説明

連結器具

【解決手段】
連結器具1を構成する上記保持手段4は、注射器2に装着される注射器保持部材6と、双頭カヌラ5を備えるとともに、上記使用前状態では注射器保持部材に対して後退した後退位置に位置し、上記使用状態では注射器保持部材に当接した前進位置に前進するカヌラ保持部材7と、上記カヌラ保持部材が後退位置に位置している状態で、注射器に係合して注射器保持部材から注射器が離脱するのを阻止する離脱防止手段42とを備えている(図4(c))。
上記離脱防止手段は、カヌラ保持部材が上記前進位置に位置されると注射器との係合状態を解除して注射器保持部材から注射器が離脱するのを許容するようになっている(図4(e))。
【効果】 過誤による上記注射器とバイアルとの連通操作の忘れを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は連結器具に関し、詳しくは注射器とバイアルとを離隔させて双頭カヌラが注射器およびバイアルの蓋部材を貫通しない使用前状態から、注射器とバイアルとを接近させて、上記双頭カヌラが上記蓋部材を貫通させる使用状態へと切り替え可能な連結器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、注射器とバイアルとを離隔させて上記双頭カヌラが上記注射器およびバイアルの蓋部材を貫通しない使用前状態から、注射器とバイアルとを接近させて上記双頭カヌラが上記注射器およびバイアルの蓋部材を貫通して注射器およびバイアルの内部空間を連通させた使用状態へと切り替える連結器具が知られている。
このような連結器具として、筒状の保持手段の両端に上記注射器とバイアルを連結するとともに、上記双頭カヌラを上記保持手段の内部に移動可能に設けたものが知られている(特許文献1)。
この連結器具によれば、保持手段に保持されたバイアルに対して注射器を接近させることで、上記双頭カヌラが注射器およびバイアルの蓋部材を貫通し、これらの内部空間を連通させることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−260162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の連結器具の場合、上記保持手段と注射器とは摺動可能に設けられているだけで、注射器を保持手段からいつでも離脱させることが可能な構成となっている。
このため、使用者の過誤により上記注射器とバイアルとを連通させないまま、注射器を保持手段から離脱させ、注射器内の溶解液とバイアル内の薬剤とを混合させずに注射器を使用してしまう可能性がある。
このような問題に鑑み、本発明は過誤による上記注射器とバイアルとの連通操作の忘れを防止する連結器具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、請求項1にかかる連結器具は、注射器とバイアルとを接離させる保持手段と、上記注射器およびバイアルに装着された蓋部材の間に設けられてこれらを貫通する双頭カヌラとを備え、
上記保持手段が注射器とバイアルとを離隔させて、上記双頭カヌラが上記注射器およびバイアルの蓋部材を貫通しない使用前状態から、
上記保持手段が注射器とバイアルとを接近させて、上記双頭カヌラが上記注射器およびバイアルの蓋部材を貫通して注射器およびバイアルの内部空間を連通させた使用状態へと切り替える連結器具において、
上記保持手段は、上記注射器に装着される注射器保持部材と、上記双頭カヌラを備えるとともに、上記使用前状態では注射器保持部材に対して後退した後退位置に位置し、上記使用状態では注射器保持部材に当接した前進位置に前進するカヌラ保持部材とから構成され、
さらに、上記カヌラ保持部材が後退位置に位置している状態で、注射器に係合して注射器保持部材から注射器が離脱するのを阻止する離脱防止手段を設け、
この離脱防止手段は、カヌラ保持部材が上記前進位置に位置されると注射器との係合状態を解除して注射器保持部材から注射器が離脱するのを許容することを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
上記発明によれば、使用前状態においては離脱防止手段によって注射器を注射器保持部材から離脱させることができないようになっているため、使用者による注射器とバイアルとの連通操作の忘れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施例にかかる連結器具の断面図。
【図2】図1におけるII―II部の断面図。
【図3】連結器具の斜視図。
【図4】連結器具の操作を示す図。
【図5】図4とは異なる方向から見た連結器具の操作を示す図。
【図6】第2実施例にかかる連結器具の断面図。
【図7】第2実施例にかかる連結器具の操作を示す図。
【図8】第3実施例にかかる連結器具およびその操作を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、第1実施例にかかる連結器具1について説明すると、図1、図2は第1実施例にかかる連結器具1の断面図を示し、図3は該連結器具1の斜視図を示し、図4、図5はそれぞれ図1、図2に示した断面図における連結器具1の使用方法を説明する図となっている。
上記連結器具1は、注射器2およびバイアル3を保持する保持手段4と、上記注射器2およびバイアル3の間に設けられて、該注射器2およびバイアル3の内部空間を連通させる双頭カヌラ5とを備えている。
上記保持手段4は、上記注射器2に装着される注射器保持部材6と、上記双頭カヌラ5を備えたカヌラ保持部材7とから構成され、これら注射器保持部材6およびカヌラ保持部材7は図1の図示上下方向に進退動可能に設けられている。
このような構成を有する連結器具1によれば、図4(b)、図5(b)に示す装着状態では、上記カヌラ保持部材7は注射器保持部材6に対して後方に位置した第2後退位置に位置するようになっている。
次に、図4(c)、図5(c)に示す使用前状態では、上記カヌラ保持部材7は上記第2後退位置よりも前進した第1後退位置に位置し、双頭カヌラ5は注射器2およびバイアル3の内部空間を連通させないようになっている。
そして、図4(e)、図5(e)に示す使用状態では、上記カヌラ保持部材7は注射器保持部材6に接した前進位置へと移動し、上記双頭カヌラ5が注射器2およびバイアル3の内部空間を連通させるようになっている。
なお、以下の説明において、軸方向とは上記注射器2の中心軸と平行な方向を指すものとし、前方とは図1の図示上方すなわちバイアル3が注射器2に接近する方向を、後方とは図1の図示下方すなわちバイアル3が注射器2から離隔する方向を指すものとする。
【0009】
上記注射器2は、溶解液を貯溜するバレル11と、該バレル11の内部を進退動する図示しないプランジャとから構成され、バレル11の先端には図示しないカヌラを装着するための連結部12が設けられている。
上記連結部12は、上記バレル11の内部に連通する中空のテーパ部12aと、該テーパ部12aを囲繞するように設けられた筒状部12bとから構成され、上記筒状部12bの外周には雄ねじ部12cが形成されている。
また、該雄ねじ部12cには、中心軸を挟んで対向する位置に、前後方向に向けて溝12dが形成されており、これにより上記雄ねじ部12cは途中で寸断されて不連続な状態になっている(図4(a))。
さらに、上記テーパ部12aにはゴム製の蓋部材13が装着されており、該蓋部材13は、上記テーパ部12aを覆うとともに上記筒状部12bよりも小径な小径部13aと、該小径部13aの先端に設けられた大径の大径部13bとから構成され、大径部13bの中央は薄肉状となっている。
【0010】
上記バイアル3は、薬剤を貯溜するガラス製のビン部21と、該ビン部21の開口部に装着されるゴム製の蓋部材22と、該蓋部材22を上記ビン部21に固定する金属製のリング部材23とから構成されている。
上記ビン部21の開口部には上記蓋部材22と略同径のフランジ部21aが形成され、蓋部材22の中央は薄肉状に形成されている。そして上記リング部材23はこれらフランジ部21aおよび蓋部材22を囲繞して一体的に締結し、蓋部材22の薄肉部分が露出するようになっている。
【0011】
注射器保持部材6は、上記カヌラ保持部材7を覆うように設けられた円筒状の外筒部31と、該外筒部31よりも小径で上記注射器2の連結部12と連結される装着部32とから構成され、外筒部31と装着部32との間には段差部33が形成されている。
上記外筒部31には前後方向に形成された4つのスリットにより4つのフラップ31bを備えており、対向する1対のフラップ31bには前後方向にガイド突起34が形成され、別の対向する1対のフラップ31bの後端部近傍には円弧状にストッパ突起35が形成されている。
上記装着部32の内周面の径は上記注射器2の筒状部12bの外周面と略同径となっており、該装着部32の内周面には上記筒状部12bに形成された雄ねじ部12cに螺合する雌ねじ部32aが形成されている。
さらに、上記雌ねじ部32aには、中心軸を挟んで対向する位置に、前後方向に向けて溝32bが形成されており、これにより上記雌ねじ部32aは途中で寸断されて不連続な状態になっている。
そして、上記注射器2に形成した雄ねじ部12cの溝12dと上記雌ねじ部32aの溝32bとは、それぞれ同じ幅で形成されており、また上記雄ねじ部12cと雌ねじ部32aとを螺合した際には、これら溝12d、32bが重合するように設けられている。
【0012】
上記カヌラ保持部材7は、上記双頭カヌラ5を中央に設けた有底筒状の内筒部41と、上記使用前状態において注射器2が注射器保持部材6から離脱するのを防止する離脱防止手段42とを備えている。
上記双頭カヌラ5は、上記注射器2側の注射器側カヌラ5aと、バイアル3側のバイアル側カヌラ5bとから構成され、これら注射器側カヌラ5aおよびバイアル側カヌラ5bの内部には通路5cが形成されている。
注射器側カヌラ5aの先端は円錐状に成形されており、該注射器側カヌラ5aの側面に上記通路5cが開口するようになっている。一方、バイアル側カヌラ5bは図1に示すように先端が斜めに形成され、鋭くなった先端部分の後方に通路5cが開口するようになっている。
さらに、注射器側カヌラ5aはバイアル側カヌラ5bよりも細くなっており、上記注射器側カヌラ5aが注射器2の蓋部材13を貫通する際の穿刺抵抗は、上記バイアル側カヌラ5bがバイアル3の蓋部材22を貫通する際の穿刺抵抗よりも小さくなっている。
【0013】
上記内筒部41の外径は上記注射器保持部材6の外筒部31の内径と略同径となっており、また内筒部41の内径は上記バイアル3のフランジ部21aの外径と略同径となっている。
また、内筒部41には上記外筒部31と同じ位置に4つのフラップ41aが形成されており、上記外筒部31におけるガイド突起34の形成されたフラップ31aに対応するフラップ41aには、外周面に該ガイド突起34が係合するガイド溝43が形成されている。
これらガイド突起34とガイド溝43とを係合させることにより、注射器保持部材6とカヌラ保持部材7との回転を規制しつつ、前後方向への進退動を許容するようになっている。
一方、上記外筒部31におけるストッパ突起35の形成されたフラップ31bに対応するフラップ41aの外周面には、ストッパ突起35が係合するストッパ溝44が前後方向2箇所に設けられ、内周面には上記バイアル3を保持する保持突起45が形成されている。
上記ストッパ溝44は、カヌラ保持部材7が注射器保持部材6に対して上記第2後退位置および第1後退位置に位置した際に、それぞれ上記ストッパ突起35と係合するような位置に形成されている。
上記保持突起45は、図4(c)、図5(c)に示す使用前状態では、上記バイアル3の注射器2側の端面に当接し、双頭カヌラ5がバイアル3の蓋部材22を貫通しない位置に位置させるようになっている。
一方、使用前状態に対してバイアル3を相対的に前進させると、バイアル3のリング部材23が保持突起45を押し広げた後、内筒部41の底部および上記保持突起45との間に保持され、その間に双頭カヌラ5がバイアル3の蓋部材22を貫通して、図4(e)、図5(e)に示す使用後状態となる。
【0014】
上記離脱防止手段42は、上記内筒部41における上記注射器側カヌラ5aを挟んで対向する位置に設けられた2つの挿入片42aと、該挿入片42aの先端内側に設けられた部分ねじ部42bと、該部分ねじ部42bよりも内筒部41側に設けられたストッパ部材42cとから構成されている。
上記挿入片42aは上記注射器保持部材6の装着部32の雌ねじ部32aに形成された溝32bに沿って摺動可能な位置および幅に形成されており、該挿入片42aの内面は上記装着部32の内周面と同径となっている。
上記部分ねじ部42bは、上記雌ねじ部32aに連続する形状を有しており、図4(e)に示すように部分ねじ部42bを雌ねじ部32aに対して整列させると、上記溝32bによって分断されていた雌ねじ部32aが該部分ねじ部42bによって滑らかに接続されるようになっている。
上記ストッパ部材42cは弾性変形可能な薄板状の部材であって、上記使用後状態において、上記注射器2の蓋部材13に注射器2側から係合するような位置に設けられている。
【0015】
以下、上記構成を有する連結器具1の使用方法を図4、図5の各図を用いて説明する。
まず、図4(a)、図5(a)は、連結器具1の組立状態を示しており、このとき連結器具1には注射器2およびバイアル3は接続されていない。
ここでは、上記注射器保持部材6の外筒部31に上記カヌラ保持部材7の内筒部41を挿入し、上記カヌラ保持部材7を第2後退位置で停止させる作業を行うようになっている。
具体的には、外筒部31の内周面に形成したガイド突起34の位置と、内筒部41の外周面に形成したガイド溝43とを係合させてから、カヌラ保持部材7を注射器保持部材6に挿入する。
すると、外筒部31の内周面に形成したストッパ突起35が内筒部41の外周面に形成したストッパ溝44のうち、注射器2側に位置するストッパ溝44に係合し、これによりカヌラ保持部材7は上記第2後退位置で停止することとなる。
一方、カヌラ保持部材7を第2後退位置まで挿入すると、上記離脱防止手段42の挿入片42aが上記注射器保持部材6における装着部32の溝32bに挿入され、上記部分ねじ部42bは上記雌ねじ部32aの後方に位置するようになっている。
【0016】
次に、図4(b)、図5(b)は、連結器具1に注射器2を連結した装着状態を示しており、この作業は薬剤メーカ等で行い、医療従事者による作業は不要となっている。
ここでは、上記注射器保持部材6における装着部32の雌ねじ部32aに、上記注射器2の連結部12に形成した雄ねじ部12cを螺合する作業を行うようになっている。
その結果、雄ねじ部12cと雌ねじ部32aとを最後まで螺合させると、これら雄ねじ部12cおよび雌ねじ部32aに形成した溝12d、32bが重なり合うこととなる。
一方、上記離脱防止手段42の部分ねじ部42bは、上記雌ねじ部32aの後方に位置していることから、注射器2の雄ねじ部12cとは干渉しないようになっており、注射器2と注射器保持部材6との螺合を阻止しないようになっている。
【0017】
次に、図4(c)、図5(c)は、注射器2を接続した連結器具1をバイアル3にセットした使用前状態を示し、医療現場にはこの使用前状態で提供されるようになっている。
上記装着状態から上記使用前状態とするには、上記カヌラ保持部材7を注射器保持部材6に対して上記第2後退位置から第1後退位置まで前進させ、さらにバイアル3を上記カヌラ保持部材7の保持突起45に当接させればよい。
カヌラ保持部材7を第1後退位置まで前進させると、上記双頭カヌラ5の注射器側カヌラ5aが注射器2の蓋部材13を貫通しない程度の位置まで前進し、上記離脱防止手段42の部分ねじ部42bは雌ねじ部32aに対してずれた位置に停止する。
その結果、この使用前状態で注射器2と注射器保持部材6とを回転させようとすると、注射器2の雄ねじ部12cが部分ねじ部42bに干渉することとなり、注射器2と注射器保持部材6との回転が阻止されて、注射器2を注射器保持部材6から離脱させることができなくなる。
【0018】
次に、図4(d)、図5(d)は、上記注射器2とバイアル3とを接近させて、上記注射器側カヌラ5aが注射器2の蓋部材13を貫通した注射器側貫通状態を示している。
なお、実際の操作においては、上記図4(c)、図5(c)の使用前状態から、図4(e)、図5(e)の使用状態へと一気に操作することができ、図4(d)、図5(d)の状態で停止させる必要はない。
注射器2とバイアル3と相互に接近させると、上記カヌラ保持部材7はバイアル3に押圧されて前進位置へと移動しようとし、またバイアル3はカヌラ保持部材7の保持突起45を乗り越えて前方に移動しようとする。
ここで、上記注射器側カヌラ5aがバイアル側カヌラ5bより細く、穿刺抵抗が小さい上に、上記バイアル3が上記保持突起45を乗り越えるための抵抗力が必要であることから、最初にカヌラ保持部材7が注射器保持部材6に対して前進位置へと移動し、注射器側カヌラ5aが注射器2の蓋部材13を貫通することとなる。
なお、このとき上記注射器側カヌラ5aが注射器2の蓋部材13を貫通するより先に、バイアル側カヌラ5bが蓋部材22を貫通してもよい。
【0019】
そして、図4(e)、図5(e)は、上記注射器側貫通状態からさらに注射器2とバイアル3とを接近させて、注射器2とバイアル3との内部空間を連通させた使用状態を示している。
上記図4(d)、図5(d)の注射器側貫通状態からさらにバイアル3を前進させると、バイアル3は上記保持突起45を外側へと押しやり、これによりカヌラ保持部材7のフラップ31aと注射器保持部材6のフラップ41aとが一体的に変形してバイアル3の通過を許容する。
そして、バイアル3のリング部材23が上記保持突起45を通過して内筒部41の底部に当接することで、バイアル3が保持突起45によってカヌラ保持部材7から脱落しないように保持され、またカヌラ保持部材7は、フラップ41aの下端がストッパ突起35に係合することによって後退が阻止される。
一方、バイアル3が前進することにより、上記双頭カヌラ5のバイアル側カヌラ5bがバイアル3の蓋部材22を貫通し、これにより注射器2の内部空間とバイアル3の内部空間とが連通することとなる。
ここで、あらかじめ双頭カヌラ5により注射器2側の蓋部材13を貫通させ、その後バイアル3の蓋部材22を貫通させることで、負圧とされたバイアル3の内部に注射器2内部の溶解液を引き込むことが可能となっている。
そして、この使用状態としたら、使用者は上記注射器2を操作して溶解液をバイアル3に注入するとともに、バイアル3内で該溶解液によって薬剤を溶解させたら、再び溶解させた薬剤を注射器2に吸引する操作を行う。
このようにして混合した薬剤を注射器2に吸引したら、使用者は連結器具1から注射器2を離脱させるとともに、注射器に穿刺用のカヌラを装着し、該注射器2を用いて薬剤を患者に投与することが可能となる。
【0020】
ここで、連結器具1から注射器2を離脱させる際には、上記カヌラ保持部材7は前進位置に位置しており、上記離脱防止手段42の部分ねじ部42bは上記注射器保持部材6の雌ねじ部32aと連続するようになっている。
その結果、上記部分ねじ部42bが注射器2の雄ねじ部12cに干渉しなくなることから、注射器2と注射器保持部材6との回転が許容され、注射器2を離脱させることが可能となっている。
一方、上記カヌラ保持部材7が前進位置に位置すると、上記ストッパ部材42cは変形しながら注射器2における蓋部材13の大径部13bを乗り越えて、該大径部13bに注射器2側から係合するようになっている。
その結果、注射器2を注射器保持部材6から離脱させる際、上記蓋部材13を上記ストッパ部材42cによって注射器保持部材6に係合させたまま、注射器2から取り外すことが可能となっている。
【0021】
以上のように、第1実施例の連結器具1によれば、上記使用前状態において上記離脱防止手段42における部分ねじ部42bが注射器2の雄ねじ部12cに係合するため、注射器2と連結器具1とを取り外すことができないようになっている。
その後、上記使用状態として注射器2およびバイアル3の内部空間を連通させると、上記部分ねじ部42bが注射器保持部材6の雌ねじ部32aに整列して、上記雄ねじ部12cの回転を許容するため、注射器2を連結器具1から離脱させることが可能となる。
つまり、第1実施例の連結器具1によれば、注射器2とバイアル3とを連通させない状態では注射器2を離脱させることができないようになっており、使用者による過誤を防止して、上記注射器2とバイアル3との連通操作の忘れを防止することができる。
【0022】
次に、第2実施例にかかる連結器具101について説明すると、図6は第2実施例にかかる連結器具101の断面図を示し、図7は該連結器具101の使用方法を説明する図となっている。
なお、以下の説明において、上記第1実施例と共通する部分については説明を省略するとともに、同じ部材については第1実施例で使用した符号に100を加算した符号を付すものとする。
注射器102の連結部112は、図示しないバレルの内部に連通する中空のテーパ部112aと、該テーパ部112aを囲繞するように設けられた筒状部112bとから構成され、上記筒状部112bの内周には雌ねじ部112cが形成されている。
また、上記筒状部112bの外周面には、中心軸を挟んで対向する位置に前後方向にむけて係合溝112dが形成されており、この係合溝112dは筒状部112bの端部に開口するように形成されている。
さらに、上記テーパ部112aの先端にはゴム製で薄板状の蓋部材113が装着されており、注射器保持部材106との間で挟持されるようになっている。
【0023】
保持手段104は、上記注射器102に装着される注射器保持部材106と、上記双頭カヌラ105を備えたカヌラ保持部材107とから構成され、これら注射器保持部材106およびカヌラ保持部材107は進退動可能に設けられている。
注射器保持部材106の外筒部131には、対向する位置に貫通孔131aが形成されており、また外筒部131の内周面には円弧状のストッパ突起135が形成されるとともに、前後方向に図示しないガイド突起134が形成されている。
上記装着部132は円筒状に形成され、その外周面が上記注射器102の連結部112における筒状部112bの内周面と略同径となっており、また内周面は上記テーパ部112aよりも大径となっている。
また上記装着部132の外周面には、上記筒状部112bに形成された雌ねじ部112cに螺合する雄ねじ部132aが形成されている。
そして、上記装着部132のさらに外周には、上記注射器102の筒状部112bよりも大径に形成された円筒状のサポート部136が形成されており、該サポート部136の後方は厚肉部136aとして形成され、前方は薄肉部136bとして形成されている。
上記厚肉部136aの位置は、上記注射器保持部材106に注射器102を装着した際に、上記注射器102の筒状部112bの先端部と同じ位置に達するようになっており、これによりサポート部136の内周面には厚肉部136aと薄肉部136bとによる段差が形成されるようになっている。
【0024】
上記カヌラ保持部材107における内筒部141の外周面には、上記外筒部131のガイド突起に係合する図示しないガイド溝が形成され、これにより注射器保持部材106とカヌラ保持部材107との回転を規制するようになっている。
また内筒部141の外周面には、上記外筒部131のストッパ突起135に係合するストッパ溝144が前後方向2箇所に設けられており、このストッパ溝144によりカヌラ保持部材107は注射器保持部材106に対して第2後退位置および第1後退位置に停止するようになっている。
さらに内筒部141には、上記外筒部131に形成された貫通孔131aの位置にあわせてフラップ141aが形成され、該フラップ141aの内面にはバイアル103のリング部材123に係合する保持突起145が形成されている。
【0025】
上記離脱防止手段142は、上記カヌラ保持部材107に設けられており、上記注射器側カヌラ5aを挟んで対抗する位置に設けられた2つの変形部142aと、該変形部142aの先端内側に設けられた係合突起142bとから構成されている。
上記変形部142aは、注射器保持部材106の底部を貫通して上記装着部132側に突出するように設けられ、また上記サポート部136の肉厚部136aの内周面に接するように設けられている。
そして、上記係合突起142bは、上記注射器保持部材106に注射器102を装着した使用前状態において、上記注射器102に形成した係合溝112dに係合するような位置に設けられている。
【0026】
以下、上記構成を有する連結器具101の使用方法を図7の各図を用いて説明する。
まず、図7(a)は、連結器具101の組立状態を示しており、上記注射器保持部材106に対してカヌラ保持部材107を第2後退位置で停止させたものとなっている。
このとき、外筒部131のガイド突起と内筒部141のガイド溝とを係合させるため、注射器保持部材106とカヌラ保持部材107との回転が規制されるようになっている。
一方、カヌラ保持部材107を第2後退位置に位置させると、上記離脱防止手段142の変形部142aが注射器保持部材106の連結部112とサポート部136との間に突出し、上記係合突起142bの形成された部分が上記厚肉部136aを越えない位置で停止するようになっている。
【0027】
次に、図7(b)は連結器具101に注射器102を連結した装着状態を示しており、上記注射器102の雌ねじ部112cを、上記注射器保持部材106の雄ねじ部132aに螺合したものとなっている。
これにより、注射器102の筒状部112bの先端部が、上記サポート部136における薄肉部136bと厚肉部136aとの境界に位置し、さらに上記係合溝112dが上記係合突起142bの位置する角度に位置するようになっている。
このとき、上記係合突起142bは上記厚肉部136aの位置で停止し、上記係合溝112dとは係合していないことから、上記係合突起142bによって注射器102の回転が阻止されることはない。
【0028】
次に、図7(c)は使用前状態を示し、カヌラ保持部材107を第1後退位置まで前進させ、またバイアル103を上記カヌラ保持部材107にセットした状態を示している。
これにより、上記双頭カヌラ105が注射器102の蓋部材113に該蓋部材113を貫通しない程度の位置まで接近し、上記離脱防止手段142の係合突起142bは、前進して上記注射器保持部材106の係合溝112dに係合する。
ここで、上記カヌラ保持部材107と注射器保持部材106とは上記ガイド突起134およびガイド溝143によって回転が規制され、注射器102と注射器保持部材106との回転も規制されることから、注射器102を注射器保持部材106から離脱させることができなくなる。
また、上記係合突起142bは前進して上記サポート部136の厚肉部136aよりも前方に突出するが、該厚肉部136aからの突出量が少ないため、上記注射器102と注射器保持部材106とを回転させようとしても、上記変形部142aは該厚肉部136aによって変形が阻止されており、係合突起142bが係合溝112dから脱落しないようになっている。
さらに、上記バイアル103はカヌラ保持部材107の保持突起145に後方から当接することで、上記バイアル103は上記双頭カヌラ105のバイアル側カヌラ105bに接近した状態に保持される。
【0029】
次に、図7(d)は双頭カヌラ105の注射器側カヌラ105aだけが注射器102の蓋部材113を貫通した注射器側貫通状態を示している。
上記第1実施例と同様、本実施例の上記注射器側カヌラ105aもバイアル側カヌラ105bより細く穿刺抵抗が小さくなっており、さらに上記バイアル103が上記保持突起145を乗り越えるための抵抗力が必要であることから、最初にカヌラ保持部材107が注射器保持部材106に対して前進位置へと移動し、該注射器側カヌラ105aが注射器102の蓋部材113を貫通することとなる。
【0030】
そして、図7(e)は上記注射器102とバイアル103とを接近させた使用状態を示している。
上記図7(d)の注射器側貫通状態からさらにバイアル103を前進させると、バイアル103は上記保持突起145を外側へと押しやり、これによりカヌラ保持部材107のフラップ141aは注射器保持部材106の外筒部131に形成された貫通孔131aから外部に突出しながら変形して、バイアル103の通過を許容することとなる。
そして、バイアル103が前進してカヌラ保持部材107における内筒部141に当接することで、バイアル103が保持突起145によってカヌラ保持部材107に保持されることとなる。
一方、バイアル103が前進することで、上記双頭カヌラ105のバイアル側カヌラ105bがバイアル103の蓋部材122を貫通し、これにより注射器102の内部空間とバイアル103の内部空間とが連通することとなる。
【0031】
そして、この使用状態とした後に、注射器102の溶解液によりバイアル103の薬剤を溶解させ、得られた薬剤を注射器102に吸入したら、第1実施例と同様、連結器具101から注射器102を離脱させることが可能となっている。
つまり、使用状態として上記カヌラ保持部材107を前進位置に位置させることで、上記離脱防止手段142の係合突起142bが上記注射器保持部材106の係合溝112dの前方へと移動し、筒状部112bの外周面に乗り上げて外側に移動する。
このとき、上記変形部142aは上記サポート部136の厚肉部136aから薄肉部136b側に前進していることから、係合突起142bの移動に伴って変形し、上記薄肉部136bはこの係合突起142bの移動および変形部142aの変形を許容する。
このようにして係合突起142bが係合溝112dから離脱することで、上記注射器102を注射器保持部材106に対して回転させることが可能となり、注射器102を離脱させることが可能となる。
【0032】
以上のように、第2実施例の連結器具101によれば、上記使用前状態において上記離脱防止手段142における係合突起142bが注射器102の係合溝112dに係合し、注射器102と連結器具101との回転が阻止されることから、注射器102を取り外すことができないようになっている。
その後、上記使用状態として注射器102およびバイアル103の内部空間を連通させると、上記係合突起142bが上記係合溝112dから離脱して、注射器102と注射器保持部材106との回転を許容するため、注射器102を連結器具101から離脱させることが可能となる。
つまり、第2実施例の連結器具101においても、上記第1実施例における連結器具1と同様、注射器102とバイアル103とが連通していない状態では、注射器102を使用することができず、使用者による過誤を防止して上記注射器102とバイアル103との連通操作の忘れを防止することが可能となっている。
【0033】
図8は第3実施例にかかる連結器具201の断面図を示し、上記第1実施例の連結器具1に対し、凍結乾燥した薬剤を貯溜したバイアルに好適な連結器具201となっている。
なお、以下の説明において、上記第1実施例と共通する部分については説明を省略するとともに、同じ部材については第1実施例で使用した符号に200を加算した符号を付すものとする。
通常、凍結乾燥した薬剤を貯溜するバイアルの内部は真空となっており、上記第1実施例の連結器具1を用いて図4(e)、図5(e)に示す使用状態とすると、注射器2内の溶解液は差圧によりバイアル3へと引き込まれるものの、その後バイアル3内の薬剤を注射器2に吸引する際には、この差圧によってプランジャの後退動作が重くなるという問題がある。
そこで第3実施例の連結器具201は、上記第1実施例の連結器具1に対し、カヌラ保持部材207における内筒部241の側面に通気孔241bを形成し、さらに該通気孔241bにフィルタ246を設けたものとなっている。
上記通気孔241bは内筒部241の外周からバイアル側カヌラ205bまで形成された筒状のハウジング241c内に形成されており、上記使用状態においてバイアルはこのハウジング241cに下方から当接した状態でカヌラ保持部材207に保持されるようになっている。
さらに、バイアル側カヌラ205bの内部には2つの通路205cが形成されており、一方の通路205cは上記注射器側カヌラ205aに連通し、他方の通路205cは上記通気孔241bに連通するようになっている。
そして、上記注射器保持部材206の外筒部231には連通孔231bが形成されており、上記使用状態としてカヌラ保持部材207が注射器保持部材206に対して前進すると、上記通気孔241bと連通孔231bとが重合するようになっている。
【0034】
このような構成により、第1実施例にかかる連結器具1と同様の操作によって連結器具201を使用状態とすると、バイアルの内部は真空状態となっていることから、差圧により注射器内の溶解液がバイアルに引き込まれる。
このとき、カヌラ保持部材207が注射器保持部材206に対して前進していることから、上記通気孔241bと連通孔231bとが重合しており、バイアル内には連通孔231bを介して通気孔241bより外気が引き込まれ、バイアルの内部は常圧となる。
このとき、引き込まれた空気は上記フィルタ246を通過し、また空気中の塵や微生物等はこのフィルタ246に捕集され、バイアルの内部に侵入しないようになっている。
バイアルの内部で薬剤を調整した後、注射器のプランジャを後退させて薬剤を注射器に吸引すると、バイアルの内部には上記通気孔241bを介して空気が供給されることから、バイアルの内部は陰圧とならず、プランジャを抵抗なく後退させることが可能となっている。
なお、この第3実施例における通気孔241bならびにこれに関連する構成については、上記第2実施例における連結器具101にも適用可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 連結器具 2 注射器
3 バイアル 4 保持手段
5 双頭カヌラ 6 注射器保持部材
7 カヌラ保持部材 12 連結部
12c 雄ねじ部 12d 溝
32 装着部 32a 雌ねじ部
32b 溝 42 離脱防止手段
42b 部分ねじ部 45 保持突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射器とバイアルとを接離させる保持手段と、上記注射器およびバイアルに装着された蓋部材の間に設けられてこれらを貫通する双頭カヌラとを備え、
上記保持手段が注射器とバイアルとを離隔させて、上記双頭カヌラが上記注射器およびバイアルの蓋部材を貫通しない使用前状態から、
上記保持手段が注射器とバイアルとを接近させて、上記双頭カヌラが上記注射器およびバイアルの蓋部材を貫通して注射器およびバイアルの内部空間を連通させた使用状態へと切り替える連結器具において、
上記保持手段は、上記注射器に装着される注射器保持部材と、上記双頭カヌラを備えるとともに、上記使用前状態では注射器保持部材に対して後退した後退位置に位置し、上記使用状態では注射器保持部材に当接した前進位置に前進するカヌラ保持部材とから構成され、
さらに、上記カヌラ保持部材が後退位置に位置している状態で、注射器に係合して注射器保持部材から注射器が離脱するのを阻止する離脱防止手段を設け、
この離脱防止手段は、カヌラ保持部材が上記前進位置に位置されると注射器との係合状態を解除して注射器保持部材から注射器が離脱するのを許容することを特徴とする連結器具。
【請求項2】
上記注射器保持部材と上記注射器とは螺合により連結されるとともに、上記離脱防止手段は上記カヌラ保持部材に設けられ、
上記使用前状態においてカヌラ保持部材が上記後退位置に位置した際には、上記離脱防止手段が注射器に係合して注射器と注射器保持部材との回転を阻止し、上記使用状態においてカヌラ保持部材が前進位置に位置した際には、上記係合状態を解除して注射器と注射器保持部材との回転を許容することを特徴とする請求項1に記載の連結器具。
【請求項3】
上記注射器に雄ねじ部を形成するとともに、上記注射器保持部材に上記雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を形成し、これら雄ねじ部および雌ねじ部のそれぞれに第1、第2保持部材の進退動方向に向けて溝を形成し、かつ該溝は上記雄ねじ部と雌ねじ部とが螺合した際に重合するような位置に設けられ、
上記離脱防止手段は、上記カヌラ保持部材に設けられて上記溝に沿って進退動する挿入片と、該挿入片から上記注射器側に突出する部分ねじ部とから構成され、
上記部分ねじ部は、上記使用前状態において上記雌ねじ部の螺旋形状に対してずれた位置に位置して、該部分ねじ部が上記雄ねじ部に係合して注射器と注射器保持部材との回転を阻止し、
上記使用状態になると、上記部分ねじ部は上記雌ねじ部の螺旋形状に整列して、該部分ねじ部と上記雄ねじ部との係合状態を解除し、注射器と注射器保持部材との回転を許容することを特徴とする請求項2に記載の連結器具。
【請求項4】
上記カヌラ保持部材は、上記後退位置よりもさらに注射器保持部材に対して後退した第2後退位置に移動可能に設けられ、
注射器に連結器具を装着する際、カヌラ保持部材は上記第2後退位置に位置するとともに、上記離脱防止手段における上記部分ねじ部は、上記注射器保持部材の雌ねじ部よりもバイアル側に退避した位置に位置して、注射器と注射器保持部材との回転を許容することを特徴とする請求項3に記載の連結器具。
【請求項5】
上記注射器の蓋部材に大径部を形成するとともに、上記挿入片に上記部分ねじ部よりもバイアル側となる位置に中心に向けて突出するストッパ部材を設け、
上記使用後状態において、上記ストッパ部材は上記蓋部材の大径部に注射器側から係合することを特徴とする請求項3または請求項4のいずれかに記載の連結器具。
【請求項6】
上記注射器の先端に筒状部を形成するとともに該筒状部の内部に雌ねじ部を形成し、上記注射器保持部材に上記筒状部の内部に挿入されるとともに外部に上記雌ねじ部と螺合する雄ねじ部を形成し、
上記注射器の筒状部の外面に係合溝を形成するとともに、上記注射器保持部材とカヌラ保持部材とを相互に回転不能とし、
上記離脱防止手段は、上記カヌラ保持部材に設けられて上記筒状部よりも外側に位置する変形部材と、該変形部材に設けられて上記係合溝に係合可能な係合突起とから構成され、
上記使用前状態において、上記係合突起は上記係合溝に係合して、上記注射器保持部材およびカヌラ保持部材が一体的に上記注射器に対して回転するのを阻止し、
上記使用状態になってカヌラ保持部材が前人位置に位置すると、上記係合突起が前進して変形部を変形させながら上記係合溝から離脱し、上記注射器保持部材およびカヌラ保持部材が一体的に上記注射器に対して回転するのを許容することを特徴とする請求項2に記載の連結器具。
【請求項7】
上記カヌラ保持部材は、上記後退位置よりもさらに注射器保持部材に対して後退した第2後退位置に移動可能に設けられ、
注射器に連結器具を装着する際、カヌラ保持部材は上記第2後退位置に位置するとともに、上記離脱防止手段における上記係合突起は、上記注射器保持部材の係合溝からバイアル側に退避した位置に位置して、注射器と注射器保持部材との回転を許容することを特徴とする請求項6に記載の連結器具。
【請求項8】
上記注射器保持部材に、上記カヌラ保持部材の変形部のさらに外周に接触するように形成したサポート部を設け、
上記使用前状態において、上記サポート部は上記係合突起の位置まで上記変形部に密着するとともに、該変形部の変形を阻止して上記係合突起が上記注射器の係合溝から離脱するのを阻止し、
使用状態において、係合突起が前進して注射器の係合溝から離脱して外周側に移動し、上記サポート部は該係合突起の移動に伴って上記変形部が変形するのを許容することを特徴とする請求項6または請求項7のいずれかに記載の連結器具。
【請求項9】
上記カヌラ保持部材に、上記バイアルを囲繞するように設けた複数のフラップと、該フラップの内側に突出する保持突起とを設け、
上記使用前状態において、上記バイアルの注射器側の端面が上記保持突起の後端に当接し、上記使用状態とする際には、上記バイアルは上記フラップを変形させながら上記保持突起を乗り越えるとともに、保持突起がバイアルに形成されたフランジに係合してバイアルを保持することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の連結器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−19704(P2011−19704A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−166867(P2009−166867)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(000135036)ニプロ株式会社 (583)
【Fターム(参考)】