説明

通信制御装置,通信制御方法,無線基地局及び移動式ユーザ端末

【課題】所定の無線通信方式により通信可能なエリアを効率的に検出する。
【解決手段】少なくとも1つの無線通信方式に対応した通信機能を有する移動式ユーザ端末から送信される、移動式ユーザ端末の位置情報を受信するIF部21と、前記位置情報が示す位置が所定の地域を示す複数のエリアのうちいずれのエリアに含まれるか判定して、前記の少なくとも1つの無線通信方式により通信可能な通信可能エリアを検出する制御部22とをそなえる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信制御装置,通信制御方法,無線基地局及び移動式ユーザ端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の移動通信分野では、音声通話だけでなく、インターネットへのアクセス、ストリーミング放送の配信、音楽や映像のようなコンテンツの配信など、様々なサービスが展開されている。また、上記のサービスをどこでも高品質に提供するため、通信速度の高速化や無線エリアの拡張化などが求められている。
そこで、3rd Generation(3G)の発展型であるLong Term Evolution(LTE)が仕様化され、商用的に利用され始めている。
【0003】
LTEを用いた無線通信方式は3Gを用いた無線通信方式との親和性が高いため、既に広範囲で展開されている3Gの無線エリア(以下、単に3Gエリアという)に重畳される形で、LTEの無線エリア(以下、単にLTEエリアという)の導入が進められる。
このため、LTEサービス導入の黎明期では、LTEサービスの利用者が多いと推定される駅周辺や、商業施設周辺などを中心としてLTEエリアが局所的に展開されていき、徐々に、LTEを利用可能なエリアが広く面的に構築されていくことが予想される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、LTEエリアが局所的に存在するようなLTEサービスの黎明期では、LTEサービスの加入者(ユーザ)は、LTEサービスと3Gサービスとの双方を利用可能な移動式ユーザ端末(以下、3G/LTEデュアル端末ともいう)を使用する場合がある。
LTEサービスのユーザは、3G/LTEデュアル端末を使用することにより、LTEエリアではLTEサービスを受けることができ、また、LTEエリア化されていない3Gエリアでは3Gサービスを受けることができる。
【0005】
ところで、LTEに対応した通信機能を有するeNB(evolved Node-B)などの基地局は、例えば、通信事業者などが有する置局関連業務システムによって、配置(置局)位置が決定される。このため、置局関連業務システムでは、効率的な置局を実現すべく、LTEエリアとLTEエリア化されていない3Gエリアとを予め把握しておくことが望ましい。
【0006】
また、ユーザは、3Gサービスよりも高速なLTEサービスの利用を望むと考えられるため、ユーザには、LTEエリアとLTEエリア化されていない3Gエリアとが通知されるのが望ましい。
ここで、上記の各エリアを検出する方法としては、例えば、eNBからの無線電波を測定可能なLTE電波測定車(LTE電測車)によって、eNBからの無線電波を測定し、当該測定結果に基づいてLTEエリアを検出する方法がある。LTE電測車を用いた検出方法では、例えば、LTE電測車は、eNBからの無線電波を測定し、当該測定結果を測定時のLTE電測車の位置と対応付けて管理することで上記の各エリアを検出することができる。 この場合、置局関連業務システムは、例えば、LTE電測車による検出結果及び既知の地域メッシュ情報に含まれる人口情報などに基づいて、LTEエリア化されていない3Gエリアのうち人口密度の多いエリアに優先的にeNBを置局することができる。
【0007】
また、この場合、ユーザは、例えば、LTE電測車による検出結果に基づいて作成され公開される、LTEエリア及び3Gエリアをそれぞれ示すエリアマップにアクセスし、閲覧することにより、上記の各エリアを知ることができる。
しかしながら、LTE電測車を用いたエリア検出方法では、例えば、私有地などでの電波測定ができなかったり、広く面的な測定に多くの時間を要するので検出結果に即時性がなかったり、測定にかかるコストが大きくなるなどの可能性がある。
【0008】
そこで、本発明は、所定の無線通信方式により通信可能なエリアを効率的に検出することを目的の1つとする。
なお、前記目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的の一つとして位置付けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)第1の案として、少なくとも1つの無線通信方式に対応した通信機能を有する移動式ユーザ端末から送信される、前記移動式ユーザ端末の位置情報を受信する受信部と、前記位置情報が示す位置が所定の地域を示す複数のエリアのうちいずれのエリアに含まれるか判定して、前記の少なくとも1つの無線通信方式により通信可能な通信可能エリアを検出する検出部とをそなえる、通信制御装置を用いることができる。
【0010】
(2)また、第2の案として、少なくとも1つの無線通信方式に対応した通信機能を有する移動式ユーザ端末から送信される、前記移動式ユーザ端末の位置情報を受信し、前記位置情報が示す位置が所定の地域を示す複数のエリアのうちいずれのエリアに含まれるか判定して、前記の少なくとも1つの無線通信方式により通信可能な通信可能エリアを検出する、通信制御方法を用いることができる。
【0011】
(3)さらに、第3の案として、少なくとも1つの無線通信方式に対応した通信機能を有する移動式ユーザ端末と通信し得る無線基地局において、前記移動式ユーザ端末から送信される前記移動式ユーザ端末の位置情報が示す位置が所定の地域を示す複数のエリアのうちいずれのエリアに含まれるか判定されることによって検出される、前記の少なくとも1つの無線通信方式により通信可能な通信可能エリアに関する情報を受信する受信部と、受信した前記通信可能エリアに関する情報を前記移動式ユーザ端末に送信する送信部とをそなえる、無線基地局を用いることができる。
【0012】
(4)また、第4の案として、少なくとも1つの無線通信方式に対応した通信機能を有する移動式ユーザ端末において、前記移動式ユーザ端末の位置情報を送信する送信部と、前記位置情報が示す位置が所定の地域を示す複数のエリアのうちいずれのエリアに含まれるか判定されることによって検出される、前記の少なくとも1つの無線通信方式により通信可能な通信可能エリアに関する情報を受信する受信部とをそなえる、移動端末を用いることができる。
【0013】
(5)さらに、第5の案として、少なくとも1つの無線通信方式に対応した通信機能を有する移動式ユーザ端末において、前記の少なくとも1つの無線通信方式による通信可否を判定する判定部と、前記判定部での判定結果と前記移動式ユーザ端末の位置情報とを関連付けて送信する送信部とをそなえる、移動式ユーザ端末を用いることができる。
【発明の効果】
【0014】
所定の無線通信方式により通信可能なエリアを効率的に検出できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】一実施形態に係る無線通信システムの構成の一例を示す図である。
【図2】図1に示す通信制御装置の構成の一例を示す図である。
【図3】LTEで用いられるユーザ情報の一例を示す図である。
【図4】3Gで用いられるユーザ情報の一例を示す図である。
【図5】制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】地図データの一例を示す図である。
【図7】テーブルの一例を示す図である。
【図8】通知設定情報の一例を示す図である。
【図9】制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】図8に示す通知設定情報に基づく検索結果の一例を示す図である。
【図11】LTEエリア判定結果の一例を示す図である。
【図12】制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図13】障害エリア判定結果の一例を示す図である。
【図14】移動式ユーザ端末での表示例を示す図である。
【図15】経路検索情報の一例を示す図である。
【図16】制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図17】経路データとエリアIDとの関係の一例を示す図である。
【図18】通過エリアIDの抽出結果の一例を示す図である。
【図19】経路検索結果の一例を示す図である。
【図20】移動式ユーザ端末での表示例を示す図である。
【図21】LTEエリア化設定情報の一例を示す図である。
【図22】制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図23】図21に示すLTEエリア化設定情報に基づく検索結果の一例を示す図である。
【図24】LTE化推進エリア判定結果の一例を示す図である。
【図25】LTEエリア確認設定情報の一例を示す図である。
【図26】制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図27】図25に示すLTEエリア確認設定情報に基づく検索結果の一例を示す図である。
【図28】LTEエリア化確認結果の一例を示す図である。
【図29】通信制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図30】移動式ユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図31】無線基地局のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも例示に過ぎず、以下に示す各実施形態及び変形例で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、各実施形態及び変形例を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることはいうまでもない。
〔1〕一実施形態
(1.1)一実施形態に係る無線通信システムの構成例
図1は一実施形態に係る無線通信システムの構成の一例を示す図である。
【0017】
この図1に示す無線通信システム1は、例示的に、通信制御装置2と、LTE系装置群(以下、単にLTE系ともいう)3と、3G系装置群(以下、単に3G系ともいう)4と、少なくとも1つの移動式ユーザ端末(以下、移動端末ともいう)7−1,7−2とをそなえる。なお、以下では、移動端末7−1,7−2を区別しない場合、単に移動端末7と表記する。さらに、移動端末7の数は、図1に例示する数に限定されない。
【0018】
また、無線通信システム1は、LTE系3に含まれるeNB33を置局する置局関連業務システム5や、移動端末7−1,7−2に経路情報を提供する交通/移動関連サービス提供システム6などの外部のシステムと接続されてもよい。
なお、以下では、無線通信システム1において、LTEに対応した無線通信方式と3Gに対応した無線通信方式とが共存する例を用いて本実施形態を説明するが、各無線通信方式をLTEと3Gとに限定する意図はない。また、以下では、3Gに対応した無線通信方式の一例としてW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)を前提として本実施形態を説明するが、これについても、W−CDMAに限定する意図はない。
【0019】
LTE系3は、例示的に、E−SMLC(Enhanced-Serving Mobile Location Center)31と、MME(Mobility Management Entity)32と、eNB33とにより構成される。なお、E−SMLC31,MME32及びeNB33の数は、図1に例示する数にそれぞれ限定されず、例えば、E−SMLC31に接続されるMME32の数や、MME32に接続されるeNB33の数なども図1に例示する数にそれぞれ限定されない。
【0020】
ここで、LTE系3では、移動端末7のユーザ情報を要求するユーザ情報要求メッセージが、E−SMLC31からMME32,eNB33を介して、eNB33が提供するLTEエリア34をサービングセルとする移動端末7−1へ送信される。なお、LTEエリア34は、少なくとも1つのLTEセルから構成される無線エリアである。また、上記ユーザ情報要求メッセージは、定期あるいは不定期に移動端末7−1に対して送信されてもよい。さらに、図1に示す移動端末7−1は、LTEサービスと3Gサービスとの双方を利用可能な3G/LTEデュアル端末であるが、移動端末7−1は、LTEサービスを利用可能で3Gサービスを利用不可能なLTE専用端末であってもよい。
【0021】
eNB33からユーザ情報要求メッセージを受信した移動端末7−1は、例えば、GPS(Global Positioning System)などを用いて自局7−1の位置を測定する。また、eNB33からユーザ情報要求メッセージを受信した移動端末7−1は、eNB33からの電波干渉度,電波受信強度などの無線品質を測定してもよい。
そして、移動端末7−1は、自局位置の測定結果である位置情報をeNB33へ送信する。なお、当該位置情報は、例えば、位置情報とeNB33の無線品質測定結果である無線品質情報とを含むLTEユーザ情報(例えば、図3参照)を用いて送信されることができる。なお、移動端末7−1は、自局周辺のBTS44の無線品質を測定し、前記LTEユーザ情報に当該測定結果を含めてeNB33へ送信してもよい。
【0022】
移動端末7−1からのLTEユーザ情報は、eNB33,MME32を介して、E−SMLC31へ送信される。これにより、eNB33,MME32及びE−SMLC31の少なくとも1つは、LTEユーザ情報に含まれる各種情報を知ることができる。
一方、3G系4は、例示的に、SMLC(Serving Mobile Location Center)41と、MSC(Mobile Switching Center)42と、RNC(Radio Network Controller)43と、BTS(Base Transceiver Station)44とにより構成される。なお、SMLC41,MSC42,RNC43及びBTS44の数は、図1に例示する数にそれぞれ限定されない。例えば、SMLC41に接続されるMSC42の数や、MSC42に接続されるRNC43の数や、RNC43に接続されるBTS44の数なども図1に例示する数にそれぞれ限定されない。
【0023】
ここで、3G系4では、移動端末7のユーザ情報を要求するユーザ情報要求メッセージが、SMLC41からMSC42,RNC43,BTS44を介して、BTS44が提供する3Gエリア45をサービングセルとする移動端末7−2へ送信される。なお、3Gエリア45は、少なくとも1つの3Gセルから構成される無線エリアである。また、この場合も、上記ユーザ情報要求メッセージは、定期あるいは不定期に移動端末7−2に対して送信されてもよい。さらに、図1に示す移動端末7−2は、LTEサービスと3Gサービスとの双方を利用可能な3G/LTEデュアル端末である。なお、BTS44は、3Gエリア45内に位置する、3Gサービスを利用可能でLTEサービスを利用不可能な3G専用端末に対しても上記と同様のユーザ情報要求メッセージを送信することができる。
【0024】
BTS44からユーザ情報要求メッセージを受信した移動端末7−2は、例えば、GPSなどを用いて自局7−2の位置を測定する。また、BTS44からユーザ情報要求メッセージを受信した移動端末7−2は、BTS44からの電波干渉度,電波受信強度などの無線品質を測定してもよい。
そして、移動端末7−2は、自局位置の測定結果である位置情報をBTS44へ送信する。なお、当該位置情報は、例えば、位置情報とBTS44の無線品質測定結果である無線品質情報とを含む3Gユーザ情報(例えば、図4参照)を用いて送信されることができる。なお、BTS44からユーザ情報要求メッセージを受信した3G専用端末も、同様に、自局の位置情報とBTS44の無線品質情報とを含む3Gユーザ情報をBTS44へ送信することができる。
【0025】
移動端末7−2からの3Gユーザ情報は、BTS44,RNC43,MSC42を介して、SMLC41へ送信される。また、3G専用端末からの3Gユーザ情報も、BTS44,RNC43,MSC42を介して、SMLC41へ送信されてもよい。これにより、BTS44,RNC43,MSC42,SMLC41の少なくとも1つは、3Gユーザ情報に含まれる各種情報を知ることができる。
【0026】
また、E−SMLC31,MME32及びeNB33の少なくとも1つは、通信制御装置2と接続され、通信制御装置2にLTEユーザ情報を通知する。また、SMLC41,MSC42,RNC43及びBTS44の少なくとも1つは、通信制御装置2と接続され、通信制御装置2に3Gユーザ情報を通知することができる。
通信制御装置2は、例えば、LTEユーザ情報に含まれる、移動端末7−1の位置情報が示す位置が、所定の地域を示す複数のエリアのうちいずれのエリアに含まれるか判定して、例えば、LTEエリアなどの少なくとも1つの無線通信方式により通信可能な通信可能エリアを検出する。また、通信制御装置2は、3Gユーザ情報に含まれる、移動端末7−2の位置情報が示す位置が、所定の地域を示す複数のエリアのうちいずれのエリアに含まれるか判定して、例えば、3GエリアなどのLTEエリア化されていないエリアを検出してもよい。
【0027】
以上のように、本例によれば、少なくとも1つの移動端末7から送信される位置情報に基づいて、所定の無線通信方式により無線通信可能な無線エリアを検出するので、私有地などにおける無線エリアについても効率的に検出することが可能となる。また、複数の移動端末7から送信される位置情報に基づいて無線エリアを検出すれば、広く面的なエリア測定に要する時間を抑えられるので、検出結果に即時性を持たせることが可能となる。さらに、LTE電測車などの設備や、測定に要する人件費を抑えられるので、エリア測定にかかるコストを大幅に減少させることが可能となる。
【0028】
次に、通信制御装置2の構成及び動作の一例について述べる。
(1.2)通信制御装置2の構成例及び動作例
図2に通信制御装置2の構成の一例を示す。
通信制御装置2は、例示的に、インタフェース(IF)部21と、制御部22と、メッシュ型データベース(メッシュ型DB)23と、端末種別情報データベース(端末種別情報DB)24と、IF部25とをそなえる。
【0029】
IF部21は、LTE系3からLTEユーザ情報を受信し、受信したLTEユーザ情報を制御部22へ通知する。LTEユーザ情報には、図3に例示するように、ユーザID,測定時間,位置情報,無線品質情報及び端末種別情報などの各種情報が含まれる。即ち、IF部21は、少なくとも1つの無線通信方式に対応した通信機能を有する移動端末7から送信される、移動端末7の位置情報を受信する受信部の一例として機能する。
【0030】
また、IF部21は、後述する制御部22での検出結果を、LTE系3,3G系4を介して、移動端末7に通知することもできる。即ち、IF部21は、制御部22での検出結果を移動端末7に通知する通知部の一例として機能する。
ここで、図3に例示するLTEユーザ情報に含まれる各種情報について述べる。
「ユーザID」は、移動端末7のユーザを特定する識別情報であり、例えば、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)などの識別情報が用いられる。
【0031】
また、「測定時間」は、移動端末7が自局位置を測定した時刻を示す情報であり、例えば、測定時刻におけるdateパラメータなどが用いられる。
さらに、「位置情報」は、上記測定時間における移動端末7の位置を示す情報であり、例えば、移動端末7の緯度,経度及び高度に関する情報が用いられる。例えば、緯度に関する情報としては、北緯(north)または南緯(south)を示すlatitudeSignパラメータと、移動端末7の位置の緯度を示すlatitudeパラメータとが用いられる。また、経度に関する情報としては、移動端末7の位置の経度を示すlongitudeパラメータが用いられる。さらに、高度に関する情報としては、標高(height)または深さ(depth)を示すaltitudeDirectionパラメータと、移動端末7の位置の高度を示すaltitudeパラメータとが用いられる。なお、前述のとおり、「位置情報」は、例えば、GPS測位などにより得ることができる。
【0032】
また、無線品質情報は、移動端末7の上記測定時間におけるeNB33の無線品質を少なくとも示す情報である。このため、無線品質情報は、各LTEセルを特定する識別情報,前記LTEセルの干渉度,前記LTEセルの受信強度などに関する情報を含む少なくとも1つのLTEセル情報を有する。例えば、移動端末7の周囲にm(mは自然数)個のLTEセルがある場合、当該LTEセル毎に上記の各情報を含んだ無線品質情報がLTEユーザ情報に格納される。
【0033】
LTEセルを特定する識別情報には、LTEセルのIDを示すphysCellIdパラメータなどが用いられる。また、当該LTEセルでの干渉度,受信強度を示す情報には、それぞれ、パイロット信号などの既知の信号の受信品質を示すrsrq-Resultパラメータ,同信号の受信電力を示すrsrp-Resultパラメータなどが用いられる。
なお、無線品質情報は、移動端末7の上記測定時間におけるBST44の無線品質を示す情報を含んでいてもよい。この場合、無線品質情報には、各3Gセルを特定する識別情報,前記3Gセルの干渉度,受信強度などに関する情報を含む少なくとも1つの3Gセル情報が含まれる。例えば、移動端末7の周囲にn(nは自然数)個の3Gセルがある場合、当該3Gセル毎に上記の各情報を含んだ無線品質情報がLTEユーザ情報に格納される。
【0034】
ここで、3Gセルを特定する識別情報には、3GセルのIDを示すCell Identityパラメータなどが用いることができる。また、当該3Gセルでの干渉度,受信強度を示す情報には、それぞれ、パイロット信号などの既知の信号の受信電力対干渉・雑音電力比を示すCPICH Ec/N0パラメータ,同信号の受信電力を示すCPICH RSCPパラメータなどを用いることができる。
【0035】
そして、端末種別情報は、移動端末7の端末種別を特定する識別情報であり、例えば、IMEI−SV(IMEI Software Version)などが用いられる。
なお、図3に例示した各値の例(単位)は、あくまで一例に過ぎず、これに限定する意図はない。また、上記LTEユーザ情報に含まれる各情報には、3GPPの位置情報規格である3GPP TS 36.355(LTE Positioning Protocol(LPP)),TS 36.331(Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA) Radio Resource Control(RRC) Protocol specification)などに記載されたものを用いたが、その他同様のパラメータを用いてもよい。
【0036】
また、IF部21は、3G系4から3Gユーザ情報を受信し、受信した3Gユーザ情報を制御部22へ通知してもよい。
3Gユーザ情報は、図4に例示するように、LTEユーザ情報に含まれるLTEセルに関する無線品質情報が含まれない点で、LTEユーザ情報と相違するが、他の項目についてはLTEユーザ情報の各項目と同様であるので、その説明を省略する。なお、図4に例示する各値の例(単位)は、図3に例示したLTEユーザ情報と同様に、あくまで一例に過ぎず、これに限定する意図はない。また、上記3Gユーザ情報に含まれる各情報には、3GPPの位置情報規格である3GPP TS 25.331 Radio Resource Control(RRC)、3GPP TS 25.413 Radio Access Network Application Part(RANAP)などに記載されたものを用いたが、その他同様のパラメータを用いてもよい。なお、以下では、LTEユーザ情報と3Gユーザ情報とを区別しない場合、単にユーザ情報と表記する。
【0037】
また、端末種別情報DB24は、ユーザ情報に含まれる端末種別情報と移動端末7の端末種別とを対応付けて保持する。なお、図2に示す端末種別情報DB24は、通信制御装置2に内蔵の記憶装置に構成されているが、例えば、通信制御装置2に外付けされる記憶装置に構成されてもよい。
IF部25は、eNB33を置局する置局関連業務システム(置局システム)5や、複数の地点間を結ぶ経路に関する経路情報を提供する交通/移動関連サービス提供システム6などの外部システムとのインタフェースとして機能する。
【0038】
具体的には例えば、IF部25は、交通/移動関連サービス提供システム6から上記経路情報(例えば、図16に例示する経路検索情報を参照)を受信したり、置局関連業務システム5からLTEエリア化を推進したい地域に関する情報(例えば、図24に例示するLTEエリア化設定情報を参照)やLTEエリア化されているかどうかを確認したい地域に関する情報(例えば、図28に例示するLTEエリア化確認設定情報を参照)を受信したりし、受信した各情報を制御部22に通知する。また、IF部25は、制御部22での検索結果を置局関連業務システム5または交通/移動関連サービス提供システム6に通知することができる。なお、IF部25による上記の外部システムとの連携機能については後述するが、通信制御装置2が外部システムとの連携を行なわない場合は、通信制御装置2はIF部25をそなえなくてもよい。
【0039】
また、メッシュ型DB(記憶部)23は、所定の地域を複数のエリアブロックに分割した地図データ(例えば、図6参照)と移動端末7に関する各情報を対応付けたテーブル(例えば、図7参照)とを保持する。なお、図2に示すメッシュ型DB23は、通信制御装置2に内蔵の記憶装置に構成されているが、例えば、通信制御装置2に外付けされる記憶装置に構成されてもよい。
【0040】
ここで、制御部22は、IF部21で受信した移動端末7−1の位置情報に基づいて、LTEエリアを検出する。また、制御部22は、IF部21で受信した移動端末7−2の位置情報に基づいて、3Gエリアを検出してもよい。
即ち、制御部22は、移動端末の位置情報が示す位置が所定の地域を示す複数のエリアのうちいずれのエリアに含まれるか判定して、前記の少なくとも1つの無線通信方式により通信可能な通信可能エリアを検出する検出部の一例として機能する。
【0041】
ここで、制御部22の動作について、図5を用いて説明する。
この図5に例示するように、まず、制御部22は、IF部21から通知されるユーザ情報を読み込む(ステップS10)。
そして、制御部22は、ユーザ情報に含まれる移動端末7の位置情報に基づいて、移動端末7がメッシュ型DB23内の上記地図データにおいてどのエリアブロック内に位置しているのかを特定する。
【0042】
図6に地図データの一例を示す。この図6に示す例では、ある地域について、緯度35度39分30.900秒〜緯度35度39分30.905秒の範囲を0.001秒刻みで「1」〜「5」のエリアブロックに分割するとともに、経度139度44分43.600秒〜経度139度44分43.605秒の範囲を0.001秒刻みで「a」〜「e」のエリアブロックに分割している。これにより、上記地域は、25個のエリアブロックに分割される。また、各エリアブロックには、「a1」〜「e5」の25個のエリアIDがそれぞれ割り当てられている。なお、図6に示す例は、説明を簡単にするために高度についての情報を省略しているが、高度についても考慮する場合、メッシュ型DB23は、例えば、所定の高度刻みで図6に示すような地図データを複数保持してもよい。また、図6に示す例では、上記の緯度,経度で規定される地域について、それぞれ0.001秒刻みでメッシュ状にエリアブロックを規定しているが、各エリアブロックの形状,サイズなどは図6に示す例に限定されない。例えば、既知の人口情報などに基づき、人口密度や人口数の大小に応じて、エリアブロックに分割する際の刻み方を変えてもよい。この場合、人口密度や人口数が大きいエリアほど、エリアブロックに分割する際の刻み方を細かくする一方、人口密度や人口数が小さいエリアほど、エリアブロックに分割する際の刻み方を大きくするのが望ましい。さらに、図6には図示を省略したが、制御部22が、上記地域における道路や路線などがどのエリアブロック内に位置するかを検出できるようにすべく、上記地図データには、一般道路や高速道路などの延在位置を示す道路データや、鉄道路線などの延在位置を示す路線データが含まれていてもよい。
【0043】
また、エリア検出精度を向上させるという観点から、上記の各エリアブロックは、セルエリアよりも狭い方が望ましい。
そして、制御部22は、ユーザ情報に含まれる移動端末7の位置情報と、上記地図データとに基づいて、移動端末7が位置するエリアブロックのエリアIDを検索する(ステップS11)。
【0044】
次に、制御部22は、メッシュ型DB23内のテーブルにおいて、ステップS11で検索したエリアIDと、ステップS10で読み込んだユーザ情報に含まれるユーザIDとが対応付けて格納されている(登録済みである)かどうかを判定する(ステップS12)。
上記エリアIDに上記ユーザIDが登録済みでないと判定した場合(ステップS12のNoルート)、制御部22は、上記エリアIDに、上記ユーザ情報に含まれるユーザID,測定時間及び無線品質情報を対応付けてテーブルに格納する(ステップS16)。
【0045】
さらに、制御部22は、上記ユーザIDのエントリについての記録回数を「1」に設定する(ステップS17)。なお、上記ユーザIDについてLTEセル情報を受信した場合はLTE記録回数が「1」に設定される一方、上記ユーザIDについて3Gセル情報を受信した場合は3G記録回数が「1」に設定される。
一方、上記エリアIDに上記ユーザIDが登録済みであると判定した場合(ステップS12のYesルート)、制御部22は、上記エリアIDに登録済みの上記ユーザIDについての測定時間及び無線品質情報を更新する(ステップS13)。
【0046】
さらに、制御部22は、上記ユーザIDのエントリについての記録回数をインクリメントすることにより更新する(ステップS14)。なお、上記ユーザIDについてLTEセル情報を受信した場合はLTE記録回数がインクリメントされる一方、上記ユーザIDについて3Gセル情報を受信した場合は3G記録回数がインクリメントされる。
そして、制御部22は、端末種別情報DB24の内容に基づいて、ユーザ情報の送信元である移動端末7が3G/LTEデュアル端末,LTE専用端末及び3G専用端末のいずれであるかを検出し、当該検出結果を上記テーブルに記録する(ステップS15)。
【0047】
即ち、制御部22は、検出した通信可能エリアに関する情報を移動端末が含まれるエリアブロックに対応付けてメッシュ型DB23に記憶させる記憶制御部の一例として機能する。なお、上記メッシュ型DB23と制御部22における上記記憶制御部としての機能とは、通信制御装置2の外部に設置される記憶装置として構成されてもよい。
上記ステップS10〜S17の処理により、通信制御装置2は、例えば、図7に示すようなテーブルを作成することができる。
【0048】
これにより、通信制御装置2は、上記のようにして作成したテーブルの内容に基づいて、LTEエリアまたは3Gエリアなどの所定の無線通信方式により通信可能な無線エリア(通信可能エリア)や、移動端末7に関する各種情報を取得することができる。
以上のように、本例によれば、通信制御装置2が、例えば、移動端末7から送信される、位置情報に基づいて、移動端末7の通信可能エリアを検出するので、私有地などにおいても所定の無線エリアを効率的に検出することが可能となる。また、複数の移動端末7から送信される位置情報に基づいて所定の無線エリアを検出することにより、広く面的なエリア測定に要する時間を抑えられるので、エリア検出結果に即時性を持たせることが可能となる。さらに、LTE電測車などの設備や、測定に要する人件費を抑制できるので、エリア検出にかかるコストを大幅に減少させることが可能となる。
【0049】
(1.3)通信制御装置2のその他の機能について
また、通信制御装置2は、上記のエリア検出機能のほか、作成したテーブルの内容に基づいて、以下に示す各機能(a)〜(e)のうち少なくとも1つの機能を具備することができる。
(a)検出したLTEエリアをユーザに通知する機能
(b)障害エリアを検出し、ユーザに通知する機能
(c)検出したLTEエリアに関する情報を経路情報に付加し、ユーザに通知する機能
(d)LTEエリア化を推進すべきエリアを検出し、置局関連業務システム5に通知する機能
(e)あるエリアが正常にLTE化されているかどうかを検出し、置局関連業務システム5に通知する機能
(1.3.1)「検出したLTEエリアをユーザに通知する機能」について
例えば、通信制御装置2は、例えば、図8に例示する通知設定情報を移動端末7から受信することができる。なお、通知設定情報は、通信事業者などが有するユーザ管理システムからIF部25によって受信されてもよい。
【0050】
通知設定情報には、例えば、LTEエリア通知の対象である移動端末7を示すユーザIDと、LTEエリアの検出、通知を行なうタイミングが定期または随時のいずれであるかを示す分析間隔とが含まれる。図8に示す例では、LTEエリア通知の対象は、ユーザIDが「003」の移動端末7であり、LTEエリアの検出、通知を行なうタイミングは、随時、移動端末7からの要求に応じて行なうことに設定されている。
【0051】
ここで、制御部22の動作について、図9を用いて説明する。
この図9に例示するように、まず、制御部22は、前述のように作成したメッシュ型DB23内のテーブルから、上記通知設定情報に設定されたユーザIDを含むエリアIDを検索する(ステップS20)。
次に、制御部22は、ステップS20で検索したエリアIDのうち、通知対象のユーザIDについての3Gセル情報が記録されているエリアIDを抽出する(ステップS21)。
【0052】
そして、制御部22は、ステップS21で抽出したエリアIDのうちの一のエリアIDにおいて、上記通知対象とは異なる他のユーザIDについてのLTEセル情報が記録済みであるかどうかを判定する(ステップS22)。
他のユーザIDについてのLTEセル情報が記録済みでないと判定した場合(ステップS22のNoルート)、制御部22は、ステップS21で抽出したエリアIDのうち、次のエリアIDについてステップS22と同様の判定を行なう(ステップS26)。
【0053】
一方、他のユーザIDについてのLTEセル情報が記録済みであると判定した場合(ステップS22のYesルート)、制御部22は、例えば、当該他のユーザIDについてのLTEセル情報が現在から過去7日以内に記録された情報であり、且つ、他のユーザIDについてのLTE記録回数が6回以上であるかどうかを判定する(ステップS23)。なお、当該判定条件はあくまで一例に過ぎず、それぞれ、他の値を用いてもよいことはいうまでもない。
【0054】
ステップS23の判定条件を満たさないと判定した場合(ステップS23のNoルート)、制御部22は、処理をステップS26へと移す。
一方、ステップS23の判定条件を満たすと判定した場合(ステップS23のYesルート)、制御部22は、当該エリアIDに対応するエリアをLTEエリアであると判定する(ステップS24)。
【0055】
そして、制御部22は、ステップS21で抽出したエリアIDのうち、ステップS22〜ステップS24のいずれかの判定がなされていない未判定のエリアIDがあるかどうかを判定する(ステップS25)。
未判定のエリアIDがあると判定した場合(ステップS25のYesルート)、制御部22は、処理をステップS26へと移し、未判定のエリアIDについて、上記の処理S22〜S24の処理を繰り返す。
【0056】
一方、未判定のエリアIDがないと判定した場合(ステップS25のNoルート)、制御部22は、ステップS24でLTEエリアであると判定したエリアに対応するエリアIDを、通知対象の移動端末7に通知する(ステップS27)。
上記の各処理により、制御部22は、例えば、図10に示すように、ユーザIDが「003」である移動端末7の行動範囲において、エリアID「a1」,「d4」,「d5」に対応するエリアがLTEエリアであると判定することができる。
【0057】
そして、制御部22は、当該判定結果を通知対象の移動端末7に通知することができる。なお、制御部22は、LTEエリアであると判定したエリアID「a1」,「d4」,「d5」のうち、ユーザIDが「003」である移動端末7が既にLTEサービスを受けているエリアに対応するエリアID「d5」については、通知を省略してもよい。この場合、図11に例示するフォーマットによって、エリアID「a1」及び「d4」が新規にLTEエリア化されたエリアとして移動端末7のユーザに通知される。
【0058】
図14は上記通知を受けた移動端末7の表示画面の一例である。この図14に例示するように、制御部22は、検出したエリアIDをそのまま通知するのではなく、当該エリアIDにより特定される地域の名称,略称,俗称または当該地域に位置する特徴的なスポット名などを通知してもよい。なお、図14に例示するように、移動端末7の表示画面には、例えば、(1.3.2)にて後述する障害エリアについての情報が表示されてもよい。
【0059】
以上のように、本例によれば、LTEエリア化されているエリアをユーザに対して確実に通知することができるので、ユーザの利便性が向上する。
なお、IF部21は、制御部22での検出結果を、当該検出結果に含まれるエリアにおいて例えばLTEなどの少なくとも1つの無線通信方式により位置情報を送信した履歴のある移動端末7に通知してもよい。このようにすれば、多くのユーザに対して、LTEを利用可能なエリアを効率的に通知することができる。
【0060】
また、IF部21は、制御部22での検出結果を、当該検出結果に含まれるエリアにおいて例えばLTEなどの少なくとも1つの無線通信方式により位置情報を送信した履歴のない移動端末7には通知しないようにしてもよい。このようにすれば、無線通信システム1における通信量の増加を抑えることができる。
(1.3.2)「障害エリアを検出し、ユーザに通知する機能」について
また、通信制御装置2は、例えば、図8に例示した通知設定情報に含まれる通知対象の移動端末7に対し、LTEエリア化されたものの障害の発生によりLTEによる通信が不可能となった障害エリアを通知してもよい。
【0061】
ここで、制御部22の動作について、図12を用いて説明する。
この図12に例示するように、まず、制御部22は、前述のように作成したメッシュ型DB23内のテーブルから、上記通知設定情報に設定されたユーザIDを含むエリアIDを検索する(ステップS30)。
次に、制御部22は、ステップS30で検索したエリアIDのうち、通知対象のユーザIDについてのLTEセル情報が記録されているエリアIDを抽出する(ステップS31)。
【0062】
そして、制御部22は、ステップS31で抽出したエリアIDのうち一のエリアIDにおいて、上記通知対象とは異なる他のユーザIDのうち、端末種別情報が「3G/LTEデュアル端末」であるユーザIDについてのLTEセル情報が記録済みであるかどうかを判定する(ステップS32)。
ステップS32の条件を満たすと判定した場合(ステップS32のYesルート)、制御部22は、ステップS31で抽出したエリアIDのうち、次のエリアIDについてステップS32と同様の判定を行なう(ステップS36)。
【0063】
一方、ステップS32の条件を満たさないと判定した場合(ステップS32のNoルート)、制御部22は、例えば、他のユーザIDについてのLTEセル情報の測定時間が、通知対象のユーザIDについての測定時間より新しく、且つ、他のユーザIDについてのLTE記録回数が6回以上であるかどうかを判定する(ステップS33)。なお、当該判定条件はあくまで一例に過ぎず、それぞれ、他の値を用いてもよいことはいうまでもない。
【0064】
ステップS33の条件を満たさないと判定した場合(ステップS33のNoルート)、制御部22は、処理をステップS36へと移す。
一方、ステップS33の条件を満たすと判定した場合(ステップS33のYesルート)、制御部22は、当該エリアIDに対応するエリアで障害によりLTEによる通信が不可能になっていると判定し、当該エリアを障害エリアと判定する(ステップS34)。
【0065】
そして、制御部22は、ステップS31で抽出したエリアIDのうち、ステップS32〜ステップS34のいずれかの判定がなされていない未判定のエリアIDがあるかどうかを判定する(ステップS35)。
未判定のエリアIDがあると判定した場合(ステップS35のYesルート)、制御部22は、処理をステップS36へと移す。
【0066】
一方、未判定のエリアIDがないと判定した場合(ステップS35のNoルート)、制御部22は、ステップS34で障害エリアであると判定したエリアに対応するエリアIDを、通知対象の移動端末7に通知する(ステップS37)。
上記の各処理により、制御部22は、例えば、ユーザIDが「003」である移動端末7の行動範囲において、エリアID「d5」に対応するエリアが、LTEによる通信が不可能となった障害エリアであると判定し、当該判定結果を図13に示すようなフォーマットで、通知対象の移動端末7に通知することができる。
【0067】
以上のように、本例によれば、LTEエリアのうち障害の発生によりLTEによる通信が不可能となった障害エリアをユーザに対して確実に通知することができるので、ユーザの利便性が向上する。
図14は上記通知を受けた移動端末7の表示画面の一例である。この図14に例示するように、検出した障害エリアに対応するエリアIDをそのまま通知するのではなく、当該エリアIDにより特定される地域の名称,略称,俗称または当該地域に位置する特徴的なスポット名などを通知してもよい。
【0068】
なお、IF部21は、制御部22での上記の検出結果を、当該検出結果に含まれるエリアにおいて例えばLTEなどの少なくとも1つの無線通信方式により位置情報を送信した履歴のある移動端末7に通知してもよい。このようにすれば、多くのユーザに対して、障害エリアを効率的に通知することができる。
また、IF部21は、制御部22での上記の検出結果を、当該検出結果に含まれるエリアにおいて例えばLTEなどの少なくとも1つの無線通信方式により位置情報を送信した履歴のない移動端末7には通知しないようにしてもよい。このようにすれば、無線通信システム1における通信量の増加を抑えることができる。
【0069】
(1.3.3)「検出したLTEエリアに関する情報を経路情報に付加し、ユーザに通知する機能」について
また、通信制御装置2は、例えば、図15に例示する経路検索情報を交通/移動関連サービス提供システム6から受信することができる。なお、経路検索情報は、交通/移動関連サービス提供システム6に対する移動端末7からの検索要求をトリガとして、通信制御装置2へ通知されてもよい。
【0070】
経路検索情報には、例えば、経路検索種別,出発地点情報,到着地点情報及び経由地情報等のその他の情報が含まれる。経路検索種別は、電車(線路)や車,徒歩(道路)など経路の種類を示す情報である。出発地点情報及び到着地点情報は、それぞれ、経路検索の出発地点及び到着地点に関する情報であり、各地点の駅名,スポット名及び座標などが用いられる。また、経由地情報は、出発地点から到着地点に到るまでに経由する地点に関するオプション情報であり、経由地の駅名,スポット名及び座標などが用いられる。
【0071】
図15に示す例では、経路検索種別が電車、出発地点がA駅、到着地点がD駅、経由地に関するオプション情報は無しに設定されている。
ここで、制御部22の動作について、図16を用いて説明する。
この図16に例示するように、まず、制御部22は、経路検索情報に基づいて、出発地点情報と到着地点情報とを結ぶ少なくとも1つの経路を検索する。なお、制御部22は、当該経路を移動するのに要する時間や費用などを検索してもよい。そして、制御部22は、前述のように作成したメッシュ型DB23内のテーブルに基づき、上記検索した経路が通過するエリアに対応するエリアIDを検出する(ステップS40)。
【0072】
次に、制御部22は、ステップS40で検索したエリアIDのうちの一のエリアIDについて、LTEセル情報が記録されているかどうかを判定する(ステップS41)。
ステップS41の条件を満たすと判定した場合(ステップS41のYesルート)、制御部22は、当該LTEセル情報が現在から過去7日以内に記録された情報であり、且つ、当該LTEセル情報の記録回数が6回以上であるかどうかを判定する(ステップS42)。なお、当該判定条件はあくまで一例に過ぎず、それぞれ、他の値を用いてもよいことはいうまでもない。
【0073】
さらに、ステップS42の条件を満たすと判定した場合(ステップS42のYesルート)、制御部22は、当該エリアIDに対応するエリアをLTEエリアであると判定する(ステップS43)。
そして、制御部22は、ステップS40で検索したエリアIDのうち、ステップS41〜ステップS43のいずれかの判定がなされていない未判定のエリアIDがあるかどうかを判定する(ステップS44)。なお、上記ステップS41,S42の条件を満たさない場合も(ステップS41,S42のNoルート)、制御部22は、未判定のエリアIDがあるかどうかを判定する(ステップS44)。
【0074】
未判定のエリアIDがあると判定した場合(ステップS44のYesルート)、制御部22は、未判定のエリアIDについて、上記ステップS41〜S43の処理を繰り返す。
一方、未判定のエリアIDがないと判定した場合(ステップS44のNoルート)、制御部22は、例えば、ステップS43での判定結果に基づいて、上記検索した経路においてLTEエリアと3Gエリアとが占める割合を算出する(ステップS45)。
【0075】
そして、制御部22は、ステップS40で検索した全ての経路について、上記割合を算出したかどうかを判定し(ステップS46)、全ての経路について算出済みでなければ(ステップS46のNoルート)、その他の経路についても上記ステップS41〜S45の処理を行なう(ステップS47)。
一方、ステップS40で検索した全ての経路について上記割合を算出済みであれば(ステップS46のYesルート)、制御部22は、ステップS45での算出結果を、ステップS40で検索した経路に関する情報に付加して移動端末7に通知する(ステップS48)。
【0076】
上記の各処理により、制御部22は、例えば図17に示すように、A駅からC駅を経由してD駅に到着する第1の経路と、A駅からB駅を経由してD駅に到着する第2の経路とを検索することができる。また、制御部22は、検索した前記経路に関する情報とメッシュ型DB23内の地図データとに基づいて、例えば、経路1が通過するエリアに対応するエリアIDが「b2」,「b3」,「b4」,「c4」,「d4」であることや、経路2が通過するエリアに対応するエリアIDが「b2」,「c2」,「c3」,「d4」であることを検出することができる。
【0077】
そして、制御部22は、図18に例示するように、メッシュ型DB23内のテーブルにおいて、経路1,2が通過するエリアIDにおけるLTEセル情報の登録状況を検出し、経路1,2のそれぞれにおけるLTEエリアと3Gエリアとの割合を算出する。この場合、制御部22は、経路1ではLTEエリアが100%で3Gエリアが0%であり、経路2ではLTEエリアが50%で3Gエリアが50%であると算出でき、図19に例示するような各種の情報を得ることができる。
【0078】
図19に例示する各種の情報は、IF部21から移動端末7のユーザに通知される。
図20は上記通知を受けた移動端末7の表示画面の一例である。この図20に例示するように、例えば、通信制御装置2は、LTEエリアの割合が大きい経路を移動端末7の表示画面に優先的に表示させるように制御してもよい。また、LTEエリアの割合に応じて、当該経路の通信環境を示す「良好」、「普通」、「不良」などを表示してもよい。
【0079】
以上のように、本例によれば、ユーザが要求する経路検索結果に、LTEエリア化されているエリアに関する情報を付加して通知できるので、ユーザの利便性が向上する。また、エリアに関する情報をユーザの使用するサービスと組み合わせることで、サービスの中でLTEエリアへの誘導を行なったり、LTEの利用を促進したりすることが可能となる。
【0080】
なお、上述した例では、制御部22が経路を検索する機能を有したが、当該機能は交通/移動関連サービス提供システム6によって提供されてもよい。この場合、制御部22は、当該機能を省略するとともに、交通/移動関連サービス提供システム6から提供される経路に関する情報に基づいて、各経路におけるLTEエリアの割合と3Gエリアの割合とを算出し、ユーザに通知すればよい。
【0081】
(1.3.4)「LTEエリア化を推進すべきエリアを検出し、置局関連業務システム5に通知する機能」について
また、通信制御装置2は、例えば、IF部25によって置局関連業務システム5から、図21に例示するLTEエリア化設定情報を受信することができる。なお、置局関連業務システム5は、例えば、エリア設計システム、基地局パラメータ設定ツール等を含んでいてもよい。
【0082】
LTEエリア化設定情報には、例えば、置局関連業務システム5がLTEエリア化したいエリアを示す検索エリア情報と、LTEエリア化を推進すべきエリアの検出及び通知を行なう分析間隔が定期または随時のいずれで行なわれるかを示す「分析間隔」とが含まれる。図21に示す例では、検索エリア情報として、エリアID「a1」,「a2」,「a3」,「a4」が設定されており、LTEエリア化を推進すべきエリアの検出、通知を行なうタイミングは、随時、置局関連業務システム5からの要求に応じて行なうことに設定されている。
【0083】
ここで、制御部22の動作について、図22を用いて説明する。
この図22に例示するように、まず、制御部22は、前述のように作成したメッシュ型DB23内のテーブルから、上記LTEエリア化設定情報に検索エリア情報として設定されたエリアIDを検索する(ステップS50)。
次に、制御部22は、ステップS50で検索したエリアIDのうち、LTEセル情報が記録されていないエリアIDを抽出する(ステップS51)。
【0084】
そして、制御部22は、ステップS51で抽出したエリアIDのうち一のエリアIDにおいて、端末種別情報が「3G/LTEデュアル端末」であるユーザIDが存在するかどうかを判定する(ステップS52)。
ステップS52の条件を満たすと判定した場合(ステップS52のYesルート)、制御部22は、例えば、端末種別情報が「3G/LTEデュアル端末」であるユーザID数が2以上であり、且つ、当該ユーザIDについての3G記録回数が6回以上であるかどうかを判定する(ステップS53)。なお、当該判定条件はあくまで一例に過ぎず、それぞれ、他の値を用いてもよいことはいうまでもない。
【0085】
これにより、制御部22は、LTEにより通信不可能な通信不可能エリアを検出するとともに、移動端末7の端末種別情報に基づいて、通信不可能エリア毎に、移動端末7の端末種別の分布を検出することができる。また、制御部22は、検出した端末種別の分布と端末種別情報DB24の内容とに基づいて、通信不可能エリア毎に、移動端末7の通信機能の分布を検出することができる。
【0086】
ステップS53の条件を満たすと判定した場合(ステップS53のYesルート)、制御部22は、当該エリアIDに対応するエリアをLTE化すべきエリアであると判定する(ステップS54)。
そして、制御部22は、ステップS51で検索したエリアIDのうち、ステップS52〜S54のいずれの判定もされていない未判定のエリアIDがあるかどうかを判定する(ステップS55)。
【0087】
未判定のエリアIDがあると判定した場合(ステップS55のYesルート)、制御部22は、当該未判定のエリアIDについて、上記ステップS52〜S54の処理を繰り返す(ステップS56)。なお、上記ステップS52,S53の条件を満たさない場合も(ステップS52,S53のNoルート)、制御部22は、上記ステップS52〜S54の処理を繰り返す(ステップS56)。
【0088】
一方、未判定のエリアIDがないと判定した場合(ステップS55のNoルート)、制御部22は、ステップS54での検出結果を置局関連業務システム5に通知する(ステップS57)。
以上の各処理により、制御部22は、例えば、図23に示すように、置局関連業務システム5がLTEエリア化したいエリアID「a1」〜「a4」における移動端末7の端末種別の分布を検出できる。
【0089】
さらに、制御部22は、置局関連業務システム5がLTEエリア化したいエリアID「a1」〜「a4」のうち、LTEに対応した通信機能を有する移動端末7が多いエリア「a1」,「a2」を、LTE化を推進すべきエリアとして、図24に例示するフォーマットで置局関連業務システム5に通知できる。
以上のように、本例によれば、LTEエリア化されていないエリアのうち、LTEに対応した通信機能を有する移動端末7が多いエリアを、LTE化を推進すべきエリアとして、置局関連業務システム5に通知できるので、置局関連業務システム5による効率的な置局を支援することができる。
【0090】
(1.3.5)「あるエリアが正常にLTE化されているかどうかを検出し、置局関連業務システム5に通知する機能」について
また、通信制御装置2は、例えば、IF部25によって置局関連業務システム5から、図25に例示するLTEエリア確認設定情報を受信することができる。
LTEエリア確認設定情報には、例えば、置局関連業務システム5がeNB33の置局によりLTE化を行なったエリアが正常にLTEエリア化されているかを確認したいエリアIDを示す置局検索エリア情報と、LTEエリアの確認、通知を行なうタイミングが定期または随時のいずれであるかを示す分析間隔とが含まれる。図25に示す例では、置局検索エリア情報として、エリアID「b1」,「b2」が設定されており、LTEエリアの確認、通知を行なうタイミングは、随時、置局関連業務システム5からの要求に応じて行なうことに設定されている。
【0091】
ここで、制御部22の動作について、図26を用いて説明する。
この図26に例示するように、まず、制御部22は、前述のように作成したメッシュ型DB23内のテーブルから、上記LTEエリア確認設定情報に設定されたエリアIDを検索する(ステップS60)。
次に、制御部22は、ステップS60で検索したエリアIDのうち、一のエリアIDについて、LTEセル情報が記録されているユーザIDが存在するかどうかを判定する(ステップS61)。
【0092】
ステップS61の条件を満たすと判定した場合(ステップS61のYesルート)、制御部22は、当該エリアIDにおけるユーザID数が2以上であり、且つ、当該ユーザIDのLTE記録回数が6回以上であるかどうかを判定する(ステップS62)。なお、当該判定条件はあくまで一例に過ぎず、それぞれ、他の値を用いてもよいことはいうまでもない。
【0093】
ステップS62の条件を満たすと判定した場合(ステップS62のYesルート)、制御部22は、当該エリアIDに対応するエリアをLTEエリア化が確認されたエリアであると判定する(ステップS63)。
そして、制御部22は、ステップS60で検索したエリアIDのうち、ステップS61〜S63のいずれの判定もされていない未判定のエリアIDがあるかどうかを判定する(ステップS64)。
【0094】
未判定のエリアIDがあると判定した場合(ステップS64のYesルート)、制御部22は、未判定のエリアIDについて、上記ステップS61〜S63の処理を繰り返す(ステップS65)。なお、上記ステップS61,S62の条件を満たさない場合も(ステップS61,S62のNoルート)、制御部22は、ステップS60で検索した他のエリアIDについて、上記ステップS61〜S63の処理を繰り返す(ステップS65)。
【0095】
一方、未判定のエリアIDがないと判定した場合(ステップS64のNoルート)、制御部22は、ステップS63での検出結果を置局関連業務システム5に通知する(ステップS66)。
以上の各処理により、制御部22は、例えば、図27に示すように、置局関連業務システム5がLTEエリア化されているかどうかを確認したいエリアID「b1」,「b2」におけるLTEエリア化状況を検出できる。
【0096】
さらに、制御部22は、置局関連業務システム5がLTEエリア化されているかどうかを確認したいエリアID「b1」,「b2」のうち、LTE化が確認されたエリアIDとして、「b1」を、図28に例示するフォーマットで置局関連業務システム5に通知できる。
以上のように、本例によれば、LTEエリア化されているかどうかを確認して置局関連業務システム5に通知できるので、置局関連業務システム5による効率的な置局を支援することができる。
【0097】
〔2〕ハードウェア構成の一例について
ここで、図29に通信制御装置2のハードウェア構成の一例を示す。
プロセッサ46は、データを処理する装置であり、例えばCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等を含む。メモリ47は、データを記憶する装置であり、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等を含む。論理回路48は、論理演算を行なう電子回路であり、例えばLSI(Large Scale Integration)やFPGA(Field−Programmable Gate Array)等を含む。有線IF49は、携帯電話システムの網側のネットワーク(いわゆるバックホールネットワーク)に接続されたeNB33やBTS44などの無線基地局等や、外部システム等と有線通信を行なうためのインタフェース装置である。
【0098】
なお、図2に例示する通信制御装置2の各構成と図29に例示する通信制御装置2の各構成との対応関係は、例えば次の通りである。
プロセッサ46,メモリ47及び論理回路48は、例えば、制御部22,メッシュ型DB23及び端末種別情報DB24に対応する。有線IF49は、例えば、IF部21及びIF部25に対応する。
【0099】
また、図30に移動端末7のハードウェア構成の一例を示す。
無線IF50は、eNB33やBTS44などの無線基地局と無線通信を行なうためのインタフェース装置である。プロセッサ51は、データを処理する装置であり、例えばCPUやDSP等を含む。メモリ52は、データを記憶する装置であり、例えばROMやRAM等を含む。論理回路53は、論理演算を行なう電子回路であり、例えばLSIやFPGA等を含む。入力IF54は、入力を行なう装置であり、例えば操作ボタンやマイク等を含む。出力IF55は、出力を行なう装置であり、例えばディスプレイやスピーカ等を含む。
【0100】
ここで、無線IF50は、自局7の位置情報を送信する送信部の一例として機能するとともに、送信した位置情報が示す位置が所定の地域を示す複数のエリアのうちいずれのエリアに含まれるか判定されることによって検出される、少なくとも1つの無線通信方式により通信可能な通信可能エリアに関する情報を受信する受信部の一例として機能する。
また、無線IF50,プロセッサ51及び論理回路53は、自局7の位置情報を検出する検出部の一例として機能するとともに、無線IF50は、検出した位置情報を、少なくとも1つの無線通信方式により通信可能な通信可能エリアを検出させるために送信する送信部の一例として機能することができる。
【0101】
この場合、無線IF50は、検出した位置情報を、別途検出した無線品質情報や上記ユーザ情報とは異なる送信タイミング,送信チャネル,送信電力などで通信制御装置2へ送信してもよい。
また、プロセッサ51,論理回路53は、例えばLTEなどの少なくとも1つの無線通信方式による通信可否を判定する判定部の一例として機能する。
【0102】
さらに、この場合、無線IF50は、上記通信可否に関する判定結果と自局7の位置情報とを関連付けて送信する送信部の一例として機能する。なお、他の通信方式により通信可能である場合には、無線IF50は、当該他の通信方式により上記通信可否に関する判定結果と自局7の位置情報とを関連付けて送信してもよい。また、例えばLTEなどの少なくとも1つの無線通信方式により通信可能な場合には、無線IF50は、当該少なくとも1つの無線通信方式により上記通信可否に関する判定結果と自局7の位置情報とを関連付けて送信してもよい。
【0103】
さらに、例えばLTEなどの少なくとも1つの無線通信方式による通信が不可能であると判定された場合、メモリ(保持部)52は、上記通信可否に関する判定結果と自局7の位置情報とを関連付けて保持してもよい。
そして、この場合、無線IF50は、例えばLTEなどの少なくとも1つの無線通信方式により通信可能となった場合に、メモリ52で保持された上記通信可否に関する判定結果と自局7の位置情報とを関連付けて送信してもよい。
【0104】
さらに、図31にeNB33やBTS44などの無線基地局のハードウェア構成の一例を示す。
無線IF60は、移動端末7と無線通信を行なうためのインタフェース装置である。プロセッサ61は、データを処理する装置であり、例えばCPUやDSP等を含む。メモリ62は、データを記憶する装置であり、例えばROMやRAM等を含む。論理回路63は、論理演算を行なう電子回路であり、例えばLSIやFPGA等を含む。有線IF64は、携帯電話システムの網側のネットワーク(いわゆるバックホールネットワーク)に接続された他の無線基地局等と有線通信を行なうためのインタフェース装置である。
【0105】
ここで、無線IF60は、移動端末7から送信される移動端末7の位置情報が示す位置が所定の地域を示す複数のエリアのうちいずれのエリアに含まれるか判定されることによって検出される、少なくとも1つの無線通信方式により通信可能な通信可能エリアに関する情報を受信する受信部の一例として機能するとともに、受信した通信可能エリアに関する情報を移動端末7に送信する送信部の一例として機能する。
【0106】
〔3〕その他
上述した通信制御装置2,移動端末7及び無線基地局33,44などの各構成及び各機能は、必要に応じて取捨選択されてもよいし、適宜組み合わせて用いられてもよい。即ち、上述した本発明の機能を発揮できるように、上記の各構成及び各機能は取捨選択されたり、適宜組み合わせて用いられたりしてもよい。
【0107】
例えば、上述した例では、少なくとも1つの移動端末7から送信されるユーザ情報に含まれる各種の情報に基づいてエリア検出を行なったが、移動端末7の数が多ければ多いほど、更に効率的且つ広範囲にエリア検出を行なうことができるのはいうまでもない。
また、例えば、通信制御装置2の各構成及び各機能は、E−SMLC31,MME32,eNB33,SMLC41,MSC42,RNC43,BTS44の少なくともいずれかに、集中的または分散的にそなえられてもよい。この場合、無線通信システム1に通信制御装置2を配置しなくてもよい。
【0108】
また、上述した実施形態では、LTEエリア34と3Gエリア45とが共存する無線通信システム1を用いて本例を説明したが、LTEエリア34の展開が進んで、LTEエリア34のみになった場合であっても、同様の通信制御を実施し得る。
さらに、上述した実施形態では、通信制御装置2は、移動端末7から送信されるユーザ情報に含まれる、LTEセル情報と3Gセル情報とをメッシュ型DB23のテーブルに格納したが、ユーザ情報に含まれる無線品質情報のうち、必要に応じて、LTEセル情報または3Gセル情報を選択的にメッシュ型DB23のテーブルに格納してもよい。例えば、通信制御装置2が、LTEエリア34のみを検出したい場合などは、ユーザ情報に含まれる無線品質情報のうち、LTEセル情報のみを選択的にメッシュ型DB23のテーブルに格納することで足り、リソースの消費を抑制することができる。
【0109】
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
〔4〕付記
(付記1)
少なくとも1つの無線通信方式に対応した通信機能を有する移動式ユーザ端末から送信される、前記移動式ユーザ端末の位置情報を受信する受信部と、
前記位置情報が示す位置が所定の地域を示す複数のエリアのうちいずれのエリアに含まれるか判定して、前記の少なくとも1つの無線通信方式により通信可能な通信可能エリアを検出する検出部とをそなえる、
ことを特徴とする、通信制御装置。
【0110】
(付記2)
前記検出部は、
所定の地域を複数に分割した複数のエリアブロックのうちのいずれのエリアブロックに前記移動式ユーザ端末が含まれるのかを前記位置情報に基づいて判定して、前記の少なくとも1つの無線通信方式により通信可能な通信可能エリアを検出する、
ことを特徴とする、付記1記載の通信制御装置。
【0111】
(付記3)
前記検出部は、
セルエリアよりも狭い複数のエリアのうちいずれのエリアに前記位置情報が示すGPS(Global Positioning System)測位した位置が含まれるか判定して、前記の少なくとも1つの無線通信方式により通信可能な通信可能エリアを検出する、
ことを特徴とする、付記1記載の通信制御装置。
【0112】
(付記4)
前記検出部は、
検出した前記通信可能エリアのうち、前記の少なくとも1つの無線通信方式による通信が不可能となった障害エリアを前記位置情報に基づいて検出する、
ことを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載の通信制御装置。
【0113】
(付記5)
前記検出部での検出結果を前記移動式ユーザ端末に通知する通知部をそなえる、
ことを特徴とする、付記1〜4のいずれか1項に記載の通信制御装置。
(付記6)
前記通知部は、
前記検出部での検出結果を、当該検出結果に含まれるエリアにおいて前記の少なくとも1つの無線通信方式により前記位置情報を送信した履歴がある移動式ユーザ端末には通知する一方、当該検出結果に含まれるエリアにおいて前記の少なくとも1つの無線通信方式により前記位置情報を送信した履歴がない移動式ユーザ端末には通知しない、
ことを特徴とする、付記5記載の通信制御装置。
【0114】
(付記7)
前記検出部は、
前記移動式ユーザ端末により指定される複数の地点間を結ぶ経路において前記通信可能エリアが占める割合を前記検出結果に基づいて算出し、
前記通知部は、
算出した前記割合を前記経路に関する経路情報に付加して前記移動式ユーザ端末に通知する、
ことを特徴とする、付記5または6に記載の通信制御装置。
【0115】
(付記8)
前記検出部は、
前記の少なくとも1つの無線通信方式による通信が不可能となった通信不可能エリアを前記位置情報に基づいて検出するとともに、検出した前記通信不可能エリアにおける前記移動式ユーザ端末の通信機能の分布を前記移動式ユーザ端末が有する前記通信機能を識別する識別情報に基づいて検出する、
ことを特徴とする、付記1〜7のいずれか1項に記載の通信制御装置。
【0116】
(付記9)
少なくとも1つの無線通信方式に対応した通信機能を有する移動式ユーザ端末から送信される、前記移動式ユーザ端末の位置情報を受信し、
前記位置情報が示す位置が所定の地域を示す複数のエリアのうちいずれのエリアに含まれるか判定して、前記の少なくとも1つの無線通信方式により通信可能な通信可能エリアを検出する、
ことを特徴とする、通信制御方法。
【0117】
(付記10)
少なくとも1つの無線通信方式に対応した通信機能を有する移動式ユーザ端末と、
前記移動式ユーザ端末から送信される、前記移動式ユーザ端末の位置情報を受信し、前記位置情報が示す位置が所定の地域を示す複数のエリアのうちいずれのエリアに含まれるか判定して、前記の少なくとも1つの無線通信方式により通信可能な通信可能エリアを検出する通信制御装置ととをそなえる、
ことを特徴とする、無線通信システム。
【0118】
(付記11)
少なくとも1つの無線通信方式に対応した通信機能を有する移動式ユーザ端末と通信し得る無線基地局において、
前記移動式ユーザ端末から送信される前記移動式ユーザ端末の位置情報が示す位置が所定の地域を示す複数のエリアのうちいずれのエリアに含まれるか判定されることによって検出される、前記の少なくとも1つの無線通信方式により通信可能な通信可能エリアに関する情報を受信する受信部と、
受信した前記通信可能エリアに関する情報を前記移動式ユーザ端末に送信する送信部とをそなえる、
ことを特徴とする、無線基地局。
【0119】
(付記12)
少なくとも1つの無線通信方式に対応した通信機能を有する移動式ユーザ端末において、
前記移動式ユーザ端末の位置情報を送信する送信部と、
前記位置情報が示す位置が所定の地域を示す複数のエリアのうちいずれのエリアに含まれるか判定されることによって検出される、前記の少なくとも1つの無線通信方式により通信可能な通信可能エリアに関する情報を受信する受信部とをそなえる、
ことを特徴とする、移動式ユーザ端末。
【0120】
(付記13)
少なくとも1つの無線通信方式に対応した通信機能を有する移動式ユーザ端末において、
前記の少なくとも1つの無線通信方式による通信可否を判定する判定部と、
前記判定部での判定結果と前記移動式ユーザ端末の位置情報とを関連付けて送信する送信部とをそなえる、
ことを特徴とする、移動式ユーザ端末。
【0121】
(付記14)
前記送信部は、
他の通信方式により通信可能である場合には、前記他の通信方式により前記位置情報を前記判定結果と関連付けて送信する、
ことを特徴とする、付記13記載の移動式ユーザ端末。
【0122】
(付記15)
前記送信部は、
前記の少なくとも1つの無線通信方式により通信可能な場合には、前記の少なくとも1つの無線通信方式により前記位置情報を前記判定結果と関連付けて送信する、
ことを特徴とする、付記13または14に記載の移動式ユーザ端末。
【0123】
(付記16)
前記判定部において前記の少なくとも1つの無線通信方式による通信が不可能であると判定した場合、前記判定結果と前記移動式ユーザ端末の位置情報とを関連付けて保持する保持部をさらに有し、
前記送信部は、
前記の少なくとも1つの無線通信方式により通信可能となった場合に、前記保持部で保持された前記判定結果と前記位置情報とを関連付けて送信する、
ことを特徴とする、付記13〜15のいずれか1項に記載の移動式ユーザ端末。
【符号の説明】
【0124】
1 無線通信システム
2 通信制御装置
3 LTE系
4 3G系
5 置局関連業務システム
6 交通/移動関連サービス提供システム
7−1,7−2 移動式ユーザ端末
21 IF部
22 制御部
23 メッシュ型DB
24 端末種別情報DB
25 IF部
31 E−SMLC
32 MME
33 eNB
34 LTEエリア
41 SMLC
42 MSC
43 RNC
44 BTS
45 3Gエリア
46 プロセッサ
47 メモリ
48 論理回路
49 有線IF
50 無線IF
51 プロセッサ
52 メモリ
53 論理回路
54 入力IF
55 出力IF
60 無線IF
61 プロセッサ
62 メモリ
63 論理回路
64 有線IF

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの無線通信方式に対応した通信機能を有する移動式ユーザ端末から送信される、前記移動式ユーザ端末の位置情報を受信する受信部と、
前記位置情報が示す位置が所定の地域を示す複数のエリアのうちいずれのエリアに含まれるか判定して、前記の少なくとも1つの無線通信方式により通信可能な通信可能エリアを検出する検出部とをそなえる、
ことを特徴とする、通信制御装置。
【請求項2】
前記検出部は、
所定の地域を複数に分割した複数のエリアブロックのうちのいずれのエリアブロックに前記移動式ユーザ端末が含まれるのかを前記位置情報に基づいて判定して、前記の少なくとも1つの無線通信方式により通信可能な通信可能エリアを検出する、
ことを特徴とする、請求項1記載の通信制御装置。
【請求項3】
前記検出部は、
セルエリアよりも狭い複数のエリアのうちいずれのエリアに前記位置情報が示すGPS(Global Positioning System)測位した位置が含まれるか判定して、前記の少なくとも1つの無線通信方式により通信可能な通信可能エリアを検出する、
ことを特徴とする、請求項1記載の通信制御装置。
【請求項4】
前記検出部での検出結果を前記移動式ユーザ端末に通知する通知部をそなえる、
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の通信制御装置。
【請求項5】
前記通知部は、
前記検出部での検出結果を、当該検出結果に含まれるエリアにおいて前記の少なくとも1つの無線通信方式により前記位置情報を送信した履歴がある移動式ユーザ端末には通知する一方、当該検出結果に含まれるエリアにおいて前記の少なくとも1つの無線通信方式により前記位置情報を送信した履歴がない移動式ユーザ端末には通知しない、
ことを特徴とする、請求項4記載の通信制御装置。
【請求項6】
少なくとも1つの無線通信方式に対応した通信機能を有する移動式ユーザ端末から送信される、前記移動式ユーザ端末の位置情報を受信し、
前記位置情報が示す位置が所定の地域を示す複数のエリアのうちいずれのエリアに含まれるか判定して、前記の少なくとも1つの無線通信方式により通信可能な通信可能エリアを検出する、
ことを特徴とする、通信制御方法。
【請求項7】
少なくとも1つの無線通信方式に対応した通信機能を有する移動式ユーザ端末と通信し得る無線基地局において、
前記移動式ユーザ端末から送信される前記移動式ユーザ端末の位置情報が示す位置が所定の地域を示す複数のエリアのうちいずれのエリアに含まれるか判定されることによって検出される、前記の少なくとも1つの無線通信方式により通信可能な通信可能エリアに関する情報を受信する受信部と、
受信した前記通信可能エリアに関する情報を前記移動式ユーザ端末に送信する送信部とをそなえる、
ことを特徴とする、無線基地局。
【請求項8】
少なくとも1つの無線通信方式に対応した通信機能を有する移動式ユーザ端末において、
前記移動式ユーザ端末の位置情報を送信する送信部と、
前記位置情報が示す位置が所定の地域を示す複数のエリアのうちいずれのエリアに含まれるか判定されることによって検出される、前記の少なくとも1つの無線通信方式により通信可能な通信可能エリアに関する情報を受信する受信部とをそなえる、
ことを特徴とする、移動式ユーザ端末。
【請求項9】
少なくとも1つの無線通信方式に対応した通信機能を有する移動式ユーザ端末において、
前記の少なくとも1つの無線通信方式による通信可否を判定する判定部と、
前記判定部での判定結果と前記移動式ユーザ端末の位置情報とを関連付けて送信する送信部とをそなえる、
ことを特徴とする、移動式ユーザ端末。
【請求項10】
前記送信部は、
他の通信方式により通信可能である場合には、前記他の通信方式により前記位置情報を前記判定結果と関連付けて送信する、
ことを特徴とする、請求項9記載の移動式ユーザ端末。
【請求項11】
前記送信部は、
前記の少なくとも1つの無線通信方式により通信可能な場合には、前記の少なくとも1つの無線通信方式により前記位置情報を前記判定結果と関連付けて送信する、
ことを特徴とする、請求項9または10に記載の移動式ユーザ端末。
【請求項12】
前記判定部において前記の少なくとも1つの無線通信方式による通信が不可能であると判定した場合、前記判定結果と前記移動式ユーザ端末の位置情報とを関連付けて保持する保持部をさらに有し、
前記送信部は、
前記の少なくとも1つの無線通信方式により通信可能となった場合に、前記保持部で保持された前記判定結果と前記位置情報とを関連付けて送信する、
ことを特徴とする、請求項9〜11のいずれか1項に記載の移動式ユーザ端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2012−248957(P2012−248957A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117269(P2011−117269)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】