説明

遊技機

【課題】乱数を発生する手段が正常に動作しているかどうかを判別し、異常動作をしている場合には適切な制御処理を実行することができる遊技機を提供する。
【解決手段】発振器930は、所定周波数のクロック信号を発生し、カウンタIC931は、クロック信号にもとづいて、遊技制御用のCPU56における遊技に関わる制御に用いられる乱数値をカウントする。監視回路934は、発振器930の異常の発生を監視する。監視回路934は、監視結果にもとづいてCPU56に乱数値の更新に関わる異常を知らせる異常信号を出力する。CPU56は、異常信号の入力にもとづいてエラー処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技者が所定の遊技を行い、特定の条件の成立に応じて遊技者に所定の遊技価値を付与可能なパチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。さらに、表示状態が変化可能な可変表示装置が設けられ、可変表示装置における特別図柄の表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様となった場合に所定の遊技価値を遊技者に与えるように構成されたものがある。可変表示装置において、特別図柄は、始動入賞口に遊技球が入賞したこと(始動入賞)にもとづいて変動開始される。
【0003】
特別図柄を表示する可変表示装置の表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様の組合せとなることを、通常、「大当り」という。なお、遊技価値とは、遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態となるための権利を発生させたりすることである。
【0004】
大当りが発生すると、例えば、大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。そして、各開放期間において、所定個(例えば10個)の大入賞口への入賞があると大入賞口は閉成する。そして、大入賞口の開放回数は、所定回数(例えば16ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(例えば29.5秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成する。また、大入賞口が閉成した時点で所定の条件(例えば、大入賞口内に設けられているVゾーンへの入賞)が成立していない場合には、大当り遊技状態は終了する。
【0005】
そして、遊技球が遊技盤に設けられている入賞口に遊技球が入賞すると、あらかじめ決められている個数の賞球払出が行われる。遊技の進行は主基板に搭載された遊技制御手段によって制御されるので、入賞にもとづく賞球個数は、遊技制御手段によって決定され、景品としての遊技球を払い出す払出機構を制御する払出制御手段に送信される。なお、以下、遊技制御手段およびその他の制御手段を、それぞれ電気部品制御手段と呼ぶことがある。また、電気部品とは、遊技機に設けられている部品(機構部品や回路等)であって、電気的に動作するものである。
【0006】
ところで、遊技における「大当り」は、所定の条件(例えば可変表示開始の条件となる始動入賞)が成立し、大当り判定に用いられる乱数が発生され、乱数値があらかじめ決められている所定値と一致したときに生じる。大当りの判定は、遊技制御手段を構成する遊技制御用マイクロコンピュータにおいて乱数値にもとづいて行われが、乱数値の発生は、遊技制御用マイクロコンピュータの外部に設けられたハードウェア構成の外部乱数発生手段において行われることがある。
【0007】
外部乱数発生手段は、所定周波数のクロック信号を発生する発振器と、発振器が発生したクロック信号をカウントするカウンタ部と、カウンタ部がカウントしたカウンタ値を抽出してラッチ(保持)するラッチ部とを備えている。具体的には、外部乱数発生手段は、次のように乱数値を発生する。カウンタ部は、発振器が発生している所定周波数のクロック信号をカウントしている。ラッチ部は、始動入賞が発生したことを検出すると、カウンタ部がカウントしているカウンタ値を抽出しラッチする。
【0008】
また、遊技制御用マイクロコンピュータは、始動入賞が発生したことを検出すると、ラッチ部がラッチしたカウンタ値を読み出す。そして、遊技制御用マイクロコンピュータは、読み出したカウンタ値をRAMの所定領域に格納する。このように格納されたカウンタ値が大当り判定に用いられる乱数値となる。遊技制御用マイクロコンピュータは、RAMの所定領域に格納した乱数値にもとづいて大当り判定を行う。
【0009】
しかし、外部乱数発生手段に故障等の異常が発生する可能性も存在する。例えば、発振器が故障してクロック信号を発生しなくなったり、カウンタ部が故障して正常にクロック信号をカウントしなくなることも起こり得る。また、始動口スイッチとラッチ部をつなぐ信号線が断線して、ラッチ部が始動口スイッチからの始動検出信号を検出できないことも起こり得る。このような場合、ラッチ部が保持するカウンタ値は常に同じ値となり、外部乱数発生手段に異常が発生する直前のカウンタ値が「はずれ」であれば常に大当り判定も「はずれ」となって「大当り」が出現しなくなってしまう。逆に、異常が発生する直前に「大当り」であれば常に「大当り」となってしまう。このように外部乱数発生手段からのカウンタ値の偏りが生じて遊技の制御に不都合が生じた場合でも、外部からは容易に認識することができない。
【0010】
このような問題点を解消する従来の遊技機として、外部乱数発生手段の発振器が発生するクロック信号の異常を監視部によって監視し、監視部の監視結果によりCPU(マイクロコンピュータ)の動作を停止させるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−313966号公報(第3−9頁、第3図)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、当該特許文献1に記載された外部乱数発生手段の監視装置では、クロック信号を発生する発振器の異常を検出できるだけであって、外部乱数発生手段の他の構成、例えばカウンタ部や始動口スイッチとラッチ部とをつなぐ信号線の異常を検出することはできない。また、制御が複雑化している現状の遊技機においては、外部乱数発生手段の異常が発生したことに対して異常の報知や遊技球の払出しの停止等の適切な制御処理を行わなければ、新たな不具合が発生するおそれもある。
【0013】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、乱数を発生する手段が正常に動作しているかどうかを判別し、異常動作をしている場合には適切な制御処理を実行することができる遊技機を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明による遊技機は、遊技者が所定の遊技を行い、所定条件の成立に応じて遊技者に所定の遊技価値を付与可能な遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(例えばCPU56等)と、所定周波数のクロック信号(例えば20MHzのクロック信号)を発生するクロック信号発生手段(発振器930)と、遊技制御用マイクロコンピュータとは別個に設けられ、クロック信号にもとづいて、遊技制御用マイクロコンピュータにおける遊技に関わる制御に用いられる数値データ(例えばカウンタ値すなわち乱数値)を更新する数値データ更新手段(例えばカウンタIC931)と、数値データの更新が停止しているか否かを監視する監視手段(例えば監視回路934,935)とを備え、監視手段は、数値データの更新が停止しているときに遊技制御用マイクロコンピュータに数値データの更新が停止しているという更新異常(例えば、発信器930やカウンタ932の故障等)を知らせる更新異常信号を出力し、遊技制御用マイクロコンピュータは、更新異常信号の入力にもとづいて所定の異常時制御処理(例えば図11のステップS33および図17に示す処理)を実行することを特徴とする。
【0015】
更新異常を報知するための報知手段(例えば可変表示装置9、スピーカ27、ランプ・LEDなどの発光体)を備え、遊技制御用マイクロコンピュータは、所定の異常時制御処理として、報知手段に数値データの更新が停止しているという更新異常が発生した旨の報知を行わせるための処理(例えば図17のステップS323に示す処理)を行うように構成されているのが好ましい。
【0016】
遊技制御用マイクロコンピュータは、所定の異常時制御処理として、遊技に関わる制御を停止するための処理(例えば図17のステップS324〜S326に示す処理)を行うように構成されているのが好ましい。
【0017】
遊技制御用マイクロコンピュータは、異常時制御処理において、遊技に関する遊技価値の付与に関わる制御を停止するための処理を行うように構成されているのが好ましい。
【0018】
監視手段(例えば監視回路934)は、クロック信号発生手段からのクロック信号が数値データ更新手段に入力されているか否かを判定することにより数値データの更新が停止しているか否かを監視するように構成されていてもよい。
【0019】
監視手段(例えば監視回路935)は、数値データ更新手段によって更新されている数値データを所定の時点で格納する数値データ格納手段(例えば記憶部935B)と、今回格納された数値データが数値データ格納手段に格納されていた数値データ(例えば任意の回数前に格納されていた一つまたは複数の数値データ)と一致しているか否かを判定する数値データ判定手段(例えば異常判定回路935C)とを含み、数値データ判定手段により数値データが所定回連続して一致していることが判定されたときに更新異常信号を遊技制御用マイクロコンピュータに出力するように構成されていてもよい。
【0020】
監視手段は、今回格納された数値データが前回に格納された数値データと一致しているか否かを判定するように構成されていてもよい。
【0021】
監視手段は、今回格納された数値データが前回および前々回に格納された数値データと一致しているか否かを判定するように構成されていてもよい。
【0022】
監視手段は、今回格納された数値データが前回格納された数値データと一致していると判断したときに、今回格納された数値データが前々回(さらにそれより前でもよい)に格納された数値データと一致しているか否かを判定するように構成されていてもよい。
【0023】
数値データは所定の遊技価値を付与するか否かの判定に用いられる(例えば大当り判定用乱数の乱数値に用いられる)のが好ましい。
【0024】
表示状態が変化可能な可変表示手段(例えば可変表示装置9)を備え、可変表示の実行条件の成立(例えば始動入賞の発生)にもとづいて識別情報の可変表示を開始し、識別情報の可変表示の表示結果が特定の表示結果となったときに遊技者に所定の遊技価値を付与可能であって、可変表示の実行条件の成立を検出するための実行条件検出手段(例えば始動口スイッチ14a)を有し、数値データ更新手段は、実行条件検出手段が可変表示の実行条件の成立を検出したことにもとづいて、その可変表示の実行条件が成立した時点における数値データを出力するように構成されているのが好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、遊技盤の前面を示す正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。
【0026】
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
【0027】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
【0028】
遊技領域7の中央付近には、それぞれが識別情報としての図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む可変表示装置(特別図柄表示装置)9が設けられている。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。また、可変表示装置9には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つの特別図柄始動記憶表示エリア(始動記憶表示エリア)18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、表示色が変化する(例えば青色表示から赤色表示に変化)始動記憶表示エリアを1増やす。そして、可変表示装置9の可変表示が開始される毎に、表示色が変化している始動記憶数表示エリアを1減らす(すなわち表示色をもとに戻す)。この例では、図柄表示エリアと始動記憶表示エリアとが区分けされて設けられているので、可変表示中も始動記憶数が表示された状態にすることができる。なお、始動記憶表示エリアを図柄表示エリアの一部に設けるようにしてもよい。また、可変表示中は始動記憶数の表示を中断するようにしてもよい。また、この例では、始動記憶表示エリアが可変表示装置9に設けられているが、始動記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)を可変表示装置9とは別個に設けてもよい。
【0029】
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14としての可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0030】
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aも設けられている。
【0031】
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に右側のランプが点灯すれば当たりとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32に入った入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
【0032】
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
【0033】
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。上記のように、この実施の形態のパチンコ遊技機1には、発光体としてのランプやLEDが各所に設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、カードユニットという。)50も示されている。
【0034】
カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ151、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、およびカード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0035】
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、可変表示装置9において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動記憶数を1増やす。
【0036】
可変表示装置9における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄(特定表示結果)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に遊技球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
【0037】
停止時の可変表示装置9における特別図柄の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
【0038】
遊技球がゲート32に入賞すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
【0039】
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図3および図4を参照して説明する。図3は、遊技機を裏面から見た背面図である。図4は、各種部材が取り付けられた機構板を遊技機背面側から見た背面図である。
【0040】
図3に示すように、遊技機裏面側では、可変表示装置9を制御する演出制御手段が搭載された演出制御基板80を含む可変表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31が設置されている。また、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37が設置されている。なお、演出制御手段は、遊技盤6に設けられている可変表示装置9、各種装飾LED、普通図柄始動記憶表示器41、装飾ランプ25、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cを点灯制御するとともに、スピーカ27からの音発生を制御する。
【0041】
演出制御手段は、演出制御基板80に搭載されている1つの演出制御用マイクロコンピュータで実現されるが、遊技盤6に設けられている各種装飾LED、普通図柄始動記憶表示器41、装飾ランプ25、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cを駆動するための駆動回路は、演出制御基板80と電気的に接続されているランプドライバ基板に搭載されている。また、スピーカ27を駆動する駆動回路等は、演出制御基板80と電気的に接続されている音声出力基板に搭載されている。
【0042】
さらに、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5Vを作成する電源回路が搭載された電源基板910やタッチセンサ基板91が設けられている。電源基板910は、大部分が主基板31と重なっているが、主基板31に重なることなく外部から視認可能に露出した露出部分がある。この露出部分には、遊技機1の各電気部品制御基板(主基板31、演出制御基板80、払出制御基板37)や遊技機に設けられている各電気部品への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ914と、主基板31に含まれる記憶内容保持手段(例えば、電力供給停止時にもその内容を保持可能なバックアップRAM)に記憶されたバックアップデータをクリアするための操作手段としてのクリアスイッチ921とが設けられている。さらに、露出部分における電源スイッチ914の内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
【0043】
遊技機裏面において、上方には、各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)34が設置されている。
【0044】
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レール39を通り、図4に示されるように、カーブ樋186を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置に至る。球払出装置の上部には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レール39における上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構から遊技機に対して遊技球の補給が行われる。
【0045】
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払い出されて打球供給皿3が満杯になり、ついには遊技球が連絡口45に到達した後さらに遊技球が払い出されると、遊技球は、余剰球通路46を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払い出されると、感知レバー47が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ48を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチ48がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
【0046】
図4に示すように、球払出装置の側方には、カーブ樋186から遊技機下部の排出口192に至る球抜き通路191が形成されている。球抜き通路191の上部には球抜きレバー193が設けられ、球抜きレバー193が遊技店員等によって操作されると、誘導レール39から球抜き通路191への遊技球通路が形成され、貯留タンク38内に貯留されている遊技球は、排出口192から遊技機外に排出される。
【0047】
図5は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図5には、払出制御基板37および演出制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、およびクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。
【0048】
なお、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行う始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの各スイッチは、入賞検出手段でもある。なお、入賞検出手段は、複数の入賞口に別個に入賞したそれぞれの遊技球をまとめて検出するものであってもよい。また、ゲートスイッチ32aのような通過ゲートであっても、賞球の払い出しが行われるものであれば、通過ゲートへ遊技球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(例えばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。さらに、この実施の形態では、V入賞領域に入賞した遊技球はV入賞スイッチ22で検出されるとともにカウントスイッチ23でも検出されるが、V入賞スイッチ22のみで検出されるようにしてもよい。V入賞領域に入賞した遊技球がV入賞スイッチ22のみで検出される場合には、大入賞口に入賞した遊技球数は、V入賞スイッチ22による検出数とカウントスイッチ23による検出数との和になる。
【0049】
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置9における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
【0050】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。
【0051】
また、RAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。なお、遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。
【0052】
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は払出制御基板37上の回路によって制御される発射モータ94を含み、発射モータ94が回転することによって遊技球を遊技領域7に向けて発射する。発射モータ94を駆動するための駆動信号は、タッチセンサ基板91を介して発射モータ94に伝達される。そして、遊技者が操作ノブ(打球ハンドル)5に触れていることはタッチセンサで検出され、タッチセンサからの信号がタッチセンサ基板91を介して払出制御基板37に伝達される。払出制御基板37上の回路は、タッチセンサからの信号がオフ状態を示している場合には、発射モータ94の駆動を停止する。
【0053】
なお、この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、遊技盤6に設けられている普通図柄始動記憶表示器41および装飾ランプ25の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cの表示制御を行う。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段は、特別図柄を可変表示する可変表示装置9および普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御も行う。
【0054】
図6は、払出制御基板37および球払出装置97などの払出に関連する構成要素を示すブロック図である。図6に示すように、払出制御基板37には、払出制御用CPU371が搭載されている。この実施の形態では、払出制御用CPU371は、1チップマイクロコンピュータであり、少なくともRAMが内蔵されている。また、RAMは、主基板31におけるRAM55とは異なり、電源バックアップされていない。払出制御用CPU371、RAM、払出制御用プログラムを格納したROM(図示せず)およびI/Oポート等は、払出制御手段を構成する。
【0055】
満タンスイッチ48および払出カウントスイッチ301からの検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372fに入力される。また、球切れスイッチ187および払出モータ位置センサ295からの検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372eに入力される。払出制御基板37の払出制御用CPU371は、球切れスイッチ187からの検出信号が球切れ状態を示していたり、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、球払出処理を停止する。さらに、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、打球発射装置からの球発射を停止させる。
【0056】
入賞があると、主基板31の出力回路67から、払出指令信号として、賞球の払出要求を行うための賞球REQ信号(賞球リクエスト信号)および払い出すべき賞球個数を示す払出個数信号が出力される。払出個数信号は、4ビットのデータ(2進4桁のデータ)によって構成され、4本の信号線によって出力される。払出個数信号は、入力回路373Aを介してI/Oポート372eに入力される。払出制御用CPU371は、I/Oポート372eを介して賞球REQ信号および払出個数信号が入力すると、払出個数信号が示す個数の遊技球を払い出すために球払出装置97を駆動する制御を行う。なお、主基板31の出力回路67からは、主基板31が接続されていることを示す電源確認信号(接続確認信号)も出力される。また、賞球REQ信号および払出個数信号は、払出数を指定する払出指令信号に相当する。
【0057】
また、払出制御手段が払出指令信号を受け付けたときには主基板31に対して指令受付信号を送信する。指令受付信号は、払出制御基板37の出力ポート372bおよび出力回路373Bを介して主基板31に送信される。そして、主基板31において、入力回路68およびI/Oポート57を介してCPU56に入力される。さらに、払出制御手段が賞球の払出処理を実行しているときには、払出制御手段は、出力ポート372bおよび出力回路373Bを介して払出処理中であることを示す払出BUSY信号(賞球払出中信号)を送信する。なお、この実施の形態では、払出BUSY信号がオン状態になることによって、指令受付信号が送信されたことになる。
【0058】
払出制御用CPU371は、出力ポート372bを介して、賞球払出数を示す賞球情報信号および貸し球数を示す球貸し個数信号をターミナル基板(枠用外部端子基板と盤用外部端子基板とを含む)160に出力する。なお、出力ポート372bの外側に、ドライバ回路が設置されているが、図6では記載省略されている。また、ターミナル基板160(枠用外部端子基板)には、ドア開放情報スイッチ161A,161Bが接続されている。
【0059】
また、払出制御用CPU371は、出力ポート372cを介して、7セグメントLEDによるエラー表示用LED374にエラー信号を出力する。さらに、出力ポート372bを介して、点灯/消灯を指示するための信号を賞球LED51および球切れLED52に出力する。なお、払出制御基板37の入力ポート372fには、エラー状態を解除するためのエラー解除スイッチ375からの検出信号が入力される。エラー解除スイッチ375は、ソフトウェアリセットによってエラー状態を解除するために用いられる。
【0060】
さらに、払出制御基板37からの払出モータ289への駆動信号は、出力ポート372aおよび中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分における払出モータ289に伝えられる。なお、出力ポート372aの外側に、ドライバ回路(モータ駆動回路)が設置されているが、図6では記載省略されている。また、払出制御基板37からの発射モータ94への駆動信号は、出力ポート372aおよびタッチセンサ基板91を介して発射モータ94に伝えられる。
【0061】
カードユニット50には、カードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、カードユニット50には、使用可表示ランプ151、連結台方向表示器153、カード投入表示ランプ154およびカード挿入口155が設けられている(図1参照)。インタフェース基板(中継基板)66には、打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LED60、球貸し可LED61、球貸しスイッチ62および返却スイッチ63が接続される。
【0062】
インタフェース基板66からカードユニット50には、遊技者の操作に応じて、球貸しスイッチ62が操作されたことを示す球貸しスイッチ信号および返却スイッチ63が操作されたことを示す返却スイッチ信号が与えられる。また、カードユニット50からインタフェース基板66には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信号および球貸し可表示信号が与えられる。カードユニット50と払出制御基板37の間では、接続信号(VL信号)、ユニット操作信号(BRDY信号)、球貸し要求信号(BRQ信号)、球貸し完了信号(EXS信号)およびパチンコ機動作信号(PRDY信号)が入力ポート372fおよび出力ポート372dを介して送受信される。カードユニット50と払出制御基板37の間には、インタフェース基板66が介在している。よって、接続信号(VL信号)等の信号は、図6に示すように、インタフェース基板66を介してカードユニット50と払出制御基板37の間で送受信されることになる。
【0063】
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、払出制御基板37の払出制御用CPU371は、カードユニット50にPRDY信号を出力する。また、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、電源が投入されると、VL信号を出力する。払出制御用CPU371は、VL信号の入力状態によってカードユニット50の接続状態/未接続状態を判定する。カードユニット50においてカードが受け付けられ、球貸しスイッチが操作され球貸しスイッチ信号が入力されると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRDY信号を出力する。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRQ信号を出力する。
【0064】
そして、払出制御基板37の払出制御用CPU371は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち上げ、カードユニット50からのBRQ信号の立ち下がりを検出すると、払出モータ289を駆動し、所定個の貸し球を遊技者に払い出す。そして、払出が完了したら、払出制御用CPU371は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち下げる。その後、カードユニット50からのBRDY信号がオン状態でないことを条件に、遊技制御手段から払出指令信号を受けると賞球払出制御を実行する。なお、カードユニット50で用いられる電源電圧AC24Vは払出制御基板37から供給される。
【0065】
カードユニット50に対する電源基板910からの電力供給は、払出制御基板37およびインタフェース基板66を介して行われる。この例では、インタフェース基板66内に配されているカードユニット50に対するAC24Vの電源供給ラインに、カードユニット50を保護するためのヒューズが設けられ、カードユニット50に所定電圧以上の電圧が供給されることが防止される。
【0066】
なお、この実施の形態では、カードユニット50が遊技機とは別体として遊技機に隣接して設置されている場合を例にするが、カードユニット50は遊技機と一体化されていてもよい。また、コイン投入に応じてその金額に応じた遊技球が貸し出されるような場合でも本発明を適用できる。
【0067】
図7は、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、ROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、出力ポート104およびLCD駆動回路106を介してLCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行うとともに、出力ポート104およびランプ駆動回路107を介して普通図柄表示器10の表示制御を行う。
【0068】
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート104および出力ドライバ110を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。また、演出制御用CPU101に入出力するバス(アドレスバス、データバス、および書込/読出信号等の制御信号ラインを含む)はバスドライバ105を介してランプドライバ基板35まで延長されている。
【0069】
ランプドライバ基板35において、演出制御用CPU101に入出力するバスは、バスレシーバ351を介して出力ポート352および拡張ポート353に接続される。出力ポート352から出力される各ランプを駆動する信号は、ランプドライバ354で増幅され各ランプに供給される。また、出力ポート352から出力される各LEDを駆動する信号は、LED駆動回路355で増幅され各LEDに供給される。そして、演出用駆動手段61を駆動する信号は、駆動回路356で増幅され各ランプに供給される。
【0070】
この実施の形態では、遊技機に設けられているランプ・LEDおよび演出用駆動手段は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用CPU101を含む演出制御手段によって制御される。また、可変表示装置9、普通図柄表示器10およびランプ・LED等を制御するためのデータがROMに格納されている。演出制御用CPU101は、ROMに格納されているデータにもとづいて可変表示装置9、普通図柄表示器10およびランプ・LED等を制御する。そして、ランプドライバ基板35に搭載されている出力ポート352および各駆動回路を介して、ランプ・LEDおよび演出用駆動手段が駆動される。従って、機種変更を行う場合に、演出制御基板80を新たな機種のものに交換すれば、ランプドライバ基板35を交換せずに機種変更を実現することができる。
【0071】
なお、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70は独立した基板であるが、それらは、例えば、遊技機裏面において、1つのボックスに収容された状態で設置される。また、拡張ポート353は、機種変更を行う場合に、ランプ・LED等の数が増加した場合を考慮して設置されるが、設置されていなくてもよい。演出用の可動部材等が存在しない場合には駆動回路356は設けられなくてもよいが、機種変更を行う場合に、演出用の可動部材等が設置された場合を考慮すると、演出用の可動部材等が存在しない場合にも設けられていることが好ましい。
【0072】
音声出力基板70において、演出制御基板80からの音番号データは、入力ドライバ702を介して、例えばデジタルシグナルプロセッサによる音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
【0073】
音声データROM704に格納されている音番号データに応じたデータは、所定期間(例えば特別図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。音声合成用IC703は、音番号データを入力すると、音声データROM704内の対応するデータに従って音出力制御を行う。対応するデータに従った音出力制御は、次の音番号データを入力するまで継続される。そして、音声合成用IC703は、次の音番号データを入力すると、新たに入力した音番号データに対応した音声データROM704内のデータに従って音出力制御を行う。
【0074】
この実施の形態では、スピーカ27から出力される音声や効果音は演出制御用CPU101を含む演出制御手段によって制御されるのであるが、演出制御手段は、音声出力基板70に音番号データを出力する。音声出力基板70において、音声データROM704には、遊技の進行に伴って出現し得る音声や効果音を実現するための多数のデータが格納され、それらのデータは音番号データに対応付けられている。従って、演出制御手段は、音番号データを出力するだけで音出力制御を実現することができる。なお、音番号データは例えば1バイトデータであり、シリアル信号線またはパラレル信号線によって音声出力基板70に転送される。
【0075】
図8は、主基板31におけるCPU56、リセット回路、電源監視回路、外部乱数発生手段および監視回路934の第1の実施の形態の構成を示すブロック図である。外部乱数発生手段は、CPU(遊技制御用マイクロコンピュータ)56による大当り判定などに用いられる乱数(図12参照)を発生する。外部乱数発生手段は、クロック信号発生手段としての発振器(OSC)930および数値データ更新手段としてのカウンタIC931を含み、図8に示すように、CPU56の外部に設けられている。
【0076】
発振器930は、所定周波数(例えば20MHz)のクロック信号を発生する。発振器930が発生したクロック信号は、カウンタIC931のカウンタ932に入力される。カウンタIC931は、例えば16ビットバイナリカウンタであるカウンタ932およびラッチ回路933を備えている。カウンタ932は、発振器930が発生したクロック信号をカウントする。なお、16ビットバイナリカウンタであるカウンタ932は、例えば、2個の8ビットカウンタを直列接続して構成される。ラッチ回路933は、始動口スイッチ14aからの始動検出信号を検出すると、その時点(例えば始動検出信号の立ち上がり)のカウンタ932の16ビットのカウンタ値(数値データ)をラッチする。ラッチ回路933がラッチしたカウンタ値は、16ビットのランダムな値、すなわち0〜65535の範囲内の値となる。なお、ラッチ回路933は、例えば、2個のDフリップフロップで構成される。
【0077】
始動口スイッチ14aは、始動入賞口14に入った入賞球を検出すると、始動入賞が発生したことを通知する始動検出信号をカウンタIC931のラッチ回路933に出力するとともに、入力ポート572を介してCPU56に出力する。CPU56は、始動口スイッチ14aからの始動検出信号を検出すると、ラッチ回路933がラッチした16ビットのカウンタ値を読み出す。CPU56は、読み出した16ビットのカウンタ値を、後述する大当り判定用の乱数としてRAM55の所定領域に格納する。
【0078】
なお、CPU56は、始動口スイッチ14aを含む各スイッチの検出信号が所定期間(例えば後述するタイマ割込間隔すなわち2msの2回分)継続してオン状態になっていたら、スイッチからの検出信号を検出したと判定する。従って、CPU56が、始動口スイッチ14aからの始動検出信号を検出する時点も、始動検出信号が所定期間検出した後である。また、ラッチ回路933は、始動口スイッチ14aからの始動検出信号が立ち上がった時点でカウンタ値をラッチする。その結果、CPU56は、始動口スイッチ14aが遊技球を検出したときに、必ず、その検出にもとづいてラッチされたカウンタ値を入力することができる。
【0079】
図9は、第1の実施の形態の監視回路の内部構成を示すブロック図である。図9に示すように、監視回路934は、カウンタ部934A、記憶部934B、異常判定回路934Cおよびタイマ回路934Dを含む。カウンタ部934Aは、カウンタ932と同様に、発振器930が発生しているクロック信号をカウントする。タイマ回路934Dは、例えば、CPU56に供給されるクロック信号をカウントしてカウンタ値が所定値になる毎にタイムアップ信号を出力する。従って、タイムアップ信号は、周期的に発生する。異常判定回路934Cは、タイマ回路934Dからのタイムアップ信号を検出すると、その時点でカウンタ934Aのカウンタ値を抽出し、抽出したカウンタ値を記憶部934Bに格納するとともに、記憶部934Bに前回格納したカウンタ値と今回格納したカウンタ値を比較する。異常判定回路934Cは、その比較の結果、両カウンタ値が一致している場合には、発振器930が正常にクロック信号を発生していないとして、発振器930の異常を通知する異常信号をCPU56に出力する。CPU56は、監視回路934から出力された異常信号にもとづいて、後述するようなエラー処理を実行する。両カウンタ値が異なる場合には、発振器930が正常にクロック信号を発生していると考えられるため、異常判定回路934Cは、CPU56に異常信号を出力しない。
【0080】
なお、発振器930に異常が発生していないにもかかわらず、記憶部934Bに前回格納されたカウンタ値と今回格納されたカウンタ値とが一致することも起こり得る。従って、一層確実に発振器930の異常判定を行うために、異常判定回路934Cは、所定回(例えば2回または3回)連続して両カウンタ値が一致したと判定したときに、異常信号をCPU56に出力するように構成してもよい。
【0081】
また、監視回路934の構成は、図9に示した構成に限られない。例えば、監視回路934は、カウンタ部934Aのカウンタ値が更新されるとリスタートされるタイマ回路を含み、そのタイマ回路がタイムアップしたら、すなわち、所定期間に亘ってカウンタ部934Aのカウンタ値が更新されなかったら、異常信号をCPU56に出力するようにしてもよい。さらに、発振器930が発生するクロック信号の波形を検出し、その検出結果にもとづいて発振器930の異常判定を行うように構成することも可能である。
【0082】
なお、図8に示すように、電源監視回路(電源監視手段)920からの電源断信号すなわち電源監視手段からの検出信号が、反転回路943および入力ポート572を介してCPU56に入力される。従って、CPU56は、入力ポート572の入力信号を監視することによって遊技機への電力供給の停止の発生を確認することができる。
【0083】
電源監視回路920は電源監視用IC902を含む。電源監視用IC902は、VSL電圧を導入し、VSL電圧を監視することによって遊技機への電力供給停止の発生を検出する。具体的には、VSL電圧が所定値(この例では+22V)以下になったら、電力供給の停止が生ずるとして電源断信号を出力する。なお、監視対象の電源電圧は、各電気部品制御基板に搭載されている回路素子の電源電圧(この例では+5V)よりも高い電圧であることが好ましい。この例では、交流から直流に変換された直後の電圧であるVSLが用いられている。
【0084】
リセット回路65はリセットIC651を含む。リセットIC651は、電源投入時に、外付けのコンデンサの容量で決まる所定時間だけ出力をローレベルとし、所定時間が経過すると出力をハイレベルにする。すなわち、リセット信号(システムリセット信号)をハイレベルに立ち上げてCPU56を動作可能状態にする。なお、リセット信号は、反転回路942,941を介してCPU56のリセット端子に入力される。
【0085】
また、リセットIC651は、電源監視回路920が監視する電源電圧と等しい電源電圧であるVSLの電源電圧を監視して電圧値が所定値(電源監視回路が電源断信号を出力する電源電圧値よりも低い値)以下になると出力をローレベルにする。従って、CPU56は、電源監視回路920からの電源断信号に応じて所定の電力供給停止時処理を行った後、システムリセットされる。すなわち、完全に動作を止める状態になる。従って、リセット回路65は、電源監視手段が検出信号を出力するタイミングよりも遅いタイミングで検出信号を出力する第2の電源監視手段に相当する。この例では、第2の電源監視手段が検出信号を出力する状態は、リセット信号をローレベルにする状態である。
【0086】
次に、遊技機の動作について説明する。図10は、主基板31における遊技制御手段(CPU56およびROM,RAM等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
【0087】
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを、CPU56の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが割込番地を示すモードである割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。
【0088】
次いで、CPU56は、入力ポート1を介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS15)。クリアスイッチ921がオンである場合(押下されている場合)には、ローレベルのクリアスイッチ信号が出力されている。なお、入力ポート1では、クリアスイッチ信号のオン状態はハイレベルである。また、例えば、遊技店員は、クリアスイッチ921をオン状態にしながら遊技機に対する電力供給を開始する(例えば電源スイッチ914をオンする)ことによって、容易に初期化処理を実行させることができる。すなわち、RAMクリア等を行うことができる。
【0089】
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような保護処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56はバックアップありと判定する。そのような保護処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
【0090】
バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。例えば、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
【0091】
バックアップありと判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。電力供給停止時処理において、上記のデータチェック処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S15の処理)を実行する。
【0092】
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と表示制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS81)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS82)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS81およびS82の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)や未払出賞球数を示すデータが設定されている部分である。
【0093】
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS83)、その内容に従ってサブ基板(払出制御基板37および演出制御基板80)に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンドが送信されるように制御する(ステップS84)。そして、ステップS15に移行する。
【0094】
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMの全領域を初期化せず、一部のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
【0095】
また、CPU56は、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
【0096】
そして、ステップS15において、CPU56は、例えば2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。なお、外部乱数発生手段に供給される発信回路930からのクロック信号にもとづいてCTCによるタイマ割込がかかるようにしてもよい。
【0097】
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)が繰り返し実行される。CPU56は、表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして(ステップS16)、表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする(ステップS18)。なお、表示用乱数とは、可変表示装置9に表示されるはずれ図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウンタ値を更新する処理である。
【0098】
なお、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウンタ値を更新してしまったのでは、カウンタ値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
【0099】
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図11に示すステップS20〜S34の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。次いで、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
【0100】
次に、CPU56は、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数以外の各判定用乱数を生成するためのソフトウェア構成のカウンタのカウンタ値を更新する処理を行う(ステップS22)。CPU56は、さらに、表示用乱数および初期値用乱数を生成するためのソフトウェア構成のカウンタのカウンタ値を更新する処理を行う(ステップS23,S24)。
【0101】
図12は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2−1〜2−3(ランダム2):特別図柄の左中右のはずれ図柄決定用(特別図柄左中右)
(3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄の組合せを決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定する(リーチ判定用)
(6)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
【0102】
なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(6)の乱数以外の乱数等も用いられている。また、(2)、(4)および(5)の乱数が表示用乱数に相当し、(1)、(3)および(6)の乱数が判定用乱数に相当する。ただし、(1)ランダム1は、外部乱数発生手段としてのカウンタIC931のカウント値を読み出すことによって得られる乱数値である。従って、CPU56は、ステップS22の判定用乱数更新処理では、(3)および(6)の乱数を生成するためのカウンタの更新処理を行う。
【0103】
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0104】
次いで、CPU56は、特別図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS27)。また、普通図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
【0105】
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
【0106】
また、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出個数信号等の払出制御信号を出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371は、賞球個数を示す払出個数信号等の払出制御信号に応じて球払出装置97を駆動する。
【0107】
そして、CPU56は、始動入賞記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS31)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS32)。次に、CPU56は、監視回路934からの異常信号の入力にもとづいて所定の異常時制御処理としてのエラー処理を実行する(ステップS33)。また、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられ、CPU56は、そのRAM領域の内容を出力ポートに出力する(ステップS34:出力処理)。なお、出力ポートバッファの内容は、ステップS25〜S30,S31の処理で更新される。その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
【0108】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は定期的(例えば2ms毎)に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0109】
図13は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図13に示す特別図柄プロセス処理は、図11のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)を行い、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。変動短縮タイマは、始動入賞からの経過時間を計測するためのタイマであり、所定期間以上経過していることを条件に変動時間を短縮させる。
【0110】
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、特別図柄の可変表示の結果、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
【0111】
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示後の左中右図柄の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
【0112】
変動パターン設定処理(ステップS302):特別図柄の可変表示の変動パターン(可変表示態様)を、ランダム4の値に応じて決定する。また、変動時間タイマをスタートさせる。このとき、演出制御基板80に対して、左中右最終停止図柄と変動態様(変動パターン)を指令する情報とが送信される。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
【0113】
特別図柄変動処理(ステップS303):所定時間(ステップS302の変動時間タイマで示された時間)が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
【0114】
特別図柄停止処理(ステップS304):可変表示装置9において表示される全図柄が停止されるように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す演出制御コマンドが送信される状態に設定する。そして、停止図柄が大当り図柄の組み合わせである場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0115】
大入賞口開放開始処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
【0116】
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS307に移行するように更新する。
【0117】
特定領域有効時間処理(ステップS307):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
【0118】
大当り終了処理(ステップS308):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0119】
図14は、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、始動入賞記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認する(ステップS111)。始動入賞記憶数が4に達していなければ、始動入賞記憶数を1増やし(ステップS112)、大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出し、それらを始動入賞記憶数の値に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納する(ステップS113)。なお、乱数を抽出するとは、ランダム1以外の乱数については、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。ランダム1については、外部乱数発生手段としてのカウンタIC931のラッチ回路933からカウンタ値を読み出して、読み出したカウンタ値を乱数値とすることである。ステップS113では、図12に示された乱数のうち、ランダム1〜ランダム5が抽出される。また、ステップS114では、変動時間を短縮させるか否かの判定を行うタイマをセットする。
【0120】
図15は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、特別図柄の変動を開始することができる状態(例えば特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)には(ステップS51)、始動入賞記憶数の値を確認する(ステップS52)。具体的には、始動入賞カウンタのカウンタ値を確認する。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、可変表示装置9において図柄の変動がなされていず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。
【0121】
始動入賞記憶数が0でなければ、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53)、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
【0122】
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS55)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS56)。大当りとすることに決定した場合には(ステップS57)、CPU56は、大当りフラグをセットする(ステップS58)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS59)。
【0123】
図16は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。特別図柄停止図柄設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS61)。大当りフラグがセットされている場合には、大当り図柄用乱数(ランダム3)の値(ステップS53において読み出したランダム3)に従って大当り図柄を決定する(ステップS62)。この実施の形態では、ランダム3の値に応じた大当り図柄テーブルに設定されている図柄番号の各図柄が、大当り図柄として決定される。大当り図柄テーブルには、複数種類の大当り図柄の組み合わせのそれぞれに対応した左中右の図柄番号が設定されている。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS63)。
【0124】
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、リーチ判定モジュールを実行する(ステップS65)。ここでは、リーチ判定モジュールにおいて、ステップS53で保存領域から読み出したランダム3の値すなわち乱数値バッファに格納されている値にもとづいてリーチとするか否かの決定が行われる(ステップS64)。また、ランダム2−1の値に従って左右図柄を決定し、ランダム2−2の値に従って中図柄を決定する(ステップS67)。ここで、決定された中図柄が左右図柄と一致した場合には、中図柄に対応した乱数の値に1加算した値に対応する図柄を中図柄の停止図柄として、大当り図柄と一致しないようにする。そして、ステップS63に移行する。
【0125】
ステップS66においてリーチしないことに決定された場合には、はずれの場合の停止図柄の決定を行う(ステップS68)。具体的には、ステップS53で読み出した値、すなわち抽出されているランダム2−1の値に従って左図柄を決定し、ランダム2−2の値に従って中図柄を決定するとともに、ランダム2−3の値に従って右図柄を決定する。なお、ここでは、左右図柄が一致した場合には右図柄を1図柄ずらし、リーチにもならないはずれとなるようにする。そして、ステップS63に移行する。なお、ステップS62において確変図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後に確変状態に移行することを示す確変フラグがセットされる。
【0126】
図17は、遊技制御手段によるエラー処理を示すフローチャートである。図17に示すエラー処理は、図11のフローチャートにおけるステップS33の具体的な処理である。CPU56は、監視回路934の異常判定回路934Cからの異常信号の入力があるかどうかを確認する(ステップS321)。異常信号の入力がない場合、すなわち異常判定回路934Cによって発振器930の異常が検出されていない場合は、CPU56は、ステップS322〜327の処理を実行せずに、エラー処理を終了する。
【0127】
ステップS321において異常信号の入力があった場合、すなわち異常判定回路934Cによって発振器930の異常が検出された場合は、CPU56は、払出制御基板37に搭載された払出制御手段に出力する電源確認信号(図25および図26参照)をオフにする(ステップS322)。払出制御手段は、電源確認信号のオフ状態を検出することにより、遊技球の払出処理を停止するとともに遊技球の発射ができない状態になる。
【0128】
次に、CPU56は、サブ基板に異常時制御処理用のコマンドを送信するための処理を行う(ステップS323)。サブ基板は、例えば演出制御基板80である。異常時制御処理用のコマンドは、例えば、発振器930に異常が発生したことを演出制御手段に報知させるための報知コマンドである。演出制御基板80に搭載された演出制御用CPU101は、報知コマンドを受信すると、報知手段としての可変表示装置9、ランプ・LED、スピーカ27などに異常が発生した旨の報知を行わせる。
【0129】
次に、CPU56は、現在の制御状態、例えば出力ポートの出力状態をRAM55に保存する(ステップS324)。そして、CPU56は、出力ポートの出力状態をクリアする(ステップS325)。出力ポートから出力される信号として、払出制御基板37に送信される払出制御信号(払出個数信号および賞球REQ信号)や、ソレノイド16,21,21Aに対する駆動信号などがある。従って、出力ポートの出力状態がクリアされると、駆動信号がクリアされてソレノイド16,21,21Aによって可変入賞球装置15や開閉板20等が閉じられる。
【0130】
次に、CPU56は、エラー解除が行われたかどうかについて確認する(ステップS326)。エラー解除が行われない限り、CPU56による遊技の制御は行われない。すなわち、図11に示すステップS20〜S34の遊技制御処理において、ステップS33のエラー処理から先に処理が進まなくなり、CPU56による遊技の制御は停止される。従って、ステップS25の特別図柄プロセス処理が実行されなくなって、遊技に関する遊技価値の付与に関わる制御処理が停止される。なお、エラー解除を行う方法として、例えば、異常状態を解消した後にクリアスイッチ921をオンにする方法等がある。
【0131】
エラー解除が行われた場合には、CPU56は、RAM55に保存されている制御状態にもとづいて出力ポートの出力状態を復元する(ステップS327)。よって、異常が発生する直前の制御状態からCPU56による遊技の制御が進行される。
【0132】
図18は、コマンド作成処理の処理例を示すフローチャートである。コマンド作成処理は、コマンド出力処理とINT信号出力処理とを含む処理である。コマンド作成処理は、遊技制御処理では、ステップS25の特別図柄プロセス処理、ステップS27の特別図柄コマンド制御処理、ステップS28の普通図柄コマンド制御処理、およびエラー処理におけるステップS323において、制御コマンドを作成する際にコールされる。また、この実施の形態では、演出制御コマンドは、MODEデータ(コマンドの分類を示すデータ)とEXTデータ(コマンドの種類を示すデータ)の2バイト構成であるとする。
【0133】
この実施の形態では、演出制御手段に送信されうる各演出制御コマンドはROMのコマンド送信テーブルに格納されている。1つのコマンド送信テーブルは、3バイトのデータ(INTデータ、コマンドデータ1およびコマンドデータ2)で構成されている。INTデータには、80(H)が設定されている。コマンドデータ1にはMODEデータが設定されている。そして、コマンドデータ2にはEXTデータ(具体的には後述するコマンド拡張データアドレステーブルへのポインタの値)が設定されている。また、コマンド作成処理では、CPU56は、ポインタが示すROM54のアドレスに格納されている演出制御コマンドデータを、演出制御コマンドデータを出力するための出力ポートに設定するとともに、コマンドを送信することを示す演出制御INT信号を出力する。なお、コマンド作成処理をコールする際には、送信される演出制御コマンドが格納されているコマンド送信テーブルのアドレスが例えばレジスタに設定される。
【0134】
コマンド作成処理において、CPU56は、まず、コマンド送信テーブルのアドレスをスタック等に退避する(ステップS331)。そして、ポインタが指していたコマンド送信テーブルのINTデータを引数1にロードする(ステップS332)。引数1は、後述するコマンド送信処理に対する入力情報になる。また、コマンド送信テーブルを指すアドレスを+1する(ステップS333)。従って、コマンド送信テーブルを指すアドレスは、コマンドデータ1のアドレスに一致する。
【0135】
次いで、CPU56は、コマンドデータ1を読み出して引数2に設定する(ステップS334)。引数2も、後述するコマンド送信処理に対する入力情報になる。そして、コマンド送信処理ルーチンをコールする(ステップS335)。
【0136】
図28は、コマンド送信処理ルーチンを示すフローチャートである。コマンド送信処理ルーチンにおいて、CPU56は、まず、引数1に設定されているデータすなわちINTデータを、比較値として決められているワークエリアに設定する(ステップS351)。次いで、送信回数=1を、処理数として決められているワークエリアに設定する(ステップS352)。そして、ポート1のアドレスをIOアドレスにセットする(ステップS353)。図12に示されたように、ポート1のアドレスは演出制御コマンドデータを出力するための出力ポートのアドレスである。
【0137】
次に、CPU56は、比較値を1ビット左にシフトする(ステップS354)。シフト処理の結果、キャリービットが1になったか否か確認する(ステップS355)。キャリービットが1になったということは、INTデータにおける最も左側のビットが「1」であったことを意味する。
【0138】
キャリービットが1になった場合には、引数2に設定されているデータ、この場合にはコマンドデータ1(すなわちMODEデータ)を、IOアドレスとして設定されているアドレスに出力する(ステップS356)。2回目のシフト処理が行われたときにはIOアドレスにポート2のアドレスが設定されているので、そのときに、演出制御コマンドのMODEデータがポート2に出力される。
【0139】
次いで、CPU56は、IOアドレスを1加算するとともに(ステップS357)、処理数を1減算する(ステップS358)。そして、CPU56は、処理数の値を確認し(ステップS359)、値が0になっていなければ、ステップS354に戻る。ステップS354で再度シフト処理が行われる。
【0140】
この実施の形態では、コマンド送信処理によって送信される制御コマンドは演出制御コマンドだけであるが、他の種類の制御コマンドを送信する遊技機に対して、容易にコマンド送信処理のプログラムを流用することができる。例えば、演出制御コマンドの他に他の1種類の制御コマンドも扱う必要が生じた場合には、ステップS352において、送信回数として2を設定すればよい。
【0141】
次に、CPU56は、シフト処理開始前のINTデータが格納されている引数1の内容を読み出し(ステップS360)、読み出したデータをポート0に出力する(ステップS361)。この実施の形態では、ポート0には、演出INT信号を出力するためのビットがある(図12参照)。従って、ステップS361の処理によって演出制御INT信号がオフ状態(ローレベル)になる。なお、ポート0には、演出制御INT信号以外の信号を出力するビット(ビット0〜6:図12参照)もあるので、ステップS361では、読み出したデータのビット7のみがポート0に反映される。
【0142】
次いで、CPU56は、ウェイトカウンタに所定値を設定し(ステップS362)、その値が0になるまで1ずつ減算する(ステップS363,S364)。ウェイトカウンタの値が0になると、クリアデータ(ビット7を0にするためのデータ)を設定して(ステップS365)、そのデータをポート0に出力する(ステップS366)。よって、INT信号はオフ状態になる。そして、ウェイトカウンタに所定値を設定し(ステップS362)、その値が0になるまで1ずつ減算する(ステップS368,S369)。
【0143】
以上のようにして、制御コマンドの1バイト目のMODEデータが送出される。そこで、CPU56は、図27に示すステップS336で、コマンド送信テーブルを指す値を1加算する。従って、3バイト目のコマンドデータ2の領域が指定される。CPU56は、指し示されたコマンドデータ2の内容を引数2にロードする(ステップS337)。また、コマンドデータ2のビット7(ワークエリア参照ビット)の値が「0」であるか否か確認する(ステップS339)。0でなければ、コマンド拡張データアドレステーブルの先頭アドレスをポインタにセットし(ステップS339)、そのポインタにコマンドデータ2のビット6〜ビット0の値を加算してアドレスを算出する(ステップS340)。そして、そのアドレスが指すエリアのデータを引数2にロードする(ステップS341)。
【0144】
コマンド拡張データアドレステーブルには、演出制御手段に送出されうるEXTデータが順次設定されている。よって、以上の処理によって、ワークエリア参照ビットの値が「1」であれば、コマンドデータ2の内容に応じたコマンド拡張データアドレステーブル内のEXTデータが引数2にロードされ、ワークエリア参照ビットの値が「0」であれば、コマンドデータ2の内容がそのまま引数2にロードされる。なお、コマンド拡張データアドレステーブルからEXTデータが読み出される場合でも、そのデータのビット7は「0」である。
【0145】
次に、CPU56は、コマンド送信処理ルーチンをコールする(ステップS342)。従って、MODEデータの送出の場合と同様のタイミングでEXTデータが送出される。その後、CPU56は、コマンド送信テーブルのアドレスを復旧し(ステップS343)、コマンド送信テーブルを指す読出ポインタの値を更新する(ステップS344)。そして、さらに送出すべきコマンドがあれば(ステップS345)、ステップS331に戻る。
【0146】
以上のようにして、2バイト構成の演出制御コマンドが、演出制御基板80の演出制御手段に送信される。演出制御手段は、INT信号のレベル変化を検出すると演出制御コマンドの取り込み処理を開始する。
【0147】
そして、演出制御手段は、受信した演出制御コマンドが報知コマンドであることを認識すると、可変表示装置9にエラーが発生した旨を表示する制御を行う。
【0148】
図20は、可変表示装置9によるエラー表示例を示す説明図である。図20に示すように、エラー処理が実行された場合は、「エラー」が可変表示装置9における特別図柄の可変表示の上方に表示される。遊技店の店員等は、このようなエラー表示によって外部乱数発生手段に何らかの異常が発生したこと容易に把握することができる。また、遊技機の開発時にも、外部乱数発生手段に何らかの異常が発生したこと容易に把握することができる。
【0149】
なお、異常が発生した旨の報知は、可変表示装置9を用いて行われる場合に限られず、遊技機に設けられている他の電気部品、すなわちランプ・LEDまたはスピーカ27を用いて行われてもよい。例えば、ランプ・LEDを点滅させ、またはスピーカ27から所定の態様で音出力させて、異常が発生したことを報知するようにしてもよい。また、可変表示装置9、ランプ・LEDおよびスピーカ27の全てまたはそれらの組み合わせを用いて報知を行うようにしてもよい。
【0150】
実施の形態2.
図21は、主基板31におけるCPU56、リセット回路、電源監視回路、外部乱数発生手段および監視回路935の第2の実施の形態の構成を示すブロック図である。なお、図2121において、図8に示した構成と同一構成については、重複する説明を省略する。外部乱数発生手段は、図8に示した外部乱数発生手段と同様に、クロック信号発生手段としての発振器(OSC)930および数値データ更新手段としてのカウンタIC931を含む。
【0151】
始動口スイッチ14aは、始動入賞口14に入った入賞球を検出すると、始動入賞が発生したことを通知する始動検出信号をカウンタIC931のラッチ回路933および監視回路935に出力するとともに、入力ポート572を介してCPU56に出力する。監視手段としての監視回路935は、始動口スイッチ14aからの始動検出信号に応じてカウンタ932がカウントしているカウンタ値をラッチする。監視回路935は、ラッチしたカウンタ値にもとづいて、外部乱数発生手段による乱数値(カウンタ値)の更新に関わる異常を監視する。
【0152】
図22は、第2の実施の形態の監視回路の内部構成を示すブロック図である。図22に示すように、監視回路935は、ラッチ回路935A、記憶部935B、異常判定回路935Cおよびタイマ回路935Dを含む。ラッチ回路935Aは、始動口スイッチ14aからの始動検出信号を検出すると、その時点のカウンタ932のカウンタ値をラッチする。タイマ回路935Dは、例えば、CPU56に供給されるクロック信号をカウントしてカウンタ値が所定値になる毎にタイムアップ信号を出力する。従って、タイムアップ信号は、周期的に発生する。異常判定回路935Cは、タイマ回路935Dからのタイムアップ信号を検出すると、ラッチ回路935Aがラッチしているカウンタ値を記憶部935Bに格納するとともに、記憶部935Bに前回格納したカウンタ値と今回格納したカウンタ値を比較する。
【0153】
異常判定回路935Cは、その比較の結果、両カウンタ値が一致している場合には、異常を通知する異常信号をCPU56に出力する。両カウンタ値が一致している場合には、外部乱数発生手段によるカウンタ値の更新に関わる異常が発生している。すなわち、発振器930の発振が停止していたり、カウンタ932が正常にクロック信号をカウントしていないことが考えられる。そこで、CPU56は、監視回路935から異常信号が出力されたときには、第2の実施の形態の場合と同様にエラー処理を実行する。また、両カウンタ値が異なる場合には、外部乱数発生手段が正常に動作していると考えられるため、異常判定回路935Cは、CPU56に異常信号を出力しない。
【0154】
なお、外部乱数発生手段に異常が発生していないにもかかわらず、記憶部935Bに前回格納されたカウンタ値と今回格納されたカウンタ値とが一致することも起こり得る。この場合、一層確実に外部乱数発生手段の異常判定を行うために、異常判定回路935Cは、所定回(例えば2回または3回)連続して両カウンタ値が一致したと判定したときに、異常信号をCPU56に出力するように構成してもよい。
【0155】
実施の形態3.
図23は、主基板31におけるCPU56、リセット回路、電源監視回路および外部乱数発生手段の第3の実施の形態の構成を示すブロック図である。図23に示すように、この実施の形態では、外部乱数発生手段の異常を監視するための監視回路が設けられていない。第3の実施の形態では、CPU56が外部乱数発生手段の異常を監視する。そして、CPU56はその異常を検出した場合に所定のエラー処理を実行する。
【0156】
図24は、第3の実施の形態における遊技制御手段によるエラー処理を示すフローチャートである。なお、図24に示すエラー処理は、図11のフローチャートにおけるステップS33の具体的な処理である。CPU56は、始動口スイッチ14aからの始動検出信号を検出した場合にエラー処理を実行する。従って、エラー処理において、始動口スイッチ14aからの始動検出信号がオン状態になった場合には(ステップS401)、CPU56は、外部乱数発生手段を構成するカウンタIC931のラッチ回路933から抽出した大当り判定用乱数の乱数値(カウンタ値)をRAM55の所定領域に格納する(ステップS328)。CPU56は、RAM55の所定領域に今回新たに格納した乱数値と前回格納した乱数値とを比較し、両乱数値が一致するか否かを判定する(ステップS329)。
【0157】
両乱数値が異なる場合は、CPU56は、ステップS322〜S327の処理を実行せずに、エラー処理を終了する。
【0158】
両乱数値が一致した場合は、外部乱数発生手段による乱数値の更新に関わる異常が発生していると考えられる。例えば、発振器930の発振が停止していたり、カウンタ932が正常にクロック信号をカウントしていなかったり、始動口スイッチ14aとラッチ回路933をつなぐ信号線が断線してラッチ回路933が始動検出信号を検出できなかったりしている可能性がある。従って、CPU56は、図17に示したステップS322〜S327と同様の処理を行う。
【0159】
すなわち、CPU56は、払出制御基板37に搭載された払出制御用CPU371に出力する電源確認信号をオフにする(ステップS322)。そして、CPU56は、サブ基板に異常時制御処理用のコマンドを送信する(ステップS323)。次に、CPU56は、現在の制御状態、例えば出力ポートの出力状態をRAM55に保存する(ステップS324)。そして、CPU56は、出力ポートの出力状態をクリアする(ステップS325)。次に、CPU56は、エラー解除が行われたかどうかについて確認する(ステップS326)。このとき、エラー解除が行われない限り、CPU56による遊技の制御は行われない。エラー解除が行われた場合には、CPU56は、RAM55に保存されている制御状態にもとづいて出力ポートの出力状態を復元する(ステップS327)。これによって、異常が発生する直前の制御状態からCPU56による遊技の制御が進行される。
【0160】
以上のように、この実施の形態3では、上記実施の形態1,2のように外部乱数発生手段の異常を監視するための監視回路934,935を設ける代わりに、そのような異常を監視するための監視手段をソフトウェアで実現している。従って、監視回路934,935を実装したチップを設ける必要がなくなり、遊技機のコスト低減を実現することが可能である。また、遊技機の機種変更に柔軟に対応したソフトウェア構成の監視手段を設けることも可能となる。
【0161】
なお、CPU56は、始動口スイッチ14aからの検出信号を検出した場合にエラー処理を実行していたが、始動口スイッチ14aからの検出信号を検出しなかった場合にもエラー処理を実行するようにしてもよい。すなわち、タイマ割込が発生して遊技制御処理が実行される毎に、エラー処理が常に実行されるように構成されていてもよい。この場合でも、タイマ割込は2ms毎に発生するのに対して、カウンタIC931のカウンタ932は例えば20MHzのクロック信号をカウントしているため、タイマ割込の発生とカウンタ932のクロック信号のカウントとが同期していない。従って、発振器930およびカウンタIC931からなる外部乱数発生手段が正常に動作している場合には、タイマ割込が発生して遊技制御処理が実行される毎に、エラー処理が常に実行されたとしても、RAM55の所定領域に格納される乱数値が常に一定値となってしまうことはない。
【0162】
次に、主基板31と払出制御基板37との間で送受される払出制御信号について説明する。図25は、遊技制御手段から払出制御手段に対して出力される制御信号および遊技制御手段に払出制御手段から入力される払出制御信号の内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、払出制御等に関する各種の制御を行うために、主基板31と払出制御基板37との間で複数種類の制御信号がやりとりされる。図25に示すように、電源確認信号は、主基板31の立ち上がり時に出力され、払出制御基板37に対して主基板31が立ち上がったことを通知するための信号(主基板31の接続確認信号)である。また、上述したように、電源確認信号は、電源断検出時およびエラー発生時にオフ状態にされ、払出制御基板37に対して主基板31で電源断検出がなされたこと、およびエラーが発生したことを通知するための信号としても用いられる。
【0163】
賞球REQ信号は、賞球の払出要求時にローレベル(出力状態=オン状態)になり、払出要求の終了時にハイレベル(停止状態=オフ状態)になる信号(すなわち賞球払出要求のトリガ信号)である。また、賞球REQ信号は、賞球の払い出しを強制的に停止させるときにハイレベル(停止状態)になり、賞球払出の強制停止指示を行う強制停止停止信号としても用いられる。払出個数信号は、払出要求を行う遊技球の個数(1〜15個)を指定するために出力される信号である。
【0164】
払出BUSY信号(賞球払出中信号)は、主基板31が払出制御基板37での動作状態を確認するために用いられる信号である。なお、各制御信号は、出力状態またはオン状態と停止状態またはオフ状態とが識別可能に構成されていればよく、上記の論理の正負が逆であってもよい。
【0165】
図26は、図25に示す各制御信号の送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。図26に示すように、電源確認信号、賞球REQ信号、および払出個数信号は、CPU56によって出力回路67を介して出力され、入力回路373Aを介して払出制御用CPU371に入力される。また、払出BUSY信号は、払出制御用CPU371によって出力回路373Bを介して出力され、入力回路68を介してCPU56に入力される。電源確認信号、賞球REQ信号、および払出BUSY信号は、それぞれ1ビットのデータであり、1本の信号線によって送信される。払出個数信号は、1個〜15個を指定するので、4ビットのデータで構成され4本の信号線によって送信される。
【0166】
次に、払出制御手段の動作について説明する。図27は、払出制御手段が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、払出制御用CPU371は、まず、必要な初期設定を行う。すなわち、払出制御用CPU371は、まず、割込禁止に設定する(ステップS701)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS702)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS703)。また、払出制御用CPU371は、内蔵デバイスレジスタの初期化を行い(ステップS704)、CTCおよびPIOの初期化(ステップS705)を行った後に、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS706)。
【0167】
この実施の形態では、内蔵CTCのうちの一つのチャネルがタイマモードで使用される。従って、ステップS704の内蔵デバイスレジスタの設定処理およびステップS705の処理において、使用するチャネルをタイマモードに設定するためのレジスタ設定、割込発生を許可するためのレジスタ設定および割込ベクタを設定するためのレジスタ設定が行われる。そして、そのチャネルによる割込がタイマ割込として用いられる。タイマ割込を例えば2ms毎に発生させたい場合は、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0168】
なお、タイマモードに設定されたチャネル(この実施の形態ではチャネル3)に設定される割込ベクタは、タイマ割込処理の先頭アドレスに相当するものである。具体的は、Iレジスタに設定された値と割込ベクタとでタイマ割込処理の先頭アドレスが特定される。タイマ割込処理では、払出制御処理が実行される。
【0169】
この実施の形態では、払出制御用CPU371でも割込モード2が設定される。従って、内蔵CTCのカウントアップにもとづく割込処理を使用することができる。また、CTCが送出した割込ベクタに応じた割込処理開始アドレスを設定することができる。
【0170】
CTCのチャネル3(CH3)のカウントアップにもとづく割込は、CPUの内部クロック(システムクロック)をカウントダウンしてレジスタ値が「0」になったら発生する割込であり、タイマ割込として用いられる。具体的には、CPU371の動作クロックを分周したクロックがCTCに与えられ、クロックの入力によってレジスタの値が減算され、レジスタの値が0になるとタイマ割込が発生する。例えば、CH3のレジスタ値はシステムクロックの1/256周期で減算される。分周したクロックにもとづいて減算が行われるので、レジスタの初期値は大きくならない。
【0171】
次いで、払出制御用CPU371は、通常の初期化処理を実行する(ステップS711〜ステップS713)。初期化処理では、払出制御用CPU371は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS711)。また、RAM領域のフラグやカウンタなどに初期値を設定する。そして、定期的にタイマ割込がかかるように払出制御用CPU371に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS712)。すなわち、初期値としてタイマ割込発生間隔に相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。そして、初期設定処理のステップS701において割込禁止とされているので、初期化処理を終える前に割込が許可される(ステップS713)。その後、ループ処理に入る。
【0172】
上記のように、この実施の形態では、払出制御用CPU371の内蔵CTCが繰り返しタイマ割込を発生するように設定される。そして、タイマ割込が発生すると、タイマ割込処理において払出制御処理(ステップS750〜S760)が実行される。
【0173】
払出制御処理において、払出制御用CPU371は、まず、発射モータ94に対する励磁パターンの出力処理(発射モータφ1〜φ4のパターンの出力ポート0への出力)を行う(ステップS750)。なお、ステップS752の発射モータ制御処理において、励磁パターンがRAM領域である励磁パターンバッファに格納され、ステップS750では、払出制御用CPU371は、励磁パターンバッファの内容を出力ポート0の下位4ビットに出力する処理を行う。
【0174】
次に、払出制御用CPU371は、スイッチ処理を実行する(ステップS751)。スイッチ処理は、遊技制御手段におけるスイッチ処理と同様の処理であり、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
【0175】
次に、払出制御用CPU371は、発射モータ制御処理を実行する(ステップS752)。発射モータ制御処理では、発射モータφ1〜φ4のパターンを励磁パターンバッファに格納する。また、発射モータ94を不能動化すべきときには、発射モータ94を回転させない発射モータφ1〜φ4のパターンを励磁パターンバッファに格納する。また、払出制御用CPU371は、払出モータ制御処理を実行する(ステップS753)。払出モータ制御処理では、払出モータ289を駆動すべきときには、払出モータφ1〜φ4のパターンを出力ポート0に出力するための処理が行われる。そして、カードユニット50と通信を行うプリペイドカードユニット制御処理を実行する(ステップS754)。
【0176】
次いで、払出制御用CPU371は、主基板31の遊技制御手段と通信を行う主制御通信処理を実行する(ステップS755)。さらに、カードユニット50からの球貸し要求に応じて貸し球を払い出す制御を行い、また、主基板からの払出個数信号が示す個数の賞球を払い出す制御を行う払出制御処理を実行する(ステップS756)。
【0177】
そして、払出制御用CPU371は、各種のエラー(払出制御手段が検出するエラー)を検出するエラー処理を実行する(ステップS757)。また、遊技機外部に出力される賞球情報や球貸し情報を出力するための情報出力処理を実行する(ステップS758)。また、エラー処理の結果に応じてエラー表示LED374に所定の表示を行うとともに、賞球LED51および球切れLED52を点灯するための表示制御処理を実行する(ステップS759)。なお、払出制御用CPU371は、表示制御処理において、賞球REQ信号がオン状態であるときに、賞球LED51を点灯するための制御を行う。また、賞球REQ信号がオフ状態になったら、賞球LED51を消灯するための制御を行う。
【0178】
また、遊技制御手段の場合と同様に、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられ、払出制御用CPU371は、出力ポートバッファの内容を出力ポートに出力する。(ステップS760:出力処理)。ただし、出力ポート0の下位4ビット(発射モータφ1〜φ4)については、ステップS750で実行されているので、出力処理においては、出力ポート0の下位4ビットについての出力を行わない。出力ポートバッファは、払出モータ制御処理(ステップS753)、プリペイドカード制御処理(ステップS754)、主制御通信処理(ステップS755)、情報出力処理(ステップS758)および表示制御処理(ステップS759)で更新される。
【0179】
図29は、ステップS752の発射モータ制御処理を示すフローチャートである。発射モータ制御処理において、払出制御用CPU371は、カードユニット50からのVL信号がオフ状態である場合(プリペイドカード未接続)、主基板31からの電源確認信号がオフ状態である場合(主基板未接続)、または満タンスイッチ48がオン状態である場合(下皿満タン)には、ステップS518に移行する(ステップS511,S512,S513)。プリペイドカード未接続でなく、主基板未接続でなく、下皿満タンでもない場合にはステップS514に移行する。ステップS514では、払出制御用CPU371は、タッチセンサ信号がオン状態になっているか否か確認する。オン状態になっていればステップS515に移行し、オン状態になっていなければステップS518に移行する。以上のように、払出制御手段は、遊技制御手段が制御可能状態になったことを電源確認信号により検知する遊技制御可能状態検知手段(ステップS512を実行する部分)を含み、さらに、遊技制御手段が制御可能状態になったことを遊技制御可能状態検出手段が検知したことを条件として、発射モータ94を動作可能状態にする発射制御手段(ステップS512の結果に応じてステップS515〜S517の処理を実行する部分)を含む。
【0180】
ステップS515では、払出制御用CPU371は、発射モータ励磁パターンカウンタを+1する。そして、ROMに格納されている発射モータ励磁パターンテーブルから、励磁パターンカウンタの値に応じたデータを読み出す(ステップS516)。さらに、読み出したデータを、発射モータ励磁パターンバッファにセットする(ステップS517)。上述したように、発射モータ励磁パターンバッファの内容は、ステップS750において出力ポートに出力される。なお、発射モータ励磁パターンテーブルには、発射モータ94を回転させるための各ステップの励磁パターン(発射モータφ1〜φ4)のデータが順次設定されている。
【0181】
ステップS518では、未回転データ(発射モータ94を回転させないための励磁パターン)を発射モータ励磁パターンバッファにセットする。
【0182】
以上のように、主基板未接続エラーの通信エラーが発生すると発射モータ94が不能動化されるので、通信エラーが発生しているにも関わらず遊技が進行してしまうことはない。また、遊技制御手段が外部乱数発生手段の異常を検出したときに、電源確認信号をオフ状態にするので、払出制御手段から見ると、外部乱数発生手段に異常が発生したときにも、主基板未接続エラーの通信エラーが発生することになる。すなわち、外部乱数発生手段に異常が発生したときに、発射モータ94が不能動化される。
【0183】
図30は、ステップS756の払出制御処理を示すフローチャートである。払出制御処理において、払出制御用CPU371は、払出カウントスイッチ301の検出信号がオン状態になったことを確認したら、未払出個数カウンタの値を1減らす。その後、払出制御コードの値に応じてステップS610〜S612のいずれかの処理を実行する。
【0184】
図31は、払出制御コードが0の場合に実行される払出開始待ち処理(ステップS610)を示すフローチャートである。払出開始待ち処理において、払出制御用CPU371は、エラービットがセットされていたら、以降の処理を実行しない(ステップS621)。また、BRDY信号がオン状態でなければ、ステップS631以降の賞球払出のための処理を実行する。BRDY信号がオン状態であって、さらに、球貸し要求信号であるBRQ信号がオン状態になっていたら球貸し動作中フラグをセットする(ステップS623,S624)。そして、未払出個数カウンタに「25」をセットし(ステップS625)、払出モータ回転回数バッファに未払出個数カウンタに「25」をセットする(ステップS626)。
【0185】
遊技制御手段が外部乱数発生手段の異常を検出したときに、電源確認信号をオフ状態にするので、エラービットがセットされる。従って、外部乱数発生手段に異常が発生したときにステップS622以降の処理は実行されないので、球払出処理が実行されない状態になる。
【0186】
払出モータ回転回数バッファは、払出モータ制御処理(ステップS723)において参照される。すなわち、払出モータ制御処理では、払出モータ回転回数バッファにセットされた値に対応した回転数分だけ払出モータ289を回転させる制御が実行される。
【0187】
その後、払出制御用CPU371は、払出モータ制御処理で実行される処理を選択するための払出モータ制御コードに、払出モータ起動準備処理(ステップS522)に応じた値(具体的は「1」)をセットし(ステップS634)、払出制御コードの値を1にして(ステップS635)、処理を終了する。
【0188】
ステップS631では、払出制御用CPU371は、未払出個数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS631)。0であれば処理を終了する。未払出個数カウンタには、主制御通信通常処理におけるステップS546において、すなわち、主基板31の遊技制御手段から賞球REQ信号を受けたときに、0でない値(払出個数信号が示す数)がセットされている。従って、未払出個数カウンタの値が0でない場合には、賞球動作中フラグをセットし(ステップS632)、払出モータ回転回数バッファに未払出個数カウンタの値をセットする(ステップS633)。そして、ステップS634に移行する。
【0189】
図32は、払出制御コードが1の場合に実行される払出モータ停止待ち処理(ステップS611)を示すフローチャートである。払出モータ停止待ち処理において、払出制御用CPU371は、払出動作が終了したか否か確認する(ステップS641)。払出制御用CPU371は、例えば、払出モータ制御処理における払出モータブレーキ処理(ステップS525)が終了するときにその旨のフラグをセットし、ステップS641においてそのフラグを確認することによって払出動作が終了したか否かを確認することができる。
【0190】
払出動作が終了した場合には、払出制御用CPU371は、払出制御監視タイマに払出通過監視時間をセットする(ステップS642)。払出通過監視時間は、最後の払出球が払出モータ289によって払い出されてから払出カウントスイッチ301を通過するまでの時間に、余裕を持たせた時間である。そして、払出制御コードの値を2にして(ステップS643)、処理を終了する。
【0191】
図33は、払出制御コードの値が2の場合に実行される払出通過待ち処理(ステップS612)を示すフローチャートである。払出通過待ち処理において、払出制御用CPU371は、まず、払出制御タイマの値を−1する(ステップS651)。そして、払出制御タイマの値を確認し、その値が0になっていなければ、すなわち払出制御タイマがタイムアウトしていなければ処理を終了する。
【0192】
払出制御タイマがタイムアウトしていれば、未払出個数カウンタの値を確認する(ステップS653)。払出動作が正常に実行されれば、払出制御タイマがタイムアウトする前に、払出モータ289によって払い出された遊技球は全て払出カウントスイッチ301を通過し、ステップS601,S602の処理によって未払出個数カウンタの値は0になっている。未払出個数カウンタの値が正の値を示している場合には、実際に払い出された遊技球が払出予定数よりも少ない(払出不足)ことを意味する。また、未払出個数カウンタの値が負の値を示している場合には、実際に払い出された遊技球が払出予定数よりも多い(払出過多)ことを意味する。
【0193】
払出制御用CPU371は、未払出個数カウンタの値が正の値になっていない場合(払出不足でない場合)には、払出処理中であることを示す内部状態を、そうでない状態に変更する。具体的には、球貸し動作を実行中であったときには、すなわち、球貸し動作中フラグがセットされている場合には、球貸し動作中フラグをリセットする(ステップS654,S655)。また、賞球動作を実行中であったときには、すなわち、賞球動作中フラグがセットされている場合には、賞球動作中フラグをリセットする(ステップS654,S656)。その後、再払出動作カウンタをクリアし(ステップS667)、払出制御コードの値を0にして(ステップS658)、処理を終了する。なお、払出動作が正常に実行された場合にはステップS657の処理は不要であるが、後述する補正払出処理が実行された後にはステップS657の処理が必要になる。また、この実施の形態では、払出過多の場合にも払出処理が正常に終了したとみなすが、払出過多の場合には、エラーが生じたとしてその旨を報知するようにしてもよい。
【0194】
ステップS653で未払出個数カウンタの値が正の値になっていることを確認すると、払出制御用CPU371は、ステップS661〜ステップS666の補正払出処理のための制御を行う。ここでは、払出予定数分の遊技球が払い出されるまで、最大2回の再払出動作を行う。2回の再払出動作を行っても払出予定数分の遊技球が払い出されない場合には、エラービットをセットする。
【0195】
払出制御用CPU371は、ステップS661において、再払出動作カウンタの値が2になっているか否か確認する。2になっていなければ、払出モータ回転回数バッファに未払出個数カウンタの値をセットし(ステップS662)、払出モータ制御コードに払出モータ起動準備処理に応じた値(「1」)をセットする(ステップS663)。また、再払出動作カウンタの値を+1し(ステップS664)、払出制御コードの値を1にして(ステップS665)、処理を終了する。なお、ステップS662,S663,S665の処理は、払出モータ回転回数バッファにセットされる値が異なるものの、払出開始待ち処理におけるステップS633〜S635の処理と同じである。
【0196】
ステップS661において、再払出動作カウンタの値が2になっていることを確認したら、払出制御用CPU371は、エラーフラグのうち、払出カウントスイッチ未通過エラービット(払出ケースエラービット)をセットして(ステップS666)、処理を終了する。
【0197】
従って、この実施の形態では、払出制御手段における景品遊技媒体払出制御手段は、払出検出手段としての払出カウントスイッチ301からの検出信号にもとづいて、揮発性記憶手段(この例では未払出個数カウンタ)に記憶された払出数に満たない景品遊技媒体の払い出しが行われたことを検出したときに、あらかじめ決められた所定回(この例では2回)を限度として、払出手段に不足分の景品遊技媒体の払い出しを行わせる。
【0198】
図34は、ステップS757のエラー処理を示すフローチャートである。エラー処理において、払出制御用CPU371は、エラーフラグをチェックし、そのうちのセットされているビットが、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーおよび賞球REQ信号エラーのみ(3つのうちのいずれかのビットのみ、もしくは3つのうちの2ビットのみ、またはそれら3ビットのみ)であるか否か確認する(ステップS671)。セットされているビットがそれらのみである場合には、エラー解除スイッチ375から操作信号がオン状態になったか否か確認する(ステップS672)。操作信号がオン状態になったら、エラー復帰時間をエラー復帰前タイマにセットする(ステップS673)。エラー復帰時間は、エラー解除スイッチ375が操作されてから、実際にエラー状態から通常状態に復帰するまでの時間である。
【0199】
エラー解除スイッチ375から操作信号がオン状態でない場合には、エラー復帰前タイマの値を確認する(ステップS674)。エラー復帰前タイマの値が0であれば、すなわち、エラー復帰前タイマがセットされていなければ、ステップS678に移行する。エラー復帰前タイマがセットされていれば、エラー復帰前タイマの値を−1し(ステップS675)、エラー復帰前タイマの値が0になったら(ステップS676)、エラーフラグのうちの、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーおよび賞球REQ信号エラーのビットをリセットする(ステップS677)。
【0200】
このように、エラー解除スイッチ375が操作されたことにもとづいてエラー状態(図46のステップS621に示すように払出禁止状態である)が解除されるので、速やかに払出禁止状態を解除して払出処理を能動化させることができる。
【0201】
ステップS678では、払出制御用CPU371は、満タンスイッチ48の検出信号を確認する。満タンスイッチ48の検出信号が出力されていれば(オン状態であれば)、エラーフラグのうちの満タンエラービットをセットする(ステップS679)。満タンスイッチ48の検出信号がオフ状態であれば、満タンエラービットをリセットする(ステップS680)。
【0202】
また、払出制御用CPU371は、球切れスイッチ187の検出信号を確認する(ステップS681)。球切れスイッチ187の検出信号が出力されていれば(オン状態であれば)、エラーフラグのうちの球切れエラービットをセットする(ステップS682)。球切れスイッチ187の検出信号がオフ状態であれば、球切れエラービットをリセットする(ステップS683)。なお、球切れエラービットをセットされているときには、ステップS759の表示制御処理において、出力ポートバッファにおける球切れLED52に対応したビットを点灯状態に対応した値にする。
【0203】
さらに、払出制御用CPU371は、主基板31からの電源確認信号の状態を確認し(ステップS685)、電源確認信号が出力されていなければ(オフ状態であれば)、主基板未接続エラービットをセットする(ステップS686)。また、電源確認信号が出力されていれば(オン状態であれば)、主基板未接続エラービットをリセットする(ステップS687)。
【0204】
また、払出制御用CPU371は、各スイッチの検出信号の状態が設定される各スイッチタイマのうち払出カウントスイッチ301に対応したスイッチタイマの値を確認し、その値がスイッチオン最大時間(例えば「240」)を越えていたら(ステップS688)、エラーフラグのうち払出スイッチ異常検知エラー1のビットをセットする(ステップS689)。また、払出カウントスイッチ301に対応したスイッチタイマの値がスイッチオン最大時間以下であれば、払出スイッチ異常検知エラー1のビットをリセットする(ステップS690)。なお、各スイッチタイマの値は、ステップS751のスイッチ処理において、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がスイッチオン状態であれば+1され、オフ状態であれば0クリアされる。従って、払出カウントスイッチ301に対応したスイッチタイマの値がスイッチオン最大時間を越えていたということは、スイッチオン最大時間を越えて払出カウントスイッチ301がオン状態になっていることを意味し、払出カウントスイッチ301の断線または払出カウントスイッチ301の部分で遊技球が詰まっていると判断される。
【0205】
また、払出制御用CPU371は、払出カウントスイッチ301に対応したスイッチタイマの値がスイッチオン判定値(例えば「2」)になった場合に、球貸し動作中フラグおよび賞球動作中フラグがともにリセット状態であれば、払出動作中でないのに払出カウントスイッチ301を遊技球が通過したとして、エラーフラグのうち払出スイッチ異常検知エラー2のビットをセットする(ステップS693)。また、球貸し動作中フラグまたは賞球動作中フラグがセットされていれば、払出スイッチ異常検知エラー2のビットをリセットする(ステップS694)。
【0206】
さらに、払出制御用CPU371は、カードユニット50からのVL信号の入力状態を確認し(ステップS695)、VL信号が入力されていなければ(オフ状態であれば)、エラーフラグのうちプリペイドカードユニット未接続エラービットをセットする(ステップS696)。また、VL信号が入力されていれば(オン状態であれば)、プリペイドカードユニット未接続エラービットをリセットする(ステップS697)。
【0207】
なお、ステップS759の表示制御処理では、エラーフラグ中のエラービットに応じた表示(数値表示)による報知をエラー表示用LED374によって行う。この実施の形態では、主基板31に搭載された遊技制御手段と払出制御基板37に搭載された払出制御手段とが賞球払出に関して双方向通信を行うのであるが、通信エラーをエラー表示用LED374によって報知することができる。なお、通信エラーとして、主基板31からの電源確認信号がオフしたことによる主基板未接続エラーと、不正なタイミングで賞球REQ信号がオンまたはオフした賞球REQ信号エラー(ステップS561〜S564およびステップS551,S552参照)とがあるが、主基板未接続エラーの通信エラーが発生した場合には、発射モータ94が不能動化される。すなわち、遊技球の遊技領域7への発射ができない状態になる。従って、主基板未接続エラーの通信エラーが発生しているにも関わらず遊技が進行してしまうことはない。
【0208】
また、通信エラーは、払出制御手段の側で検出されるので、遊技制御手段と払出制御手段とが賞球払出に関して双方向通信を行うようにしても、遊技制御手段の負担を増すことなく通信エラーを検出できる。
【0209】
なお、この実施の形態では、主基板未接続エラーは電源確認信号がオン状態になると自動的に解消されるが(ステップS685,S687参照)、さらにエラー解除スイッチ375の操作を条件にエラー状態が解消されるようにしてもよい。
【0210】
また、この実施の形態では、通信エラーが、カードユニット50との間の通信エラー(プリペイドカードユニット未接続エラーおよびプリペイドカードユニット通信エラー)やその他のエラー特別可能に報知される(図51参照)。従って、遊技制御手段と払出制御手段との間の通信エラーが容易に特定される。
【0211】
以上のように、第1および第2の実施の形態の構成によれば、外部乱数発生手段が各種判定用の乱数値(カウンタ値)を生成し、監視回路934,935が外部乱数発生手段による乱数値の更新に関わる異常を監視し、異常が発生した際の監視回路934,935からの異常信号にもとづいてCPU56が所定のエラー処理を実行するように構成されているので、外部乱数発生手段が正常に動作しているかどうかを判別し、異常動作をしている場合には適切な制御処理を実行することができる。
【0212】
また、図8および図9に示した第1の実施の形態の監視回路934は、発振器930からの所定周波数のクロック信号がカウンタIC931に入力されていないことを監視するように構成されているので、発振器930の故障等の異常を確実に検出することができる。
【0213】
また、図21および図22に示した第2の実施の形態の監視回路935は、カウンタIC931によってカウントされているカウンタ値(乱数値)を格納する記憶部935Bと、記憶部935Bに今回格納されたカウンタ値が前回格納されたカウンタ値と一致しているか否かを判定する異常判定回路935Cとを含み、異常判定回路935Cがカウンタ値が一致していることを所定回連続して判定したときに異常信号をCPU56に出力するように構成されているので、カウンタIC931の故障等の異常を確実に検出することができる。
【0214】
また、第3の実施の形態の構成によれば、外部乱数発生手段にて各種判定用の乱数値を生成し、CPU56が始動口スイッチ14aからの始動検出信号を入力したときに、外部乱数発生手段が出力した乱数値をRAM55の所定領域に格納し、今回格納された乱数値が前回格納されていた乱数値と一致しているか否かを判定し、乱数値が一致していることを所定回連続して判定したときに所定のエラー処理を実行するように構成されているので、外部乱数手段が正常に動作しているかどうかを判別し、異常動作をしている場合には適切な制御処理を実行することができる。
【0215】
また、CPU56は、エラー処理として、可変表示装置9等の報知手段に乱数値の更新に関わる異常が発生した旨の報知を行わせるための処理を行うように構成されているので、乱数値の更新に関わる異常が発生したことを容易に認識させることができる。
【0216】
また、CPU56は、エラー処理として、遊技に関わる制御を停止するための処理を行うように構成されているので、異常が発生した状態で遊技が進行されることによる新たな不具合が発生するのを防止することができる。
【0217】
また、CPU56は、エラー処理において、遊技に関する遊技価値の付与に関わる制御を停止するように構成されているので、異常が存在する状態で遊技価値が付与されてしまうのを確実に防止することができる。
【0218】
また、監視回路934,935およびCPU56が、今回格納された乱数値が前回に格納された乱数値と一致しているか否かを判定する場合は、簡易処理で確実に乱数値の更新に関わる異常を検出することができる。また、監視回路934,935およびCPU56が、今回格納された乱数値が前回および前々回に格納された乱数値と一致しているか否かを判定する場合には、一層確実に数値データの更新に関わる異常を検出することができるようになる。
【0219】
さらに、乱数値としてのカウンタ値は所定の遊技価値の付与の判定に用いられるため、ハードウェア構成のカウンタIC931はCPU56内部で実行されるソフトウェア構成のカウンタと異なり、遊技に関わる制御と同期しないため、遊技価値の付与となるカウンタ値が発生するタイミングが不正遊技者に認識されてしまう可能性が低くなる。
【0220】
また、CPU56は、外部乱数発生手段に異常が発生したことを示す報知信号を遊技機外部の例えばホールコンピュータなどに出力するように構成されていてもよい。この場合、遊技店などで遊技機に異常が発生したことを自動的に確認することができるとともに、そのような異常が発生したことについて記録を残すこともできる。
【0221】
また、上記の実施の形態1〜3では、カウンタIC931によるカウントが停止しているという更新異常を監視し、更新異常の発生にもとづいて所定のエラー処理を実行していた。すなわち、実施の形態1では、監視回路934が発信器930からのクロック信号の異常を監視することによりカウンタIC931のカウントの停止を監視し、実施の形態2では、監視回路935がカウンタ932のカウンタ値の異常を監視することによりカウンタIC931のカウントの停止を監視し、また、実施の形態3では、CPU56がカウンタIC931から出力されるカウンタ値の異常を監視することによりカウンタIC931のカウントの停止を監視する。その結果、カウンタIC931のカウントの停止が検出されたことにもとづいて、CPU56が所定のエラー処理を実行していた。
【0222】
しかし、そのような構成に限られるわけではなく、カウンタIC931が正常な範囲内(すなわち0〜65535)でカウンタ値をカウントしているか否かを監視するように構成されていてもよい。例えば、監視回路935またはCPU56(あるいは特別な監視回路)がカウンタIC931によってカウントされたカウンタ値が正常な範囲内にあるか否かを常に監視し、カウンタ値が正常な範囲外にあると判断されると、CPU56が所定のエラー処理を実行するように構成されていてもよい。また、カウンタIC931が正常な範囲内ではあるが特定の範囲内(例えば20000〜29999の範囲内)でしかカウンタ値をカウントされていないかどうかについて監視するように構成されていてもよい。例えば、カウンタIC931内の乱数発生用のカウンタ932とは別に、カウンタ932の監視用のカウンタを設け、乱数発生用のカウンタ932のカウンタ値と監視用のカウンタ値とを比較器で比較することによって、乱数発生用のカウンタ932が特定の範囲内でしかカウントしていないかどうかを監視するように構成されていてもよい。
【0223】
なお、上記の各実施の形態のパチンコ遊技機1は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示装置9に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種パチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。
【0224】
実施の形態4.
上述した各実施の形態では、遊技機の例としてパチンコ遊技機を示したが、パチンコ遊技機に限られず、他の遊技機にも本発明を適用できる。以下、本発明を、他の遊技機の一例であるスロット機に適用した場合の例について説明する。
【0225】
図36はスロット機(スロットマシン)500を正面から見た正面図である。図36に示すように、スロット機500は、中央付近に遊技パネル501が着脱可能に取り付けられている。また、遊技パネル501の前面の中央付近には、複数種類の図柄が可変表示される可変表示装置502が設けられている。この実施の形態では、可変表示装置502には、「左」、「中」、「右」の3つの図柄表示エリアがあり、各図柄表示エリアに対応してそれぞれ図柄表示リール502a,502b,502cが設けられている。
【0226】
遊技パネル501の下部には、遊技者が各種の操作を行うための各種入力スイッチ等が配される操作テーブル520が設けられている。操作テーブル520の奥側には、コインを1枚ずつBETする(かける)ためのBETスイッチ521、1ゲームでかけることのできる最高枚数(本例では3枚)ずつコインをBETするためのMAXBETスイッチ522、精算スイッチ523、及びコイン投入口524が設けられている。コイン投入口524に投入されたコインは、図示しない投入コインセンサによって検知される。
【0227】
操作テーブル520の手前側には、スタートスイッチ525、左リールストップスイッチ526a、中リールストップスイッチ526b、右リールストップスイッチ526c及びコイン詰まり解消スイッチ527が設けられている。操作テーブル520の手前左右には、それぞれランプ528a,528bが設けられている。操作テーブル520の下部には、効果音等を出力するスピーカ530が設けられている。
【0228】
遊技パネル501の上部には、遊技者に遊技方法や遊技状態等を報知する画像表示装置(LCD:液晶表示装置)540が設けられている。例えば、入賞発生時に、キャラクタが所定動作を行う画像を画像表示装置540に表示することで、後述する当選フラグが設定されていることを遊技者に報知する。また、画像表示装置540の左右には、効果音を発する2つのスピーカ541L,541Rが設けられている。
【0229】
なお、スロット機500で発生する入賞役には、小役入賞と、リプレイ入賞と、ビッグボーナス入賞と、レギュラーボーナス入賞とがある。スロット機500では、スタートスイッチ525を操作したタイミングで乱数が抽出され、上記いずれかの入賞役による入賞の発生を許容するか否かを決定する。入賞の発生が許容されていることを、「内部当選している」という。内部当選した場合、その旨を示す当選フラグがスロット機500の内部で設定される。当選フラグが設定された状態でのゲームでは、その当選フラグに対応する入賞役を引き込むことが可能なようにリール502a〜502cが制御される。一方、当選フラグが設定されていない状態でのゲームでは、入賞が発生しないようにリール502a〜502cが制御される。
【0230】
次に、スロット機により提供されるゲームの概要について説明する。
例えば、コイン投入口524からコインが投入されBETスイッチ521又はMAXBETスイッチ522が押下される等してかけ数が設定されると、スタートスイッチ525の操作が有効となる。そして、遊技者によってスタートスイッチ525が操作されると、可変表示装置502に設けられている各図柄表示リール502a〜502cが回転を始める。また、スタートスイッチ525を操作したタイミングで、レギュラーボーナス入賞又はビッグボーナス入賞が内部当選した場合には、例えば、画像表示装置540に所定のキャラクタが所定の動作を行っている画面を表示する等して、内部当選した旨が遊技者等に報知される。
【0231】
各図柄表示リール502a〜502cが回転を始めてから所定時間が経過すると、各リールストップスイッチ526a〜526cの操作が有効となる。この状態で、遊技者が各リールストップスイッチ526a〜526cのいずれかを押下すれば、操作されたストップスイッチに対応するリールの回転が停止する。なお、各図柄表示リール502a〜502cを停止させずに、所定期間以上放置した場合には、各図柄表示リール502a〜502cが自動的に停止する。
【0232】
すべての図柄表示リール502a〜502cが停止した時点で、可変表示装置502に表示されている各図柄表示リール502a〜502cの上段、中段、下段の3段の図柄中、かけ数に応じて定められる有効な入賞ライン上に位置する図柄の組合せによって入賞したか否かが定められる。かけ数が1の場合には、可変表示装置502における中段の横1列の入賞ラインのみが有効となる。かけ数が2の場合には、可変表示装置502における上段、中段、下段の横3列の入賞ラインが有効となる。かけ数が3の場合には、可変表示装置502における横3列と斜め対角線上2列の合計5本の入賞ラインが有効ラインとなる。
【0233】
有効ライン上の図柄の組合せが、予め定められた特定の表示態様となって入賞が発生した場合には、音、光、画像表示装置540の表示等によって所定の遊技演出がなされ、入賞の発生に応じたゲームが開始される。
【0234】
図37は、スロット機500に備えられる主基板(遊技制御基板)600の回路構成の一例を示すブロック図である。図37には、演出制御基板630、リールユニット650、外部乱数発生手段および監視回路934も示されている。なお、主基板600には電源基板や中継基板等の他の基板も接続されるが、図37には示されていない。主基板600は、プログラムに従って制御動作を行うCPU602、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM603、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM604及びI/Oポート部605を含む構成とされている。
【0235】
外部乱数発生手段は、CPU(遊技制御用マイクロコンピュータ)602によるボーナス入賞の内部当選等の判定に用いられる乱数を発生する。外部乱数発生手段は、クロック信号発生手段としての発振器(OSC)930および数値データ更新手段としてのカウンタIC931を含み、図37に示すようにCPU602の外部に設けられている。
【0236】
発振器930は、所定周波数(例えば20MHz)のクロック信号を発生する。発振器930が発生したクロック信号は、カウンタIC931のカウンタ932に入力される。カウンタIC931は、カウンタ932およびラッチ回路933を備えている。カウンタ932は、発振器930が発生したクロック信号をカウントする。ラッチ回路933は、スタートスイッチ525からの検出信号を検出すると、その時点(例えば検出信号の立ち上がり)でカウンタ932がカウントしているカウンタ値を抽出してラッチする。
【0237】
スタートスイッチ525は、遊技者によるスイッチ操作を検出すると、各図柄表示リール502a〜502cの回転が発生したことを通知する検出信号をカウンタIC931のラッチ回路933に出力するとともに、I/O605を介してCPU602に出力する。CPU602は、スタートスイッチ525からの検出信号を検出すると、ラッチ回路933がラッチしたカウンタ値を読み出す。CPU602は、読み出したカウンタ値をRAM603の所定領域に格納する。
【0238】
監視回路934の内部構成は、図9に示した構成と同様である。監視回路934は、発振器930が発生しているクロック信号を入力し、入力したクロック信号をカウントする。そして、監視回路934は、タイマ回路934Dからのタイムアップ信号に応じてカウンタ値を格納し、前回格納したカウンタ値と今回格納したカウンタ値を比較する。監視回路934は、その比較の結果、両カウンタ値が一致している場合には、発振器930に異常が発生していると判定し、両カウンタ値が異なる場合には、発振器が正常に動作していると判定する。監視回路934は、発振器930に異常が発生していると判定すると、その異常を通知するための異常信号をCPU602に出力する。CPU602は、監視回路934から出力された異常信号にもとづいて、第1の実施の形態の場合と同様のエラー処理を実行する。
【0239】
なお、発振器930に異常が発生していないにもかかわらず、記憶部934Bに前回格納されたカウンタ値と今回格納されたカウンタ値とが一致することも起こり得る。従って、一層確実に発振器930の異常判定を行うために、異常判定回路934Cは、所定回連続して両カウンタ値が一致したと判定したときに、異常信号をCPU56に出力するように構成してもよい。
【0240】
なお、図37に示したような監視回路934で発振器930の異常を監視する構成を、図2121に示したような監視回路935で外部乱数発生手段の異常を監視する構成にすることも可能である。また、図37に示したような監視回路934で発振器930の異常を監視する構成を、図23に示したような監視回路を設けずに、CPU602内部で外部乱数発生手段の異常を監視する構成にすることも可能である。
【0241】
リールユニット650には、リールモータ651と、リールランプ652と、リールセンサ653とが格納されている。リールモータ651は、各リール502a〜502cを回転させるためのモータである。リールランプ652は、各リール502a〜502cの内部に設けられ、各リール502a〜502cに描かれた図柄のうち、可変表示装置502にて視認される図柄をリールの内側から照らすためのランプである。リールセンサ653は、各リール502a〜502cの回転状態や回転数等を感知するためのセンサである。
【0242】
この実施の形態では、演出制御基板630に搭載されている演出制御手段が、スロット機500に設けられている画像表示装置540の表示制御や、リールランプ652の点灯制御を行う。画像表示装置540には、演出制御手段の制御によって、飾り図柄の変動表示や、遊技状態や遊技方法を報知するための表示等の様々な情報が表示される。この例では、演出制御基板630に搭載されている演出制御手段には、演出制御用のCPUやGCL等が含まれる。したがって、演出制御基板630に搭載されている演出制御手段は、上述したパチンコ遊技機と同様に、動画像データにもとづく動画像による遊技演出を実行することができる構成とされている。なお、演出制御基板630に搭載されている演出制御手段は、スロット機500に設けられている各種の遊技効果ランプ550,551,552,553の点灯制御、及びスロット機500に設けられているスピーカ501,541L,541Rの音出力制御を行う。
【0243】
この例では、演出制御基板630は、主基板600から受信した制御コマンドに基づく演出パターンに従って、画像表示装置540や、遊技効果ランプ550等や、スピーカ530等を制御する。画像表示装置540では、所定の画像表示パターン(演出パターンの一例)に従って、飾り図柄の変動表示がなされる。飾り図柄の変動表示演出では、例えば、パチンコ機における特別図柄の変動表示のような図柄組合せ演出表示や、リール502a〜502cの変動表示のような図柄組合せ演出等の演出が実行される。予め複数設けられている演出パターンから何れの演出パターンを用いるかについては、例えば、スタートスイッチ525が操作されたタイミングで、CPU602によって決定される。
【0244】
なお、上述したスロット機500では、動画像データにもとづく動画像による演出等がなされるが、それらの演出は、例えば、入賞していない通常の遊技期間中、レギュラーボーナス入賞によってレギュラーボーナスゲームが行われている期間中、ビッグボーナス入賞によるビッグボーナスゲームが行われている期間中等に実行されるようにすればよい。
【0245】
以上説明したように、本発明をスロット機に適用することができ、スロット機に適用した場合であっても上述した各実施の形態における効果を得ることができる。
【0246】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明によれば、遊技の進行を制御する遊技制御用マイクロコンピュータと、所定周波数のクロック信号を発生するクロック信号発生手段と、遊技制御用マイクロコンピュータとは別個に設けられ、クロック信号にもとづいて、遊技制御用マイクロコンピュータにおける遊技に関わる制御に用いられる数値データを更新する数値データ更新手段と、数値データの更新が停止しているか否かを監視する監視手段とを備え、監視手段は、数値データの更新が停止しているときに遊技制御用マイクロコンピュータに数値データの更新が停止しているという更新異常を知らせる更新異常信号を出力し、遊技制御用マイクロコンピュータは、更新異常信号の入力にもとづいて所定の異常時制御処理を実行するので、数値データ更新手段等が正常に動作しているかどうかを判別し、異常動作をしている場合には適切な制御処理を実行することができる。
【0247】
請求項2記載の発明では、更新異常を報知するための報知手段を備え、遊技制御用マイクロコンピュータが、所定の異常時制御処理として、報知手段に数値データの更新が停止しているという更新異常が発生した旨の報知を行わせるための処理を行うように構成されているので、更新異常が発生したことを容易に認識することができる。
【0248】
請求項3記載の発明では、遊技制御用マイクロコンピュータが、所定の異常時制御処理として、遊技に関わる制御を停止するための処理を行うように構成されているので、更新異常が発生した場合に、遊技が進行することによる新たな不具合が発生するのを防止することができる。
【0249】
請求項4記載の発明では、監視手段が、クロック信号発生手段からのクロック信号が数値データ更新手段に入力されているか否かを判定することにより数値データの更新が停止しているか否かを監視するように構成されているので、クロック信号発生手段の故障等の更新異常を確実に察知することができる。
【0250】
請求項5記載の発明では、監視手段が、数値データ更新手段によって更新されている数値データを所定の時点で格納する数値データ格納手段と、今回格納された数値データが数値データ格納手段に格納されていた数値データと一致しているか否かを判定する数値データ判定手段とを含み、数値データ判定手段により数値データが所定回連続して一致していることが判定されたときに更新異常信号を遊技制御用マイクロコンピュータに出力するように構成されているので、数値データ更新手段の故障等の更新異常を確実に察知することができる。
【0251】
請求項6記載の発明では、数値データは所定の遊技価値を付与するか否かの判定に用いられることにより、ハードウェア構成の数値データ更新手段は遊技制御用コンピュータで実行されるソフトウェア構成の数値データ更新手段と異なり、遊技に関わる制御と同期しないため、遊技価値の付与となる数値が発生するタイミングが不正遊技者に認識されてしまう可能性が低くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】ガラス扉枠を取り外した状態での遊技盤の前面を示す正面図である。
【図3】遊技機を裏面から見た背面図である。
【図4】各種部材が取り付けられた機構板を遊技機背面側から見た背面図である。
【図5】遊技制御基板(主基板)の回路構成例を示すブロック図である。
【図6】払出制御基板の回路構成例を示すブロック図である。
【図7】演出制御基板、ランプドライバ基板および音声出力基板の構成例を示すブロック図である。
【図8】主基板におけるCPU、リセット回路、電源監視回路、外部乱数発生手段および監視回路の実施の形態1の構成を示すブロック図である。
【図9】実施の形態1の監視回路の内部構成を示すブロック図である。
【図10】主基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図11】タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図12】各乱数を示す説明図である。
【図13】特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図14】始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
【図15】特別図柄通常処理を示すフローチャートである。
【図16】特別図柄停止図柄設定処理を示すフローチャートである。
【図17】遊技制御手段によるエラー処理を示すフローチャートである。
【図18】コマンド作成処理の処理例を示すフローチャートである。
【図19】コマンド送信処理ルーチンを示すフローチャートである
【図20】可変表示装置によるエラー表示例を示す説明図である。
【図21】主基板におけるCPU、リセット回路、電源監視回路、外部乱数発生手段および監視回路の実施の形態2の構成を示すブロック図である。
【図22】実施の形態2の監視回路の内部構成を示すブロック図である。
【図23】主基板におけるCPU、リセット回路、電源監視回路および外部乱数発生手段の実施の形態3の構成を示すブロック図である。
【図24】遊技制御手段による実施の形態3のエラー処理を示すフローチャートである。
【図25】制御信号の内容の一例を示す説明図である。
【図26】制御信号の送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。
【図27】払出制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図28】払出制御用CPUが実行するタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図29】発射モータ制御処理を示すフローチャートである。
【図30】払出制御処理を示すフローチャートである。
【図31】払出開始待ち処理を示すフローチャートである。
【図32】払出モータ停止待ち処理を示すフローチャートである。
【図33】払出通過待ち処理を示すフローチャートである。
【図34】払出制御手段によるエラー処理を示すフローチャートである。
【図35】払出制御手段によるエラー処理を示すフローチャートである。
【図36】ロット機を正面から見た正面図である。
【図37】スロット機に備えられる主基板の回路構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1       パチンコ遊技機
9       可変表示装置
14a     始動口スイッチ
27      スピーカ
31      主基板
35      ランプドライバ基板
37      払出制御基板
55,603  RAM
56,602  CPU
70      音声出力基板
80      演出制御基板
101     演出制御用CPU
371     払出制御用CPU
500     スロット機
525     スタートスイッチ
930     発振器
931     カウンタIC
934,935 監視回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が所定の遊技を行い、所定条件の成立に応じて遊技者に所定の遊技価値を付与可能な遊技機であって、
遊技の進行を制御する遊技制御用マイクロコンピュータと、
所定周波数のクロック信号を発生するクロック信号発生手段と、
前記遊技制御用マイクロコンピュータとは別個に設けられ、前記クロック信号にもとづいて、前記遊技制御用マイクロコンピュータにおける遊技に関わる制御に用いられる数値データを更新する数値データ更新手段と、
前記数値データの更新が停止しているか否かを監視する監視手段とを備え、
前記監視手段は、前記数値データの更新が停止しているときに前記遊技制御用マイクロコンピュータに前記数値データの更新が停止しているという更新異常を知らせる更新異常信号を出力し、
前記遊技制御用マイクロコンピュータは、前記更新異常信号の入力にもとづいて所定の異常時制御処理を実行する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
更新異常を報知するための報知手段を備え、
遊技制御用マイクロコンピュータは、所定の異常時制御処理として、前記報知手段に数値データの更新が停止しているという更新異常が発生した旨の報知を行わせるための処理を行う
請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
遊技制御用マイクロコンピュータは、所定の異常時制御処理として、遊技に関わる制御を停止するための処理を行う
請求項1または請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
監視手段は、クロック信号発生手段からのクロック信号が数値データ更新手段に入力されているか否かを判定することにより数値データの更新が停止しているか否かを監視する
請求項1から請求項3のうちのいずれかに記載の遊技機。
【請求項5】
監視手段は、
数値データ更新手段によって更新されている数値データを所定の時点で格納する数値データ格納手段と、
今回格納された数値データが前記数値データ格納手段に格納されていた数値データと一致しているか否かを判定する数値データ判定手段とを含み、
前記数値データ判定手段により数値データが所定回連続して一致していることが判定されたときに更新異常信号を遊技制御用マイクロコンピュータに出力する
請求項1から請求項3のうちのいずれかに記載の遊技機。
【請求項6】
数値データは所定の遊技価値を付与するか否かの判定に用いられる
請求項1から請求項5のうちのいずれかに記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2004−97576(P2004−97576A)
【公開日】平成16年4月2日(2004.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−264840(P2002−264840)
【出願日】平成14年9月10日(2002.9.10)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】