説明

遊技情報表示装置

【課題】個人データ表示機能を備えた遊技情報表示装置であって、個人データ表示機能を利用する遊技者であるか、使用しない遊技者であるかに応じて、個人データ表示画面を適切に表示可能な遊技情報表示装置を提供すること。
【解決手段】遊技情報表示装置1は、累計の遊技データを表示する第1画面、及びリセット操作後の個人データを表示する第2画面を択一的に切換表示可能な表示手段151と、第2画面が初期画面に設定された状態でゲームの進行が所定時間以上中断したときに第1画面を初期画面に戻すとともに中断監視状態を設定し、その中断監視状態の継続中に第2画面への切換操作が行われたときに再度、第2画面を初期画面に設定し直す表示制御手段103を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンに対応して設けられる遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、多くの遊技店では、遊技者に対して各種の遊技情報を表示することが当たり前になっており、様々なタイプの遊技情報表示装置が導入されている。遊技情報表示装置としては、遊技者がリセット操作をした時点からの遊技データを個人データとして表示可能な遊技情報表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このような個人データ表示機能があれば、遊技者は自分自身が遊技した期間の遊技データを容易に把握できるようになり、非常に便利である。
【0003】
しかしながら、前記従来の個人データ表示機能を備えた遊技情報表示装置では、次のような問題がある。すなわち、全ての遊技者が個人データ表示機能を利用するわけではないため、個人データは初期画面ではなく切換画面で表示されるのが一般的であり、個人データを表示する際、その都度、画面の切換操作が必要となって、利用者が不便を感じているという問題がある。さらに、切換操作を行わない限り初期画面しか表示されないので、そもそも個人データ表示機能の存在に気付かない遊技者も多く、せっかくの機能が有効活用されていないという実情もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−262574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、個人データ表示機能を備えた遊技情報表示装置であって、個人データ表示機能を利用する遊技者であるか、使用しない遊技者であるかに応じて、個人データ表示画面を適切に表示可能な遊技情報表示装置を提供するための発明である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ゲームの実行に応じて大当たり条件が成立したときに大当たり状態を発生可能な遊技機に付設され、当該遊技機で実行されたゲームに関する各種の遊技データを表示可能な遊技情報表示装置において、
当日における営業開始時点からの遊技データを表示する第1画面、及び遊技者によるリセット操作がなされた時点からの遊技データを表示する第2画面を択一的に切換表示可能な表示手段と、
前記第1画面及び第2画面を切換表示するために遊技者が操作する切換操作手段と、
前記第2画面を表示している状態で、当該第2画面で表示している遊技データをリセットするために遊技者がリセット操作を行うリセット操作手段と、
当日の営業開始時点で前記第1画面を初期画面として設定し、第1画面を表示している状態で前記切換操作手段が操作されたときに前記第2画面を切換表示するとともに、第2画面を表示している状態で所定時間が経過したときは前記切換操作手段の操作に関わらず前記第1画面を切換表示する表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記第2画面を表示している状態で前記リセット操作手段の操作により前記遊技データをリセットしたときは、前記第1画面に代えて前記第2画面を初期画面に設定し、その状態で遊技機におけるゲームの進行が所定時間以上中断したときは前記第1画面を初期画面に戻すとともに中断監視状態とし、その中断監視状態において前記切換操作手段の操作により前記第2画面を切換表示したときには再度、第2画面を初期画面に設定し直すことを特徴とする遊技情報表示装置にある。
【0007】
本発明の遊技情報表示装置によれば、当日における営業開始時点からの累計の遊技データを表示する前記第1画面、及び前記リセット操作がなされた時点からの遊技データを表示する前記第2画面を択一的に切り換えて表示可能である。遊技者が遊技開始時、あるいは遊技中にリセット操作を行った場合、リセット操作後の遊技データはその遊技者自身の個人データとなり、前記第2画面に表示される。
【0008】
本発明の遊技情報表示装置では、当日の累計の遊技データを表示する前記第1画面が初期画面に設定された状態が初期設定(デフォルト設定)されている。この遊技情報表示装置では、通常、初期画面である前記第1画面が表示され、切換操作が行われたときに前記第2画面が切換表示される。前記第2画面に切換表示された場合であっても、所定時間の経過に応じて初期画面である前記第1画面に自動復帰する。そのため、前記遊技情報表示装置では、個人データを利用しない遊技者に対して前記第2画面を無用に表示し続けるおそれがない。
【0009】
一方、リセット操作が行われた場合には、前記第1画面及び前記第2画面の表示方法が、上記の通常の場合とは異なってくる。この場合には、遊技者が個人データを利用するとみなされ、前記第2画面が初期画面に設定される。そのため、前記遊技情報表示装置では、個人データを利用する遊技者がいちいち表示画面の切換操作をする必要性を解消できる。
【0010】
さらに、本発明の遊技情報表示装置では、上記のように第2画面が初期画面に設定された状態で稼動(ゲームの進行)が所定時間以上に渡って中断された場合、初期画面が前記第1画面に戻ると共に前記中断監視状態が設定される。この中断監視状態の継続中に前記第2画面への切換操作が行われた場合には、前記第2画面が初期画面に設定し直される。例えば、たばこ休憩やトイレ休憩などによる一時的な離席により所定時間以上に渡って遊技が中断されて前記第1画面が初期画面に戻った場合であっても、前記中断監視状態の継続中の前記第2画面への切換操作に応じて直ちに離席前の状態(前記第2画面が初期画面に設定された状態)に復帰できる。
【0011】
以上のように、本発明の遊技情報表示装置は、個人データ表示機能を備えた遊技情報表示装置であって、個人データ表示機能を利用する遊技者であるか、使用しない遊技者であるかに応じて、個人データ表示画面を適切に表示可能である。
【0012】
本発明の遊技情報表示装置を組み合わせる遊技機としては、スロットマシンやパチンコ機等がある。スロットマシンとしては、メダルやコイン等の遊技媒体を遊技価値として使用するスロットマシンでも良いが、遊技媒体を使用しない、いわゆる完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。さらに、スロットマシンの場合であれば、パチンコ玉を遊技媒体として使用するパロット(R)であっても良い。パチンコ機としては、遊技媒体であるパチンコ玉の払出を伴うパチンコ機であっても良いが、パチンコ玉の払い出しを伴わない、いわゆる封入式のパチンコ機であっても良い。
【0013】
本発明において、遊技機におけるゲームの進行を検知する方法としては、例えば、スロットマシンの場合であれば、ゲームの開始を表すゲーム開始信号や、ゲームに対する遊技価値の投入(ベット)を表す投入信号(ベット信号)や、入賞に応じた遊技価値の付与を表す付与信号や、リールが回転していることを示すリール回転信号等を利用して検知する方法がある。また、パチンコ機の場合であれば、遊技媒体であるパチンコ玉の発射信号や、入賞信号や、入賞に応じた遊技価値の付与信号や、可動役物が作動したことを示す役物作動信号等を利用して検知する方法がある。
【0014】
本発明の好適な一態様の遊技情報表示装置は、前記各種の遊技データとして、ゲームの実行回数と、前記大当たり状態の発生回数と、を含んでいることが好ましい。
ある遊技者がリセット操作を行った後のゲームの実行回数と大当たり状態の発生回数との表示があれば、リセット操作後の前記大当たり状態の発生確率等を把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例における、遊技場管理システムの構成を示すブロック図。
【図2】実施例における、スロットマシンの外観を示す正面図。
【図3】実施例における、スロットマシンの役、入賞図柄、利益を示す説明図。
【図4】実施例における、スロットマシンの電気的な構成を示すブロック図。
【図5】実施例における、遊技情報表示装置を示す正面図。
【図6】実施例における、遊技情報表示装置の電気的な構成を示すブロック図。
【図7】実施例における、第1画面を示す正面図。
【図8】実施例における、第2画面を示す正面図。
【図9】実施例における、リセット操作時の第2画面を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例)
本例は、スロットマシン(遊技機)5に対応して設けられる遊技情報表示装置1に関する例である。この内容について、図1〜図9を用いて説明する。
【0017】
本例の遊技情報表示装置1は、図1のごとく、貸出用のメダル(遊技価値をなす遊技媒体)を払い出す貸出装置38と共に各スロットマシン5に対応して個別に設けられている。遊技場では、遊技情報表示装置1、貸出装置38、及びスロットマシン5の組合せが管理装置30により管理され、全体として遊技場管理システム3が形成されている。この遊技場管理システム3では、管理装置30のほか、中継端末としての機能を備えた遊技情報表示装置1が通信ネットワーク300に接続されている。スロットマシン5及び貸出装置38は、遊技情報表示装置1を介して通信可能な状態で管理装置30と接続されている。
【0018】
管理装置30は、遊技情報表示装置1を介して各スロットマシン5の遊技信号等を受信し、各種の遊技データを生成して記憶する。また、管理装置30は、各遊技情報装置1に対して、遊技機の機種名やスペックなど各種の設定情報を送信する。
【0019】
本例のスロットマシン5は、図2のごとく外観的な構成を有している。スロットマシン5の前面部分は、略矩形状の図柄表示窓51を略中央に設けた前面枠体50によって形成されている。前面枠体50は、向かって左側に設けられたヒンジ(図示略)を介して回動可能な状態で台枠に固定されている。
【0020】
前面枠体50では、図柄表示窓51の上側に、液晶表示部638、左右一対のスピーカ57及び装飾ランプ部636が配置されている。図柄表示窓51の下側には、スロットマシン5の基部をなすベース部500が形成されている。図柄表示窓51の右側には、メダルの付与数を表示する付与数表示部551、クレジット数を表示するクレジット表示部552、及びボーナス役の内部当選を告知するボーナス告知ランプ部554が配置されている。
【0021】
ベース部500は、遊技者から奥まって位置する図柄表示窓51に相対して張り出すように形成されている。ベース部500は、図柄表示窓51に隣り合う上端部に棚面状の操作面54を有し、下端部にメダルの受け皿55を有し、操作面54の下側に隣接して操作パネル53を有している。
【0022】
操作面54には、クレジット機能によりクレジット(貯留)されたメダルを投入するためのベットボタン64と、クレジットされたメダルを払い出させるための精算ボタン65と、メダルを直接投入するためのメダル投入口630と、が配置されている。操作パネル53には、リール52の図柄変動を開始させるためのスタートレバー62、図柄変動を停止させるためのストップボタン61が配置されている。
【0023】
図柄表示窓51は、図柄表示領域510L、C、Rを含む表示窓である。各図柄表示領域510L、C、Rは、いずれも3図柄分の図柄表示領域である。図柄表示窓51全体では、3行3列よりなる2次元マトリクス状に配置された9図柄分の図柄表示領域が形成されている。2次元マトリクス状に9個の図柄525が配置される図柄表示領域においては、入賞の対象となる入賞図柄の並び方向である入賞ライン511〜515が設定されている。
【0024】
各図柄表示領域510L、C、Rの裏側には、リール52L、C、Rがそれぞれ配置されている。リール52L、C、Rは、円柱形状の外周面に略一定の間隔を空けて21個の図柄525が配置された回転式のリールである。リール52L、C、Rにそれぞれ個別に対応するストップボタン61として、左ストップボタン61L、中ストップボタン61C、右ストップボタン61Rが設けられている。
液晶表示部638は、液晶ディスプレイよりなる。液晶表示部638は、遊技を演出するための各種の演出画面等を表示可能である。
【0025】
スロットマシン5では、図3のごとく、2種類のボーナス役(BB役、RB役)のほか、15枚役や8枚役等の小役、リプレイ役が設定されている。同図では、左列に各役の名称を、中列に各役に対応する図柄525の組合せである入賞図柄を、右列に入賞に応じて遊技者に付与される利益を示してある。利益としては、同図中「利益」欄の左側に示す非ボーナス状態下の利益と、右側に示すボーナス状態下の利益と、を示してある。
【0026】
スロットマシン5の電気的な構成は、図4に示す通りである。スロットマシン5は、主制御部58を中心として電気的に構成されている。主制御部58に対しては、スタートレバー62、ストップボタン61、ベットボタン64、精算ボタン65、メダル投入口630(図2)から投入されたメダルを検知する投入メダル検知部63、リール52と共に図柄変動表示手段520を構成するリール駆動部521、リール52の回転位置を検知する基準位置検知部632、メダルを受け皿55に払い出すメダル払出部633、付与数表示部551やクレジット表示部552(図2)を含む各種表示部634、遊技者の有利度合いを表す設定値を設定するための設定値操作部68、各種の信号を出力する信号出力部635、遊技演出を制御する副制御部59等が電気的に接続されている。この副制御部59には、装飾ランプ部636、スピーカ57を制御する音声出力部637、液晶表示部638、ボーナス告知ランプ部554等が電気的に接続されている。
【0027】
リール駆動部521は、ステップ単位で制御可能なステッピングモータ(図示略)を含み、このステッピングモータの回転駆動力によりリール52を回転駆動する駆動部である。
基準位置検知部632は、各リール52L、C、Rについて基準位置片の通過を検知する毎に検知信号を出力する検知部である。
設定値操作部68は、設定キー680を利用して、ボーナス役及び小役の内部当選確率が異なる6段階の設定値を変更するための操作部である。
【0028】
主制御部58は、図4のごとく、CPU581と、メモリ手段であるROM583・RAM584と、入出力インターフェースとしてのI/O582と、内部当選役抽選用の乱数を抽出する乱数抽出部585と、乱数を発生する乱数発生部586と、を有している。主制御部58は、内部当選役を抽選する内部抽選手段71、内部当選役に対応する内部当選フラグを制御するフラグ制御手段710、リール52を制御する表示制御手段72、入賞図柄を判定する入賞判定手段73、入賞に応じて利益を付与する利益付与手段74、ボーナス状態を発生させるボーナス状態発生手段751としての各機能を実現する。
【0029】
副制御部59は、CPU591、ROM593・RAM594、及びI/O592等を備えている。副制御部59は、主制御部58から受信した制御信号に応じて液晶表示部638や音声出力部637等を制御する。
【0030】
主制御部58のROM583は、内部当選役の抽選に用いる内部当選役抽選テーブル、リール52の停止制御に用いるリール制御テーブル等を記憶している。
内部当選役抽選テーブルは、所定範囲(0〜65535)の内部当選役抽選用の乱数のうち、各役の当選乱数の範囲が規定されたデータテーブルである。内部当選役抽選テーブルとしては、通常状態に適用されるテーブルのほか、ボーナス状態に適用されるテーブルがある。通常状態用の内部当選役抽選テーブルは、設定値毎に用意されている。
【0031】
以上のような構成のスロットマシン5では、ベットボタン64の操作あるいはメダル投入口630へのメダル投入に応じて規定数のメダルがゲームに賭けられたときにゲームの開始が許可された状態となる。ゲームの開始が許可されるとスタートレバー62の操作に応じてゲームを開始できる。
【0032】
ゲームの開始が許可された状態でスタートレバー62が操作されたとき、乱数抽出部585は、乱数発生部586が発生する乱数(0〜65535)の中から内部当選役抽選用の乱数を抽出する。主制御部58は、この内部当選役抽選用の乱数を、内部当選役抽選テーブルに規定された各役の当選乱数と照合することにより内部抽選を実行し、内部当選役を決定する。内部当選役が決定された場合には、その内部当選役に対応する内部当選フラグを成立させる。ボーナス役が内部当選した場合には、ボーナス告知ランプ部554が点灯し、その旨が報知される。
【0033】
主制御部58は、ゲームの開始が許可された状態でスタートレバー62が操作されたとき、リール駆動部521を構成するステッピングモータに制御パルスを入力し、1パルス毎に1ステップずつステッピングモータを回転させることで、リール52の図柄変動を開始させる。主制御部58は、ステッピングモータの回転中、リール駆動部521に入力した制御パルス数、すなわちステッピングモータが回転したステップ数をカウントする。このステップ数のカウンタ値は、各リール52の基準位置片の検知信号の取り込み毎にゼロリセットされ、直近の検知信号の後に生じたステップ数となる。
【0034】
図柄変動中にストップボタン61が操作されたとき、主制御部58は対応するリール52の図柄変動を停止させる。主制御部58は、リール52を停止させるに当たって、規則(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)等が定める所定の引込範囲内の図柄を入賞ライン上に停止させる、いわゆる引込制御を実行する。本例では、引込範囲として4図柄分に相当する範囲が設定されている。引込制御では、入賞ライン上に停止可能な停止位置が規定されたリール制御テーブルに対してストップボタン61が操作された時のステップ数が照合され、停止位置が決定される。引込範囲内に内部当選フラグに対応する図柄があれば、その図柄が停止位置として決定される。
【0035】
主制御部58は、リール52が停止した後、対応するステッピングモータ(リール駆動部521)のステップ数に基づいて入賞ライン511〜515(図2)上に停止した図柄525の種類を求める。全てのリール52が停止した後、3基のリール52L、C、Rを横断するように設定された入賞ライン511〜515上に停止した図柄の組合せが所定の入賞図柄であるか否かに応じて入賞役を判定する。
【0036】
主制御部58は、入賞が発生したとき、入賞役に対応する数のメダルを付与する。例えば、15枚役が入賞役である場合には15枚のメダルを付与する(図3参照。)。なお、ボーナス役以外の他の役の内部当選フラグについては、その内部当選フラグが初めて成立したゲームで入賞したか否かに関わらず次のゲームを開始するまでにオフ状態(ゼロ)にリセットされる。したがって、ボーナス役以外の各役が内部当選したゲームで入賞しなかった場合、全て取りこぼしとなる。一方、ボーナス役の内部当選フラグであるボーナス役フラグについては、内部当選フラグの成立状態が入賞するまで順次、次回のゲームに持ち越され、入賞に応じてオフ状態にリセットされる。
【0037】
主制御部58は、ボーナス役の入賞(特別条件)に応じてボーナス状態(特別状態)を発生させると共に、所定の終了条件の成立に応じてボーナス状態を終了させる。ボーナス状態としては、BB役の入賞に応じたBB状態(ビッグボーナス)と、RB役の入賞に応じたRB状態(レギュラーボーナス)がある。BB状態の終了条件は、付与したメダルが360枚を超過したことであり、RB状態の終了条件は、付与したメダルが120枚を超過したことである。なお、ボーナス状態では、全ての小役についてメダルの付与枚数が15枚となっている。
【0038】
本例のスロットマシン5が、遊技の進行に応じて信号出力部635(図4)を介して遊技情報表示装置1に向けて外部出力する信号としては、少なくとも以下の各信号がある。
(1)セーフ信号:入賞に応じてメダルが1枚付与される毎に出力される信号。
(2)アウト信号:ゲームに使用されたメダル数分、ゲームの開始に応じて連続的に出力される信号。
(3)RB信号:RB状態の発生中に出力される信号。
(4)BB信号:BB状態の発生中に出力される信号。
【0039】
次に、遊技情報表示装置1について説明する。遊技情報表示装置1は、図1及び図5のごとく、スロットマシン5の上側のスペースに配設される横長の装置である。遊技情報表示装置1の正面では、液晶ディスプレイよりなる情報表示部15を中心として、左右両側にランプ部165が配置されている。情報表示部15の右側にはデータ切換ボタン161、左側には呼出ボタン162が配置されている。
【0040】
情報表示部15は、図5及び図6のごとく、対応するスロットマシン5の各種の遊技データを表示する表示手段151としての機能を備えている。表示手段151としての情報表示部15は、後述する第1画面21(図7)及び第2画面22(図8)の何れかを択一的に表示する。
ランプ部165は、遊技場のスタッフを呼び出すときに点灯する呼出ランプ165A、ボーナス状態の発生中に点灯するボーナスランプ165B、及びスロットマシン5でメダル不足やメダル満杯などのエラーが発生したときに点灯するエラーランプ165Cにより構成されている。
【0041】
呼出ボタン162は、押し込まれた位置を保持しないラッチレスの押込み操作ボタンである。呼出ボタン162は、押込み操作毎にオン状態とオフ状態とが交互に切り換わる。オフ状態の呼出ボタン162が押込み操作されるとオン状態に切り換わり、オン状態の呼出ボタン162が押込み操作されるとオフ状態に切り換わる。呼出ボタン162がオフ状態からオン状態に切り換わったとき、遊技場の従業員等を呼び出すための呼出表示(呼出動作)が呼出ランプ165Aにより実行される。
【0042】
データ切換ボタン(切換操作手段)161は、情報表示部15に表示させる遊技データを切り換えるための操作ボタンである。本例のデータ切換ボタン161は、リセット操作手段としての機能を備えている。本例では、所定状態におけるデータ切換ボタン161の長押し操作が、集計中の遊技データの一部である個人データをゼロクリアするためのリセット操作に設定されている。
【0043】
遊技情報表示装置1の内部には、図6のごとく、各種の演算処理を実行するCPU11、ROM121・RAM122を含む記憶部12、各種信号あるいは情報の入出力を行うI/O13を含む制御部100が収容されている。制御部100に対しては、上記の構成のほか、スロットマシン5の遊技信号の取込端子である信号入力端子130、管理装置30に対する通信窓口となる送受信部132が電気的に接続されている。
【0044】
本例の遊技情報表示装置1が信号入力端子130等を介してスロットマシン5側から取り込む遊技信号としては、上記のごとく、セーフ信号、アウト信号、BB信号、RB信号等がある。遊技情報表示装置1は、スロットマシン5側から取り込んだ遊技信号を利用して遊技データを集計等すると共に、それらの遊技信号を管理装置30に向けて転送する。
【0045】
記憶部12は、スロットマシン5の遊技データを記憶する遊技データ記憶手段104としての機能を備えている。記憶部12が記憶する遊技データとしては、以下の(1)〜(10)の各データがある。
【0046】
(1)只今ゲーム数:直近のボーナス状態が終了してから現時点までに実行されたゲーム回数。
(2)累計ゲーム数:非ボーナス状態下で実行された当日の累計ゲーム数。
(3)個人ゲーム数:直近のリセット操作の後、非ボーナス状態下で実行されたゲーム数。
(4)本日BB回数:BB状態の発生回数(当日の累計)。
(5)本日RB回数:RB状態の発生回数(当日の累計)。
(6)個人BB回数:直近のリセット操作後のBB状態の発生回数。
(7)個人RB回数:直近のリセット操作後のRB状態の発生回数。
(8)差枚数の変動履歴:メダルの累計の投入枚数に対して、遊技者が獲得したメダル数に当たる差枚数(付与数−賭け数)の履歴データ。
(9)前日BB回数:前日のBB状態の発生回数。
(10)前日RB回数:前日のRB状態の発生回数。
【0047】
上記の遊技データのうち(3)個人ゲーム数、(6)個人BB回数、(7)個人RB回数は、リセット操作に応じてゼロスタートで集計を開始させることができ、個人データとして利用可能な遊技データである。なお、営業開始後、リセット操作が一度も行われていない状況では、(3)個人ゲーム数、(6)個人BB回数、(7)個人RB回数は、それぞれ、(2)累計ゲーム数、(4)本日BB回数、(5)本日RB回数、と同じデータ値となる。また、上記(9)、(10)の前日の遊技データは、各営業日の営業終了時に上記(4)、(5)の当日の遊技データにより更新される。
【0048】
制御部100は、図6のごとく、情報表示部15に第1画面21(図7)を表示するか、第2画面22(図8)を表示するかを切り換える表示制御手段103、スロットマシン5の遊技信号を取り込む通信手段105、ボーナス状態を判定するボーナス状態判定手段106、スロットマシン5の稼動を検知する稼動検知手段107、遊技データを集計するデータ集計手段109としての機能を備えている。なお、表示制御手段103では、後述する中断監視状態に対応する制御フラグである中断フラグが規定されている。
【0049】
制御部100は、以下に説明する方法で上記(1)〜(7)に対応する各遊技データを計数等するほか、上記(8)の遊技データを生成するために累計の差枚数を集計する。
(1)只今ゲーム数:直近のボーナス状態が終了したときに初期化されてゼロスタートで計数開始し、アウト信号を3回連続的に受信してゲームスタートを検知する毎に1ゲームずつ加算する。
(2)累計ゲーム数及び(3)個人ゲーム数:通常状態においてアウト信号を3回連続的に受信したときにゲームスタートを検知し、検知する毎に1ゲームずつ加算する。
(4)本日BB回数及び(6)個人BB回数:BB信号の受信開始に応じてBB状態の発生が判定される毎に1回ずつ加算する。
(5)本日RB回数及び(7)個人RB回数:RB信号の受信開始に応じてRB状態の発生が判定される毎に1回ずつ加算する。
(8)差枚数:セーフ信号を受信する毎に1枚ずつ加算し、アウト信号を受信する毎に1枚ずつ減算する。
【0050】
制御部100は、データ切換ボタン161の操作に応じて、情報表示部15が表示する表示画面を切り換える。情報表示部15による表示画面としては、図7に例示する第1画面21と、図8に例示する第2画面22とがある。
【0051】
第1画面21は、図7のごとく、遊技データを表示するデータ表示エリア211とグラフ表示エリア212とが配置された画面である。データ表示エリア211には、上記(1)只今ゲーム数及び(2)累計ゲーム数を表示するゲーム数表示欄211A、上記(4)本日のBB回数[確率]、(5)本日のRB回数[確率]を表示する本日ボーナス状態発生回数表示欄211B、及び、上記(9)前日のBB回数[確率]、(10)前日のRB回数[確率]を表示する前日ボーナス状態発生回数表示欄211Cが配置されている。グラフ表示エリア212には、投入枚数(横軸)に対する差枚数(縦軸)の変動を表す差枚数グラフが表示される。この差枚数グラフは、上記(8)の差枚数の変動履歴の折れ線グラフである。本例の遊技情報表示装置1では、図7の第1画面21が初期画面として設定されている。
【0052】
第2画面22は、図8のごとく、第1画面21を基にして、上記(2)累計ゲーム数を上記(3)個人ゲーム数に置換すると共に、前日ボーナス状態発生回数表示欄211Cを省略して上記(6)個人BB回数、(7)個人RB回数を表示する個人ボーナス状態発生回数表示欄221Bを追加した表示画面である。なお、図8の第2画面22は、当日、その遊技者が遊技を開始するまでの間、一度もリセット操作が行われなかった場合の表示例である。
【0053】
次に、本例の遊技情報表示装置1の動作について説明する。電源投入時の遊技情報表示装置1では、初期画面として第1画面21(図7)が設定(デフォルト設定)されている。したがって、遊技情報表示装置1では、通常、第1画面21が情報表示部15に表示される。
【0054】
遊技者がデータ切換ボタン161を押込み操作すれば、第1画面21に代えて図8の第2画面22を情報表示部15に切換表示させることができる。第2画面22は、所定時間として設定された5秒間に渡って表示され、その後、自動的に初期画面である第1画面21に切り換えられる。
【0055】
一方、第2画面22の表示中に、データ切換ボタン161を3秒間に渡って長押しするリセット操作が行われた場合には、以下のリセット処理が実行される。このリセット処理では、記憶部12が記憶する遊技データのうち(3)個人ゲーム数、(6)個人BB回数、(7)個人RB回数がゼロクリアしてリセットされると共に、前記中断フラグが初期化される。このようなリセット処理が実行されると、情報表示部15に表示された第2画面22が図9のように更新されると共に、この第2画面22が初期画面に設定される。
【0056】
リセット操作を行った遊技者が遊技を継続している間、図9の第2画面22の表示状態が維持され、遊技の進行に応じて各遊技データが随時、更新される。このように第2画面22が表示された状態でデータ切換ボタン161が押込み操作されると、図7の第1画面21が5秒間に渡って切換表示され、その後、初期画面である第2画面22に自動的に復帰する。
【0057】
リセット操作を行った遊技者が、例えば、トイレ休憩のために離席して稼動が中断され、アウト信号の受信がなく稼動が検知されない状態が5分間(所定時間)を超えた場合には、中断フラグがオン状態にセットされて中断監視状態が設定される。この中断監視状態では、初期画面が第1画面21に戻り(仮設定)、表示画面が第1画面21に切り換えられる。
【0058】
最長10分間に渡る中断監視状態の継続中に稼動が検知され、さらに、データ切換ボタン161の操作により第2画面22に切り換えられた場合には、中断フラグの消去に応じて中断監視状態が終了されると共に、再度、第2画面22が初期画面に設定される。
【0059】
一方、第1画面21が初期画面に仮設定された中断監視状態の継続中に稼動が検知されなかったり、第2画面22への切換操作が行われなかった場合には、第1画面21が初期画面に再設定されて中断監視状態が終了され、リセット操作前のデフォルト設定の状態に戻る。このようにデフォルト設定の状態に戻った後では、第2画面22への切換操作が行われても第2画面22が初期画面に再設定されることがない。切換操作に応じて第2画面22が5秒間に渡って表示された後、第1画面21に自動復帰する。
【0060】
以上のように、本例の遊技情報表示装置1では、当日の累計の遊技データを表示する第1画面21、及びリセット操作後の個人データを表示する第2画面22の何れかが択一的に切換表示される。デフォルト設定の遊技情報表示装置1では、第1画面21が初期画面に設定されている。一方、リセット操作がなされた場合には、その遊技者が個人データを利用するとみなし、その遊技者の個人データを表示する第2画面22が初期画面に設定される。そのため、本例の遊技情報表示装置1では、個人データを利用する遊技者がいちいち表示画面の切換操作をする必要がない。
【0061】
さらに、本例の遊技情報表示装置1では、上記のように第2画面22が初期画面に設定された状態で稼動が所定時間以上に渡って中断されたとき、第1画面21が初期画面に仮設定されると共に中断監視状態が設定される。この中断監視状態で第2画面22への切換操作が行われれば、第2画面22が初期画面に設定し直される。例えば、たばこ休憩やトイレ休憩などによる一時的な離席により所定時間以上に渡って遊技が中断されて第1画面21が初期画面に仮設定された場合であっても、表示画面の切換操作を行うのみで直ちに離席前の第2画面22が初期画面に設定された状態に復帰できる。
【0062】
以上のように、本発明の遊技情報表示装置は、個人データ表示機能を備えた遊技情報表示装置であって、個人データ表示機能を利用する遊技者であるか、使用しない遊技者であるかに応じて、個人データ表示画面を適切に表示可能である。
【0063】
なお、表示する遊技データ(個人データ)の種類は、本例に限定されず、様々な種類の遊技データを採用することができる。
本例では、遊技情報表示装置1の表示画面として、第1画面21及び第2画面22の2種類を例示したが、これ以外にも様々な表示画面を追加し、様々な遊技情報を表示することができる。
【0064】
本例の遊技情報表示装置1は、管理装置30との間で遊技データを送受信する機能を備えている。この機能は、必須ではなく、遊技情報表示装置1が管理装置30とは独立して単独で動作するように構成してもよい。
また、遊技機としてスロットマシン5を例示したが、パチンコ機であっても良い。パチンコ機に適用する場合には、役物が作動した回数や大当たりの発生回数などを遊技データとして採用することができる。
【0065】
本例では、遊技情報表示装置1をスロットマシン5の上方に設置したが、遊技情報表示装置1は、スロットマシン5に対応して個別に設置されていれば良く、その設置場所は本例に限定されない。例えば、スロットマシン5の側方や前方であってもよい。
さらに、本例の遊技情報表示装置1は、スロットマシン5とは別体で構成されているが、スロットマシン5に組み込んで一体的に設けることも良い。
また、本例の遊技情報表示装置1から呼出ランプ165A(従業員の呼出機能)を省略しても良い。
【0066】
以上のごとく本発明の実施例を詳細に説明したが、これらの実施例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、実施例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して実施例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
【符号の説明】
【0067】
1…遊技情報表示装置、103…表示制御手段、104…遊技データ記憶手段、105…通信手段、106…ボーナス状態判定手段、107…稼動検知手段、109…データ集計手段、15…情報表示部、151…表示手段、161…データ切換ボタン(切換操作手段・リセット操作手段)、162…呼出ボタン、165A…呼出ランプ、21…第1画面、22…第2画面、3…遊技場管理システム、30…管理装置、38…貸出装置、5…スロットマシン、520…図柄変動表示手段、61…ストップボタン、62…スタートレバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームの実行に応じて大当たり条件が成立したときに大当たり状態を発生可能な遊技機に付設され、当該遊技機で実行されたゲームに関する各種の遊技データを表示可能な遊技情報表示装置において、
当日における営業開始時点からの遊技データを表示する第1画面、及び遊技者によるリセット操作がなされた時点からの遊技データを表示する第2画面を択一的に切換表示可能な表示手段と、
前記第1画面及び第2画面を切換表示するために遊技者が操作する切換操作手段と、
前記第2画面を表示している状態で、当該第2画面で表示している遊技データをリセットするために遊技者が操作するリセット操作手段と、
当日の営業開始時点で前記第1画面を初期画面として設定し、第1画面を表示している状態で前記切換操作手段が操作されたときに前記第2画面を切換表示するとともに、第2画面を表示している状態で所定時間が経過したときは前記切換操作手段の操作に関わらず前記第1画面を切換表示する表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記第2画面を表示している状態で前記リセット操作手段の操作により前記遊技データをリセットしたときは、前記第1画面に代えて前記第2画面を初期画面に設定し、その状態で遊技機におけるゲームの進行が所定時間以上中断したときは前記第1画面を初期画面に戻すとともに中断監視状態とし、その中断監視状態において前記切換操作手段の操作により前記第2画面を切換表示したときには再度、第2画面を初期画面に設定し直すことを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項2】
前記各種の遊技データとして、ゲームの実行回数と、前記大当たり状態の発生回数と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の遊技情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−34565(P2013−34565A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171586(P2011−171586)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】