通信装置及びその制御方法、並びにプログラム
【課題】1つのホストコンピュータによる占有を防止するとともに、通信装置に対して処理要求を行ったホストコンピュータのユーザが迅速に処理結果を知ることができる仕組みを提供する。
【解決手段】PCa101と無線USB通信を実行可能なMFP15において、PCa101からのFAX送信JOBを受信し(S102)、受信したFAX送信JOBを実行する(S104)。そして、実行したFAX送信JOBを送信したPCa101を示す情報を保持し(S105)、保持した情報が示すPCa101からの接続要求を、他のPCからの接続要求よりも優先して受け付けるよう制御する(S106)。
【解決手段】PCa101と無線USB通信を実行可能なMFP15において、PCa101からのFAX送信JOBを受信し(S102)、受信したFAX送信JOBを実行する(S104)。そして、実行したFAX送信JOBを送信したPCa101を示す情報を保持し(S105)、保持した情報が示すPCa101からの接続要求を、他のPCからの接続要求よりも優先して受け付けるよう制御する(S106)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のホストコンピュータとの間で無線通信を実行可能な通信装置及びその制御方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示されるように、PC環境で周辺機器との接続インターフェースとして使用されている規格の一つであるUSBが無線化された、無線USB(ワイヤレスUSB)が知られている。
【0003】
無線USB通信においては、複数のホストコンピュータと1台のMFP(Multi Function Peripheral)が同時に通信することはできず、1台のホストコンピュータと1台のMFPとの間でのみ通信が行われる。これは、無線USBの規格(Wireless USB Specification Rev. 1.0)で定められている。
【0004】
ここで、複数のホストコンピュータ(PCa、PCb、PCc)と通信装置(MFP)とが無線USB通信を実行可能な環境における、以下の状況を例として説明する。
【0005】
まずPCaがMFPに対して接続要求を行い、PCaとMFPとが接続される。そして、MFPは、PCaからのファクシミリ送信要求に基づいて、PCaから受信したデータを、公衆回線網を介して他のファクシミリ装置に対して送信する。そして、このファクシミリ送信の処理が完了した後、処理の結果(送信成功または送信失敗)を要求元のPCaに対して通知する。
【0006】
しかしながら、このような処理を行う場合、次のような問題が発生し得る。即ち、PCaからのMFPに対するデータの伝送速度に対して、MFPからのファクシミリ送信の伝送速度は極端に遅い場合がある。この場合、PCaがファクシミリ送信の結果を確認するためには、PCaからMFPへのデータ伝送が完了しているにも関わらず、ファクシミリ送信が完了するまでPCaとMFPとの接続を切断することなく維持し続けなければならない。従って、PCaによってMFPが無駄に占有されることになり、PCbやPCcのユーザが長時間待たされてしまうことになる。
【0007】
図18は、上述した状況を説明するための概念図である。MFPは、PCaからの接続要求(701)を受け付けると、PCaと接続し、PCaからFAX送信JOBを受信する(702)。そして、MFPは、PCaから受信したデータを画像メモリに格納するとともに、モデムを制御することにより公衆回線網を介して相手受信機に対してファクシミリ送信する。
【0008】
このファクシミリ送信の伝送速度は、ITU−T勧告V.34やT.30で定められており、最大でも33.6kbpsである。それに対して、無線USB通信の場合は、USB2.0と同等のスピードが得られるとして、480MBpsである。つまり、702におけるデータの伝送が終了した後、ファクシミリ送信の処理が完了するまでPCaとMFPは接続されたままになる。
【0009】
そして、ファクシミリ送信の処理が完了したときに、MFPからPCaに対して送信処理の結果が通知され(705)、PCaとMFPとの接続が切断される(706)。つまり、ファクシミリ送信の処理が完了するまでは、他のホストコンピュータであるPCbからの接続要求703やPCcからの接続要求704は一切受け付けられないことになる。
【0010】
これに対して、PCaからMFPへのデータ伝送が完了したときに、ファクシミリ送信の完了を待つことなくPCaとMFPとの接続を切断してしまうようにすることも考えられる。この場合、PCaからMFPに対して改めて接続要求を行い(再接続要求)、PCaとMFPとが接続され、送信処理の結果がPCaに通知される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007−251851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
図19は、PCaからMFPへのデータ伝送が完了したときに、ファクシミリ送信の完了を待つことなくPCaとMFPとの接続を切断する場合の処理を説明するための概念図である。MFPは、PCaからの接続要求(801)を受け付けると、PCaと接続し、PCaからFAX送信JOBを受信する(802)。そして、MFPは、PCaから受信したデータを画像メモリに格納するとともに、モデムを制御することにより公衆回線網を介して相手受信機に対してファクシミリ送信する。
【0013】
ここで、図18とは異なり、MFPはPCaに対して所定の情報(例えば、受付番号)を通知し(803)、ファクシミリ送信処理の完了を待つことなく、接続を切断する(804)。これにより、例えばPCbが接続要求を行い(805)、MFPに対して印刷処理の実行を要求すると(806)、MFPは記録部を制御して印刷処理を実行することができる。また、例えばPCcが接続要求を行い(809)、MFPに対して読取処理の実行を要求すると(810)、MFPは読取部を制御して読取処理を実行することができる。
【0014】
しかしながら、この場合、PCaが送信結果を確認するために再接続要求を行ったとしても、MFPが他のホストコンピュータ(PCb、PCc)と接続していると、PCaがMFPと接続することができず、送信結果を確認するのに時間がかかってしまう。つまり、PCaが807で再接続要求したとしても、MFPはPCbと接続しているため、PCaと接続することはできない。同様に、PCaが811で再接続要求したとしても、MFPはPCcと接続しているため、PCaと接続することはできない。即ち、PCaは、MFPとPCbとの接続が切断され(808)、MFPとPCcとの接続が切断される(813)まで送信結果を確認することができないという問題が発生する。
【0015】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであり、1つのホストコンピュータによる占有を防止するとともに、通信装置に対して処理要求を行ったホストコンピュータのユーザが迅速に処理結果を知ることができる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するために本発明の通信装置は、複数のホストコンピュータとの間で無線通信を実行可能な通信装置であって、前記複数のホストコンピュータのうちいずれか1つのホストコンピュータからの接続要求を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた接続要求に基づいて、当該接続要求を行ったホストコンピュータと接続し、当該接続したホストコンピュータが要求する処理を実行する処理手段と、前記接続したホストコンピュータを示す情報を保持する保持手段と、前記保持手段により保持されている情報に基づいて、当該情報が示すホストコンピュータからの再接続要求を、他のホストコンピュータからの接続要求よりも優先して受け付けるよう前記受付手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、1つのホストコンピュータによる占有を防止するとともに、通信装置に対して処理要求を行ったホストコンピュータのユーザが迅速に処理結果を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施形態に係るシステム全体を説明するためのブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係るMFP15のソフトウェア構成を示す図である。
【図3】第1の実施形態に係るMFP15の動作を説明するフローチャートである。
【図4】第2の実施形態に係るMFP15のソフトウェア構成を示す図である。
【図5】第2の実施形態に係るMFP15の動作を説明するフローチャートである。
【図6】第3の実施形態に係るMFP15のソフトウェア構成を示す図である。
【図7】第3の実施形態に係るMFP15の動作を説明するフローチャートである。
【図8】第4の実施形態に係るMFP15のソフトウェア構成を示す図である。
【図9】第4の実施形態に係るMFP15の動作を説明するフローチャートである。
【図10】第5の実施形態に係るMFP15のソフトウェア構成を示す図である。
【図11a】第5の実施形態に係るMFP15の動作を説明するフローチャートである。
【図11b】第5の実施形態に係るMFP15の動作を説明するフローチャートである。
【図12】第5の実施形態に係るMFP15の動作を説明するフローチャートである。
【図13】第5の実施形態に係るMFP15の動作を説明するフローチャートである。
【図14】第6の実施形態に係るMFP15の動作を説明するフローチャートである。
【図15】第7の実施形態に係るMFP15の動作を説明するフローチャートである。
【図16】第8の実施形態に係るMFP15の動作を説明するフローチャートである。
【図17a】第9の実施形態に係るMFP15の動作を説明するフローチャートである。
【図17b】第9の実施形態に係るMFP15の動作を説明するフローチャートである。
【図18】PCからMFP15に対してFAX送信JOBの実行を要求する処理を説明するためのシーケンス図である。
【図19】PCからMFP15に対してFAX送信JOBの実行を要求する処理を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。尚、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0020】
(第1の実施形態)
図1は、通信装置の一例として説明するMFP15の構成、およびMFP15との間で無線USB通信を実行可能なホストコンピュータの一例として説明するPCを含むシステム全体を説明するためのブロック図である。
【0021】
PC1は、WUSBIF(Wireless USB Interface)2を備え、WUSB通信を実行する際に用いられる無線通信チャネル3を介してMFP15と接続される。FAX4は、ケーブル等で構成される通信線5、7及び公衆回線網6を介してMFP15と接続され、MFP15との間でファクシミリ通信を実行する。PC8は、USBIF9を備え、有線USBケーブル10を介してMFP15と接続される。PC11は、ネットワークケーブル12、14ネットワーク13を介してMFP15と接続される。
【0022】
MFP15は、システムコントローラ16、読取部17、操作部18、及び記録部19を備える。
【0023】
システムコントローラ16は、MFP15全体の動作を制御する。読取部17は、原稿上の画像を読み取って画像データを生成する。操作部18は、ユーザによる操作入力を受け付ける。キー20は、ユーザにより操作される。LCD21は、操作画面を表示する。LED22は、ユーザに装置の各種情報を表示する。記録部19は、画像データに基づく画像を記録媒体上に印刷し、また処理結果レポートを含む各種レポートを印刷する。
【0024】
WUSBIF23は、無線通信チャネル3を介したPC1とのWUSB通信を制御する。NCU24は、公衆回線網6を介したFAX4とのファクシミリ通信を制御する。USBIF25は、有線USBケーブル10を介したPC8との有線USB通信を制御する。LANIF(Local Network Interface)26は、ネットワーク13を介したPC11とのデータ通信を制御する。
【0025】
また、システムコントローラ16は、MFP15の動作を決定するプログラム等が格納されたROM27、画像データ等を格納することのできるRAM28、ファクシミリ通信の実行を制御するためのモデム29、及び中央制御部30を備える。
【0026】
なお、第1の実施形態における通信装置及びホストコンピュータの一例として上述した基本的な構成は、後述する各実施形態においても同様であるものとし、各実施形態のそれぞれにおける詳細な説明は省略する。
【0027】
図2は、第1の実施形態におけるMFP15のソフトウェア構成を示す図である。なお、MFP15内に示す各機能部は、MFP15の中央制御部30が制御プログラムを実行することにより実現される。また、PCa101及びPCb103は、図1で説明したPC1と同様のものであり、それぞれ無線通信チャネル102及び104を介してMFP15とWUSB通信を実行することができる。なお、ここでは概念的に無線通信チャネル102及び104を別のものとして示しているが、実際にはいずれの通信チャネルもWUSBIF23によって確立される。
【0028】
FAX送信JOB受信部105は、PCからの接続要求に応じてMFP15と要求元のPCとが接続された後に、PCからFAX送信JOBを受信する。PCは、MFP15に対してFAX送信JOBを送信することにより、MFP15からFAX4に対するファクシミリ送信の実行を要求することができる。FAX送信JOB実行部106は、FAX送信JOB受信部105が受信したFAX送信JOBを実行し、ファクシミリデータを送信する。
【0029】
PC記憶部107は、MFP15と接続しFAX送信JOBを送信したPCを示す情報を保持する。また、PC優先受付部108は、後述する方法を用いて、PC記憶部107に保持された情報が示すPCからの再接続要求を優先的に受け付けるための制御を行う。
【0030】
図3は、本実施形態におけるMFP15の動作を説明するフローチャートである。MFP15が実行する各動作は、フローチャート上における各ステップ(Sと表記する)に対応する。
【0031】
S101では、FAX送信JOBの実行を要求したPCからの再接続要求を優先的に受け付ける処理を開始する。なお、この処理を行うかどうかを、予め管理者によって設定できるようにしても構わない。
【0032】
S102では、PCa101またはPCb103からの接続要求に基づいて要求元のPCと接続し、接続したPCからFAX送信JOBを受信したかどうかを判断する。FAX送信JOBを受信した場合はS104に進み、そうでなければS103に進んで、接続したPCから要求された処理(印刷処理または読取処理)を実行する。
【0033】
S104では、FAX送信JOB受信部105が受信したFAX送信JOBを、FAX送信JOB実行部106が実行する。そして、S105では、FAX送信JOBを送信したPC、すなわちMFP15と接続されたPCを示す情報をPC記憶部107に保持させる。そして、S106において、PC優先受付部108が、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの再接続要求を、他のPCからの接続要求よりも優先して受け付けるよう制御する。
【0034】
なお、ここでの優先して受け付ける処理とは、例えば、複数のPCからの接続要求があった場合に、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの接続要求を先に受け付けるようにする処理である。或いは、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの接続要求があった場合に、既に接続されている他のPCとの接続を切断する処理である。
【0035】
PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの再接続要求に基づいて、当該PCとMFP15とが接続された場合は、送信JOB実行部106により実行されたファクシミリ送信処理の結果(通信成功または通信失敗)を接続したPCに通知する。
【0036】
以上、説明したように、本実施形態によれば、1つホストコンピュータによる占有を防止するとともに、通信装置に対して処理要求を行ったホストコンピュータのユーザが迅速に処理結果を知ることができる。
【0037】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態におけるMFP15のソフトウェア構成を示す図である。なお、MFP15内に示す各機能部は、MFP15の中央制御部30が制御プログラムを実行することにより実現される。なお、図2で説明したものと同様の構成については同じ参照符号を付し、説明は省略する。
【0038】
再接続タイミング予測部210は、MFP15に接続されたPCがFAX送信JOBを送信し、一旦その接続を切断した後、MFP15によるファクシミリ送信処理の結果を確認するために再び接続要求を行うタイミングを予測するものである。より具体的には、再接続タイミング予測部210は、受信したFAX送信JOBの内容(例えば、送信ページ数)に基づいてファクシミリ送信処理に要する時間を予測する。そして、PCからFAX送信JOBを受信したあと接続を切断する前に、予測した時間をPCに通知しておく。これにより、通知された時間が経過した後にPCが再接続要求を行うことが予測できる。
【0039】
接続要求一時拒否部211は、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの再接続要求を他のPCからの接続要求よりも優先して受け付けるようにするために、PC優先受付部108からの指示により他のPCからの接続要求を一時的に拒否する。
【0040】
図5は、本実施形態におけるMFP15の動作を説明するフローチャートである。MFP15が実行する各動作は、フローチャート上における各ステップ(Sと表記する)に対応する。
【0041】
S201では、FAX送信JOBの実行を要求したPCからの再接続要求を優先的に受け付ける処理を開始する。なお、この処理を行うかどうかを、予め管理者によって設定できるようにしても構わない。
【0042】
S202では、PCa101またはPCb103からの接続要求に基づいて要求元のPCと接続し、接続したPCからFAX送信JOBを受信したかどうかを判断する。FAX送信JOBを受信した場合はS204に進み、そうでなければS203に進んで、接続したPCから要求された処理(印刷処理または読取処理)を実行する。
【0043】
S204では、FAX送信JOB受信部105が受信したFAX送信JOBを、FAX送信JOB実行部106が実行する。そして、S205では、FAX送信JOBを送信したPC、すなわちMFP15と接続されたPCを示す情報をPC記憶部107に保持させる。
【0044】
S206では、再接続タイミング予測部210が予測したタイミングになったかどうか、つまりFAX送信JOBを送信した後に一旦接続を切断したPCからの再接続要求が来るタイミングになったかどうかを判断する。この判断の結果、再接続タイミング予測部210が予測したタイミングになっていない場合は、S207に進み別の処理の実行する。つまり、この場合は、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの再接続要求を他のPCからの接続要求よりも優先して受け付ける処理を行わず、どのPCからの接続要求であっても平等に受け付ける。
【0045】
再接続タイミング予測部210が予測したタイミングになったと判断された場合、S208に進み、接続要求一時拒否部211が、PC記憶部107により保持されている情報が示すPC以外のPCからの接続要求を一時的に拒否する処理を行う。
【0046】
S209では、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの接続要求があったかどうかを判断する。該当する接続要求があった場合はS210に進み、要求元のPCとの接続処理を行い、接続したPCに対して送信JOB実行部106により実行されたファクシミリ送信処理の結果(通信成功または通信失敗)を通知する。
【0047】
一方、該当する接続要求がない場合はS211に進み、再接続タイミング予測部210が予測したタイミングが過ぎたかどうかを判断する。ここで、再接続タイミング予測部210が予測したタイミングが過ぎたと判断した場合は、接続要求一時拒否部211による接続要求の拒否を解除し、処理を終了する。一方、再接続タイミング予測部210が予測したタイミングが過ぎていない場合は、接続要求一時拒否部211による接続要求の拒否を継続したままS212で別の処理を行い、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの接続要求を待つ。
【0048】
以上、説明したように、本実施形態によれば、処理要求を行ったホストコンピュータからの再接続要求を受けると予測されたタイミングになるまでは、処理要求を行ったホストコンピュータからの再接続要求を優先して受け付ける処理を行わない。これにより、他のホストコンピュータが通信装置(MFP15)に接続できる機会が増す。
【0049】
(第3の実施形態)
図6は、第3の実施形態におけるMFP15のソフトウェア構成を示す図である。なお、MFP15内に示す各機能部は、MFP15の中央制御部30が制御プログラムを実行することにより実現される。なお、図2及び図4で説明したものと同様の構成については同じ参照符号を付し、説明は省略する。
【0050】
接続要求キュー記憶部212は、MFP15と通信可能なPC(PCa101及びPCb103或いは他のPC)のうち、MFP15に対して接続要求を行ったPCを示す情報をキューとして管理する。つまり、WUSB通信では同時並行的に1つのMFPが複数のPCと接続することが不可能であるため、1つのPCと接続している間に別のPCから接続要求を受けた場合は、その要求をキューとして管理し、先の接続が切断され次第、接続を行うようにしている。
【0051】
図7は、本実施形態におけるMFP15の動作を説明するフローチャートである。MFP15が実行する各動作は、フローチャート上における各ステップ(Sと表記する)に対応する。
【0052】
S301では、FAX送信JOBの実行を要求したPCからの再接続要求を優先的に受け付ける処理を開始する。なお、この処理を行うかどうかを、予め管理者によって設定できるようにしても構わない。
【0053】
S302では、PCa101またはPCb103からの接続要求に基づいて要求元のPCと接続し、接続したPCからFAX送信JOBを受信したかどうかを判断する。FAX送信JOBを受信した場合はS304に進み、そうでなければS303に進んで、接続したPCから要求された処理(印刷処理または読取処理)を実行する。
【0054】
S304では、FAX送信JOB受信部105が受信したFAX送信JOBを、FAX送信JOB実行部106が実行する。そして、S305では、FAX送信JOBを送信したPC、すなわちMFP15と接続されたPCを示す情報をPC記憶部107に保持させる。
【0055】
S306では、接続要求キュー記憶部212により管理されているPCを調査(確認)する。そして、S307において、再接続タイミング予測部210が予測したタイミングになったかどうか、つまりFAX送信JOBを送信した後に一旦接続を切断したPCからの再接続要求が来るタイミングになったかどうかを判断する。
【0056】
この判断の結果、再接続タイミング予測部210が予測したタイミングになっていない場合は、S308に進み別の処理の実行する。つまり、この場合は、接続要求キュー記憶部212により管理されているPCがある場合は、そのPCとの接続を行う。また、接続要求キュー記憶部212により管理されているPCがない場合は、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの再接続要求を他のPCからの接続要求よりも優先して受け付ける処理を行わない。つまり、どのPCからの接続要求であっても平等に受け付ける。
【0057】
再接続タイミング予測部210が予測したタイミングになったと判断された場合、S309に進み、接続要求一時拒否部211が、PC記憶部107により保持されている情報が示すPC以外のPCからの接続要求を一時的に拒否する処理を行う。また、ここでは接続要求キュー記憶部212により管理されているPCがあったとしても、そのPCとの接続を行わずに、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの再接続要求を待つ。
【0058】
S310では、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの接続要求があったかどうかを判断する。該当する接続要求があった場合はS311に進み、要求元のPCとの接続処理を行い、接続したPCに対して送信JOB実行部106により実行されたファクシミリ送信処理の結果(通信成功または通信失敗)を通知する。
【0059】
一方、該当する接続要求がない場合はS312に進み、再接続タイミング予測部210が予測したタイミングが過ぎたかどうかを判断する。ここで、再接続タイミング予測部210が予測したタイミングが過ぎたと判断した場合は、接続要求一時拒否部211による接続要求の拒否を解除し、処理を終了する。なお、ここで接続要求キュー記憶部212により管理されているPCがある場合は、そのPCとの接続が行われる。
【0060】
一方、再接続タイミング予測部210が予測したタイミングが過ぎていない場合は、接続要求一時拒否部211による接続要求の拒否を継続したままS313で別の処理を行い、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの接続要求を待つ。
【0061】
以上、説明したように、本実施形態によれば、処理要求を行ったホストコンピュータからの再接続要求を受けると予測されたタイミングにおいては、たとえ既に接続要求を行ったホストコンピュータが存在するとしても、その接続要求を受け付けない。つまり、接続要求キュー記憶部212により管理されているPCがあったとしても、その要求を受け付けることなく、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの接続要求を待つ。これにより、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの接続要求を、より迅速に受け付けることが可能となる。
【0062】
(第4の実施形態)
図8は、第4の実施形態におけるMFP15のソフトウェア構成を示す図である。なお、MFP15内に示す各機能部は、MFP15の中央制御部30が制御プログラムを実行することにより実現される。なお、図2で説明したものと同様の構成については同じ参照符号を付し、説明は省略する。
【0063】
計時部410は、FAX送信JOB受信部105がFAX送信JOBを受信してから、或いは、FAX送信JOB実行部106によるファクシミリ送信処理が完了してからの経過時間を計時する。
【0064】
通信結果レポート印字部(印字部)411は、計時部410の計時結果に従って、FAX送信JOB実行部106によるファクシミリ送信処理の結果を示す通信結果レポートを、記録部19を用いて印字する。
【0065】
図9は、本実施形態におけるMFP15の動作を説明するフローチャートである。MFP15が実行する各動作は、フローチャート上における各ステップ(Sと表記する)に対応する。S401〜S406では、図3で説明したS101〜S106と同様の処理が行われるため、詳細な説明は省略する。
【0066】
S407では、計時部410による計時を開始する。なお、計時を開始するタイミングは、FAX送信JOB受信部105がFAX送信JOBを受信したとき、或いは、FAX送信JOB実行部106によるファクシミリ送信処理が完了したときであってもよい。
【0067】
S408では、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの接続要求があり、且つそのPCに対して送信JOB実行部106により実行されたファクシミリ送信処理の結果(通信成功または通信失敗)を通知したかどうかを判断する。通知が行われた場合は、S409に進み、計時部410による計時を終了させる。
【0068】
一方、通知が行われていないと判断した場合は、S410に進み、計時部410による計時を開始してから所定の時間が経過したかどうかを判断する。所定の時間が経過したと判断した場合は、S412に進み、そうでなければS411に進む。S411では、PC優先受付部108による優先受付処理を継続したまま別の処理を行い、待機する。
【0069】
S412では、送信JOB実行部106により実行されたファクシミリ送信処理の結果(通信成功または通信失敗)を示す処理結果(通信結果)レポートを、記録部19を用いて印字し、PC優先受付部108による優先受付処理を終了する。
【0070】
以上、説明したように、本実施形態によれば、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの接続要求が受け付けられることなく所定時間が経過した場合に、送信JOB実行部106が実行した処理の結果を示すレポートを印刷する。これにより、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの接続要求が受け付けられないまま長時間が経過し、その間に他のPCがMFP15に接続する機会が制限されたままになってしまうことを防ぐことができる。
【0071】
(第5の実施形態)
図10は、第5の実施形態におけるMFP15のソフトウェア構成を示す図である。なお、MFP15内に示す各機能部は、MFP15の中央制御部30が制御プログラムを実行することにより実現される。なお、図2で説明したものと同様の構成については同じ参照符号を付し、説明は省略する。
【0072】
非終了要因判別部510は、処理結果を確認するための再接続要求をPCから受けたときに送信JOB実行部106によるファクシミリ送信処理がまだ終了していない場合に、その要因を判別する。
【0073】
図11a及び図11bは、本実施形態におけるMFP15(主にFAX送信JOB実行部106)の動作を説明するフローチャートである。MFP15が実行する各動作は、フローチャート上における各ステップ(Sと表記する)に対応する。
【0074】
S501では、FAX送信JOB実行部106がFAX送信JOBを実行するための事前準備処理を開始する。S502では、PCからの問い合わせに対して返答する再接続タイミングを「未設定」と設定する。また、S503では、PCからの問い合わせに対して返答する処理結果を「送信準備中」と設定する。
【0075】
S504では、PCからの接続要求があったかどうかを判断し、接続要求があった場合はS506に進み、そうでなければS505に進んで別の処理を行う。
【0076】
S506では、接続要求を行ったPCと接続し、FAX送信JOB受信部105がPCからのFAX送信JOBの受信を開始する。また、S507では、FAX送信JOBに含まれる送信画像データを画像メモリに蓄積する。そして、S508において、ファクシミリ送信を開始する。つまり、ここではFAX送信JOBの受信の処理とファクシミリ送信の処理とを並行して実行する。
【0077】
S509では、FAX送信JOBの受信が終了したかどうかを判断する。受信が終了した場合はS511に進み、終了していない場合はS510でFAX送信JOBの受信を継続するとともに別の処理を行う。
【0078】
S511では、受信したFAX送信JOBの内容(例えば、ページ数)に基づいて、PCからの問い合わせに対して返答する再接続タイミングを設定する。そして、S512において、S511で設定した再接続タイミングを接続中のPCに通知する。再接続タイミングを通知されたPCは、通知された再接続タイミングにおいて処理結果を確認するための再接続要求を行うことになる。続く、S513では、PCとの接続を切断する。
【0079】
S514は、ファクシミリデータを送信中であるかどうかを判断する。ファクシミリデータを送信中である場合は、S515に進み、PCからの問い合わせに対して返答する処理結果を「送信中」と設定する。
【0080】
ファクシミリデータを送信中でない場合は、S516に進み、ファクシミリ送信が終了したかどうかを判断する。ファクシミリ送信が終了した場合は、S517に進み、PCからの問い合わせに対して返答する処理結果を「送信終了」と設定し、S518で次処理を行う。
【0081】
ファクシミリ送信が終了していない場合は、S519に進み、ファクシミリ送信が失敗したかどうかを判断する。ファクシミリ送信が失敗していない場合は、S520に進み、別処理を実行する。
【0082】
ファクシミリ送信が失敗した場合は、S521に進み、リダイヤル試行回数が所定回数以内であるかどうかを判定する。リダイヤル試行回数が所定回数以内である場合は、S522に進む。リダイヤル試行回数が所定回数以内でない場合は、S526に進み、PCからの問い合わせに対して返答する処理結果を「リダイヤル送信失敗 エラー終了」と設定し、S527で次処理を行う。
【0083】
S522では、PCからの問い合わせに対して返答する処理結果を「リダイヤル待機中」と設定し、S523に進む。S523では、リダイヤル開始時間になったかどうかを判断し、リダイヤル開始時間になっていない場合はS524に進み、別の処理を行う。リダイヤル開始時間になった場合は、S525に進み、リダイヤルでの送信を開始する。
【0084】
図12は、本実施形態におけるMFP15の動作(主にPCからの処理結果の問い合わせに対して返答する処理)を説明するフローチャートである。MFP15が実行する各動作は、フローチャート上における各ステップ(Sと表記する)に対応する。
【0085】
S601では、PCからの問い合わせに対する情報返送処理を開始する。S602では、PCからの問い合わせが、処理結果の問い合わせであるかどうかを判断し、処理結果の問い合わせである場合はS603に進み、処理結果を返答する。
【0086】
PCからの問い合わせが、処理結果の問い合わせでない場合はS604に進み、PCからの問い合わせが、再接続タイミングの問い合わせであるかどうかを判断する。そして、再接続タイミングの問い合わせであると判断した場合は、S605に進み、再接続タイミングを返答する。S606では、ディスコネクト処理を行い、PCとの接続を切断する。
【0087】
図13は、本実施形態におけるMFP15の動作(主に図12のS606に関する処理)を説明するフローチャートである。MFP15が実行する各動作は、フローチャート上における各ステップ(Sと表記する)に対応する。
【0088】
S701では、FAX送信JOBが非終了である(終了していない)場合に、その要因を判別する処理を開始する。S702では、図11a及び図11bで設定した処理結果が、FAX送信JOBがまだ終了していないことを示すものであるかどうかを判断する。この判断の結果、FAX送信JOBがまだ終了していないことを示すものである場合に、S703においてFAX送信JOBが非終了である要因を判別し、判別した要因がPCとの接続を維持すべきものであるか否かを判定する。
【0089】
ここでは、例えば処理結果が「送信中」である場合は、まもなくFAX送信JOBが終了すると考えられるので、PCとの接続を切断することなく維持することを決定する。一方、例えば処理結果が「リダイヤル待機中」である場合は、すぐにはFAX送信JOBが終了しないと考えられるので、PCとの接続を切断し、PCからの再度の接続要求を待つ。
【0090】
以上、説明したように、本実施形態によれば、MFPに接続されたPCがMFPに対してFAX送信JOBを伝送し終わった後、FAX送信JOBの処理結果に応じて、MFPとPCとの接続を切断するかどうかを切り替えることができる。つまり、すぐに処理が終わるような状況であれば、接続を切断することなく維持することにより、より迅速に処理結果を知ることができる。
【0091】
(第6の実施形態)
図14は、本実施形態におけるMFP15の動作(主に図12のS606に関する処理)を説明するフローチャートである。なお、図14に示す動作は、図13で説明した動作に代替可能な変形例である。MFP15が実行する各動作は、フローチャート上における各ステップ(Sと表記する)に対応する。なお、S801、S802、S804、及びS805では、図13で説明したS701、S702、S704、及びS705と同様の処理が行われるため、詳細な説明は省略する。
【0092】
S803では、FAX送信JOBが非終了である要因を判別し、判別した要因がファクシミリ通信における伝送速度の低下(フォールバック)であるかどうかを判定する。そして、判別した要因がファクシミリ通信における伝送速度の低下(フォールバック)である場合は、PCとの接続を切断することなく維持することを決定する。一方、判別した要因がファクシミリ通信における伝送速度の低下(フォールバック)でない場合は、PCとの接続を切断し、PCからの再度の接続要求を待つ。
【0093】
(第7の実施形態)
図15は、本実施形態におけるMFP15(主にFAX送信JOB実行部106)の動作を説明するフローチャートであり、特に図11bに引き続いて実行される処理を説明するものである。MFP15が実行する各動作は、フローチャート上における各ステップ(Sと表記する)に対応する。
【0094】
図11bのS527における処理の後、図15のフローチャートにジャンプし(S1001)、S1002において、他のPCからの接続要求の受け付けを制限する。つまり、ここでは、他のPCからの接続要求の受け付けを拒否する。そして、S1003で次処理を行う。
【0095】
以上、説明したように、本実施形態によれば、ファクシミリ送信が正常に終了しなかった場合は、他のPCからの接続要求を受け付けないようにすることにより、FAX送信JOBの実行を要求したPCが、より迅速に結果を知ることができるようになる。
【0096】
(第8の実施形態)
図16は、本実施形態におけるMFP15(主にFAX送信JOB実行部106)の動作を説明するフローチャートであり、特に図11bに引き続いて実行される処理を説明するものである。なお、図16に示す動作は、図15で説明した動作に代替可能な変形例である。MFP15が実行する各動作は、フローチャート上における各ステップ(Sと表記する)に対応する。
【0097】
図11bのS527における処理の後、図16のフローチャートにジャンプし(S1101)、S1102において、FAX送信JOB実行部106が実行したファクシミリ送信がプライオリティの高いものであるか否かを判定する。この判定は、FAX送信JOBを送信する側のPCで予め設定されているプライオリティ情報に基づいて行う。
【0098】
FAX送信JOB実行部106が実行したファクシミリ送信がプライオリティの高いものでない場合は、S1105及びS1106において、図15のS1002及びS1003と同様の処理を実行する。
【0099】
一方、FAX送信JOB実行部106が実行したファクシミリ送信がプライオリティの高いものである場合は、S1103に進み、他のPC(つまり、FAX送信JOBを送信したPCとは異なるPC)と接続中であるかどうかを判断する。そして、他のPCと接続中であると判断した場合は、S1004に進み、接続中のPCとの接続を切断して、S1105に進む。
【0100】
以上、説明したように、本実施形態によれば、ファクシミリ送信が正常に終了しなかった場合であって、他のPCと接続中である場合に、直ちに他のPCとの接続を切断する。これにより、FAX送信JOBの実行を要求したPCが、より迅速に結果を知ることができるようになる。
【0101】
(第9の実施形態)
図17a及び図17bは、本実施形態におけるMFP15(主にFAX送信JOB実行部106)の動作を説明するフローチャートである。なお、図17a及び図17bに示す動作は、図11a及び図11bで説明した動作に代替可能な変形例である。図17a及び図17bは、図11a及び図11bと比較して、S1212の処理が追加されている点のみが異なる。MFP15が実行する各動作は、フローチャート上における各ステップ(Sと表記する)に対応する。
【0102】
S1212では、S1211(図11aのS511)で設定した再接続タイミングまでにかかる時間が所定時間よりも短いか否かを判定する。この判定の結果、再接続タイミングまでにかかる時間が所定時間よりも短いと判定した場合は、S1213及びS1214の処理をスキップする。つまり、接続中のPCとの接続を切断する処理を行わない。
【0103】
以上、説明したように、本実施形態によれば、設定した再接続タイミングまでにかかる時間が短い場合に、接続中のPCの接続を切断しないため、FAX送信JOBの実行を要求したPCが、より迅速に結果を知ることができるようになる。
【0104】
(他の実施形態)
本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
【0105】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0106】
15 MFP
101、103 PC
105 FAX送信JOB受信部
106 FAX送信JOB実行部
107 PC記憶部
108 PC優先受付部
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のホストコンピュータとの間で無線通信を実行可能な通信装置及びその制御方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示されるように、PC環境で周辺機器との接続インターフェースとして使用されている規格の一つであるUSBが無線化された、無線USB(ワイヤレスUSB)が知られている。
【0003】
無線USB通信においては、複数のホストコンピュータと1台のMFP(Multi Function Peripheral)が同時に通信することはできず、1台のホストコンピュータと1台のMFPとの間でのみ通信が行われる。これは、無線USBの規格(Wireless USB Specification Rev. 1.0)で定められている。
【0004】
ここで、複数のホストコンピュータ(PCa、PCb、PCc)と通信装置(MFP)とが無線USB通信を実行可能な環境における、以下の状況を例として説明する。
【0005】
まずPCaがMFPに対して接続要求を行い、PCaとMFPとが接続される。そして、MFPは、PCaからのファクシミリ送信要求に基づいて、PCaから受信したデータを、公衆回線網を介して他のファクシミリ装置に対して送信する。そして、このファクシミリ送信の処理が完了した後、処理の結果(送信成功または送信失敗)を要求元のPCaに対して通知する。
【0006】
しかしながら、このような処理を行う場合、次のような問題が発生し得る。即ち、PCaからのMFPに対するデータの伝送速度に対して、MFPからのファクシミリ送信の伝送速度は極端に遅い場合がある。この場合、PCaがファクシミリ送信の結果を確認するためには、PCaからMFPへのデータ伝送が完了しているにも関わらず、ファクシミリ送信が完了するまでPCaとMFPとの接続を切断することなく維持し続けなければならない。従って、PCaによってMFPが無駄に占有されることになり、PCbやPCcのユーザが長時間待たされてしまうことになる。
【0007】
図18は、上述した状況を説明するための概念図である。MFPは、PCaからの接続要求(701)を受け付けると、PCaと接続し、PCaからFAX送信JOBを受信する(702)。そして、MFPは、PCaから受信したデータを画像メモリに格納するとともに、モデムを制御することにより公衆回線網を介して相手受信機に対してファクシミリ送信する。
【0008】
このファクシミリ送信の伝送速度は、ITU−T勧告V.34やT.30で定められており、最大でも33.6kbpsである。それに対して、無線USB通信の場合は、USB2.0と同等のスピードが得られるとして、480MBpsである。つまり、702におけるデータの伝送が終了した後、ファクシミリ送信の処理が完了するまでPCaとMFPは接続されたままになる。
【0009】
そして、ファクシミリ送信の処理が完了したときに、MFPからPCaに対して送信処理の結果が通知され(705)、PCaとMFPとの接続が切断される(706)。つまり、ファクシミリ送信の処理が完了するまでは、他のホストコンピュータであるPCbからの接続要求703やPCcからの接続要求704は一切受け付けられないことになる。
【0010】
これに対して、PCaからMFPへのデータ伝送が完了したときに、ファクシミリ送信の完了を待つことなくPCaとMFPとの接続を切断してしまうようにすることも考えられる。この場合、PCaからMFPに対して改めて接続要求を行い(再接続要求)、PCaとMFPとが接続され、送信処理の結果がPCaに通知される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007−251851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
図19は、PCaからMFPへのデータ伝送が完了したときに、ファクシミリ送信の完了を待つことなくPCaとMFPとの接続を切断する場合の処理を説明するための概念図である。MFPは、PCaからの接続要求(801)を受け付けると、PCaと接続し、PCaからFAX送信JOBを受信する(802)。そして、MFPは、PCaから受信したデータを画像メモリに格納するとともに、モデムを制御することにより公衆回線網を介して相手受信機に対してファクシミリ送信する。
【0013】
ここで、図18とは異なり、MFPはPCaに対して所定の情報(例えば、受付番号)を通知し(803)、ファクシミリ送信処理の完了を待つことなく、接続を切断する(804)。これにより、例えばPCbが接続要求を行い(805)、MFPに対して印刷処理の実行を要求すると(806)、MFPは記録部を制御して印刷処理を実行することができる。また、例えばPCcが接続要求を行い(809)、MFPに対して読取処理の実行を要求すると(810)、MFPは読取部を制御して読取処理を実行することができる。
【0014】
しかしながら、この場合、PCaが送信結果を確認するために再接続要求を行ったとしても、MFPが他のホストコンピュータ(PCb、PCc)と接続していると、PCaがMFPと接続することができず、送信結果を確認するのに時間がかかってしまう。つまり、PCaが807で再接続要求したとしても、MFPはPCbと接続しているため、PCaと接続することはできない。同様に、PCaが811で再接続要求したとしても、MFPはPCcと接続しているため、PCaと接続することはできない。即ち、PCaは、MFPとPCbとの接続が切断され(808)、MFPとPCcとの接続が切断される(813)まで送信結果を確認することができないという問題が発生する。
【0015】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであり、1つのホストコンピュータによる占有を防止するとともに、通信装置に対して処理要求を行ったホストコンピュータのユーザが迅速に処理結果を知ることができる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するために本発明の通信装置は、複数のホストコンピュータとの間で無線通信を実行可能な通信装置であって、前記複数のホストコンピュータのうちいずれか1つのホストコンピュータからの接続要求を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた接続要求に基づいて、当該接続要求を行ったホストコンピュータと接続し、当該接続したホストコンピュータが要求する処理を実行する処理手段と、前記接続したホストコンピュータを示す情報を保持する保持手段と、前記保持手段により保持されている情報に基づいて、当該情報が示すホストコンピュータからの再接続要求を、他のホストコンピュータからの接続要求よりも優先して受け付けるよう前記受付手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、1つのホストコンピュータによる占有を防止するとともに、通信装置に対して処理要求を行ったホストコンピュータのユーザが迅速に処理結果を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施形態に係るシステム全体を説明するためのブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係るMFP15のソフトウェア構成を示す図である。
【図3】第1の実施形態に係るMFP15の動作を説明するフローチャートである。
【図4】第2の実施形態に係るMFP15のソフトウェア構成を示す図である。
【図5】第2の実施形態に係るMFP15の動作を説明するフローチャートである。
【図6】第3の実施形態に係るMFP15のソフトウェア構成を示す図である。
【図7】第3の実施形態に係るMFP15の動作を説明するフローチャートである。
【図8】第4の実施形態に係るMFP15のソフトウェア構成を示す図である。
【図9】第4の実施形態に係るMFP15の動作を説明するフローチャートである。
【図10】第5の実施形態に係るMFP15のソフトウェア構成を示す図である。
【図11a】第5の実施形態に係るMFP15の動作を説明するフローチャートである。
【図11b】第5の実施形態に係るMFP15の動作を説明するフローチャートである。
【図12】第5の実施形態に係るMFP15の動作を説明するフローチャートである。
【図13】第5の実施形態に係るMFP15の動作を説明するフローチャートである。
【図14】第6の実施形態に係るMFP15の動作を説明するフローチャートである。
【図15】第7の実施形態に係るMFP15の動作を説明するフローチャートである。
【図16】第8の実施形態に係るMFP15の動作を説明するフローチャートである。
【図17a】第9の実施形態に係るMFP15の動作を説明するフローチャートである。
【図17b】第9の実施形態に係るMFP15の動作を説明するフローチャートである。
【図18】PCからMFP15に対してFAX送信JOBの実行を要求する処理を説明するためのシーケンス図である。
【図19】PCからMFP15に対してFAX送信JOBの実行を要求する処理を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。尚、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0020】
(第1の実施形態)
図1は、通信装置の一例として説明するMFP15の構成、およびMFP15との間で無線USB通信を実行可能なホストコンピュータの一例として説明するPCを含むシステム全体を説明するためのブロック図である。
【0021】
PC1は、WUSBIF(Wireless USB Interface)2を備え、WUSB通信を実行する際に用いられる無線通信チャネル3を介してMFP15と接続される。FAX4は、ケーブル等で構成される通信線5、7及び公衆回線網6を介してMFP15と接続され、MFP15との間でファクシミリ通信を実行する。PC8は、USBIF9を備え、有線USBケーブル10を介してMFP15と接続される。PC11は、ネットワークケーブル12、14ネットワーク13を介してMFP15と接続される。
【0022】
MFP15は、システムコントローラ16、読取部17、操作部18、及び記録部19を備える。
【0023】
システムコントローラ16は、MFP15全体の動作を制御する。読取部17は、原稿上の画像を読み取って画像データを生成する。操作部18は、ユーザによる操作入力を受け付ける。キー20は、ユーザにより操作される。LCD21は、操作画面を表示する。LED22は、ユーザに装置の各種情報を表示する。記録部19は、画像データに基づく画像を記録媒体上に印刷し、また処理結果レポートを含む各種レポートを印刷する。
【0024】
WUSBIF23は、無線通信チャネル3を介したPC1とのWUSB通信を制御する。NCU24は、公衆回線網6を介したFAX4とのファクシミリ通信を制御する。USBIF25は、有線USBケーブル10を介したPC8との有線USB通信を制御する。LANIF(Local Network Interface)26は、ネットワーク13を介したPC11とのデータ通信を制御する。
【0025】
また、システムコントローラ16は、MFP15の動作を決定するプログラム等が格納されたROM27、画像データ等を格納することのできるRAM28、ファクシミリ通信の実行を制御するためのモデム29、及び中央制御部30を備える。
【0026】
なお、第1の実施形態における通信装置及びホストコンピュータの一例として上述した基本的な構成は、後述する各実施形態においても同様であるものとし、各実施形態のそれぞれにおける詳細な説明は省略する。
【0027】
図2は、第1の実施形態におけるMFP15のソフトウェア構成を示す図である。なお、MFP15内に示す各機能部は、MFP15の中央制御部30が制御プログラムを実行することにより実現される。また、PCa101及びPCb103は、図1で説明したPC1と同様のものであり、それぞれ無線通信チャネル102及び104を介してMFP15とWUSB通信を実行することができる。なお、ここでは概念的に無線通信チャネル102及び104を別のものとして示しているが、実際にはいずれの通信チャネルもWUSBIF23によって確立される。
【0028】
FAX送信JOB受信部105は、PCからの接続要求に応じてMFP15と要求元のPCとが接続された後に、PCからFAX送信JOBを受信する。PCは、MFP15に対してFAX送信JOBを送信することにより、MFP15からFAX4に対するファクシミリ送信の実行を要求することができる。FAX送信JOB実行部106は、FAX送信JOB受信部105が受信したFAX送信JOBを実行し、ファクシミリデータを送信する。
【0029】
PC記憶部107は、MFP15と接続しFAX送信JOBを送信したPCを示す情報を保持する。また、PC優先受付部108は、後述する方法を用いて、PC記憶部107に保持された情報が示すPCからの再接続要求を優先的に受け付けるための制御を行う。
【0030】
図3は、本実施形態におけるMFP15の動作を説明するフローチャートである。MFP15が実行する各動作は、フローチャート上における各ステップ(Sと表記する)に対応する。
【0031】
S101では、FAX送信JOBの実行を要求したPCからの再接続要求を優先的に受け付ける処理を開始する。なお、この処理を行うかどうかを、予め管理者によって設定できるようにしても構わない。
【0032】
S102では、PCa101またはPCb103からの接続要求に基づいて要求元のPCと接続し、接続したPCからFAX送信JOBを受信したかどうかを判断する。FAX送信JOBを受信した場合はS104に進み、そうでなければS103に進んで、接続したPCから要求された処理(印刷処理または読取処理)を実行する。
【0033】
S104では、FAX送信JOB受信部105が受信したFAX送信JOBを、FAX送信JOB実行部106が実行する。そして、S105では、FAX送信JOBを送信したPC、すなわちMFP15と接続されたPCを示す情報をPC記憶部107に保持させる。そして、S106において、PC優先受付部108が、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの再接続要求を、他のPCからの接続要求よりも優先して受け付けるよう制御する。
【0034】
なお、ここでの優先して受け付ける処理とは、例えば、複数のPCからの接続要求があった場合に、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの接続要求を先に受け付けるようにする処理である。或いは、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの接続要求があった場合に、既に接続されている他のPCとの接続を切断する処理である。
【0035】
PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの再接続要求に基づいて、当該PCとMFP15とが接続された場合は、送信JOB実行部106により実行されたファクシミリ送信処理の結果(通信成功または通信失敗)を接続したPCに通知する。
【0036】
以上、説明したように、本実施形態によれば、1つホストコンピュータによる占有を防止するとともに、通信装置に対して処理要求を行ったホストコンピュータのユーザが迅速に処理結果を知ることができる。
【0037】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態におけるMFP15のソフトウェア構成を示す図である。なお、MFP15内に示す各機能部は、MFP15の中央制御部30が制御プログラムを実行することにより実現される。なお、図2で説明したものと同様の構成については同じ参照符号を付し、説明は省略する。
【0038】
再接続タイミング予測部210は、MFP15に接続されたPCがFAX送信JOBを送信し、一旦その接続を切断した後、MFP15によるファクシミリ送信処理の結果を確認するために再び接続要求を行うタイミングを予測するものである。より具体的には、再接続タイミング予測部210は、受信したFAX送信JOBの内容(例えば、送信ページ数)に基づいてファクシミリ送信処理に要する時間を予測する。そして、PCからFAX送信JOBを受信したあと接続を切断する前に、予測した時間をPCに通知しておく。これにより、通知された時間が経過した後にPCが再接続要求を行うことが予測できる。
【0039】
接続要求一時拒否部211は、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの再接続要求を他のPCからの接続要求よりも優先して受け付けるようにするために、PC優先受付部108からの指示により他のPCからの接続要求を一時的に拒否する。
【0040】
図5は、本実施形態におけるMFP15の動作を説明するフローチャートである。MFP15が実行する各動作は、フローチャート上における各ステップ(Sと表記する)に対応する。
【0041】
S201では、FAX送信JOBの実行を要求したPCからの再接続要求を優先的に受け付ける処理を開始する。なお、この処理を行うかどうかを、予め管理者によって設定できるようにしても構わない。
【0042】
S202では、PCa101またはPCb103からの接続要求に基づいて要求元のPCと接続し、接続したPCからFAX送信JOBを受信したかどうかを判断する。FAX送信JOBを受信した場合はS204に進み、そうでなければS203に進んで、接続したPCから要求された処理(印刷処理または読取処理)を実行する。
【0043】
S204では、FAX送信JOB受信部105が受信したFAX送信JOBを、FAX送信JOB実行部106が実行する。そして、S205では、FAX送信JOBを送信したPC、すなわちMFP15と接続されたPCを示す情報をPC記憶部107に保持させる。
【0044】
S206では、再接続タイミング予測部210が予測したタイミングになったかどうか、つまりFAX送信JOBを送信した後に一旦接続を切断したPCからの再接続要求が来るタイミングになったかどうかを判断する。この判断の結果、再接続タイミング予測部210が予測したタイミングになっていない場合は、S207に進み別の処理の実行する。つまり、この場合は、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの再接続要求を他のPCからの接続要求よりも優先して受け付ける処理を行わず、どのPCからの接続要求であっても平等に受け付ける。
【0045】
再接続タイミング予測部210が予測したタイミングになったと判断された場合、S208に進み、接続要求一時拒否部211が、PC記憶部107により保持されている情報が示すPC以外のPCからの接続要求を一時的に拒否する処理を行う。
【0046】
S209では、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの接続要求があったかどうかを判断する。該当する接続要求があった場合はS210に進み、要求元のPCとの接続処理を行い、接続したPCに対して送信JOB実行部106により実行されたファクシミリ送信処理の結果(通信成功または通信失敗)を通知する。
【0047】
一方、該当する接続要求がない場合はS211に進み、再接続タイミング予測部210が予測したタイミングが過ぎたかどうかを判断する。ここで、再接続タイミング予測部210が予測したタイミングが過ぎたと判断した場合は、接続要求一時拒否部211による接続要求の拒否を解除し、処理を終了する。一方、再接続タイミング予測部210が予測したタイミングが過ぎていない場合は、接続要求一時拒否部211による接続要求の拒否を継続したままS212で別の処理を行い、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの接続要求を待つ。
【0048】
以上、説明したように、本実施形態によれば、処理要求を行ったホストコンピュータからの再接続要求を受けると予測されたタイミングになるまでは、処理要求を行ったホストコンピュータからの再接続要求を優先して受け付ける処理を行わない。これにより、他のホストコンピュータが通信装置(MFP15)に接続できる機会が増す。
【0049】
(第3の実施形態)
図6は、第3の実施形態におけるMFP15のソフトウェア構成を示す図である。なお、MFP15内に示す各機能部は、MFP15の中央制御部30が制御プログラムを実行することにより実現される。なお、図2及び図4で説明したものと同様の構成については同じ参照符号を付し、説明は省略する。
【0050】
接続要求キュー記憶部212は、MFP15と通信可能なPC(PCa101及びPCb103或いは他のPC)のうち、MFP15に対して接続要求を行ったPCを示す情報をキューとして管理する。つまり、WUSB通信では同時並行的に1つのMFPが複数のPCと接続することが不可能であるため、1つのPCと接続している間に別のPCから接続要求を受けた場合は、その要求をキューとして管理し、先の接続が切断され次第、接続を行うようにしている。
【0051】
図7は、本実施形態におけるMFP15の動作を説明するフローチャートである。MFP15が実行する各動作は、フローチャート上における各ステップ(Sと表記する)に対応する。
【0052】
S301では、FAX送信JOBの実行を要求したPCからの再接続要求を優先的に受け付ける処理を開始する。なお、この処理を行うかどうかを、予め管理者によって設定できるようにしても構わない。
【0053】
S302では、PCa101またはPCb103からの接続要求に基づいて要求元のPCと接続し、接続したPCからFAX送信JOBを受信したかどうかを判断する。FAX送信JOBを受信した場合はS304に進み、そうでなければS303に進んで、接続したPCから要求された処理(印刷処理または読取処理)を実行する。
【0054】
S304では、FAX送信JOB受信部105が受信したFAX送信JOBを、FAX送信JOB実行部106が実行する。そして、S305では、FAX送信JOBを送信したPC、すなわちMFP15と接続されたPCを示す情報をPC記憶部107に保持させる。
【0055】
S306では、接続要求キュー記憶部212により管理されているPCを調査(確認)する。そして、S307において、再接続タイミング予測部210が予測したタイミングになったかどうか、つまりFAX送信JOBを送信した後に一旦接続を切断したPCからの再接続要求が来るタイミングになったかどうかを判断する。
【0056】
この判断の結果、再接続タイミング予測部210が予測したタイミングになっていない場合は、S308に進み別の処理の実行する。つまり、この場合は、接続要求キュー記憶部212により管理されているPCがある場合は、そのPCとの接続を行う。また、接続要求キュー記憶部212により管理されているPCがない場合は、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの再接続要求を他のPCからの接続要求よりも優先して受け付ける処理を行わない。つまり、どのPCからの接続要求であっても平等に受け付ける。
【0057】
再接続タイミング予測部210が予測したタイミングになったと判断された場合、S309に進み、接続要求一時拒否部211が、PC記憶部107により保持されている情報が示すPC以外のPCからの接続要求を一時的に拒否する処理を行う。また、ここでは接続要求キュー記憶部212により管理されているPCがあったとしても、そのPCとの接続を行わずに、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの再接続要求を待つ。
【0058】
S310では、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの接続要求があったかどうかを判断する。該当する接続要求があった場合はS311に進み、要求元のPCとの接続処理を行い、接続したPCに対して送信JOB実行部106により実行されたファクシミリ送信処理の結果(通信成功または通信失敗)を通知する。
【0059】
一方、該当する接続要求がない場合はS312に進み、再接続タイミング予測部210が予測したタイミングが過ぎたかどうかを判断する。ここで、再接続タイミング予測部210が予測したタイミングが過ぎたと判断した場合は、接続要求一時拒否部211による接続要求の拒否を解除し、処理を終了する。なお、ここで接続要求キュー記憶部212により管理されているPCがある場合は、そのPCとの接続が行われる。
【0060】
一方、再接続タイミング予測部210が予測したタイミングが過ぎていない場合は、接続要求一時拒否部211による接続要求の拒否を継続したままS313で別の処理を行い、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの接続要求を待つ。
【0061】
以上、説明したように、本実施形態によれば、処理要求を行ったホストコンピュータからの再接続要求を受けると予測されたタイミングにおいては、たとえ既に接続要求を行ったホストコンピュータが存在するとしても、その接続要求を受け付けない。つまり、接続要求キュー記憶部212により管理されているPCがあったとしても、その要求を受け付けることなく、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの接続要求を待つ。これにより、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの接続要求を、より迅速に受け付けることが可能となる。
【0062】
(第4の実施形態)
図8は、第4の実施形態におけるMFP15のソフトウェア構成を示す図である。なお、MFP15内に示す各機能部は、MFP15の中央制御部30が制御プログラムを実行することにより実現される。なお、図2で説明したものと同様の構成については同じ参照符号を付し、説明は省略する。
【0063】
計時部410は、FAX送信JOB受信部105がFAX送信JOBを受信してから、或いは、FAX送信JOB実行部106によるファクシミリ送信処理が完了してからの経過時間を計時する。
【0064】
通信結果レポート印字部(印字部)411は、計時部410の計時結果に従って、FAX送信JOB実行部106によるファクシミリ送信処理の結果を示す通信結果レポートを、記録部19を用いて印字する。
【0065】
図9は、本実施形態におけるMFP15の動作を説明するフローチャートである。MFP15が実行する各動作は、フローチャート上における各ステップ(Sと表記する)に対応する。S401〜S406では、図3で説明したS101〜S106と同様の処理が行われるため、詳細な説明は省略する。
【0066】
S407では、計時部410による計時を開始する。なお、計時を開始するタイミングは、FAX送信JOB受信部105がFAX送信JOBを受信したとき、或いは、FAX送信JOB実行部106によるファクシミリ送信処理が完了したときであってもよい。
【0067】
S408では、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの接続要求があり、且つそのPCに対して送信JOB実行部106により実行されたファクシミリ送信処理の結果(通信成功または通信失敗)を通知したかどうかを判断する。通知が行われた場合は、S409に進み、計時部410による計時を終了させる。
【0068】
一方、通知が行われていないと判断した場合は、S410に進み、計時部410による計時を開始してから所定の時間が経過したかどうかを判断する。所定の時間が経過したと判断した場合は、S412に進み、そうでなければS411に進む。S411では、PC優先受付部108による優先受付処理を継続したまま別の処理を行い、待機する。
【0069】
S412では、送信JOB実行部106により実行されたファクシミリ送信処理の結果(通信成功または通信失敗)を示す処理結果(通信結果)レポートを、記録部19を用いて印字し、PC優先受付部108による優先受付処理を終了する。
【0070】
以上、説明したように、本実施形態によれば、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの接続要求が受け付けられることなく所定時間が経過した場合に、送信JOB実行部106が実行した処理の結果を示すレポートを印刷する。これにより、PC記憶部107により保持されている情報が示すPCからの接続要求が受け付けられないまま長時間が経過し、その間に他のPCがMFP15に接続する機会が制限されたままになってしまうことを防ぐことができる。
【0071】
(第5の実施形態)
図10は、第5の実施形態におけるMFP15のソフトウェア構成を示す図である。なお、MFP15内に示す各機能部は、MFP15の中央制御部30が制御プログラムを実行することにより実現される。なお、図2で説明したものと同様の構成については同じ参照符号を付し、説明は省略する。
【0072】
非終了要因判別部510は、処理結果を確認するための再接続要求をPCから受けたときに送信JOB実行部106によるファクシミリ送信処理がまだ終了していない場合に、その要因を判別する。
【0073】
図11a及び図11bは、本実施形態におけるMFP15(主にFAX送信JOB実行部106)の動作を説明するフローチャートである。MFP15が実行する各動作は、フローチャート上における各ステップ(Sと表記する)に対応する。
【0074】
S501では、FAX送信JOB実行部106がFAX送信JOBを実行するための事前準備処理を開始する。S502では、PCからの問い合わせに対して返答する再接続タイミングを「未設定」と設定する。また、S503では、PCからの問い合わせに対して返答する処理結果を「送信準備中」と設定する。
【0075】
S504では、PCからの接続要求があったかどうかを判断し、接続要求があった場合はS506に進み、そうでなければS505に進んで別の処理を行う。
【0076】
S506では、接続要求を行ったPCと接続し、FAX送信JOB受信部105がPCからのFAX送信JOBの受信を開始する。また、S507では、FAX送信JOBに含まれる送信画像データを画像メモリに蓄積する。そして、S508において、ファクシミリ送信を開始する。つまり、ここではFAX送信JOBの受信の処理とファクシミリ送信の処理とを並行して実行する。
【0077】
S509では、FAX送信JOBの受信が終了したかどうかを判断する。受信が終了した場合はS511に進み、終了していない場合はS510でFAX送信JOBの受信を継続するとともに別の処理を行う。
【0078】
S511では、受信したFAX送信JOBの内容(例えば、ページ数)に基づいて、PCからの問い合わせに対して返答する再接続タイミングを設定する。そして、S512において、S511で設定した再接続タイミングを接続中のPCに通知する。再接続タイミングを通知されたPCは、通知された再接続タイミングにおいて処理結果を確認するための再接続要求を行うことになる。続く、S513では、PCとの接続を切断する。
【0079】
S514は、ファクシミリデータを送信中であるかどうかを判断する。ファクシミリデータを送信中である場合は、S515に進み、PCからの問い合わせに対して返答する処理結果を「送信中」と設定する。
【0080】
ファクシミリデータを送信中でない場合は、S516に進み、ファクシミリ送信が終了したかどうかを判断する。ファクシミリ送信が終了した場合は、S517に進み、PCからの問い合わせに対して返答する処理結果を「送信終了」と設定し、S518で次処理を行う。
【0081】
ファクシミリ送信が終了していない場合は、S519に進み、ファクシミリ送信が失敗したかどうかを判断する。ファクシミリ送信が失敗していない場合は、S520に進み、別処理を実行する。
【0082】
ファクシミリ送信が失敗した場合は、S521に進み、リダイヤル試行回数が所定回数以内であるかどうかを判定する。リダイヤル試行回数が所定回数以内である場合は、S522に進む。リダイヤル試行回数が所定回数以内でない場合は、S526に進み、PCからの問い合わせに対して返答する処理結果を「リダイヤル送信失敗 エラー終了」と設定し、S527で次処理を行う。
【0083】
S522では、PCからの問い合わせに対して返答する処理結果を「リダイヤル待機中」と設定し、S523に進む。S523では、リダイヤル開始時間になったかどうかを判断し、リダイヤル開始時間になっていない場合はS524に進み、別の処理を行う。リダイヤル開始時間になった場合は、S525に進み、リダイヤルでの送信を開始する。
【0084】
図12は、本実施形態におけるMFP15の動作(主にPCからの処理結果の問い合わせに対して返答する処理)を説明するフローチャートである。MFP15が実行する各動作は、フローチャート上における各ステップ(Sと表記する)に対応する。
【0085】
S601では、PCからの問い合わせに対する情報返送処理を開始する。S602では、PCからの問い合わせが、処理結果の問い合わせであるかどうかを判断し、処理結果の問い合わせである場合はS603に進み、処理結果を返答する。
【0086】
PCからの問い合わせが、処理結果の問い合わせでない場合はS604に進み、PCからの問い合わせが、再接続タイミングの問い合わせであるかどうかを判断する。そして、再接続タイミングの問い合わせであると判断した場合は、S605に進み、再接続タイミングを返答する。S606では、ディスコネクト処理を行い、PCとの接続を切断する。
【0087】
図13は、本実施形態におけるMFP15の動作(主に図12のS606に関する処理)を説明するフローチャートである。MFP15が実行する各動作は、フローチャート上における各ステップ(Sと表記する)に対応する。
【0088】
S701では、FAX送信JOBが非終了である(終了していない)場合に、その要因を判別する処理を開始する。S702では、図11a及び図11bで設定した処理結果が、FAX送信JOBがまだ終了していないことを示すものであるかどうかを判断する。この判断の結果、FAX送信JOBがまだ終了していないことを示すものである場合に、S703においてFAX送信JOBが非終了である要因を判別し、判別した要因がPCとの接続を維持すべきものであるか否かを判定する。
【0089】
ここでは、例えば処理結果が「送信中」である場合は、まもなくFAX送信JOBが終了すると考えられるので、PCとの接続を切断することなく維持することを決定する。一方、例えば処理結果が「リダイヤル待機中」である場合は、すぐにはFAX送信JOBが終了しないと考えられるので、PCとの接続を切断し、PCからの再度の接続要求を待つ。
【0090】
以上、説明したように、本実施形態によれば、MFPに接続されたPCがMFPに対してFAX送信JOBを伝送し終わった後、FAX送信JOBの処理結果に応じて、MFPとPCとの接続を切断するかどうかを切り替えることができる。つまり、すぐに処理が終わるような状況であれば、接続を切断することなく維持することにより、より迅速に処理結果を知ることができる。
【0091】
(第6の実施形態)
図14は、本実施形態におけるMFP15の動作(主に図12のS606に関する処理)を説明するフローチャートである。なお、図14に示す動作は、図13で説明した動作に代替可能な変形例である。MFP15が実行する各動作は、フローチャート上における各ステップ(Sと表記する)に対応する。なお、S801、S802、S804、及びS805では、図13で説明したS701、S702、S704、及びS705と同様の処理が行われるため、詳細な説明は省略する。
【0092】
S803では、FAX送信JOBが非終了である要因を判別し、判別した要因がファクシミリ通信における伝送速度の低下(フォールバック)であるかどうかを判定する。そして、判別した要因がファクシミリ通信における伝送速度の低下(フォールバック)である場合は、PCとの接続を切断することなく維持することを決定する。一方、判別した要因がファクシミリ通信における伝送速度の低下(フォールバック)でない場合は、PCとの接続を切断し、PCからの再度の接続要求を待つ。
【0093】
(第7の実施形態)
図15は、本実施形態におけるMFP15(主にFAX送信JOB実行部106)の動作を説明するフローチャートであり、特に図11bに引き続いて実行される処理を説明するものである。MFP15が実行する各動作は、フローチャート上における各ステップ(Sと表記する)に対応する。
【0094】
図11bのS527における処理の後、図15のフローチャートにジャンプし(S1001)、S1002において、他のPCからの接続要求の受け付けを制限する。つまり、ここでは、他のPCからの接続要求の受け付けを拒否する。そして、S1003で次処理を行う。
【0095】
以上、説明したように、本実施形態によれば、ファクシミリ送信が正常に終了しなかった場合は、他のPCからの接続要求を受け付けないようにすることにより、FAX送信JOBの実行を要求したPCが、より迅速に結果を知ることができるようになる。
【0096】
(第8の実施形態)
図16は、本実施形態におけるMFP15(主にFAX送信JOB実行部106)の動作を説明するフローチャートであり、特に図11bに引き続いて実行される処理を説明するものである。なお、図16に示す動作は、図15で説明した動作に代替可能な変形例である。MFP15が実行する各動作は、フローチャート上における各ステップ(Sと表記する)に対応する。
【0097】
図11bのS527における処理の後、図16のフローチャートにジャンプし(S1101)、S1102において、FAX送信JOB実行部106が実行したファクシミリ送信がプライオリティの高いものであるか否かを判定する。この判定は、FAX送信JOBを送信する側のPCで予め設定されているプライオリティ情報に基づいて行う。
【0098】
FAX送信JOB実行部106が実行したファクシミリ送信がプライオリティの高いものでない場合は、S1105及びS1106において、図15のS1002及びS1003と同様の処理を実行する。
【0099】
一方、FAX送信JOB実行部106が実行したファクシミリ送信がプライオリティの高いものである場合は、S1103に進み、他のPC(つまり、FAX送信JOBを送信したPCとは異なるPC)と接続中であるかどうかを判断する。そして、他のPCと接続中であると判断した場合は、S1004に進み、接続中のPCとの接続を切断して、S1105に進む。
【0100】
以上、説明したように、本実施形態によれば、ファクシミリ送信が正常に終了しなかった場合であって、他のPCと接続中である場合に、直ちに他のPCとの接続を切断する。これにより、FAX送信JOBの実行を要求したPCが、より迅速に結果を知ることができるようになる。
【0101】
(第9の実施形態)
図17a及び図17bは、本実施形態におけるMFP15(主にFAX送信JOB実行部106)の動作を説明するフローチャートである。なお、図17a及び図17bに示す動作は、図11a及び図11bで説明した動作に代替可能な変形例である。図17a及び図17bは、図11a及び図11bと比較して、S1212の処理が追加されている点のみが異なる。MFP15が実行する各動作は、フローチャート上における各ステップ(Sと表記する)に対応する。
【0102】
S1212では、S1211(図11aのS511)で設定した再接続タイミングまでにかかる時間が所定時間よりも短いか否かを判定する。この判定の結果、再接続タイミングまでにかかる時間が所定時間よりも短いと判定した場合は、S1213及びS1214の処理をスキップする。つまり、接続中のPCとの接続を切断する処理を行わない。
【0103】
以上、説明したように、本実施形態によれば、設定した再接続タイミングまでにかかる時間が短い場合に、接続中のPCの接続を切断しないため、FAX送信JOBの実行を要求したPCが、より迅速に結果を知ることができるようになる。
【0104】
(他の実施形態)
本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
【0105】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0106】
15 MFP
101、103 PC
105 FAX送信JOB受信部
106 FAX送信JOB実行部
107 PC記憶部
108 PC優先受付部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のホストコンピュータとの間で無線通信を実行可能な通信装置であって、
前記複数のホストコンピュータのうちいずれか1つのホストコンピュータからの接続要求を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた接続要求に基づいて、当該接続要求を行ったホストコンピュータと接続し、当該接続したホストコンピュータが要求する処理を実行する処理手段と、
前記接続したホストコンピュータを示す情報を保持する保持手段と、
前記保持手段により保持されている情報に基づいて、当該情報が示すホストコンピュータからの再接続要求を、他のホストコンピュータからの接続要求よりも優先して受け付けるよう前記受付手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記保持手段により保持されている情報が示すホストコンピュータからの再接続要求のタイミングを予測する予測手段を更に備え、
前記制御手段は、前記予測手段が予測したタイミングに基づいて、前記制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記通信装置に対して接続要求を行ったホストコンピュータを示す情報を管理する管理手段を更に備え、
前記制御手段は、前記管理手段に前記他のホストコンピュータを示す情報が管理されていても、前記保持手段により保持されている情報が示すホストコンピュータからの再接続要求を優先して受け付けるよう制御することを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記受付手段が前記保持手段により保持されている情報が示すホストコンピュータからの再接続要求を受け付けた場合に、当該再接続要求を行ったホストコンピュータと接続し、前記処理手段が実行した処理の結果を通知する通知手段を更に備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記保持手段により保持されている情報が示すホストコンピュータからの再接続要求が受け付けられることなく所定時間が経過した場合に、前記処理手段が実行した処理の結果を示すレポートを印刷する印刷手段を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記受付手段が前記保持手段により保持されている情報が示すホストコンピュータからの再接続要求を受け付けたときに前記処理手段による処理が完了していない場合に、当該再接続要求を行ったホストコンピュータとの接続を、前記処理手段による処理が完了するまで維持する維持手段を更に備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記処理手段による処理が正常に完了しなかった場合に、前記制御手段は、前記保持手段により保持されている情報が示すホストコンピュータとは別のホストコンピュータからの接続要求を受け付けないよう前記受付手段を制御することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項8】
前記処理手段による処理の実行に要する時間に応じて、前記接続要求を行ったホストコンピュータとの接続を切断することなく、前記処理手段による処理が完了するまで維持するか否かを判断する判断手段を更に備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項9】
複数のホストコンピュータとの間で無線通信を実行可能な通信装置の制御方法であって、
前記複数のホストコンピュータのうちいずれか1つのホストコンピュータからの接続要求を受け付ける受付工程と、
前記受付工程で受け付けた接続要求に基づいて、当該接続要求を行ったホストコンピュータと接続し、当該接続したホストコンピュータが要求する処理を実行する処理工程と、
前記接続したホストコンピュータを示す情報を保持する保持工程と、
前記保持工程で保持された情報に基づいて、当該情報が示すホストコンピュータからの再接続要求を、他のホストコンピュータからの接続要求よりも優先して受け付けるよう前記受付手段を制御する制御工程と、
を備えることを特徴とする通信装置の制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の通信装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
複数のホストコンピュータとの間で無線通信を実行可能な通信装置であって、
前記複数のホストコンピュータのうちいずれか1つのホストコンピュータからの接続要求を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた接続要求に基づいて、当該接続要求を行ったホストコンピュータと接続し、当該接続したホストコンピュータが要求する処理を実行する処理手段と、
前記接続したホストコンピュータを示す情報を保持する保持手段と、
前記保持手段により保持されている情報に基づいて、当該情報が示すホストコンピュータからの再接続要求を、他のホストコンピュータからの接続要求よりも優先して受け付けるよう前記受付手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記保持手段により保持されている情報が示すホストコンピュータからの再接続要求のタイミングを予測する予測手段を更に備え、
前記制御手段は、前記予測手段が予測したタイミングに基づいて、前記制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記通信装置に対して接続要求を行ったホストコンピュータを示す情報を管理する管理手段を更に備え、
前記制御手段は、前記管理手段に前記他のホストコンピュータを示す情報が管理されていても、前記保持手段により保持されている情報が示すホストコンピュータからの再接続要求を優先して受け付けるよう制御することを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記受付手段が前記保持手段により保持されている情報が示すホストコンピュータからの再接続要求を受け付けた場合に、当該再接続要求を行ったホストコンピュータと接続し、前記処理手段が実行した処理の結果を通知する通知手段を更に備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記保持手段により保持されている情報が示すホストコンピュータからの再接続要求が受け付けられることなく所定時間が経過した場合に、前記処理手段が実行した処理の結果を示すレポートを印刷する印刷手段を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記受付手段が前記保持手段により保持されている情報が示すホストコンピュータからの再接続要求を受け付けたときに前記処理手段による処理が完了していない場合に、当該再接続要求を行ったホストコンピュータとの接続を、前記処理手段による処理が完了するまで維持する維持手段を更に備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記処理手段による処理が正常に完了しなかった場合に、前記制御手段は、前記保持手段により保持されている情報が示すホストコンピュータとは別のホストコンピュータからの接続要求を受け付けないよう前記受付手段を制御することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項8】
前記処理手段による処理の実行に要する時間に応じて、前記接続要求を行ったホストコンピュータとの接続を切断することなく、前記処理手段による処理が完了するまで維持するか否かを判断する判断手段を更に備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項9】
複数のホストコンピュータとの間で無線通信を実行可能な通信装置の制御方法であって、
前記複数のホストコンピュータのうちいずれか1つのホストコンピュータからの接続要求を受け付ける受付工程と、
前記受付工程で受け付けた接続要求に基づいて、当該接続要求を行ったホストコンピュータと接続し、当該接続したホストコンピュータが要求する処理を実行する処理工程と、
前記接続したホストコンピュータを示す情報を保持する保持工程と、
前記保持工程で保持された情報に基づいて、当該情報が示すホストコンピュータからの再接続要求を、他のホストコンピュータからの接続要求よりも優先して受け付けるよう前記受付手段を制御する制御工程と、
を備えることを特徴とする通信装置の制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の通信装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11a】
【図11b】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17a】
【図17b】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11a】
【図11b】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17a】
【図17b】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−231365(P2010−231365A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−76592(P2009−76592)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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