説明

進入口及び非常用進入口

【課題】外開き方式と同等な高い止水性を確保できるにもかかわらず道路境界までの寸法的余裕がなくても障子の有効開口幅を広く取ることができる非常用進入口を提供する。
【解決手段】建物の外壁Wに非常進入用の開口部1を形成し、当該開口部1に外部から開放操作可能な障子2を開閉自在に設けた非常用進入口であって、障子2を開口部1の横枠5b近くに設けた縦軸P,P芯周りで揺動可能な平行リンク6a,6bで支持することにより、障子2が室外側に移動した後、外壁Wに添って水平方向に平行移動するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の開口部に障子を開閉自在に設けた進入口に関し、詳しくは、建物の3階以上の階の外壁に設けられる非常用進入口(火災等の非常時に、消防隊等が救出・消火活動するための非常用進入口)に関する。
【背景技術】
【0002】
カーテンウォールに組み込むことのできる非常用進入口としては、次の三方式が一般的である。
(1)外開き方式:非常進入用の開口部を閉塞するための障子がその幅方向一側縁部を揺動中心として室外側に揺動開放する方式(特許文献1)
(2)内開き方式:非常進入用の開口部を閉塞するための障子がその幅方向一側縁部を揺動中心として室内側に揺動開放する方式(特許文献2)
(3)回転方式:非常進入用の開口部を閉塞するための障子がその幅方向中央部を回転中心として回転する方式
【0003】
外開き方式においては、障子と開口部との間の雨仕舞いが容易であるため、止水性を確保し易いが、障子を室外側に揺動開放させる際、障子が外壁面から大きく突出するので、道路境界まで相当の寸法的余裕が必要とされる。
【0004】
内開き方式においては、道路境界までの寸法的余裕がなくても障子を揺動開放させることができるが、止水性の確保に難がある。また、室内側に下がり天井などの障害物があると、障子を揺動開放させることができないことになり、室内側の形状に制約がある。
【0005】
回転方式は、半分が室外側に揺動開放し、半分が室内側に揺動開放するので、止水性については外開き方式と内開き方式の長所と短所を併せ持つことになる。また、障子の幅方向中央部を回転中心とするので、必要な開口幅を確保するためには、障子の半分を外壁面から大きく突出させる必要があり、道路境界まで相当の寸法的余裕が必要とされる点では開き方式と大差がない。
【0006】
【特許文献1】特開平5−311934号公報
【特許文献2】特開2000−38877号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の問題点を踏まえてなされたものであって、その目的とするところは、障子開放時の突出量を小さく抑えながらも障子の有効開口幅を広く取ることができるようした進入口及びそれを応用して外開き方式と同等な高い止水性を確保できるにもかかわらず道路境界までの寸法的余裕がなくても障子の有効開口幅を広く取ることができるようにした非常用進入口を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために本発明が講じた技術的手段は、次のとおりである。即ち、請求項1に記載の発明は、建物の開口部に形成し、開放操作可能な障子を開閉自在に設けた進入口であって、障子を開口部の横枠近くに設けた縦軸芯周りで揺動可能な平行リンクで支持することにより、障子を開放後に、当該障子が壁面または柱面に添って水平方向に平行移動するように構成したことを特徴としている。尚、本発明において、障子とは扉をも包含する意味である。さらに、本発明は一般扉でも使用が可能であるが、これ以外に火
災等の非常時に当該障子を扉として使用することにより、建物の内側から外部へ、もしくは外部から内側への出入りの際には、突出量を少なく抑えながらも扉(障子)の有効開口幅を広く確保でき、外開き方式と同等な高い止水性の確保ができるばかりか、付勢機構で付勢すれば、さらに開放操作が簡敏、かつ軽くスライドできる効果を有する。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の進入口であって、建物の外壁に非常進入用の開口部を形成し、当該開口部に外部から開放操作可能な障子を開閉自在に設け、障子を開口部の横枠近くに設けた縦軸芯周りで揺動可能な平行リンクで支持することにより、障子が室外側に移動した後、外壁に添って水平方向に平行移動するように構成した非常用進入口を特徴している。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の非常用進入口であって、障子の上,下部の何れか一方が開口部の横枠近くに設けられた平行リンクで支持され、障子の上,下部の他方が前記横枠とは反対側の横枠に一端を縦軸芯周りで回動自在に枢着されたリンクと、当該リンクの他端に設けられ且つ当該横枠に沿って設けたガイドレールにスライド自在に案内されるスライダーとで支持されていることを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の非常用進入口であって、障子と開口部との間に障子を閉塞姿勢にロックするロック機構を構成し、障子の枠には回動自在で且つ回動によりロック機構をロック解除するように構成されたレバーを設け、当該レバーによりロック機構のロック解除と障子の開放動作とを行うようにしたことを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の非常用進入口であって、レバーが障子の内側に設けられていることを特徴としている。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の非常用進入口であって、障子が無目で上下に区画されていることを特徴としている。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項2〜6の何れかに記載の非常用進入口であって、障子が平行リンクに設けた付勢機構で開き方向に付勢されていることを特徴としている。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項2〜7の何れかに記載の非常用進入口であって、平行リンクの長手方向中間部に腰折れ支点があり、腰折れ支点間がリンクで連結されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、障子を開放操作すると、当該障子が壁面または柱面に添って水平方向に平行移動するので、壁面または柱面からの突出量を小さく抑えながらも障子の有効開口幅を広く取ることができる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、火災等の非常時に障子を開放操作すると、障子が室外側に移動した後、外壁に添って水平方向に平行移動するので、外開き方式と同等な止水性を確保できるにもかかわらず道路境界までの寸法的余裕がなくても障子の有効開口幅を広く取ることができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、障子の上,下部の何れか一方が開口部の横枠近くに設けられた平行リンクで支持され、障子の上,下部の他方が前記横枠とは反対側の横枠に一端を縦軸芯周りで回動自在に枢着されたリンクと、当該リンクの他端に設けられ且つ当該横枠に沿って設けたガイドレールにスライド自在に案内されるスライダーとで支持されて
いるので、障子の上,下部を夫々平行リンクで支持する場合に比して、構成の簡略化が可能である。
【0019】
殊に、障子の下部が開口部の下側の横枠近くに設けられた平行リンクで支持され、障子の上部が当該障子の上側の横枠に一端を縦軸芯周りで回動自在に枢着されたリンクと、当該リンクの他端に設けられ且つ開口部の上側の横枠に沿って設けたガイドレールにスライド自在に案内されるスライダーとで支持された構成を採用すると、通常時(障子が閉塞している状態)において、建物の外部下方から非常用進入口を見上げても平行リンクが見えず、外壁の美観を損なわない。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、レバーを回動させることによりロック機構がロック解除されるので、障子を開放動作させることができる。殊に、レバーを手前側へ回動させることによりロック機構がロック解除されるように構成すれば、レバーを引いて手前側へ回動させることによりロック解除し、そのまま連続してレバーを手前側に引くことで障子が開放動作することになるから、レバーを持ち換えたり、レバーを異なる方向に操作したりすることなしに、一連の動作でロック機構のロック解除とそれに続く障子の開放動作とを行うことができ、火災等の非常時における消防隊等による迅速な救出・消火活動に寄与する。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、レバーが障子の内側に設けられているので、火災等の非常時には、障子のガラスを部分的に破壊して室内側に手を差し入れ、レバーを引くことになる。換言すれば、ガラスを破らないとレバーを操作できないので、防犯上、有利である。
【0022】
殊に、レバーを障子における左右の縦枠の下端部間に横架する場合は、通常時(障子が閉塞している状態)において、建物の外部下方から非常用進入口を見上げてもレバーが見えず、外壁の美観を損なわない。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、火災等の非常時、障子のガラスのうち、無目から下のガラスを破ってレバーを引くことになり、無目から上のガラスを破らずに済むため、ガラス復旧費が安い。
【0024】
請求項7に記載の発明によれば、障子がスプリング等の付勢機構で開き方向に付勢されているので、火災等の非常時における障子の開放操作を軽く行える。
【0025】
請求項8に記載の発明によれば、平行リンクの長手方向中間部に腰折れ支点があり、腰折れ支点間がリンクで連結されているので、障子を開放操作する際、平行リンクを二段折れさせることにより、つまり、室内側端部から腰折れ支点までの平行リンク部分を限界まで揺動させた後、腰折れ支点から障子側端部までの平行リンク部分を同方向に揺動させることによって、障子を大きく開放させることができ、障子の有効開口幅を広く取り易い。従って、平行リンクに無理なねじれ力が作用しないように、平行リンクの障子側端部を障子の幅方向中央部に連結しても、有効開口幅を広くとることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図5は、本発明に係る非常用進入口の一例を示す。この非常用進入口は、建物の外壁Wのうち3階以上の階の外壁(図示の例ではガラスカーテンウォールである。)Wに非常進入用の開口部1を形成し、当該開口部1に外部から開放操作可能な障子2を開閉自在に設け、障子2のガラス3中央部に標識(赤い正三角形マーク)4を記したものであって、障子2を開口部1の横枠5b近くに設けた縦軸芯P,P周りで揺動可能な平行リンク6a,6bで支持することによ
り、障子2が室外側に移動した後、外壁Wに添って水平方向に平行移動するよう構成してある。障子2は、上下の横枠2a,2bと左右の縦枠2c,2cで形成される矩形状の枠にガラス3を嵌め込んで構成されている。
【0027】
尚、開口部1の上下の横枠5a,5b近くに夫々平行リンク6a,6bを設けて、障子2の上下二箇所を支持するように構成することも可能であるが、図示の例では、平行リンク6a,6bを開口部1の下側の横枠5b近くにだけ設けて、障子2の下部を平行リンク6a,6bで支持するように構成する一方、障子2の上側の横枠2aに一端を縦軸芯Q周りで回動自在に枢着された1本のリンク7と、当該リンク7の他端に縦軸芯Q周りで回動自在に設けられ且つ開口部1の上側の横枠5aに沿って設けたガイドレール8にスライド自在に案内されるスライダー9とで障子2の上部を支持するように構成してある。
【0028】
図中の10は額縁であり、平行リンク6a,6bの室内側端部を縦軸芯P周りに回動自在に枢支している。11はレインバリア、12はウインドバリアであり、これらにより障子2と開口部1との間に止水性の高い二重シールを構成している。
【0029】
障子2の左右の縦枠2c,2cと開口部1の左右の縦枠5c,5cとの間には、夫々、締り金具13aと締り受け13bとから成り、障子2を閉塞姿勢にロックするロック機構13が構成されている。障子2の内側で且つ障子2における左右の縦枠2c,2cの下端部間には、縦枠2c,2cと直角な横軸芯周りに回動自在で且つ手前側(屋外側)への回動によりロック機構13をロック解除するように構成されたレバー14が横架されており、当該レバー14によりロック機構13のロック解除と障子2の開放動作とを行うように構成されている。
【0030】
レバー14の両端とロック機構13との間には、レバー14の回転運動を締り受け13bに対する締り金具13aの係合・係合離脱運動に変換する既知の連動機構が設けられている。連動機構は、例えば、レバー14の回動により横軸芯周りに回転するギヤ、当該ギヤにより上下に動かされるラックギヤ、ラックギヤの昇降により締り金具13aを締り受け13bに対して出没させるギヤ又はリンク等によって構成される。
【0031】
上記の構成によれば、火災等の非常時には、消防隊等が障子2のガラス3を部分的に破壊して室内側に手を差し入れ、レバー14を引いて手前側へ回動させることによりロック機構13がロック解除され、そのまま連続してレバー14を手前側に引くことで障子2が開放動作することになる。
【0032】
この場合、障子2を開口部1の横枠5b近くに設けた縦軸芯P,P周りで揺動可能な平行リンク6a,6bで支持することにより、障子2が室外側に移動した後、外壁Wに添って水平方向に平行移動するように構成してあるので、図3に示すように、障子2の外側への最大突出距離Hを例えば25cm程度に抑えながらも障子2を大きく開くことができる。従って、外開き方式と同等の高い止水性を確保できるにもかかわらず道路境界Xまでの寸法的余裕がなくても障子2の有効開口幅Lを広く取ることができる。
【0033】
尚、平行リンク6a,6bは直線的な形状であってもよいが、図示のとおり、平面視略への字状に屈曲した形状とする方が、平行リンク6a,6bに無理な捩れ力が作用しないように、平行リンク6a,6bの障子側端部を可及的に障子2の幅方向中央部よりに連結しても、有効開口幅を広くとることができる点で好ましい。
【0034】
また、レバー14を引いて手前側へ回動させることによりロック機構13がロック解除され、そのまま連続してレバー14を手前側に引くことで障子2が開放動作するので、レバー14を持ち換えたり、レバー14を異なる方向に操作したりすることなしに、一連の
動作でロック機構13のロック解除とそれに続く障子2の開放動作とを行うことができ、火災等の非常時における消防隊等による迅速な救出・消火活動に寄与する。
【0035】
殊に、上記の構成によれば、障子2の下部が開口部1の下側の横枠5b近くに設けられた平行リンク6a,6bで支持され、障子2の上部が当該障子2の上側の横枠2aに一端を縦軸芯Q周りで回動自在に枢着された1本のリンク7と、当該リンク7の他端に縦軸芯Q周りで回動自在に設けられ且つ開口部1の上側の横枠5aに沿って設けたガイドレール8にスライド自在に案内されるスライダー9とで支持されているので、通常時(障子2が閉塞している状態)において、建物の外部下方から非常用進入口を見上げても平行リンク6a,6bが見えず、外壁Wの美観を損なわない。
【0036】
また、レバー14が障子2の内側に設けられているので、防犯上、有利であり、しかも、レバー14が障子2における左右の縦枠2c,2cの下端部間に横架されているので、通常時(障子2が閉塞している状態)において、建物の外部下方から非常用進入口を見上げてもレバー14が見えず、外壁Wの美観を損なわない。
【0037】
図6は、本発明の他の実施形態を示す。この実施形態は、障子2の左右縦枠2c,2c間に無目15を設けて障子2のガラス3を無目15で上下に区画した点に特徴がある。
この実施形態によれば、火災等の非常時、障子2のガラス3のうち、無目15から下のガラス3を破ってレバー14を引くことになり、無目15から上のガラス3を破らずに済むため、ガラス復旧費が安い。その他の構成、作用は、図1〜図5の実施形態と同じであるから、同一構成部材に同一符号を付し、説明を省略する。
【0038】
図7は、本発明の他の実施形態を示す。この実施形態は、障子2が平行リンク6a,6bにおける一方の平行リンク6aの開口部1側の枢支点と他方の平行リンク6bの障子2側の枢支点との間に引張スプリング等の付勢機構16を設けて、障子2を開き方向に付勢した点に特徴がある。
【0039】
この実施形態によれば、障子2が付勢機構16で開き方向に付勢されているので、火災等の非常時における障子2の開放操作を軽く行える利点がある。その他の構成、作用は、図1〜図5の実施形態と同じであるから、同一構成部材に同一符号を付し、説明を省略する。
【0040】
図8は、本発明の他の実施形態を示す。この実施形態は、平行リンク6a,6bの長手方向中間部に腰折れ支点17a,17bを設け、腰折れ支点17a,17b間をリンク18で連結した点に特徴がある。
【0041】
この実施形態によれば、平行リンク6a,6bの長手方向中間部に腰折れ支点17a,17bがあり、腰折れ支点17a,17b間がリンク18で連結されているので、障子2を開放操作する際、平行リンク6a,6bを二段折れさせることにより、つまり、室内側端部から腰折れ支点17a,17bまでの平行リンク部分を限界まで揺動させた後、腰折れ支点17a,17bから障子2側端部までの平行リンク部分を同方向に揺動させることによって、障子2を大きく開放させることができ、障子2の有効開口幅を広く取り易い。従って、平行リンク6a,6bに無理な捩れ力が作用しないように、平行リンク6a,6bの障子2側端部を障子2の幅方向中央部に連結しても、有効開口幅を広くとることができる。その他の構成、作用は、図1〜図5の実施形態と同じであるから、同一構成部材に同一符号を付し、説明を省略する。
【0042】
以上、複数の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態を採用できることは勿論
である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る非常用進入口の正面図である。
【図2】非常用進入口の閉塞状態における横断平面図である。
【図3】非常用進入口の開放状態における横断平面図である。
【図4】非常用進入口の閉塞状態における要部の縦断側面図である。
【図5】非常用進入口の閉塞状態における要部の横断平面図である。
【図6】本発明の他の実施形態を示す非常用進入口の正面図である。
【図7】本発明の他の実施形態を示す非常用進入口の横断平面図である。
【図8】本発明の他の実施形態を示す非常用進入口の横断平面図である。
【符号の説明】
【0044】
W 外壁
1 開口部
2 障子
2a,2b 横枠
2c,2c 縦枠
3 ガラス
4 標識
5a,5b 横枠
5c 縦枠
6a,6b 平行リンク
7 リンク
8 ガイドレール
9 スライダー
10 額縁
11 レインバリア
12 ウインドバリア
13 ロック機構
13a 締り金具
13b 締り受け
14 レバー
15 無目
16 引張スプリング
17a,17b 腰折れ支点
18 リンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部に形成し、開放操作可能な障子を開閉自在に設けた進入口であって、障子を開口部の横枠近くに設けた縦軸芯周りで揺動可能な平行リンクで支持することにより、障子を開放後に、当該障子が壁面または柱面に添って水平方向に平行移動するように構成したことを特徴とする進入口。
【請求項2】
請求項1に記載の進入口であって、建物の外壁に非常進入用の開口部を形成し、当該開口部に外部から開放操作可能な障子を開閉自在に設け、障子を開口部の横枠近くに設けた縦軸芯周りで揺動可能な平行リンクで支持することにより、障子が室外側に移動した後、外壁に添って水平方向に平行移動するように構成したことを特徴とする非常用進入口。
【請求項3】
請求項2に記載の非常用進入口であって、障子の上,下部の何れか一方が開口部の横枠近くに設けられた平行リンクで支持され、障子の上,下部の他方が前記横枠とは反対側の横枠に一端を縦軸芯周りで回動自在に枢着されたリンクと、当該リンクの他端に設けられ且つ当該横枠に沿って設けたガイドレールにスライド自在に案内されるスライダーとで支持されていることを特徴とする非常用進入口。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の非常用進入口であって、障子と開口部との間に障子を閉塞姿勢にロックするロック機構を構成し、障子の枠には回動自在で且つ回動によりロック機構をロック解除するように構成されたレバーを設け、当該レバーによりロック機構のロック解除と障子の開放動作とを行うようにしたことを特徴とする非常用進入口。
【請求項5】
請求項4に記載の非常用進入口であって、レバーが障子の内側に設けられていることを特徴とする非常用進入口。
【請求項6】
請求項5に記載の非常用進入口であって、障子が無目で上下に区画されていることを特徴とする非常用進入口。
【請求項7】
請求項2〜6の何れかに記載の非常用進入口であって、障子が平行リンクに設けた付勢機構で開き方向に付勢されていることを特徴とする非常用進入口。
【請求項8】
請求項2〜7の何れかに記載の非常用進入口であって、平行リンクの長手方向中間部に腰折れ支点があり、腰折れ支点間がリンクで連結されていることを特徴とする非常用進入口。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−240489(P2008−240489A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−86689(P2007−86689)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【Fターム(参考)】