の提案に同意する旨を示す転送経路設定情報m3(図9参照)を発信端末C1に送信する。
【0049】
ステップS14では発信端末C1のXMPPクライアント制御部221は受け取った転送経路設定情報m3を確認する転送経路設定情報m4(図10参照)を着信端末C2に送信する。
【0050】
ステップS10〜S14までのXMPP制御データ(転送経路設定情報m1〜m4など)の通信はデータ回線SDを用いて行う。
【0051】
ステップS1〜14までの通信は広域IP網net1間の通信である。また。この通信では発信端末C1の第1のIPアドレス21A(IPuac)と、着信端末C2の第1のIPアドレス21A’(IPuas)と、が用いられる。
【0052】
上記のような処理を経て、ステップS15では発信端末C1と着信端末C2との間で直接通信する短絡回線XDが開設される。短絡回線XDの通信では発信端末C1の第2のIPアドレス21B(IPc1)と、着信端末C2の第2のIPアドレス21B’(IPc2)と、が用いられる。
【0053】
そして、図11のDNS設定情報d3を発信端末C1は送信し、図12のDNS設定情報d4を発信端末C2は送信する。これらの設定情報を送受信することにより、互いの端末のサービス情報を発見することができる。その後は図13に示すような転送経路設定情報e2を用いて、XMPP通信を初期化する。
【0054】
ステップS16では発信端末C1から着信端末C2にメソッド BYEが送信される。ステップS17ではメソッド BYEに対する200 OKレスポンスが着信端末C2から発信端末C1に返送される。これにより発信端末C1と着信端末C2との間の広域IP網net1を介した通信が終了する。
【0055】
このため、ステップS18では中継サーバSを介さない通信が実行される。そして例えば、図14に示すようなメッセージf1が送受信される。この通信ではサーバレス通信となり、XMPPサーバは必要ではない。即ち、発信端末C1と着信端末C2とが直接短絡回線XDを介してやり取りが行われる。短絡回線XDはインターネット網net2内に設けられており、インターネット上にある発信端末C1と着信端末C2とが直接データのやりとりが可能となる。
【0056】
以上のように本実施形態によると、広域IP網net1に配してSIP機能を備えた中継サーバSと、該中継サーバSを介した発信端末C1と、該中継サーバSを介した着信端末C2と、を備えた通信システム1であって、発信端末C1及び着信端末C2は前記広域IP網net1を介して通信する第1のIPアドレス21Aと、通信方式をXMPPとしてインターネット網内の短絡回線XDを介して通信する第2のIPアドレス21Bと、を備え、発信端末C1は着信端末C2と前記広域IP網net1にて通信を確立した後に、前記短絡回線XDに切り換えて通信する。
【0057】
このため、所定の業者が保有する既存の中継サーバSを用いることで、異なるネットワーク間にある端末間を通信可能とするシステムを簡単に構築できる。また、異なるネットワーク間にある発信端末C1と着信端末C2との間に複数の回線を設け、端末が回線を選択可能とすることで、発信端末C1と着信端末C2との間の通信の信頼性や柔軟性を向上できる通信システムを提供できる。
【0058】
さらにまた、一般的には異なるネットワーク間にある端末間はマルチキャストDNSを利用できない規定となっているために、通信したい相手の端末を見つけること困難である。しかしながら、本実施例のように既存の中継サーバSを用いることで、異なるネットワーク間にある端末間を容易に見つけることができる。
【0059】
また、発信端末C1が短絡回線XDに切り換えた後に、広域IP網net1の通信を切断するため、使用しない回線を切断することで通信コストの低減に貢献できる。
【0060】
また、広域IP網net1は制御回線SCと、データ回線SDと、からなり、発信端末C1は制御回線SCではSIP制御データを送信し、データ回線SDではXMPP制御データを送信する。このように回線によって送信するデータを使い分けることで、データ転送の効率化が図れる。
【0061】
また、転送経路設定情報m1などのXMPP制御データがHTMLファイルから成る。このため、柔軟かつ容易にXMPP制御データの修正が可能である。
【0062】
また、発信端末C1はSIP URI(電話番号など)を用いて着信端末C2を特定する。電話番号によって着信端末C2を特定できるので、IPアドレスやドメインよりも簡易に特定することができる。
【0063】
(第2の実施形態)
第1実施形態ではステップS15〜16において、広域IP網net1の通信を切断したが、通信を継続してもよい。たとえば、広域IP網net1では帯域保証をしていれば重要なデータを優先的に広域IP網net1を用いて送信する。回線を使用目的によって選択することで、ネットワーク間の通信の信頼性や柔軟性を向上できる。
【0064】
また、発信端末C1は第1のIPアドレス21Aと第2のIPアドレス21Bとを異なるような構成であったが、同じ構成であってもよい。この場合、通信したい相手先の経路(ルーティング情報)をプロトコルに応じて変更すればよい。
【符号の説明】
【0065】
1 通信システム
6 ストリーム仕様情報
60a〜60d ストリーム属性情報
7 html表示仕様情報
70a〜70d 表示属性情報
21 通信部
21A 第1のIPアドレス
21B 第2のIPアドレス
22 制御部
221 XMPPクライアント制御部
222 クライアント制御部
23 表示部
24 記憶部
25 入力部
C1 発信端末
C2 着信端末
m1〜m4 転送経路設定情報
S 中継サーバ
SC 制御回線
SD データ回線
XD 短絡回線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
広域IP網に配してSIP機能を備えた中継サーバと、該中継サーバを介した発信端末と、該中継サーバを介した着信端末と、を備えた通信システムであって、
前記発信端末及び前記着信端末は前記広域IP網を介して通信する第1のIPアドレスと、通信方式をXMPPとしてインターネット網内の短絡回線を介して通信する第2のIPアドレスと、を備え、
前記発信端末は前記着信端末と前記広域IP網にて通信を確立した後に、前記短絡回線に切り換えて通信することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記発信端末が前記短絡回線に切り換えた後に、前記広域IP網の通信を切断することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記広域IP網は制御回線と、データ回線と、からなり、
前記発信端末は前記制御回線ではSIP制御データを送信し、前記データ回線ではXMPP制御データを送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記XMPP制御データがHTMLファイルから成ることを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記発信端末はSIP URIを用いて前記着信端末を特定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の通信システム。
【請求項6】
広域IP網内に配してSIP機能を備えた中継サーバと、該中継サーバを介して発信する発信端末と、該中継サーバを介して着信する着信端末と、を備えた通信方法であって、
前記発信端末及び前記着信端末は前記広域IP網を介して通信する第1のIPアドレスと、通信方式をXMPPとしてインターネット網内の短絡回線を介して通信する第2のIPアドレスと、を備え、
前記発信端末は前記着信端末との通信を前記広域IP網にて確立するステップと、
前記短絡回線に切り換えて通信するステップと、
を備えたことを特徴とする通信方法。
【請求項7】
前記発信端末がインターネット網に切り換えた後に、前記広域IP網の通信を切断するステップを備えたことを特徴とする請求項6に記載の通信方法。
【請求項1】
広域IP網に配してSIP機能を備えた中継サーバと、該中継サーバを介した発信端末と、該中継サーバを介した着信端末と、を備えた通信システムであって、
前記発信端末及び前記着信端末は前記広域IP網を介して通信する第1のIPアドレスと、通信方式をXMPPとしてインターネット網内の短絡回線を介して通信する第2のIPアドレスと、を備え、
前記発信端末は前記着信端末と前記広域IP網にて通信を確立した後に、前記短絡回線に切り換えて通信することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記発信端末が前記短絡回線に切り換えた後に、前記広域IP網の通信を切断することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記広域IP網は制御回線と、データ回線と、からなり、
前記発信端末は前記制御回線ではSIP制御データを送信し、前記データ回線ではXMPP制御データを送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記XMPP制御データがHTMLファイルから成ることを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記発信端末はSIP URIを用いて前記着信端末を特定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の通信システム。
【請求項6】
広域IP網内に配してSIP機能を備えた中継サーバと、該中継サーバを介して発信する発信端末と、該中継サーバを介して着信する着信端末と、を備えた通信方法であって、
前記発信端末及び前記着信端末は前記広域IP網を介して通信する第1のIPアドレスと、通信方式をXMPPとしてインターネット網内の短絡回線を介して通信する第2のIPアドレスと、を備え、
前記発信端末は前記着信端末との通信を前記広域IP網にて確立するステップと、
前記短絡回線に切り換えて通信するステップと、
を備えたことを特徴とする通信方法。
【請求項7】
前記発信端末がインターネット網に切り換えた後に、前記広域IP網の通信を切断するステップを備えたことを特徴とする請求項6に記載の通信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−38740(P2013−38740A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175641(P2011−175641)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
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