遊技機管理システム
【課題】貸球の払出個数を調整することができる遊技機管理システムを提供すること。
【解決手段】パチンコ機1の払出制御基板Hにより払い出される貸球の1単位の払出個数は、カード読取ユニット20及びTボックス40を介して接続されるカード会社コンピュータ50の設定に応じて決定される。よって、カード会社コンピュータ50で貸球の払出個数を変更することができるので、消費税の税率等を考慮した貸球の払い出しを行うことができる。
【解決手段】パチンコ機1の払出制御基板Hにより払い出される貸球の1単位の払出個数は、カード読取ユニット20及びTボックス40を介して接続されるカード会社コンピュータ50の設定に応じて決定される。よって、カード会社コンピュータ50で貸球の払出個数を変更することができるので、消費税の税率等を考慮した貸球の払い出しを行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機を使用した遊技機管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機における遊技は、遊技者がパチンコホールから球を借りて、言い替えれば、パチンコホールが遊技者へ球を貸し出して、その貸し出された球によって行われる。球の貸出レートは、通常、1球4円となっており、100円を1単位として貸し出されるので、遊技者へは100円毎に25球の球が貸し出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、かかる場合に、貸し出される球は25球と決まっているので、貸球の払出個数を調整したくても、貸球の払出個数を変更することができないという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、遊技媒体の払出個数を調整することができる遊技機管理システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機管理システムは、所定の有価価値を有する遊技媒体を払い出す払出制御手段を有した1又は複数の遊技機と、その遊技機と接続され、前記遊技媒体の情報が記録された遊技媒体記録手段を投入した状態で前記遊技媒体の貸出要求があった場合に、前記遊技機に遊技媒体の貸し出しを指示する1又は複数の遊技媒体記録読取装置と、その遊技媒体記録読取装置と接続されて前記遊技媒体記録手段および遊技媒体の払い出しを管理する遊技媒体管理装置と、その遊技媒体管理装置と接続される外部管理装置とを備えており、前記外部管理装置は、前記払出制御手段による遊技媒体の1単位の払出個数を2種以上の個数に設定可能な貸出個数設定手段を備え、その貸出個数設定手段で設定された前記遊技媒体の払出個数のデータを前記遊技媒体管理装置へ出力し、前記遊技媒体管理装置は、前記外部管理装置から受信した前記遊技媒体の払出個数のデータを前記遊技媒体記録読取装置へ出力し、前記遊技媒体記録読取装置は、前記遊技媒体管理装置から受信した前記遊技媒体の払出個数のデータを保持すると共に、前記遊技媒体の貸出要求に応じて、前記遊技機の払出制御手段へ貸球の払出個数のデータを出力し、前記遊技機は、受信した前記貸球の払出個数のデータに基づいて前記遊技媒体の払い出しを行うものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明の遊技機管理システムによれば、外部管理装置に設けられた貸出個数設定手段により、遊技機の払出制御手段による遊技媒体の1単位の払出個数を2種以上の個数に設定できるので、外部管理装置の方針に応じて、遊技媒体の払出個数を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】インターネットを介して相互に接続されるカード会社コンピュータとTボックスとの接続状態と、Tボックスとカード読取ユニット及びパチンコ機との接続状態とを示した模式図である。
【図2】遊技機管理システムの電気的構成を示したブロック図である。
【図3】カード会社コンピュータで実行される貸球数送信処理のフローチャートである。
【図4】Tボックスで実行されるTボックス送受信処理のフローチャートである。
【図5】カード読取ユニットで実行されるカードユニット受信処理のフローチャートである。
【図6】カード読取ユニットで実行される処理のフローチャートである。
【図7】カード読取ユニットで実行される信号出力処理のフローチャートである。
【図8】払出制御基板で実行される球貸し動作処理のフローチャートである。
【図9】払出制御基板で実行される貸球モータ駆動処理のフローチャートである。
【図10】払出制御基板で実行される貸球カウントスイッチ読込処理のフローチャートである。
【図11】本実施例の消費税対応型(貸球の払出個数を変更可能)のカード読取ユニットと、カード読取ユニットからの貸出要求信号に対応できる貸出要求信号対応型の本実施例のパチンコ機と、貸球の払出個数が変更可能なカード読取ユニット20からの貸出要求信号に対応することができない貸出要求信号非対応型の旧パチンコ機(従来品)との対応関係を示した図である。
【図12】貸球の払出個数に応じた貸出要求信号のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例では、遊技機管理システムとして、インターネットのシステムを利用しており、インターネットに接続されて使用されるカード会社コンピュータ50と、そのカード会社コンピュータ50からインターネット60を介して情報の送受信を行うコンピュータであると共に遊技場(ホール)内でのカードの売上げ等を管理するターミナルボックス(以下、「Tボックス」と略す)40と、そのTボックス40に接続されるカード読取ユニット20と、そのカード読取ユニット20に付設されるパチンコ機1とを用いて説明する。また、本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、第1種パチンコ遊技機に代えて、第3種パチンコ遊技機やスロットマシン等の他の遊技機を用いて本実施例の遊技機管理システムを構成しても良い。
図1は、インターネット60を介して相互に接続されるカード会社コンピュータ50とTボックス40との接続状態と、Tボックス40とカード読取ユニット20及びパチンコ機1との接続状態とを示した模式図である。インターネット60はコンピュータのネットワーク同士が接続されている世界最大のコンピュータ・ネットワークであり、マルチメディア情報を発信するワールド・ワイド・ウェブをはじめ、電子メールシステムや電子掲示板システム、ファイル転送サービスなどのサービスが複合的に提供されるネットワークシステムである。
【0008】
図1に示すように、本実施例の遊技機管理システムにおいて、カード読取ユニット20は、残高表示器27、返却ボタン28、貸出ボタン29、貸出ボタンランプ30、カード挿入口31、カード利用可能ランプ32、連結台方向表示ランプ33及びカード挿入中ランプ34を備えている。
【0009】
残高表示器27は、カード挿入口31内に挿入されているカードの残高金額を表示するためのものであり、3桁の7セグメントLEDにより構成されている。返却ボタン28は、カード挿入口31に挿入されているカードを取り出すためのボタンであり、この返却ボタン28を押下することによりカード挿入口31内に挿入されているカードがカード挿入口31外へ排出される。貸出ボタン29は、貸球の払い出し(貸出)を開始するためのボタンであり、この貸出ボタン29がパチンコ機1の遊技者により押下されると、カード読取ユニット20からパチンコ機1の払出制御基板Hへ貸出要求信号が出力される。
【0010】
貸出ボタンランプ30は、貸球の払い出しが可能であるか否かを表示するためのランプであり、LEDにより構成されている。この貸出ボタンランプ30は、貸球の払い出しが可能である場合(貸出ボタン29が押下可能な状態である場合)に点灯され、一方、貸球の払い出しができない場合(貸出ボタン29が押下不可能な状態である場合)に消灯されるように構成されている。カード利用可能ランプ32は、LEDで構成されており、例えば、カード挿入口31へカードが挿入可能である場合に点灯される一方、カード挿入口31へカードが挿入不可能である場合に消灯される。
【0011】
連結台方向表示ランプ33は、上下一対のLEDにより構成されており、この連結台方向表示ランプ33は、カード読取ユニット20が接続されているパチンコ機1の配設(並設)方向を示すためのものである。よって、例えば、カード読取ユニット20が右側に並設されるパチンコ機1(図1参照)に接続される場合には下側のLEDが点灯され、カード読取ユニット20が左側に並設されるパチンコ機(図示せず)に接続される場合には上側のLEDが点灯される。カード挿入中ランプ34は、カードの挿入状態を示すランプであり、カードがカード挿入口31に挿入されている場合に点灯され、一方、カードがカード挿入口31に挿入されていない場合に消灯される。
【0012】
パチンコ機1は、カード読取ユニット20と共に、遊技場(ホール)内に複数台設置されており、遊技者により貸出ボタン29が押下されると、カード読取ユニット20からパチンコ機1へ貸出要求信号(図7参照)が出力される。その貸出要求信号をパチンコ機1の払出制御基板H(図2参照)が受信して、適正と判断された場合に、貸球が払い出され、その払い出された貸球によって遊技が行われる。なお、貸出要求信号は、後述するカードユニット貸球数メモリ24aの値に応じてカード読取ユニット20からパチンコ機1の払出制御基板Hへ出力される信号であり、貸球の払出個数を示すと共に払出制御基板Hに貸球の払い出しを実行させる信号である。
【0013】
Tボックス40は、1の遊技場(ホール)に1つずつ配置され、その遊技場内でのカードの売上げ等を管理する装置である。このTボックス40は、ハードディスク44を内蔵して各種処理を行うコンピュータ本体40aと、Tボックス40で行われる各種処理をモニターするCRTディスプレイ47と、データ等の入力を行うキーボード48とを備えている。このTボックス40は、電話回線(図示せず)によってインターネット60に接続されており、このインターネット60を介してカード会社コンピュータ50と接続されている。また、このTボックスは、(複数の)カード読取ユニット20とローカル・エリア・ネットワーク(Local Area Network、以下「LAN」と略す)で接続されている。Tボックス40は、カード会社コンピュータ50から送信されるデータ(貸球の払出個数のデータ)を受信して、その受信したデータをLANを介して複数のカード読取ユニット20へ送信する。
【0014】
Tボックス40は、LANによって接続されているすべてのカード読取ユニット20に貸球の払出個数のデータを送信することができるので、例えば、接続されるすべてのカード読取ユニット20の貸球の払出個数のデータを変更したい場合に、そのデータを一斉に変更する(後述するカードユニット貸球数メモリ24aの値を書き換える)ことができる。よって、煩雑な作業を行うことなく、遊技場(ホール)内のカード読取ユニット20の貸球の払出個数のデータを一斉に変更して、貸球の払出個数のデータをその遊技場内で統一することができる。
【0015】
なお、上記したTボックス40とカード会社コンピュータ50とは、インターネット60により相互に接続されているが、実際には、このインターネット60上には、Tボックス40或いはカード会社コンピュータ50が接続される図示しないアクセスポイントと各アクセスポイントから接続される図示しないプロバイダと呼ばれるインターネット60の接続業者が存在し、このプロバイダを経由して情報(データ)の送受信が実行される。
【0016】
カード会社コンピュータ50は、遊技場(ホール)外に設置されており、遊技場の関係者以外の管理者が各遊技場内で行われているカードの売上げや遊技場で不正が行われていないかを監視する装置である。このカード会社コンピュータ50は、インターネット60を介して各遊技場内に設置されたTボックス40と接続されている。
【0017】
このカード会社コンピュータ50は、ハードディスク54を内蔵して各種処理を行うコンピュータ本体50aと、カード会社コンピュータ50で行われる各種処理をモニターするCRTディスプレイ57と、データ等の入力を行うキーボード58とを備えている。このカード会社コンピュータ50は、Tボックス40と同様、電話回線によってインターネット60と接続されている。
【0018】
本実施例の遊技機管理システムは、このカード会社コンピュータ50で設定された貸球の払出個数のデータを、インターネット60およびTボックス40を介して、カード読取ユニット20へ送信し、そのカード読取ユニット20に貸球の払出個数のデータを記憶させる。そして、パチンコ機1の遊技者によって貸出要求があった場合に、その貸球の払出個数のデータの値に応じた貸出要求信号をカード読取ユニット20からパチンコ機1の払出制御基板Hに出力して、カード会社コンピュータ50で設定された値に応じた貸球の払い出しを行わせるものである。
【0019】
図2は、遊技機管理システムの電気的構成を示したブロック図であり、特に、主制御基板Cおよび払出制御基板Hを備えたパチンコ機1と、カードの残高を読み取って払出制御基板Hに貸球の貸出要求を行うカード読取ユニット20と、複数のカード読取ユニット20と接続されるTボックス40と、そのTボックス40とインターネット60を介して接続されるカード会社コンピュータ50との電気的構成を示したブロック図である。
【0020】
パチンコ機1の主制御基板Cは、パチンコ機1で行われる遊技等を管理しており、払出制御基板Hと、他の入出力装置2とに接続されている。払出制御基板Hは、賞球や貸球の払出制御を行うものであり、演算装置であるMPU3と、そのMPU3により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM4と、ワークメモリ等として使用されるRAM5とを備えている。図8から図10に示すフローチャートのプログラムは、ROM4内に記憶されている。また、払出制御基板HのRAM5には、貸球払出カウンタ5aが設けられている。
【0021】
貸球払出カウンタ5aは、払い出される貸球の数を記憶するためのカウンタである。貸球の払い出しは貸出金額100円単位で行われる。即ち、貸球払出カウンタ5aの値が「0」である場合に、カード読取ユニット20から出力された貸出要求信号を受信すると、後述するカード会社コンピュータ50で設定された貸球の払出個数に応じた値が貸球払出カウンタ5aに書き込まれ、100円分の貸球の払い出しが行われる。この貸球払出カウンタ5aの値が「0」でない場合には、貸球モータ駆動処理(図9参照)によって貸球モータ9が駆動され、これにより貸球の払い出しが行われる。払い出された貸球が貸球カウントスイッチ10によって検出されると、貸球払出カウンタ5aの値は、その検出毎に「1」ずつ減算される。この貸球の払い出し動作は、貸球払出カウンタ5aの値が「0」になるまで繰り返される。
【0022】
これらMPU3、ROM4およびRAM5は、バスライン6を介して相互に接続されている。バスライン6は、また、入出力ポート7にも接続されている。この入出力ポート7は、ドライバ回路8をはじめ、主制御基板Cと接続されるほか、カード読取ユニット20、貸球カウントスイッチ10とそれぞれ接続されている。
【0023】
ドライバ回路8は、貸球モータ9を駆動し回転させるための回路である。このドライバ回路8によって貸球モータ9が駆動されることにより、貸球の払い出しが行われる。かかる貸球の払い出しは、貸球カウントスイッチ10により検出される。貸球カウントスイッチ10は、払出制御基板Hによって払い出される貸球数をカウントするためのスイッチであり、その出力は払出制御基板Hへ出力されている。この貸球カウントスイッチ10によって、本来の貸球数を越えた貸球の払い出しや本来の貸球数に満たない貸球の払い出しがチェックされる。
【0024】
カード読取ユニット20は、カードに記録された残高金額のデータを読み取るためのものであり、演算装置であるMPU21と、そのMPU21により実行される各種プログラムや固定値データ等を記憶したROM22と、ワークメモリ等として使用されるRAM23と、不揮発性のメモリであるEEPROM24とを備えている。図5〜図7に示すフローチャートのプログラムは、ROM22内に記憶されている。また、カード読取ユニット20のRAM23には、残高データメモリ23aが設けられ、EEPROM24には、カードユニット貸球数メモリ24aが設けられている。
【0025】
残高データメモリ23aは、カード挿入口31のカード読取部31aによって読み取られた残高データを記憶しておくためのメモリである。残高データメモリ23aに記憶された残高データは、カード読取ユニット20が貸出要求信号を払出制御基板Hへ出力して、払出制御基板Hから払出実行信号を受信した場合に(図7参照)、カードの残高データが書き換えられることにより更新される。また、残高データメモリ23aに記憶される残高データは、その値が残高表示器27に表示される。
【0026】
EEPROM24は、書換可能な不揮発性のメモリであり、このEEPROM24に記録されたデータはカード読取ユニット20の電源断後も保持される。このEEPROM24は、Tボックス40を介してカード会社コンピュータ50から送信される貸球の払出個数のデータを記憶するカードユニット貸球数メモリ24aを備えている。
【0027】
カードユニット貸球数メモリ24aは、貸球の100円単位の払出個数を記憶するためのメモリであり、その値はカード会社コンピュータ50で設定された貸球の払出個数のデータをTボックス40を介して受信することによりセットされる。カードユニット貸球数メモリ24aに記憶された値は、貸出ボタン29が押下されると貸出要求信号として払出制御基板Hへ出力される。出力された貸出要求信号は払出制御基板Hで受信されると、貸球払出カウンタ5aに書き込まれて記憶され、図9に示す貸球モータ駆動処理により貸球の払い出しが行われる。このカードユニット貸球数メモリ24aの値は、不揮発性のメモリであるEEPROM24に記憶されるので、カード読取ユニット20の電源断後もカードユニット貸球数メモリ24aの値を保持しておくことができる。
【0028】
これらMPU21、ROM22、RAM23及びEEPROM24は、バスライン25を介して相互に接続されている。バスライン25は、また、入出力ポート26にも接続されている。この入出力ポート26は、払出制御基板Hをはじめとして、残高表示器27と、返却ボタン28と、貸出ボタン29と、貸出ボタンランプ30と、カード挿入口31の内部に設けられてカードの磁気データを読み取るカード読取部31aと、カード利用可能ランプ32と、連結台方向表示ランプ33と、カード挿入中ランプ34と、遊技場管理装置11と、Tボックス40とに接続されている。
【0029】
遊技場管理装置11は、遊技場(ホール)内で行われるカード等の売上げを管理しているものであり、カード読取ユニット20と接続されるほか、パチンコ機1の主制御基板Cと、カードを遊技者に販売する券売機12と、Tボックス40とに接続されている。
【0030】
カード読取ユニット20と払出制御基板Hとは、複数の信号線で接続されており、双方向通信が可能に構成されている。尚、本実施例では、貸球の払出個数(貸球数データ)の指示を信号により知らせているが、これに代えて、制御用コマンド等で貸球の払出個数(貸球数データ)の指示を行うように構成しても良い。かかる場合には、カード読取ユニット20と払出制御基板Hとは制御用コマンドを送信するのに十分な数のデータ信号線で接続される。
【0031】
Tボックス40は、遊技場(ホール)内でのカードの売上げ等を管理するものであり、演算装置であるMPU41と、そのMPU41で実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM42と、ワークメモリ等として使用されるRAM43と、書換可能な不揮発性のメモリであるハードディスク44とを備えている。図4に示すフローチャートのプログラムは、ROM42内に記憶されている。また、Tボックス40のハードディスク44には、Tボックス貸球数メモリ44aが設けられている。
【0032】
Tボックス貸球数メモリ44aは、貸球の100円単位の払出個数を記憶するためのメモリであり、その値はカード会社コンピュータ50で設定された貸球の払出個数のデータを受信することによりセットされる。Tボックス貸球数メモリ44aに記憶された値は、Tボックス送受信処理(図4参照)によりカード読取ユニット20へ送信される。その送信された貸球の払出個数のデータは、カード読取ユニット20で受信され、カードユニット貸球数メモリ24aに書き込まれて記憶される。
【0033】
これらMPU41、ROM42、RAM43及びハードディスク44は、バスライン45を介して相互に接続されている。バスライン45は、また、入出力ポート46にも接続されている。入出力ポート46は、LANを介して(複数の)カード読取ユニット20と接続されるほか、券売機12、CRT47、キーボード48及びインターフェース49と接続されている。
【0034】
インターフェース49は、コンピュータとモデム49aとを接続するためのものであり、シリアルインターフェースとしてのRS−232Cの電気規格が用いられている。モデム49aは、コマンドや各種データの送信と受信とを行う送受信手段であり、アナログ通信回線(電話回線)でインターネット60等のデータ通信を実行する際に、デジタル信号とアナログ信号との変換を行う変復調装置である。具体的には、モデム49aは、Tボックス40からのデータの送信時には、Tボックス40のデジタル信号を電話回線に乗せるためにアナログ信号へと変換する変調を行い、また、データの受信時には、電話回線により送信されてきたアナログ信号を元のデジタル信号へと変換する復調を行う。尚、このモデム49aは、電話回線に対する制御を行うネットワーク・コントロール・ユニットを内蔵しており、Tボックス40はこのモデム49aのネットワーク・コントロール・ユニットを介して電話回線に接続されている。
【0035】
カード会社コンピュータ50は、遊技場(ホール)毎に設置されているTボックス40で集計されたカードの売上げ等を管理すると共に、遊技場内で不正が行われていないか監視する装置であり、演算装置であるMPU51と、そのMPU51で実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM52と、ワークメモリ等として使用されるRAM53と、書換可能な不揮発性のメモリであるハードディスク54とを備えている。図3に示すフローチャートのプログラムは、ROM52内に記憶されている。また、カード会社コンピュータ50のハードディスク54には、カード会社貸球数メモリ54aが設けられている。なお、MPU51、ROM52およびRAM53は、キーボード58から入力される値に基づいて、貸球の払出個数を設定するための制御プログラムを実行して、カード会社貸球数メモリ54aにその設定値を記憶させるものである(貸出個数設定手段)。
【0036】
カード会社貸球数メモリ54aは、貸球の100円単位の払出個数を記憶するためのメモリであり、その値は、カード会社コンピュータ50のキーボード58からの入力によってセットされる。具体的には、貸球の払出個数の設定は、景品交換手数料や、消費税率、遊技場(ホール)の方針に基づいて決められる。従来、パチンコ機における遊技は、遊技者が遊技場から球を借りて、言い替えれば、遊技場が遊技者へ球を貸し出して、その貸し出された球によって行われる。通常、1球4円として、100円を1単位として貸し出されるので、遊技者へは消費税等を考慮せずに100円毎に25球の球が貸し出される。
【0037】
これに対し、遊技終了後の景品交換時においては、景品交換手数料や消費税分を考慮して、或いは考慮せずに景品交換が行われる。球の貸出時には消費税等を考慮せずに球を貸し出し、その一方で、景品交換時においてのみ消費税等を考慮して景品交換を行うと、遊技に勝った遊技者は消費税等を負担することになるものの、遊技に負けた遊技者は消費税等を負担せずに済んでしまい、消費税等の負担の有無が不平等になってしまう。この場合には、遊技に負けた遊技者の消費税等は遊技場(ホール)が負担しなければならない。これに対し、予め消費税等を考慮して、100円毎の貸球の払出個数を設定しておくことも可能であるが、消費税等の税率が変更された場合や、遊技場(ホール)において消費税等を考慮せずに球を貸し出したい場合には、かかる方式では対応することができない。従って、カード会社コンピュータ50の操作者により、景品交換手数料や消費税の税率、貸球に消費税分を加えるか否か等の遊技場(ホール)の方針に応じて、貸球の払出個数を調整することができる。なお、カード会社コンピュータ50からTボックス40へのデータの送信は、遊技場毎に指定して行うことができるよう構成されている。
【0038】
カード会社貸球数メモリ54aに記憶された値は、インターネット60を介してTボックス40へと送信される(図3参照)。その送信された貸球の払出個数のデータは、Tボックス40で受信されて、Tボックス貸球数メモリ44aに書き込まれて記憶される。
【0039】
これらMPU51、ROM52、RAM53及びハードディスク54は、バスライン55を介して相互に接続されている。バスライン55は、また、入出力ポート56にも接続されている。入出力ポート56は、CRT57、キーボード58及びインターフェース59と接続されている。なお、インターフェース59及びモデム59aは、Tボックス40に設けられるインターフェース49及びモデム49aと同様の構成であるので、その説明を省略する。
【0040】
次に、図3を参照して、カード会社コンピュータ50で行われる処理について説明する。図3は、カード会社コンピュータ50において、0.5ms毎に発生するインターバル割込処理により実行される貸球数送信処理のフローチャートである。カード会社コンピュータ50のカード会社貸球数メモリ54aに記憶される貸球の払出個数の値が変更されると、この貸球数送信処理によって、その変更されたデータがTボックス40へと送信される。
【0041】
貸球数送信処理では、まず、カード会社貸球数メモリ54aの値が設定変更されたか否かを確認する(S1)。確認の結果、カード会社貸球数メモリ54aの値が変更されていなければ(S1:No)、この貸球数送信処理を終了する一方、カード会社貸球数メモリ54aの値が変更されていれば(S1:Yes)、変更された貸球の払出個数のデータをカード会社貸球数メモリ54aに書き込む(S2)。そして、そのカード会社貸球数メモリ54aに記憶されている(書き込まれた)貸球の払出個数のデータをTボックスへ送信し(S3)、この貸球数送信処理を終了する。
【0042】
次に、図4を参照して、Tボックス40で行われる処理について説明する。図4は、Tボックス40において、カード会社コンピュータ50から貸球の払出個数のデータを受信した際に実行されるTボックス送受信処理のフローチャートである。このTボックス送受信処理によってカード会社コンピュータ50から受信した貸球の払出個数のデータがTボックス貸球数メモリ44aに書き込まれ、また、その貸球の払出個数のデータがカード読取ユニット20へ送信される。
【0043】
Tボックス送受信処理では、まず、カード会社コンピュータ50から貸球の払出個数のデータを受信したか否かを確認する(S11)。確認の結果、カード会社コンピュータ50から貸球の払出個数のデータを受信していなければ(S11:No)、このTボックス送受信処理を終了する。一方、カード会社コンピュータ50から貸球の払出個数のデータを受信していれば(S11:Yes)、受信したデータをハードディスク44のTボックス貸球数メモリ44aに書き込む(S12)。そして、Tボックス貸球数メモリ44aに記憶されている(書き込まれた)貸球の払出個数のデータを、そのTボックス40に接続されるすべてのカード読取ユニット20へ送信し(S13)、このTボックス送受信処理を終了する。
【0044】
次に、図5から図7を参照して、カード読取ユニット20で行われる処理について説明する。図5は、カード読取ユニット20において、Tボックス40から貸球の払出個数のデータを受信した際に実行されるカードユニット受信処理のフローチャートである。このカードユニット受信処理によって、カードユニット貸球数メモリ24aにカード会社コンピュータ50で設定された貸球の払出個数のデータが書き込まれる。まず、Tボックス40から貸球の払出個数のデータを受信したか否かを確認し(S21)、Tボックス40から貸球の払出個数のデータを受信していれば(S21:Yes)、受信したデータをカードユニット貸球数メモリ24aに書き込む(S22)。一方、Tボックスから貸球の払出個数のデータを受信していなければ(S21:No)、S22の処理をスキップして、このカードユニット受信処理を終了する。
【0045】
図6は、カード読取ユニット20で実行される処理のフローチャートである。カード読取ユニット20の電源が投入されると、カード読取ユニット20のMPU21は、まず、RAM23の値を初期化して初期値を設定するなどの初期化処理を実行する(S31)。次に、残高表示器19に残高数「00」を表示する(S32)。その後は、カード読取ユニット23で常時実行されるメイン処理であるS33〜S44の各処理を繰り返す。
【0046】
具体的にメイン処理では、まず、カード読取ユニット20が使用可能状態、即ち、カード読取ユニット20が正常に作動するか否かを調べる(S33)。使用可能状態でない場合(カード読取ユニット20が正常に作動していない状態)は(S33:No)、貸出ボタンランプ30、カード利用可能ランプ32及び連結台方向表示ランプ33を消灯し(S34)、カード読取ユニット20が使用可能状態になるまでS33及びS34の処理をループする。
【0047】
一方、カード読取ユニット20が使用可能状態であれば(S33:Yes)、貸出ボタンランプ30、カード利用可能ランプ32及び連結台方向表示ランプ33を点灯し(S35)、カード挿入口31にカードが挿入されているか否かを確認する(S36)。確認の結果、カードが挿入されていれば(S36:Yes)、カード挿入中ランプ34を点灯し(S37)、挿入されたカードの残高データをカード読取部31aにより読み込み、その値を残高データメモリ23aに記憶すると共に、その残高データの値を残高表示器27に表示する(S38)。一方、カードがカード挿入口31に挿入されていなければ(S36:No)、処理をS33へ移行してカードが挿入されるまでS33〜S36の各処理を繰り返す。
【0048】
そして、カードの残高データが有るか否か、即ち、残高データメモリ23aに記憶されている値が「0」か否かを確認し(S39)、その値が「0」でなければ(S39:Yes)、貸出ボタン29が遊技者により押下されたか否かを確認する(S40)。貸出ボタン29が押下されていれば(S40:Yes)、払出制御基板Hに貸球の払い出しを要求する信号出力処理(図7参照)を実行する(S41)。尚、S39の処理においてカードの残高データがない場合、即ち残高データメモリ23aに記憶されている値が「0」である場合には(S39:No)、S40〜S42の各処理をスキップして、S43の処理へと移行する。また、S40の処理において貸出ボタン29が遊技者により押下されていない場合は(S40:No)、S41の信号出力処理をスキップして、S42の処理へと移行する。
【0049】
信号出力処理(S41)の終了後は、返却ボタン28が遊技者により押下されたか否かを確認する(S42)。返却ボタン28が押下されていれば(S42:Yes)、カード挿入口31に挿入されているカードを返却し(S43)、カード挿入中ランプ34を消灯すると共に、残高表示器27に残高数「00」を表示して(S44)、その後の処理をS33へと移行する。一方、返却ボタン28が押下されていない場合には(S42:No)、S43及びS44の各処理をスキップして、処理をS33へ移行する。
【0050】
図7は、信号出力処理(S41)のフローチャートである。この信号出力処理では、まず、カードユニット貸球数メモリ24aに記憶されている値に応じた貸出要求信号を払出制御基板Hへ出力する(S51)。なお、貸出要求信号とは、カードユニット貸球数メモリ24aに記憶される値に応じた信号であり、その信号の所定部分の長さ(タイミング)が、貸球の払出個数ごとに幅をもたせて異なるように構成されている。例えば、25球の貸出要求信号の所定部分の長さ(タイミング)は5〜10ms、24球の貸出要求信号は15〜20ms、および、23球の貸出要求信号は25〜30msという具合に構成される。
【0051】
パチンコ機1の払出制御基板Hは、この貸出要求信号の所定部分の長さ(タイミング)を判別することにより、エラー処理を行わせるエラー信号、または、貸球の払い出しが行われたことを意味する払出実行信号をカード読取ユニット20へ出力する。払出制御基板Hへ貸出要求信号を出力した後は、払出制御基板Hから受信した信号を確認し(S52)、エラー信号を受信していれば(S52:「エラー信号」)、エラー信号に基づいてエラー処理を実行して(S58)、この信号出力処理を終了する。従って、上記のように貸出要求信号を構成することにより、パチンコ機1が貸球の払出個数を25球しか払い出すことができないように構成されている場合、カード読取ユニット20から所定部分の長さが25〜30msの信号、即ち、23球の貸出要求信号が出力されれば、パチンコ機1の払出制御基板Hはエラーと判断して、カード読取ユニット20へエラー信号を出力するのである。
【0052】
一方、払出実行信号を受信していれば(S52:「払出実行信号」)、貸出要求信号が正常に受信されたということなので、カード挿入口31に挿入されているカードの残高データの書き換えを行い(S53)、その書き換えられたカードの残高データを残高データメモリ23aに記憶すると共に、書き換えられた残高データの値を残高表示器27に表示する(S54)。その後、遊技場管理装置11およびTボックス40へカードの売上信号を出力し(S55)、払出制御基板Hから貸球の払い出しの終了を示す貸出終了信号を受信したか否かを確認する(S56)。ここで貸出終了信号を受信していなければ(S56:No)、貸出終了信号を受信するまで待機し、貸出終了信号を受信した場合は(S56:Yes)、貸出要求分(例えば、500円分)の貸球がすべて払い出されたか否かを確認する(S57)。貸出要求分の貸球が払い出されていなければ(S57:No)、S51の処理へ移行して、貸出要求分の貸球が払い出されるまで信号出力処理を繰り返す。貸出要求分の貸球が払い出されれば(S57:Yes)、この信号出力処理を終了する。
【0053】
次に、図8から図10を参照して、払出制御基板Hで行われる貸球の払出処理について説明する。図5は、払出制御基板Hがカード読取ユニット20から貸球の払出個数に関する貸出要求信号を受信した際に実行される球貸し動作処理のフローチャートである。この球貸し動作処理により、払出制御基板Hの貸球払出カウンタ5aにカード読取ユニット20のカードユニット貸球数メモリ24aに記憶されている貸球の払出個数が書き込まれる。
【0054】
球貸し動作処理では、まず、カード読取ユニット20から貸出要求信号を受信したか否かを確認する(S61)。貸出要求信号を受信していなければ(S61:No)、この球貸し動作処理を終了する一方、貸出要求信号を受信していれば(S61:Yes)、貸出要求信号を受信したことによるエラーか否かを確認する(S62)。受信した貸出要求信号がエラーと判断されれば(S62:Yes)、エラー信号をカード読取ユニット20へ出力し(S66)、この球貸し動作処理を終了する。一方、受信した貸出要求信号がエラーでなければ(S62:No)、貸出要求信号に対応する貸球数の値を貸球払出カウンタ5aに書き込むと共に、カード読取ユニット20へ払出実行信号を出力する(S63)。
【0055】
S63の処理のあとは、貸球払出カウンタ5aの値が「0」であるか否かを確認し(S64)、貸球払出カウンタ5aの値が「0」でない場合は(S64:No)、その値が「0」になるまで待機する。貸球払出カウンタ5aの値が「0」になれば(S64:Yes)、要求された貸球の払い出しが終了したということであるので、貸出終了信号をカード読取ユニット20へ出力して(S65)、この球貸し動作処理を終了する。
【0056】
図9は、払出制御基板Hにおいて、0.5ms毎に発生するインターバル割込処理により実行される貸球モータ駆動処理のフローチャートである。この貸球モータ駆動処理によって貸球モータ9が回転され、貸球の払い出しが行われる。なお、払い出された貸球の数は、後述する貸球カウントスイッチ読込処理(図10参照)によってカウントされる。
【0057】
貸球モータ駆動処理では、まず、貸球払出カウンタ5aの値が「0」であるか否かを確認する(S71)。貸球払出カウンタ5aの値が「0」でなければ(S71:No)、貸球モータ9を回転して貸球を払い出す(S72)。一方、貸球払出カウンタ5aの値が「0」であれば(S71:Yes)、貸球の払い出し動作はすべて終了しているので、かかる場合には、貸球モータ9を停止して(S73)、この貸球モータ処理を終了する。
【0058】
図10は、払出制御基板Hにおいて、2ms毎に発生するインターバル割込処理により実行される貸球カウントスイッチ読込処理のフローチャートである。この貸球カウントスイッチ読込処理によって、実際に払い出された貸球の数がカウントされる。まず、貸球カウントスイッチ10が貸球を検出したか否かを確認し(S81)、貸球を検出していれば(S81:Yes)、貸球払出カウンタ5aの値を「1」減算する(S82)。一方、貸球カウントスイッチ10が貸球を検出しなければ(S81:No)、S82の処理をスキップしてこの貸球カウントスイッチ読込処理を終了する。
【0059】
図3から図10のフローチャートを参照して説明したように、本実施例の遊技機管理システムによれば、パチンコ機1の払出制御基板Hにより払い出される貸球の1単位の払出個数は、カード読取ユニット20及びTボックス40を介して接続されるカード会社コンピュータ50の設定に応じて決定される。よって、カード会社コンピュータ50で貸球の払出個数を変更することにより、消費税の税率等を考慮した貸球の払い出しを行うことができる。
【0060】
また、遊技場(ホール)内に設置されているパチンコ機1、カード読取ユニット20およびTボックス40ではなく、遊技場外に設置されているカード会社コンピュータ50で貸球の払出個数の設定を行うことができるので、遊技場内での貸球の払出個数に対する不正を防止することができる。パチンコ機1およびカード読取ユニット20は、貸球の払出個数を設定する管理者以外の人間、例えば遊技場の従業員や遊技客等が直接接触することができ得るので、不正が行われやすい環境である。これらの装置に貸出個数設定手段を設けると、その貸出個数設定手段に不正が行われて、不適切な貸球の払い出し等が行われてしまう場合がある。しかし、遊技場の関係者以外の管理者が各遊技場内で行われているカードの売上げや遊技場で不正が行われていないかを監視する装置であるカード会社コンピュータ50に貸出個数設定手段を設けるとことにより、パチンコ機1、カード読取ユニット20及びTボックス40を監視しながら貸球の払出個数の設定を行うことができるので、不適切な貸球の払出個数の設定等を防止することができる。
【0061】
次に、図11を参照して、カード読取ユニット20とパチンコ機1との使用形態を具体例を挙げながら説明する。図11は、本実施例の消費税対応型(貸球の払出個数を変更可能)のカード読取ユニット20と、カード読取ユニット20からの貸出要求信号に対応できる貸出要求信号対応型の本実施例のパチンコ機1(以下、「新パチンコ機」と略す)と、貸球の払出個数が変更可能なカード読取ユニット20からの貸出要求信号に対応することができない貸出要求信号非対応型の旧パチンコ機(従来品)との対応関係を示した図である。なお、貸出要求信号は、所定部分の長さ(例えば、タイミング等)が貸球の払出個数ごとに区別されて構成されている。よって、払出制御基板Hは、貸出要求信号の所定部分の長さ(タイミング等)を判別することにより、貸球の払出個数を判断することができる。
【0062】
また、払出制御基板Hは、カード読取ユニット20から出力される貸出要求信号が適切でない場合や、その貸出要求信号の所定部分の長さ(タイミング)が適切でない場合等に、受信した貸出要求信号が適正でないと判断してエラー信号を出力するよう構成されている。
【0063】
「No.1」は、貸球25球設定のカード読取ユニット20と旧パチンコ機とが接続されるパターンである。この場合には、カードユニット貸球数メモリ24aに貸球数「25球」が記憶されているので、カード読取ユニット20から「25球」の貸出要求信号が旧パチンコ機へ出力され、その結果、旧パチンコ機から「25球」の貸球が払い出される。この「No.1」のパターンでは、旧パチンコ機は、「25球」の貸出要求信号には対応することができるので、「25球」の貸出要求信号を旧パチンコ機が受信して、「25球」の貸球を払い出すことができるのである。
【0064】
「No.2」は、貸球24球設定のカード読取ユニット20と旧パチンコ機とが接続されるパターンである。この場合には、カードユニット貸球数メモリ24aに貸球数「24球」が記憶されているので、カード読取ユニット20から「24球」の貸出要求信号が旧パチンコ機へ出力され、その結果、旧パチンコ機は球貸しを行わずにエラー信号をカード読取ユニット20へ出力する。上述したように、旧パチンコ機は「24球」の貸出要求信号に対応することができないので、旧パチンコ機が「24球」の貸出要求信号を受信した場合には、エラー信号をカード読取ユニット20へ出力するのである。ここで、エラー信号をカード読取ユニット20へ出力することにより、カード読取ユニット20でエラー処理が行われるので(図7、S58参照)、パチンコ機1における不適切な貸球の払い出しや、カード読取ユニット20での不適切なカードの残高数の減算を防止することができるのである。
【0065】
「No.3」は、貸球25球設定のカード読取ユニット20と新パチンコ機とが接続されるパターンである。この場合には、カードユニット貸球数メモリ24aに貸球数「25球」が記憶されているので、カード読取ユニット20から「25球」の貸出要求信号が新パチンコ機へ出力され、その結果、新パチンコ機から「25球」の貸球が払い出される。
【0066】
「No.4」は、貸球24球設定のカード読取ユニット20と新パチンコ機とが接続されるパターンである。この場合には、カードユニット貸球数メモリ24aに貸球数「24球」が記憶されているので、カード読取ユニット20から「24球」の貸出要求信号が新パチンコ機へ出力され、その結果、新パチンコ機から「24球」の貸球が払い出される。この「No.4」のパターンでは、上述したように、新パチンコ機は貸出要求信号の所定部分の長さ(タイミング等)を判別することにより、「24球」の貸出要求信号を判断することができる。よって、「24球」の貸出要求信号を受信しても、エラー信号を出力することなく、「24球」の貸球を払い出すことができる。
【0067】
「No.5」は、貸球n(nは自然数)球設定のカード読取ユニット20と新パチンコ機とが接続されるパターンである。この場合には、カードユニット貸球数メモリ24aに貸球数「n球」が記憶されているので、カード読取ユニット20から「n球」の貸出要求信号が新パチンコ機へ出力され、その結果、新パチンコ機から「n球」の貸球が払い出される。この「No.5」のパターンでは、上述したように、新パチンコ機は貸出要求信号の所定部分の長さ(タイミング等)を判別することにより、「n球」の貸出要求信号を判断することができる。よって、「n球」の貸出要求信号を受信しても、エラー信号を出力することなく、「n球」の貸球を払い出すことができる。
【0068】
「No.1」〜「No.5」の各パターンに示すように、本実施例のカード読取ユニット20は、パチンコ機から適切な貸球の払い出しが行われるように構成されている。よって、たとえ貸出要求信号に対応していないパチンコ機(従来品)と接続された場合にも、不適切な貸球の払い出しや不適切なカードの残高数の減算を行うことなく、適切な貸球の払い出しを行うことができる。
【0069】
次に、図12を参照して、貸出要求信号について具体例をあげながら説明する。図12は、貸球の払出個数に応じた貸出要求信号のタイミングチャートである。図12(a)は、貸球の払出個数が「25球」の場合の貸出要求信号のタイミングチャートである。この場合の貸出要求信号のタイミングは、カード読取ユニット20からパチンコ機1へ貸球の払い出しがあることを報知すると共にその時間の長さにより貸球の払出個数を報知する貸出要求監視時間(T0=T1)が5〜10msで構成されている。貸出要求監視時間(T0=T1)の後には、パチンコ機1が貸球の貸出要求を了解したことを報知する貸出要求了解監視時間(TA)が設けられており、その時間は10ms〜10sで構成されている。なお、図11において上記したように、この「25球」の貸出要求信号は新・旧のカードユニットを問わず、同一に構成されている。また、貸出要求了解監視時間(TA)は、図12(a)〜図12(e)においてすべて10ms〜10sの幅で同一に構成されている。
【0070】
図12(b)は、貸球の払出個数が「24球」の場合の貸出要求信号のタイミングチャートである。この場合の貸出要求信号のタイミングは、貸出要求監視時間(T0=T2)が15〜20msで構成されている。図12(c)は、貸球の払出個数が「23球」の場合の貸出要求信号のタイミングチャートである。この場合の貸出要求信号のタイミングは、貸出要求監視時間(T0=T3)が25〜30msで構成されている。図12(d)は、貸球の払出個数が「22球」の場合の貸出要求信号のタイミングチャートである。この場合の貸出要求信号のタイミングは、貸出要求監視時間(T0=T4)が35〜40msで構成されている。図12(e)は、貸球の払出個数が「21球」の場合の貸出要求信号のタイミングチャートである。この場合の貸出要求信号のタイミングは、貸出要求監視時間(T0=T5)が45〜50msで構成されている。
【0071】
図12(a)〜図12(e)に示すように、貸球の払出個数ごとに信号のT0=T1〜T5の長さ(タイミング)が異なるように構成されている。よって、払出制御基板Hは、信号のT0=T1〜T5の長さ(タイミング)を判別することにより、貸球の払出個数を判断することができる。
【0072】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0073】
例えば、本実施例において、Tボックス40から送信される貸球の払出個数のデータは、LANに接続されているすべてのカード読取ユニット20へ送信されていたが、これに代えて、1又は選択した複数のカード読取ユニット20へ貸球の払出個数のデータを送信するように構成しても良い。
【0074】
また、本実施例では、カード会社コンピュータ50のキーボード58からの入力によりカード会社貸球数メモリ54aの値が変更された場合に、カード会社コンピュータ50から貸球の払出個数のデータをTボックス40を介してカード読取ユニット20へ送信していた。これに代えて、カード読取ユニット20またはパチンコ機1から貸球の払出個数のデータの送信要求をTボックス40を介してカード会社コンピュータ50へ送信し、その送信要求に応じてカード会社コンピュータ50からTボックス40へ、設定されている貸球の払出個数のデータを送信するように構成しても良い。なお、貸球の払出個数の送信要求は、カード読取ユニット20またはパチンコ機1からの送信要求の有無に拘わらず、Tボックス40から独自に出力するようにしても良い。
【0075】
また、カード会社コンピュータ50から1又は選択した遊技場のTボックス40へ貸球の払出個数のデータを送信するように構成しても良い。例えば、ある特定の地域を限定して、その地域の店舗における貸球の払出個数を変更したい場合に、カード会社コンピュータ50は、その地域の店舗に設置されているTボックス40を選択して、変更した貸球の払出個数のデータを送信する。よって、店舗毎に貸球の払出個数を設定することができるのである。
【0076】
更に、本実施例では、カード読取ユニット20から、貸球の貸出要求があるたびに、貸球の払出個数のデータと貸球の払い出し実行の信号とを兼ねている貸出要求信号を出力して、貸球の払い出しを行っていた。これに代えて、貸球の払出個数のデータを予め払出制御基板Hへ出力して記憶させておき、払出制御基板Hは、払い出し実行の信号である貸球要求信号の受信時にそのデータに応じた貸球の払い出しを行うように構成しても良い。
【0077】
本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
【0078】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0079】
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
【0080】
以下に本発明の変形例を示す。所定の有価価値を有する遊技媒体を払い出す払出制御手段を有した1又は複数の遊技機と、その遊技機と接続され、前記遊技媒体の情報が記録された遊技媒体記録手段を投入した状態で前記遊技媒体の貸出要求があった場合に、前記遊技機に遊技媒体の貸し出しを指示する1又は複数の遊技媒体記録読取装置と、その遊技媒体記録読取装置と接続されて前記遊技媒体記録手段および遊技媒体の払い出しを管理する遊技媒体管理装置と、その遊技媒体管理装置と接続される外部管理装置とを備えた遊技機管理システムにおいて、前記外部管理装置は、前記払出制御手段による遊技媒体の1単位の払出個数を2種以上の個数に設定可能な貸出個数設定手段を備え、その貸出個数設定手段で設定された前記遊技媒体の払出個数のデータを前記遊技媒体管理装置へ出力し、前記遊技媒体管理装置は、前記外部管理装置から受信した前記遊技媒体の払出個数のデータを前記遊技媒体記録読取装置へ出力し、前記遊技媒体記録読取装置は、前記遊技媒体管理装置から受信した前記遊技媒体の払出個数のデータを前記遊技機に出力し、前記遊技機は、前記遊技媒体記録読取装置から受信した前記遊技媒体の払出個数のデータを記憶すると共に、前記遊技媒体記録読取装置から貸球の貸出要求があった場合に、その記憶している貸球の払出個数のデータに基づいて前記遊技媒体の払い出しを行うものであることを特徴とする遊技機管理システム1。
【0081】
請求項1記載の遊技機管理システムまたは遊技機管理システム1において、前記遊技媒体は貸球であり、前記貸出個数設定手段は、前記貸球の払出個数(貸球数データ)を変更できるように構成されていることを特徴とする遊技機管理システム2。従来、パチンコ機における遊技は、遊技者がパチンコホールから球を借りて、言い替えれば、パチンコホールが遊技者へ球を貸し出して、その貸し出された球によって行われる。通常、1球4円として、100円を1単位として貸し出されるので、遊技者へは消費税等を考慮せずに100円毎に25球の球が貸し出される。これに対し、遊技終了後の景品交換時においては、景品交換手数料や消費税分を考慮して、或いは考慮せずに景品交換が行われる。球の貸出時には消費税等を考慮せずに球を貸し出し、その一方で、景品交換時においてのみ消費税等を考慮して景品交換を行うと、遊技に勝った遊技者は消費税等を負担することになるものの、遊技に負けた遊技者は消費税等を負担せずに済んでしまい、消費税等の負担の有無が不平等になってしまう。この場合には、遊技に負けた遊技者の消費税等はパチンコホールが負担しなければならない。これに対し、予め消費税等を考慮して、100円毎の貸球の払出個数を設定しておくことも可能であるが、消費税等の税率が変更された場合や、パチンコホールにおいて消費税等を考慮せずに球を貸し出したい場合には、かかる方式では対応することができない。従って、外部管理装置に貸出個数設定手段を設けることにより、外部管理装置が景品交換手数料や消費税の税率、貸球に消費税分を加えるか否か等の遊技場(ホール)の方針に応じて、貸球の払出個数を調整することができる。
【0082】
請求項1記載の遊技機管理システムまたは遊技機管理システム1若しくは2において、前記外部管理装置は、1又は複数の前記遊技媒体管理装置を監視すると共に、前記遊技媒体管理装置を介して前記遊技媒体記録読取装置へ前記貸出個数設定手段で設定された貸球の払出個数のデータを出力するものであることを特徴とする遊技機管理システム3。遊技機、遊技媒体記録読取装置および遊技媒体管理装置に貸出個数設定手段を設けるのではなく、外部管理装置に貸出個数設定手段を設け、貸出個数設定手段により設定された貸球の払出個数のデータを遊技媒体記録読取装置へ出力する。遊技機、遊技媒体記録読取装置および遊技媒体管理装置は、貸球の払出個数を設定する以外の人間、例えばホールの従業員や遊技客等が直接接触することができ得るので、不正が行われやすい環境である。これらの装置に貸出個数設定手段を設けると、その貸出個数設定手段に不正が行われて、不適切な貸球の払い出し等が行われてしまう場合がある。しかし、遊技機および遊技媒体記録読取装置を監視する遊技媒体管理装置を監視することができる外部管理装置に貸出個数設定手段を設けるとことにより、遊技機、遊技媒体記録読取装置および遊技媒体管理装置を監視しながら貸球の払出個数の設定を行うことができるので、不適切な貸球の払出個数の設定等を防止することができる。
【0083】
遊技機管理システム3において、前記遊技媒体管理装置は、接続されるすべての前記遊技媒体記録読取装置へ貸球の払出個数のデータを出力するものであることを特徴とする遊技機管理システム4。遊技媒体管理装置は、接続されるすべての遊技媒体記録読取装置に貸球の払出個数のデータを出力することができるので、例えば、接続されるすべての遊技媒体記録読取装置の貸球の払出個数のデータを変更したい場合に、そのデータを一斉に変更することができる。よって、煩雑な作業を行うことなく、遊技場内に設置されたすべての遊技媒体記録読取装置の貸球の払出個数のデータを変更することができる。
【0084】
請求項1記載の遊技機管理システム又は遊技機管理システム2から4のいずれかにおいて、前記遊技媒体記録読取装置は、前記貸球の貸出要求があった場合に前記遊技媒体管理装置から出力された貸球の払出個数のデータに基づいた貸球信号を前記遊技機の払出制御手段へ出力するものであり、前記遊技機の払出制御手段は、前記貸球信号を受信することにより貸球の払い出しを行うものであることを特徴とする遊技機管理システム5。
【0085】
遊技機管理システム5において、前記貸球信号は、前記外部管理装置の貸出個数設定手段により設定された貸球の払出個数を示す信号であると共に、前記払出制御手段から貸球の払い出しを実行させる信号を兼ねていることを特徴とする遊技機管理システム6。1つの信号(貸球信号)を出力することにより、貸球の払出個数および貸球の払い出し動作の2つの指示を出すことができる。
【0086】
遊技機システム5または6において、前記遊技機の払出制御手段は、前記貸球信号が適切でない場合にエラー信号を前記遊技媒体記録読取装置へ出力するものであり、前記遊技媒体記録読取装置は、前記エラー信号を受信することによりエラー処理を行うものであることを特徴とする遊技機管理システム7。遊技媒体記録読取装置は、払出制御手段から出力されたエラー信号を受信するとエラー処理を行うので、遊技機における不適切な貸球の払い出しや、遊技媒体記録読取装置での不適切な遊技媒体記録手段の残高数の減算等を防止することができる。
【0087】
請求項1記載の遊技機管理システムまたは遊技機管理システム1から7のいずれかにおいて、前記遊技媒体記録読取装置から前記遊技機へ出力される前記貸球信号は、貸球の払出個数に応じて信号の所定部分の長さを変更されるものであることを特徴とする遊技機管理システム8。
【0088】
請求項1記載の遊技機管理システムまたは遊技機管理システム1から8のいずれかにおいて、前記貸出個数設定手段は、前記外部管理装置で実行される制御プログラムに基づいて貸球の払出個数を設定するものであることを特徴とする遊技機管理システム9。
【0089】
請求項1記載の遊技機管理システムまたは遊技機管理システム1から9のいずれかにおいて、前記外部管理装置には複数の前記遊技媒体管理装置が接続されており、前記外部管理装置は、前記貸球の払出個数のデータを選択した1又は複数の遊技媒体管理装置へ出力することを特徴とする遊技機管理システム10。外部管理装置から選択した遊技媒体管理装置へ貸球の払出個数のデータを出力することができるので、例えば、特定の遊技場だけ貸球の払出個数を変更したい場合に、その遊技媒体管理装置のみに貸球の払出個数のデータを出力することができる。
【0090】
請求項1記載の遊技機管理システムまたは遊技機管理システム1から10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機管理システム11。中でも、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0091】
請求項1記載の遊技機管理システムまたは遊技機管理システム1から10のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機管理システム12。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0092】
請求項1記載の遊技機管理システムまたは遊技機管理システム1から10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機管理システム13。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の変動開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【符号の説明】
【0093】
1 パチンコ機(遊技機)
20 カード読取ユニット(遊技媒体記録読取装置)
40 ターミナルボックス(Tボックス、遊技媒体管理装置)
50 カード会社コンピュータ(外部管理装置)
51 MPU(貸出個数設定手段の一部)
52 ROM(貸出個数設定手段の一部)
53 RAM(貸出個数設定手段の一部)
H 払出制御基板(払出制御手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機を使用した遊技機管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機における遊技は、遊技者がパチンコホールから球を借りて、言い替えれば、パチンコホールが遊技者へ球を貸し出して、その貸し出された球によって行われる。球の貸出レートは、通常、1球4円となっており、100円を1単位として貸し出されるので、遊技者へは100円毎に25球の球が貸し出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、かかる場合に、貸し出される球は25球と決まっているので、貸球の払出個数を調整したくても、貸球の払出個数を変更することができないという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、遊技媒体の払出個数を調整することができる遊技機管理システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機管理システムは、所定の有価価値を有する遊技媒体を払い出す払出制御手段を有した1又は複数の遊技機と、その遊技機と接続され、前記遊技媒体の情報が記録された遊技媒体記録手段を投入した状態で前記遊技媒体の貸出要求があった場合に、前記遊技機に遊技媒体の貸し出しを指示する1又は複数の遊技媒体記録読取装置と、その遊技媒体記録読取装置と接続されて前記遊技媒体記録手段および遊技媒体の払い出しを管理する遊技媒体管理装置と、その遊技媒体管理装置と接続される外部管理装置とを備えており、前記外部管理装置は、前記払出制御手段による遊技媒体の1単位の払出個数を2種以上の個数に設定可能な貸出個数設定手段を備え、その貸出個数設定手段で設定された前記遊技媒体の払出個数のデータを前記遊技媒体管理装置へ出力し、前記遊技媒体管理装置は、前記外部管理装置から受信した前記遊技媒体の払出個数のデータを前記遊技媒体記録読取装置へ出力し、前記遊技媒体記録読取装置は、前記遊技媒体管理装置から受信した前記遊技媒体の払出個数のデータを保持すると共に、前記遊技媒体の貸出要求に応じて、前記遊技機の払出制御手段へ貸球の払出個数のデータを出力し、前記遊技機は、受信した前記貸球の払出個数のデータに基づいて前記遊技媒体の払い出しを行うものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明の遊技機管理システムによれば、外部管理装置に設けられた貸出個数設定手段により、遊技機の払出制御手段による遊技媒体の1単位の払出個数を2種以上の個数に設定できるので、外部管理装置の方針に応じて、遊技媒体の払出個数を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】インターネットを介して相互に接続されるカード会社コンピュータとTボックスとの接続状態と、Tボックスとカード読取ユニット及びパチンコ機との接続状態とを示した模式図である。
【図2】遊技機管理システムの電気的構成を示したブロック図である。
【図3】カード会社コンピュータで実行される貸球数送信処理のフローチャートである。
【図4】Tボックスで実行されるTボックス送受信処理のフローチャートである。
【図5】カード読取ユニットで実行されるカードユニット受信処理のフローチャートである。
【図6】カード読取ユニットで実行される処理のフローチャートである。
【図7】カード読取ユニットで実行される信号出力処理のフローチャートである。
【図8】払出制御基板で実行される球貸し動作処理のフローチャートである。
【図9】払出制御基板で実行される貸球モータ駆動処理のフローチャートである。
【図10】払出制御基板で実行される貸球カウントスイッチ読込処理のフローチャートである。
【図11】本実施例の消費税対応型(貸球の払出個数を変更可能)のカード読取ユニットと、カード読取ユニットからの貸出要求信号に対応できる貸出要求信号対応型の本実施例のパチンコ機と、貸球の払出個数が変更可能なカード読取ユニット20からの貸出要求信号に対応することができない貸出要求信号非対応型の旧パチンコ機(従来品)との対応関係を示した図である。
【図12】貸球の払出個数に応じた貸出要求信号のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例では、遊技機管理システムとして、インターネットのシステムを利用しており、インターネットに接続されて使用されるカード会社コンピュータ50と、そのカード会社コンピュータ50からインターネット60を介して情報の送受信を行うコンピュータであると共に遊技場(ホール)内でのカードの売上げ等を管理するターミナルボックス(以下、「Tボックス」と略す)40と、そのTボックス40に接続されるカード読取ユニット20と、そのカード読取ユニット20に付設されるパチンコ機1とを用いて説明する。また、本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、第1種パチンコ遊技機に代えて、第3種パチンコ遊技機やスロットマシン等の他の遊技機を用いて本実施例の遊技機管理システムを構成しても良い。
図1は、インターネット60を介して相互に接続されるカード会社コンピュータ50とTボックス40との接続状態と、Tボックス40とカード読取ユニット20及びパチンコ機1との接続状態とを示した模式図である。インターネット60はコンピュータのネットワーク同士が接続されている世界最大のコンピュータ・ネットワークであり、マルチメディア情報を発信するワールド・ワイド・ウェブをはじめ、電子メールシステムや電子掲示板システム、ファイル転送サービスなどのサービスが複合的に提供されるネットワークシステムである。
【0008】
図1に示すように、本実施例の遊技機管理システムにおいて、カード読取ユニット20は、残高表示器27、返却ボタン28、貸出ボタン29、貸出ボタンランプ30、カード挿入口31、カード利用可能ランプ32、連結台方向表示ランプ33及びカード挿入中ランプ34を備えている。
【0009】
残高表示器27は、カード挿入口31内に挿入されているカードの残高金額を表示するためのものであり、3桁の7セグメントLEDにより構成されている。返却ボタン28は、カード挿入口31に挿入されているカードを取り出すためのボタンであり、この返却ボタン28を押下することによりカード挿入口31内に挿入されているカードがカード挿入口31外へ排出される。貸出ボタン29は、貸球の払い出し(貸出)を開始するためのボタンであり、この貸出ボタン29がパチンコ機1の遊技者により押下されると、カード読取ユニット20からパチンコ機1の払出制御基板Hへ貸出要求信号が出力される。
【0010】
貸出ボタンランプ30は、貸球の払い出しが可能であるか否かを表示するためのランプであり、LEDにより構成されている。この貸出ボタンランプ30は、貸球の払い出しが可能である場合(貸出ボタン29が押下可能な状態である場合)に点灯され、一方、貸球の払い出しができない場合(貸出ボタン29が押下不可能な状態である場合)に消灯されるように構成されている。カード利用可能ランプ32は、LEDで構成されており、例えば、カード挿入口31へカードが挿入可能である場合に点灯される一方、カード挿入口31へカードが挿入不可能である場合に消灯される。
【0011】
連結台方向表示ランプ33は、上下一対のLEDにより構成されており、この連結台方向表示ランプ33は、カード読取ユニット20が接続されているパチンコ機1の配設(並設)方向を示すためのものである。よって、例えば、カード読取ユニット20が右側に並設されるパチンコ機1(図1参照)に接続される場合には下側のLEDが点灯され、カード読取ユニット20が左側に並設されるパチンコ機(図示せず)に接続される場合には上側のLEDが点灯される。カード挿入中ランプ34は、カードの挿入状態を示すランプであり、カードがカード挿入口31に挿入されている場合に点灯され、一方、カードがカード挿入口31に挿入されていない場合に消灯される。
【0012】
パチンコ機1は、カード読取ユニット20と共に、遊技場(ホール)内に複数台設置されており、遊技者により貸出ボタン29が押下されると、カード読取ユニット20からパチンコ機1へ貸出要求信号(図7参照)が出力される。その貸出要求信号をパチンコ機1の払出制御基板H(図2参照)が受信して、適正と判断された場合に、貸球が払い出され、その払い出された貸球によって遊技が行われる。なお、貸出要求信号は、後述するカードユニット貸球数メモリ24aの値に応じてカード読取ユニット20からパチンコ機1の払出制御基板Hへ出力される信号であり、貸球の払出個数を示すと共に払出制御基板Hに貸球の払い出しを実行させる信号である。
【0013】
Tボックス40は、1の遊技場(ホール)に1つずつ配置され、その遊技場内でのカードの売上げ等を管理する装置である。このTボックス40は、ハードディスク44を内蔵して各種処理を行うコンピュータ本体40aと、Tボックス40で行われる各種処理をモニターするCRTディスプレイ47と、データ等の入力を行うキーボード48とを備えている。このTボックス40は、電話回線(図示せず)によってインターネット60に接続されており、このインターネット60を介してカード会社コンピュータ50と接続されている。また、このTボックスは、(複数の)カード読取ユニット20とローカル・エリア・ネットワーク(Local Area Network、以下「LAN」と略す)で接続されている。Tボックス40は、カード会社コンピュータ50から送信されるデータ(貸球の払出個数のデータ)を受信して、その受信したデータをLANを介して複数のカード読取ユニット20へ送信する。
【0014】
Tボックス40は、LANによって接続されているすべてのカード読取ユニット20に貸球の払出個数のデータを送信することができるので、例えば、接続されるすべてのカード読取ユニット20の貸球の払出個数のデータを変更したい場合に、そのデータを一斉に変更する(後述するカードユニット貸球数メモリ24aの値を書き換える)ことができる。よって、煩雑な作業を行うことなく、遊技場(ホール)内のカード読取ユニット20の貸球の払出個数のデータを一斉に変更して、貸球の払出個数のデータをその遊技場内で統一することができる。
【0015】
なお、上記したTボックス40とカード会社コンピュータ50とは、インターネット60により相互に接続されているが、実際には、このインターネット60上には、Tボックス40或いはカード会社コンピュータ50が接続される図示しないアクセスポイントと各アクセスポイントから接続される図示しないプロバイダと呼ばれるインターネット60の接続業者が存在し、このプロバイダを経由して情報(データ)の送受信が実行される。
【0016】
カード会社コンピュータ50は、遊技場(ホール)外に設置されており、遊技場の関係者以外の管理者が各遊技場内で行われているカードの売上げや遊技場で不正が行われていないかを監視する装置である。このカード会社コンピュータ50は、インターネット60を介して各遊技場内に設置されたTボックス40と接続されている。
【0017】
このカード会社コンピュータ50は、ハードディスク54を内蔵して各種処理を行うコンピュータ本体50aと、カード会社コンピュータ50で行われる各種処理をモニターするCRTディスプレイ57と、データ等の入力を行うキーボード58とを備えている。このカード会社コンピュータ50は、Tボックス40と同様、電話回線によってインターネット60と接続されている。
【0018】
本実施例の遊技機管理システムは、このカード会社コンピュータ50で設定された貸球の払出個数のデータを、インターネット60およびTボックス40を介して、カード読取ユニット20へ送信し、そのカード読取ユニット20に貸球の払出個数のデータを記憶させる。そして、パチンコ機1の遊技者によって貸出要求があった場合に、その貸球の払出個数のデータの値に応じた貸出要求信号をカード読取ユニット20からパチンコ機1の払出制御基板Hに出力して、カード会社コンピュータ50で設定された値に応じた貸球の払い出しを行わせるものである。
【0019】
図2は、遊技機管理システムの電気的構成を示したブロック図であり、特に、主制御基板Cおよび払出制御基板Hを備えたパチンコ機1と、カードの残高を読み取って払出制御基板Hに貸球の貸出要求を行うカード読取ユニット20と、複数のカード読取ユニット20と接続されるTボックス40と、そのTボックス40とインターネット60を介して接続されるカード会社コンピュータ50との電気的構成を示したブロック図である。
【0020】
パチンコ機1の主制御基板Cは、パチンコ機1で行われる遊技等を管理しており、払出制御基板Hと、他の入出力装置2とに接続されている。払出制御基板Hは、賞球や貸球の払出制御を行うものであり、演算装置であるMPU3と、そのMPU3により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM4と、ワークメモリ等として使用されるRAM5とを備えている。図8から図10に示すフローチャートのプログラムは、ROM4内に記憶されている。また、払出制御基板HのRAM5には、貸球払出カウンタ5aが設けられている。
【0021】
貸球払出カウンタ5aは、払い出される貸球の数を記憶するためのカウンタである。貸球の払い出しは貸出金額100円単位で行われる。即ち、貸球払出カウンタ5aの値が「0」である場合に、カード読取ユニット20から出力された貸出要求信号を受信すると、後述するカード会社コンピュータ50で設定された貸球の払出個数に応じた値が貸球払出カウンタ5aに書き込まれ、100円分の貸球の払い出しが行われる。この貸球払出カウンタ5aの値が「0」でない場合には、貸球モータ駆動処理(図9参照)によって貸球モータ9が駆動され、これにより貸球の払い出しが行われる。払い出された貸球が貸球カウントスイッチ10によって検出されると、貸球払出カウンタ5aの値は、その検出毎に「1」ずつ減算される。この貸球の払い出し動作は、貸球払出カウンタ5aの値が「0」になるまで繰り返される。
【0022】
これらMPU3、ROM4およびRAM5は、バスライン6を介して相互に接続されている。バスライン6は、また、入出力ポート7にも接続されている。この入出力ポート7は、ドライバ回路8をはじめ、主制御基板Cと接続されるほか、カード読取ユニット20、貸球カウントスイッチ10とそれぞれ接続されている。
【0023】
ドライバ回路8は、貸球モータ9を駆動し回転させるための回路である。このドライバ回路8によって貸球モータ9が駆動されることにより、貸球の払い出しが行われる。かかる貸球の払い出しは、貸球カウントスイッチ10により検出される。貸球カウントスイッチ10は、払出制御基板Hによって払い出される貸球数をカウントするためのスイッチであり、その出力は払出制御基板Hへ出力されている。この貸球カウントスイッチ10によって、本来の貸球数を越えた貸球の払い出しや本来の貸球数に満たない貸球の払い出しがチェックされる。
【0024】
カード読取ユニット20は、カードに記録された残高金額のデータを読み取るためのものであり、演算装置であるMPU21と、そのMPU21により実行される各種プログラムや固定値データ等を記憶したROM22と、ワークメモリ等として使用されるRAM23と、不揮発性のメモリであるEEPROM24とを備えている。図5〜図7に示すフローチャートのプログラムは、ROM22内に記憶されている。また、カード読取ユニット20のRAM23には、残高データメモリ23aが設けられ、EEPROM24には、カードユニット貸球数メモリ24aが設けられている。
【0025】
残高データメモリ23aは、カード挿入口31のカード読取部31aによって読み取られた残高データを記憶しておくためのメモリである。残高データメモリ23aに記憶された残高データは、カード読取ユニット20が貸出要求信号を払出制御基板Hへ出力して、払出制御基板Hから払出実行信号を受信した場合に(図7参照)、カードの残高データが書き換えられることにより更新される。また、残高データメモリ23aに記憶される残高データは、その値が残高表示器27に表示される。
【0026】
EEPROM24は、書換可能な不揮発性のメモリであり、このEEPROM24に記録されたデータはカード読取ユニット20の電源断後も保持される。このEEPROM24は、Tボックス40を介してカード会社コンピュータ50から送信される貸球の払出個数のデータを記憶するカードユニット貸球数メモリ24aを備えている。
【0027】
カードユニット貸球数メモリ24aは、貸球の100円単位の払出個数を記憶するためのメモリであり、その値はカード会社コンピュータ50で設定された貸球の払出個数のデータをTボックス40を介して受信することによりセットされる。カードユニット貸球数メモリ24aに記憶された値は、貸出ボタン29が押下されると貸出要求信号として払出制御基板Hへ出力される。出力された貸出要求信号は払出制御基板Hで受信されると、貸球払出カウンタ5aに書き込まれて記憶され、図9に示す貸球モータ駆動処理により貸球の払い出しが行われる。このカードユニット貸球数メモリ24aの値は、不揮発性のメモリであるEEPROM24に記憶されるので、カード読取ユニット20の電源断後もカードユニット貸球数メモリ24aの値を保持しておくことができる。
【0028】
これらMPU21、ROM22、RAM23及びEEPROM24は、バスライン25を介して相互に接続されている。バスライン25は、また、入出力ポート26にも接続されている。この入出力ポート26は、払出制御基板Hをはじめとして、残高表示器27と、返却ボタン28と、貸出ボタン29と、貸出ボタンランプ30と、カード挿入口31の内部に設けられてカードの磁気データを読み取るカード読取部31aと、カード利用可能ランプ32と、連結台方向表示ランプ33と、カード挿入中ランプ34と、遊技場管理装置11と、Tボックス40とに接続されている。
【0029】
遊技場管理装置11は、遊技場(ホール)内で行われるカード等の売上げを管理しているものであり、カード読取ユニット20と接続されるほか、パチンコ機1の主制御基板Cと、カードを遊技者に販売する券売機12と、Tボックス40とに接続されている。
【0030】
カード読取ユニット20と払出制御基板Hとは、複数の信号線で接続されており、双方向通信が可能に構成されている。尚、本実施例では、貸球の払出個数(貸球数データ)の指示を信号により知らせているが、これに代えて、制御用コマンド等で貸球の払出個数(貸球数データ)の指示を行うように構成しても良い。かかる場合には、カード読取ユニット20と払出制御基板Hとは制御用コマンドを送信するのに十分な数のデータ信号線で接続される。
【0031】
Tボックス40は、遊技場(ホール)内でのカードの売上げ等を管理するものであり、演算装置であるMPU41と、そのMPU41で実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM42と、ワークメモリ等として使用されるRAM43と、書換可能な不揮発性のメモリであるハードディスク44とを備えている。図4に示すフローチャートのプログラムは、ROM42内に記憶されている。また、Tボックス40のハードディスク44には、Tボックス貸球数メモリ44aが設けられている。
【0032】
Tボックス貸球数メモリ44aは、貸球の100円単位の払出個数を記憶するためのメモリであり、その値はカード会社コンピュータ50で設定された貸球の払出個数のデータを受信することによりセットされる。Tボックス貸球数メモリ44aに記憶された値は、Tボックス送受信処理(図4参照)によりカード読取ユニット20へ送信される。その送信された貸球の払出個数のデータは、カード読取ユニット20で受信され、カードユニット貸球数メモリ24aに書き込まれて記憶される。
【0033】
これらMPU41、ROM42、RAM43及びハードディスク44は、バスライン45を介して相互に接続されている。バスライン45は、また、入出力ポート46にも接続されている。入出力ポート46は、LANを介して(複数の)カード読取ユニット20と接続されるほか、券売機12、CRT47、キーボード48及びインターフェース49と接続されている。
【0034】
インターフェース49は、コンピュータとモデム49aとを接続するためのものであり、シリアルインターフェースとしてのRS−232Cの電気規格が用いられている。モデム49aは、コマンドや各種データの送信と受信とを行う送受信手段であり、アナログ通信回線(電話回線)でインターネット60等のデータ通信を実行する際に、デジタル信号とアナログ信号との変換を行う変復調装置である。具体的には、モデム49aは、Tボックス40からのデータの送信時には、Tボックス40のデジタル信号を電話回線に乗せるためにアナログ信号へと変換する変調を行い、また、データの受信時には、電話回線により送信されてきたアナログ信号を元のデジタル信号へと変換する復調を行う。尚、このモデム49aは、電話回線に対する制御を行うネットワーク・コントロール・ユニットを内蔵しており、Tボックス40はこのモデム49aのネットワーク・コントロール・ユニットを介して電話回線に接続されている。
【0035】
カード会社コンピュータ50は、遊技場(ホール)毎に設置されているTボックス40で集計されたカードの売上げ等を管理すると共に、遊技場内で不正が行われていないか監視する装置であり、演算装置であるMPU51と、そのMPU51で実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM52と、ワークメモリ等として使用されるRAM53と、書換可能な不揮発性のメモリであるハードディスク54とを備えている。図3に示すフローチャートのプログラムは、ROM52内に記憶されている。また、カード会社コンピュータ50のハードディスク54には、カード会社貸球数メモリ54aが設けられている。なお、MPU51、ROM52およびRAM53は、キーボード58から入力される値に基づいて、貸球の払出個数を設定するための制御プログラムを実行して、カード会社貸球数メモリ54aにその設定値を記憶させるものである(貸出個数設定手段)。
【0036】
カード会社貸球数メモリ54aは、貸球の100円単位の払出個数を記憶するためのメモリであり、その値は、カード会社コンピュータ50のキーボード58からの入力によってセットされる。具体的には、貸球の払出個数の設定は、景品交換手数料や、消費税率、遊技場(ホール)の方針に基づいて決められる。従来、パチンコ機における遊技は、遊技者が遊技場から球を借りて、言い替えれば、遊技場が遊技者へ球を貸し出して、その貸し出された球によって行われる。通常、1球4円として、100円を1単位として貸し出されるので、遊技者へは消費税等を考慮せずに100円毎に25球の球が貸し出される。
【0037】
これに対し、遊技終了後の景品交換時においては、景品交換手数料や消費税分を考慮して、或いは考慮せずに景品交換が行われる。球の貸出時には消費税等を考慮せずに球を貸し出し、その一方で、景品交換時においてのみ消費税等を考慮して景品交換を行うと、遊技に勝った遊技者は消費税等を負担することになるものの、遊技に負けた遊技者は消費税等を負担せずに済んでしまい、消費税等の負担の有無が不平等になってしまう。この場合には、遊技に負けた遊技者の消費税等は遊技場(ホール)が負担しなければならない。これに対し、予め消費税等を考慮して、100円毎の貸球の払出個数を設定しておくことも可能であるが、消費税等の税率が変更された場合や、遊技場(ホール)において消費税等を考慮せずに球を貸し出したい場合には、かかる方式では対応することができない。従って、カード会社コンピュータ50の操作者により、景品交換手数料や消費税の税率、貸球に消費税分を加えるか否か等の遊技場(ホール)の方針に応じて、貸球の払出個数を調整することができる。なお、カード会社コンピュータ50からTボックス40へのデータの送信は、遊技場毎に指定して行うことができるよう構成されている。
【0038】
カード会社貸球数メモリ54aに記憶された値は、インターネット60を介してTボックス40へと送信される(図3参照)。その送信された貸球の払出個数のデータは、Tボックス40で受信されて、Tボックス貸球数メモリ44aに書き込まれて記憶される。
【0039】
これらMPU51、ROM52、RAM53及びハードディスク54は、バスライン55を介して相互に接続されている。バスライン55は、また、入出力ポート56にも接続されている。入出力ポート56は、CRT57、キーボード58及びインターフェース59と接続されている。なお、インターフェース59及びモデム59aは、Tボックス40に設けられるインターフェース49及びモデム49aと同様の構成であるので、その説明を省略する。
【0040】
次に、図3を参照して、カード会社コンピュータ50で行われる処理について説明する。図3は、カード会社コンピュータ50において、0.5ms毎に発生するインターバル割込処理により実行される貸球数送信処理のフローチャートである。カード会社コンピュータ50のカード会社貸球数メモリ54aに記憶される貸球の払出個数の値が変更されると、この貸球数送信処理によって、その変更されたデータがTボックス40へと送信される。
【0041】
貸球数送信処理では、まず、カード会社貸球数メモリ54aの値が設定変更されたか否かを確認する(S1)。確認の結果、カード会社貸球数メモリ54aの値が変更されていなければ(S1:No)、この貸球数送信処理を終了する一方、カード会社貸球数メモリ54aの値が変更されていれば(S1:Yes)、変更された貸球の払出個数のデータをカード会社貸球数メモリ54aに書き込む(S2)。そして、そのカード会社貸球数メモリ54aに記憶されている(書き込まれた)貸球の払出個数のデータをTボックスへ送信し(S3)、この貸球数送信処理を終了する。
【0042】
次に、図4を参照して、Tボックス40で行われる処理について説明する。図4は、Tボックス40において、カード会社コンピュータ50から貸球の払出個数のデータを受信した際に実行されるTボックス送受信処理のフローチャートである。このTボックス送受信処理によってカード会社コンピュータ50から受信した貸球の払出個数のデータがTボックス貸球数メモリ44aに書き込まれ、また、その貸球の払出個数のデータがカード読取ユニット20へ送信される。
【0043】
Tボックス送受信処理では、まず、カード会社コンピュータ50から貸球の払出個数のデータを受信したか否かを確認する(S11)。確認の結果、カード会社コンピュータ50から貸球の払出個数のデータを受信していなければ(S11:No)、このTボックス送受信処理を終了する。一方、カード会社コンピュータ50から貸球の払出個数のデータを受信していれば(S11:Yes)、受信したデータをハードディスク44のTボックス貸球数メモリ44aに書き込む(S12)。そして、Tボックス貸球数メモリ44aに記憶されている(書き込まれた)貸球の払出個数のデータを、そのTボックス40に接続されるすべてのカード読取ユニット20へ送信し(S13)、このTボックス送受信処理を終了する。
【0044】
次に、図5から図7を参照して、カード読取ユニット20で行われる処理について説明する。図5は、カード読取ユニット20において、Tボックス40から貸球の払出個数のデータを受信した際に実行されるカードユニット受信処理のフローチャートである。このカードユニット受信処理によって、カードユニット貸球数メモリ24aにカード会社コンピュータ50で設定された貸球の払出個数のデータが書き込まれる。まず、Tボックス40から貸球の払出個数のデータを受信したか否かを確認し(S21)、Tボックス40から貸球の払出個数のデータを受信していれば(S21:Yes)、受信したデータをカードユニット貸球数メモリ24aに書き込む(S22)。一方、Tボックスから貸球の払出個数のデータを受信していなければ(S21:No)、S22の処理をスキップして、このカードユニット受信処理を終了する。
【0045】
図6は、カード読取ユニット20で実行される処理のフローチャートである。カード読取ユニット20の電源が投入されると、カード読取ユニット20のMPU21は、まず、RAM23の値を初期化して初期値を設定するなどの初期化処理を実行する(S31)。次に、残高表示器19に残高数「00」を表示する(S32)。その後は、カード読取ユニット23で常時実行されるメイン処理であるS33〜S44の各処理を繰り返す。
【0046】
具体的にメイン処理では、まず、カード読取ユニット20が使用可能状態、即ち、カード読取ユニット20が正常に作動するか否かを調べる(S33)。使用可能状態でない場合(カード読取ユニット20が正常に作動していない状態)は(S33:No)、貸出ボタンランプ30、カード利用可能ランプ32及び連結台方向表示ランプ33を消灯し(S34)、カード読取ユニット20が使用可能状態になるまでS33及びS34の処理をループする。
【0047】
一方、カード読取ユニット20が使用可能状態であれば(S33:Yes)、貸出ボタンランプ30、カード利用可能ランプ32及び連結台方向表示ランプ33を点灯し(S35)、カード挿入口31にカードが挿入されているか否かを確認する(S36)。確認の結果、カードが挿入されていれば(S36:Yes)、カード挿入中ランプ34を点灯し(S37)、挿入されたカードの残高データをカード読取部31aにより読み込み、その値を残高データメモリ23aに記憶すると共に、その残高データの値を残高表示器27に表示する(S38)。一方、カードがカード挿入口31に挿入されていなければ(S36:No)、処理をS33へ移行してカードが挿入されるまでS33〜S36の各処理を繰り返す。
【0048】
そして、カードの残高データが有るか否か、即ち、残高データメモリ23aに記憶されている値が「0」か否かを確認し(S39)、その値が「0」でなければ(S39:Yes)、貸出ボタン29が遊技者により押下されたか否かを確認する(S40)。貸出ボタン29が押下されていれば(S40:Yes)、払出制御基板Hに貸球の払い出しを要求する信号出力処理(図7参照)を実行する(S41)。尚、S39の処理においてカードの残高データがない場合、即ち残高データメモリ23aに記憶されている値が「0」である場合には(S39:No)、S40〜S42の各処理をスキップして、S43の処理へと移行する。また、S40の処理において貸出ボタン29が遊技者により押下されていない場合は(S40:No)、S41の信号出力処理をスキップして、S42の処理へと移行する。
【0049】
信号出力処理(S41)の終了後は、返却ボタン28が遊技者により押下されたか否かを確認する(S42)。返却ボタン28が押下されていれば(S42:Yes)、カード挿入口31に挿入されているカードを返却し(S43)、カード挿入中ランプ34を消灯すると共に、残高表示器27に残高数「00」を表示して(S44)、その後の処理をS33へと移行する。一方、返却ボタン28が押下されていない場合には(S42:No)、S43及びS44の各処理をスキップして、処理をS33へ移行する。
【0050】
図7は、信号出力処理(S41)のフローチャートである。この信号出力処理では、まず、カードユニット貸球数メモリ24aに記憶されている値に応じた貸出要求信号を払出制御基板Hへ出力する(S51)。なお、貸出要求信号とは、カードユニット貸球数メモリ24aに記憶される値に応じた信号であり、その信号の所定部分の長さ(タイミング)が、貸球の払出個数ごとに幅をもたせて異なるように構成されている。例えば、25球の貸出要求信号の所定部分の長さ(タイミング)は5〜10ms、24球の貸出要求信号は15〜20ms、および、23球の貸出要求信号は25〜30msという具合に構成される。
【0051】
パチンコ機1の払出制御基板Hは、この貸出要求信号の所定部分の長さ(タイミング)を判別することにより、エラー処理を行わせるエラー信号、または、貸球の払い出しが行われたことを意味する払出実行信号をカード読取ユニット20へ出力する。払出制御基板Hへ貸出要求信号を出力した後は、払出制御基板Hから受信した信号を確認し(S52)、エラー信号を受信していれば(S52:「エラー信号」)、エラー信号に基づいてエラー処理を実行して(S58)、この信号出力処理を終了する。従って、上記のように貸出要求信号を構成することにより、パチンコ機1が貸球の払出個数を25球しか払い出すことができないように構成されている場合、カード読取ユニット20から所定部分の長さが25〜30msの信号、即ち、23球の貸出要求信号が出力されれば、パチンコ機1の払出制御基板Hはエラーと判断して、カード読取ユニット20へエラー信号を出力するのである。
【0052】
一方、払出実行信号を受信していれば(S52:「払出実行信号」)、貸出要求信号が正常に受信されたということなので、カード挿入口31に挿入されているカードの残高データの書き換えを行い(S53)、その書き換えられたカードの残高データを残高データメモリ23aに記憶すると共に、書き換えられた残高データの値を残高表示器27に表示する(S54)。その後、遊技場管理装置11およびTボックス40へカードの売上信号を出力し(S55)、払出制御基板Hから貸球の払い出しの終了を示す貸出終了信号を受信したか否かを確認する(S56)。ここで貸出終了信号を受信していなければ(S56:No)、貸出終了信号を受信するまで待機し、貸出終了信号を受信した場合は(S56:Yes)、貸出要求分(例えば、500円分)の貸球がすべて払い出されたか否かを確認する(S57)。貸出要求分の貸球が払い出されていなければ(S57:No)、S51の処理へ移行して、貸出要求分の貸球が払い出されるまで信号出力処理を繰り返す。貸出要求分の貸球が払い出されれば(S57:Yes)、この信号出力処理を終了する。
【0053】
次に、図8から図10を参照して、払出制御基板Hで行われる貸球の払出処理について説明する。図5は、払出制御基板Hがカード読取ユニット20から貸球の払出個数に関する貸出要求信号を受信した際に実行される球貸し動作処理のフローチャートである。この球貸し動作処理により、払出制御基板Hの貸球払出カウンタ5aにカード読取ユニット20のカードユニット貸球数メモリ24aに記憶されている貸球の払出個数が書き込まれる。
【0054】
球貸し動作処理では、まず、カード読取ユニット20から貸出要求信号を受信したか否かを確認する(S61)。貸出要求信号を受信していなければ(S61:No)、この球貸し動作処理を終了する一方、貸出要求信号を受信していれば(S61:Yes)、貸出要求信号を受信したことによるエラーか否かを確認する(S62)。受信した貸出要求信号がエラーと判断されれば(S62:Yes)、エラー信号をカード読取ユニット20へ出力し(S66)、この球貸し動作処理を終了する。一方、受信した貸出要求信号がエラーでなければ(S62:No)、貸出要求信号に対応する貸球数の値を貸球払出カウンタ5aに書き込むと共に、カード読取ユニット20へ払出実行信号を出力する(S63)。
【0055】
S63の処理のあとは、貸球払出カウンタ5aの値が「0」であるか否かを確認し(S64)、貸球払出カウンタ5aの値が「0」でない場合は(S64:No)、その値が「0」になるまで待機する。貸球払出カウンタ5aの値が「0」になれば(S64:Yes)、要求された貸球の払い出しが終了したということであるので、貸出終了信号をカード読取ユニット20へ出力して(S65)、この球貸し動作処理を終了する。
【0056】
図9は、払出制御基板Hにおいて、0.5ms毎に発生するインターバル割込処理により実行される貸球モータ駆動処理のフローチャートである。この貸球モータ駆動処理によって貸球モータ9が回転され、貸球の払い出しが行われる。なお、払い出された貸球の数は、後述する貸球カウントスイッチ読込処理(図10参照)によってカウントされる。
【0057】
貸球モータ駆動処理では、まず、貸球払出カウンタ5aの値が「0」であるか否かを確認する(S71)。貸球払出カウンタ5aの値が「0」でなければ(S71:No)、貸球モータ9を回転して貸球を払い出す(S72)。一方、貸球払出カウンタ5aの値が「0」であれば(S71:Yes)、貸球の払い出し動作はすべて終了しているので、かかる場合には、貸球モータ9を停止して(S73)、この貸球モータ処理を終了する。
【0058】
図10は、払出制御基板Hにおいて、2ms毎に発生するインターバル割込処理により実行される貸球カウントスイッチ読込処理のフローチャートである。この貸球カウントスイッチ読込処理によって、実際に払い出された貸球の数がカウントされる。まず、貸球カウントスイッチ10が貸球を検出したか否かを確認し(S81)、貸球を検出していれば(S81:Yes)、貸球払出カウンタ5aの値を「1」減算する(S82)。一方、貸球カウントスイッチ10が貸球を検出しなければ(S81:No)、S82の処理をスキップしてこの貸球カウントスイッチ読込処理を終了する。
【0059】
図3から図10のフローチャートを参照して説明したように、本実施例の遊技機管理システムによれば、パチンコ機1の払出制御基板Hにより払い出される貸球の1単位の払出個数は、カード読取ユニット20及びTボックス40を介して接続されるカード会社コンピュータ50の設定に応じて決定される。よって、カード会社コンピュータ50で貸球の払出個数を変更することにより、消費税の税率等を考慮した貸球の払い出しを行うことができる。
【0060】
また、遊技場(ホール)内に設置されているパチンコ機1、カード読取ユニット20およびTボックス40ではなく、遊技場外に設置されているカード会社コンピュータ50で貸球の払出個数の設定を行うことができるので、遊技場内での貸球の払出個数に対する不正を防止することができる。パチンコ機1およびカード読取ユニット20は、貸球の払出個数を設定する管理者以外の人間、例えば遊技場の従業員や遊技客等が直接接触することができ得るので、不正が行われやすい環境である。これらの装置に貸出個数設定手段を設けると、その貸出個数設定手段に不正が行われて、不適切な貸球の払い出し等が行われてしまう場合がある。しかし、遊技場の関係者以外の管理者が各遊技場内で行われているカードの売上げや遊技場で不正が行われていないかを監視する装置であるカード会社コンピュータ50に貸出個数設定手段を設けるとことにより、パチンコ機1、カード読取ユニット20及びTボックス40を監視しながら貸球の払出個数の設定を行うことができるので、不適切な貸球の払出個数の設定等を防止することができる。
【0061】
次に、図11を参照して、カード読取ユニット20とパチンコ機1との使用形態を具体例を挙げながら説明する。図11は、本実施例の消費税対応型(貸球の払出個数を変更可能)のカード読取ユニット20と、カード読取ユニット20からの貸出要求信号に対応できる貸出要求信号対応型の本実施例のパチンコ機1(以下、「新パチンコ機」と略す)と、貸球の払出個数が変更可能なカード読取ユニット20からの貸出要求信号に対応することができない貸出要求信号非対応型の旧パチンコ機(従来品)との対応関係を示した図である。なお、貸出要求信号は、所定部分の長さ(例えば、タイミング等)が貸球の払出個数ごとに区別されて構成されている。よって、払出制御基板Hは、貸出要求信号の所定部分の長さ(タイミング等)を判別することにより、貸球の払出個数を判断することができる。
【0062】
また、払出制御基板Hは、カード読取ユニット20から出力される貸出要求信号が適切でない場合や、その貸出要求信号の所定部分の長さ(タイミング)が適切でない場合等に、受信した貸出要求信号が適正でないと判断してエラー信号を出力するよう構成されている。
【0063】
「No.1」は、貸球25球設定のカード読取ユニット20と旧パチンコ機とが接続されるパターンである。この場合には、カードユニット貸球数メモリ24aに貸球数「25球」が記憶されているので、カード読取ユニット20から「25球」の貸出要求信号が旧パチンコ機へ出力され、その結果、旧パチンコ機から「25球」の貸球が払い出される。この「No.1」のパターンでは、旧パチンコ機は、「25球」の貸出要求信号には対応することができるので、「25球」の貸出要求信号を旧パチンコ機が受信して、「25球」の貸球を払い出すことができるのである。
【0064】
「No.2」は、貸球24球設定のカード読取ユニット20と旧パチンコ機とが接続されるパターンである。この場合には、カードユニット貸球数メモリ24aに貸球数「24球」が記憶されているので、カード読取ユニット20から「24球」の貸出要求信号が旧パチンコ機へ出力され、その結果、旧パチンコ機は球貸しを行わずにエラー信号をカード読取ユニット20へ出力する。上述したように、旧パチンコ機は「24球」の貸出要求信号に対応することができないので、旧パチンコ機が「24球」の貸出要求信号を受信した場合には、エラー信号をカード読取ユニット20へ出力するのである。ここで、エラー信号をカード読取ユニット20へ出力することにより、カード読取ユニット20でエラー処理が行われるので(図7、S58参照)、パチンコ機1における不適切な貸球の払い出しや、カード読取ユニット20での不適切なカードの残高数の減算を防止することができるのである。
【0065】
「No.3」は、貸球25球設定のカード読取ユニット20と新パチンコ機とが接続されるパターンである。この場合には、カードユニット貸球数メモリ24aに貸球数「25球」が記憶されているので、カード読取ユニット20から「25球」の貸出要求信号が新パチンコ機へ出力され、その結果、新パチンコ機から「25球」の貸球が払い出される。
【0066】
「No.4」は、貸球24球設定のカード読取ユニット20と新パチンコ機とが接続されるパターンである。この場合には、カードユニット貸球数メモリ24aに貸球数「24球」が記憶されているので、カード読取ユニット20から「24球」の貸出要求信号が新パチンコ機へ出力され、その結果、新パチンコ機から「24球」の貸球が払い出される。この「No.4」のパターンでは、上述したように、新パチンコ機は貸出要求信号の所定部分の長さ(タイミング等)を判別することにより、「24球」の貸出要求信号を判断することができる。よって、「24球」の貸出要求信号を受信しても、エラー信号を出力することなく、「24球」の貸球を払い出すことができる。
【0067】
「No.5」は、貸球n(nは自然数)球設定のカード読取ユニット20と新パチンコ機とが接続されるパターンである。この場合には、カードユニット貸球数メモリ24aに貸球数「n球」が記憶されているので、カード読取ユニット20から「n球」の貸出要求信号が新パチンコ機へ出力され、その結果、新パチンコ機から「n球」の貸球が払い出される。この「No.5」のパターンでは、上述したように、新パチンコ機は貸出要求信号の所定部分の長さ(タイミング等)を判別することにより、「n球」の貸出要求信号を判断することができる。よって、「n球」の貸出要求信号を受信しても、エラー信号を出力することなく、「n球」の貸球を払い出すことができる。
【0068】
「No.1」〜「No.5」の各パターンに示すように、本実施例のカード読取ユニット20は、パチンコ機から適切な貸球の払い出しが行われるように構成されている。よって、たとえ貸出要求信号に対応していないパチンコ機(従来品)と接続された場合にも、不適切な貸球の払い出しや不適切なカードの残高数の減算を行うことなく、適切な貸球の払い出しを行うことができる。
【0069】
次に、図12を参照して、貸出要求信号について具体例をあげながら説明する。図12は、貸球の払出個数に応じた貸出要求信号のタイミングチャートである。図12(a)は、貸球の払出個数が「25球」の場合の貸出要求信号のタイミングチャートである。この場合の貸出要求信号のタイミングは、カード読取ユニット20からパチンコ機1へ貸球の払い出しがあることを報知すると共にその時間の長さにより貸球の払出個数を報知する貸出要求監視時間(T0=T1)が5〜10msで構成されている。貸出要求監視時間(T0=T1)の後には、パチンコ機1が貸球の貸出要求を了解したことを報知する貸出要求了解監視時間(TA)が設けられており、その時間は10ms〜10sで構成されている。なお、図11において上記したように、この「25球」の貸出要求信号は新・旧のカードユニットを問わず、同一に構成されている。また、貸出要求了解監視時間(TA)は、図12(a)〜図12(e)においてすべて10ms〜10sの幅で同一に構成されている。
【0070】
図12(b)は、貸球の払出個数が「24球」の場合の貸出要求信号のタイミングチャートである。この場合の貸出要求信号のタイミングは、貸出要求監視時間(T0=T2)が15〜20msで構成されている。図12(c)は、貸球の払出個数が「23球」の場合の貸出要求信号のタイミングチャートである。この場合の貸出要求信号のタイミングは、貸出要求監視時間(T0=T3)が25〜30msで構成されている。図12(d)は、貸球の払出個数が「22球」の場合の貸出要求信号のタイミングチャートである。この場合の貸出要求信号のタイミングは、貸出要求監視時間(T0=T4)が35〜40msで構成されている。図12(e)は、貸球の払出個数が「21球」の場合の貸出要求信号のタイミングチャートである。この場合の貸出要求信号のタイミングは、貸出要求監視時間(T0=T5)が45〜50msで構成されている。
【0071】
図12(a)〜図12(e)に示すように、貸球の払出個数ごとに信号のT0=T1〜T5の長さ(タイミング)が異なるように構成されている。よって、払出制御基板Hは、信号のT0=T1〜T5の長さ(タイミング)を判別することにより、貸球の払出個数を判断することができる。
【0072】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0073】
例えば、本実施例において、Tボックス40から送信される貸球の払出個数のデータは、LANに接続されているすべてのカード読取ユニット20へ送信されていたが、これに代えて、1又は選択した複数のカード読取ユニット20へ貸球の払出個数のデータを送信するように構成しても良い。
【0074】
また、本実施例では、カード会社コンピュータ50のキーボード58からの入力によりカード会社貸球数メモリ54aの値が変更された場合に、カード会社コンピュータ50から貸球の払出個数のデータをTボックス40を介してカード読取ユニット20へ送信していた。これに代えて、カード読取ユニット20またはパチンコ機1から貸球の払出個数のデータの送信要求をTボックス40を介してカード会社コンピュータ50へ送信し、その送信要求に応じてカード会社コンピュータ50からTボックス40へ、設定されている貸球の払出個数のデータを送信するように構成しても良い。なお、貸球の払出個数の送信要求は、カード読取ユニット20またはパチンコ機1からの送信要求の有無に拘わらず、Tボックス40から独自に出力するようにしても良い。
【0075】
また、カード会社コンピュータ50から1又は選択した遊技場のTボックス40へ貸球の払出個数のデータを送信するように構成しても良い。例えば、ある特定の地域を限定して、その地域の店舗における貸球の払出個数を変更したい場合に、カード会社コンピュータ50は、その地域の店舗に設置されているTボックス40を選択して、変更した貸球の払出個数のデータを送信する。よって、店舗毎に貸球の払出個数を設定することができるのである。
【0076】
更に、本実施例では、カード読取ユニット20から、貸球の貸出要求があるたびに、貸球の払出個数のデータと貸球の払い出し実行の信号とを兼ねている貸出要求信号を出力して、貸球の払い出しを行っていた。これに代えて、貸球の払出個数のデータを予め払出制御基板Hへ出力して記憶させておき、払出制御基板Hは、払い出し実行の信号である貸球要求信号の受信時にそのデータに応じた貸球の払い出しを行うように構成しても良い。
【0077】
本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
【0078】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0079】
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
【0080】
以下に本発明の変形例を示す。所定の有価価値を有する遊技媒体を払い出す払出制御手段を有した1又は複数の遊技機と、その遊技機と接続され、前記遊技媒体の情報が記録された遊技媒体記録手段を投入した状態で前記遊技媒体の貸出要求があった場合に、前記遊技機に遊技媒体の貸し出しを指示する1又は複数の遊技媒体記録読取装置と、その遊技媒体記録読取装置と接続されて前記遊技媒体記録手段および遊技媒体の払い出しを管理する遊技媒体管理装置と、その遊技媒体管理装置と接続される外部管理装置とを備えた遊技機管理システムにおいて、前記外部管理装置は、前記払出制御手段による遊技媒体の1単位の払出個数を2種以上の個数に設定可能な貸出個数設定手段を備え、その貸出個数設定手段で設定された前記遊技媒体の払出個数のデータを前記遊技媒体管理装置へ出力し、前記遊技媒体管理装置は、前記外部管理装置から受信した前記遊技媒体の払出個数のデータを前記遊技媒体記録読取装置へ出力し、前記遊技媒体記録読取装置は、前記遊技媒体管理装置から受信した前記遊技媒体の払出個数のデータを前記遊技機に出力し、前記遊技機は、前記遊技媒体記録読取装置から受信した前記遊技媒体の払出個数のデータを記憶すると共に、前記遊技媒体記録読取装置から貸球の貸出要求があった場合に、その記憶している貸球の払出個数のデータに基づいて前記遊技媒体の払い出しを行うものであることを特徴とする遊技機管理システム1。
【0081】
請求項1記載の遊技機管理システムまたは遊技機管理システム1において、前記遊技媒体は貸球であり、前記貸出個数設定手段は、前記貸球の払出個数(貸球数データ)を変更できるように構成されていることを特徴とする遊技機管理システム2。従来、パチンコ機における遊技は、遊技者がパチンコホールから球を借りて、言い替えれば、パチンコホールが遊技者へ球を貸し出して、その貸し出された球によって行われる。通常、1球4円として、100円を1単位として貸し出されるので、遊技者へは消費税等を考慮せずに100円毎に25球の球が貸し出される。これに対し、遊技終了後の景品交換時においては、景品交換手数料や消費税分を考慮して、或いは考慮せずに景品交換が行われる。球の貸出時には消費税等を考慮せずに球を貸し出し、その一方で、景品交換時においてのみ消費税等を考慮して景品交換を行うと、遊技に勝った遊技者は消費税等を負担することになるものの、遊技に負けた遊技者は消費税等を負担せずに済んでしまい、消費税等の負担の有無が不平等になってしまう。この場合には、遊技に負けた遊技者の消費税等はパチンコホールが負担しなければならない。これに対し、予め消費税等を考慮して、100円毎の貸球の払出個数を設定しておくことも可能であるが、消費税等の税率が変更された場合や、パチンコホールにおいて消費税等を考慮せずに球を貸し出したい場合には、かかる方式では対応することができない。従って、外部管理装置に貸出個数設定手段を設けることにより、外部管理装置が景品交換手数料や消費税の税率、貸球に消費税分を加えるか否か等の遊技場(ホール)の方針に応じて、貸球の払出個数を調整することができる。
【0082】
請求項1記載の遊技機管理システムまたは遊技機管理システム1若しくは2において、前記外部管理装置は、1又は複数の前記遊技媒体管理装置を監視すると共に、前記遊技媒体管理装置を介して前記遊技媒体記録読取装置へ前記貸出個数設定手段で設定された貸球の払出個数のデータを出力するものであることを特徴とする遊技機管理システム3。遊技機、遊技媒体記録読取装置および遊技媒体管理装置に貸出個数設定手段を設けるのではなく、外部管理装置に貸出個数設定手段を設け、貸出個数設定手段により設定された貸球の払出個数のデータを遊技媒体記録読取装置へ出力する。遊技機、遊技媒体記録読取装置および遊技媒体管理装置は、貸球の払出個数を設定する以外の人間、例えばホールの従業員や遊技客等が直接接触することができ得るので、不正が行われやすい環境である。これらの装置に貸出個数設定手段を設けると、その貸出個数設定手段に不正が行われて、不適切な貸球の払い出し等が行われてしまう場合がある。しかし、遊技機および遊技媒体記録読取装置を監視する遊技媒体管理装置を監視することができる外部管理装置に貸出個数設定手段を設けるとことにより、遊技機、遊技媒体記録読取装置および遊技媒体管理装置を監視しながら貸球の払出個数の設定を行うことができるので、不適切な貸球の払出個数の設定等を防止することができる。
【0083】
遊技機管理システム3において、前記遊技媒体管理装置は、接続されるすべての前記遊技媒体記録読取装置へ貸球の払出個数のデータを出力するものであることを特徴とする遊技機管理システム4。遊技媒体管理装置は、接続されるすべての遊技媒体記録読取装置に貸球の払出個数のデータを出力することができるので、例えば、接続されるすべての遊技媒体記録読取装置の貸球の払出個数のデータを変更したい場合に、そのデータを一斉に変更することができる。よって、煩雑な作業を行うことなく、遊技場内に設置されたすべての遊技媒体記録読取装置の貸球の払出個数のデータを変更することができる。
【0084】
請求項1記載の遊技機管理システム又は遊技機管理システム2から4のいずれかにおいて、前記遊技媒体記録読取装置は、前記貸球の貸出要求があった場合に前記遊技媒体管理装置から出力された貸球の払出個数のデータに基づいた貸球信号を前記遊技機の払出制御手段へ出力するものであり、前記遊技機の払出制御手段は、前記貸球信号を受信することにより貸球の払い出しを行うものであることを特徴とする遊技機管理システム5。
【0085】
遊技機管理システム5において、前記貸球信号は、前記外部管理装置の貸出個数設定手段により設定された貸球の払出個数を示す信号であると共に、前記払出制御手段から貸球の払い出しを実行させる信号を兼ねていることを特徴とする遊技機管理システム6。1つの信号(貸球信号)を出力することにより、貸球の払出個数および貸球の払い出し動作の2つの指示を出すことができる。
【0086】
遊技機システム5または6において、前記遊技機の払出制御手段は、前記貸球信号が適切でない場合にエラー信号を前記遊技媒体記録読取装置へ出力するものであり、前記遊技媒体記録読取装置は、前記エラー信号を受信することによりエラー処理を行うものであることを特徴とする遊技機管理システム7。遊技媒体記録読取装置は、払出制御手段から出力されたエラー信号を受信するとエラー処理を行うので、遊技機における不適切な貸球の払い出しや、遊技媒体記録読取装置での不適切な遊技媒体記録手段の残高数の減算等を防止することができる。
【0087】
請求項1記載の遊技機管理システムまたは遊技機管理システム1から7のいずれかにおいて、前記遊技媒体記録読取装置から前記遊技機へ出力される前記貸球信号は、貸球の払出個数に応じて信号の所定部分の長さを変更されるものであることを特徴とする遊技機管理システム8。
【0088】
請求項1記載の遊技機管理システムまたは遊技機管理システム1から8のいずれかにおいて、前記貸出個数設定手段は、前記外部管理装置で実行される制御プログラムに基づいて貸球の払出個数を設定するものであることを特徴とする遊技機管理システム9。
【0089】
請求項1記載の遊技機管理システムまたは遊技機管理システム1から9のいずれかにおいて、前記外部管理装置には複数の前記遊技媒体管理装置が接続されており、前記外部管理装置は、前記貸球の払出個数のデータを選択した1又は複数の遊技媒体管理装置へ出力することを特徴とする遊技機管理システム10。外部管理装置から選択した遊技媒体管理装置へ貸球の払出個数のデータを出力することができるので、例えば、特定の遊技場だけ貸球の払出個数を変更したい場合に、その遊技媒体管理装置のみに貸球の払出個数のデータを出力することができる。
【0090】
請求項1記載の遊技機管理システムまたは遊技機管理システム1から10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機管理システム11。中でも、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0091】
請求項1記載の遊技機管理システムまたは遊技機管理システム1から10のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機管理システム12。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0092】
請求項1記載の遊技機管理システムまたは遊技機管理システム1から10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機管理システム13。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の変動開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【符号の説明】
【0093】
1 パチンコ機(遊技機)
20 カード読取ユニット(遊技媒体記録読取装置)
40 ターミナルボックス(Tボックス、遊技媒体管理装置)
50 カード会社コンピュータ(外部管理装置)
51 MPU(貸出個数設定手段の一部)
52 ROM(貸出個数設定手段の一部)
53 RAM(貸出個数設定手段の一部)
H 払出制御基板(払出制御手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の有価価値を有する遊技媒体を払い出す払出制御手段を有した1又は複数の遊技機と、その遊技機と接続され、前記遊技媒体の情報が記録された遊技媒体記録手段を投入した状態で前記遊技媒体の貸出要求があった場合に、前記遊技機に遊技媒体の貸し出しを指示する1又は複数の遊技媒体記録読取装置と、その遊技媒体記録読取装置と接続されて前記遊技媒体記録手段および遊技媒体の払い出しを管理する遊技媒体管理装置と、その遊技媒体管理装置と接続される外部管理装置とを備えた遊技機管理システムにおいて、
前記外部管理装置は、前記払出制御手段による遊技媒体の1単位の払出個数を2種以上の個数に設定可能な貸出個数設定手段を備え、その貸出個数設定手段で設定された前記遊技媒体の払出個数のデータを前記遊技媒体管理装置へ出力し、
前記遊技媒体管理装置は、前記外部管理装置から受信した前記遊技媒体の払出個数のデータを前記遊技媒体記録読取装置へ出力し、
前記遊技媒体記録読取装置は、前記遊技媒体管理装置から受信した前記遊技媒体の払出個数のデータを保持すると共に、前記遊技媒体の貸出要求に応じて、前記遊技機の払出制御手段へ貸球の払出個数のデータを出力し、
前記遊技機は、受信した前記貸球の払出個数のデータに基づいて前記遊技媒体の払い出しを行うものであることを特徴とする遊技機管理システム。
【請求項1】
所定の有価価値を有する遊技媒体を払い出す払出制御手段を有した1又は複数の遊技機と、その遊技機と接続され、前記遊技媒体の情報が記録された遊技媒体記録手段を投入した状態で前記遊技媒体の貸出要求があった場合に、前記遊技機に遊技媒体の貸し出しを指示する1又は複数の遊技媒体記録読取装置と、その遊技媒体記録読取装置と接続されて前記遊技媒体記録手段および遊技媒体の払い出しを管理する遊技媒体管理装置と、その遊技媒体管理装置と接続される外部管理装置とを備えた遊技機管理システムにおいて、
前記外部管理装置は、前記払出制御手段による遊技媒体の1単位の払出個数を2種以上の個数に設定可能な貸出個数設定手段を備え、その貸出個数設定手段で設定された前記遊技媒体の払出個数のデータを前記遊技媒体管理装置へ出力し、
前記遊技媒体管理装置は、前記外部管理装置から受信した前記遊技媒体の払出個数のデータを前記遊技媒体記録読取装置へ出力し、
前記遊技媒体記録読取装置は、前記遊技媒体管理装置から受信した前記遊技媒体の払出個数のデータを保持すると共に、前記遊技媒体の貸出要求に応じて、前記遊技機の払出制御手段へ貸球の払出個数のデータを出力し、
前記遊技機は、受信した前記貸球の払出個数のデータに基づいて前記遊技媒体の払い出しを行うものであることを特徴とする遊技機管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−229993(P2011−229993A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183022(P2011−183022)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【分割の表示】特願2001−234468(P2001−234468)の分割
【原出願日】平成13年8月2日(2001.8.2)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【分割の表示】特願2001−234468(P2001−234468)の分割
【原出願日】平成13年8月2日(2001.8.2)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】
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