遊技機
【課題】 不必要な報知を低減するとともに、遊技媒体貯留部の遊技媒体を移し替える必要があるか否かを外部から確実に認識可能な遊技機を提供する。
【解決手段】 打球供給皿3へ払出すべき遊技球でまだ払出されていない未払出遊技球を記憶し、その記憶があるときに賞球ランプ51を点灯させ、打球供給皿3と余剰球受皿4との貯留遊技球が満タンとなり満タンスイッチにより検出されるとともに前記未払出遊技球の記憶があるときに、賞球ランプ51の点灯を点滅状態に切換えるようにした。
【解決手段】 打球供給皿3へ払出すべき遊技球でまだ払出されていない未払出遊技球を記憶し、その記憶があるときに賞球ランプ51を点灯させ、打球供給皿3と余剰球受皿4との貯留遊技球が満タンとなり満タンスイッチにより検出されるとともに前記未払出遊技球の記憶があるときに、賞球ランプ51の点灯を点滅状態に切換えるようにした。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシン等で代表される遊技機に関し、詳しくは、遊技媒体を使用して遊技が可能であるとともに、入賞の発生により遊技媒体が遊技媒体貯留部に払出される遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の遊技機において、従来から一般的に知られているものに、たとえば、遊技媒体貯留部(打球供給皿等)に貯留されている遊技媒体が貯留許容量(満タン)に達したことが検出されたときに遊技媒体貯留部への遊技媒体の払出を停止させてそれ以上遊技媒体が払出されないようにした上で、未払出の遊技媒体数を遊技者に報知したり、前記貯留許容量に達した旨の報知を行なったりするものがあった。
【0003】しかし、この従来のものでは、前記貯留許容量に達したときにのみ報知が行なわれるものであるために、他の原因たとえば払出すべき遊技媒体の欠乏(玉切れ)等の原因により払出が停止して未払出の遊技媒体が発生したときには報知されないので、払出が停止したときに外部からその原因を認識できないという不都合があった。
【0004】一方、従来の遊技機においては、入賞の発生の検出結果と遊技媒体の払出の検出結果とにより算出した遊技媒体の未払出数がある旨を報知するものがあった。この従来のものでは、遊技媒体の未払出数がある旨を報知するだけであったので、やはり、遊技媒体貯留部への遊技媒体の払出が停止されたときに外部からその停止の原因が認識できないという不都合があった。
【0005】そこで、従来において、未払出の遊技媒体がなくても前記貯留許容量に達した旨の検出がなされれば報知を行なうものが考え出された。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来のものにおいては、未払出の遊技媒体がないにも拘らず前記貯留許容量に達しただけで報知がなされるために、不必要な報知が行なわれるという不都合が生じる。つまり、報知を行なうそもそもの目的は、遊技媒体貯留部の遊技媒体が貯留許容量に達しかつ未払出遊技媒体が発生した場合に、報知を行なって遊技媒体貯留部の遊技媒体を他の貯留容器等に移し替えることを遊技者に促すためである。しかし、従来のものにおいては、前記貯留許容量に達しただけでまだ未払出遊技媒体が存在しないにも拘らず報知が行なわれる場合があり、無駄な報知が行なわれるという欠点があった。
【0007】本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、不必要な報知を低減するとともに、遊技媒体貯留部の遊技媒体を移し替える必要があるか否かを外部から確実に認識可能な遊技機を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】(1) 遊技媒体(パチンコ玉やコイン等)を使用して遊技が可能であるとともに、入賞の発生により遊技媒体が払出される遊技機であって、遊技媒体を払出すための遊技媒体払出手段(球払出装置97)と、払出された遊技媒体を貯留する遊技媒体貯留部(打球供給皿3)と、該遊技媒体貯留部に貯留されている遊技媒体が貯留許容量(満タン)に達したことを検出する許容量貯留検出手段(満タンスイッチ48)と、該許容量貯留検出手段による前記貯留許容量に達した旨の検出が行なわれたときに遊技媒体の払出を停止する払出停止手段(S754e,S531a)と、入賞が発生したにも拘らず未だ払出されていない未払出の遊技媒体個数を特定可能な情報を記憶する未払出個数記憶手段(SH1〜SH6,SI1〜SI5)と、該未払出記憶手段に未払出遊技媒体個数の記憶があるときにその旨を表わす第1報知(点灯、払出中音)を遊技者に対し行なうとともに、前記未払出記憶手段に未払出遊技媒体個数の記憶がありかつ前記許容量貯留検出手段による前記貯留許容量に達したことの検出がなされているときにその旨を表わす第2報知(点滅、玉抜きメッセージ音声、玉抜きメッセージ表示)を遊技者に対し行なう報知手段(賞球/満タンランプ51、スピーカ27、特別図柄表示部9)と、該報知手段を制御する報知制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ70)とを備え、該報知制御手段は、前記未払出記憶手段に未払出遊技媒体個数の記憶がありかつ前記許容量貯留検出手段による貯留許容量に達していることの検出がなされて前記第2報知を行なう第2報知開始条件が成立したか否かを判定する判定手段(S753、S754)を含み、該判定手段が前記第2報知開始条件の成立した旨の判定を行なったときには前記第1報知を終了させて第2報知を開始させる制御を行なう(S755:点灯状態から点滅状態に変化する、払出中音から玉抜きメッセージ音声に変化する)ことを特徴とする。
【0009】このような構成によれば、第1報知によって未払出遊技媒体があることが認識できるとともに、第2報知によって遊技媒体貯留部の遊技媒体を移し替える必要性が生じたことが確実に認識できる。しかも、前記未払出記憶手段に未払出遊技媒体個数の記憶がありかつ前記許容量貯留検出手段による貯留許容量に達していることの検出がなされて前記第2報知を行ない、第2報知が行なわれる場合には第1報知が終了するために、不必要な報知を低減することができる。
【0010】(2) 遊技機の遊技状態を制御する遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53)をさらに備え、該遊技制御手段は、前記未払出記憶手段に未払出遊技媒体個数の記憶がある旨のコマンド(賞球残有りコマンド)と、前記許容量貯留検出手段による前記貯留許容量に達したことの検出がなされている旨のコマンド(満タンコマンド)とを前記報知制御手段へ送信し(SI9、SF2)、前記報知制御手段は、前記遊技制御手段からのコマンドを受信し(S601〜S605)、該コマンドに基づいて前記判定手段による判定を行ない(S751〜S754)、該判定結果により前記報知手段を制御する(S755、S758)ことを特徴とする。
【0011】このような構成によれば、報知制御手段側において未払出の遊技媒体の記憶がありかつ貯留許容量に達したことの検出がなされている旨の判定が行なわれてその判定結果により報知が実行されるために、遊技制御手段側の負担を軽減することができる。
【0012】(3) 前記遊技媒体払出手段を制御する払出制御手段(払出制御用マイクロコンピュータ70a)をさらに備え、遊技機の遊技状態を制御する遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53)から払出すべき遊技媒体の個数を指定する遊技媒体数コマンド(賞球コマンド)が出力され、前記払出制御手段は、前記遊技媒体数コマンドを受けて指定された個数の遊技媒体を前記払出手段から払出すための制御を行ない(S532〜S535、S538〜S546)、前記遊技制御手段は、前記未払出記憶手段を含み、入賞の発生により前記未払出遊技媒体数を加算更新(SH2、SH4、SH6)するとともに、前記払出制御手段への前記遊技媒体数コマンドの送信に応じて前記未払出遊技媒体数を減算更新する(SI4、SI5)ことを特徴とする。
【0013】このような構成によれば、遊技媒体数コマンドの送信がなされた段階で速やかに未払出遊技媒体数が減算更新されるために、その減算更新内容を前記報知手段による報知に反映させることができる。
【0014】(4) 前記払出制御手段は、遊技媒体の払出制御が完了したときに払出完了信号を前記遊技制御手段へ送信し(S546a)、前記遊技制御手段は、前記払出完了信号を受信するまで次の遊技媒体数コマンドを送信しないことを特徴とする(SL1によりYESの判断がなされて現在セットされている払出中フラグがSL2でクリアされてSG1によりNOの判断がなされない限りSG3,SG4による賞球コマンドのセットがなされない)。
【0015】このような構成によれば、遊技媒体の払出が完了したことを遊技制御手段が確実に認識できる。
【0016】(5) 前記許容量貯留検出手段の検出信号が前記払出制御手段に入力され(図7)、該払出制御手段は、前記許容量貯留検出手段からの検出信号を入力したときに(S754bによりYESの判断がなされたときに)遊技媒体の払出を停止させるとともに(S754eにより払出停止状態の設定がなされてS531aによりYESの判断がなされてS531以降の払出制御が行なわれない)、前記遊技制御手段へ前記貯留許容量に達した旨の検出が行なわれたことを示す信号(満タン信号)を送信し(S754c)、前記遊技制御手段は前記信号に基づいて前記貯留許容量に達した旨の検出が行なわれたか否かを判定することを特徴とする(SF1)。
【0017】このような構成によれば、払出制御手段自体に前記貯留許容量に達したことの検出信号が入力されてその払出制御手段が遊技媒体の払出を停止させるために、速やかに遊技媒体の払出を停止させることができ、さらに、貯留許容量に達している旨の信号が遊技制御手段へ送信されるために、遊技制御手段に貯留許容量に達していることの認識をさせることができる。
【0018】(6) 遊技領域に遊技媒体を発射する発射手段(打球発射装置34)と、前記遊技媒体貯留部に貯留されている遊技媒体を前記発射手段の発射位置に誘導するための通路(球送り通路64)とをさらに備え、前記許容量貯留検出手段は、前記払出手段と前記遊技媒体貯留部との間の遊技媒体通路(遊技球通路68)に設けられていることを特徴とする。
【0019】このような構成によれば、発射位置に遊技媒体を誘導する通路を備えた遊技媒体貯留部に対する貯留状態を検出して報知手段による報知に反映することができる。
【0020】(7) 前記報知制御手段は、同一の報知手段の報知態様を異ならせることにより(点灯状態と点滅状態、払出中音と玉抜きメッセージ音声)前記第1報知と前記第2報知との区別ができるように報知を実行させることを特徴とする。
【0021】このような構成によれば、第1報知と第2報知とを同一の報知手段により行なうことができ、部品点数の削減が可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、遊技媒体を使用して遊技が可能であるとともに、入賞の発生により遊技媒体が遊技媒体貯留部に払出される遊技機であればすべて対象となる。
【0023】まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面から見た正面図、図2は、パチンコ遊技機の遊技盤の正面図、図3はパチンコ遊技機1の内部構造を示す全体背面図である。
【0024】図1に示すように、パチンコ遊技機1は、縦長な方形状に枠組形成される外枠2aと、該外枠2aの内側に開閉可能に軸支されかつパチンコ遊技機1の主要構成部が集約して設けられる前面枠2bと、該前面枠2bの前面上部に開閉自在に軸支されて設けられる額縁状のガラス扉枠2とから構成されている。ガラス扉枠2および前面枠2bは、遊技枠と呼ばれる。
【0025】ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿3が設けられている。前面枠2bにおいて、打球供給皿3の下部には、打球供給皿3が満杯になったときにその貯留球を抜き取って貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。また、ガラス扉枠2の後方に位置する前面枠2bには、前面側に遊技領域7が形成された遊技盤6が着脱可能に設けられている。遊技盤6の詳細な構成については、図2に示されている。前面枠2bおよびガラス扉枠2は、パチンコ遊技機1の正面から見て左側の端部において軸支され、軸支位置を開閉軸として開閉される。
【0026】ガラス扉枠2には、遊技盤6の遊技領域7をほぼ透視し得る透視窓が開設され、該透視窓の裏面からガラス板(前面ガラスと呼ばれる)が装着されている。
【0027】この遊技領域7には、打球操作ハンドル5を操作することに応じて打球発射装置(図3に示す打球発射装置34)によって発射された遊技球が誘導レール76に誘導されて打ち込まれるが、この遊技球は、誘導レール76と遊技領域7との境界に設けられた近接スイッチにより構成される打込球スイッチ77によって検出される。この打込球スイッチ77によって検出された遊技球の数は、後述する遊技制御基板31によって特定される。
【0028】遊技領域7の中央付近には、液晶表示器よりなる特別図柄表示部9とLED表示器よりなる普通図柄表示部10とを含む可変表示装置8が設けられている。可変表示装置8には、特別図柄表示部9および普通図柄表示部10を囲む態様で、装飾部材としての飾り部材(表飾りとも呼ばれる)80が設けられている。なお、特別図柄表示部9は、液晶表示器に限らず、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED等のLED(Light Emitting Diode)、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。
【0029】また、可変表示装置8には、それぞれ4個のLEDからなる始動記憶表示器18とゲート通過記憶表示器41とが設けられている。この始動記憶表示器18のLEDの点灯している数により、特別図柄を始動させるための始動入賞口14への入賞数が上限を4として記憶されていることが表示される。また、ゲート通過記憶表示器41のLEDの点灯している数により、普通図柄を始動させるための通過ゲート11への遊技球の通過数が上限を4として記憶されていることが表示される。
【0030】なお、始動入賞口14を通過した遊技球の通路には、入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ17が設けられており、始動口スイッチ17により遊技球を検出した場合には、遊技制御基板31へ信号が送られて、始動記憶表示器18を点灯させるための制御が行なわれる。また、通過ゲート11を通過した遊技球の通路には、通過した遊技球を検出するゲートスイッチ12が設けられており、ゲートスイッチ12が遊技球を検出した場合には、遊技制御基板31に信号が送られて、ゲート通過記憶表示器41を点灯させるための制御が行なわれる。
【0031】可変表示装置8の下方位置には、普通電動役物ソレノイド307により開閉される可変入賞球装置15(電動チューリップ役物)を兼用する始動入賞口14と特定遊技状態(大当り状態)において、大入賞口ソレノイド306を駆動することで開放動作を行なう大入賞口20とが、順に配列されている。大入賞口20が設けられた構造物も、可変入賞球装置150とよばれる。
【0032】始動入賞口14に入ったセーフ球は、始動口スイッチ17によって検出され、遊技盤の背面に導かれる。また、大入賞口20へのセーフ球はVカウントスイッチ22もしくはカウントスイッチ23に検出され、遊技盤の背面に導かれる。
【0033】遊技盤6には、複数の入賞口19,24が設けられ、遊技球の入賞口19,24への入賞は入賞口スイッチ19a,24aによって検出される。複数の入賞口19,24それぞれに対応して入賞口スイッチ19a,24aが設けられているため、各入賞口19,24毎の検出を迅速に行なうことができる。
【0034】遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点灯表示される装飾LED25a,装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、遊技効果ランプ28a,28b,28cが設けられている。
【0035】そして、この例では、遊技効果ランプの近傍に、景品球払出時に点灯する賞球/満タンランプ(単に「賞球ランプ」ともいう)51と補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52とが設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸を可能にするカードユニット(プリペイドカードユニット)50も示されている。
【0036】カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可能表示ランプ151、カード内に記憶された残額情報に端数(100円未満の数)が残存する場合にその端数を打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LEDに生じさせるための端数表示スイッチ152、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記憶媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、および、カード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を開放するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0037】打球供給皿3には、度数表示LED302、球貸可LED318、返却スイッチ300、球貸スイッチ301が設けられている。これらの機器は、カードユニット50に電気的に接続されている。
【0038】カードユニット50に挿入されたプリペイドカードの残額(度数)が度数表示LED302により表示される。プリペイドカードがカードユニット50に挿入されてそのカードを用いて球貸ができる状態になれば、球貸可LED318が点灯または点滅する。遊技者がその球貸可LED318による球貸状態であることを認識して、球貸スイッチ301を操作すれば、所定金額(たとえば500円)分のパチンコ玉が打球供給皿3に貸出されるとともに、500円分の残額がプリペイドカードから減額される。その減額された後の残額(度数)が度数表示LED302により表示される。遊技者が遊技を終了する際には、返却スイッチ300を押圧操作する。すると、カードユニット50に挿入されていたプリペイドカードが遊技者側に排出される。
【0039】打球発射装置34から発射された打球は、誘導レール76を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が通過ゲート11を通ってゲートスイッチ12で検出されると、普通図柄表示部10の表示装置が連続的に変化する状態になる。また、打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ17で検出されると、図柄の変動を開始できる状態であれば、特別図柄表示部9内の図柄回転を始める。図柄の変動を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶を1増やす。
【0040】特別図柄表示部9内の映像の回転は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の画像の組合せが大当り図柄の組合せであると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、大入賞口20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、大入賞口20の開放中に打球が特定入賞領域に入賞しVカウントスイッチ22で検出されると、継続権が発生し大入賞口20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、所定回数(たとえば15ラウンド)許容される。
【0041】停止時の特別図柄表示部9内の画像の組合せが大当り発生の確率変動を伴う大当り図柄の組合せである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわちこのような場合には、確率変動状態(以下、「確変」ともいう。)という遊技者にとってさらに有利な状態となる。また、普通図柄表示部10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、確率変動状態では、普通図柄表示部10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が増加する。
【0042】また、可変表示装置8の飾り部材80の所定位置(この場合は特別図柄表示部9の左上の位置および右上の位置)には、選択遊技において遊技者が選択肢の選択をする場合に、遊技者による指示行為を検出するための指示検出手段である選択検出部(人体センサ)61,62が設けられている。選択遊技とは、たとえばリーチ状態が発生したとき等において、可変表示装置8により所定のキャラクタによる演出表示が行なわれる場合に、予め定められた複数種類の演出内容のうち遊技者が希望する演出内容を選択指示し、その指示された演出内容が可変表示装置8により表示される遊技状態である。
【0043】選択検出部61,62は、それぞれ遊技者が選択指示をする動作(行為)を光を用いて検出可能な光センサ(モーションセンサ)よりなり、検出の際の相互干渉を生じにくくするために、左右に離隔配置されている。この実施の形態において、複数の選択肢(たとえば、選択肢A,B)からいずれかの選択肢を選択する指示をする場合、遊技者は、手を選択検出部61または選択検出部62のどちらかの前にかざす動作をする。
【0044】図2中、305は演出用可動部材である。たとえばリーチ発生状態中において、演出用ソレノイド303が励磁されることにより演出用可動部材305の口が開き、演出用モータ304が駆動されることにより演出用可動部材305が前後方向に出退する。
【0045】次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図3を参照して説明する。可変表示装置8の背面では、図3に示すように、機構盤36の上部に遊技機タンク38が設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方から遊技球が遊技球タンク38に供給される。遊技球タンク38内の遊技球は、誘導樋39を通って球払出装置97に至る。
【0046】機構盤36には、特別図柄表示部9および普通図柄表示部10を制御する表示制御基板80と表示装置とから構成される表示制御ユニット20、基板ケース32に覆われた遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板ともいう)31、遊技効果ランプ28a,28b,28c、景品球などの払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータが搭載された払出制御基板37、および遊技機に設けられた各電機部品と電気部品制御基板に電源を供給する電源基板910等が設置されている。さらに、機構盤36の下部には、モータの回転力を利用して打球を遊技領域7に発射する打球発射装置34と、タッチ回路基板351(後述する)とが配置されている。
【0047】払出制御基板37の背面側には、エラー解除スイッチ333とエラー報知用7セグメント表示器334とが設けられている。パチンコ玉の払出に関して払出制御基板37に所定のエラーが発生した場合には、そのエラー原因がエラー報知用7セグメント表示器334により報知される。遊技場の係員がそのエラー報知用7セグメント表示器334を見てエラー原因を認識した上で復旧作業を行ない、その後エラー解除スイッチ333を押圧操作すれば、払出制御基板37はエラー状態から解除されて通常の払出制御が実行可能な状態に復帰する。
【0048】パチンコ遊技機1の下部のカードユニット50側には、インターフェース基板311が設けられており、このインターフェース基板311に一端が接続されたハーネス55の他端がカードユニット50に設けられたコネクタ500に接続されている。そして、インターフェース基板311と払出制御基板37のコネクタ100とが配線接続されている。これにより、カードユニット50と払出制御基板37とが、コネクタ500,インターフェース基板311,ハーネス55,コネクタ100を介して通信可能になる。
【0049】また、誘導樋39を通った遊技球は、球切れ検出器187を通過して供給樋186a,186bを経て球払出装置97に至る。球払出装置97から払出された遊技球は、遊技球通路68、連絡口67(図5参照)を通ってパチンコ遊技機1の前面に設けられている打球供給皿3に供給される。打球供給皿3の下方には、余剰球受皿4が設けられている。入賞に基づく景品球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になったときに、遊技者が後述する玉抜き操作を行なうことにより、遊技球が余剰球受皿4に導かれる。一方、打球供給皿3が満杯になると、感知レバー48aが満タンスイッチ48(図5R>5参照)を押圧して満タンスイッチ48がオンする。この状態では、球払出装置97内のステッピングモータの回転が停止して球払出装置97の動作が停止するとともに、必要に応じて打球発射装置34の駆動も停止する。なお、この実施の形態では、電気的駆動源の駆動によって遊技球を払出す球払出装置として、ステッピングモータの回転によって遊技球が払出される球払出装置97を例示するが、その他の駆動源によって遊技球を送出す構造の球払出装置を用いてもよいし、電気的駆動源の駆動によってストッパを外し遊技球の自重によって払出がなされる構造の球払出装置を用いてもよい。
【0050】また、賞球払出制御を行なうために、入賞口スイッチ19a,24a、始動口スイッチ17およびVカウントスイッチ22からの信号が、遊技制御基板31に送られる。遊技制御基板31のCPU56は、始動口スイッチ17がオンすると5個の賞球払出に対応した入賞が発生したことを知る。また、カウントスイッチ23がオンすると15個の賞球払出に対応した入賞が発生したことを知る。そして、入賞口スイッチ19a,24aがオンすると10個の賞球払出に対応した入賞が発生したことを知る。なお、この実施の形態では、たとえば、入賞口24に入賞した遊技球は、入賞口24からのセーフ球流路に設けられている入賞口スイッチ24aで検出され、入賞口19に入賞した遊技球は、入賞口19からのセーフ球流路に設けられている入賞口スイッチ19aで検出される。
【0051】図4は、遊技球貯留部としての打球供給皿3と余剰球受皿4との構造を示す斜視図である。打球供給皿3には、貯留している遊技球を下方に流下させるための開口60a,60b,60dが設けられている。開口60a,60b,60cは、通常時はシャッタにより閉鎖されている。そして、図1に示す球抜きレバー66aを遊技者がスライド操作することにより、開口60aのシャッタが開放されて貯留されている遊技球がこの開口60aから落下する状態となる。一方、図1に示された球抜きレバー66bを遊技者がスライド操作すれば、開口60bが開放されて、そこから遊技球が下方に流下できるようになる。さらに、図1に示す球抜きレバー66cを遊技者がスライド操作すれば、余剰球受皿4の開口60cが開放されて、そこから遊技球が下方に流下できる状態となる。
【0052】図5は、満タンスイッチの設置箇所を示すとともに貯留された遊技球が抜き取られる状態を説明するための図である。前述したすべての開口60a〜60dがシャッタにより閉鎖されている状態で、球払出装置97から遊技球が払出されれば、打球供給皿3内に遊技球が貯留される状態となる。その状態で、遊技者が打球操作ハンドル5を回動操作すれば、貯留されている遊技球が球出口63、球送り通路64を通って球送り部材(図示を省略)により打球発射位置にまで誘導され、打球発射装置34により1発ずつ遊技領域7に打込まれる。
【0053】打球供給皿3内に貯留された遊技球が満杯となれば、その遊技球により連絡口67が塞がれて球払出装置97から払出された遊技球で遊技球通路68に遊技球が溜まることとなる。すると、その溜まった遊技球の重みにより感知レバー48aが押されて満タンスイッチ48がオンして満タンになった旨の検出が行なわれる。
【0054】払出すべき景品球(賞球)がまだ払出されていない未払出景品球が存在する場合には、後述するように賞球/満タンランプ51が点灯し、その未払出景品球が存在する状態で満タンスイッチ48による満タンの検出が行なわれれば、賞球/満タンランプ51が点滅状態に切換わる。遊技者は、それを見て、球抜きレバー66aをスライド操作すれば、開口60aが開放され、打球供給皿3に貯留されている遊技球が余剰球受皿4内に抜き取られる。すると、満タン状態が解除されて、満タンスイッチ48からの満タン検出信号が出力されない状態となるために、景品球が払出される状態となるとともに、賞球/満タンランプ51の点滅状態が解除される。
【0055】一方、遊技を終了する等の場合に遊技者が球抜きレバー66bをスライド操作すれば、開口60bが開放されることとなるために、打球供給皿3内に貯留されている遊技球がすべてその開口60b,60dを通って余剰球受皿4内に抜き取ることができる。その状態で、遊技者が球抜きレバー66cをスライド操作することにより、余剰球受皿4内の遊技球を玉箱65に抜き取ることができる。
【0056】なお、この球抜きレバー66cは、遊技者がスライド操作すればそのスライド状態でロックできるように構成するのが望ましい。このように構成すれば、貯留されている遊技球を玉箱65に抜き取る間、継続して遊技者が球抜きレバー66cをスライド操作し続ける必要がなく、遊技者の球抜き操作が楽になる。なお、この球抜きレバー66cのロック状態は、玉箱65への球抜きが完了するまでの所定時間(たとえば1分間)の経過により自動的にロックが解除されるように構成するのが望ましい。また、球抜きレバー66aおよび66cは、1個の球抜きレバーで兼用構成し、その1個の球抜きレバーをスライド操作することにより、開口60aと60cとの両方が開放されるように構成してもよい。
【0057】は、パチンコ遊技機1に用いられている制御回路を示すブロック図である。電源基板910は、AC24Vの電流が供給され、その交流を直流に整流して所定電圧の直流を生成し、主基板31、演出制御基板80、払出制御基板37等に、供給する。主基板31には、遊技制御用マイクロコンピュータ53とが搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、CPU56、ROM54、RAM55、I/Oポート57が備えられている。
【0058】主基板31には、前述した各入賞口スイッチ12、17、19a、22、23、24a、からの検出信号が入力され、遊技盤用の外部端子板316、各装置等駆動用のソレノイド306、307に制御信号が出力される。
【0059】演出制御基板80には、演出制御用マイクロコンピュータ70が搭載されている。演出制御用マイクロコンピュータ70には、CPU323、ROM320、RAM321、I/Oポート322が備えられている。
【0060】この演出制御基板80には、前述した人体センサ61,62からの検出信号が入力されて、特別図柄表示用LCDモジュール(特別図柄表示部)9、普通図柄表示装置の表示器(普通図柄表示部)10、ランプ・LED28a〜28c,25a,25b、演出用ソレノイド・モータ303,304、スピーカ27に、それぞれ制御信号が出力される。主基板31と演出制御基板80との間では、主基板31から演出制御基板80への一方向にのみ信号(コマンド)が送信される。
【0061】払出制御基板37には、払出制御用マイクロコンピュータ70aが搭載されている。払出制御用マイクロコンピュータ70aには、CPU327、ROM324、RAM325、I/Oポート326が備えられている。払出制御基板37には、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、モータ位置センサ313、払出個数カウントスイッチ314、タッチリング308、単発発射スイッチ309からそれぞれ検出信号が入力され、払出モータ312、球切れランプ52、賞球/満タンランプ51、発射モータ94、枠用の外部端子板315に、それぞれ制御信号が出力される。また、払出制御基板37は、インターフェイス基板311を介してプリペイドカードユニット50に対し玉貸制御用の交信を行なう。インターフェイス基板311には、球貸スイッチ301、返却スイッチ300からの検出信号が入力され、球貸可LED318、度数表示LED302に点灯または点滅駆動信号が出力される。なお、ドア開放スイッチ310の検出信号は、枠用の外部端子板315に入力されるが、払出制御基板37にも入力するようにしてもよい。
【0062】主基板31と払出制御基板37との間では、景品玉を払出すための信号が交信される。また、プリペイドカードユニット50と払出制御基板37とがインターフェイス基板311により接続されていることを条件として、プリペイドカードユニット50から払出制御基板37へ接続確認信号が送信されてくる。払出制御基板37は、その接続確認信号を受信していることに基づいてプリペイドカードユニット50が接続されていることを監視する。そして、その接続確認信号が入力されなくなった場合には、払出制御基板37は、カードユニット未接続エラーが発生した旨を判定し、発射モータ94の駆動制御を行なわないようにする。また、前述したように、払出制御基板37は、満タンスイッチ48からの満タン検出があった場合にも発射モータ94の駆動制御を行なわない。さらに、タッチリング308からのタッチ検出信号が払出制御基板37に入力されない限り払出制御基板37は発射モータ94を駆動制御することはないが、タッチリング308からのタッチ検出信号が入力されている場合であっても、単発発射スイッチ309からの単発発射検出信号が入力されている期間中は、発射モータ94の駆動制御を行なわない。
【0063】図7は、景品玉の払出制御のための制御回路を示すブロック図である。各種入賞口スイッチからの入賞玉検出信号が主基板31のスイッチ入力回路58に入力されれば、主基板31の払出制御信号出力回路319から、払出個数を特定した賞球データ(コマンド)が、払出制御基板37の払出制御信号入力回路328に送信される。すると、払出制御基板37は、指定された個数の景品玉を払出すための制御を行なうのであるが、その際、球切れスイッチ187からの球切れ検出信号がスイッチ入力回路331に入力されておらずかつ満タンスイッチ48からの満タン検出信号がスイッチ入力回路331に入力されていないことを条件として、景品玉の払出制御が開始される。この景品玉の払出制御は、モータ駆動回路330からモータ駆動制御信号が払出モータ312へ出力される。これにより、払出モータ312が回転し、それによって景品玉が払出される。
【0064】この払出モータ312の回転量がモータ位置センサ313により検出される。払出モータ312が所定角度回転する毎にモータ位置センサ313が検出信号をモータ位置センサ検出回路329へ出力する。これにより、払出制御基板37は、払出モータ312の回転量を把握することができ、指定された個数の景品玉を払出すだけの回転量に達した段階で、モータ駆動回路330からのモータ駆動制御信号の出力を停止させる。しかし、払出個数カウントスイッチ314からスイッチ入力回路331に送信されてきた払出個数カウント信号に基づいて、払出制御基板37は、払出個数が不足していると判断した場合には、その不足分の景品玉の払出を行なうべく払出モータ312を駆動させて不足分の玉を払出す制御を行なう。
【0065】払出制御基板37のランプ駆動回路332には、賞球/満タンランプ51と球切れランプ52とが接続されており、景品玉の払出中ランプ駆動回路332から賞球/満タンランプ51に賞球/満タンランプ点灯または点滅用制御信号が出力される。払出すパチンコ玉が不足して球切れスイッチ187からの球切れ信号がスイッチ入力回路331に入力されれば、ランプ駆動回路332から球切れランプ52を点灯または点滅させる制御信号が出力される。
【0066】払出制御基板37には、エラー解除スイッチ333とエラー報知用7セグメント表示器334とが設けられている。エラー報知用7セグメント表示器334には、各種のエラー原因が表示される。たとえば、遊技機タンク38内のパチンコ玉が不足して玉欠乏センサ167によりそれが検出されれば、タンク球切れである旨のエラー原因報知(たとえばエラー原因コード「1」)がなされる。遊技機タンク38へパチンコ玉が補給されて玉欠乏センサ167による玉欠乏検出がなくなれば、そのタンク球切れエラーが解除する。余剰球受皿4がパチンコ玉で満タンとなり満タンスイッチ48により満タン検出がなされた場合には、下皿満タンエラーである旨の原因報知(たとえばエラー原因コード「2」)がなされる。この下皿満タンエラーは、余剰球受皿4内のパチンコ玉を外部に放出して満タンスイッチ48により満タン検出がなくなることにより解除される。
【0067】払出ユニット(球払出装置)97内において玉噛みが発生すれば、玉噛みエラーが発生した旨のエラー原因報知(たとえばエラー原因コード「3」)がなされる。この場合には、玉噛みを解消させた後エラー解除スイッチ333を押圧操作することにより、ソフトウェアリセットによってエラー状態の解除が行なわれる。払出ユニット(球払出装置)97のモータ位置センサ313の断線,ショートが発生した場合には、モータ位置センサエラーが発生した旨のエラー原因報知(たとえばエラー原因コード「4」)がなされる。払出個数カウントスイッチ314の断線,ショートが発生した場合には、払出個数カウントスイッチエラーが発生した旨のエラー原因報知(たとえばエラー原因コード「5」)がなされる。これらモータ位置センサエラーと払出個数カウントスイッチエラーの場合にも、エラー解除スイッチ333を押圧操作することにより解除される。
【0068】プリペイドカードユニット50との未接続エラーが発生した場合には、その旨のエラー原因報知(たとえばエラー原因コード「6」)がなされる。このエラーは、プリペイドカードユニット50との接続を行なうことにより、解除される。プリペイドカードユニット50との通信エラーが発生した場合には、通信エラーが発生した旨のエラー原因報知(たとえばエラー原因コード「7」)がなされる。この通信エラーは、一定時間経過後に自動復帰される。
【0069】図8は、主基板31と払出制御基板37との通信を説明するための図である。図8の(a)を参照して、パチンコ遊技機1の電源が投入されて主基板31のCPU56が制御動作できる状態になった場合に、出力回路57aから電源確認信号が払出制御基板37の入力回路326aに入力される。この電源確認信号は、図8R>8の(b)に示すように、電源が立上がりCPU56が制御可能状態になることにより、LOWからHIに変化する。一方、パチンコ遊技機1への電源が遮断されたことが検出されれば、電源確認信号はHIからLOWに変化する。
【0070】出力回路57aから入力回路326aにREQ信号が出力される。このREQ信号は、景品玉の払出要求を主基板31から払出制御基板37へ出力する際には、HIからLOWに変化する。その後、出力回路57aから賞球コマンドが入力回路326aに伝送される。この賞球コマンドの伝送線は、4本の配線で構成されており、4ビットデータとして1個〜15個の払出個数データが入力回路326aに伝送される。払出制御基板37は、前記REQ信号がHIからLOWの変化することを検出して賞球コマンドをとりこむ処理を開始する。つまり。REQ信号は賞球コマンドをとりこむことを指令する取込指令信号としても兼用されている。
【0071】この賞球コマンドにより指定された個数だけの景品玉の払出を行ない、その払出が完了した段階で、出力回路326bからBUSY信号を入力回路57bを介してCPU56に入力する。このBUSY信号は、REQ信号がHIからLOWに変化して払出要求を受信したことにより、LOWからHIに変化して、払出要求を受信しかつ払出状態中だある旨を主基板31へ通知する。そして、払出制御基板37によって指定された個数の景品玉の払出制御が完了した段階でこのBUSY信号がHIからLOWに変化して払出が完了した旨の通知を主基板31に連絡する。主基板31では、その払出の完了の信号を受信することにより、REQ信号をLOWからHIに変化させる。
【0072】これら電源確認信号、BUSY信号、REQ信号は、それぞれ、HIからLOWへの変化によりある情報を伝えLOWからHIへの変化により他の情報を伝えるようにしたが、これに代えて、別個の信号(信号線)により前記ある情報と前記他の情報とをそれぞれ伝えるようにしてもよい。たとえば、BUSY信号の場合に、払出の要求を受信しかつ払出動作中である旨と払出を完了した旨とを別々の信号(信号線)で伝えるようにしてもよい。
【0073】払出制御用基板37から主基板31へ、球切れ信号、満タン信号、発射状態信号が送信される。球切れ信号は、球切れスイッチ187による球切れ状態の検出がなされた場合にLOWからHIに変化する信号である。球切れ解消時にはHIからLOWへ変化する。満タン信号は、満タンスイッチ48による満タン検出が行なわれたときに、LOWからHIに変化し、満タン解消時すなわち満タンスイッチ48からの満タン検出信号がなくなったときに、HIからLOWへ変化する信号である。発射状態信号は、打球を発射するための発射モータ94の駆動開始時にLOWからHIに変化し、発射モータ94の駆動停止時にHIからLOWへ変化する信号である(SJ6参照)。
【0074】図9は、玉貸制御と発射制御を説明するための回路を示すブロック図である。プリペイドカードユニット50と払出制御基板37とは、インターフェイス基板311を介して信号の交信ができるように構成されている。プリペイドカードユニット50と払出制御基板37のカードユニット通信回路396とがインターフェイス基板311を介して接続されていることを条件として、VL信号(接続確認信号)が払出制御基板37に入力される。払出制御基板37は、後述するように、このVL信号の入力によってプリペイドカードユニット50が接続されていることを条件して、打球発射可能状態にする。
【0075】また、プリペイドカードユニット50と返却スイッチ300,球貸スイッチ301とは、インターフェイス基板311を介して電気的に接続されている。そして、遊技者が球貸スイッチ301または返却スイッチ305を押圧操作すれば、その押圧操作信号がインターフェイス基板311を介してプリペイドカードユニット50へ入力される。遊技者がプリペイドカードユニット50にプリペイドカードを挿入して球貸スイッチ301を押圧操作すれば、貸出要求信号がインターフェイス基板311を介して払出制御基板37のプリペイドカードユニット通信回路396に送信される。
【0076】払出制御基板37は、その信号を受信した後玉貸動作可能な状態になっている場合には、貸出準備信号をプリペイドカードユニット通信回路396からインターフェイス基板311を介してプリペイドカードユニット50へ返信する。プリペイドカードユニット50では、その準備信号の返信に応じて、単位個数(たとえば100円に相当する個数)の貸出指令信号をインターフェイス基板311を介してプリペイドカードユニット通信回路396へ送信する。払出制御基板37では、その貸出指令信号に基づいて単位個数(100円分に相当する個数)の景品玉を払出すべくモータ駆動回路330から払出モータ駆動用の信号を払出モータ312へ出力する。そして、その単位個数分の貸玉の払出が完了した段階で、貸出完了信号がプリペイドカードユニット通信回路396からインターフェイス基板311を介してプリペイドカードユニット50へ送信される。この単位個数の払出しを複数回行なうことにより、払出予定個数分の玉払出しが可能となる。
【0077】満タンスイッチ48からの満タン検出信号および球切れスイッチ187からの球切れ信号がスイッチ入力回路331に入力される。単発発射スイッチ309からの単発発射操作信号がタッチ回路基板351を介してスイッチ入力回路331に入力される。タッチリング308のタッチ検出信号がタッチ回路基板351のタッチ比較回路352に入力される。すると、タッチリング308への接触を検出した旨の信号がタッチ比較回路352からタッチ入力回路388に送信される。
【0078】払出制御基板37では、プリペイドカードユニット50が払出制御基板37に接続されて接続確認信号がカードユニット通信回路396に入力されており、かつ、満タンスイッチ48からの満タン検出信号がスイッチ入力回路331に入力されておらず、かつ、球切れスイッチ187からの球切れ信号が入力されておらず、かつ、単発発射スイッチ309による単発発射操作がされた旨の信号がスイッチ入力回路331に入力されておらず、かつ、タッチリング308への接触を検出した旨の信号がタッチ入力回路388に入力されている場合に限り、モータ駆動回路330からタッチ回路基板351を介して発射モータ94に対しモータ駆動制御信号が出力される。これにより、玉が発射される。
【0079】払出制御基板37の制御は、CPU327、ROM324、RAM325を有する払出制御用マイクロコンピュータ70aにより行なわれる。
【0080】各種入賞口スイッチからの入賞検出信号が主基板31のスイッチ入力回路58に入力されれば、前述したように、賞球コマンドが払出制御信号入出力回路319から払出制御基板37の払出制御信号入出力回路328へ送信される。このような制御は、CPU56、ROM54、RAM55を有する遊技制御用マイクロコンピュータ53により行なわれる。
【0081】払出制御基板37では、賞球コマンドを受信すれば、モータ駆動回路330からモータ駆動用の発射制御信号が払出モータ312へ送信される。その結果、払出モータ312が回転駆動されて、遊技球が払出される。
【0082】モータ位置センサ313は、払出モータ312の回転角度を検出するためのものであり、払出モータ312が半回転する毎にワンパルス信号をモータ位置センサ検出回路329へ出力する。払出制御用マイクロコンピュータ70aは、そのモータ位置センサ313からのパルス信号に基づいて、払出ユニット97の払出動作量を算出することができる。払出モータ312が回転駆動されて払出ユニット97から実際に払出された遊技球が払出個数カウントスイッチ314により検出され、その検出信号が払出制御基板37のスイッチ入力回路331へ入力される。払出制御用マイクロコンピュータ70aは、その入力信号に基づいて、実際に払出された遊技球の個数を計数することができる。
【0083】次に遊技機の動作について説明する。図10R>0は、主基板31における遊技制御手段(CPU56およびROM54,RAM55等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
【0084】初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。
【0085】この実施の形態で用いられるCPU56は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。また、CTCは、2本の外部クロック/タイマトリガ入力CLK/TRG2,3と2本のタイマ出力ZC/TO0,1を備えている。
【0086】この実施の形態で用いられているCPU56には、マスク可能な割込のモードとして以下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
【0087】割込モード0:割込要求を行った内蔵デバイスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よって、CPU56は、RST命令に対応したアドレスまたはCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時に、CPU56は自動的に割込モード0になる。よって、割込モード1または割込モード2に設定したい場合には、初期設定処理において、割込モード1または割込モード2に設定するための処理を行う必要がある。
【0088】割込モード1:割込が受け付けられると、常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
【0089】割込モード2:CPU56の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。すなわち、割込番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ下位アドレスが割込ベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。従って、任意の(飛び飛びではあるが)偶数番地に割込処理を設置することができる。各内蔵デバイスは割込要求を行うときに割込ベクタを送出する機能を有している。
【0090】よって、割込モード2に設定されると、各内蔵デバイスからの割込要求を容易に処理することが可能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込処理を設置することが可能になる。さらに、割込モード1とは異なり、割込発生要因毎のそれぞれの割込処理を用意しておくことも容易である。上述したように、この実施の形態では、初期設定処理のステップS2において、CPU56は割込モード2に設定される。
【0091】次いで、CPU56は、入力ポート1を介して入力されるクリアスイッチ(バックアップRAMの記憶データをクリアするための操作スイッチ:図示省略)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS15)。クリアスイッチがオンである場合(押下されている場合)には、ローレベルのクリアスイッチ信号が出力されている。例えば、遊技店員は、クリアスイッチをオン状態にしながら遊技機に対する電力供給を開始することによって、容易に初期化処理を実行させることができる。すなわち、RAMクリア等を行うことができる。
【0092】クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えば電源基板910からの電源断信号に応じて起動されるNMI(マスク不能割込)処理である電力供給停止時処理におけるチェックデータの付加等)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような保護処理が行われていた場合をバックアップありとする。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。
【0093】この実施の形態では、バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定される実行確認情報としてのバックアップフラグの状態によって確認される。例えば、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。すなわち、電力供給停止時処理では、電力供給停止時処理を行ったときに、バックアップフラグ領域に「55H」が設定される。
【0094】バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。遊技機への電力供給が停止する際に実行される電力供給停止時処理において、チェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0095】チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と表示制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。遊技状態復旧処理においてPCが電力供給停止時前の状態に復元され、かつ、各種データ(例えば各乱数を生成するためのカウンタ)がバックアップRAMに保存されていることから、遊技機への電力供給が停止した後所定時間(バックアップRAMのデータ保持可能期間)内に電力供給が復旧すれば、例えば、後述する判定用乱数、表示用乱数および初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値は、電力供給停止時前の状態から継続されることになる。
【0096】初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、特別図柄判定用乱数カウンタ、特別図柄判定用バッファ、プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、球払出装置97からの払出が可能であることを指示する払出許可状態指定コマンドを払出制御基板37に対して送信する処理を行う(ステップS13)。また、他のサブ基板(この実施の形態では演出制御基板80)を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、特別図柄表示部9において表示される初期図柄を示すコマンド(演出制御基板80に対して)等がある。コマンドデータは、コマンドの分類を表わすMODEデータと、コマンドの種類を表わすEXTデータとから構成されている。詳しくは図12R>2、図13に基づいて後述する。
【0097】次に、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS15)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0098】初期化処理の実行(ステップS11〜S15)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態になっているので、それらの乱数更新処理が実行されている最中に後述する2msタイマ割込が生じ割込処理で乱数更新処理が実行され、カウント値に矛盾が生じてしまうことが防止される。
【0099】表示用乱数とは、特別図柄表示部9に停止表示される図柄を決定するための乱数等であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(当り判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値(最大値を越えて値が戻された後の値)を決定するための乱数である。
【0100】タイマ割込が発生すると、図11に示すように、CPU56は、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、ステップS21〜S31の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ入力回路58を介して、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ19a,24a,Vカウントスイッチ22のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
【0101】次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各乱数生成用カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23)。CPU56は、さらに、表示用乱数および初期値用乱数を生成するための乱数生成用カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS24,S25)。
【0102】各乱数(ランダム1〜7)は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2−1〜2−3:特別図柄の左右中のはずれ図柄決定用(特別図柄左右中)
(3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄の組合せを決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
なお、図11に示された遊技制御処理におけるステップS23では、CPU56は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、および(5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(7)の乱数以外の普通図柄に関する乱数等も用いられている。
【0103】さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0104】次いで、CPU56は、特別図柄に関する表示制御コマンドを送信する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS27)。また、普通図柄に関する表示制御コマンドを送信する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
【0105】さらに、CPU56は、例えばホール用管理コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
【0106】また、CPU56は、所定の条件が成立したときにソレノイドを駆動制御するために駆動指令を行う(ステップS30)。可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態とするためのソレノイド306,307が駆動される。
【0107】そして、CPU56は、入賞口スイッチ19,24,始動口スイッチ17,カウントスイッチ23,Vカウントスイッチ22の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、これら各スイッチ19,24,17,23,22がオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す賞球コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU327は、賞球個数を示す賞球コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。その後、レジスタの内容を復旧させ(ステップS32)、割込許可状態に設定する(ステップS33)。
【0108】以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に定期的に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0109】図12および図13は、演出制御基板80に送出される表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図12に示す例において、コマンド8000(H)〜8026(H)は、特別図柄を可変表示する特別図柄表示部9における特別図柄の変動パターン、すなわち特別図柄表示部9における表示結果導出動作に関わる演出内容を指定する表示制御コマンドである。なお、変動パターンを指定するコマンド(変動パターンコマンド)は変動開始指示も兼ねている。また、コマンド8000(H)〜8012(H)は低確率中において用いられ、コマンド8013(H)〜8025(H)は高確率中において用いられる。そして、コマンド8026(H)は、短縮表示パターンを指定するコマンドである。
【0110】コマンド88XX(H)(X=4ビットの任意の値)は、普通図柄表示部10で可変表示される普通図柄の変動パターンに関する表示制御コマンドである。コマンド89XX(H)は、普通図柄の停止図柄を指定する表示制御コマンドである。コマンド8AXX(H)(X=4ビットの任意の値)は、普通図柄の可変表示の停止を指示する表示制御コマンドである。
【0111】コマンド91XX(H)、92XX(H)および93XX(H)は、特別図柄の左中右の停止図柄を指定する表示制御コマンドである。「XX」には図柄番号が設定される。また、コマンドA000(H)は、特別図柄の可変表示の停止を指示する表示制御コマンドである。コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される表示制御コマンドである。そして、コマンドC000(H)〜EXXX(H)は、特別図柄の変動および大当り遊技に関わらない可変表示装置9の表示状態に関する表示制御コマンドである。演出制御基板80の表示制御手段は、主基板31の遊技制御手段から上述した表示制御コマンドを受信すると図12および図13に示された内容に応じて可変表示装置9および普通図柄表示部10の表示状態を変更する制御を行う。
【0112】この実施の形態では、ランプ制御コマンドを作成するための情報も、演出制御コマンドとして図柄制御基板80に送信される。すなわち、コマンドE0XX(H)は、始動記憶表示器18の点灯個数を示すランプ制御コマンドを作成するための演出制御コマンドである。演出制御基板80は、コマンドE0XX(H)を受信した場合、始動記憶表示器18における「XX(H)」で指定される個数の表示器を点灯状態とする。また、コマンドE1XX(H)は、ゲート通過記憶表示器41の点灯個数を示すランプ制御コマンドを作成するための表示制御コマンドである。演出制御基板80は、コマンドE1XX(H)を受信した場合、ゲート通過記憶表示器41における「XX(H)」で指定される個数の表示器を点灯状態とする。すなわち、それらのコマンドは、保留個数という情報を報知するために設けられている発光体の制御を指示するコマンドである。なお、始動記憶表示器18およびゲート通過記憶表示器41の点灯個数に関するコマンドが点灯個数の増減を示すように構成されていてもよい。
【0113】コマンドE200(H)、E201(H)、E202(H)およびE203(H)は、賞球/満タンランプ51の表示状態に関するランプ制御コマンドを作成するための表示制御コマンドであり、コマンドE300(H)およびE301(H)は、球切れランプ52の表示状態に関するランプ制御コマンドを作成するための表示制御コマンドである。演出制御基板80は、コマンドE200(H),E201(H)を受信した場合、賞球/満タンランプ51の表示状態を賞球残がある場合としてあらかじめ定められた表示状態とし、「E200(H)」のランプ制御コマンドを受信すると賞球/満タンランプ51の表示状態を賞球残がない場合としてあらかじめ定められた表示状態とする。また、コマンドE202(H)は、遊技媒体貯留部(打球供給皿3、余剰球受皿4)がまだ満タンになっておらず貯留できる状態のときの賞球/満タンランプ51の表示を指定するコマンドである。コマンドE203(H)は、遊技媒体貯留部(打球供給皿3、余剰球受皿4)が満タンになっているときの賞球/満タンランプ51の表示を指定するコマンドである。
【0114】また、「E300(H)」のランプ制御コマンドを受信すると球切れランプ52の表示状態を球あり中の表示状態とし、「E301(H)」のランプ制御コマンドを受信すると球切れランプ52の表示状態を球切れ中の表示状態とする。すなわち、コマンドE200およびE201(H)は、未賞球の遊技球があることを遊技者等に報知するために設けられている発光体を制御することを示すコマンドであり、コマンドE300(H)およびE301(H)は、補給球が切れていることを遊技者や遊技店員に報知するために設けられている発光体を制御することを示すコマンドである。
【0115】次に、前述したメイン処理のS25による賞球処理の内容を説明する。図14(a)は、主基板31のCPU56において実行される賞球処理を示すフローチャートである。
【0116】まず、ステップSC(以下、単にSCという)1により、満タンチェック処理が行なわれる。この満タンチェック処理においては、払出制御基板37からの満タン信号を受信したか否かが判断され、受信た場合に、満タンコマンドが演出制御基板80に送信される。
【0117】次に、ステップSC2により、球切れチェック処理が行なわれる。この球切れチェック処理においては、払出制御基板37からの球切れ信号を受信したか否かが判断され、受信た場合に、球切れコマンドが演出制御基板80に送信される。
【0118】次に、ステップSC5により、賞球コマンド送信処理が行なわれる。この賞球コマンド送信処理においては、賞球コマンドを設定して送信する処理がなされる。
【0119】次に、ステップSC6により、賞球個数加算処理が行なわれる。これは、入賞玉検出信号の入力に応じて払出すべき賞球個数を総払出個数記憶に加算更新する処理である。後に詳細に説明する。次にSC7により、賞球個数減算処理が行なわれる。この処理は、払出された賞球個数を総払出個数記憶から減算更新する処理であり、詳しくは後に説明する。
【0120】図14(b)は、SC2に示された球切れチェック処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まずSY1により、球切れ信号を受信したか否かの判断がなされる。球切れ信号を受信していない場合には、制御がSY3へ進み、演出制御コマンドを球ありにして演出制御基板80へ送信する処理がなされる。一方、球切れ信号を受信していない場合には、制御がSY2へ進み、演出制御コマンドを球切れにして演出制御基板80へ送信する処理がなされる。
【0121】図15(a)は、SC1により示された満タンチェック処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートであり、図15(b)は、SC5に示された賞球コマンド送信処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【0122】図15(a)を参照して、SF1により、満タン信号を受信したか否かの判断がなされる。後述するように、満タンスイッチ48からの満タン検出信号が払出制御基板37の払出制御用マイクロコンピュータ70aに入力されれば、満タン信号が払出制御用マイクロコンピュータ70aから主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ53に入力される。すると、SF1によりYESの判断がなされてSF2へ進み、演出制御コマンドを「満タン」(具体的にはE203(H):図13参照)にセットする処理がなされる。この演出制御コマンドとは、主基板31から演出制御基板80へ送信されるコマンドのことである。
【0123】一方、満タン信号を受信していないと判断された場合には制御がSF3へ進み、演出制御コマンドを「貯留可能」(具体的にはE202(H):図13参照)にセットする処理がなされる。
【0124】次に、賞球コマンド設定処理のサブルーチンプログラムを、図15(b)に基づいて説明する。まずSG1により、いずれかの払出中フラグがセットされているか否かの判断がなされる。セットされている場合には制御がSG8に進むが、いずれの払出中フラグもセットされていない場合にはSG2へ進み、総払出個数記憶が「15」以上であるか否かの判断がなされる。この総払出個数記憶は、遊技球の入賞に伴って払出すべき景品球(賞球)の残り個数の合計を記憶するものである。SG2により、YESの判断がなされた場合には、SG3へ進み、賞球コマンドを15個に設定して払出制御基板37へ送信開始する処理がなされる。これにより、15個を指定する賞球コマンドの送信が開始され、15個の賞球の払出が完了した時点でその賞球コマンドの送信が終了する(SL3参照)。
【0125】次にSG5へ進み、15個払出中フラグがセットされ、SG7aにより、賞球コマンド送信開始フラグがセットされてSG8の払出中フラグクリア処理が行なわれる。この払出中フラグクリア処理は、図16に基づいて後述する。
【0126】一方、総払出個数記憶が「15」未満であった場合には、制御がSG4へ進み、賞球コマンドをその払出個数記憶の値にセットして払出制御基板37へ送信する処理がなされる。すなわち、総払出個数記憶が「15」に満たない場合には、その満たない値を賞球コマンドにセットして送信するのである。次に制御がSG6に進み、少払出個数記憶をその総払出個数記憶値にセットする処理がなされる。次に制御がSG7へ進み、少個数払出中フラグがセットされて制御がSG7aへ進む。
【0127】図16は、SG11に示された払出中フラグクリア処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。SL1により、払出完了信号を受信したか否かの判断がなされる。この払出完了信号は、払出制御用マイクロコンピュータ70aが賞球コマンドを受けてその賞球コマンドにより指定された個数だけの賞品玉を払出す制御が完了した段階で主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ53に送信する信号である(S546a参照)。
【0128】この払出完了信号を受信すれば制御がSL2へ進み、現在セットされている払出中フラグをクリアする処理がなされる。次に制御がSL3へ進み、現在送信している賞球コマンドの送信を終了する処理がなされる。この払出中フラグクリア処理のサブルーチンプログラムによる制御の結果、賞球コマンドを送信して指定された個数だけの賞品玉を払出す制御が完了するまでは、その指定された個数に対応する払出中フラグがクリアされない。その結果、払出中フラグがクリアされない期間中は常にSG1によりYESの判断がなされることとなるために、SG2以降の次の賞球コマンドの個数をセットする処理がなされず、次の賞球コマンドが払出制御用マイクロコンピュータ70aへ送信されることがない。
【0129】図17(a)は、SC6により示された賞球個数加算処理のサブルーチンを示すフローチャートであり、図17(b)は、SC7に示された賞球個数減算処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【0130】まず図17(a)を参照して、賞球個数加算処理のサブルーチンプログラムを説明する。SH1により、15個払出用入賞検出があったか否かの判断がなされ、ない場合にはSH3へ進み、10個払出用入賞検出があったか否かの判断がなされ、ない場合にはSH5へ進み、5個払出用入賞検出があったか否かの判断がなされ、ない場合にはこのサブルーチンプログラムが終了する。
【0131】15個払出用の入賞口に入賞した入賞玉の検出信号が入力されれば、SH1によりYESの判断がなされてSH2へ進み、総払出個数記憶に「15」が加算更新される。10個払出用入賞口に入賞した入賞玉の検出信号が入力されれば、SH3によりYESの判断がなされてSH4へ進み、総払出個数記憶に「10」が加算更新される。5個払出用入賞口への入賞玉の検出信号が入力されれば、SH5により、YESの判断がなされてSH6へ進み、総払出個数記憶に「5」が加算更新される。
【0132】次に、図17(b)により、賞球個数減算処理のサブルーチンプログラムを説明する。SI1により、賞球コマンド送信開始フラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされていない場合にはこのサブルーチンプログラムが終了する。前述したSG7aによる賞球コマンド送信開始フラグのセットがなされている場合には、このSI1によりYESの判断がなされて制御がSI2へ進み、セットされている払出フラグの種類の判別がなされる。15個払出中フラグ(SG5参照)がセットされている場合には、SI5へ進み、総払出個数記憶を「15」減算する処理がなされてSI7へ進む。すなわち、15個の賞球コマンドの送信が行なわれたために、その段階で総払出個数記憶を「15」減算更新するのである。一方、セットされている払出フラグが少個数払出中フラグ(SG7参照)であった場合には、制御がSI4へ進み、総払出個数記憶をその少払出記憶分だけ減算する処理がなされる。次にSI6により、少払出個数記憶をクリアし、SI7により、賞球コマンド送信開始フラグをクリアする処理がなされる。その結果、次回のこの賞球個数減算処理の実行に際しては、SI1によりNOの判断がなされるために、次の賞球コマンドの送信が行なわれていないにも拘らず繰返して総払出個数記憶の減算処理が行なわれることが防止される。
【0133】次にSI8により、総払出個数記憶が「0」を上回っているか否かすなわち総払出個数記憶があるか否かの判断がなされる。ある場合には、SI9により、演出制御コマンドを賞球残ありの状態にして演出制御基板80へ送信する処理がなされる。一方、総払出個数記憶がない場合にはSI10により、演出制御コマンドを賞球残なし状態にセットして演出制御基板80へ送信する処理がなされる。
【0134】この賞球個数減算処理のサブルーチンプログラムによる制御の結果、払出制御用マイクロコンピュータ70aからの払出完了信号の受信を待つことなく賞球コマンドの送信が終了した段階で速やかに払出用入賞記憶の減算更新がなされることとなる。
【0135】なお、主基板31は、賞球個数を賞球個数記憶で総数として管理したが、賞球数毎(たとえば、15個、10個、5個)に管理してもよい。たとえば、賞球数毎に対応した入賞個数カウンタを設け、入賞玉検出信号が入力されると、その入力信号で指定された個数に対応する入賞個数カウンタを+1する。そして、入賞個数カウンタに対応した賞球払出が行なわれた旨の払出完了信号を受信すると、その入賞個数カウンタを−1する。その場合にも、各入賞個数カウンタはバックアップRAM領域に形成される。よって、遊技機の電源が断しても、所定期間中に電源を回復すれば、遊技制御用CPU56は、各入賞個数カウンタの内容に基づいて賞球コマンドの送信を継続することができる。
【0136】図18は、払出制御用CPU327のメイン処理を示すフローチャートである。このフローチャートで示された制御データとしてのプログラムは、ROM324に記憶されている。メイン処理では、払出制御用CPU327は、まず、必要な初期設定を行なう(ステップS701)。次に、初期化処理を実行する(ステップS702,S703)。
【0137】通常の初期化処理の実行(ステップS703)を得ると、払出制御用CPU327により実行されるメイン処理は、タイマ割込フラグの開始(ステップS708)の確認が行なわれるグループ処理に移行する。
【0138】通常の初期化処理では、レジスタおよびRAMのクリア処理ならびに初期値設定が行なわれる。そして、初期設定処理において割込禁止とされているので、初期化処理を終える前に割込が許可される。
【0139】この実施の形態では、払出制御用CPU327の内部タイマ(CH3)が繰返しタイマ割込を発生するように設定される。また、繰返し周期は2msに設定される。そして、タイマ割込が発生すると、払出制御用CPU327は、タイマ割込フラグをセットする。なお、2msタイマ割込処理において、必要ならば、CH3のレジスタに対して初期値再設定が行なわれる。
【0140】払出制御用CPU327は、ステップS708において、タイマ割込フラグがセットされたことを検出すると、タイマ割込フラグをリセットするとともに(ステップS709)、払出制御処理を実行する(ステップS710)。以上の制御によって、この実施の形態では、払出制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、払出制御処理ではメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で払出制御処理を実行してもよい。
【0141】図19は、ステップS710の払出制御処理を示すフローチャートである。払出制御処理において払出制御用CPU327は、まず、球切れスイッチ187、満タンスイッチ48、払出個数カウントスイッチ314からの検出信号が入力されたか否かを判定する(スイッチ:ステップSS751)。
【0142】次に、払出制御用CPU327は、センサ(たとえば、払出モータ312の回転角度を検出するモータ位置センサ)からの信号入力状態を確認してセンサの状態判定などを行なう(入力判定処理:ステップSS752)。払出制御用CPU327は、さらに、受信した賞球コマンドを解析し、解析結果に応じた処理を実行する(コマンド解析実行処理:ステップSS753)。
【0143】次いで、払出制御用CPU327は、球切れスイッチ187からの球切れが発生した旨の信号入力、満タンスイッチ48からの満タンである旨の入力信号のうち、少なくともいずれか一方があれば、払出停止状態に設定し、これら両入力がなくなれば払出停止状態の解除を行なう(ステップSS754)。また、このステップSS754により、主基板31から送られてくる前述した電源確認信号の状態が監視される。電源確認信号がLOWの場合は、払出制御用CPU327は、待機状態(停止状態)となり、制御を何ら行なわない状態となる。この待機状態については、後に詳しく説明する。
【0144】次に、払出制御用CPU327は、プリペードカードユニット制御処理を行なう(ステップSS755)。ステップSS755では、プリペードカードユニット50との接続状態の監視が行なわれ、未接続の場合には発射停止状態設定処理が行なわれて、打球発射不能状態となる。
【0145】また、払出制御用CPU327は、球貸要求に応じて貸玉を払出す制御を行なう(ステップSS756)。さらに、払出制御用CPU327は、賞球未払出カウンタに格納された個数の賞球を払出す賞球制御処理を行なう(ステップSS757)。そして、払出制御用CPU327は、出力ポート372cおよび中継基板72を介して玉払出装置97の払出機構部分における払出モータ312に向けて駆動信号を出力し、ステップS756の球貸制御処理またはステップSS757の賞球制御処理で設定された回転数分払出モータ312を介して払出モータ制御処理を行なう(ステップSS758)。
【0146】次に制御がステップSS758aへ進み、遊技者が打球操作を行なってタッチリング308からのタッチ検出信号の入力があれば、発射モータ駆動回路330から発射モータ94へ発射駆動制御信号を出力して(図9参照)、発射制御処理が行なわれる。つまり、払出制御用マイクロコンピュータ70aは、前記制御開始信号を受信し、かつ所定の発射可能条件(カードユニット50の接続,タッチリング308からのタッチ検出信号の入力,満タンスイッチ48による満タン検出がなされてないこと)が成立した場合に、前記発射駆動手段へ駆動信号を出力する。なお、ステップS758aにより, 所定の発射可能条件(カードユニット50の接続,タッチリング308からのタッチ検出信号の入力,満タンスイッチ48による満タン検出がなされてないこと)が成立した場合に、主基板31に対して発射モータ94の駆動状態を示す発射駆動状態信号を出力回路326bから出力するようにしてもよい。つまり、前記払出制御用マイクロコンピュータ70aは、前記制御開始信号を受信し、かつ所定の発射可能条件(カードユニット50の接続,タッチリング308からのタッチ検出信号の入力,満タンスイッチ48による満タン検出がなされてないこと)が成立した場合に、前記遊技制御基板(主基板)31に対して前記発射駆動手段の駆動状態を示す発射状態信号を出力する(SJ6参照)。
【0147】なお、この実施の形態では、払出モータ312としてステッピングモータが用いられ、払出モータ312を制御するために1−2層励磁方式が用いられる。したがって、具体的には、払出モータ制御処理において、8種類の励磁パターンデータが繰返し払出モータ312に出力される。また、この実施の形態では、各励磁パターンデータが4msずつ出力される。
【0148】次いで、エラー検出処理が行なわれ、その結果に応じてエラー報知用7セグメント表示器334に前述した各種エラー原因の表示を行なう(エラー:ステップS759)。
【0149】図20は、ステップSS751のスイッチ処理の一例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、払出制御用CPU327は、まずS751aにより、賞球払出中であるか否かの判断を行なう。賞球払出中でない場合にはS751mへ進み、貸し球払出中であるか否かの判断がなされ、貸し球払出中でない場合にはこのサブルーチンプログラムが終了する。賞球払出中である場合には制御がS751bへ進み、払出個数カウントスイッチ314がONになっているか否かの判断がなされる。ON状態を示していれば、制御がS751cへ進み、賞球カウントスイッチオンカウンタを「1」加算更新する処理がなされる。
【0150】この賞球カウントスイッチオンカウンタは、賞球払出中に払出個数カウントスイッチ314のオン状態を検出した回数を計数するためのカウンタである。そして、S751dにより、賞球カウントスイッチオンカウンタの値がチェックされてその値が2になっていれば、1個賞球の払出が行なわれたと判断する。1個の賞球の払出が行なわれたと判断された場合には、制御がS751eに進み、賞球未払出カウンタを−1する処理がなされる。
【0151】一方、S751bによりNOの判断がなされた場合にはS751fへ進み、賞球カウントスイッチオンカウンタをクリアする処理がなされる。
【0152】一方、貸し球の払出中である場合には制御がS751gへ進み、払出個数カウントスイッチがONになっているか否かの判断がなされる。貸し球の払出中にその貸し球が払出個数カウントスイッチ314により検出されればS751gによりYESの判断がなされて制御がS751hへ進み、球貸カウントスイッチオンカウンタを「1」加算更新する処理がなされる。そして、S751jにより、球貸カウントスイッチオンカウンタが「2」になったか否かの判断がなされ、なった段階でS751kに進み、貸し球未払出カウンタを「1」減算更新する処理がなされる。このように、貸し球の払出制御においても、賞球の払出制御と同様に、球貸カウントスイッチオンカウンタが「2」になった段階で、1個の球貸の払出が行なわれたと判断し、S751kによる「1」の減算更新が行なわれるのである。
【0153】S751gによりNOの判断がなされた場合には制御がS751iへ進み、球貸カウントスイッチオンカウンタがクリアされる。
【0154】図21は、割込処理によるコマンド受信処理を示すフローチャートである。主基板31からの前述したREQ信号は払出制御用CPU327のCLK/TRG2端子に入力される。よって、主基板31からのREQ信号がオン状態(LOWレベル)になると、払出制御用CPU327に割込がかかり、図21に示す賞球コマンドの受信処理が開始される。この実施の形態では、受信した賞球コマンドを格納するための確定コマンドバッファ領域が設けられている。
【0155】賞球コマンドの受信処理において、払出制御用CPU327が、まず、賞球コマンドデータの入力に割当てられている入力ポートからデータを読込む(ステップS851)。そして、受信した賞球コマンドを確定コマンドバッファ領域に格納する(ステップS852)。
【0156】図22は、ステップSS753のコマンド解析実行処理の一例を示すフローチャートである。コマンド解析実行処理において、払出制御用CPU327は、確定コマンドバッファ領域中に受信コマンドがあるか否かの確認を行なう(ステップS753a)。受信コマンドがあれば、賞球コマンドで指示された賞球個数を賞球未払出カウンタに加算する(ステップS753c)。すなわち、払出制御用CPU327は、主基板31のCPU56から送り出された賞球コマンドに含まれる賞球数をバックアップRAM領域に記録する。
【0157】図23は、図19のSS754に示された払出停止状態設定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まずS754aにより、球切れスイッチ187からの球切れ信号が入力されたか否かの判断がなされる。入力されている場合には、S754hに進み、球切れ信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53へ送信する処理がなされる。そして、S754dにより、払出停止状態設定中であるか否かの判断がなされる。まだ払出停止状態設定中でない場合にはS754eにより、払出停止状態が設定される。その結果、後述するS531aによりYESの判断がなされることとなり、賞球の払出制御が実行されない状態となる。
【0158】S754aによりNOの判断がなされた場合には、S754bにより、満タンスイッチ48からの満タン信号の入力があったか否かの判断がなされる。満タン信号の入力があった場合にはS754cへ進み、満タン信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53へ送信する処理がなされた後、制御がS754dへ進む。
【0159】一方、S754bによりNOの判断がなされた場合には、S754fにより、払出停止状態設定中であるか否かの判断がなされる。払出停止状態設定中である場合には、S754gへ進み、払出停止状態が解除される。
【0160】このように、球切れスイッチ187が球切れを検出したかまたは満タンスイッチ48が満タン状態を検出した場合には、払出停止状態が設定されて賞球の払出が停止される一方、球切れスイッチの球切れ信号の入力がなくかつ満タンスイッチからの満タン信号の入力もなくなれば、払出停止状態が解除されて、賞球の払出制御が開始される。
【0161】図24は、ステップSS755のプリペードカードユニット制御処理の一例を示すフローチャートである。プリペードカードユニット制御処理において、払出制御用CPU327は、カードユニット制御用マイクロコンピュータにより入力されるVL信号を検知したか否かを確認する(ステップS755a)。VL信号を検知していなければ、VL信号非検知カウンタを+1する(ステップS755b)。また、払出制御用CPU327は、VL信号非検知カウンタの値が本例では125であるか否かを確認する(ステップS755c)。VL信号非検知カウンタの値が125であれば、払出制御用CPU327は、発射制御基板91への発射制御信号出力を停止するべく非接続フラグをセットする(ステップS755d)。
【0162】以上の処理によって、125回(2ms×125=250ms)継続してVL信号のオフが検出されたら、玉発射禁止状態に設定される。
【0163】ステップS755aにおいてVL信号を検出していれば、払出制御用CPU327は、VL信号非検知カウンタをクリアする(ステップS755e)。そして、払出制御用CPU327は、非接続フラグが既にセット中であるか否かの判断を行ない(ステップS755f)、非接続フラグが既にセットされている場合にはその非接続フラグをクリアする処理がなされる(ステップS755g)。
【0164】図25および図26は、SS757の賞球制御処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。なお、この例では、連続的な払出数の最大値を15個としているが、他の数であってもよい。
【0165】賞球制御処理において、払出制御用CPU327は、まず払出停止状態の設定中であるか否かの判断を行なう(S531a)。払出停止状態設定中の場合にはこのサブルーチンプログラムが終了する。その結果、S754eによる払出停止状態が設定されている最中では、賞球の払出制御が行なわれない状態となる。払出停止状態の設定中でない場合には、払出制御用CPU327は、貸玉払出中であるか否かの確認を行なう(ステップS531)。なお、この確認は、球貸処理中フラグの状態により判断される。貸玉払出中でなければ賞球の払出中であるか否かを確認し(ステップS532)、賞球の払出中であれば図26に示す賞球中の処理に移行する。この確認は、後述する賞球処理中フラグの状態により判断される。
【0166】貸玉払出中でも賞球払出中でもなければ、払出制御用CPU327は、カードユニット50からの球貸準備要求があるか否かの確認を行なう(ステップS533)。なお、この確認は、払出制御用CPU327により、カードユニット50から入力されるPRDY信号のオン(要求あり)またはオフ(要求なし)を確認することにより行なわれる。
【0167】カードユニット50からの球貸準備要求がなければ、払出制御用CPU327は、賞球未払出カウンタに格納されている賞球数(未払出の賞球数)が0でないか否かの確認を行なう(ステップS534)。賞球未払出カウンタに格納されている賞球数が0でなければ、賞球制御用CPU327は、賞球処理中フラグをオンする(ステップS535)。
【0168】次に払出制御用CPU327は、賞球未払出カウンタの値に相当する賞球個数を払出す動作を設定する。その結果、その設定された個数だけの賞球を払出すように払出モータ312を駆動制御する処理がなされる。そして、ステップS538での設定に従って払出モータ312をオンする(ステップS539)。そして、図26に示す賞球制御処理における賞球払出中の処理に移行する。
【0169】図26は、払出制御用CPU327により払出制御処理における賞球中の処理の一例を示すフローチャートである。賞球制御処理では、払出モータ312がオンしていなければオンする。なお、この実施の形態では、ステップS751のスイッチ処理で、払出個数カウントスイッチ314の検出出力による遊技球の払出がなされたか否かの確認を行なうため、賞球制御処理では賞球未払出カウンタの減算などは行なわれない。賞球中の処理において、払出制御用CPU327は、賞球通過待ち時間中であるか否かの確認を行なう(ステップS540)。賞球通過待ち時間中でなければ、賞球払出を行ない(ステップS541)、払出モータ312の駆動を終了すべきか(本例では15個または15個未満の所定個数の払出動作が終了したか)否かの確認を行なう(ステップS542)。具体的には、所定個数の払出に対応した回転が完了したか否かを確認する。所定個数の払出に対応した回転は、モータ位置センサ313の出力によって監視される。所定個数の払出に対応した回転が完了した場合には、払出制御用CPU327は、払出モータ312の駆動を停止し(ステップS543)、賞球通過待ち時間の設定を行なう(ステップS542)。賞球通過待ち時間は、最後の払出玉が払出モータ312によって払出されてから払出個数カウントスイッチ314を通過するまでの時間である。
【0170】一方、ステップS540を見て賞球通過待ち時間中であれば、払出制御用CPU327は、賞球通過待ち時間が終了したか否かの確認を行なう(ステップS544)。貸玉通過待ち時間の終了を確認すると、ステップS538で設定された賞球がすべて払出された状態であるので、払出モータ312をオフするとともに(ステップS544)、賞球処理中フラグをオフする(ステップS546)。次に、払出制御用CPU327は、払出完了信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53へ出力する処理を行なう(S546a)。その結果、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、送信した賞球コマンド分の賞品玉の払出が完了したことを把握することができる。なお、賞球通過待ち時間が経過するまでに最後の払出玉が払出個数カウントスイッチ314を通過しなかった場合には、賞球径路エラーとされる。
【0171】また、この実施の形態では、ステップS531の判断によって球貸が賞球処理よりも優先されることになるが、賞球処理が球貸に優先されるようにしてもよい。
【0172】賞球払出カウンタおよび未払出の貸玉個数を記憶する賞球払出カウンタのカウント値データは、遊技機の電源が断しても、所定期間電源基板910のバックアップ電源によって保存される。したがって、所定期間中に電源が回復すると、払出制御用CPU327は、それら未払出カウンタのカウント値に基づいて払出処理を継続することができる。
【0173】図27は、S758aに示された発射制御処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。SJ1により、払出停止状態の設定中であるか否かの判断がなされる。前述したS754eによる払出停止状態の設定がなされている場合には、YESの判断がなされて制御がSJ3へ進み、発射制御信号の出力を停止する処理がなされる。その結果、打球発射不能状態となる。一方、払出停止状態の設定中でない場合には制御がSJ2へ進み、非接続フラグがセットされているか否かの判断がなされる。この非接続フラグは、図24で前述したように、カードユニット50とパチンコ遊技機1とが接続されていないときにセットされ、接続されたときにクリアされるものである。非接続フラグがセットされている場合には、制御がSJ3へ進み、発射制御用信号を出力停止状態にする処理がなされる。その結果、打球発射不能状態となる。
【0174】一方、非接続フラグのセットがなされていない場合にはSJ4へ進み、タッチ検出信号の入力があるか否かの判断がなされる。タッチリング308からの検出信号が入力されておれば、制御がSJ5へ進み、発射制御信号を打球モータ94へ出力する処理がなされる。その結果、打球発射可能状態となる。次にSJ6へ進み、発射状態信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53へ送信する処理がなされる。
【0175】図28は、演出制御用CPU323が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また表示制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、この実施の形態では、演出制御用CPU323は、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)の確認を行うループ処理に移行する。ループ処理では、主基板31から受信した演出制御コマンドを解析する処理であるコマンド解析処理を実行する(ステップS702)。
【0176】図29に示すように、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU323は、タイマ割込フラグをセットする(ステップS711)。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU323は、そのフラグをクリアし(ステップS703,S704)、乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新するカウンタ更新処理(ステップS706)および表示制御プロセス処理(ステップS707)を実行する。
【0177】なお、この実施の形態では、タイマ割込は16.7ms(1/60秒)毎にかかるとする。すなわち、カウンタ更新処理および表示制御プロセス処理は、16.7ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な表示制御処理(表示制御プロセス処理)はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で表示制御処理を実行してもよい。
【0178】また、タイマ割込はより短い周期でかかるようにし(例えば2ms)、タイマ割込処理ではカウンタ更新処理を実行せず、カウンタ更新処理は、特別図柄表示部9の同期信号(SYNC)に同期して起動されるように構成してもよい。
【0179】図30は、主基板31から受信した演出制御コマンドを格納するための受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよく、例えば、図柄指定コマンド格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド受信バッファ)、それ以外の変動パターン指定などのコマンド格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受信バッファ)のようなバッファ構成としてもよい。
【0180】図31は、割込処理による演出制御コマンド受信処理を示すフローチャートである。主基板31からの演出制御用のINT信号は演出制御用CPU323の割込端子に入力されている。主基板31からのINT信号が立ち上がると、演出制御用CPU323に割込がかかり、図31に示す演出制御コマンドの受信処理が開始される。なお、演出制御用CPU323は、割込が発生すると、ソフトウェアで割込許可にしない限り、マスク可能割込がさらに生ずることはないような構造のCPUである。また、この実施の形態では、割込端子の入力が立ち上がると割込が発生するが、割込端子の入力が立ち下がると割込がかかるようなCPUの初期設定を行ったり、割込端子の入力が立ち下がると割込がかかるようなCPUを用いてもよい。
【0181】すなわち、取込信号としてのパルス状(矩形波状)のINT信号のレベル変化タイミング(エッジ)で割込が発生するように構成すれば、エッジは立ち上がりエッジであっても立ち下がりエッジであってもよい。いずれにせよ、取込信号としてのパルス状(矩形波状)のINT信号のレベル変化タイミング(エッジ)で割込が発生するように構成される。このようにすることで、コマンドの取込が指示された段階でいち早くコマンド受信を行うことが可能になる。
【0182】演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用CPU323は、まず、各レジスタをスタックに退避する(ステップS600)。次いで、演出制御コマンドデータの入力に割り当てられている入力ポートからデータを読み込む(ステップS601)。そして、2バイト構成の表示制御コマンドのうちの1バイト目であるか否か確認する(ステップS602)。1バイト目であるか否かは、受信したコマンドの先頭ビットが「1」であるか否かによって確認される。先頭ビットが「1」であるのは、2バイト構成である表示制御コマンドのうちのMODEバイト(1バイト目)のはずである。そこで、演出制御用CPU323は、先頭ビットが「1」であれば、有効な1バイト目を受信したとして、受信したコマンドを受信バッファ領域におけるコマンド受信個数カウンタが示す受信コマンドバッファに格納する(ステップS603)。
【0183】演出制御コマンドのうちの1バイト目でなければ、1バイト目を既に受信したか否か確認する(ステップS604)。既に受信したか否かは、受信バッファ(受信コマンドバッファ)に有効なデータが設定されているか否かによって確認される。
【0184】1バイト目を既に受信している場合には、受信した1バイトのうちの先頭ビットが「0」であるか否か確認する。そして、先頭ビットが「0」であれば、有効な2バイト目を受信したとして、受信したコマンドを、受信バッファ領域におけるコマンド受信個数カウンタ+1が示す受信コマンドバッファに格納する(ステップS605)。先頭ビットが「0」であるのは、2バイト構成である演出制御コマンドのうちのEXTバイト(2バイト目)のはずである。なお、ステップS604における確認結果が「1バイト目を既に受信した」(=Y)である場合には、2バイト目として受信したデータのうちの先頭ビットが「0」でなければ処理を終了する。なお、ステップS604で「N」と判断された場合には、ステップS606の処理が行われないので、次に受信したコマンドは、今回受信したコマンドが格納されるはずであったバッファ領域に格納される。
【0185】ステップS605において、2バイト目のコマンドデータを格納すると、コマンド受信個数カウンタに2を加算する(ステップS606)。そして、コマンド受信カウンタが12以上であるか否か確認し(ステップS607)、12以上であれば受信コマンドバッファにオーバフローが生じているのでコマンド受信個数カウンタをクリアする(ステップS609)。その後、退避されていたレジスタを復旧し(ステップS610)、最後に割込許可に設定する(ステップS611)。
【0186】演出制御コマンドは2バイト構成であって、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)とは、受信側で直ちに区別可能に構成されている。すなわち、先頭ビットによって、MODEとしてのデータを受信したのかEXTとしてのデータを受信したのかを、受信側において直ちに検出できる。よって、上述したように、適正なデータを受信したのか否かを容易に判定することができる。
【0187】ステップS607で受信コマンドバッファにオーバフローが生じていないことが確認されたら、すなわち、正常に受信コマンドバッファに受信コマンドが確認されたら、制御がS610へ進む。
【0188】図32は、コマンド解析処理(ステップS702)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、演出制御用CPU232は、コマンド解析処理において、受信コマンドバッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
【0189】コマンド解析処理において、演出制御用CPU323は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS751)。格納されているか否かは、コマンド受信カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信コマンドが格納されていない場合には処理を終了する。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU323は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS752)。なお、1バイト分読み出す毎に読出ポインタの値を+1しておく。
【0190】読出した受信コマンドの1バイト目に基づいて、その受信コマンドの種類を判定する処理がなされる(ステップS753、S754、S759)。SF3に従って賞球残ありコマンドのみが主基板31から演出制御基板80へ送信されてきた場合には、制御がS753→S754→S758と進み、賞球ランプ(賞球/満タンランプ)51を点灯する処理がなされるとともに、払出中音をスピーカ27から発生させる制御がなされる。一方、SF3およびSF4の両方の処理に従って、賞球残ありコマンドと満タンコマンドとの両方が主基板31から送信されてきている場合には、制御がS755へ進み、賞球ランプ(賞球/満タンランプ)51を点滅させ、玉抜きのメッセージ音声をスピーカ27から発生させる制御がなされる。次に、特別図柄表示部9が可変表示中であるか否かの判断がなされ(ステップS756)、可変表示中でない場合には、玉抜きのメッセージ表示をその特別図柄表示部9により表示させる制御がなされる。
【0191】このように、未払出有りコマンドのみが送信されてきている場合には、賞球/満タンランプ51が点灯状態となり、未払出有りコマンドと満タンコマンドとの両方が送信されてきている場合に初めて賞球/満タンランプ51が点滅状態に切替わる。すなわち、満タンコマンドが送信されてきているものの未払出コマンドが送信されてきていない場合には、S755の処理がなされることがなく、賞球/満タンランプが点滅状態となることがない。
【0192】一方、主基板31から球切れコマンドが送信されてきている場合には、S759によりYESの判断がなされてS760により、球切れランプ52を点灯させる制御がなされる。一方、主基板31から送信されてきたコマンドが可変表示制御用のコマンドである場合には、制御がS761へ進み、可変表示制御処理が実行される。この可変表示制御処理は、可変表示動作に応じてスピーカ27から効果音を発生させたり各種ランプ・LEDを点灯または点滅制御させる処理も含んでいる。
【0193】次に、以上説明した実施の形態における変形例や特徴点等を、以下に列挙する。
【0194】(1) 本実施の形態では、遊技媒体貯留部(打球供給皿3、余剰球受皿4)に貯留されている遊技媒体(遊技球)が発射位置に誘導されて発射手段により発射されるために、未払出の遊技媒体がないときには発射に応じて貯留されている遊技媒体が減少する。その結果、遊技媒体を払出す払出手段(球払出装置97)と遊技媒体貯留部との間の遊技媒体通路に設けられた許容量貯留検出手段(満タンスイッチ48)による満タンの検出が行なわれなくなる。故に、満タン検出が行なわれたとしても、未払出遊技媒体が存在しないときには、遊技媒体貯留部(打球供給皿3、余剰球受皿4)に貯留されている遊技媒体を抜き取る等して他の貯留部に移し替える必要がなくなる。未払出遊技媒体が存在しない場合にはたとえ許容量貯留検出手段(満タンスイッチ48)により領域許容量に達した旨の検出が行なわれたとしても報知手段(賞球/満タンランプ51)による報知がなされないが、未払出遊技媒体が存在しない以上前述したように遊技媒体の発射に伴って遊技媒体貯留部の貯留量が減少するために、報知を行なわないことによる不都合が生じず、本発明における報知手段による報知態様が有効に活きてくる。
【0195】(2) 前記エラー報知用7セグメント表示器334により、遊技媒体(遊技球)の払出に関する異常状態が発生した場合に当該発生した異常状態の種類(原因)を報知する異常種類(原因)報知手段が構成されている。前記エラー解除スイッチ333により、遊技媒体(遊技球)の払出に関するエラーが発生して払出制御手段(払出制御基板37)がエラー状態になった場合に、該エラー状態を解除してエラー状態から復帰させるためのエラー解除操作手段が構成されている。前記満タンスイッチ48、ドア開放スイッチ310、単発発射スイッチ309、S754により、遊技媒体(遊技球)を発射可能な状態になっていることを検出する発射可能状態検出手段が構成されている。満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、S755により、遊技媒体(遊技球)を発射可能な状態になっていることを検出する発射可能状態検出手段が構成されている。
【0196】(3) 本実施の形態においては、賞球/満タンランプ51により、第1報知と第2報知とを行なう報知部を構成しているが、それに代えて、第1報知を行なう専用のランプやLED(第1報知部)と第2報知を行なう専用のランプやLED(第2報知部)とを設け、両者により報知手段を構成してもよい。
【0197】また、未払出の遊技媒体がある場合に、その未払出遊技媒体個数を遊技者に報知するための未払出遊技媒体個数報知手段を遊技機に設けてもよい。
【0198】(4) 前述したSH2,SH4,SH6およびSI4,SI5で示したように、本実施の形態においては、入賞の発生により未払出遊技媒体数を加算更新するとともに払出制御手段への遊技媒体数コマンドの送信に応じて未払出遊技媒体数を減算更新するものを示したが、本発明はこれに限らず、入賞の発生により未払出遊技媒体数を減算更新するとともに、払出制御手段への遊技媒体数コマンドの送信に応じて未払出遊技媒体数を加算更新するようにし、未払出遊技媒体数が0になった状態で払出が完了したものと判定するようにしてもよい。さらには、未払出遊技媒体数として初期値(たとえば16等の所定の数値)を予め設定しておき、入賞の発生により未払出遊技媒体数を加算(または減算)更新するとともに、払出制御手段への遊技媒体数コマンドの送信に応じて未払出遊技媒体数を減算(または加算)更新し、未払出遊技媒体数が前記初期値(たとえば16)になったことにより払出が完了したものと判定するようにしてもよい。
【0199】(5) 本発明は、スロットマシンにも適用できる。スロットマシンに適用した場合には、具体的に以下のようなものとなる。遊技者が遊技媒体の一例のコインを投入して賭数を入力し、スタートレバーを操作すると、複数のリールが可変開始して遊技者のストップボタンの操作または所定時間の経過により、各リールが停止し、停止時に表示された識別情報の組合せに応じて、大当りまたはボーナスゲームまたはビッグボーナスゲーム等の入賞が発生して、所定個数のコインが払出される。そのコインは、遊技媒体貯留部としてのコイン貯留皿に貯留される。そのコイン貯留皿がコインで満タンとなった(貯留許容量に達した)ことが満タン検出器(許容量貯留検出手段)により検出されたときには入賞が発生してもそれ以上のコインの払出が停止されるとともに、入賞が発生したにもかかわらず未だ払出されていない未払出のコイン個数を記憶するコイン個数記憶手段(クレジット数記憶手段)が設けられている。そのコイン個数記憶手段に未払出コイン個数(クレジット数)の記憶があるときにその旨を表わす第1報知(点灯)を遊技者に行なうとともに、コイン個数記憶手段に未払出コイン個数の記憶がありかつ満タン検出器による貯留許容量に達した旨(満タンになった旨)の検出がなされているときにその旨を表わす第2報知(点滅)を遊技者に対して行なう報知手段(ランプ)と、その報知手段を制御する報知制御手段(遊技制御用のマイクロコンピュータまたはリールの可変表示制御用のマイクロコンピュータ)とが備えられている。
【0200】そして、その報知制御手段は、コイン個数記憶手段に未払出コイン個数(クレジット数)の記憶がありかつ満タン検出器(許容量貯留検出手段)による貯留許容量に達していること(満タンになったこと)の検出がなされて前記第2報知を行なう第2報知開始条件が成立したか否かを判定し、その第2報知開始条件の成立した旨の判定が行なわれたときには、前記第1報知を終了させて第2報知を開始する制御が行なわれる。
【0201】また、遊技制御手段(遊技制御用のマイクロコンピュータ)と可変表示制御手段(リールの可変表示制御用のマイクロコンピュータ)とを備え、遊技制御手段から可変表示制御手段へ、コイン個数記憶手段に未払出コイン個数(クレジット数)の記憶がある旨のコマンドと、満タン検出器による貯留許容量に達した旨(満タンになった旨)の検出がなされている旨のコマンドとが送信され、前記可変表示制御手段が、前記遊技制御手段からのコマンドにより前記報知手段を制御するようにしてもよい。
【0202】(6) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。
【図2】 パチンコ遊技機の遊技盤の正面図である。
【図3】 パチンコ遊技機の内部構造を示す全体背面図である。
【図4】 遊技球貯留部の構造を説明するための斜視図である。
【図5】 満タンスイッチの設置箇所を示すとともに貯留された遊技球が抜き取られる状態を説明するための図である。
【図6】 パチンコ遊技機に用いられている制御回路を示すブロック図である。
【図7】 景品球(賞球)の払出制御を説明するための回路を示すブロック図である。
【図8】 主基板と払出制御基板との間での信号の交信を説明するための図である。
【図9】 球貸制御と玉発射制御を説明するための回路を示すブロック図である。
【図10】 主基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図11】 タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図12】 表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【図13】 表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【図14】 (a)は賞球処理を示すフローチャートであり、(b)は球切れチェック処理を示すフローチャートである。
【図15】 (a)は満タンチェック処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートであり、(b)は賞球コマンド送信処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図16】 払出中フラグクリア処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図17】 (a)は賞球個数加算処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートであり、(b)は賞球個数減算処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図18】 払出制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図19】 払出制御処理を示すフローチャートである。
【図20】 スイッチ処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図21】 コマンド受信割込処理のプログラムを示すフローチャートである。
【図22】 コマンド解析実行処理のプログラムを示すフローチャートである。
【図23】 払出停止状態設定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図24】 PCユニット制御処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図25】 賞球制御処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図26】 賞球制御処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図27】 発射制御処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図28】 演出制御用CPUにより行なわれる演出制御のメイン処理を示すフローチャートである。
【図29】 タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図30】 コマンド受信バッファの構成を示す説明図である。
【図31】 コマンド受信割込処理を示すフローチャートである。
【図32】 コマンド解析処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 遊技機の一例のパチンコ遊技機、7 遊技領域、8 可変表示装置、50プリペイドカードユニット、31 主基板、37 払出制御基板、80 演出制御基板、97 遊技媒体払出手段の一例の球払出装置、312 払出モータ、94 発射モータ、48 許容量貯留検出手段の一例の満タンスイッチ、187球切れスイッチ、51 報知手段の一例の賞球/満タンランプ、3 遊技媒体貯留部の一例の打球供給皿、4 遊技媒体貯留部の一例の余剰球受皿。
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシン等で代表される遊技機に関し、詳しくは、遊技媒体を使用して遊技が可能であるとともに、入賞の発生により遊技媒体が遊技媒体貯留部に払出される遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の遊技機において、従来から一般的に知られているものに、たとえば、遊技媒体貯留部(打球供給皿等)に貯留されている遊技媒体が貯留許容量(満タン)に達したことが検出されたときに遊技媒体貯留部への遊技媒体の払出を停止させてそれ以上遊技媒体が払出されないようにした上で、未払出の遊技媒体数を遊技者に報知したり、前記貯留許容量に達した旨の報知を行なったりするものがあった。
【0003】しかし、この従来のものでは、前記貯留許容量に達したときにのみ報知が行なわれるものであるために、他の原因たとえば払出すべき遊技媒体の欠乏(玉切れ)等の原因により払出が停止して未払出の遊技媒体が発生したときには報知されないので、払出が停止したときに外部からその原因を認識できないという不都合があった。
【0004】一方、従来の遊技機においては、入賞の発生の検出結果と遊技媒体の払出の検出結果とにより算出した遊技媒体の未払出数がある旨を報知するものがあった。この従来のものでは、遊技媒体の未払出数がある旨を報知するだけであったので、やはり、遊技媒体貯留部への遊技媒体の払出が停止されたときに外部からその停止の原因が認識できないという不都合があった。
【0005】そこで、従来において、未払出の遊技媒体がなくても前記貯留許容量に達した旨の検出がなされれば報知を行なうものが考え出された。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来のものにおいては、未払出の遊技媒体がないにも拘らず前記貯留許容量に達しただけで報知がなされるために、不必要な報知が行なわれるという不都合が生じる。つまり、報知を行なうそもそもの目的は、遊技媒体貯留部の遊技媒体が貯留許容量に達しかつ未払出遊技媒体が発生した場合に、報知を行なって遊技媒体貯留部の遊技媒体を他の貯留容器等に移し替えることを遊技者に促すためである。しかし、従来のものにおいては、前記貯留許容量に達しただけでまだ未払出遊技媒体が存在しないにも拘らず報知が行なわれる場合があり、無駄な報知が行なわれるという欠点があった。
【0007】本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、不必要な報知を低減するとともに、遊技媒体貯留部の遊技媒体を移し替える必要があるか否かを外部から確実に認識可能な遊技機を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】(1) 遊技媒体(パチンコ玉やコイン等)を使用して遊技が可能であるとともに、入賞の発生により遊技媒体が払出される遊技機であって、遊技媒体を払出すための遊技媒体払出手段(球払出装置97)と、払出された遊技媒体を貯留する遊技媒体貯留部(打球供給皿3)と、該遊技媒体貯留部に貯留されている遊技媒体が貯留許容量(満タン)に達したことを検出する許容量貯留検出手段(満タンスイッチ48)と、該許容量貯留検出手段による前記貯留許容量に達した旨の検出が行なわれたときに遊技媒体の払出を停止する払出停止手段(S754e,S531a)と、入賞が発生したにも拘らず未だ払出されていない未払出の遊技媒体個数を特定可能な情報を記憶する未払出個数記憶手段(SH1〜SH6,SI1〜SI5)と、該未払出記憶手段に未払出遊技媒体個数の記憶があるときにその旨を表わす第1報知(点灯、払出中音)を遊技者に対し行なうとともに、前記未払出記憶手段に未払出遊技媒体個数の記憶がありかつ前記許容量貯留検出手段による前記貯留許容量に達したことの検出がなされているときにその旨を表わす第2報知(点滅、玉抜きメッセージ音声、玉抜きメッセージ表示)を遊技者に対し行なう報知手段(賞球/満タンランプ51、スピーカ27、特別図柄表示部9)と、該報知手段を制御する報知制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ70)とを備え、該報知制御手段は、前記未払出記憶手段に未払出遊技媒体個数の記憶がありかつ前記許容量貯留検出手段による貯留許容量に達していることの検出がなされて前記第2報知を行なう第2報知開始条件が成立したか否かを判定する判定手段(S753、S754)を含み、該判定手段が前記第2報知開始条件の成立した旨の判定を行なったときには前記第1報知を終了させて第2報知を開始させる制御を行なう(S755:点灯状態から点滅状態に変化する、払出中音から玉抜きメッセージ音声に変化する)ことを特徴とする。
【0009】このような構成によれば、第1報知によって未払出遊技媒体があることが認識できるとともに、第2報知によって遊技媒体貯留部の遊技媒体を移し替える必要性が生じたことが確実に認識できる。しかも、前記未払出記憶手段に未払出遊技媒体個数の記憶がありかつ前記許容量貯留検出手段による貯留許容量に達していることの検出がなされて前記第2報知を行ない、第2報知が行なわれる場合には第1報知が終了するために、不必要な報知を低減することができる。
【0010】(2) 遊技機の遊技状態を制御する遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53)をさらに備え、該遊技制御手段は、前記未払出記憶手段に未払出遊技媒体個数の記憶がある旨のコマンド(賞球残有りコマンド)と、前記許容量貯留検出手段による前記貯留許容量に達したことの検出がなされている旨のコマンド(満タンコマンド)とを前記報知制御手段へ送信し(SI9、SF2)、前記報知制御手段は、前記遊技制御手段からのコマンドを受信し(S601〜S605)、該コマンドに基づいて前記判定手段による判定を行ない(S751〜S754)、該判定結果により前記報知手段を制御する(S755、S758)ことを特徴とする。
【0011】このような構成によれば、報知制御手段側において未払出の遊技媒体の記憶がありかつ貯留許容量に達したことの検出がなされている旨の判定が行なわれてその判定結果により報知が実行されるために、遊技制御手段側の負担を軽減することができる。
【0012】(3) 前記遊技媒体払出手段を制御する払出制御手段(払出制御用マイクロコンピュータ70a)をさらに備え、遊技機の遊技状態を制御する遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53)から払出すべき遊技媒体の個数を指定する遊技媒体数コマンド(賞球コマンド)が出力され、前記払出制御手段は、前記遊技媒体数コマンドを受けて指定された個数の遊技媒体を前記払出手段から払出すための制御を行ない(S532〜S535、S538〜S546)、前記遊技制御手段は、前記未払出記憶手段を含み、入賞の発生により前記未払出遊技媒体数を加算更新(SH2、SH4、SH6)するとともに、前記払出制御手段への前記遊技媒体数コマンドの送信に応じて前記未払出遊技媒体数を減算更新する(SI4、SI5)ことを特徴とする。
【0013】このような構成によれば、遊技媒体数コマンドの送信がなされた段階で速やかに未払出遊技媒体数が減算更新されるために、その減算更新内容を前記報知手段による報知に反映させることができる。
【0014】(4) 前記払出制御手段は、遊技媒体の払出制御が完了したときに払出完了信号を前記遊技制御手段へ送信し(S546a)、前記遊技制御手段は、前記払出完了信号を受信するまで次の遊技媒体数コマンドを送信しないことを特徴とする(SL1によりYESの判断がなされて現在セットされている払出中フラグがSL2でクリアされてSG1によりNOの判断がなされない限りSG3,SG4による賞球コマンドのセットがなされない)。
【0015】このような構成によれば、遊技媒体の払出が完了したことを遊技制御手段が確実に認識できる。
【0016】(5) 前記許容量貯留検出手段の検出信号が前記払出制御手段に入力され(図7)、該払出制御手段は、前記許容量貯留検出手段からの検出信号を入力したときに(S754bによりYESの判断がなされたときに)遊技媒体の払出を停止させるとともに(S754eにより払出停止状態の設定がなされてS531aによりYESの判断がなされてS531以降の払出制御が行なわれない)、前記遊技制御手段へ前記貯留許容量に達した旨の検出が行なわれたことを示す信号(満タン信号)を送信し(S754c)、前記遊技制御手段は前記信号に基づいて前記貯留許容量に達した旨の検出が行なわれたか否かを判定することを特徴とする(SF1)。
【0017】このような構成によれば、払出制御手段自体に前記貯留許容量に達したことの検出信号が入力されてその払出制御手段が遊技媒体の払出を停止させるために、速やかに遊技媒体の払出を停止させることができ、さらに、貯留許容量に達している旨の信号が遊技制御手段へ送信されるために、遊技制御手段に貯留許容量に達していることの認識をさせることができる。
【0018】(6) 遊技領域に遊技媒体を発射する発射手段(打球発射装置34)と、前記遊技媒体貯留部に貯留されている遊技媒体を前記発射手段の発射位置に誘導するための通路(球送り通路64)とをさらに備え、前記許容量貯留検出手段は、前記払出手段と前記遊技媒体貯留部との間の遊技媒体通路(遊技球通路68)に設けられていることを特徴とする。
【0019】このような構成によれば、発射位置に遊技媒体を誘導する通路を備えた遊技媒体貯留部に対する貯留状態を検出して報知手段による報知に反映することができる。
【0020】(7) 前記報知制御手段は、同一の報知手段の報知態様を異ならせることにより(点灯状態と点滅状態、払出中音と玉抜きメッセージ音声)前記第1報知と前記第2報知との区別ができるように報知を実行させることを特徴とする。
【0021】このような構成によれば、第1報知と第2報知とを同一の報知手段により行なうことができ、部品点数の削減が可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、遊技媒体を使用して遊技が可能であるとともに、入賞の発生により遊技媒体が遊技媒体貯留部に払出される遊技機であればすべて対象となる。
【0023】まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面から見た正面図、図2は、パチンコ遊技機の遊技盤の正面図、図3はパチンコ遊技機1の内部構造を示す全体背面図である。
【0024】図1に示すように、パチンコ遊技機1は、縦長な方形状に枠組形成される外枠2aと、該外枠2aの内側に開閉可能に軸支されかつパチンコ遊技機1の主要構成部が集約して設けられる前面枠2bと、該前面枠2bの前面上部に開閉自在に軸支されて設けられる額縁状のガラス扉枠2とから構成されている。ガラス扉枠2および前面枠2bは、遊技枠と呼ばれる。
【0025】ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿3が設けられている。前面枠2bにおいて、打球供給皿3の下部には、打球供給皿3が満杯になったときにその貯留球を抜き取って貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。また、ガラス扉枠2の後方に位置する前面枠2bには、前面側に遊技領域7が形成された遊技盤6が着脱可能に設けられている。遊技盤6の詳細な構成については、図2に示されている。前面枠2bおよびガラス扉枠2は、パチンコ遊技機1の正面から見て左側の端部において軸支され、軸支位置を開閉軸として開閉される。
【0026】ガラス扉枠2には、遊技盤6の遊技領域7をほぼ透視し得る透視窓が開設され、該透視窓の裏面からガラス板(前面ガラスと呼ばれる)が装着されている。
【0027】この遊技領域7には、打球操作ハンドル5を操作することに応じて打球発射装置(図3に示す打球発射装置34)によって発射された遊技球が誘導レール76に誘導されて打ち込まれるが、この遊技球は、誘導レール76と遊技領域7との境界に設けられた近接スイッチにより構成される打込球スイッチ77によって検出される。この打込球スイッチ77によって検出された遊技球の数は、後述する遊技制御基板31によって特定される。
【0028】遊技領域7の中央付近には、液晶表示器よりなる特別図柄表示部9とLED表示器よりなる普通図柄表示部10とを含む可変表示装置8が設けられている。可変表示装置8には、特別図柄表示部9および普通図柄表示部10を囲む態様で、装飾部材としての飾り部材(表飾りとも呼ばれる)80が設けられている。なお、特別図柄表示部9は、液晶表示器に限らず、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED等のLED(Light Emitting Diode)、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。
【0029】また、可変表示装置8には、それぞれ4個のLEDからなる始動記憶表示器18とゲート通過記憶表示器41とが設けられている。この始動記憶表示器18のLEDの点灯している数により、特別図柄を始動させるための始動入賞口14への入賞数が上限を4として記憶されていることが表示される。また、ゲート通過記憶表示器41のLEDの点灯している数により、普通図柄を始動させるための通過ゲート11への遊技球の通過数が上限を4として記憶されていることが表示される。
【0030】なお、始動入賞口14を通過した遊技球の通路には、入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ17が設けられており、始動口スイッチ17により遊技球を検出した場合には、遊技制御基板31へ信号が送られて、始動記憶表示器18を点灯させるための制御が行なわれる。また、通過ゲート11を通過した遊技球の通路には、通過した遊技球を検出するゲートスイッチ12が設けられており、ゲートスイッチ12が遊技球を検出した場合には、遊技制御基板31に信号が送られて、ゲート通過記憶表示器41を点灯させるための制御が行なわれる。
【0031】可変表示装置8の下方位置には、普通電動役物ソレノイド307により開閉される可変入賞球装置15(電動チューリップ役物)を兼用する始動入賞口14と特定遊技状態(大当り状態)において、大入賞口ソレノイド306を駆動することで開放動作を行なう大入賞口20とが、順に配列されている。大入賞口20が設けられた構造物も、可変入賞球装置150とよばれる。
【0032】始動入賞口14に入ったセーフ球は、始動口スイッチ17によって検出され、遊技盤の背面に導かれる。また、大入賞口20へのセーフ球はVカウントスイッチ22もしくはカウントスイッチ23に検出され、遊技盤の背面に導かれる。
【0033】遊技盤6には、複数の入賞口19,24が設けられ、遊技球の入賞口19,24への入賞は入賞口スイッチ19a,24aによって検出される。複数の入賞口19,24それぞれに対応して入賞口スイッチ19a,24aが設けられているため、各入賞口19,24毎の検出を迅速に行なうことができる。
【0034】遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点灯表示される装飾LED25a,装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、遊技効果ランプ28a,28b,28cが設けられている。
【0035】そして、この例では、遊技効果ランプの近傍に、景品球払出時に点灯する賞球/満タンランプ(単に「賞球ランプ」ともいう)51と補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52とが設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸を可能にするカードユニット(プリペイドカードユニット)50も示されている。
【0036】カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可能表示ランプ151、カード内に記憶された残額情報に端数(100円未満の数)が残存する場合にその端数を打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LEDに生じさせるための端数表示スイッチ152、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記憶媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、および、カード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を開放するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0037】打球供給皿3には、度数表示LED302、球貸可LED318、返却スイッチ300、球貸スイッチ301が設けられている。これらの機器は、カードユニット50に電気的に接続されている。
【0038】カードユニット50に挿入されたプリペイドカードの残額(度数)が度数表示LED302により表示される。プリペイドカードがカードユニット50に挿入されてそのカードを用いて球貸ができる状態になれば、球貸可LED318が点灯または点滅する。遊技者がその球貸可LED318による球貸状態であることを認識して、球貸スイッチ301を操作すれば、所定金額(たとえば500円)分のパチンコ玉が打球供給皿3に貸出されるとともに、500円分の残額がプリペイドカードから減額される。その減額された後の残額(度数)が度数表示LED302により表示される。遊技者が遊技を終了する際には、返却スイッチ300を押圧操作する。すると、カードユニット50に挿入されていたプリペイドカードが遊技者側に排出される。
【0039】打球発射装置34から発射された打球は、誘導レール76を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が通過ゲート11を通ってゲートスイッチ12で検出されると、普通図柄表示部10の表示装置が連続的に変化する状態になる。また、打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ17で検出されると、図柄の変動を開始できる状態であれば、特別図柄表示部9内の図柄回転を始める。図柄の変動を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶を1増やす。
【0040】特別図柄表示部9内の映像の回転は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の画像の組合せが大当り図柄の組合せであると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、大入賞口20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、大入賞口20の開放中に打球が特定入賞領域に入賞しVカウントスイッチ22で検出されると、継続権が発生し大入賞口20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、所定回数(たとえば15ラウンド)許容される。
【0041】停止時の特別図柄表示部9内の画像の組合せが大当り発生の確率変動を伴う大当り図柄の組合せである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわちこのような場合には、確率変動状態(以下、「確変」ともいう。)という遊技者にとってさらに有利な状態となる。また、普通図柄表示部10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、確率変動状態では、普通図柄表示部10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が増加する。
【0042】また、可変表示装置8の飾り部材80の所定位置(この場合は特別図柄表示部9の左上の位置および右上の位置)には、選択遊技において遊技者が選択肢の選択をする場合に、遊技者による指示行為を検出するための指示検出手段である選択検出部(人体センサ)61,62が設けられている。選択遊技とは、たとえばリーチ状態が発生したとき等において、可変表示装置8により所定のキャラクタによる演出表示が行なわれる場合に、予め定められた複数種類の演出内容のうち遊技者が希望する演出内容を選択指示し、その指示された演出内容が可変表示装置8により表示される遊技状態である。
【0043】選択検出部61,62は、それぞれ遊技者が選択指示をする動作(行為)を光を用いて検出可能な光センサ(モーションセンサ)よりなり、検出の際の相互干渉を生じにくくするために、左右に離隔配置されている。この実施の形態において、複数の選択肢(たとえば、選択肢A,B)からいずれかの選択肢を選択する指示をする場合、遊技者は、手を選択検出部61または選択検出部62のどちらかの前にかざす動作をする。
【0044】図2中、305は演出用可動部材である。たとえばリーチ発生状態中において、演出用ソレノイド303が励磁されることにより演出用可動部材305の口が開き、演出用モータ304が駆動されることにより演出用可動部材305が前後方向に出退する。
【0045】次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図3を参照して説明する。可変表示装置8の背面では、図3に示すように、機構盤36の上部に遊技機タンク38が設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方から遊技球が遊技球タンク38に供給される。遊技球タンク38内の遊技球は、誘導樋39を通って球払出装置97に至る。
【0046】機構盤36には、特別図柄表示部9および普通図柄表示部10を制御する表示制御基板80と表示装置とから構成される表示制御ユニット20、基板ケース32に覆われた遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板ともいう)31、遊技効果ランプ28a,28b,28c、景品球などの払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータが搭載された払出制御基板37、および遊技機に設けられた各電機部品と電気部品制御基板に電源を供給する電源基板910等が設置されている。さらに、機構盤36の下部には、モータの回転力を利用して打球を遊技領域7に発射する打球発射装置34と、タッチ回路基板351(後述する)とが配置されている。
【0047】払出制御基板37の背面側には、エラー解除スイッチ333とエラー報知用7セグメント表示器334とが設けられている。パチンコ玉の払出に関して払出制御基板37に所定のエラーが発生した場合には、そのエラー原因がエラー報知用7セグメント表示器334により報知される。遊技場の係員がそのエラー報知用7セグメント表示器334を見てエラー原因を認識した上で復旧作業を行ない、その後エラー解除スイッチ333を押圧操作すれば、払出制御基板37はエラー状態から解除されて通常の払出制御が実行可能な状態に復帰する。
【0048】パチンコ遊技機1の下部のカードユニット50側には、インターフェース基板311が設けられており、このインターフェース基板311に一端が接続されたハーネス55の他端がカードユニット50に設けられたコネクタ500に接続されている。そして、インターフェース基板311と払出制御基板37のコネクタ100とが配線接続されている。これにより、カードユニット50と払出制御基板37とが、コネクタ500,インターフェース基板311,ハーネス55,コネクタ100を介して通信可能になる。
【0049】また、誘導樋39を通った遊技球は、球切れ検出器187を通過して供給樋186a,186bを経て球払出装置97に至る。球払出装置97から払出された遊技球は、遊技球通路68、連絡口67(図5参照)を通ってパチンコ遊技機1の前面に設けられている打球供給皿3に供給される。打球供給皿3の下方には、余剰球受皿4が設けられている。入賞に基づく景品球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になったときに、遊技者が後述する玉抜き操作を行なうことにより、遊技球が余剰球受皿4に導かれる。一方、打球供給皿3が満杯になると、感知レバー48aが満タンスイッチ48(図5R>5参照)を押圧して満タンスイッチ48がオンする。この状態では、球払出装置97内のステッピングモータの回転が停止して球払出装置97の動作が停止するとともに、必要に応じて打球発射装置34の駆動も停止する。なお、この実施の形態では、電気的駆動源の駆動によって遊技球を払出す球払出装置として、ステッピングモータの回転によって遊技球が払出される球払出装置97を例示するが、その他の駆動源によって遊技球を送出す構造の球払出装置を用いてもよいし、電気的駆動源の駆動によってストッパを外し遊技球の自重によって払出がなされる構造の球払出装置を用いてもよい。
【0050】また、賞球払出制御を行なうために、入賞口スイッチ19a,24a、始動口スイッチ17およびVカウントスイッチ22からの信号が、遊技制御基板31に送られる。遊技制御基板31のCPU56は、始動口スイッチ17がオンすると5個の賞球払出に対応した入賞が発生したことを知る。また、カウントスイッチ23がオンすると15個の賞球払出に対応した入賞が発生したことを知る。そして、入賞口スイッチ19a,24aがオンすると10個の賞球払出に対応した入賞が発生したことを知る。なお、この実施の形態では、たとえば、入賞口24に入賞した遊技球は、入賞口24からのセーフ球流路に設けられている入賞口スイッチ24aで検出され、入賞口19に入賞した遊技球は、入賞口19からのセーフ球流路に設けられている入賞口スイッチ19aで検出される。
【0051】図4は、遊技球貯留部としての打球供給皿3と余剰球受皿4との構造を示す斜視図である。打球供給皿3には、貯留している遊技球を下方に流下させるための開口60a,60b,60dが設けられている。開口60a,60b,60cは、通常時はシャッタにより閉鎖されている。そして、図1に示す球抜きレバー66aを遊技者がスライド操作することにより、開口60aのシャッタが開放されて貯留されている遊技球がこの開口60aから落下する状態となる。一方、図1に示された球抜きレバー66bを遊技者がスライド操作すれば、開口60bが開放されて、そこから遊技球が下方に流下できるようになる。さらに、図1に示す球抜きレバー66cを遊技者がスライド操作すれば、余剰球受皿4の開口60cが開放されて、そこから遊技球が下方に流下できる状態となる。
【0052】図5は、満タンスイッチの設置箇所を示すとともに貯留された遊技球が抜き取られる状態を説明するための図である。前述したすべての開口60a〜60dがシャッタにより閉鎖されている状態で、球払出装置97から遊技球が払出されれば、打球供給皿3内に遊技球が貯留される状態となる。その状態で、遊技者が打球操作ハンドル5を回動操作すれば、貯留されている遊技球が球出口63、球送り通路64を通って球送り部材(図示を省略)により打球発射位置にまで誘導され、打球発射装置34により1発ずつ遊技領域7に打込まれる。
【0053】打球供給皿3内に貯留された遊技球が満杯となれば、その遊技球により連絡口67が塞がれて球払出装置97から払出された遊技球で遊技球通路68に遊技球が溜まることとなる。すると、その溜まった遊技球の重みにより感知レバー48aが押されて満タンスイッチ48がオンして満タンになった旨の検出が行なわれる。
【0054】払出すべき景品球(賞球)がまだ払出されていない未払出景品球が存在する場合には、後述するように賞球/満タンランプ51が点灯し、その未払出景品球が存在する状態で満タンスイッチ48による満タンの検出が行なわれれば、賞球/満タンランプ51が点滅状態に切換わる。遊技者は、それを見て、球抜きレバー66aをスライド操作すれば、開口60aが開放され、打球供給皿3に貯留されている遊技球が余剰球受皿4内に抜き取られる。すると、満タン状態が解除されて、満タンスイッチ48からの満タン検出信号が出力されない状態となるために、景品球が払出される状態となるとともに、賞球/満タンランプ51の点滅状態が解除される。
【0055】一方、遊技を終了する等の場合に遊技者が球抜きレバー66bをスライド操作すれば、開口60bが開放されることとなるために、打球供給皿3内に貯留されている遊技球がすべてその開口60b,60dを通って余剰球受皿4内に抜き取ることができる。その状態で、遊技者が球抜きレバー66cをスライド操作することにより、余剰球受皿4内の遊技球を玉箱65に抜き取ることができる。
【0056】なお、この球抜きレバー66cは、遊技者がスライド操作すればそのスライド状態でロックできるように構成するのが望ましい。このように構成すれば、貯留されている遊技球を玉箱65に抜き取る間、継続して遊技者が球抜きレバー66cをスライド操作し続ける必要がなく、遊技者の球抜き操作が楽になる。なお、この球抜きレバー66cのロック状態は、玉箱65への球抜きが完了するまでの所定時間(たとえば1分間)の経過により自動的にロックが解除されるように構成するのが望ましい。また、球抜きレバー66aおよび66cは、1個の球抜きレバーで兼用構成し、その1個の球抜きレバーをスライド操作することにより、開口60aと60cとの両方が開放されるように構成してもよい。
【0057】は、パチンコ遊技機1に用いられている制御回路を示すブロック図である。電源基板910は、AC24Vの電流が供給され、その交流を直流に整流して所定電圧の直流を生成し、主基板31、演出制御基板80、払出制御基板37等に、供給する。主基板31には、遊技制御用マイクロコンピュータ53とが搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、CPU56、ROM54、RAM55、I/Oポート57が備えられている。
【0058】主基板31には、前述した各入賞口スイッチ12、17、19a、22、23、24a、からの検出信号が入力され、遊技盤用の外部端子板316、各装置等駆動用のソレノイド306、307に制御信号が出力される。
【0059】演出制御基板80には、演出制御用マイクロコンピュータ70が搭載されている。演出制御用マイクロコンピュータ70には、CPU323、ROM320、RAM321、I/Oポート322が備えられている。
【0060】この演出制御基板80には、前述した人体センサ61,62からの検出信号が入力されて、特別図柄表示用LCDモジュール(特別図柄表示部)9、普通図柄表示装置の表示器(普通図柄表示部)10、ランプ・LED28a〜28c,25a,25b、演出用ソレノイド・モータ303,304、スピーカ27に、それぞれ制御信号が出力される。主基板31と演出制御基板80との間では、主基板31から演出制御基板80への一方向にのみ信号(コマンド)が送信される。
【0061】払出制御基板37には、払出制御用マイクロコンピュータ70aが搭載されている。払出制御用マイクロコンピュータ70aには、CPU327、ROM324、RAM325、I/Oポート326が備えられている。払出制御基板37には、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、モータ位置センサ313、払出個数カウントスイッチ314、タッチリング308、単発発射スイッチ309からそれぞれ検出信号が入力され、払出モータ312、球切れランプ52、賞球/満タンランプ51、発射モータ94、枠用の外部端子板315に、それぞれ制御信号が出力される。また、払出制御基板37は、インターフェイス基板311を介してプリペイドカードユニット50に対し玉貸制御用の交信を行なう。インターフェイス基板311には、球貸スイッチ301、返却スイッチ300からの検出信号が入力され、球貸可LED318、度数表示LED302に点灯または点滅駆動信号が出力される。なお、ドア開放スイッチ310の検出信号は、枠用の外部端子板315に入力されるが、払出制御基板37にも入力するようにしてもよい。
【0062】主基板31と払出制御基板37との間では、景品玉を払出すための信号が交信される。また、プリペイドカードユニット50と払出制御基板37とがインターフェイス基板311により接続されていることを条件として、プリペイドカードユニット50から払出制御基板37へ接続確認信号が送信されてくる。払出制御基板37は、その接続確認信号を受信していることに基づいてプリペイドカードユニット50が接続されていることを監視する。そして、その接続確認信号が入力されなくなった場合には、払出制御基板37は、カードユニット未接続エラーが発生した旨を判定し、発射モータ94の駆動制御を行なわないようにする。また、前述したように、払出制御基板37は、満タンスイッチ48からの満タン検出があった場合にも発射モータ94の駆動制御を行なわない。さらに、タッチリング308からのタッチ検出信号が払出制御基板37に入力されない限り払出制御基板37は発射モータ94を駆動制御することはないが、タッチリング308からのタッチ検出信号が入力されている場合であっても、単発発射スイッチ309からの単発発射検出信号が入力されている期間中は、発射モータ94の駆動制御を行なわない。
【0063】図7は、景品玉の払出制御のための制御回路を示すブロック図である。各種入賞口スイッチからの入賞玉検出信号が主基板31のスイッチ入力回路58に入力されれば、主基板31の払出制御信号出力回路319から、払出個数を特定した賞球データ(コマンド)が、払出制御基板37の払出制御信号入力回路328に送信される。すると、払出制御基板37は、指定された個数の景品玉を払出すための制御を行なうのであるが、その際、球切れスイッチ187からの球切れ検出信号がスイッチ入力回路331に入力されておらずかつ満タンスイッチ48からの満タン検出信号がスイッチ入力回路331に入力されていないことを条件として、景品玉の払出制御が開始される。この景品玉の払出制御は、モータ駆動回路330からモータ駆動制御信号が払出モータ312へ出力される。これにより、払出モータ312が回転し、それによって景品玉が払出される。
【0064】この払出モータ312の回転量がモータ位置センサ313により検出される。払出モータ312が所定角度回転する毎にモータ位置センサ313が検出信号をモータ位置センサ検出回路329へ出力する。これにより、払出制御基板37は、払出モータ312の回転量を把握することができ、指定された個数の景品玉を払出すだけの回転量に達した段階で、モータ駆動回路330からのモータ駆動制御信号の出力を停止させる。しかし、払出個数カウントスイッチ314からスイッチ入力回路331に送信されてきた払出個数カウント信号に基づいて、払出制御基板37は、払出個数が不足していると判断した場合には、その不足分の景品玉の払出を行なうべく払出モータ312を駆動させて不足分の玉を払出す制御を行なう。
【0065】払出制御基板37のランプ駆動回路332には、賞球/満タンランプ51と球切れランプ52とが接続されており、景品玉の払出中ランプ駆動回路332から賞球/満タンランプ51に賞球/満タンランプ点灯または点滅用制御信号が出力される。払出すパチンコ玉が不足して球切れスイッチ187からの球切れ信号がスイッチ入力回路331に入力されれば、ランプ駆動回路332から球切れランプ52を点灯または点滅させる制御信号が出力される。
【0066】払出制御基板37には、エラー解除スイッチ333とエラー報知用7セグメント表示器334とが設けられている。エラー報知用7セグメント表示器334には、各種のエラー原因が表示される。たとえば、遊技機タンク38内のパチンコ玉が不足して玉欠乏センサ167によりそれが検出されれば、タンク球切れである旨のエラー原因報知(たとえばエラー原因コード「1」)がなされる。遊技機タンク38へパチンコ玉が補給されて玉欠乏センサ167による玉欠乏検出がなくなれば、そのタンク球切れエラーが解除する。余剰球受皿4がパチンコ玉で満タンとなり満タンスイッチ48により満タン検出がなされた場合には、下皿満タンエラーである旨の原因報知(たとえばエラー原因コード「2」)がなされる。この下皿満タンエラーは、余剰球受皿4内のパチンコ玉を外部に放出して満タンスイッチ48により満タン検出がなくなることにより解除される。
【0067】払出ユニット(球払出装置)97内において玉噛みが発生すれば、玉噛みエラーが発生した旨のエラー原因報知(たとえばエラー原因コード「3」)がなされる。この場合には、玉噛みを解消させた後エラー解除スイッチ333を押圧操作することにより、ソフトウェアリセットによってエラー状態の解除が行なわれる。払出ユニット(球払出装置)97のモータ位置センサ313の断線,ショートが発生した場合には、モータ位置センサエラーが発生した旨のエラー原因報知(たとえばエラー原因コード「4」)がなされる。払出個数カウントスイッチ314の断線,ショートが発生した場合には、払出個数カウントスイッチエラーが発生した旨のエラー原因報知(たとえばエラー原因コード「5」)がなされる。これらモータ位置センサエラーと払出個数カウントスイッチエラーの場合にも、エラー解除スイッチ333を押圧操作することにより解除される。
【0068】プリペイドカードユニット50との未接続エラーが発生した場合には、その旨のエラー原因報知(たとえばエラー原因コード「6」)がなされる。このエラーは、プリペイドカードユニット50との接続を行なうことにより、解除される。プリペイドカードユニット50との通信エラーが発生した場合には、通信エラーが発生した旨のエラー原因報知(たとえばエラー原因コード「7」)がなされる。この通信エラーは、一定時間経過後に自動復帰される。
【0069】図8は、主基板31と払出制御基板37との通信を説明するための図である。図8の(a)を参照して、パチンコ遊技機1の電源が投入されて主基板31のCPU56が制御動作できる状態になった場合に、出力回路57aから電源確認信号が払出制御基板37の入力回路326aに入力される。この電源確認信号は、図8R>8の(b)に示すように、電源が立上がりCPU56が制御可能状態になることにより、LOWからHIに変化する。一方、パチンコ遊技機1への電源が遮断されたことが検出されれば、電源確認信号はHIからLOWに変化する。
【0070】出力回路57aから入力回路326aにREQ信号が出力される。このREQ信号は、景品玉の払出要求を主基板31から払出制御基板37へ出力する際には、HIからLOWに変化する。その後、出力回路57aから賞球コマンドが入力回路326aに伝送される。この賞球コマンドの伝送線は、4本の配線で構成されており、4ビットデータとして1個〜15個の払出個数データが入力回路326aに伝送される。払出制御基板37は、前記REQ信号がHIからLOWの変化することを検出して賞球コマンドをとりこむ処理を開始する。つまり。REQ信号は賞球コマンドをとりこむことを指令する取込指令信号としても兼用されている。
【0071】この賞球コマンドにより指定された個数だけの景品玉の払出を行ない、その払出が完了した段階で、出力回路326bからBUSY信号を入力回路57bを介してCPU56に入力する。このBUSY信号は、REQ信号がHIからLOWに変化して払出要求を受信したことにより、LOWからHIに変化して、払出要求を受信しかつ払出状態中だある旨を主基板31へ通知する。そして、払出制御基板37によって指定された個数の景品玉の払出制御が完了した段階でこのBUSY信号がHIからLOWに変化して払出が完了した旨の通知を主基板31に連絡する。主基板31では、その払出の完了の信号を受信することにより、REQ信号をLOWからHIに変化させる。
【0072】これら電源確認信号、BUSY信号、REQ信号は、それぞれ、HIからLOWへの変化によりある情報を伝えLOWからHIへの変化により他の情報を伝えるようにしたが、これに代えて、別個の信号(信号線)により前記ある情報と前記他の情報とをそれぞれ伝えるようにしてもよい。たとえば、BUSY信号の場合に、払出の要求を受信しかつ払出動作中である旨と払出を完了した旨とを別々の信号(信号線)で伝えるようにしてもよい。
【0073】払出制御用基板37から主基板31へ、球切れ信号、満タン信号、発射状態信号が送信される。球切れ信号は、球切れスイッチ187による球切れ状態の検出がなされた場合にLOWからHIに変化する信号である。球切れ解消時にはHIからLOWへ変化する。満タン信号は、満タンスイッチ48による満タン検出が行なわれたときに、LOWからHIに変化し、満タン解消時すなわち満タンスイッチ48からの満タン検出信号がなくなったときに、HIからLOWへ変化する信号である。発射状態信号は、打球を発射するための発射モータ94の駆動開始時にLOWからHIに変化し、発射モータ94の駆動停止時にHIからLOWへ変化する信号である(SJ6参照)。
【0074】図9は、玉貸制御と発射制御を説明するための回路を示すブロック図である。プリペイドカードユニット50と払出制御基板37とは、インターフェイス基板311を介して信号の交信ができるように構成されている。プリペイドカードユニット50と払出制御基板37のカードユニット通信回路396とがインターフェイス基板311を介して接続されていることを条件として、VL信号(接続確認信号)が払出制御基板37に入力される。払出制御基板37は、後述するように、このVL信号の入力によってプリペイドカードユニット50が接続されていることを条件して、打球発射可能状態にする。
【0075】また、プリペイドカードユニット50と返却スイッチ300,球貸スイッチ301とは、インターフェイス基板311を介して電気的に接続されている。そして、遊技者が球貸スイッチ301または返却スイッチ305を押圧操作すれば、その押圧操作信号がインターフェイス基板311を介してプリペイドカードユニット50へ入力される。遊技者がプリペイドカードユニット50にプリペイドカードを挿入して球貸スイッチ301を押圧操作すれば、貸出要求信号がインターフェイス基板311を介して払出制御基板37のプリペイドカードユニット通信回路396に送信される。
【0076】払出制御基板37は、その信号を受信した後玉貸動作可能な状態になっている場合には、貸出準備信号をプリペイドカードユニット通信回路396からインターフェイス基板311を介してプリペイドカードユニット50へ返信する。プリペイドカードユニット50では、その準備信号の返信に応じて、単位個数(たとえば100円に相当する個数)の貸出指令信号をインターフェイス基板311を介してプリペイドカードユニット通信回路396へ送信する。払出制御基板37では、その貸出指令信号に基づいて単位個数(100円分に相当する個数)の景品玉を払出すべくモータ駆動回路330から払出モータ駆動用の信号を払出モータ312へ出力する。そして、その単位個数分の貸玉の払出が完了した段階で、貸出完了信号がプリペイドカードユニット通信回路396からインターフェイス基板311を介してプリペイドカードユニット50へ送信される。この単位個数の払出しを複数回行なうことにより、払出予定個数分の玉払出しが可能となる。
【0077】満タンスイッチ48からの満タン検出信号および球切れスイッチ187からの球切れ信号がスイッチ入力回路331に入力される。単発発射スイッチ309からの単発発射操作信号がタッチ回路基板351を介してスイッチ入力回路331に入力される。タッチリング308のタッチ検出信号がタッチ回路基板351のタッチ比較回路352に入力される。すると、タッチリング308への接触を検出した旨の信号がタッチ比較回路352からタッチ入力回路388に送信される。
【0078】払出制御基板37では、プリペイドカードユニット50が払出制御基板37に接続されて接続確認信号がカードユニット通信回路396に入力されており、かつ、満タンスイッチ48からの満タン検出信号がスイッチ入力回路331に入力されておらず、かつ、球切れスイッチ187からの球切れ信号が入力されておらず、かつ、単発発射スイッチ309による単発発射操作がされた旨の信号がスイッチ入力回路331に入力されておらず、かつ、タッチリング308への接触を検出した旨の信号がタッチ入力回路388に入力されている場合に限り、モータ駆動回路330からタッチ回路基板351を介して発射モータ94に対しモータ駆動制御信号が出力される。これにより、玉が発射される。
【0079】払出制御基板37の制御は、CPU327、ROM324、RAM325を有する払出制御用マイクロコンピュータ70aにより行なわれる。
【0080】各種入賞口スイッチからの入賞検出信号が主基板31のスイッチ入力回路58に入力されれば、前述したように、賞球コマンドが払出制御信号入出力回路319から払出制御基板37の払出制御信号入出力回路328へ送信される。このような制御は、CPU56、ROM54、RAM55を有する遊技制御用マイクロコンピュータ53により行なわれる。
【0081】払出制御基板37では、賞球コマンドを受信すれば、モータ駆動回路330からモータ駆動用の発射制御信号が払出モータ312へ送信される。その結果、払出モータ312が回転駆動されて、遊技球が払出される。
【0082】モータ位置センサ313は、払出モータ312の回転角度を検出するためのものであり、払出モータ312が半回転する毎にワンパルス信号をモータ位置センサ検出回路329へ出力する。払出制御用マイクロコンピュータ70aは、そのモータ位置センサ313からのパルス信号に基づいて、払出ユニット97の払出動作量を算出することができる。払出モータ312が回転駆動されて払出ユニット97から実際に払出された遊技球が払出個数カウントスイッチ314により検出され、その検出信号が払出制御基板37のスイッチ入力回路331へ入力される。払出制御用マイクロコンピュータ70aは、その入力信号に基づいて、実際に払出された遊技球の個数を計数することができる。
【0083】次に遊技機の動作について説明する。図10R>0は、主基板31における遊技制御手段(CPU56およびROM54,RAM55等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
【0084】初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。
【0085】この実施の形態で用いられるCPU56は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。また、CTCは、2本の外部クロック/タイマトリガ入力CLK/TRG2,3と2本のタイマ出力ZC/TO0,1を備えている。
【0086】この実施の形態で用いられているCPU56には、マスク可能な割込のモードとして以下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
【0087】割込モード0:割込要求を行った内蔵デバイスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よって、CPU56は、RST命令に対応したアドレスまたはCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時に、CPU56は自動的に割込モード0になる。よって、割込モード1または割込モード2に設定したい場合には、初期設定処理において、割込モード1または割込モード2に設定するための処理を行う必要がある。
【0088】割込モード1:割込が受け付けられると、常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
【0089】割込モード2:CPU56の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。すなわち、割込番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ下位アドレスが割込ベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。従って、任意の(飛び飛びではあるが)偶数番地に割込処理を設置することができる。各内蔵デバイスは割込要求を行うときに割込ベクタを送出する機能を有している。
【0090】よって、割込モード2に設定されると、各内蔵デバイスからの割込要求を容易に処理することが可能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込処理を設置することが可能になる。さらに、割込モード1とは異なり、割込発生要因毎のそれぞれの割込処理を用意しておくことも容易である。上述したように、この実施の形態では、初期設定処理のステップS2において、CPU56は割込モード2に設定される。
【0091】次いで、CPU56は、入力ポート1を介して入力されるクリアスイッチ(バックアップRAMの記憶データをクリアするための操作スイッチ:図示省略)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS15)。クリアスイッチがオンである場合(押下されている場合)には、ローレベルのクリアスイッチ信号が出力されている。例えば、遊技店員は、クリアスイッチをオン状態にしながら遊技機に対する電力供給を開始することによって、容易に初期化処理を実行させることができる。すなわち、RAMクリア等を行うことができる。
【0092】クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えば電源基板910からの電源断信号に応じて起動されるNMI(マスク不能割込)処理である電力供給停止時処理におけるチェックデータの付加等)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような保護処理が行われていた場合をバックアップありとする。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。
【0093】この実施の形態では、バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定される実行確認情報としてのバックアップフラグの状態によって確認される。例えば、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。すなわち、電力供給停止時処理では、電力供給停止時処理を行ったときに、バックアップフラグ領域に「55H」が設定される。
【0094】バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。遊技機への電力供給が停止する際に実行される電力供給停止時処理において、チェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0095】チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と表示制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。遊技状態復旧処理においてPCが電力供給停止時前の状態に復元され、かつ、各種データ(例えば各乱数を生成するためのカウンタ)がバックアップRAMに保存されていることから、遊技機への電力供給が停止した後所定時間(バックアップRAMのデータ保持可能期間)内に電力供給が復旧すれば、例えば、後述する判定用乱数、表示用乱数および初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値は、電力供給停止時前の状態から継続されることになる。
【0096】初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、特別図柄判定用乱数カウンタ、特別図柄判定用バッファ、プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、球払出装置97からの払出が可能であることを指示する払出許可状態指定コマンドを払出制御基板37に対して送信する処理を行う(ステップS13)。また、他のサブ基板(この実施の形態では演出制御基板80)を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、特別図柄表示部9において表示される初期図柄を示すコマンド(演出制御基板80に対して)等がある。コマンドデータは、コマンドの分類を表わすMODEデータと、コマンドの種類を表わすEXTデータとから構成されている。詳しくは図12R>2、図13に基づいて後述する。
【0097】次に、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS15)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0098】初期化処理の実行(ステップS11〜S15)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態になっているので、それらの乱数更新処理が実行されている最中に後述する2msタイマ割込が生じ割込処理で乱数更新処理が実行され、カウント値に矛盾が生じてしまうことが防止される。
【0099】表示用乱数とは、特別図柄表示部9に停止表示される図柄を決定するための乱数等であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(当り判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値(最大値を越えて値が戻された後の値)を決定するための乱数である。
【0100】タイマ割込が発生すると、図11に示すように、CPU56は、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、ステップS21〜S31の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ入力回路58を介して、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ19a,24a,Vカウントスイッチ22のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
【0101】次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各乱数生成用カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23)。CPU56は、さらに、表示用乱数および初期値用乱数を生成するための乱数生成用カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS24,S25)。
【0102】各乱数(ランダム1〜7)は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2−1〜2−3:特別図柄の左右中のはずれ図柄決定用(特別図柄左右中)
(3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄の組合せを決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
なお、図11に示された遊技制御処理におけるステップS23では、CPU56は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、および(5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(7)の乱数以外の普通図柄に関する乱数等も用いられている。
【0103】さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0104】次いで、CPU56は、特別図柄に関する表示制御コマンドを送信する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS27)。また、普通図柄に関する表示制御コマンドを送信する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
【0105】さらに、CPU56は、例えばホール用管理コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
【0106】また、CPU56は、所定の条件が成立したときにソレノイドを駆動制御するために駆動指令を行う(ステップS30)。可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態とするためのソレノイド306,307が駆動される。
【0107】そして、CPU56は、入賞口スイッチ19,24,始動口スイッチ17,カウントスイッチ23,Vカウントスイッチ22の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、これら各スイッチ19,24,17,23,22がオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す賞球コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU327は、賞球個数を示す賞球コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。その後、レジスタの内容を復旧させ(ステップS32)、割込許可状態に設定する(ステップS33)。
【0108】以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に定期的に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0109】図12および図13は、演出制御基板80に送出される表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図12に示す例において、コマンド8000(H)〜8026(H)は、特別図柄を可変表示する特別図柄表示部9における特別図柄の変動パターン、すなわち特別図柄表示部9における表示結果導出動作に関わる演出内容を指定する表示制御コマンドである。なお、変動パターンを指定するコマンド(変動パターンコマンド)は変動開始指示も兼ねている。また、コマンド8000(H)〜8012(H)は低確率中において用いられ、コマンド8013(H)〜8025(H)は高確率中において用いられる。そして、コマンド8026(H)は、短縮表示パターンを指定するコマンドである。
【0110】コマンド88XX(H)(X=4ビットの任意の値)は、普通図柄表示部10で可変表示される普通図柄の変動パターンに関する表示制御コマンドである。コマンド89XX(H)は、普通図柄の停止図柄を指定する表示制御コマンドである。コマンド8AXX(H)(X=4ビットの任意の値)は、普通図柄の可変表示の停止を指示する表示制御コマンドである。
【0111】コマンド91XX(H)、92XX(H)および93XX(H)は、特別図柄の左中右の停止図柄を指定する表示制御コマンドである。「XX」には図柄番号が設定される。また、コマンドA000(H)は、特別図柄の可変表示の停止を指示する表示制御コマンドである。コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される表示制御コマンドである。そして、コマンドC000(H)〜EXXX(H)は、特別図柄の変動および大当り遊技に関わらない可変表示装置9の表示状態に関する表示制御コマンドである。演出制御基板80の表示制御手段は、主基板31の遊技制御手段から上述した表示制御コマンドを受信すると図12および図13に示された内容に応じて可変表示装置9および普通図柄表示部10の表示状態を変更する制御を行う。
【0112】この実施の形態では、ランプ制御コマンドを作成するための情報も、演出制御コマンドとして図柄制御基板80に送信される。すなわち、コマンドE0XX(H)は、始動記憶表示器18の点灯個数を示すランプ制御コマンドを作成するための演出制御コマンドである。演出制御基板80は、コマンドE0XX(H)を受信した場合、始動記憶表示器18における「XX(H)」で指定される個数の表示器を点灯状態とする。また、コマンドE1XX(H)は、ゲート通過記憶表示器41の点灯個数を示すランプ制御コマンドを作成するための表示制御コマンドである。演出制御基板80は、コマンドE1XX(H)を受信した場合、ゲート通過記憶表示器41における「XX(H)」で指定される個数の表示器を点灯状態とする。すなわち、それらのコマンドは、保留個数という情報を報知するために設けられている発光体の制御を指示するコマンドである。なお、始動記憶表示器18およびゲート通過記憶表示器41の点灯個数に関するコマンドが点灯個数の増減を示すように構成されていてもよい。
【0113】コマンドE200(H)、E201(H)、E202(H)およびE203(H)は、賞球/満タンランプ51の表示状態に関するランプ制御コマンドを作成するための表示制御コマンドであり、コマンドE300(H)およびE301(H)は、球切れランプ52の表示状態に関するランプ制御コマンドを作成するための表示制御コマンドである。演出制御基板80は、コマンドE200(H),E201(H)を受信した場合、賞球/満タンランプ51の表示状態を賞球残がある場合としてあらかじめ定められた表示状態とし、「E200(H)」のランプ制御コマンドを受信すると賞球/満タンランプ51の表示状態を賞球残がない場合としてあらかじめ定められた表示状態とする。また、コマンドE202(H)は、遊技媒体貯留部(打球供給皿3、余剰球受皿4)がまだ満タンになっておらず貯留できる状態のときの賞球/満タンランプ51の表示を指定するコマンドである。コマンドE203(H)は、遊技媒体貯留部(打球供給皿3、余剰球受皿4)が満タンになっているときの賞球/満タンランプ51の表示を指定するコマンドである。
【0114】また、「E300(H)」のランプ制御コマンドを受信すると球切れランプ52の表示状態を球あり中の表示状態とし、「E301(H)」のランプ制御コマンドを受信すると球切れランプ52の表示状態を球切れ中の表示状態とする。すなわち、コマンドE200およびE201(H)は、未賞球の遊技球があることを遊技者等に報知するために設けられている発光体を制御することを示すコマンドであり、コマンドE300(H)およびE301(H)は、補給球が切れていることを遊技者や遊技店員に報知するために設けられている発光体を制御することを示すコマンドである。
【0115】次に、前述したメイン処理のS25による賞球処理の内容を説明する。図14(a)は、主基板31のCPU56において実行される賞球処理を示すフローチャートである。
【0116】まず、ステップSC(以下、単にSCという)1により、満タンチェック処理が行なわれる。この満タンチェック処理においては、払出制御基板37からの満タン信号を受信したか否かが判断され、受信た場合に、満タンコマンドが演出制御基板80に送信される。
【0117】次に、ステップSC2により、球切れチェック処理が行なわれる。この球切れチェック処理においては、払出制御基板37からの球切れ信号を受信したか否かが判断され、受信た場合に、球切れコマンドが演出制御基板80に送信される。
【0118】次に、ステップSC5により、賞球コマンド送信処理が行なわれる。この賞球コマンド送信処理においては、賞球コマンドを設定して送信する処理がなされる。
【0119】次に、ステップSC6により、賞球個数加算処理が行なわれる。これは、入賞玉検出信号の入力に応じて払出すべき賞球個数を総払出個数記憶に加算更新する処理である。後に詳細に説明する。次にSC7により、賞球個数減算処理が行なわれる。この処理は、払出された賞球個数を総払出個数記憶から減算更新する処理であり、詳しくは後に説明する。
【0120】図14(b)は、SC2に示された球切れチェック処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まずSY1により、球切れ信号を受信したか否かの判断がなされる。球切れ信号を受信していない場合には、制御がSY3へ進み、演出制御コマンドを球ありにして演出制御基板80へ送信する処理がなされる。一方、球切れ信号を受信していない場合には、制御がSY2へ進み、演出制御コマンドを球切れにして演出制御基板80へ送信する処理がなされる。
【0121】図15(a)は、SC1により示された満タンチェック処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートであり、図15(b)は、SC5に示された賞球コマンド送信処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【0122】図15(a)を参照して、SF1により、満タン信号を受信したか否かの判断がなされる。後述するように、満タンスイッチ48からの満タン検出信号が払出制御基板37の払出制御用マイクロコンピュータ70aに入力されれば、満タン信号が払出制御用マイクロコンピュータ70aから主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ53に入力される。すると、SF1によりYESの判断がなされてSF2へ進み、演出制御コマンドを「満タン」(具体的にはE203(H):図13参照)にセットする処理がなされる。この演出制御コマンドとは、主基板31から演出制御基板80へ送信されるコマンドのことである。
【0123】一方、満タン信号を受信していないと判断された場合には制御がSF3へ進み、演出制御コマンドを「貯留可能」(具体的にはE202(H):図13参照)にセットする処理がなされる。
【0124】次に、賞球コマンド設定処理のサブルーチンプログラムを、図15(b)に基づいて説明する。まずSG1により、いずれかの払出中フラグがセットされているか否かの判断がなされる。セットされている場合には制御がSG8に進むが、いずれの払出中フラグもセットされていない場合にはSG2へ進み、総払出個数記憶が「15」以上であるか否かの判断がなされる。この総払出個数記憶は、遊技球の入賞に伴って払出すべき景品球(賞球)の残り個数の合計を記憶するものである。SG2により、YESの判断がなされた場合には、SG3へ進み、賞球コマンドを15個に設定して払出制御基板37へ送信開始する処理がなされる。これにより、15個を指定する賞球コマンドの送信が開始され、15個の賞球の払出が完了した時点でその賞球コマンドの送信が終了する(SL3参照)。
【0125】次にSG5へ進み、15個払出中フラグがセットされ、SG7aにより、賞球コマンド送信開始フラグがセットされてSG8の払出中フラグクリア処理が行なわれる。この払出中フラグクリア処理は、図16に基づいて後述する。
【0126】一方、総払出個数記憶が「15」未満であった場合には、制御がSG4へ進み、賞球コマンドをその払出個数記憶の値にセットして払出制御基板37へ送信する処理がなされる。すなわち、総払出個数記憶が「15」に満たない場合には、その満たない値を賞球コマンドにセットして送信するのである。次に制御がSG6に進み、少払出個数記憶をその総払出個数記憶値にセットする処理がなされる。次に制御がSG7へ進み、少個数払出中フラグがセットされて制御がSG7aへ進む。
【0127】図16は、SG11に示された払出中フラグクリア処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。SL1により、払出完了信号を受信したか否かの判断がなされる。この払出完了信号は、払出制御用マイクロコンピュータ70aが賞球コマンドを受けてその賞球コマンドにより指定された個数だけの賞品玉を払出す制御が完了した段階で主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ53に送信する信号である(S546a参照)。
【0128】この払出完了信号を受信すれば制御がSL2へ進み、現在セットされている払出中フラグをクリアする処理がなされる。次に制御がSL3へ進み、現在送信している賞球コマンドの送信を終了する処理がなされる。この払出中フラグクリア処理のサブルーチンプログラムによる制御の結果、賞球コマンドを送信して指定された個数だけの賞品玉を払出す制御が完了するまでは、その指定された個数に対応する払出中フラグがクリアされない。その結果、払出中フラグがクリアされない期間中は常にSG1によりYESの判断がなされることとなるために、SG2以降の次の賞球コマンドの個数をセットする処理がなされず、次の賞球コマンドが払出制御用マイクロコンピュータ70aへ送信されることがない。
【0129】図17(a)は、SC6により示された賞球個数加算処理のサブルーチンを示すフローチャートであり、図17(b)は、SC7に示された賞球個数減算処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【0130】まず図17(a)を参照して、賞球個数加算処理のサブルーチンプログラムを説明する。SH1により、15個払出用入賞検出があったか否かの判断がなされ、ない場合にはSH3へ進み、10個払出用入賞検出があったか否かの判断がなされ、ない場合にはSH5へ進み、5個払出用入賞検出があったか否かの判断がなされ、ない場合にはこのサブルーチンプログラムが終了する。
【0131】15個払出用の入賞口に入賞した入賞玉の検出信号が入力されれば、SH1によりYESの判断がなされてSH2へ進み、総払出個数記憶に「15」が加算更新される。10個払出用入賞口に入賞した入賞玉の検出信号が入力されれば、SH3によりYESの判断がなされてSH4へ進み、総払出個数記憶に「10」が加算更新される。5個払出用入賞口への入賞玉の検出信号が入力されれば、SH5により、YESの判断がなされてSH6へ進み、総払出個数記憶に「5」が加算更新される。
【0132】次に、図17(b)により、賞球個数減算処理のサブルーチンプログラムを説明する。SI1により、賞球コマンド送信開始フラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされていない場合にはこのサブルーチンプログラムが終了する。前述したSG7aによる賞球コマンド送信開始フラグのセットがなされている場合には、このSI1によりYESの判断がなされて制御がSI2へ進み、セットされている払出フラグの種類の判別がなされる。15個払出中フラグ(SG5参照)がセットされている場合には、SI5へ進み、総払出個数記憶を「15」減算する処理がなされてSI7へ進む。すなわち、15個の賞球コマンドの送信が行なわれたために、その段階で総払出個数記憶を「15」減算更新するのである。一方、セットされている払出フラグが少個数払出中フラグ(SG7参照)であった場合には、制御がSI4へ進み、総払出個数記憶をその少払出記憶分だけ減算する処理がなされる。次にSI6により、少払出個数記憶をクリアし、SI7により、賞球コマンド送信開始フラグをクリアする処理がなされる。その結果、次回のこの賞球個数減算処理の実行に際しては、SI1によりNOの判断がなされるために、次の賞球コマンドの送信が行なわれていないにも拘らず繰返して総払出個数記憶の減算処理が行なわれることが防止される。
【0133】次にSI8により、総払出個数記憶が「0」を上回っているか否かすなわち総払出個数記憶があるか否かの判断がなされる。ある場合には、SI9により、演出制御コマンドを賞球残ありの状態にして演出制御基板80へ送信する処理がなされる。一方、総払出個数記憶がない場合にはSI10により、演出制御コマンドを賞球残なし状態にセットして演出制御基板80へ送信する処理がなされる。
【0134】この賞球個数減算処理のサブルーチンプログラムによる制御の結果、払出制御用マイクロコンピュータ70aからの払出完了信号の受信を待つことなく賞球コマンドの送信が終了した段階で速やかに払出用入賞記憶の減算更新がなされることとなる。
【0135】なお、主基板31は、賞球個数を賞球個数記憶で総数として管理したが、賞球数毎(たとえば、15個、10個、5個)に管理してもよい。たとえば、賞球数毎に対応した入賞個数カウンタを設け、入賞玉検出信号が入力されると、その入力信号で指定された個数に対応する入賞個数カウンタを+1する。そして、入賞個数カウンタに対応した賞球払出が行なわれた旨の払出完了信号を受信すると、その入賞個数カウンタを−1する。その場合にも、各入賞個数カウンタはバックアップRAM領域に形成される。よって、遊技機の電源が断しても、所定期間中に電源を回復すれば、遊技制御用CPU56は、各入賞個数カウンタの内容に基づいて賞球コマンドの送信を継続することができる。
【0136】図18は、払出制御用CPU327のメイン処理を示すフローチャートである。このフローチャートで示された制御データとしてのプログラムは、ROM324に記憶されている。メイン処理では、払出制御用CPU327は、まず、必要な初期設定を行なう(ステップS701)。次に、初期化処理を実行する(ステップS702,S703)。
【0137】通常の初期化処理の実行(ステップS703)を得ると、払出制御用CPU327により実行されるメイン処理は、タイマ割込フラグの開始(ステップS708)の確認が行なわれるグループ処理に移行する。
【0138】通常の初期化処理では、レジスタおよびRAMのクリア処理ならびに初期値設定が行なわれる。そして、初期設定処理において割込禁止とされているので、初期化処理を終える前に割込が許可される。
【0139】この実施の形態では、払出制御用CPU327の内部タイマ(CH3)が繰返しタイマ割込を発生するように設定される。また、繰返し周期は2msに設定される。そして、タイマ割込が発生すると、払出制御用CPU327は、タイマ割込フラグをセットする。なお、2msタイマ割込処理において、必要ならば、CH3のレジスタに対して初期値再設定が行なわれる。
【0140】払出制御用CPU327は、ステップS708において、タイマ割込フラグがセットされたことを検出すると、タイマ割込フラグをリセットするとともに(ステップS709)、払出制御処理を実行する(ステップS710)。以上の制御によって、この実施の形態では、払出制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、払出制御処理ではメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で払出制御処理を実行してもよい。
【0141】図19は、ステップS710の払出制御処理を示すフローチャートである。払出制御処理において払出制御用CPU327は、まず、球切れスイッチ187、満タンスイッチ48、払出個数カウントスイッチ314からの検出信号が入力されたか否かを判定する(スイッチ:ステップSS751)。
【0142】次に、払出制御用CPU327は、センサ(たとえば、払出モータ312の回転角度を検出するモータ位置センサ)からの信号入力状態を確認してセンサの状態判定などを行なう(入力判定処理:ステップSS752)。払出制御用CPU327は、さらに、受信した賞球コマンドを解析し、解析結果に応じた処理を実行する(コマンド解析実行処理:ステップSS753)。
【0143】次いで、払出制御用CPU327は、球切れスイッチ187からの球切れが発生した旨の信号入力、満タンスイッチ48からの満タンである旨の入力信号のうち、少なくともいずれか一方があれば、払出停止状態に設定し、これら両入力がなくなれば払出停止状態の解除を行なう(ステップSS754)。また、このステップSS754により、主基板31から送られてくる前述した電源確認信号の状態が監視される。電源確認信号がLOWの場合は、払出制御用CPU327は、待機状態(停止状態)となり、制御を何ら行なわない状態となる。この待機状態については、後に詳しく説明する。
【0144】次に、払出制御用CPU327は、プリペードカードユニット制御処理を行なう(ステップSS755)。ステップSS755では、プリペードカードユニット50との接続状態の監視が行なわれ、未接続の場合には発射停止状態設定処理が行なわれて、打球発射不能状態となる。
【0145】また、払出制御用CPU327は、球貸要求に応じて貸玉を払出す制御を行なう(ステップSS756)。さらに、払出制御用CPU327は、賞球未払出カウンタに格納された個数の賞球を払出す賞球制御処理を行なう(ステップSS757)。そして、払出制御用CPU327は、出力ポート372cおよび中継基板72を介して玉払出装置97の払出機構部分における払出モータ312に向けて駆動信号を出力し、ステップS756の球貸制御処理またはステップSS757の賞球制御処理で設定された回転数分払出モータ312を介して払出モータ制御処理を行なう(ステップSS758)。
【0146】次に制御がステップSS758aへ進み、遊技者が打球操作を行なってタッチリング308からのタッチ検出信号の入力があれば、発射モータ駆動回路330から発射モータ94へ発射駆動制御信号を出力して(図9参照)、発射制御処理が行なわれる。つまり、払出制御用マイクロコンピュータ70aは、前記制御開始信号を受信し、かつ所定の発射可能条件(カードユニット50の接続,タッチリング308からのタッチ検出信号の入力,満タンスイッチ48による満タン検出がなされてないこと)が成立した場合に、前記発射駆動手段へ駆動信号を出力する。なお、ステップS758aにより, 所定の発射可能条件(カードユニット50の接続,タッチリング308からのタッチ検出信号の入力,満タンスイッチ48による満タン検出がなされてないこと)が成立した場合に、主基板31に対して発射モータ94の駆動状態を示す発射駆動状態信号を出力回路326bから出力するようにしてもよい。つまり、前記払出制御用マイクロコンピュータ70aは、前記制御開始信号を受信し、かつ所定の発射可能条件(カードユニット50の接続,タッチリング308からのタッチ検出信号の入力,満タンスイッチ48による満タン検出がなされてないこと)が成立した場合に、前記遊技制御基板(主基板)31に対して前記発射駆動手段の駆動状態を示す発射状態信号を出力する(SJ6参照)。
【0147】なお、この実施の形態では、払出モータ312としてステッピングモータが用いられ、払出モータ312を制御するために1−2層励磁方式が用いられる。したがって、具体的には、払出モータ制御処理において、8種類の励磁パターンデータが繰返し払出モータ312に出力される。また、この実施の形態では、各励磁パターンデータが4msずつ出力される。
【0148】次いで、エラー検出処理が行なわれ、その結果に応じてエラー報知用7セグメント表示器334に前述した各種エラー原因の表示を行なう(エラー:ステップS759)。
【0149】図20は、ステップSS751のスイッチ処理の一例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、払出制御用CPU327は、まずS751aにより、賞球払出中であるか否かの判断を行なう。賞球払出中でない場合にはS751mへ進み、貸し球払出中であるか否かの判断がなされ、貸し球払出中でない場合にはこのサブルーチンプログラムが終了する。賞球払出中である場合には制御がS751bへ進み、払出個数カウントスイッチ314がONになっているか否かの判断がなされる。ON状態を示していれば、制御がS751cへ進み、賞球カウントスイッチオンカウンタを「1」加算更新する処理がなされる。
【0150】この賞球カウントスイッチオンカウンタは、賞球払出中に払出個数カウントスイッチ314のオン状態を検出した回数を計数するためのカウンタである。そして、S751dにより、賞球カウントスイッチオンカウンタの値がチェックされてその値が2になっていれば、1個賞球の払出が行なわれたと判断する。1個の賞球の払出が行なわれたと判断された場合には、制御がS751eに進み、賞球未払出カウンタを−1する処理がなされる。
【0151】一方、S751bによりNOの判断がなされた場合にはS751fへ進み、賞球カウントスイッチオンカウンタをクリアする処理がなされる。
【0152】一方、貸し球の払出中である場合には制御がS751gへ進み、払出個数カウントスイッチがONになっているか否かの判断がなされる。貸し球の払出中にその貸し球が払出個数カウントスイッチ314により検出されればS751gによりYESの判断がなされて制御がS751hへ進み、球貸カウントスイッチオンカウンタを「1」加算更新する処理がなされる。そして、S751jにより、球貸カウントスイッチオンカウンタが「2」になったか否かの判断がなされ、なった段階でS751kに進み、貸し球未払出カウンタを「1」減算更新する処理がなされる。このように、貸し球の払出制御においても、賞球の払出制御と同様に、球貸カウントスイッチオンカウンタが「2」になった段階で、1個の球貸の払出が行なわれたと判断し、S751kによる「1」の減算更新が行なわれるのである。
【0153】S751gによりNOの判断がなされた場合には制御がS751iへ進み、球貸カウントスイッチオンカウンタがクリアされる。
【0154】図21は、割込処理によるコマンド受信処理を示すフローチャートである。主基板31からの前述したREQ信号は払出制御用CPU327のCLK/TRG2端子に入力される。よって、主基板31からのREQ信号がオン状態(LOWレベル)になると、払出制御用CPU327に割込がかかり、図21に示す賞球コマンドの受信処理が開始される。この実施の形態では、受信した賞球コマンドを格納するための確定コマンドバッファ領域が設けられている。
【0155】賞球コマンドの受信処理において、払出制御用CPU327が、まず、賞球コマンドデータの入力に割当てられている入力ポートからデータを読込む(ステップS851)。そして、受信した賞球コマンドを確定コマンドバッファ領域に格納する(ステップS852)。
【0156】図22は、ステップSS753のコマンド解析実行処理の一例を示すフローチャートである。コマンド解析実行処理において、払出制御用CPU327は、確定コマンドバッファ領域中に受信コマンドがあるか否かの確認を行なう(ステップS753a)。受信コマンドがあれば、賞球コマンドで指示された賞球個数を賞球未払出カウンタに加算する(ステップS753c)。すなわち、払出制御用CPU327は、主基板31のCPU56から送り出された賞球コマンドに含まれる賞球数をバックアップRAM領域に記録する。
【0157】図23は、図19のSS754に示された払出停止状態設定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まずS754aにより、球切れスイッチ187からの球切れ信号が入力されたか否かの判断がなされる。入力されている場合には、S754hに進み、球切れ信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53へ送信する処理がなされる。そして、S754dにより、払出停止状態設定中であるか否かの判断がなされる。まだ払出停止状態設定中でない場合にはS754eにより、払出停止状態が設定される。その結果、後述するS531aによりYESの判断がなされることとなり、賞球の払出制御が実行されない状態となる。
【0158】S754aによりNOの判断がなされた場合には、S754bにより、満タンスイッチ48からの満タン信号の入力があったか否かの判断がなされる。満タン信号の入力があった場合にはS754cへ進み、満タン信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53へ送信する処理がなされた後、制御がS754dへ進む。
【0159】一方、S754bによりNOの判断がなされた場合には、S754fにより、払出停止状態設定中であるか否かの判断がなされる。払出停止状態設定中である場合には、S754gへ進み、払出停止状態が解除される。
【0160】このように、球切れスイッチ187が球切れを検出したかまたは満タンスイッチ48が満タン状態を検出した場合には、払出停止状態が設定されて賞球の払出が停止される一方、球切れスイッチの球切れ信号の入力がなくかつ満タンスイッチからの満タン信号の入力もなくなれば、払出停止状態が解除されて、賞球の払出制御が開始される。
【0161】図24は、ステップSS755のプリペードカードユニット制御処理の一例を示すフローチャートである。プリペードカードユニット制御処理において、払出制御用CPU327は、カードユニット制御用マイクロコンピュータにより入力されるVL信号を検知したか否かを確認する(ステップS755a)。VL信号を検知していなければ、VL信号非検知カウンタを+1する(ステップS755b)。また、払出制御用CPU327は、VL信号非検知カウンタの値が本例では125であるか否かを確認する(ステップS755c)。VL信号非検知カウンタの値が125であれば、払出制御用CPU327は、発射制御基板91への発射制御信号出力を停止するべく非接続フラグをセットする(ステップS755d)。
【0162】以上の処理によって、125回(2ms×125=250ms)継続してVL信号のオフが検出されたら、玉発射禁止状態に設定される。
【0163】ステップS755aにおいてVL信号を検出していれば、払出制御用CPU327は、VL信号非検知カウンタをクリアする(ステップS755e)。そして、払出制御用CPU327は、非接続フラグが既にセット中であるか否かの判断を行ない(ステップS755f)、非接続フラグが既にセットされている場合にはその非接続フラグをクリアする処理がなされる(ステップS755g)。
【0164】図25および図26は、SS757の賞球制御処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。なお、この例では、連続的な払出数の最大値を15個としているが、他の数であってもよい。
【0165】賞球制御処理において、払出制御用CPU327は、まず払出停止状態の設定中であるか否かの判断を行なう(S531a)。払出停止状態設定中の場合にはこのサブルーチンプログラムが終了する。その結果、S754eによる払出停止状態が設定されている最中では、賞球の払出制御が行なわれない状態となる。払出停止状態の設定中でない場合には、払出制御用CPU327は、貸玉払出中であるか否かの確認を行なう(ステップS531)。なお、この確認は、球貸処理中フラグの状態により判断される。貸玉払出中でなければ賞球の払出中であるか否かを確認し(ステップS532)、賞球の払出中であれば図26に示す賞球中の処理に移行する。この確認は、後述する賞球処理中フラグの状態により判断される。
【0166】貸玉払出中でも賞球払出中でもなければ、払出制御用CPU327は、カードユニット50からの球貸準備要求があるか否かの確認を行なう(ステップS533)。なお、この確認は、払出制御用CPU327により、カードユニット50から入力されるPRDY信号のオン(要求あり)またはオフ(要求なし)を確認することにより行なわれる。
【0167】カードユニット50からの球貸準備要求がなければ、払出制御用CPU327は、賞球未払出カウンタに格納されている賞球数(未払出の賞球数)が0でないか否かの確認を行なう(ステップS534)。賞球未払出カウンタに格納されている賞球数が0でなければ、賞球制御用CPU327は、賞球処理中フラグをオンする(ステップS535)。
【0168】次に払出制御用CPU327は、賞球未払出カウンタの値に相当する賞球個数を払出す動作を設定する。その結果、その設定された個数だけの賞球を払出すように払出モータ312を駆動制御する処理がなされる。そして、ステップS538での設定に従って払出モータ312をオンする(ステップS539)。そして、図26に示す賞球制御処理における賞球払出中の処理に移行する。
【0169】図26は、払出制御用CPU327により払出制御処理における賞球中の処理の一例を示すフローチャートである。賞球制御処理では、払出モータ312がオンしていなければオンする。なお、この実施の形態では、ステップS751のスイッチ処理で、払出個数カウントスイッチ314の検出出力による遊技球の払出がなされたか否かの確認を行なうため、賞球制御処理では賞球未払出カウンタの減算などは行なわれない。賞球中の処理において、払出制御用CPU327は、賞球通過待ち時間中であるか否かの確認を行なう(ステップS540)。賞球通過待ち時間中でなければ、賞球払出を行ない(ステップS541)、払出モータ312の駆動を終了すべきか(本例では15個または15個未満の所定個数の払出動作が終了したか)否かの確認を行なう(ステップS542)。具体的には、所定個数の払出に対応した回転が完了したか否かを確認する。所定個数の払出に対応した回転は、モータ位置センサ313の出力によって監視される。所定個数の払出に対応した回転が完了した場合には、払出制御用CPU327は、払出モータ312の駆動を停止し(ステップS543)、賞球通過待ち時間の設定を行なう(ステップS542)。賞球通過待ち時間は、最後の払出玉が払出モータ312によって払出されてから払出個数カウントスイッチ314を通過するまでの時間である。
【0170】一方、ステップS540を見て賞球通過待ち時間中であれば、払出制御用CPU327は、賞球通過待ち時間が終了したか否かの確認を行なう(ステップS544)。貸玉通過待ち時間の終了を確認すると、ステップS538で設定された賞球がすべて払出された状態であるので、払出モータ312をオフするとともに(ステップS544)、賞球処理中フラグをオフする(ステップS546)。次に、払出制御用CPU327は、払出完了信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53へ出力する処理を行なう(S546a)。その結果、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、送信した賞球コマンド分の賞品玉の払出が完了したことを把握することができる。なお、賞球通過待ち時間が経過するまでに最後の払出玉が払出個数カウントスイッチ314を通過しなかった場合には、賞球径路エラーとされる。
【0171】また、この実施の形態では、ステップS531の判断によって球貸が賞球処理よりも優先されることになるが、賞球処理が球貸に優先されるようにしてもよい。
【0172】賞球払出カウンタおよび未払出の貸玉個数を記憶する賞球払出カウンタのカウント値データは、遊技機の電源が断しても、所定期間電源基板910のバックアップ電源によって保存される。したがって、所定期間中に電源が回復すると、払出制御用CPU327は、それら未払出カウンタのカウント値に基づいて払出処理を継続することができる。
【0173】図27は、S758aに示された発射制御処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。SJ1により、払出停止状態の設定中であるか否かの判断がなされる。前述したS754eによる払出停止状態の設定がなされている場合には、YESの判断がなされて制御がSJ3へ進み、発射制御信号の出力を停止する処理がなされる。その結果、打球発射不能状態となる。一方、払出停止状態の設定中でない場合には制御がSJ2へ進み、非接続フラグがセットされているか否かの判断がなされる。この非接続フラグは、図24で前述したように、カードユニット50とパチンコ遊技機1とが接続されていないときにセットされ、接続されたときにクリアされるものである。非接続フラグがセットされている場合には、制御がSJ3へ進み、発射制御用信号を出力停止状態にする処理がなされる。その結果、打球発射不能状態となる。
【0174】一方、非接続フラグのセットがなされていない場合にはSJ4へ進み、タッチ検出信号の入力があるか否かの判断がなされる。タッチリング308からの検出信号が入力されておれば、制御がSJ5へ進み、発射制御信号を打球モータ94へ出力する処理がなされる。その結果、打球発射可能状態となる。次にSJ6へ進み、発射状態信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53へ送信する処理がなされる。
【0175】図28は、演出制御用CPU323が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また表示制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、この実施の形態では、演出制御用CPU323は、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)の確認を行うループ処理に移行する。ループ処理では、主基板31から受信した演出制御コマンドを解析する処理であるコマンド解析処理を実行する(ステップS702)。
【0176】図29に示すように、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU323は、タイマ割込フラグをセットする(ステップS711)。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU323は、そのフラグをクリアし(ステップS703,S704)、乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新するカウンタ更新処理(ステップS706)および表示制御プロセス処理(ステップS707)を実行する。
【0177】なお、この実施の形態では、タイマ割込は16.7ms(1/60秒)毎にかかるとする。すなわち、カウンタ更新処理および表示制御プロセス処理は、16.7ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な表示制御処理(表示制御プロセス処理)はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で表示制御処理を実行してもよい。
【0178】また、タイマ割込はより短い周期でかかるようにし(例えば2ms)、タイマ割込処理ではカウンタ更新処理を実行せず、カウンタ更新処理は、特別図柄表示部9の同期信号(SYNC)に同期して起動されるように構成してもよい。
【0179】図30は、主基板31から受信した演出制御コマンドを格納するための受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよく、例えば、図柄指定コマンド格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド受信バッファ)、それ以外の変動パターン指定などのコマンド格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受信バッファ)のようなバッファ構成としてもよい。
【0180】図31は、割込処理による演出制御コマンド受信処理を示すフローチャートである。主基板31からの演出制御用のINT信号は演出制御用CPU323の割込端子に入力されている。主基板31からのINT信号が立ち上がると、演出制御用CPU323に割込がかかり、図31に示す演出制御コマンドの受信処理が開始される。なお、演出制御用CPU323は、割込が発生すると、ソフトウェアで割込許可にしない限り、マスク可能割込がさらに生ずることはないような構造のCPUである。また、この実施の形態では、割込端子の入力が立ち上がると割込が発生するが、割込端子の入力が立ち下がると割込がかかるようなCPUの初期設定を行ったり、割込端子の入力が立ち下がると割込がかかるようなCPUを用いてもよい。
【0181】すなわち、取込信号としてのパルス状(矩形波状)のINT信号のレベル変化タイミング(エッジ)で割込が発生するように構成すれば、エッジは立ち上がりエッジであっても立ち下がりエッジであってもよい。いずれにせよ、取込信号としてのパルス状(矩形波状)のINT信号のレベル変化タイミング(エッジ)で割込が発生するように構成される。このようにすることで、コマンドの取込が指示された段階でいち早くコマンド受信を行うことが可能になる。
【0182】演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用CPU323は、まず、各レジスタをスタックに退避する(ステップS600)。次いで、演出制御コマンドデータの入力に割り当てられている入力ポートからデータを読み込む(ステップS601)。そして、2バイト構成の表示制御コマンドのうちの1バイト目であるか否か確認する(ステップS602)。1バイト目であるか否かは、受信したコマンドの先頭ビットが「1」であるか否かによって確認される。先頭ビットが「1」であるのは、2バイト構成である表示制御コマンドのうちのMODEバイト(1バイト目)のはずである。そこで、演出制御用CPU323は、先頭ビットが「1」であれば、有効な1バイト目を受信したとして、受信したコマンドを受信バッファ領域におけるコマンド受信個数カウンタが示す受信コマンドバッファに格納する(ステップS603)。
【0183】演出制御コマンドのうちの1バイト目でなければ、1バイト目を既に受信したか否か確認する(ステップS604)。既に受信したか否かは、受信バッファ(受信コマンドバッファ)に有効なデータが設定されているか否かによって確認される。
【0184】1バイト目を既に受信している場合には、受信した1バイトのうちの先頭ビットが「0」であるか否か確認する。そして、先頭ビットが「0」であれば、有効な2バイト目を受信したとして、受信したコマンドを、受信バッファ領域におけるコマンド受信個数カウンタ+1が示す受信コマンドバッファに格納する(ステップS605)。先頭ビットが「0」であるのは、2バイト構成である演出制御コマンドのうちのEXTバイト(2バイト目)のはずである。なお、ステップS604における確認結果が「1バイト目を既に受信した」(=Y)である場合には、2バイト目として受信したデータのうちの先頭ビットが「0」でなければ処理を終了する。なお、ステップS604で「N」と判断された場合には、ステップS606の処理が行われないので、次に受信したコマンドは、今回受信したコマンドが格納されるはずであったバッファ領域に格納される。
【0185】ステップS605において、2バイト目のコマンドデータを格納すると、コマンド受信個数カウンタに2を加算する(ステップS606)。そして、コマンド受信カウンタが12以上であるか否か確認し(ステップS607)、12以上であれば受信コマンドバッファにオーバフローが生じているのでコマンド受信個数カウンタをクリアする(ステップS609)。その後、退避されていたレジスタを復旧し(ステップS610)、最後に割込許可に設定する(ステップS611)。
【0186】演出制御コマンドは2バイト構成であって、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)とは、受信側で直ちに区別可能に構成されている。すなわち、先頭ビットによって、MODEとしてのデータを受信したのかEXTとしてのデータを受信したのかを、受信側において直ちに検出できる。よって、上述したように、適正なデータを受信したのか否かを容易に判定することができる。
【0187】ステップS607で受信コマンドバッファにオーバフローが生じていないことが確認されたら、すなわち、正常に受信コマンドバッファに受信コマンドが確認されたら、制御がS610へ進む。
【0188】図32は、コマンド解析処理(ステップS702)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、演出制御用CPU232は、コマンド解析処理において、受信コマンドバッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
【0189】コマンド解析処理において、演出制御用CPU323は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS751)。格納されているか否かは、コマンド受信カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信コマンドが格納されていない場合には処理を終了する。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU323は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS752)。なお、1バイト分読み出す毎に読出ポインタの値を+1しておく。
【0190】読出した受信コマンドの1バイト目に基づいて、その受信コマンドの種類を判定する処理がなされる(ステップS753、S754、S759)。SF3に従って賞球残ありコマンドのみが主基板31から演出制御基板80へ送信されてきた場合には、制御がS753→S754→S758と進み、賞球ランプ(賞球/満タンランプ)51を点灯する処理がなされるとともに、払出中音をスピーカ27から発生させる制御がなされる。一方、SF3およびSF4の両方の処理に従って、賞球残ありコマンドと満タンコマンドとの両方が主基板31から送信されてきている場合には、制御がS755へ進み、賞球ランプ(賞球/満タンランプ)51を点滅させ、玉抜きのメッセージ音声をスピーカ27から発生させる制御がなされる。次に、特別図柄表示部9が可変表示中であるか否かの判断がなされ(ステップS756)、可変表示中でない場合には、玉抜きのメッセージ表示をその特別図柄表示部9により表示させる制御がなされる。
【0191】このように、未払出有りコマンドのみが送信されてきている場合には、賞球/満タンランプ51が点灯状態となり、未払出有りコマンドと満タンコマンドとの両方が送信されてきている場合に初めて賞球/満タンランプ51が点滅状態に切替わる。すなわち、満タンコマンドが送信されてきているものの未払出コマンドが送信されてきていない場合には、S755の処理がなされることがなく、賞球/満タンランプが点滅状態となることがない。
【0192】一方、主基板31から球切れコマンドが送信されてきている場合には、S759によりYESの判断がなされてS760により、球切れランプ52を点灯させる制御がなされる。一方、主基板31から送信されてきたコマンドが可変表示制御用のコマンドである場合には、制御がS761へ進み、可変表示制御処理が実行される。この可変表示制御処理は、可変表示動作に応じてスピーカ27から効果音を発生させたり各種ランプ・LEDを点灯または点滅制御させる処理も含んでいる。
【0193】次に、以上説明した実施の形態における変形例や特徴点等を、以下に列挙する。
【0194】(1) 本実施の形態では、遊技媒体貯留部(打球供給皿3、余剰球受皿4)に貯留されている遊技媒体(遊技球)が発射位置に誘導されて発射手段により発射されるために、未払出の遊技媒体がないときには発射に応じて貯留されている遊技媒体が減少する。その結果、遊技媒体を払出す払出手段(球払出装置97)と遊技媒体貯留部との間の遊技媒体通路に設けられた許容量貯留検出手段(満タンスイッチ48)による満タンの検出が行なわれなくなる。故に、満タン検出が行なわれたとしても、未払出遊技媒体が存在しないときには、遊技媒体貯留部(打球供給皿3、余剰球受皿4)に貯留されている遊技媒体を抜き取る等して他の貯留部に移し替える必要がなくなる。未払出遊技媒体が存在しない場合にはたとえ許容量貯留検出手段(満タンスイッチ48)により領域許容量に達した旨の検出が行なわれたとしても報知手段(賞球/満タンランプ51)による報知がなされないが、未払出遊技媒体が存在しない以上前述したように遊技媒体の発射に伴って遊技媒体貯留部の貯留量が減少するために、報知を行なわないことによる不都合が生じず、本発明における報知手段による報知態様が有効に活きてくる。
【0195】(2) 前記エラー報知用7セグメント表示器334により、遊技媒体(遊技球)の払出に関する異常状態が発生した場合に当該発生した異常状態の種類(原因)を報知する異常種類(原因)報知手段が構成されている。前記エラー解除スイッチ333により、遊技媒体(遊技球)の払出に関するエラーが発生して払出制御手段(払出制御基板37)がエラー状態になった場合に、該エラー状態を解除してエラー状態から復帰させるためのエラー解除操作手段が構成されている。前記満タンスイッチ48、ドア開放スイッチ310、単発発射スイッチ309、S754により、遊技媒体(遊技球)を発射可能な状態になっていることを検出する発射可能状態検出手段が構成されている。満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、S755により、遊技媒体(遊技球)を発射可能な状態になっていることを検出する発射可能状態検出手段が構成されている。
【0196】(3) 本実施の形態においては、賞球/満タンランプ51により、第1報知と第2報知とを行なう報知部を構成しているが、それに代えて、第1報知を行なう専用のランプやLED(第1報知部)と第2報知を行なう専用のランプやLED(第2報知部)とを設け、両者により報知手段を構成してもよい。
【0197】また、未払出の遊技媒体がある場合に、その未払出遊技媒体個数を遊技者に報知するための未払出遊技媒体個数報知手段を遊技機に設けてもよい。
【0198】(4) 前述したSH2,SH4,SH6およびSI4,SI5で示したように、本実施の形態においては、入賞の発生により未払出遊技媒体数を加算更新するとともに払出制御手段への遊技媒体数コマンドの送信に応じて未払出遊技媒体数を減算更新するものを示したが、本発明はこれに限らず、入賞の発生により未払出遊技媒体数を減算更新するとともに、払出制御手段への遊技媒体数コマンドの送信に応じて未払出遊技媒体数を加算更新するようにし、未払出遊技媒体数が0になった状態で払出が完了したものと判定するようにしてもよい。さらには、未払出遊技媒体数として初期値(たとえば16等の所定の数値)を予め設定しておき、入賞の発生により未払出遊技媒体数を加算(または減算)更新するとともに、払出制御手段への遊技媒体数コマンドの送信に応じて未払出遊技媒体数を減算(または加算)更新し、未払出遊技媒体数が前記初期値(たとえば16)になったことにより払出が完了したものと判定するようにしてもよい。
【0199】(5) 本発明は、スロットマシンにも適用できる。スロットマシンに適用した場合には、具体的に以下のようなものとなる。遊技者が遊技媒体の一例のコインを投入して賭数を入力し、スタートレバーを操作すると、複数のリールが可変開始して遊技者のストップボタンの操作または所定時間の経過により、各リールが停止し、停止時に表示された識別情報の組合せに応じて、大当りまたはボーナスゲームまたはビッグボーナスゲーム等の入賞が発生して、所定個数のコインが払出される。そのコインは、遊技媒体貯留部としてのコイン貯留皿に貯留される。そのコイン貯留皿がコインで満タンとなった(貯留許容量に達した)ことが満タン検出器(許容量貯留検出手段)により検出されたときには入賞が発生してもそれ以上のコインの払出が停止されるとともに、入賞が発生したにもかかわらず未だ払出されていない未払出のコイン個数を記憶するコイン個数記憶手段(クレジット数記憶手段)が設けられている。そのコイン個数記憶手段に未払出コイン個数(クレジット数)の記憶があるときにその旨を表わす第1報知(点灯)を遊技者に行なうとともに、コイン個数記憶手段に未払出コイン個数の記憶がありかつ満タン検出器による貯留許容量に達した旨(満タンになった旨)の検出がなされているときにその旨を表わす第2報知(点滅)を遊技者に対して行なう報知手段(ランプ)と、その報知手段を制御する報知制御手段(遊技制御用のマイクロコンピュータまたはリールの可変表示制御用のマイクロコンピュータ)とが備えられている。
【0200】そして、その報知制御手段は、コイン個数記憶手段に未払出コイン個数(クレジット数)の記憶がありかつ満タン検出器(許容量貯留検出手段)による貯留許容量に達していること(満タンになったこと)の検出がなされて前記第2報知を行なう第2報知開始条件が成立したか否かを判定し、その第2報知開始条件の成立した旨の判定が行なわれたときには、前記第1報知を終了させて第2報知を開始する制御が行なわれる。
【0201】また、遊技制御手段(遊技制御用のマイクロコンピュータ)と可変表示制御手段(リールの可変表示制御用のマイクロコンピュータ)とを備え、遊技制御手段から可変表示制御手段へ、コイン個数記憶手段に未払出コイン個数(クレジット数)の記憶がある旨のコマンドと、満タン検出器による貯留許容量に達した旨(満タンになった旨)の検出がなされている旨のコマンドとが送信され、前記可変表示制御手段が、前記遊技制御手段からのコマンドにより前記報知手段を制御するようにしてもよい。
【0202】(6) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。
【図2】 パチンコ遊技機の遊技盤の正面図である。
【図3】 パチンコ遊技機の内部構造を示す全体背面図である。
【図4】 遊技球貯留部の構造を説明するための斜視図である。
【図5】 満タンスイッチの設置箇所を示すとともに貯留された遊技球が抜き取られる状態を説明するための図である。
【図6】 パチンコ遊技機に用いられている制御回路を示すブロック図である。
【図7】 景品球(賞球)の払出制御を説明するための回路を示すブロック図である。
【図8】 主基板と払出制御基板との間での信号の交信を説明するための図である。
【図9】 球貸制御と玉発射制御を説明するための回路を示すブロック図である。
【図10】 主基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図11】 タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図12】 表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【図13】 表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【図14】 (a)は賞球処理を示すフローチャートであり、(b)は球切れチェック処理を示すフローチャートである。
【図15】 (a)は満タンチェック処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートであり、(b)は賞球コマンド送信処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図16】 払出中フラグクリア処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図17】 (a)は賞球個数加算処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートであり、(b)は賞球個数減算処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図18】 払出制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図19】 払出制御処理を示すフローチャートである。
【図20】 スイッチ処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図21】 コマンド受信割込処理のプログラムを示すフローチャートである。
【図22】 コマンド解析実行処理のプログラムを示すフローチャートである。
【図23】 払出停止状態設定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図24】 PCユニット制御処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図25】 賞球制御処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図26】 賞球制御処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図27】 発射制御処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図28】 演出制御用CPUにより行なわれる演出制御のメイン処理を示すフローチャートである。
【図29】 タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図30】 コマンド受信バッファの構成を示す説明図である。
【図31】 コマンド受信割込処理を示すフローチャートである。
【図32】 コマンド解析処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 遊技機の一例のパチンコ遊技機、7 遊技領域、8 可変表示装置、50プリペイドカードユニット、31 主基板、37 払出制御基板、80 演出制御基板、97 遊技媒体払出手段の一例の球払出装置、312 払出モータ、94 発射モータ、48 許容量貯留検出手段の一例の満タンスイッチ、187球切れスイッチ、51 報知手段の一例の賞球/満タンランプ、3 遊技媒体貯留部の一例の打球供給皿、4 遊技媒体貯留部の一例の余剰球受皿。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 遊技媒体を使用して遊技が可能であるとともに、入賞の発生により遊技媒体が払出される遊技機であって、遊技媒体を払出すための遊技媒体払出手段と、払出された遊技媒体を貯留する遊技媒体貯留部と、該遊技媒体貯留部に貯留されている遊技媒体が貯留許容量に達したことを検出する許容量貯留検出手段と、該許容量貯留検出手段による許容量に達した旨の検出が行なわれたときに遊技媒体の払出を停止する払出停止手段と、入賞が発生したにも拘らず未だ払出されていない未払出の遊技媒体個数を特定可能な情報を記憶する未払出記憶手段と、該未払出記憶手段に未払出遊技媒体個数の記憶があるときにその旨を表わす第1報知を遊技者に対し行なうとともに、前記未払出記憶手段に未払出遊技媒体個数の記憶がありかつ前記許容量貯留検出手段による許容量に達した旨の検出がなされているときにその旨を表わす第2報知を遊技者に対し行なう報知手段と、該報知手段を制御する報知制御手段とを備え、該報知制御手段は、前記未払出記憶手段に未払出遊技媒体個数の記憶がありかつ前記許容量貯留検出手段による貯留許容量に達していることの検出がなされて前記第2報知を行なう第2報知開始条件が成立したか否かを判定する判定手段を含み、該判定手段が前記第2報知開始条件の成立した旨の判定を行なったときには前記第1報知を終了させて第2報知を開始させる制御を行なうことを特徴とする、遊技機。
【請求項2】 遊技機の遊技状態を制御する遊技制御手段をさらに備え、該遊技制御手段は、前記未払出記憶手段に未払出遊技媒体個数の記憶がある旨のコマンドと、前記許容量貯留検出手段による貯留許容量に達していることの検出がなされている旨のコマンドとを前記報知制御手段へ送信し、前記報知制御手段は、前記遊技制御手段からのコマンドを受信し、該コマンドに基づいて前記判定手段による判定を行ない、該判定結果により前記報知手段を制御することを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】 前記遊技媒体払出手段を制御する払出制御手段をさらに備え、遊技機の遊技状態を制御する遊技制御手段から払出すべき遊技媒体の個数を指定する遊技媒体数コマンドが出力され、前記払出制御手段は、前記遊技媒体数コマンドを受けて指定された個数の遊技媒体を前記払出手段から払出すための制御を行ない、前記遊技制御手段は、前記未払出記憶手段を含み、入賞の発生により前記未払出遊技媒体数を加算更新するとともに、前記払出制御手段への前記遊技媒体数コマンドの送信に応じて前記未払出遊技媒体数を減算更新することを特徴とする、請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】 前記払出制御手段は、遊技媒体の払出制御が完了したときに払出完了信号を前記遊技制御手段へ送信し、前記遊技制御手段は、前記払出完了信号を受信するまで次の遊技媒体数コマンドを送信しないことを特徴とする、請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】 前記許容量貯留検出手段の検出信号が前記払出制御手段に入力され、該払出制御手段は、前記許容量貯留検出手段からの検出信号を入力したときに遊技媒体の払出を停止させるとともに、前記遊技制御手段へ前記貯留許容量に達した旨の検出が行なわれたことを示す信号を送信し、前記遊技制御手段は前記信号に基づいて前記貯留許容量に達した旨の検出が行なわれたか否かを判定することを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】 遊技領域に遊技媒体を発射する発射手段と、前記遊技媒体貯留部に貯留されている遊技媒体を前記発射手段の発射位置に誘導するための通路とをさらに備え、前記許容量貯留検出手段は、前記払出手段と前記遊技媒体貯留部との間の遊技媒体通路に設けられていることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の遊技機。
【請求項7】 前記報知制御手段は、同一の報知手段の報知態様を異ならせることにより前記第1報知と前記第2報知との区別ができるように報知を実行させることを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の遊技機。
【請求項1】 遊技媒体を使用して遊技が可能であるとともに、入賞の発生により遊技媒体が払出される遊技機であって、遊技媒体を払出すための遊技媒体払出手段と、払出された遊技媒体を貯留する遊技媒体貯留部と、該遊技媒体貯留部に貯留されている遊技媒体が貯留許容量に達したことを検出する許容量貯留検出手段と、該許容量貯留検出手段による許容量に達した旨の検出が行なわれたときに遊技媒体の払出を停止する払出停止手段と、入賞が発生したにも拘らず未だ払出されていない未払出の遊技媒体個数を特定可能な情報を記憶する未払出記憶手段と、該未払出記憶手段に未払出遊技媒体個数の記憶があるときにその旨を表わす第1報知を遊技者に対し行なうとともに、前記未払出記憶手段に未払出遊技媒体個数の記憶がありかつ前記許容量貯留検出手段による許容量に達した旨の検出がなされているときにその旨を表わす第2報知を遊技者に対し行なう報知手段と、該報知手段を制御する報知制御手段とを備え、該報知制御手段は、前記未払出記憶手段に未払出遊技媒体個数の記憶がありかつ前記許容量貯留検出手段による貯留許容量に達していることの検出がなされて前記第2報知を行なう第2報知開始条件が成立したか否かを判定する判定手段を含み、該判定手段が前記第2報知開始条件の成立した旨の判定を行なったときには前記第1報知を終了させて第2報知を開始させる制御を行なうことを特徴とする、遊技機。
【請求項2】 遊技機の遊技状態を制御する遊技制御手段をさらに備え、該遊技制御手段は、前記未払出記憶手段に未払出遊技媒体個数の記憶がある旨のコマンドと、前記許容量貯留検出手段による貯留許容量に達していることの検出がなされている旨のコマンドとを前記報知制御手段へ送信し、前記報知制御手段は、前記遊技制御手段からのコマンドを受信し、該コマンドに基づいて前記判定手段による判定を行ない、該判定結果により前記報知手段を制御することを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】 前記遊技媒体払出手段を制御する払出制御手段をさらに備え、遊技機の遊技状態を制御する遊技制御手段から払出すべき遊技媒体の個数を指定する遊技媒体数コマンドが出力され、前記払出制御手段は、前記遊技媒体数コマンドを受けて指定された個数の遊技媒体を前記払出手段から払出すための制御を行ない、前記遊技制御手段は、前記未払出記憶手段を含み、入賞の発生により前記未払出遊技媒体数を加算更新するとともに、前記払出制御手段への前記遊技媒体数コマンドの送信に応じて前記未払出遊技媒体数を減算更新することを特徴とする、請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】 前記払出制御手段は、遊技媒体の払出制御が完了したときに払出完了信号を前記遊技制御手段へ送信し、前記遊技制御手段は、前記払出完了信号を受信するまで次の遊技媒体数コマンドを送信しないことを特徴とする、請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】 前記許容量貯留検出手段の検出信号が前記払出制御手段に入力され、該払出制御手段は、前記許容量貯留検出手段からの検出信号を入力したときに遊技媒体の払出を停止させるとともに、前記遊技制御手段へ前記貯留許容量に達した旨の検出が行なわれたことを示す信号を送信し、前記遊技制御手段は前記信号に基づいて前記貯留許容量に達した旨の検出が行なわれたか否かを判定することを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】 遊技領域に遊技媒体を発射する発射手段と、前記遊技媒体貯留部に貯留されている遊技媒体を前記発射手段の発射位置に誘導するための通路とをさらに備え、前記許容量貯留検出手段は、前記払出手段と前記遊技媒体貯留部との間の遊技媒体通路に設けられていることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の遊技機。
【請求項7】 前記報知制御手段は、同一の報知手段の報知態様を異ならせることにより前記第1報知と前記第2報知との区別ができるように報知を実行させることを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の遊技機。
【図2】
【図3】
【図1】
【図4】
【図5】
【図10】
【図16】
【図6】
【図7】
【図18】
【図21】
【図22】
【図8】
【図9】
【図11】
【図28】
【図29】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図17】
【図19】
【図20】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図30】
【図32】
【図31】
【図3】
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【図5】
【図10】
【図16】
【図6】
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【図18】
【図21】
【図22】
【図8】
【図9】
【図11】
【図28】
【図29】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図17】
【図19】
【図20】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図30】
【図32】
【図31】
【公開番号】特開2003−305269(P2003−305269A)
【公開日】平成15年10月28日(2003.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−111163(P2002−111163)
【出願日】平成14年4月12日(2002.4.12)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成15年10月28日(2003.10.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成14年4月12日(2002.4.12)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】
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