説明

通電性竹炭及びその製造方法

【課題】 本発明は、従来より高いマイナスイオンの発生作用と従来より高い波動値を有する竹炭とその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 電気抵抗値が0〜30Ω(好ましくは0〜10Ω)であることを特徴とする通電性竹炭であり、このような竹炭は、竹材料を熱と煙りで蒸し焼きにし、竹材料の重量減少率が10重量%〜50重量%に達した後、該竹材料に点火して燃焼させ、煙りの色が白色から薄紫色に変化した時点で空気を遮断して消火することにより製造し得る。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は通電性竹炭及びその製造方法、特に電気抵抗値が従来品に比べ極めて小さく、その結果、マイナスイオンの発生作用や波動値が高い値を有する通電性竹炭及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】木炭、竹炭、活性炭などの炭片には、遠赤外線やマイナスイオン放出、又は磁気波動などが、血行促進、筋肉痛の低減、又は筋肉の凝りの解消など人体に良い影響を及ぼすことについて近年注目され、各種の用途が研究されていることが特開平10−1811号に記載されている。特に、竹炭については、電磁波吸収、安眠作用、肩凝り、腰痛の解消作用等の健康増進作用の他、空気の清浄化、脱臭効果、植物の育成効果、防虫効果といった幅広い作用・効果がインタ−ネット上でも宣伝され、健康枕、健康マット、植木鉢等に用いられているが、これらの作用効果は、竹炭のマイナスイオンの発生作用やその波動値が比較的高いことによるといわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、従来より高いマイナスイオンの発生作用と従来より高い波動値を有する竹炭を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】従来の竹炭は通電性がないか、あっても電気抵抗値が大きいので、電気抵抗値の小さい竹炭を製造すべく鋭意研究した結果、電気抵抗値が従来品に比べ極めて小さい竹炭を製造できると共に、これらが高いマイナスイオンの発生値と高い波動値を有することを見出だし本発明を完成させた。
【0006】すなわち、本発明のうち請求項1記載の発明は、電気抵抗値が0〜30Ωである竹炭である。また、本発明の目的達成の観点から、好ましくは請求項2記載の発明の如く、電気抵抗値が0〜10Ωである竹炭である。
【0007】かかる電気抵抗値が0〜30Ω(好ましくは0〜10Ω)の竹炭は、従来の電気抵抗値の高い竹炭や木炭に比べ、実施例に示すように、高いマイナスイオンの発生値と波動値を示すので、前記安眠作用、肩凝り、腰痛の解消作用等の健康増進作用の他、空気の清浄化、脱臭効果、植物の育成効果、防虫効果といった人体や環境に好ましい影響を与えると考えられる。なお、ここで、マイナスイオンとは、いわゆる竹炭と空気が触れて発生するといわれているマオナスイオンをいい、波動値とは、いわゆる物体及び生体の微弱な磁気情報、微弱な波長、周波数といわれているものをいう。
【0008】また、本発明のうち請求項3記載の発明は、竹材料を熱と煙りで蒸し焼きにし、竹材料の重量減少率が10重量%〜50重量%に達した後、その竹材料に点火して燃焼させ、煙りの色が白色から薄紫色に変化した時点で空気を遮断して消火することを特徴とする請求項1又は2記載の通電性竹炭の製造方法である。
【0009】ここで、竹材料としては、竹であれば特に限定されないが、例えば孟宗竹、真竹等が例示される。また、竹材料の重量減少率とは、蒸し焼き前の竹材料の重量をA、蒸し焼き後の竹材料の重量をBとした場合に(A−B)/Aを百分率で表した値である。ここで、竹材料の重量が減少するのは、竹材料中の水分、タ−ル分等が除去されるためであると考えられ、竹材料の重量減少率が10重量%〜50重量%とするのは、10重量%未満では電気抵抗値の低い竹炭が得られない傾向にあり、50重量%を超えると高温処理が困難であるからである。なお、好ましい竹材料の重量減少率は20重量%〜30重量%である。
【0010】以上の如くして製造すれば、電気抵抗値が0〜30Ω及び0〜10Ωの竹炭が簡単にしかも安価な製造コストで得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の竹炭製造用の窯の断面図であり、図2はその正面図である。1は窯、2は窯内の前方に置かれた前焼き用の鉄製の籠で窯内部に連通すると共に、入り口には開閉自在の蓋があり、窯口部分に出し入れ自在に設置されている。また、3は窯の内部、4は空気の連通孔を有する鉄製の仕切り板であり、5は窯口、6は煙突である。
【0012】竹材料の20kg〜200kgを窯内3にできるだけ隙間のないようにコンパクトに詰め、次に前焼き用の鉄製の籠2に入れられた竹の枝等の燃焼材に点火して数時間最大燃焼を行う。この間、竹材料には直接火を付けず、熱と煙りで蒸し焼きにする。この最大燃焼を行った後、籠2内の残り火に丸太を入れ、さらにこの丸太を燃焼させつつ竹材料を2時間〜30時間蒸し焼きにし、前焼きを終了する。かかる前焼きにより、竹材料の重量減少率(すなわち、水分とタ−ル分等の除去率)は10重量%〜50重量%に達する。
【0013】その後、竹材料に点火し、続いて窯口5を土にて密封し、その状態で5時間〜15時間燃焼させる。煙りの色が白色から薄紫色に変化した時点で煙突6を塞ぎ、火を止める。このようにして得られる竹炭の量は、電気抵抗値が0Ω〜30Ωのものが8kg〜80kg、0Ω〜10Ωのものが2kg〜20kgである。
【0014】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0015】(実施例1)約200リットルの内容積の図1の窯内3に、孟宗竹片(長さが30cm、縦割りした状態における幅が3〜5cm)の約100kgをできるだけ隙間のないようにコンパクトに詰める。次に前焼き用の鉄製の籠2に竹の枝等の燃焼材入れ、それに点火して約2時間最大燃焼を行う。この間、孟宗竹片には直接火を付けず、熱と煙りで蒸し焼きにする。この最大燃焼を行った後、籠2内の残り火に丸太を入れ、さらにこの丸太を燃焼させつつ孟宗竹片を約24時間蒸し焼きにする。これにより、竹材料の重量減少率(すなわち、水分とタ−ル分等の除去率)が、20重量%〜30重量%に達っするので、前焼きとしての蒸し焼きを終了する。
【0016】続いて、蒸し焼き後の孟宗竹片に点火し、窯口5を土にて密封し、その状態で7〜10時間燃焼させる。煙りの色が白色から薄紫色に変化した時点で煙突6を塞ぎ、火を止める。このようにして得られた竹炭の量は、電気抵抗値が0〜30Ωのものが約40kg、0〜10Ωのものが約10kgである。
【0017】得られた実施例1の竹炭の内、電気抵抗値が5Ωのもののマイナスイオン発生値と波動値を測定すると共に、従来の、いずれも通電性のない(抵抗値が無限大である)木炭、竹炭、及びトルマリンについてもマイナスイオン発生値と波動値を測定し、対比すると表1のようになる。特に、トルマリン比較対象として挙げたのは、マイナスイオン発生値が高く健康増進作用に優れている(より高い治療効果を有する)といわれている(永井竜造著、「トツマリンが環境革命を起こす」、ダイヤンド社、1998年、103頁)からである。
【表1】


【0018】表1に示すように、本発明の竹炭は、マイナスイオン発生値について比較すると、従来の通電性のない木炭の29倍、通電性のない竹炭の19倍、通電性のないトルマリンの5倍になっている。また波動値についても、従来の木炭、竹炭が測定器の計量範囲内に治まるのに対し、本発明の竹炭は、測定器の針が振り切れて測定できない大きい値を示した。したがって、前記健康増進作用等に従来にない大きな影響を及ぼすと考えられる。
【0019】(電気抵抗値の測定)テスタ(SANWA社製CD800)を用いて測定した。
(マイナスイオンの測定方法)表1において、マイナスイオン発生値(cc)の測定方法は次の通りである。実施例1及び比較例1〜3の各試料の400gを、マイナスイオン測定器(神戸電波株式会社製KST−900)を用い、温度23℃、湿度60%の条件で測定した。
(波動値の測定方法)表1において、波動値の測定方法は次の通りである。実施例1及び比較例1〜3の各試料を、MRA(核磁気共鳴力価測定器)(富士技研社製MAX)用い、温度24℃、湿度60%の条件で測定した。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、電気抵抗値が従来に比べ著しく小さい竹炭が得られ、これらの竹炭は、従来の木炭及び竹炭に比べ数十倍大きいマイナスイオン発生値を示すばかりか、比較的大きなマイナスイオン発生値を示すといわれているトルマリンに比べても、その5倍程度の大きなマイナスイオン発生値を示す。また、波動値についても、使用の測定器では測定できない程度の大きい値を示す。したがって、本発明の竹炭は、従来の木炭、竹炭及びトルマリンが有するいわれている好ましい効果(安眠作用、肩凝り、腰痛の解消作用等の健康増進作用の他、空気の清浄化、脱臭効果、植物の育成効果、防虫効果といった人体や環境に好ましい効果)を、更により多く達成できると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る竹炭製造用の窯の断面図である。
【図2】 図1の窯の正面図である。
【符号の説明】
・・・
・・・ 前焼き用の鉄製の籠
・・・ 窯内部
・・・ 鉄製の仕切り板
・・・ 窯口
・・・ 煙突

【特許請求の範囲】
【請求項1】 電気抵抗値が0〜30Ωであることを特徴とする通電性竹炭。
【請求項2】 電気抵抗値が0〜10Ωであることを特徴とする通電性竹炭。
【請求項3】 竹材料を熱と煙りで蒸し焼きにし、竹材料の重量減少率が10重量%〜50重量%に達した後、該竹材料に点火して燃焼させ、煙りの色が白色から薄紫色に変化した時点で空気を遮断して消火することを特徴とする請求項1又は2記載の通電性竹炭の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2000−104076(P2000−104076A)
【公開日】平成12年4月11日(2000.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−274780
【出願日】平成10年9月29日(1998.9.29)
【出願人】(598132794)株式会社 ノダカンパニ− (1)
【Fターム(参考)】