説明

通信機器およびそのプログラム

【課題】より安全にネットワークに接続することができる通信機器を実現する。
【解決手段】本発明に係るプログラマブル表示器1は、トークンを利用して通信を行うプロフィバスネットワーク2に接続される通信機器であって、プロフィバスネットワーク2からデータを受信する通信受信部31と、プロフィバスネットワーク2にデータを送信する通信送信部38と、通信受信部31が受信したデータのボーレートを検出する受信ボーレート検出部32と、受信ボーレート検出部32によって検出された検出ボーレートと、プログラマブル表示器1に設定された設定ボーレートとを比較するボーレート比較部34とを備え、通信送信部38は、上記検出ボーレートと上記設定ボーレートとが異なる場合、トークンの発信を行わない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トークンを利用して通信を行うネットワークに接続される通信機器に関する。
【背景技術】
【0002】
トークンを利用して通信を行うネットワークシステムでは、ネットワークに接続される各通信機器のハードウェア構成を、通信方式や通信速度に応じた設定とする必要がある。
【0003】
これに対し、複数の出力形態に対応できる通信機器が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の通信機器は、2線式フィールド機器の通信形態に対応する通信手段と、フィールドバス通信を行う通信手段とのいずれかを、所定の時間内にトークンを検出したか否かに応じて、選択的に機能させている。これにより、当該通信機器は、複数の出力形態に対し容易かつ安全に対応できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−134752号公報(2010年6月17日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、同一の通信形態のネットワークシステムであっても、そのボーレートは、ネットワークによって様々な値に設定される(例えば、9.6Kbps、19.2Kbps、187.5Kbps、500Kbps、1.5Mbps、3Mbps、6Mbps、12Mbps)。そのため、既存のネットワークに新しく機器を接続する場合には、新しく接続される機器のボーレートを当該ネットワークのボーレートと一致させるように留意する必要がある。
【0006】
仮に、ユーザの設定ミスにより、新しく接続される機器の設定ボーレートがネットワークのボーレートと異なっていた場合、当該機器は、自らの設定ボーレートと同一のボーレートのフレームを受信しないため、ネットワークに機器が存在しないと認識するおそれがある。その場合、新しく接続される機器は、自らトークンをネットワークに送信し、ネットワークの通信を妨害してしまう。
【0007】
例えば、図6に示すように、プロフィバスネットワーク100に、プログラマブル表示器101aを新たに接続する場合について説明する。プロフィバスネットワーク100では、12Mbpsのボーレートで通信が行われており、プロフィバスネットワーク100に接続されているプログラマブル表示器101、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)102およびパーソナルコンピュータ(PC)103の各機器のボーレートは12Mbpsに設定されている。一方、新たに接続されるプログラマブル表示器101aのボーレートは、187.5Kbpsに設定されている。
【0008】
この場合、新たに接続されるプログラマブル表示器101aは、187.5Kbpsのデータのみ認識するため、プロフィバスネットワーク100において異なるボーレートの通信が行われていることを認識することができない。そのため、プログラマブル表示器101aは、プロフィバスネットワーク100上に機器が接続されていないと判断し、187.5Kbpsのトークンをプロフィバスネットワーク100に送信する。その結果、プロフィバスネットワーク100では、通信が妨害され、既存のプログラマブル表示器101およびPLC102によるデバイス制御や、PC103とプログラマブル表示器101・PLC102とのデータ転送などが停止するおそれがある。
【0009】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、より安全にネットワークに接続することができる通信機器を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明に係る通信機器は、トークンを利用して通信を行うネットワークに接続される通信機器であって、上記ネットワークから信号を受信する受信手段と、上記ネットワークに信号を送信する送信手段と、上記受信手段が受信した信号のボーレートを検出するボーレート検出手段と、ボーレート検出手段によって検出された検出ボーレートと、上記通信機器に設定された設定ボーレートとを比較するボーレート比較手段とを備え、上記送信手段は、上記検出ボーレートと上記設定ボーレートとが異なる場合、トークンの発信を行わないことを特徴としている。
【0011】
上記の構成によれば、ボーレート検出手段が検出したネットワークの検出ボーレートと、通信機器に設定された設定ボーレートとが一致しない場合は、通信機器からネットワークにトークンが発信されない。このため、ボーレートの設定を誤ってネットワークに接続しても、トークンが発信されることによるネットワークの妨害を自動的に回避することができる。より安全にネットワークに接続することができる通信機器を実現することができる。
【0012】
本発明に係る通信機器では、上記通信機器が上記ネットワークに接続されてから所定期間内に、上記受信手段が信号を受信しない場合、上記送信手段は、トークンを送信することが好ましい。
【0013】
上記の構成によれば、通信機器が上記ネットワークに接続されてから所定期間内に上記受信手段が信号を受信しない場合、すなわち、ネットワーク上に機器が接続されていない場合、通信機器からトークンが発信される。これにより、ネットワークをトークンリングとして稼働させることができる。
【0014】
本発明に係る通信機器は、プログラマブル表示器またはプログラマブル・ロジック・コントローラであってもよい。
【0015】
本発明に係るプログラムは、上記いずれかの通信機器の各手段としてコンピュータを動作させる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明に係る通信機器は、ボーレートの設定を誤ってネットワークに接続しても、トークンを発信しないので、より安全にネットワークに接続することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係るプログラマブル表示器の構成を示すブロック図である。
【図2】プロフィバスネットワークのボーレートとプログラマブル表示器の設定ボーレートとが一致しない場合の、プログラマブル表示器の送信データ、受信データおよび監視タイマー部のタイマー値を示す図である。
【図3】プロフィバスネットワークのボーレートとプログラマブル表示器の設定ボーレートとが一致する場合の、プログラマブル表示器の送信データ、受信データおよび監視タイマー部のタイマー値を示す図である。
【図4】プログラマブル表示器がプロフィバスネットワークからフレームを受信しない場合の、プログラマブル表示器の送信データ、受信データおよび監視タイマー部のタイマー値を示す図である。
【図5】プログラマブル表示器をプロフィバスネットワークに接続する場合のフローチャートである。
【図6】プロフィバスネットワークに、ボーレートの異なるプログラマブル表示器を新たに接続する場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の一形態について図1〜図5に基づいて説明すれば以下のとおりである。本実施形態では、プログラマブル表示器をトークンリングを構成するプロフィバスネットワークに新たに接続する場合について説明する。
【0019】
(プログラマブル表示器の構成)
図1は、本実施形態に係るプログラマブル表示器1の構成を示すブロック図である。プログラマブル表示器1は、プロフィバスネットワーク2に接続される通信機器であり、バスモニター回路部3およびCPU4を備えている。バスモニター回路部3は、プログラマブル表示器1とプロフィバスネットワーク2との通信を制御する回路であり、プロフィバスネットワーク2のボーレートと、プログラマブル表示器1の設定ボーレートとを比較し、比較結果に応じてトークンの発信等を制御するバスモニター機能を有している。
【0020】
図1に示すように、バスモニター回路部3は、通信受信部(受信手段)31、受信ボーレート検出部(ボーレート検出手段)32、ボーレート設定部33、ボーレート比較部(ボーレート比較手段)34、接続エラー検出部35、トークンリング参加シーケンス部36、監視タイマー部37および通信送信部(送信手段)38を備えている。
【0021】
通信受信部31は、プロフィバスネットワーク2から自機器のアドレス宛の信号を受信するブロックである。
【0022】
受信ボーレート検出部32は、通信受信部31が受信したデータのボーレートを検出するブロックである。本実施形態では、受信ボーレート検出部32は、9.6Kbps〜12Mbpsの範囲の信号のボーレートをモニターできる。
【0023】
ボーレート設定部33は、プログラマブル表示器1の設定ボーレートの値を格納するブロックである。プログラマブル表示器1の設定ボーレートは、ユーザの操作により設定され、CPU4から設定ボーレートを示すデータがボーレート設定部33に入力される。
【0024】
ボーレート比較部34は、受信ボーレート検出部32によって検出された受信ボーレートの値と、ボーレート設定部33に格納されている設定ボーレートの値とを比較するブロックである。ボーレート比較部34における比較結果は、接続エラー検出部35、トークンリング参加シーケンス部36および監視タイマー部37に出力される。
【0025】
接続エラー検出部35は、上記の比較結果が不一致の場合に、接続エラーを検出するブロックである。本実施形態では、当該場合に、接続エラー検出部35は、接続エラーの通知をCPU4に送信し、CPU4は、例えば図示しない警告ランプを点灯させることにより、ユーザに接続エラーを報知する。
【0026】
トークンリング参加シーケンス部36は、ボーレート比較部34における比較結果が一致の場合に、プロフィバスネットワーク2からのフレームを解析して、プログラマブル表示器1をトークンリングを構成するプロフィバスネットワーク2に参加させるシーケンスを行うブロックである。
【0027】
監視タイマー部37は、ダウンカウンタで構成されている。監視タイマー部37のタイマー値の初期値はN(Nは整数)に設定されており、監視タイマー部37は、プログラマブル表示器1をプロフィバスネットワーク2に接続して、プログラマブル表示器1の電源をONした時点から、タイマー値が0となるまで、カウント動作を行なう。また、監視タイマー部37のタイマー値は、接続エラー検出部35が接続エラーを検出した場合、および、プログラマブル表示器1のプロフィバスネットワーク2への接続が完了した場合に、初期値のNに戻るように設定されている。
【0028】
通信送信部38は、プログラマブル表示器1からプロフィバスネットワーク2に送信する信号を生成するブロックである。
【0029】
具体的には、受信ボーレートの値と設定ボーレートの値とが一致する場合、通信送信部38は、トークンリング参加シーケンス部36からの指示に応じて、プロフィバスネットワーク2からのFDL(Field bus Data Link)リクエストに対し、FDLレスポンスを生成して出力する。
【0030】
また、監視タイマー部37のタイマー値が0になった場合、すなわち、プログラマブル表示器1がプロフィバスネットワーク2に接続されてから所定時間、通信受信部31がフレーム(信号)を受信しない場合、通信送信部38は、トークンをプロフィバスネットワーク2に発信する。
【0031】
一方、受信ボーレートの値と設定ボーレートの値とが一致せず、接続エラーが検出された場合、通信送信部38は、トークンの発信を行わない。すなわち、プロフィバスネットワーク2にボーレート設定の異なるプログラマブル表示器1が接続された場合であっても、プログラマブル表示器1からトークンが発信されることはない。これにより、ボーレートの異なるプロフィバスネットワーク2にトークンが誤って発信されることによるネットワークの妨害を自動的に回避することができる。
【0032】
(送受信データおよびタイマー値)
続いて、プログラマブル表示器1からプロフィバスネットワーク2に送受信されるデータおよび監視タイマー部37のタイマー値について、図2〜図4を参照して説明する。
【0033】
図2は、プロフィバスネットワーク2のボーレートとプログラマブル表示器1の設定ボーレートとが一致しない場合の、プログラマブル表示器1の送信データ、受信データおよび監視タイマー部37のタイマー値を示す図である。
【0034】
初期状態において、監視タイマー部37のタイマー値はNとなっている。プログラマブル表示器1のプロフィバスネットワーク2への接続が開始されると、監視タイマー部37はダウンカウントを開始する。ここで、プロフィバスネットワーク2から設定ボーレートとは異なるボーレートの信号(例えば、FDLリクエスト)が受信されると、接続エラーが検出され、監視タイマー部37のタイマー値が初期値Nに戻される。なお、プロフィバスネットワーク2からの信号としてFDLリクエストの他に、トークン、データなどが挙げられる。その後、設定ボーレートとは異なるボーレートのFDLリクエストが受信される度に、監視タイマー部37のタイマー値が初期値Nに戻されるので、タイマー値が0になることはない。そのため、通信送信部38からトークンが発信されることはない。
【0035】
図3は、プロフィバスネットワーク2のボーレートとプログラマブル表示器1の設定ボーレートとが一致する場合の、プログラマブル表示器1の送信データ、受信データおよび監視タイマー部37のタイマー値を示す図である。
【0036】
プログラマブル表示器1のプロフィバスネットワーク2への接続が開始されると、監視タイマー部37はダウンカウントを開始する。ここで、プロフィバスネットワーク2から設定ボーレートと同一のボーレートのFDLリクエストが受信されると、通信送信部38は、FDLリクエストに対しFDLレスポンスを出力する。これにより、プログラマブル表示器1のプロフィバスネットワーク2への接続が完了する。なお、プログラマブル表示器1が接続完了を示す信号を受信すると、監視タイマー部37のタイマー値は初期値Nに戻される。
【0037】
図4は、プログラマブル表示器1がプロフィバスネットワーク2からフレームを受信しない場合の、プログラマブル表示器1の送信データ、受信データおよび監視タイマー部37のタイマー値を示す図である。
【0038】
プログラマブル表示器1のプロフィバスネットワーク2への接続が開始されると、監視タイマー部37はダウンカウントを開始するが、プロフィバスネットワーク2からフレームが受信されないので、所定期間経過後、監視タイマー部37のタイマー値は0になる。そのため、通信送信部38は、トークンをプロフィバスネットワーク2に発信する。これにより、プロフィバスネットワーク2をトークンリングとして稼働させることができる。
【0039】
なお、上記所定期間は、プロフィバスネットワーク2の規格において、フレーム受信がない場合に、ネットワーク上に機器が接続されていないとみなすことのできる期間である。また、プロフィバスネットワーク2上には機器が接続されていないので、プログラマブル表示器1からトークンが発信されても、通信が妨害されるという問題は生じない。
【0040】
(バスモニターの手順)
続いて、プログラマブル表示器1をプロフィバスネットワーク2に接続する場合のフローチャートを図5に示す。プログラマブル表示器1のプロフィバスネットワーク2への接続が開始されると(ステップS1)、監視タイマー部37がダウンカウントを開始するとともに(ステップS2)、バスモニターが開始される(ステップS3)。
【0041】
ここで、通信受信部31がフレームを検出することなく(ステップS5において「NO」)、所定期間が経過して監視タイマー部37のタイマー値が0になった場合(ステップS4において「YES」)、通信送信部38はトークンを発信する(ステップS6)。
【0042】
一方、監視タイマー部37がダウンカウント動作を行なっている間に(ステップS4において「NO」)、通信受信部31がフレームを検出した場合(ステップS5において「YES」)、受信ボーレート検出部32がフレームのボーレートを検出し、ボーレート比較部34が、検出ボーレートとプログラマブル表示器1の設定ボーレートとを比較する(ステップS7)。
【0043】
検出ボーレートと受信ボーレートとが一致する場合(ステップS8において「YES」)、トークンリング参加シーケンス部36は、通信送信部38からFDLレスポンスなどの所定の信号を出力させることにより、プログラマブル表示器1をプロフィバスネットワーク2のトークンリングに正常に参加させる(ステップS9)。
【0044】
検出ボーレートと受信ボーレートとが一致しない場合(ステップS8において「NO」)、接続エラー検出部35が接続エラーを検出するとともに(ステップS10)、監視タイマー部37はタイマー値を初期値Nに戻し(ステップS11)、ステップS2に移行する。プロフィバスネットワーク2からのフレームは所定の間隔で送信されるので、ステップS2〜ステップS11のフローが繰り返され、監視タイマー部37はタイマー値が0になることはない。そのため、プログラマブル表示器1からトークンが発信されることはなく、誤ってトークンが発信されることによるネットワークの妨害を回避できる。
【0045】
なお、本実施形態では、検出ボーレートと受信ボーレートとが一致しないために、ステップS2〜ステップS11のフローが繰り返される場合、ユーザの操作によりプログラマブル表示器1のボーレートが再設定され、検出ボーレートと受信ボーレートとが一致するまで、バスモニターが継続される。また、この場合、警告ランプを点灯させたり、表示画面にエラー表示させることにより、ユーザに接続エラーを報知してもよい。
【0046】
(ソフトウェアによる本発明の実施)
本実施形態に係るプログラマブル表示器1のバスモニター回路部3は、ハードウェアロジックによって構成していたが、バスモニター回路部3の少なくとも一部の機能を、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0047】
すなわち、プログラマブル表示器1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるプログラマブル表示器1のプログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記コンピュータ切替器1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出して実行することによっても、達成可能である。
【0048】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/BD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0049】
また、プログラマブル表示器1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0050】
(付記事項)
上記の実施形態では、プロフィバスネットワークに接続される通信機器として、プログラマブル表示器を例示したが、これに限定されない。プロフィバスネットワークに接続される通信機器としては、PLCやPCなどが挙げられる。また、トークンを利用して通信を行うネットワークとして、プロフィバスネットワークを例示したが、これに限定されない。
【0051】
また、上記の実施形態に係るプログラマブル表示器は、ネットワークの検出ボーレートと設定ボーレートとが一致しない場合、ユーザによってボーレートが再設定され、検出ボーレートと設定ボーレートとが一致するまで、内部カウンタである監視タイマー部はダウンカウント動作を継続する。これに対し、ネットワークの検出ボーレートと設定ボーレートとが一致しない場合、設定ボーレートを検出ボーレートに自動的に一致させる構成としてもよい。
【0052】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、トークンを利用して通信を行うネットワークに接続される通信機器に好適である。
【符号の説明】
【0054】
1 プログラマブル表示器
2 プロフィバスネットワーク(ネットワーク)
3 バスモニター回路部
4 CPU
31 通信受信部(受信手段)
32 受信ボーレート検出部(ボーレート検出手段)
33 ボーレート設定部
34 ボーレート比較部(ボーレート比較手段)
35 接続エラー検出部
36 トークンリング参加シーケンス部
37 監視タイマー部
38 通信送信部(送信手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トークンを利用して通信を行うネットワークに接続される通信機器であって、
上記ネットワークから信号を受信する受信手段と、
上記ネットワークに信号を送信する送信手段と、
上記受信手段が受信した信号のボーレートを検出するボーレート検出手段と、
ボーレート検出手段によって検出された検出ボーレートと、上記通信機器に設定された設定ボーレートとを比較するボーレート比較手段とを備え、
上記送信手段は、上記検出ボーレートと上記設定ボーレートとが異なる場合、トークンの発信を行わないことを特徴とする通信機器。
【請求項2】
上記通信機器が上記ネットワークに接続されてから所定期間内に、上記受信手段が信号を受信しない場合、上記送信手段は、トークンを発信することを特徴とする請求項1に記載の通信機器。
【請求項3】
上記通信機器がプログラマブル表示器またはプログラマブル・ロジック・コントローラであることを特徴とする請求項1または2に記載の通信機器。
【請求項4】
請求項1、2または3に記載の通信機器の各手段として、コンピュータを動作させるプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−85025(P2012−85025A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228222(P2010−228222)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(000134109)株式会社デジタル (224)
【Fターム(参考)】