説明

通信装置、移動通信端末、通信システム、及び通信方法

【課題】移動通信端末間の呼接続の確立時におけるユーザの違和感の低減を図ることができる通信装置、移動通信端末、通信システム、及び通信方法を提供する。
【解決手段】SIPサーバ3は、要求受信部301と、セッション判定部302と、着信通知送信部303と、応答情報受信部304と、指示情報送信部305とを備えている。要求受信部301は、移動通信端末2aから呼接続要求を受信する。セッション判定部302は、PDPコンテキストを用いて情報を送受信できるか否かを判定する。着信通知送信部303は、着信通知をSMSによって送信するように送信指示情報を送信する。応答情報受信部304は、着信通知を送信したことに応じて、移動通信端末2bから応答情報を受信する。指示情報送信部305は、応答情報を受信した場合に移動通信端末2aに呼び出し音の再生を指示する指示情報を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、移動通信端末、通信システム、及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、3GPP(3rd GenerationPartnership Project)準拠のシステムを始めとする移動体通信システムでは、移動体通信網のコアネットワーク技術をIMS(IP Multimedia Subsystem)ネットワークに移行する傾向にある。IMSネットワークは、SIP(Session InitiatedProtocol)という通信プロトコルを用い、データ通信だけでなく音声や動画のリアルタイム通信を実現するマルチメディアサービスを提供できるネットワークである。特許文献1には、IMSネットワークを備える移動体通信システムが記載されている。
【特許文献1】特開2007−60181号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、3GPP準拠のシステム等では、上記IMSネットワークと通信をするために、IMS用のPDP(Packet DataProtocol)コンテキスト(GPRS(General Packet Radio Service)におけるパケットセッション)を確立し、インターネットと通信するためには、インターネット用のPDPコンテキストを移動通信端末と移動体通信網との間に確立(設定)する必要がある。また、IMSネットワークを用いて音声発着信をする場合にあっては、IMS用のPDPコンテキストを発着信中常に確立しておく必要がある。そのため、例えばインターネットを使用しながら音声発着信をするためには、上記2つのPDPコンテキストを同時に確立する必要があるが、以下のような問題がある。
【0004】
すなわち、2つのPDPコンテキストを同時に制御するための呼処理のソフトウェアが複雑化するため、システムの開発コストが増大するといった問題がある。また、移動衛星通信システムにおいては、通信路の容量が少ないため、無線区間で2つのPDPコンテキストを確立することができないといった問題もある。従って、現状では、音声発着信又はインターネット用のPDPコンテキストを音声発着信又はインターネット通信の度に確立する必要がある。
【0005】
ここで、例えばインターネット用のPDPコンテキストが確立されている状態で、移動通信端末が他の移動通信端末から着信を受けた場合には、IMS用のPDPコンテキストを確立する必要がある。そして、移動通信端末は、このIMS用のPDPコンテキストが確立されることにより、他の移動通信端末からの着信通知をSIPによって受信することになる。このとき、PDPコンテキストの確立には時間を必要とするため、セッション確立までの間、発信側の移動通信端末では呼び出し音(リングバックトーン:RBT)が鳴らず、無音時間が継続する。特に、伝播遅延が大きい移動衛星通信システムでは、無音時間が長時間継続するおそれがあり、ユーザが違和感を覚えるといった問題が生じる。
【0006】
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、移動通信端末間の呼接続の確立時におけるユーザの違和感の低減を図ることができる通信装置、移動通信端末、通信システム、及び通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明に係る通信装置は、移動体通信網上において、第1の移動通信端末と第2の移動通信端末との間の呼接続を確立する通信装置であって、第1の移動通信端末から第1の移動通信端末を特定する特定情報及び第2の移動通信端末を特定する特定情報を含む呼接続要求を受信する要求受信手段と、要求受信手段によって呼接続要求を受信した場合に、第2の移動通信端末と移動体通信網との間で確立される呼接続用のセッションを用いて第2の移動通信端末との間で情報を送受信できるか否かを判定する判定手段と、判定手段によってセッションを用いて情報の送受信ができないと判定された場合に、要求受信手段によって受信した呼接続要求に基づいて、第2の移動通信端末に着信通知をセッション以外の手段によって送信する着信通知送信手段と、着信通知送信手段によって第2の移動通信端末に着信通知を送信したことに応じて、第2の移動通信端末から着信通知に対して応答することを示す応答情報を受信する応答情報受信手段と、応答情報受信手段によって第2の移動通信端末から応答情報を受信した場合に、第1の移動通信端末に呼び出し音の再生を指示する指示情報を送信する指示情報送信手段と、指示情報送信手段によって第1の移動通信端末に指示情報を送信した後、第1の移動通信端末及び第2の移動通信端末の間の呼接続を確立する呼接続確立手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
この構成により、第1の移動通信端末から呼接続の確立要求を受信すると、セッションを用いて第2の移動通信端末と情報の送受信ができるか否かを判定し、セッションを用いて情報の送受信ができないと判定された場合には、セッション以外の手段によって着信通知を第2の移動通信端末に送信する。そして、この着信通知を送信したことに応じて第2の移動通信端末から応答情報を受信した場合には、第1の移動通信端末に呼び出し音の再生を指示する指示情報を送信する。これにより、第2の移動通信端末において、呼接続用(発着信用)のセッション(例えば、IMS用のPDPコンテキスト)を確立する前に、着信通知をセッション以外の手段によって受信することができるので、第2の移動通信端末が呼び出しを開始できる。そのため、その呼び出しに応じて第1の移動通信端末の呼び出し音を再生させるための指示情報を早いタイミングで送信することができる。従って、セッションを新たに確立するために時間を要した場合であっても、セッションが確立するまでの間、第1の移動通信端末では呼び出し音が再生され、第1の移動通信端末が無音状態になることがない。その結果、移動通信端末間の呼接続の確立時におけるユーザの違和感の低減を図ることができる。
【0009】
また、着信通知は、第1の移動通信端末の特定情報を含んでいることが好適である。この構成により、着信通知を受けた第2の移動通信端末では、発信先をセッションが確立する前に認識することができる。
【0010】
また、呼接続確立手段によって第1の移動通信端末及び第2の移動通信端末の間の呼接続の確立を行う前の状態において、第1の移動通信端末から呼接続の確立の中断を要求する中断要求情報を受信する中断要求情報受信手段と、中断要求情報受信手段によって中断要求情報を受信し、判定手段によってセッションを用いて情報の送受信ができないと判定された場合に、呼接続の確立が中断されたことを示す中断情報を第2の移動通信端末にセッション以外の手段によって送信する中断情報送信手段と、を更に備え、呼接続確立手段は、中断情報送信手段によって中断情報を第2の移動通信端末に送信した後に、第1の移動通信端末及び第2の移動通信端末の間の呼接続の確立を中断することが好適である。
【0011】
従来では、第1の移動通信端末の呼接続の確立の要求に応じて第2の移動通信端末のセッションが確立した後に、第2の移動通信端末に着信が通知される。そのため、セッションの確立前に第1の移動通信端末が発信を中止した場合であっても、第2の移動通信端末では発信が中止されたことを知り得ないため、セッションが確立されると第2の移動通信端末の呼び出しが開始される。このとき、第2の移動通信端末が呼び出しに応答した(ユーザが電話に出た)場合には、第1の移動通信端末が発信を中止しているので、無音状態になるといった問題があった。そこで、本発明に係る通信装置では、セッションが確立する前に第1の移動通信端末から呼接続を中断する中断要求情報を受信した場合には、その旨を示す中断情報をセッション以外の手段によって第2の移動通信端末に送信する。これにより、セッションが確立する前に第1の移動通信端末が発信を中止した場合であっても、第2の移動通信端末の着信を中止することができる。従って、第1の移動通信端末が発信を中止した後に第2の移動通信端末が呼び出しに応答することを防止することができる。
【0012】
また、呼接続確立手段によって第1の移動通信端末及び第2の移動通信端末の間の呼接続の確立を行う前の状態において、第1の移動通信端末から呼接続の確立の中断を要求する中断要求情報を受信する中断要求情報受信手段と、中断要求情報受信手段によって受信された中断情報を一時的に保持する保持手段と、第2の移動通信端末からセッションを用いて送信された情報を受信して、保持手段に保持されている中断情報を第2の移動通信端末にセッションによって送信する中断情報送信手段と、を更に備え、呼接続確立手段は、中断情報送信手段によって中断情報を第2の移動通信端末に送信した後に、第1の移動通信端末及び第2の移動通信端末の間の呼接続の確立を中断することが好適である。
【0013】
従来では、第1の移動通信端末の呼接続の確立の要求に応じて第2の移動通信端末のセッションが確立した後に、第2の移動通信端末に着信が通知される。そのため、セッションの確立前に第1の移動通信端末が発信を中止した場合であっても、第2の移動通信端末では発信が中止されたことを知り得ないため、セッションが確立されると第2の移動通信端末の呼び出しが開始される。このとき、第2の移動通信端末が呼び出しに応答した場合には、第1の移動通信端末が発信を中止しているので、無音状態になるといった問題があった。そこで、本発明に係る通信装置では、セッションが確立する前に第1の移動通信端末から呼接続を中断する中断要求情報を受信した場合には、その中断情報を一時的に保持し、第2の移動通信端末からセッションを用いて送信された情報を受信したときに中断情報をセッションを用いて第2の移動通信端末に送信する。これにより、セッションが確立する前に第1の移動通信端末が発信を中止した場合であっても、セッションの確立と同時に第2の移動通信端末の着信を中止することができる。従って、第1の移動通信端末が発信を中止した後に第2の移動通信端末が呼び出しに応答することを防止することができる。
【0014】
本発明に係る移動通信端末は、移動体通信網上において、別の移動通信端末との間に呼接続が確立されることによって通信を行う移動通信端末であって、別の移動通信端末から別の移動通信端末を特定する特定情報を含む着信通知を、移動通信端末と移動体通信網との間で確立される呼接続用のセッション以外の手段によって受信する着信通知受信手段と、着信通知受信手段によって着信通知を受信した場合に、着信通知に応答することを示す応答情報を送信する応答情報送信手段と、着信通知受信手段によって着信通知を受信した場合に、別の移動通信端末の特定情報に基づいて、移動通信端末が呼び出しを開始するように制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
この構成により、別の移動通信端末の特定情報を含む着信通知をセッション以外の手段によって受信した場合に、この着信通知に応答することを示す応答情報を送信する。また、別の移動通信端末の特定情報に基づいて呼び出しを開始する。この場合、発側の別の移動通信端末の特定情報を含む着信通知を受信することで、セッションが確立されていない状態であっても、セッション以外の手段によって着信通知を受信することで移動通信端末において呼び出しを開始することができる。このとき、応答情報を送信することで、セッションの確立がなされる前に早い段階で別の移動通信端末に呼び出し音を再生させることができる。従って、セッションを確立している間、別の移動通信端末が無音状態になることがない。その結果、移動通信端末間の呼接続の確立時におけるユーザの違和感の低減を図ることができる。
【0016】
また、呼接続の確立が中断されたことを示す中断情報を受信する中断情報受信手段と、中断情報受信手段によって中断情報を受信した場合に、移動通信端末の呼び出しを中断するように制御する制御手段と、を備えることが好適である。この構成により、中断情報を受信した場合には、移動通信端末の呼び出しを中断するように制御する。これにより、例えばセッションが確立する前に別の移動通信端末が発信を中止した場合であっても、移動通信端末の着信を中止することができる。従って、第1の移動通信端末が発信を中止した後に第2の移動通信端末が呼び出しに応答することを防止することができる。
【0017】
上記の目的を達成するために、本発明に係る通信システムは、移動体通信網上において、別の移動通信端末との間に呼接続が確立されることによって通信を行う移動通信端末と、移動体通信網上において、第1の移動通信端末と第2の移動通信端末との間の呼接続を確立する通信装置とを含む通信システムであって、移動通信端末は、別の移動通信端末から送信された別の移動通信端末を特定する特定情報を含む着信通知を、移動通信端末と移動体通信網との間で確立される呼接続用のセッション以外の手段によって通信装置から受信する着信通知受信手段と、着信通知受信手段によって着信通知を受信した場合に、着信通知に応答することを示す応答情報を通信装置に送信する応答情報送信手段と、着信通知受信手段によって着信通知を受信した場合に、別の移動通信端末の特定情報に基づいて、移動通信端末が呼び出しを開始するように制御する制御手段と、を備え、通信装置は、第1の移動通信端末から第1の移動通信端末を特定する特定情報及び第2の移動通信端末を特定する特定情報を含む呼接続要求を受信する要求受信手段と、要求受信手段によって呼接続要求を受信した場合に、移動通信端末と移動体通信網との間で確立される呼接続用のセッションを用いて第2の移動通信端末との間で情報を送受信できるか否かを判定する判定手段と、判定手段によってセッションを用いて情報の送受信ができないと判定された場合に、要求受信手段によって受信した呼接続要求に基づいて、第2の移動通信端末に第1の移動通信端末の特定情報を含む着信通知をセッション以外の手段によって送信する着信通知送信手段と、着信通知送信手段によって第2の移動通信端末に着信通知を送信したことに応じて、第2の移動通信端末から着信通知に対して応答することを示す応答情報を受信する応答情報受信手段と、応答情報受信手段によって第2の移動通信端末から応答情報を受信した場合に、第1の移動通信端末に呼び出し音の再生を指示する指示情報を送信する指示情報送信手段と、指示情報送信手段によって第1の移動通信端末に指示情報を送信した後、第1の移動通信端末及び第2の移動通信端末の間の呼接続を確立する呼接続確立手段と、を備えることを特徴とする。
【0018】
この構成により、第1の移動通信端末(別の移動通信端末)から呼接続の確立要求が受信されると、セッションを用いて第2の移動通信端末(移動通信端末)と情報の送受信ができるか否かが判定され、セッションを用いて情報の送受信ができないと判定された場合には、セッション以外の手段によって着信通知が第2の移動通信端末に送信される。そして、この着信通知を送信したことに応じて第2の移動通信端末から応答情報が受信された場合には、第1の移動通信端末に呼び出し音の再生を指示する指示情報が送信される。これにより、第2の移動通信端末において、呼接続用のセッション(例えば、IMS用のPDPコンテキスト)を確立する前に、着信通知をセッション以外の手段によって受信することができるので、第2の移動通信端末が呼び出しを開始できる。そのため、その呼び出しに応じて第1の移動通信端末の呼び出し音を再生させるための指示情報を早いタイミングで送信することができる。従って、セッションを新たに確立するために時間を要した場合であっても、セッションが確立するまでの間、第1の移動通信端末では呼び出し音が再生され、第1の移動通信端末が無音状態になることがない。その結果、移動通信端末間の呼接続の確立時におけるユーザの違和感の低減を図ることができる。
【0019】
ところで、本発明は、上記のように通信装置、移動通信端末、通信システムの発明として記述できる他に、以下のように通信方法の発明としても記述することができる。これはカテゴリが異なるだけで、実質的に同一の発明であり、同様の作用及び効果を奏する。
【0020】
即ち、本発明に係る通信方法は、移動体通信網上において、第1の移動通信端末と第2の移動通信端末との間の呼接続を確立する通信装置による通信方法であって、第1の移動通信端末から第1の移動通信端末を特定する特定情報及び第2の移動通信端末を特定する特定情報を含む呼接続要求を受信する要求受信ステップと、要求受信ステップにおいて呼接続要求を受信した場合に、移動通信端末と移動体通信網との間で確立される呼接続用のセッションを用いて第2の移動通信端末との間で情報を送受信できるか否かを判定する判定ステップと、判定ステップにおいてセッションを用いて情報の送受信ができないと判定された場合に、要求受信手段によって受信した呼接続要求に基づいて、第2の移動通信端末に着信通知をセッション以外の手段によって送信する着信通知送信ステップと、着信通知送信ステップにおいて第2の移動通信端末に着信通知を送信したことに応じて、第2の移動通信端末から着信通知に対して応答することを示す応答情報を受信する応答情報受信ステップと、応答情報受信ステップにおいて第2の移動通信端末から応答情報を受信した場合に、第1の移動通信端末に呼び出し音の再生を指示する指示情報を送信する指示情報送信ステップと、指示情報送信ステップにおいて第1の移動通信端末に指示情報を送信した後、第1の移動通信端末及び第2の移動通信端末の間の呼接続を確立する呼接続確立ステップと、を含むことを特徴とする
【0021】
また、本発明に係る通信方法は、移動体通信網上において、別の移動通信端末との間に呼接続が確立されることによって通信を行う移動通信端末による通信方法であって、別の移動通信端末から別の移動通信端末を特定する特定情報を含む着信通知を、移動通信端末と移動体通信網との間で確立される呼接続用のセッション以外の手段によって受信する着信通知受信ステップと、着信通知受信ステップにおいて着信通知を受信した場合に、着信通知に応答することを示す応答情報を送信する応答情報送信ステップと、着信通知受信ステップにおいて着信通知を受信した場合に、別の移動通信端末の特定情報に基づいて、移動通信端末が呼び出しを開始するように制御する制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係る通信方法は、移動体通信網上において、別の移動通信端末との間に呼接続が確立されることによって通信を行う移動通信端末と、移動体通信網上において、第1の移動通信端末と第2の移動通信端末との間の呼接続を確立する通信装置とを含む通信システムによる通信方法であって、移動通信端末が、別の移動通信端末から送信された別の移動通信端末を特定する特定情報を含む着信通知を、移動通信端末と移動体通信網との間で確立される呼接続用のセッション以外の手段によって通信装置から受信する着信通知受信ステップと、着信通知受信ステップにおいて着信通知を受信した場合に、着信通知に応答することを示す応答情報を通信装置に送信する応答情報送信ステップと、着信通知受信ステップにおいて着信通知を受信した場合に、別の移動通信端末の特定情報に基づいて、移動通信端末が呼び出しを開始するように制御する制御ステップと、を含み、通信装置が、第1の移動通信端末から第1の移動通信端末を特定する特定情報及び第2の移動通信端末を特定する特定情報を含む呼接続要求を受信する要求受信ステップと、要求受信ステップにおいて呼接続要求を受信した場合に、移動通信端末と移動体通信網との間で確立される呼接続用のセッションを用いて第2の移動通信端末との間で情報を送受信できるか否かを判定する判定ステップと、判定ステップにおいてセッションを用いて情報の送受信ができないと判定された場合に、要求受信手段によって受信した呼接続要求に基づいて、第2の移動通信端末に着信通知をセッション以外の手段によって送信する着信通知送信ステップと、着信通知送信ステップにおいて第2の移動通信端末に着信通知を送信したことに応じて、第2の移動通信端末から着信通知に対して応答することを示す応答情報を受信する応答情報受信ステップと、応答情報受信ステップにおいて第2の移動通信端末から応答情報を受信した場合に、第1の移動通信端末に呼び出し音の再生を指示する指示情報を送信する指示情報送信ステップと、指示情報送信ステップにおいて第1の移動通信端末に指示情報を送信した後、第1の移動通信端末及び第2の移動通信端末の間の呼接続を確立する呼接続確立ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、音声発着信において、着信側の移動通信端末が呼接続用のセッションを確立する前にセッション以外の手段によって着信通知を受信することができる。そのため、発信側の移動通信端末の呼び出し音を再生させるための指示情報を早いタイミングで送信することができ、セッションを確立するために時間を要した場合であっても、セッションが確立するまでの間、発信側の移動通信端末では呼び出し音が再生され、発信側の移動通信端末が無音状態になることがない。その結果、移動通信端末間の呼接続の確立時におけるユーザの違和感の低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面と共に本発明に係る通信装置、移動通信端末、通信システム、及び通信方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0025】
図1に本発明の一実施形態に係る通信装置を含む通信システムの構成を示す。同図に示すように、通信システム1は、移動通信端末2a,2bと、SIP(Session Initiated Protocol)サーバ(通信装置)3と、GPRS(General PacketRadio Service)交換機4とを含んで構成されている。SIPサーバ3は、コアネットワークであるIMS(IP Multimedia Subsystem)ネットワークN1に含まれている。GPRS交換機4は、GPRSネットワークN2に含まれている。移動通信端末2a,2bは、GPRSネットワークN2を介して別の移動通信端末2a,2bとの間で無線通信を行う。移動通信端末2a,2b間の通信は、それぞれの移動通信端末2a,2bとGPRSネットワークN2との間にセッションが確立されて行われる。また、通信システム1は、上記の構成要素以外に、加入者情報管理サーバ5を含んでいる。なお、図1には、移動通信端末2a,2bは2つしか示されていないが、移動体通信システム1には、通常、無数の移動通信端末2a,2bが含まれている。また、図1には、移動通信端末2bと直接通信を行うGPRS交換機4しか示されていないが、移動通信端末2aと直接通信を行うGPRS交換機も設けられている。
【0026】
IMSネットワークN1は、SIPを用い、データ通信だけでなく音声や動画のリアルタイム通信を実現するマルチメディアサービスを提供できるネットワークである。また、GPRSネットワークN2は、移動通信端末2a,2bの接続対象であり、移動通信端末2a,2bに移動体通信を可能にさせる移動体通信網である。なお、通常、GPRSネットワークN2には、図示しない複数の基地局やRNC(Radio Network Controller:無線ネットワーク制御装置)が含まれている。また、GPRSネットワークN2は、インターネット(図示しない)にも接続されており、移動通信端末2a,2bは、GPRSネットワークN2を介してインターネットにも接続可能となっている。
【0027】
移動通信端末2a,2bは、例えば携帯電話機であり、自機が在圏する無線エリアをカバーする基地局と無線通信を行い、GPRSネットワークN2に接続して、ユーザの操作に応じて、GPRSネットワークN2における通話サービス又はパケット通信サービスを受ける通信端末である。
【0028】
SIPサーバ3は、IMSネットワークN1に含まれると共にGPRSネットワークN2(GPRS交換機4)と接続されており、SIPに係る機能を提供するサーバ装置である。SIPに係る機能は、SIP登録機能、SIP転送機能等である。ここで、SIP登録機能は、移動通信端末2a,2bがSIPによる通信が可能とするために加入者情報(移動通信端末に係る情報)を登録する加入者情報管理サーバ5に登録(SIP登録)する機能である。なお、SIP登録を行うためには、移動通信端末2a,2bとGPRS交換機4との間でセッションが確立されていることが必要となる。セッションついては、後述する。SIPサーバ3は、通信システム1に複数含まれている。
【0029】
GPRS交換機4は、移動通信端末2a,2bとの間で信号の送受信を行い、移動通信端末2a,2bの通信のための接続を確立させるための装置である。GPRS交換機4は、移動通信端末2a,2bとGPRS交換機4との間のセッションを確立させる機能を有する。具体的には、GPRS交換機4は、GPRSネットワークN2を使って、音声発着信をするためのIMS(呼接続)用のPDPコンテキスト(セッション)を確立する。このIMS用のPDPコンテキストが確立されることにより、移動通信端末2a,2bとSIPサーバ3との間でSIPによる通信が可能となる。また、GPRS交換機4は、インターネットと通信をするためのインターネット用のPDPコンテキスト(セッション)を確立する。なお、これら2つのPDPコンテキストは、同時に確立することができない。また、GPRS交換機4は、SIPサーバ3との間で信号を送受信し、SIPサーバ3から送信された信号(情報)を移動通信端末2a,2bにSMS(Short Message Service)によって通知する機能を有している。SMSは、IMS用のPDPコンテキストを用いないで情報を送信する手段であり、IMS用のPDPコンテキストが確立されていない場合に用いられる。なお、本実施形態では、セッション以外の手段をSMSとしているが、その他のセッション以外の手段であってもよい。
【0030】
加入者情報管理サーバ5は、移動通信端末2a,2bが通信を行うために必要な各移動通信端末2a,2bに対応する情報を管理するサーバである。加入者情報管理サーバ5は、上述のように、SIPサーバ3からSIP登録を受け付けて、このSIP登録に係る情報を保持する。なお、図1では、加入者情報管理サーバ5がIMSネットワークN1に含まれない構成となっているが、IMSネットワークに含まれる構成であってもよい。
【0031】
図2は、移動通信端末2a,2bのハードウェア構成を示す図である。図2に示すように、移動通信端末2a,2bは、CPU(Central Processing Unit)21、RAM(Random Access Memory)22、ROM(Read OnlyMemory)23、操作部24、無線通信部25、ディスプレイ26、及びアンテナ27等のハードウェアにより構成されている。これらの構成要素が動作することにより、以下に説明する移動通信端末2a,2bの各機能が発揮される。
【0032】
図3は、SIPサーバ3のハードウェア構成を示す図である。図3に示すように、SIPサーバ3は、CPU31、主記憶装置であるRAM32及びROM33、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信モジュール34、並びにハードディスク等の補助記憶装置34等のハードウェアを備えるコンピュータとして構成される。これらの構成要素が動作することにより、SIPサーバ3の後述する機能が発揮される。なお、GPRS交換機4及び加入者情報管理サーバ5も、同様のハードウェア構成を有する。
【0033】
引き続いて、移動通信端末2a,2b、SIPサーバ3、及びGPRS交換機4の機能について説明する。
【0034】
図4は、移動通信端末2a,2bの構成を示すブロック構成図である。図4に示すように、移動通信端末2a,2bは、要求送信部201と、特定情報格納部202と、着信通知受信部203と、通信判定部204と、応答情報送信部205と、セッション確立要求部206と、SIP登録要求部207と、指示情報受信部208と、中断情報受信部209と、制御部210とを備えている。なお、移動通信端末2a,2bは、通話を行うための通話機能や通信を行うための通信機能等を更に備えている。また、以下において、説明の便宜上、発信側を移動通信端末2a、着信側を移動通信端末2bとする。
【0035】
要求送信部201は、移動通信端末2a,2bとの間の呼接続の確立を要求する要求情報(INVITE、括弧内に示す信号名はGPRS(General Packet Radio Service)に準拠するものである。以下同様)を、GPRSネットワークN2を介してSIPサーバ3に送信する。要求送信部201は、ユーザの指示に基づいて、特定情報格納部202を参照し、呼接続の確立の要求先である移動通信端末を特定する特定情報を抽出する。特定情報格納部202には、呼接続の対象となるユーザの特定情報が例えばユーザ名等と対応付けて格納されている。そして、要求送信部201は、その特定情報及び自機の特定情報(発信者情報)を要求情報と共にSIPサーバ3に送信する。なお、特定情報としては、移動通信端末2a,2bを識別できる例えば電話番号等が挙げられる。
【0036】
着信通知受信部203は、移動通信端末2aからこの移動通信端末2aを特定する特定情報を含む着信通知を受信する着信通知受信手段である。着信通知受信部203は、GPRS交換機4からSMSによって着信通知を受信する。着信通知受信部203は、着信通知を受信した旨を示す着信情報を応答送信部205、及び通信判定部204に出力する。また、着信通知受信部203は、移動通信端末2aの特定情報が含まれた着信情報を制御部210に出力する。
【0037】
通信判定部204は、着信通知受信部203から着信情報を受け取ると、着信通知部203によって受信された着信通知がSMSによって受信された否かを判定する。通信判定部204は、着信通知受信部203が着信通知を受信した場合に、着信通知がGPRS交換機4からSMSによって受信されたか否かを判定し、SMSによって受信されたと判定した場合には、セッション要求部206にその旨を示す通信情報を出力する。なお、GPRS交換機4からSMSによって着信通知受信部203が着信通知を受信した場合には、IMS用のPDPコンテキストが確立されていない事を示している。一方、SIPサーバ3からSIPによって着信通知を着信通知受信部203が受信した場合には、IMS用のPDPコンテキストが確立されていることを示している。
【0038】
応答情報送信部205は、着信通知受信部203によって着信通知を受信した場合に、着信通知に応答することを示す応答情報を送信する応答情報送信手段である。この応答情報は、発着信の処理ができるか否かを確認するための情報であり、ユーザの意思による応答とは異なり移動通信端末2bから自動的に送信される。応答情報送信部205は、着信通知受信部203から着信情報を受け取ると、着信通知に応答することを示す応答情報をGPRS交換機4にSMSによって送信する。
【0039】
セッション確立要求部206は、通信判定部204から通信情報を受け取ると、IMS用のPDPコンテキストの確立を要求する確立要求をGPRS交換機4に送信する。また、セッション要求部206は、インターネット用のPDPコンテキストが確立されている場合に、GPRS交換機4にIMS用のPDPコンテキストに張替え(確立)を要求する確立要求をGPRS交換機4に送信する。
【0040】
SIP登録要求部207は、セッション確立要求部206からGPRS交換機4に送信された確立要求に応じて、GPRS交換機4との間でセッションが確立された場合に、SIPサーバ3にSIP登録を要求するSIP登録要求(Register)を送信する。なお、移動通信端末2bとGPRS交換機4との間で既にセッション確立されている場合には、移動通信端末2bとSIPサーバ3との間でSIP登録が既に完了している。
【0041】
指示情報受信部208は、SIPサーバ3から呼び出し音(以下、RBT)を再生させるための指示情報を受信する。指示情報受信部208は、指示情報(180 Ringing)を受信すると、制御部210にRBTを再生させるための再生情報を出力する。
【0042】
中断情報受信部209は、呼接続の確立が中断されたことを示す中断情報を受信する中断情報受信手段である。中断情報受信部209は、GPRS交換機4からSMSによって中断情報(キャンセル)を受信し、その中断情報を制御部210に出力する。また、中断情報受信部209は、例えば応答情報送信部205がSIPサーバ3に登録要求を送信した際に、SIPサーバ3からこのタイミングで中断情報(Message)を受信し、その中断情報を制御部210に出力する。この中断情報(Message)は、PDPコンテキストが確立された後に、SIPサーバ3からSIPの転送機能によって送信される。つまり、中断情報は、移動通信端末2a,2b間の呼接続が確立される前に受信される。
【0043】
制御部210は、着信通知受信部201によって着信通知を受信した場合に、移動通信端末2aの特定情報に基づいて、移動通信端末2bが呼び出しを開始するように制御する制御手段である。制御部210は、着信通知受信部201から着信情報を受け取ると、移動通信端末2bの呼び出し(着信があったことのユーザへの通知)(Ringing)を開始する(例えばスピーカーから着信音を再生すると共に、ディスプレイ26に移動通信端末2aの特定情報に基づいて着信先を示す情報を表示する)。この呼び出しに対して、例えばユーザから応答する旨の入力等が行われる。この後の処理については後述する。また、制御部210は、指示情報受信部208から再生情報を受信すると、移動通信端末2aのRBTを再生するように制御する。
【0044】
また、制御部210は、中断情報受信部209によって中断情報を受信した場合に、移動通信端末2bの呼び出しを中断するように制御する制御手段である。制御部201は、中断情報受信部209から中断情報を受け取ると、移動通信端末2bの無線通信部25を制御し、GPRSネットワークN2との接続を中断することにより移動通信端末2bの呼び出しを中断する。
【0045】
図5は、SIPサーバ3の構成を示すブロック構成図である。図5に示すように、SIPサーバ3は、要求受信部301と、セッション判断部302と、着信通知送信部303と、応答情報受信部304と、指示情報送信部305と、SIP登録部306と、中断要求情報受信部307と、中断情報送信部308と、呼接続確立部309とを備えている。
【0046】
要求受信部301は、移動通信端末2aからこの移動通信端末2aを特定する特定情報及び移動通信端末2bを特定する特定情報を含む呼接続要求を受信する要求受信手段である。要求受信部301は、移動通信端末2aからIMS用のPDPコンテキストを用いたSIPによって受信した呼接続要求(INVITE)をセッション判定部302及び着信通知送信部303に出力する。
【0047】
セッション判定部302は、要求受信部301によって呼接続要求を受信した場合に、移動通信端末2bとGPRSネットワークN2との間で確立されるIMS用のPDPコンテキスト(呼接続用のセッション)を用いて移動通信端末2bとの間で情報を送受信できるか否かを判定する判定手段である。具体的に、セッション判定部302は、要求受信部301から呼接続要求を受け取ると、IMS用のPDPコンテキストを用いて移動通信端末2bと情報の送受信ができるか否か、すなわち移動通信端末2bとGPRSネットワークN2との間にIMS用のPDPコンテキストが確立されているか否かを判定し、その判定結果を示す判定情報を着信通知送信部302に出力する。また、セッション判定部302は、中断要求情報受信部307が後述する中断要求情報を受け取ると、ISM用のPDPコンテキストを用いて移動通信端末2bと情報の送受信ができるか否かを判定し、その判定結果を示す判定情報を中断情報送信部308に出力する。なお、IMS用のPDPコンテキストを用いて移動通信端末2bと情報の送受信ができるか否かの判定は、加入者情報管理サーバ5を参照し、移動通信端末2bがSIP登録されているか否かに基づいて行われる。
【0048】
着信通知送信部303は、セッション判定部302によってIMS用のPDPコンテキストを用いて情報の送受信ができないと判定された場合に、要求受信部301によって受信した呼接続要求に基づいて、移動通信端末2bに着信通知をSMSによって送信する着信通知送信手段である。着信通知送信部303は、セッション判定部302から判定情報を受け取り、その判定情報がIMS用のPDPコンテキストを用いて情報の送受信ができないことを示している場合には、要求受信部301から受け取った呼接続要求に基づいて、移動通信端末2bにSMSによる着信通知の送信を指示する送信指示情報をGPRS交換機4に送信する。また、着信通知部303は、判定情報がIMS用のPDPコンテキストで情報の送受信ができるとことを示している場合には、SIP転送によって移動通信端末2bに着信通知(INVITE)を送信する。なお、着信通知送信部303は、呼接続要求の要求先の移動通信端末2bが通信可能な基地局の在圏エリアに在圏していない場合には、着信通知を送信しない。
【0049】
応答情報受信部304は、着信通知送信部303によって移動通信端末2bにGPRS交換機4を介して着信通知を送信したことに応じて、移動通信端末2bから着信通知に対して応答することを示す応答情報を受信する応答情報受信手段である。応答情報受信部304は、GPRS交換機4を介して受信した応答情報を指示情報送信部305に出力する。
【0050】
指示情報送信部305は、移動通信端末2aにRBTの再生を指示する指示情報を送信する指示情報送信手段である。指示情報送信部305は、応答情報受信部304から応答情報を受け取ると、移動通信端末2aにRBTの再生を指示する指示情報(180 Ringing)をIMS用のPDPコンテキストを用いたSIPによって送信する。また、指示情報送信部305は、指示情報を送信したことを示す送信情報を呼接続確立部309に出力する。
【0051】
SIP登録部306は、移動通信端末2bからSIP登録要求を受信すると、移動通信端末2bのSIPの登録処理をする。SIP登録部306は、移動通信端末2bの登録を行った際には、加入者情報管理サーバ5にSIPの登録に係る移動通信端末2bを特定する情報に対応付けて登録した旨の情報を格納させる。SIP登録部306は、移動通信端末2bのSIP登録が完了したことを示す登録情報(200 OK)をSIPの転送機能によって移動通信端末2bに送信すると共に、中断情報送信部308及び呼接続確立部309に出力する。
【0052】
中断要求情報受信部307は、呼接続確立部309によって移動通信端末2a及び移動通信端末2bの間の呼接続の確立を行う前の状態において、移動通信端末2aから呼接続の確立の中断を要求する中断要求情報を受信する中断要求情報受信手段である。中断要求情報受信部307は、移動通信端末2aからIMS用のPDPコンテキストを用いたSIPによって受信した中断要求情報(Cancel)を中断情報送信部308に出力する。なお、中断要求情報受信部307は、呼接続確立部309によって移動通信端末2a,2b間の呼接続が確立した後には、移動通信端末2aから中断要求情報を受信しない。
【0053】
中断情報送信部308は、中断要求情報受信部307によって中断要求情報を受信し、セッション判定部302によってIMS用のPDPコンテキストを用いて情報の送受信ができないと判定された場合に、呼接続の確立が中断されたことを示す中断情報を移動通信端末2bにSMSによって送信する中断情報送信手段である。中断情報送信部308は、セッション判定部302から判定情報を受け取り、その判定情報がIMS用のPDPコンテキストを用いて情報の送受信ができないことを示している場合には、中断要求情報受信部307から受け取った中断情報を移動通信端末2bにSMSによる送信を指示するための送信指示情報をGPRS交換機4に送信する。中断情報送信部308は、移動通信端末2bに中断情報を送信した旨を示す送信完了情報を呼接続確立部309に出力する。
【0054】
呼接続確立部309は、指示情報送信部305によって移動通信端末2aに指示情報を送信した後、移動通信端末2a及び移動通信端末2bの間の呼接続を確立する呼接続確立手段である。呼接続確立部309は、指示情報送信部305から送信情報及びSIP登録部306から登録情報を受け取り、IMS用のPDPコンテキストを用いて移動通信端末2bと情報の送受信が可能な場合に、移動通信端末2bに呼接続要求(INVITE)をIMS用のPDPコンテキストを用いたSIPによって送信する。そして、呼接続確立部309は、呼接続要求を移動通信端末2bに送信したことに応じて、移動通信端末2aから着信に応答する旨の呼接続に対する着信応答情報(200OK)をIMS用のPDPDコンテキストを用いたSIPによって受信すると、その着信応答情報(200 OK)をSIPの転送機能によってIMS用のPDPコンテキストを用いて移動通信端末2aに送信し、移動通信端末2a,2b間の呼接続を確立する。この着信応答情報は、ユーザの意思によって送信される情報である。また、呼接続確立部309は、中断情報送信部308から送信完了情報を受け取ると、移動通信端末2a,2b間の呼接続の確立を中断する。
【0055】
図6は、GPRS交換機4の構成を示すブロック構成図である。図6に示すように、GPRS交換機4は、転送部401と、セッション確立部402とを備えている。
【0056】
転送部401は、移動通信端末2a,2b又はSIPサーバ3から送信された情報を移動通信端末2a,2b又はSIPサーバ3に転送する。具体的に、転送部401は、SIPサーバ3から送信された着信通知を含む送信指示情報を受信し、その送信指示情報に応じて着信通知をSMSによって移動通信端末2bに転送する。また、転送部401は、移動通信端末2bから送信された応答情報を受信し、その応答情報をSIPサーバ3に通知する。さらに、転送部401は、SIPサーバ3から中断情報を含む送信指示情報を受信し、その送信指示情報に応じて中断情報をSMSによって移動通信端末2bに転送する。
【0057】
セッション確立部402は、移動通信端末2a,2bとGPRSネットワークN2との間にセッションを確立、すなわちPDPコンテキストを確立する。セッション確立部402は、移動通信端末2a,2bからセッション確立要求を受信すると、そのセッション確立要求に応じて、インターネット用又はIMS用のPDPコンテキストを確立する。
【0058】
引き続いて、図7を参照して、本実施形態に係る通信システム1で実行される処理(通信方法)について説明する。図7は、通信システム1の処理を示すシーケンス図である。なお、図7においては、IMS用のPDPコンテキストが確立(設定)されていないものとする。
【0059】
図7に示すように、まず移動通信端末2aから呼接続の確立を要求する要求情報(INVITE)が要求送信部201によって送信される(S01)。なお、この着信通知には、着信先を特定するために、着側移動通信端末2bの特定情報及び移動通信端末2aの特定情報(発信者情報)が含められている。移動通信端末2aから送信された要求情報は、SIPサーバ3の要求受信部301によって受信され(要求受信ステップ)、セッション判定部302によってIMS用のPDPコンテキストを用いて移動通信端末2bと情報の送受信ができるか否かが判定される(S02、判定ステップ)。IMS用のPDPコンテキストを用いて移動通信端末2bと情報の送受信ができないと判定された場合には、着信通知送信部303によって着信通知を含む送信指示情報がGPRS交換機4へと送信される(S03、着信通知送信ステップ)。なお、ステップS02において、IMS用のPDPコンテキストを用いて移動通信端末2bと情報の送受信ができると判定された場合、つまり移動通信端末2bとGPRS交換機4との間にIMS用のPDPコンテキストが確立している場合には、ステップS13に進む。
【0060】
SIPサーバ3から送信された着信通知は、GPRS交換機4の転送部401によって受信され、移動通信端末2bにSMSによって転送される(S04)。なお、この着信通知には、発側を特定するために、発側移動通信端末2aの特定情報が含められている。GPRS交換機4からSMSによって転送された着信通知は、移動通信端末2bの着信通知受信部203によって受信され(着信通知受信ステップ)、制御部210によって移動通信端末2bの呼び出しが(Ringing)が開始される(S05)。移動通信端末2bのユーザは、この呼び出し(着信音の再生等)に応じて、移動通信端末2aから着信があることを認識する。
【0061】
次に、移動通信端末2bの応答情報送信部205によって、着信通知に応答する応答情報がGPRS交換機4にSMSによって送信される(S06、応答送信ステップ)。移動通信端末2bから送信された応答情報は、GPRS交換機4の転送部401によって受信され、SIPサーバ3に転送される(S07)。そして、GPRS交換機4から転送された応答情報は、SIPサーバ3の応答情報受信部304によって受信され(応答受信ステップ)、応答情報が受信されたことに応じて、指示情報送信部305によって移動通信端末2aに指示情報がIMS用のPDPコンテキストを用いたSIPによって送信される(S08、指示情報送信ステップ)。
【0062】
SIPサーバ3によって送信された指示情報は、移動通信端末2aの指示情報受信部208よって受信され、その指示情報に応じて、制御部210によって移動通信端末2aにRBTが再生される(S09)。
【0063】
また、移動通信端末2bでは、GPRS交換機4に応答情報が送信された後に、セッション確立要求部206によってGPRS交換機4にセッション確立要求が送信され、それを受信したGPRS交換機4のセッション確立部402によって、GPRS交換機4との間でIMS用のPDPコンテキストの確立が行われる(S10)。そして、移動通信端末2bとGPRS交換機4との間にIMS用のPDPコンテキストが確立されると、移動通信端末2bのSIP登録要求部207によってSIPサーバ3にSIP登録要求(Register)が送信される(S11)。移動通信端末2bから送信されたSIP登録要求は、SIPサーバ3のSIP登録部306によって受信され、SIP登録要求に応じて移動通信端末2bのSIPの登録処理が行われる。そして、SIP登録要求が完了すると、SIP登録部306によって登録情報(200OK)が移動通信端末2bに送信される(S12)。
【0064】
続いて、SIPサーバ3の呼接続確立部309からIMS用のPDPコンテキストを用いたSIPによって、移動通信端末2bに着信通知(INVITE)が送信される(S13)。このとき、移動通信端末2bのユーザによって着信に対して応答する旨の入力がなされると、呼接続要求に対する着信応答情報(200OK)が移動通信端末2bから送信される(S14)。なお、着信に対して応答する旨の入力は、ステップS05〜ステップS15までの間になされてよく、この場合にはステップS13において着信通知(INVITE)が移動通信端末2bに送信されるまで保持される。移動通信端末2bから送信された着信応答情報は、SIPサーバ3によって受信され、移動通信端末2aに送信される(S15)。このように、SIPサーバ3の呼接続確立部309によって移動通信端末2a,2b間の呼接続が確立される(S16、呼接続確立ステップ)。従来の通信システムでは、ステップS13において着信通知が送信された後に移動通信端末の呼び出しが開始されていたが、本実施形態では、ステップS04において特定情報を含む着信通知をSMSによって送信することで、移動通信端末2bの呼び出しを開始することができる。
【0065】
次に、図8を参照して、本実施形態に係る通信システム1で実行される呼接続の中断処理について説明する。図8は、通信システム1の呼接続の中断処理を示すシーケンス図である。なお、図7に示す手順と同様の手順(S21〜S29)については、説明を省略する。また、図8においては、着信通話のためのIMS用のPDPコンテキストが確立される前に、移動通信端末2aから呼接続の中断要求がなされた場合を示す。
【0066】
図8に示すように、ステップS29において、移動通信端末2aでRBTが再生された後、ユーザによって呼接続の確立を中断する旨の入力がなれると、移動通信端末2aからSIPサーバ3に中断要求情報(Cancel)がISM用のPDPコンテキストを用いたSIPによって送信される(S30)。移動通信端末2aから送信された中断要求情報は、SIPサーバ3の中断要求情報受信部307によって受信され、その中断要求情報を受信したことに応じて、中断情報送信部308によって中断情報を含む送信指示情報がキャンセル通知としてGPRS交換機4に送信される(S31)。
【0067】
SIPサーバ3によって送信された中断情報は、GPRS交換機4の転送部401によって受信され、移動通信端末2bにSMSによって転送される(S32)。そして、GPRS交換機4からSMSによって転送された中断情報は、移動通信端末2bの中断情報受信部209によって受信され、中断情報が受信されたことに応じて、制御部210によって呼び出しが停止される(S33)。その後、SIPサーバ3の呼接続確立部309によって、呼接続の確立が中断される(S34)。
【0068】
ところで、通信システム1において、上述のSIPサーバ3、GPRS交換機4、及び移動通信端末2a,2bの構成を有さない場合では、以下のような不具合が生じるおそれがある。
【0069】
すなわち、従来の通信システムにおいては、SIPサーバが発信側の移動通信端末からの呼接続の確立要求(INVITE)を受信し(図7のS01に相当)、そのGPRS交換機が着信側の移動通信端末に着信通知をSMSによって通知する(S04に相当)。このとき、従来の通信システムでは、SMSによって送信される着信通知に発側の移動通信端末を特定する特定情報が含まれていない。そして、音声呼接続用のIMS用のPDPコンテキストが移動通信端末とGPRS交換機との間に確立され(S10に相当)、SIP登録が行われた後(S11、S12に相当)に、SIPサーバから移動通信端末にIMS用のPDPコンテキストを用いたSIP転送によって着信通知(INVITE)が送信される(S13に相当)。この時点で、着信側の移動通信端末が発信側の移動通信端末を認識して呼び出しが開始され、その後、発信側の移動通信端末でRBTが再生されることになる。そのため、発信側の移動通信端末では、上記の一連の処理が完了してからRBTが再生されるので、無音時間が継続することになる。特に、伝播遅延が大きい移動衛星通信システムでは、無音時間が長時間継続するおそれがあり、ユーザが違和感を覚えるといった問題が生じる。
【0070】
これに対し、上述したように本実施形態によれば、移動通信端末2aからSIPサーバ3が呼接続の確立要求を受信すると、IMS用のPDPコンテキストを用いて移動通信端末2bと情報の送受信ができるか否かを判定し、IMS用のPDPコンテキストを用いて情報の送受信ができないと判定された場合には、GPRS交換機4がSMSによって着信通知を移動通信端末2bに送信する。そして、この着信通知を送信したことに応じて移動通信端末2bから応答情報をSIPサーバ3が受信した場合には、移動通信端末2aに呼び出し音の再生を指示する指示情報を送信する。これにより、移動通信端末2aにおいて、呼接続用のIMS用のPDPコンテキストを確立する前に、着信通知をSMSによって受信することができるので、移動通信端末2bが呼び出しを開始できる。そのため、その呼び出しに応じて移動通信端末2aの呼び出し音を再生させるための指示情報を早いタイミングで送信することができる。従って、IMS用のPDPコンテキストを新たに確立するために時間を要した場合であっても、IMS用のPDPコンテキストが確立するまでの間、移動通信端末2aでは呼び出し音が再生され、移動通信端末2aが無音状態になることがない。その結果、移動通信端末2a,2b間の呼接続の確立時におけるユーザの違和感の低減を図ることができる。
【0071】
また、従来の通信システムでは、移動通信端末の呼接続の確立の要求に応じて移動通信端末がIMS用のPDPコンテキストを確立した後に、移動通信端末に着信通知がなされる(図7のステップS13に相当)。そのため、IMS用のPDPコンテキストの確立前に発信側の移動通信端末が発信を中止した場合であっても、着信側の移動通信端末では発信が中止されたことを知り得ないため、IMS用のPDPコンテキストが確立されると着信側の移動通信端末の呼び出しが開始される。このとき、移動通信端末が呼び出しに応答した(ユーザが電話に出た)場合には、移動通信端末が発信を中止しているので、無音状態になるといった問題があった。
【0072】
これに対し、上述したように本実施形態によれば、IMS用のPDPコンテキストが確立する前に移動通信端末2aから呼接続を中断する中断要求情報を受信した場合には、その旨を示す中断情報をSMSによって移動通信端末2bに送信する。これにより、IMS用のPDPコンテキストが確立する前に移動通信端末2aが発信を中止した場合であっても、移動通信端末2bの着信を中止することができる。従って、移動通信端末2aが発信を中止した後に移動通信端末2bが呼び出しに応答することを防止することができる。
【0073】
また、移動通信端末2bの呼び出しと並行して着信処理(呼接続用のIMS用のPDPコンテキストを確立)が実施されることにより、従来の通信システムに比べて早いタイミングで移動通信端末2bの呼び出しを開始することができる。これにより、移動通信端末2aからの発信に対して移動通信端末2bのユーザが応答するまでの時間が短縮され、従来の通信システムに比べて早いタイミングで通話が開始されることも期待できる。
【0074】
[変形例]
次に、本発明の変形例に係る通信システムについて説明する。図9は、SIPサーバ3Aの構成を示すブロック構成図である。本発明の変形例に係る通信システム1Aでは、移動通信端末2aから中断要求情報を受信した場合に、呼接続の確立が中断される旨を示す中断情報を一時的に保持してから移動通信端末2bに送信する点で、通信システム1と相違している。具体的には、図9に示すように、SIPサーバ3Aは、保持部310と、中断情報送信部311とを備えている。
【0075】
保持部310は、中断要求情報受信部307によって受信された中断情報を一時的に保持する保持手段である。保持部310は、中断情報受信部307から中断情報を受け取ると、中断情報送信部311によって抽出されるまで中断情報を保持する。
【0076】
中断情報送信部311は、移動通信端末2bからIMS用のPDPコンテキストを用いて送信された応答を受信した場合に、保持部310に保持されている中断情報を移動通信端末2bにIMS用のPDPコンテキストによって送信する中断情報送信手段である。中断情報送信部311は、移動通信端末2bからISM用のコンテキストを用いた例えばSIP登録要求をSIP登録部306が受信した場合に、このタイミングで保持部310を参照して抽出し、移動通信端末2bにSIPの転送機能によって中断情報(Message)を送信する。
【0077】
続いて、図10を参照して、本実施形態に係る通信システム1Aで実行される呼接続の中断処理について説明する。図10は、通信システム1Aの呼接続の中断処理を示すシーケンス図である。なお、図7に示す手順と同様の手順(S41〜S49)については、説明を省略する。
【0078】
図10に示すように、ステップS49において、移動通信端末2aでRBTが再生された後、移動通信端末2aのユーザよって呼接続の確立を中断する旨の入力がなれると、移動通信端末2aからSIPサーバ3に中断要求情報(Cancel)がIMS用のPDPコンテキストを用いたSIPによって送信される(S50)。移動通信端末2aから送信された中断要求情報は、SIPサーバ3の中断情報受信部307によって受信され、保持部310に一時的に保持される(S51)。
【0079】
また、ステップS52において、移動通信端末2bとGPRS交換機4との間にIMS用のPDPコンテキストが確立されると、移動通信端末2bのSIP登録要求部207によってSIPサーバ3にSIP登録要求(Register)がIMS用のPDPコンテキストを用いて送信される(S53)。移動通信端末2bから送信されたSIP登録要求は、SIPサーバ3のSIP登録部306によって受信される。このとき、このSIP登録要求を受信したタイミングで、SIPサーバ3の中断情報送信部311によって、保持部310に保持してある中断情報(Message)が移動通信端末2bに送信される(S54)。そして、SIPサーバ3よって送信された中断情報は、移動通信端末2bの中断情報受信部209によって受信され、中断情報が受信されたことに応じて、制御部210によって呼び出しが停止される(S54)。その後、SIPサーバ3の呼接続確立部309によって、呼接続の確立が中断される(S55)。
【0080】
以上のように、変形例に係る通信システム1Aにおいても、IMS用のPDPコンテキストが確立する前に移動通信端末2aから呼接続を中断する中断要求情報を受信した場合には、その中断情報を一時的に保持し、移動通信端末2bからPDPコンテキストを用いた応答があったときに中断情報をIMS用のPDPコンテキストを用いて移動通信端末2bに送信する。これにより、IMS用のPDPコンテキストが確立する前に移動通信端末2aが発信を中止した場合であっても、IMS用のPDPコンテキストの確立と同時に移動通信端末2bの着信を中止することができる。従って、移動通信端末2aが発信を中止した後に移動通信端末2bが呼び出しに応答することを防止することができる。
【0081】
なお、本実施形態においては、中断情報の送信のトリガを、IMS用のPDPコンテキストを用いて送信された応答の受信としている。しかし、移動通信端末2bにIMS用のPDPコンテキストが確立されていることが確認できればよいので、必ずしも応答でなくてもよく、IMS用のPDPコンテキストを用いて送信された何らかの情報が受信されたことを上記トリガとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の一実施形態に係る交換機を含む通信システムの構成を示す図である。
【図2】移動通信端末のハードウェア構成を示す図である。
【図3】SIPサーバのハードウェア構成を示す図である。
【図4】移動通信端末の構成を示すブロック構成図である。
【図5】SIPサーバの構成を示すブロック構成図である。
【図6】GPRS交換機の構成を示すブロック構成図である。
【図7】通信システムの処理を示すシーケンス図である。
【図8】通信システムの呼接続の中断処理を示すシーケンス図である。
【図9】変形例に係るSIPサーバの構成を示すブロック構成図である。
【図10】通信システムの呼接続の中断処理を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0083】
1…通信システム、2a,2b…移動通信端末(第1の移動通信端末、第2の移動通信端末)、3,3A…SIPサーバ(通信装置)、203…着信通知受信部(着信通知受信手段)、205…応答送信部(応答情報送信手段)、209…中断情報受信部(中断情報受信手段)、210…制御部(制御手段)、301…要求受信部(要求受信手段)、302…セッション判定部(判定手段)、303…着信通知送信部(着信通知送信手段)、304…応答受信部(応答情報受信手段)、306…指示情報送信部(指示情報送信手段)、307…中断要求情報受信部(中断要求情報受信手段)、308,311…中断情報送信部(中断情報送信手段)、309…呼接続確立部(呼接続確立手段)、310…保持部(保持手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体通信網上において、第1の移動通信端末と第2の移動通信端末との間の呼接続を確立する通信装置であって、
前記第1の移動通信端末から当該第1の移動通信端末を特定する特定情報及び前記第2の移動通信端末を特定する特定情報を含む呼接続要求を受信する要求受信手段と、
前記要求受信手段によって前記呼接続要求を受信した場合に、前記第2の移動通信端末と前記移動体通信網との間で確立される呼接続用のセッションを用いて前記第2の移動通信端末との間で情報を送受信できるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記セッションを用いて情報の送受信ができないと判定された場合に、前記要求受信手段によって受信した前記呼接続要求に基づいて、当該第2の移動通信端末に着信通知を前記セッション以外の手段によって送信する着信通知送信手段と、
前記着信通知送信手段によって前記第2の移動通信端末に前記着信通知を送信したことに応じて、前記第2の移動通信端末から前記着信通知に対して応答することを示す応答情報を受信する応答情報受信手段と、
前記応答情報受信手段によって前記第2の移動通信端末から前記応答情報を受信した場合に、前記第1の移動通信端末に呼び出し音の再生を指示する指示情報を送信する指示情報送信手段と、
前記指示情報送信手段によって前記第1の移動通信端末に前記指示情報を送信した後、前記第1の移動通信端末及び前記第2の移動通信端末の間の呼接続を確立する呼接続確立手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記着信通知は、前記第1の移動通信端末の前記特定情報を含むことを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記呼接続確立手段によって前記第1の移動通信端末及び前記第2の移動通信端末の間の呼接続の確立を行う前の状態において、前記第1の移動通信端末から呼接続の確立の中断を要求する中断要求情報を受信する中断要求情報受信手段と、
前記中断要求情報受信手段によって前記中断要求情報を受信し、前記判定手段によって前記セッションを用いて情報の送受信ができないと判定された場合に、呼接続の確立が中断されたことを示す中断情報を前記第2の移動通信端末に前記セッション以外の手段によって送信する中断情報送信手段と、を更に備え、
前記呼接続確立手段は、前記中断情報送信手段によって前記中断情報を前記第2の移動通信端末に送信した後に、前記第1の移動通信端末及び前記第2の移動通信端末の間の呼接続の確立を中断することを特徴とする請求項1又は2記載の通信装置。
【請求項4】
前記呼接続確立手段によって前記第1の移動通信端末及び前記第2の移動通信端末の間の呼接続の確立を行う前の状態において、前記第1の移動通信端末から呼接続の確立の中断を要求する中断要求情報を受信する中断要求情報受信手段と、
前記中断要求情報受信手段によって受信された前記中断情報を一時的に保持する保持手段と、
前記第2の移動通信端末から前記セッションを用いて送信された情報を受信して、前記保持手段に保持されている前記中断情報を前記第2の移動通信端末に前記セッションによって送信する中断情報送信手段と、を更に備え、
前記呼接続確立手段は、前記中断情報送信手段によって前記中断情報を前記第2の移動通信端末に送信した後に、前記第1の移動通信端末及び前記第2の移動通信端末の間の呼接続の確立を中断することを特徴とする請求項1又は2記載の通信装置。
【請求項5】
移動体通信網上において、別の移動通信端末との間に呼接続が確立されることによって通信を行う移動通信端末であって、
前記別の移動通信端末から当該別の移動通信端末を特定する特定情報を含む着信通知を、前記移動通信端末と前記移動体通信網との間で確立される呼接続用のセッション以外の手段によって受信する着信通知受信手段と、
前記着信通知受信手段によって前記着信通知を受信した場合に、当該着信通知に応答することを示す応答情報を送信する応答情報送信手段と、
前記着信通知受信手段によって前記着信通知を受信した場合に、前記別の移動通信端末の前記特定情報に基づいて、前記移動通信端末が呼び出しを開始するように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする移動通信端末。
【請求項6】
呼接続の確立が中断されたことを示す中断情報を受信する中断情報受信手段と、
前記中断情報受信手段によって前記中断情報を受信した場合に、前記移動通信端末の呼び出しを中断するように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項5記載の移動通信端末。
【請求項7】
移動体通信網上において、別の移動通信端末との間に呼接続が確立されることによって通信を行う移動通信端末と、当該移動体通信網上において、第1の移動通信端末と第2の移動通信端末との間の呼接続を確立する通信装置とを含む通信システムであって、
前記移動通信端末は、
前記別の移動通信端末から送信された当該別の移動通信端末を特定する特定情報を含む着信通知を、前記移動通信端末と前記移動体通信網との間で確立される呼接続用のセッション以外の手段によって前記通信装置から受信する着信通知受信手段と、
前記着信通知受信手段によって前記着信通知を受信した場合に、当該着信通知に応答することを示す応答情報を前記通信装置に送信する応答情報送信手段と、
前記着信通知受信手段によって前記着信通知を受信した場合に、前記別の移動通信端末の前記特定情報に基づいて、前記移動通信端末が呼び出しを開始するように制御する制御手段と、を備え、
前記通信装置は、
前記第1の移動通信端末から当該第1の移動通信端末を特定する特定情報及び前記第2の移動通信端末を特定する特定情報を含む呼接続要求を受信する要求受信手段と、
前記要求受信手段によって前記呼接続要求を受信した場合に、前記第2の移動通信端末と前記移動体通信網との間で確立される呼接続用のセッションを用いて前記第2の移動通信端末との間で情報を送受信できるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記セッションを用いて情報の送受信ができないと判定された場合に、前記要求受信手段によって受信した前記呼接続要求に基づいて、当該第2の移動通信端末に前記第1の移動通信端間の前記特定情報を含む着信通知を前記セッション以外の手段によって送信する着信通知送信手段と、
前記着信通知送信手段によって前記第2の移動通信端末に前記着信通知を送信したことに応じて、前記第2の移動通信端末から前記着信通知に対して応答することを示す応答情報を受信する応答情報受信手段と、
前記応答情報受信手段によって前記第2の移動通信端末から前記応答情報を受信した場合に、前記第1の移動通信端末に呼び出し音の再生を指示する指示情報を送信する指示情報送信手段と、
前記指示情報送信手段によって前記第1の移動通信端末に前記指示情報を送信した後、前記第1の移動通信端末及び前記第2の移動通信端末の間の呼接続を確立する呼接続確立手段と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項8】
移動体通信網上において、前記第1の移動通信端末と前記第2の移動通信端末との間の呼接続を確立する通信装置による通信方法であって、
前記第1の移動通信端末から当該第1の移動通信端末を特定する特定情報及び前記第2の移動通信端末を特定する特定情報を含む呼接続要求を受信する要求受信ステップと、
前記要求受信ステップにおいて前記呼接続要求を受信した場合に、前記第2の移動通信端末と前記移動体通信網との間で確立される呼接続用のセッションを用いて前記第2の移動通信端末との間で情報を送受信できるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて前記セッションを用いて情報の送受信ができないと判定された場合に、前記要求受信手段によって受信した前記呼接続要求に基づいて、当該第2の移動通信端末に着信通知を前記セッション以外の手段によって送信する着信通知送信ステップと、
前記着信通知送信ステップにおいて前記第2の移動通信端末に前記着信通知を送信したことに応じて、前記第2の移動通信端末から前記着信通知に対して応答することを示す応答情報を受信する応答情報受信ステップと、
前記応答情報受信ステップにおいて前記第2の移動通信端末から前記応答情報を受信した場合に、前記第1の移動通信端末に呼び出し音の再生を指示する指示情報を送信する指示情報送信ステップと、
前記指示情報送信ステップにおいて前記第1の移動通信端末に前記指示情報を送信した後、前記第1の移動通信端末及び前記第2の移動通信端末の間の呼接続を確立する呼接続確立ステップと、
を含むことを特徴とする通信方法。
【請求項9】
移動体通信網上において、別の移動通信端末との間に呼接続が確立されることによって通信を行う移動通信端末による通信方法であって、
前記別の移動通信端末から当該別の移動通信端末を特定する特定情報を含む着信通知を、前記移動通信端末と前記移動体通信網との間で確立される呼接続用のセッション以外の手段によって受信する着信通知受信ステップと、
前記着信通知受信ステップにおいて前記着信通知を受信した場合に、当該着信通知に応答することを示す応答情報を送信する応答情報送信ステップと、
前記着信通知受信ステップにおいて前記着信通知を受信した場合に、前記別の移動通信端末の前記特定情報に基づいて、前記移動通信端末が呼び出しを開始するように制御する制御ステップと、
を含むことを特徴とする通信方法。
【請求項10】
移動体通信網上において、別の移動通信端末との間に呼接続が確立されることによって通信を行う移動通信端末と、当該移動体通信網上において、第1の移動通信端末と第2の移動通信端末との間の呼接続を確立する通信装置とを含む通信システムによる通信方法であって、
前記移動通信端末が、
前記別の移動通信端末から送信された当該別の移動通信端末を特定する特定情報を含む着信通知を、前記移動通信端末と前記移動体通信網との間で確立される呼接続用のセッション以外の手段によって前記通信装置から受信する着信通知受信ステップと、
前記着信通知受信ステップにおいて前記着信通知を受信した場合に、当該着信通知に応答することを示す応答情報を前記通信装置に送信する応答情報送信ステップと、
前記着信通知受信ステップにおいて前記着信通知を受信した場合に、前記別の移動通信端末の前記特定情報に基づいて、前記移動通信端末が呼び出しを開始するように制御する制御ステップと、を含み、
前記通信装置が、
前記第1の移動通信端末から当該第1の移動通信端末を特定する特定情報及び前記第2の移動通信端末を特定する特定情報を含む呼接続要求を受信する要求受信ステップと、
前記要求受信ステップにおいて前記呼接続要求を受信した場合に、前記第2の移動通信端末と前記移動体通信網との間で確立される呼接続用のセッションを用いて前記第2の移動通信端末との間で情報を送受信できるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて前記セッションを用いて情報の送受信ができないと判定された場合に、前記要求受信手段によって受信した前記呼接続要求に基づいて、当該第2の移動通信端末に着信通知を前記セッション以外の手段によって送信する着信通知送信ステップと、
前記着信通知送信ステップにおいて前記第2の移動通信端末に前記着信通知を送信したことに応じて、前記第2の移動通信端末から前記着信通知に対して応答することを示す応答情報を受信する応答情報受信ステップと、
前記応答情報受信ステップにおいて前記第2の移動通信端末から前記応答情報を受信した場合に、前記第1の移動通信端末に呼び出し音の再生を指示する指示情報を送信する指示情報送信ステップと、
前記指示情報送信ステップにおいて前記第1の移動通信端末に前記指示情報を送信した後、前記第1の移動通信端末及び前記第2の移動通信端末の間の呼接続を確立する呼接続確立ステップと、
を含むことを特徴とする通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−141811(P2010−141811A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318517(P2008−318517)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】