説明

通話部が着脱可能な携帯電話機

【課題】通話しながら、撮影部で撮影した画像を相手に送信でき、また相手からの画像を自分の表示部に表示し、これを見ながら通話できる携帯電話機を提供すること。
【解決手段】全体を制御する制御部,各種(電話,受信,メール,表示,撮影等)の操作部22,表示部24,アンテナ25を含む外部との送受信部,撮影部26,電源(電池)(4)等を備えた本体21と、マイク32,スピーカ33,電源(電池)(9)等を備え、本体21に着脱自在に装着した通話部31とから成り、電話機能と表示機能とを備えた携帯電話機20であって、通話部31が本体21から取り外された状態で相互に情報信号の授受を行なうためのアンテナ(27,28,34,35)を含む無線送受信手段を本体21と通話部31に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通話部が着脱可能な携帯電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機は、制御部、操作部、マイク、スピーカ等を備えた携帯電話機本体による電話機能と共に、表示部により画像を表示する表示機能を備え、さらに最近は撮影機能を備えたものも普及している。
ところで最近の携帯電話機はますます小型化されており、そのため操作部による操作性が悪くなっている。
そこで操作部を携帯電話機に着脱自在に設けておき、操作の際にこの操作部を取り外して操作できるようにして、操作性を向上するようにした携帯電話機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−36619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように前記特許文献1は操作部を取り外し得るようにして、携帯電話機の操作性の問題を解決したものである。
ところで上記のように最近は撮影機能を備えた携帯電話機が普及してきているが、構造上撮影部は携帯電話機に固定されており、通話しながら相手にいろいろな撮影をして送信することはできない。また表示部が携帯電話機に固定されているので、通話しながら相手から送信されてくる画像を見ることもできない。
【0005】
このため、通話しながら表示部に相手の顔、相手がいる周囲の環境、風景を表示し、また自分の携帯電話機のカメラで、自分の顔、自分がいる周囲の環境、風景を撮影し、相手の携帯電話機に送信して、相互に相手からの画像を見ながら通話することはできない。
【0006】
本発明は、上記のような点に鑑み、携帯電話機で通話しながら撮影部で撮影した画像を相手に送信でき、また相手からの画像を自分の表示部に表示し、これを見ながら通話できる携帯電話機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の通話部が着脱可能な携帯電話機は、制御部1,2,3,各種(電話,受信,メール,表示,撮影等)の操作部22,表示部24,アンテナ25を含む外部との送受信部,撮影部26,電源(電池)4等を備えた本体21と、マイク32,スピーカ33,電源(電池)9等を備え、本体21に着脱自在に装着した通話部31とから成り、電話機能と表示機能と撮影機能とを備えた携帯電話機20であって、通話部31が本体21から取り外された状態で相互に情報信号の授受を行なうためのアンテナ(27,28,34,35)を含む無線送受信手段(5,6,7,8)を本体21と通話部31に設けたことを特徴とする。
【0008】
また本発明の通話部が着脱可能な携帯電話機は、制御部1,2,3,各種(電話,受信,メール,表示,撮影等)の操作部22,電源(電池)4等を備えた本体21と、表示部24,撮影部26,アンテナ25を含む外部との送受信部等を備え、連結部29により本体21の内側に折り畳み可能な蓋体23と、マイク32,スピーカ33,電源(電池)9等を備え、取付連結部36により内側に折り畳み可能であり、且つ本体・蓋体に着脱自在に設けた通話部31とから成り、電話機能と表示機能と撮影機能とを備えた携帯電話機20であって、通話部31が本体・蓋体から取り外された状態で相互に情報信号の授受を行なうためのアンテナ(27,28,34,35)を含む無線送受信手段(5,6,7,8)を本体・蓋体側と通話部に設けたことを特徴とする。
【0009】
また上記の各携帯電話機において、さらに撮影・送信のための図示しない操作部,アンテナを含む図示しない送信部等を備え、本体21又は蓋体23に着脱自在に装着された第2の撮影部26−2を備えたことを特徴とする。
【0010】
さらに上記の各携帯電話機において、通話部31が本体21に取り付けられている状態では、通話部31と本体21とは、通話部と本体との間で相互に情報信号の授受及び本体の電池からの電源の受電を行なうための電気的接続手段(30,36)又は(37,38)を介して接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、携帯電話機本体に通話部を着脱自在に装着し、通話時に必要に応じて通話部を取り外して使用できるようにしたことにより、表示部に相手の顔、相手がいる周囲の環境、風景等の画像を表示し、また自分の携帯電話機の撮影部で、自分の顔、自分がいる周囲の環境、風景等を撮影し、その画像を相手の携帯電話機に送信して、相互に相手からの画像を見ながら取り外した通話部により通話することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は通話部が着脱可能な携帯電話機の内部構成のブロック図である。
携帯電話機は本体21と本体21と無線通信(5,6,27,28、7,8,34,35)で接続される通話部(ヘッドセット)31とから成る。
本体21は、通話制御部1,表示制御部2,撮影制御部3,電源部(電池)4,表示部24,アンテナ25,撮影部(カメラ)26,マイクの入力情報受信部・再生部5,スピーカの出力情報送信部6,アンテナ27,28等を備える。
また通話部31は、マイクの入力情報送信部7,受信部・再生部8,電源部(電池)9,マイク32,スピーカ33等を備え、本体21に着脱自在に装着される。なおこの電源部9は通話部31が本体21との一体時に上記電源部4と共に図示しない充電器により充電される。
【0014】
アンテナ25は外部との間で無線通信により情報信号の授受を行なう通話制御部(送受信部)に属するものであり、またアンテナ27,28,34,35は通話部31が本体21から取り外された状態で機能する小形の無線送受信部(5,6,7,8)に属するものである。なお電源部9は通話部31が本体21から取り外された場合に電源として機能するようにされているのが良い。
なおアンテナ27とアンテナ28、アンテナ34とアンテナ35は、それぞれ1つで共用するようにしても良い。
【0015】
図2は実施例1の通話部が着脱可能な携帯電話機の概略的外観図である。
携帯電話機20は本体21とこの本体に嵌め込まれたヘッドセット(通話部)31とから成り、本体21は全体を制御する図示しない制御部、各種(電話,受信,メール,表示,撮影等)の操作部22,表示部24,アンテナ25を含み外部との間で無線通信により情報信号の授受を行なう図示しない送受信部,カメラ(撮影部)26,ヘッドセット31との間で無線により情報信号の授受を行なうためのアンテナ27,28を含む小形の送受信部(図1の5,6),ヘッドセット31との間で情報信号の授受を行なうためのコネクタ37等を備えている。ヘッドセット31はマイク32,スピーカ33,本体21との間で無線通信により情報信号の授受を行なうためのアンテナ34,35を含む小形の送受信部(図1の7,8),本体21との間で情報信号の授受を行なうためのコネクタ38等を備える。
なおアンテナ27,28,34,35はそれぞれの機体内に設けられている。
【0016】
本体21とヘッドセット31は通常は一般的なロック機構により一体にされており、一体時には両者間の情報信号の授受及び電源からの受電は結合しているコネクタ37,38を介して行なわれているが、必要に応じて(例えば、画像を見ながら通話したい場合)ロックを解いて分離できるようにされている。この分離の際にコネクタ37,38の結合も解かれて、以後情報信号の授受はアンテナ27,28,34,35を含む小形の送受信部(図1の5,6,7,8)により行なわれる。
【実施例2】
【0017】
実施例1は、前述のように単独のカメラ(撮影部)26を備えたものであるが、この実施例2は撮影・送信のための操作部,電池,小形の無線送信部等を備えたもう1台の撮影部を着脱可能に備えたものである。
図3は取り外し自在のカメラ(撮影部)を備えた携帯電話機の使用態様の一例を示す図である。
図のように本体21からヘッドセット31を取り外して左手で持ち、本体を右手で持って、通話をしながら送信されてきた通話相手の顔、周囲の環境、風景等の画像を本体21の表示部24に表示し、また自分のカメラ26−1で、自分の顔、周囲の環境、風景等を撮影し、その画像を本体21の送受信部を介して通話相手の携帯電話機へ送信する。
またカメラ26−2を取り外し、適宜の取付手段により例えば通話者(撮影者)のメガネに取り付けて、同様に視野内の周囲の環境、風景等を撮影して、その画像を無線通信で本体21へ送信し、本体21のアンテナ25を含む送受信部を介して通話相手に送信することもできる。
【実施例3】
【0018】
図4は実施例3の通話部が着脱可能な携帯電話機の概略的外観図である。
実施例1の携帯電話機と異なる点は、表示部24,アンテナ25,27,カメラ26等を備えた蓋体23が、連結部29により、全体を制御する図示しない制御部,操作部22,アンテナ28等を備えた本体21の内側へ折り畳み可能に取り付けられている。そして、これに合わせてヘッドセット31も取付連結部36により手前方向に折り畳み可能に取付けられている。また、一体時にはヘッドセット31の取付連結部36が本体21の連結部29の取付け部30に装着され、またこの部分で本体21とヘッドセット31との間の情報信号の授受を行なうようにされていることである。その他は実施例1の場合と同じである。
【実施例4】
【0019】
図4に示す実施例3は前述のように単独のカメラを備えたものであるが、この実施例4は撮影・送信のための操作部,電池,小形の無線送信部等を備えたもう1台のカメラを着脱可能に備えたものであり、その使用態様は図3の実施例2の場合と同じである。
【0020】
なお本発明の携帯電話機はいずれも、撮影部を蓋体から取り外さない状態でも、また通話部を本体から取り外さない状態でも、通話,撮影・送信,表示することができることは云うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の通話部が着脱可能な携帯電話機の内部構成のブロック図。
【図2】実施例1の通話部が着脱可能な携帯電話機の概略的外観図。
【図3】実施例2の携帯電話機の使用態様を示す図。
【図4】実施例3の通話部が着脱可能な携帯電話機の概略的外観図。
【符号の説明】
【0022】
1 通話制御部
2 表示制御部
3 撮影制御部
4,9 電源部(電池)
5 マイクの入力情報受信部・再生部
6 スピーカの出力情報送信部
7 マイクの入力情報送信部
8 受信部・再生部
20 携帯電話機
21 本体
22 操作部
23 蓋体
24 表示部
25 アンテナ
26 撮影部(カメラ)
27,28,34,35 アンテナ
29 連結部
30 取付部
31 通話部(ヘッドセット)
32 マイク
33 スピーカ
36 取付連結部
37,38 コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体を制御する制御部,電話,受信,メール,表示,撮影等各種の操作部,表示部,アンテナを含む外部との送受信部,撮影部,電源等を備えた本体と、マイク,スピーカ,電源等を備え、本体に着脱自在に装着した通話部とから成り、電話機能と表示機能とを備えた携帯電話機であって、通話部が本体から取り外された状態で相互に情報信号の授受を行なうためのアンテナを含む無線送受信手段を本体と通話部とに設けたことを特徴とする通話部が着脱自在な携帯電話機。
【請求項2】
全体を制御する制御部,電話,受信,メール,表示,撮影等各種の操作部,電源等を備えた本体と、表示部,アンテナを含む外部との送受信部等を備え、連結部により本体の内側に折り畳み可能な蓋体と、マイク,スピーカ,電源等を備え、取付連結部により内側に折り畳み可能であり、且つ本体・蓋体に着脱自在に装着した通話部とから成り、電話機能と表示機能と撮影機能とを備えた携帯電話機であって、通話部が本体・蓋体から取り外された状態で相互に情報信号の授受を行なうためのアンテナを含む無線送受信手段を本体・蓋体側と通話部に設けたことを特徴とする通話部が着脱自在な携帯電話機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の携帯電話機において、さらに撮影・送信のための操作部,アンテナを含む送信部等を備え、本体又は蓋体に着脱自在に装着された第2の撮影部を備えたことを特徴とする通話部が着脱自在な携帯電話機。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の携帯電話機において、通話部が本体に装着された状態では、通話部と本体とは、通話部と本体との間で相互に情報信号の授受及び本体の電池からの電源の受電を行なうための電気的接続手段を介して接続されていることを特徴とする通話部が着脱自在な携帯電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2005−229347(P2005−229347A)
【公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−36146(P2004−36146)
【出願日】平成16年2月13日(2004.2.13)
【出願人】(000233491)日立電子サービス株式会社 (394)
【Fターム(参考)】