説明

通信装置

【課題】ユーザの利便性を損なわずに、FAXデータの送信中に音声通話を開始することが可能な通信装置を提供すること。
【解決手段】分散構成多機能周辺装置1は、MFP10と、外部装置と音声通話を行う子機60と、子機60とMFP10とを電話回線網100に中継するBOX31を備える。CPU32は、MFP10から受信したFAXデータを、データ送信先へ送信する。CPU32は、FAXデータの送信の実行期間中に、子機60から通話先電話番号を受信すると、FAXデータの送信を途中で停止する。CPU32は、FAXデータの送信を停止した旨の停止ページ情報をMFP10へ送信する。CPU32は、音声通話先との音声通話を開始する。CPU32は、音声通話の終了を契機として、停止されたFAXデータの送信を再開する。CPU11は、停止ページ情報を受信することに応じて、FAXデータの送信を停止した旨をパネル18に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ユーザの利便性を損なわずに、送信データの送信中に音声通話を開始することが可能な通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているファクシミリ装置は、緊急事態発生モードに移行すると、現在のファクシミリ装置の動作状態の確認を行なう。動作状態がFAX送信中であれば、直ちに現在接続中の相手先の電話回線を切り、電話回線の占有状態を解除する。そして、緊急事態発生時通報先の電話番号に自動的に発呼する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−107416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のファクシミリ装置では、FAX送信が送信途中の状態で停止されてしまう。そして、停止されたFAX送信を再開するための方法等については開示されていないため、ユーザがFAX送信再開の指示を行なう必要が生じるなどの不便性が発生する可能性がある。
本明細書では、このような不便性を解消することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の通信装置は、送信データを送信する送信部と各種の情報を表示する表示部を備える多機能通信装置と、通信回線に接続され、多機能通信装置と通信回線との間のデータ通信を中継する回線制御装置と、回線制御装置と無線接続され、通信回線を介した音声通話を行う子機とを備える通信装置において、回線制御装置は、多機能通信装置から受信した送信データを通信回線を介してデータ送信先へ送信するデータ送信手段と、送信データの送信を実行している期間中に、子機から音声通話先を特定する通話先情報を受信することに応じて、送信データの送信を途中で停止する送信停止手段と、送信データの送信を停止した旨の停止情報を多機能通信装置へ送信する停止情報送信手段と、通話先情報によって特定される音声通話先との音声通話を開始する音声通話手段と、音声通話の終了を契機として、停止された送信データの送信を再開する送信再開手段とを備え、多機能通信装置は、停止情報を受信することに応じて、送信データの送信を停止した旨を表示部に表示する表示制御手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
送信データの送信中にユーザが音声通話を開始する場合には、送信データの送信が途中で停止され、音声通話先との音声通話が開始される。よって、通信回線が1つしかなく、送信データの送信と音声通話とが同時に実行できない場合においても、送信データの送信中にユーザが音声通話を開始することが可能となる。そして、音声通話の終了後には、停止されていた送信データの送信が自動で再開される。よってユーザは、停止されていた送信データの送信動作を再開する旨の指示を行なう必要がないため、ユーザの利便性を向上させることができる。また、送信データの送信を停止した旨が多機能通信装置の表示部に表示されるため、ユーザは送信データの送信が停止されたことを知ることができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】分散構成多機能周辺装置1のブロック図である。
【図2】MFPの動作フロー図(その1)である。
【図3】MFPの動作フロー図(その2)である。
【図4】BOXの動作フロー図(その1)である。
【図5】BOXの動作フロー図(その2)である。
【図6】BOXの動作フロー図(その3)である。
【図7】子機の動作フロー図である。
【図8】分散構成多機能周辺装置1のシーケンス図(その1)である。
【図9】分散構成多機能周辺装置1のシーケンス図(その2)である。
【図10】分散構成多機能周辺装置1のシーケンス図(その3)である。
【図11】パネルの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に、本願に係る実施例として例示される分散構成多機能周辺装置1のブロック図を示す。分散構成多機能周辺装置1は、多機能周辺装置(以下「MFP」と称す)10と、回線制御装置(以下「BOX」と称す)31とを備える。BOX31は、電話回線47を使用した通信の制御を行う通信装置である。MFP10は、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能などを備える。また、MFP10とBOX31とは、アドホックモードの無線LAN接続方式により、直接に無線通信202を行うことが可能とされる。
【0009】
MFP10の構成について説明する。MFP10は、CPU11、ROM12、RAM13、EEPROM14、無線LAN送受信部15、無線LANアンテナ部16、ボタン入力部17、パネル18、プリンタ19、スキャナ20、スロット部21を主に備えている。これらの構成要素は、入出力ポート22を介して互いに通信可能に接続されている。
【0010】
CPU11は、ROM12等に記憶されるプログラムや、無線LAN送受信部15を介して送受信される各種信号などに従って、各機能の制御を行う。ROM12は、MFP10で実行される制御プログラムなどを格納した書換不能なメモリであり、各種のプログラムが格納されている。RAM13は、書換可能な揮発性のメモリである。EEPROM14は、書換可能な不揮発性のメモリである。
【0011】
無線LAN送受信部15は、無線LANアンテナ部16を介して、アドホックモードの無線通信202を行う。そして、無線LAN送受信部15により、各種のデータを構成するデジタル信号が送受信される。ボタン入力部17は、MFP10の各機能を実行するためのキーである。パネル18は、MFP10の各種機能情報を表示する。プリンタ19は、印刷を実行する部位である。スキャナ20は、読み取りを実行する部位である。スロット部21は、メモリカードなどの外部記憶装置が接続される部位である。
【0012】
BOX31の構成について説明する。BOX31は、CPU32、ROM33、RAM34、EEPROM35、無線LAN送受信部36、無線LANアンテナ部37、操作キー38、パネル39、モデム40、電話回線接続部41、DCL送受信部45、DCLアンテナ部46を主に備えている。
【0013】
モデム40は、電話回線接続部41および電話回線47を介して、電話回線網100に接続されている。モデム40は、ファクシミリ機能によって送信する原稿データを、電話回線47に伝送可能な信号に変調して電話回線接続部41を介して送信したり、電話回線47から電話回線接続部41を介して入力された信号を受信し、原稿データへ復調するものである。
【0014】
無線LAN送受信部36は、無線LANアンテナ部37を介して、アドホックモードの無線通信202を行う。そして、無線LAN送受信部36により、各種のデータを構成するデジタル信号が送受信される。また、DCL送受信部45は、DCLアンテナ部46を介して、子機60と無線通信203を行う。そして、DCL送受信部45により、音声通話信号が送受信される。
【0015】
EEPROM35には、ユーザ等によって、緊急時電話番号が予め記憶される。緊急時電話番号は、優先度の高い音声通話先を特定する電話番号であり、例えば110番などが挙げられる。また、緊急時電話番号の各々には緊急度ランクが割り当てられる。緊急性の高い電話番号ほど、高い緊急度ランクが割り当てられる。なお、緊急度ランクの割り当ては、ユーザ等によって予め行なわれるとしてもよい。
【0016】
また、ROM33には、後述するリダイヤルタイマー処理を実行するプログラムなどが格納される。なお、BOX31のその他の構成は、上述したMFP10の構成と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0017】
子機60の構成について説明する。子機60は、CPU62、ROM63、ボタン入力部68、パネル69、DCL送受信部65、DCLアンテナ部66、入出力ポート64、を主に備えている。なお、子機60のその他の構成は、上述したMFP10およびBOX31の構成と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0018】
分散構成多機能周辺装置1について説明する。分散構成多機能周辺装置1は、BOX31およびMFP10を備えることによって、物理的に分離した構成とされる。これにより、電話回線47のコネクタ部にMFP10を直接に接続する必要がないため、MFP10のレイアウト性を高めることができ、ユーザの利便性を高めることができる。
【0019】
また例えば、分散構成多機能周辺装置1でファクシミリ機能を実行する場合には、MFP10のスキャナ20で生成されたFAXデータが、BOX31を介して電話回線47へ送信される。また、BOX31が電話回線47から受信したデータが、MFP10で受信され、プリンタ19で印刷される。また、分散構成多機能周辺装置1で電話機能を実行する場合には、子機60と電話回線網100との間の音声データの送受信が、BOX31を介して行なわれる。また、分散構成多機能周辺装置1では、電話回線47は1回線しかない。よって、FAXデータの送受信と、音声データの送受信とを同時に実行することができない。
【0020】
本実施形態に係る分散構成多機能周辺装置1の動作の具体例を、図2ないし図7のフローを用いて説明する。図2および図3を用いて、MFP10での操作フローを説明する。S11において、ユーザによって、FAX送信の原稿がスキャナ20の原稿台にセットされる。ユーザが、ボタン入力部17を操作して、FAX送信先番号および送信開始命令を入力すると、CPU11は、FAX送信先番号およびFAX送信命令の入力を受け付ける。ここで、FAX送信先番号とは、FAXデータのデータ送信先を特定する電話番号である。
【0021】
S13において、CPU11は、スキャナ20を動作させて原稿を1ページずつ読み取り、画像データを生成する。またCPU11は、画像データを符号化により圧縮して、FAXデータを生成する。生成されたFAXデータは、RAM13に保存される。なお、原稿が複数枚ある場合には、FAXデータは、複数のページが集まった構成のデータとなる。S15において、CPU11は、FAX送信先番号およびFAXデータを、無線通信202を用いてBOX31へ送信する。
【0022】
S17において、CPU11は、BOX31から停止ページ情報を受信したか否かを判断する。停止ページ情報とは、FAXデータの送信を停止した旨を報知するための情報である。停止ページ情報の詳細な内容については後述する。
【0023】
停止ページ情報を受信していないと判断される場合(S17:NO)には、S19へ進み、CPU11は、BOX31からFAX送信完了情報を受信したか否かを判断する。FAX送信完了情報とは、FAX送信が完了した旨を報知するための情報である。FAX送信完了情報を受信していないと判断される場合(S19:NO)にはS17へ戻り待機し、受信したと判断される場合(S19:YES)にはS21へ進む。S21において、CPU11は、RAM13に保存していたFAXデータを消去する。そしてMFP10での操作フローを終了する。
【0024】
一方、S17において、BOX31から停止ページ情報を受信したと判断される場合(S17:YES)には、S25へ進む。S25において、CPU11は、停止ページ情報をRAM13に保存する。そしてCPU11は、未送信とされているFAXデータを特定する。未送信とされているFAXデータは、例えば、FAXデータが1ページずつ順番に送信されているときにXページ目の送信中でFAX送信が停止された場合には、未送信の部分があるXページを含み、それ以降の全てのページが、未送信とされているFAXデータに該当する。
【0025】
未送信とされているFAXデータを特定する方法について説明する。未送信とされているFAXデータの特定は、停止ページ情報に付加されている読み出しバイト数を用いて行なわれる。読み出しバイト数は、FAXデータの送信が停止されるまでに、RAM34から読み出されたFAXデータのバイト数である。以下、具体的に特定動作を説明する。BOX31のRAM34から読み出されて送信されたFAXデータのバイト数が、読み出しバイト数としてBOX31からMFP10へ報知される。また、MFP10のRAM13と、BOX31のRAM34には、同一のFAXデータが記憶されている。よってMFP10では、MFP10のRAM13に記憶されているFAXデータと読み出しバイト数とを用いることで、未送信とされているFAXデータを特定することが可能となる。
【0026】
これにより、BOX31からMFP10へ読み出しバイト数を送信するだけで、未送信とされているFAXデータを報知することが可能となる。よって、未送信とされているFAXデータを、BOX31からMFP10へ報知する際に必要なデータ送信量を少なくすることができる。
【0027】
また、BOX31は、RAM34から読み出したFAXデータに他のデータを付加した上で送信する場合がある。すなわち、RAM34から読み出されたFAXデータのデータ量と、実際にBOX31から送信されたデータ量とが異なる場合がある。よって、BOX31から送信されたデータ量をカウントするのではなく、RAM34から読み出されたデータ量を直接カウントすることで、未送信とされているFAXデータをより正確に特定することが可能となる。
【0028】
S27(図3)において、CPU11は、図11の(A)に示すように、FAX送信がXページ目で停止された旨をパネル18に表示する。また、送信内容を確認するか否かをパネル18に表示し、ユーザによる指示の入力を受け付ける。
【0029】
ユーザが、MFP10のボタン入力部17を操作して、「はい」または「いいえ」を入力すると、S29においてCPU11は、入力された指示内容を判断する。指示内容が「いいえ」であると判断された場合(S29:NO)にはS37へ進み、「はい」であると判断された場合(S29:YES)にはS31へ進む。
【0030】
S31において、CPU11は、実際にFAX送信が停止されたページの内容をパネル18に表示する。Xページ目の送信中にFAX送信が停止された場合に、送信済みのFAXデータと未送信のFAXデータとの境界部分をパネル18に表示する場合の表示例を、図11の(B)に示す。境界線BLの上側に送信済みの画像が表示され、境界線BLの下側に未送信(白紙)の画像が表示される。
【0031】
また、CPU11は、送信停止の入力画面に進むか、1つ前の画面に戻るか、ユーザによる指示の入力を受け付ける。ユーザが、「OK」または「戻る」を入力すると、S33においてCPU11は、入力された指示内容を判断する。指示内容が「戻る」であると判断された場合にはS31へ戻り、「OK」であると判断された場合にはS35へ進む。
【0032】
S35において、CPU11は、図11の(C)に示すように、FAXデータの再送信をとりやめるか否かの選択肢をパネル18に表示し、ユーザによる指示の入力を受け付ける。ユーザが、「はい」または「いいえ」を入力すると、S37においてCPU11は、入力された指示内容を判断する。指示内容が「はい」であると判断された場合(S37:YES)には、S39へ進む。
【0033】
S39において、CPU11は、再開不実行命令をBOX31に送信する。再開不実行命令とは、停止中とされているFAXデータの送信動作を再開しない旨の命令である。S41において、CPU11は、RAM13に保存していたFAXデータを消去する。そしてMFP10での操作フローを終了する。
【0034】
一方、S37において、指示内容が「いいえ」であると判断された場合(S37:NO)には、S43へ進む。S43において、CPU11は、FAX送信完了情報をBOX31から受信したか否かを判断する。受信したと判断される場合(S43:YES)には、FAX送信が完了したと判断され、S45へ進む。S45において、CPU11は、RAM13に保存していたFAXデータを消去する。そしてMFP10での操作フローを終了する。一方、受信していないと判断される場合(S43:NO)には、FAX送信が未完了であると判断され、S17(図2)へ戻り待機状態とされる。
【0035】
図4ないし図6を用いて、BOX31での動作フローを説明する。S111(図4)において、CPU32は、MFP10からのデータ送信を待機する。データを受信していないと判断される場合(S111:NO)にはS111へ戻り待機し、データを受信したと判断される場合(S111:YES)にはS113へ進む。S113において、CPU32は、FAX送信先番号およびFAXデータをMFP10から受信し、RAM34に記憶する。
【0036】
S114において、CPU32は、回線使用中情報を子機60へ送信する。回線使用中情報とは、電話回線47が使用中であることを報知するための情報である。
【0037】
S115において、CPU32は、電話回線接続部41によって電話回線47を閉結する。そしてRAM34からFAXデータを順次読み出して、データ送信先へ送信する。これにより、FAXデータが1ページずつ順番に送信される。S117において、CPU32は、「送信中 Xページ」(Xは現在送信中ページ番号)をパネル39に表示する。
【0038】
S119において、CPU32は、子機60から通話先電話番号を受信したか否かを判断する。通話先電話番号とは、子機60を用いた音声通話の通話先を特定するための電話番号である。受信していないと判断される場合(S119:NO)にはS121へ進む。S121において、CPU32は、FAXデータの送信が完了したか否かを判断する。完了していないと判断される場合(S121:NO)にはS119へ戻り待機し、完了したと判断される場合(S121:YES)にはS133へ進む。
【0039】
一方、S119において、子機60から通話先電話番号を受信したと判断される場合(S119:YES)には、S123へ進む。S123において、CPU32は、通話先電話番号をRAM34に保存する。
【0040】
S125において、CPU32は、擬似ダイヤルトーンを子機60へ送出する。これにより、ユーザが子機60をオフフックすると、子機60のスピーカから擬似ダイヤルトーンが聞こえるため、ユーザは通話可能な状態であることを知ることができる。
【0041】
S127(図5)において、CPU32は、子機60から受信した通話先電話番号と、EEPROM35に登録済の緊急時電話番号とが一致するか否かを判断する。両電話番号が一致しないと判断される場合(S127:NO)には、S129へ進む。S129において、CPU32は、通話拒否情報を子機60に送出する。通話拒否情報とは、FAX送信を優先するため、音声通話ができない旨を報知するための情報である。S131において、CPU32は、FAXデータの送信が完了したか否かを判断する。完了していないと判断される場合(S131:NO)にはS119へ戻り待機し、完了したと判断される場合(S131:YES)にはS133へ進む。
【0042】
S133において、CPU32は、FAXデータの送信動作を終了すると共に、電話回線47を閉結状態に維持する。S134において、CPU32は、FAX送信完了情報をMFP10に送信する。S135において、CPU32は、RAM34に保存していたFAXデータを消去する。S137において、CPU32は、通話先電話番号がFAX送信先番号と一致するか否かを判断する。一致しないと判断される場合(S137:NO)にはS138へ進み、CPU32は電話回線接続部41によって電話回線47を開放し、BOX31での動作フローを終了する。一方、一致すると判断される場合(S137:YES)にはS139に進み、CPU32は子機60を呼び出す。電話回線47が閉結状態に維持されているため、ユーザが子機60をオフフックすると、音声通話が即座に開始される。S141において、CPU32は、終話信号を子機60から受信したか否かを判断する。終話信号とは、子機60での音声通話が終了した旨を報知するための情報である。終話信号を受信していないと判断される場合(S141:NO)にはS141へ戻り待機し、受信したと判断される場合(S141:YES)にはS143へ進む。S143において、CPU32は、子機60での音声通話を終了すると共に、電話回線接続部41によって電話回線47を開放する。そしてBOX31での動作フローを終了する。
【0043】
一方、S127において、通話先電話番号と緊急時電話番号とが一致すると判断される場合(S127:YES)には、S151へ進む。S151において、CPU32は、通話先電話番号と一致する緊急時電話番号の緊急ランクが、高ランクであるか否かを判断する。高ランクでない場合(S151:NO)にはS153へ進み、CPU32は、現在送信中の1ページの送信が完了したか否かを判断する。送信が完了していないと判断される場合(S153:NO)にはS153へ戻り待機し、送信が完了したと判断される場合(S153:YES)にはS155へ進む。
【0044】
S155において、CPU32は、FAXデータの全ページの送信が完了したか否かが判断される。全ページの送信が完了したと判断される場合(S155:YES)には、FAX送信を停止する必要がないため、S133へ進む。一方、全ページの送信が完了していないと判断される場合(S155:NO)には、FAX送信を停止する必要があるため、S157へ進む。
【0045】
これにより、緊急時電話番号の緊急ランクが高ランクの場合には、送信中のページがページ途中の状態であっても、FAX送信を即時に停止する。また、緊急ランクが低ランクの場合には、現在送信中のページの送信が完了してから、FAX送信を停止する。よって、緊急ランクの高低に応じて、音声通話を優先するかデータ送信を優先するかを決定することができる。よって、ユーザの利便性を高めることができる。
【0046】
S157において、CPU32は、通話先電話番号がFAX送信先番号と一致するか否かを判断する。一致しないと判断される場合(S157:NO)にはS161に進み、CPU32は、FAX送信を途中で停止する。また、電話回線接続部41によって電話回線47を開放すると共に、リダイヤルタイマーをセットする。一方、一致すると判断される場合(S157:YES)にはS159に進み、CPU32は、FAX送信を途中で停止する。また、電話回線47を閉結状態に維持する。
【0047】
リダイヤルタイマーについて説明する。リダイヤルタイマーは、間隔時間と試行回数をセットすることで、FAXデータを再送することができる機能である。例えば、間隔時間を5分、試行回数を3回にセットした場合には、送信したFAXデータが送信先で受信されるまで、3回を上限として、再送動作が5分おきに繰り返される。なお、リダイヤルタイマーは一般的な機能であり、BOX31に予め備えられている。よって本願では、リダイヤルタイマーを用いることで、新たな機能を追加する必要がない。
【0048】
なお、S159およびS161においてFAXデータの送信を停止する時には、送信画像の最後に、データ送信が中断されたことを示すメッセージを付加してもよい。これにより、FAX送信先では、最終ページの下端部にデータ送信が中断された旨が表示されるため、相手先のユーザはFAX送信が中断されたことを知ることが出来る。
【0049】
S163において、CPU32は、読み出しバイト数をカウントする。そして、読み出しバイト数を停止ページ情報に付加し、停止ページ情報をMFP10に送信する。
【0050】
S239(図6)において、CPU32は、通話先電話番号のダイヤルを送出し、通話相手先と接続することで、子機通話を開始する。S243において、CPU32は、MFP10から再開不実行命令を受信したか否かを判断する。
【0051】
再開不実行命令を受信した場合(S243:YES)には、S245へ進み、CPU32は、リダイヤルタイマーをリセットする。よって、FAXデータの送信の再開が取りやめられる。S246において、CPU32は、RAM34に保存していたFAXデータを消去する。S247において、CPU32は、終話信号を子機60から受信したか否かを判断する。受信していないと判断される場合(S247:NO)にはS247へ戻り待機し、データを受信したと判断される場合(S247:YES)にはS248へ進む。S248において、CPU32は、子機60での音声通話を終了すると共に、電話回線接続部41によって電話回線47を開放する。そしてBOX31での動作フローを終了する。
【0052】
一方、S243において再開不実行命令を受信していない場合(S243:NO)には、S244へ進む。S244において、CPU32は、終話信号を子機60から受信したか否かを判断する。終話信号を受信していない場合(S244:NO)には、S249へ進む。S249において、CPU32は、リダイヤルタイマーがタイムアップしているか否かを判断する。タイムアップするとは、リダイヤルタイマーをセットした時点から間隔時間が経過することである。タイムアップしていない場合(S249:NO)にはS243へ戻り待機し、タイムアップした場合(S249:YES)にはS251へ進む。S251において、CPU32は、リダイヤルタイマーを再セットした上で、S243へ戻る。
【0053】
一方、S244において、終話信号を受信した場合(S244:YES)には、S252へ進む。S252において、CPU32は、通話先電話番号がFAX送信先番号と一致するか否かを判断する。一致しないと判断される場合(S252:NO)にはS253に進み、CPU32は、子機60での音声通話を終了する。また、電話回線接続部41によって電話回線47を開放する。そしてS255に進み、CPU32は、リダイヤルタイマーがタイムアップしているか否かを判断する。タイムアップしていない場合(S255:NO)にはS255へ戻り待機し、タイムアップした場合(S255:YES)にはS257へ進む。
【0054】
一方、通話先電話番号がFAX送信先番号と一致すると判断される場合(S252:YES)にはS254に進み、CPU32は、子機60での音声通話を終了する。また、電話回線47を閉結状態に維持する。そしてS257へ進む。
【0055】
S257において、CPU32は、途中で停止していたFAXデータの送信を再開する。このとき、未送信であると特定されたFAXデータの送信を再開する。また、通話先電話番号がFAX送信先番号と一致しない場合には、S253によって電話回線47が開放されているため、電話回線47を閉結した上でFAXデータの送信を再開する。また、通話先電話番号がFAX送信先番号と一致する場合には、S254によって電話回線47が閉結状態に維持されているため、すぐにFAXデータの送信を再開することができる。
【0056】
なお、FAX送信の再開時には、当該FAX送信が送信再開である旨を報知するメッセージを、再送ページの先頭に付加して送信してもよい。これにより、FAX送信先では、再送時の最初のページの上端部に、データ送信が再開された旨が表示されるため、相手先のユーザは送信が再開されたことを知ることが出来る。なお、メッセージの例としては、再送日時や、再送を開始するページ番号などを用いてもよい。
【0057】
FAXデータの送信が完了すると、S259において、CPU32は電話回線47を開放する。S260において、CPU32は、FAX送信完了情報をMFP10に送信する。S261において、CPU32は、RAM34に保存していたFAXデータを消去する。そしてBOX31での動作フローを終了する。
【0058】
図7を用いて、子機60での動作フローを説明する。S311において、CPU62は、電話回線47が使用中であるか否かを判断する。当該判断は、回線使用中情報をBOX31から受信しているか否かによって行なわれる。回線使用中ではないと判断される場合(S311:NO)にはS311へ戻り待機し、回線使用中であると判断される場合(S311:YES)にはS313へ進む。S313において、CPU62は、回線使用中の表示をパネル69に表示する。
【0059】
S315において、CPU62は、ユーザのボタン入力部68の操作により、通話先電話番号が入力されたか否かを判断する。通話先電話番号が入力されていないと判断される場合(S315:NO)にはS311へ戻り待機し、通話先電話番号が入力されたと判断される場合(S315:YES)にはS317へ進む。
【0060】
S317において、ユーザによってボタン入力部68の外線通話開始ボタンが押下され、発呼指示の入力が受け付けられると、CPU62は、通話先電話番号を無線通信203を介してBOX31へ送信する。S319において、CPU62は、擬似ダイヤルトーンをBOX31から受信する。
【0061】
S321において、CPU62は、通話拒否情報をBOX31から受信したか否かを判断する。通話拒否情報を受信した場合(S321:YES)にはS323へ進み、CPU62は、音声通話を行なわず、音声通話が拒否された旨の表示をパネル69に表示する。そして子機60での操作フローが終了される。
【0062】
一方、通話拒否情報を受信していない場合(S321:NO)にはS325へ進む。S325において、CPU62は、呼び出し音を受信する。S327において、CPU62は、音声通話を開始する。S329において、CPU62は、音声通話が終了すると、終話信号をBOX31へ送信する。そして子機60での操作フローが終了される。
【0063】
第1実施形態に係る分散構成多機能周辺装置1の動作の具体例を、図8ないし図10のシーケンス図を用いて説明する。なお、図8ないし図10において、BOXのフロー中の斜線の太線部は、FAX送信での電話回線47の使用中の期間を表している。また白抜きの太線部は、音声通話での使用中の期間を表している。また実線部は、電話回線47が使用されていない期間を表している。
【0064】
図8では、例として、緊急電話によりFAX通信を途中で停止した場合に、FAX送信の再開動作を行なう場合を説明する。また、緊急時電話番号の緊急ランクが高ランクであり、通話先電話番号がFAX送信先番号と一致しない場合を説明する。
【0065】
ユーザによって、FAX送信の原稿が、MFP10のスキャナ20の原稿台にセットされる(S11)。ユーザが、MFP10のボタン入力部17を操作して、FAX送信先番号および送信開始命令を入力すると、FAX送信先番号およびFAX送信命令の入力がMFP10に受け付けられる(S11)。そしてFAXデータが生成され、RAM13に保存される(S13)。FAXデータおよびFAX送信先番号は、無線通信202を用いてMFP10からBOX31へ送信される(S15)。
【0066】
BOX31は、FAX送信先番号およびFAXデータをMFP10から受信し、RAM34に記憶する(S113)。また、回線使用中情報を子機60へ送信する(S114)。そして、FAX送信を開始する(S115)。
【0067】
子機60は、回線使用中情報をBOX31から受信する(S311)。
ユーザによって通話先電話番号および発呼指示が入力されると、通話先電話番号をBOX31へ送信する(S317)。BOX31は、子機60から通話先電話番号を受信すると(S119:YES)、擬似ダイヤルトーンを子機60へ送出する(S125)。子機60は擬似ダイヤルトーンをBOX31から受信する(S319)。
【0068】
BOX31は、子機60から受信した通話先電話番号と、EEPROM35に登録済の緊急時電話番号とが一致すると判断する(S127:YES)。またBOX31は、緊急時電話番号の緊急ランクが高ランクであると判断し(S151:YES)、通話先電話番号がFAX送信先番号と一致しないと判断する(S157:NO)。よってBOX31は、FAX送信を途中で停止し、電話回線47を開放すると共に、リダイヤルタイマーをセットする(S161)。そして、読み出しバイト数が付加された停止ページ情報を、MFP10に送信する(S163)。
【0069】
MFP10は停止ページ情報を受信すると(S17:YES)、FAX送信がXページ目で停止された旨をパネル18に表示する(S27)。ユーザが送信内容を確認する旨の入力をすることに応じて、実際にFAX送信が停止されたページの内容をパネル18に表示する(S31)。
【0070】
BOX31は、通話先電話番号のダイヤルを送出し、通話相手先と接続する(S239)。よって子機60での通話が開始される(S327)。子機60での通話が終了すると(S329)、BOX31は終話信号を受信する(S244:YES)。また、BOX31はMFP10から再開不実行命令を受信しておらず(S243:NO)、通話先電話番号がFAX送信先番号と一致しない(S252:NO)ため、リダイヤルタイマーがタイムアップする(S255:YES)ことに応じて、途中で停止していたFAXデータの送信を再開する(S257)。
【0071】
BOX31は、FAXデータの送信が完了すると、電話回線47を開放し(S259)、FAX送信完了情報をMFP10に送信する(S260)と共に、RAM34に保存していたFAXデータを消去する(S261)。MFP10は、FAX送信完了情報をBOX31から受信することに応じて(S43:YES)、RAM13に保存していたFAXデータを消去する(S45)。
【0072】
次に、図9を用いて、緊急電話によりFAX通信を途中で停止した場合に、FAX送信の再開動作を行なわない場合の例を説明する。また、緊急時電話番号の緊急ランクが高ランクであり、通話先電話番号がFAX送信先番号と一致しない場合を説明する。なお、図9のS11からS31までのステップの内容は、図8のS11からS31までのステップの内容と同一であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0073】
MFP10は、ユーザが送信停止の入力画面に進む旨の入力をすることに応じて、FAXデータの再送信を停止するか否かの選択肢をパネル18に表示する(S35)。ユーザがFAXデータの再送信をとりやめる旨の指示を入力すると(S37:YES)、再開不実行命令をBOX31に送信する(S39)。
【0074】
BOX31がMFP10から再開不実行命令を受信すると(S243:YES)、リダイヤルタイマーをリセットすることで、FAXデータの送信の再開を取りやめる(S245)。そして、RAM34に保存していたFAXデータを消去する(S246)。なお、その後のシーケンスは図8のシーケンスと同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0075】
次に、図10を用いて、緊急電話を拒否することでFAX通信を途中で停止しない場合の例を説明する。また、緊急時電話番号の緊急ランクが高ランクであり、通話先電話番号がFAX送信先番号と一致しない場合を説明する。なお、図10のS11からS125までのステップの内容は、図8のS11からS125までのステップの内容と同一であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0076】
BOX31は、子機60から受信した通話先電話番号と、EEPROM35に登録済の緊急時電話番号とが一致しないと判断する(S127:NO)と、通話拒否情報を子機60に送出する(S129)。子機60は、通話拒否情報を受信すると(S321:YES)、音声通話が拒否された旨の表示をパネル69に表示する(S323)。
【0077】
BOX31は、FAXデータの送信が完了すると、電話回線47を開放し(S133)、FAX送信完了情報をMFP10に送信する(S134)と共に、RAM34に保存していたFAXデータを消去する(S135)。そして、通話先電話番号がFAX送信先番号と一致しないと判断されるため(S137:NO)、動作フローを終了する。
【0078】
以上説明した、本実施形態の説明例に係る分散構成多機能周辺装置1の効果を説明する。FAXデータの送信中にユーザが子機60を用いて音声通話を開始する場合には、FAXデータの送信が途中で停止され、音声通話が開始される。よって、電話回線47が1つしかなく、FAXデータの送信と音声通話とが同時に実行できない場合においても、FAXデータの送信中にユーザが音声通話を開始することが可能となる。そして、音声通話の終了後には、停止されていたFAXデータの送信が自動で再開される。よってユーザは、停止されていたFAXデータの送信動作を再開する旨の指示を行なう必要がないため、ユーザの利便性を向上させることができる。また、FAXデータの送信を停止した旨がMFP10のパネル18に表示されるため、ユーザはFAXデータの送信が停止されたことを知ることができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0079】
また、本願の分散構成多機能周辺装置1では、停止されたFAXデータの送信を再開しない旨の命令(再開不実行命令)が、MFP10のボタン入力部17を介して入力される。これにより、例えば、送信が途中で停止されたFAXデータの送信を再開する必要がないとユーザが判断した場合には、送信を取りやめることができるため、ユーザの利便性を高めることができる。
【0080】
また、本願の分散構成多機能周辺装置1では、通話先電話番号と緊急時電話番号が一致するか否かが判断される。これにより、FAXデータの送信中にユーザが音声通話を開始しようとする場合には、音声通話先の優先度が高い場合のみに、FAXデータの送信が停止されて音声通話が開始されるように制御を行なうことが可能となる。すなわち、音声通話先の優先度の高低に応じて、音声通話を優先するかFAXデータの送信を優先するかを決定することができる。よって、ユーザの利便性を高めることができる。
【0081】
また、本願の分散構成多機能周辺装置1では、実際にFAX送信が停止されたページの内容をパネル18に表示する。これにより、ユーザは、送信が途中で停止されたFAXデータの送信を再開するか否かを、パネル18に表示されたFAXデータに基づいて判断することができる。よって、ユーザの利便性を高めることができる。
【0082】
また、本願の分散構成多機能周辺装置1では、FAXデータの送信の再開時には、未送信であると特定されたFAXデータの送信が再開される。これにより、FAXデータのうち、送信が停止されるまでにすでに送信されたページについては、重複して送信されることが防止できる。よって、データ再送時間の短縮化などを図ることが可能となる。
【0083】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0084】
本実施例では、リダイヤルタイマーを用いてFAXデータを再送する場合を説明したが、この形態に限られない。例えば、子機通話の終了を検知することに応じて、FAXデータの送信を再開するとしてもよい。具体的には、図6のBOX31の動作フローにおいて、S253で子機通話が終了したことを検知することに応じてS257に移行し、FAXデータの送信を再開するとしてもよい。これにより、S255におけるリダイヤルタイマーの制御を不要とすることができる。
【0085】
また本実施例では、スキャナ20を動作させて画像データを生成する場合を説明したが、この形態に限られない。画像データが記憶されているメモリカード等の外部記憶装置がスロット部21に接続され、CPU11が外部記憶装置から画像データを読み出してFAXデータを生成する形態であってもよい。
【0086】
また本実施例では、FAXデータを送信する場合を例として説明したが、この形態に限られず、各種のデータを送信する場合においても本願を適用可能である。
【0087】
なお、MFP10は多機能通信装置の一例、BOX31は回線制御装置の一例、パネル18は表示部の一例、スキャナ20は読取部の一例、電話回線47は通信回線の一例、通話先電話番号は通話先情報の一例、緊急時電話番号は優先度情報の一例、RAM34は第1メモリの一例、RAM13は第2メモリの一例、である。
【0088】
また、S115を実行する制御部はデータ送信手段の一例である。S161を実行する制御部は送信停止手段の一例である。S163を実行する制御部は停止情報送信手段の一例である。S239を実行する制御部は音声通話手段の一例である。S245、S257を実行する制御部は送信再開手段の一例である。S27、S31、S35を実行する制御部は表示制御手段の一例である。S39を実行する制御部は再開不実行命令送信手段の一例である。S13を実行する制御部は送信データ記憶手段の一例である。S25を実行する制御部は特定手段の一例である。
【符号の説明】
【0089】
1 分散構成多機能周辺装置
10 MFP
18 パネル
11、32、62 CPU
13、34 RAM
31 BOX
47 電話回線
60 子機
202、203 無線通信

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信データを送信する送信部と各種の情報を表示する表示部を備える多機能通信装置と、
通信回線に接続され、前記多機能通信装置と前記通信回線との間のデータ通信を中継する回線制御装置と、
前記回線制御装置と無線接続され、前記通信回線を介した音声通話を行う子機と
を備える通信装置において、
前記回線制御装置は、
前記多機能通信装置から受信した前記送信データを前記通信回線を介してデータ送信先へ送信するデータ送信手段と、
前記送信データの送信を実行している期間中に、前記子機から音声通話先を特定する通話先情報を受信することに応じて、前記送信データの送信を途中で停止する送信停止手段と、
前記送信データの送信を停止した旨の停止情報を前記多機能通信装置へ送信する停止情報送信手段と、
前記通話先情報によって特定される前記音声通話先との音声通話を開始する音声通話手段と、
前記音声通話の終了を契機として、停止された前記送信データの送信を再開する送信再開手段と
を備え、
前記多機能通信装置は、前記停止情報を受信することに応じて、前記送信データの送信を停止した旨を前記表示部に表示する表示制御手段を備える
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記多機能通信装置は、停止された前記送信データの送信を再開しない旨の命令入力を受け付けることに応じて、再開不実行命令を前記回線制御装置へ送信する再開不実行命令送信手段をさらに備え、
前記回線制御装置の前記送信再開手段は、前記再開不実行命令を受信することに応じて、停止された前記送信データの送信を取りやめる
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記回線制御装置は、優先度の高い音声通話先を特定する優先度情報を記憶する優先度情報記憶手段をさらに備え、
前記回線制御装置の前記送信停止手段は、前記通話先情報によって特定される前記音声通話先と前記優先度情報によって特定される前記音声通話先とが一致するか否かを判断し、一致する場合に前記送信データの送信を途中で停止する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記回線制御装置の前記データ送信手段は、前記多機能通信装置から受信した前記送信データを第1メモリに記憶し、前記第1メモリから前記送信データを順次読み出してデータ送信先へ送信し、
前記回線制御装置の前記停止情報送信手段は、前記送信データの送信が停止されるまでに前記第1メモリから読み出された前記送信データのバイト数である読み出しバイト数をカウントし、前記停止情報に前記読み出しバイト数を付加した上で前記多機能通信装置へ送信し、
前記多機能通信装置は、
前記送信データを第2メモリに記憶する送信データ記憶手段と、
前記停止情報に付加されている前記読み出しバイト数を用いて、前記第2メモリに記憶されている前記送信データのうち、既に前記回線制御装置から送信されている前記送信データまたは未送信とされている前記送信データを特定する特定手段と
をさらに備え、
前記多機能通信装置の前記表示制御手段は、既に前記回線制御装置から送信されている前記送信データまたは未送信とされている前記送信データを前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記回線制御装置の前記送信再開手段は、前記特定手段によって未送信であると特定された前記送信データを送信する
ことを特徴とする請求項4に記載の通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−114787(P2011−114787A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271622(P2009−271622)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】