説明

通信システム

【課題】 2つ以上の通信装置の間で行われる通信の内容を他の通信装置へ通知する。
【解決手段】 基地局装置11と複数の端末局装置2、3とが無線により通信する通信システムで、端末局装置では、端末局無線送信手段が基地局装置に対して情報を無線送信し、端末局無線受信手段が基地局装置から無線送信された情報を受信し、基地局装置では、基地局無線受信手段が端末局装置から無線送信された情報を受信し、基地局無線送信手段が端末局装置に対して情報を無線送信し、基地局折り返し無線送信制御手段が基地局無線受信手段により受信された情報を基地局無線送信手段により無線送信する。端末局装置の端末局無線受信手段は、他の端末局装置から基地局装置に対して無線送信されて基地局装置により受信されて折り返して無線送信された情報を受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つ以上の通信装置の間で行われる通信の内容を他の通信装置へ通知する技術に関する。
第1の例として、本発明は、基地局装置と複数の端末局装置とが無線により通信する通信システムに関し、特に、或る端末局装置から基地局装置へ送信された情報を基地局装置から他の端末局装置へ折り返して送信する通信システムに関する。
第2の例として、本発明は、統制局装置と複数の端末局装置を有した通信システムに関し、特に、端末局装置どうしで行われる通信に関する情報を統制局装置に対して送信する通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
第1の従来例を示す。
一般的な同報無線システムでは、例えば、行政機関にセンター局を設置し、行政管轄地区の屋外や施設内に複数の端末局装置を設置して、センター局から災害関連情報などの報知情報をこれらの端末局装置へ同報無線送信し、各端末局装置で受信した報知情報をスピーカから拡声出力することが行われている。従来の一般的な同報無線システムでは、センター局から複数の端末局装置へ報知情報を単一方向に無線送信することが行われていた。
また、同報無線システムに付随して備え付けられる連絡通話機能では、緊急時に、センター局と端末局装置との間において同報無線回線を利用して音声通話を行う。連絡通話機能は、例えば、センター局の基地局無線送受信装置にプレススイッチ付ハンドセットを設置し、端末局装置にプレススイッチ付ハンドセットを設置して、同報無線通信が行われていない期間を利用して、センター局と端末局装置との間でプレストーク通信を行うことにより、実現される。
【0003】
第2の従来例を示す。
例えば、図3に示される電話システムと概略的に同様な構成を有する電話システムが使用されている。なお、ここでは、説明の便宜上から本発明の一実施例に係る図3を挙げたが、本発明を限定する意図は全く無い。
図5には、従来の電話システムにおける端末局装置の相互間での通話シーケンスの一例を示してある。
或る端末局装置の電話機が別の端末局装置の電話機へ発呼すると、発信側の端末局装置の中継交換装置は、着信側の端末局装置の中継交換装置へ呼設定信号を送信する。着信側の端末局装置の中継交換装置は、呼設定信号を受信すると、当該端末局装置の電話機を呼出する。当該端末局装置の電話機が応答すると、着信側の端末局装置の中継交換装置は、発信側の端末局装置の中継交換装置へ呼設定応答信号(呼設定受付信号)を送信する。発信側の端末局装置の中継交換装置は、呼設定応答信号を受信すると、当該端末局装置の電話機へ応答する。その後、発信側の端末局装置の電話機と着信側の端末局装置の電話機とは、これらの端末局装置の中継交換装置を経由して通話を行う。
【0004】
【特許文献1】特開2002−158628号公報
【特許文献2】特開2003−152613号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来例で示したような通信システムでは、2つ以上の通信装置の間で行われる通信の内容を他の通信装置で把握することができない場合があるといった不具合があった。
第1の従来例に関する課題の具体例を示す。
上記した第1の従来例に示したような同報無線システムでは、センター局と端末局装置との間における連絡通話の内容を他の端末局装置が聴話する場合に、センター局の基地局無線送受信装置の送信サービスエリア内に存する他の端末局装置であればセンター局から端末局装置への下り回線による連絡通話の聴話が可能であるが、端末局装置からセンター局への上り回線による連絡通話の聴話については、各端末局装置の無線部の送信サービスエリアに応じて、聴話を行うことができない他の端末局装置が存在した。
【0006】
また、デジタル無線システムでは、複信方式の連絡通話が可能であるが、旧アナログシステムと同様に、連絡通話の上り回線では各端末局装置の送信サービスエリア内にしか電波を送信することができないため、当該送信サービスエリア外に存する他の端末局装置においては、複信方式の連絡通話であるにも関わらず、センター局からの送信である下り回線による通話分しか聴話することが不可能であった。
また、センター局と端末局装置との間に中継局装置を介する同報無線システムにおいて、アプローチ波を受信する端末局装置とサービス波を受信する端末局装置の2種類が存在する場合には、アプローチ波エリア内に存する端末局装置により行われる連絡通話はサービス波エリア内に存する端末局装置へ送信されないため、アプローチ波エリア内に存する端末局装置により行われる上り回線による通話分の連絡通話の内容をサービス波エリア内に存する他の端末局装置により聴話することが不可能であった。
【0007】
また、例えば、防災無線システムでは、災害発生箇所における情報を迅速に収集し、対処方法の情報を即座に伝送することが求められている。同報無線システムにおいても、センター局から端末局装置へ向けた一方向の配信機能ばかりでなく、端末局装置などにより得られた情報を他の端末局装置で同時に或いはほぼ同時に取得するようなことが求められている。
第2の従来例に関する課題の具体例を示す。
上記した第2の従来例に示したような電話システムでは、統制局装置の電話機と端末局装置の電話機とが通話する場合には、統制局装置の中継交換装置を経由するため、統制局装置の統制台で聴話することができるが、端末局装置の電話機と他の端末局装置の電話機とが通話する場合には、統制局装置の中継交換装置を経由しないため、統制局装置の統制台で聴話することができなかった。
【0008】
本発明は、このような従来の課題を解決するために為されたもので、2つ以上の通信装置の間で行われる通信の内容を他の通信装置へ通知することができる通信システムを提供することを目的とする。
第1の例として、本発明は、或る端末局装置から基地局装置へ送信された情報を基地局装置から他の端末局装置へ折り返して送信する通信システムを提供することを目的とする。
第2の例として、本発明は、端末局装置どうしで行われる通信に関する情報を統制局装置に対して送信する通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る第1の例を示す。
上記目的を達成するため、本発明に係る通信システムでは、基地局装置と複数の端末局装置とが無線により通信する構成において、次のような処理を行う。
すなわち、前記端末局装置では、端末局無線送信手段が前記基地局装置に対して情報を無線により送信し、端末局無線受信手段が前記基地局装置から無線により送信された情報を受信する。
前記基地局装置では、基地局無線受信手段が前記端末局装置から無線により送信された情報を受信し、基地局無線送信手段が前記端末局装置に対して情報を無線により送信し、また、基地局折り返し無線送信制御手段が前記基地局無線受信手段により受信された情報を前記基地局無線送信手段により無線により送信する。
そして、前記端末局装置の前記端末局無線受信手段は、他の端末局装置から前記基地局装置に対して無線送信されて前記基地局装置により受信されて折り返して無線送信された情報を受信する。
【0010】
従って、或る端末局装置と基地局装置とが無線により通信する場合に、当該或る端末局装置から基地局装置へ無線送信された情報が基地局装置により受信された後に基地局装置から折り返して無線送信され、当該情報が他の端末局装置により受信されるため、或る端末局装置から基地局装置へ無線送信される情報を他の端末局装置により取得して再生することなどができる。このように、2つ以上の通信装置の間で行われる通信の内容を他の通信装置へ通知することができる。
ここで、基地局装置と端末局装置との間で通信される情報としては、種々な情報が用いられてもよく、例えば、電話による通話などの音声の情報を用いることや、或いは、画像やテキストやテレメータ測定結果などの情報のように非音声の情報を用いることができる。
【0011】
本発明に係る通信システムでは、一構成例として、次のような構成とした。
すなわち、前記端末局装置では、端末局バッファ手段が前記端末局無線受信手段により受信された情報を記憶し、端末局情報並べ替え手段が前記端末局バッファ手段に記憶された情報を発生順序となるように並べ替え、端末局情報出力手段が前記端末局情報並べ替え手段により並べ替えられた情報を出力する。
従って、或る端末局装置が、他の端末局装置と基地局装置との間の通信について、基地局装置から当該他の端末局装置へ無線送信される情報を基地局装置から受信するとともに、当該他の端末局装置から基地局装置へ無線送信される情報を基地局装置からの折り返し送信で受信するために、これらの情報の受信順序が本来の発生順序とは異なってしまうような場合においても、本来の正しい順序に並べ替えてから情報を出力することができ、例えば、当該情報の出力を受ける人などにより当該情報を把握し易くすることができる。
【0012】
ここで、端末局バッファ手段としては、例えば、情報を記憶するメモリを用いて構成することができる。
また、情報の発生順序としては、例えば、折り返しではなく元々に送信された順序が用いられる。
また、受信情報を発生順序となるように並べ替える処理は、例えば、情報の受信順序と発生順序との対応を予めメモリに記憶しておき、当該対応に基づいて行うことができる。なお、情報の受信順序と発生順序との対応は、例えば、基地局装置による情報の受信タイミングや基地局装置による当該情報の折り返し送信タイミングや基地局装置による(基地局装置からの)情報の送信タイミングに基づいて、決定することができる。
また、情報を出力する態様としては、種々な態様が用いられてもよく、例えば、音声情報を音声出力する態様や、テキストや画像などの非音声情報を表示出力や印刷出力する態様などを用いることができる。
【0013】
本発明に係る通信システムでは、一構成例として、次のような構成とした。
すなわち、前記端末局装置の前記端末局無線送信手段により無線送信が可能な領域は、前記基地局装置の前記基地局無線送信手段により無線送信が可能な領域の全てを包含するものではない(非包含である)。
つまり、基地局装置に収容される複数の端末局装置では、基地局装置から無線送信される信号は到達するが、他の端末局装置から無線送信される信号については到達しない場合もある。
従って、或る端末局装置において、他の端末局装置から無線送信される情報を当該他の端末局装置から直接的に受信することができない場合においても、基地局装置からの折り返し送信により当該情報を受信することができる。
ここで、基地局装置の通信可能領域や、各端末局装置の通信可能領域としては、それぞれ、種々な態様が用いられてもよい。
【0014】
本発明に係る通信システムでは、一構成例として、次のような構成とした。
すなわち、前記基地局装置と前記端末局装置とは、前記基地局装置から前記端末局装置への情報を伝送する下りスロットと、前記端末局装置から前記基地局装置への情報を伝送する上りスロットを用いて、無線により通信する。
前記基地局装置の前記基地局折り返し無線送信制御手段は、空いている下りスロットを用いて、前記基地局無線受信手段により受信された情報を前記基地局無線送信手段により無線により送信する。
従って、基地局装置と端末局装置とが下りスロットと上りスロットを用いて無線通信するに際して、或る端末局装置から基地局装置へ上りスロットにより送信された情報を基地局装置から空いている下りスロットにより折り返し送信することにより、当該情報を他の端末局装置へ通知することができる。
【0015】
本発明に係る第2の例を示す。
上記目的を達成するため、本発明に係る通信システムでは、統制局装置と複数の端末局装置を有した構成において、次のような処理を行う。
すなわち、前記端末局装置では、端末局通信手段が他の端末局装置との間で通信を行い、端末局通信情報送信手段が前記端末局通信手段により行われる通信に関する情報を前記統制局装置に対して送信する。
前記統制局装置では、統制局通信情報受信手段が前記端末局装置から送信された前記通信に関する情報を受信し、統制局情報出力手段が前記統制局通信情報受信手段により受信された情報を出力する。
【0016】
従って、或る端末局装置と他の端末局装置との間で通信が行われる場合に、当該通信に関する情報が当該或る端末局装置或いは当該他の端末局装置から統制局装置へ送信され、統制局装置では、このような通信に関する情報を取得して人などに対して出力することができる。このように、2つ以上の通信装置の間で行われる通信の内容を他の通信装置へ通知することができる。
ここで、通信に関する情報としては、種々な情報が用いられてもよく、例えば、発信側を識別する情報や、受信側を識別する情報や、通信の内容を示す情報などを用いることができる。
また、情報を出力する態様としては、種々な態様が用いられてもよく、例えば、音声情報を音声出力する態様や、テキストや画像などの非音声情報を表示出力や印刷出力する態様などを用いることができる。
また、通信(送信や受信)としては、例えば、有線による通信が用いられてもよく、無線による通信が用いられてもよい。
【0017】
本発明に係る通信システムでは、一構成例として、次のような構成とした。
すなわち、前記統制局装置と前記複数の端末局装置は、有線の回線を介して接続されている。
前記端末局装置の前記端末局通信手段は、他の端末局装置との間で通話の通信を行う。
従って、或る端末局装置と他の端末局装置との間で有線の回線を介して通話が行われる場合に、当該通話の内容などの情報を統制局装置において聴話などすることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明の第1の例に係る通信システムによると、端末局装置では、基地局装置に対して情報を無線により送信することや、基地局装置から無線により送信された情報を受信することを行い、基地局装置では、端末局装置に対して情報を無線により送信することや、端末局装置から無線により送信された情報を受信して当該受信した情報を無線により送信することを行い、端末局装置では、他の端末局装置から基地局装置に対して無線送信されて基地局装置により受信されて折り返して無線送信された情報を受信するようにしたため、或る端末局装置から基地局装置へ無線送信される情報を他の端末局装置により取得して再生することなどができる。
また、本発明の第2の例に係る通信システムによると、端末局装置では、他の端末局装置との間で通信を行い、当該通信に関する情報を統制局装置に対して送信し、統制局装置では、端末局装置から送信された通信に関する情報を受信し、受信した情報を出力するようにしたため、或る端末局装置と他の端末局装置との間で通信が行われる場合に、統制局装置では、このような通信に関する情報を取得して再生することなどができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
本実施例では、市区町村などの防災に関する通信システムに本発明を適用した場合を示す。
本実施例に係る通信システムでは、例えば、災害が発生した時などに、行政機関から住民に対して災害関連の情報を一斉通報により報知することが行われる。具体的には、センター局(統制局)に設置された統制局装置や基地局装置により、各地域における屋外や一般家庭や集会所や学校などに設置された端末局装置に対して、災害に関する情報や、緊急指令の情報や、避難勧告の情報などを、通話による音声情報或いは非音声情報として送信して、住民へ情報を伝達する。また、端末局装置では、電話機の送受話器が備えられており、被災現場などから統制局装置や基地局装置に対して、被災状況や救援通報に関する緊急連絡などの連絡通話を行う。
【0020】
ここで、非音声情報としては、種々な情報が用いられてもよく、例えば、テレメータにより取得される画像などの情報や、監視カメラにより取得される画像の情報や、テキストの情報や、ファックスの情報などを用いることができる。
また、本発明は、例えば、端末局装置が固定的に設置されるような固定系の通信システムに適用されてもよく、或いは、端末局装置が携帯電話装置のように移動可能な通信システムに適用されてもよい。また、本発明は、例えば、事業所などの構内に設けられる構内通信システムに適用されてもよい。
また、一般に、統制局装置や基地局装置から端末局装置への通信の方向を下りとし、端末局装置から統制局装置や基地局装置への通信の方向を上りとする。
【実施例1】
【0021】
本発明の第1実施例を説明する。
図1には、本発明の一実施例に係るデジタル同報無線システムの構成例を示してある。
本例のデジタル同報無線システムでは、センター局1と、複数の端末局装置2、3を設けてある。
センター局1には、制御部14や無線部15やアンテナ16を有して無線通信を行う基地局無線送受信装置11と、人により操作されて各種の指令などを受け付ける操作卓12と、人により操作されて通話を行う電話装置13が備えられている。
各端末局装置2、3には、制御部24、34や無線部25、35やアンテナ26、36を有して無線通信を行う端末局本体21、31と、人により操作されて通話を行う電話装置22、32と、人に対して音声を出力するトランペットスピーカ23、33が備えられている。
ここで、本例では、センター局1に対して複数の端末局装置2、3が直接的に無線回線で接続されるシステム構成を示すが、例えば、中継局装置を設けて、センター局1と複数の端末局装置2、3とが中継局装置を介して接続されるようなシステム構成が用いられてもよい。
また、本例では、2つの端末局装置2、3を示すが、複数の端末局装置の数としては種々な数が用いられてもよい。
【0022】
また、図1には、センター局1の基地局装置(基地局無線送受信装置11)により提供される送信サービスエリアA1の一例と、端末局装置2により提供される送信サービスエリアA2の一例と、端末局装置3により提供される送信サービスエリアA3の一例を示してある。
本例では、センター局1の基地局装置により無線送信される電波は、全ての端末局装置2、3により受信可能である。
また、本例では、端末局装置2により無線送信される電波は、センター局1の基地局装置により受信可能であるが、端末局装置3では受信不可能である。つまり、本例では、端末局装置3は、端末局装置2の送信サービスエリアA2内に存在せず、端末局装置2からの電波を受信することができない。
また、本例では、端末局装置3により無線送信される電波は、センター局1の基地局装置により受信可能であるが、端末局装置2では受信不可能である。つまり、本例では、端末局装置2は、端末局装置3の送信サービスエリアA3内に存在せず、端末局装置3からの電波を受信することができない。
【0023】
ここで、本例では、センター局1の基地局装置の送信サービスエリアA1は無指向であり、センター局1の基地局装置から送信される電波は、端末局装置2、3により受信可能である。しかし、端末局装置2と端末局装置3との関係のように、或る端末局装置2、3の送信サービスエリアA2、A3が他の端末局装置3、2を含まないような場合には、当該或る端末局装置2からセンター局1の基地局装置へ向けた送信内容を当該他の端末局装置3、2により傍受することができない。このため、例えば、センター局1の基地局装置と端末局装置2との間で行われる連絡通話を端末局装置3により聴話しようとした場合には、センター局1の基地局装置から端末局装置2への下り方向の連絡通話しか聴話することができない。
【0024】
そこで、本例では、端末局装置2、3からセンター局1の基地局装置へ向けた送信内容を傍受可能な局が当該送信内容を折り返して再送信することにより、当該送信内容を他の端末局装置3、2へ送信する。
本例では、センター局1の基地局装置が、このような再送信を行っており、具体的には、端末局装置2、3から無線送信された上り回線による音声などの情報を受信した後に、無線回線の空きスロットを利用して下り回線へ乗り替えて再送信することにより、他の端末局装置3、2により複信方式の通話を正常に傍受することを可能とする。
【0025】
図2(A)、(B)を参照して、このような再送信の処理の一例を示す。
ここでは、センター局1の基地局装置と端末局装置2とが例えば人が電話装置13、22を操作することにより連絡通話を行っているときに他の端末局装置3が当該連絡通話を聴話する場合を示す。
図2(A)、(B)には、本例のデジタル同報無線システムにおいてセンター局1の基地局装置と端末局装置2との間で行われる連絡通話の無線通信で使用される無線回線スロットの使用状況の一例を示してある。図2(A)は1フレーム分の無線回線スロットの使用状況を示しており、図2(B)は次の時刻における1フレーム分の無線回線スロットの使用状況を示している。
【0026】
具体的には、図2(A)に示されるように、1フレームでは、センター局1側から端末局装置2への下り回線のスロットとして、制御スロットとして使用されるスロット0(下り制御チャネル)と、複信による連絡通話時に用いられる通話スロットとして使用されるスロット1(下り連絡通話チャネル)と、未使用なスロット(未使用スロット)であるスロット2(未使用チャネル)が無線通信され、続いて、端末局装置2からセンター局1側への上り回線のスロットとして、制御スロットとして使用されるスロット3(上り制御チャネル)と、複信による連絡通話時に用いられる通話スロットとして使用されるスロット4(上り連絡通話チャネル)と、未使用なスロット(未使用スロット)であるスロット5(未使用チャネル)が無線通信される。ここで、他の端末局装置3では、センター局1側から端末局装置2へ送られるスロット1に含まれる下りの連絡通話の情報を取得して聴話することはできるが、端末局装置2からセンター局1側へ送られるスロット4に含まれる上りの連絡通話の情報を取得することが不可能であり聴話することができない。
【0027】
そこで、センター局1側では、上記したフレームのスロット4により受信した上りの連絡通話の情報を次のフレームの未使用スロットであるスロット2に含めて無線送信することにより、当該上りの連絡通話の情報を他の端末局装置3により取得可能とする。
具体的には、図2(B)に示されるように、次の1フレームでは、センター局1側から端末局装置2への下り回線のスロットとして、制御スロットとして使用されるスロット0(下り制御チャネル)と、複信による連絡通話時に用いられる通話スロットとして使用されるスロット1(下り連絡通話チャネル)と、前回のフレームで受信した上りの連絡通話の情報を折り返して送信する送信スロットとして使用されるスロット2(上り連絡通話折返チャネル)が無線通信され、続いて、端末局装置2からセンター局1側への上り回線のスロットとして、制御スロットとして使用されるスロット3(上り制御チャネル)と、複信による連絡通話時に用いられる通話スロットとして使用されるスロット4(上り連絡通話チャネル)と、未使用なスロット(未使用スロット)であるスロット5(未使用チャネル)が無線通信される。
【0028】
このように、本例のセンター局1側では、例えば基地局装置の機能により、或るフレームで端末局装置2から受信した上りの連絡通話の情報を次の時刻におけるフレームの空きスロット(未使用スロット)を利用して再送信する。
このため、他の端末局装置3では、各フレームにおいてセンター局1側から端末局装置2へ送られるスロット1に含まれる下りの連絡通話の情報を取得して聴話することができるとともに、前回のフレームにおいては受信できなかった端末局装置2からセンター局1側へ送られるスロット4に含まれる上りの連絡通話の情報を次のフレームのスロット2により受信して聴話することができる。
【0029】
ここで、他の端末局装置3では、センター局1側から無線送信される下りの連絡通話の情報と、センター局1側から折り返して無線送信される端末局装置2からの上りの連絡通話の情報を、受信してトランペットスピーカ33などにより再生することにより、例えば当該他の端末局装置3を操作などする人によりこれらの情報を聴話することができる。
この場合、図2(A)、(B)に示されるような例では、1フレーム前に端末局装置2から送信された上りの連絡通話の情報が、1フレーム分遅れて他の端末局装置2に到達する。このため、他の端末局装置3では、センター局1側から端末局装置2へ送信される音声の再生に対して、端末局装置2からセンター局1側へ送信される音声の再生について1フレーム分の遅延が発生する。なお、センター局1と複数の端末局装置2、3とが中継局装置を介して接続されるようなシステム構成、或いは、センター局1の折り返し送信処理に処理時間が必要となる場合などには、1フレーム分以上の遅延が発生することも考えられる。
【0030】
そこで、本例の端末局装置2、3は、例えば端末局本体21の制御部24に、センター局1側から受信される情報を一時的に記憶するバッファを備えており、そして、センター局1側から受信した下りの連絡通話の情報と、センター局1側からの折り返しで受信した上りの連絡通話の情報について、両方の再生音声の再生タイミングの差異を調整する。
一例として、図2(A)、(B)に示される場合には、正しくは「(n−1)フレーム目のスロット4で発生した上りの連絡通話の情報Q0、nフレーム目のスロット1で発生した下りの連絡通話の情報P1、nフレーム目のスロット4で発生した上りの連絡通話の情報Q1、(n+1)フレーム目のスロット1で発生した下りの連絡通話の情報P2」という順序で情報が発生するが、他の端末局装置3では「nフレーム目のスロット1で受信した下りの連絡通話の情報P1、nフレーム目のスロット2で受信した(n−1)フレーム目のスロット4で発生した上りの連絡通話の情報Q0、(n+1)フレーム目のスロット1で受信した下りの連絡通話の情報P2、(n+1)フレーム目のスロット2で受信したnフレーム目のスロット4で発生した上りの連絡通話の情報Q1」という順序で情報を受信してバッファに記憶する。そして、他の端末局装置3では、バッファに記憶された各情報の順序を並べ替えることにより、各情報の順序を本来の発生順序へ補正して再生する。これにより、本来の発生順序で受信情報を再生して聴話することができる。
【0031】
以上のように、本例のデジタル同報無線システムでは、センター局1と複数の端末局装置2、3とを無線接続して、センター局1から同報送信した報知情報を端末局装置2、3が受信して出力する構成において、センター局1と端末局装置2、3との間における連絡通話の内容を他の端末局装置3、2により聴話するに際して、端末局装置2、3が発呼した連絡通話の内容を一旦センター局1まで送信してからセンター局1より折り返して送信し、これを他の端末局装置3、2により受信して再生して聴話する。
また、本例のデジタル同報無線システムでは、例えば、端末局装置2、3が取得したテレメータ(遠隔測定器)情報やカメラなどにより取得した画像情報などを一旦センター局1まで送信してからセンター局1より折り返して送信し、これを他の端末局装置3、2で受信することもできる。
【0032】
また、本例のデジタル同報無線システムでは、統制局であるセンター局1と複数の端末局装置2、3とが無線接続される防災無線システムなどに適用することもできる。一例として、センター局1と任意の端末局装置2、3とが無線接続された場合に、センター局1から全ての端末局装置2、3への通話下りスロットと、端末局装置2、3からセンター局1への通話上りスロットにより通信確立が為され、且つ、センター局1では、当該任意の端末局装置2、3からの通話上りスロット以外の他のスロットを当該通話上りスロットによる情報を折り返し送信するために割り当てて、当該通話上りスロットによる音声信号などを通話下りスロットに重畳して送信する。なお、センター局1と複数の端末局装置2、3との間に、1つ又は複数の中継局装置が設けられる構成が用いられてもよい。
【0033】
このように、本例のデジタル同報無線システムでは、センター局1と端末局装置2、3との間における連絡通話時などに、センター局1が連絡通話などの相手となる端末局装置2、3からの上り回線の音声情報などを、無線回線の空きスロットを使用して折り返して下り回線で送信する。他の各端末局装置3、2では、センター局1により発呼された下り回線の情報と、端末局装置2、3により発呼された上り回線の情報を折り返した下り回線の情報を受信して再生することで聴話が可能となる。
一例として、センター局1と端末局装置2、3との間における連絡通話などを行う場合に、連絡通話などの最中に存在する無線回線の空きスロットに下り方向のチャネルを新規に設置して、センター局1で受信した端末局装置2、3からの上り回線の連絡通話などの内容を当該新規に設置した空きスロットに乗せ替えて折り返し送信し、各端末局装置3、2に向けて下り回線により伝送する。
【0034】
各端末局装置3、2では、センター局1から送信される下り回線の情報は必ず受信可能となるため、いずれの端末局装置3、2からでも上り回線による連絡通話の聴話などが可能となる。端末局装置2、3で他局間における連絡通話を聴話などする場合には、例えば、センター局1から送信される下りスロットと、一旦端末局装置3、2からセンター局1へ送信されて折り返して送信された下りスロットとの合計2スロット分の情報を同時に(例えば、元の順序で)再生して滑らかな聴話などを可能とする。
本例では、例えばTDMA(Time Division Multiple Access)方式を使用して、センター局1から同報無線送信した報知情報を所定の場所に設置した複数の端末局装置2、3で出力するような同報無線システムにおいて、同報無線回線を利用して、センター局1と端末局装置2、3との間における連絡通話などを行うに際して、上り回線による情報をチャネルスロットを入れ替えて下り回線により折り返して送信する。
【0035】
従って、本例のデジタル同報無線システムでは、センター局1と端末局装置2、3との間における連絡通話などの情報を、全ての端末局装置2、3で聴話などすることができる。これにより、同報無線システムの全ての端末局装置2、3において、センター局1と他の端末局装置3、2との間における連絡通話などを受信して再生することができる。
また、本例のデジタル同報無線システムでは、音声の聴話ばかりでなく、端末局装置2、3が取得するテレメータ情報や画像情報などについても、センター局1により折り返して送信することにより、これらの情報を取得した端末局装置2、3の送信サービスエリアA2、A3外に存する他の端末局装置3、2においても、これらの情報を素早く(例えば、ほぼ同時に)取得することが可能となる。
【0036】
このように、本例のデジタル同報無線システムでは、或る端末局装置2、3とセンター局1との間で例えば防災などに関する緊急な情報を通信するような場合においても、このような情報の上り成分及び下り成分の両方を他の端末局装置3、2によりほぼリアルタイムに受信して当該他の端末局装置3、2の操作者などに対して再生することができ、災害時などの緊急時に非常に役立つ。
ここで、本例では、複信方式によりセンター局1と端末局装置2、3との間で連絡通話などを行う場合を示したが、例えば、単信方式により連絡通話などを行うシステムに適用することも可能であり、本例のように、センター局1により折り返し送信することで、全ての端末局装置2、3で聴話などが可能となる。
【0037】
なお、本例の通信システムであるデジタル同報無線システムでは、センター局(統制局)に設けられた基地局装置(基地局無線送受信装置11)と複数の端末局装置2、3との間で無線により通信が行われる。
また、本例の端末局装置2、3では、アンテナ26、36や無線部25、35や制御部24、34を有した端末局本体21、31により基地局装置との間で情報を無線により送信や受信する機能により端末局無線送信手段や端末局無線受信手段が構成されている。
また、本例の基地局装置では、アンテナ16や無線部15や制御部14を有した基地局無線送受信装置11により端末局装置2、3との間で情報を無線により送信や受信や折り返し送信する機能により基地局無線送信手段や基地局無線受信手段や基地局折り返し無線送信制御手段が構成されている。
また、本例の端末局装置2、3では、制御部24、34において受信した情報を記憶するバッファの機能により端末局バッファ手段が構成されており、制御部24、34が受信情報を並べ替える機能により端末局情報並べ替え手段が構成されており、並べ替えられた情報をトランペットスピーカ23、33などにより出力する機能により端末局情報出力手段が構成されている。
【実施例2】
【0038】
本発明の第2実施例を説明する。
図3には、本発明の一実施例に係る電話システムの構成例を示してある。
本例の電話システムでは、統制局装置41と、複数の端末局装置42、43と、有線回線44を設けてある。
統制局装置41は、人により操作されて各種の指令などを受け付ける統制台51と、人により操作されて通話を行う複数の電話機52、53と、これら51、52、53と有線回線44とに接続される中継交換装置54を備えている。
各端末局装置42、43は、人により操作されて通話を行う複数の電話機61、62、71、72と、これら61、62、71、72と有線回線44とに接続される中継交換装置63、73を備えている。
ここで、本例では、2つの端末局装置42、43を示すが、複数の端末局装置の数としては種々な数が用いられてもよい。
【0039】
本例では、統制局装置41の電話機52、53と端末局装置42、43の電話機61、62、71、72とが通話する場合には、通話相手となる各々の電話機は、統制局装置41の中継交換装置54と有線回線44と端末局装置42、43の中継交換装置63、73を経由して接続される。
また、端末局装置42の電話機61、62と他の端末局装置43の電話機71、72とが通話する場合には、通話相手となる各々の電話機は、端末局装置42の中継交換装置63と有線回線44と他の端末局装置43の中継交換装置73を経由して接続される。
【0040】
図4には、本例の電話システムにおける端末局装置42、43の相互間での通話シーケンスの一例を示してある。
本例では、端末局装置42の電話機61から他の端末局装置43の電話機71へ発呼して通話を行う場合を示す。
端末局装置42の電話機61が別の端末局装置43の電話機71へ発呼すると、発信側の端末局装置42の中継交換装置63は、着信側の端末局装置43の中継交換装置73へ呼設定信号を送信するとともに、統制局装置41の中継交換装置54へ呼設定情報信号を送信する。
着信側の端末局装置43の中継交換装置73は、呼設定信号を受信すると、当該端末局装置43の電話機71を呼出する。
着信側の端末局装置43の電話機71が応答すると、当該端末局装置43の中継交換装置73は、発信側の端末局装置42の中継交換装置63へ呼設定応答信号(呼設定受付信号)を送信するとともに、統制局装置41の中継交換装置54へ呼設定応答情報信号(呼設定受付情報信号)を送信する。
発信側の端末局装置42の中継交換装置63は、呼設定応答信号を受信すると、当該端末局装置42の電話機61へ応答する。
その後、発信側の端末局装置42の電話機61と着信側の端末局装置43の電話機71は、これらの端末局装置42、43の中継交換装置63、73を経由して通話を行う。また、例えば通話中において、各々の端末局装置42、43の中継交換装置63、73は、統制局装置41の中継交換装置54へ通話情報信号を送信する。
【0041】
ここで、発信側の端末局装置42の中継交換装置63から有線回線44を介して統制局装置41の中継交換装置54へ送信される呼設定情報信号は、発信側が行った呼設定に関する情報を含む信号であり、例えば、呼設定を行った旨を示す情報を含む信号が用いられる。
また、着信側の端末局装置43の中継交換装置73から有線回線44を介して統制局装置41の中継交換装置54へ送信される呼設定応答情報信号(呼設定受付情報信号)は、着信側が行った呼設定応答(呼設定受付)に関する情報を含む信号であり、例えば、呼設定応答(呼設定受付)を行った旨を示す情報を含む信号が用いられる。
また、発信側の端末局装置42の中継交換装置63や着信側の端末局装置43の中継交換装置73から有線回線44を介して統制局装置41の中継交換装置54へ送信される通話情報信号は、発信側や着信側が行った通話に関する情報を含む信号であり、例えば、通話の内容を示す情報を含む信号が用いられる。
【0042】
統制局装置41では、発信側や着信側から受信される各種の情報(本例では、呼設定情報、呼設定応答情報(呼設定受付情報)、通話情報)をそのまま或いは加工して、例えば、統制台51により音声出力や表示出力など出力することや、メモリに記憶することができる。
これにより、統制局装置41では、端末局装置42、43の間で行われる通話に関する情報を管理者などに対して出力することができ、管理者などはこのような情報を聴話などすることができる。
【0043】
以上のように、本例の電話システムでは、統制局装置41と複数の端末局装置42、43とを有線回線44で接続し、統制局装置41及び複数の端末局装置42、43の相互で通話を行う構成において、端末局装置42、43の相互間で通話が行われる場合に通話情報などを統制局装置41へ送信することにより、統制局装置41において通話情報の聴話などが可能である。本例では、或る端末局装置42の電話機61、62と他の端末局装置43の電話機71、72とが通話する場合に、各々の端末局装置42、43の中継交換装置63、73から統制局装置41の中継交換装置54へ通話情報などを送出することにより、統制局装置41の統制台51での聴話などが可能である。
【0044】
従って、本例の電話システムでは、或る端末局装置42の電話機61、62と他の端末局装置43の電話機71、72とが通話する場合においても、統制局装置41の統制台51で通話内容を聴話などすることができる。
このように、本例の電話システムでは、端末局装置42、43どうしで例えば防災などに関する緊急な情報を通信するような場合においても、このような情報を統制局装置41によりほぼリアルタイムに受信して当該統制局装置41の操作者などに対して再生することができ、災害時などの緊急時に非常に役立つ。本例では、災害時の情報交信状況などを統制局装置41においても素早く把握することができる。
【0045】
なお、本例の通信システムである電話システムでは、統制局装置41と複数の端末局装置42、43を有している。
また、本例の端末局装置42、43では、電話機61、62、71、72や中継交換装置63、73により他の端末局装置43、42との間で通信を行う機能により端末局通信手段が構成されており、中継交換装置63、73が通信に関する情報を統制局装置41の中継交換装置54に対して送信する機能により端末局通信情報送信手段が構成されている。
また、本例の統制局装置41では、中継交換装置54が端末局装置42、43の中継交換装置63、73から通信に関する情報を受信する機能により統制局通信情報受信手段が構成されており、統制台51が受信情報を出力する機能により統制局情報出力手段が構成されている。
【0046】
ここで、本発明に係る通信システムや基地局装置や端末局装置や統制局装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。また、本発明は、例えば、本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして提供することも可能であり、また、種々な装置やシステムとして提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係る通信システムや基地局装置や端末局装置や統制局装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1実施例に係るデジタル同報無線システムの構成例を示す図である。
【図2】(A)及び(B)は無線回線スロットの使用状況の一例を示す図である。
【図3】本発明の第2実施例に係る電話システムの構成例を示す図である。
【図4】本発明の第2実施例に係る端末局装置の相互間における通話シーケンスの一例を示す図である。
【図5】端末局装置の相互間における通話シーケンスの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
1・・センター局、 2、3、42、43・・端末局装置、 11・・基地局無線送受信装置、 12・・操作卓、 13、22、32・・電話装置、 14、24、34・・制御部、 15、25、35・・無線部、 16、26、36・・アンテナ、 21、31・・端末局本体、 23、33・・トランペットスピーカ、 A1〜A3・・送信サービスエリア、 41・・統制局装置、 44・・有線回線、 51・・統制台、 52、53、61、62、71、72・・電話機、 54、63、73・・中継交換装置、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局装置と複数の端末局装置とが無線により通信する通信システムにおいて、
前記端末局装置は、前記基地局装置に対して情報を無線により送信する端末局無線送信手段と、
前記基地局装置から無線により送信された情報を受信する端末局無線受信手段と、を備え、
前記基地局装置は、前記端末局装置から無線により送信された情報を受信する基地局無線受信手段と、
前記端末局装置に対して情報を無線により送信する基地局無線送信手段と、
前記基地局無線受信手段により受信された情報を前記基地局無線送信手段により無線により送信する基地局折り返し無線送信制御手段と、を備え、
前記端末局装置の前記端末局無線受信手段は、他の端末局装置から前記基地局装置に対して無線送信されて前記基地局装置により受信されて折り返して無線送信された情報を受信する、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信システムにおいて、
前記端末局装置は、前記端末局無線受信手段により受信された情報を記憶する端末局バッファ手段と、
前記端末局バッファ手段に記憶された情報を発生順序となるように並べ替える端末局情報並べ替え手段と、
前記端末局情報並べ替え手段により並べ替えられた情報を出力する端末局情報出力手段と、を備えた、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の通信システムにおいて、
前記端末局装置の前記端末局無線送信手段により無線送信が可能な領域は、前記基地局装置の前記基地局無線送信手段により無線送信が可能な領域の全てを包含するものではない、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の通信システムにおいて、
前記基地局装置と前記端末局装置とは、前記基地局装置から前記端末局装置への情報を伝送する下りスロットと、前記端末局装置から前記基地局装置への情報を伝送する上りスロットを用いて、無線により通信し、
前記基地局装置の前記基地局折り返し無線送信制御手段は、空いている下りスロットを用いて、前記基地局無線受信手段により受信された情報を前記基地局無線送信手段により無線により送信する、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項5】
統制局装置と複数の端末局装置を有した通信システムにおいて、
前記端末局装置は、他の端末局装置との間で通信を行う端末局通信手段と、
前記端末局通信手段により行われる通信に関する情報を前記統制局装置に対して送信する端末局通信情報送信手段と、を備え、
前記統制局装置は、前記端末局装置から送信された前記通信に関する情報を受信する統制局通信情報受信手段と、
前記統制局通信情報受信手段により受信された情報を出力する統制局情報出力手段と、を備えた、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項6】
請求項5に記載の通信システムにおいて、
前記統制局装置と前記複数の端末局装置は、有線の回線を介して接続されており、
前記端末局装置の前記端末局通信手段は、他の端末局装置との間で通話の通信を行う、
ことを特徴とする通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−25297(P2006−25297A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−202924(P2004−202924)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】