説明

遊戯装置及びその制御方法

【課題】遊戯の終了が目前であることを確実に遊戯者に知らせることができ、遊戯者のストレスを軽減させることができる遊戯装置を提供する。
【解決手段】本発明による遊戯装置は、遊戯中にダメージ等の減点事由が発生したときに、遊戯者の持ち点から減点を行う減点手段と、その持ち点の残り点数に基づいて所定の絵等の表示を行う表示手段とを備えている。また、減点手段は、遊戯者の持ち点が遊戯を継続するために必要な最低水準より高い状態で減点事由が生じたときに、その遊戯者の持ち点からその減点事由に応じた減点を行ってしまうと遊戯の継続が不能となる場合には、遊戯者の持ち点の残り点数をその最低水準まで減点するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊戯装置及び画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
(1)第1に、従来から、2つの入力機構を有し、2人の遊戯者が協力又は競争して得点を狙う、2人用の遊戯装置が知られている。かかる遊戯装置においては、遊戯者が1人の場合に、1人用の遊戯装置としても使用可能に設計されている。
【0003】
しかし、このような複数人用の遊戯装置において、各入力装置が互いに連動するように設計された遊戯装置においては、これを例えば1人用の遊戯装置として使用すると、遊戯者に使用されない入力装置までが動いてしまうことになる。従来の遊戯装置には、遊戯者が使用していない入力装置が、使用している入力装置に連動することの危険性を考慮したものは存在しない。
【0004】
(2)第2に、従来から、互いに連動する2つの操作手段のそれぞれを2人が向き合って操作する機械が存在する。この種の機械を模した遊戯装置を作る場合、この機械が動く様子を画面表示する表示手段が必要である。
【0005】
しかし、かかる遊戯装置を、前記機械と同様に、2人の遊戯者が向き合った状態で操作するように設計すると、表示手段を遊戯者に見易くするため遊戯者の正面に設けようとする場合には、表示手段が2つ必要になる。また、表示手段を1つで済ませようとすると、表示手段を遊戯者の正面以外の位置に設ける必要があり、遊戯者にとって表示手段が見づらくなる。
【0006】
また、この種の機械を模した遊戯装置を作る場合、遊戯者により操作される操作部を一端に、装置本体に対して揺動可能に軸支される軸支部を他端に有する入力機構を設けた場合、入力機構を遊戯者の体格に合わせた位置に設けると、表示部の位置もそれに合わせて高くしないと、入力機構の軸支部に表示手段の表示部が隠されてしまう。一方、表示部の位置をあまり高くすると装置全体が大きくなりすぎ、また、遊戯者も表示手段を見上げるように見る必要があり、表示部が見づらくなるという問題がある。
【0007】
(3)第3に、従来から、2人の遊戯者によりそれぞれ操作される一対の入力機構を有し、2人の遊戯者が協力して得点を狙う、2人用の遊戯装置が知られている。かかる遊戯装置においては、一方の遊戯者による入力は、他方の遊戯者による入力とは独立しており、一方の遊戯者による入力のいかんに拘らず、他方の遊戯者が任意の入力をすることができる。
【0008】
しかし、従来の2人用の遊戯装置では、2人の遊戯者それぞれの個人としての得点能力が、2人で遊戯した場合の得点に大きな影響を与え、2人の遊戯者の協力度又はチームワークが得点に影響する度合いが少なかった。
【0009】
(4)第4に、従来から、3次元の立体モデルを所定の視点から見た映像を2次元投影して表示する画像処理装置が知られている。このような画像処理装置において、オブジェクトの影を形成することによって、画像に立体感を出し、1つのオブジェクトの影を他のオブジェクトに形成することによって2つのオブジェクトの位置関係が観察者にわかるようにすることができる。
【0010】
しかし、影が形成される位置によっては、影が例えばオブジェクトに隠れてしまったり、画面の表示範囲外に形成されてしまったりすることがあり、立体感を表現できない場合がある。
【0011】
(5)第5に、遊戯装置の分野において、ある物体を模した画像を表示手段に表示させ、遊戯者がこの物体に種々の動作をさせて遊戯を行うものがある。そして、その物体が例えば地面と他の動体であった時に、その動体は地面に着地しない限り再び飛び上がることはできない等、その物体の性質上、入力のためには一定条件を満たすことが必要とされる場合がある。
【0012】
しかし、仮想3次元空間上のオブジェクトを所定の視点から見た映像を表示手段に表示する画像処理装置を備えた遊戯装置においては、物体同士の厳密な位置関係を把握することが困難な場合もある。
【0013】
そのため、動体が着地したと遊戯者が認識して、動体をジャンプさせるための入力をしても、実際にはまだ動体が着地していなかったときは、遊戯装置が入力を受け付けないことになる。このため、遊戯者が入力しても受け付けられないことから遊戯中にストレスを感じることが多くなり、遊戯性を減じられる原因となる。
【0014】
(6)第6に、障害物と遊戯者により操作されるオブジェクトとの接触を回避することを遊戯内容に含む遊戯装置がある。この種の遊戯装置においては、例えばオブジェクトを地面からジャンプさせることによって、地面上を移動する障害物を回避する場合がある。この場合、ジャンプしても滞空時間が限られているため、回避可能な時間が限られている。従って、障害物の大きさが大きかったり、障害物と遊戯者により操作されるオブジェクトとの相対速度が小さかったりすると、遊戯者がオブジェクトを適切なタイミングでジャンプさせても、障害物を避けきれないことがある。
【0015】
(7)第7に、画像処理装置において、仮想空間上を移動中のオブジェクトが、第1の動作及び第2の動作を含む一連の動作を、オブジェクトが所定位置にある時に第2の動作が行われるように、表示手段に表示しなければならない場合がある。この場合、オブジェクトが現在位置から前記所定位置に達するまでの時間は、オブジェクトが移動する速度等により異なる。そこで、オブジェクトの速度が高い時は第1の動作を開始してから第2の動作を行うまでの時間を短くし、オブジェクトの速度が低い時は動作を遅くすることによって、第2の動作が所定位置で行われるようにすることが考えられる。
【0016】
しかし、第1の動作を開始してから第2の動作を行うまでの時間を増減すると、不自然な画像となるおそれがある。一方、これが一定時間で行われるようにするためには、オブジェクトが第1の動作を始めるべき位置は、オブジェクトの速度等により異なることとなり、一律に定めることができない。
【0017】
(8)第8に、戦闘ゲーム、追跡ゲーム等に適用される画像処理装置において、第1のオブジェクト(敵側キャラクタ)から第2のオブジェクト(遊戯者側キャラクタ)に対して、第3のオブジェクト(障害物、銃弾等)が投げつけられ又は発射される場合がある。この場合、第3のオブジェクトが第1のオブジェクトから発射されてから第2のオブジェクトに到達するまでの時間は、第3のオブジェクトの速度、第2のオブジェクトの速度、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとの距離によって異なる。
【0018】
しかし、第3のオブジェクトが第1のオブジェクトから発射されてから第2のオブジェクトに到達するまでの時間は、遊戯の難易度に大きく影響し、その時間が異なると必要以上に易しく又は難しくなりすぎてしまう。ここで、その時間を遊戯の難易度に合ったものにしようとして、第2のオブジェクトの速度や、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとの距離を調節しようとすると、画像が不自然になってしまう。
【0019】
(9)第9に、遊戯者が所定の選択肢のうちいずれかを選択することを遊戯内容に含む遊戯装置が存在する。例えば乗り物ゲームのコースに分岐点を設け、遊戯者にいずれかのコースを選択させる場合がある。この遊戯装置では、正しいコースを選択すると遊戯者に有利な結果となり、誤ったコースを選択すると、遊戯者にとって不利な結果となるようにプログラムされている。
【0020】
ここで、遊戯者が選択の操作をしなかった場合は、例えば乗り物をコースから脱線させるという方法がある。また、遊戯者が選択の操作として有効な操作をしなかった場合には、コースの分岐の間に設けた障害物に、乗り物を激突させる等の演出をすることが考えられる。
【0021】
しかし、このような演出をすると、そのための制御プログラムや、乗り物が破壊する際の映像等、さらに別のプログラム及びデータが必要となり、遊戯装置の制作に負担となるとともに、遊戯装置の記憶装置を消費し、遊戯の情報処理にも負担となる。
【0022】
(10)第10に遊戯装置において点数の表示手段を備えたものがあり、所定の減点事由が生ずると、その減点事由に対応する点数が減点され、残り点数が無くなると遊戯が終了するものがある。しかし、遊戯中に大きな減点事由が発生すると、たとえ遊戯者の意識では残り点数が充分にあったとしても、その残り点数より大きな点数が一度に減点され、いきなり遊戯が終了してしまうという事態が生じうる。このような事態は、遊戯者にとって遊戯に対する不信感又はストレスの原因となりうる。
【0023】
特に、減点の表示をゲージ式でなく絵の変化によって表示している場合には、遊戯中の残存点数や、個々の減点事由に対応する減点数がどれだけなのかが、遊戯者にとって正確に把握しづらいことが多いため、いきなり遊戯が終了してしまった場合に遊戯者が不信感又はストレスを感じる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
上記事情に鑑みると、特に以下のような遊戯性に関して新たな工夫を加えた遊戯装置が熱望されている。すなわち;
【0025】
(1)第1に、複数人用の遊戯装置において、各入力装置が互いに連動するように設計された遊戯装置を当該複数人より少人数で使用する際に安全性の高い装置。
【0026】
(2)第2に、互いに連動する2つの操作手段のそれぞれを2人が向き合って操作する機械を模した遊戯装置、又は遊戯者により操作される操作部を一端に、装置本体に対して軸支される軸支部を他端に有する入力機構と、遊戯内容が表示される表示手段とを備えた遊戯装置であって、画面による表示手段を、遊戯者にとって見易い位置に設置できる装置。
【0027】
(3)第3に、2人の遊戯者による協力度ないしチームワークを得点に反映させることができるようにし、これにより、新たな遊戯性の付加された装置。
【0028】
(4)第4に、2つのオブジェクトの位置関係がわかりやすいようにオブジェクトの画面表示を表示手段に行わせることのできる装置。
【0029】
また、2つのオブジェクト及び視点の位置関係が変わっても、それに応じて影の位置を変えることのできる装置。
【0030】
(5)第5に、所定操作のための入力条件に合致していない場合に入力がなされても、遊戯者が遊戯中にストレスを感じないよう、一定範囲内の誤差であれば入力を受け付けることのできる装置。
【0031】
(6)第6に、障害物と遊戯者により操作されるオブジェクトとの相対速度を一定の場合に大きくすることによって、障害物を避けることを可能にし、又は容易にすることが可能な装置。
【0032】
(7)第7に、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとの位置関係や相対速度等の遊戯状況に関わりなく、所定の一連動作をタイミング良く始めることができる装置。
【0033】
(8)第8に、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとの距離や、第2のオブジェクトの速度が一定でなくても、第1のオブジェクトから第2のオブジェクトに向けて発射された物が、所定時間で第2のオブジェクトに到達するよう表示する装置。
【0034】
(9)第9に、設計が容易で、記憶装置や処理装置への負担も軽減した装置。
【0035】
(10)第10に、遊戯の終了が目前であることを確実に遊戯者に知らせることができ、遊戯者のストレスを軽減させることができる装置。
【0036】
そして、本発明は、上記のなかでも、特に(10)で説明したような遊戯の終了が目前であることを確実に遊戯者に知らせることができ、遊戯者のストレスを軽減させることができる装置、すなわち、遊戯の終了が目前であることを確実に遊戯者に知らせることができるとともに、遊戯中に大きな減点事由が発生してもいきなり遊戯が終了してしまうという事態が防止され、これにより遊戯者にとって遊戯に対する不信感又はストレスの原因を解消できる遊戯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0037】
本発明者は、鋭意検討の結果、上記各課題を解決するための各発明に到達した。特に主として上記(1)の課題に対応する発明は、複数人により操作され互いに連動する入力機構を有する複数人用の装置であって、これらの入力機構のうち一部を使用することにより、複数人より少人数で遊戯することも可能であり、少人数で遊戯する時は、少人数の遊戯者が使用するための入力機構以外の入力機構の連動を解除する遊戯装置である。
【0038】
この場合、少人数で遊戯する時は、少人数の遊戯者が使用するための入力機構以外の入力機構が固定されると好ましい。
【0039】
また、主として上記(2)の課題に対応する発明は、互いに連動する2つの操作手段のそれぞれを2人が向き合って操作する機械を模した装置であって、この機械が動く様子を画面表示する1つの表示手段を備え、2人の遊戯者が同方向を向いてその表示手段に対して向き合うように位置して操作することが可能な2つの操作手段を有し、これら2つの操作手段は互いに連動する遊戯装置である。
【0040】
或いは、遊戯者により操作される操作部を一端に、装置本体に対して軸支される軸支部を他端に有する入力機構と、遊戯内容が表示される表示手段とを備え、表示手段は、入力機構の操作部から見て軸支部側の位置に、操作部側を向いて設けられた遊戯装置において、入力機構の操作部は軸支部より高い位置を中心に往復動し、かつ、表示手段の表示面は、重力方向に対して傾斜している遊戯装置であってもよい。
【0041】
さらに、主として上記(3)の課題に対応する発明は、複数の遊戯者によりそれぞれ操作される入力機構を備え、これら入力機構は、複数人による操作の組み合わせにより一つの入力結果が生じるものを含む複数人用の遊戯装置である。
【0042】
或いは、入力機構への複数人による操作の組み合わせを判断する判断手段と、その操作の組み合わせに基づいて1つの遊戯処理を行う処理手段とを備えた複数人用の遊戯装置であってもよい。
【0043】
さらには、入力機構への複数人による操作の組み合わせを判断する判断ステップと、その操作の組み合わせに基づいて1つの遊戯処理を行う処理ステップとを備えた遊戯装置におけるデータ処理方法も有効である。
【0044】
また、主として上記(4)の課題に対応する発明は、仮想3次元空間上の第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとを所定の視点から見た場合の映像を表示手段に表示させる処理を行う装置であって、第1のオブジェクトの影を、第2のオブジェクト上の面のうち第1及び第2のオブジェクトの位置関係を観察者が推測できるような所定の範囲内に形成する、影形成手段と、影の位置が所定の範囲を逸脱した場合に、影を所定の範囲内に戻す影変更手段とを備える画像処理装置である。
【0045】
この際、影形成手段は、所定の範囲内に影が形成されるように仮想3次元空間に光源を設定し、影変更手段は、第1のオブジェクト、第2のオブジェクト及び視点に対する光源の位置が変化したことにより影の位置が所定の範囲を逸脱した場合に、光源が動いた方向に、光源を移動させることによって、範囲内に光源を移動させるものであると好ましい。
【0046】
さらに、所定の範囲は、第1のオブジェクトから第2のオブジェクトの前記面に下ろした垂線より、視点から見て略横方向の位置であるとより好適である。
【0047】
またさらに、所定の範囲は、第1のオブジェクトから第2のオブジェクトの面に下ろした垂線より、視点から見て右前方45度から右後方45度まで又は左後方45度から左前方45度までの間の位置であると一層好ましい。
【0048】
さらにまた、第2のオブジェクト上の面は、地面を模した広い平面であり、第1のオブジェクトが、第2のオブジェクト上の面付近からその面に略垂直に跳躍し落下する様子を表示するように設けられても一層好ましい。
【0049】
加えて、仮想3次元空間上の第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとを所定の視点から見た場合の映像を表示手段に表示させる画像処理方法であって、第1のオブジェクトの影を、第2のオブジェクト上の面のうち第1及び第2のオブジェクトの位置関係が推測できるような所定の範囲内に形成する影形成ステップと、影の位置が所定の範囲を逸脱した場合に、影を所定の範囲内に戻す影変更ステップとを備える画像処理方法であってもよい。
【0050】
また、主として上記(5)の課題に対応する発明は、第1の物体を模した第1のオブジェクトと、第2の物体を模した第2のオブジェクトとを仮想3次元空間上に設け、これらを所定の視点から見た映像を表示手段に表示する画像処理手段を備えた装置であって、第1の物体と第2の物体の性質上、これらの物体の位置関係が所定の状態にあることが、ある入力のための条件とされ、その入力のための操作が行われた時に、位置関係が所定の状態と一定範囲内において相違していてもその入力を受け付ける遊戯装置である。
【0051】
このとき、第1の物体は地面であり、所定の視点はその地面より高い位置に設定され、位置関係の所定の状態は、第2の物体が当該地面に接していると有用である。
【0052】
或いは、第1の物体を模した第1のオブジェクトと、第2の物体を模した第2のオブジェクトとを仮想3次元空間上に設け、これらを所定の視点から見た映像を表示手段に表示する遊戯装置における方法であって、第1の物体と第2の物体の性質上、これらの物体の位置関係が所定の状態にあることが、ある入力のための条件となっており、その入力のための操作が行われた時に、位置関係が所定の状態と一定範囲内において相違していてもその入力を受け付けるデータ処理方法であってもよい。
【0053】
また、主として上記(6)の課題に対応する発明は、第1のオブジェクトが第2のオブジェクトに接触しないように、遊戯者の操作により第1のオブジェクトを一定時間回避させることを遊戯内容に含む装置であって、回避中に、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとの相対速度を、所定の場合に大きくする遊戯装置である。
【0054】
この場合、所定の場合は、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとの接触が、相対速度を大きくしない限り回避できない場合であると好適である。
【0055】
或いは、所定の場合は、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとが同一方向に運動している場合、又は第2のオブジェクトが当該遊戯における他の第2のオブジェクトより大きい場合であっても好ましい。
【0056】
またさらに、回避のための入力が、回避のための適切なタイミングでなされた場合のみ、相対速度を大きくするようなものも好適である。
【0057】
或いは、第1のオブジェクトが第2のオブジェクトに接触しないように、第1のオブジェクトを一定時間回避させることができる回避入力を受け付ける入力受け付けステップと、回避中に、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとの相対速度を所定の場合に大きくする加速ステップとを備えたデータ処理方法も有効である。
【0058】
また、主として上記(7)の課題に対応する発明は、第1の動作と、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとが所定の位置関係となる時に行われる第2の動作とを表示手段に表示する装置であって、第1の動作が開始されてから一定時間後に第2の動作が開始されるように第1の動作を開始させる画像処理装置である。
【0059】
或いは、第1の動作と、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとが所定の位置関係となる時に行われる第2の動作とを、表示手段に表示させる装置であって、第1の動作が開始されてから第2の動作が行われるまでの所要時間を設定する設定手段と、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとの相対速度、及び第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとの距離に基づいて、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとが所定の位置関係となるまでの時間を算出する時間算出手段と、その時間が、所要時間と等しくなったか否かを判断する判断手段と、判断手段の結果に基づいて第1の動作を開始させる動作開始手段とを備える画像処理装置も有用である。
【0060】
さらにまた、第1の動作と、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとが所定の位置関係となる時に行われる第2の動作とを表示手段に表示する方法であって、第1の動作が開始されてから第2の動作が行われるまでの所要時間を設定する設定ステップと、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとの相対速度、及び第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとの距離に基づいて、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとが所定の位置関係となるまでの時間を算出する時間算出ステップと、その時間が、所要時間と等しくなったか否かを判断する判断ステップと、判断手段の結果に基づいて第1の動作を開始させる動作開始ステップとを備える画像処理方法も好ましい。
【0061】
また、主として上記(8)の課題に対応する発明は、第1のオブジェクトから第2のオブジェクトに向かって物が移動する画像を表示手段に表示させる装置であって、第1のオブジェクトから物が移動を開始してから第2のオブジェクトに到達するまでの設定された時間と、第2のオブジェクトの速度とにより、設定された時間の経過時における第2のオブジェクトの位置を計算する第2オブジェクト位置計算手段と、これと第1のオブジェクトの現在の位置より、物の速度を計算する速度計算手段とを備える画像処理装置である。
【0062】
或いは、第1のオブジェクトから第2のオブジェクトに向かって物が移動する画像を表示手段に表示させる装置であって、物の速度を適宜変更し、第2のオブジェクトの速度、並びに第2のオブジェクト及び第1のオブジェクトの位置に関わりなく、第1のオブジェクトから物が移動を開始してから第2のオブジェクトに到達するまでの時間を一定にする画像処理装置も有用である。
【0063】
或いは、第1のオブジェクトから第2のオブジェクトに向かって物が移動する画像を表示手段に表示させる方法であって、第1のオブジェクトから前記物が移動を開始してから第2のオブジェクトに到達するまでの設定された時間と、第2のオブジェクトの速度とにより、設定された時間の経過時における第2のオブジェクトの位置を計算する第2オブジェクト位置計算ステップと、これと第1のオブジェクトの現在の位置より、物の速度を計算する速度計算ステップとを備える画像処理方法も好適である。
【0064】
また、主として上記(9)の課題に対応する発明は、遊戯者が所定の選択肢のうちいずれかを選択することを遊戯内容に含む装置であって、遊戯者による選択の操作は、複数の遊戯者による操作の組合せにより行われ、遊戯者が選択の操作を行わないとき及び選択の操作を有効に行わないときは、遊戯者にとって不利な選択肢が選択される遊戯装置である。
【0065】
或いは、遊戯者が所定の選択肢のうちいずれかを選択することを遊戯内容に含む遊戯装置における方法において、遊戯者が選択の操作を行わないとき及び選択の操作を有効に行わないときは、遊戯者にとって不利な選択肢が選択されたこととするデータ処理方法であっても構わない。
【0066】
そして、本発明による遊戯装置は、上述のとおり主として上記(10)の課題を解決するためになされたものであり、遊戯中に発生した減点事由に応じて遊戯者の持ち点から所定量の減点を行う減点手段と、その遊戯者の持ち点の残り点数に基づいて所定の表示を行う表示手段とを備える装置であって、減点手段は、遊戯者の持ち点が遊戯を継続するために必要な最低水準より高い状態で減点事由が生じたときに、遊戯者の持ち点から減点事由に応じた所定量の減点を行うと遊戯の継続が不能となる場合には、遊戯者の持ち点の残り点数を最低水準まで減点するものである。
【0067】
また、表示手段が、遊戯者の持ち点の残り点数に対応した絵を表示するものであると好適である。さらに、表示手段は、遊戯者の持ち点の残り点数が最低水準であるときに、その最低水準であることを示す特定の表示(特定表示)を行うものであると好ましい。
【0068】
さらに、本発明による遊戯静置の制御方法は、本発明の遊戯装置を用いて有効に実施される方法であり、遊戯中に発生した減点事由に応じて遊戯者の持ち点から所定量の減点を行う減点ステップと、その遊戯者の持ち点の残り点数に基づいて所定の表示を行う表示ステップとを備えており、減点ステップにおいては、遊戯者の持ち点が遊戯を継続するために必要な最低水準より高い状態で減点事由が生じたときに、その遊戯者の持ち点からその減点事由に応じた所定量の減点を行うと遊戯の継続が不能となるか否かを判断し、遊戯の継続が不能となる場合には、その遊戯者の持ち点の残り点数が該最低水準となるように減点する。
【0069】
この場合、表示ステップにおいては、遊戯者の持ち点に対応して予め用意された絵のなかから、その遊戯者の持ち点の残り点数に対応した絵を選択して表示すると好ましい。さらに、表示ステップにおいては、遊戯者の持ち点の残り点数が最低水準であるか否かを判断し、その遊戯者の持ち点の残り点数が最低水準である場合には、最低水準であることを示す特定の表示(特定表示)を行うようにすると一層好ましい。
【0070】
なお、上記各画像処理装置を備える遊戯装置も、上記各課題の解決において有効であることは言うまでもない。
【0071】
また、上記各画像処理方法又はデータ処理方法を実行するためのプログラムを記録した媒体も、上記各課題の解決において有効である。
【0072】
ここで、「記録媒体」とは、何等かの物理的手段により情報(主にデジタルデータ、プログラム)が記録されているものであって、コンピュータ、専用プロセッサ等の処理装置に所定の機能を行わせることができるものであって、何等かの手段でもってコンピュータにプログラムをダウンロードし、所定の機能を実行させるものであればよい。このような記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、固定ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、CD、CD−ROM、CD−R、DVD−RAM,DVD−ROM、DVD−R、PD、MD,DCC、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きのRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等が挙げられる。
【0073】
また、有線又は無線の通信回線(公衆回線、データ専用線、衛星回線等)を介してホストコンピュータからデータの転送を受ける態様もここでいう「記録媒体」に含まれるものとし、いわゆるインターネットもここにいう「記録媒体」に含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0074】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[遊戯装置の概要]
図1は、本発明の一実施形態による遊戯装置であるトロッコゲームの外観を示す左側面図であり、図2は、同右側面図である。また、図3は、図1に示す遊戯装置の入力装置の正面図であり、図4は、同遊戯装置の表示装置の正面図である。さらに、図5は、図1に示す遊戯装置の入力装置の背面図であり、図6は、同遊戯装置の表示装置の背面図である。またさらに、図7は、図1に示す遊戯装置の平面図であり、図8は、同底面図である。
【0075】
また、図9は、図1に示す遊戯装置の入力装置の要部の構成を示す平面図であり、図10は、同遊戯装置の入力装置を操作している状態を示す右側面図であり、図11は、同遊戯装置の入力装置のうちハンドル部分を示す平面図である。
【0076】
図1に示すように、本実施形態の遊戯装置1は、本体2と、遊戯台3とを備えている。本体2には、ゲーム処理を行う中央処理装置その他から構成される処理装置が搭載されている。また、本体2は、遊戯状況を表示する表示手段13としての画面表示部23を備えており、画面表示部23は、遊戯装置1の正面から見て後方に傾斜して立設されている。遊戯台3には、2人の遊戯者が搭乗可能となっており、後述の入力装置が設けられている。本体2と遊戯台3とは、コードによって電気的に接続されており、入力装置からの入力信号が本体2に伝達されるようになっている。
【0077】
遊戯台3には、遊戯者の手によりそれぞれ操作され、互いに連動して動作する2つのハンドル31,31、及び、遊戯者の足によりそれぞれ操作される2つのペダル32,32を備えている。ハンドル31,31は、それぞれ一端が軸支部311で軸支され、他端がハンドルの操作部313であるT字状の握りとなっている。軸支部311と操作部313との中間には、動力伝達手段315が軸支されており、ハンドル31の操作による動力を遊戯装置1の他の部分に伝達している。
【0078】
ペダル32,32は長方形の板状をなしており、遊戯者が片足で踏み込むことによりスイッチが入るように設けられている。
【0079】
[遊戯の概要]
次に、2人の遊戯者がこの遊戯装置1を用いて遊戯する場合の遊戯の概要を説明する。遊戯者がコインを投入し、遊戯スタートのための所定のコマンドを入力すると、遊戯装置1の本体2の画面表示部23に遊戯画面が表示され、遊戯が開始される。この遊戯画面は、仮想3次元空間上に設けられた地面(又は空中、水面もしくは水中)に2本の平行レールが敷かれ、その上を、遊戯者を模したキャラクタ(遊戯者側キャラクタ)により運転される4輪のトロッコ(遊戯者側トロッコ)が走る様子を、2次元投影したものである。
【0080】
遊戯者側トロッコの進行方向前方のレール上では、宝物を持った遊戯者の敵のキャラクタ(敵側キャラクタ)が、同様のトロッコ(敵側トロッコ)に乗って逃げている。敵側キャラクタは、遊戯者側キャラクタに対して種々の攻撃をしかけてくるが、遊戯者の操作により遊戯者側キャラクタがその攻撃をかわし、敵のトロッコに追いついて宝物を取り返せば、遊戯をクリアできる。遊戯者側キャラクタが、敵の攻撃を避けきれなかったり、種々の障害物に衝突したりすると、次第に減点されて遊戯者側トロッコが壊れてゆき、遊戯者側トロッコが最終的に破壊された場合には、残り点数がゼロとなってゲームオーバーとなる。
【0081】
遊戯者がハンドル31,31を上下させ、トロッコをこぐ動作をすると、遊戯者側トロッコが敵側トロッコを追いかけたり、進行方向後ろから迫ってくるサメ等の妨害物から逃げたりすることができる。ハンドル31,31を速く上下させると、それだけ遊戯者側トロッコのスピードを速くすることができる。また、レールが上り坂にさしかかったり、トロッコの後端をサメに咥えられたりすると、ハンドルの操作が重くなる。
【0082】
遊戯者がペダル32を足で踏んだ場合、2人の遊戯者のうち片方のみが踏んだときには、遊戯者側トロッコの、ペダル32を踏んだ側の車輪が持ち上がる。ここで、ペダル32を踏み続けている限り、車輪が持ち上がった状態が維持される。これにより、例えば障害物がレールの一方に置かれている場合に、トロッコがその地点を通過する間中、車輪を持ち上げていれば、その障害物を回避することができる。ペダル32への入力を解除すると、持ち上がっていた車輪は元のレールに戻る。2人の遊戯者が同時にペダル32,32を踏んでいる状態になると、トロッコは仮想空間上の上方に向かって所定の高さだけジャンプする。この方法によっても障害物を回避することができる。ジャンプした後は、設定された重力に従ってトロッコが下降し、元のレールの上に着地する。
【0083】
[遊技装置の構造…(1)(2)]
図9に示すように、左右のハンドル31,31は動力伝達手段315,315を介してそれぞれ左右のクランク33,33に接続されており、左右のクランク33,33は、ハンドル31,31を上下させることにより同一方向に回転されるようになっている。左右のクランク33,33は、それぞれ左右のクラッチ34,34及び左右の大ギア35,35と同軸状に(クランク軸36,36とともに)回転可能である。また、クランク33,33と大ギア35,35との間は、クラッチ34,34で接続や切り離しが可能である。さらに、左右の大ギア35,35は、それぞれ、アイドルシャフト37上に固定された左右の小ギア38,38と噛み合っている。アイドルシャフト37には、大プーリ39が小ギア38と同軸状に固定されており、小ギア38と同一速度で回転するようになっている。なお、大プーリ39は小プーリ40とベルトを介して接続されており、小プーリ40の回転軸が、図示しない回転速度センサやブレーキに連結されている。
【0084】
図11に示すように、ハンドル31の操作部には、クラッチを接続し又は切り離すためのマイクロスイッチ及びこれを操作するためのレバー316が設けられている。遊戯者がハンドル31の操作部をレバー316と一緒に握っている間はマイクロスイッチがONになり、握っている側のクラッチ34がつながるが、遊戯者がハンドル31を放すとレバー316が元に戻ってマイクロスイッチがOFFとなり、クラッチ34の接続が切れる。
【0085】
次に、このハンドル機構の作用を説明する。2つのハンドル31,31がレバー316,316とともに遊戯者に握られ、左右のクラッチ34,34がともに接続されている場合、右側のクランク33に加えられた回転力は、右側のクラッチ34、右側の大ギア35、右側の小ギア38を通じてアイドルシャフト37に伝えられる。アイドルシャフト37の回転は、大プーリ39及びベルトを通じて小プーリ40に伝えられるほか、左側の小ギア38、左側の大ギア35、左側のクラッチ34を通じて、左側のクランク33にも伝えられる。
【0086】
また、例えば左側のクラッチ34が切られ、右側のハンドル31のみが駆動された場合には、右側のクランク33、左右の大ギア35,35及び小ギア38,38、大プーリ39及び小プーリ40のみが回転し、左側のクランク軸36は回転しない。特にこの実施形態では、クラッチ34が切れた側(ここでは左側)のクランク軸36を固定することにより、左側のハンドル31が固定され、左側のハンドル31を操作できないようになっている。
【0087】
ハンドル31,31は、軸支部311を軸として上下方向に揺動可能となっており、その揺動がクランク33,33の回転力に変換される。動力伝達手段315,315はその下端をクランク33,33に、上端をハンドル31,31に軸支されている。ハンドル31,31の揺動の幅は、クランク33,33の直径により制約を受ける。
【0088】
この遊戯装置1は、画面表示部23に表示されているような2人乗りトロッコを模したものであるが、ハンドル31を2本、同方向に並べて配置したことにより、2人の遊戯者が同方向を向いて画面表示部23に対して向き合うように位置して操作することができ、画面表示部23が遊戯者に見易いようになっている。
【0089】
また、ハンドル31の軸支部が低く設定されており、その結果、ハンドル31の操作部が軸支部より高い位置を中心に往復動するようになっている。さらに、画面表示部23は操作部と反対側に傾斜している。この結果、2人の遊戯者にとって画面表示部23が見易くなっている。
【0090】
この遊戯装置1を1人用遊戯装置として使用する場合、一人の遊戯者が2つのハンドル31のうち任意のハンドルを選択し、操作すると、当該ハンドルのみによる駆動により、トロッコが仮想空間上を走る。このとき、遊戯者が使用していないハンドルは、クラッチ34が切れているために使用中のハンドルとの連動が解除されており、かつ、そのハンドルに対して図示されないブレーキが働いてハンドルが動かないようになっている。
【0091】
なお、この実施形態では、互いに連動する複数の入力機構を有する複数人用の遊戯装置の例として、ハンドル操作で駆動するトロッコを模した電子遊戯装置を挙げたが、本発明はこれに限らず、例えば、複数人がペダルをこいで駆動する複数人用自転車、複数人がオール乃至パドルを漕いで駆動するボート乃至カヌーを模した遊戯装置に広く適用されるものである。
【0092】
図12は、図1に示す遊戯装置における制御装置の基本構成の一例を示すブロック図である。遊戯装置1は、制御部10、入力装置11、出力装置12、表示手段13、及びスピーカ14を有している。入力装置11は、既述のようにハンドル、ジャンプペダル、及びクラッチレバーを有しており、更に、図示しない視点変更スイッチを有していてもよい。出力装置12は、ブレーキ120、クラッチ121、及び各種ランプ122を有している。表示手段13は、TVモニタ、プロジェクタその他の画像表示装置からなっている。
【0093】
制御部10は、CPU(中央演算処理装置)101を有するとともに、ROM102、RAM103、サウンド装置104、入出力インターフェース106、スクロールデータ演算装置107、コ・プロセッサ(補助演算処理装置)108、地形デ−タROM109、ジオメタライザ110、形状デ−タROM111、描画装置112、テクスチャデ−タROM113、テクスチャマップRAM114、フレームバッファ115、画像合成装置116、及びD/A変換器117を備えている。
【0094】
CPU101は、バスラインを介して所定のプログラム等を記憶したROM102、デ−タを記憶するRAM103、サウンド装置104、入出力インターフェース106、スクロールデータ演算装置107、コ・プロセッサ108、及びジオメタライザ110に接続されている。RAM103はバッファ用として機能させるもので、ジオメタライザ110に対する各種コマンドの書込み(オブジェクトの表示等)、変換マトリクス演算時のマトリクス書込み等が行われる。
【0095】
入出力インターフェース106は、前記入力装置11及び出力装置12に接続されており、これにより入力装置11のハンドル等の操作信号がデジタル量としてCPU101に取り込まれるとともに、CPU101等で生成された信号を出力装置12に出力できる。この信号には、各種フラグ信号が含まれる。
【0096】
サウンド装置104は、電力増幅器105を介してスピーカ14に接続されており、サウンド装置104で生成された音響信号が、電力増幅された後、音声出力装置としてのスピーカ14に与えられる。
【0097】
CPU101は、本実施形態では、ROM102に内蔵されたプログラムに基づいて、入力装置11からの操作信号及び地形デ−タROM109からの地形デ−タ、又は形状データROM111からの形状データ(「自車、敵車等のオブジェクト」、及び、「移動路、地形、空、構造物等の背景」等の3次元データ)を読み込んで、地形とトロッコとの当たり(衝突)判定、障害物とトロッコとの衝突判定等の、トロッコの挙動計算(シミュレーション)等を行うようになっている。
【0098】
トロッコの挙動計算は、入力装置11からの遊戯者の操作信号により仮想空間でのトロッコの動きをシミュレートするもので、3次元空間での座標値が決定された後、この座標値を視野座標系に変換するための変換マトリクスと、形状デ−タ(トロッコ、地形等)とがジオメタライザ110に指定される。コ・プロセッサ108には地形デ−タROM109が接続されており、予め定めた地形デ−タがコ・プロセッサ108(及びCPU101)に渡される。コ・プロセッサ108は、主として、地形とトロッコとの当たりの判定を行うものであり、この判定やトロッコの挙動計算時に、主に、浮動小数点の演算を引き受けるようになっている。この結果、コ・プロセッサ108によりトロッコと地形との当たり(衝突)判定が実行されて、その判定結果がCPU101に与えられるので、CPUの計算負荷を低減でき、この当たり判定がより迅速に実行される。
【0099】
ジオメタライザ110は、形状デ−タROM111及び描画装置112に接続されている。形状デ−タROM111には予めポリゴンの形状デ−タ(各頂点から成るトロッコ、地形、背景等の3次元デ−タ)が記憶されており、この形状デ−タがジオメタライザ110に渡される。ジオメタライザ110は、CPU101から送られてくる変換マトリクスで指定された形状デ−タを透視変換し、3次元仮想空間での座標系から視野座標系に変換したデ−タを得る。
【0100】
描画装置112は、変換した視野座標系の形状デ−タにテクスチャを貼り付け、フレームバッファ115に出力する。このテクスチャの貼り付けを行うため、描画装置112はテクスチャデ−タROM113及びテクスチャマップRAM114に接続されるとともに、フレームバッファ115に接続されている。なお、「ポリゴンデータ」とは、複数の頂点の集合からなるポリゴン(多角形:主として3角形又は4角形)の各頂点の相対座標又は絶対座標のデータ群を云う。前記地形データROM109には、トロッコと地形との当たり判定を実行する上で足りる、比較的粗く設定されたポリゴンデータが格納されている。これに対して、形状データROM111には、トロッコ、背景等の画面を構成する形状に関して、より緻密に設定されたポリゴンデータが格納されている。
【0101】
スクロールデ−タ演算装置107は、文字等のスクロール画面のデ−タを演算するものであり、このスクロールデータ演算装置107と前記フレームバッファ115とが画像合成装置116及びD/A変換器117を介して表示手段13(例えば画像表示部23)に至る。これにより、フレームバッファ115に一時記憶されたトロッコ、地形(背景)等のポリゴン画面(シミュレーション結果)とスピード値、危険の予告等の文字情報のスクロール画面とが、指定されたプライオリティにしたがって合成され、最終的なフレーム画像デ−タが生成される。この画像デ−タはD/A変換器117でアナロク信号に変換されて表示手段13に送られ、遊戯の画像がリアルタイムに表示される。
【0102】
[ジャンプ処理…(3)]
次に、この遊戯装置1のコンピュータ内部における処理を説明する。上述のように、遊戯者がハンドルを操作すると、その入力データが制御部10に取り込まれ、遊戯者のトロッコがレール上を進んでいく様子が表示手段13に画面表示される。ハンドル操作のスピードを速くすると、トロッコのスピードが速くなり、ハンドルを遅くすると、トロッコも遅くなる。
【0103】
図13は、遊戯者がジャンプペダルを踏んだ場合のジャンプ動作を実行するための手順を示すフローチャートである。まず、遊戯者によるジャンプペダルの入力があったことを制御部10が判断した場合(ステップS301)には、それが左右それぞれのペダルを2人の遊戯者が同時に踏んだものか否かを判断する(ステップS302)。左右のペダルが両方同時に踏まれた場合には、トロッコが傾くことなくジャンプする様子を表示手段13に表示させ、一定時間後に着地させる処理を行う(ステップS303)。
【0104】
一方、ステップS302において片方のペダルだけが踏まれたと判断した場合には、制御部10は、トロッコの車体が傾き、かつペダルが踏まれた側の車輪だけが持ち上げられた様子を表示手段13に表示する(ステップS304)。ここで、踏まれたペダルへの入力が解除されないうちに、他方のペダルへの入力があったことを制御部10が判断した場合には(ステップS305)、車体が傾いたままトロッコがジャンプする様子を表示手段13に表示させ、一定時間後に着地させる処理を行う(ステップS306)。
【0105】
他方のペダルが踏まれず、先に踏まれたペダルへの入力が解除されないうちは、ステップS304で車体を傾けた状態が維持されるが、先に踏まれたペダルへの入力が解除されたと制御部10が判断した場合には(ステップS307)、持ち上げていた車輪を下ろし、トロッコを平行に戻す処理を行い(ステップS308)、これを表示手段13に表示させる。
【0106】
このような処理を行うため、例えば遊戯者がトロッコをジャンプさせたいときには、2人の遊戯者がジャンプペダルを踏んでいる状態とする必要がある。また、例えば後述するコース選択処理のように、片方の車輪だけを持ち上げる必要があるときには、着地しているべき車輪が着地した後で(着地車輪側の遊戯者がジャンプペダルの入力を解除した後で)、持ち上げるべき車輪について(もう一方の遊戯者が)ジャンプペダルの入力をする必要がある。従って、複数人の操作の組み合わせにより一つの操作が行われることにより、遊戯者の一方の操作だけでは不可能な操作があるので、遊戯者の協力度又はチームワークが必要な遊戯装置となっている。
【0107】
[影形成処理…(4)]
この遊戯装置1では、トロッコが地面(又は水面)上をジャンプすることがあるが、図14(b)から明らかなように、地面にトロッコの影を形成すると、影がない場合(図14(a))よりも、トロッコと地面との位置関係(地面に接しているか、空中にいるか)がわかりやすい。
【0108】
また、影が、視点から見てオブジェクトを挟んだ反対側に形成された場合(光源が視点側に設けられた場合)には、視点から見ると、オブジェクトの動きと影の動きとが同じような動きに見えるため、オブジェクトと地面との位置関係を把握しにくい(図15(a)参照)。また、影がオブジェクトより視点側に形成された場合(光源が視点から見て物体を挟んだ反対側に設けられた場合)には、オブジェクトが画面の手前部分に表示されている時は影が画面の外へはみ出してしまい、オブジェクトと地面との位置関係が把握できなくなってしまう(図15(b)参照)。
【0109】
そこで、影はトロッコから地面に降ろした垂線より、視点から見て横方向(図15(c))、又は、右前方45度から右後方45度まで若しくは左後方45度から左前方45度までの範囲内(図17(a)の斜線部分)に形成される。
【0110】
ここで、図16は、影形成手段により影の形成処理を実行するための手順を示すフローチャートである。遊戯者のトロッコは、画面に表示される仮想空間の手前部分(視点に近い位置)にあり、地面に引かれたレール上を奥に向かって(視点から離れる方向に)進んでいる。影を右前方45度から右後方45度まで又は左後方45度から左前方45度までの範囲内に形成させる場合、影形成手段は、光源(平行光源)を、トロッコより上であって、トロッコから地面に降ろした垂線より、視点から見て横方向、又は、左後方45度から左前方45度まで若しくは右前方45度から右後方45度までの範囲内に設定する。制御部10は、その光源の位置に基づいて、影の映像を算出し、表示手段13に表示させる(ステップS401)。
【0111】
光源の位置設定後、一定時間が経過すると(ステップS402)、制御部10は、影の表示がまだ必要か否かを判断する(ステップS403)。ゲームオーバーにより表示そのものを終了させる場合や、コース中に暗い場所がある場合においてその場所にさしかかった際には、影の表示は必要ないと判断し、このルーチンを抜け出す。影の表示が必要である場合は、制御部10は上記光源の範囲制限を逸脱したかどうかをチェックする(ステップS404)。範囲制限を逸脱していない場合は、ステップS402に戻り、更に一定時間が経過するのを待つ。
【0112】
光源の範囲制限を逸脱している場合は(図17(b))、光源を制限範囲内の位置まで移動させる(ステップS405)。ここで、例えば、仮想空間上に設けられた光源は移動せず、トロッコのコースが右方に曲がったとき、トロッコ後方に設けられた視点からは、光源が左方に回って移動したように見える。これにより光源の範囲制限を逸脱した場合には、光源を右方に回して戻すことも考えられるが、そうすると、影の移動方向が突然逆行することになり、遊戯者に不自然な印象を与え得る。そこで、この実施形態では、光源を更に左方に移動させることにより、光源位置の範囲制限内に入れるようにしている(図17(c))。
【0113】
このような位置に平行光源を設け、オブジェクトが平らな地面から垂直にジャンプして着地する様子を表示した場合、オブジェクトと影はそれぞれ直線状に往復運動をし、しかもオブジェクトと影とがぶつかる位置(すなわち着地する位置)が見る者に容易に想像できる(図18参照)。従って、オブジェクトが着地するタイミングを把握しやすく、例えば着地を再ジャンプの条件としている遊戯装置に応用された時に、見る者にとってわかりやすい画像処理装置を提供することができる。
【0114】
[再ジャンプ処理…(5)]
この実施形態では、トロッコ(オブジェクト)がジャンプした後、着地するまでは再びジャンプすることができない。しかし、視点が地面とほぼ同じ高さにあれば、トロッコが地面に接しているかどうかがわかりやすいが(図19(a))、視点がトロッコより上方にある場合には、トロッコと地面との接触点が見えないので、着地しているか否かを遊戯者が正確に認識するのは困難である(図19(b))。そこで、トロッコが完全に着地していなくても、一定値以下の高さであれば、ジャンプ入力を許容することとしている。
【0115】
図20は、トロッコがジャンプした後の再ジャンプ処理を実行するための手順を示すフローチャートである。トロッコの再ジャンプのためには、トロッコが一旦地面に着地することが必要であるが、この実施形態では、トロッコと地面との位置関係が明確に把握できないことがあるので、一定の誤差を許容している。
【0116】
2人の遊戯者がジャンプペダルを同時に踏んだことを制御部10が認識したとき(ステップS501)、制御部10は、トロッコが地面に接しているかどうか、又は、トロッコの地面からの高さが予め設定されたジャンプ入力の許容範囲内かどうかを判断する(ステップS502)。
【0117】
この判断の結果、トロッコの地面との距離が離れすぎている場合には、ジャンプの入力は無視され(ステップS503)、次のジャンプ入力がない限りジャンプ処理が行われない。一方、トロッコと地面との距離がジャンプ入力の許容範囲内にある時は、たとえトロッコが厳密には着地していなくても、ジャンプ処理が行われる(ステップS504)。
【0118】
なお、このような処理をすることにより、地面(及びレール)に凹凸があることによりトロッコが多少バウンドしている場合であっても(図21参照)、ジャンプ入力が受け入れられる。バウンドしていることが遊戯者には認識できない場合もあるので、再ジャンプのときと同様、遊戯者にとってのストレスをなくすことができる。
【0119】
[障害物加速処理…(6)]
トロッコに対する障害物がある場合、トロッコの進行方向前方から障害物が突進してくるのであれば、相対速度が大きいので、タイミング良くジャンプ等を行えば、障害物を回避することができる。しかし、例えばトロッコの後方から障害物が突進してくる場合は、トロッコと障害物との相対速度が小さく、また、ジャンプにより空中に退避していられる時間も限られているので、タイミング良くジャンプしても、障害物を回避できないことがあり得る。また、障害物が大きいために通過に時間がかかる場合にも障害物を回避できないことがあり得る。そこで、本実施形態では、トロッコが障害物とすれ違う時に障害物を加速することによって、障害物を回避可能にしている。
【0120】
図22は、この障害物加速処理を実行するための手順を示すフローチャートである。まず、遊戯者がジャンプの動作をした時(ステップS601)、当該ジャンプで着地するまでに接触を回避できない障害物があるか否かを、トロッコと障害物との相対速度、障害物の大きさ、トロッコと障害物との距離から、判断する(ステップS602)。
【0121】
回避できない障害物があった場合には、その障害物を一定速度に加速することによりトロッコとの衝突を回避できるか否かを判断する(ステップS603)。障害物を加速する度合いは、少なくともジャンプのタイミングがよければ障害物を回避できる程度に設定されるが、遊戯の難易度に応じて更に大きな加速を行ってもよい。
【0122】
障害物を加速しても衝突を回避できないと判断した場合には、ジャンプのタイミングが悪かったものと判断し、障害物の加速を行わないでこの処理を抜け出す。障害物を加速すれば衝突を回避できると判断した場合には、障害物を加速する処理を行う(ステップS604)。
【0123】
[タイミング調節処理…(7)]
この実施形態における遊戯装置1においては、敵側キャラクタがレールの傍に立っている木を斧で切り倒し、遊戯者側キャラクタのトロッコに対する障害物とする場合がある。この場合、敵側キャラクタが斧を振り上げて(第1動作)から振り下ろす(第2動作)までに一定時間を要するのに対して、敵側キャラクタがその時間内に進む距離は、そのキャラクタの速度に依存する。そのため、敵側キャラクタがどの位置で斧を振り上げれば、それを振り下ろした時に所定位置(木が立っている位置)に達するかが問題となる。
【0124】
図23は、この実施形態の遊戯装置1に適用される画像処理装置においてタイミング調節処理を実行するための手順を示すフローチャートである。まず、敵側キャラクタが必要な動作を行う際の所要時間、すなわち、敵側キャラクタが斧を振り上げて(第1動作)から振り下ろして木にジャストミートする(第2動作)までに要する時間を、予め記録されたデータから読み込み、その値をTとする(ステップS701)。
【0125】
次に、敵側キャラクタが現在地点から第2動作を実行可能な地点(レール脇に木が立っている地点)まで到達するのに要する時間を、(敵側キャラクタからレール脇の木までの距離)÷(敵側キャラクタの現在の速度)によって求め、その値をT2とする(ステップS702)。そして、T2をTの値と比較し(ステップS703)、T2の値がTよりも大きい場合には再度T2の値を計算し、T2の値がT以下の場合には、動作を開始する(ステップS704)。
【0126】
これにより、敵側キャラクタの速度に関わりなく必要な動作を適切なタイミングで表示することができる。
【0127】
[難易度調節処理…(8)]
この実施形態の遊戯装置1に適用される画像処理装置においては、敵側キャラクタが遊戯者側キャラクタに対して障害物を投げつける場合がある。この場合、敵側キャラクタがその障害物を投げてから遊戯者側キャラクタの位置に到達するまでの時間が、遊戯の難易度に大きな影響を与える。その時間を遊戯の難易度に合わせるために、遊戯者側キャラクタの速度や、敵側キャラクタと遊戯者側キャラクタとの距離を画像処理装置が調節しようとすると、画像が不自然になる。それを防止すべく、ここでは投げつけられる障害物の速度を調節する処理が行われる。
【0128】
図24は、この実施形態の遊戯装置1に適用される画像処理装置において難易度調節処理を実行するための手順を示すフローチャートである。制御部10は、敵側キャラクタが遊戯者側キャラクタに対して攻撃を行うためのフラグが成立すると(ステップS801)、一定時間後に遊戯者側キャラクタが達する位置Pを、遊戯者側キャラクタの現在の位置と速度に基づいて算出する(ステップS802)。ここでいう「一定時間」とは、遊戯の難易度に基づいて設定される数値であり、例えば難度を高くする時は、短い時間が設定される。また、その時間中、遊戯者側キャラクタの速度は変化しないと仮定して計算を行う。
【0129】
続いて、敵側キャラクタから発射された障害物が一定時間後に位置Pに到達するために必要な速度SPを、位置Pと、敵側キャラクタの現在の位置に基づいて算出する(ステップS803)。こうして算出した速度SPにより、敵側キャラクタから位置Pに向かって障害物を発射する(ステップS804)。
【0130】
ここで、遊戯者側キャラクタの速度は変化しないと仮定しているので、障害物の発射後、遊戯者側キャラクタの速度が変化したときには、障害物が遊戯者側キャラクタに到達するまでの時間が、上記設定された一定時間と異なることになる。しかし、障害物が発射されてから遊戯者側キャラクタに到達するまでの時間は約0.5秒程度と短いので、その間の加速は、遊戯の難易度を著しく変化させるほど大きいものにはならない。
【0131】
[コース選択処理…(9)]
本実施形態では、トロッコが走るレールが分岐しているところがあり(図25(a)参照)、正しいコースを選択しないと、コース上に回避不能な障害物があり、減点されてしまう。この場合のコースの選択は、図25(b)に示すように、進もうとするコースと同じ側の車輪を接地させておいて、コースと反対側の車輪を持ち上げることによって行うようになっている。この操作は、前述のように2人の遊戯者による操作の組み合わせによって行われる。そして、本実施形態では、遊戯者がコース選択のための動作を一切しなかった場合や、コース選択として無効な操作をした場合に、正しいコースとは反対側のコースを進む処理を行うことにより、遊戯装置の処理の負荷を軽減している。
【0132】
図26は、このコース選択処理を実行するための手順を示すフローチャートである。まず、コースの分岐点に遊戯者側トロッコが到達したことが制御部10により判断されると(ステップS901)、分岐点通過時のペダルの入力情報を読み込む(ステップS902)。そして、ペダルの操作の組み合わせが正しいか否かを判断し(ステップS903)、正しい操作が行われたと判断された場合には、遊戯者側キャラクタの乗ったトロッコが正しいコースを進む処理がなされる(ステップS904)。
【0133】
一方、正しい操作がなされなかった場合、すなわち、第1に誤ったコースを選択した場合、第2に、コース選択の操作を行わなかった場合(本実施形態では分岐点通過時に左右の車輪がレールについていた場合)、第3に有効なコース選択を行わない場合(本実施形態では分岐点通過時にトロッコが空中にあった(ジャンプしていた)場合)には、分岐した2つのコースのうち、正しくない方のコースが選択される。
【0134】
これにより、コース選択の操作を行わなかった場合には「脱線」等の処理を行う必要がなく、また、ジャンプした場合には分岐したルートの中間に立っている樹木に激突する等の、新たな画像処理を行う必要がなく、予め用意された最小限のプログラムで減点を行うことが可能となり、制御部10の処理負担が軽減され、ROMの記録スペース(領域、容量)が節約される。また、この遊戯は、本来2人の遊戯者が息を合わせて難関をクリアするものであるので、息が合わなかったことにより減点が不可避なコースに進んでしまっても、何ら遊戯性を減じることにはならない。
【0135】
[減点表示処理…(10)]
この実施形態では、遊戯者側キャラクタが、敵側キャラクタからの攻撃又はその他の障害物によるダメージを受けると、トロッコが次第に壊れていく様子が絵で表現される。ここではダメージの種類が減点数に対応しており、減点による残り点数が、次第に壊れていく各段階におけるトロッコの絵に対応している。トロッコが完全に壊れるとゲームオーバーとなるが、ゲームオーバーの前に、いわば瀕死状態の絵が必ず表示され、これが終了目前であることを示す特定表示となっている。
【0136】
図27は、この減点表示処理を実行するための手順を示すフローチャートである。制御部10が、遊戯者側キャラクタがダメージを受けたことを認識すると(ステップS101)、すでに特定表示がされていたかどうかを判断する(ステップS102)。ここで、特定表示は、遊戯者の持ち点が遊戯継続のための最低水準(例えば1点)であることを示すものであり、それ以上減点されるとゲームオーバーとなる状態であることを示している。従って、ステップS101で受けたダメージによって減点される結果、ここでは必ずゲームオーバーとなる。その場合、制御部10はゲームオーバーの処理を行う(ステップS103)。
【0137】
特定表示がまだされていなかった場合、制御部10は、RAM等に記憶された現在の遊戯者の持ち点から、ダメージの種類に応じて減点した場合に、遊戯者の持ち点が遊戯継続のための最低水準(例えば1点)又はそれ以下となるか否かを判断する(ステップS104)。最低水準又はそれ以下となる場合、制御部10は、遊戯者の持ち点を1点まで減点する。この減点により、ダメージの種類いかんに拘らず、例えば残り1点の状態(特定表示の状態)を飛び越えてゲームオーバーになることを防止することができる。この場合、減点により遊戯者の持ち点を例えば1点としたので、特定表示を表示手段13に出力する(ステップS106)。一方、減点による遊戯者の持ち点が最低水準(例えば1点)より多い場合には、その持ち点に応じた表示を表示手段に出力する(ステップS107)。
【0138】
このように、遊戯者に遊戯の終了が目前であることを遊戯者に知らせることにより、遊戯者に注意を促がすことができ、遊戯者に対し「あと1回ダメージを受ければ終わり」という緊張感を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明の一実施形態による遊戯装置であるトロッコゲームの外観を示す左側面図である。
【図2】図1に示す遊戯装置の外観を示す右側面図である。
【図3】図1に示す遊戯装置の入力装置の正面図である。
【図4】図1に示す遊戯装置の表示装置の正面図である。
【図5】図1に示す遊戯装置の入力装置の背面図である。
【図6】図1に示す遊戯装置の表示装置の背面図である。
【図7】図1に示す遊戯装置の平面図である。
【図8】図1に示す遊戯装置の底面図である。
【図9】図1に示す遊戯装置の入力装置の要部の構成を示す平面図である。
【図10】図1に示す遊戯装置の入力装置を操作している状態を示す右側面図である。
【図11】図1に示す遊戯装置の入力装置のうちハンドル部分を示す平面図である。
【図12】図1に示す遊戯装置における制御装置の基本構成の一例を示すブロック図である。
【図13】ジャンプ動作を実行するための手順を示すフローチャートである。
【図14】(a)及び(b)は、いずれも仮想空間上の平面に物体が接している状態を示す斜視図であり、(a)は物体の影を表示しない場合を示し、(b)は平面に形成された物体の影を表示した場合を示す。
【図15】(a)〜(c)は、いずれも仮想空間上の平面に物体の影が形成されている状態を示す斜視図であり、(a)は光源が物体より視点側に設けられた場合を示し、(b)は光源が視点から見て物体を挟んだ反対側に設けられた場合を示し、(c)は光源が物体の横側に設けられた場合を示す。
【図16】影形成手段により影の形成処理を実行するための手順を示すフローチャートである。
【図17】(a)及び(b)は、いずれも影形成処理を実行する際の光源の位置を示す平面図であり、(a)は光源を置くべき位置の範囲を示し、(b)は光源の位置が外れた場合を示し、(c)は光源の位置が外れた場合に光源を移動させた状態を示す。
【図18】図15(c)に示す位置に光源がある場合に、物体が平面に対し垂直にジャンプしたときに表示される物体と影の状態を示す斜視図である。
【図19】(a)及び(b)は、いずれも視点からオブジェクト(トロッコ)と地面を見た状態を示す図であり、(a)は視点が地面付近にある場合を示し、(b)は視点がトロッコの後方上方にある場合を示す。
【図20】トロッコが再ジャンプ処理を実行するための手順を示すフローチャートである。
【図21】トロッコが起伏を有する地面のレール上を進行する状態を示す右側面図である。
【図22】障害物加速処理を実行するための手順を示すフローチャートである。
【図23】タイミング調節処理を実行するための手順を示すフローチャートである。
【図24】難易度調節処理を実行するための手順を示すフローチャートである。
【図25】(a)及び(b)は、いずれもトロッコが分岐を有するコースを進行している状態を示す図であり、(a)はコース上に回避不能な障害物がある分岐を示し、(b)は、進もうとするコースと同じ側のトロッコの車輪を接地させておいて、コースと反対側の車輪を持ち上げた状態を示す。
【図26】コース選択処理を実行するための手順を示すフローチャートである。
【図27】減点表示処理を実行するための手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0140】
1…遊戯装置、2…本体、3…遊戯台、10…制御部、11…入力装置、12…出力装置、13…表示手段、14…スピーカ、23…画面表示部(表示手段)、31…ハンドル、32…ペダル、33…クランク、34…クラッチ、35…大ギア、36…クランク軸、37…アイドルシャフト、38…小ギア、39…大プーリ、40…小プーリ、101…CPU、102…ROM、103…RAM、104…サウンド装置、105…電力増幅器、106…入出力インターフェース、107…スクロールデータ演算装置、108…コ・プロセッサ、109…地形デ−タROM、110…ジオメタライザ、111…形状デ−タROM、112…描画装置、113…テクスチャデ−タROM、114…テクスチャマップRAM、115…フレームバッファ、116…画像合成装置、117…D/A変換器、120…ブレーキ、121…クラッチ、122…各種ランプ、311…軸支部、313…操作部、315…動力伝達手段、316…レバー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊戯中に発生した減点事由に応じて遊戯者の持ち点から所定量の減点を行う減点手段と、該遊戯者の持ち点の残り点数に基づいて所定の表示を行う表示手段と、を備える遊戯装置であって、
前記減点手段は、前記遊戯者の持ち点が前記遊戯を継続するために必要な最低水準より高い状態で減点事由が生じたときに、前記遊戯者の持ち点から該減点事由に応じた所定量の減点を行うと該遊戯の継続が不能となる場合には、前記遊戯者の持ち点の残り点数を該最低水準まで減点するものである、
遊戯装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記遊戯者の持ち点の残り点数に対応した絵を表示するものである、
請求項1記載の遊戯装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記遊戯者の持ち点の残り点数が前記最低水準であるときに、該最低水準であることを示す特定の表示を行うものである、
請求項1又は2記載の遊戯装置。
【請求項4】
遊戯中に発生した減点事由に応じて遊戯者の持ち点から所定量の減点を行う減点ステップと、該遊戯者の持ち点の残り点数に基づいて所定の表示を行う表示ステップと、を備える遊戯装置の制御方法であって、
前記減点ステップにおいては、前記遊戯者の持ち点が前記遊戯を継続するために必要な最低水準より高い状態で減点事由が生じたときに、前記遊戯者の持ち点から該減点事由に応じた所定量の減点を行うと該遊戯の継続が不能となるか否かを判断し、該遊戯の継続が不能となる場合には、前記遊戯者の持ち点の残り点数が該最低水準となるように減点する、
遊戯装置の制御方法。
【請求項5】
前記表示ステップにおいては、前記遊戯者の持ち点に対応して予め用意された絵のなかから、該遊戯者の持ち点の残り点数に対応した絵を選択して表示する、
請求項4記載の遊戯装置の制御方法。
【請求項6】
前記表示ステップにおいては、前記遊戯者の持ち点の残り点数が前記最低水準であるか否かを判断し、該遊戯者の持ち点の残り点数が該最低水準である場合には、該最低水準であることを示す特定の表示を行う、
請求項4又は5記載の遊戯装置の制御方法。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2006−55653(P2006−55653A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−285375(P2005−285375)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【分割の表示】特願平10−320039の分割
【原出願日】平成10年10月23日(1998.10.23)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】