説明

通信装置

【課題】複数のユーザが利用可能な通信装置において、個々のユーザに応じた適切なコールセンタに容易に接続することが可能な技術を提供する。
【解決手段】複数のユーザが利用可能な通信装置において、複数のユーザのうち現在利用中のユーザである操作ユーザに対して予め関連づけられて設定されている設定言語が特定される(ステップS12)。そして、当該設定言語に応じたコールセンタが、通信先のコールセンタとして決定される(ステップS21)。さらに、決定された当該通信先のコールセンタとの通話が行われる(ステップS25)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
MFPなどの通信装置に関する使用方法等に関する問い合わせを行う際には、当該通信装置の通話機能を用いてコールセンタ(サービスセンタなどとも称される)への通話を行うことが考えられる。そして、当該通話等によって、当該使用方法等を説明するサービスが提供される。
【0003】
なお、コールセンタへの通話技術としては、例えば特許文献1〜3に記載の技術が提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−111696号公報
【特許文献2】特開2002−320039号公報
【特許文献3】特開2004−7071号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、MFP等は、携帯電話等とは異なり、複数のユーザによって利用されることが多い。
【0006】
また、これらの複数のユーザの中には、特定の言語を使用する人物だけではなく、当該特定の言語とは異なる言語(すなわち他のユーザの使用言語とは異なる言語)を使用する人物も存在する。
【0007】
このような状況において、或るユーザにとっては、例えば装置に設定された単一の特定言語に応じたコールセンタへの接続が実現されるだけでは十分とは言えない。
【0008】
そこで、この発明の課題は、複数のユーザが利用可能な通信装置において、個々のユーザに応じた適切なコールセンタに容易に接続することが可能な技術を提供することにある。
【0009】
なお、特許文献3においては、個人で使用される携帯端末番号とユーザの使用言語とが関連付けられてサーバに記憶されており、この関連付け情報が利用されてユーザの使用言語が特定されている。しかしながら、特許文献3は、個人で使用される携帯端末に関する技術であり、本発明のように複数のユーザによって利用される装置とは異なっている。また、この技術では、複数のユーザのそれぞれに応じた適切なコールセンタに接続することは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、複数のユーザが利用可能な通信装置であって、前記複数のユーザのうち現在利用中のユーザである操作ユーザに対して予め関連づけられて設定されている設定言語を特定し、当該設定言語に応じたコールセンタを、通信先のコールセンタとして決定する決定手段と、前記通信先のコールセンタとの通話を行う通話手段とを備える通信装置であることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係る通信装置において、前記決定手段は、ログイン情報に基づいて、現在ログイン中のユーザを前記操作ユーザとして特定することを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1の発明に係る通信装置において、前記決定手段は、前記操作ユーザに対して予め関連づけられて設定されている設定言語が存在しない場合には、前記操作ユーザによる投入ジョブの文書を解析して前記文書の言語を特定し、特定した言語に応じたコールセンタを、前記通信先のコールセンタとして決定することを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1の発明に係る通信装置において、前記決定手段は、前記操作ユーザに対して予め関連づけられて設定されている設定言語が存在しない場合には、前記通信装置のデフォルト言語に応じたコールセンタを、前記通信先のコールセンタとして決定することを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1の発明に係る通信装置において、前記操作ユーザの音声を入力する音声入力手段、をさらに備え、前記決定手段は、前記音声入力手段によって入力された前記操作ユーザの音声の声紋を解析して、前記操作ユーザを特定することを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明は、請求項5の発明に係る通信装置において、各種情報を表示する表示部、をさらに備え、前記決定手段は、前記表示部が正常でないと判定される場合には、音声操作用に前記操作ユーザによって発声された音声の声紋を解析して、前記操作ユーザを特定することを特徴とする。
【0016】
請求項7の発明は、請求項1の発明に係る通信装置において、前記決定手段は、前記設定言語に応じたコールセンタのうち、営業時間内のコールセンタを前記通信先のコールセンタとして決定することを特徴とする。
【0017】
請求項8の発明は、請求項1の発明に係る通信装置において、前記決定手段は、前記操作ユーザに応じたコールセンタであると決定された第1のコールセンタの営業時間外においては、当該コールセンタの言語と同一言語でのコミュニケーションが可能であり且つ営業時間内である第2のコールセンタを、前記通信先のコールセンタとして決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1ないし請求項8に記載の発明によれば、個々のユーザに応じた適切なコールセンタに容易に接続することが可能である。
【0019】
特に、請求項2に記載の発明によれば、非常に簡易に操作ユーザを特定することができるので、当該操作ユーザに応じた適切なコールセンタにさらに容易に接続することが可能である。
【0020】
また特に、請求項3に記載の発明によれば、操作ユーザに対する設定言語が存在しない場合にも適切なコールセンタに容易に接続することが可能である。
【0021】
また特に、請求項5に記載の発明によれば、個々のユーザの言語に応じたコールセンタがより適切に選択される。
【0022】
また特に、請求項7および請求項8に記載の発明によれば、営業時間をも考慮して、より適切なコールセンタが決定される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
<1.第1実施形態>
<1−1.構成>
図1は、第1実施形態に係る情報通信システム100の構成を示す概略図である。
【0025】
図1に示すように、情報通信システム100は、マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi Function Peripheral)(MFPとも略称する)1を備えている。MFP1は、公衆回線を介して、他の通話装置(通信装置)との間で通話(通信)することが可能である。また、MFP1は、ネットワークNWを介して他のデータ通信装置との間でデータ通信を行うことが可能である。特に、MFP1は、ネットワークNWを介してIPプロトコルによる通話(通信)を他の通話装置(通信装置)との間で行うことも可能である。すなわち、MFP1はIP電話機としても機能する。なお、ネットワークNWは、LAN(Local Area Network)およびインターネットなどの各種のネットワークを含む。
【0026】
また、MFP1は、固定された単一のユーザだけでなく、複数のユーザが利用可能な通信装置である。なお、MFP1のユーザとしては、特定のユーザである旨のユーザ認証を伴ってログインしたユーザである「ログインユーザ」と、ユーザ認証を伴わずにMFP1を利用しているユーザである「一般ユーザ(パブリックユーザとも称する)」とが存在する。
【0027】
MFP1は、公衆回線もしくはネットワークNWを介して、世界各地(例えば、大阪、東京、ニューヨーク、上海、北京等の各都市)に配置されたコールセンタ(サービスセンタなどとも称される)内の通信装置(電話機)90等に接続されている。MFP1のユーザは、MFP1と当該通信装置90との通信(通話)によって、コールセンタのオペレータと会話することができる。これによって、MFP1のユーザは、各種のサービスを享受することができる。また、後述するように、このMFP1においては、複数のユーザのうち現在操作中(利用中)のユーザ(「操作ユーザ」とも称する)にとって適切なコールセンタへの接続動作が実現される。
【0028】
図2は、MFP1の構成を示す機能ブロック図である。MFP1は、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能およびファクシミリ通信機能などを備える装置(複合機とも称する)である。具体的には、MFP1は、画像読取部2と、印刷出力部3と、通信部4と、格納部5と、入出力部6と、コントローラ9とを備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、上記の各機能を実現する。
【0029】
画像読取部2は、MFP1の所定の位置に載置された原稿を光学的に読み取って、当該原稿の画像データ(原稿画像ないしスキャン画像とも称する)を生成する処理部である。
【0030】
印刷出力部3は、対象画像に関する画像データに基づいて紙などの各種の媒体に画像を印刷出力する出力部である。
【0031】
通信部4は、公衆回線あるいは通信ネットワークNWを介した通信が可能である。上述の通話機能はこの通信部4等によって実現される。なお、MFP1は、所望の相手先との間でFTP(File Transfer Protocol)等の各種のプロトコルを利用して各種のデータを授受することも可能である。また、MFP1は、このネットワーク通信を利用することによって、電子メールの送受信を行うことも可能である。
【0032】
格納部5は、ハードディスクドライブ(HDD)等の格納装置で構成される。この格納部5には、画像読取部2等で生成された原稿画像が格納される。また、格納部5には、MFP1に関する各種の設定内容(後述するデータテーブルTBL1,TBL2を含む)等も記憶される。
【0033】
入出力部6は、MFP1に対する入力を受け付ける操作入力部61と、各種情報の表示出力を行う表示部62とを有している。詳細には、MFP1には操作パネル63(図3参照)が設けられている。この操作パネル63は、液晶表示パネルに圧電センサ等が埋め込まれて構成されており、表示部62の一部として機能するとともに、操作入力部61の一部としても機能する。
【0034】
また、入出力部6は、音声入力部81と音声出力部82とを有している。音声入力部81はマイク等を有しており、MFP1の周囲の音声(たとえば操作ユーザの発話音声等)を入力することが可能である。また、音声出力部82はスピーカ等を有しており、電子的に合成された人物の声およびブザー音等を音声出力することなどが可能である。
【0035】
コントローラ9は、MFP1を統括的に制御する制御装置であり、CPUと、各種の半導体メモリ(RAMおよびROM等)とを備えて構成される。コントローラ9の制御下において各種の処理部が動作することによって、MFP1の各種の機能が実現される。例えば、コントローラ9の制御下において、画像読取部2を用いて所望の画像を光学的に読み取ることによって、原稿をスキャニングした画像(原稿画像)が取得され、スキャナ機能が実現される。また、コントローラ9は、通話制御処理(特にコールセンタへの通信接続制御処理)において、次述するような各種の処理を制御する。
【0036】
コントローラ9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM等)内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)を実行することによって、各種の処理部を実現する。
【0037】
具体的には、コントローラ9は、コールセンタ決定部11と通信制御部12とを含む各種の処理部を実現する。
【0038】
コールセンタ決定部11は、MFP1における複数のユーザのうち現在操作中(利用中)のユーザ(「操作ユーザ」)に応じたコールセンタを、通信先のコールセンタとして決定する処理部である。
【0039】
また、通信制御部12は、コールセンタ決定部11によって決定された通信先のコールセンタとの通話動作(通信動作)を制御する処理部である。例えば、通信制御部12は、通信部4を制御して、通信先のコールセンタとのIP電話による通話を実現する。
【0040】
<1−2.動作>
上述のように、MFP1のユーザは、操作内容に関する問い合わせ、あるいは、故障時の対処方法に関する問い合わせ等を行うために、コールセンタへ電話連絡することがある。次述するような動作によれば、MFP1のユーザは、複数のコールセンタの中から、自らの言語に応じた適切なコールセンタとの通話を容易に実現することが可能である。
【0041】
図4は、MFP1におけるコールセンタへの接続動作を示すフローチャートである。以下では、図4を参照しながら、MFP1におけるコールセンタへの接続動作について説明する。
【0042】
MFP1のユーザが操作入力部61のコールキー64(図3)を押下する(すなわちコールセンタ呼出操作を行う)と、図4の動作がMFP1によって実行される。なお、コールキー64は、「問い合わせ」等を行うためにコールセンタ(サービスセンタ)のオペレータを呼び出すボタンである。
【0043】
まず、ステップS11において、MFP1を現在利用しているユーザがログイン中のユーザ(ログインユーザとも称する)であるか否かが、ログイン情報を用いて判定される。
【0044】
ステップS11において、現在利用中のユーザ(操作ユーザ)がログインユーザであると判定されるときには、ステップS12に進む。ステップS12においては、MFP1の格納部5内に格納されているデータテーブルTBL1(図5)を参照して、当該ユーザに対して予め関連づけられて設定されている設定言語(ユーザの言語)が特定される。すなわち、ユーザの言語情報が取得される。
【0045】
図5は、データテーブルTBL1を示す図である。
【0046】
図5に示すように、テーブルTBL1には、複数のユーザUA,UB,UC,UD,...のそれぞれに関するユーザID、パスワードが予め登録されている。また、テーブルTBL1には、複数のユーザUA,UB,UC,UD,...のそれぞれに関する言語(ユーザの設定言語)も予め登録されている。図5のテーブルTBL1においては、ユーザUAの言語(使用言語)は「日本語」であり、ユーザUBの言語は「英語」であり、ユーザUCの言語は「中国語」である、...との内容が格納されている。
【0047】
例えば、ログインユーザがユーザUAである場合には、テーブルTBL1の内容にしたがって、「日本語」がユーザUAの言語として特定される。あるいは、ログインユーザがユーザUBである場合には、テーブルTBL1の内容にしたがって、「英語」がユーザUBの言語として特定される。なお、ここでは、各言語の種類は、言語コードとして設定されているものとする。例えば、設定言語に関する言語コード「01」は「日本語」を意味し、言語コード「02」は「英語」を意味し、言語コード「03」は「中国語」を意味する。
【0048】
次のステップS21においては、ユーザの言語(設定言語等)に応じたコールセンタを「通信先のコールセンタ」として決定する処理が、データテーブルTBL2に基づいて実行される。
【0049】
図6は、データテーブルTBL2を示す図である。
【0050】
図6に示すように、テーブルTBL2には、複数のコールセンタのそれぞれに関する各種情報が格納されている。具体的には、「大阪」、「東京(第1)」、「ニューヨーク」、「ボンベイ」、「北京」などの複数のコールセンタに関する各種情報が格納されている。また、各種情報としては、各コールセンタの「名称」、「対応言語」、「優先順位」、「電話番号」、「営業時間」等が格納されている。
【0051】
例えば、現在利用中のユーザの言語として、「日本語」が特定されている場合には、「大阪」(あるいは「東京第1」等)のコールセンタが「通信先のコールセンタ」として決定される。
【0052】
また、現在利用中のユーザの言語として、「英語」が特定されている場合には、「ニューヨーク」等のコールセンタが「通信先のコールセンタ」として決定される。
【0053】
他の言語の場合も同様であり、現在利用中のユーザの言語に応じたコールセンタが「通信先のコールセンタ」として決定される。
【0054】
ステップS22では、現在利用中のユーザに適合したコールセンタが存在するか否かが判定される。
【0055】
ステップS21において現在利用中のユーザに適合したコールセンタが決定できなかった場合には、ステップS22からステップS26に進み、手動接続用の画面(不図示)が操作パネル63に表示され、手動で入力した電話番号への接続動作(手動接続動作)が行われる。具体的には、MFP1の数字キー(図3参照)を用いて、コールセンタの電話番号が入力され、手動接続動作が実行される。
【0056】
一方、ステップS21において現在利用中のユーザに適合したコールセンタが決定された場合には、ステップS22からステップS23に進み、画面G1(図7参照)が操作パネル63に表示される。
【0057】
図7は、画面G1の一例を示す図である。図7は、「英語」がユーザの言語として特定されている場合に表示される画面G1を示している。
【0058】
図7に示すように、画面G1は、「通信先のコールセンタ」の第1候補として(暫定的に)決定されている当該コールセンタへの自動接続を選択するキーボタン(「コールセンタ接続キー」とも称する)71と、他のセンタへの自動接続を選択するキーボタン72とを有している。また、画面G1は、手動で入力した電話番号への接続動作(手動接続動作)を選択するキーボタン73と、動作の中断を選択するキャンセルボタン74とをさらに有している。
【0059】
より詳細には、現在利用中のユーザに適合した単一のコールセンタが抽出され、当該単一のコールセンタが「通信先のコールセンタ」として決定された場合には、コールセンタ接続キー71が表示されるが、キーボタン72は表示されない。
【0060】
一方、現在利用中のユーザに適合した複数のコールセンタが抽出された場合には、所定の基準に基づいて一のコールセンタが「通信先のコールセンタ」の第1候補として決定される。「通信先のコールセンタ」の第1候補は、キーボタン71に割り当てられ、キーボタン71には当該一のコールセンタの名称が表示される。例えば、データテーブルTBL2(図6)を用いた検索動作において、(優先順位に基づいて)最初に検出されたコールセンタ(「ニューヨーク」)が、「通信先のコールセンタ」の第1候補としてキーボタン71に割り当てられ、その名称(「ニューヨーク」)がキーボタン71に表示される。
【0061】
また、キーボタン72が押下されると、その他の候補(選択肢)に対応するキーボタン75a,75b,...が、別の画面G2(図8)に表示される。なお、図8は、キーボタン72の押下に応じて表示される画面G2の一例を示す図である。図8においては、「英語」がユーザの言語である場合に、操作パネル63に表示される画面G2が示されている。
【0062】
例えば、MFP1のユーザ(現在利用中のユーザ)が画面G1のキーボタン71を押下すると、ステップS24からステップS25に進む。ステップS25では、MFP1は、当該キーボタン71に割り当てられたコールセンタ(例えば「ニューヨーク」)との通信を開始し、当該コールセンタ(すなわち所望のコールセンタ)との通話(例えばIP電話による通話)が可能になる。
【0063】
また、MFP1のユーザ(現在利用中のユーザ)が画面G1のキーボタン72を押下した後に画面G2のキーボタン75aを押下すると、ステップS24からステップS25に進む。ステップS25では、MFP1は、当該キーボタン75aに割り当てられたコールセンタ(例えば「ボンベイ」)との通信を開始し、当該コールセンタとの通話が可能になる。また、画面G2のキーボタン75bが押下された場合も同様であり、当該キーボタン75bに割り当てられたコールセンタ(例えば「上海第2」)との通信が開始され、当該コールセンタとの通話が可能になる。
【0064】
また、MFP1のユーザ(現在利用中のユーザ)が画面G1のキーボタン73を押下すると、ステップS24からステップS26に進む。さらに、手動接続ボタン73が押下されたことがステップS26で確認されるとステップS27に進む。ステップS27では、当該ユーザが所望のコールセンタの電話番号を手動で入力すると、MFP1は、手動入力された電話番号に対応するコールセンタとの通信を開始する。なお、ステップS26でキャンセルボタン74の押下が確認された場合には、通話動作が開始されることなく、本ルーチンは終了する。
【0065】
なお、ステップS11において、現在利用中のユーザがログインユーザでない、すなわち、パブリックユーザであると判定されるときには、ステップS14以降に進み、例外処理が実行される。具体的には、MFP1の装置自体に設定された言語(例えば、操作パネル63での表示等に用いられる言語)がコールセンタ決定用の「言語」として設定され(ステップS14)、その後、ステップS20の動作が実行される。
【0066】
また、当該ステップS20の動作においては、上記と同様の動作が実行されるが、MFP1自体(装置自体)に設定されたデフォルト言語である「装置の言語」が「ユーザの言語」の代わりにコールセンタ決定用言語として用いられる点において、上記と動作と相違する。これによれば、操作ユーザに対して予め関連づけられて設定されている設定言語が存在しない場合には、例外処理として、デフォルト言語に対応するコールセンタとの通話が容易に実現される。
【0067】
以上のような処理(特に例外処理以外の処理)によれば、複数のユーザが利用可能なMFP1において、複数のユーザのうち現在利用中の特定のユーザ(操作ユーザ)の言語に応じたコールセンタが「通信先のコールセンタ」として決定され(ステップS21)、当該「通信先のコールセンタ」との通話が行われる(ステップS25)。したがって、個々のユーザに応じた適切なコールセンタに容易に接続することが可能である。
【0068】
また、特に、操作ユーザの言語(使用言語)がログイン情報とデータテーブルTBL1とを用いて非常に簡易に特定され、当該言語に応じたコールセンタがデータテーブルTBL2を用いて通信先のコールセンタとして決定される。したがって、個々のユーザの言語に応じた適切なコールセンタが比較的簡易に選択される。
【0069】
<2.第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。上記第1実施形態においては、ログイン情報を用いて現在利用中のユーザを特定する場合を例示した。この第2実施形態においては、現在利用中のユーザ(操作ユーザ)の音声を用いてユーザを特定する場合を例示する。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0070】
図9は、第2実施形態に係るMFP1の動作を示すフローチャートである。
【0071】
MFP1のユーザが操作入力部61の音声認識キー65(図3)を押下すると、図9の動作がMFP1によって実行される。なお、音声認識キー65は、ユーザによる音声指示を受け付ける動作を開始するためのボタンである。音声認識キー65が押下されると、音声認識処理(例えば、発話者の音声に関する声紋解析等)が実行される。具体的には、ユーザが、音声認識キー65を押下し、さらに「コールセンタ」(ないし「サービスセンタ」)という言葉を発声する(すなわちコールセンタ呼出操作を行う)と、その音声が音声入力部81によって入力され、MFP1はステップS51の処理を実行する。
【0072】
ステップS51においては発話音声に関する声紋解析処理が実行され、ステップS52においては当該音声の発話者が登録済みユーザのいずれかであるか否かが判定される。操作ユーザが登録済みユーザであることが確認される(すなわち操作ユーザが特定される)と、ステップS53において、当該ユーザの言語情報が取得される。
【0073】
ステップS53の処理は、ステップS12(図4)の処理と同様である。例えば、声紋解析処理の結果、発話音声(例えば「コールセンタ」という音声)がユーザUCのものである旨が判定される(ステップS51,S52)と、MFP1の格納部5内に格納されているデータテーブルTBL1(図5)を参照して、ユーザUCに関する設定言語である「中国語」が、現在利用中のユーザの言語として特定される(ステップS53)。
【0074】
その後、ステップS30(ステップS31〜ステップS36)の処理が実行される。
【0075】
まず、ステップS31において、「ユーザの言語」に適合するコールセンタを検索する処理、換言すれば、現在利用中のユーザに適合するコールセンタを決定する処理が実行される。
【0076】
そして、ステップS32において、「ユーザの言語」に適合するコールセンタが存在するか否かが判定される。
【0077】
ステップS32において、「ユーザの言語」に適合するコールセンタが存在しないと判定される場合には、ステップS35に進む。ステップS35では、手動接続処理に関する音声案内が実行される。具体的には、ユーザが電話番号の数字を1桁ずつ順次に読み上げて発声することによって音声による番号入力処理(手動入力)を行い、接続先のコールセンタの電話番号が指定される。その後、指定された電話番号に対する通信処理(通話処理)がステップS36において開始される。
【0078】
一方、「ユーザの言語」に適合するコールセンタが存在する場合には、ステップS32からステップS33に進み、音声案内が実行される。
【0079】
ステップS33では、検索されたコールセンタの名称等が音声出力部82によって音声出力される。例えば、「ユーザの言語」が中国語であると判定される場合には、次のようなメッセージが中国語で音声出力される。例えば、当該メッセージは、「『上海第1コールセンタ』に接続します。上海第1コールセンタは、『中国語』での応対が可能です。よろしければ『接続』と発声してください。別のコールセンタをご希望の場合には『再検索』と発声してください。」との内容を含むものである。
【0080】
その後の発話内容に関する音声解析処理がさらに実行され、「接続」の指示が認識されると、ステップS34の通話開始処理が実行される。なお、「再検索」指示が認識されると、中国語での応対が可能な別のコールセンタが再検索される。そして、再び、上記と同様の音声出力処理が実行された後、「接続」の指示が認識されると、ステップS34の通話開始処理が実行される。
【0081】
上記のような態様によっても、上記第1実施形態と同様に、複数のユーザが利用可能なMFP1において、複数のユーザのうち操作ユーザに応じたコールセンタが「通信先のコールセンタ」として決定され(ステップS31)、当該「通信先のコールセンタ」との通話が行われる(ステップS34)。したがって、個々のユーザに応じた適切なコールセンタに容易に接続することが可能である。
【0082】
また、特に、操作ユーザの音声を声紋解析(ステップS51)することによって当該操作ユーザが特定され、当該操作ユーザに対して予め関連づけられて設定されている設定言語がさらに特定され(ステップS53)、当該設定言語に応じたコールセンタが通信先のコールセンタとして決定される(ステップS31)。したがって、個々のユーザの言語に応じたコールセンタがより適切に選択される。また、操作ユーザが必ずしもログイン中であることを要さないため、より柔軟に対応することができる。
【0083】
<3.第3実施形態>
上記第1実施形態においては、常に操作パネル63を用いて操作を行う態様を例示した。この第3実施形態においては、操作パネル63が正常でない場合(操作パネル63の故障時等)には、自動的に音声操作に切り替える態様を例示する。
【0084】
また、この第3実施形態においては、操作ユーザがログインユーザでない(すなわちパブリックユーザである)場合は、投入ジョブ(スキャンジョブ、コピージョブ等)にも基づいて操作ユーザに応じた言語のコールセンタを決定する態様を例示する。
【0085】
以下では、第1実施形態の変形例に係る第3実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0086】
図10は、第3実施形態に係るMFP1の動作を示すフローチャートである。
【0087】
まず、ステップS1において、操作パネル63が正常であるか否かが判断される。
【0088】
例えば操作パネル63に関する故障がMFP1自身によって検出される場合には、操作パネル63が正常でない(すなわち異常である)と判断され、ステップS3に進む。ステップS3では、音声入力モードが設定され、音声入力部81により操作用音声入力を受け付けて、音声操作によるコールセンターへの接続動作が実行される。
【0089】
ステップS3の次のステップS4においては、ユーザが「コールセンタ」(ないし「サービスセンタ」)という言葉を発声すると、発声内容(操作用音声入力)が音声入力部81によって入力される。そして、MFP1は当該入力音声に対する声紋解析処理を実行し、当該入力音声に対応するユーザを特定する。
【0090】
ステップS5においては、ステップS4で特定されたユーザに関するユーザ登録が既になされているか否かが判定される。
【0091】
声紋解析結果として決定されたユーザが既登録のユーザである場合には、ステップS6に進む。ステップS6では、データテーブルTBL1(図5)を参照して、当該ユーザに対して予め関連づけられて設定されている設定言語(すなわちユーザの設定言語情報)が特定される。その後、ステップS30(図9参照)の処理が実行される。
【0092】
なお、声紋解析結果として決定されたユーザが既登録のユーザでない場合には、ステップS5からステップS35(図9参照)に進み、手動番号入力に基づく通話処理(ステップS35,S36)が実行される。
【0093】
一方、ステップS1において操作パネル63が正常であると判断される場合には、ステップS1からステップS11に進む。ステップS11以降においては、上記第1実施形態と同様の動作が実行される。ただし、この第3実施形態においては、操作ユーザが特定人物である旨の認証動作を伴ってログインしたユーザでない場合、換言すれば操作ユーザがログインユーザでない(すなわちパブリックユーザである)場合は、投入ジョブ(スキャンジョブ、コピージョブ等)にも基づいて操作ユーザに応じた言語のコールセンタを決定する。
【0094】
詳細には、ステップS11において、操作ユーザがパブリックユーザであると判定されると、ステップS13に進む。ステップS13では、スキャン処理を伴う投入ジョブの存否が確認される。例えば、コピージョブに関する原稿が画像読取部2によって既に読み取られている場合には、投入ジョブが存在するものと判定される。
【0095】
そして、投入ジョブが存在すると判定される場合には、ステップS15に進む。
【0096】
ステップS15においては、投入ジョブの文書のスキャン画像を解析して、そのスキャン画像内の言語情報(言語種類)を取得する。詳細には、複数の種類の候補言語による文字認識処理をスキャン画像に施すとともに、さらに文法解析処理等の意味認識処理をも実行して、最も文字認識率が高いと判定される言語を特定する。なお、これに限定されず、パターン認識等の他の処理によって言語(言語種類)を特定するようにしてもよい。このような解析により特定された言語が、操作ユーザの言語であると判定される。その後、ステップS20に進む。なお、ステップS20では、原則として、当該文書の言語に応じたコールセンタが通信先のコールセンタとして決定される。
【0097】
一方、投入ジョブが存在しないと判定される場合には、ステップS13からステップS14に進む。ステップS14においては、上述のような例外処理が実行され、MFP1自体に設定された「装置の言語」が、操作ユーザに対する言語として便宜的に設定される。その後、ステップS20に進む。
【0098】
上記のような態様によっても、上記第1実施形態と同様に、複数のユーザが利用可能なMFP1において、複数のユーザのうち現在利用中の特定のユーザに応じたコールセンタが「通信先のコールセンタ」として決定され(ステップS31)、当該「通信先のコールセンタ」との通話が行われる(ステップS34)。したがって、個々のユーザに応じた適切なコールセンタに容易に接続することが可能である。
【0099】
また、特に、操作パネル63が正常でないときには、MFP1を音声で操作してコールセンタとの通話処理を実現することができる。
【0100】
また、特に、現在利用中のユーザの音声を声紋解析(ステップS4)することによって当該ユーザが特定され、特定されたユーザに対して予め関連づけられて設定されている設定言語がさらに特定され(ステップS6)、当該設定言語に応じたコールセンタが通信先のコールセンタとして決定される(ステップS31)。したがって、個々のユーザの言語に応じた適切なコールセンタが選択される。また、操作ユーザが必ずしもログイン中であることを要さないため、より柔軟に対応することができる。
【0101】
また特に、表示部が正常でないと判定される場合において、音声操作用に操作ユーザによって発声された音声の声紋を解析して操作ユーザが特定されるので、操作ユーザ特定用の別途の音声入力を必要としない。
【0102】
また、特に、ログイン情報に基づいて操作ユーザがパブリックユーザであると判定される場合には、操作ユーザによる投入ジョブの文書が解析され、当該文書の言語に応じたコールセンタが通信先のコールセンタとして決定される。換言すれば、操作ユーザに対して予め関連づけられて設定されている設定言語が存在しない場合には、投入ジョブ文書の解析処理が実行されて、投入ジョブ文書の言語に応じた最適なコールセンタが決定される。したがって、操作ユーザに対する設定言語が存在しない場合にも、適切なコールセンタに容易に接続することが可能である。
【0103】
<4.第4実施形態>
上記第1実施形態等においては、現在利用中のユーザの言語に対応する複数のコールセンタが抽出される場合において、最初に検出されたコールセンタ(優先順位の高いコールセンタ)を「通信先のコールセンタ」の第1候補として提示する態様を例示した。この第4実施形態では、候補として抽出された複数のコールセンタのうち、営業時間内のコールセンタを、「通信先のコールセンタ」の第1候補として決定して提示する場合を例示する。第4実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0104】
図11は、第4実施形態に係るMFP1の動作を示すフローチャートである。
【0105】
図11に示されるように、この第4実施形態では、ステップS22とステップS23(図4参照)との間においてステップS28の処理を実行する。
【0106】
ステップS28においては、MFP1は、「通信先のコールセンタ」の候補として抽出された複数のコールセンタのうち、現在営業時間内のコールセンタを、「通信先のコールセンタ」の第1候補として決定する。ここでは、図6に示すように、データテーブルTBL2には、各コールセンタの営業時間情報も登録されているものとする。
【0107】
例えば、最初に検出されたコールセンタ(例えば「ニューヨーク」)が、MFP1に内蔵された時計とMFP1に設定されたタイムゾーン情報とデータテーブルTBL2に設定された各コールセンタの営業時間情報とに基づいて、現在営業時間外であると判定されたと仮定する。この場合には、次に検出されるコールセンタ「ボンベイ(インド)」が営業中(営業時間内)であるか否かがさらに判定される。コールセンタ「ボンベイ」が営業中であれば、当該コールセンタ「ボンベイ」が「通信先のコールセンタ」の第1候補として決定される。一方、コールセンタ「ボンベイ」も営業中でなければ、現在利用中のユーザの言語に対応する別のコールセンタが営業中であるか否かがさらに判定される動作が更に実行される。このようにして、特定のユーザに応じたコールセンタであると決定された第1のコールセンタの営業時間外においては、当該第1のコールセンタの言語と同一言語でのコミュニケーションが可能であり且つ営業時間内である第2のコールセンタが、「通信先のコールセンタ」として決定される。
【0108】
以上のような動作によれば、営業時間をも考慮して、より適切なコールセンタを決定することができる。
【0109】
なお、このような改変は、他の実施形態、例えば第3実施形態に対しても同様に行うことができる。例えば、図10におけるステップS20(S20Aとも称する)の代わりに図11のステップS20B(ステップS21〜S28)を実行するようにしてもよい。同様に、このような改変は、音声案内によるコールセンタ決定操作にも適用することができる。例えば、ステップS32(図9)とステップS33との間において、ステップS28(図11参照)と同様の動作、すなわち、操作ユーザの言語に適合したコールセンタの中から営業時間内のコールセンタを選択する動作等を実行するようにしてもよい。
【0110】
<5.その他>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0111】
例えば、上記各実施形態においては、ユーザIDおよびパスワードを用いた認証動作を例示したがこれに限定されない。例えば、生体情報(より具体的には、指紋、手形、網膜、虹彩、顔、あるいは静脈等)を用いた認証動作(生体認証動作)を行うようにしてもよい。
【0112】
図12は、個人認証用の生体情報(個人認証情報)の新規登録用画面G11を示す図である。ユーザは、まずボタンBN1を押下し、名前登録画面(不図示)を用いてユーザ名を入力する。入力されたユーザ名は、画面G11内の対応欄L11に表示される。また、ユーザがボタンBN2を押下すると、当該押下操作に応じて、MFP1はユーザIDを他人のユーザIDと重複しないように適宜に自動的に決定して対応欄L12に表示する。さらにユーザが言語選択ボタンBN3を押下すると、MFP1は画面G12(図13)を操作パネル63に表示する。
【0113】
図13の画面G12には、自らの言語としてユーザがMFP1において設定可能な言語(日本語、英語などの各言語)に関する選択肢SB1,SB2,...が列挙されている。ユーザは、これらの選択肢の中から所望の言語に対応する選択肢(例えば、「日本語」に対応する選択肢SB1)を選択して、決定ボタンBN7を押下する。決定ボタンBN7が押下されると、再び画面G11が操作パネル63に表示される。そして、画面G12で選択された言語(例えば「日本語」)が、ボタンBN3に対応する欄L13に表示される。ユーザがこのような登録内容を確認してOKボタンBN5を押下すると、登録内容が確定され、当該ユーザに関する情報(言語情報を含む)が登録される。以上のようにして、ユーザの生体情報とユーザの言語情報とを含む登録動作が実行される。
【0114】
図14は、このような登録動作により登録されたデータテーブルTBL1の登録情報を示す図である。図14のデータテーブルTBL1においては、各ユーザに関する認証ID情報がさらに関連づけて格納されている。認証ID情報は、例えば各ユーザの生体情報(指紋パターン)の解析結果に付された識別記号等を含む。
【0115】
そして、実際のログイン時においては、生体情報取得部(例えば指紋読み取り機などを含む)によって認証対象人物に関して取得された情報と、データテーブルTBL1(図14)内の各ユーザに関する認証ID情報とに基づいて、認証対象人物が既登録ユーザであるか否か(詳細には誰であるか)を認証すればよい。さらに、認証された人物に対応する「言語」(設定言語)を、上述のようにデータテーブルTBL1を用いて特定すればよい。
【0116】
また、上記第3実施形態においては、ステップS5でユーザ登録がない場合には直ちに手動通話を行う態様を例示したが、これに限定されない。例えば、ステップS5でユーザ登録がないと判定される場合には、ステップS13,S14,S15等と同様の処理を行うようにしてもよい。
【0117】
具体的には、ステップS5でユーザ登録がないと判定される場合には、まず、投入ジョブの存否を判定する(ステップS13と同様の処理)。そして、投入ジョブが存在すると判定されるときには、ステップS15と同様の動作を実行し、その後、ステップS30に進むようにしてもよい。これによれば、ジョブの解析結果に基づいて操作ユーザの言語が特定され、当該言語に応じたコールセンタへの通話動作等(ステップS30)が実現される。
【0118】
また、操作ユーザに関するユーザ登録が存在せず且つ投入ジョブが存在しないと判定されるときには、ステップS14に進み、上記のような例外処理を実行するようにしてもよい。すなわち、MFP1の装置自体に設定された言語を「言語」として設定し(ステップS14)、当該言語に応じたコールセンタへの通話動作等(ステップS20)を実行するようにしてもよい。
【0119】
また、上記第3実施形態においては、操作パネル63が正常でない場合に「音声入力モード」が設定され、声紋判定によって操作ユーザを特定する場合を例示したが、これに限定されない。例えば、声紋判定ではなくログイン情報に基づいて操作ユーザを特定するようにしてもよい。ただし、声紋判定を用いることによれば、登録済みユーザがログインせずにパブリックユーザとしてMFP1を利用している場合にも、音声入力によって何れのユーザであるかが適切に判定され、適切な言語のコールセンタとの通話が容易に実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】情報通信システムの構成を示す概略図である。
【図2】MFPの構成を示す機能ブロック図である。
【図3】MFPの操作パネルを示す図である。
【図4】第1実施形態に係るMFPの動作を示すフローチャートである。
【図5】複数のユーザに関するデータテーブルを示す図である。
【図6】複数のコールセンタに関するデータテーブルを示す図である。
【図7】表示画面を示す図である。
【図8】別の表示画面を示す図である。
【図9】第2実施形態に係るMFPの動作を示すフローチャートである。
【図10】第3実施形態に係るMFPの動作を示すフローチャートである。
【図11】第4実施形態に係るMFPの動作を示すフローチャートである。
【図12】個人認証情報の設定画面を示す図である。
【図13】ユーザ登録時における言語設定画面を示す図である。
【図14】変形例に係るデータテーブルを示す図である。
【符号の説明】
【0121】
1 MFP
9 コントローラ
63 操作パネル
100 情報通信システム
NW 通信ネットワーク
TBL1 (ユーザ情報に関する)データテーブル
TBL2 (コールセンタに関する)データテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザが利用可能な通信装置であって、
前記複数のユーザのうち現在利用中のユーザである操作ユーザに対して予め関連づけられて設定されている設定言語を特定し、当該設定言語に応じたコールセンタを、通信先のコールセンタとして決定する決定手段と、
前記通信先のコールセンタとの通話を行う通話手段と、
を備える通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置において、
前記決定手段は、ログイン情報に基づいて、現在ログイン中のユーザを前記操作ユーザとして特定することを特徴とする通信装置。
【請求項3】
請求項1に記載の通信装置において、
前記決定手段は、前記操作ユーザに対して予め関連づけられて設定されている設定言語が存在しない場合には、前記操作ユーザによる投入ジョブの文書を解析して前記文書の言語を特定し、特定した言語に応じたコールセンタを、前記通信先のコールセンタとして決定することを特徴とする通信装置。
【請求項4】
請求項1に記載の通信装置において、
前記決定手段は、前記操作ユーザに対して予め関連づけられて設定されている設定言語が存在しない場合には、前記通信装置のデフォルト言語に応じたコールセンタを、前記通信先のコールセンタとして決定することを特徴とする通信装置。
【請求項5】
請求項1に記載の通信装置において、
前記操作ユーザの音声を入力する音声入力手段、
をさらに備え、
前記決定手段は、前記音声入力手段によって入力された前記操作ユーザの音声の声紋を解析して、前記操作ユーザを特定することを特徴とする通信装置。
【請求項6】
請求項5に記載の通信装置において、
各種情報を表示する表示部、
をさらに備え、
前記決定手段は、前記表示部が正常でないと判定される場合には、音声操作用に前記操作ユーザによって発声された音声の声紋を解析して、前記操作ユーザを特定することを特徴とする通信装置。
【請求項7】
請求項1に記載の通信装置において、
前記決定手段は、前記設定言語に応じたコールセンタのうち、営業時間内のコールセンタを前記通信先のコールセンタとして決定することを特徴とする通信装置。
【請求項8】
請求項1に記載の通信装置において、
前記決定手段は、前記操作ユーザに応じたコールセンタであると決定された第1のコールセンタの営業時間外においては、当該コールセンタの言語と同一言語でのコミュニケーションが可能であり且つ営業時間内である第2のコールセンタを、前記通信先のコールセンタとして決定することを特徴とする通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−100349(P2009−100349A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−271323(P2007−271323)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】