説明

通信装置および通信方法

【課題】電力損失が少ない通信装置および通信方法を提供する。
【解決手段】通信装置は、N個の周波数帯域の無線信号を送受信可能な第1アンテナと、N個の周波数帯域以外の特定周波数帯域の無線信号を送受信可能な第2アンテナと、外部アンテナ端子と、N個の周波数帯域に個別に対応し、自己に対応する周波数帯域の信号の送受信を制御するN個の送受信部と、特定周波数帯域の信号の送受信を制御する特定送受信部と、一端が第1アンテナに接続された第1スイッチと、一端が第2アンテナに接続され他端が特定送受信部に接続された第2スイッチと、一端が外部アンテナ端子に接続された第3スイッチと、一端が特定送受信部と第2スイッチの他端に接続された第4スイッチと、自己に対応する送受信部に接続されたN個の送受信用スイッチとを含み、第1、第3および第4スイッチの他端と送受信用スイッチの他端とが互いに接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置および通信方法に関し、特には、複数の周波数帯域のそれぞれの信号を送受信することが可能な通信装置および通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1つのアンテナで複数の周波数帯域のそれぞれの信号を送受信できる通信装置が知られている(特許文献1、2参照)。
【0003】
図7は、第1、第2および第3の周波数帯域のそれぞれの信号を個別に送受信することが可能な通信装置の回路構成の要部を示したブロック図である。なお、図7では、第1の周波数帯域として2GHz帯域が用いられ、第2の周波数帯域として800MHz帯域が用いられ、第3の周波数帯域として1.7GHz帯域が用いられる。
【0004】
図7において、通信装置は、アンテナ(以下「ANT」と称する)1と、外部アンテナ端子(以下「TP」と称する)2と、2GHz帯域用の送受信部3と、800MHz帯域用の送受信部4と、1.7GHz帯域用の送受信部5と、スイッチモジュール(以下「SW」と称する)6と、を含む。
【0005】
送受信部3は、送受信共有器(以下「FIL」と称する)31と、低雑音増幅器(以下「LNA」と称する)32と、受信側帯域通過フィルタ(以下「BPF」と称する)33と、受信機(以下「RX」と称する)34と、送信機(以下「TX」と称する)35と、端子36と、を含む。送受信部4は、FIL41と、LNA42と、BPF43と、RX44と、TX45と、端子46と、を含む。送受信部5は、FIL51と、LNA52と、BPF53と、RX54と、TX55と、端子56と、を含む。SW6は、スイッチ61と、スイッチ63と、スイッチ6a〜6cと、を含む。
【0006】
ANT1は、N(Nは1以上の整数)個の周波数帯域(図7に示した例では、2GHz帯域と800MHz帯域と1.7GHz帯域との3個の周波数帯域のそれぞれの無線信号を、送受信可能である。
【0007】
ANT1は、2GHz帯域、800MHz帯域および1.7GHz帯域をカバーするために、2GHz帯域と1.7GHz帯域を広帯域でカバーし、800MHz帯域を2帯域共振としている。
【0008】
TP2には、外部アンテナ(不図示)が接続される。
【0009】
送受信部3は、2GHz帯域に対応し、2GHz帯域の信号の送受信を制御する。
【0010】
FIL31は、一般的に用いられる送受共用器である。FIL31は、2GHz帯域の信号を通す受信帯域通過フィルタ(以下「受信側フィルタ」と称する)31aと、2GHz帯域の信号を通す送信帯域通過フィルタ(以下「送信側フィルタ」と称する)31bと、を含む。受信側フィルタ31aの一端と送信側フィルタ31bの一端は、アンテナ側の端子36に接続される。受信側フィルタ31aは、端子36からの信号のうち、2GHz帯域の信号を、LNA32に出力する。
【0011】
LNA32は、受信側フィルタ31aからの信号を増幅し、その増幅された信号をBPF33に出力する。BPF33は、LNA32からの信号のうち、2GHz帯域の信号を、RX34に出力する。RX34は、BPF33からの信号を受信し、例えば、その信号を後段の回路(不図示)に出力する。TX35は、送信用の信号を送信側フィルタ31bに出力する。送信側フィルタ31bは、TX35からの信号のうち、2GHz帯域の信号を端子36に出力する。
【0012】
送受信部4は、800MHz帯域に対応し、800MHz帯域の信号の送受信を制御する。なお、送受信部4についての説明は、上述した送受信部3の説明のうち、「2GHz」を「800MHz」に読み替え、各部の符号内の先頭の「3」を「4」に読み替えることによって行うことができる。
【0013】
送受信部5は、1.7GHz帯域に対応し、1.7GHz帯域の信号の送受信を制御する。なお、送受信部5についての説明は、上述した送受信部3の説明のうち、「2GHz」を「1.7GHz」に読み替え、各部の符号内の先頭の「3」を「5」に読み替えることによって行うことができる。
【0014】
SW6は、ANT1またはTP2に、送受信部3〜5のいずれかを接続する。スイッチ61の一端は、ANT1に接続される。スイッチ63の一端は、TP2に接続される。スイッチ6aは、送受信部3と対応する。スイッチ6aの一端は、送受信部3の端子36に接続される。スイッチ6bは、送受信部4と対応する。スイッチ6bの一端は、送受信部4の端子46に接続される。スイッチ6cは、送受信部5と対応する。スイッチ6cの一端は、送受信部5の端子56に接続される。
【0015】
スイッチ61の他端と、スイッチ63の他端と、スイッチ6a〜6cのそれぞれの他端とは、互いに接続されている。
【0016】
次に、図7に示した通信装置の動作を説明する。
【0017】
まず、通信に使用するアンテナとして、TP2に接続された外部アンテナが指定された状況(以下「第1状況」と称する)での動作を説明する。
【0018】
第1状況で、通信に使用する周波数帯域として、2GHz帯域が指定されると、スイッチ63および6aが閉じ、その他のスイッチが開く。よって、2GHz帯域に対応する送受信部3が、TP2に接続される。
【0019】
第1状況で、通信に使用する周波数帯域として、800MHz帯域が指定されると、スイッチ63および6bが閉じ、その他のスイッチが開く。よって、800MHz帯域に対応する送受信部4が、TP2に接続される。
【0020】
第1状況で、通信に使用する周波数帯域として、1.7GHz帯域が指定されると、スイッチ63および6cが閉じ、その他のスイッチが開く。よって、1.7GHz帯域に対応する送受信部5が、TP2に接続される。
【0021】
続いて、通信に使用するアンテナとして、ANT1(内部アンテナ)が指定された状況(以下「第2状況」と称する)での動作を説明する。
【0022】
第2状況で、通信に使用する周波数帯域として、2GHz帯域が指定されると、スイッチ61および6aが閉じ、その他のスイッチが開く。よって、2GHz帯域に対応する送受信部3が、ANT1に接続される。
【0023】
第2状況で、通信に使用する周波数帯域として、800MHz帯域が指定されると、スイッチ61および6bが閉じ、その他のスイッチが開く。よって、800MHz帯域に対応する送受信部4が、ANT1に接続される。
【0024】
第2状況で、通信に使用する周波数帯域として、1.7GHz帯域が指定されると、スイッチ61および6cが閉じ、その他のスイッチが開く。よって、1.7GHz帯域に対応する送受信部5が、ANT1に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【特許文献1】特開2003−168996号公報
【特許文献2】特開2002−171315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
近年、1.5GHz帯域が、通信用の周波数帯域として新たに標準化された。このため、従来の周波数帯域(例えば、2GHz帯域、800MHz帯域、1.7GHz帯域)の信号を用いた通信を行えると共に1.5GHz帯域の信号を用いた通信も行える通信装置が求められている。
【0027】
図8は、図7に示した通信装置と同様の技術手法を用いて、2GHz帯域、800MHz帯域、1.7GHz帯域および1.5GHz帯域のそれぞれの信号を送受信可能にした通信装置の回路構成の要部を示したブロック図である。
【0028】
図8に示した通信装置は、ANT1の代わりにANT1Aを含み、SW6の代わりにSW6Aを含み、さらに送受信部7を含む点で、図7に示した通信装置と異なる。なお、図8において、図7に示したものと同一構成のものには同一符号を付してある。
【0029】
送受信部7は、1.5GHz帯域に対応し、1.5GHz帯域の信号の送受信を制御する。なお、送受信部7についての説明は、上述した送受信部3の説明のうち、「2GHz」を「1.5GHz」に読み替え、各部の符号内の先頭の「3」を「7」に読み替えることによって行うことができる。
【0030】
SW6Aには、SW6の構成に加えて、スイッチ6dが追加されている。スイッチ6dの一端は、送受信部7の端子76に接続される。スイッチ6dの他端は、スイッチ61の他端と、スイッチ63の他端と、スイッチ6a〜6cのそれぞれの他端と、に接続される。
【0031】
ANT1Aは、1.5GHz帯域が追加されたことで、1.44GHzから2.16GHzという広帯域をカバーする必要が生じる。
【0032】
このため、図8に示した通信装置では、アンテナ効率が低下し、アンテナでの電力損失が増大するという問題が生じる。
【0033】
この問題を解決するための手法として、2GHz帯域、800MHz帯域および1.7GHz帯域で動作するANT1の他に、1.5GHz帯域専用のアンテナを通信装置に設置する手法が考えられる。
【0034】
図9は、1.5GHz帯域専用のアンテナが設置された通信装置の回路構成の要部を示したブロック図である。図9に示した通信装置は、ANT1Aの代わりにANT1を含み、SW6Aの代わりにSW6Bを含み、さらに、ANT8を含む点で、図8に示した通信装置と異なる。なお、図9において、図7または図8に示したものと同一構成のものには同一符号を付してある。
【0035】
ANT8は、1.5GHz帯域の無線信号を送受信可能である。
【0036】
SW6Bには、SW6Aの構成に加えて、スイッチ6eが追加されている。スイッチ6eの一端は、ANT8に接続される。スイッチ6eの他端は、スイッチ61の他端と、スイッチ63の他端と、スイッチ6a〜6dのそれぞれの他端と、に接続される。
【0037】
このため、SW6Bでは、同じ接続点(図9では、配線6f)に接続されるスイッチの数が、SW6Aに比べて増加する。同じ接続点に接続されるスイッチの数が増加すると、接続点の寄生容量が増大し、また、スイッチ接続用の配線も増加する。このため、図9に示した通信装置では、スイッチに関する切り替え経路(SW6B)での電力損失が増大するという問題が新たに起こる。
【0038】
本発明の目的は、上述した課題を解決可能な通信装置および通信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0039】
本発明の通信装置は、N(Nは1以上の整数)個の周波数帯域の各無線信号を送受信可能な第1アンテナと、前記N個の周波数帯域以外の特定周波数帯域の無線信号を送受信可能な第2アンテナと、外部アンテナが接続される外部アンテナ端子と、前記N個の周波数帯域に個別に対応し、自己に対応する周波数帯域の信号の送受信を制御するN個の送受信部と、前記特定周波数帯域の信号の送受信を制御する特定送受信部と、一端が前記第1アンテナに接続された第1スイッチと、一端が前記第2アンテナに接続され、他端が前記特定送受信部に接続された第2スイッチと、一端が前記外部アンテナ端子に接続された第3スイッチと、一端が前記特定送受信部および前記第2スイッチの他端に接続された第4スイッチと、前記N個の送受信部と個別に対応し、一端が自己に対応する送受信部に接続されたN個の送受信用スイッチと、を含み、前記第1スイッチの他端と、前記第3スイッチの他端と、前記第4スイッチの他端と、前記N個の送受信用スイッチのそれぞれの他端とが、互いに接続されている。
【0040】
本発明の通信方法は、上記通信装置が行う通信方法であって、前記第4スイッチは、一端が前記特定送受信部および前記第2スイッチの他端と接続された第5スイッチと、一端が前記第5スイッチの他端と接続され、他端が前記第1スイッチの他端、前記第3スイッチの他端および前記N個の送受信用スイッチのそれぞれの他端と接続された第6スイッチと、を有するものであり、通信に使用するアンテナを指定するアンテナ指定情報と、通信に使用する周波数帯域を指定する周波数帯域指定情報と、を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップで受け付けられたアンテナ指定情報と周波数帯域指定情報に基づいて、前記第1、第2、第3、第5および第6スイッチと前記N個の送受信用スイッチとの開閉を制御する制御ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、通信装置の電力損失を少なくすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1実施形態の通信装置を示したブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態の通信装置の他の例を示したブロック図である。
【図3】本発明の第3実施形態の通信装置を示したブロック図である。
【図4】第3実施形態の比較例を示したブロック図である。
【図5】第3実施形態の他の比較例を示したブロック図である。
【図6】第3実施形態の他の比較例を示したブロック図である。
【図7】複数の周波数帯域の信号を送受信可能な通信装置を示したブロック図である。
【図8】複数の周波数帯域の信号を送受信可能な通信装置を示したブロック図である。
【図9】複数の周波数帯域の信号を送受信可能な通信装置を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0044】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の通信装置を示したブロック図である。なお、図1において、図9に示したものと同一構成のものには同一符号を付してある。
【0045】
図1において、携帯電話機等の通信装置は、ANT1および8と、TP2と、送受信部3〜5および7と、SW6Cおよび9と、を含む。
【0046】
SW6Cには、SW6の構成に加えて、スイッチ66が追加されている。SW9は、スイッチ62および65を含む。スイッチ65とスイッチ66との直列回路は、スイッチ64を構成する。なお、スイッチ64は、1つのスイッチでもよい。
【0047】
スイッチ62の一端は、ANT8に接続される。スイッチ64の一端は、送受信部7およびスイッチ62の他端に接続される。スイッチ61の他端と、スイッチ63の他端と、スイッチ64の他端と、スイッチ6a〜6cのそれぞれの他端とが、互いに接続される。スイッチ65の一端は、送受信部7およびスイッチ62の他端に接続される。スイッチ66の一端は、スイッチ65の他端と接続される。スイッチ66の他端は、スイッチ61の他端と、スイッチ63の他端と、スイッチ6a〜6cのそれぞれの他端と、に接続される。
【0048】
ANT1は、一般的に第1アンテナと呼ぶことができる。ANT8は、一般的に第2アンテナと呼ぶことができる。TP2は、一般的に外部アンテナ端子と呼ぶことができる。送受信部3〜5は、一般的に3(N=3)個の送受信部と呼ぶことができる。送受信部7は、一般的に特定送受信部と呼ぶことができる。1.5GHzは、一般的に特定周波数帯域と呼ぶことができる。スイッチ61〜65は、それぞれ、一般的に第1スイッチ、第2スイッチ、第3スイッチ、第4スイッチ、第5スイッチと呼ぶことができる。スイッチ6a〜6cは、それぞれ、一般的に送受信用スイッチと呼ぶことができる。スイッチ6a〜6c内のスイッチは、制御対象スイッチに含まれる。
【0049】
次に、動作を説明する。
【0050】
まず、通信に使用するアンテナとして、TP2に接続された外部アンテナが指定された状況(第1状況)での動作を説明する。
【0051】
第1状況で、通信に使用する周波数帯域として、1.5GHz帯域が指定されると、スイッチ63、65および66が閉じ、その他のスイッチ(制御対象スイッチの残りのスイッチ)が開く。よって、1.5GHz帯域に対応する送受信部7が、TP2に接続される。
【0052】
第1状況で、通信に使用する周波数帯域として、2GHz帯域が指定されると、スイッチ63、65および6aが閉じ、その他のスイッチ(制御対象スイッチの残りのスイッチ)が開く。よって、2GHz帯域に対応する送受信部3が、TP2に接続される。
【0053】
第1状況で、通信に使用する周波数帯域として、800MHz帯域が指定されると、スイッチ63、65および6bが閉じ、その他のスイッチ(制御対象スイッチの残りのスイッチ)が開く。よって、800MHz帯域に対応する送受信部4が、TP2に接続される。
【0054】
第1状況で、通信に使用する周波数帯域として、1.7GHz帯域が指定されると、スイッチ63、65および6cが閉じ、その他のスイッチ(制御対象スイッチの残りのスイッチ)が開く。よって、1.7GHz帯域に対応する送受信部5が、TP2に接続される。
【0055】
続いて、通信に使用するアンテナとして、ANT1、ANT8の内部アンテナが指定されている状況(第2状況)での動作を説明する。
【0056】
第2状況で、通信に使用する周波数帯域として、1.5GHz帯域が指定されると、スイッチ61、62および66が閉じ、その他のスイッチ(制御対象スイッチの残りのスイッチ)が開く。よって、1.5GHz帯域に対応する送受信部7が、ANT8に接続される。
【0057】
第2状況で、通信に使用する周波数帯域として、2GHz帯域が指定されると、スイッチ61、62および6aが閉じ、その他のスイッチ(制御対象スイッチの残りのスイッチ)が開く。よって、2GHz帯域に対応する送受信部3が、ANT1に接続される。
【0058】
第2状況で、通信に使用する周波数帯域として、800MHz帯域が指定されると、スイッチ61、62および6bが閉じ、その他のスイッチ(制御対象スイッチの残りのスイッチ)が開く。よって、800MHz帯域に対応する送受信部4が、ANT1に接続される。
【0059】
第2状況で、通信に使用する周波数帯域として、1.7GHz帯域が指定されると、スイッチ61、62および6cが閉じ、その他のスイッチ(制御対象スイッチの残りのスイッチ)が開く。よって、1.7GHz帯域に対応する送受信部5が、ANT1に接続される。
【0060】
次に、本実施形態の効果を説明する。
【0061】
図8に示した通信装置では、アンテナでの電力損失が大きく、また、図9に示した通信装置では、経路切り替えスイッチでの電力損失が大きく、消費電力が増大する。
【0062】
本実施形態では1.5GHz帯域用にANT8を備えたことで、アンテナの広帯域化による効率の低下に起因する電力損失を防止でき、かつ、経路切り替えの複雑化を招くことなく切り替え回路(SW6Cおよび9)を構成したことで、経路切り替えスイッチでの電力損失を防止できる効果がある。結果、電力損失の少ない通信装置(例えば、携帯端末装置)の無線回路を提供し、ひいては、電力消費の少ない通信装置(例えば、携帯端末装置)を提供できる効果がある。
【0063】
なお、通信装置内のスイッチの開閉は、例えば、制御部等によって制御される。
【0064】
図2は、図1に示した通信装置に、通信装置内のスイッチの開閉を制御する構成の一例を追加したブロック図である。図2において、図1に示したものと同一構成のものには、同一符号を付してある。
【0065】
図2において、受付部10は、例えば、設定スイッチであり、通信に使用するアンテナを指定するアンテナ指定情報と、通信に使用する周波数帯域を指定する周波数帯域指定情報と、を受け付ける。
【0066】
制御部11は、受付部10にて受け付けられたアンテナ指定情報と周波数帯域指定情報に基づいて、SW6Cおよび9内のスイッチの開閉を制御する。
【0067】
例えば、受付部10が、アンテナ指定情報として、外部アンテナを指定する外部アンテナ指定情報(第1指定情報)を受け付けると、制御部11は、スイッチ61〜63および65のうち、スイッチ63および65を閉じ、スイッチ61および62を開く。
【0068】
一方、受付部10が、アンテナ指定情報として、ANT1、ANT8の内部アンテナを指定する内部アンテナ指定情報(第4指定情報)を受け付けると、制御部11は、スイッチ61〜63および65のうち、スイッチ61および62を閉じ、スイッチ63および65を開く。
【0069】
また、受付部10が、周波数帯域指定情報として、1.5GHzを指定する特定周波数帯域指定情報(第2指定情報)を受け付けた場合には、制御部11は、スイッチ6a〜6cおよび66のうち、スイッチ66を閉じ、スイッチ6a〜6cを開く。
【0070】
また、受付部10が、周波数帯域指定情報として、2GHzを指定する通信周波数帯域指定情報(第3指定情報)を受け付けた場合には、制御部11は、スイッチ6a〜6cおよび66のうち、スイッチ6aを閉じ、スイッチ6b〜6cおよび66を開く。
【0071】
また、受付部10が、周波数帯域指定情報として、800MHzを指定する通信周波数帯域指定情報(第3指定情報)を受け付けた場合には、制御部11は、スイッチ6a〜6cおよび66のうち、スイッチ6bを閉じ、スイッチ6a、6cおよび66を開く。
【0072】
また、受付部10が、周波数帯域指定情報として、1.7GHzを指定する通信周波数帯域指定情報(第3指定情報)を受け付けた場合には、制御部11は、スイッチ6a〜6cおよび66のうち、スイッチ6cを閉じ、スイッチ6a、6bおよび66を開く。
【0073】
この場合、制御部11によって、各スイッチの開閉を自動的に制御することが可能になる。また、制御部11は、スイッチ61〜63および65の開閉を、アンテナ指定情報に基づいて制御し、スイッチ6a〜6cおよび66の開閉を、周波数帯域指定情報に基づいて制御する。このため、各スイッチの開閉制御を容易にすることが可能になる。
【0074】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態の通信装置の構成は、基本的に第1実施形態の通信装置と同様であるが、制御部11による各スイッチの開閉制御が、第1実施形態の通信装置と異なる。
【0075】
本実施形態では、受付部10が、アンテナ指定情報として、外部アンテナ指定情報を受け付け、周波数帯域指定情報として、1.5GHzを指定する特定周波数帯域指定情報を受け付けた場合には、制御部11は、スイッチ63、65および66を閉じ、その他のスイッチ(制御対象スイッチの残りのスイッチ)を開く。よって、1.5GHz帯域に対応する送受信部7が、TP2に接続される。
【0076】
また、受付部10が、アンテナ指定情報として、外部アンテナ指定情報を受け付け、周波数帯域指定情報として、2GHzを指定する通信周波数帯域指定情報を受け付けた場合には、制御部11は、スイッチ63および6aを閉じ、その他のスイッチ(制御対象スイッチの残りのスイッチ)を開く。よって、2GHz帯域に対応する送受信部3が、TP2に接続される。
【0077】
また、受付部10が、アンテナ指定情報として、外部アンテナ指定情報を受け付け、周波数帯域指定情報として、800MHzを指定する通信周波数帯域指定情報を受け付けた場合には、制御部11は、スイッチ63および6bを閉じ、その他のスイッチ(制御対象スイッチの残りのスイッチ)を開く。よって、800MHz帯域に対応する送受信部4が、TP2に接続される。
【0078】
また、受付部10が、アンテナ指定情報として、外部アンテナ指定情報を受け付け、周波数帯域指定情報として、1.7GHzを指定する通信周波数帯域指定情報を受け付けた場合には、制御部11は、スイッチ63および6cを閉じ、その他のスイッチ(制御対象スイッチの残りのスイッチ)を開く。よって、1.7GHz帯域に対応する送受信部5が、TP2に接続される。
【0079】
また、受付部10が、アンテナ指定情報として、内部アンテナ指定情報を受け付け、周波数帯域指定情報として、1.5GHzを指定する特定周波数帯域指定情報を受け付けた場合には、制御部11は、スイッチ62を閉じ、その他のスイッチ(制御対象スイッチの残りのスイッチ)を開く。よって、1.5GHz帯域に対応する送受信部7が、ANT8に接続される。
【0080】
また、受付部10が、アンテナ指定情報として、内部アンテナ指定情報を受け付け、周波数帯域指定情報として、2GHz帯域を指定する通信周波数帯域指定情報を受け付けた場合には、制御部11は、スイッチ61および6aを閉じ、その他のスイッチ(制御対象スイッチの残りのスイッチ)を開く。よって、2GHz帯域に対応する送受信部3が、ANT1に接続される。
【0081】
また、受付部10が、アンテナ指定情報として、内部アンテナ指定情報を受け付け、周波数帯域指定情報として、800MHz帯域を指定する通信周波数帯域指定情報を受け付けた場合には、制御部11は、スイッチ61および6bを閉じ、その他のスイッチ(制御対象スイッチの残りのスイッチ)を開く。よって、800MHz帯域に対応する送受信部4が、ANT1に接続される。
【0082】
また、受付部10が、アンテナ指定情報として、内部アンテナ指定情報を受け付け、周波数帯域指定情報として、1.7GHz帯域を指定する通信周波数帯域指定情報を受け付けた場合には、制御部11は、スイッチ61および6cを閉じ、その他のスイッチ(制御対象スイッチの残りのスイッチ)を開く。よって、1.7GHz帯域に対応する送受信部5が、ANT1に接続される。
【0083】
この場合、第1実施形態に比べて、経路間のアイソレーションが増すという利点がある。
【0084】
(第3実施形態)
図3は、本発明の第3実施形態の通信装置を示したブロック図である。
【0085】
本発明の第3実施形態は、本発明の第1実施形態に、GPS(Global Positioning System)受信部12と、位相器(以下「ST」と称する)13および14が追加されたものである。第3実施形態では、GPS受信部12と送受信部7とが、ANT8を利用する。なお、ST13は、一般的に第1位相器と呼ぶことができる。また、ST14は、一般的に第2位相器と呼ぶことができる。
【0086】
GPS受信部12は、1.5GHz帯域のGPS信号を受信する。GPS受信部12は、受信帯域通過フィルタ(以下「BPFg」と称する)121と、低雑音増幅器(以下「LNAg」と称する)122と、受信帯域通過フィルタ(以下「BPFg」と称する)123と、受信機(以下「RXg」と称する)124と、を含む。
【0087】
BPFg121は、ANT8からの信号のうち、1.5GHz帯域の信号を、LNAg122に出力する。LNAg122は、BPFg121からの信号を増幅し、その増幅された信号をBPFg123に出力する。BPFg123は、LNAg122からの信号のうち、2GHz帯域の信号を、RXg124に出力する。
【0088】
ST13の一端は、送受信部7の端子76に接続される。ST13の他端は、スイッチ62の他端およびスイッチ65の一端と接続される。
【0089】
ST14の一端は、GPS受信部12と接続されている。ST14の他端は、ST13の他端、スイッチ62の他端およびスイッチ65の一端と接続される。
【0090】
本実施形態では、BPFg121の通過帯域周波数が、FIL11の遮断帯域周波数となるように、BPFg121の通過帯域周波数とFIL11の遮断帯域周波数とが設定され、FIL11では、その周波数帯域の特性インピーダンスは、極大化されている。
【0091】
また、FIL11の通過帯域周波数が、BPFg121の遮断帯域周波数となるように、FIL11の通過帯域周波数とBPFg121の遮断帯域周波数とが設定され、BPFg121では、その周波数帯域の特性インピーダンスは、極大化されている。
【0092】
ST13とST14は、FIL11とBPFg121のそれぞれの通過帯域周波数が他方のインピーダンスに影響されないような最適の電気長となるように、送受信部7へ入出力する信号の位相と、GPS受信部12へ入力する信号の位相を調整する。ST13とST14は、本実施形態では、マイクロストリップラインで形成されている。
【0093】
次に、本実施形態の動作を説明する。
【0094】
例えば、受付部10が、アンテナ指定情報として、外部アンテナ指定情報を受け付け、周波数帯域指定情報として、1.5GHzを指定する特定周波数帯域指定情報を受け付けた場合には、制御部11は、スイッチ63、65および66を閉じ、その他のスイッチ(制御対象スイッチの残りのスイッチ)を開く。よって、1.5GHz帯域に対応する送受信部7が、TP2に接続される。同時に、GPS受信部12も、TP2に接続される。
【0095】
また、受付部10が、アンテナ指定情報として、外部アンテナ指定情報を受け付け、周波数帯域指定情報として、2GHz帯域を指定する通信周波数帯域指定情報を受け付けた場合には、制御部11は、スイッチ63、65および6aを閉じ、その他のスイッチ(制御対象スイッチの残りのスイッチ)を開く。よって、2GHz帯域に対応する送受信部3が、TP2に接続される。
【0096】
また、受付部10が、アンテナ指定情報として、外部アンテナ指定情報を受け付け、周波数帯域指定情報として、800MHz帯域を指定する通信周波数帯域指定情報を受け付けた場合には、制御部11は、スイッチ63、65および6bを閉じ、その他のスイッチ(制御対象スイッチの残りのスイッチ)を開く。よって、800MHz帯域に対応する送受信部4が、TP2に接続される。
【0097】
また、受付部10が、アンテナ指定情報として、外部アンテナ指定情報を受け付け、周波数帯域指定情報として、1.7GHz帯域を指定する通信周波数帯域指定情報を受け付けた場合には、制御部11は、スイッチ63、65および6cを閉じ、その他のスイッチ(制御対象スイッチの残りのスイッチ)を開く。よって、1.7GHz帯域に対応する送受信部5が、TP2に接続される。
【0098】
また、受付部10が、アンテナ指定情報として、内部アンテナ指定情報を受け付け、周波数帯域指定情報として、1.5GHzを指定する特定周波数帯域指定情報を受け付けた場合には、制御部11は、スイッチ61、62、65および66を閉じ、その他のスイッチ(制御対象スイッチの残りのスイッチ)を開く。よって、1.5GHz帯域に対応する送受信部7が、ANT8に接続される。同時に、GPS受信部12も、ANT8に接続される。
【0099】
また、受付部10が、アンテナ指定情報として、内部アンテナ指定情報を受け付け、周波数帯域指定情報として、2GHz帯域を指定する通信周波数帯域指定情報を受け付けた場合には、制御部11は、スイッチ61、62および6aを閉じ、その他のスイッチ(制御対象スイッチの残りのスイッチ)を開く。よって、2GHz帯域に対応する送受信部3が、ANT1に接続される。
【0100】
また、受付部10が、アンテナ指定情報として、内部アンテナ指定情報を受け付け、周波数帯域指定情報として、800MHz帯域を指定する通信周波数帯域指定情報を受け付けた場合には、制御部11は、スイッチ61、62および6bを閉じ、その他のスイッチ(制御対象スイッチの残りのスイッチ)を開く。よって、800MHz帯域に対応する送受信部4が、ANT1に接続される。
【0101】
また、受付部10が、アンテナ指定情報として、内部アンテナ指定情報を受け付け、周波数帯域指定情報として、1.7GHz帯域を指定する通信周波数帯域指定情報を受け付けた場合には、制御部11は、スイッチ61、62および6cを閉じ、その他のスイッチ(制御対象スイッチの残りのスイッチ)を開く。よって、1.7GHz帯域に対応する送受信部5が、ANT1に接続される。
【0102】
ここで、第3実施形態との比較例を説明する。
【0103】
図4は、図7に示した通信装置に、ANT8とGPS受信部12とが追加された通信装置である。図4に示した通信装置は、1.5GHz帯域に対応する送受信部を有していないため、図4に示した通信装置は、1.5GHz帯域の信号を使って送受信することができない。
【0104】
図5は、図8に示した通信装置に、ANT8とGPS受信部12とが追加された通信装置である。図5に示した通信装置は、図8に示した通信装置と同一の問題点がある。さらに、ANT8は、1.5GHz帯域のアンテナであり、ANT1Aも1.5GHz帯域をカバーしようとしている。このため、ANT8とANT1Aとが相互に干渉して互いに劣化を生ずる問題点もある。
【0105】
図6は、図9に示した通信装置に、ANT8とGPS受信部12とが追加された通信装置である。図6に示した通信装置は、図9に示した通信装置と同一の問題点がある。さらに、1.5GHz帯域のアンテナでありANT8を2つ有しているため、ANT8同士が相互に干渉して互いに劣化を生ずる問題点もある。さらに、アンテナが3本もあり、構成が複雑で経済的でないという問題点もある。
【0106】
これに対して、本実施形態では、送受信部7とGPS受信部12とが、ANT8を使用するので、GPS専用のアンテナを省くことができ、簡易で経済的な1.5GHz帯域対応の通信装置(例えば、携帯端末装置)を提供することが可能になる。
【0107】
なお、本実施形態では、各スイッチの開閉制御を第1実施形態と同様にしたが、各スイッチの開閉制御を第2実施形態と同様にしてもよい。
【0108】
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0109】
1、8 アンテナ(ANT)
2 外部アンテナ端子(TP)
3〜5、7 送受信部
31、41、51、71 送受信共有器(FIL)
32、42、52、72 低雑音増幅器(LNA)
33、43、53、73 受信側帯域通過フィルタ(BPF)
34、44、54、74 受信機(RX)
35、45、55、75 送信機(TX)
36、46、56、76 端子
6C、9 スイッチモジュール(SW)
61〜66、6a〜6c スイッチ
12 GPS受信部
121、123 受信帯域通過フィルタ(BPFg)
122 低雑音増幅器(LNAg)
124 受信機(RXg)
13、14 位相器(ST)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
N(Nは1以上の整数)個の周波数帯域の各無線信号を送受信可能な第1アンテナと、
前記N個の周波数帯域以外の特定周波数帯域の無線信号を送受信可能な第2アンテナと、
外部アンテナが接続される外部アンテナ端子と、
前記N個の周波数帯域に個別に対応し、自己に対応する周波数帯域の信号の送受信を制御するN個の送受信部と、
前記特定周波数帯域の信号の送受信を制御する特定送受信部と、
一端が前記第1アンテナに接続された第1スイッチと、
一端が前記第2アンテナに接続され、他端が前記特定送受信部に接続された第2スイッチと、
一端が前記外部アンテナ端子に接続された第3スイッチと、
一端が前記特定送受信部および前記第2スイッチの他端に接続された第4スイッチと、
前記N個の送受信部と個別に対応し、一端が自己に対応する送受信部に接続されたN個の送受信用スイッチと、を含み、
前記第1スイッチの他端と、前記第3スイッチの他端と、前記第4スイッチの他端と、前記N個の送受信用スイッチのそれぞれの他端とが、互いに接続されている、通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置において、
前記第4スイッチは、一端が前記特定送受信部および前記第2スイッチの他端と接続された第5スイッチと、一端が前記第5スイッチの他端と接続され、他端が前記第1スイッチの他端、前記第3スイッチの他端および前記N個の送受信用スイッチのそれぞれの他端と接続された第6スイッチと、を含み、
通信に使用するアンテナを指定するアンテナ指定情報と、通信に使用する周波数帯域を指定する周波数帯域指定情報と、を受け付ける受付部と、
前記受付部にて受け付けられたアンテナ指定情報と周波数帯域指定情報に基づいて、前記第1、第2、第3、第5および第6スイッチと前記N個の送受信用スイッチとを含む制御対象スイッチの開閉を制御する制御部と、をさらに含み、
前記制御部は、
前記受付部が、前記アンテナ指定情報として、前記外部アンテナを指定する第1指定情報を受け付け、前記周波数帯域指定情報として、前記特定周波数帯域を指定する第2指定情報を受け付けた場合には、前記第3、第5および第6スイッチを閉じると共に、前記制御対象スイッチの残りのスイッチを開き、
前記受付部が、前記アンテナ指定情報として、前記第1指定情報を受け付け、前記周波数帯域指定情報として、前記N個の周波数帯域のうちの1つである通信周波数帯域を指定する第3指定情報を受け付けた場合には、前記第3および第5スイッチと、前記通信周波数帯域に対応する送受信部と一端が接続された送受信用スイッチと、を閉じると共に、前記制御対象スイッチの残りのスイッチを開き、
前記受付部が、前記アンテナ指定情報として、前記第1アンテナと前記第2アンテナを指定する第4指定情報を受け付け、前記周波数帯域指定情報として、前記第2指定情報を受け付けた場合には、前記第1、第2および第6スイッチを閉じると共に、前記制御対象スイッチの残りのスイッチを開き、
前記受付部が、前記アンテナ情報として、前記第4指定情報を受け付け、前記前記周波数帯域指定情報として、前記第3指定情報を受け付けた場合には、前記第1および第2スイッチと、前記通信周波数帯域に対応する送受信部と一端が接続された送受信用スイッチと、を閉じると共に、前記制御対象スイッチの残りのスイッチを開く、通信装置。
【請求項3】
請求項1に記載の通信装置において、
前記第4スイッチは、一端が前記特定送受信部および前記第2スイッチの他端と接続された第5スイッチと、一端が前記第5スイッチの他端と接続され、他端が前記第1スイッチの他端、前記第3スイッチの他端および前記N個の送受信用スイッチのそれぞれの他端と接続された第6スイッチと、を含み、
通信に使用するアンテナを指定するアンテナ指定情報と、通信に使用する周波数帯域を指定する周波数帯域指定情報と、を受け付ける受付部と、
前記受付部にて受け付けられたアンテナ指定情報と周波数帯域指定情報に基づいて、前記第1、第2、第3、第5および第6スイッチと前記N個の送受信用スイッチとを含む制御対象スイッチの開閉を制御する制御部と、をさらに含み、
前記制御部は、
前記受付部が、前記アンテナ指定情報として、前記外部アンテナを指定する第1指定情報を受け付け、前記周波数帯域指定情報として、前記特定周波数帯域を指定する第2指定情報を受け付けた場合には、前記第3、第5および第6スイッチを閉じると共に、前記制御対象スイッチの残りのスイッチを開き、
前記受付部が、前記アンテナ指定情報として、前記第1指定情報を受け付け、前記周波数帯域指定情報として、前記N個の周波数帯域のうちの1つである通信周波数帯域を指定する第3指定情報を受け付けた場合には、前記第3スイッチと、前記通信周波数帯域に対応する送受信部と一端が接続された送受信用スイッチと、を閉じると共に、前記制御対象スイッチの残りのスイッチを開き、
前記受付部が、前記アンテナ指定情報として、前記第1アンテナと前記第2アンテナを指定する第4指定情報を受け付け、前記周波数帯域指定情報として、前記第2指定情報を受け付けた場合には、前記第2スイッチを閉じると共に、前記制御対象スイッチの残りのスイッチを開き、
前記受付部が、前記アンテナ情報として、前記第4指定情報を受け付け、前記前記周波数帯域指定情報として、前記第3指定情報を受け付けた場合には、前記第1スイッチと、前記通信周波数帯域に対応する送受信部と一端が接続された送受信用スイッチと、を閉じると共に、前記制御対象スイッチの残りのスイッチを開く、通信装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の通信装置において、
前記特定周波数帯域のGPS信号を受信するGPS受信部と、
一端が前記特定送受信部と接続し、他端が前記第2スイッチの他端および前記第4スイッチの一端と接続され、前記特定送受信部へ入出力する信号の位相を調整する第1位相器と、
一端が前記GPS受信部と接続し、他端が前記第1位相器の他端、前記第2スイッチの他端および前記第4スイッチの一端と接続され、前記GPS受信部へ入力する信号の位相を調整する第2位相器と、をさらに含み、
前記第1位相器と前記第2位相器とは、前記特定送受信部へ入出力する信号と、前記GPS受信部へ入力する信号と、の相互の影響が少なくなるように、前記特定送受信部へ入出力する信号の位相と、前記GPS受信部へ入力する信号の位相を調整する、通信装置。
【請求項5】
請求項1に記載の通信装置が行う通信方法であって、
前記第4スイッチは、一端が前記特定送受信部および前記第2スイッチの他端と接続された第5スイッチと、一端が前記第5スイッチの他端と接続され、他端が前記第1スイッチの他端、前記第3スイッチの他端および前記N個の送受信用スイッチのそれぞれの他端と接続された第6スイッチと、を有するものであり、
通信に使用するアンテナを指定するアンテナ指定情報と、通信に使用する周波数帯域を指定する周波数帯域指定情報と、を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップで受け付けられたアンテナ指定情報と周波数帯域指定情報に基づいて、前記第1、第2、第3、第5および第6スイッチと前記N個の送受信用スイッチとを含む制御対象スイッチの開閉を制御する制御ステップと、を含む、通信方法。
【請求項6】
請求項5に記載の通信方法において、
前記制御ステップでは、
前記受付ステップで、前記アンテナ指定情報として、前記外部アンテナを指定する第1指定情報を受け付け、前記周波数帯域指定情報として、前記特定周波数帯域を指定する第2指定情報を受け付けた場合には、前記第3、第5および第6スイッチを閉じると共に、前記制御対象スイッチの残りのスイッチを開き、
前記受付ステップで、前記アンテナ指定情報として、前記第1指定情報を受け付け、前記周波数帯域指定情報として、前記N個の周波数帯域のうちの1つである通信周波数帯域を指定する第3指定情報を受け付けた場合には、前記第3および第5スイッチと、前記通信周波数帯域に対応する送受信部と一端が接続された送受信用スイッチと、を閉じると共に、前記制御対象スイッチの残りのスイッチを開き、
前記受付ステップで、前記アンテナ指定情報として、前記第1アンテナと前記第2アンテナを指定する第4指定情報を受け付け、前記周波数帯域指定情報として、前記第2指定情報を受け付けた場合には、前記第1、第2および第6スイッチを閉じると共に、前記制御対象スイッチの残りのスイッチを開き、
前記受付ステップで、前記アンテナ情報として、前記第4指定情報を受け付け、前記前記周波数帯域指定情報として、前記第3指定情報を受け付けた場合には、前記第1および第2スイッチと、前記通信周波数帯域に対応する送受信部と一端が接続された送受信用スイッチと、を閉じると共に、前記制御対象スイッチの残りのスイッチを開く、通信方法。
【請求項7】
請求項5に記載の通信方法において、
前記制御ステップでは、
前記受付ステップで、前記アンテナ指定情報として、前記外部アンテナを指定する第1指定情報を受け付け、前記周波数帯域指定情報として、前記特定周波数帯域を指定する第2指定情報を受け付けた場合には、前記第3、第5および第6スイッチを閉じると共に、前記制御対象スイッチの残りのスイッチを開き、
前記受付ステップで、前記アンテナ指定情報として、前記第1指定情報を受け付け、前記周波数帯域指定情報として、前記N個の周波数帯域のうちの1つである通信周波数帯域を指定する第3指定情報を受け付けた場合には、前記第3スイッチと、前記通信周波数帯域に対応する送受信部と一端が接続された送受信用スイッチと、を閉じると共に、前記制御対象スイッチの残りのスイッチを開き、
前記受付ステップで、前記アンテナ指定情報として、前記第1アンテナと前記第2アンテナを指定する第4指定情報を受け付け、前記周波数帯域指定情報として、前記第2指定情報を受け付けた場合には、前記第2スイッチを閉じると共に、前記制御対象スイッチの残りのスイッチを開き、
前記受付ステップで、前記アンテナ情報として、前記第4指定情報を受け付け、前記前記周波数帯域指定情報として、前記第3指定情報を受け付けた場合には、前記第1スイッチと、前記通信周波数帯域に対応する送受信部と一端が接続された送受信用スイッチと、を閉じると共に、前記制御対象スイッチの残りのスイッチを開く、通信方法。
【請求項8】
請求項5から7のいずれか1項に記載の通信方法において、
前記通信装置は、
前記特定周波数帯域のGPS信号を受信するGPS受信部と、
一端が前記特定送受信部と接続し、他端が前記第2スイッチの他端および前記第4スイッチの一端と接続され、前記特定送受信部へ入出力する信号の位相を調整する第1位相器と、
一端が前記GPS受信部と接続し、他端が前記第1位相器の他端、前記第2スイッチの他端および前記第4スイッチの一端と接続され、前記GPS受信部へ入力する信号の位相を調整する第2位相器と、をさらに含むものであり、
前記第1位相器と前記第2位相器とが、前記特定送受信部へ入出力する信号と、前記GPS受信部へ入力する信号と、の相互の影響が少なくなるように、前記特定送受信部へ入出力する信号の位相と、前記GPS受信部へ入力する信号の位相を調整する、通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−220010(P2010−220010A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−65955(P2009−65955)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】