説明

通信装置の動作特性の遠隔変更方法

【課題】通信装置の動作特性を遠隔で変更するための方法を提供する。
【解決手段】本発明は着信メッセージまたは呼をユーザに信号伝達するために選択された通信装置の遠隔動作特性変更に関する。被呼装置がミュート状態にあっても緊急の着信メッセージまたは呼をユーザに信号で伝達することを許容するために、本方法は、発呼装置(MS1)から被呼装置(MS2)へ制御データを送信するステップと;送信制御データに従い被呼装置(MS2)の動作特性グループを変更するステップと;前記ステップで設定した動作特性に従い着信メッセージまたは呼を信号伝達するステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置の動作特性の遠隔変更方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信装置、特に電話の動作特性を、着信するメッセージまたは呼に対して選択することが出来ることは、従来技術において良く知られている。特に、今日大部分の電話では呼び出し音の音量および音質または音色の調整が可能であり、それ故電話ユーザが呼び出し音の品質を選択することが出来る。
【0003】
さらに、欧州特許出願公開第0611070号(EP0611070A2)に述べるように、出力信号の音量、呼び出し音の音量および音の生成などの、携帯電話の動作特性を変更することができ、それによって携帯電話をあらゆる環境で便利に使用することが出来る。複数の動作特性の変更を容易にするために、複数のプロファイルまたはグループがこれら特性に対して定義される。各プロファイルまたはグループはこれら全ての動作特性の予め決められた値を含み、特定のプロファイルまたはグループを選択すると複数の動作特性が同時に変更される。
【0004】
従って、ある環境から別の環境に移動するとき、ユーザは1つのメニューを選択すれば、複数の動作特性が同時に変更される。
【0005】
欧州特許出願公開第1117245号(EP1117245A1)は、発呼電話が、受信電話に聞かせるおよび/または提示する呼び出し指示の選択を可能にする方法を開示している。呼び出し指示を選択するには、発呼電話のユーザは、まずデータファイルから呼び出し指示を選択する。その後、ユーザは電話番号を入力し、所望の電話に呼を発する。発呼電話から被呼電話への接続または回線の確立中に、選択された呼び出し指示が被呼電話に送信され、被呼電話は発呼ユーザがその電話で選択した呼び出し指示に従って稼働される。
【0006】
さらに、着信呼のクラスに従って、ユーザは呼び出し指示(可聴および/または可視)を予め定義することが出来る。特定クラスの呼に使用することになっている呼び出し指示を遠隔地から選択するためには、発呼時に、発呼ユーザは呼にクラスを割り当てる必要がある。このようにして、呼クラス情報は被呼電話に送信され、被呼電話において、着信呼を知らせる呼クラス情報に従って定義済みの呼び出し指示が選択される。
【0007】
それ故、電話ユーザは特定の呼クラス、例えば事務的呼、私的呼、緊急呼、標準呼などの特定の呼び出し指示を選択することができ、これにより異なる呼クラスに対して、電話ユーザが定義した、異なる呼び出し指示に応じて呼信号は呼を知らせる。
【0008】
さらに、米国特許第6、297、726号(US6、297、726B1)は、2つのモードで動作することの出来る無線ページ受信機を開示している。第1のモードでは、ページャは光と音のアラームを起動して、発呼者に係わらずメッセージの着信を指示する。第2のパスワード選択モードでは、ページャは、メッセージによりパスワードをページャに送信した発呼者に対してのみ、光と音のアラームを起動する。従って、ページャへのメッセージ送信時に予め選択された発呼者であることが分かれば、光と音の両方のアラームを起動するだけで、これらの複数の発呼者の中から、パスワードを送信した発呼者を区別することが出来る。選択されていない発呼者からメッセージを受信すると、光のアラームのみを起動し、メッセージを表示する。
【0009】
従って、発呼側が特定の優先信号モードを起動することが可能か否かを示す受信パスワードに従って、2つのメッセージ信号モードの内の1つを選択することは、既知である。
【0010】
さらに、国際公開第97/32439号(WO97/32439)は、複数のアプリケーションをサポートすることができかつユーザメッセージを通信する手段を有する、通信ネットワーク用端末を開示している。特に、この端末は、アプリケーションの1つに関するデータおよびヘッダを有するユーザメッセージを受信する手段と、受信メッセージデータをヘッダにしたがって各アプリケーションへの配信する手段とを含む。この既知の端末によって通信可能なメッセージは、ショートメッセージおよび/または所謂スマートメッセージである。
【0011】
以後SMSと称するショートメッセージは、ショートメッセージサービス標準に従うメッセージである。スマートメッセージは、特種なSMSで、そのヘッダはデータ部分の情報の使用方法に関する情報を含む。以後、EMSと称する高度化メッセージは、高度メッセージサービス標準に従うメッセージである。以後、MMSと称するマルチメディアメッセージは、マルチメディアメッセージサービス標準に従うメッセージである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の基本的目的は、通信装置の動作特性を遠隔で変更するための別の方法を提供することであり、この方法は、被呼装置がミュート状態にあっても緊急着信メッセージまたは呼をユーザに信号伝達することが出来る。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の目的は、発呼装置から被呼装置へ制御データを送信し;送信された制御データに従って被呼装置の動作特性グループを変更し;さらに前記ステップにおいて設定された動作特性に従って着信メッセージまたは呼を信号伝達する、各ステップを含む方法によって達成される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、通信装置、特に携帯電話を例えばミュート状態から着信呼およびメッセージをユーザに音響によって信号伝達する状態へ切り替える為に、1つの動作グループから別のグループへの変更が可能である。動作特性の全グループを切り替えることにより、呼び出し音の大きさのみならず、呼び出し音そのものを変更することが出来、選択されたグループの呼び出し音により緊急度を示すことが出来る。
【0015】
さらに、大きな呼び出し音を有する動作特性のプロファイルまたはグループへの切り替えの代わりに、被呼側を不必要に煩わせたくない場合に低い呼び出し音量のプロファイルに切り替えることも可能である。
【0016】
さらに、本発明による方法は、携帯電話またはステーションに送信するメッセージ、例えばファクシミリ、SMS、MMS、EMSなどにも使用することが出来る。この場合、別の動作特性プロファイルまたはグループへの遠隔地からの切り替えは、送信メッセージの重要性を強調するために使用することができる。一方、プロファイルの切り替えは、受信者を煩わせたくない場合に、音量が低いあるいはミュートである呼び出し音を含むプロファイルへの切り替えに、適用可能である。
【0017】
好ましくは、制御データは信号チャネルを介して少なくともヘッダおよびデータ部分を含むメッセージとして送信される。従って、信号チャネルを使用すれば、発呼装置および被呼装置の両方でネットワーク標準および/またはプロトコルを変更することなく個々のアプリケーションのみを実行すれば良く、通信装置における本発明の使用が容易になる。
【0018】
本発明の好ましい改良によれば、制御データは、アプリケーションが制御データの含むコマンド情報を解釈出来ることを示す、指示を含む。
【0019】
制御データは識別データを含み、このデータが、発呼側が被呼装置の動作特性を遠隔から変更する権限を有することが、有利である。
【0020】
この特徴により、選択された数の人のみが被呼通信装置のユーザにより、緊急の動作または注意が必要な場合に動作特性を変更することが出来る権限を与えられることが、保証される。
【0021】
好ましくは、被呼装置の動作特性は遠隔切り替え可/非データを含み、このデータは動作特性プロファイルまたはグループの遠隔変更許容是非の場所および/または時間を示す位置指定データおよび/または時間データを備え、実際の位置および/時間に関して遠隔切り替えが可能な場合にのみ、送信制御データに従う被呼装置動作特性プロファイルまたはグループの変更が行われる。従って、携帯電話ユーザは、プロファイルの変更または切り替えを防止する場所および時間を定めることが出来る。従って、ユーザは、着信メッセージまたは呼に煩わされたくない場所、例えば家および時間、例えば夜間を定めることが出来る。
【0022】
特に、動作特性の実行中のグループは動作特性の標準グループに変更される。
【0023】
本発明の他の改良によれば、動作特性の実行中のグループは、制御データを受信した場合はこの受信制御データによって特定されるグループに変更され、その他の場合はデフォルトのグループに変更される。したがって、私的またはビジネスグループまたはチームの人は、彼らの通信装置において提供される特定の動作グループに同意することができ、それ故、着信呼またはメッセージの信号伝達があると、ユーザが実行中にした動作特性に従う信号伝達の代わりに、グループが予め同意した動作特性グループに従って特定グループまたはチームの人が発呼していることを、被呼通信装置のユーザは認識することが出来る。
【0024】
さらに、制御データは音の大きさの設定データを含み;呼び出し音の大きさの値は所望の値に設定される。
【0025】
重要メッセージのみの送信に代わって発呼する場合、被呼装置から発呼装置への確認メッセージの返信が望ましい。これは、緊急呼を音響によって被呼ユーザに信号伝達することを保証するためである。
【0026】
本発明の他の展開によれば、呼の終了後または着信呼またはメッセージの信号伝達後、遠隔から開始した動作特性の変更前に実行中であった動作特性グループに、動作特性の実行中のグループを自動的に戻すようになっている。
【0027】
あるいは、発呼装置からのリセットデータを受信すると、遠隔から行った動作特性の変更前に実行中であった前記動作特性グループに、動作特性の実行中のグループを戻す。
【0028】
本発明の別の局面では、通信装置の動作特性の遠隔変更方法は、被呼装置から発呼装置へ制御データを送信し;さらにパスワード調査手段によって装置のオフへの切り替え許容の是非を調べた後、受信制御データに含まれるオフへの切り替えデータに従って被呼装置をオフにする、各ステップを備える。
【0029】
本方法によれば、装置の紛失や盗難の場合に、この通信装置の権限のない使用を防止するために、遠隔から通信装置をオフにすることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
添付の図面を参照して、より詳細に本発明を説明する。
【0031】
図1によれば、無線通信ネットワーク、特にセル構造を有する無線通信ネットワークは、複数の基地局BS1、BS2などを備え、各基地局は無線ネットワークセンターに接続され、ネットワークセンターは信号伝達用にショートメッセージサービスセンターSMSCを備える。さらに、複数の携帯ステーションMS1、MS2などが無線通信ネットワークの加入端末として設けられる。
【0032】
図2に示すように、各携帯ステーションMSは、無線インタフェースを介する情報送受信のためのRF部分11、携帯ステーションの動作制御のための中央処理ユニット(CPU)12、ならびに表示装置14、キーパッド15、マイクロフォンなどの音声入力16および拡声器などの音声出力17を有するユーザインタフェース13を備える。さらに、携帯ステーションMSは振動ユニット18を備えることが出来る。出力手段、即ち表示装置14、拡声器17および振動手段18を制御するために、各駆動手段、即ち表示ドライバ19、拡声器ドライバ20および振動手段ドライバ21が用意される。
【0033】
携帯ステーション、特に着信メッセージまたは呼を知らせるための動作特性を、携帯ステーションを実際に使用する環境に適応させるために、対応するドライバ19、20および21を個別に制御することにより異なる出力手段14、17および18を調整することが出来る。ドライバ19、20および21は携帯ステーションMSの個別回路要素として図示されているが、これら要素を中央処理ユニット12に組み込むことおよび/またはソフトウエアのアプリケーションとして確立することも出来る。
【0034】
発呼するために、携帯ステーションのユーザは、通常電話番号を入力しまたはその番号を電話帳から選択し、さらに呼の設定を開始するために特定のキーを操作する。
【0035】
呼設定の後、SMS、EMSおよびMMSなどのようなメッセージの送信にも使用可能な個々の信号チャネルを介して、着信呼を被呼携帯ステーションMS2に信号により伝達する。被呼携帯ステーションMS2が着信呼を認識すると、それぞれの出力手段に選択された動作特性に従って全てのまたは幾つかの利用可能な異なる出力手段を用いて、着信呼をユーザに信号で伝達する。例えば、表示装置14をフラッシュし、呼び出し音を、拡声器19を介してある大きさで出力し、および/または振動手段18の動作により、携帯ステーションMSを振動させる。
【0036】
しかしながら、ある環境、例えば会議または劇場では拡声器は通常オフにされ、従って表示装置のみがフラッシュしおよび/または振動手段が振動する。さらに、呼転送機能を実行することができ、従って呼を自動応答センターに転送し、発呼側は被呼側へのメッセージを残すことが出来る。
【0037】
もしミュートプロファイルを実行している携帯ステーション、例えば音声出力を除く動作特性グループを有する人に緊急メッセージを送信しなければならない場合でも、この緊急メッセージを受信する携帯ステーションの所有者は、直ちに着信メッセージに気付かない可能性がある。さらに、もし緊急呼を受信しても、呼は極めて短い時間の間のみ信号伝達され、次いで呼応答センターに転送される。
【0038】
しかしながら、本発明によれば実行中のプロファイルを一般的または特定のプロファイルに切り替えるために、発呼側が、動作特性グループ、例えば実行中のプロファイルを変更する為に制御データを含むメッセージ、例えばSMS、所謂スマートメッセージ、EMSまたはMMSを送信することが可能である。さらに、実行中のプロファイルを一般的または特定のプロファイルに切り替えるだけでなく、音量を特定の大きな値、例えば最大量の4/5またはもっと大きく、および/または呼び出し音を最大の呼び出しに設定するデータを、制御データは含むことが出来る。
【0039】
従って、本発明によれば緊急の場合に携帯ステーションの実行中のプロファイルを、遠隔地から切り替えることが可能である。それ故、予め定義したグループまたはチームのメンバーは、遠隔プロファイル切り替えを用いて、互いに信号を送りあるいは呼び出すことが出来る。さらに、発呼する前に遠隔から音の大きな状態に電話を切り替えることが出来るので、ミュート状態にある、別の場所にある電話を本発明の方法を用いて発見することが出来る。さらに、実行中のプロファイル、特にミュートプロファイルの代わりに標準または特定のプロファイルを用いて、メッセージまたは呼の重要性を強調することが出来る。さらに、本発明の誤用を防ぐ為に、発呼携帯ステーションから被呼携帯ステーションに送信されたメッセージがセキュリティパスワードを含み、このパスワードをメッセージの受信後プロファイルの切り替え実施前に調査することが望ましい。このため、このようなパスワードを含むメッセージのみが自動的に処理され、従ってパスワードを知る権限を与えられた者のみが、受信携帯ステーションの実行中のプロファイルを切り替えることが出来る。このように、1つのチームのメンバーは1つの共通パスワードに同意しておけば、緊急の場合発生した緊急事態に注意を引くために、チームのメンバーは制御データを含むメッセージ、例えば拡張スマートメッセージをチームの他のメンバーに送信または放送することが出来る。
【0040】
さらに、本発明によれば各携帯ステーションは幾つかのパスワードを扱うことが出来る。このため、各チームは他のグループのパスワードと関係なく自分自身のパスワードを所有することに同意したとしても、異なるチームやグループに属する携帯ステーションの所有者に、複数のチームの全てのチームメンバーがアクセスすることが可能なようになっている。この場合、ユーザは1つまたは複数または全てのパスワードを選択し、緊急の場合に自分を煩わせることになってもよい人数を制限することも可能である。
【0041】
さらに、被呼装置(MS2)の動作特性は、動作特性プロファイルまたはグループの遠隔変更の許容是非の場所および/または時間を示す位置指定データおよび/または時間データを包含する、遠隔切り替えの可否データを含む。それ故、ユーザは煩わされたくない場所、例えば自宅、および/または時間、例えば夜間を選択することが可能である。一方、このような位置指定データおよび/または時間データを使用し、緊急の場合チームの仲間および/または友人がユーザにアクセス可能な時間と場所を積極的に定義することが出来る。従って、遠隔切り替え可否データがユーザによって設定される場合、実際の位置データおよび/または時間データを設定されたデータと比較し、遠隔切り替えが位置および/または時間に関して可能な場合のみ、送信された制御データに従う被呼装置(MS2)の動作特性プロファイルまたはグループの変更が実施される。
【0042】
携帯ステーションの位置は、従来技術においてよく知られている幾つかの方法により決定される。携帯ステーションがGPS(グローバルポジショニングシステム)モジュールを装備する場合、このモジュールが受信するデータを使用することが出来る。しかしながら、そのようなモジュールを利用できない場合、携帯ステーションがその時点で位置するセルラーシステムの実際のセルに関する情報を使用することが出来る。さらに、E−OTD(高度観測時間差)法のような、既知のセルラー位置指定法の1つを前述の方法の代わりに使用することが出来る。
【0043】
次に、図3を参照して、本発明の方法をさらに詳細に説明する。
【0044】
第1の携帯ステーションMS1のユーザが、緊急の場合に他の携帯ステーションMS2のユーザに発呼することを望む場合、ステップ10で第1のメッセージ、例えばプロファイルを変更する制御データを含むEMSを携帯ステーションMS1から、第1の基地局BS1に送信する。次いで、ステップ11で、EMSを基地局BS1からショートメッセージサービスセンターSMSCに転送する。ステップ12で、ショートメッセージサービスセンターは、被呼携帯ステーションMS2が位置する近隣の基地局BS2にEMSを送信する。ステップ13で、第2の基地局BS2によって転送されたEMSの受信後、被呼携帯ステーションMS2においてパスワードを調べ、EMSが有効なプロファイルの場合、EMSに含まれる制御データに従いプロファイルの変更が行われる。着信呼の信号による伝達のために携帯ステーションMS2の動作特性グループの変更後、ステップ14で携帯ステーションMS2は第1のEMSの受信を確認する他のメッセージを送信する。次いで、基地局BS2(ステップ15)、ショートメッセージサービスセンターSMSC(ステップ16)および第1の基地局(ステップ17)により、この確認メッセージを連続して発呼携帯ステーションMS1に転送する。EMSの代わりに他の標準によるメッセージを使用することも可能である。
【0045】
その後、無線ネットワークセンターおよび第2の基地局BS2と共に呼設定を行う基地局BS1に呼設定要求を送信し、その結果通常の方法で被呼携帯ステーションMS2に着信呼を信号で伝達する。着信呼を示す情報の受信後、以前に受信した制御データにより設定した動作特性に従い携帯ステーションMS2は、ユーザに着信呼を信号で伝達する。呼び出し中の通話データの交換受理および完了後、呼は通常の方法で処理される。
【0046】
最後に、呼の完了後、最初のプロファイル変更前に実行中であった携帯ステーションMS2のプロファイルのリセットのために、第1のメッセージと同じ方法で発呼携帯ステーションMS1から被呼携帯ステーションMS2に他のEMSを送信する。しかしながら、この場合、被呼携帯ステーションMS2から発呼携帯ステーションMS1への確認メッセージの返送は不要である。
【0047】
ステップ17で、確認メッセージEMSの受信後においてのみ、発呼携帯ステーションMS1から呼設定要求を送信することに注目されたい。このようにして、所望の方法で被呼携帯ステーションMS2が第2の携帯ステーションMS2のユーザに着信呼を示すことが出来ることが保証される。
【0048】
本発明の通信装置の遠隔動作特性変更方法は、通信装置、特に特定のアプリケーションとして携帯ステーションまたは携帯電話に組み込まれる。このアプリケーションは、幾つかのステップによりユーザをガイドするダイアログ指向のユーザインタフェース動作を含む。この動作は、2つの主な部分、即ちパスワードデータベース管理およびプロファイル(動作特性グループ)または状態変更に基づく。後者は、携帯ステーションのオフへの切り替え、プロファイルおよび/または音の大きさの遠隔変更および呼の開始およびプロファイルまたは音の大きさのリセットの可能性を含む。
【0049】
より詳細には、パスワードデータベース管理により、ユーザはプロファイル交換、即ち他の携帯ステーションの動作特性の遠隔変更の為の新規パスワードの安全管理、および既存のパスワードの削除および/または追加が出来る。各パスワードの入力は2つの要素、即ち、パスワード自体及びパスワードを識別するニックネームまたは識別子(例えば私のプロジェクト)、に基づく。
【0050】
パスワードデータベース管理を起動すると、メニュー入力の1つ、例えば「新規」、「編集」または「削除」の選択をユーザに求める。「新規」の選択後、ニックネームおよびパスワードの入力をユーザに求める。「削除」の選択後、矢印またはキーのスクロールなどを用いて削除するパスワード入力をマークすることをユーザに求める。「編集」の選択後、編集するパスワード入力の選択をユーザに求める。その後、ユーザはパスワードおよび対応するニックネームの編集が出来る。
【0051】
第2の主要部分、即ちプロファイル/状態変更の起動後、電話番号の入力または携帯ステーションの総合電話帳における電話番号の検索をユーザに求める。その後、対応するパスワードの入力または対応するパスワードデータベースにおいて利用可能な複数のパスワードから1つのパスワードの選択をユーザに求める。この手順をパスワードの管理部分と直接リンクさせことができるので、パスワードの入力をユーザにリストとして提示しかつ読めるようにし、検索するパスワード識別用の対応するニックネームを用いてこのようなリストから所望のパスワードの選択をユーザが出来るようにする。
【0052】
電話番号の入力による特定の携帯ステーションの識別および対応するパスワードの入力後、以下のコマンドの1つの入力がユーザに求められる:「スイッチオフ」、「プロファイル_XXX」および「音の大きさ_X」。ユーザはXXXを変更し、所望のプロファイル名を指定することが出来る。このため、特定グループを除く標準グループへ動作特性を自動的に切り替える必要は必ずしもない。Xは呼び出し音の大きさのレベルを示す。
【0053】
その後、アプリケーションによりパスワードおよび所望のコマンドを含む特定のメッセージを、上記のようにして、被呼携帯ステーションMS2に送信する。
【0054】
所望のプロファイルが遠隔の移動装置、即ち被呼ステーションで利用できない場合には、プロファイル名に加えて音の大きさの所望のレベルを送信することに利点がある。
【0055】
発明の方法を容易に適用するために、メッセージのヘッダ部分、即ちSMS、スマートメッセージ、EMSまたはMMSには情報が含まれ、この情報は、遠隔装置で利用可能であるべきプロファイル切り替えアプリケーションがこのメッセージを解釈でき、受信メッセージをプロファイル切り替えアプリケーションに自動的に転送することを示す。
【0056】
本発明の方法により動作するこのプロファイル切り替えアプリケーションの利用の可能性を以下で想定する。
【0057】
受信側では、プロファイル切り替えアプリケーションにより着信メッセージを読み、内容を解釈し、以下のように対応する。パスワードが正しければ、受信コマンドの実行が許可される。それ故、受信メッセージが「スイッチオフ」であれば、携帯ステーションを直ちにオフにする。携帯ステーションの紛失または盗難の場合、権限のない人は使用できなく出来るので、この特徴は便利である。受信コマンドが「プロファイル_XXX」の場合、携帯ステーションMS2はそれが可能なら所望のプロファイルに切り替えられ、可能でない場合一般または標準プロファイルに切り替えられる。受信信号「音の大きさ_X」に従い、呼び出し音の大きさのレベルをXにする。さらに、第2及び第3のケースでは、遠隔プロファイル切り替えを要求する携帯ステーションMS1に確認を送信する。
【0058】
第1のケースでは、発呼携帯ステーションMS1のプロファイル切り替えアプリケーションは遠隔携帯ステーション、即ち被呼携帯ステーションの確認を待つ。しかしながら、予め定められた合理的時間スロット(例えば1分)内に確認メッセージを受信しない場合には、アプリケーションは呼び出しを開始する。
【0059】
呼が確立する場合の呼び出し終了後、前述の如くプロファイルを元に戻す為に、遠隔携帯ステーションMS2のプロファイル切り替えアプリケーションの為のメッセージをアプリケーションにより送信する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の使用する通信システムを示す簡単な概略図である。
【図2】携帯ステーションの簡単な概略のブロック図である。
【図3】発呼中の動作特性遠隔変更を示す簡単な概略のブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置の動作特性を着信メッセージまたは呼をユーザに知らせるために選択された動作特性グループに遠隔から変更するための方法であって;
−被呼装置(MS2)が制御データを受信するステップと;
−前記受信した制御データに従い前記被呼装置(MS2)の動作特性グループを、着信メッセージまたは呼をユーザに知らせるために選択された動作特性グループに変更するステップと;
−前記ステップで設定した前記動作特性グループに従い着信メッセージまたは呼をユーザに信号伝達するステップ、を含み、前記動作特性グループは同時に変更可能な複数の動作特性を含む、通信装置の動作特性変更方法。
【請求項2】
前記制御データを少なくともヘッダおよびデータ部分を含むメッセージとして信号チャネルを介して送信することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記制御データは、含まれるコマンド情報をアプリケーションが解釈できることを示す指示を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記制御データが、前記発呼側が前記被呼装置(MS2)の動作特性を遠隔変更する権限を有することを示す識別データを含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記被呼装置(MS2)の動作特性が、動作特性プロファイルまたはグループの遠隔変更許可是非の場所および/または時間を示す位置指定データおよび/または時間データを含む遠隔切り替え可否データに従って変更可能な場合、前記遠隔切替え可否データが遠隔切り替え可能な値を有する場合にのみ、前記送信された制御データに従って前記被呼装置(MS2)動作特性グループが変更されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記動作特性の実行中のグループを標準動作特性グループに変更することを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記実行中の動作特性グループを、前記受信した制御データに指定がある場合該受信した制御データの指定するグループに、指定がない場合デフォルトグループに変更することを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記制御データが音の大きさの設定データを含み;呼び出し音の大きさの値は所望の値に設定されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記制御データは、無線インターフェースを介してかつ特に発呼装置(MS1)から受信されることを特徴とする、請求項1乃至8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
確認メッセージを、前記被呼装置(MS2)から前記発呼装置(MS1)に返送することを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記呼び出しの完了後または着信呼またはメッセージの信号伝達後、前記制御データによって変更された動作特性グループを、変更前に実行中であった動作特性グループに、自動的に戻すことを特徴とする、請求項1から10の何れか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記被呼装置(MS2)によってリセットデータを受信した場合、前記制御データによって変更された動作特性グループを、変更前に実行中であった動作特性グループに戻すことを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
通信装置の動作特性を着信メッセージまたは呼をユーザに知らせるために選択された動作特性グループに遠隔で変更するためのコンピュータプログラム製品であって:プロセッサベース装置、通信装置、携帯電話、携帯ステーションまたは無線通信ネットワークの加入端末上において前記プログラムが実行される場合、前記請求項1乃至12の何れか1項に記載のステップを実行するためのプログラムコードセクションを含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項14】
通信装置の動作特性を着信メッセージまたは呼をユーザに知らせるために選択された動作特性グループに遠隔で変更するためのコンピュータプログラム製品であって:プロセッサベース装置、通信装置、携帯電話、携帯ステーションまたは無線通信ネットワークの加入端末上において前記プログラムが実行される場合、前記請求項1乃至12の何れか1項に記載のステップを実行するための、機械読み取り可能な媒体上に記憶されたプログラムコードセクションを含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項15】
通信装置の動作特性を着信メッセージまたは呼をユーザに知らせるために選択された動作特性グループに遠隔で変更することが可能な通信装置であって:
−無線インターフェースを介して制御データを受信するためのRF部(11);
−動作特性に基づいて調整可能な出力手段(14、17、18)、および
−受信した制御データに基づいて前記通信装置(MS2)の動作特性のグループを着信メッセージまたは呼をユーザに知らせるために選択された動作特性グループに変更し、さらに受信した制御データに基づいてセットアップされる動作特性に基づいて、着信メッセージまたは呼を信号によって伝達するために、前記制御データを読み込むようにプログラムされたプロファイル切り替えアプリケーションによって動作する中央処理ユニット(12)、
を含む通信装置。
【請求項16】
前記制御データは、ショートメッセージまたはスマートメッセージとして送信されることを特徴とする、請求項1乃至12の何れか1項に記載の通信装置の動作特性変更方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−301531(P2008−301531A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−227193(P2008−227193)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【分割の表示】特願2004−504493(P2004−504493)の分割
【原出願日】平成14年5月8日(2002.5.8)
【出願人】(398012616)ノキア コーポレイション (1,359)
【Fターム(参考)】