通信装置及び通信装置の制御方法
【課題】 所定の通信方式に対応付けられた宛先への再送信が行われないようにする通信装置を提供する。
【解決手段】 通信装置は、保持された宛先情報が所定の通信方式に対応付けられている場合は送信指示が受け付けられ該送信指示に基づく送信処理が終了した後に保持された宛先情報を消去し、保持された宛先情報が他の通信方式に対応付けられている場合は送信指示が受け付けられ該送信指示に基づく送信処理が終了した後も保持された宛先情報を保持し続ける。
【解決手段】 通信装置は、保持された宛先情報が所定の通信方式に対応付けられている場合は送信指示が受け付けられ該送信指示に基づく送信処理が終了した後に保持された宛先情報を消去し、保持された宛先情報が他の通信方式に対応付けられている場合は送信指示が受け付けられ該送信指示に基づく送信処理が終了した後も保持された宛先情報を保持し続ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置及び通信装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、外部装置へ画像データを通信する通信装置において、画像データの送信が終了した後に、同じ宛先への画像データの送信を行うために、宛先を保持しておく技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−51927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ファクシミリ通信方式、電子メール通信方式等、複数の通信方式のいずれかを用いて送信処理を実行可能な通信装置において前回の送信と同じ宛先への画像データの送信を行うために宛先を保持するようにすると以下のような問題がある。
【0005】
例えば、電子メール通信方式による通信は社内のメールサーバにて送信を制限(例えば、予め決められた宛先にしか送信できないようにする)ことにより送信先として不適切な宛先への電子メールの送信を防ぐことができる。しかし、ファクシミリ通信方式による通信はそのような制限をすることが困難であり、前回の送信と同じ宛先に対して誤って画像データの送信を行ってしまうことにより、秘密とすべき画像データが社外に漏洩してしまう可能性がある。
【0006】
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、前回の送信と同じ宛先への画像データの送信を行うために宛先を保持するようにしつつ、所定の通信方式に対応付けられた宛先に対しては誤って画像データの送信が行われないようにする通信装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る通信装置は、画像データを入力する入力手段と、前記入力手段により入力された画像データを送信する送信手段であって、複数の通信方式のいずれかを用いて送信処理を実行可能な送信手段と、前記送信手段が画像データを送信する宛先を特定するための宛先情報であって、前記複数の通信方式のいずれかに対応付けられた宛先情報を保持する保持手段と、前記入力手段により入力される画像データを前記保持手段により保持された宛先情報に基づいて前記送信手段に送信させるための操作者による送信指示を受け付ける受付手段と、前記送信指示を前記受付手段が受け付けたことに応じて、前記入力手段により入力される画像データを、前記保持手段により保持された宛先情報に基づいて、該宛先情報に対応付けられた通信方式を用いて送信するよう前記送信手段を制御する制御手段とを有し、前記保持手段は、前記保持された宛先情報が所定の通信方式に対応付けられている場合は前記受付手段により前記送信指示が受け付けられ該送信指示に基づく送信処理が終了した後に該保持された宛先情報を消去し、前記保持された宛先情報が前記所定の通信方式とは異なる他の通信方式に対応付けられている場合は前記受付手段により前記送信指示が受け付けられ該送信指示に基づく送信処理が終了した後も該保持された宛先情報を保持し続けることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る通信装置の制御方法は、入力された画像データを送信する送信手段であって、複数の通信方式のいずれかを用いて送信処理を実行可能な送信手段を備える通信装置の制御方法であって、画像データを入力する入力工程と、前記送信工程が画像データを送信する宛先を特定するための宛先情報であって、前記複数の通信方式のいずれかに対応付けられた宛先情報を保持手段に保持する保持工程と、前記入力工程により入力される画像データを前記保持手段により保持された宛先情報に基づいて前記送信手段に送信させるための操作者による送信指示を受け付ける受付工程と、前記送信指示を前記受付工程が受け付けたことに応じて、前記入力工程により入力される画像データを、前記保持手段により保持された宛先情報に基づいて、該宛先情報に対応付けられた通信方式を用いて送信するよう前記送信手段を制御する制御工程とを有し、前記保持工程は、前記保持された宛先情報が所定の通信方式に対応付けられている場合は前記受付工程により前記送信指示が受け付けられ該送信指示に基づく送信処理が終了した後に該保持された宛先情報を前記保持手段から消去し、前記保持された宛先情報が前記所定の通信方式とは異なる他の通信方式に対応付けられている場合は前記受付工程により前記送信指示が受け付けられ該送信指示に基づく送信処理が終了した後も該保持された宛先情報を前記保持手段に保持し続けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、前回の送信と同じ宛先への画像データの送信を行うために宛先を保持するようにしつつ、所定の通信方式に対応付けられた宛先に対しては誤って画像データの送信が行われないようにする通信装置及びその制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ネットワークの構成を模式的に示す図を示す図である。
【図2】複写機1001の主要部構成を示すブロック図である。
【図3】ソフトウェア構成の機能ブロックを示す図である。
【図4】宛先管理コンポーネント3002が管理する宛先情報管理テーブルを示す図である。
【図5】操作部2012の構成を示す図である。
【図6】操作部2012のLCD表示部2013に表示される画面を示す図である。
【図7】ファックスボタン604がユーザにより指定された場合に実行されるフローチャートである。
【図8】ファックス画面を示す図である。
【図9】RAM2002に記憶されるデータを示す図である。
【図10】電子メールボタン601がユーザにより指定された場合実行されるフローチャートである。
【図11】メールアドレス入力画面を示す図である。
【図12】ファイルボタン603がユーザにより指定された場合に実行されるフローチャートである。
【図13】送信プロトコル選択画面を示す図である。
【図14】ファイル送信先の入力画面を示す図である。
【図15】電子メールボタン601がユーザにより指定された場合実行されるフローチャートである。
【図16】ファイルボタン603がユーザにより指定された場合に実行されるフローチャートである。
【図17】電子メールボタン601がユーザにより指定された場合実行されるフローチャートである。
【図18】信頼性のある宛先を登録する画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。また、初めに本実施例に必要となる構成ブロックについて説明し、次に、処理の詳細について説明する。
【0012】
[第1の実施例]
図1は本発明の実施の一形態に係る通信装置を収容するネットワークの構成を模式的に示す図である。本実施の形態では、通信装置として、ファクシミリ機能及びデータ送信機能を有する複写機を説明する。
【0013】
複写機1001は、図1に示すように、プリンタ1002、ファクシミリ装置1003、データベース/メールサーバ1004、クライアントコンピュータ1005とともに、イーサネット(登録商標)などからなるLAN1006に接続されている。また、ファクシミリ1007とともに公衆回線1008に接続されている。複写機1001は、コピー機能、ファクシミリ機能を有するとともに、原稿画像を読み取り、読み取った画像データをLAN1006上の各装置に送信するデータ送信機能を有する。プリンタ1002は、複写機1001が読み取ったデータをLAN1006を介して受信し、受信したデータを印刷出力することが可能である。ファクシミリ1003は、複写機1001が読み取ったデータをLAN1006を介して受信し、受信したデータを送信することが可能である。データベース/メールサーバ1004は、複写機1001が読み取ったデータをLAN1006を介して受信し、受信したデータを格納し、また電子メールとして送信する機能を有するサーバ装置である。クライアントコンピュータ1005は、データベース/メールサーバ1004に接続され、データベース/メールサーバ1004から所望のデータ取得して表示することが可能である。また、複写機1001が読み取ったデータをLAN1006を介して受信し、受信したデータを加工、編集することが可能である。ファクシミリ1007は、複写機1001が読み取ったデータを公衆回線1008を介して受信し、受信したデータを印刷出力することが可能である。
【0014】
次に、複写機1001の主要部構成について図2を参照しながら説明する。図2は図1の複写機1001の主要部構成を示すブロック図である。
【0015】
複写機1001は、図2に示すように、コントローラユニット2000を備え、コントローラユニット2000には、スキャナ2070やプリンタ2095が接続される。また、スキャナ2070で読み取られた画像データをプリンタ2095により印刷出力するコピー機能を実現するための制御を行うとともに、LAN1006や公衆回線(WAN)2051に接続する。それによって、画像情報やデバイス情報の入出力を行うための制御を行う。
【0016】
コントローラユニット2000は、CPU2001を有し、CPU2001は、ROM2003に格納されているブートプログラムによりオペレーションシステム(OS)を立ち上げる。このOS上でHDD(ハードディスクドライブ)2004に格納されているアプリケーションプログラムを実行することによって各種処理を実行する。このCPU2001の作業領域としてはRAM2002が用いられる。RAM2002は、作業領域とともに、画像データを一時記憶するための画像メモリ領域を提供する。HDD2004は、アプリケーションプログラムとともに、画像データを格納する。
【0017】
CPU2001には、システムバス2007を介して、ROM2003およびRAM2002に接続されている。また、操作部I/F(操作部インタフェース)2006、ネットワークI/F(ネットワークインタフェース)2010、モデム2050およびイメージバスI/F(イメージインタフェース)2005が接続されている。
【0018】
操作部I/F2006は、タッチパネルを有する操作部2012とのインターフェースであり、操作部2012に表示する画像データを操作部2012に対して出力する。また、操作部I/F2006は、操作部2012においてユーザにより入力された情報をCPU2001に送出する。
【0019】
ネットワークI/F2010は、LAN1006に接続され、LAN1006を介してLAN1006上の各装置との間で情報の入出力を行う。モデム2050は、公衆回線2051に接続され、公衆回線2051を介して情報の入出力を行う。
【0020】
イメージバスI/F2005は、システムバス2007と画像データを高速で転送する画像バス2008を接続し、データ構造を変換するためのバスブリッジである。画像バス2008は、PCIバスまたはIEEE1394から構成される。画像バス2008上には、ラスタイメージプロセッサ(以下、RIPという)2060、デバイスI/F2020、スキャナ画像処理部2080、プリンタ画像処理部2090、画像回転部2030および画像圧縮部2040が設けられている。RIP2060は、PDLコードをビットマップイメージに展開するプロセッサである。デバイスI/F2020には、スキャナ2070およびプリンタ2095が接続され、デバイスI/F2020は、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。スキャナ画像処理部2080は、入力画像データに対し補正、加工、編集を行う。プリンタ画像処理部2090は、プリント出力画像データに対してプリンタの補正、解像度変換などを行う。画像回転部2030は、画像データの回転を行う。画像圧縮部2040は、多値画像データをJPEGデータに、2値画像データをJBIG、MMR、MHなどのデータに圧縮するとともに、その伸張処理を行う。
【0021】
次に、図1に示される操作部2012の構成を図5を用いて説明する。
【0022】
図5(a)は、図1に示す操作部2012の構成を示す平面図である。
【0023】
LCD表示部2013は、LCD上にタッチパネルシートが貼られた構造となっている。また、LCD表示部2013は、複写機1001の操作画面を表示するとともに、操作画面に表示されたキーが複写機1001の操作者(ユーザ)により押されるとその位置情報をコントローラユニット2000のCPU2001に伝える。スタートキー2014は、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いられる。スタートキー2014の中央部には、緑と赤の2色LED2018が設けられ、その色によってスタートキー2014が使える状態にあるか否かを示す。ストップキー2015は、稼働中の動作を止めるときに操作される。メニューキー2016は、メニューを表示するときに操作される。テンキー部2019には、図5(b)で詳細に示すように、0キー4010から9キー4019までの数値キーがある。さらに、リセットキー4001、ガイドキー4002、ユーザモードキー4003、*キー4004、#キー4005、IDキー4006、C(クリア)キー4007がある。それぞれの押下により、操作部I/F2006は所定のキーコードを発生しシステムバス2007を通じて、起動中の画面にキーコードに応じた画面を表示させる。
【0024】
次に、複写機1001のデータ送信機能について図3および図4を参照しながら説明する。
【0025】
図3は図1の複写機1001のファクシミリ機能及びデータ送信機能を実現するためのソフトウェア構成の機能ブロックを示す図である。また、図4は図3の宛先管理コンポーネント3002が管理する宛先情報管理テーブルを示す図である。
【0026】
複写機1001のファクシミリ機能及びデータ送信機能は、CPU2001が、HDD2004に格納されているアプリケーションプログラムを実行することによって実現される。これにより実現されるデータ送信機能の機能ブロックには、図3に示すように、操作部コンポーネント3001、宛先管理コンポーネント3002、送信管理コンポーネント3003および転送管理コンポーネント3011が含まれる。
【0027】
宛先管理コンポーネント3002は、ネットワークI/F2010を介してデータを送信する宛先(LAN1006上の装置)、モデム2050を介してデータを送信する宛先(公衆回線上の装置)を特定するための宛先情報が記述された管理テーブルを保持、管理する。この管理テーブルは、具体的には、ユーザの操作部2012からの入力により内容が書換え可能なテーブルであり、HDD2004に保存されている。この管理テーブルには、図4に示すように、管理番号(IndexID)、宛先名(Name)、通信方式(Type)、送信宛先(Address)が記述されている。ここで、テーブル中の通信方式(Type)は、送信ジョブの属性を示すものである。本実施例では、faxはファクシミリジョブを、printはプリントジョブを、databaseはデータベースジョブを、mailまたはifaxは電子メール/Iファクスジョブをそれぞれ表す。
【0028】
操作部コンポーネント3001は、宛先管理コンポーネント3002から宛先情報を取得し、取得した宛先情報を操作部2012に表示する。
【0029】
送信管理コンポーネント3003は、スキャナコンポーネント3004、プリントコンポーネント3005、ファシミリ送信コンポーネント3006、データベース格納コンポーネント3007、メール/Iファクス送信コンポーネント3008と接続する。スキャナコンポーネント3004は、送信管理コンポーネント3003から発行された処理命令に基づきスキャナ2070の動作を制御する。
【0030】
ファシミリ送信コンポーネント3006は、送信管理コンポーネント3003からの処理命令に基づきモデム2050を介したデータ送信動作を制御する。プリントコンポーネント3005は、送信管理コンポーネント3003からの処理命令に基づきネットワークI/F2010を介したプリンタ1002へのデータ送信動作を制御する。データベース格納コンポーネント3007は、送信管理コンポーネント3003からの処理命令に基づきネットワークI/F2010を介したデータベース/メールサーバ1004へのデータ送信動作を制御する。メール/Iファクス送信コンポーネント3008は、送信管理コンポーネント3003からの処理命令に基づきネットワークI/F2010を介したデータベース/メールサーバ1004へのデータ送信動作を制御する。
【0031】
送信管理コンポーネント3003は、操作部コンポーネント3001において選択された宛先情報に基づき3005〜3008の各コンポーネントに対して処理命令を発行し、各コンポーネントの動作を制御する。例えば、操作部コンポーネント3001においてファクシミリジョブの宛先が選択されると、送信管理コンポーネント3003は、原稿画像を読み取るようにスキャナコンポーネント3004に処理命令を発行する。また、読み取られた画像データを選択された宛先にファクシミリ送信するようにファシミリ送信コンポーネント3006に対して処理命令を発行する。これにより、ファクシミリ1003およびファクシミリ1007に対してスキャナ2070により読み取られた画像データを送信する。また、操作部コンポーネント3001において、プリントジョブ、データベースジョブまたは電子メール/Iファクスジョブの宛先が選択されると、プリントコンポーネント3005、データベース格納コンポーネント3007、またはメール/Iファクス送信コンポーネント3008に処理命令が発行される。そして、プリントコンポーネント3005、データベース格納コンポーネント3007、またはメール/Iファクス送信コンポーネント3008からプリンタ1002、データベース/メールサーバ1004に対してスキャナ2070により読み取られた画像データを送信する。
【0032】
また、ファクシミリ1003、クライアントコンピュータ1005から送信されたファクシミリ画像、Iファクス画像は、ネットワークI/F2010を介してそれぞれファクシミリ受信コンポーネント3009、Iファクス受信コンポーネント3010により受信される。また、受信されたファクシミリ画像、Iファクス画像は、転送管理コンポーネント3011により、宛先管理コンポーネント3002の情報に基づき送信管理コンポーネント3003に転送される。
【0033】
また、ファクシミリ1007から送信されたファクシミリ画像は、モデム2050を介してファクシミリ受信コンポーネント3009により受信される。また、受信されたファクシミリ画像は、転送管理コンポーネント3011により、宛先管理コンポーネント3002の情報に基づき送信管理コンポーネント3003に転送される。
【0034】
次に、ファクシミリ送信コンポーネント3006、データベース格納コンポーネント3007及びメール/Iファックス送信コンポーネント3008により実行される送信処理について説明する。
【0035】
図6は、操作部2012のLCD表示部2013に表示される画面である。図6に示す画面には、電子メールボタン601、Iファックスボタン602、ファイルボタン603及びファックスボタン604が表示される。
【0036】
そして、操作部コンポーネント3001は、601〜604のいずれかのボタンがユーザにより指定された場合、指定されたボタンに対応する通信方式を送信管理コンポーネント3003へ通知する。また、送信管理コンポーネント3003は、操作部コンポーネント3001から通知された通信方式を認識し、通信方式に対応するコンポーネントを起動させる。
【0037】
ここで、図6の画面でファックスボタン604がユーザにより指定された場合に、操作部コンポーネント3001、送信管理コンポーネント3003及びファクシミリ送信コンポーネント3006が実行する処理を図7のフローチャートに基づいて説明する。
【0038】
なお、図6の画面でファックスボタン604がユーザにより指定された場合、LCD表示部2013には図8に示すファックス画面が表示される。
【0039】
ステップS701で、操作部コンポーネント3001は、複写機1001のユーザによりキー入力がなされたかどうかを判定し、キー入力がなされたと判定した場合はステップS702へ処理を進める。
【0040】
ステップS702で、操作部コンポーネント3001は、入力されたキーがメニューキー2016であるかどうかを判定し、メニューキーであると判定した場合は図7の処理を終了させる。一方、メニューキーでないと判定した場合はステップS703へ処理を進める。
【0041】
ステップS703で、操作部コンポーネント3001は、入力されたキーが数値キーであるかどうかを判定し、数値キーであると判定した場合はステップS704へ処理を進める。一方、数値キーでないと判定した場合はステップS705へ処理を進める。
【0042】
ステップS704で、操作部コンポーネント3001は、ステップS703にて入力された数値キーに対応した数値を、送信管理コンポーネント3003を介してファクシミリ送信コンポーネント3006へ通知する。ファクシミリ送信コンポーネント3006は、通知された数値を図9に示される送信宛先番号901の末尾に追加する。なお、送信宛先番号901は、RAM2002に記憶されるものである。例えば、901に保持された送信宛先番号が“123”であり、ステップS703で入力された数値キーに対応する数値が“4”である場合、“1234”が送信宛先番号として901に新たに保持される。また、901に保持された送信宛先番号は、図8の801に表示される。
【0043】
ステップS705で、操作部コンポーネント3001は、入力された(受付られた)キーがスタートキー2014であるかどうかを判定し、スタートキー2014であると判定した場合はステップS706へ処理を進める。なお、スタートキー2014でないと判定された場合、ステップS710で入力されたキーに応じた処理が実行される。
【0044】
ステップS706で、ファクシミリ送信コンポーネント3006は、ファクシミリ送信が可能かどうかを判定し、可能であると判定された場合はステップS707へ処理を進める。具体的には、RAM2002に記憶された送信宛先番号901に何らの数値も記憶されていない(空である)かどうかを判定し、何らの数値も記憶されてない場合にはファクシミリ送信が不可であると判定する。なお、ファクシミリ送信が可能かどうかの判定の条件として、他の情報を利用することもできる。例えば、スキャナ2070に原稿が載置されていない場合に、ファクス送信が不可であると判定しても良い。あるいは、モデム2050の状態を判定し、モデム2050が公衆回線1008に接続されていない場合にファクス送信が不可であると判定しても良い。
【0045】
ステップS707で、ファクシミリ送信コンポーネント3006は、送信管理コンポーネント3003を介してスキャナコンポーネント3004に、スキャナ2070による原稿の読み取りを指示する。スキャナ部2070は、原稿を読み取って画像データの取得を行い、取得した画像データをRAM2002の画像バッファ902に記憶させる。
【0046】
ステップS708で、ファクシミリ送信コンポーネント3006は、画像バッファ902に記憶された画像データを画像圧縮部2040によりファクシミリ形式の画像データに圧縮した上で送信宛先番号901宛てに送信するようモデム2050を制御する。
【0047】
ステップS709で、ファクシミリ送信コンポーネント3006は、RAM2002に記憶(保持)された送信宛先番号901をRAM2002上から消去するようにRAM2002を制御する。このようにすることで、ファクシミリ通信方式に対応付けられた宛先情報(送信宛先番号)に対して、スタートキー2014が再度入力されることにより画像データを送信する際に、送信済みの宛先に対して再度画像データが送信されることを防止することができる。従って、前回と同じ宛先に対して誤って画像データの送信を行ってしまうことにより、秘密とすべき画像データが社外に漏洩することを防止することができる。
【0048】
次に、図6の画面で電子メールボタン601がユーザにより指定された場合に、操作部コンポーネント3001、送信管理コンポーネント3003及びメール/Iファックス送信コンポーネント3008が実行する処理を図11のフローチャートに基づいて説明する。
【0049】
なお、図6の画面で電子メールボタン601がユーザにより指定された場合、LCD表示部2013には図10に示すメールアドレス入力画面8004が表示される。
【0050】
なお、図6の画面でIファックスボタン602がユーザにより指定された場合も、図10に示すメールアドレス入力画面8004が表示される。図6の画面でIファックスボタン602がユーザにより指定された場合に、操作部コンポーネント3001、送信管理コンポーネント3003及びメール/Iファックス送信コンポーネント3008が実行する処理は、図11と同様であるので説明を省略する。
【0051】
ステップS1101で、操作部コンポーネント3001は、複写機1001のユーザによりキー入力がなされたかどうかを判定し、キー入力がなされたと判定した場合はステップS1102へ処理を進める。
【0052】
ステップS1102で、操作部コンポーネント3001は、入力されたキーがキャンセルキー8005であるかどうかを判定し、キャンセルキー8005であると判定した場合は図11の処理を終了させる。一方、キャンセルキー8005でないと判定した場合はステップS1103へ処理を進める。
【0053】
ステップS1103で、操作部コンポーネント3001は、入力されたキーがソフトキーであるかどうかを判定し、ソフトキーであると判定した場合はステップS1104へ処理を進める。一方、ソフトキーでないと判定した場合はステップS1105へ処理を進める。ここで、ソフトキーとは、図10のメールアドレス入力画面8004に表示された“a”、“b”、“@”等のボタンを示すものである。これらのボタンがユーザにより押されると、押されたボタンに対応するコード(例えば、“a”に対応するコード)が操作部コンポーネント3001から送信管理コンポーネント3003を介してメール/Iファックス送信コンポーネント3008へ通知される。
【0054】
ステップS1104で、操作部コンポーネント3001は、ステップS1103にて入力されたソフトキーに対応したコードを、送信管理コンポーネント3003を介してメール/Iファックス送信コンポーネント3008へ通知する。メール/Iファックス送信コンポーネント3008は、通知されたコードを図9に示される送信宛先904の末尾に追加する。なお、送信宛先904は、RAM2002に記憶されるものである。例えば、904に保持された送信宛先が“abc@abc.co.j”であり、ステップS703で入力されたソフトキーに対応するコードが“p”である場合、“abc@abc.co.jp”が送信宛先として904に保持される。また、904に保持された送信宛先は、図8の802に表示される。なお、図7のフローチャートが実行されることにより、既に送信宛先番号901が保持されている場合、図8の801には送信宛先番号901が表示される。そして、図8の801及び802の双方に送信宛先が表示された状態でスタートキー2014がユーザにより入力されると、スキャナ2070により取得された画像データがファクシミリ通信方式と電子メール通信方式の双方にて同時に送信される。つまり、複数の通信方式に対応する複数の宛先に対して同報送信がなされる。
【0055】
ステップS1105で、操作部コンポーネント3001は、入力されたキーがスタートキー2014であるかどうかを判定し、スタートキー2014であると判定した場合(送信指示が受付られた場合)はステップS1106へ処理を進める。なお、スタートキー2014でないと判定された場合、ステップS1109で入力されたキーに応じた処理が実行される。
【0056】
ステップS1106で、メール/Iファックス送信コンポーネント3008は、電子メール送信が可能かどうかを判定し、可能であると判定された場合はステップS1107へ処理を進める。具体的には、RAM2002に記憶された送信宛先904に何らのコードも記憶されていない(空である)かどうかを判定し、何らのコードも記憶されてない場合には電子メール送信が不可であると判定する。なお、電子メール送信が可能かどうかの判定の条件として、他の情報を利用することもできる。例えば、スキャナ2070に原稿が載置されていない場合に、電子メール送信が不可であると判定しても良い。あるいは、ネットワークI/F2010の状態を判定し、ネットワークI/F2010がLAN1006に接続されていない場合に電子メール送信が不可であると判定しても良い。
【0057】
ステップS1107で、メール/Iファックス送信コンポーネント3008は、送信管理コンポーネント3003を介してスキャナコンポーネント3004に、スキャナ2070による原稿の読み取りを指示する。スキャナ部2070は、原稿を読み取って画像データの取得を行い、取得した画像データをRAM2002の画像バッファ902に記憶させる。
【0058】
ステップS1108で、メール/Iファックス送信コンポーネント3008は、画像バッファ902に記憶された画像データを画像圧縮部2040により所定の形式(例えば、PDF形式)の画像データに圧縮した上で送信宛先904宛てに送信する。なお、画像データは、電子メールの添付ファイルとして送信される。また、添付ファイルの形式は、PDF、JPEG等、ユーザが任意に選択できるようにし、選択された形式のデータに変換されるように画像圧縮部2040を制御しても良い。
【0059】
なお、ファクシミリ送信コンポーネント3006によるファクシミリ通信方式での送信処理においては、ファクシミリ送信の後にRAM2002の送信宛先番号901を消去したが、図11の処理ではこのような消去は行わない。従って、ステップS1108の後に再びステップS1101へ処理が戻り、スタートキー2014が入力された場合は、送信処理の終了後にも保持しつづけられた送信宛先904に対して送信を行うことが可能である。
【0060】
このように、電子メール通信方式については、送信宛先904を消去しないようにしているのは、以下のような理由による。それは、電子メール通信方式による通信は社内のメールサーバにて送信を制限(例えば、予め決められた宛先にしか送信できないようにする)ことにより送信先として不適切な宛先への電子メールの送信を防ぐことができるからである。
【0061】
次に、図6の画面でファイルボタン603がユーザにより指定された場合に、操作部コンポーネント3001、送信管理コンポーネント3003及びデータベース格納コンポーネント3007が実行する処理を図12のフローチャートに基づいて説明する。
【0062】
なお、図6の画面でファイルボタン603がユーザにより指定された場合、LCD表示部2013には図13に示す送信プロトコル選択画面8006が表示される。
【0063】
ステップS1200で、操作部コンポーネント3001は、複写機1001のユーザによる送信プロトコルの選択を受け付ける。選択可能な送信プロトコルは、WEBDAV(Web−based Distributed Authoring and Versioning)8007、SMB(Server Message Block)8008、FTP(File Transfer Protocol)8009のいずれかである。ユーザにより選択された送信プロトコルは、RAM2002に送信プロトコル903として記憶(保持)される。
【0064】
なお、図13の画面で送信プロトコルが選択された場合、LCD表示部2013には図14に示すファイル送信先の入力画面が表示される。
【0065】
ステップS1201で、操作部コンポーネント3001は、複写機1001のユーザによりキー入力がなされたかどうかを判定し、キー入力がなされたと判定した場合はステップS1202へ処理を進める。
【0066】
ステップS1202で、操作部コンポーネント3001は、入力されたキーがキャンセルキー8010であるかどうかを判定し、キャンセルキー8010であると判定した場合は図12の処理を終了させる。一方、キャンセルキー8010でないと判定した場合はステップS1203へ処理を進める。
【0067】
ステップS1203で、操作部コンポーネント3001は、入力されたキーがソフトキーであるかどうかを判定し、ソフトキーであると判定した場合はステップS1204へ処理を進める。一方、ソフトキーでないと判定した場合はステップS1205へ処理を進める。ここで、ソフトキーとは、図14のキー8011〜8014を入力することに表示される画面(不図示)に表示される“a”、“b”等のボタン(図10に示されるものと同様)を示すものである。これらのボタンがユーザにより押されると、押されたボタンに対応するコード(例えば、“a”に対応するコード)が操作部コンポーネント3001から送信管理コンポーネント3003を介してデータベース格納コンポーネント3007へ通知される。
【0068】
ステップS1204で、操作部コンポーネント3001は、ステップS1203にて入力されたソフトキーに対応したコードを、送信管理コンポーネント3003を介してデータベース格納コンポーネント3007へ通知する。データベース格納コンポーネント3007は、通知されたコードを図9に示される送信宛先904の末尾に追加する。なお、送信宛先904は、RAM2002に記憶されるものである。また、904に保持された送信宛先は、図8の802に表示される。なお、802に既に電子メールアドレスや、他のファイル送信用のアドレスが入力されている場合には、802の下部に他の欄(不図示)を設けてそこに904に保持されたファイル送信用のアドレスを表示するようにしても良い。
【0069】
ステップS1205で、操作部コンポーネント3001は、入力されたキーがスタートキー2014であるかどうかを判定し、スタートキー2014であると判定した場合はステップS1206へ処理を進める。なお、スタートキー2014でないと判定された場合、ステップS1209で入力されたキーに応じた処理が実行される。
【0070】
ステップS1206で、データベース格納コンポーネント3007は、ファイル送信が可能かどうかを判定し、可能であると判定された場合はステップS1207へ処理を進める。具体的には、RAM2002に記憶された送信宛先904に何らのコードも記憶されていない(空である)かどうかを判定し、何らのコードも記憶されてない場合にはファイル送信が不可であると判定する。なお、ファイル送信が可能かどうかの判定の条件として、他の情報を利用することもできる。例えば、スキャナ2070に原稿が載置されていない場合に、ファイル送信が不可であると判定しても良い。あるいは、ネットワークI/F2010の状態を判定し、ネットワークI/F2010がLAN1006に接続されていない場合にファイル送信が不可であると判定しても良い。
【0071】
ステップS1207で、データベース格納コンポーネント3007は、送信管理コンポーネント3003を介してスキャナコンポーネント3004に、スキャナ2070による原稿の読み取りを指示する。スキャナ部2070は、原稿を読み取って画像データの取得を行い、読み取った画像データをRAM2002の画像バッファ902に記憶させる。
【0072】
ステップS1208で、データベース格納コンポーネント3007は、画像バッファ902に記憶された画像データを画像圧縮部2040により所定の形式(例えば、PDF形式)の画像データに圧縮した上で送信宛先904宛てに送信する。画像データの形式は、PDF、JPEG等、ユーザが任意に選択できるようにし、選択された形式のデータに変換されるように画像圧縮部2040を制御しても良い。
【0073】
なお、ファクシミリ送信コンポーネント3006によるファクシミリ通信方式での送信処理においては、ファクシミリ送信の後にRAM2002の送信宛先番号901を消去したが、図12の処理ではこのような消去は行わない。従って、ステップS1208の後に再びステップS1201へ処理が戻り、スタートキー2014が入力された場合は、送信処理の終了後にも保持しつづけられた送信宛先904に対して送信を行うことが可能である。
【0074】
このように、ファイル転送通信方式については、送信宛先904を消去しないようにしているのは、ファイル転送通信方式による通信は社内のサーバにて送信を制限することにより送信先として不適切な宛先への送信を防ぐことができるからである。
【0075】
以上説明したように、ファクシミリ送信コンポーネント3006は、RAM2002に記憶(保持)された送信宛先番号901を、送信処理後にRAM2002上から消去するようにRAM2002を制御する。一方で、メール/Iファックス送信コンポーネント3008は、RAM2002に記憶(保持)された送信宛先904を、送信処理後にRAM2002上から消去せずに保持しつづけるようにRAM2002を制御する。データベース格納コンポーネント3007もメール/Iファックス送信コンポーネント3008と同様である。
【0076】
このようにすることで、ファクシミリ通信方式に対応付けられた宛先情報(送信宛先番号)に対して、スタートキー2014が再度入力されることにより画像データを再送信する際に、送信済みの宛先に対して画像データが送信されることを防止することができる。従って、前回の送信と同じ宛先に対して誤って画像データの送信を行ってしまうことにより、秘密とすべき画像データが社外に漏洩することを防止することができる。
【0077】
一方で、電子メール通信方式やファイル転送通信方式については、送信処理の終了後にも保持しつづけられた送信宛先904に対して送信を行うことを可能としている。
【0078】
[第2の実施例]
次に、本発明の第2の実施例について説明する。
【0079】
第1の実施例においては、ファクシミリ通信方式のための送信宛先番号901と電子メール通信方式又はファイル転送通信方式のための送信宛先904がRAM2002に記憶されて送信処理(同報送信)が実行された後は、以下のようにするものであった。それは、送信宛先番号901はRAM2002から消去する一方で、送信宛先904は消去しないというものである。
【0080】
第2の実施例は、ファクシミリ通信方式のための送信宛先番号901と電子メール通信方式又はファイル転送通信方式のための送信宛先904がRAM2002に記憶されて送信処理(同報送信)が実行された後に、送信宛先番号901と送信宛先904の双方を消去するものである。
【0081】
そして、第2の実施例によれば、前回の送信と同じ宛先に対して送信する際に同報送信の宛先数が減ってしまうことを防止することができる。
【0082】
なお、図6の画面でファックスボタン604がユーザにより指定された場合に、操作部コンポーネント3001、送信管理コンポーネント3003及びファクシミリ送信コンポーネント3006が実行する処理は、図7のフローチャートと同様であるので説明を省略する。
【0083】
図6の画面で電子メールボタン601がユーザにより指定された場合に、操作部コンポーネント3001、送信管理コンポーネント3003及びメール/Iファックス送信コンポーネント3008が実行する処理を、図15のフローチャートに基づいて説明する。
【0084】
なお、図15のフローチャートは、図11のフローチャートの変形例であり、同一の符号であるステップS1101〜S1109は図11のフローチャートと同様であるので説明を省略する。図15のフローチャートは、図11に対してステップS1501及びステップS1502を追加した点が異なるので、これらのステップについて説明する。
【0085】
ステップS1501で、送信管理コンポーネント3003は、ステップS1108における電子メール送信処理が、ファクシミリを含む同報送信であったかどうかを判定する。具体的には、ステップS1105でスタートキー2014が入力された際に、送信宛先番号901にファクシミリ番号が記憶されており、そのファクシミリ番号宛てに図7のステップS708にてファクシミリ送信が行われたかどうかを判定する。判定がYESであれば、ステップS1502へ処理をすすめ、NOであればステップS1101へ処理を戻す。
【0086】
ステップS1502で、メール/Iファックス送信コンポーネント3008は、送信宛先904に記憶されたコードをRAM2002から消去する。
【0087】
次に、図6の画面でファイルボタン603がユーザにより指定された場合に、操作部コンポーネント3001、送信管理コンポーネント3003及びデータベース格納コンポーネント3007が実行する処理は、図16のフローチャートに基づいて説明する。
【0088】
なお、図16のフローチャートは、図12のフローチャートの変形例であり、同一の符号であるステップS1200〜S1209は図12のフローチャートと同様であるので説明を省略する。図16のフローチャートは、図12に対してステップS1601及びステップS1602を追加した点が異なるので、これらのステップについて説明する。
【0089】
ステップS1601で、送信管理コンポーネント3003は、ステップS1208におけるファイル送信処理が、ファクシミリを含む同報送信であったかどうかを判定する。具体的には、ステップS1205でスタートキー2014が入力された際に、送信宛先番号901にファクシミリ番号が記憶されており、そのファクシミリ番号宛てに図7のステップS708にてファクシミリ送信が行われたかどうかを判定する。判定がYESであれば、ステップS1602へ処理をすすめ、NOであればステップS1201へ処理を戻す。
【0090】
ステップS1602で、データベース格納コンポーネント3007は、送信宛先904に記憶されたコードをRAM2002から消去する。
【0091】
以上説明したように、第2の実施例では、RAM2002にファクシミリ通信方式のための送信宛先番号901と電子メール通信方式又はファイル転送通信方式のための送信宛先904が記憶されて送信処理(同報送信)が実行された後に、送信宛先番号901と送信宛先904の双方を消去する。
【0092】
そして、第2の実施例によれば、前回の送信と同じ宛先に対して送信する際に同報送信の宛先数が減ってしまうことを防止することができる。
【0093】
[第3の実施例]
第1の実施例においては、電子メール通信方式のための送信宛先904がRAM2002に記憶されて送信処理が実行された後は、送信宛先904はRAM2002から消去しないというものである。
【0094】
しかしながら、電子メール通信方式の宛先であっても、信頼性の低い宛先については、RAM2002から消去した方が望ましい。
【0095】
第3の実施例は、電子メール通信方式の宛先であっても、信頼性の低い宛先については、前回の送信と同じ宛先として利用されないように送信宛先904をRAM2002から消去するものである。そして、第3の実施例によれば、電子メール通信方式の宛先であっても、信頼性の低い宛先については、再送信に利用されないようにすることができる。
【0096】
なお、図6の画面でファックスボタン604がユーザにより指定された場合に、操作部コンポーネント3001、送信管理コンポーネント3003及びファクシミリ送信コンポーネント3006が実行する処理は、図7のフローチャートと同様であるので説明を省略する。
【0097】
また、図6の画面でファイルボタン603がユーザにより指定された場合に、操作部コンポーネント3001、送信管理コンポーネント3003及びデータベース格納コンポーネント3007が実行する処理は、図12のフローチャートと同様であるので説明を省略する。
【0098】
図6の画面で電子メールボタン601がユーザにより指定された場合に、操作部コンポーネント3001、送信管理コンポーネント3003及びメール/Iファックス送信コンポーネント3008が実行する処理は、図17のフローチャートに基づいて説明する。
【0099】
なお、図17のフローチャートは、図11のフローチャートの変形例であり、同一の符号であるステップS1101〜S1109は図11のフローチャートと同様であるので説明を省略する。図17のフローチャートは、図11に対してステップS1701、S1702及びS1703を追加した点が異なるので、これらのステップについて説明する。
【0100】
ステップS1701で、メール/Iファックス送信コンポーネント3008は、ステップS1108における電子メール送信処理で用いられた送信宛先904が、信頼性のある宛先に登録済みであるかどうかを判定する。なお、信頼性のある宛先は、図18に示されるような画面を介してユーザにより登録されるものであり、登録された送信宛先は、RAM2002に記憶されるものとする。
【0101】
ステップS1702で、ステップS1108における電子メール送信処理で用いられた送信宛先904が、複写機1001が属するドメインと同ドメインであるかどうかを判定する。同ドメインであればステップS1101へ処理を進め、同ドメインでなければステップS1703へ処理を進める。
【0102】
ステップS1703では、メール/Iファックス送信コンポーネント3008は、送信宛先904に記憶されたコードをRAM2002から消去する。
【0103】
以上のように、第3の実施例では、電子メール通信方式の宛先であっても、信頼性の低い宛先については、再送信に利用されないように送信宛先904を消去する。そして、第3の実施例によれば、電子メール通信方式の宛先であっても、信頼性の低い宛先については、再送信に利用されないようにすることができる。
【0104】
[他の実施例]
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置及び通信装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、外部装置へ画像データを通信する通信装置において、画像データの送信が終了した後に、同じ宛先への画像データの送信を行うために、宛先を保持しておく技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−51927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ファクシミリ通信方式、電子メール通信方式等、複数の通信方式のいずれかを用いて送信処理を実行可能な通信装置において前回の送信と同じ宛先への画像データの送信を行うために宛先を保持するようにすると以下のような問題がある。
【0005】
例えば、電子メール通信方式による通信は社内のメールサーバにて送信を制限(例えば、予め決められた宛先にしか送信できないようにする)ことにより送信先として不適切な宛先への電子メールの送信を防ぐことができる。しかし、ファクシミリ通信方式による通信はそのような制限をすることが困難であり、前回の送信と同じ宛先に対して誤って画像データの送信を行ってしまうことにより、秘密とすべき画像データが社外に漏洩してしまう可能性がある。
【0006】
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、前回の送信と同じ宛先への画像データの送信を行うために宛先を保持するようにしつつ、所定の通信方式に対応付けられた宛先に対しては誤って画像データの送信が行われないようにする通信装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る通信装置は、画像データを入力する入力手段と、前記入力手段により入力された画像データを送信する送信手段であって、複数の通信方式のいずれかを用いて送信処理を実行可能な送信手段と、前記送信手段が画像データを送信する宛先を特定するための宛先情報であって、前記複数の通信方式のいずれかに対応付けられた宛先情報を保持する保持手段と、前記入力手段により入力される画像データを前記保持手段により保持された宛先情報に基づいて前記送信手段に送信させるための操作者による送信指示を受け付ける受付手段と、前記送信指示を前記受付手段が受け付けたことに応じて、前記入力手段により入力される画像データを、前記保持手段により保持された宛先情報に基づいて、該宛先情報に対応付けられた通信方式を用いて送信するよう前記送信手段を制御する制御手段とを有し、前記保持手段は、前記保持された宛先情報が所定の通信方式に対応付けられている場合は前記受付手段により前記送信指示が受け付けられ該送信指示に基づく送信処理が終了した後に該保持された宛先情報を消去し、前記保持された宛先情報が前記所定の通信方式とは異なる他の通信方式に対応付けられている場合は前記受付手段により前記送信指示が受け付けられ該送信指示に基づく送信処理が終了した後も該保持された宛先情報を保持し続けることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る通信装置の制御方法は、入力された画像データを送信する送信手段であって、複数の通信方式のいずれかを用いて送信処理を実行可能な送信手段を備える通信装置の制御方法であって、画像データを入力する入力工程と、前記送信工程が画像データを送信する宛先を特定するための宛先情報であって、前記複数の通信方式のいずれかに対応付けられた宛先情報を保持手段に保持する保持工程と、前記入力工程により入力される画像データを前記保持手段により保持された宛先情報に基づいて前記送信手段に送信させるための操作者による送信指示を受け付ける受付工程と、前記送信指示を前記受付工程が受け付けたことに応じて、前記入力工程により入力される画像データを、前記保持手段により保持された宛先情報に基づいて、該宛先情報に対応付けられた通信方式を用いて送信するよう前記送信手段を制御する制御工程とを有し、前記保持工程は、前記保持された宛先情報が所定の通信方式に対応付けられている場合は前記受付工程により前記送信指示が受け付けられ該送信指示に基づく送信処理が終了した後に該保持された宛先情報を前記保持手段から消去し、前記保持された宛先情報が前記所定の通信方式とは異なる他の通信方式に対応付けられている場合は前記受付工程により前記送信指示が受け付けられ該送信指示に基づく送信処理が終了した後も該保持された宛先情報を前記保持手段に保持し続けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、前回の送信と同じ宛先への画像データの送信を行うために宛先を保持するようにしつつ、所定の通信方式に対応付けられた宛先に対しては誤って画像データの送信が行われないようにする通信装置及びその制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ネットワークの構成を模式的に示す図を示す図である。
【図2】複写機1001の主要部構成を示すブロック図である。
【図3】ソフトウェア構成の機能ブロックを示す図である。
【図4】宛先管理コンポーネント3002が管理する宛先情報管理テーブルを示す図である。
【図5】操作部2012の構成を示す図である。
【図6】操作部2012のLCD表示部2013に表示される画面を示す図である。
【図7】ファックスボタン604がユーザにより指定された場合に実行されるフローチャートである。
【図8】ファックス画面を示す図である。
【図9】RAM2002に記憶されるデータを示す図である。
【図10】電子メールボタン601がユーザにより指定された場合実行されるフローチャートである。
【図11】メールアドレス入力画面を示す図である。
【図12】ファイルボタン603がユーザにより指定された場合に実行されるフローチャートである。
【図13】送信プロトコル選択画面を示す図である。
【図14】ファイル送信先の入力画面を示す図である。
【図15】電子メールボタン601がユーザにより指定された場合実行されるフローチャートである。
【図16】ファイルボタン603がユーザにより指定された場合に実行されるフローチャートである。
【図17】電子メールボタン601がユーザにより指定された場合実行されるフローチャートである。
【図18】信頼性のある宛先を登録する画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。また、初めに本実施例に必要となる構成ブロックについて説明し、次に、処理の詳細について説明する。
【0012】
[第1の実施例]
図1は本発明の実施の一形態に係る通信装置を収容するネットワークの構成を模式的に示す図である。本実施の形態では、通信装置として、ファクシミリ機能及びデータ送信機能を有する複写機を説明する。
【0013】
複写機1001は、図1に示すように、プリンタ1002、ファクシミリ装置1003、データベース/メールサーバ1004、クライアントコンピュータ1005とともに、イーサネット(登録商標)などからなるLAN1006に接続されている。また、ファクシミリ1007とともに公衆回線1008に接続されている。複写機1001は、コピー機能、ファクシミリ機能を有するとともに、原稿画像を読み取り、読み取った画像データをLAN1006上の各装置に送信するデータ送信機能を有する。プリンタ1002は、複写機1001が読み取ったデータをLAN1006を介して受信し、受信したデータを印刷出力することが可能である。ファクシミリ1003は、複写機1001が読み取ったデータをLAN1006を介して受信し、受信したデータを送信することが可能である。データベース/メールサーバ1004は、複写機1001が読み取ったデータをLAN1006を介して受信し、受信したデータを格納し、また電子メールとして送信する機能を有するサーバ装置である。クライアントコンピュータ1005は、データベース/メールサーバ1004に接続され、データベース/メールサーバ1004から所望のデータ取得して表示することが可能である。また、複写機1001が読み取ったデータをLAN1006を介して受信し、受信したデータを加工、編集することが可能である。ファクシミリ1007は、複写機1001が読み取ったデータを公衆回線1008を介して受信し、受信したデータを印刷出力することが可能である。
【0014】
次に、複写機1001の主要部構成について図2を参照しながら説明する。図2は図1の複写機1001の主要部構成を示すブロック図である。
【0015】
複写機1001は、図2に示すように、コントローラユニット2000を備え、コントローラユニット2000には、スキャナ2070やプリンタ2095が接続される。また、スキャナ2070で読み取られた画像データをプリンタ2095により印刷出力するコピー機能を実現するための制御を行うとともに、LAN1006や公衆回線(WAN)2051に接続する。それによって、画像情報やデバイス情報の入出力を行うための制御を行う。
【0016】
コントローラユニット2000は、CPU2001を有し、CPU2001は、ROM2003に格納されているブートプログラムによりオペレーションシステム(OS)を立ち上げる。このOS上でHDD(ハードディスクドライブ)2004に格納されているアプリケーションプログラムを実行することによって各種処理を実行する。このCPU2001の作業領域としてはRAM2002が用いられる。RAM2002は、作業領域とともに、画像データを一時記憶するための画像メモリ領域を提供する。HDD2004は、アプリケーションプログラムとともに、画像データを格納する。
【0017】
CPU2001には、システムバス2007を介して、ROM2003およびRAM2002に接続されている。また、操作部I/F(操作部インタフェース)2006、ネットワークI/F(ネットワークインタフェース)2010、モデム2050およびイメージバスI/F(イメージインタフェース)2005が接続されている。
【0018】
操作部I/F2006は、タッチパネルを有する操作部2012とのインターフェースであり、操作部2012に表示する画像データを操作部2012に対して出力する。また、操作部I/F2006は、操作部2012においてユーザにより入力された情報をCPU2001に送出する。
【0019】
ネットワークI/F2010は、LAN1006に接続され、LAN1006を介してLAN1006上の各装置との間で情報の入出力を行う。モデム2050は、公衆回線2051に接続され、公衆回線2051を介して情報の入出力を行う。
【0020】
イメージバスI/F2005は、システムバス2007と画像データを高速で転送する画像バス2008を接続し、データ構造を変換するためのバスブリッジである。画像バス2008は、PCIバスまたはIEEE1394から構成される。画像バス2008上には、ラスタイメージプロセッサ(以下、RIPという)2060、デバイスI/F2020、スキャナ画像処理部2080、プリンタ画像処理部2090、画像回転部2030および画像圧縮部2040が設けられている。RIP2060は、PDLコードをビットマップイメージに展開するプロセッサである。デバイスI/F2020には、スキャナ2070およびプリンタ2095が接続され、デバイスI/F2020は、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。スキャナ画像処理部2080は、入力画像データに対し補正、加工、編集を行う。プリンタ画像処理部2090は、プリント出力画像データに対してプリンタの補正、解像度変換などを行う。画像回転部2030は、画像データの回転を行う。画像圧縮部2040は、多値画像データをJPEGデータに、2値画像データをJBIG、MMR、MHなどのデータに圧縮するとともに、その伸張処理を行う。
【0021】
次に、図1に示される操作部2012の構成を図5を用いて説明する。
【0022】
図5(a)は、図1に示す操作部2012の構成を示す平面図である。
【0023】
LCD表示部2013は、LCD上にタッチパネルシートが貼られた構造となっている。また、LCD表示部2013は、複写機1001の操作画面を表示するとともに、操作画面に表示されたキーが複写機1001の操作者(ユーザ)により押されるとその位置情報をコントローラユニット2000のCPU2001に伝える。スタートキー2014は、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いられる。スタートキー2014の中央部には、緑と赤の2色LED2018が設けられ、その色によってスタートキー2014が使える状態にあるか否かを示す。ストップキー2015は、稼働中の動作を止めるときに操作される。メニューキー2016は、メニューを表示するときに操作される。テンキー部2019には、図5(b)で詳細に示すように、0キー4010から9キー4019までの数値キーがある。さらに、リセットキー4001、ガイドキー4002、ユーザモードキー4003、*キー4004、#キー4005、IDキー4006、C(クリア)キー4007がある。それぞれの押下により、操作部I/F2006は所定のキーコードを発生しシステムバス2007を通じて、起動中の画面にキーコードに応じた画面を表示させる。
【0024】
次に、複写機1001のデータ送信機能について図3および図4を参照しながら説明する。
【0025】
図3は図1の複写機1001のファクシミリ機能及びデータ送信機能を実現するためのソフトウェア構成の機能ブロックを示す図である。また、図4は図3の宛先管理コンポーネント3002が管理する宛先情報管理テーブルを示す図である。
【0026】
複写機1001のファクシミリ機能及びデータ送信機能は、CPU2001が、HDD2004に格納されているアプリケーションプログラムを実行することによって実現される。これにより実現されるデータ送信機能の機能ブロックには、図3に示すように、操作部コンポーネント3001、宛先管理コンポーネント3002、送信管理コンポーネント3003および転送管理コンポーネント3011が含まれる。
【0027】
宛先管理コンポーネント3002は、ネットワークI/F2010を介してデータを送信する宛先(LAN1006上の装置)、モデム2050を介してデータを送信する宛先(公衆回線上の装置)を特定するための宛先情報が記述された管理テーブルを保持、管理する。この管理テーブルは、具体的には、ユーザの操作部2012からの入力により内容が書換え可能なテーブルであり、HDD2004に保存されている。この管理テーブルには、図4に示すように、管理番号(IndexID)、宛先名(Name)、通信方式(Type)、送信宛先(Address)が記述されている。ここで、テーブル中の通信方式(Type)は、送信ジョブの属性を示すものである。本実施例では、faxはファクシミリジョブを、printはプリントジョブを、databaseはデータベースジョブを、mailまたはifaxは電子メール/Iファクスジョブをそれぞれ表す。
【0028】
操作部コンポーネント3001は、宛先管理コンポーネント3002から宛先情報を取得し、取得した宛先情報を操作部2012に表示する。
【0029】
送信管理コンポーネント3003は、スキャナコンポーネント3004、プリントコンポーネント3005、ファシミリ送信コンポーネント3006、データベース格納コンポーネント3007、メール/Iファクス送信コンポーネント3008と接続する。スキャナコンポーネント3004は、送信管理コンポーネント3003から発行された処理命令に基づきスキャナ2070の動作を制御する。
【0030】
ファシミリ送信コンポーネント3006は、送信管理コンポーネント3003からの処理命令に基づきモデム2050を介したデータ送信動作を制御する。プリントコンポーネント3005は、送信管理コンポーネント3003からの処理命令に基づきネットワークI/F2010を介したプリンタ1002へのデータ送信動作を制御する。データベース格納コンポーネント3007は、送信管理コンポーネント3003からの処理命令に基づきネットワークI/F2010を介したデータベース/メールサーバ1004へのデータ送信動作を制御する。メール/Iファクス送信コンポーネント3008は、送信管理コンポーネント3003からの処理命令に基づきネットワークI/F2010を介したデータベース/メールサーバ1004へのデータ送信動作を制御する。
【0031】
送信管理コンポーネント3003は、操作部コンポーネント3001において選択された宛先情報に基づき3005〜3008の各コンポーネントに対して処理命令を発行し、各コンポーネントの動作を制御する。例えば、操作部コンポーネント3001においてファクシミリジョブの宛先が選択されると、送信管理コンポーネント3003は、原稿画像を読み取るようにスキャナコンポーネント3004に処理命令を発行する。また、読み取られた画像データを選択された宛先にファクシミリ送信するようにファシミリ送信コンポーネント3006に対して処理命令を発行する。これにより、ファクシミリ1003およびファクシミリ1007に対してスキャナ2070により読み取られた画像データを送信する。また、操作部コンポーネント3001において、プリントジョブ、データベースジョブまたは電子メール/Iファクスジョブの宛先が選択されると、プリントコンポーネント3005、データベース格納コンポーネント3007、またはメール/Iファクス送信コンポーネント3008に処理命令が発行される。そして、プリントコンポーネント3005、データベース格納コンポーネント3007、またはメール/Iファクス送信コンポーネント3008からプリンタ1002、データベース/メールサーバ1004に対してスキャナ2070により読み取られた画像データを送信する。
【0032】
また、ファクシミリ1003、クライアントコンピュータ1005から送信されたファクシミリ画像、Iファクス画像は、ネットワークI/F2010を介してそれぞれファクシミリ受信コンポーネント3009、Iファクス受信コンポーネント3010により受信される。また、受信されたファクシミリ画像、Iファクス画像は、転送管理コンポーネント3011により、宛先管理コンポーネント3002の情報に基づき送信管理コンポーネント3003に転送される。
【0033】
また、ファクシミリ1007から送信されたファクシミリ画像は、モデム2050を介してファクシミリ受信コンポーネント3009により受信される。また、受信されたファクシミリ画像は、転送管理コンポーネント3011により、宛先管理コンポーネント3002の情報に基づき送信管理コンポーネント3003に転送される。
【0034】
次に、ファクシミリ送信コンポーネント3006、データベース格納コンポーネント3007及びメール/Iファックス送信コンポーネント3008により実行される送信処理について説明する。
【0035】
図6は、操作部2012のLCD表示部2013に表示される画面である。図6に示す画面には、電子メールボタン601、Iファックスボタン602、ファイルボタン603及びファックスボタン604が表示される。
【0036】
そして、操作部コンポーネント3001は、601〜604のいずれかのボタンがユーザにより指定された場合、指定されたボタンに対応する通信方式を送信管理コンポーネント3003へ通知する。また、送信管理コンポーネント3003は、操作部コンポーネント3001から通知された通信方式を認識し、通信方式に対応するコンポーネントを起動させる。
【0037】
ここで、図6の画面でファックスボタン604がユーザにより指定された場合に、操作部コンポーネント3001、送信管理コンポーネント3003及びファクシミリ送信コンポーネント3006が実行する処理を図7のフローチャートに基づいて説明する。
【0038】
なお、図6の画面でファックスボタン604がユーザにより指定された場合、LCD表示部2013には図8に示すファックス画面が表示される。
【0039】
ステップS701で、操作部コンポーネント3001は、複写機1001のユーザによりキー入力がなされたかどうかを判定し、キー入力がなされたと判定した場合はステップS702へ処理を進める。
【0040】
ステップS702で、操作部コンポーネント3001は、入力されたキーがメニューキー2016であるかどうかを判定し、メニューキーであると判定した場合は図7の処理を終了させる。一方、メニューキーでないと判定した場合はステップS703へ処理を進める。
【0041】
ステップS703で、操作部コンポーネント3001は、入力されたキーが数値キーであるかどうかを判定し、数値キーであると判定した場合はステップS704へ処理を進める。一方、数値キーでないと判定した場合はステップS705へ処理を進める。
【0042】
ステップS704で、操作部コンポーネント3001は、ステップS703にて入力された数値キーに対応した数値を、送信管理コンポーネント3003を介してファクシミリ送信コンポーネント3006へ通知する。ファクシミリ送信コンポーネント3006は、通知された数値を図9に示される送信宛先番号901の末尾に追加する。なお、送信宛先番号901は、RAM2002に記憶されるものである。例えば、901に保持された送信宛先番号が“123”であり、ステップS703で入力された数値キーに対応する数値が“4”である場合、“1234”が送信宛先番号として901に新たに保持される。また、901に保持された送信宛先番号は、図8の801に表示される。
【0043】
ステップS705で、操作部コンポーネント3001は、入力された(受付られた)キーがスタートキー2014であるかどうかを判定し、スタートキー2014であると判定した場合はステップS706へ処理を進める。なお、スタートキー2014でないと判定された場合、ステップS710で入力されたキーに応じた処理が実行される。
【0044】
ステップS706で、ファクシミリ送信コンポーネント3006は、ファクシミリ送信が可能かどうかを判定し、可能であると判定された場合はステップS707へ処理を進める。具体的には、RAM2002に記憶された送信宛先番号901に何らの数値も記憶されていない(空である)かどうかを判定し、何らの数値も記憶されてない場合にはファクシミリ送信が不可であると判定する。なお、ファクシミリ送信が可能かどうかの判定の条件として、他の情報を利用することもできる。例えば、スキャナ2070に原稿が載置されていない場合に、ファクス送信が不可であると判定しても良い。あるいは、モデム2050の状態を判定し、モデム2050が公衆回線1008に接続されていない場合にファクス送信が不可であると判定しても良い。
【0045】
ステップS707で、ファクシミリ送信コンポーネント3006は、送信管理コンポーネント3003を介してスキャナコンポーネント3004に、スキャナ2070による原稿の読み取りを指示する。スキャナ部2070は、原稿を読み取って画像データの取得を行い、取得した画像データをRAM2002の画像バッファ902に記憶させる。
【0046】
ステップS708で、ファクシミリ送信コンポーネント3006は、画像バッファ902に記憶された画像データを画像圧縮部2040によりファクシミリ形式の画像データに圧縮した上で送信宛先番号901宛てに送信するようモデム2050を制御する。
【0047】
ステップS709で、ファクシミリ送信コンポーネント3006は、RAM2002に記憶(保持)された送信宛先番号901をRAM2002上から消去するようにRAM2002を制御する。このようにすることで、ファクシミリ通信方式に対応付けられた宛先情報(送信宛先番号)に対して、スタートキー2014が再度入力されることにより画像データを送信する際に、送信済みの宛先に対して再度画像データが送信されることを防止することができる。従って、前回と同じ宛先に対して誤って画像データの送信を行ってしまうことにより、秘密とすべき画像データが社外に漏洩することを防止することができる。
【0048】
次に、図6の画面で電子メールボタン601がユーザにより指定された場合に、操作部コンポーネント3001、送信管理コンポーネント3003及びメール/Iファックス送信コンポーネント3008が実行する処理を図11のフローチャートに基づいて説明する。
【0049】
なお、図6の画面で電子メールボタン601がユーザにより指定された場合、LCD表示部2013には図10に示すメールアドレス入力画面8004が表示される。
【0050】
なお、図6の画面でIファックスボタン602がユーザにより指定された場合も、図10に示すメールアドレス入力画面8004が表示される。図6の画面でIファックスボタン602がユーザにより指定された場合に、操作部コンポーネント3001、送信管理コンポーネント3003及びメール/Iファックス送信コンポーネント3008が実行する処理は、図11と同様であるので説明を省略する。
【0051】
ステップS1101で、操作部コンポーネント3001は、複写機1001のユーザによりキー入力がなされたかどうかを判定し、キー入力がなされたと判定した場合はステップS1102へ処理を進める。
【0052】
ステップS1102で、操作部コンポーネント3001は、入力されたキーがキャンセルキー8005であるかどうかを判定し、キャンセルキー8005であると判定した場合は図11の処理を終了させる。一方、キャンセルキー8005でないと判定した場合はステップS1103へ処理を進める。
【0053】
ステップS1103で、操作部コンポーネント3001は、入力されたキーがソフトキーであるかどうかを判定し、ソフトキーであると判定した場合はステップS1104へ処理を進める。一方、ソフトキーでないと判定した場合はステップS1105へ処理を進める。ここで、ソフトキーとは、図10のメールアドレス入力画面8004に表示された“a”、“b”、“@”等のボタンを示すものである。これらのボタンがユーザにより押されると、押されたボタンに対応するコード(例えば、“a”に対応するコード)が操作部コンポーネント3001から送信管理コンポーネント3003を介してメール/Iファックス送信コンポーネント3008へ通知される。
【0054】
ステップS1104で、操作部コンポーネント3001は、ステップS1103にて入力されたソフトキーに対応したコードを、送信管理コンポーネント3003を介してメール/Iファックス送信コンポーネント3008へ通知する。メール/Iファックス送信コンポーネント3008は、通知されたコードを図9に示される送信宛先904の末尾に追加する。なお、送信宛先904は、RAM2002に記憶されるものである。例えば、904に保持された送信宛先が“abc@abc.co.j”であり、ステップS703で入力されたソフトキーに対応するコードが“p”である場合、“abc@abc.co.jp”が送信宛先として904に保持される。また、904に保持された送信宛先は、図8の802に表示される。なお、図7のフローチャートが実行されることにより、既に送信宛先番号901が保持されている場合、図8の801には送信宛先番号901が表示される。そして、図8の801及び802の双方に送信宛先が表示された状態でスタートキー2014がユーザにより入力されると、スキャナ2070により取得された画像データがファクシミリ通信方式と電子メール通信方式の双方にて同時に送信される。つまり、複数の通信方式に対応する複数の宛先に対して同報送信がなされる。
【0055】
ステップS1105で、操作部コンポーネント3001は、入力されたキーがスタートキー2014であるかどうかを判定し、スタートキー2014であると判定した場合(送信指示が受付られた場合)はステップS1106へ処理を進める。なお、スタートキー2014でないと判定された場合、ステップS1109で入力されたキーに応じた処理が実行される。
【0056】
ステップS1106で、メール/Iファックス送信コンポーネント3008は、電子メール送信が可能かどうかを判定し、可能であると判定された場合はステップS1107へ処理を進める。具体的には、RAM2002に記憶された送信宛先904に何らのコードも記憶されていない(空である)かどうかを判定し、何らのコードも記憶されてない場合には電子メール送信が不可であると判定する。なお、電子メール送信が可能かどうかの判定の条件として、他の情報を利用することもできる。例えば、スキャナ2070に原稿が載置されていない場合に、電子メール送信が不可であると判定しても良い。あるいは、ネットワークI/F2010の状態を判定し、ネットワークI/F2010がLAN1006に接続されていない場合に電子メール送信が不可であると判定しても良い。
【0057】
ステップS1107で、メール/Iファックス送信コンポーネント3008は、送信管理コンポーネント3003を介してスキャナコンポーネント3004に、スキャナ2070による原稿の読み取りを指示する。スキャナ部2070は、原稿を読み取って画像データの取得を行い、取得した画像データをRAM2002の画像バッファ902に記憶させる。
【0058】
ステップS1108で、メール/Iファックス送信コンポーネント3008は、画像バッファ902に記憶された画像データを画像圧縮部2040により所定の形式(例えば、PDF形式)の画像データに圧縮した上で送信宛先904宛てに送信する。なお、画像データは、電子メールの添付ファイルとして送信される。また、添付ファイルの形式は、PDF、JPEG等、ユーザが任意に選択できるようにし、選択された形式のデータに変換されるように画像圧縮部2040を制御しても良い。
【0059】
なお、ファクシミリ送信コンポーネント3006によるファクシミリ通信方式での送信処理においては、ファクシミリ送信の後にRAM2002の送信宛先番号901を消去したが、図11の処理ではこのような消去は行わない。従って、ステップS1108の後に再びステップS1101へ処理が戻り、スタートキー2014が入力された場合は、送信処理の終了後にも保持しつづけられた送信宛先904に対して送信を行うことが可能である。
【0060】
このように、電子メール通信方式については、送信宛先904を消去しないようにしているのは、以下のような理由による。それは、電子メール通信方式による通信は社内のメールサーバにて送信を制限(例えば、予め決められた宛先にしか送信できないようにする)ことにより送信先として不適切な宛先への電子メールの送信を防ぐことができるからである。
【0061】
次に、図6の画面でファイルボタン603がユーザにより指定された場合に、操作部コンポーネント3001、送信管理コンポーネント3003及びデータベース格納コンポーネント3007が実行する処理を図12のフローチャートに基づいて説明する。
【0062】
なお、図6の画面でファイルボタン603がユーザにより指定された場合、LCD表示部2013には図13に示す送信プロトコル選択画面8006が表示される。
【0063】
ステップS1200で、操作部コンポーネント3001は、複写機1001のユーザによる送信プロトコルの選択を受け付ける。選択可能な送信プロトコルは、WEBDAV(Web−based Distributed Authoring and Versioning)8007、SMB(Server Message Block)8008、FTP(File Transfer Protocol)8009のいずれかである。ユーザにより選択された送信プロトコルは、RAM2002に送信プロトコル903として記憶(保持)される。
【0064】
なお、図13の画面で送信プロトコルが選択された場合、LCD表示部2013には図14に示すファイル送信先の入力画面が表示される。
【0065】
ステップS1201で、操作部コンポーネント3001は、複写機1001のユーザによりキー入力がなされたかどうかを判定し、キー入力がなされたと判定した場合はステップS1202へ処理を進める。
【0066】
ステップS1202で、操作部コンポーネント3001は、入力されたキーがキャンセルキー8010であるかどうかを判定し、キャンセルキー8010であると判定した場合は図12の処理を終了させる。一方、キャンセルキー8010でないと判定した場合はステップS1203へ処理を進める。
【0067】
ステップS1203で、操作部コンポーネント3001は、入力されたキーがソフトキーであるかどうかを判定し、ソフトキーであると判定した場合はステップS1204へ処理を進める。一方、ソフトキーでないと判定した場合はステップS1205へ処理を進める。ここで、ソフトキーとは、図14のキー8011〜8014を入力することに表示される画面(不図示)に表示される“a”、“b”等のボタン(図10に示されるものと同様)を示すものである。これらのボタンがユーザにより押されると、押されたボタンに対応するコード(例えば、“a”に対応するコード)が操作部コンポーネント3001から送信管理コンポーネント3003を介してデータベース格納コンポーネント3007へ通知される。
【0068】
ステップS1204で、操作部コンポーネント3001は、ステップS1203にて入力されたソフトキーに対応したコードを、送信管理コンポーネント3003を介してデータベース格納コンポーネント3007へ通知する。データベース格納コンポーネント3007は、通知されたコードを図9に示される送信宛先904の末尾に追加する。なお、送信宛先904は、RAM2002に記憶されるものである。また、904に保持された送信宛先は、図8の802に表示される。なお、802に既に電子メールアドレスや、他のファイル送信用のアドレスが入力されている場合には、802の下部に他の欄(不図示)を設けてそこに904に保持されたファイル送信用のアドレスを表示するようにしても良い。
【0069】
ステップS1205で、操作部コンポーネント3001は、入力されたキーがスタートキー2014であるかどうかを判定し、スタートキー2014であると判定した場合はステップS1206へ処理を進める。なお、スタートキー2014でないと判定された場合、ステップS1209で入力されたキーに応じた処理が実行される。
【0070】
ステップS1206で、データベース格納コンポーネント3007は、ファイル送信が可能かどうかを判定し、可能であると判定された場合はステップS1207へ処理を進める。具体的には、RAM2002に記憶された送信宛先904に何らのコードも記憶されていない(空である)かどうかを判定し、何らのコードも記憶されてない場合にはファイル送信が不可であると判定する。なお、ファイル送信が可能かどうかの判定の条件として、他の情報を利用することもできる。例えば、スキャナ2070に原稿が載置されていない場合に、ファイル送信が不可であると判定しても良い。あるいは、ネットワークI/F2010の状態を判定し、ネットワークI/F2010がLAN1006に接続されていない場合にファイル送信が不可であると判定しても良い。
【0071】
ステップS1207で、データベース格納コンポーネント3007は、送信管理コンポーネント3003を介してスキャナコンポーネント3004に、スキャナ2070による原稿の読み取りを指示する。スキャナ部2070は、原稿を読み取って画像データの取得を行い、読み取った画像データをRAM2002の画像バッファ902に記憶させる。
【0072】
ステップS1208で、データベース格納コンポーネント3007は、画像バッファ902に記憶された画像データを画像圧縮部2040により所定の形式(例えば、PDF形式)の画像データに圧縮した上で送信宛先904宛てに送信する。画像データの形式は、PDF、JPEG等、ユーザが任意に選択できるようにし、選択された形式のデータに変換されるように画像圧縮部2040を制御しても良い。
【0073】
なお、ファクシミリ送信コンポーネント3006によるファクシミリ通信方式での送信処理においては、ファクシミリ送信の後にRAM2002の送信宛先番号901を消去したが、図12の処理ではこのような消去は行わない。従って、ステップS1208の後に再びステップS1201へ処理が戻り、スタートキー2014が入力された場合は、送信処理の終了後にも保持しつづけられた送信宛先904に対して送信を行うことが可能である。
【0074】
このように、ファイル転送通信方式については、送信宛先904を消去しないようにしているのは、ファイル転送通信方式による通信は社内のサーバにて送信を制限することにより送信先として不適切な宛先への送信を防ぐことができるからである。
【0075】
以上説明したように、ファクシミリ送信コンポーネント3006は、RAM2002に記憶(保持)された送信宛先番号901を、送信処理後にRAM2002上から消去するようにRAM2002を制御する。一方で、メール/Iファックス送信コンポーネント3008は、RAM2002に記憶(保持)された送信宛先904を、送信処理後にRAM2002上から消去せずに保持しつづけるようにRAM2002を制御する。データベース格納コンポーネント3007もメール/Iファックス送信コンポーネント3008と同様である。
【0076】
このようにすることで、ファクシミリ通信方式に対応付けられた宛先情報(送信宛先番号)に対して、スタートキー2014が再度入力されることにより画像データを再送信する際に、送信済みの宛先に対して画像データが送信されることを防止することができる。従って、前回の送信と同じ宛先に対して誤って画像データの送信を行ってしまうことにより、秘密とすべき画像データが社外に漏洩することを防止することができる。
【0077】
一方で、電子メール通信方式やファイル転送通信方式については、送信処理の終了後にも保持しつづけられた送信宛先904に対して送信を行うことを可能としている。
【0078】
[第2の実施例]
次に、本発明の第2の実施例について説明する。
【0079】
第1の実施例においては、ファクシミリ通信方式のための送信宛先番号901と電子メール通信方式又はファイル転送通信方式のための送信宛先904がRAM2002に記憶されて送信処理(同報送信)が実行された後は、以下のようにするものであった。それは、送信宛先番号901はRAM2002から消去する一方で、送信宛先904は消去しないというものである。
【0080】
第2の実施例は、ファクシミリ通信方式のための送信宛先番号901と電子メール通信方式又はファイル転送通信方式のための送信宛先904がRAM2002に記憶されて送信処理(同報送信)が実行された後に、送信宛先番号901と送信宛先904の双方を消去するものである。
【0081】
そして、第2の実施例によれば、前回の送信と同じ宛先に対して送信する際に同報送信の宛先数が減ってしまうことを防止することができる。
【0082】
なお、図6の画面でファックスボタン604がユーザにより指定された場合に、操作部コンポーネント3001、送信管理コンポーネント3003及びファクシミリ送信コンポーネント3006が実行する処理は、図7のフローチャートと同様であるので説明を省略する。
【0083】
図6の画面で電子メールボタン601がユーザにより指定された場合に、操作部コンポーネント3001、送信管理コンポーネント3003及びメール/Iファックス送信コンポーネント3008が実行する処理を、図15のフローチャートに基づいて説明する。
【0084】
なお、図15のフローチャートは、図11のフローチャートの変形例であり、同一の符号であるステップS1101〜S1109は図11のフローチャートと同様であるので説明を省略する。図15のフローチャートは、図11に対してステップS1501及びステップS1502を追加した点が異なるので、これらのステップについて説明する。
【0085】
ステップS1501で、送信管理コンポーネント3003は、ステップS1108における電子メール送信処理が、ファクシミリを含む同報送信であったかどうかを判定する。具体的には、ステップS1105でスタートキー2014が入力された際に、送信宛先番号901にファクシミリ番号が記憶されており、そのファクシミリ番号宛てに図7のステップS708にてファクシミリ送信が行われたかどうかを判定する。判定がYESであれば、ステップS1502へ処理をすすめ、NOであればステップS1101へ処理を戻す。
【0086】
ステップS1502で、メール/Iファックス送信コンポーネント3008は、送信宛先904に記憶されたコードをRAM2002から消去する。
【0087】
次に、図6の画面でファイルボタン603がユーザにより指定された場合に、操作部コンポーネント3001、送信管理コンポーネント3003及びデータベース格納コンポーネント3007が実行する処理は、図16のフローチャートに基づいて説明する。
【0088】
なお、図16のフローチャートは、図12のフローチャートの変形例であり、同一の符号であるステップS1200〜S1209は図12のフローチャートと同様であるので説明を省略する。図16のフローチャートは、図12に対してステップS1601及びステップS1602を追加した点が異なるので、これらのステップについて説明する。
【0089】
ステップS1601で、送信管理コンポーネント3003は、ステップS1208におけるファイル送信処理が、ファクシミリを含む同報送信であったかどうかを判定する。具体的には、ステップS1205でスタートキー2014が入力された際に、送信宛先番号901にファクシミリ番号が記憶されており、そのファクシミリ番号宛てに図7のステップS708にてファクシミリ送信が行われたかどうかを判定する。判定がYESであれば、ステップS1602へ処理をすすめ、NOであればステップS1201へ処理を戻す。
【0090】
ステップS1602で、データベース格納コンポーネント3007は、送信宛先904に記憶されたコードをRAM2002から消去する。
【0091】
以上説明したように、第2の実施例では、RAM2002にファクシミリ通信方式のための送信宛先番号901と電子メール通信方式又はファイル転送通信方式のための送信宛先904が記憶されて送信処理(同報送信)が実行された後に、送信宛先番号901と送信宛先904の双方を消去する。
【0092】
そして、第2の実施例によれば、前回の送信と同じ宛先に対して送信する際に同報送信の宛先数が減ってしまうことを防止することができる。
【0093】
[第3の実施例]
第1の実施例においては、電子メール通信方式のための送信宛先904がRAM2002に記憶されて送信処理が実行された後は、送信宛先904はRAM2002から消去しないというものである。
【0094】
しかしながら、電子メール通信方式の宛先であっても、信頼性の低い宛先については、RAM2002から消去した方が望ましい。
【0095】
第3の実施例は、電子メール通信方式の宛先であっても、信頼性の低い宛先については、前回の送信と同じ宛先として利用されないように送信宛先904をRAM2002から消去するものである。そして、第3の実施例によれば、電子メール通信方式の宛先であっても、信頼性の低い宛先については、再送信に利用されないようにすることができる。
【0096】
なお、図6の画面でファックスボタン604がユーザにより指定された場合に、操作部コンポーネント3001、送信管理コンポーネント3003及びファクシミリ送信コンポーネント3006が実行する処理は、図7のフローチャートと同様であるので説明を省略する。
【0097】
また、図6の画面でファイルボタン603がユーザにより指定された場合に、操作部コンポーネント3001、送信管理コンポーネント3003及びデータベース格納コンポーネント3007が実行する処理は、図12のフローチャートと同様であるので説明を省略する。
【0098】
図6の画面で電子メールボタン601がユーザにより指定された場合に、操作部コンポーネント3001、送信管理コンポーネント3003及びメール/Iファックス送信コンポーネント3008が実行する処理は、図17のフローチャートに基づいて説明する。
【0099】
なお、図17のフローチャートは、図11のフローチャートの変形例であり、同一の符号であるステップS1101〜S1109は図11のフローチャートと同様であるので説明を省略する。図17のフローチャートは、図11に対してステップS1701、S1702及びS1703を追加した点が異なるので、これらのステップについて説明する。
【0100】
ステップS1701で、メール/Iファックス送信コンポーネント3008は、ステップS1108における電子メール送信処理で用いられた送信宛先904が、信頼性のある宛先に登録済みであるかどうかを判定する。なお、信頼性のある宛先は、図18に示されるような画面を介してユーザにより登録されるものであり、登録された送信宛先は、RAM2002に記憶されるものとする。
【0101】
ステップS1702で、ステップS1108における電子メール送信処理で用いられた送信宛先904が、複写機1001が属するドメインと同ドメインであるかどうかを判定する。同ドメインであればステップS1101へ処理を進め、同ドメインでなければステップS1703へ処理を進める。
【0102】
ステップS1703では、メール/Iファックス送信コンポーネント3008は、送信宛先904に記憶されたコードをRAM2002から消去する。
【0103】
以上のように、第3の実施例では、電子メール通信方式の宛先であっても、信頼性の低い宛先については、再送信に利用されないように送信宛先904を消去する。そして、第3の実施例によれば、電子メール通信方式の宛先であっても、信頼性の低い宛先については、再送信に利用されないようにすることができる。
【0104】
[他の実施例]
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された画像データを送信する送信手段であって、複数の通信方式のいずれかを用いて送信処理を実行可能な送信手段と、
前記送信手段が画像データを送信する宛先を特定するための宛先情報であって、前記複数の通信方式のいずれかに対応付けられた宛先情報を保持する保持手段と、
前記入力手段により入力される画像データを前記保持手段により保持された宛先情報に基づいて前記送信手段に送信させるための操作者による送信指示を受け付ける受付手段と、
前記送信指示を前記受付手段が受け付けたことに応じて、前記入力手段により入力される画像データを、前記保持手段により保持された宛先情報に基づいて、該宛先情報に対応付けられた通信方式を用いて送信するよう前記送信手段を制御する制御手段とを有し、
前記保持手段は、前記保持された宛先情報が所定の通信方式に対応付けられている場合は前記受付手段により前記送信指示が受け付けられ該送信指示に基づく送信処理が終了した後に該保持された宛先情報を消去し、前記保持された宛先情報が前記所定の通信方式とは異なる他の通信方式に対応付けられている場合は前記受付手段により前記送信指示が受け付けられ該送信指示に基づく送信処理が終了した後も該保持された宛先情報を保持し続けることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記保持手段は、それぞれ異なる通信方式に対応付けられた複数の宛先情報を保持し、
前記制御手段は、前記送信指示を前記受付手段が受け付けたことに応じて、前記入力手段により入力される画像データを、前記保持手段により保持された前記複数の宛先情報に基づいて各宛先情報に対応付けられた通信方式を用いて送信するよう前記送信手段を制御し、
前記保持手段は、前記保持された複数の宛先情報の少なくともいずれかが前記所定の通信方式に対応付けられている場合は前記受付手段により前記送信指示が受け付けられ該送信指示に基づく送信処理が終了した後に該保持された複数の宛先情報を消去し、前記保持された宛先情報が前記所定の通信方式とは異なる他の通信方式に対応付けられている場合は前記受付手段により前記送信指示が受け付けられ該送信指示に基づく送信処理が終了した後も該保持された複数の宛先情報を保持し続けることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記所定の通信方式は、ファクシミリ通信方式であることを特徴とする請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記他の通信方式は、電子メール通信方式又はファイル転送通信方式であること特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
入力された画像データを送信する送信手段であって、複数の通信方式のいずれかを用いて送信処理を実行可能な送信手段を備える通信装置の制御方法であって、
画像データを入力する入力工程と、
前記送信工程が画像データを送信する宛先を特定するための宛先情報であって、前記複数の通信方式のいずれかに対応付けられた宛先情報を保持手段に保持する保持工程と、
前記入力工程により入力される画像データを前記保持手段により保持された宛先情報に基づいて前記送信手段に送信させるための操作者による送信指示を受け付ける受付工程と、
前記送信指示を前記受付工程が受け付けたことに応じて、前記入力工程により入力される画像データを、前記保持手段により保持された宛先情報に基づいて、該宛先情報に対応付けられた通信方式を用いて送信するよう前記送信手段を制御する制御工程とを有し、
前記保持工程は、前記保持された宛先情報が所定の通信方式に対応付けられている場合は前記受付工程により前記送信指示が受け付けられ該送信指示に基づく送信処理が終了した後に該保持された宛先情報を前記保持手段から消去し、前記保持された宛先情報が前記所定の通信方式とは異なる他の通信方式に対応付けられている場合は前記受付工程により前記送信指示が受け付けられ該送信指示に基づく送信処理が終了した後も該保持された宛先情報を前記保持手段に保持し続けることを特徴とする通信装置の制御方法。
【請求項1】
画像データを入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された画像データを送信する送信手段であって、複数の通信方式のいずれかを用いて送信処理を実行可能な送信手段と、
前記送信手段が画像データを送信する宛先を特定するための宛先情報であって、前記複数の通信方式のいずれかに対応付けられた宛先情報を保持する保持手段と、
前記入力手段により入力される画像データを前記保持手段により保持された宛先情報に基づいて前記送信手段に送信させるための操作者による送信指示を受け付ける受付手段と、
前記送信指示を前記受付手段が受け付けたことに応じて、前記入力手段により入力される画像データを、前記保持手段により保持された宛先情報に基づいて、該宛先情報に対応付けられた通信方式を用いて送信するよう前記送信手段を制御する制御手段とを有し、
前記保持手段は、前記保持された宛先情報が所定の通信方式に対応付けられている場合は前記受付手段により前記送信指示が受け付けられ該送信指示に基づく送信処理が終了した後に該保持された宛先情報を消去し、前記保持された宛先情報が前記所定の通信方式とは異なる他の通信方式に対応付けられている場合は前記受付手段により前記送信指示が受け付けられ該送信指示に基づく送信処理が終了した後も該保持された宛先情報を保持し続けることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記保持手段は、それぞれ異なる通信方式に対応付けられた複数の宛先情報を保持し、
前記制御手段は、前記送信指示を前記受付手段が受け付けたことに応じて、前記入力手段により入力される画像データを、前記保持手段により保持された前記複数の宛先情報に基づいて各宛先情報に対応付けられた通信方式を用いて送信するよう前記送信手段を制御し、
前記保持手段は、前記保持された複数の宛先情報の少なくともいずれかが前記所定の通信方式に対応付けられている場合は前記受付手段により前記送信指示が受け付けられ該送信指示に基づく送信処理が終了した後に該保持された複数の宛先情報を消去し、前記保持された宛先情報が前記所定の通信方式とは異なる他の通信方式に対応付けられている場合は前記受付手段により前記送信指示が受け付けられ該送信指示に基づく送信処理が終了した後も該保持された複数の宛先情報を保持し続けることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記所定の通信方式は、ファクシミリ通信方式であることを特徴とする請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記他の通信方式は、電子メール通信方式又はファイル転送通信方式であること特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
入力された画像データを送信する送信手段であって、複数の通信方式のいずれかを用いて送信処理を実行可能な送信手段を備える通信装置の制御方法であって、
画像データを入力する入力工程と、
前記送信工程が画像データを送信する宛先を特定するための宛先情報であって、前記複数の通信方式のいずれかに対応付けられた宛先情報を保持手段に保持する保持工程と、
前記入力工程により入力される画像データを前記保持手段により保持された宛先情報に基づいて前記送信手段に送信させるための操作者による送信指示を受け付ける受付工程と、
前記送信指示を前記受付工程が受け付けたことに応じて、前記入力工程により入力される画像データを、前記保持手段により保持された宛先情報に基づいて、該宛先情報に対応付けられた通信方式を用いて送信するよう前記送信手段を制御する制御工程とを有し、
前記保持工程は、前記保持された宛先情報が所定の通信方式に対応付けられている場合は前記受付工程により前記送信指示が受け付けられ該送信指示に基づく送信処理が終了した後に該保持された宛先情報を前記保持手段から消去し、前記保持された宛先情報が前記所定の通信方式とは異なる他の通信方式に対応付けられている場合は前記受付工程により前記送信指示が受け付けられ該送信指示に基づく送信処理が終了した後も該保持された宛先情報を前記保持手段に保持し続けることを特徴とする通信装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−244409(P2011−244409A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−117460(P2010−117460)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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