説明

造粒することなく製造されたアトルバスタチン含有医薬組成物

アトルバスタチン又は薬剤として許容可能なその塩を含む、造粒工程なしに調製された単位剤型であって、ここで、該単位剤型が1時間あたり、1つの単位剤型あたり、1つの機械あたりで10,000個を超える単位剤型の速度で調製された場合、測定された該単位剤型のアトルバスタチン力価が、一つの単位剤型あたりアトルバスタチン活性について約7.8%以下の相対標準偏差を示す、上記単位剤型、並びに、少なくとも1つの活性薬物を含む上記単位剤型、単位剤型の調製方法、そのような組成物を含むキット、及び上記単位剤型の治療的有効用量を用いて高コレステロール血症及び/または高脂血症、骨粗鬆症、良性の前立腺肥大並びにアルツハイマー病を治療するための医薬の製造のための上記組成物の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
この出願は、2003年6月12日に出願された米国仮特許出願第60/477,918号に基づく優先権を主張する。
【0002】
本発明は、アトルバスタチン及びその薬剤として許容可能な塩、並びにその製造方法、かかる組成物を含むキット、そして高コレステロール血症及び/又は高脂血症、並びに骨粗鬆症、良性前立腺肥大症(BPH)及びアルツハイマー病にかかった対象を治療するためのかかる組成物の使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−コエンザイムA(HMG-CoA)のメバロン酸塩への変換は、コレステロール生合成経路の初期の律速段階である。このステップは、酵素HMG-CoAレダクターゼによって触媒される。スタチンはHMG-CoAレダクターゼがこの変換を触媒することを阻害する。したがって、スタチンは、全体として強力な脂質低下剤である。
【0004】
参考文献として本明細書中に援用されている米国特許第5,273,995号に開示されたアトルバスタチンカルシウムは、化学名[R−(R*,R*)]−2−(4−フルオロフェニル)−β,δ−ジヒドロキシ−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−[(フェニルアミノ)カルボニル]−1H−ピロール−1−ヘプタノイックアシッドカルシウム塩(2:1)3水和物を有し、及び以下の式:
【化1】

により表される、リピトール(Lipitor)(登録商標)として現在販売されている。
【0005】
アトルバスタチン及び薬剤として許容可能なその塩は、HMG-CoAレダクターゼの選択的、競合阻害剤である。したがって、アトルバスタチンカルシウムは、強力な脂質低下性化合物であり、したがって脂質低下剤及び/又はコレステロール低下剤として、並びに骨粗鬆症、良性の前立腺肥大症(BPH)、及びアルツハイマー病の治療において有用である。
【0006】
アトルバスタチン、アトルバスタチンの式、並びにアトルバスタチンの製造のための方法及び主要中間体を開示する数多くの特許が発行された。これらは本明細書中に参考文献として援用されている、以下の:米国特許第4,681,893号;同第5,273,995号;同第5,003,080号;同第5,097,045号;同第5,103,024号;同第5,124,482号;同第5,149,837号;同第5,155,251号;同第5,216,174号;同第5,245,047号;同第5,248,793号;同第5,280,126号;同第5,397,792号;同第5,342,952号;同第5,298,627号;同第5,446,054号;同第5,470、981号;同第5,489,690号;同第5,489,691号;同第5,510,488号;同第5,686,104号;同第5,998,633号;同第6,087,511号;同第6,126,971号;同第6,433,213号及び同第6,476,235号を含む。
【0007】
アトルバスタチンは、結晶、液体結晶並びに非結晶性及びアモルファス形態で存在することができる。
【0008】
アトルバスタチンカルシウムの結晶形態は、本明細書中に参考文献として援用されている、米国特許第5,969,156号及び同第6,121,461号中に開示されている。アトルバスタチンのさらなる結晶形態は、本明細書中に参考文献として援用されている米国特許第6,605,729号中に開示されている。
【0009】
さらに、多数の公開された国際特許出願が、アトルバスタチンの結晶形態、並びにアモルファスなアトルバスタチンの製造方法を開示している。これらは以下の:PCT国際特許出願公開第WO00/71116号;同第WO01/28999号;同第WO01/36384号;同第WO01/42209号;同第WO02/41834号;同第WO02/43667号;同第WO02/43732号;同第WO02/051804号;同第WO02/057228号;同第WO02/057229号;同第WO02/057274号;同第WO02/059087号;同第WO02/083637号;同第WO02/083638号;同第WO03/011826号;同第WO03/050085号;同第WO03/070702号;及び同第WO04/022053号を含む。
【0010】
結晶形態に比べて、多数の薬物中のアモルファス形態が異なる溶解特性を示し、いくつかの場合には異なるバイオアベイラビリティーパターンを示すことが開示された(Konno, T., Chem. Pharm. Bull. 1990; 38:2003-2007)。いくつかの治療的指標に関しては、1つのバイオアベイラビリティーパターンが他よりも好ましい。
【0011】
溶解速度における変化は、結晶形態又はアモルファス形態のいずれかでアトルバスタチンを製造することを有利にすることができる。例えば、アトルバスタチンのいくつかの潜在的な用途(例えば、Takemoto, M.; Node, K.; Nakagami, H.; Liao, Y.; Grimm, M.; Takemoto, Y.; Kitakaze, M.; Liao, J.K., Journal of Clinical Investigation, 2001,; 108(10): 1429-1437に記載された心臓発作を有する患者の急性の治療など)のためには、薬物の有効性の改善において活性の迅速な発生が非常に有益であるかもしれない。
【0012】
アトルバスタチンの固体製剤の調製は米国特許第5,686,104号及び同第6,126,971号中に記載されている。これらに記載された方法においては、アトルバスタチンはアルカリ土類金属塩などの安定化のための添加剤及び賦形剤と併合され、そして湿式造粒に供される。代理人ケース番号PC25685の同時共同出願の米国特許出願は約5重量%未満のアルカリ土類金属塩添加剤を含むアトルバスタチンの湿式造粒された医薬組成物を開示する。湿式造粒法は医薬工業において広く使用されているにもかかわらず、可能であれば湿式造粒を避けることが一般に好ましく、なぜなら、それらの方法は工程を追加し、全体の製造効率を減少させるからである。一般に、湿式造粒は薬物プラス賦形剤の組み合わせの多くの性質を改善させるために行われる。さらに、代理人ケース番号PC25686の同時共同出願の米国特許出願は、アトルバスタチンを含む乾式造粒された医薬組成物を開示している。
【0013】
アトルバスタチンが非常に強力な薬物であるため、製造及び患者による取り扱いに適切なサイズの剤型を提供するために、該薬物の製剤は一般にかなり希薄である。薬物が希釈された形態で使用される場合、薬物がその最終的な剤型になる前の過程の間に薬物と賦形剤の分離がおこる危険性があり、これは力価の低い又は過剰ないくつかの剤型に導くことができる。単位剤型の力価の制御は、誤ったそして治療量以下の又は副作用を生じる用量の薬物を個々の患者が受容することを防止するために必須である。造粒は分離を防ぐための一つの方法である。もしあった場合、どの賦形剤が所与の薬物との組み合わせにおいて十分に低い分離を提供して、造粒工程なしに単位剤型を製造するための方法においてその賦形剤が使用されるのを可能とするかを演繹的に予測する方法は現在のところない。したがって、単位剤型を調製するのに好適なアトルバスタチンと賦形剤の組成物であって、その調製が造粒工程を含まず、かつ分離が最小であるものを同定する必要がまだある。本発明において、われわれは、造粒工程を必要としないアトルバスタチンの単位剤型の調製において使用されるのに好適な賦形剤が、予想外に単純な試験手順によって同定可能であることを発見した。
【0014】
アトルバスタチンの有利な製剤を提供するために必要な賦形剤群の中で、バルク賦形剤又は賦形剤の組み合わせは薬物を希釈し、そしてそれによって製造及び取り扱いに便利な量の単位剤型を提供する。そのような物質は医薬の分野において希釈剤として知られている。希釈剤は、例えば、「Handbook of Pharmaceutical Excipients, 3rd Edition」(A.H. Kibbe,編者;Pharmaceutical Press, London; 2000)に記載されている。これらの物質はバルクのアトルバスタチン製剤を含むため、商業的な製造条件下での単位剤型の製造のための良好な用量均一性を提供する希釈剤を同定する必要が残っている。
【0015】
PCT国際特許出願公開第WO00/35425号及び同第WO01/76566A1号は、スタチン薬物の安定化方法についてのより広い議論の一部分として、アトルバスタチンの単位剤型の形成のための製剤を開示する。しかしながら、これらの開示は送達される薬物用量の均一性にも、商業的に実行可能な方法とともに使用するためのそのような製剤の好適性にも言及していない。実際に、開示された製剤は、その多くが商業的な生産に必要とされる重量及び力価の厳しい制御の不可能な粒子サイズの範囲において利用可能な賦形剤を含む。
【0016】
さらに、アトルバスタチンの単位剤型の製造及び保存においては、活性薬物を純粋な形態で提供することが重要である。さらに、できるだけ単純な製剤によってこの高い純度及び安定性を達成することが望ましい。米国特許第5,686,104号及び同第6,126,971号は、湿式造粒法においてアルカリ土類金属塩添加剤を使用する、アトルバスタチン製剤の安定化方法を開示する。単純な製剤及び低レベルの不純物を有し、商業的に実行可能な剤型の有効期限を可能とする適当な安定性を提供するアトルバスタチンの単位剤型の製造方法を提供する必要がまだある。さらに、組成物及び剤型中のアルカリ土類金属塩添加剤及び他のアルカリ化添加剤は、薬物のインビボでの薬理動態に潜在的に影響する薬物の溶解に影響を与えることができる。したがって、単位剤型の調製に好適なアトルバスタチン製剤を提供し、それによって、適切な薬物純度、安定性並びに所望の溶解速度及びバイオアベイラビリティーがこれらの物質の最少レベルとともに提供されることが依然として望ましい。
【0017】
まとめると、アトルバスタチンの安定な剤型を提供する製剤及び方法を用いる高速製造装置においてアトルバスタチンの単位剤型間での力価の容認できる可変性を提供することが、本発明の目的である。非結晶性又はアモルファスな形態のアトルバスタチンに一貫性と安定性を提供することが本発明のさらなる目的である。
【発明の開示】
【0018】
発明の要約
したがって、本発明の第1の側面は、アトルバスタチン又は薬剤として許容可能な塩を含む造粒工程なしに調製された単位剤型であって、ここで、該単位剤型が1時間あたり、1つの単位剤型あたり、そして1つの機械あたり10,000個を超える単位剤型の速度で調製された場合、測定された上記単位剤型のアトルバスタチン力価は、1つの単位剤型あたりのアトルバスタチン力価について約7.8%以下の相対標準偏差(RSD)を示す。
【0019】
本発明の第2の側面は、少なくとも1つの活性薬物とともにアトルバスタチン又は薬剤として許容可能なその塩を含む造粒工程なしに調製された単位剤型であり、ここで、該単位剤型が1時間あたり、1つの単位剤型あたり、そして1つの機械あたり10,000個を超える単位剤型の速度で調製された場合、測定された上記単位剤型のアトルバスタチン力価は、1つの単位剤型あたりのアトルバスタチン力価について約7.8%以下の相対標準偏差(RSD)を示す。
【0020】
本発明の第3の側面は、アトルバスタチン又は薬剤として許容できるその塩の錠剤又はカプセルの製造方法であって、以下の工程:
(a)アトルバスタチン又は薬剤として許容可能なその塩、及び造粒工程なしに使用するのに好適な1つ以上の賦形剤をミキサー中で混合することによってアトルバスタチン組成物を調製し;そして
(b)1時間あたり、1つの機械あたりで10,000個を超える錠剤又はカプセルが製造されるように、錠剤又はカプセルが打錠機又はカプセル充填機上で調製される場合、測定されたアトルバスタチン力価が上記錠剤又はカプセルあたりのアトルバスタチン活性について約7.8%以下の標準偏差(RSD)を示すように、錠剤の型又はカプセルを充填し、そして圧縮又は密封する;
を含む。
【0021】
本発明の第4の側面は、少なくとも1つの活性薬物をともに含む、アトルバスタチン又は薬剤として許容可能なその塩の錠剤又はカプセルを調製する方法であって、以下のステップ:
(a)アトルバスタチン又は薬剤として許容可能なその塩及び少なくとも1つの活性薬物、及び造粒工程なしに使用するのに好適な1つ以上の賦形剤をミキサー中で混合することによってアトルバスタチン組成物を調製し;そして
(b)1時間あたり、1つの機械あたりで10,000個を超える錠剤又はカプセルが製造されるように、錠剤又はカプセルが打錠機又はカプセル充填機上で調製される場合、測定されたアトルバスタチン力価が上記錠剤又はカプセルあたりのアトルバスタチン活性について約7.8%以下の標準偏差(RSD)を示すように、錠剤の型又はカプセルを充填し、そして圧縮又は密封する;
を含む。
【0022】
本発明の第5の側面は、容器、及び造粒なしに調製されたアトルバスタチン又は薬剤として許容可能なその塩の単位剤型の治療的有効量を含む、商業的な販売に好適な治療用パッケージ又はキットである。
【0023】
本発明の第6の側面は、高コレステロール血症及び/又は高脂血症、骨粗鬆症、良性前立腺肥大症(BPH)、並びにアルツハイマー病に罹患した対象を治療するための薬剤の単位剤型の使用方法である。
【0024】
発明の詳細な説明
アトルバスタチンは、参考文献として本明細書中に援用されている、米国特許第5,273,995号及び同第5,969,156号に記載のとおりに容易に調製可能である。アトルバスタチンの半カルシウム塩は、最近Lipitor(リピトール)(登録商標)として販売されている。
【0025】
アトルバスタチンは、高度に結晶性の形態からさまざまな無秩序の程度を有する形態にわたる多数の形態学的形態で存在する。これらの無秩序な形態のいくつかは、なお、粉末X線回折パターンによって示されるいくつかの構造を有する。本発明の目的のためには、アトルバスタチンのすべての形態は本発明の利益をうけ、そして本発明の範囲内に含まれる。アトルバスタチンの部分的又は完全に無秩序な形態は特に、本発明の利益を受ける。アモルファス又は圧倒的にアモルファスなアトルバスタチンの部分的又は完全に無秩序な形態は、本発明から最大の利益を引き出す。そのような形態は、例えば、本明細書中に参考文献として援用されている米国特許第6,087,511号中に開示された手順をもちいて、結晶性アトルバスタチンから製造可能である。あるいは、代理人ケース番号PC25825の共同出願の米国特許出願中に開示された方法によって、アモルファス物質が調製可能である。本発明の実施のためには、非結晶性及び結晶性のアトルバスタチンが、本分野において知られたいずれの方法においても調製可能である。アトルバスタチンの好ましい形態は、米国特許第5,969,156号、同第6,121,461号、及び同第6,605,729号;及び本明細書中に参考文献として援用されている、PCT国際特許出願公開第WO01/36384号、同第WO02/41834号、同第WO02/43732号、同第WO02/051804号、同第WO02/057229号、同第WO3/011826号、同第WO03/050085号、同第WO03/070702号、及び同第WO04/022053号に記載されている。
【0026】
アトルバスタチンは、調製された形態で使用されることができ、又は粒子の物理的性質を変化させる方法に供されることができる。例えば、該物質は本分野で知られたいかなる方法によって粉砕されることもできる。そのような方法の非排他的な例は、機械的粉砕及びジェットミル粉砕を含む。アモルファスなアトルバスタチンを形成する方法から直接に、又は粉砕操作後にのいずれかにより製造された粒子は、1〜100μmの範囲の平均粒子径を提供することが好ましい。
【0027】
アトルバスタチンの薬剤として許容可能な塩基付加塩は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属あるいは有機アミンなどの金属又はアミンで形成される。カチオンとして使用される金属の例は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、などである。好適なアミンは、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン及びプロカインである(例えば、Berge, S.M. et al., "Pharmaceutical Salts", J. Pharm. Sci., 1977; 66:1を参照のこと)。
【0028】
アトルバスタチンの塩基付加塩は、遊離酸形態を十分量の所望の塩基と接触させ、慣用方法によって塩を製造することによって調製される。さらに、アトルバスタチンは、非溶媒和形態並びに水和形態を含む溶媒和形態で存在することができる。本発明の範囲は、アトルバスタチンのそのような塩及び溶媒和形態などを包含する。
【0029】
少なくともいくらかは無秩序な形態のアトルバスタチン、又は結晶性形態及び無秩序形態のアトルバスタチンの混合物は、本発明からの利益を最も顕著に受ける。いくらか無秩序であるということは、粉末X線回折(PXRD)を使用して測定したいずれのピークのライン幅(ピークの半分の高さにおけるピーク幅)も約2°より大きい2θ値を有することを意味する。本発明から特に利益を受けるアモルファス又は圧倒的にアモルファスな形態のアトルバスタチンは、非常に広い、特徴のないピークを有することを特徴とする。結晶性及び少なくともいくらか無秩序な形態のアトルバスタチンの組み合わせが、シャープなピーク(すなわち、2°未満の2θ値)及び広いピーク(すなわち、2°より大きい)の両方を示し、そしてそのような形態の混合物は、本発明の利益を受ける。
【0030】
アトルバスタチンが比較的低用量においてさえ有効であることが発見された。実際、所与の患者に対して低い容量を保つことによって、なお薬物の有効性を保持する一方、副作用を最小限にすることが可能である。したがって、患者に低用量を与えることの出来る形態でアトルバスタチンを提供することが望ましい。本発明の目的のためには、アトルバスタチンの最終的な剤型によって提供される用量は、0.5及び120mgA(ここで、mgAは、遊離酸に基づく活性薬物のミリグラムを意味する)の間であることが好ましく;5及び80mgAの間であることがより好ましい。
【0031】
患者の服薬遵守の便宜性及び容易性のためには、ほとんどの薬物は単位剤型の形態で送達される。固体原体については、これらの単位剤型は一般に、錠剤、カプセル、サシェ、嚥下錠、及び速溶解性剤型の形態である。本発明においては、剤型は、カプセル又は錠剤であることが好ましく;最も好ましくは、錠剤の形態である。これらの形態の調製は、体積または重量のいずれかによる、なんらかのタイプの粉末充填の必須の工程を含む。例えば、錠剤及びカプセルの製造においては、粉末が型又はカプセルにそれぞれ体積充填される。単位剤型が、許容可能な限度内(米国薬局方(United States Pharmacopia, USP)のガイドラインによるステージIに適合するためには、6%未満の相対標準偏差(RSD)、そしてステージIIに適合するためには、7.8%未満の相対標準偏差)で同じ力価(すなわち、単位剤型あたりの薬物量)を有するためには、活性薬物の賦形剤からのいかなる顕著な分離もあってはならない。これは、特に、高度に希釈された形態である場合には顕著である。本発明は、造粒の必要なく、固定重量の活性アトルバスタチンプラス賦形剤に再現性のある力価を提供する組成物を開示する。さらに、この力価の制御は、生成物を製造する過程を通して維持される。そのような組成物は、力価(混合物の1グラムあたりのmgA)の変動が7.8%未満のRSDであり;より好ましくは、6.0%未満である。さらに、本組成物は、そのような組成物により作られる単位剤型間で重量制御が維持されるように、良好な粉末のながれを提供する。好ましくは、そのような組成物は、RSDが6%以内;より好ましくは5%以内;最も好ましくは4%以内である重量制御による単位剤型を提供する。重量制御と力価制御を組み合わせることによって、単位剤型あたりのアトルバスタチンの実際の力価が好ましくは7.8%未満;より好ましくは6.0%未満のRSDを有する単位剤型を本製剤が提供することを可能とする。造粒なしにこれらの標準が満たされるということは、造粒を含む方法に比べて操作単位を少なくすることによって、より効率のよい製造方法が提供される。造粒工程を含まないアトルバスタチンの単位剤型の生産においては、商業的な製造に適さない方法を用いて、本組成物を含まないそのような単位剤型を製造することが可能である。例えば、個々の成分が直接カプセルに計量して入れられることができる。したがって、本発明は高速製造装置とともに用いられることが好ましい。より特別には、1時間あたり10,000個を超える単位剤型;より好ましくは1時間あたり25,000個を超える単位剤型;さらに好ましくは1時間あたり50,000個を超える単位剤型の速度の単位剤型製造装置とともに使用された場合、好ましい製剤は7.8%未満のRSD(より好ましくは6.0%未満のRSD)への単位剤型の力価制御を可能とする。好ましい単位剤型製造装置又は機械は、ロータリー打錠機および商業的なカプセル充填装置を含む。商業的なロータリー打錠機の非排他的な例は、Niro Pharma Systems (Columbia, MD)、Kilian and Company (Horsham, PA)、Korsch(Berline, Germany)及びElizabet-Hata International (North Huntington, PA)により製造されるものを含む。商業的なカプセル充填装置の非排他的な例は、Capsugel (Morris Plains,NJ)及びCapPlus technologies(Phoenix, AZ)により製造されるものを含む。
【0032】
アトルバスタチンの単位剤型の力価の測定は、単位剤型間の活性における可変性を決定することにおいて必須である。独立して既知の薬物レベルを有する標準に対する抽出プロセスが、そのような力価を最もよく決定する。力価の分析は、標準に関して本分野で知られたもののような逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)技術を用いて最もよく実施される。本発明の目的のためのRSD測定は、単位剤型を形成するための方法の間のサンプリングを用いて最もよく実施される。より特別には、単位剤型はさまざまな時点(実施の開始時、その間及び終了時)において調製過程からサンプリングされることができる。RSD値の測定において、少なくとも3つの単位剤型が各セクションから測定されるべきである。薬物のサンプルの力価を測定するための別の分析技術は、紫外可視分光光度法の使用を含む。この技術においては、本分野で知られているように、アトルバスタチンに対応する吸収が(いかなる賦形剤も吸収を妨害しないように注意して)アトルバスタチンのサンプル中の濃度を定量するのに使用される。
【0033】
本発明は、純粋で安定な形態のアトルバスタチンを提供する方法及び製剤を開示する。「不純物」という用語は、合成及び精製課程から存在する原体中の物質及び単位剤型の調製中に形成された薬物ベースの物質を説明する。「分解物」という用語は、単位剤型の調製後に生成したいかなる薬物ベースの物質をも意味する。不純物及び分解物の分析は、本分野で知られたように、抽出されたサンプルについての逆相HPLC技術を用いて行われる。不純物及び分解物の量の計算は、薬物に関連するすべてのピークの積分面積に対する不純物及び分解物のピークの積分面積のパーセントとして表される。
【0034】
アトルバスタチンの造粒なしの製剤においては、本分野で知られているような単位剤型に必要な性質を提供するために、希釈剤、結合剤、崩壊剤、フレーバー剤及び潤滑剤の組み合わせが使用される。例えば、錠剤の製造のためには、上記組み合わせはインビボでの迅速な崩壊を提供する一方、圧縮に対する適切な錠剤の硬さを提供する。これらの条件を満たすために、アトルバスタチンを製剤するには広い自由度があるが、典型的には、そのような組成物は、約1〜40%の重量:重量(w:w)の薬物、約5〜10%の崩壊剤、約0〜10%の結合剤及び約0.5〜2%の潤滑剤と本発明の希釈剤を含む残りのパーセンテージを含む。好ましい崩壊剤は、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(低度の置換)、微晶質セルロース、粉末セルロース、コロイド状二酸化珪素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、珪酸マグネシウムアルミニウム、メチルセルロース、ポラクリリンカリウム、ポビドン、アルギン酸ナトリウム、ナトリウムスターチグリコーレト、及びスターチを含む。好ましい結合剤は、アカシア、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン、ゼラチン、グアーゴム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、珪酸マグネシウムアルミニウム、マルトデキストリン、メチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリメタクリレート、ポビドン、アルギン酸ナトリウム、スターチ及びゼインを含む。好ましい潤滑剤は、ステアリン酸カルシウム、グリセリルパルミトステアリン酸、酸化マグネシウム、ポロキサマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸亜鉛、及びステアリン酸マグネシウムを含む。
【0035】
単位剤型に適した形態のアトルバスタチン製剤を造粒なしに提供するために、薬物及び賦形剤は典型的には粉末として混合される。この混合は、本分野で知られた混合技術のいずれを用いても実施可能である。混合は、好ましくは高剪断力ミキサー、V−ブレンダー(又は他のツインシェルブレンダー)、ビンブレンダー又はTurbula(商標)ミキサーシェーカーを使用して実施される。混合は、典型的には、まず潤滑剤を添加せずに完全な混合を確実にするための十分な時間、実施される。その時点で、典型的には潤滑剤が添加された後、短時間の(約1〜10分)、さらなる混合時間が続く。一旦混合物がつくられると、本分野で知られた方法によって単位剤形が調製される。好ましくは、単位剤形はロータリー打錠機又はカプセル充填機を用いて作られる。こうして調製された剤型は、場合により飲み込みの容易さ、剤型の商標もしくは識別のための外観の同定及び/又は保護を提供するように設計されたフィルムでコーティングされることができる。そして、最終的な剤型は、本分野で知られた方法を用いてパッケージされる。本発明のためには、パッケージは、ホイル-ホイルコールドフォームブリスター、プラスチックブリスター又は乾燥剤を含む密封ボトルの形態であることが好ましい。場合により、パッケージは、本明細書中に参考文献として援用されている、ヨーロッパ特許第EP1243524A2号及び同第EP1241110A1号中に開示されるように、活性酸素吸収物質を含むことができる。
【0036】
好ましい賦形剤を含む造粒工程なしに形成されたアトルバスタチンの単位剤型は、低レベルの薬物関連不純物及び分解物を示す。驚くべきことに、この不純物及び分解物の低いレベルは、アルカリ化剤又はアルカリ土類金属塩の添加のない場合にさえ見いだされた。さらに驚くべきことには、この不純物及び分解物の低いレベルは、使用されたアトルバスタチンが該薬物の少なくともいくらかは無秩序な形態である場合にさえ維持された。特に、湿式造粒されたアトルバスタチン対照単位剤型が高いレベルの薬物分解を示す一方、造粒なしに調製された単位剤型は、より大きな安定性を有する。それらの造粒なしに調製されたアトルバスタチンの単位剤型は、HPLCによって測定されたすべての薬物関連ピークの積分面積に対する不純物/分解物の面積パーセントに基づいて、約2%以下;より好ましくは、それらは1%未満;さらにより好ましくは0.7%未満の総薬物関連不純物及び/又は分解物を含む。さらに、造粒なしに調製されたアトルバスタチンの単位剤型は、40℃及び75%相対湿度(RH)で4週間貯蔵後に、HPLCによって測定されたすべての薬物関連ピークの積分面積に対する不純物/分解物の面積パーセントに基づいて、好ましくは該剤型が約2%以下;より好ましくは、それらは1%未満;さらにより好ましくは0.7%未満の、総薬物関連不純物及び/又は分解物を含む。
【0037】
アトルバスタチンは、2つの主要な分解経路:ラクトン化及び酸化を受ける。ラクトンは、アルコール及びカルボン酸の内部縮合(水の喪失)によって形成されて、6員環を形成する。これは、米国特許第5,686,104号及び同第6,126,971号に記載の湿式造粒及び錠剤形成後に特にアルカリ土類金属塩添加剤の非存在下で発見されたアモルファスなアトルバスタチンの主要な分解物である。 我々は、最初並びに高温及び高湿度の加速エイジング条件下での貯蔵後の両方で、本賦形剤及び造粒工程なしの単位剤型製造を組み合わせることによって、単位剤型中のラクトンのレベルが顕著に減少させられることを予期せずに発見した。したがって、造粒工程なしに調製されたアトルバスタチンの単位剤型は、単位剤型の製造後並びに40℃及び75%相対湿度(RH)で4週間貯蔵後に、それらのアトルバスタチンラクトンレベルが(HPLCを用いた、全薬物関連ピークの積分面積に比べたラクトンピーク積分値の比率に基づいて)2%未満であることが好ましく;1%未満であることがより好ましい。
【0038】
バイオアベイラビリティーに関する問題及び本発明の実施における複合剤型中他の薬物との潜在的な相互作用を最小限にするために、製剤中のアルカリ土類金属塩のレベルは、好ましくは約0〜5%(w:w);より好ましくは約0〜2%;もっとも好ましくは約0〜1%である。製剤中の他のアルカリ化剤のレベルも、約0〜5%(w:w)であることが好ましく、より好ましくは約0〜3%;もっとも好ましくは約0〜2%である。アミドポリマー、又はポリマーアミンも製剤の約0〜5%(w:w)であることが好ましく;より好ましくは約0〜3%;もっとも好ましくは約0〜2%である。そのようなポリマーの例は、PCT国際特許出願公開第WO01/76566A1号中に開示されている。
【0039】
アルカリ化剤は、製剤が水に添加された場合に、そのような製剤のpHを上昇させる性質を有する添加剤又は賦形剤である。アルカリ化剤の例は、無機及び有機塩基(緩衝剤)を含む。無機アルカリ化剤の例は、ナトリウム又はカリウムのクエン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、硫酸塩、安息香酸塩、及びアスコルビン酸塩並びに炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムを含む。最後の2つはアルカリ土類金属塩の例をも表す。有機アルカリ化剤の例は、アミンを含む。アミンの特別な例は、Nーメチルグルカミン、グアニン及びアルギニンを含む。
【0040】
粒子の分離についての一般的メカニズムの一つは、「シフティング」の過程である。シフティングは、それによって小粒子がより大きな粒子のマトリックスを通って移動する過程、又はその逆である。分離のこの形態は、粒子サイズにおける相違が(30%という小さなサイズの相違がシフティングに関連することができる)十分である場合に起こり、物質は相互に結合せず、そして粒子間運動のメカニズムがある。剤型の形成において、粒子間運動は、粉末の混合又は流動中に起こることができる。類似した粒子サイズのアトルバスタチンと賦形剤の使用は、単位剤型の製造中における物質間の分離を潜在的に防止するであろうが;これは多くの理由により問題である。以下に検討するように、適切な粉末の流れを提供することは、賦形剤粒子のサイズが、約80〜360μmの直径であることが好ましいことを意味する。対照的に、平均アトルバスタチン粒子サイズは、約1〜100μmの直径であることが好ましい。このサイズは、製造の容易さ、薬物溶解(バイオアベイラビリティー)における再現性に好ましく、単位剤型中の多数の粒子の統計学によって、これらの粒子で製造された剤型の力価の可変性を改善するのに好ましい。アトルバスタチン及び優勢な賦形剤の間の粒子サイズにおける普遍的な相違が、造粒なしに使用するのに好適な賦形剤の存在下でのアトルバスタチンにとってシフティングを問題のあるものとする。
【0041】
分離の第2の方法は流動化である。流動化は、高速の粉末移動又は混合を含む過程の間に小さな粒子が大きな粒子よりもより長く空気を保持する傾向にあることから生じる。流動化による分離は、アトルバスタチンにとって望ましい約100μm未満のサイズの粒子にとっては特に問題である。
【0042】
薬物粒子がいくらかの賦形剤粒子に十分に付着している場合、小さな薬物粒子のより大きな賦形剤粒子からの分離は、最小限となるであろう。そのような付着は、粉末が受ける剪断力に耐えるのに十分でなくてはならない。我々は、薬物及び単一の(一定の低レベルのステアリン酸マグネシウム潤滑剤を含む)賦形剤の二要素からなる混合物についての単純な試験手順を使用することによって、単位剤型の調製中の分離を防止するために、(錠剤の製造によって例示されるように)十分に薬物へ付着した賦形剤が同定されうることを発見した。
【0043】
この手順においては、アトルバスタチン、ステアリン酸マグネシウム(1重量%)及び試験賦形剤が、最初にV−ブレンダー又はTurbula(商標)ミキサーシェーカーを使用して一緒に混合される。薬物と賦形剤の相対的重みは、同じであり、最終的に提案された組成物中で使用されるものと同じである。混合物は、次にASTMD6941−03号中に記載の手順を用いる流動化分離試験に供される。例えば、Jenike & Johanson Inc. (Westford, MA)から入手可能な流動化テスター、モデル6274.01-1が使用されることができる。混合物が上記機器に添加される。機器の粉末床を通ってガスが流れ、物質をカラム内で垂直方向に分離する。該機器はカラムのさまざまな高さからのサンプリングを可能とする。HPLCまたは紫外可視分光光度法によるカラム頂部、中間部及び底部からのサンプルの力価の分析は、薬物が特別な賦形剤に付着するか否かの示唆を提供する。分離数は、流動化床の頂部(P頂部)、中間部(P)及び底部(P底部)のサンプルの平均力価で除した流動床の頂部(P頂部)及び底部(P底部)の間の力価の相違として定義されることができる。これは以下の式:
分離数=[P頂部−P底部]/[(P頂部+P中間部+P底部/3)]
により表される。
【0044】
我々は、単位剤型(錠剤)の高速製造中の力価における可変性(RSD)と分離数との間の経験的な相関関係を図1に示すように決定した。このことに基づいて、賦形剤成分とアトルバスタチンとが0.7未満;より好ましくは0.6未満;そしてさらに好ましくは0.5未満の分離数を示す場合、最終的な単位剤型の製造に関して許容可能な均一性が予想される。
【0045】
さらに、個々の賦形剤が二要素試験においてアトルバスタチンとともに特徴づけされることができる。この場合、1重量%の標準的アトルバスタチン濃度が使用可能である(98重量%の賦形剤及び1重量%のステアリン酸マグネシウム)。上記のように、頂部、中間部及び底部サンプル全体の平均力価に対する頂部及び底部サンプル力価の相違の比率をとることによって、流動化分離試験から分離数が計算されることができる。アトルバスタチンとともに使用する賦形剤混合物の最終的な好適性は、賦形剤それぞれの分離数の重みつきの平均に依存する。例えば、それぞれの(特別な形態のアトルバスタチンの)分離数0.3及び0.6を有する2つの物質の60:40の重量比については、重みつき平均分離数は、[0.60×0.3+0.40×0.6]=0.42となる。好ましい組成物は、アトルバスタチンとの二要素値に基づいて0.7未満;より好ましくは0.6未満;そしてさらにより好ましくは0.5未満の重みつき平均分離数を示す。
【0046】
好ましい賦形剤は、希釈剤であり、これはアトルバスタチンを含む組成物中の賦形剤の50重量%以上を構成する。アトルバスタチン単位剤型の造粒工程なしの調製のための好ましい希釈剤は、0.7未満;より好ましくは0.6未満;そしてさらにより好ましくは0.5未満の重みつき平均分離数を提供する。希釈剤候補は、“Handbook of Pharmaceutical Excipients, 3rd Edition”(A.H. Kibbe, Editor, Pharmaceutical Press、London,; 2000)中などにおいて同定される。これらは、以下の非制限的な例:リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、セルロース、酢酸セルロース、デキストレート、デキストリン、デキストロース、フルクトース、グリセリルパルミトステアリン酸、水素化植物油、カオリン、ラクチトール、ラクトース、炭酸マグネシウム、マグネシウムオキシド、マルチトール、マルトデキストリン、マルトース、ポリメタクリレート、アルファ化でんぷん、珪化微晶質セルロース、塩化ナトリウム、ソルビトール、スターチ、シュークロース及びタルクを含む。
【0047】
賦形剤の試験においては、最終的な剤型にとって望ましい特別な形態及び粒子サイズのアトルバスタチンが使用されることが重要である。アトルバスタチンの調製方法が分離数及びそれにより製造される単位剤型の対応する成分の均一性に影響を与えることがわかった。例えば、スプレー乾燥によって製造されたアモルファスなアトルバスタチンは、沈殿によって製造されたアモルファスアトルバスタチンとは異なる値を与える。
【0048】
アトルバスタチン単位剤型の商業的生産に有用な希釈剤のためには、希釈剤の流れは重量の制御を確実にするのに適切でなければならない。したがって、我々はアトルバスタチン単位剤型の製造に使用される約50重量%を超える希釈剤は、約80及び360μmの間の直径を有し;より好ましくは90及び280μmの間の直径を有し;さらにより好ましくはアトルバスタチン単位剤型の製造に使用される希釈剤の70%超が約80及び360μmの直径の平均粒子サイズを有することを見出した。平均粒子サイズは、Sympatec GmbH(Goslar, Germany)により製造されるようなレーザー回折粒子サイズ機器を用いて測定可能である。本発明の目的のためには、平均粒子サイズは、50%の粒子が示された数値よりは小さな直径を有するサイズであると考えられることができる。或いは、粒子サイズはふるい分析を用いて評価されることができる。この場合、半分の重量の物質を保持する(半分が通りぬける)ふるいサイズは、平均粒子サイズに相当する。好ましい希釈剤は、50重量%が(75μmに相当する)200番(ASTM)及び(335μmに相当する)45番の間のふるいを通過する;より好ましくは(90μmの)170番及び(300μmの)50番の間のふるいを通過する、ふるい分析に基づく平均粒子サイズを有する。
【0049】
希釈剤とアトルバスタチンとの分離傾向及び該希釈剤の粒子サイズをあわせると、アトルバスタチンの製剤化のための好ましい希釈剤のリストを定める。したがって、アトルバスタチンの造粒工程なしの製剤化のための好ましい希釈剤は、粒子サイズの大きなラクトース1水和物(例えば、Foremost Farms, Baraboo, WIから入手可能な、101μmの平均粒子サイズのFast Flo316(商標))、粒子サイズの大きなラクトース無水物(例えば、Quest International (Sheffield Products), Hoffman Estates ILから入手可能な、136μmの平均粒子サイズを有するラクトースのグレード)、粒子サイズの大きな微晶質セルロース(例えば、FMC Biopolymers, Philadelphia、PA から入手可能な、180μmの平均粒子サイズのAvicel PH200(商標))、及び塩化ナトリウム(例えば、Mallinckrodt Baker Inc., Phillipsburg, NJから入手可能な、355μmの平均粒子サイズの顆粒グレード )を含む。医薬製剤中で一般に使用される賦形剤であって、本発明における好ましい賦形剤でないものの例は、小さな粒子サイズの微晶質セルロース(例えば、20μmの平均粒子サイズを有する、Avicel PH105(商標)、並びにそれぞれ50μmの平均粒子サイズを有するAvicelPH103、113及び301)及び小さな粒子サイズのラクトース(例えば、すべて75μm未満の平均粒子サイズを有する以下の:DMV international, Vegnel, The Netherlandsから入手可能なPharmatose(商標)125M、150M、200M、350M、450M;Foremost Ingredients Group, Rothschild, WIから入手可能なImpalpable(商標)#312及び#313;並びにQuest International, Sheffield Products, Hoffman Estates, ILから入手可能な、1水和物80M、インパルパブル1水和物、及びインパルパブル無水物)を含む。
【0050】
本発明は、アトルバスタチンが本発明の希釈剤と分離する傾向が低いことによって、他の原体との複合剤に特によく適したアトルバスタチン組成物を提供する。発明にかかるアトルバスタチン組成物及び方法との組み合わせから利益を得ることのできる薬物の非制限的な例は、トルセトラピブ及びアンロジピン並びにそれらの薬剤として許容可能な塩を含む。
【0051】
本発明のアトルバスタチン組成物は、単位剤型を形成するために、少なくとも1つの他の薬物と組み合わせられることができる。好ましい単位剤型は、錠剤及びカプセルを含む。単位剤型を形成するためのアトルバスタチン組成物と少なくとも1つの他の活性薬物との組み合わせにおいて、以下の非制限的なリストはそのような単位剤型のための選択肢を記載する:(a)単位剤型に形成されるアトルバスタチン、賦形剤及び他の活性薬物の混合物;(b)場合により、賦形剤とともに単位剤型に形成される、アトルバスタチン、賦形剤及び場合により賦形剤を含む他の薬物の顆粒の混合物;並びに(c)アトルバスタチンと賦形剤をひとつの層に、及び他の薬物と任意の賦形剤を他の層に含む二層の錠剤。
【0052】
本発明は、低レベルの分解産物及び/又は不純物を含む単位剤型として投与されることができ、治療用パッケージ又はキットに含まれる上記のようなアトルバスタチン又は薬剤として許容可能なその塩による対象における高脂血症及び/又は高コレステロール血症、骨粗鬆症、良性の前立腺肥大症(BPH)、並びにアルツハイマー病などの病気及び状態の治療に関する。該キットは単位剤型および容器を含む。典型的には、該キットは単位剤型の投与のための指示書を含む。容器は、紙箱、ガラス又はプラスチックボトル、或いは治療スケジュールにしたがって後ろから押し出される個別の剤型を含むブリスターパックなどの本分野で知られたいかなる便利な形状又は形態であることもできる。
【0053】
以下の非制限的な実施例は、本発明の医薬組成物を調製及び使用するための発明者の好ましい方法を例解する。
【実施例】
【0054】
実施例1
スプレー乾燥されたアモルファスなアトルバスタチンの一般的調製方法
以下の実施例のいくつかにおいて使用した、発明の詳細な説明中で先に記載した無秩序なアトルバスタチンの例を、共同で所有する同時出願である代理人ケース番号PC-25825号の米国特許出願に記載された方法にしたがって、最初にアトルバスタチンカルシウム(米国特許第5,273,995号)をメタノールに溶解して5%(w:w)溶液を作製することによって調製した。この溶液を、窒素を噴霧ガスとして用いてNiro PSD-1スプレー乾燥機中へ170グラム/分(g/分)の速度でスプレーした。入り口温度は195℃であり、出口温度は60℃であった。スプレー乾燥後、粉末を40℃で12時間、オーブン中でトレイ乾燥して、アモルファスなアトルバスタチンを得た。
【0055】
実施例2
沈殿したアモルファスなアトルバスタチンの調製のための一般的方法
以下の実施例のいくつかにおいて使用した、発明の詳細な説明中で先に記載した無秩序なアトルバスタチンの例である沈殿したアモルファスなアトルバスタチンを、同時出願である共通の代理人ケース番号PC32139号の米国特許出願に記載の方法にしたがって、最初に1.80kgのアトルバスタチンカルシウム(米国特許第5,273,995号)を18Lのテトラヒドロフラン(THF)にジャケットつきのガラス反応器中でオーバーヘッドスターラーで攪拌することによって溶解して調製した。ジャケットつきの反応器中で、温度を15〜25℃に維持しつつ、オーバーヘッドスターラーによって常に攪拌することによって、THF溶液を2時間にわたってジャケットつきの反応器中のヘプタン(55L)及び2−プロパノール(1.125L)を含む混合物に添加した。得られたスラリーを1時間攪拌し、そしてゆっくりと0〜5℃まで1時間にわたって冷却した。沈殿物質をポリエチレンの布で覆われた水平プレートフィルター上で真空ろ過によって単離し、真空下(20〜30インチ圧)、50〜60℃で乾燥して、全体で1.6kgのアモルファスなアトルバスタチンを得た。
【0056】
実施例3
湿式造粒を用いたアモルファスなアトルバスタチンの調製
以下の物質を950ccの褐色ボトルに加えた:2.59gの(実施例1に記載のとおりに調製した)スプレー乾燥したアモルファスなアトルバスタチン、78.00gの微晶質セルロース(Avicel(商標)PH102、FMC Biopolymer, Philadelphia, PA)、101.41gのラクトース(含水、Foremost Farms USA, Rothschild, WI)、6.00gのクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol(商標)FMC Biopolymer, Philadelphia, PA)、及び4.000gのヒドロキシプロピルセルロース(Klucel(商標)EXF、Hercules Incorporated, Aqualon Division, Wilmington, DE)。上記物質をTurbula(商標)ミキサー(Turbula Shaker Mixer, Willy A.Bachofen AG Maschinenfabrik, Basel, Switzerland)を使用してボトルの中で10分間混合し、そして取り出し、塊を除くために30メッシュスクリーンを通してふるいにかけた。そして、該物質をボトルに戻し、さらに10分間Turbula(商標)で混合した。ボトルの中で混合した物質を1.7Lのボウルを用いてPro-Cept-Mi-Mi Pro高せん断力湿式造粒機(Pro-Cept n.v., B-9060 Zelzate, Belgium)に加えた。該物質を、1分あたり1000回転の速度(rpm)のチョッパー速度及び400rpmのインペラー速度で2分間乾式混合し、その後、チョッパー速度を維持しつつインペラー速度を600rpmに増加した。ここで、30mL/分の速度で90mLの水を3回に分けて(60mL、15mL、15mL)全体で5.5分間にわたって加え、湿式混合した。該物質を取り出し、そして手動で#10メッシュのふるいを通して湿式ふるいにかけた。ふるいにかけた物質を、Gruenberg(商標)熱風オーブン(Gruenberg Oven Co., Williamsport, PA)のポリエチレンをはったトレイ上に50℃で16時間おいて乾燥した。乾燥した物質を0.040”のConidurやすり網(rasping screen)を有するFitzpatrick L1Aミル(The Fitzpatrick Co., Elmhurst, IL)を使用して500rpmで粉砕した。175.0gの混合物に5.469gのAc-Di-Sol(商標)を添加し、そして混合物をTurbula(商標)ミキサーを用いて5分間ボトル(950ccの褐色ボトル)中で混合した。そして1.822gのステアリン酸マグネシウム(Mallinckrodt Inc.、St. Louis, MO)を添加し、さらに3分間混合物をTurbula(商標)で混合して製剤を完結した。13/32”標準円形凹面(SRC)ツールを有するF-プレス(Manesty F-Press, Liverpool, United Kingdom)を用い、標的重量450mg(±3%)及び12kPの標的硬度(10〜14kPの範囲)で(250以下の)錠剤を調製した。全部で12個の錠剤を、感熱シール(HIS)で閉じて密封する30ccの高密度ポリエチレン(HDPE)ボトルにいれ、感熱シーラー(Enercon Industries Corp., Menomonee, WI)で密封した。サンプルを40℃及び相対湿度(RH)75%で4週間保存した。1つの錠剤を50mLの1:1(v:v)の0.05Mクエン酸アンモニウム緩衝液(pH7.4):アセトニトリルに加え、20分振とうして、サンプルをアトルバスタチンラクトンのレベルについて分析した。該物質をGelman Acrodiscポリテトラフルオロエチレン膜(孔サイズ0.45μm)を用いてろ過し、そして高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)にかけた(Phenomenex, Ultremex C18カラム、25.0cm×4.6mm、HPLC HP 1100シリーズ、Agilent Corp., Wilmington, DE, 20μl注入体積、1.5mL/分の流速;53:27:20(v:v:v)の0.05Mクエン酸アンモニウム(pH4.0):アセトニトリル:テトラヒドロフランの移動相;244nmで検出)。ラクトンレベルは(すべてのピークのピーク面積に対するラクトンピークの比率に基づいて)25.4%であることがわかった。
【0057】
実施例4
直接的な圧縮によるアモルファスなアトルバスタチン錠剤の調製
以下の物質:2.59gの(実施例1の記載のとおりに調製した)アトルバスタチン、78.00gの微晶質セルロース(Avicel PH102(商標);FMC Corp., Philadelphia, PA)、101.41gのラクトース、含水(REG310;Foremost Farms USA, Rothschild, WI)、4.00gのヒドロキシプロピルセルロース(KlucelEXF(商標)、Aqualon, Wilmington, DE)及び12.00gのクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol(商標)FMC Corp., Philadelphia, PA)を950ccの褐色ボトルに加えた。上記成分を併合したものをTurbula(商標)ミキサーシェーカー(Glen Mills, Clifton, NJ)を用いて10分間混合した。そして混合物をステンレススチールふるい(#30メッシュ)を通して塊を除き、その後、さらに10分間の混合を行った。最後に、2.00gのステアリン酸マグネシウム(Mallinckrodt Co., St. Louis, MO)を褐色ガラスボトルに加え、Turbula(商標)を用いて内容物を3分間混合した。単一ステーションのManesty F-プレス(Manesty, Liverpool, United Kingdom)を用いて錠剤を作製した。13/32標準円形凹面(SRC)パンチ及びダイを用いてそれぞれ450mgの重量の錠剤を製造した。錠剤の平均硬度は、9〜14kPの範囲で11kPであった(錠剤の硬度は、Schleuniger Tablet Hardness Tester, Dr. Schleuniger Pharmatron AG, Solothum, Switzerlandを用いて試験した)。錠剤の平均重量は、RSD1.3%で451.2mgであった。錠剤を包装し、安定性について実施例3の記載のとおりに試験した(4週間;40℃/75%RH)。これらの条件下で見出されたラクトンのレベルは、(すべてのピークの総ピーク面積に対するラクトンピークの比率に基づいて)0.12%であった。
【0058】
実施例3と4の比較は、アトルバスタチンの単位剤型を製造するための直接的な圧縮方法による、湿式造粒で観察されるよりも高い純度という予期しない利益を示す。
【0059】
実施例5
スプレー乾燥したアトルバスタチンと希釈剤の混合物の調製及び分離の分析
以下の混合物のそれぞれにおいて、(実施例1の記載のとおりに調製した)スプレー乾燥したアモルファスなアトルバスタチンを使用した。これらのアトルバスタチンの二要素混合物の分離数を流動化分離テスター(6274.01-1モデル;Jenike & Johanson, Westford, MA)を用いて測定した。流動化チャンバーを約75ccの被験混合物で満たした。固定した試験パラメーターは以下の:空気圧、25psi;保持時間、120秒;遅延時間(ramp time)、30秒であった。各混合物を流動化する気流の設定は各製剤に固有のものであり、以下に示す。流動化カラムの3つの部分(頂部、中間部、及び底部)をそれぞれかき混ぜて(RR-5モデルRotary Micro Riffler, Quantachrome Instruments, Boynton Beach, FL)、分析のための代表的サンプルを得た。すべての場合についての結果を表1に報告する。表1において、観察された力価が意図された力価のパーセントとして表す。
【0060】
(a)4クオートV−ブレンダー(Patterson-Kelly Corp., East Stroudsburg, PA)に1959.0gの塊を除いた(20メッシュスクリーンのふるいを通した)第二リン酸カルシウム無水物(A-tab(商標)、Rhodia Corp., Etoile Part-Dieu, France)を加えた。この一番上に21.1gの(実施例1からの)アトルバスタチンを置き、これをスパチュラを用いて希釈剤床の上に広げた。該併合物を15分間混合した。ブレンダーに20.0gのステアリン酸マグネシウム(Mallinckrodt Corp., Hazelwood, MO)を加え、混合物を5分間混合した。気流の下限及び上限がそれぞれ10及び15の設定で、分離分析を行った。2.2gの混合物を量り取り、そして250mLの1:1(v:v)の0.05Mクエン酸アンモニウム緩衝液(pH7.4):アセトニトリルを加えて20分間振とうして、頂部、中間部及び底部についての力価を測定した。そして、該物質をGelman Acrodisc ポリテトラフルオロエチレン膜(孔サイズ0.45μm)を用いてろ過し、そしてHPLC(Phenomenex, Ultremex C18カラム、25.0cm×4.6mm、HPLC HP 1100シリーズ、20μL注入体積、1,5mL/分の流速;53:27:20(v:v:v)の0.05Mクエン酸アンモニウム(pH4.0):アセトニトリル:テトラヒドロフランの移動相;244nmで検出)を用いて分析した。
【0061】
(b)4−クオートV-ブレンダー(Patterson-Kelly Corp., East Stroudsburg, PA)に、1959.0gの(20メッシュスクリーンのふるいを通して)塊を除いたラクトース無水物(直接打錠グレード、Quest International(Sheffield Products), Hoffman Estates, IL)を加えた。この一番上に21.1gの(実施例1からの)アトルバスタチンを置き、これをスパチュラを用いて希釈剤床の上に広げた。該併合物を15分間混合した。ブレンダーに19.9gのステアリン酸マグネシウム(Mallinckrodt Corp., Hazelwood, MO)を加え、混合物を5分間混合した。気流の下限及び上限がそれぞれ10及び15の設定で、分離分析を行った。力価を実施例5aと同じやり方で2.0gのサンプルを用いて、頂部、中間部、及び底部について測定した。
【0062】
(c)4−クオートV-ブレンダー(Patterson-Kelly Corp., East Stroudsburg, PA)に、1077.4gのラクトース1水和物(REG310(商標)、Formost Farms, Baraboo, WI)を加えた。この一番上に11.6gの(実施例1からの)アトルバスタチンを置き、これをスパチュラを用いて希釈剤床の上に広げた。該併合物を15分間混合した。ブレンダーに11.0gのステアリン酸マグネシウム(Mallinckrodt Corp., Hazelwood, MO)を加え、混合物を5分間混合した。気流の下限及び上限がそれぞれ15及び20の設定で、分離分析を行った。力価を実施例5aと同じやり方で(100mLの抽出溶媒中へ抽出した)1.4gの頂部サンプル、並びに2.0gの中間部及び底部サンプルを用いて、頂部、中間部、及び底部について測定した。
【0063】
(d)4−クオートV-ブレンダー(Patterson-Kelly Corp., East Stroudsburg, PA)に、1077.1gのスプレー乾燥したラクトース1水和物(Fast Flo 316(商標)、Formost Farms, Baraboo, WI)を加えた。この一番上に11.6gの(実施例1からの)アトルバスタチンを置き、これをスパチュラを用いて希釈剤床の上に広げた。該併合物を15分間混合した。ブレンダーに11.0gのステアリン酸マグネシウム(Mallinckrodt Corp., Hazelwood, MO)を加え、混合物を5分間混合した。気流の下限及び上限がそれぞれ20及び30の設定で、分離分析を行った。力価を実施例5aと同じやり方で、2.0gのサンプルサイズ及び100mLの抽出体積で測定した。
【0064】
(e)4−クオートV-ブレンダー(Patterson-Kelly Corp., East Stroudsburg, PA)に、881.5gの微晶質セルロース(Avicel PH200(商標), FMC Biopolymers, Philadelphia, PA)を加えた。この一番上に9.6gの(実施例1からの)アトルバスタチンを置き、これをスパチュラを用いて希釈剤床の上に広げた。該併合物を15分間混合した。ブレンダーに9.0gのステアリン酸マグネシウム(Mallinckrodt Corp., Hazelwood, MO)を加え、混合物を5分間混合した。気流の下限及び上限がそれぞれ4及び10の設定で、分離分析を行った。力価を実施例5aと同じやり方で、頂部、中間部及び底部について1.3gのサンプルサイズ及び100mLの抽出体積で測定した。
【0065】
(f)4−クオートV-ブレンダー(Patterson-Kelly Corp., East Stroudsburg, PA)に、1959.0gの(30メッシュスクリーンのふるいを通して)塊をのぞいた直接打錠シュークロース(DI-PAC(商標)、Domino Specialty Ingredients, Baltimore, MD)を加えた。この一番上に21.1gの(実施例1からの)アトルバスタチンを置き、これをスパチュラを用いて希釈剤床の上に広げた。該併合物を15分間混合した。ブレンダーに20.0gのステアリン酸マグネシウム(Mallinckrodt Corp., Hazelwood, MO)を加え、混合物を5分間混合した。気流の下限及び上限がそれぞれ18及び25の設定で、分離分析を行った。力価を実施例5aと同じやり方で、頂部、中間部及び底部について2.3gのサンプルサイズで測定した。
【0066】
(g)2−クオートV-ブレンダー(Patterson-Kelly Corp., East Stroudsburg, PA)に、1467.0gの(14メッシュスクリーンのふるいを通して)塊をのぞいた塩化ナトリウム(顆粒グレード、Mallinckrodt Baker, Inc., Phillipsburg, NJ)を加えた。この一番上に15.8gの(実施例1からの)アトルバスタチンを置き、これをスパチュラを用いて希釈剤床の上に広げた。該併合物を15分間混合した。ブレンダーに14.9gのステアリン酸マグネシウム(Mallinckrodt Corp., Hazelwood, MO)を加え、混合物を5分間混合した。気流の下限及び上限がそれぞれ50及び80の設定で、分離分析を行った。力価を実施例5aと同じやり方で、頂部、中間部及び底部について4.5gのサンプルサイズ及び500mLの抽出体積で測定した。
【0067】
(h)950ccの褐色ガラスボトルに以下の順番で:97.97gのスプレー乾燥したラクトース1水和物(Foremost Farms USA, Rothschild, WI)、2.12gの(実施例1からの)スプレー乾燥したアモルファスなアトルバスタチン、及び97.94gのスプレー乾燥したラクトース1水和物を加えた。Turbula(商標)シェーカーミキサー(Willy A. Bachofen AG Maschinenfabrak, Basel, Switzerland)を用いて内容物を10分間混合した。ステンレススチール、#30U.S. Standardふるいを通して、混合物の塊を除いた。そして、Turbula(商標)を用いて混合物を10分間混合した。最後に、1.99gの植物由来のステアリン酸マグネシウム(Mallinckrodt St. Luois, MO)を加え、Turbula(商標)を用いて内容物を3分間混合した。気流の下限及び上限がそれぞれ4及び11の設定で、分離分析を行った。2.3gの混合物を250mLの1:1(v:v)の脱イオン水:アセトニトリルと併合して、30分間振とうして、頂部、中間部及び底部について力価を測定した。そして、該物質をGelman Acrodiscポリテトラフルオロエチレン膜(孔サイズ0.45μm)を用いてろ過し、そして紫外可視分光光度計(Model 8453, Agilent Corp., Wilmington, DE, 0.1cmのセル通路長、244nmで分析)を用いて分析した。
【0068】
(i)950ccの褐色ガラスボトルに順番に:97.94gの第二リン酸カルシウム2水和物(Emcompress(商標)、JRS Pharma LP, Chicago Heights, IL)、2.08gの(実施例1からの)アトルバスタチン、及び97.94gの第二リン酸カルシウム2水和物(Emcompress(商標))を加えた。Turbula(商標)シェーカーミキサーを用いて混合物を10分間混合した。ステンレススチール、#30U.S. Standardふるいを通して、混合物の塊を除いた。そして、Turbula(商標)を用いて製剤を10分間混合した。最後に、2.00gの植物由来のステアリン酸マグネシウムを加え、Turbula(商標)を用いて内容物を3分間混合した。気流の下限及び上限がそれぞれ8及び15の設定で、分離分析を行った。実施例5hに記載のとおりに、3.0gのサンプルサイズで、頂部、中間部及び底部について力価を測定した。
【0069】
(j)950ccの褐色ガラスボトルに順番に:97.94gの微晶質セルロース(Avicel PH 102(商標)、FMC BioPolymers, Newark, DE)、2.08gの(実施例1からの)アトルバスタチン、及び97.94gの微晶質セルロース(Avicel PH 102(商標))を加えた。Turbula(商標)シェーカーミキサーを用いて内容物を10分間混合した。ステンレススチール、#30U.S. Standardふるいを通して、混合物の塊を除いた。そして、Turbula(商標)を用いて製剤を10分間混合した。最後に、2.00gの植物由来のステアリン酸マグネシウムを加え、Turbula(商標)を用いて内容物を3分間混合した。気流の下限及び上限がそれぞれ6及び15の設定で、分離分析を行った。実施例5hに記載のとおりに、1.3gのサンプルサイズ及び100mLの抽出体積で、頂部、中間部及び底部について力価を測定した。
【0070】
(k)950ccの褐色ガラスボトルに順番に:97.96gの顆粒マンニトール(Mannogem 2080(商標)、SPI Polyols, New Castle, DE)、2.12gの(実施例1からの)アトルバスタチン、及び97.94gの顆粒マンニトール(Mannogem 2080(商標))を加えた。Turbula(商標)シェーカーミキサーを用いて内容物を10分間混合した。ステンレススチール、#30U.S. Standardふるいを通して、混合物の塊を除いた。そして、Turbula(商標)を用いて製剤を10分間混合した。最後に、2.00gの植物由来のステアリン酸マグネシウムを加え、Turbula(商標)を用いて内容物を3分間混合した。気流の下限及び上限がそれぞれ14及び30の設定で、分離分析を行った。実施例5hに記載のとおりに、2.0gのサンプルサイズ及び200mLの抽出体積で、頂部、中間部及び底部について力価を測定した。
【0071】
(l)950ccの褐色ガラスボトルに順番に:97.94gの粉末マンニトール(EMD Chemicals, Gibbstown, NJ)、2.12gの(実施例1からの)アトルバスタチン、及び97.90gの粉末マンニトールを加えた。Turbula(商標)シェーカーミキサーを用いて内容物を10分間混合した。ステンレススチール、#30U.S. Standardふるいを通して、混合物の塊を除いた。そして、Turbula(商標)を用いて製剤を10分間混合した。最後に、2.00gの植物由来のステアリン酸マグネシウムを加え、Turbula(商標)を用いて内容物を3分間混合した。気流の下限及び上限がそれぞれ4及び9の設定で、分離分析を行った。実施例5hに記載のとおりに、2.0gのサンプルサイズ及び200mLの抽出体積で、頂部、中間部及び底部について力価を測定した。
【0072】
(m)950ccの褐色ガラスボトルに順番に:97.94gのスプレー乾燥したマンニトール(SPI Polyols, New Castle, DE)、2.12gの(実施例1からの)アトルバスタチン、及び97.92gのスプレー乾燥したマンニトールを加えた。Turbula(商標)シェーカーミキサーを用いて内容物を10分間混合した。ステンレススチール、#30U.S. Standardふるいを通して、混合物の塊を除いた。そして、Turbula(商標)を用いて製剤を10分間混合した。最後に、2.00gの植物由来のステアリン酸マグネシウムを加え、Turbula(商標)を用いて内容物を3分間混合した。気流の下限及び上限がそれぞれ6及び12の設定で、分離分析を行った。実施例5hに記載のとおりに、1.5gのサンプルサイズ及び100mLの抽出体積で、頂部、中間部及び底部について力価を測定した。
【0073】
(n)950ccの褐色ガラスボトルに順番に:97.94gの顆粒キシリトール(Xylitol C Granular, Danisco, Thomson, IL)、2.12gの(実施例1からの)アトルバスタチン、及び97.94gの顆粒キシリトールを加えた。Turbula(商標)シェーカーミキサーを用いて内容物を10分間混合した。ステンレススチール、#30U.S. Standardふるいを通して、混合物の塊を除いた。そして、Turbula(商標)を用いて製剤を10分間混合した。最後に、2.00gの植物由来のステアリン酸マグネシウムを加え、Turbula(商標)を用いて内容物を3分間混合した。気流の下限及び上限がそれぞれ15及び29の設定で、分離分析を行った。実施例5hに記載のとおりに、3.0gのサンプルサイズで、頂部、中間部及び底部について力価を測定した。
【0074】
【表1】

【0075】
実施例6
沈殿したアトルバスタチンと希釈剤の混合物の調製及び分離の分析
(実施例2の記載のとおりに調製した)沈殿したアモルファスなアトルバスタチンを含む製剤を、1つの希釈剤及びステアリン酸マグネシウムと、以下の一般的方法にしたがって併合した:950ccの褐色ガラスボトルに順番に:97.9gの以下に示す希釈剤、2.15gの(実施例2からの)沈殿したアモルファスなアトルバスタチン、及び97.9gの上記希釈剤を加えた。Turbula(商標)シェーカーミキサーを用いて内容物を10分間混合した。ステンレススチール、#30U.S. Standardふるいを通して、混合物の塊を除いた。そして、Turbula(商標)を用いて製剤を10分間混合した。最後に、1.99gの植物由来のステアリン酸マグネシウム(Mallinckrodt Co., St. Louis, MO)を加え、Turbula(商標)を用いて内容物を3分間混合した。最終混合物を分離について、実施例5hに記載のとおりに、(実施例5hと相違する場合は)以下に示す流動化のための低い及び高い流速設定、サンプルサイズ及び抽出体積で分析した。結果を表2に示す。
【0076】
(a)希釈剤は、粉砕していない第二リン酸カルシウム無水物(A-Tab(商標)、Rhodia, Chicago Heights, IL)であった。流動化流の設定は、低い及び高い場合それぞれで5及び11に相当した。
【0077】
(b)希釈剤は、スプレー乾燥したラクトース1水和物(Foremost Farms USA, Rothschild, WI)であった。流動化流の設定は、低い及び高い場合それぞれで4及び11に相当した。
【0078】
(c)希釈剤は、圧縮可能なシュークロース(D.C. & T.S. White Di-Pac, Tate & Lyle, Brooklyn, NY)であった。流動化流の設定は、低い及び高い場合それぞれで8及び18に相当した。
【0079】
(d)希釈剤は、微晶質セルロース(Avicel PH200(商標), FMC Biopolymer, CO. Cork, Ireland)であった。流動化流の設定は、低い及び高い場合それぞれで4及び9に相当した。分析サンプルのサイズは、1.3gで、100mLの抽出体積であった。
【0080】
(e)希釈剤は、ラクトース1水和物、修飾(Fast Flo 316, Foremost Farms USA, Rothschild, WI)であった。流動化流の設定は、低い及び高い場合それぞれで6及び11に相当した。分析サンプルのサイズは、2.0gで、200mLの抽出体積であった。
【0081】
(f)希釈剤は、顆粒マンニトール(Mannogem 2080(商標)、SPI Polyols, New Castle, DE)であった。流動化流の設定は、低い及び高い場合それぞれで20及び35に相当した。分析サンプルのサイズは、2.0gで、200mLの抽出体積であった。
【0082】
【表2】

【0083】
実施例5及び6は、一連の希釈剤が一連の分離数を提供し、これは予測不可能なかたちで薬物形態により異なることを示す。
【0084】
実施例7
アトルバスタチン/希釈剤錠剤の調製及び不均一性試験
バッチサイズに関して5eをわずかに改変して(11.6gのアトルバスタチン、1075.0gの微晶質セルロース及び11.0gのステアリン酸マグネシウム)、Kilian T100ロータリー打錠機(Kilian & Co., Bristol, PA)を用いて、製剤5a〜5gからそれぞれ錠剤を調製した。1/4”標準円形凹面(SRC)対平面ツールを用い、4つのツールの一部の組を用いて錠剤を調製した。それぞれ約100mgで錠剤を調製した。打錠機を37rpm(30rpmのシュースピード(shoe speed))で作動させた。これは、対応する9つのツール全部の組についての1時間あたり約20,000個の錠剤の速度に相当する。錠剤を試験(約1kgのサンプルを各場合において試験した)の最初、中間部及び最後において(各点で少なくとも3つのサンプルで)サンプリングした。錠剤の分析は、以下の手順:サンプル(a)については、7.5mLの0.05M酢酸アンモニウムを1つの錠剤に添加し、そして8分間振とうし、続いてさらに12.5mLのアセトニトリルを添加し、12分間振とうし;(b)については、1つの錠剤を20mLの1:1(v:v)の0.05M酢酸アンモニウム緩衝液(pH7.4):アセトニトリルに加え、そして25分間新とうし;(f)については、1つの錠剤を20mLの1:1(v:v)の0.05M酢酸アンモニウム緩衝液(pH7.4):アセトニトリルを加え、そして20分間振とうし;(c)、(d)及び(e)については、1つの錠剤を10mLの1:1(v:v)の0.05Mクエン酸アンモニウム緩衝液(pH7.4):アセトニトリルと併合し、そして20分間振とうする;にしたがって実施した。各場合において、溶液はGelman Acrodisc ポリテトラフルオロエチレン膜(孔サイズ0.45μm)を用いてろ過し、そしてHPLC(Phenomenex, Ultremex C18カラム、25.0cm×4.6mm、HPLC HP 1100シリーズ、20μlの注入体積、1.5mL/分の流速;53:27:20(v:v:v)の0.05Mクエン酸アンモニウム(pH4.0):アセトニトリル:テトラヒドロフランの移動相;244nmで検出)を用いて分析した。結果を表3に報告する。
【0085】
【表3】

【0086】
実施例5(分離数)及び実施例7(錠剤力価の可変性)からのデータを合わせると、図1に見られるような強い相関を示す。アトルバスタチンについてのこの相関は、アトルバスタチン剤型の造粒工程のない製造のための好適な希釈剤を選択する手段としての好適な分離数の決定を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0087】
本発明は、以下にその簡単な特徴を示す付随する図1を参照する以下の非制限的な実施例によってさらに説明される。
【図1】図1は、アトルバスタチン、ステアリン酸マグネシウム及び多様な希釈剤の組み合わせを用いて調製された単位剤型についての相対標準偏差パーセント(%RSD)とこれらの混合物の分離数(segregation number)との相関を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アトルバスタチン又は薬剤として許容可能なその塩を含む、造粒工程なしに調製された単位剤型であって、ここで、該単位剤型が1時間あたり、1つの単位剤型あたり、1つの機械あたりで10,000個を超える単位剤型の速度で調製された場合、測定された該単位剤型のアトルバスタチン力価が、1つの単位剤型あたりのアトルバスタチン活性について約7.8%以下の相対標準偏差を示す、前記単位剤型。
【請求項2】
賦形剤又は賦形剤の組み合わせをさらに含む、請求項1に記載の単位剤型。
【請求項3】
前記アトルバスタチン又は薬剤として許容可能なその塩が、少なくともいくらかの無秩序な形態のアトルバスタチン、あるいは結晶性の形態及び無秩序な形態のアトルバスタチンの混合物である、請求項1に記載の単位剤型。
【請求項4】
前記賦形剤又は賦形剤の組み合わせが、約5重量%未満のアルカリ化剤である添加剤を含む、請求項2に記載の単位剤型。
【請求項5】
前記単位剤型が、HPLCによって測定された薬物に関連するすべてのピークの積分面積に対する不純物及び/または分解物の面積パーセントに基づいて、約2%以下の総薬物関連不純物及び/又は分解物を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアトルバスタチンの単位剤型。
【請求項6】
前記賦形剤又は賦形剤の組み合わせが、約50重量%超の希釈剤又は希釈剤の組み合わせを含む、請求項2に記載の単位剤型。
【請求項7】
前記希釈剤が、ラクトース1水和物、ラクトース無水物、微晶質セルロース又は塩化ナトリウムである、請求項6に記載の単位剤型。
【請求項8】
前記単位剤型が錠剤又はカプセルであり、かつ、アトルバスタチンに加えて少なくとも1つの活性薬物も含む、請求項6に記載の単位剤型。
【請求項9】
アトルバスタチン又は薬物として許容可能なその塩の錠剤又はカプセルの調製方法であって、以下の工程:
(a)アトルバスタチン又は薬剤として許容可能なその塩、及び造粒工程なしに使用するのに好適な1つ以上の賦形剤をミキサー中で混合することによって、アトルバスタチン組成物を調製し;そして、
(b)該錠剤又はカプセルが1時間あたり、1つの機械あたりで10,000個を超えるカプセル又は錠剤が製造されるように、前記錠剤又はカプセルが打錠機又はカプセル充填機上で調製された場合、測定されたアトルバスタチン力価が、一つのカプセル又は錠剤あたりのアトルバスタチン活性について約7.8%以下の相対標準偏差を示すように、錠剤型又はカプセルを充填し、そして圧縮又は密閉する;
を含む、前記方法。
【請求項10】
前記1つ以上の賦形剤が約50重量%超の希釈剤又は希釈剤の組み合わせを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
上記アトルバスタチン又は薬剤として許容可能なその塩が、少なくともいくらかの無秩序な形態のアトルバスタチン、あるいは結晶性の形態及び無秩序な形態のアトルバスタチンの混合物である、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記1つ以上の賦形剤が約5重量%未満のアルカリ化剤である添加剤を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
アトルバスタチン及び少なくとも1つの他の活性薬物を含む錠剤又はカプセルの調製方法であって、ここで、請求項9に記載の方法により調製された組成物が少なくとも1つの他の活性薬物、及び場合により追加の賦形剤と併合される、前記方法。
【請求項14】
造粒工程なしに調製されたアトルバスタチン単位剤型の治療的有効用量を投与することを含む、高コレステロール血症及び/または高脂血症、骨粗鬆症、良性の前立腺肥大並びにアルツハイマー病の治療方法。
【請求項15】
造粒工程なしに調製されたアトルバスタチン錠剤又はカプセルの治療的有効用量及び前記単位剤型を入れるための容器を含む、哺乳動物において治療効果を達成するためのキット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単位剤型であって、以下の:
(a)アトルバスタチン又は薬剤として許容可能なその塩であって、ここで、前記アトルバスタチン又は薬剤として許容可能なその塩が、少なくともいくらかの無秩序な形態のアトルバスタチンあるいは結晶性の形態及び無秩序な形態のアトルバスタチンの混合物であり;
約5重量%未満のアルカリ化剤である添加剤を含む、賦形剤又は賦形剤の組み合わせ;を含み、ここで、前記単位剤型が造粒工程なしに調製され、さらにここで、該単位剤型が1時間あたり、1つの単位剤型あたり、1つの機械あたりで10,000個を超える単位剤型の速度で調製された場合、測定された該単位剤型のアトルバスタチン力価が、一つの単位剤型あたりのアトルバスタチン活性について約7.8%以下の相対標準偏差を示す、前記単位剤型。
【請求項2】
前記賦形剤又は賦形剤の組み合わせが、約50重量%超の希釈剤又は希釈剤の組み合わせを含む、請求項1に記載の単位剤型。
【請求項3】
前記希釈剤が、ラクトース1水和物、ラクトース無水物、微晶質セルロース又は塩化ナトリウムである、請求項2に記載の単位剤型。
【請求項4】
前記単位剤型が、錠剤又はカプセルであり、かつ、アトルバスタチンに加えて少なくとも1つの活性薬物も含む、請求項2に記載の単位剤型。
【請求項5】
アトルバスタチン又は薬剤として許容可能なその塩の錠剤又はカプセルの調製方法であって、ここで、前記アトルバスタチン又は薬剤として許容可能なその塩が、少なくともいくらかの無秩序な形態のアトルバスタチンあるいは結晶性の形態及び無秩序な形態のアトルバスタチンの混合物であり、以下のステップ:
(a)アトルバスタチン又は薬剤として許容可能なその塩、及び造流工程なしに使用するのに好適な1つ以上の賦形剤をミキサー中で混合することによって、アトルバスタチン組成物を調製し、ここで、前記1つ以上の賦形剤が約50重量%超の希釈剤又は希釈剤の組み合わせを含み、約5重量%未満のアルカリ化剤である添加剤を含み;そして、
(b)1時間あたり、1つの機械あたりで10,000個を超える錠剤又はカプセルが製造されるように、前記錠剤又はカプセルが打錠機又はカプセル充填機上で調製される場合、測定されたアトルバスタチン力価が上記錠剤又はカプセルあたりのアトルバスタチン活性について約7.8%以下の相対標準偏差(RSD)を示すように、錠剤の型又はカプセルを充填し、そして圧縮又は密封する;
を含む、前記方法。
【請求項6】
アトルバスタチン及び少なくとも1つの他の活性薬物を含む錠剤又はカプセルの調製方法であって、ここで、請求項5に記載の方法により調製された組成物が少なくとも1つの他の活性薬物、及び場合により追加の賦形剤と併合される、前記方法。
【請求項7】
高コレステロール血症及び/または高脂血症、骨粗鬆症、良性の前立腺肥大症並びにアルツハイマー病の治療のための医薬の製造のための、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアトルバスタチン医薬製剤の使用。
【請求項8】
造粒工程なしに調製されたアトルバスタチン錠剤又はカプセルの治療的有効用量及び前記単位剤型を入れるための容器を含む、哺乳動物において治療効果を達成するためのキット。

【図1】
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【公表番号】特表2006−527256(P2006−527256A)
【公表日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516504(P2006−516504)
【出願日】平成16年6月1日(2004.6.1)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001845
【国際公開番号】WO2004/110409
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(503181266)ワーナー−ランバート カンパニー リミティド ライアビリティー カンパニー (167)
【Fターム(参考)】