説明

連続波キャビティリングダウン分光法により液体の改良分析を行う装置及び方法

液体中の不純物を分析するための装置及び方法が提供される。この装置は、光源102に結合されたセル204と検出器114とを備えている。セル204は、該セル204の第1の端部に配置され、光を受け取って該セル204の長手方向の軸に沿って該セル204内に導入する第1の鏡108を備えるとともに、該セル204の第2の端部に配置され、上記光を少なくとも部分的に反射させる第2の鏡110を備えている。液体供給装置210は、第1の鏡108と第2の鏡110との間で、セル204の長手方向の軸と交差するように、液体の流れ208を投与する。検出器114がセル204の第2の端部に結合され、液体を透過する光に基づいて、セル204内の光の減衰率を決定する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には吸収分光法(absorption spectroscopy)に関するものであり、とくにはキャビティリングダウン分光法(cavity ring-down spectroscopy)を用いた、液体中の微量種(trace species)の検出に向けられたものである。
【背景技術】
【0002】
以下、図面を参照しつつ説明するが、これらの図面において、同様の参照番号は、同様の要素を示している。図1Aは、対数目盛上の電磁スペクトルを示している。分光学(science of spectroscopy)は、スペクトルを研究するものである。スペクトルのその他の部分に関する科学とは対照的に、光(optics)は、とくに可視光及び近可視光(near-visible light)を含んでいる。――およそ1mmからおよそ1nmまでの波長に広がる利用可能なスペクトルの非常に狭い部分――近可視光は、赤よりも赤い色(赤外光)と、紫よりも紫の色(紫外光)とを含んでいる。この範囲は、各可視側に対して、光を通常の材料でつくられた大半のレンズ及びミラーによって取り扱うのに十分な範囲に広がっている。大抵の場合、材料の光学的特性の波長依存性を考慮しなければならない。
【0003】
吸収型分光法は、感度が高く、マイクロ秒のオーダーでの応答時間が良く、被毒からの耐性(immunity from poisoning)が良く、かつ研究対象となっている種以外の分子種(molecular species)からの干渉が限定されるといった特徴がある。種々の分子種は、吸収分光法によって検出又は特定することができる。かくして、吸収分光法は、重要な微量の種(trace species)を検出する一般的な方法を提供する。気相において、この方法の感度及び選択性(selectivity)は最適なものとなる。なぜなら、種は、一群の鋭いスペクトル線において集中された吸収強度を有するからである。スペクトルにおける狭い線は、大半の干渉種に対して、識別するのに用いることができる。
【0004】
多くの工業プロセスにおいては、流れている気体及び液体の中の微量の種の濃度を測定して、高速かつ高精度で分析することが必要である。汚染物質の濃度は、しばしば最終製品の品質に対して決定的に重要であるので、このような測定及び分析が要求される。N、O、H、Ar及びHeなどの気体は、例えば、集積回路を製造するのに用いられるが、これらのガス中における不純物の存在は――たとえ10億分の1(ppb)のレベルであっても――有害であり、操作回路の収率(yield of operational circuits)を低下させる。それゆえ、水を分光法で監視することができるほどの比較的高い感度が、半導体工業で用いられる高純度の気体の製造にとって必要(重要)である。種々の不純物は、その他の工業分野(用途)においても検出しなければならない。さらに、液体中における、元々含まれていたか、又は意図的に加えられた不純物の存在は、近年、特別な関心事となっている。
【0005】
分光法は、高純度の気体中の気体状の汚染物質に対して、100万分の1(ppm)レベルの検出を実現している。ppbレベルでの検出感度が実現可能な場合もある。したがって、従来の長光路セル(long pathlength cells)中における吸収測定、光音響分光法(photoacoustic spectroscopy)、周波数変調分光法(frequency modulation spectroscopy)、及び、キャビティ内レーザ吸収分光法(intracavity laser absorption spectroscopy)を含む、いくつかの分光法が、気体中における定量的な汚染物質の監視などの分野に応用されている。これらの分光法は、レーマン(Lehmann)に係る特許文献1中で論じられているいくつかの特徴を有している。しかし、これらは、工業に用いるのが困難であり、実用的ではない。それゆえ、それらは、大半は研究所での研究に限定されている。
【0006】
これに対して、連続波キャビティリングダウン分光法(CW−CRDS)は、科学、工業プロセス制御、及び大気中の微量ガス検出への応用において、重要な分光技術となっている。CW−CRDSは、従来の方法では感度が不十分である低吸光度形態(low-absorbance regime)において優れた光学吸収測定のための技術として紹介されている。CW−CRDSは、吸収感応性がある観測可能な要素(absorption-sensitive observable)として、高性能光学共鳴器(high finesse optical resonator)中の光子の平均寿命(mean lifetime)を利用する。
【0007】
典型的には、共鳴器は、帯域が狭く極めて高い反射率をもつ1対の誘電体の鏡(ミラー)で形成され、適切に配置されて安定な光学共鳴器を形成する。レーザパルスは、1つの鏡を通して共鳴器に注入され、平均寿命をもつ。この平均寿命は、光子往復通過時間と、共鳴器の長さと、種の数密度及び吸収断面と、固有の共鳴器損失の原因となる因子(これは、回折損失が無視できるときには、大半は、周波数に依存する鏡の反射率に起因する。)とに依存する。それゆえ、光学吸収の決定は、従来の出力比(power-ratio)の測定から遅延時間の測定に変わる。CW−CRDSの最終的な感度は、超低損失光学製品の製作を可能にする超研磨(superpolishing)などの技術でもって最小化することができる固有の共鳴器損失の大きさによって決定される。
【0008】
図1Bは、ガラスセル109内に収容された液体111中の不純物を測定するための従来のCW−CRDS装置100を示している。図1Bに示すように、光104は、狭周波数帯可変調連続波ダイオードレーザ102(narrow band, tunable, continuous wave diode laser)によって生成される。このレーザ102は、温度及び/又は電流制御器(図示せず)により温度及び/又は電流を調整して、その周波数を、不純物の望ましいスペクトル線に合わせることができる。集束レンズ106(又はレンズ系)が、レーザ102から放射された光104に合わせて位置決めされている。光104は集束レンズ106を出て光学セル112に入る。光学セル112は、その入力側に鏡108を備える一方、その出力側に鏡110を備えている。光104は、光学セル112に入った後、セル112の長手方向の軸に沿って進み、セル内の鏡108と鏡110との間を繰り返し行き来するのに伴って、指数関数的に(exponentially)減衰する。この減衰の測定は、ガラスセル109内に収容されている液体111中の不純物の存在又は欠如(lack)を示す。
【特許文献1】米国特許第5,528,040号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
光学セル112の出力部と処理装置116との間に、検出器114が結合されている。処理装置116は、ガラスセル109内の不純物のレベルを決定するために、光学検出器114から入力される信号を処理する。このシステムの欠点は、以下のとおりである。すなわち、ガラスセル109は光104に対してブルースター角の方向を向いているのにもかかわらず、ガラスセル109の表面からの屈折が、光104が液体111内を進むのに伴って、該光104の経路をブルースター角から逸脱ないしは偏倚させてしまうということである。しかし、この屈折を補償するためにガラスセル109の方向を調整すると、ガラスセル109の外表面での外部反射(external reflection)を生じさせることになる。かくして、光104が透過して進まなければならないガラスセル109の壁部は、必然的に、望ましくない屈折を生じさせる界面を増加させることになる。その結果、装置の感度を低下させる信号損失(signal loss)を増加させる。
【0010】
本発明の目的は、従来のシステムの欠点を克服し、CW−CRDSを用いて液体中の不純物を分析するための改良されたシステム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、液体中の不純物を定量的に測定するための装置及び方法を提供する。本発明に係る装置は、CW−CRDSの第1の鏡と第2の鏡との間で、液体の流れをセル内に供給する装置が設けられた連続波キャビティリングダウン分光器(CW−CRDS)を備えている。セルを抜け出る光は検出器によって監視される。検出器の信号は、分析のために処理装置に出力される。セル内に伝達された光の波長が不純物の吸収スペクトル内で調整された(tuned)ときに、処理装置は、セル内の光の減衰を、液体中の不純物の濃度に関係づける。
【0012】
光に対する、液体の流れを供給する角度は、液体の流れの表面から光の外部反射(フレネル反射)を低減するように調整することができる。液体の流れと光との間の理想的な交差角度は、当業者にはブルースター角として知られている。
【0013】
ガラス又はその他の誘電体材料については、偏光角と呼ばれている(デビッド・ブルースターによって実験的に発見されたのでブルースター角Θとも呼ばれている)特定の入射角が存在する。この偏光角においては、P偏光成分(P-polarization component)に対する反射係数はゼロである。かくして、ガラスから反射した、強度が低い光は、面偏光され(plane-polarized)、入射面に対して垂直な振動面を備えている。偏光角におけるP偏光成分は、屈折角Θで全面的に屈折させられる。S偏光成分(S-polarization component)は、部分的に屈折させられるだけである。かくして、伝達された強度が高い光は、部分的に偏光されるだけである。
【0014】
本発明では、液体を、光の経路と交差する自由な流れとして供給するので、1つ又は複数の容器壁によって生成される干渉(interference)が起こらない。容器壁の存在は、セルの両鏡間の界面を増加させることになる。この増加する界面により生成されるすべての屈折は、液体を透過する光の経路において、光をブルースター角から逸脱ないしは偏倚させ、外部反射に起因する光の損失を生じさせる結果となる。このように容器を取り除いた場合、光の損失は、不純物によって生じる損失にまで低減され、液体の流れの表面で生じる散乱の量を低減することができる。
【0015】
本発明のもう1つの態様によれば、光源と検出器との間にp偏光器(p-polarizer)が設けられる。
【0016】
本発明のさらにもう1つの態様によれば、液体の流れが自由に(freely)セル内に供給ないしは投入される(projected)。
【0017】
本発明のさらにもう1つの態様によれば、CW−CEDSセルは実質的に開放され、光ビームと交差する液体の流れの供給ないしは投入を促進する。
【0018】
本発明のさらにもう1つの態様によれば、該装置は、液体の流れと光ビームとの間の交差角度を調整して、光ビームの外部反射を低減することが可能となるように構成されている。
【0019】
本発明のさらにもう1つの態様によれば、処理装置は、不純物のピーク波長と非ピーク波長との間のリングダウン率(ring-down rate)の差に基づいて、液体中の不純物の濃度を決定するように構成されている。
【0020】
本発明のさらにもう1つの態様によれば、処理装置は、全ピークプロファイル(whole peak profile)に基づいて、不純物の濃度を決定するように構成されている。
【0021】
本発明のさらにもう1つの態様によれば、該装置にはまた、光学スプリッタと、第2のセルと、第2の流れ供給装置と、第2の検出器とが設けられている。第1のセル内の液体との比較のために、第2の液体が第2のセル内に導入される。第2の検出器は、その検出信号を、第1の検出器からも信号を受け取る処理装置に出力する。この後、処理装置は、各検出器からのデータを比較することにより、第1の流れ中の不純物の濃度を決定する。
【0022】
本発明のさらにもう1つの態様によれば、該装置にはまた、第2の光源が設けられている。この第2の光源は、他の不純物の分析のための、又は第1の波長との基準線比較(baseline comparison)の比較のための第2の波長に調整する(tune)ことができる。
【0023】
本発明のさらにもう1つの態様によれば、該装置にはまた、第2の光源と、第2の流れ供給装置と、第2の検出器とが設けられている。第1の流れ及び第2の流れは、第1の光ビーム及び第2の光ビームの両方と交差して投与され、複数の不純物の分析のため、又は2つの流れ間の比較のため、2つの波長で2つの流れの測定を同時に実施することを可能にする。
【0024】
前記の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、いずれも本発明の典型例を示すものであって、本発明を制限するものではないということを理解すべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明は、添付の図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読むことにより最も良く理解されるであろう。一般的な実務慣行により、図面の種々の特徴は正確な寸法のものではないということが強調される。また、種々の特徴の寸法は、特徴を明瞭化するために、任意に拡張又は縮小されている。図面は、図1A、図1B、図2及び図3を含んでいる。
【0026】
図2は、本発明の典型的な実施の形態200を示している。図2に示すように、光104は、例えば狭周波数帯可変調連続波ダイオードレーザ(narrow band, tunable, continuous wave diode laser)などの光源102によって生成される。この光源102は、温度及び/又は電流制御器(図示せず)により温度及び/又は電流を調整して、その周波数を、微量種などの対象不純物の望ましいスペクトル線に合わせる(put on)ことができる。光104は、集束レンズ又は集束レンズ系106によって集束ないいは焦点合わせされ、順に、光104をp方向に偏光させる(polarize)p偏光器202(p-polarizer)に供給される。P偏光205(P-polarized light)は、偏光器202から第1の鏡108に伝達され、さらにセル長手方向の軸に沿って開放セルなどのセル204に伝達される。液体の流れ208を供給するための、液体ジェット(liquid jet)などの供給装置210が、第1の鏡108と第2の鏡110との間に液体の流れ208を供給できるように、かつある角度206でセル204の長手方向の軸と交差するように位置決めされている。1つの実施の形態においては、角度206は、光104の外部反射を低減するように調整される。この角度206は、スルースター角の余角(complementary to Brewster's angle)又はその近傍に設定するのが好ましい。この場合、ジェットはブルースター角であるので、フレネル反射は最小となる。さらに、1つの実施の形態においては、液体208は、自由な状態で、すなわちガラス導管やその他の規制要素によって閉じ込められることなくセル204内に導入される。
【0027】
供給装置210は、該供給装置210に実質的に連続な液体の流れ208を供給するポンプ機構212又はその他の供給源に結合されている。液体の流れ208を透過した光205は、第2の鏡110によって、セル204の長手方向の軸に沿って反射させられ元の位置に戻る。セル204に結合された検出器114は、セル204内における光205の減衰率を監視し(monitor)、この減衰率を示す出力信号214を生成する。処理装置116は、検出器114に結合され、液体の流れ208中の1つ又は複数の不純物又は分析物(analyte)のレベル(level)を決定するように構成されている。非制限的な1つの具体例においては、この決定は、不純物のピークプロファイル(peak profile)から適当な距離のところで選択された波長で測定された第1のリングダウン率を、不純物のピークプロファイル内で選択されたもう1つの波長で測定された第2のリングダウン率と比較することにより行うことができる。この決定を行う技術の代替的な具体例においては、全ピークプロファイル(whole peak profile)の測定を行い、線形(lineshape)のフィッティングを行うであろう。この典型的な実施の形態においては、p偏光器202を用いているが、本発明は、これに限定されるものではなく、p偏光器202の設置は任意であって、必要がなければ省いてもよい。さらに、この典型的な実施の形態では、液体の不純物について説明を行っているが、本発明はまた、それらを搬送液体(carrier liquid)に溶解させることにより、固体の試料の分析にも用いることができる。
【0028】
図3は、本発明のもう1つの典型的な実施の形態300を示している。この実施の形態には、さらに、光104を第1の光ビーム303と第2の光ビーム305とに分ける光学スプリッタ302が設けられている。必要であれば、2つの光ビームは、それぞれ、鏡304によってセル204及びセル310に向かうように再度方向づけされる。1つの典型的な具体例においては、第1のセル204と第2のセル310とを同時に操作することができる。第2のセル310は、第1の典型的な実施の形態において説明した前記のセル204と同様のものであり、第1の鏡306と第2の鏡308とを備えている。第2の光ビーム305は、第1の鏡306を通ってセル310に入り、セル310内の長手方向の経路に沿って進む。供給装置316は、第1の鏡306と第2の鏡308との間に、第2の液体の流れ314を供給し、ある角度312で光ビーム305と交差する。第1の典型的な実施の形態と同様に、角度312は、光の外部反射を低減するように調整され、好ましくはブルースター角の余角となるように調整される。
【0029】
第2の供給装置316は、該第2の供給装置316に実質的に連続な第2の液体の流れ314を供給するポンプ機構314又はその他の供給源に結合されている。第2の液体の流れ314は、分析対象である不純物(又は分析物)を実質的に含まない基準液体(reference liquid)であってもよく、第1の液体との比較のための第2の活性的な液体試料(active sample of liquid)であってもよく、あるいは実質的に同時に分析を行うための他の液体試料であってもよく、その選択は随意である。第2の液体の流れ314を透過した第2の光ビーム305は、第2の鏡308によって、セル310の長手方向の軸に沿って反射させられ元の位置に戻る。第2のセル310に結合された第2の検出器316は、第2のセル310内における第2の光ビーム305の減衰率を監視し、この減衰率を示す出力信号320を生成する。処理装置116はまた、第1の検出器114及び第2の検出器316の両方に結合され、液体の流れ208及び液体の流れ314の一方又は両方の中の不純物のレベルを決定するように構成されている。その他のすべての態様において、この典型的な実施の形態は第1の典型的な実施の形態と同様である。
【0030】
本明細書では、ある特定の実施の形態を参照しつつ図示及び説明が行われている。しかしながら、本発明は、このような詳細な記載に限定される趣旨でない。むしろ、請求の範囲の記載と等価な範囲及び領域内において、本発明の趣旨から離脱することなく、種々の修正がきめ細かくなされることができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1A】対数目盛による電磁スペクトルを示す図である。
【図1B】液体を分析するための、従来技術に係るCW−CRDSシステムを示す図である。
【図2】本発明の典型的な実施の形態を示す図である。
【図3】本発明のもう1つの典型的な実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
【0032】
102 光源、104 光、106 レンズ系、108 第1の鏡、110 第2の鏡、114 検出器、116 処理装置、202 偏光器、204 セル、205 偏光、206 角度、208 液体の流れ、210 液体供給装置、212 ポンプ機構。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源とともに用いて、液体中の不純物を分析する装置であって、
該装置は、上記光源に結合されたセルを備えていて、上記セルには、
該セルの第1の端部に配置され、上記光源から出た光を受け取り、上記光を、該セルの長手方向の軸に沿って該セル内に導入する第1の鏡と、
該セルの第2の端部に配置され、上記第1の鏡からの光を少なくとも部分的に反射させて該光を上記長手方向の軸に沿って上記第1の鏡に戻す第2の鏡とが設けられ、
該装置は、さらに
上記第1の鏡と上記第2の鏡との間に、上記セルの長手方向の軸と交差するように、上記液体の第1の流れを供給するようになっている第1の液体供給装置と、
上記セルの第2の端部に結合され、上記液体を透過した光に基づいて、上記セル内の光の減衰率を決定するようになっている検出器とを備えている装置。
【請求項2】
上記光源と上記セルとの間に結合された偏光器をさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
上記液体の流れを上記セル内に自由状態で供給するようになっている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
上記セルが実質的に開放されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
上記液体の流れが、予め設定された角度で上記セルの長手方向の軸と交差し、上記液体の流れによる光の反射を実質的に低減するようになっている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
上記交差角度がブルースター角の余角である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
上記検出器に結合され、上記セル内の光の減衰率に基づいて上記液体中の上記不純物のレベルを決定する処理装置をさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
上記処理装置が、上記不純物のプロファイルの非ピーク波長のところで測定された第1のリングダウン率と、上記不純物のプロファイルのピーク波長のところで測定された第2のリングダウン率との間の差に基づいて、上記液体中の上記不純物のレベルを決定するようになっている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
上記処理装置が、全ピークプロファイルの測定に基づいて、上記液体中の上記不純物のレベルを決定するようになっている、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
該装置は、
上記光源に結合されるとともに上記セルに結合され、光源からの光を第1の光ビームと第2の光ビームとに分ける光学スプリッタと、
上記光学スプリッタに結合された第2のセルとを備えていて、上記第2のセルには、
該第2のセルの第1の端部に配置され、上記第2の光ビームを受け取り、上記第2の光ビームを、該第2のセルの長手方向の軸に沿って該第2のセル内に導入する第1の鏡と、
該第2のセルの第2の端部に配置され、上記第2の光ビームを少なくとも部分的に反射させて該第2の光ビームを上記長手方向の軸に沿って上記第1の鏡に戻す第2の鏡とが設けられ、
該装置は、さらに
上記第1の鏡と上記第2の鏡との間において、上記第2のセルの長手方向の軸と交差するように、上記不純物を実質的に含まない第2の液体の第2の流れを上記第2のセル内に供給するようになっている第2の液体供給装置と、
上記第2のセルの第2の端部に結合され、上記第2のセル内の第2の光の減衰率を決定するようになっている第2の検出器とを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
上記第1の検出器と上記第2の検出器とに結合された処理装置をさらに備えていて、
上記処理装置が、上記セル内の減衰率と上記第2のセル内の減衰率との差に基づいて上記液体中の上記不純物のレベルを決定するようになっている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
光源を用いて、液体中の微量種を分析する方法であって、
上記光源から光を放射させるステップと、
上記光を、上記液体の第1の流れを透過させるステップと、
上記液体を透過した光の減衰率を測定するステップと、
上記減衰率に基づいて、上記微量種のレベルを決定するステップとを含む方法。
【請求項13】
光を放射させる上記ステップの後において上記光を偏光させるステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
上記光源からの光を、第1の光ビームと第2の光ビームとに分けるステップと、
上記第1の光ビームを、上記微量種を含む液体の第1の流れを透過させるステップと、
上記第2の光ビームを、上記微量種を実質的に含まない液体の第2の流れを透過させるステップと、
上記液体の第1の流れを透過した上記第1の光ビームの第1の減衰率を測定するステップと、
上記液体の第2の流れを透過した上記第2の光ビームの第2の減衰率を測定するステップと、
上記第1の減衰率と上記第2の減衰率との差に基づいて、上記液体の第1の流れ中の上記微量種のレベルを決定するステップとをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
上記液体中の上記微量種の吸収スペクトルの決定を、上記微量種のプロファイルの非ピーク波長のところで測定された第1のリングダウン率と、上記微量種のプロファイルのピーク波長のところで測定された第2のリングダウン率との間の差に基づいて行う、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
上記微量種のレベルを決定する上記ステップを、第1の全ピークプロファイルの測定に基づいて行う、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
上記液体の第1の流れを、予め設定された角度で上記光と交差するように供給するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
上記の予め設定された角度を、上記光の外部反射を低減するように選択する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
上記の予め設定された角度がおおむねブルースター角の余角である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
液体中の微量種を分析する装置であって、
光を放射する手段と、
上記光を、液体の第1の流れを透過させる手段と、
上記液体の第1の流れを透過した光の減衰率を測定する手段と、
上記減衰率に基づいて、上記微量種のレベルを決定する手段とを含む装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−534931(P2007−534931A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−542680(P2006−542680)
【出願日】平成16年12月1日(2004.12.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/040079
【国際公開番号】WO2005/057147
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(504419771)タイガー・オプティクス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (2)
【氏名又は名称原語表記】TIGER OPTICS, LLC
【Fターム(参考)】