説明

遊技機

【課題】
帯電可能な遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機であって、遊技媒体に帯電した静電気を速やかに除去する。
【解決手段】
遊技媒体を貯留する遊技媒体貯留部70と、遊技媒体貯留部70から払出される遊技媒体を受ける受皿と、遊技媒体貯留部70と受皿とを連通する遊技媒体通路(71、72等)とを備え、遊技媒体貯留部70及び/又は前記遊技媒体通路(71、72等)において遊技媒体と直接接触する部位の少なくとも一部に導電性部材が設けられる。
そして、遊技媒体貯留部70及び/又は遊技媒体通路(71、72等)の所定箇所には導電性部材の電気抵抗値よりも低い電気抵抗値を有する集電部材(70a、71a等)が設けられ、集電部材(70a、71a等)が導電性部材及び遊技機に設けられたアース部に電気的に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は帯電可能な遊技媒体(例えば、パチンコ球等)を用いて遊技を行う遊技機に関し、詳しくは、遊技媒体に帯電した静電気を除去するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、パチンコ機のような遊技機では、遊技者の遊技結果等に基づいて遊技媒体を貯留する貯留部から遊技媒体通路を介して受皿に遊技媒体を払出すようにしている。
かかる遊技機においては、遊技媒体が遊技媒体通路を移動する際等に、遊技媒体が壁面に衝突又は遊技媒体同士が衝突すること等により静電気が発生し、この静電気により遊技媒体が帯電する場合があった。
遊技媒体が帯電すると、これが原因で遊技機全体を制御する制御回路装置に誤動作が生じる場合があった。
このため、従来から遊技媒体に帯電した電荷を除去するための技術が開発されている。
この従来の技術では、遊技媒体通路の遊技媒体と直接接触する部位に導電性材料を配置し、遊技媒体に帯電した電荷がこの導電性材料に流れるようにして遊技媒体に帯電した静電気を除去するようになっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した技術では遊技媒体で発生する静電気の量が多くり遊技媒体から導電性材料に流れる静電気の量が多くなると、導電性材料が電気的に飽和し遊技媒体から静電気を除去できなくなる場合があった。
【0004】
本発明は上述した実情に鑑みなされたものであり、その目的は、遊技媒体から発生する静電気の量が多くなった場合においても、遊技媒体に帯電した静電気を除去することができる遊技機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため請求項1に記載の遊技機は、帯電可能な遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機であって、遊技媒体を貯留する遊技媒体貯留部と、該遊技媒体貯留部から払出される遊技媒体を受ける受皿と、前記遊技媒体貯留部と前記受皿とを連通する遊技媒体通路とを備え、前記遊技媒体貯留部及び/又は前記遊技媒体通路において遊技媒体と直接接触する部位の少なくとも一部に導電性部材が設けられるとともに、前記遊技媒体貯留部及び/又は前記遊技媒体通路の所定箇所には前記導電性部材の電気抵抗値よりも低い電気抵抗値を有する集電部材が設けられ、該集電部材及び前記導電性部材が遊技機に設けられたアース部に電気的に接続されている。
上記遊技機では、遊技媒体貯留部及び/又は遊技媒体通路において遊技媒体から導電性部材に流れた静電気は、集電部材を介してアース部に流される。
この際、集電部材の電気抵抗値が導電性部材のそれよりも低くされているため、導電性部材に流れた静電気が速やかに集電部材に流れることとなる。
したがって、遊技媒体から発生する静電気が多くなっても導電性部材が電気的に飽和し難くなり、遊技媒体から静電気を除去することができる。
【0006】
また、請求項1に記載の遊技機においては、前記導電性部材及び集電部材が設けられる位置が、前記遊技媒体通路において遊技媒体が通路壁面から一旦離れて再接触する部位の近傍とされていることが好ましい(請求項2)。
このような構成によれば、遊技媒体が通路壁面から離れて再接触(衝突)する際に発生する静電気を、この部分に配した導電性部材及び集電部材を介して速やかにアース部に流すことができる。
【0007】
また、請求項1に記載の遊技機においては、前記導電性部材及び集電部材が設けられる位置が、前記遊技媒体通路において、遊技媒体同士が離散、再接触する部位の近傍とされていることも好ましい(請求項3)。
このような構成によれば、遊技媒体同士が離散・再接触する際に発生する静電気を、この部分に配した導電性部材及び集電部材を介して速やかにアース部に流すことができる。
【0008】
また、請求項1に記載の遊技機においては、前記遊技媒体貯留部には、遊技機とは別体の外部装置から遊技媒体が供給されるように構成されており、前記遊技媒体貯留部に設けられた導電性部材の電気抵抗値と、前記遊技媒体通路に設けられた導電性部材の電気抵抗値とが異なるように調整されていることが好ましい(請求項4)。
このような構成では、遊技媒体貯留部に貯留される遊技媒体には外部装置を原因とする静電気(いわゆる、外因性の静電気)が帯電し、逆に遊技媒体通路を移動する遊技媒体には遊技媒体が通路に衝突等することを原因とする静電気(いわゆる、内因性の静電気)が帯電することとなる。
したがって、両者において除去しなければならない静電気のエネルギレベルは相違するため、遊技媒体貯留部と遊技媒体通路の両者に設ける導電性部材の電気抵抗値も異なるように調整することが好ましい。
例えば、外因性の静電気のエネルギレベルが高くなる場合には、除去すべき静電気の量が多くなるため、遊技媒体貯留部に設けられる導電性部材の電気抵抗値を低くし静電気を速やかに除去することが好ましい。
逆に、内因性の静電気は、その発生原因からエネルギレベルが低いため、遊技媒体通路に設ける導電性部材の電気抵抗値を上げても構わない。
【0009】
ところで、本発明者が幾多の実験を行ったところ、帯電した遊技媒体から静電気を除去する際に発生するスパイク状ノイズ(制御回路装置の誤動作の原因の一つ)の大きさには、遊技媒体と接触する導電性部材の電気抵抗値が大きく関与していることを見出した。
すなわち、導電性部材の電気抵抗値を種々変更(遊技媒体から導電性部材に流れる電流のピーク値を変更)したところ、制御回路装置で観測されるノイズが抑制できることが確認されたのである。
この理由は明らかではないが、遊技媒体と接触する導電性部材の電気抵抗値が小さすぎると瞬間的に大きな電流が流れるため大きなスパイク状ノイズが発生し、導電性部材の電気抵抗値を適度な値とすると遊技媒体から導電性部材に流れる電流のピークが抑制されスパイク状ノイズも抑制されるものと推察される。
このような知見に基づいて為された発明に係る遊技機は、帯電可能な遊技媒体を用いて遊技が行われる遊技機であって、遊技媒体を貯留する遊技媒体貯留部と、該遊技媒体貯留部から払出される遊技媒体を受ける受皿と、前記遊技媒体貯留部と前記受皿とを連通する遊技媒体通路とを備え、前記遊技媒体貯留部及び/又は前記遊技媒体通路において遊技媒体と直接接触する部位の少なくとも一部に導電性部材が設けられるとともに、その導電性部材の電気抵抗値が、帯電した遊技媒体から当該導電性部材に流れる電流のピーク値が所定の大きさとなるように調整されていることを特徴とする。
上記遊技機では、遊技媒体貯留部及び/又は遊技媒体通路において遊技媒体と直接接触する部位に設けられた導電性部材の電気抵抗値が調整されることで、帯電した遊技媒体からその導電性部材に流れる電流のピーク値が抑えられ、これにより、発生するスパイク状ノイズの大きさが抑制しつつ、遊技媒体に帯電した静電気を除去することができる。
なお、遊技媒体貯留部及び/又は遊技媒体通路に設けられる導電性部材としては、遊技媒体貯留部や遊技媒体通路とは別体として形成した部材を配設するようにしても良いし、遊技媒体貯留部及び/又は遊技媒体通路自体を導電性部材で直接形成するようにしても良い。
【0010】
また、上述した発明(導電性部材の電気抵抗値を調整する発明)は、パチンコ機等の弾球遊技機に適用することができる。
すなわち、本発明を適用した弾球遊技機の一態様としては、遊技球を貯留する球貯留部と、該球貯留部に貯留された遊技球を遊技者に払出す払出装置と、該払出装置から払出された遊技球を受ける受皿と、前記球貯留部と前記払出装置とを連通する第1の球通路と、前記払出装置と前記受皿とを連通する第2の球通路とを備えた弾球遊技機であって、前記球貯留部、払出装置、第1の球通路、第2の球通路の少なくとも一部分が所定の電気抵抗値を有する導電性樹脂で形成され、前記払出装置、第1の球通路及び第2の球通路において、前記導電性樹脂よりも電気抵抗値の低い部材は、遊技球と直接接触する部位には配置されないことを特徴とする(請求項5)。
このような構成によれば、遊技球に帯電した静電気が流れる導電性樹脂で形成された部位が所定の電気抵抗値を備えるため、遊技媒体から導電性樹脂に流れる電流のピーク値が抑制される。
また、払出装置、第1の球通路及び第2の球通路においては、上記導電性樹脂よりも電気抵抗値が低い部材が遊技球と直接接触する部位には配されないため遊技球からこれらの部材側に流れる電流のピーク値が抑えられる。
したがって、誤動作の原因となる大きなスパイク状ノイズの発生を抑制することができる。
ここで、パチンコ機等の弾球遊技機の場合、前記導電性樹脂の電気抵抗値(表面抵抗値)は、104〜106オームの範囲とされていることが好ましい。
104オームより小さい場合には電流のピーク値が大きくなりすぎる場合があり、106オームより大きくなると、遊技球から静電気が流れにくくなりすぎて遊技球から静電気を充分に除去できないためである。
【0011】
ここで、請求項5に記載の弾球遊技機においては、前記第1の球通路と前記第2の球通路の全体が導電性樹脂で形成されていることが好ましい(請求項6)。
このような構成によれば遊技球と導電性樹脂が接触している時間を長くすることができるため、導電性樹脂の電気抵抗値を上げても遊技球から静電気を充分に除去することができる。
また、導電性樹脂の電気抵抗値を上げることができるため、遊技球から導電性樹脂に流れる電流のピーク値をより低く抑えることができる。
【0012】
また、請求項5に記載の弾球遊技機においては、前記球貯留部、前記払出装置、前記第1の球通路、前記第2の球通路の全体が導電性樹脂で形成されると共に、これらの所定部位に前記導電性樹脂よりも電気抵抗値が低い集電部材が設けられ、該集電部材が遊技機に設けられたアース部と電気的に接続されていることが好ましい。
このような構成によれば、導電性樹脂に流れた静電気を、集電部材を介してアース部に効率的に流すことができる。
この際、前記第1の球通路及び/又は前記第2の球通路の長さと電気抵抗値とが、所定の値に調整されていることが好ましい。
第1の球通路と第2の球通路の長さ及び電気抵抗値を調整することで、これらの通路で除去できる静電気の量を調整することができるためである。
すなわち、通路長を長くすると除去可能な静電気の量が多くなり、また、電気抵抗値を上げると除去可能な静電気の量が少なくなる。
したがって、これらの通路で除去する静電気の量(発生する静電気の量)に応じて、通路長及び電気抵抗値を調整すれば良い。
【0013】
さらに、請求項5に記載の弾球遊技機において、前記球貯留部に、遊技機とは別体の外部装置から遊技球が供給されるように構成されている場合には、前記集電部材が、前記球貯留部と、これ以外の前記払出装置、第1の球通路、第2の球通路のいずれかに設けられており、前記球貯留部に設けられた集電部材とアース部との接続と、これ以外の集電部材とアース部との接続が電気的に分離されていることが好ましい。
このような構成においては、球貯留部では遊技球に外因性の静電気が帯電しており、それ以外の部分では遊技球に内因性の静電気が帯電する。
したがって、両者において除電される静電気のエネルギレベルが相違することとなるため、両者に配された集電部材とアース部との接続を電気的に分離することで、一方の集電部材からアース部に流れる電流が他方の集電部材とアース部とを接続する除電ラインに影響を与えることを防止することができる。
ここで、「電気的に分離する」には、アース部を完全に別に設ける場合のみならず、アース部と各集電部材の間に逆流防止部材(抵抗、アレスタ等)を設けて、一方の集電部材からアース部に流れた電流がアース部から他方の集電部材に流れることを防止するような場合をも含まれる。
なお、請求項5に記載の弾球遊技機においては、前記球貯留部に設けられる集電部材は、球貯留部の内壁に配設することが好ましい。
球貯留部の遊技球に帯電する外因性の静電気は、そのエネルギレベルが高いため速やかに除去することが好ましいためである。
ただし、球貯留部の導電性が高い場合(球貯留部が金属製となっている場合)等には、集電部材を球貯留部の内壁に配設するようにしても良い。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明をパチンコ機に具現化した一実施の形態を図1〜図9にしたがって説明する。
図1〜4に示すように、パチンコ機1は、外枠2、ベース枠10及び表枠30を主体として構成されている。
外枠2は、方形枠状に形成され、その前面の下部には、ベース枠10の下端面を受ける下受板3が取り付けられている。
また、外枠2の前面の一側には、ベース枠用ヒンジ機構100によってベース枠10が開閉可能に組み付けられている。
このベース枠10は、図1と図2に示すように、遊技盤13の前面の略全体が露出する開口部を有する方形額縁状に形成されている。
ベース枠10の裏面には、その開口部周縁に沿って支持枠体11が設けられ、この支持枠体11に遊技盤13が着脱可能に嵌込まれている。
この遊技盤13の裏面側には、その遊技盤13に装着された各種の入賞装置、役物装置、表示装置等を制御する制御ボックス装置6が装着されている(図4参照)。
【0015】
また、上記ベース枠10の裏面側には、図1と図4に示すように、その支持枠体11の片側の枠部11aにおいて、裏セット用ヒンジ機構120によって裏セット部材16が開閉可能に組み付けられている。
この裏セット部材16は、閉じた状態(図4に示す状態)においては、制御ボックス装置6を取り囲むように形成されている。
この裏セット部材16の裏面側には、図4〜図6に示すように、その上部から下部に向けて球タンク70、球誘導樋71、上部払出樋72、球払出装置73、下部払出樋74及び球排出樋76が順次に連通して配設されている。
球タンク70は、島設備から供給されるパチンコ球を一時的に貯留する機能を有し、球誘導樋71及び上部払出樋72は、球タンク70に貯留するパチンコ球を球払出装置73に誘導する機能を有する。
また、球払出装置73は、パチンコ球が入賞装置に入賞した際には所定個数の賞球を払出し、一方、球抜き作業時には球タンク70内に貯留されるパチンコ球が無くなるまで連続的にパチンコ球を排出する機能を有する。
また、下部払出樋74は、賞球払出時には球払出装置73から排出されたパチンコ球を球排出樋76に導き、球抜き作業時には球払出装置73から排出されたパチンコ球をパチンコ機1外に導く機能を有する。
そして、球排出樋76は、下部払出樋74から流下するパチンコ球を上皿93又は下皿21(図2と図3に図示)に導く機能を有する。
したがって、上述した球誘導樋71、上部払出樋72、球払出装置73、下部払出樋74及び球排出樋76によって、球タンク70と上皿93又は下皿21とを連通する球通路(請求項にいう遊技媒体通路に相当)が形成される(図6参照)。
なお、この球通路は、図4から明らかなように制御ボックス装置6を取囲むように設けられている。
【0016】
ここで、本実施の形態においては、上述した裏セット部材16、球タンク70、球誘導樋71、上部払出樋72、球払出装置73、下部払出樋74及び球排出樋76は導電性樹脂(炭素繊維入り樹脂)を一体成形することにより製作されており、その電気抵抗値は104〜106オームに調整されている。
各部分の電気抵抗値の具体的な決定方法は、例えば、所定の電圧(パルス電圧)を入力したときの各部材における電流波形のピークが所定の大きさとなるよう実験的に決定すればよく、また、あるいはパチンコ球を球タンク70に供給しながら賞球払出動作を所定時間行い、そのときの制御ボックス装置6の信号伝送系のノイズを観測し、このノイズが問題のない程度に抑えられるように実験的に決定しても良い。
特に、制御ボックス装置6の信号伝送系のノイズを実際に観測しながら決定する方法は、実測したノイズ(誤動作の原因)に基づいて決定されるため、ノイズを確実に抑えることができる。
このため、本実施の形態では後者の方法で電気抵抗値を決定している。
また、球タンク70、球誘導樋71、球払出装置73、下部払出樋74及び球排出樋76には、図5に示すように集電部材70a、71a、73a、74a、76a、76b〔前記導電性樹脂よりも電気抵抗値の低い部材(典型的には、鉄板等の金属板)〕がそれぞれ配設される。
これらの集電部材70a〜76bは、図5及び図6から明らかなように、球タンク70においては島設備からパチンコ球が補給される近辺の内壁(集電部材70a)、球誘導樋71においては球タンク70の球排出口近辺の外壁(集電部材71a)、球払出装置73においてはパチンコ球がスプロケットや通路壁と衝突する近辺の外壁(集電部材73a)、下部払出樋74においては球払出装置73から払出されたパチンコ球が通路壁に衝突して流れが変わる部位の外壁(集電部材74a)、また、球排出樋76においては上皿払出口93a近辺の外壁(集電部材76a)、下皿払出口21a近辺の外壁(集電部材76b)に配設されている。
このように球タンク70に配設される集電部材70aのみが球タンク70の内壁に配設されるのは、島設備から球タンク70に供給されるパチンコ球は高エネルギの静電気が帯電しており、この高エネルギの静電気を速やかに除去するためには集電部材70aを内壁に設けた方が好ましいためである。
また、球タンク70に配設された集電部材70aは、図5に示すように導電線70bにより電源ボックス装置201に直接接続され、また他の集電部材71a、73a、74a、76a、76bはそれぞれ導電線71b、73b、74b、76cによって裏セット部材16の所定位置に固定されたヒンジ板122(図7、図8参照)に取付ネジ126により接続される。
なお、集電部材70aと電源ボックス装置201を接続する導電線70bは、パチンコ機1の上方の外枠2側を通って配線される。
これは、導電線70bと制御ボックス装置6との物理的な距離を離すことにより、導電線70bに流れる電流によって制御ボックス装置6が誤動作することを防止するためである。
なお、上述した実施例においては、球タンク70から排出されたパチンコ球から静電気(球タンク70で除去できなかった静電気)を除去するため集電部材71aを球タンク70の球排出口近辺の外壁に配したが、球タンク70の静電気除去能力が高い場合等には、球誘導樋71の払出装置73側の通路(どの部位でも良い)に設けるようにしても良い。
このような構成によれば、集電部材71aとヒンジ板122の配線71bが短くなり好ましく、また、球誘導樋71内を流れる際にパチンコ球同士が衝突(離散・再接触)する際に発生する静電気を除去し易くなる。
【0017】
また、前記ベース枠10の支持枠体11には、図1に示すように、裏セット部材16を閉じた状態に保持するための複数の締付具19が組み付けられている。
そして、支持枠体11に遊技盤13が嵌込まれ、次に、裏セット部材16が閉じられ、その裏セット部材16が複数の締付具19によって閉じた状態に保持されると、ベース枠10の支持枠体11に遊技盤13が固定されるようになっている。
また、これとは逆に、複数の締付具19を外して裏セット部材16を開いた状態とすると、ベース枠10の裏面側からその支持枠体11に対し遊技盤13が着脱可能となる。
【0018】
なお、図1に示すように、前記ベース枠10の裏面の自由端側には、上下二つのベース枠施錠用フック17が上下方向にスライド可能に組み付けられている。
このベース枠施錠用フック17は、外枠2に対しベース枠10が閉じられたときに、外枠2に設けられた係合部(図示しない)に係合し、これにより外枠2に対しベース枠10が閉じた状態に施錠されるようになっている。
また、外枠2に対するベース枠10の解錠は、図3に示すように、ベース枠10の前面の自由端側下部寄りに配設された鍵穴22に鍵を挿入し、その鍵を一方向に回動操作することで、ベース枠施錠用フック17が下方にスライドして外枠2の係合部から外れ解錠されるようになっている。
【0019】
また、前記ベース枠10の前面下部には、図2と図3に示すように、パチンコ球発射用の発射ハンドル装置20や下皿21等が組み付けられ、また、図2に示すように、ベース枠10の前面の一側には表枠用ヒンジ機構140によって表枠30が開閉可能に組み付けられている。
この表枠30は、表枠本体31、補強部材31a、ガラス枠33等を備えている。
この表枠本体31は合成樹脂材料よりなり、図2、図3に示すように、その略中央部に遊技盤13の遊技領域14を透視可能な略円形の開口窓32が形成されている。
また、図3に示すように、表枠本体31の前面には、その開口窓32の周囲において凹凸の装飾が施された合成樹脂製の装飾部材50が組み付けられ、その装飾部材50には、光が出射されるレンズを備えた飾り窓51が適宜に形成される他、遊技盤13の盤面に貼り付けられた証紙を透視可能な窓52が形成されている。
また、表枠本体31と装飾部材50との間の空間部には装飾部材50の各レンズを照明するランプを備えたランプ基板(図示省略)が配設されている。
このような表枠本体31の裏面に装着される補強部材31aは、表枠本体31の裏面の略全域にわたる面積を有する鉄板等の導電性金属板よりなり、静電気の放電部材及び表枠本体31を補強する機能を有する。
【0020】
また、表枠30に設けられるガラス枠33は、図2に示すように、表枠本体31の開口窓32を透視可能に塞ぐ前後二枚の方形のガラス板29を保持するためのもので、このガラス枠33は、補強部材31aの裏面側に設けられている。
このガラス枠33は、開口窓32の下方において左右方向に延びる下枠部34と、その下枠部34の左右両端から上方に延びる左右の両側枠部37とを備えて略U字枠状に形成されている。
また、上述したガラス枠33は、鉄板等の導電性金属板よりなり、補強部材31aと一体または補強部材31aと別個に形成されかつ溶接によって一体状に固着されて電気的に導通可能となっている。
したがって、このガラス枠33も静電気の放電部材として機能するようになっている。
【0021】
なお、表枠本体31と補強部材31aとの間の自由端側には、図1に示すように、上下及び中間の計三つの施錠用フック80が上下方向にスライド可能に組み付けられられている。
そして、ベース枠10に対し表枠30が閉じられたときには、その施錠用フック80がベース枠10に形成された係合穴81に係合し、これによって、ベース枠10に対し表枠30が閉じた状態に施錠されるようになっている。
また、ベース枠10に対する表枠30の解錠は、ベース枠10の鍵穴22に対し鍵を挿入し、その鍵を、前記外枠2に対するベース枠10の解錠方向とは逆の方向に回動操作することで、施錠用フック80が下方にスライドして係合穴81から外れる。
これによって、ベース枠10に対し表枠30が解錠されるようになっている。
また、図2と図3に示すように、ベース枠10の前面の一側には、前記表枠30の下方に隣接しかつ図示しないヒンジ機構によって下板90が開閉可能に組み付けられている。
この下板90の裏面の自由端側には、ベース枠10に対し下板90を閉じた状態に係脱可能に保持する閉止爪92を備えた係合金具91が配設され、下板90の前面には上皿93が配設されている。
【0022】
上述した裏セット部材16と表枠30の補強部材31aとは、図7と図8に示すように、裏セット部材16と、ベース枠用ヒンジ機構100、裏セット用ヒンジ機構120及び表枠用ヒンジ機構140を介して電気的に接続され、裏セット部材16に帯電した静電気が補強部材31aにおいて放電できるようになっている。
具体的に説明すると、図7に示すように、ベース枠用ヒンジ機構100の上側のヒンジ構成部品は、外枠2の上隅部に固定された隅金具として機能するヒンジ板101と、ベース枠10の上部隅部に固定されたヒンジ板102と、これら両ヒンジ板101,102を回動可能に連結しているヒンジ軸103とを備えている。
この両ヒンジ板101、102及びヒンジ軸103は、導電性金属材によりそれぞれ形成されている。
また、ベース枠10に固定のヒンジ板102は、断面略L字状をなし、その一辺102aがベース枠10の裏面に対し導電性金属材よりなる固定ピン104によって固定されている。
【0023】
また、図7と図8に示すように、裏セット用ヒンジ機構120の上側のヒンジ構成部品は、ベース枠10の裏面に設けられた支持枠体11の枠部11a裏面に固定されたヒンジ板121と、裏セット部材16の所定位置に固定されたヒンジ板122と、これら両ヒンジ板121、122を回動可能に連結しているヒンジ軸123とを備えている。
この両ヒンジ板121、122及びヒンジ軸123は、導電性金属材によりそれぞれ形成されている。
また、支持枠体11側のヒンジ板121は、断面略L字状をなし、その一辺121aが枠部11aの裏面に対し導電性金属材よりなる取付ネジ125によって固定されている。
また、裏セット部材16側のヒンジ板122は、導電性金属材よりなる取付ねじ126によって裏セット部材16の所定位置に固定されている。
なお、このヒンジ板122には、前述した集電部材71a、73a、74a、76a、76bが導電線71b、73b、74b、76cによって接続されている。
【0024】
また、図7と図2に示すように、表枠用ヒンジ機構140の上側のヒンジ構成部品は、表枠30の補強部材31aの一側寄り上部に折り曲げ加工によって一体に形成された筒状の軸受け筒部141と、その軸受け筒部141の軸受け孔に上下動可能に支持されたヒンジ軸142と、ベース枠10の前面上部に固定されかつ前記ヒンジ軸142が回動可能に嵌挿されるヒンジ板143とを備えている。
上記軸受け筒部141、ヒンジ板143及びヒンジ軸142は、導電性金属材によりそれぞれ形成されている。
上述したベース枠10のヒンジ板143は断面略L字状をなし、その一辺143aがベース枠10の前面に対し、同ベース枠10の裏面に固定されたヒンジ板102(ベース枠用ヒンジ機構100)を固定する固定ピン104によって固定されている。
また、このヒンジ板143の他辺143bには、ヒンジ軸142が回動並びに上下動可能に嵌挿されるヒンジ孔が形成されている。
したがって、表枠30の補強部材31aは、表枠用ヒンジ機構140における軸受け筒部141、ヒンジ軸142、ヒンジ板143及び固定ピン104を介してベース枠用ヒンジ機構100のヒンジ板102に電気的に接続されるようになっている。
【0025】
また、上記ヒンジ板102は、図7に示すように、導電接続部材160(金属製で弾性を有するワイヤよりなる)によって裏セット用ヒンジ機構120のヒンジ板121と電気的に接続される。
すなわち、図7と図8に示すように、導電接続部材160の一端部(上端部)はベース枠10に固定のヒンジ板102に向けて延出し、この導電接続部材160の端部にはベース枠10に固定されたヒンジ板102に弾性的に圧接する接続部161が略駒形状に屈曲されて形成されている。
一方、導電接続部材160の他端部(下端部)は支持枠体11の片側の枠部11aに固定されたヒンジ板121に向けて延出し、この導電接続部材160の他端部には略直角状に折り曲げられた接続部162が形成される。
この接続部162は、ヒンジ板121を固定するために枠部11aの内面に架設されたボス部152の中心孔に嵌挿されかつその接続部162の先端が取付ネジ125の先端部に弾性的に圧接するようになっている。
したがって、ベース枠10に固定のヒンジ板102と、枠部11aに固定のヒンジ板121とが電気的に接続され、これにより裏セット部材16と表枠30の補強部材31aとが電気的に接続されるようになっている。
なお、導電接続部材160は、その略中央部が巻回されて枠部11aの内面の所定位置に突設されたボス部150に取付ネジ151によって装着されている。
【0026】
上述したように表枠30の補強部材31aと電気的に接続されるヒンジ板122を固定する取付ネジ126は、また、図4に示すように、ベース枠10の裏面側の所定位置に配置された電源ボックス装置201(電源基板200を収納)と接続線231により接続される。
この電源ボックス装置201に収納される電源基板200は、図9に示すように、電源から供給される交流(例えば24ボルト)を入力して直流(例えば、5ボルト、12ボルト等)に変換して出力する安定化電源回路202が設けられている。
この安定化電源回路202の直流出力は、制御ボックス装置6内に収容された制御基板300等に供給される。
また、電源基板200には、パチンコ機1の各部で発生した静電気を逃がすためのアース回路210が設けられている。
さらに、電源基板200には、そのアース回路210の入力側において、複数、例えば、第1〜第3のアース入力端子215,216,217がそれぞれ配設されている。
これら第1〜第3のアース入力端子215,216,217とアース回路210との間には、アース回路210側から第1〜第3のアース入力端子215,216,217に向けて電気が逆流するのを防止するための逆流防止素子220,221,222がそれぞれ個別に配設されている。
また、上記アース回路210は、安定化電源回路202の直流出力の電源線207と逆流防止素子214を介して接続されている。
この逆流防止素子214は、アース回路210から電源線207側に電流が流れることを防止するためのものである。
なお、本実施の形態においては、上述した第1のアース入力端子215には、裏セット部材16、裏セット部材16に配された集電部材71a,73a,74a,76a,76b、及び補強部材31aが接続されている。
また、第2のアース入力端子216には発射ハンドル装置20が接続され、第3のアース入力端子217には球タンク70に配設した集電部材70aが接続される。
【0027】
また、電源基板200には、アース回路210の出力側においては、1つのアース出力端子204が配設されている。
このアース出力端子204にはアース線203が接続されて接地されている。
なお、電源基板200のアース回路210は、必要に応じて逆流防止素子208を介して交流入力の電源線208に接続されてもよい。
また、アース回路210においても、必要に応じて電源基板200の基板アースに対し逆流防止素子212を介して接続されてもよい。
なお、電流の逆流を防止する逆流防止素子208,212,220,221,222としては、例えば、抵抗器、ダイオード、アレスタ等が用いられる。
【0028】
上述のように構成されるパチンコ機1において、パチンコ球(遊技媒体)に帯電した静電気は、以下に説明するようにして除去される。
すなわち、電源基板200のアース出力端子204がアース線203によって接地されている場合においては、裏セット部材16の球誘導樋71、上部払出樋72、球払出装置73、下部払出樋74、球排出樋76等の通路(制御ボックス装置6の周囲を取囲むように形成される通路)を流れるパチンコ球の摩擦等によって発生しパチンコ球に帯電した静電気(内因性の静電気)は、パチンコ球から導電性樹脂で成形された裏セット部材16に流れる。
裏セット部材16に流れた静電気は、裏セット部材16から直接、又は裏セット部材16に配設された集電部材71a,73a,74a,76a,76b及び導電線71b,73b,74b,76cを介して取付ネジ126に流れ、取付ネジ126から接続線231を介して第1のアース入力端子215に流れる。
そして、第1のアース入力端子215に流れた静電気は、逆流防止素子220を経てアース回路210に流れ、アース出力端子204を経てアース線203に流れる。
ここで、球誘導樋71、上部払出樋72、球払出装置73、下部払出樋74、及び球排出樋76は、電気抵抗値が所定の値となるように調整されているため、パチンコ球からこれらの部材に流れる電流のピーク値が低く抑えられる。
また、これらの部材の所定箇所(パチンコ球が衝突する壁面近傍:静電気が発生しやすい部位)には集電部材71b〜76cが設けられ、これらの壁面から静電気を除去しやすくしている。
これらの理由のため、パチンコ球や裏セット部材16に帯電した静電気によってスパイク状ノイズが発生することが防止され、これにより制御ボックス装置6等の電子部品等が誤動作される不具合を防止することができる。
【0029】
また、発射ハンドル装置20において発生した静電気(遊技者から流れる静電気:いわゆる外因性の静電気の一種)は、電気的接続手段240、第2のアース入力端子216、逆流防止素子221、アース回路210、及びアース出力端子204を経てアース線203に流れる。
また、球タンク70において発生した静電気(島設備から供給されるパチンコ球に帯電した静電気:いわゆる外因性の静電気の一種)は、その一部分が集電部材70aに集電され、電気的接続手段241(導電線70b)、第3のアース入力端子217、逆流防止素子222、アース回路210、及びアース出力端子204を経てアース線203に流れる。
このため、発射ハンドル装置20や球タンク70において発生した静電気(外因性の静電気)は、上述した内因性の静電気とは別経路により速やかに除去され、ノイズの発生が防止される。
また、これらのノイズ除去経路は、内因性のノイズ除去経路と電気的に分離しているため、これらが相互に影響(アース回路210に流れた電流が逆流)することはない。
【0030】
一方、電源基板200のアース回路210のアース出力端子204がアース線203によって接地されていない場合には、パチンコ球に帯電した静電気は裏セット部材16に流れ、裏セット用ヒンジ機構120のヒンジ板122、ヒンジ軸123及びヒンジ板121を経て導電接続部材160に流れる。
その後、静電気はベース枠用ヒンジ機構100のヒンジ板102及び固定ピン104を経て表枠用ヒンジ機構140のヒンジ板143、ヒンジ軸142及び軸受け筒部141を経て表枠30の補強部材31aに流れる。
なお、パチンコ球から球タンク70に流れた静電気も、直接裏セット部材16等から裏セット用ヒンジ機構120に流れ、同様にして表枠30の補強部材31aに流れる。
ここで、補強部材31aは、鉄板等の導電性金属板よりなり、表枠30の略全域にわたる大きい表面積を有している。
このため、補強部材31aに流れた静電気は補強部材31aの大きい表面積において良好に放電される。
このようにして裏セット部材16に帯電した静電気を補強部材31aにおいて放電することができるため、電源基板200のアース出力端子204がアース線203によって接地されていない場合においても、パチンコ球から良好に静電気を除去することができる。
この際においても、パチンコ球から裏セット部材16に流れる電流のピーク値が低く抑えられるようその電気抵抗値が調整されているため、大きなスパイク状ノイズが発生することが防止される。
【0031】
また、電源基板200のアース回路210が逆流防止素子208を介して交流入力の電源線208に接続されている場合においては、裏セット部材16に流れた静電気の一部が、裏セット用ヒンジ機構120、接続線231、第1のアース入力端子215、逆流防止素子220を経てアース回路210に流れ、その後、逆流防止素子208を介して交流入力の電源線206に流れる。
このため、裏セット部材16に流れた静電気を速やかに除去することができ、制御ボックス装置6等の電子部品等が誤動作される不具合を一層確実に防止することができる。
【0032】
また、アース回路210が電源基板200の基板アースに対し逆流防止素子212を介して接続されている場合においては、裏セット部材16に流れた静電気の一部が、裏セツト用ヒンジ機構120、接続線231、第1のアース入力端子215、逆流防止素子220を経てアース回路210に流れ、その後、逆流防止素子212を介して基板アースに流れる。
このため、裏セット部材16に帯電した静電気を速やかに除去でき、これにより制御ボックス装置6等の電子部品等が誤動作される不具合をより一層確実に防止することができる。
なお、図9の二点鎖線に示すように、発射ハンドル装置20を放電部材としての補強部材31aに電気的に接続することによって、アース出力端子204がアース線203によって接地されていない場合においても、発射ハンドル装置20において発生した静電気が放電部材において放電される。
【0033】
以上、本発明の好適な一実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限られることなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【0034】
例えば、上述した実施の形態では、導電性樹脂により裏セット部材16を一体成形したがこのような形態に限られず、例えば、金属等の導電体で裏セット部材16を形成し、裏セット部材16の遊技媒体と接触する接触面に所定の電気抵抗を有する部材を配するようにしても良い。
【0035】
また、上述した実施の形態は本発明をパチンコ機に適用した例であったが、本発明はこの他にも、例えば、アレンジボール機(一定数の鋼球を遊技盤上に射出して所定の当たり状態を成立させるもの)、スロットマシン、雀球遊技機、パチスロ機等の各種遊技機にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本実施の形態に係るパチンコ機の外枠に対してベース枠が開かれた状態を示す斜視図。
【図2】同じく外枠に対しベース枠が開かれ、そのベース枠に対し表枠が開かれた状態を示す斜視図。
【図3】同じくパチンコ機の全体を示す正面図。
【図4】同じくパチンコ機の全体を示す背面図。
【図5】裏セット部材に配された集電部材の電気的な接続を説明するための斜視図。
【図6】パチンコ機の背面に設けられる球通路を説明するための図。
【図7】裏セット部材と表枠の補強部材との電気的接続構造を説明するための図。
【図8】裏セット部材と表枠の補強部材との電気的接続構造を説明するための図。
【図9】電源基板に設けられたアース回路の構成を説明するための図。
【符号の説明】
【0037】
1 ・・パチンコ機
2 ・・外枠
10・・ベース枠
11・・支持枠体
13・・遊技盤
16・・裏セット部材
30・・表枠
31a・補強部材
70・・球タンク
71・・球誘導樋
72・・上部払出樋
73・・球払出装置
74・・下部払出樋
76・・球排出樋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯電可能な遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機であって、
遊技媒体を貯留する遊技媒体貯留部と、
該遊技媒体貯留部から払出される遊技媒体を受ける受皿と、
前記遊技媒体貯留部と前記受皿とを連通する遊技媒体通路とを備え、
前記遊技媒体貯留部及び/又は前記遊技媒体通路において遊技媒体と直接接触する部位の少なくとも一部に導電性部材が設けられるとともに、
前記遊技媒体貯留部及び/又は前記遊技媒体通路の所定箇所には前記導電性部材の電気抵抗値よりも低い電気抵抗値を有する集電部材が設けられ、
該集電部材及び前記導電性部材が遊技機に設けられたアース部に電気的に接続されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記導電性部材及び集電部材が設けられる位置が、前記遊技媒体通路において遊技媒体が通路壁面から一旦離れて再接触する部位の近傍とされていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記導電性部材及び集電部材が設けられる位置が、前記遊技媒体通路において、遊技媒体同士が離散、再接触する部位の近傍とされていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
前記遊技媒体貯留部には、遊技機とは別体の外部装置から遊技媒体が供給されるように構成されており、前記遊技媒体貯留部に設けられた導電性部材の電気抵抗値と、前記遊技媒体通路に設けられた導電性部材の電気抵抗値とが異なるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項5】
遊技球を貯留する球貯留部と、該球貯留部に貯留された遊技球を遊技者に払出す払出装置と、該払出装置から払出された遊技球を受ける受皿と、前記球貯留部と前記払出装置とを連通する第1の球通路と、前記払出装置と前記受皿とを連通する第2の球通路とを備えた弾球遊技機であって、
前記球貯留部、払出装置、第1の球通路、第2の球通路の少なくとも一部分が所定の電気抵抗値を有する導電性樹脂で形成され、
前記払出装置、第1の球通路及び第2の球通路において、前記導電性樹脂よりも電気抵抗値の低い部材は、遊技球と直接接触する部位には配置されないことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項6】
前記第1の球通路及び第2の球通路の全体が導電性樹脂で形成されていることを特徴とする請求項5に記載の弾球遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−240818(P2009−240818A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−174823(P2009−174823)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【分割の表示】特願2000−220676(P2000−220676)の分割
【原出願日】平成12年7月21日(2000.7.21)
【出願人】(000148922)株式会社大一商会 (3,262)
【Fターム(参考)】