説明

通信装置及びその制御方法、プログラム

【課題】 機器間の連携サービスを実施する際に、操作者は多くの項目を確定する操作が必要であり、操作が煩雑であった。
【解決手段】 表示部の表示状態に対応するサービスを選択し、選択したサービスを利用して、相手装置と通信するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器同士で連携サービスを実施する通信装置及びその制御方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
機器同士が連携したサービス(連携サービス)を実施する際、サービス実施に必要な情報を確定する必要がある。例えば、デジタルカメラとプリンタ間でダイレクト接続による印刷サービスを実現する場合、ユーザは印刷用紙サイズや画質などの拡張情報の設定する。([特許文献1]参照)。また、携帯電話の赤外線通信では、送信側、受信側の設定、転送するデータをユーザが指定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−9388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、連携サービスの多様化に伴い、連携サービスを実施するために確定すべき情報項目(例えば、サービスの種類、アプリケーション、プロトコル、サービス確定情報など)が増加してきている。このため、ユーザが数多くの項目の確定操作を実行しなくてはならず、サービス利用者の操作が煩雑化してきている。その結果、誤操作も増え、希望する連携サービスと異なるサービスを利用してしまたり、連携サービスを利用できなかったりする場合もある。
【0005】
本発明の目的の1つは、連携サービスを実施する際の操作性を向上することである。また、本発明の他の目的は、簡単な操作で連携サービスを利用できるようにすることである。
また、本発明の他の目的は、以下の説明及び図面より明らかとなるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の通信装置の1つは、表示部の表示状態に対応するサービスを選択し、選択したサービスを利用して、相手装置と通信するようにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、機器間の連携サービスを実施する際の操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態1のシステム構成図
【図2】通信装置の機能ブロック図
【図3】実施形態1の動作フローチャート
【図4】実施形態1におけるサービス情報の概念図
【図5】実施形態1におけるサービス情報記憶テーブル構成例
【図6】実施形態2、3のシステム構成図
【図7】実施形態2の動作フローチャート
【図8】実施形態2におけるサービス情報の概念図
【図9】実施形態2におけるサービス情報記憶テーブル構成例
【図10】実施形態2における選択メニューの表示例
【図11】実施形態3の動作フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施例1)
図1は実施例1のシステム構成図である。101はデジタルカメラ、102は携帯電話である。携帯電話102は、デジタルカメラ101の通信相手の装置である。103はデジタルカメラ101の表示部であり、104は携帯電話102の表示部である。デジタルカメラ101および携帯電話102の操作者は、表示部103、104の表示を見て、画像ファイルの閲覧、選択等の表示状態の変更、設定が可能である。デジタルカメラ101、携帯電話102は、装置を制御するコンピュータ(CPU)と該コンピュータが実行するプログラムを記憶するメモリを有する。
【0010】
105は近接無線通信であり、デジタルカメラ101と携帯電話102とを近づけることによって近接無線通信105を介してピア・トゥー・ピア通信を行うことができる。近接無線通信105には、電磁誘導を利用した非接触ICカード無線通信やNFC(Near Field Communcation)、誘導電界を利用した通信などがある。近接無線通信105ではお互いの距離が数センチメートル以内に存在する場合に通信が行える。
【0011】
図2(a)、(b)は、デジタルカメラ101および携帯電話102の構成を示すブロック図である。図2における各構成は、デジタルカメラ101および携帯電話102、後述のデジタルカメラ601のコンピュータ(CPU)がプログラムを実行することにより実現される。なお、図2(b)は、実施例2で説明する。201は近接無線通信105を行う通信部である。202は機器内に存在するアプリケーションを示しており、203は画像印刷や動画再生などのサービスを提供するアプリケーション・ソフトウェアである。204は表示部103、104の表示状態を制御する表示制御部である。表示制御部204は、判定部215を有し、表示部103、104の表示状態を判定する。表示部103、104の表示状態としては、ディレクトリ/ファイル/サービスの閲覧状態や選択状態がある。表示制御部204では、ディレクトリ/ファイル/サービスに関する詳細な情報も保持しており、例えばファイルの名称や拡張子などのメタデータを保持している。
【0012】
205は、通信部201の制御機能、実施するサービスの選択機能を提供する通信ミドルウェア部である。206は近接無線通信の制御を行う通信制御部であり、207は近接無線通信の接続および切断の制御と検出を行う通信検出部である。通信検出部207では、近接無線通信105で通信が行える他の機器が近接無線通信圏内に近づくと接続の検出を行う。逆に近接無線通信圏内から遠ざかると切断の検出を行う。
【0013】
208は表示部103、104の表示状態毎に定義されたサービス情報を保持するサービス情報テーブルである。サービス情報テーブルはデジタルカメラ101および携帯電話102の記憶部に記憶されている。サービス情報とは、ある表示状態において実施可能なサービスの種類を記したもので、例えば図4のような画像印刷、画像転送などのサービスのリストである。サービス情報テーブル208は、図5のように表示状態毎のサービス情報を保持しており、具体的にはXML言語などの形式で記述される。
【0014】
209は表示制御部204から通知された表示状態に対応したサービス情報をサービス情報テーブル208から取得するサービス情報取得部である。210はサービス情報取得部で取得したサービス情報を、近接無線通信105を介して接続先の対向機器に送信するサービス情報送信部である。211は対向機器からのサービス情報を受信するサービス情報受信部である。212は自機器と相手機器のサービス情報を比較し、実施するサービスを決定するサービス情報決定部である。213はサービス情報受信部211で対向機器のサービス情報を受信するまでの時間を計測するサービス情報受信タイマである。所定の一定時間が経過してもサービス情報が受信されない場合はサービス情報決定部212でサービスの決定は行わずに処理を終了する。214はサービス情報決定部212で決定したサービスを提供するアプリケーション・ソフトウェアを起動するアプリケーション管理部である。
【0015】
以下、図3の動作フローチャートを用いて本実施例の動作を説明する。なお、以下の説明では、デジタルカメラ101に着目し、デジタルカメラ101を自機器、携帯電話102を対向機器と定義して説明するが、どちらの機器が自機器か対向機器かは問わず同様の動作が可能である。
【0016】
初期状態としてデジタルカメラ101と携帯電話102は近接無線通信105ができない十分遠い距離に配置されている。デジタルカメラ101内部に保存されている画像ファイルを携帯電話102に転送したい場合、デジタルカメラ101の操作によって転送したい画像ファイルを選択する。通常はデジタルカメラ101の表示部103に転送したい画像ファイルを表示させる。一方、携帯電話102の表示状態はメニュー画面とする。
【0017】
この状態でデジタルカメラ101を携帯電話102に近づける。デジタルカメラ101では、通信検出部が近接無線通信105の接続を監視しているので、接続を検出する(S301)。接続が検出された場合、判定部215は表示部の表示状態を判定し、サービス情報取得部209に通知する。該通知によりサービス情報取得部209はその時点での表示部103の表示状態を取得する(S302)。
【0018】
その結果、サービス情報取得部209は、画像ファイルが選択されている表示状態であることを確認でき、サービス情報テーブル208を検索し、その表示状態に対応するサービス情報を取得する(S303)。ここでは、表示状態が画像ファイル選択の状態なので、サービス情報として、画像表示(送信側)、画像印刷(送信側)、画像転送(送信側)を取得する(図4、図5参照)。
【0019】
サービス情報送信部210は、サービス情報取得部209が取得したサービス情報を対向機器である携帯電話102に送信し(S304)、サービス情報受信タイマ213を起動する(S305)。サービス情報受信タイマ213が起動して所定時間が経過しても対向機器からサービス情報が受信されない場合(S306)、対向機器での異常発生もしくは対向機器が本処理に対応していないレガシ機器であると判断し、サービス選択処理を中断して終了する。サービス情報受信部211が携帯電話102からのサービス情報を受信した場合(S307)、サービス情報受信タイマ213を停止する。
【0020】
サービス情報受信部211が携帯電話102からのサービス情報を受信した場合(S307)、サービス情報決定部212は、サービス情報取得部209が取得した自機器のサービス情報と受信した携帯電話102のサービス情報を比較する。この比較により、連携して動作するサービス情報があるかを判別する(S308)。ここでは、携帯電話102の表示状態は、メニュー画面であるので、サービス情報受信部211は画像転送(受信側)、動画転送(受信側)、文書ファイル転送(受信側)を受信する。従って、連携して動作するサービス情報として画像転送(送信側)と画像転送(受信側)が一致し、使用するサービスとして画像転送サービスを決定する(S309)。
【0021】
アプリケーション管理部214はサービス情報決定部212が決定した連携サービス(画像転送サービス)を提供するアプリケーション・ソフトウェアを起動する(S310)。そして、起動したアプリケーション・ソフトウェアにより、決定した連携サービス(画像転送サービス)を実行する(S311)。
【0022】
対向機器である携帯電話102においても、同様の処理を行うため、画像転送サービスを提供するアプリケーション・ソフトウェアが起動される。そのため、デジタルカメラ101と携帯電話102の両方の機器において、それぞれ対応する画像転送サービスのアプリケーションが動作し、デジタルカメラ101で選択した画像ファイルが携帯電話102に転送される。
【0023】
また、サービス情報決定部212は、S308の比較の結果、一致するサービス情報がない場合、また、一致するサービス情報が複数存在し、サービス情報を一意に決定できない場合は(S309)、サービス選択処理を中断して終了する。
【0024】
以上のように、操作者はデジタルカメラ101の表示部103で画像ファイルを選択し、携帯電話102をメニュー画面にしておけば、デジタルカメラ101を携帯電話102に接触させる(近づける)だけで画像ファイルの転送ができる。また、対向機器での異常発生や対向機器がレガシ機器であった場合にも対応し、誤作動を起こすことなく処理を終了できる。また、サービス情報を一意に決定できない場合は、操作者が意図するサービスと異なるサービスが実施されないように処理を終了できる。この場合、操作者は、デジタルカメラ101と携帯電話102の双方において、使用するサービス情報を決定する操作を行うことで、所望のサービスを利用することができる。
【0025】
(実施例2)
図6は実施例2のシステム構成図である。601はデジタルカメラ、602はプリンタである。プリンタ602は、デジタルカメラ601の通信相手の装置である。603はデジタルカメラ601の表示部、604はプリンタ602の表示部である。デジタルカメラ601およびプリンタ602の操作者は、表示部603、604の表示を見て、画像ファイルの閲覧、選択等の表示状態の変更、設定が可能である。デジタルカメラ101、デジタルカメラ601は、装置を制御するコンピュータ(CPU)と該コンピュータが実行するプログラムを記憶するメモリを有する。605は近接無線通信であり、デジタルカメラ601とプリンタ602は近づけることによって近接無線通信605を介してピア・トゥー・ピア通信を行うことができる。
【0026】
図2はデジタルカメラ601およびプリンタ602の構成を示すブロック図である。なお、本実施例では、サービス情報決定部212は、図2(b)の構成となる。以下、実施例1と異なる構成について説明する。
【0027】
本実施例でのサービス情報は、ある表示状態における実施可能なサービスの種類に加え、サービスを実施する上で必要となるアプリケーション、サービス設定情報、通信プロトコル(以下、プロトコル)、各々の優先度の項目について記したものである(図8)。ただし、必ずしも優先度を割り当てる必要はなく、優先度のない項目に関しては予め設定されたデフォルト値を自動的に割り当てる。
【0028】
サービス情報テーブル208は、図9のように表示状態毎のサービス情報を保持している。サービス情報テーブル208は、自機器で実施可能な全てのサービスの種類とそれに必要なアプリケーション、サービス設定情報、プロトコルもサービスに対応するように関連させて保持している。なお、サービス情報テーブル208で管理する情報は、これら全ての情報でなくても、これらの情報のうちの1つ以上の情報であればよい。
【0029】
サービス情報取得部209は表示制御部204から表示状態を取得し、その表示状態に対応したサービス情報とサービス一覧リストをサービス情報テーブルから取得する。サービス情報送信部210はサービス情報とサービス一覧リストを対向機器に送信する。サービス情報受信部211はサービス情報とサービス一覧リストを対向機器から受信する。
【0030】
サービス情報決定部212は、選択メニュー制御部216と選択情報受信タイマ217を有する。選択メニュー制御部216は、利用するサービスを自動的に決定できなかった場合に、サービス情報の項目を操作者に選択させるための処理を行う。具体的には、図10のように、表示制御部204の制御により表示部603、604に決定できなかった項目をリストとして表示し、操作者に選択、決定させることでサービス情報を決定する。決定したサービス情報は対向機器にサービス情報送信部210を通じて送信する。また、対向機器602から決定したサービス情報を受信することでサービス情報を決定させることも可能である。
【0031】
選択情報受信タイマ217は、対向機器602からサービス情報を受信するまでの時間を計測する。選択情報受信タイマ217は、選択メニュー制御部216から選択メニューを表示部603、604に表示する際に起動し、サービス情報が決定すると停止する。
【0032】
以下、図7の動作フローチャートを用いて本実施例の動作を説明する。実施例2では、デジタルカメラ601に着目し、デジタルカメラ601を自機器、プリンタ602を対向機器として説明するが、どちらの機器が自機器か対向機器かは問わず同様の動作を行うものとする。
【0033】
初期状態としてデジタルカメラ601とプリンタ602は近接無線通信605ができない十分遠い距離に配置されている。デジタルカメラ601内部に保存されている画像ファイルをプリンタ602で印刷したい場合、デジタルカメラ601の操作によって印刷したい画像ファイルを選択する。通常はデジタルカメラ601の表示部603に画像ファイルの画像を表示すればよい。一方、プリンタ602の表示状態はメニュー画面とする。
【0034】
この状態でデジタルカメラ601をプリンタ602に近づける。デジタルカメラ601では、通信検出部が近接無線通信105の接続を監視しているので、接続を検出する(S701)。接続が検出された場合、判定部215は表示部の表示状態を判定し、サービス情報取得部209に通知する。該通知によりサービス情報取得部209はその時点での表示部603の表示状態を取得する(S702)。
【0035】
その結果、サービス情報取得部209は、画像ファイルが選択されている表示状態であることを確認でき、サービス情報テーブル208を検索し、その表示状態に対応するサービス情報を取得する(S703)。ここでは、表示状態が画像ファイル選択の状態なので、サービス情報として、画像印刷(送信側)、画像転送(送信側)を取得する(図8、図9参照)。
【0036】
サービス情報送信部210は、サービス情報取得部209が取得したサービス情報を対向機器であるプリンタ602に送信し(S704)、サービス情報受信タイマ213を起動する(S705)。サービス情報受信タイマ213が起動して所定時間が経過しても対向機器からサービス情報を受信しない場合(S706、S707)、対向機器の異常発生もしくは対向機器が本処理に対応していないレガシ機器であると判断し、サービス選択処理を中断して終了する。サービス情報受信部211が対向機器からのサービス情報を受信した場合(S707)、サービス情報受信タイマ213を停止する。
【0037】
サービス情報受信部211が対向機器からのサービス情報を受信した場合(S707)、サービス情報決定部212は、サービス情報取得部209が取得した自機器のサービス情報とサービス情報受信部211が受信した携帯電話102のサービス情報を比較する。この比較により、連携して動作するサービス情報があるかを判別する(S708)。ここでは、プリンタ602の表示状態は、メニュー画面であるので、サービス情報受信部211は画像印刷(受信側)、画像転送(受信側)を受信する。従って、連携して動作するサービス情報として画像印刷(送信側)、画像印刷(受信側)の画像印刷と、画像転送(送信側)と画像転送(受信側)の画像転送が一致する。
【0038】
全ての項目について一致するサービスがある場合(S709)、それらのサービスに関する各項目の自機器と対向機器の優先度の和を比較し、最も優先度の和が大きいサービスを実施するサービスとして決定する(S710)。全ての項目について一致するサービスが1つしかない場合は、優先度に係らずに当該サービスを実施するサービスとして決定する(S710)。アプリケーション管理部214はサービス情報決定部212が決定した連携サービスを提供するアプリケーション・ソフトウェアを起動する(S720)。そして、起動したアプリケーション・ソフトウェアにより、決定した連携サービスを実行する(S721)。
【0039】
実施例2では、画像転送サービスに比べて画像印刷サービスの優先度(優先度の合計)が高いため、実施するサービスは画像印刷サービスに決定する。さらに、サービスを実施する上で必要なアプリケーションに関しては、アプリケーション#1とアプリケーション#2の優先度が等しいため、サービス情報を決定できない状態となる。サービス情報を決定できない場合、選択メニュー制御部216は、表示部603に決定できなかったサービス情報を選択肢として表示し(S713)、操作者に対して利用するサービスの決定を促す。また、選択情報受信タイマ217を起動する(S714)。ここでは、例えば図10(a)、(b)の表示を行い、自機器又は対向機器においてサービス情報が選択されるのを待つ。操作者がデジタルカメラ601を操作し、サービス情報を選択してサービスを決定すると(S717)、サービス情報送信部210が決定したサービス情報を送信する(S718)。操作者が対向機器のプリンタ602でサービス情報の決定操作をおこない、サービス情報受信部211が対向機器で決定されたサービス情報を受信した場合(S715)も受信したサービス情報に決定する。選択情報受信タイマ217が所定時間を計時するまでに、自機器においてサービス情報の選択が行われず、かつ、対向機器からも選択されたサービス情報が受信されなければ、処理を終了する(S716)。
【0040】
自機器または対向機器でサービス情報が選択され、選択されたサービス情報を相手に通知すると、サービス情報決定部212が利用するサービスを決定する。アプリケーション管理部214はサービス情報決定部212が決定した連携サービスを提供するアプリケーション・ソフトウェアを起動する(S720)。そして、起動したアプリケーション・ソフトウェアにより、決定した連携サービスを実行する(S721)。ここでは、デジタルカメラ601で選択された画像をプリンタ602で印刷するサービスを実行する。また、自機器または対向機器でサービス情報が選択されず、操作者が終了を選択した場合は(S719)、処理を終了する。
【0041】
なお、サービス情報の選択は、図10(a)を表示し、操作者が画像印刷を選択すると、次に、図10(b)のように、アプリケーションの選択肢を表示する。そして、アプリケーションが操作者に選択されると、サービス情報を決定できる。このように、サービスを決定できない場合は、ユーザが希望するサービスを選択させることができる。
【0042】
他の例としては、優先度の比較により画像印刷サービスまでは決定できるので、決定できなかった項目の選択肢から表示してもよい。本例の場合、図10(b)のように、画像印刷を行うためのアプリケーションの選択肢から表示してもよい。自動的に決定できない項目をユーザに選択させることにより、ユーザの操作を簡易化することができる。
【0043】
また、S709において、デジタルカメラ601とプリンタ602で交換したサービス情報で一致するサービス情報がない場合、デジタルカメラ601と対向機器であるプリンタ602のサービス一覧リスト(全サービス)の比較を行う(S711)。そして、連携して動作するサービス情報で互いに一致するサービス情報があった場合は(S712)、そのサービス情報を選択するための選択肢を表示し、サービスを操作者に選択させる(S713)。ここでの選択も、複数の方法がある。例えば、一致するサービス情報をリスト表示し、それらの中からどのサービスを利用するかの選択を操作者に行わせる表示方法がある。他の方法としては、決定できないサービス情報の項目について操作者に選択させる方法がある。S713以降の処理は、前述と同じなので割愛する。
【0044】
以上のように、操作者はサービス開始に必要なサービス設定情報を全て設定することなく、デジタルカメラ601の表示部603で画像ファイルを選択し、プリンタ602に接触するだけで画像ファイルの印刷ができる。また、優先度を用いることで、実施可能なサービスやアプリケーション、サービス設定情報、プロトコルが複数ある場合にも柔軟に対応することが可能となる。さらに、使用するサービスを自動的に決定できない場合は、利用できるサービスの中から使用するサービスの選択を操作者に行わせることができる。また、サービス情報の優先度によりある程度までサービスを絞り込める場合は、自動的に決定できないサービス情報の項目だけを操作者に選択させる方法を用いれば、操作者は操作を簡略化でき、簡易な操作でサービスを利用できる。
【0045】
(実施例3)
本実施例では、自機器の表示状態からサービス情報を選択し、対向機器との連携サービスを開始する。そして、正常にサービスを開始できれば、サービスを継続し、対向機器とのサービスが開始できなければ、他のサービスに切り替えて対向機器との連携サービスを開始する。
【0046】
本実施例のシステム構成で図は、図6と同様である。また、デジタルカメラ601の構成は、図2のサービス情報送信部210、サービス情報受信部211、サービス情報受信タイマ213が無くても良い。プリンタ602は、アプリーション#1を用いた画像印刷のサービスしか提供しないものとする。
【0047】
図11の動作フローチャートを用いて本実施例の動作を説明する。なお、以下の説明では、デジタルカメラ101に着目し、デジタルカメラ101を自機器として説明する。
【0048】
初期状態としてデジタルカメラ601とプリンタ602は近接無線通信605ができない十分遠い距離に配置されている。デジタルカメラ601内部に保存されている画像ファイルをプリンタ602で印刷したい場合、デジタルカメラ601の操作によって印刷したい画像ファイルを選択する。通常はデジタルカメラ601の表示部603に画像ファイルの画像を表示すればよい。
【0049】
その状態でデジタルカメラ601をプリンタ602に近づける。デジタルカメラ601では、通信検出部が近接無線通信105の接続を監視しているので、接続を検出する(S1101)。接続が検出された場合、判定部215は表示部の表示状態を判定し、サービス情報取得部209に通知する。該通知によりサービス情報取得部209はその時点での表示部603の表示状態を取得する(S1102)。
【0050】
その結果、サービス情報取得部209は、画像ファイルが選択されている表示状態であることを確認でき、サービス情報テーブル208を検索し、その表示状態に対応するサービス情報を取得する(S1103)。ここでは、表示状態が画像ファイル選択の状態なので、サービス情報として、画像印刷(送信側)、画像転送(送信側)を取得する(図8、図9参照)。
【0051】
サービス情報決定部212は、サービス情報取得部209が取得したサービス情報の優先度を確認し、優先度が一番高いサービス情報を選択する(S1104)。サービス情報が選択されると、アプリケーション管理部214は、選択したサービス情報に対応するサービスを提供するアプリケーション・ソフトウェアを起動する(S1105)。そして、起動したアプリケーション・ソフトウェアを用いて、対向機器に対してサービス開始を通知する(S1106)。ここで、対向機器が当該サービスに対応していない場合は、エラーもしくは何の応答も返ってこないため、サービスがエラー終了する(S1107)。また、対向機器が当該サービスに対応している場合は、サービスの開始に対して正常な応答が返ってくるため、そのままサービスを継続して実行する(S1107、S1108)。サービスがエラー終了した場合は(S1107)、サービス情報決定部212は、次の優先度のサービスを選択し直し、S1105以降の処理を行う。ここで、S1103で取得したサービス情報のいずれのサービスも実行できない場合は、処理を終了する。
【0052】
本例では、デジタルカメラ601の表示状態が画像ファイル選択の状態なので、サービス情報取得部209は、サービス情報として、画像印刷(送信側)、画像転送(送信側)を取得する。そして、プリンタ602が対応するアプリケーション#1を利用した画像印刷(送信側)が選択されるまで、サービス情報の選択、開始が繰り返される。また、アプリケーション#1を利用した画像印刷(送信側)が選択されると、プリンタ602との画像印刷サービスが実行される。
【0053】
以上のように本実施例によれば、対向機器が自動サービス選択に対応していなくても、表示状態に基づいたサービス自動選択によるサービスを実施できる。
【符号の説明】
【0054】
101 デジタルカメラ
102 携帯電話
103 表示部
104 表示部
201 通信部
202 アプリケーション
203 アプリケーション
204 表示制御部
205 通信ミドルウェア
206 通信制御部
207 通信検出部
208 サービス情報テーブル
209 サービス情報取得部
210 サービス情報送信部
211 サービス情報受信部
212 サービス情報決定部
213 サービス情報受信タイマ
214 アプリケーション管理部
215 判定部
216 選択メニュー制御部
217 選択情報受信タイマ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部の表示状態を判定する判定手段と、
前記判定手段により判定した表示状態に対応するサービスを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択したサービスを利用して、相手装置と通信する通信手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記選択手段により複数のサービスが選択された場合に、該複数のサービスから前記相手装置との通信に利用するサービスを決定する決定手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記決定手段は、前記選択手段により選択されたサービスと、前記相手装置から受信したサービスに関する情報と、に基づいて、前記相手装置との通信に利用するサービスを決定することを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記通信装置は、前記相手装置との接続から所定時間が経過しても前記相手装置から前記サービスに関する情報が受信されない場合に、サービスを実施せずに終了することを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記決定手段は、前記通信装置と前記相手装置とで互いに連携して実施できるサービスを、前記相手装置との通信に利用するサービスを決定することを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記決定手段は、前記選択手段により選択されたサービスの優先度に基づいて、前記相手装置との通信に利用するサービスを決定することを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
サービスを提供するアプリケーションに関する情報、サービスを実施する際の通信プロトコルに関する情報、サービスを実施する際の設定情報の少なくともいずれかと前記サービスを関連させて管理する管理手段を有し、
前記選択手段は、前記管理手段により管理される情報に基づいて、前記表示状態に対応するサービスを選択することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項8】
前記選択手段により選択されたサービスを操作者に選択させるための表示を前記表示部に行う表示手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項9】
前記選択手段により選択されたサービスから前記相手装置との通信に利用するサービスを自動的に決定できない場合に、前記表示手段は、サービスを操作者に選択させるための表示を前記表示部に行うことを特徴とする請求項8に記載の通信装置。
【請求項10】
前記相手装置との接続を検出する検出手段を有し、
前記選択手段は、前記検出手段により前記通信相手との接続が検出された際の前記表示部の表示状態に対応するサービスを選択することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項11】
表示部の表示状態を判定する判定手段と、
前記判定手段により判定した表示状態に対応するサービスを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された複数のサービスから相手装置との通信に利用するサービスを決定する決定手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項12】
通信装置の制御方法であって、
表示部の表示状態を判定し、
判定した表示状態に対応するサービスを選択し、
選択したサービスを利用して、相手装置と通信することを特徴とする通信装置の制御方法。
【請求項13】
通信装置の制御方法であって、
表示部の表示状態を判定し、
判定した表示状態に対応するサービスを選択し、
選択された複数のサービスから相手装置との通信に利用するサービスを決定することを特徴とする通信装置の制御方法。
【請求項14】
コンピュータで実行することにより、請求項1乃至請求項11のいずれか1項の通信装置をコンピュータで実現するためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−2962(P2011−2962A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−144612(P2009−144612)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】