説明

通信端末及び画像データ保護方法

【課題】煩雑な操作を不要とし画像データを漏れ無く確実に保護する。
【解決手段】通信端末10は、複数の画像データと各画像データのシークレット設定情報とを対応付けて記憶している画像記憶部11と、基準の画像データに含まれる認証対象情報の特徴点情報を記憶している特徴点記憶部12と、画像データの照合に用いられるパラメータ情報を記憶しているパラメータ記憶部13と、対象の画像データと特徴点情報とパラメータ情報とを読み出す読出し部14Aと、パラメータ情報に基づいて特徴点情報と対象の画像データとを照合する照合部14Bと、特徴点情報と対象の画像データが一致するとの照合結果が得られた場合、保護処理(例えば、対象の画像データのシークレット設定情報がオンになるよう、画像記憶部11に記憶された対象の画像データのシークレット設定情報を更新する処理)を行う設定更新部14Cとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末及び画像データ保護方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像データを他人に見られることを防止し保護するための技術として、通信端末内の特定フォルダーに記憶された画像データをシークレットモードにする操作(例えば画像データのシークレット設定情報をオンにする操作)を行うことで、シークレットモード(正規の者のみが画像データを参照可能とし正規の者以外の者による画像データの参照を防止するモード)を実現して画像データを保護する技術が知られている。
【0003】
一方、画像内の所定の認証対象に対し認証を行う画像認証技術(一例として、人間の顔を対象とするいわゆる顔認証技術など)が知られており、この画像認証技術を利用して、例えば予め顔情報を登録した正規の者のみがロックを解除できるようにするロック解除機能が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−259236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したシークレットモードによる保護技術では、ユーザは、保護したい画像データ一つ一つに対して個別に保護処理(例えばシークレット設定情報をオンに更新する処理など)を行う必要があるため、ユーザ操作が非常に煩雑であり、またユーザによる設定ミスや設定漏れによって画像データの保護が確実に行えないというリスクがあった。
【0006】
そうした背景から、上述した画像認証技術を利用して画像データを自動的に確実に保護することが待望されていた。
【0007】
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、画像認証技術を利用することで、煩雑な操作を不要としつつ画像データをより確実に保護することが可能な通信端末及び画像データ保護方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る通信端末は、複数の画像データと各画像データのシークレット設定情報とを対応付けて記憶している画像記憶部と、基準の画像データに含まれる認証対象情報の特徴点情報を記憶している特徴点記憶部と、画像データの照合に用いられるパラメータ情報を記憶しているパラメータ記憶部と、画像記憶部に記憶された対象の画像データと特徴点記憶部に記憶された特徴点情報とパラメータ記憶部に記憶されたパラメータ情報とを読み出す読出し部と、読み出されたパラメータ情報に基づいて、特徴点情報と対象の画像データとを照合する照合部と、特徴点情報と対象の画像データとが一致するとの照合結果が得られた場合、前記対象の画像データに対し所定の保護処理を実行する保護処理部と、を備える。
【0009】
このような通信端末では、事前に記憶されたパラメータ情報に基づいて、対象の画像データは、事前に記憶された特徴点情報と自動的に照合され、一致するとの照合結果が得られると、対象の画像データに対し所定の保護処理が実行される。このように対象の画像データについての所定の保護処理は、画像データ毎にその都度操作することなく、特徴点情報との自動照合の結果に応じて自動的に実行されるため、煩雑な操作を不要としつつ画像データを漏れ無く確実に保護することができる。なお、所定の保護処理としては、一例として、対象の画像データのシークレット設定情報がオンになるよう、画像記憶部に記憶している対象の画像データのシークレット設定情報を更新する処理が挙げられる。これ以外にも、対象の画像データを削除する処理や、対象の画像データを指定先に自動送信する処理などが挙げられる。また、基準の画像データとしては、一例として、シークレット設定情報がオンの画像データが挙げられる。
【0010】
本発明に係る通信端末は、基準の画像データに含まれる認証対象情報の特徴点情報を抽出し、抽出した特徴点情報を特徴点記憶部に登録する特徴点抽出部、をさらに備えることが望ましい。この特徴点抽出部によって、基準の画像データに含まれる認証対象情報の特徴点情報を抽出し、抽出した特徴点情報を特徴点記憶部に事前に登録することができる。
【0011】
本発明に係る通信端末は、画像データの照合に用いられるパラメータ情報を設定するための端末操作部、をさらに備え、パラメータ記憶部は、予め定められたデフォルトのパラメータ情報に加え、端末操作部により設定されたパラメータ情報を記憶し、読出し部は、デフォルトのパラメータ情報よりも設定されたパラメータ情報を優先してパラメータ記憶部から読み出すことが望ましい。この場合、通信端末のユーザは、画像データの照合に用いられるパラメータ情報を端末操作部から自由に設定しパラメータ記憶部に記憶させることができる。また、ユーザにより設定されたパラメータ情報は、デフォルトのパラメータ情報よりも優先してパラメータ記憶部から読み出され、画像データの照合に用いられることになる。
【0012】
本発明に係る通信端末は、画像を撮影するためのカメラ部をさらに備え、画像記憶部は、カメラ部による撮影で得られた画像データを記憶している画像データベースと、通話相手の画像データを記憶している電話帳データベースと、を含むことが望ましい。この場合、電話帳データベースに記憶された画像データとともに、カメラ部による撮影で得られ画像データベースに記憶された画像データを、保護対象とすることができる。
【0013】
上記の認証対象情報およびパラメータ情報は、さまざまな情報を採用することができる。例えば、認証対象情報は顔情報であり、パラメータ情報は、画像データに含まれる顔の数の最小値および最大値を含み、照合部は、画像データに含まれる顔の数が最小値以上で且つ最大値以下であるという条件を加えて、上記の照合を行うこととしてもよい。この場合、画像データに含まれる顔の数が最小値以上で且つ最大値以下の画像データに絞って保護することができる。
【0014】
また、このとき、パラメータ情報は、画像データに含まれる顔の間の距離の最大値をさらに含み、照合部は、画像データに含まれる顔の間の距離が最大値以下であるという条件をさらに加えて、上記の照合を行うこととしてもよい。この場合、画像データに含まれる顔の間の距離が最大値以下の画像データに絞って保護することができる。
【0015】
ところで、上述した通信端末に係る発明は、通信端末により実行される画像データ保護方法に係る発明として捉えることができ、以下のように記述することができる。
【0016】
本発明に係る画像データ保護方法は、複数の画像データと各画像データのシークレット設定情報とを対応付けて記憶している画像記憶部と、基準の画像データに含まれる認証対象情報の特徴点情報を記憶している特徴点記憶部と、画像データの照合に用いられるパラメータ情報を記憶しているパラメータ記憶部と、を備える通信端末、により実行される画像データ保護方法であって、画像記憶部に記憶された対象の画像データと、特徴点記憶部に記憶された特徴点情報と、パラメータ記憶部に記憶されたパラメータ情報とを読み出す読出しステップと、読み出されたパラメータ情報に基づいて、特徴点情報と対象の画像データとを照合する照合ステップと、特徴点情報と対象の画像データとが一致するとの照合結果が得られた場合、前記対象の画像データに対し所定の保護処理を実行する保護処理ステップと、を備える。このような画像データ保護方法に係る発明も、通信端末に係る発明と同様の作用・効果を奏する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、煩雑な操作を不要としつつ画像データを漏れ無く確実に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態に係る通信端末の機能構成を示す図である。
【図2】図1に示す通信端末のハードウェア構成を示す図である。
【図3】画像データベースに記憶された情報の一例を示す図である。
【図4】電話帳データベースに記憶された情報の一例を示す図である。
【図5】特徴点記憶部に記憶された情報の一例を示す図である。
【図6】パラメータ記憶部に記憶された情報の一例を示す図である。
【図7】特徴情報テンプレート作成処理を示すフローチャートである。
【図8】画像データ保護処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付画面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0020】
[通信端末の構成について]
図1は、本発明の一実施形態に係る通信端末10の機能ブロック図である。通信端末10の例としては携帯電話機や携帯情報端末が挙げられるが、通信端末10の種類はこれらに限定されない。図1に示すように、通信端末10は、機能的構成要素として、画像記憶部11、特徴点記憶部12、パラメータ記憶部13、制御部14、カメラ部15、端末操作部16、特徴点抽出部17、及び表示部18を備えている。
【0021】
なお、通信端末10は、ハードウェア構成としては、例えば図2に示すように、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムなどを実行するCPU101と、ROM及びRAMで構成される主記憶部102と、メモリなどで構成される補助記憶部103と、呼の確立やデータ通信を行う通信制御部104と、文字入力用のキーで構成される操作部105と、モニタ及びスピーカで構成される出力部106とを備えている。図1に示す通信端末10の各機能は、CPU101及び主記憶部102の上に所定のソフトウェアを読み込ませ、CPU101の制御の下で、主記憶部102及び補助記憶部103に対しデータの読み書きを行いながら上記ソフトウェアを実行することで実現される。
【0022】
以下、図1の各機能ブロックについて説明する。
【0023】
画像記憶部11は、複数の画像データと各画像データのシークレット設定情報とを対応付けて記憶している部分である。この画像記憶部11は、画像データ(例えばカメラ部15による撮影で得られた画像データ等)を記憶している画像データベース11Bと、通話相手の画像データを含む電話帳情報を記憶している電話帳データベース11Aと、を含んでいる。このうち画像データベース11Bは、例えば図3に示すような画像ファイル名で識別される複数の画像データと、各画像データのシークレット設定情報とを対応付けて記憶している。電話帳データベース11Aは、通話相手の名前および電話番号とともに、例えば図4に示すような画像ファイル名で識別される画像データとそのシークレット設定情報とを対応付けて記憶している。ただし、図4の「山本次郎」の例のように画像データが記憶されていない場合もあり、この場合、シークレット設定情報にはデフォルトのオフ(OFF)が設定されている。
【0024】
特徴点記憶部12は、基準の画像データに含まれる認証対象情報の特徴点情報を記憶している部分である。本実施形態では、基準の画像データとして、シークレット設定情報がオンの画像データを採用し、認証対象情報として顔情報を採用する。ただし、基準の画像データとして何を採用するかは任意であり、上記の例には限定されない。同様に、認証対象情報として何を採用するかは任意であり、上記の例には限定されない。図5に示すように、例えば基準の画像データ「002.jpg」が2つの顔情報を含むと認識された場合、それぞれの顔の特徴点情報が特徴点記憶部12に記憶される。
【0025】
パラメータ記憶部13は、画像データの照合に用いられるパラメータ情報を記憶している部分である。詳細は図6を用いて後述する。
【0026】
制御部14は、後述する画像データ保護に関するさまざまな処理を制御するとともに、通信端末10の各部の動作を監視・制御する部分である。この制御部14は、画像記憶部11に記憶された対象の画像データと特徴点記憶部12に記憶された特徴点情報とパラメータ記憶部13に記憶されたパラメータ情報とを読み出す読出し部14Aと、読み出されたパラメータ情報に基づいて特徴点情報と対象の画像データとを照合する照合部14Bと、特徴点情報と対象の画像データとが一致するとの照合結果が得られた場合、所定の保護処理(本実施形態では一例として、対象の画像データのシークレット設定情報がオンになるよう、画像記憶部11に記憶している対象の画像データのシークレット設定情報を更新する処理)を実行する設定更新部14Cと、を含んでいる。なお、保護処理としては、対象の画像データを削除する処理や、対象の画像データを指定先に自動送信する処理などを採用してもよく、上記のシークレット設定情報の更新処理に限定されるものではない。なお、設定更新部14Cは、特許請求の範囲に記載された「保護処理部」に相当する。
【0027】
カメラ部15は、ユーザが画像を撮影するための部分である。
【0028】
端末操作部16は、画像データの照合に用いられるパラメータ情報をユーザが設定するための部分である。
【0029】
特徴点抽出部17は、基準の画像データに含まれる認証対象情報の特徴点情報を抽出し、抽出した特徴点情報を特徴点記憶部12に登録する部分である。前述したように、本実施形態では、基準の画像データとして、シークレット設定情報がオンの画像データを採用するが、どのような画像データから特徴点情報を抽出するかは任意である。また、本実施形態では、認証対象情報として顔情報を採用するため、特徴点抽出部17は、シークレット設定情報がオンの画像データに含まれる顔情報の特徴点情報を抽出し、抽出した特徴点情報を特徴点記憶部12に登録する。ただし、顔情報の特徴点情報の抽出は、あくまでも一例であり、他の画像認証技術を用いて特徴点情報を抽出することは可能である。
【0030】
表示部18は、シークレット設定情報が更新された画像データをリスト表示又はサムネイル表示する部分である。
【0031】
上記のパラメータ記憶部13に記憶されたパラメータ情報としては、一例として図6に示すような、画像データに含まれる顔の数の最小値Mおよび最大値N、並びに、画像データに含まれる顔の間の距離の最大値Dが挙げられ、それぞれのパラメータについて、予め定められたデフォルトのパラメータ情報(デフォルト値)に加え、ユーザが端末操作部16から設定したパラメータ情報(ユーザ設定値)がパラメータ記憶部13に記憶されている。読出し部14Aは、デフォルト値よりもユーザ設定値を優先してパラメータ記憶部13から読み出す。これにより、通信端末10のユーザは、画像データの照合に用いられるパラメータ情報を端末操作部16から自由に設定しパラメータ記憶部に記憶させることができる。このようにユーザにより設定されたパラメータ情報は、デフォルトのパラメータ情報よりも優先してパラメータ記憶部13から読み出され、画像データの照合に用いられることになる。
【0032】
また、詳細は後述するが、照合部14Bは、画像データに含まれる顔の数が上記の最小値M以上で且つ上記の最大値N以下であるという条件、および、画像データに含まれる顔の間の距離が上記の最大値D以下であるという条件を加えて、照合処理を行う。
【0033】
[画像データ保護方法に係る処理について]
図7は、通信端末10にて実行される特徴情報テンプレート作成処理のフローチャートであり、図8は、通信端末10にて実行される画像データ保護処理のフローチャートである。このうち図7の特徴情報テンプレート作成処理は、シークレット設定情報がオンに設定された画像データに含まれる顔情報の特徴点情報を抽出して特徴点記憶部12に登録するための処理であり、この処理で特徴点記憶部12に登録される特徴点情報は、その後の照合処理で使用される基準の特徴点情報という意味で「特徴情報テンプレート」と呼ばれる。一方、図8の画像データ保護処理は、撮影や画像検索により得られた画像データについて、予め定めたパラメータに照らし保護すべきか否かを自動的に判断し、保護すべき場合は自動的に当該画像データを保護する(ここでは当該画像データのシークレット設定情報をオンに更新する)処理である。
【0034】
最初に、図7を用いて特徴情報テンプレート作成処理について説明する。例えば、ある画像データのシークレット設定情報がオンにされたことをトリガーとして、図7の特徴情報テンプレート作成処理が実行開始される。まず、図7のステップS1では、特徴点抽出部17が、上記画像データに含まれる顔情報の特徴点情報を抽出する。ここでの抽出は、従来の顔認識技術を用いて実行される。上記画像データが複数の顔情報を含む場合は、複数の顔情報の特徴点情報が抽出される。次のステップS2では、特徴点抽出部17は、ステップS1の抽出結果から、特徴情報テンプレートを作成し特徴点記憶部12に登録する。例えば、ステップS1で、画像データ「002.jpg」から2つの顔情報の特徴点情報が抽出された場合、特徴点抽出部17は、図5に示すように、各顔情報について、それぞれの顔の特徴点情報を含む特徴情報テンプレートを作成し特徴点記憶部12に登録する。以上のようにして各顔情報についての特徴情報テンプレートが特徴点記憶部12に登録されていく。このようにして、各顔情報についての特徴情報テンプレートを特徴点記憶部12に事前に登録することができる。
【0035】
次に、図8を用いて画像データ保護処理について説明する。例えば、ユーザがカメラ部15によって画像を撮影したこと、又は、ユーザが端末操作部16から画像検索機能を実行したことをトリガーとして、図8の画像データ保護処理が制御部14によって実行開始される。このとき、撮影で得られた画像データや画像検索機能で得られた画像データは、画像記憶部11に一時記憶される。
【0036】
まず、図8のステップS11では、読出し部14Aが、画像記憶部11に一時記憶されている対象の画像データと、特徴点記憶部12に記憶されている特徴情報テンプレートと、パラメータ記憶部13に記憶されているパラメータ情報とを、それぞれ読み出す。このステップS11は、本発明に係る読出しステップに相当する。ここで、パラメータ記憶部13には、図6に示すようにデフォルト値とユーザ設定値の両方が記憶されているため、読出し部14Aは、デフォルト値よりもユーザ設定値を優先し、顔の数の最小値Mとして「3」を、顔の数の最大値Nとして「5」を、顔の間の距離の最大値Dとして「20」を、それぞれパラメータ記憶部13から読み出す。
【0037】
次に、ステップS12において照合部14Bは、従来の顔認識技術に基づき対象の画像データに含まれる顔情報を抽出し、得られた顔情報と特徴情報テンプレートとを照合して、両者が一致するか否かを判断する。ここで一致しない場合は、後述するステップS16へ進み、一方、一致する場合はステップS13へ進む。
【0038】
ステップS13では、照合部14Bは、従来の顔認識技術に基づき対象の画像データに含まれる顔の数が最小値M以上且つ最大値N以下(ここでは3個以上で5個以下)であるか否かを判断する。ここで一致しない場合は、後述するステップS16へ進み、一方、一致する場合はステップS14へ進む。
【0039】
ステップS14では、照合部14Bは、従来の顔認識技術および距離の推定技術に基づき、対象の画像データに含まれる顔の間の距離が最大値D以下(ここでは20cm以下)であるか(即ち、顔の間の距離が20cm以下である複数の顔が含まれるか)否かを判断する。ここで一致しない場合は、後述するステップS16へ進み、一方、一致する場合はステップS15へ進む。
【0040】
以上のステップS12〜S14の照合結果として、顔情報が特徴情報テンプレートと一致し且つ顔の数が最小値M以上で最大値N以下であり且つ顔の間の距離が最大値D以下である画像データが抽出されることになる。具体的には、顔情報が特徴情報テンプレートと一致し且つ顔の数が3個以上で5個以下であり且つ顔の間の距離が20cm以下である複数の顔が含まれる画像データが抽出される。この例では、特徴情報テンプレートと一致する特徴点を持つ顔が含まれ、且つ、写っている顔が3個以上で5個以下であり、且つ、顔の間の距離が非常に近い(20cm以下である)複数の顔が含まれる画像データが抽出され、保護すべき画像データとされる。なお、ステップS12〜S14は、本発明に係る照合ステップに相当する。
【0041】
ステップS12〜S14で抽出された画像データ(即ち、顔情報が特徴情報テンプレートと一致し且つ顔の数が最小値M以上で最大値N以下であり且つ顔の間の距離が最大値D以下である画像データ)は保護すべき画像データと判断できるため、ステップS15において設定更新部14Cは、ステップS12〜S14で抽出された画像データについて、そのシークレット設定情報をオンに更新する。このステップS15は、本発明に係る設定更新ステップに相当する。
【0042】
一方、ステップS12〜S14のいずれかで否定判断された画像データは、保護すべき画像データに該当しないと判断できるため、そのような画像データのシークレット設定情報のオンへの更新は回避され、シークレット設定情報はオフのままとされる(ステップS16)。
【0043】
以上説明したように、通信端末10では、事前に記憶されたパラメータ情報に基づいて、対象の画像データは、事前に記憶された特徴点情報と自動的に照合され、一致するとの照合結果が得られると、対象の画像データのシークレット設定情報がオンになるよう自動的に更新される。このように対象の画像データについてのシークレット設定は、画像データ毎にその都度操作することなく、特徴点情報との自動照合の結果に応じて自動的に実行されるため、煩雑な操作を不要としつつ画像データを漏れ無く確実に保護することができる。
【0044】
なお、図8の処理完了後、表示部18は、シークレット設定情報がオンに更新された画像データを自動的にリスト表示又はサムネイル表示する。これにより、ユーザは、シークレット設定情報がオンに更新された画像データを確認することができる。
【0045】
以上、本発明を、その実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で以下のような様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0046】
10…通信端末、11…画像記憶部、11A…電話帳データベース、11B…画像データベース、12…特徴点記憶部、13…パラメータ記憶部、14…制御部、14A…読出し部、14B…照合部、14C…設定更新部(保護処理部)、15…カメラ部、16…端末操作部、17…特徴点抽出部、18…表示部、101…CPU、102…主記憶部、103…補助記憶部、104…通信制御部、105…操作部、106…出力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像データと各画像データのシークレット設定情報とを対応付けて記憶している画像記憶部と、
基準の画像データに含まれる認証対象情報の特徴点情報を記憶している特徴点記憶部と、
画像データの照合に用いられるパラメータ情報を記憶しているパラメータ記憶部と、
前記画像記憶部に記憶された対象の画像データと、前記特徴点記憶部に記憶された特徴点情報と、前記パラメータ記憶部に記憶されたパラメータ情報とを読み出す読出し部と、
読み出された前記パラメータ情報に基づいて、前記特徴点情報と前記対象の画像データとを照合する照合部と、
前記特徴点情報と前記対象の画像データとが一致するとの照合結果が得られた場合、前記対象の画像データに対し所定の保護処理を実行する保護処理部と、
を備える通信端末。
【請求項2】
基準の画像データに含まれる認証対象情報の特徴点情報を抽出し、抽出した特徴点情報を前記特徴点記憶部に登録する特徴点抽出部、
をさらに備える請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
前記通信端末は、画像データの照合に用いられるパラメータ情報を設定するための端末操作部、をさらに備え、
前記パラメータ記憶部は、予め定められたデフォルトのパラメータ情報に加え、前記端末操作部により設定されたパラメータ情報を記憶しており、
前記読出し部は、デフォルトのパラメータ情報よりも前記設定されたパラメータ情報を優先して前記パラメータ記憶部から読み出す、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の通信端末。
【請求項4】
前記通信端末は、画像を撮影するためのカメラ部、をさらに備え、
前記画像記憶部は、前記カメラ部による撮影で得られた画像データを記憶している画像データベースと、通話相手の画像データを記憶している電話帳データベースと、を含む、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の通信端末。
【請求項5】
前記所定の保護処理は、
前記対象の画像データのシークレット設定情報がオンになるよう、前記画像記憶部に記憶している前記対象の画像データのシークレット設定情報を更新する処理である、
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の通信端末。
【請求項6】
前記基準の画像データは、シークレット設定情報がオンの画像データである、
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の通信端末。
【請求項7】
前記認証対象情報は、顔情報であり、
前記パラメータ情報は、画像データに含まれる顔の数の最小値および最大値を含み、
前記照合部は、画像データに含まれる顔の数が前記最小値以上で且つ前記最大値以下であるという条件を加えて、前記照合を行う、
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の通信端末。
【請求項8】
前記パラメータ情報は、画像データに含まれる顔の間の距離の最大値をさらに含み、
前記照合部は、画像データに含まれる顔の間の距離が前記最大値以下であるという条件をさらに加えて、前記照合を行う、
ことを特徴とする請求項7に記載の通信端末。
【請求項9】
複数の画像データと各画像データのシークレット設定情報とを対応付けて記憶している画像記憶部と、基準の画像データに含まれる認証対象情報の特徴点情報を記憶している特徴点記憶部と、画像データの照合に用いられるパラメータ情報を記憶しているパラメータ記憶部と、を備える通信端末、により実行される画像データ保護方法であって、
前記画像記憶部に記憶された対象の画像データと、前記特徴点記憶部に記憶された特徴点情報と、前記パラメータ記憶部に記憶されたパラメータ情報とを読み出す読出しステップと、
読み出された前記パラメータ情報に基づいて、前記特徴点情報と前記対象の画像データとを照合する照合ステップと、
前記特徴点情報と前記対象の画像データとが一致するとの照合結果が得られた場合、前記対象の画像データに対し所定の保護処理を実行する保護処理ステップと、
を備える画像データ保護方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−203864(P2011−203864A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−68819(P2010−68819)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】