説明

通行人流動データ生成装置、コンテンツ配信制御装置、通行人流動データ生成方法及びコンテンツ配信制御方法

【課題】複数のデジタル・サイネージ間の連携を取りつつ広告効果を十分に引き出す。
【解決手段】通行人流動データ生成装置100は、通行人に対して適切な広告を表示装置300に表示するために必要な「流動情報」を広告配信制御装置200に提供する。広告配信制御装置200は、「流動情報」に基づいて「流動指標」算出し、「流動指標」を用いて表示装置300への広告配信を制御する。すなわち、通行人流動データ生成装置100による分析結果である「流動情報」に基づき広告配信制御装置200が表示装置300へより効果的な広告を配信することを可能とし、広告効果を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示技術は、通行人流動データ生成装置、コンテンツ配信制御装置、通行人流動データ生成方法及びコンテンツ配信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、デジタル・サイネージと呼ばれる情報通信技術を駆使してコンテンツを表示する広告媒体が知られている。デジタル・サイネージは、次のような機能を備える。カメラ映像に基づき顔認識技術を用い、デジタル・サイネージの前方を通行する通行人の性別、年齢層を判別する。この判別結果を時間帯毎に集計し、予め決められた広告のターゲットである通行人の性別、年齢層、広告配信スケジュールに応じてデジタル・サイネージに表示した広告の表示効果を測定する。また、測定結果に基づき、デジタル・サイネージの設置場所におけるターゲットである通行人の属性及び時間帯に応じて、より効果の期待できる広告表示を可能にする従来技術が知られている。
【0003】
また、次のような従来技術が知られている。すなわち、デジタル・サイネージ又はデジタル・サイネージと通信可能に接続された広告配信装置は、デジタル・サイネージの現在位置情報もしくは現在時刻を検知する。そして、現在位置情報もしくは現在時刻に応じて、現在位置情報もしくは現在時刻に応じて変化するように各広告に設定した表示優先度を登録しているデータベースを検索して広告を選択する。そして選択した広告に関し、設定された表示優先度に応じた表示効果を生じさせるコンテンツを生成し、デジタル・サイネージの表示画面に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−199382号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】日本電気株式会社プレスリリース、“国内初、顔認識技術用いて広告配信から効果分析まで1台で実現するオールインワン型デジタルサイネージボード「eye flavor」の発売”、[online]、平成20年12月16日、日本電気株式会社、[平成21年4月27日検索]、インターネット〈http://www.nec.co.jp/press/ja/0812/1601.html〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記従来技術のデジタル・サイネージは、該当デジタル・サイネージの近接領域を通行する通行人の情報のみに基づき、通行人の性別、年齢層、広告配信スケジュール、デジタル・サイネージの現在位置情報もしくは現在時刻に応じて該当デジタル・サイネージに表示する広告を切り換えて表示するに留まっていた。このため、該当デジタル・サイネージ単体における広告表示に関し、広告効果を最適化することは可能である。しかし、都市部のように商業施設や交通機関の乗降車場などの拠点が近接し、拠点間で通行人の流動が密集し、かつ、デジタル・サイネージがあらゆる拠点に設置されるような状況で、デジタル・サイネージ間の連携を取りつつ広告効果を十分に引き出すことができなかった。
【0007】
開示技術は、上記に鑑みてなされたものであって、複数のデジタル・サイネージ間の連携を取りつつ、広告効果を十分に引き出すことが可能な通行人流動データ生成装置、コンテンツ配信制御装置、通行人流動データ生成方法及びコンテンツ配信制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示技術の通行人流動データ生成装置、コンテンツ配信制御装置、通行人流動データ生成方法及びコンテンツ配信制御方法は、一つの態様において、表示装置に表示するコンテンツを配信するコンテンツ配信制御装置と通信可能に接続された通行人流動データ生成装置であって、所定の通行領域を通行する通行人及び該通行人の顔属性を撮像装置によって撮像された画像に基づき検出し、検出された通行人の流動パターンを取得し、流動パターンが取得された通行人の数を顔属性毎、かつ、流動パターン毎に計数し、計数された通行人の数と、通行人の移動方向とを含む流動情報を生成してコンテンツ配信制御装置へ送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
開示技術の通行人流動データ生成装置、コンテンツ配信制御装置、通行人流動データ生成方法及びコンテンツ配信制御方法の一つの態様によれば、広い空間に通行人の流動が密集し、かつ、通行人流動データ生成装置及びコンテンツの表示装置があらゆる拠点に設置されるような状況であっても、通行人流動データ生成装置及びコンテンツの表示装置間の連携を取りつつ、コンテンツ表示効果を十分に引き出してコンテンツを表示することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施例1に係る通行人流動データ生成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、流動モデル記憶テーブルの例を示す図である。
【図3】図3は、流動データの例を示す図である。
【図4】図4は、流動モデルの例を示す図である。
【図5】図5は、流動軌跡の流動モデルへの分類の概要を示す図である。
【図6】図6は、実施例1に係る通行人検出処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、流動軌跡分類処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、実施例2に係る広告配信制御システムの構成を示すブロック図である。
【図9】図9は、実施例2に係る広告配信制御装置の構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、流動情報テーブルの例を示す図である。
【図11】図11は、属性時間帯比率テーブルの例を示す図である。
【図12】図12は、流動距離テーブルの例を示す図である。
【図13】図13は、流動指標テーブルの例を示す図である。
【図14】図14は、物理距離テーブルの例を示す図である。
【図15】図15は、広告配信契約情報テーブルの例を示す図である。
【図16】図16は、広告データテーブルの例を示す図である。
【図17】図17は、流動情報受信時処理手順を示すフローチャートである。
【図18】図18は、広告配信スケジュール決定処理(1)手順を示すフローチャートである。
【図19】図19は、広告配信スケジュール決定処理(1)による広告配信スコアの算出結果を示す図である。
【図20】図20は、広告配信スケジュール(1)を示す図である。
【図21】図21は、広告配信スケジュール決定処理(2)手順を示すフローチャートである。
【図22】図22は、広告配信スケジュール決定処理(2)による広告配信スコアの算出結果を示す図である。
【図23】図23は、広告配信スケジュール(2)を示す図である。
【図24】図24は、顔認識カメラの設置例を示す図(その1)である。
【図25】図25は、顔認識カメラの設置例を示す図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、開示技術に係る通行人流動データ生成装置、コンテンツ配信制御装置、通行人流動データ生成方法及びコンテンツ配信制御方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施例では、ディスプレイやデジタル・サイネージ等の表示装置に表示されるコンテンツは、広告を例として説明する。また、コンテンツは、画像表示のみによるものとする。しかし、開示技術は、広告に限らず、情報を伝達するコンテンツであれば広く適用可能である。さらに、コンテンツは、画像表示に限らず、音声出力によるものであってもよい。なお、以下の実施例により開示技術が限定されるものではない。
【実施例1】
【0012】
[実施例1の概要]
以下、図1〜図7を参照して、開示技術に係る実施例1を説明する。実施例1は、次のような実施例である。すなわち、駅のコンコースなど公衆に解放され自由に通行可能な領域(以下、「人数カウント設定領域」と呼ぶ)を通行する通行人の性別、年齢層等の属性を取得して属性毎、通行時刻毎に通行人数を集計した結果である「流動データ」を生成する通行人流動データ生成装置に係る実施例である。
【0013】
なお、「人数カウント設定領域」を通行する通行人の性別、年齢層等の属性を取得する処理を「センシング」と呼ぶ。すなわち、実施例1に係る通行人流動データ生成装置は、センシングを行って「流動情報」を生成する装置である。
【0014】
後述するように、実施例1に係る通行人流動データ生成装置は、一箇所の拠点に設置された顔認識カメラ及び人数カウントカメラの画像に基づいて該当箇所のみにおける「センシング」を行い「流動データ」を生成する端末装置とする。しかし、これに限定されず、複数箇所の拠点に設置された顔認識カメラ及び人数カウントカメラの画像に基づいて該当複数箇所における「センシング」を行い「流動データ」を生成するサーバ装置であってもよい。なお、「拠点」とは、人数カウント設定領域、及び/又は、広告を表示する表示装置が設置される施設をいう。
【0015】
[実施例1に係る通行人流動データ生成装置の構成]
図1は、実施例1に係る通行人流動データ生成装置の構成を示すブロック図である。実施例1に係る通行人流動データ生成装置100は、セキュアな情報通信ネットワークで広告配信制御装置200と接続されている。通行人流動データ生成装置100は、後述の通行人の「流動データ」を生成して広告配信制御装置200へ送信する。広告配信制御装置200は、セキュアな情報通信ネットワークを介して広告を表示する表示装置300と接続されている。表示装置300は、例えばデジタル・サイネージであり、画像データに基づく画像を表示可能な液晶ディスプレイである。広告配信制御装置200は、通行人流動データ生成装置100からリアルタイムに受信した「流動データ」に基づき表示装置300に表示する広告の表示制御、例えば広告の表示順序、広告の表示時間等の制御を行う。
【0016】
なお、ここでいう「通行人」とは、所定の通行領域、例えば駅のコンコースや広場等の公衆に解放され自由に通行可能な領域を通行する一般人をいう。実施例を含む開示技術では、所定の通行領域を駅のコンコースとした例を示す。また、「通行人流動」とは、前述の通行人の性別毎、年齢層毎、時刻毎、流動方向毎の移動人数をいう。ここで「流動方向」とは、「通行人」が移動する方向をいい、具体的には「通行人」が現在位置する拠点から向かう拠点をいう。「拠点」とは、駅など公共交通機関の乗降場所、商業施設、事業施設等を含む概念である。通行人流動データ生成装置100は、「通行人流動」に基づく「流動データ」を生成し、広告配信制御装置200へ送信する装置である。
【0017】
図1に示すように、実施例1に係る通行人流動データ生成装置100は、通行人検出部101、顔属性検出部102、流動軌跡分類処理部103、流動モデル記憶部103a、通行人計数部104、流動データ生成部105、流動データ送信部106を含む。
【0018】
通行人検出部101には、所定のインターフェース(例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394等)を介して顔認識カメラ150aが接続される。また、流動軌跡分類処理部103には、所定のインターフェース(例えば、USB(Universal Serial Bus)等)を介して人数カウントカメラ150bが接続される。
【0019】
なお、図1では、一の通行人流動データ生成装置100に一組の顔認識カメラ150a及び一の人数カウントカメラ150bが接続されるものとして示しているが、これに限らず複数組の顔認識カメラ150a及び/又は複数の人数カウントカメラ150bが接続されるものとしてもよい。
【0020】
通行人流動データ生成装置100は、複数の拠点にそれぞれ配置される。各通行人流動データ生成装置100は、セキュアな情報通信ネットワークを介して広告配信制御装置200と接続される。広告配信制御装置200は、通行人流動データ生成装置100から受信した流動指標を用い、一又は複数の表示装置300に配信する広告の配信制御を行う。
【0021】
通行人検出部101は、一又は複数の拠点の人数カウント設定領域を通行中の通行人を撮像可能な位置に配置され、顔認識カメラ150aが撮像した動画像データに通行人の顔が含まれているか否かを検出する。検出方法は周知技術を用い、例えば動画像データのフレーム差分から検出された動体が人物の顔と認識される場合、動体を通行人の顔と判定し、通行人として検出する。
【0022】
顔属性検出部102は、通行人検出部101によって検出された通行人の顔から顔属性を取得する。顔属性の取得は、周知技術を用いる。顔属性とは、顔の特徴から判断可能な通行人の性別、年齢層等である。例えば顔の特徴を予め用意されている性別毎、年齢層毎の特徴のパターンと比較し、比較結果に基づき顔属性を取得する。年齢層とは、例えば10歳代、20歳代、・・・と、通行人の年代を区別する指標である。顔属性は、見かけに基づいて検出すればよく、通行人の実際の性別及び年齢層と必ずしも一致しなくてもよい。
【0023】
流動軌跡分類処理部103は、人数カウントカメラ150bが撮像した動画像データの中で通行人と判断される動体の移動軌跡(以下、「流動軌跡」と呼ぶ)をトラッキングする。そして、流動軌跡分類処理部103は、予め設定した任意の直線(以下、流動モデルと呼ぶ)に沿って歩行した人数や通行人がある地点に一定時間以上留まっていた数をカウントする。また、流動軌跡分類処理部103は、人数カウントカメラ150bが撮像した動画像データの中に予め固定的に設定した矩形領域を通過した人数(矩形領域の領域内に入った人数及び矩形領域から出た人数)をカウントする。
【0024】
なお、通行人毎の「流動軌跡」は、該当通行人が流動軌跡の追跡開始から終了までに移動した歩行軌跡である。歩行軌跡は、必ずしも直線を示さず通行人によって千差万別であるため、通行人毎に歩行軌跡を記憶することは困難である。そこで、予め始点及び終点で定まるベクトルのパターンを複数用意しておき、そこで、予め始点及び終点で定まるベクトルのパターンを複数用意しておき、流動軌跡分類処理部103は、最小二乗法等の回帰分析の手法を用いて歩行軌跡を何れかのベクトルのパターンに回帰させる。
【0025】
そして、流動軌跡分類処理部103は、人数カウントカメラ150bから定期的に取得された動画像データの輝度を加算平均し、これを背景画像とする。背景画像の更新は通常数百フレーム分行われ、それ以降の更新は、先入れ先出し法により、最も古いフレームを削除し、最新のフレームを付加して更新していく。この更新された背景画像に対して、あるフレームの画像が入力されたときに、その輝度差分を計算し、物体領域の候補を抽出する。
【0026】
そして、流動軌跡分類処理部103は、差分画像から二値判定処理及びラベリング処理を行って物体領域を抽出する。ラベリング処理の際、各差分画像にインデックスn(nは自然数)を付与する。ここまでの処理の中で、矩形領域の面積が一定値より小さい場合、該当矩形領域をノイズとみなして除外する。そして、流動軌跡分類処理部103は、抽出された各物体領域の重心を求める。フレーム毎に複数の物体領域を求め、この各物体領域の重心位置の変化が所定閾値以下であり、かつ、物体領域の色情報などの特徴量の変化が所定範囲内に収まっている場合、これらの物体はフレーム間で同一の物であると判断し、トラッキング継続を継続する。
【0027】
移動軌跡のトラッキング情報は、各トラッキング座標にタイムスタンプを付加して集計する。なお、短いフレーム間隔で多数の通行人をトラッキングすると、集計データ量が多くなり処理負荷増及び記憶資源圧迫を招く。これを回避するために、各フレームでトラッキングされた座標を全て使うのではなく、フレーム毎にトラッキング座標間の移動ベクトルを求め、フレーム間の移動ベクトルのなす角の変化が所定角度以上である座標のみをトラッキング座標とする。このようにすると、流動軌跡分類処理部103のトラッキング処理の負荷を低減することができる。
【0028】
そして、流動軌跡分類処理部103は、トラッキングした流動軌跡と、流動モデル記憶部103aに記憶されベクトルで示される流動モデルとを比較し、最小二乗法等の統計処理によって流動軌跡を回帰可能な流動モデルに分類する。
【0029】
なお、流動モデル記憶部103aに記憶される流動モデルは、図2に示す流動モデル記憶テーブルに格納される。流動モデルは、複雑な動きを示す通行人の流動軌跡をいくつかのパターンに置き換えて単純化するものである。図2に示すように、流動モデルは、通行人流動データ生成装置100が設置される拠点、及び、表示装置300が設置される拠点によって特定できるベクトルである。
【0030】
そして、流動モデルは、ベクトルであるため通行人の流動方向を示す。流動モデルが示す通行人の流動方向を「流動方向」と呼ぶ。「流動方向」は、表示装置300が設置される拠点を指し示し、該当拠点を対応付けて流動モデル記憶テーブルに記憶しておく。流動モデルは、通行人の流動が向かう拠点を示す流動方向指標である。
【0031】
例えば、図2に示す流動モデルは、図4に示すA駅のコンコースの人数カウント設定領域に設定されるベクトルが対応する。なお、人数カウント設定領域は、顔認識カメラ150aのカメラ視界に相当する。人数カウント設定領域には、流動モデルの始点である拠点としてのA駅、及び、終点である流動方向を示す「B施設方向」、「C施設方向」、「D施設方向」が設定されている。
【0032】
図2に示すように、例えば、「1」の流動モデルは、「A駅」を流動モデルの始点である拠点とし、「B施設方向」を流動モデルの「流動方向」としている。すなわち、流動モデル「1」に分類される流動軌跡を描いて人数カウント設定領域を通行する通行人は、A駅のコンコースを通り抜けて「B施設」に向かうと想定される。よって、人数カウント設定領域を流動モデル「1」に沿って通行する通行人が存在する場合、広告配信制御装置200は、該当通行人の顔属性に応じた広告を「A施設」に設置される表示装置300に配信する。
【0033】
また、流動軌跡を流動モデルに回帰することによって分類する処理は、次のように行う。すなわち、図5において、画像の中の任意の2点(流動モデル始点及び流動モデル終点)を結ぶ直線である流動モデルを予め用意しておく。またトラッキングした流動軌跡が流動モデルと近いと判断するための閾値Th1を予め設定しておく。流動軌跡における座標(図5中の×印)と、流動モデルとの距離を座標毎に求め、これらの平均距離が閾値Th1以下であった場合に該当流動モデルに沿って歩いたと判断する。流動モデルは複数種類が用意され、流動モデル終点と他の流動モデル始点を繋ぎ合わせれば、複雑な流動モデルの経路を設定することが可能となる。
【0034】
このようにすると、離れた拠点間の一方の拠点で「センシング」された通行人が向かう他の拠点を予測し、他の拠点において該当通行人に対してより広告効果を発揮する広告を提示することが可能になる。すなわち、広域に分散する拠点に設置される通行人流動データ生成装置100及び表示装置300との連携を取ることが可能になり、マクロな視点で通行人に対してより広告効果を発揮する広告を提示することが可能になる。
【0035】
また、流動軌跡分類処理部103は、流動軌跡が分類モデルに分類された通行人の歩行速度を検知する。検知処理は、各トラッキング座標及び時刻を(x,y,t)(nは差分画像のインデックス)とし、このデータから各トラッキング座標間の移動速度Vを次式に基づき求める。
【0036】
【数1】

【0037】
そして該当通行人のトラッキングが終了した時点で、その移動速度Vaveを以下のように求めておく。なお、次式に現れるΣは、全てのインデックスnにわたるVの和を示す。
【0038】
【数2】

【0039】
流動軌跡分類処理部103は、通行人の移動速度Vaveが所定閾値Th1以下であるか否かを判定する。そして、通行人計数部104は、流動軌跡分類処理部103によって移動速度Vaveが所定閾値Th1以下であるとされた通行人のみを計数する。
【0040】
一般的に、見下ろす位置から通行人を撮像する人数カウントカメラ150bは、顔認識カメラ150aで顔属性を認識することができる範囲より広範囲にわたって通行人をカウントできる。図4に示す通行人カウント設定領域内であれば、歩行の向きや顔の向きに係わらず、通行人カウント設定領域を通行するほとんどの通行人(通行人総数)をカウントすることができる。従って、(顔認識された通行人の数)/(通行人総数)を計算することによって、該当通行人カウント設定領域で広告を注視した通行人の割合を示す注視率を算出することができる。注視率の算出は、広告配信制御装置200の流動指標算出部205が行ってもよい。
【0041】
通行人計数部104は、顔属性検出部102によって検出された通行人の顔属性に基づく属性(性別及び年齢層)毎、かつ、流動軌跡分類処理部103によって分類された流動モデル(流動方向)毎、かつ、時刻毎に通行人の人数をカウントする。また、通行人計数部104は、顔属性の検出に関わらず、人数カウント設定領域を通行した通行人の総数(以下、「通行人総数」と呼ぶ)を時刻毎にカウントする。流動データ生成部105は、これらのカウントに基づき「流動データ」を生成する。流動データ送信部106は、取得の都度、「流動データ」を広告配信制御装置200へ送信する。
【0042】
なお、「流動情報」は、図3の流動データテーブルに示すように、通行人がセンシングされた拠点毎、流動モデルから推定される流動方向毎、性別毎、年齢層毎、時刻毎に通行人数が集計された結果である。また、時刻毎の通行人総数及び通行人平均移動速度が含まれる。流動データテーブルの各数値は、通行人計数部104によって集計された数値である。
【0043】
なお、通行人流動データ生成装置100が、一例として、通行人の流動データを蓄積記憶する流動データ記憶部と、流動データを流動モデル毎に集計する通行人流動情報生成部とを備え、広告配信制御装置200、特に、通行人流動情報生成部によって生成された流動情報に応じて表示装置300に出力させるコンテンツを選択して出力制御するコンテンツ選択出力制御部とを含んでもよい。この場合、通行人流動データ生成装置100が流動情報記憶部に蓄積記憶された流動情報に基づいて表示装置300へ広告を配信する。
【0044】
[通行人検出処理]
図6は、実施例1に係る通行人検出処理手順を示すフローチャートである。ステップS101では、通行人検出部101は、顔認識カメラ150aの撮像画像に基づき通行人が検出されたか否かを判定する。通行人が検出されたと判定する場合(ステップS101肯定)、ステップS102へ移り、通行人が検出されたと判定しない場合(ステップS101否定)、ステップS101を繰り返す。
【0045】
続いて、ステップS102では、顔属性検出部102は、顔認識カメラ150aによる撮像画像に基づき検出された通行人の顔属性を検出する。ここでは、顔属性は、性別及び年齢層であるとする。性別は、男女の別である。また、年齢層は、10歳代、20歳代、・・・と10歳刻みの年代を示す。
【0046】
続いて、ステップS103では、流動軌跡分類処理部103及び通行人計数部104は、流動軌跡分類処理を行う。流動軌跡分類処理は、人数カウントカメラ150bの撮像画像に基づき通行人の流動軌跡をトラッキングして何れかの流動モデルに当てはめる処理である。流動軌跡分類処理の詳細は、図7を参照して後述する。すなわち、流動軌跡分類処理部103は、図7に示す流動軌跡分類処理を実行する。
【0047】
続いて、ステップS104では、通行人計数部104は、全通行人の移動速度平均を算出する。すなわち、流動軌跡分類処理部103によって算出された全ての通行人の移動速度の平均を算出する。
【0048】
続いて、ステップS105では、流動データ生成部105は、流動データ生成処理を行う。流動データ生成処理は、「流動データ」を生成し、広告配信制御装置200へ送信する処理である。
【0049】
続いて、ステップS106では、通行人検出部101は、顔認識カメラ150aの撮像画像に基づき他の通行人を検出したか否かを判定する。他の通行人を検出したと判定する場合(ステップS106肯定)、ステップS102へ移り、他の通行人を検出したと判定しない場合(ステップS106否定)、通行人検出処理は終了する。
【0050】
[流動軌跡分類処理]
図7は、流動軌跡分類処理に係る流動軌跡分類処理手順を示すフローチャートである。流動軌跡分類処理では、顔認識カメラ150aの撮像画像に基づき顔属性が検出された通行人、及び、人数カウントカメラ150bの撮像画像に基づきカウントされる通行人総数のうち、移動速度が所定閾値以下である通行人のみをカウントする。これは、移動速度が所定閾値を超過するように早足で人数カウント設定領域を通過する通行人は、表示装置300に表示される広告を注視しないと考えられるため、顔属性が検出された通行人の人数から除外して「流動データ」の精度を向上させることができる場合があるためである。
【0051】
まず、ステップS111では、流動軌跡分類処理部103は、顔認識カメラ150a及び/又は人数カウントカメラ150bによって検出された通行人の流動軌跡のトラッキングを行う。続いて、ステップS112では、流動軌跡分類処理部103は、トラッキングした通行人の流動軌跡の座標データを取得する。
【0052】
続いて、ステップS113では、流動軌跡分類処理部103は、トラッキングした通行人の流動軌跡の座標データに対応する各時刻データを取得する。続いて、ステップS114では、流動軌跡分類処理部103は、顔認識カメラ150a及び/又は人数カウントカメラ150bによって検出された通行人の各流動モデルと流動軌跡の各座標との距離を計算する。
【0053】
続いて、ステップS115では、流動軌跡分類処理部103は、ステップS114で計算された距離は閾値Th1以下であるか否か、すなわち、通行人の流動軌跡は何れかの流動モデルに回帰させることが可能であるか否かを判定する。ステップS114で計算された距離は閾値Th1以下であると判定する場合(ステップS115肯定)、ステップS116へ移り、ステップS114で計算された距離は閾値Th1以下であると判定しない場合(ステップS115否定)、ステップS120へ移る。なお、Th1は正数であるが、例えばTh1<δ(δはある正数)を満たす閾値である。
【0054】
ステップS116では、流動軌跡分類処理部103は、上記(1)式及び(2)式に基づきトラッキングした通行人の移動速度を算出する。続いて、ステップS117では、流動軌跡分類処理部103は、ステップS116で算出された移動速度は閾値Th2以下であるか否かを判定する。ステップS116で算出された移動速度は閾値Th2以下であると判定する場合(ステップS117肯定)、ステップS118へ移り、ステップS116で算出された移動速度は閾値Th2以下であると判定しない場合(ステップS117否定)、ステップS120へ移る。なお、Th2は正数であるが、例えば4〜5[km/h]が好適である。
【0055】
ステップS118では、通行人計数部104は、該当流動モデルに分類された通行人の数をカウントアップする。続いて、ステップS119では、流動軌跡分類処理部103は、ステップS118でカウントアップした該当通行人の移動速度を所定の記憶領域に一時記憶する。続いて、ステップS120では、流動軌跡分類処理部103は、他にトラッキング可能な通行人が存在するか否かを判定する。他にトラッキング可能な通行人が存在すると判定する場合(ステップS120肯定)、ステップS111へ移り、他にトラッキング可能な通行人が存在すると判定されない場合(ステップS120否定)、流動軌跡分類処理は終了し、図6に示す通行人検出処理のステップS104へ復帰する。
【0056】
上述した実施例1によれば、通行人流動データ生成装置100は、広告配信制御装置200が各拠点に設置される表示装置300により効果的な広告を配信しうる制御の根拠となりうる流動情報を提供することができる。特に、複数の拠点に通行人流動データ生成装置100及び/又は表示装置300を設置して各拠点における流動情報を収集し広告配信制御装置200に提供することができるので、広域に配置される通行人流動データ生成装置100及び表示装置300を連携させて効果的な広告配信を行いうるようになる。
【実施例2】
【0057】
さて、実施例1では、通行人流動データ生成装置100について説明を行った。実施例2では、複数の通行人流動データ生成装置100及び表示装置300を複数の拠点にそれぞれ配置し、広告配信制御装置200を含むネットワーク・システムを構成した場合を例として示す。実施例2では、このネットワーク・システムをコンテンツ出力制御システムと呼ぶ。
【0058】
[広告出力制御システムの概要]
図8は、広告出力制御システムの一例の概要を示すブロック図である。同図に示すように、拠点として「A駅」、「B施設」、「C施設」、「D施設」が存在する例である。拠点は、交通機関の乗降施設、商業施設、事業施設など、通行人の流動が自由かつ頻繁な箇所を指す。
【0059】
図8の例では、「A駅」には通行人流動データ生成装置100a及び表示装置300aが配置されているとする。同様に、「B施設」には通行人流動データ生成装置100b及び表示装置300bが配置されているとする。また、同様に、「C施設」には通行人流動データ生成装置100cが配置されているとする。また、同様に、「D施設」には通行人流動データ生成装置100dが配置されているとする。なお、図8には例示がないが、拠点において表示装置300のみが設置されてもよい。
【0060】
広告配信制御装置200と、通行人流動データ生成装置100a〜通行人流動データ生成装置100d、及び、表示装置300a〜表示装置300bとは、それぞれセキュアな情報通信ネットワークNを介して接続されている。具体的には、各通行人流動データ生成装置100x(x=a〜d、以下同様)にて生成された流動情報は、広告配信制御装置200へと送信される。
【0061】
広告配信制御装置200は、各通行人流動データ生成装置100xから受信した流動情報を加工して各種指標を算出し、算出した各種指標に基づいて各表示装置300y(y=a〜b、以下同様)に対して広告効果をより高める広告を配信する。なお、表示装置300yに広告を配信する際に基づく各種指標は、該当表示装置300yに併設されている、もしくは、隣接する拠点に配置される通行人流動データ生成装置100xから送信された流動情報に基づき算出されたものである。
【0062】
なお、図8において隣接する拠点とは、「A駅」に対する「B施設」、「C施設」、及び、「D施設」である。
【0063】
[広告出力制御装置の構成]
図9は、実施例2に係る広告出力制御装置の構成を示すブロック図である。同図に示すように、実施例2に係る広告配信制御装置200は、流動データ受信部201、流動データ一時記憶部201a、流動情報生成部202、流動情報記憶部202a、属性時間帯比率算出部203、流動量算出部204、流動指標算出部205、広告配信スケジュール決定部206、広告配信スケジュール記憶部206b、広告配信制御部207、配信広告データ記憶部208を含む。
【0064】
流動データ受信部201は、通行人流動データ生成装置100xから流動データを受信し、流動データ一時記憶部201aに記憶させる。ここでの流動データとは、実施例1の図3に示した、計数された流動データ又は代替として用いる統計上の流動データである。
【0065】
なお、拠点が駅間の場合等、通行人流動データ生成装置100の通行人計数部104によって通行人の「流動データ」が取得できなかった場合、「流動情報」が生成できないので、「流動情報」に代えて、統計上の流動データ(以下、「統計流動情報」と呼ぶ)を用いてもよい。この場合、流動情報生成部202は、「統計流動情報」を参照する。なお、「統計流動情報」は、属性毎の情報ではなく、時間帯毎の合計値であることが多い。この場合、他の「流動情報」における属性毎の比率を用い、前述の合計値を按分することとしてもよい。
【0066】
流動情報生成部202は、流動データ一時記憶部201aに記憶される流動データを流動モデル(拠点及び流動方向)毎、属性毎、時間帯(例えば、1時間単位の時間帯等)毎にリアルタイムに集計して「流動情報」(図10参照)を生成する。また、「流動情報」は、例えば1日に1回、1週に1回等のサイクルによるバッチ処理によって生成されてもよい。流動情報生成部202は、生成した流動情報を流動情報記憶部202aに記憶させる。
【0067】
属性時間帯比率算出部203は、流動情報記憶部202aに記憶される流動情報から、性別及び年齢層の属性毎の各時間帯の通行人の人数を同じ属性毎の全ての時間帯の顔認識された通行人の合計で除算することによって、属性時間帯比率を算出する(図11参照)。すなわち、属性時間帯比率は、同一の属性内で、全時間帯の通行人数に対して各時間帯の通行人数が占める割合をいう。
【0068】
なお、属性時間帯比率算出部203によって算出された属性時間帯比率は、図11に示すようになる。図11に示す属性時間帯比率テーブルに格納される各数値は、図3に示す流動データを集計したものである。例えば、9:00〜10:00の時間帯に「A駅」から「B施設方向」へ向かう20歳台女性は「38」人であるが、この「38」人を全時間帯の「A駅」から「B施設方向」へ向かう20歳台女性の合計人数で除すると「0.12(12%)」という属性時間帯比率が求まる。
【0069】
上記の属性時間帯比率の時間帯毎の変化を見てゆくと、いずれの時間帯に該当拠点から該当他の拠点へ向かう該当属性の通行人が多いか否かを知ることができる。すなわち、該当拠点もしくは該当他の拠点に配置される表示装置300yに何れの属性層をターゲットとする広告を配信すると効果的であるかが分かる。以下、属性時間帯比率を「A」とおく。属性時間帯比率Aは、時間帯毎、属性毎に異なる数値である。
【0070】
流動量算出部204は、時間帯毎、属性毎に「流動量」を算出する。「流動量B」とは、流動の太さを示す指標である。「流動量B」は次式で定義される。
【0071】
【数3】

【0072】
ここで、「R」は、前述の属性毎、時間帯毎の「流動情報」である。「D」は、拠点間の物理距離である。「R」を「D」で除することによって、通行人流動データ生成装置100xと、表示装置300yとの物理距離が近いほど「流動量B」、すなわち「流動の太さ」が大きくなり、前述の物理距離が遠いほど「流動の太さ」が小さくなるということを示す。すなわち、物理距離が近ければ近いほど、例えば、通行人流動データ生成装置100xが配置される拠点から表示装置30が配置される拠点までの通行人の流動量が強調され、該当通行人に対して適切な広告を表示装置300yに表示する意義が高いことを示す。
【0073】
なお、拠点間の物理距離「D」は、図14の物理距離テーブルに示すとおりである。図14における「拠点」は、図3における「拠点」に対応する。図14における「流動方向」は、図3における「流動方向」に対応する。すなわち流動情報に含まれる「拠点」及び「流動方向」の情報に基づき、図14の物理距離テーブルを参照し、拠点間の物理距離「D」を取得する。
【0074】
流動指標算出部205は、次式に基づき流動指標Sを算出する。
【0075】
【数4】

【0076】
すなわち、「流動指標S」は、時間帯毎、属性毎の「属性時間帯比率A」、「流動指標B」及び「オプション係数C」の積で求まる。ある拠点で取得された流動情報を時間帯毎、属性毎に通行人数を計数し、同一の時間帯、属性の全体の通行人数に対する比率を求める。例えば、図11に示すように、女性20歳代の比率が高かった14:00〜15:00で、全時間帯の中での人数比率は0.16であるといった場合、この比率を流動指標S算出式(4)のAに代入する。該当拠点における流動情報が存在しない場合、Aは所定定数を代入する。所定定数は、1/24(「24」は1日の時間帯の数)≒0.04や1/13(「13」は人間が屋外で活動(すなわち、人数カンウント設定領域を通行する)すると想定される9:00〜20:00の間の時間帯の数)≒0.077を用いてもよい。
【0077】
「平均流動量R」は、先に説明した流動直線モデルにマッチした歩行者数とし、例えば1時間当たりにその地点を通過する歩行者数などを採用する。通行人流動データ生成装置100xが設置された時点で他の通行人流動データ生成装置100xもしくは表示装置300yが設置される拠点間の論理的なネットワークが構成される。「物理距離D」はこの論理ネットワークが構成された時点で設定される。また通行人流動データ生成装置100xもしくは表示装置300yは、異なる拠点に設置される。例えば、「A駅」と「B施設」に通行人流動データ生成装置100xもしくは表示装置300yが設置されている場合、それらの駅の平均乗車客数などの既定の値(駅センサスデータなど)が「平均流動量R」として採用される。
【0078】
気候などのオプション条件を「流動指標S」に設定するか否かは広告を提供するクライアントの意向による。設定を行う場合、気候条件(例えば第三者による天気予報提供)によって、晴れの場合は「オプション係数C=0.6」、曇りの場合は「オプション係数C=0.3」、雨の場合は係数「オプション係数C=0.1」などとする。これらのオプション係数Cの合計が1になるように各クライアントに割り振ってもよい。
【0079】
広告配信スケジュール決定部206は、広告配信の時間帯毎、属性毎、及び、各広告について計算された「流動指標S」に基づき、「流動指標S」の値が大きい順に広告配信を優先するように、該当時間帯のスケジュールを決定する。広告配信スケジュール決定部206が該当時間帯のスケジュールを決定する際、広告配信契約情報テーブル(図16参照)が参照される。広告配信契約情報テーブルには、ターゲット属性、配信エリア(中心からの半径[km])、配信期間、オプション条件の有無の情報を含む。
【0080】
広告配信スケジュール決定部206は、ターゲット属性、配信期間が「流動指標S」を算出した時間帯及び属性と一致する広告を選択して配信スケジュールを決定する。また、広告配信スケジュール決定部206は、配信エリア(中心からの半径[km])、配信期間、オプション条件の有無を考慮し、広告配信対象の表示装置300y、及び、配信期間及びオプション条件を設定する。
【0081】
なお、算出された「流動指標S」に応じて、時間帯毎の広告配信スケジュール決定は2通りの方法がある。一つ目の方法は、広告の1回の配信時間を固定とし、配信の頻度を「流動指標S」に応じて変える方法である。各広告IDに対して算出された「流動指標S」の逆数を求め、これを次に表示するまでの時間的指標の初期値「T」とする。すなわち、式「Tn=T×n」によって広告ID毎にnを1からインクリメントしながらTnを計算する。
【0082】
例えば、広告ID001の「流動指標S」が0.98、広告ID002の「流動指標S」が0.87、広告ID003の「流動指標S」が0.74、「T」が0.74とすると、初期値「T」はそれぞれ1.02、1.15、1.35となり、Tnの値は,図19のようになる。各広告の1回の配信時間は30秒で固定であるので、配信の累計時間が配信時間上限Th3を超えるまで(例えば配信時間帯が1時間であれば累計時間が3600秒になるまでTnを求め、このTnの小さい順番にコンテンツの表示の順番を決定する(図19及び20参照)。このスケジューリングは次に表示を行うコンテンツを決定するものであるため、静止画の広告にも動画の広告にも適用が可能である。
【0083】
配信スケジュール決定の二つ目の方法は、ある広告の1回の配信時間を「流動指標S」に応じて変更する方法である。予め1回の表示の標準時間を例えば30秒と決めておき、表示の繰り返しの順番は「流動指標S」が高い順に決定しておく。個々の実際の表示時間はこの標準時間に「流動指標S」を掛けたものとする(図23及び図24参照)。ただし、1回の表示時間が低い「流動指標S」によって短くなりすぎては広告表示として意味をなさないので、表示の下限値を例えば15秒となるようにしておく。このスケジューリングは「流動指標S」によって配信時間が変わるので、静止画の広告のスケジューリングに向いている。
【0084】
上記のようにして広告配信スケジュールを決定した広告配信スケジュール決定部206は、決定した広告配信スケジュール(図20又は図23参照)を所定の記憶領域に格納する。そして、広告配信制御部207は、広告配信スケジュールに従い、配信広告データ記憶部208に格納される該当の広告のデータ(図16参照)を読み出して、配信対象の表示装置300yへと広告を配信する。
【0085】
[流動情報受信時処理]
次に、図17を参照して流動情報受信時処理について説明する。流動情報受信時処理は、広告配信制御装置200が各通行人流動データ生成装置100xから流動情報を受信した際に実行する処理である。先ず、ステップS201では、流動データ受信部201は、通行人流動データ生成装置100xから流動情報を受信したか否かを判定する。流動情報を受信したと判定する場合(ステップS201肯定)、ステップS202へ移り、流動情報を受信したと判定しない場合(ステップS201否定)、ステップS201を繰り返す。
【0086】
ステップS202では、属性時間帯比率算出部203は、ステップS201で受信した流動情報に基づき「属性時間帯比率A」を算出する。続いて、ステップS203では、流動量算出部204は、ステップS201で受信した流動情報、及び、ノ図14の物理距離テーブルを参照して「流動距離B」を算出する。「流動距離B」の算出結果は、図12に示す通りである。
【0087】
続いて、ステップS204では、流動指標算出部205及び広告配信スケジュール決定部206は、広告配信スケジュール決定処理を実行する。なお、広告配信スケジュール決定処理の態様には、図18の「広告配信スケジュール決定処理(1)」と、図21の「広告配信スケジュール決定処理(2)」とがある。これらは、上述した様に、二種類の方法にそれぞれ対応する広告配信スケジュール決定処理である。ステップS204で実行する広告配信スケジュール決定処理はいずれでもよい。
【0088】
続いて、ステップS205では、広告配信制御部207は、ステップS204で決定された広告配信スケジュールに従い、選択された広告を好適な表示装置300yに表示するように対象表示装置300yに広告データを配信する。
【0089】
[広告配信スケジュール決定処理(1)]
次に、図18を参照して、広告配信スケジュール決定処理(1)について説明する。先ず、ステップS211では、流動指標算出部205は、「流動指標(スコア)S」を上記(4)式に基づき算出する。「流動指標(スコア)S」の算出結果は、図13に示す通りである。
【0090】
続いて、ステップS212では、広告配信スケジュール決定部206は、「T=1/S」を算出する。続いて、ステップS213では、広告配信スケジュール決定部206は、インデックスnに1を代入して初期化する。続いて、ステップS214では、広告配信スケジュール決定部206は、「T×n」を算出する。
【0091】
続いて、ステップS215では、広告配信スケジュール決定部206は、広告配信対象の表示装置300yに配信をスケジューリングした広告の累積表示時間は前述の「Th3」以下、又は、「n<Th4」の何れかの条件が満たされたか否かを判定する。ここで、「Th4」は、累積広告表示サイクル数の閾値である。累積広告表示サイクル数とは、例えば広告A、広告B、広告Cをこの順序で周期的に配信する場合の周期の数である。前述の何れかの条件が満たされたと判定する場合(ステップS215肯定)、ステップS216へ移り、前述の何れかの条件が満たされたと判定しない場合(ステップS215否定)、ステップS217へ移る。
【0092】
ステップS216では、広告配信スケジュール決定部206は、nをインクリメントする。この処理が終了すると、ステップS214へ移る。一方、ステップS217では、広告配信スケジュール決定部206は、「T×n」の昇順で広告を対象となる表示装置300yに配信するスケジュールを生成する。
【0093】
なお、ステップS211〜ステップS214の計算結果は、図19に示す通りである。図20によれば、広告IDが「001」、「002」、「003」の三つの広告が対象表示装置300yへ配信される場合、「T×n」が広告を配信する優先順序を決定付ける重み付け係数となる。広告は、「T×n」の値が小さいものから順に配信される。したがって、「T×n」は、n=1、2、・・・とnがインクリメントされるにしたがって広告IDが「001」、「002」、「003」の広告が必ずしもこの順序を維持して配信されるとは限らない。実際、図20を参照すると、表示順序が10番目の広告は「001」、表示順序が11番目の広告は「002」であるが、表示順序が13番目の広告は「003」ではなく「001」である。
【0094】
[広告配信スケジュール決定処理(2)]
次に、図21を参照して、広告配信スケジュール決定処理(2)について説明する。先ず、ステップS211では、流動指標算出部205は、「流動指標(スコア)S」を上記(4)式に基づき算出する。「流動指標(スコア)S」の算出結果は、図13に示す通りである。
【0095】
続いて、ステップS214aでは、広告配信スケジュール決定部206は、「流動指標(スコア)S」×「標準表示時間」を算出する。ここで、「標準表示時間」は、図15に示す広告配信契約情報テーブルの「表示時間」に相当する契約上の広告表示時間である。続いて、ステップS217aでは、広告配信スケジュール決定部206は、配信対象の各広告を「流動指標(スコア)S」×「標準表示時間」の時間にわたり周期的に切り換えて表示するスケジュールを生成する。
【0096】
なお、ステップS211及びステップS214aの計算結果は、図22に示す通りである。図22によれば、広告IDが「001」、「002」、「003」の三つの広告が対象表示装置300yへ配信される場合、広告IDが「001」、「002」、「003」の広告がこの順序を維持して配信される。「流動指標(スコア)S」が広告を配信する時間を決定付ける重み付け係数となり、この「流動指標(スコア)S」と、契約上の表示時間とに基づいて各広告の表示時間が決定される。この決定結果は、図23に示す通りである。
【0097】
上述してきたように、本実施例2では、「流動指標(スコア)S」に基づいて算出される各種指標に基づき広告の表示順序や表示時間を制御するので、広告の効果をより引き出すことが可能になる。また、広告の効果を広告表示契約情報にフィードバックすることによって、顧客がより効率的に広告を出稿することを可能にする。
【0098】
[顔認識カメラについて]
図24は、顔認識カメラ150aの設置例を示す図であり、設置状況を上方から見た図である。顔認識カメラ150aは、表示装置300の上部、約2〜2.5m高に筐体fに収蔵されて複数設置される(図中の顔認識カメラ150a1〜顔認識カメラ150a4)。顔認識カメラ150aの画角は広範囲の顔を捉えられるように、水平より斜め下を向けてある。
【0099】
複数のカメラを用いるのは、広い撮像エリアをカバーし、それぞれ異なるエリアの顔を認識する為である。各顔認識カメラ150aは水平方向に異なる角度を向いており、それぞれ隣接するエリアの人の顔を捉える向きを向いている(図25参照)。システムの設置現場にて顔認識カメラ150aの向きを微調整できるように、カメラは水平方向、垂直方向が変えられる雲台又は回転台に取り付けてある。
【0100】
顔認識カメラ150a及びそのレンズは、通行人が外側から見ることが出来ないようにするため、筐体前面ガラスgにグレー色の透過型のフィルムを貼り付けてある。また、このガラスの内側にレンズの穴径h1〜穴径h4より大きい丸穴を有する黒色のアクリル板aを設置し、ガラスとレンズの間に小さな暗室空間drを形成してある。これにより外部からの光の反射や入光を低減し、カメラ及びレンズを外部から視認することが出来ないようにしてあるので、従来のカメラのように通行人に心理的な圧迫を与えることを抑制することができる。
【0101】
顔認識は、顔認識カメラ150aと接続されたコンピュータに実装される認識ソフトウェアが処理を行うもので、入力画像から顔を検出し、検出された顔矩形領域からその人の性別と年代を推定するものである。
【0102】
[人数カウントカメラについて]
通行人の人数をカウントするための人数カウントカメラ150bは、表示装置300の筐体の上方、約5mの高さに設置される。撮像方向は、床面の方を向きほぼ真下方向である。人数カウントカメラも画角とズームを変化させることが可能であり、広角モードと魚眼モードが変更可能である。広角モードの画角の場合は約120°、魚眼モードの画角の場合は、約180°の画角となる。
【0103】
[実施例の効果]
実施例のシステム端末は大きく分けて次の三つのタイプがある。(1)センシングのみを行うもの。(2)センシングと広告表示を行うもの。(3)広告表示(ディスプレイ)のみを行うもの。なお、センシングとは、顔認識及び人数カウントのことである。何れの端末もネットワークに接続されており、集計サーバとセキュア通信が行われる。このうち広告注視率効果を測定するシステムは(2)のみである。(1)のセンシングのみの端末は比較的小型で、駅だけではなく、店舗や屋外に設置されることを想定している。店舗の場合に設置される状況としては来店客が通る出入口が多い。従来の広告注目率評価システムは(2)の端末が、ある1ヵ所に設置され、その場所でどのような広告を表示するかを判断するためにセンシングがなされるのが基本であった。
【0104】
開示技術のシステムは(1)〜(3)の端末が広い範囲、地域に渡って複数設置されている。例えば、センシングのみを行う端末が、チェーン展開する複数の店舗に設置され、そこを通行する来店客などの属性情報が常時取得され、サーバ(広告配信制御装置200)に蓄積される。これにより、ある店舗はある時間帯にある属性の来店が多いといった統計情報を把握することが可能となる。
【0105】
一方、別の場所、例えば駅構内に(2)又は(3)の端末が設置されているとすると、先に店舗で取得された属性の統計情報をもとに、この店舗の広告コンテンツをここで配信する。例えば、女性の20歳代が店舗に最も来店する時間帯を考慮し、駅でこのターゲットへ向けた化粧品の広告を表示する等である。配信のタイミングは取得した属性の統計情報から判断して、1日後の時間帯としても1週間後の時間帯としてもよい。
【0106】
上記実施例中で各機能部によって参照される各テーブルは、所定の記憶領域に格納される。例えば、参照元の機能部内に設けられる所定の記憶領域であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0107】
以上のように、本願の開示する通行人流動データ生成装置、コンテンツ配信制御装置、通行人流動データ生成方法及びコンテンツ配信制御方法は、広い空間に通行人の流動が密集し、かつ、デジタル・サイネージがあらゆる拠点に設置されるような状況であっても、デジタル・サイネージ間の連携を取りつつ広告効果を十分に引き出したい場合に有用である。
【符号の説明】
【0108】
100、100a、100b、100c、100x 通行人流動データ生成装置
101 通行人検出部
102 顔属性検出部
103 流動軌跡分類処理部
103a 流動モデル記憶部
104 通行人計数部
105 流動データ生成部
106 流動データ送信部
150a、150a1、150a2、150a3、150a4 顔認識カメラ
150b 人数カウントカメラ
200 広告配信制御装置
201 流動データ信部
201a 流動データ一時記憶部
202 流動情報生成部
203 属性時間帯比率算出部
204 流動量算出部
205 流動指標算出部
206 広告配信スケジュール決定部
207 広告配信制御部
206b 広告配信スケジュール記憶部
208 配信広告データ記憶部
300、300a、300b、300y 表示装置
a アクリル板
dr 暗室空間
f 筐体
g 筐体前面ガラス
h1、h2、h3、h4 穴径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置に表示するコンテンツを配信するコンテンツ配信制御装置と通信可能に接続された通行人流動データ生成装置であって、
通行人が視認可能な位置に設置された表示装置に出力されるコンテンツが視認可能な通行領域を通行する前記通行人の流動をパターン化した流動モデルを記憶する流動モデル記憶部と、
撮像装置によって撮像された前記通行人を検出する通行人検出部と、
前記通行人検出部によって検出された前記通行人の流動軌跡を取得して前記流動モデル記憶部に記憶される何れかの流動モデルに前記流動軌跡を分類する流動軌跡分類処理部と、
前記流動軌跡分類処理部によって前記何れかの流動モデルに分類された前記流動軌跡毎に前記通行人の数を計数する通行人計数部と、
前記通行人計数部によって計数された前記通行人の数と、前記通行人の移動方向と、時刻情報とを含む流動データを生成して前記コンテンツ配信制御装置へ送信する流動情報生成部と
を備えたことを特徴とする通行人流動データ生成装置。
【請求項2】
前記表示装置及び前記通行領域は、異なる拠点に設置され、
前記流動情報生成部は、流動データの生成の際、前記通行人計数部によって前記流動モデル毎の前記通行人の数が計数できない場合、所定の統計処理によって算出された流動データを用いることを特徴とする請求項1記載の通行人流動データ生成装置。
【請求項3】
前記流動モデルは、前記通行人の流動が向かう前記拠点を示す流動方向指標であることを特徴とする請求項2記載の通行人流動データ生成装置。
【請求項4】
前記流動軌跡分類処理部は、前記通行人検出部によって検出された通行人の移動速度を検知し、検知した移動速度が所定閾値以下であるか否かを判定し、
前記通行人計数部は、前記流動軌跡分類処理部によって移動速度が所定閾値以下であると判定された前記通行人の数を計数することを特徴とする請求項1、2又は3記載の通行人流動データ生成装置。
【請求項5】
前記通行人検出部によって検出された通行人の顔属性を検出する顔属性検出部を備え、
前記通行人計数部は、前記流動軌跡分類処理部によって前記何れかの流動モデルに分類された前記流動軌跡毎、かつ、前記顔属性検出部によって検出された前記通行人の顔属性毎、かつ、前記顔属性検出部によって前記顔属性が検出された時刻毎に前記通行人の数を計数することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の通行人流動データ生成装置。
【請求項6】
前記流動データを蓄積記憶する流動データ蓄積部と、
前記流動データ蓄積部に蓄積された流動データを前記流動モデル毎、前記顔属性毎、前記時刻に基づく時間帯毎に集計して流動情報を生成する流動情報生成部と
前記流動情報生成部によって生成された流動情報に基づいて前記表示装置に出力させる前記コンテンツを選択して出力制御するコンテンツ選択出力制御部と
を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の通行人流動データ生成装置。
【請求項7】
前記撮像装置は、顔属性を取得するための画像を撮像する顔認識カメラを含み、
前記顔認識カメラが収蔵される筐体は、
前面ガラスにはグレー色の透過型のフィルムが貼付され、
前記ガラスの内側に、前記顔認識カメラのレンズの直形より大きい直径の孔を有する黒色のアクリル板が設置され、前記前面ガラスと前記顔認識カメラのレンズとの間に暗室空間を形成してなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の通行人流動データ生成装置。
【請求項8】
所定領域を通行する通行人の流動に関する情報を収集する複数の通行人流動データ生成装置と通信可能に接続されたコンテンツ配信制御装置であって、
通行人が視認可能な位置に設置された表示装置に出力されるコンテンツが視認可能な通行領域を通行する前記通行人の流動をパターン化した流動モデル毎の前記通行人の数及び前記通行人の移動方向と、前記通行人の属性と、前記通行人が検出された時刻情報とを含む流動データを蓄積記憶する流動データ記憶部と、
前記流動データ記憶部に記憶される流動データを流動モデル毎、前記通行人の属性毎、前記通行人が検出された時刻情報毎に集計して流動情報を生成する流動情報生成部と、
前記流動情報生成部によって生成された流動情報を記憶する流動情報記憶部と、
前記流動情報記憶部に記憶される流動情報に含まれる前記通行人の属性毎の前記通行人の数の時間帯毎の比率である属性時間帯比率を算出する属性時間帯比率算出部と、
前記流動情報記憶部に記憶される流動情報に含まれる前記通行人の属性毎の前記通行人の時間帯毎の数に重み付けした流動量を算出する流動量算出部と、
前記属性時間帯比率算出部によって算出された属性時間帯比率、及び、前記流動量算出部によって算出された流動量に基づいて該当流動の特徴を示す流動指標を算出する流動指標算出部と、
前記流動指標算出部によって算出された流動指標に基づいて前記表示装置に出力させるコンテンツを選択し、選択したコンテンツの配信スケジュールを決定するコンテンツ配信スケジュール決定部と、
前記コンテンツ配信スケジュール決定部によって決定された配信スケジュールに応じて該当コンテンツを表示装置へ配信制御するコンテンツ配信制御部と
を備えたことを特徴とするコンテンツ配信制御装置。
【請求項9】
隣接する拠点間の物理距離を記憶する物理距離記憶部を備え、
前記流動量算出部は、前記流動情報記憶部に記憶される流動情報に含まれる前記通行人の属性毎の前記通行人の時間帯毎の数を該当拠点間の物理距離で除して前記流動量を算出することを特徴とする請求項8記載のコンテンツ配信制御装置。
【請求項10】
前記コンテンツ配信スケジュール決定部は、コンテンツの配信に係る契約情報に合致するコンテンツを選択し、選択したコンテンツの配信スケジュールを決定することを特徴とする請求項8又は9記載のコンテンツ配信制御装置。
【請求項11】
表示装置に表示するコンテンツを配信するコンテンツ配信制御装置と通信可能に接続された通行人流動データ生成装置が行う通行人流動データ生成方法であって、
撮像装置によって撮像された前記通行人を検出する通行人検出ステップと、
前記通行人検出ステップによって検出された前記通行人の流動軌跡を取得し、通行人が視認可能な位置に設置された表示装置に出力されるコンテンツが視認可能な通行領域を通行する前記通行人の流動をパターン化した流動モデルを記憶する流動モデル記憶部に記憶される何れかの流動モデルに前記流動軌跡を分類する流動軌跡分類処理ステップと、
前記流動軌跡分類処理ステップによって前記何れかの流動モデルに分類された前記流動軌跡毎に前記通行人の数を計数する通行人計数ステップと、
前記通行人計数ステップによって計数された前記通行人の数と、前記通行人の移動方向と、時刻情報とを含む流動データを生成して前記コンテンツ配信制御装置へ送信する流動情報生成ステップと
を含むことを特徴とする通行人流動データ生成方法。
【請求項12】
所定領域を通行する通行人の流動に関する情報を収集する通行人流動データ生成装置と通信可能に接続されたコンテンツ配信制御装置が行うコンテンツ配信制御方法であって、
通行人が視認可能な位置に設置された表示装置に出力されるコンテンツが視認可能な通行領域を通行する前記通行人の流動をパターン化した流動モデル毎の前記通行人の数及び前記通行人の移動方向と、前記通行人の属性と、前記通行人が検出された時刻情報とを含む流動データを流動データ記憶部に蓄積記憶させる流動データ記憶ステップと、
前記流動データ記憶部に記憶される流動データを流動モデル毎、前記通行人の属性毎、前記通行人が検出された時刻情報毎に集計して流動情報を生成する流動情報生成ステップと、
前記流動情報生成ステップによって生成された流動情報を流動情報記憶部に記憶させる流動情報記憶ステップと、
前記流動情報記憶部に記憶される流動情報に含まれる前記通行人の属性毎の前記通行人の数の時間帯毎の比率である属性時間帯比率を算出する属性時間帯比率算出ステップと、
前記流動情報記憶部に記憶される流動情報に含まれる前記通行人の属性毎の前記通行人の時間帯毎の数に重み付けした流動量を算出する流動量算出ステップと、
前記属性時間帯比率算出ステップによって算出された属性時間帯比率、及び、前記流動量算出ステップによって算出された流動量に基づいて該当流動の特徴を示す流動指標を算出する流動指標算出ステップと、
前記流動指標算出ステップによって算出された流動指標に基づいて前記表示装置に出力させるコンテンツを選択し、選択したコンテンツの配信スケジュールを決定するコンテンツ配信スケジュール決定ステップと、
前記コンテンツ配信スケジュール決定ステップによって決定された配信スケジュールに応じて該当コンテンツを表示装置へ配信制御するコンテンツ配信制御ステップと
を含むことを特徴とするコンテンツ配信制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2011−8571(P2011−8571A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151901(P2009−151901)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(502327632)株式会社春光社 (5)
【Fターム(参考)】