説明

通気装置

封入容器壁(3)の開口部(2)に挿入するための通気装置は、封入容器の開口部(2)に挿入するための挿入部分(12、22、32)と、頭部部分(13、23、33)とを有する本体(11、21、31)を備える。本体(11、21、31)は、封入容器(7)から周囲環境(6)への流体の通過のための通路であって、挿入部分(12、22、32)と頭部部分(13、23、33)とを通って延びる通路(14、24、34)を有する。通気装置は、通路(14、24、34)を覆う空気透過性で水不透過性の通気要素(15、25、35)をさらに備える。封入容器の壁部(3)と係合するための挿入部分(12、22、32)の周囲に円周方向に配置される係合部(16、26、36)は、半径方向に変形可能であり、異なる壁厚を有する封入容器の開口部への通気装置(10、20、30)の挿入を特に可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封入容器の開口部に挿入するための通気装置に関する。装置は、異なる壁厚を有する封入容器に通気装置を組み込むことを容易にする独自の係合部を有する。
【背景技術】
【0002】
多くの封入容器は、封入容器の内部容積と周囲環境との間の圧力差を逃すための通気を必要とする。このような圧力差は、温度変動、高度変化、又は封入容器内に収容された任意の液体の蒸気圧力によって引き起こされ得る。通気装置は、有利に、液体及び微粒子汚染物質の進入を防止しつつ、圧力平衡のためのガス流を可能にする多孔質材料を含むことが可能である。このような通気装置を組み込んだ密閉封入容器は、自動車、電子、医学、包装及び他の産業に用途を有する。
【0003】
通気装置は、締まりばめ、ねじ山又は接着剤を含む様々な手段によって封入容器に取り付けることが可能である。これらの装置は、取付けを容易にするためにバーブ(barbs)、ねじ山等を組み込んでいる。しかし、これらの取付け手段の各々は不都合を有する。例えば、あるものは、変化する壁厚の封入容器に容易に組み込むことができず、追加の取付け特徴部の使用を必要とすることがある。例えば、ねじ付きの取付け手段はバッキングナット(backing nut)を必要とするかもしれない。バーブフィッティング(barbed fittings)のような他の手段は、壁厚を補償するために厚いガスケットを必要とするかもしれない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、異なる壁厚を有する封入容器の開口部に容易に挿入することができる通気装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、内面と外面とを有する壁部を有し、かつ周囲空間に対し内部空間を画定する封入容器の開口部に挿入するための通気装置が提供される。
【0006】
通気装置は、挿入部分と頭部部分とを有する本体を有する。挿入部分は、封入容器の開口部に挿入される。本体の挿入部分は、通気装置が封入容器の開口部に挿入されるとき、開口部内に延びるように配置されることが可能である、あるいは封入容器の開口部を通して封入容器内に突出することが可能である。本体の頭部部分は、実質的に封入容器の外側に留まってもよく、例えばキャップ用の装着部分として及び/又は挿入ストッパとして機能してもよい。
【0007】
通気装置の本体は、封入容器の内部空間から周囲環境へと流体が通過するための挿入部分と頭部部分とを通って延びる通路をさらに備える。通路は、特に、封入容器の内部容積と周囲環境との間の任意の圧力差を逃すためにある。
【0008】
さらに、空気透過性で、水不透過性の通気装置が設けられて、通路を覆う。通気要素は、通気要素の空気透過性による圧力の排出を可能にしつつ、任意の液体又は他の微粒子汚染物質が封入容器の内側に通過することを防止する。通気要素は、膜を備えることが可能であり、通気装置の頭部部分に好ましくは組み込まれる。
【0009】
通気装置は、挿入部分を中心に円周方向に配置される係合部を備える。係合部は、通気装置が封入容器の開口部に挿入されるときに、壁部からの退出に対抗する抵抗力を与えるように半径方向に変形可能である。係合の種類に応じて、半径方向の変形は、半径方向の拡大又は半径方向の圧縮となる。係合部は、例えば型嵌め又は圧力嵌めにより封入容器の壁部と係合することが可能であり、壁部をロック、ネスト、スナップするか又は任意の適切な方法で壁部と係合することが可能である。
【0010】
本発明によれば、係合部は、異なる壁厚を有する封入容器の開口部への通気装置の挿入を可能にする。このようにして、同一の通気装置は、通気装置の修正なしに異なる厚さの壁部に挿入することが可能となり、実質的に同一の特性、例えば、通気装置の脱落を防止する程度に十分な抵抗力、及び封入容器の内部空間と周囲環境との間のすべての連通が通気装置の本体の通路を通してのみ実質的に行われるようにする程度に十分なシールを与える。
【0011】
本発明による通気装置は、開口部内又は本体の上の接着剤又はねじ山のような追加の手段なしに封入容器に取り付けることが可能であり、バッキングナット等のような任意の別個の取付け部を必要としない。通気装置は、外側から封入容器の壁部内に速くかつ容易に装着することができる。本発明による通気装置はまた、最高0.3バール(bar)のIP68防水であり、蒸気流に対し抵抗性があり得る。
【0012】
本発明の第1の好ましい実施形態では、通気装置の係合部は複合構造を有する。通気装置の複合構造は、封入容器の開口部に挿入するための第1のポリマーを含むシャンクと、第2のポリマーを含むシール部分とを備える。第1のポリマーは第1の弾性係数を有し、第2のポリマーは第2の弾性係数を有し、ここで、第1の弾性係数は第2の弾性係数よりも高い。
【0013】
係合部は、シール部分とシャンクとを通して延びる孔をさらに有し、ここで、孔は、孔内に円周方向に有利に配置される少なくとも1つの溝及び/又はリブを有する。通気装置の挿入部分は、通気装置の係合部と本体との間に締まりばめを生じるために、係合部の少なくとも1つの溝及び/又はリブとそれぞれ係合するための少なくとも1つのリブ及び/又は溝を備えるセクションを有する。溝・リブ係合は、追加の部分をなんら必要とすることなく2つの部分の容易な嵌合を可能にする。この嵌合は、強い力を加えることなく達成することができ、同時に確実な嵌合を提供する。
【0014】
複合構造により、係合部は、同等に軟質の材料を必要とし得るシール特性、ならびに同等に硬質の材料を必要とし得る固定特性のような異なる特性を提供することができる。
【0015】
代替実施形態では、係合部は、1つの一体ピースとしてのシャンク(shank)及びシール部分を備えてもよい。この場合、係合部は、係合部の複合構造のシール部分のために使用される第2のポリマーに対応し得る比較的軟質のポリマー材料を含むことが好ましい。挿入部分のリブと比較的軟質の係合部の対応する溝との間の締まりばめを改善するために、リブは、有利に、バーブ(barb)、例えば実質的に三角形の断面として機能できる断面を提供し得る。
【0016】
好ましくは、孔の少なくとも1つの溝及び/又はリブは、第1の比較的硬質のポリマー材料を備える係合部のシャンクに配置される。係合部の硬質部分と通気装置の本体との間に締まりばめを設けることにより、2つの部分の間の接続は、リブと溝とが係合すると比較的強力である。好ましくは、通気装置の本体の弾性係数は、係合部のシャンクの弾性係数と少なくとも同程度の高さであるように選択される。
【0017】
好ましくは、挿入部分が係合部の孔に挿入されるときに、シール部分は半径方向に拡大して、壁部開口部からの通気装置の退出に対抗する前記抵抗力を生じる。このようにして、封入容器の開口部に追加の部分又は相手部材を必要とすることなく、異なる厚さの壁部の通気装置の確実な係合を達成することができる。さらに、係合部のシール部分を半径方向に拡大すると、壁部開口部の内側に対する円周シールを達成することが可能である。
【0018】
係合部は、好ましくはシール部分の一部を形成するフレア形の端部部分を備えることが可能である。係合部のフレア形の端部部分、すなわち、係合部の残部よりも大きな外径を有する係合部の部分は、通気装置が封入容器の開口部に挿入されるときに、通気装置が開口部を通して封入容器内に滑って通過することを防止するように、通気装置用のストッパとして機能する。さらに、フレア形の端部部分は、封入容器の開口部における通気装置の正確な位置を画定するので、開口部への挿入を容易にする。
【0019】
好ましくは、係合部の孔に嵌合されるべき挿入部分は段付きであり、第1の直径部と第2の直径部とを提供する。第1の直径は孔の直径よりも小さく、かつ第2の直径は孔の直径よりも大きく、そのため、第2の直径部は、第1の直径部よりも通気装置の頭部部分の近くに配置される。第1のより小さな直径部は、挿入部分の孔への挿入を容易にし、シール部分の半径方向の拡大を引き起こさない。したがって、挿入部分をある程度まで孔に容易に挿入することができる。頭部部分により近いその位置のため第1の直径部の後に挿入される第2のより大きな直径部は、係合部のシール部分が半径方向に拡大するようにさせる。先細りの挿入部分を設ける代わりに段部によって分離された一定の第1及び第2の直径を有する部分を設けることにより、シール部分は、第2の直径セクションの領域の挿入部分によって一定に拡大される。このように、壁部開口部の内側に対する一定の圧力を、壁部の厚さに関わらずシール領域に提供することができる。
【0020】
挿入部分の第1の直径と第2の直径との間の段部は、第1の直径部と第2の直径部との間に滑らかな移行部を設けるために先細りにさせることが好ましい。このことにより、係合部の孔への通気装置の本体の挿入が容易になる。
【0021】
孔は、挿入部分が係合部の孔に部分的にのみ挿入されるときに挿入部分を孔内に保持するために、挿入部分のリブ及び/又は溝と係合するための少なくとも1つの第2の溝及び/又は少なくとも1つの第2のリブを備える。このことにより、2つの別個の部分である通気装置の係合部及び本体の予備組み立てが可能になる。シール部分は、通気装置を封入容器の開口部に容易に挿入できるように、予め組み立てた状態で半径方向に拡大されない。通気口が部分的に開口部に挿入された後に、例えば、係合部のストッパが壁部開口部内への係合部のさらなる軸方向移動を防止するまで、挿入部分を係合部の孔内に前進させて、挿入部分のリブ/溝と、係合部の孔内の前述の(第1の)溝/リブとの間の最後の締まりばめを生じることが可能である。係合部の孔内の第2の溝又はリブは、第1のポリマーよりも軟質の第2のポリマーを含む係合部のシール部分に配置することが可能である。このようにして、取り外し可能な嵌合を孔内の第1の位置に生じることが可能であり(予め組み立てた構造)、前記締まりばめを提供する孔内の第2の位置に挿入部分をさらに挿入するために、強力な力は必要でない。
【0022】
シール部分と頭部部分との間に軸方向シールをさらに設けるために、シール部分及び頭部部分の少なくとも一方が、頭部部分及びシール部分のそれぞれ他方に面する少なくとも1つの円周隆起部を備えることが有利である。円周隆起部は、シール部分に構成されることが好ましい。次に、挿入部分が孔に挿入されて、前記締まりばめを生じるときに軸方向シールが提供される。リブ及び溝の位置、特に頭部部分からの溝/リブ係合の距離は、好ましくは係合部のフレア形の端部部分であるシール部分の隆起部に対し頭部部分を押圧するように適切に選択することが可能である。
【0023】
半径方向の弾性を提供するために、シャンクの少なくとも一部に軸方向にスリットを設けることが可能である。例えば、シャンクの近位端、すなわち通気装置の頭部部分に最も近いシャンクの部分に、好ましくは軸方向にスリットを設けてもよい。このようにして、シャンクは第1のより硬質のポリマーを含むが、本体の挿入部分が係合部の孔に挿入されるときに、シール部分を拡張して前記抵抗力を生じることによって、シャンクは半径方向に拡大することが可能である。シャンクは、例えば、シャンクの円周方向に閉鎖したセクションをその遠位端に、すなわち、通気装置の頭部部分から最も遠いシャンクの部分に残すように、その中央部に向かうシャンクの近位端から延びる2つの対角線上に対向したスリットを備えてもよい。半径方向の弾性を設けるためのスリットセクションを設けることにより、シャンクは、広がり時に開口部内の緊密な嵌合を強化するように、ダウエルとして機能することができる。
【0024】
好ましくは、シール部分は、シャンクの上方に嵌合されて、スリットセクションの領域のシャンクを円周方向に取り囲む。このように、係合部は、円周方向に閉鎖されて、封入容器の開口部内の通気装置の嵌合を改善する。シール部分は第2のより柔らかいポリマーを含むので、スリットセクションの半径方向の弾性が維持される。
【0025】
係合部、すなわち、少なくともシャンク及びおそらくはそのシール部分も、係合部の遠位端からその中央部に向かって延びる少なくとも1つの別の軸方向スリットをさらに有してもよい。遠位端の1つ又は複数のスリットは、孔の少なくとも1つの溝又は少なくとも1つのリブを遮断する程度に十分に長い。このことにより、係合部の遠位端の半径方向の弾性が提供され、通気装置の係合部と本体との間の締まりばめを促進する。係合部は、2つの対角線上で対向するスリットセクションを有することが可能であり、スリットセクションの各々は、その遠位端におけるシャンクの円周の4分の1に達し得る。係合部内のこのような比較的大きなスリット又はカットアウトは、通気装置の壁部開口部への挿入を容易にする。凹部は、挿入部分の頭部部分に向かって狭くなってもよく、係合部の長さの主要部分に沿って軸方向に延びてもよい。
【0026】
好ましくは、シール部分は熱可塑性エラストマー材料又はゴムを含み、シャンクは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレートの群から選択される熱可塑性ポリマー又はコポリマーを含むことが好ましい。通気装置の本体は、シャンクと同一の材料から製造してもよい。
【0027】
本発明の第2の好ましい実施形態では、挿入部分は構造的なコア部と、係合部とを備える。係合部は、構造的なコア部よりも低い弾性係数を有する弾性材料を含む。係合部は、挿入部分の長さに沿って離間しかつ挿入部分から半径方向に延びる複数の半径方向の係合部材をさらに備える。
【0028】
係合部よりも硬質の材料を含む構造的なコア部は、通気装置に安定性を提供し、これに対し、より軟質の係合部は、封入容器の開口部内の通気装置の適切な嵌合を可能にする。離間した係合部材を設けることによって、通気装置を異なる厚さを有する壁部に挿入することができ、ここで、係合部材のあるものは壁部と直接係合し、他のものは挿入中に壁部を越えて通過し得る。
【0029】
好ましくは、各々の係合部材の断面の幅は、半径方向内側の基部から係合部材の半径方向外側の自由端まで低減し、また各々の場合に実質的に三角形であり得る。このことにより、係合部材と係合部との間の強力な接続が得られ、係合部材の破壊の危険性が低減され、これに対し、比較的軟質の係合部材の薄い半径方向外側の端部は、通気装置の開口部への挿入を容易にする。
【0030】
頭部部分に面する係合部材の表面は、挿入部分の長手方向軸線に対し実質的に直角であり得る。対照的に、係合部材のそれぞれの対向面は、壁部開口部への通気装置の挿入をさらに容易にするように先細りにされる。長手方向軸線に対し直角の表面は、通気装置が壁部開口部の中にまたそれを通して挿入されるときにバーブとして機能する。有利に、半径方向の係合部材は、係合部に鋸歯状外形を形成し、柔軟である。このような軟質の係合部材は容易な挿入を可能にするが、開口部からの通気装置の後退を妨げるか又は防止する。
【0031】
係合部材は、通気装置が封入容器の開口部に挿入されるときに半径方向のシールリップを提供するように、挿入部分の円周全体に沿って挿入部分から半径方向に延びることが好ましい。このようにして、さらなるシールは必要でない。特に、追加のガスケットを使用して通気装置の頭部部分を壁部の外面に対し軸方向にシールする必要はない。係合部材は、開口部内の通気装置の係合及び封入容器の壁部の内側に対する通気装置のシールの両方を提供する。通気装置が壁部開口部全体を通して封入容器に延びる程度に十分に長くなく、したがって、係合部材のいずれも、壁部の後部側面と係合するバーブとして機能できない場合でも、壁部開口部の内側と相互作用する係合部材は、それらの形状及び柔軟性により、開口部からの後退に対しなお十分な抵抗をなお提供する。
【0032】
係合部は、約1mmのピッチを有する係合部材を3つ、好ましくは4つ以上、好ましくは5つ備えることが可能である。これにより、2、3又は4mmの範囲の厚さを有する壁部の開口部に通気装置を確実に挿入することができる。
【0033】
好ましくは、係合部及び係合部材は熱可塑性エラストマー材料又はゴムを含み、構造的コアは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレートの群から選択される熱可塑性ポリマー又はコポリマーを含む。
【0034】
本発明の第3の好ましい実施形態では、封入容器の開口部に挿入するための通気装置が提供され、ここで、係合部は、通気装置の本体の挿入部分から半径方向に延びる2つ以上の半径方向のロック要素を有する。半径方向のロック要素は、壁部の内面と係合するためにあり、ここで、半径方向のロック要素の少なくとも2つは、本体の頭部から異なる距離に位置決めされる。
【0035】
本体の頭部から異なる距離にロック要素を設けることにより、通気装置を異なる厚さを有する壁部に挿入することが可能である。壁部の厚さよりも頭部部分から小さな距離を有するロック要素は、通気装置が壁部に挿入されて、係合に寄与し得ない場合に半径方向に変形される。壁部の厚さよりも頭部部分から大きな距離を有するロック要素は、非変形状態にあるが、ロック要素は壁部に触れないので、同様に係合に寄与しない。係合は、頭部部分からの係合部材の距離が壁部の厚さに対応する当該係合部材によって実施される。これらの係合部材は、非変形状態にあり、バーブ状に壁部の内面と係合する。
【0036】
好ましくは、半径方向のロック要素は屈曲アームとして形成される。屈曲アームは、容易な曲げ、したがって開口部への通気装置の容易な挿入を可能にする。屈曲アームは、屈曲アームが通気装置の長手方向軸線に対しほとんど平行であり、壁部開口部を滑って通過するために半径方向内側の偏向をほとんど必要としないように、通気装置から鋭角に垂下することが好ましい。にもかかわらず、屈曲アームが壁部開口部への通気装置の挿入中に壁部を通過した後に、屈曲アームが非変形状態に戻るとき、通気装置の十分な保持が屈曲アームによって達成される。
【0037】
開口部内の通気装置の均一な嵌合を設けるために、少なくとも2つ、好ましくは3つの半径方向のロック要素が、本体の頭部から同一の距離に位置決めされ、かつ挿入部分の周囲に均一に配置されることが好ましい。挿入部分の周囲に、等しく離間して、すなわち約120°の距離で、例えば3つのロック要素を設けることによって、開口部内の通気装置の傾斜が防止される。同様に、頭部部分から同一の距離を有する4つ以上のロック要素を設けることが可能である。頭部部分から異なる距離に位置決めされたロック要素は、ロック要素のそれぞれのアームが衝突せずに、挿入部分の長さに沿って平行に延びるように、他の距離でロック要素から僅かにシフトして配置し得る。好ましくは、ロック要素は、3つ又は4つの異なる距離で、例えば1mmの間隔で設けられ、ここで、頭部部分から同一の距離のロック要素は、挿入部分の円周を中心に均一に配置される。
【0038】
頭部部分は、頭部部分を封入容器の壁部の外面に対し軸方向にシールするための軸方向に変形可能なガスケットを備えてもよい。好ましくは、ガスケットはベローズ状に形成され、少なくとも1mmの軸方向圧縮を考慮し得る。1mmの間隔で頭部部分から離れて配置される半径方向のロック要素と組み合わせて、通気装置は、例えば1、2、3又は4mmの深さを有する壁部開口部のみならず、壁部開口部の間に任意の厚さを有する当該壁部開口部に使用するために適切である。このように、軸方向に変形可能なガスケットは、未知の厚さを有する1つ又は複数の壁部の外面に対する頭部部分の十分なシールを提供する。さらに、ガスケットは、能動的ロック要素がバーブとして機能するようにそれらの非変形状態に戻ることを可能にするように、実際に必要とされる挿入深さを僅かに越えて通気装置を挿入することを可能にする。次に、壁部は、頭部部分からそれぞれの距離においてガスケットと能動的ロック要素との間に挟持される。軸方向シールのため、半径方向シールは必要ない。
【0039】
好ましくは、通気装置の本体は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレートの群から選択される熱可塑性ポリマー又はコポリマーを含む。
【0040】
本発明のすべての形態において、空気透過性で、水不透過性の通気要素は、多孔質膜、好ましくはPTFE膜を備える。
【0041】
好ましくは、本発明の通気装置は、少なくとも最大1mm、好ましくは最大3mm異なる壁厚を有する封入容器に組み込まれるように適応される。特に、通気装置は、1mmから少なくとも4mmの壁厚差を有する封入容器に組み込まれるように適応される。
【0042】
本発明の利点は、添付図及びそれらの説明からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】通気装置の第1の実施形態の斜視図である。
【図2a】通気装置の第1の実施形態を構成する構成要素の側面図である。
【図2b】通気装置の第1の実施形態を構成する構成要素の側面図である。
【図2c】通気装置の第1の実施形態を構成する構成要素の側面図である。
【図3】キャップを含む組み立て状態の通気装置の第1の実施形態の断面図である。
【図4】通気装置の第2の実施形態の斜視図である。
【図5】通気装置の第2の実施形態の側面図である。
【図6】キャップを含む通気装置の第2の実施形態の断面図である。
【図7】封入容器の開口部に挿入された通気装置の第2の実施形態の断面図である。
【図8】通気装置の第3の実施形態の斜視図である。
【図9】通気装置の第3の実施形態の側面図である。
【図10】キャップを含む組み立て状態の通気装置の第3の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
第1の実施形態では、図1〜図3に示したような通気装置が提供される。図1に見られるように、通気装置10は、本体11と、軟質の構成要素と硬質の構成要素とから構成される係合部16とを備える。通気装置10はポリマーであり、当該技術分野において公知の射出成形技術を使用して形成することが可能である。
【0045】
図2aには、第1のポリマーからなる係合部16の硬質の構成要素が示されている。硬質の構成要素は、通気装置10の係合部16のシャンク18を形成する。シャンク18は、ダウエルのようにシャンク18の半径方向の変形を可能にする対角線上に対向する2つのスリット18aを有する。2つの半径方向の延長部18bは、図2bに示した軟質のシール部分17のフレア形の端部部分17aと係合するために設けられる。
【0046】
図2bは、硬質の構成要素の第1のポリマーよりも低い弾性係数を有する第2のポリマーからなる軟質の構成要素を示している。軟質の構成要素は、係合部16のシール部分17を形成する。シール部分17は、図2aに示したシャンク18の上方に嵌合されるべきであり、スナップ嵌合穴17cによってシャンク18の突出部18cと係合する。シャンク18のスリットセクション18aは、次に軟質のシール部分17によって取り囲まれる。シャンク18及びシール部分17は、製造場所において記載した方法ですでに共に嵌合されている。
【0047】
係合部16は、したがって複合構造であり、弾性係数が異なる2つの材料から製造されるシール部分17とシャンク18とを備える。シャンク18は、約1700MPaの弾性係数を有し得るポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリカーボネートを含むがそれらに限定されない熱可塑性ポリマー又はコポリマーから製造可能であり、一方、シール部分17は、低い弾性係数を有し、かつ50〜75、好ましくは60〜70のショアA硬度を有し得る熱可塑性エラストマー(TPE)を使用して構成される。代わりに、シャンク18及びシール部分17は一体形成してもよく、熱可塑性エラストマー(TPE)のような比較的軟質のポリマー材料を含む。
【0048】
図2cに示したように、通気装置10の本体11は、頭部部分13と挿入部分12とを備える。挿入部分12は、少なくとも1つの円周方向リブ11aを備える。挿入部分12は、先細りの段部12cによって分離された異なる直径を有する2つの部分12a、12bを有し、段部は、より小さな直径部12aと約160°の角度12dを形成する。リブ11aは、より小さな直径部12aに配置される。異なる直径の2つの部分12a、12bは、以下に説明するように、係合部16の孔16aへの挿入部分12の挿入を容易にする。本体11は、約1700MPaの弾性係数を有し得るポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリカーボネートを含むがそれらに限定されない熱可塑性ポリマー又はコポリマーから構成される。
【0049】
図3に見られるように、本体11は、封入容器の内部7と周囲雰囲気6との間の流体連通用の通路14を有し、ここで、通路14は、空気透過性及び液体不透過性である多孔質材料15で覆われる。多孔質材料15は、PTFE膜から有利に構成し得るか又はPTFE膜を少なくとも含む。PTFE膜は、有利に、当該技術分野において公知の方法によって嫌油性にされ得る。このような方法は、米国特許第5,116,650号明細書に記載されている。膜は、必要ならば、支持又は裏材料によって支持してもよい。
【0050】
同様に図3に示したように、シャンク18は孔16aを備え、この孔には、シャンク18の遠位端の近くの第1の溝16bが設けられる。本体11の挿入部分12の円周方向リブ11aは、孔16aに完全に挿入されたときに溝16bと係合し得る。同様に、図3と図2bに見られるように、シール部分17は円周隆起部17bを有し、この円周隆起部は、挿入部分12が完全に孔16aに挿入されるときに、すなわちリブ11aが前記締まりばめを生じるために溝16bに係合するときに、頭部部分に対する軸方向シールを提供する。キャップ19は、多孔質材料15を覆いかつ保護するために設けることが可能である。
【0051】
通気装置10は、挿入部分12を係合部16の孔16aに部分的にのみ挿入することによって予め組み立てることができる。次に、リブ11aは、溝16bよりも頭部部分13により近くに配置される別の溝16cと係合する。シール部分17は、この予め組み立てた状態ではまだ拡大されない。この予め組み立てた構造で通気装置10を出荷することが有利であるが、この理由は、通気装置を一体装置として扱うことが容易であり、壁部3の開口部2に容易に挿入することができるからである。使用時、挿入部分12は、リブ11aが他方の溝16bに係合して、以下に述べるように締まりばめ及び抵抗力を生じるまで、孔16aに完全に挿入することが可能である。
【0052】
以下において、壁部3の開口部2に予め組み立てられた通気装置10の装着について説明する。最初に、係合部16が、エラストマーのシール部分17が封入容器壁部3の外面に着座するまで開口部2に挿入される。第2のステップで、本体11の挿入部分12が、係合部16の孔16aに完全に挿入され、挿入部分12のより大きな直径の部分12bが、シャンク18、特にシャンク18の近位端と相互作用するようにする。挿入部分12の部分12a、12bは先細りの段部12cによって接続されるので、挿入部分12は、係合部16の孔16a内に容易に摺動する。より大きな直径部12bが一定の直径を有するという事実により、係合部16のシャンク18、したがってシール部分17は、より大きな直径部12bが完全に挿入されるときに均一に拡張され、ここで、シャンク18の近位端の半径方向の拡張がスリット部18aによって可能になる。拡張したシール部分17は、したがって、異なる壁厚にもかかわらず一定の接触圧を壁部開口部2に加え、これによって、十分な半径方向のシールを生じる。さらに、挿入部分12は係合部16のシャンク18を外側に押すので、壁部3の開口部2に対するロック力は、壁部開口部の通気装置10を保持する半径方向の圧力増加によっても生じる。
【0053】
挿入部分12を係合部16に挿入すると、より小さな直径部12aの円周のリブ11aは、孔16a内にさらに前進させられ、シャンク18の遠位端を半径方向に拡張するようにさせ、このことは、スリット部16dによって可能になる。挿入部分12がその最終位置に達すると、すなわち、挿入部分が孔16aに完全に挿入されると、リブ11aは、溝16bに係合して前記締まりばめを引き起こす。特にシャンク18及びシール部分17が一体に形成される場合、このリブ・溝係合を強化するために、バーブ状の係合を可能にするように、リブ11a及び溝16bを形成することが可能である。このことは、例えば、リブ11a及び溝16bの実質的に三角形の断面によって達成し得る。リブ・溝係合は、本体11の頭部13によってシール部分17に対し軸方向の圧縮力を発生し、これにより、シール部分17のフレア形の端部部分17aの隆起部17bとのシールを形成することができる。さらに、この係合により、本体11と挿入部分12との係合及び係合解除に要求される力の増大が可能になり、次に、このことにより、封入容器の壁部3の開口部2に対するロック力の増大が可能になる。
【0054】
通気装置10のダウエル状の構造により、通気装置10の開口部への挿入中の噛み合い力は低く、すなわち、封入容器の壁部内に通気装置を装着するために必要な力は小さく、これに対し、ロック力は、通気装置10を開口部内に保持する程度に十分に高い。さらに、半径方向及び軸方向の十分なシールが設けられる。
【0055】
この構造では、単一の通気装置10を異なる厚さの封入容器の壁部に挿入することができる。頭部とリブ・溝の係合部との間の距離を適切に選択することによって、厚い圧縮可能なガスケットに頼ることなく、1〜4ミリメートルの壁厚を受け入れることができる。
【0056】
第2の実施形態によれば、図4〜図7に示したような通気装置20が提供される。通気装置20は、異なる物理的特性を有する2つのポリマー構成要素から製造される。2つの構成要素は、別個に射出成形し、その後に互いに接合してもよい。他の方法は、当該技術分野において公知の2構成要素射出成形技術を使用して第2の構成要素を第1の構成要素に直接成形することであるが、しかし、これはより高価であり、より長いサイクル時間を必要とする。
【0057】
通気装置20は、挿入部分22と頭部部分23とを有する本体21を有する。本体21は、封入容器の内部7と外部雰囲気6との間の流体連通用の通路24を有する。
【0058】
挿入部分22は、2つの部分、すなわち構造的なコア部27と、ここに図示した実施形態では4つの半径方向の係合部材28を備える弾性の係合部26とを備える。構造的なコア部27は、機械的安定性を通気装置20に付与する。係合部材28は柔軟であり、シール機能ならびに保持機能を有する。コア部27及び頭部部分23は、約1700MPaの弾性係数を有し得るポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、PBT(ポリブチレンテレフタレート)を含むがそれらに限定されない熱可塑性ポリマー又はコポリマーから製造可能である。係合部26は、コア部27の材料よりも低い弾性係数を有する材料から製造可能である。係合部26用の適切な材料は、50〜75、好ましくは60〜70のショアA硬度を有し得る熱可塑性エラストマー(TPE)材料又はゴムを含む。
【0059】
図6は、多孔質の空気透過性、水不透過性の材料25で覆われた通路24を示しており、この通路は、図3に示した通気装置10の多孔質材料15と同様のPTFE膜を備えてもよい。キャップ29は、多孔質材料25を覆いかつ保護するために設けることが可能である。
【0060】
図5、図6と図7に示したように、係合部材28は、係合部26から半径方向に突出する。係合部材は、約1mmのピッチで配置され、すなわち、係合部材の半径方向に自由な端部約1mm離間される。係合部材28は、任意の形状又は形態をとり、通気装置20と封入容器の壁部3の内側との間に液密シールを形成するために役立つことができる。係合部材28はまた、通気装置20を壁部開口部に固定することを補助する。図示した実施形態では、係合部材28は、実質的に三角形の断面形状を有し、互いの間に約45°の角度28aを形成する。係合部26の円周に対する角度28bは、135°になり得る。
【0061】
図7に示したように、この形状及び係合部材の柔軟性により、係合部材28は、通気装置20を壁部3の開口部に挿入する間に曲がる。係合部材は、開口部への挿入を容易にするのみでなく、開口部からの通気装置20の後退を難しくする。壁部3の厚さに応じて、少なくとも1つの係合部材28は、壁部を通過し、壁部3の内面と係合するバーブとして機能するように、当該係合部材の非変形状態に戻ることが可能である。これにより、開口部から通気装置20の後退に対する抵抗力が大きくなる。さらに、係合部材28の半径方向外側の端部に向かって当該係合部材を先細りにさせることにより、係合部材28が高い接触圧、したがって高いシール力を提供するように、係合部材28と壁部3の内側との間の小さな接触面が得られる。
【0062】
第3の実施形態では、本発明は、図8、図9と図10に示したような通気装置を備える。装置30は、挿入部分32と頭部部分33とを有する本体31を備える。挿入部分32は、壁部3の開口部に挿入するためにあり、封入容器に取り付けられた本体31を保持する半径方向のロック要素36a〜36dを組み込む。ロック要素36a〜36dは、異なる壁厚を受け入れるために頭部部分33から異なる距離に配置される。
【0063】
本体31は、約1700MPaの弾性係数を有し得るポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、PBT(ポリブチレンテレフタレート)を含むがそれらに限定されない熱可塑性ポリマー又はコポリマーから製造可能である。本体31は、当該技術分野において公知の射出成形技術を使用して形成することが可能である。
【0064】
図9と図10に示したように、半径方向のロック要素36a〜36dは、本体31の挿入部分32に設けられる。ロック要素36a〜36dは、挿入部分の長手方向軸線に対しほぼ平行に延びるように、挿入部分32から半径方向に鋭角に延びる。3つのロック要素36a〜36dは、本体31の頭部部分33から異なる距離に配置される。各々の距離に、ロック要素36a〜36dが設けられる。図10では、通気装置30は、挿入部分32の壁部開口部への挿入時に壁部3の後方にスナップ嵌合する第1の組のロック要素36aの係合いによって、例えば1mmのみの厚さの比較的薄い壁部3に取り付けられる。通気装置30がより厚い壁部を有する封入容器内にあった場合、ロック係合は、ロック要素の組の異なるロック要素によって行われるであろう。残りの組のロック要素は、それらが壁部開口部内で半径方向に圧縮されるか、あるいは壁部からある距離の封入容器内に延びるとき、ロック係合に寄与しない。
【0065】
したがって、単一の通気装置30を異なる厚さの封入容器の壁部に挿入することができる。頭部からロック要素への距離を適切に選択することによって、厚い圧縮可能なガスケットに頼ることなく、1〜4ミリメートルの壁厚を受け入れることができる。比較的薄いベローズタイプのガスケット37は、ロック要素36a〜36dの組の間の距離によって設定される間隔の中間にすべての可能な壁厚を受け入れる程度に十分である。ガスケット37は、壁部3の外面と通気装置30の頭部部分33との間の液密シール、及びロック要素36a〜36dが壁部3の後方にスナップ嵌合するときに当該ロック要素によって発生されるロック力に対する反対力の両方を提供する。ガスケット厚さ及び圧縮率特性を適切に選択することによって、1〜4ミリメートルの任意の壁厚を受け入れることができる。したがって、ガスケット37は、通常のOリングの代わりに外形ガスケットとして設けられる。
【0066】
図10に示したように、本体31は、封入容器の内部7と外部環境6との間の流体連通用の通路34を有する。通路34を含む通気装置30の頭部部分33は、空気透過性及び液体不透過性である多孔質材料35で覆われる。多孔質材料35は通気を可能にするが、水及び他の液体又は汚染物質の侵入を防止する。多孔質材料35は、図3に示した通気装置10に関し記載したようなPTFE膜でもよく、また上述のように、熱溶接又は超音波溶接を含む公知の技術を使用して、あるいは接着剤を使用して本体31に取り付けてもよい。多孔質材料35はまた、当該技術分野において公知のインサート成形技術を使用して通気装置30内に一体化してもよい。キャップ39は、多孔質材料35を覆いかつ保護するために、通気装置30の頭部部分33に設けることが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面と外面とを有する壁部(3)を備えた封入容器の開口部(2)に挿入するための通気装置であって、前記通気装置(10、20、30)が、
前記封入容器の前記開口部(2)に挿入するための挿入部分(12、22、32)と、頭部部分(13、23、33)とを有する本体(11、21、31)であって、前記挿入部分(12、22、32)と前記頭部部分(13、23、33)とを通って延びる、前記封入容器(7)から周囲環境(6)への流体の通過のための通路(14、24、34)を有する本体(11、21、31)と、
前記通路(14、24、34)を覆う空気透過性で水不透過性の通気要素(15、25、35)と、
前記封入容器の前記壁部(3)と係合するための前記挿入部分(12、22、32)の周囲に円周方向に配置され、前記通気装置(10、20、30)が前記開口部(2)に挿入されるときに、前記壁部(3)からの退出に対抗する抵抗力を与えるように半径方向に変形可能な係合部(16、26、36)であって、異なる壁厚を有する封入容器の開口部への前記通気装置(10、20、30)の挿入を可能にする係合部(16、26、36)と、
を備える通気装置。
【請求項2】
前記係合部(16)が、前記封入容器の開口部(2)に挿入するためのシャンク(18)と、シール部分(17)とを備え、
前記シール部分(17)と前記シャンク(18)とを通しって孔(16a)が延び、該孔は少なくとも1つの第1の溝(16b)及び少なくとも1つの第1のリブの少なくとも一方を有し、
前記挿入部分(12)は、前記係合部(16)の前記孔(16a)に挿入され、かつ前記通気装置(10)の前記係合部(16)と前記本体(11)との間に締まりばめを生じるために、前記係合部(16)の前記少なくとも1つの第1の溝(16b)又は前記少なくとも1つの第1のリブとそれぞれ係合する少なくとも1つのリブ(11a)及び少なくとも1つの溝の少なくとも一方を有する部分を備える、請求項1に記載の通気装置。
【請求項3】
前記係合部(16)が、第1のポリマーを含んでなる前記シャンク(18)と、第2のポリマーを含んでなる前記シール部分(17)との複合構造を有し、前記第1のポリマーが第1の弾性係数を有し、前記第2のポリマーが前記第1の弾性係数よりも低い第2の弾性係数を有する、請求項2に記載の通気装置。
【請求項4】
半径方向の弾性を提供するように、前記シャンク(18)の近位端の少なくとも一部(18a)に軸方向にスリットが設けられる、請求項3に記載の通気装置。
【請求項5】
前記シール部分(17)が、前記スリット部(18a)の領域の前記シャンク(18)を円周方向に取り囲むように前記シャンク(18)の上方に嵌合されている、請求項4に記載の通気装置。
【請求項6】
前記シール部分(17)が熱可塑性エラストマー材料又はゴムを含んでなり、前記シャンク(18)が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレートの群から選択される熱可塑性ポリマー又はコポリマーを含んでなる、請求項3〜5のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第1の溝(16b)又は前記少なくとも1つの第1のリブが、前記第1のポリマーを含んでなる前記シャンク(18)に配置される、請求項3〜6のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項8】
前記挿入部分(12)が前記孔(16a)に挿入されて前記抵抗力を生じるときに、前記シール部分(17)が半径方向に拡大する、請求項2〜7のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項9】
前記係合部(16)が、好ましくは前記シール部分(17)によって形成されたフレア形の端部部分(17a)を備える、請求項2〜8のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項10】
前記挿入部分(12)が段付きであり、前記孔(16a)の直径よりも小さな第1の直径(12a)と、前記第1の直径(12a)よりも前記頭部部分(13)の近くに配置され、かつ前記孔(16a)の前記直径よりも大きい第2の直径(12b)とを有する、請求項2〜9のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項11】
前記挿入部分(12)の前記第1の直径(12a)と前記第2の直径(12b)との間の段部(12c)が先細りになっている、請求項10に記載の通気装置。
【請求項12】
前記挿入部分(12)が前記孔(16a)に部分的にのみ挿入されるときに前記挿入部分(12)を前記孔(16a)内に保持するために、前記孔(16a)が、前記挿入部分(12)の前記少なくとも1つのリブ(11a)及び前記少なくとも1つの溝とそれぞれ係合するための少なくとも1つの第2の溝(16c)及び少なくとも1つの第2のリブの少なくとも一方を備える、請求項2〜11のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項13】
前記シール部分(17)及び前記頭部部分(13)の少なくとも一方、好ましくは前記シール部分(17)が、前記挿入部分(12)が前記孔(16a)に挿入されて前記締まりばめを生じるときに、前記シール部分(17)と前記頭部部分(13)との間に軸方向のシールを与えるように、前記頭部部分(13)及び前記シール部分(17)のそれぞれ他方に面する少なくとも1つの円周状の隆起部(17b)を備える、請求項2〜12のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項14】
前記係合部(16)、好ましくは前記係合部の前記少なくともシャンク(18)が、前記係合部(16)の遠位端から延びかつ前記孔(16a)の少なくとも1つの溝(16b)又はリブを遮断して、前記通気装置(10)の前記係合部(16)と前記本体(11)との間の前記締まりばめを促進するように前記係合部(16)に半径方向の弾性を与える、少なくとも1つのスリット(16d)を有する、請求項2〜13のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項15】
前記挿入部分(22)が構造的なコア部(27)と、前記係合部(26)とを有し、前記構造的なコア部(27)が、第1の弾性係数を有する第1の材料を含んでなり、前記係合部(26)が、前記第1の弾性係数よりも低い第2の弾性係数を有する第2の材料を含んでなり、前記係合部(26)が、前記挿入部分(22)の長さに沿って離間して配置され、かつ前記挿入部分(22)から半径方向に延びる複数の半径方向の係合部材(28)をさらに備える、請求項1に記載の通気装置。
【請求項16】
前記係合部材(28)の断面の幅が、半径方向内側の基部から半径方向外側の自由端に至るまで低減する、請求項15に記載の通気装置。
【請求項17】
前記係合部材(28)の各々が実質的に三角形の断面を有する、請求項16に記載の通気装置。
【請求項18】
前記頭部部分(23)に面する前記係合部材(28)の表面が、前記挿入部分(22)の長手方向軸線に対し実質的に直角である、請求項17に記載の通気装置。
【請求項19】
前記半径方向の係合部材(28)が、前記係合部(26)に鋸歯の形状を形成する、請求項15〜18のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項20】
前記係合部材(28)が柔軟性を有する、請求項15〜19のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項21】
前記係合部材(28)が、前記通気装置(20)が封入容器の開口部(2)に挿入されるときに半径方向のシールリップを提供するように、前記挿入部分(22)の円周に沿って前記挿入部分(22)から半径方向に延びる、請求項15〜20のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項22】
前記係合部(26)が、約1mmのピッチを有する係合部材(28)を3つ又は好ましくは4つ以上、好ましくは5つ備える、請求項15〜21のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項23】
前記係合部(26)及び前記係合部材(28)が熱可塑性エラストマー材料又はゴムを含んでなり、前記構造的コア(27)が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレートの群から選択される熱可塑性ポリマー又はコポリマーを含んでなる、請求項15〜22のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項24】
前記係合部(36)が、前記通気装置(30)の前記本体(31)の前記挿入部分(32)から半径方向に延びる2つ以上の半径方向ロック要素(36a、36b、36c、36d)であって、前記封入容器の壁部(3)の内面と係合する半径方向ロック要素(36a、36b、36c、36d)を備え、少なくとも2つの前記半径方向ロック要素(36a、36b、36c、36d)が、前記通気装置(30)の前記本体(31)の前記頭部部分(33)から異なる距離に位置決めされている、請求項1に記載の通気装置。
【請求項25】
前記半径方向ロック要素(36a、36b、36c、36d)が、屈曲アームとして形成される、請求項24に記載の通気装置。
【請求項26】
少なくとも2つ、好ましくは3つ以上の半径方向ロック要素(36a、36b、36c、36d)が、前記頭部部分(33)から同一の距離に位置決めされ、かつ前記挿入部分(32)の周囲に均一に配置される、請求項24又は25に記載の通気装置。
【請求項27】
前記頭部部分(33)が、前記頭部部分(33)を封入容器の壁部(3)の外面に対し軸方向にシールするための軸方向に変形可能なガスケット(37)を備える、請求項24〜26のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項28】
前記ガスケット(37)がベローズ状に形成される、請求項27に記載の通気装置。
【請求項29】
前記ガスケット(37)が、少なくとも1mmの高さの可変性を有する、請求項27又は28に記載の通気装置。
【請求項30】
前記本体(31)が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレートの群から選択される熱可塑性ポリマー又はコポリマーを含んでなる、請求項24〜29のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項31】
前記空気透過性で水不透過性の通気要素(15、25、35)が、多孔質膜、好ましくはPTFE膜を備える、請求項1〜30のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項32】
前記通気装置(10、20、30)が、少なくとも最大1mm、好ましくは最大3mmだけ異なる壁厚を有する封入容器に組み込まれる、請求項1〜31のいずれか1項に記載の通気装置。
【請求項33】
前記通気装置(10、20、30)が、1mmから少なくとも4mmの壁厚差を有する封入容器に組み込まれる、請求項1〜32のいずれか1項に記載の通気装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−513941(P2012−513941A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544046(P2011−544046)
【出願日】平成21年12月29日(2009.12.29)
【国際出願番号】PCT/EP2009/068006
【国際公開番号】WO2010/076326
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(391018178)ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエーツ,ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (40)
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【Fターム(参考)】