説明

遊技機

【課題】保護カバーの内側に位置する電気部品と、外側に位置する電気部品とを配線を介して電気的に容易に接続し得る遊技機を提供する。
【解決手段】保護カバー41の内側に配置される表示制御装置の配線が接続される第1コネクタ受部、および保護カバー41の外側に位置する接触検出装置に接続した中継接続線38が接続される第2コネクタ受部39bを備えた第2の中継基板を取付け得る基板保持部45を、保護カバー41の本体部42の開口部43に着脱可能に設ける。そして、基板保持部45に第2の中継基板を取付けた際に、基板保持部45に取付けられた第2の中継基板の第1コネクタ受部に、図柄表示装置の配線を保護カバー41の内側で着脱すると共に、第2コネクタ受部39bを保護カバー41の外側に臨ませて、中継接続線38を第2コネクタ受部39bに保護カバー41の外側から着脱し得るようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤の裏側に設置した電気部品を覆蓋保護する保護カバーを備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
代表的な遊技機であるパチンコ機は、外郭をなす外枠に対し、着脱および開閉可能に中枠が組み付けられると共に、該中枠に開設した保持部を介して所要の遊技領域を画成した遊技盤が保持されている。また、前記中枠の前側には、ガラス板を備えた前枠が開閉自在に枢支され、該前枠を中枠に対して閉成した際に、該ガラス板を介して前記遊技盤を前側から視認し得るよう構成される。更に、前記中枠における前記前枠の下方位置には、多数のパチンコ球(遊技球)を貯留し得る上球皿が開閉自在に組み付けられ、該上球皿の下方位置に下球皿が組み付けられている。また、前記下球皿の右側部には、打球駆動部を駆動させて前記上球皿に貯留したパチンコ球を、前記遊技盤の遊技領域に向けて打ち出させる球打出操作用のハンドルユニットが設けられている。なお、中枠の裏側には、パチンコ球を貯留する球タンクやパチンコ球の球通路、その他球払出装置等を組み付けた機構セット盤が配設されており、該機構セット盤に、パチンコ機の各種制御を行なう制御装置を多数配設してある。
【0003】
前記遊技盤の裏側には、図柄ドラムや図柄ベルトまたは液晶表示部等を具備する図柄表示装置や、所謂2種パチンコ機等に使用される大型の電動式入賞装置等の遊技装置が適宜選択配置されており、該遊技盤に開設した開口を介してこれら遊技装置をパチンコ機の前面側に露出させるようになっている。一般に、前記遊技装置は前後方向に嵩張る大型のサイズに形成されることから、遊技装置の裏側を覆蓋保護する保護カバーを配設して、前記球タンク等から零れて落下したパチンコ球が遊技装置に接触しないように構成される。ここで、前記保護カバーの内側に配設された遊技装置は電気部品であることから、該遊技装置を前記各種制御装置等の電気部品に接続する必要がある。そこで、保護カバーの内側に位置する電気部品と、外側に位置する電気部品とを接続する技術として、例えば保護カバーの背面板部に格子状にスリットを形成して切り離し可能な所要大の板部材を区画し、該板部材を必要に応じて切り離すことで所要の開口部を開設して、該開口部を通した配線を介して保護カバーの内側に位置する電気部品と外側に位置する電気部品と電気的に接続するようにした技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−108085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述のように保護カバーの背面板部に開設した開口部を介して、保護カバーの内側に位置する電気部品と、外側に位置する電気部品とを接続する配線を通す場合には、保護カバーの内側に位置する電気部品の配線接続部がこの開口部の近傍に位置している場合には、該配線接続部に配線を容易に接続することが可能である。しかしながら、前記電気部品の配線接続部が保護カバーの開口部から離れた位置に設けられている場合には、該開口部を介して配線接続部に配線を接続するのは困難となる。この場合には、保護カバーを開放したもとで、保護カバーの内側に位置する電気部品の配線接続部に配線の一方の端部を接続し、前記開口部から配線の他端を保護カバーの外側に挿通して、該配線の他端を対応する電気部品に接続する等の手段を取ることしかできず、作業が煩雑になって作業効率が劣る問題を有している。また、保護カバーの内側に位置する電気部品と、外側に位置する電気部品とを配線を介して直接接続するため、内側の電気部品のメンテナンス作業等で保護カバーを開放するに際しては、該配線が引っ掛かって保護カバーの開放を阻害する畏れもある。更に、保護カバーの内側に位置する電気部品と、外側に位置する電気部品とを接続する配線が多数ある場合や、作業者の配線接続の作業性を向上させるためには、前記保護カバーに開設する開口部の開口面積を大きくする必要があるが、この場合には、該開口部に球タンク等から零れて落下してきたパチンコ球が侵入する畏れがあり、保護カバーとしての機能が損なわれる欠点を内在している。
そこで、本発明は、保護カバーの内側に位置する電気部品と、外側に位置する電気部品とを配線を介して電気的に容易に接続し得る遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係る遊技機は、
遊技盤(30)の裏側に着脱可能に設置されて、第1の電気部品(36)を覆蓋保護する保護カバー(41)を備え、この保護カバー(41)の外側に設けられる第2の電気部品(20)と、前記第1の電気部品(36)とを配線(22a,37a,38)を介して接続するようにした遊技機において、
前記第1の電気部品(36)の配線(37a)が接続される第1接続部(39a)および第2の電気部品(20)の配線(38)が接続される第2接続部(39b)を有する中継基板(39)が設けられて、
前記保護カバー(41)は、前記中継基板(39)を取付けるベース部材(44)と、該ベース部材(44)を着脱可能な開口部(43)を開設した本体部(42)とから構成され、
前記ベース部材(44)における前記保護カバー(41)の外面側に形成された取付部(45)に、前記第2接続部(39b)を該保護カバー(41)の外側に臨ませた状態で前記中継基板(39)が取付けられると共に、該ベース部材(44)に開設した通孔(45a)から取付部(45)に取付けた中継基板(39)の第1接続部(39a)が保護カバー(41)の内側に臨むよう構成され、
前記取付部(45)に取付けられた前記中継基板(39)の第1接続部(39a)に、前記第1の電気部品(36)の配線(37a)が保護カバー(41)の内側から着脱されると共に、該取付部(45)に取付けた中継基板(39)の第2接続部(39b)に、前記第2の電気部品(20)の配線(38)を保護カバー(41)の外側から着脱されるようにしたことを特徴とする。
【0007】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の別の発明に係る遊技機は、
遊技盤(30)の裏側に着脱可能に設置されて、第1の電気部品(36)を覆蓋保護する保護カバー(41)を備え、この保護カバー(41)の外側に設けられる第2の電気部品(20)と、前記第1の電気部品(36)とを配線(22a,37a,38)を介して接続するようにした遊技機において、
前記第1の電気部品(36)の配線(37a)が接続される第1接続部(39a)および第2の電気部品(20)の配線(38)が接続される第2接続部(39b)を有する中継基板(39)が設けられて、
前記保護カバー(41)は、前記中継基板(39)を取付けるベース部材(44)と、該ベース部材(44)を着脱可能な開口部(43)を開設した本体部(42)とから構成され、
前記ベース部材(44)における前記保護カバー(41)の内面側に形成された取付部(45)に、前記第2接続部(39b)を該保護カバー(41)の内側に臨ませた状態で前記中継基板(39)が取付けられると共に、該ベース部材(44)に開設した通孔(45a)から取付部(45)に取付けた中継基板(39)の第2接続部(39a)が保護カバー(41)の外側に臨むよう構成され、
前記取付部(45)に取付けられた前記中継基板(39)の第1接続部(39a)に、前記第1の電気部品(36)の配線(37a)が保護カバー(41)の内側から着脱されると共に、該取付部(45)に取付けた中継基板(39)の第2接続部(39b)に、前記第2の電気部品(20)の配線(38)を保護カバー(41)の外側から着脱されるようにしたことを特徴とする。
【0008】
また、前記本体部(42)には、該本体部(42)の交差する第1の板部(42d)および第2の板部(42a)に亘って前記開口部(43)が形成され、
前記ベース部材(44)は、
前記取付部(45)の縁部に所要の隙間を持って一体的に形成されて取付部(45)側に弾性変形可能な弾性部(56)と、
前記弾性部(56)に形成され、前記本体部(42)の第1の板部(42d)に対して外側から当接する規制片(57)と、
前記弾性部(56)に形成され、前記本体部(42)に開設した前記開口部(43)の開口内縁に当接する当接片(58)と、
前記取付部(45)における前記弾性部(56)が形成される縁部に交差する一対の縁部に夫々形成され、前記本体部(42)の第1の板部(42d)および第2の板部(42a)に対して内側から当接するフランジ部(52,53)とを備えて、
前記ベース部材(44)における前記取付部(45)および弾性部(56)を含む外郭形状が、前記本体部(42)に開設した開口部(43)の輪郭形状に整合するよう形成され、
前記ベース部材(44)を前記弾性部(56)の弾性変形を伴って前記本体部(42)の内側から前記開口部(43)に挿入した際に、前記規制片(57)および一対のフランジ部(52,53)が前記第1の板部(42d)を挟むと共に、該一対のフランジ部(52,53)が第2の板部(42a)に当接し、前記当接片(58)が開口部(43)の開口内縁に当接することで、該ベース部材(44)が本体部(42)の開口部(43)に着脱可能に取付けられるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1に係る遊技機によれば、保護カバーの取付部に取付けた中継基板の第2接続部が、該保護カバーの外側に臨むよう構成し、保護カバーの外側に設けた第2の電気部品の配線を、当該保護カバーの外側から接続し得るようにしたから、保護カバーの内側と外側に位置する電気部品を容易に配線接続することができる。また、保護カバーで覆蓋保護した第1の電気部品のメンテナンス作業等を行なうに際しては、保護カバーの外側で第2接続部から第2の電気部品の配線を取外すことができるから、配線が引っ掛かることなく保護カバーを離脱させて、第1の電気部品を露出させることができる。更に、保護カバーに開口面積の大きな開口部を開設する必要がないから、保護カバーとしての機能が損なわれることはない。そして、取付部を保護カバーの外面に設けると共に、保護カバーに中継基板の第1接続部を内側に臨ませる通孔を開設したから、第1の電気部品の配線を保護カバーの内側から第1接続部に接続し得ると共に、第2の電気部品の配線を保護カバーの外側から第2接続部に接続することができる。更に、保護カバーの本体部と、取付部および通孔を形成したベース部材とを別部材で構成するようにしたから、中継基板の形状や構成等が変更された場合でも、中継基板に合わせてベース部材を変更するだけでよい。すなわち、保護カバー全体を変更する必要がないため、コストの低減が可能である。
【0010】
本発明の請求項2に係る遊技機によれば、保護カバーの取付部に取付けた中継基板の第2接続部が、該保護カバーの外側に臨むよう構成し、保護カバーの外側に設けた第2の電気部品の配線を、当該保護カバーの外側から接続し得るようにしたから、保護カバーの内側と外側に位置する電気部品を容易に配線接続することができる。また、保護カバーで覆蓋保護した第1の電気部品のメンテナンス作業等を行なうに際しては、保護カバーの外側で第2接続部から第2の電気部品の配線を取外すことができるから、配線が引っ掛かることなく保護カバーを離脱させて、第1の電気部品を露出させることができる。更に、保護カバーに開口面積の大きな開口部を開設する必要がないから、保護カバーとしての機能が損なわれることはない。そして、取付部を保護カバーの内面に設けると共に、保護カバーに中継基板の第2接続部を外側に臨ませる通孔を開設したから、第1の電気部品の配線を保護カバーの内側から第1接続部に接続し得ると共に、第2の電気部品の配線を保護カバーの外側から第2接続部に接続することができる。更に、中継基板を保護カバーの内側に取付けることで、該中継基板も保護し得る利点もある。また、保護カバーの本体部と、取付部および通孔を形成したベース部材とを別部材で構成するようにしたから、中継基板の形状や構成等が変更された場合でも、中継基板に合わせてベース部材を変更するだけでよい。すなわち、保護カバー全体を変更する必要がないため、コストの低減が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。
【図2】実施例に係るパチンコ機を示す背面図である。
【図3】実施例に係る灰皿の底面側を示す斜視図である。
【図4】実施例に係る遊技盤に、保護カバーを閉成状態で取付けた状態を示す平断面図である。
【図5】実施例に係る保護カバーを背面側から見た状態を示す斜視図である。
【図6】実施例に係る第2の中継基板を保持したベース部材を、背面側から見た状態を示す斜視図である。
【図7】実施例に係るベース部材を、保護カバーの外側から見た状態を示す側面図である。
【図8】実施例に係るベース部材を、保護カバーの内側から見た状態を示す側面図である。
【図9】実施例に係るベース部材を図7におけるA−A線で破断した状態を示す断面図である。
【図10】実施例に係るベース部材を本体部に取付けた状態における図7のB−B線断面図である。
【図11】実施例に係るベース部材を本体部に取付ける状態を示す工程図である。
【図12】実施例に係る第2のベース部材を、背面側から見た状態を示す斜視図である。
【図13】変更例に係る保護カバーの外面に中継基板を取付けた状態を示す平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。なお実施例では、遊技機としてパチンコ球を遊技媒体として使用する一般的な図柄表示装置を備えたパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において前・後および左・右とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側から見た場合において指称するものとする。
【実施例】
【0013】
(パチンコ機について)
先ず実施例に係るパチンコ機10の概略構成について、図1または図2を参照して説明する。パチンコ機10は、外郭をなす外枠11の開口前面側に対して中枠12が、パチンコ機10の左側に位置する連結支持手段14、および右側に位置する施錠手段15を利用して着脱および開放可能に組み付けられている。また、前記中枠12には、所要の遊技領域30aを構成した遊技盤30(後述)が着脱交換可能に取付けられると共に、該中枠12の前面側に、遊技盤30を透視保護するガラス板を組み付けた前枠13と、パチンコ球を貯留する上球皿16とを横開き形態で開閉可能に組み付けてある。また、前記中枠12における上球皿16の下方には、左右方向の略中央位置に、上球皿16から溢れたパチンコ球を貯留し得る下球皿17が配設されている。そして、前記中枠12における下球皿17の右側には、遊技者の操作に応じて図示しない打球発射装置を駆動して、前記上球皿16に貯留したパチンコ球を前記遊技領域30aに向けて発射させるハンドルユニット18が配設されると共に、該下球皿17の左側には、吸殻等を受ける灰皿19を配置してある。
【0014】
ここで、前記灰皿19には、図柄表示装置(第1の電気部品)36に対して配線22aを介して電気的に接続される接触検出装置(第2の電気部品)20が配設され、該接触検出装置20に遊技者が触れることにより図柄表示装置36で表示されている表示演出を変更し得るよう構成される。前記灰皿19に配設される前記接触検出装置20は、図3に示すように、該灰皿19の下面に設けられて遊技者の手指が接触可能な接触部21と、灰皿19に内蔵されて接触部21への遊技者の手指の接触を検出する検出部22とから構成されている。そして、前記検出部22に接続した配線22aを、図2に示すように、前記中枠12における連結支持手段14を形成した側部の下方位置、すなわち前記灰皿19と前後に整列する位置に穿設した通孔12aを介して中枠12の裏側に引き出したもとで、前記表示制御装置37に電気的に接続するようになっている。また、前記中枠12に形成した通孔12aの近傍には、互いに電気的に接続されている2つのコネクタ受部24a,24aを設けた第1の中継基板24を保持した基板ホルダ23が配設されており、該第1の中継基板24に設けた一方のコネクタ受部24aに、前記検出部22に接続した配線22aのコネクタ22b(図3参照)が接続されて、他方のコネクタ受部24aに、後述する第2の中継基板(中継基板)39に接続する中継接続線38のコネクタ(図示せず)が着脱自在に接続される。
【0015】
前記中枠12の裏側には、図2に示すように、中枠12の外郭形状に略整合する矩形状に成形された機構セット盤25が配設されており、該機構セット盤25に、外部から供給されたパチンコ球が流下する球貯留排出経路26や、該球貯留排出経路26の下方に連通接続する球払出装置27等が配設されている。すなわち、前記球払出装置27の作動に伴い、前記球貯留排出経路26に貯留されたパチンコ球を、前記上球皿16や下球皿17に貸球または賞球として給出するようになっている。なお、前記機構セット盤25の上方位置には、前後に開口する窓口25aが開設されており、該窓口25aを介して図柄表示装置36を覆蓋保護する保護カバー41が後方に臨んでいる。また、前記機構セット盤25の下方には、パチンコ機10を全体的に制御する主制御装置28や、前記球払出装置27を制御する払出制御装置29等が設置されている。
【0016】
(遊技盤について)
前記遊技盤30は、前記中枠12の上方位置に前後に開口するよう開設された遊技盤保持部(図示せず)に保持される。そして、図1に示すように、前記遊技盤30の前面側に、略円形状に湾曲形成したレール30bにより前記遊技領域30aが画成されて、該遊技領域30aの上方位置に、遊技盤30の裏側に配設される図柄表示装置36が臨む大型の装飾部品31が配設されている。また、前記遊技領域30aにおける前記装飾部品31の下方位置には、パチンコ球が通入可能な始動入賞具32が配設され、該始動入賞具32の下側に、前記図柄表示装置36での図柄組合わせゲームの結果により開放する大型電動式の入賞装置33を配設してある。更に、前記遊技領域30aの所要位置には、パチンコ球の流下方向を任意に変向する案内車34,34や、図柄表示装置36での図柄組合わせゲームに応じて照射パターンを変更して発光演出を行なう電飾装置35,35等が配設されている。
【0017】
ここで、前記図柄表示装置36は、複数の図柄を可変表示可能な液晶ディスプレイ62と、該液晶ディスプレイでの表示を制御する表示制御装置37とを、略矩形状に形成したケース体36aに収容して構成され、該ケース体36aを前記遊技盤30の裏側に配設した枠状部材30c(図4参照)に取付けるよう構成される。また、前記表示制御装置37は、前記主制御装置28に図示しない配線を介して電気的に接続されており、該主制御装置28からの信号に基づいて、液晶ディスプレイ62での表示を制御している。なお、前記表示制御装置37における配線接続用のコネクタ受部37bは、前記ケース体36aにおける保護カバー41のヒンジ機構40a形成側に設けられており、該コネクタ受部37bに配線37aのコネクタ(図示せず)が着脱自在に接続されている。
【0018】
(保護カバーについて)
図5に示すように、前記保護カバー41は、該保護カバー41の本体をなす本体部42と、該本体部42に開設した開口部43に着脱自在に装着されて、前記第2の中継基板39を保持可能な基板保持部(取付部)45を備えたベース部材44とから構成される。前記本体部42は、前記図柄表示装置36の後方に位置する背面板42aと、該背面板42aの上端縁から前側に向けて延出する上板42bと、背面板42aの左右両端縁から前側に向けて延出する第1および第2側板42c,42dとから、前方および下方に開放するよう形成されて、内側に前記図柄表示装置36を収容し得るようになっている。なお、前記保護カバー41には、前記施錠手段15に近接する第1側板42cに、前記枠状部材30cに着脱および回動自在に枢支するヒンジ機構40aが形成されると共に、該施錠手段15から離間する第2側板42dに、該保護カバー41を閉成状態で保持する固定具40bが設けてある(図2または図4参照)。そして、前記第2側板42dにおける前記背面板42aとの境界部には、該第2側板42dから背面板42aにかけて、保護カバー41の内側と外側とを連通させる前記開口部43が開設される。なお、ベース部材44は、前記開口部43に装着した際に本体部42の外郭形状に倣うよう形成してある。
【0019】
また、前記背面板42aの内側には、図4または図5に示すように、略L字状の配線留め42eが左右方向に離間する3箇所に形成されており、前記表示制御装置37のコネクタ受部37bに接続された配線37aを各配線留め42eに保持して、該配線37aが背面板42aの内側(保護カバー41の内面)に沿って前記ヒンジ機構40aの形成側と開口部43との間に延在するようにしてある。更に、前記背面板42aには、左右方向に延在する放熱孔41aが複数箇所に形成され、前記図柄表示装置36等から熱を保護カバー41の外側に放出し得るよう構成されている。なお、前記各放熱孔41aの上下方向の開口幅寸法は、パチンコ球の直径寸法より短く設定されており、該放熱孔41aを介して球タンク等から零れて落下したパチンコ球が保護カバー41の内側に侵入しないようになっている。
【0020】
ここで、前記第2の中継基板39は、図6または図10に示すように、同一面側(表面側)に第1コネクタ受部(第1接続部)39aおよび第2コネクタ受部(第2接続部)39bを備えており、該第1コネクタ受部39aと第2コネクタ受部39bとが裏面側において電気的に接続されている。そして、前記第1コネクタ受部39aに、前記表示制御装置37に接続した配線37aのコネクタ(図示せず)が着脱自在に接続されると共に、前記第2コネクタ受部39bに、前記中継接続線38のコネクタ38aが着脱自在に接続される。すなわち、前記第1および第2の中継基板24,39の夫々に接続される各配線22a,37a,38を介して、前記図柄表示装置36(表示制御装置37)と接触検出装置20(検出部22)とが電気的に接続されるようになっている。
【0021】
(ベース部材について)
次に、前記ベース部材44について説明する。なお、ベース部材44の説明に関しては、該ベース部材44を前記本体部42の開口部43に取付けた状態を基準として説明する。前記ベース部材44は、図6〜図10に示すように、前記第2の中継基板39を、前記保護カバー41の内面に位置するよう着脱自在に保持する基板保持部45と、該基板保持部45の前側に所要の隙間を持って一体的に形成され、基板保持部45側に弾性変形可能な弾性部56とから、前記本体部42に開設した開口部43の輪郭形状に整合する略矩形状に形成される。
【0022】
そして、前記弾性部56には、上下方向の略中央位置に、前方に向けて延出して前記本体部42の第2側板42dに対して保護カバー41の外側から当接する規制片57が形成されると共に、保護カバー41の内側に向けて延出して第2側板42dに開設した前記開口部43の開口前端面に当接する当接片58が形成されている。また、前記基板保持部45における上端縁には、上方に向けて所定長さ延出する上フランジ部52が形成されると共に、該基板保持部45の下端縁には、下方に向けて延出する下フランジ部53が形成されて、これら上下のフランジ部52,53が前記第2側板42dに対して保護カバー41の内側から当接するようになっている。すなわち、前記ベース部材44は、前記規制片57および上下のフランジ部52,53により前記第2側板42dを挟むことで、左右方向の移動が規制され、前記開口部43から脱落しないようになっている。
【0023】
また、前記ベース部材44は、前記当接片58が前記開口部43の前側の開口端面に当接することにより前方移動が規制され、前記基板保持部45の上下の端部が該開口部43の上下の開口端面に当接することで上下移動が規制される。ここで、前記上下のフランジ部52,53は、その後端部が前記背面板42aに保護カバー41の内側から当接するよう形成されており、該上下のフランジ部52,53が背面板42aに当接することで、ベース部材44の後方移動を規制している。なお、前記開口端面とは、前記本体部42における前記開口部43を開設した輪郭部を意味し、開口前端面とは、前記第2側板42dにおける開口部43の輪郭部の遊技盤30に近接する部位を指すものである。
【0024】
図9に示すように、前記基板保持部45は、前記第2の中継基板39の表面(すなわちコネクタ受部39a,39bを配置した面)が当接する平板部46と、該平板部46の下方に位置し、本体部42(保護カバー41)の外側に向けて突出すると共に本体部42(保護カバー41)の内側に開放して前記第1コネクタ受部39aを収容する収容部47とを有している。また、前記基板保持部45の外周縁には、保護カバー41の内側に向けて第2の中継基板39の厚み寸法に略合致する長さだけ突出する上下および前立上がり片48a,48b,48cを形成してある。ここで、前記上下の立上がり片48a,48bの離間寸法は、前記第2の中継基板39における上下方向の長さ寸法に略合致するよう設定され、該第2の中継基板39を基板保持部45に保持した際に、上下の立上がり片48a,48bに当接して上下移動が規制される。
【0025】
また、前記基板保持部45における上立上がり片48aには、その端面から下方に向けて前記平板部46と略平行に延在する押え部49が形成されると共に、該基板保持部45の下端縁側における該押え部49と上下に整列する位置には、押え部49側に突出する爪部50aを備えたフック部50が弾性変形可能に形成されて、押え部49および爪部50aの夫々が第2の中継基板39の裏面に当接するようになっている。すなわち、前記基板保持部45に保持した第2の中継基板39は、前記押え部49および爪部50aに当接することで前記平板部46から離間する方向(保護カバー41の内側)への移動が規制されている。
【0026】
なお、前記第2の中継基板39のベース部材44への取付方法としては、第2の中継基板39の上部を、前記平板部46と押え部49との間に挿入すると共に、該第2の中継基板39の下部を前記爪部50aに当接させる。そして、前記第2の中継基板39の下部を基板保持部45側に変位させることにより、前記フック部50が弾性変形して、第2の中継基板39の表面が前記平板部46に当接した際に、該フック部50が弾性復帰して前記爪部50aが第2の中継基板39の裏側に当接して、当該第2の中継基板39がベース部材44に取付けられる。反対に、前記第2の中継基板39を取外すに際しては、前記フック部50を弾性変形させて爪部50aと第2の中継基板39との係合を解除したもとで、該第2の中継基板39を平板部46から離間する方向に引き出すことで、前記ベース部材44から第2の中継基板39が取外される。
【0027】
また、前記平板部46の後方位置には、本体部42(保護カバー41)の内側に向けて突出する突出片46a(図8または図9参照)が形成されており、第2の中継基板39を保持した際に、該突出片46aに第2の中継基板39の後端部が当接するようになっている。すなわち、前記基板保持部45に保持した第2の中継基板39は、前記突出片46aおよび前立上がり片48cに当接することにより前後移動が規制され、前記基板保持部45の所定位置に保持される。また、前記第2の中継基板39における前後方向の長さ寸法は、前記ベース部材44の前後方向の幅寸法より短く設定される。従って、図6、図8または図10に示すように、前記基板保持部45に第2の中継基板39を取付けた際に、第2の中継基板39の後端部とベース部材44との間には、前記収容部47を本体部42(保護カバー41)の内側に開放する開口領域54が画成されて、該開口領域54を介して収容部47と保護カバー41の内側とが連通するようになっている。これにより、前記第1コネクタ受部39aが、前記収容部47および開口領域54を介して保護カバー41の内側に臨んでいる。すなわち、前記第2の中継基板39は、前記第1コネクタ受部39aに前記配線37aを接続した状態で前記基板保持部45に取付けることにより、前記開口領域54を介して該配線37aを収容部47の内側に導入し得るようになっている。
【0028】
更に、前記基板保持部45には、該基板保持部45に保持した前記第2の中継基板39の第2コネクタ受部39bを挿通する通孔45aが開設されており、該通孔45aを介して第2コネクタ受部39bが保護カバー41の外側に臨む(露出する)よう構成されている(図5参照)。すなわち、前記第2コネクタ受部39bに対し、保護カバー41の外側から前記中継接続線38を着脱し得るようになっている。
【0029】
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例に係る遊技機の作用につき説明する。実施例のパチンコ機10では、前記遊技盤30の裏側に設置した保護カバー41の内側に位置する図柄表示装置36(表示制御装置37)と、該保護カバー41の外側(パチンコ機10の前面側)に位置する接触検出装置20(検出部22)とを電気的に接続することで、該接触検出装置20に遊技者が触れた際に、前記図柄表示装置36で表示されている表示演出を変更し得るよう構成される。すなわち、前記検出部22は、前記灰皿19に内蔵されてパチンコ機10の表側下部に位置するのに対し、前記表示制御装置37はパチンコ機10の裏側上部に位置している。このため、前記検出部22に接続した配線22aを前記表示制御装置37に直接接続する場合には、該配線22aを極めて長尺に形成して、この長尺な配線22aをパチンコ機10の表側から前記中枠12に形成した通孔12aに挿通し、中枠12の裏側に引き出したもとで表示制御装置37に接続する必要がある。このように、前記検出部22に接続した配線22aを長くすると、該配線22aの取回しが煩雑になって作業効率の低下を招いてしまう。そこで、実施例のように、前記検出部22の配線22aを、前記中枠12に形成した通孔12aの近傍に配設した第1の中継基板24に接続し、該第1の中継基板24に接続した中継接続線38を前記第2の中継基板39に対して接続することで、1つの配線22a,38の長さ寸法を短くでき、配線22a,38の取回しが容易になって作業性が向上する。
【0030】
ところで、実施例では、前記保護カバー41の本体部42に配設したベース部材44に、第2の中継基板39を保持すると共に、該ベース部材44に開設した通孔45aを介して、第2の中継基板39の第2コネクタ受部39bを保護カバー41の外側に露出するよう構成し、該第2コネクタ受部39bに対し、前記中継接続線38を保護カバー41の外側から接続している。一方、前記ベース部材44に、前記第2の中継基板39の第1コネクタ受部39aに前記配線37aを接続した状態で、該第2の中継基板39を取付けて、該配線37aを前記表示制御装置37のコネクタ受部37bに接続する。これにより、前記保護カバー41の内側に位置する図柄表示装置(表示制御装置37)と、該保護カバー41の外側に位置する接触検出装置20(検出部22)とを、配線22a,37a,38の夫々を介して電気的に接続している。
【0031】
このように、前記保護カバー41の内側に位置する前記表示制御装置37に接続した配線37aは、保護カバー41の内側から前記第2の中継基板39に接続し得ると共に、該保護カバー41の外側に位置する中継接続線38(すなわち接触検出装置20に接続する配線22a)は、保護カバー41の外側から第2の中継基板39に接続し得る。すなわち、保護カバー41の内側と外側に位置する前記図柄表示装置(表示制御装置37)と接触検出装置20(検出部22)とを、保護カバー41を開放することなく配線接続できるため、作業性が向上して短時間で作業を行ない得る。
【0032】
また、前記第2の中継基板39の第2コネクタ受部39bに中継接続線38を着脱自在に接続するよう構成したことにより、保護カバー41の内側に位置する図柄表示装置(表示制御装置37)等のメンテナンス作業に際しては、該第2コネクタ受部39bから中継接続線38を取外すだけで保護カバー41を開放することができ、作業が簡略化される。ここで、前記本体部42(保護カバー41)の背面板42aに形成した配線留め42e,42e,42eに、前記図柄表示装置(表示制御装置37)に接続した配線37aを保持し、該配線37aを背面板42a(保護カバー41の内面)に沿ってヒンジ機構40aと開口部43との間に延在させるようにした。このため、前記配線37aを前記ヒンジ機構40aの近傍に位置させることができ、該保護カバー41の開閉動作時に、該配線37aが突っ張ることはなく、容易に保護カバー41を開閉し得る。
【0033】
なお、前記ベース部材44に第1コネクタ受部39aを収容する収容部47、および第2コネクタ受部39bを外側に臨ませる通孔45aを形成したから、該収容部47に表示制御装置37の配線37aを接続した第1コネクタ受部39aを収容したもとで、中継接続線38を保護カバー41の外側から第2コネクタ受部39bに接続することができる。このように、広く一般的に流通している同一面に複数のコネクタ受部39a,39bを設けた中継基板を利用することができるから、コストの抑制を図り得る。このとき、前記保護カバー41(ベース部材44)には、前記通孔45aが開設されているが、前記第2コネクタ受部39bを挿通するので、球タンク等から零れて落下してきたパチンコ球が該通孔45aに進入する畏れはなく、保護カバー41としての機能が損なわれることはない。また、前記保護カバー41の内側に前記第2の中継基板39を取付けるようにしたことで、該第2の中継基板39を保護することもできる。
【0034】
また、実施例では、第2の中継基板39を保持する基板保持部45と、前記第2コネクタ受部39bを挿通する通孔45aと、第1コネクタ受部39aを収容する収容部47とを有するベース部材44を、保護カバー41の本体部42とは別部材として形成してある。このため、前記主制御装置28および遊技盤30(遊技盤30の裏側に配設された図柄表示装置36を含む)を交換してパチンコ機10の遊技性を変更する、所謂機種変更に際し、前記ベース部材44に保持する第2の中継基板39の形状や大きさ、構成等を変更(例えば、コネクタ受部の配置個数や配置位置等を変更)する必要が生じた場合には、該ベース部材44の形状・大きさを変更すればよく、保護カバー41の全体を変更する必要がないから、コストの低減を図り得ると共に、廃棄物を減少させ得る。なお、前記基板保持部45、通孔45aおよび収容部47の何れも形成していない第2のベース部材60(図12参照)を設け、該第2のベース部材60と前記ベース部材44とを適宜着脱交換し得るようにすることで、機種変更等により前記第2の中継基板39を必要とする場合と、必要としない場合(すなわち、保護カバー41の外側に配設された電気部品と、該保護カバー41の内側に配設された電気部品とを接続する必要がない場合)とに容易に変更することができる。なお、前記第2のベース部材60の構成としては、前記基板保持部45、通孔45aおよび収容部47の何れも形成していない他は、前記ベース部材44の構成と基本的に同一に形成することができる。
【0035】
次に、前記保護カバー41の本体部42に開設した開口部43への前記ベース部材44の着脱方法について説明する。図11(a)に示すように、前記本体部42(保護カバー41)の内側から、前記ベース部材44の弾性部56を前記開口部43に挿入し、該弾性部56の当接片58を該開口部43の開口前端面に当接させると共に、該ベース部材44の後端部側を本体部42の背面板42aに当接させる。そして、前記ベース部材44を前記開口部43に押し込むと、前記弾性部56が弾性変形してベース部材44が開口部43に挿入され(図11(b)参照)、当該ベース部材44の全体が開口部43の内側に挿入されると、弾性部56が弾性復帰して当該開口部43にベース部材44が取付けられる(図11(c)参照)。このとき、前記ベース部材44の弾性部56に形成した規制片57が、前記本体部42における第2側板42dの外側(保護カバー41の外面)に当接すると共に、ベース部材44の上下のフランジ部52,53が該第2側板42dの内側(保護カバー41の内面)に当接するから、前記開口部43からベース部材44が脱落することはない。更に、前記開口部43の開口端面に、前記当接片58や基板保持部45の上下の端部が当接することで、該ベース部材44の上下移動および前方移動が規制され、前記上下のフランジ部52,53が背面板42aの内側(保護カバー41の内面)に当接することで、該ベース部材44の後方移動が規制される。すなわち、前記ベース部材44を、前記開口部43に確実に装着できる。
【0036】
また、前記ベース部材44を前記開口部43から取外すに際しては、該ベース部材44を前方移動させて前記弾性部56を強制的に弾性変形させることで、ベース部材44を本体部42(保護カバー41)の内側へ変位して、容易に取外すことができる。このように、前記ベース部材44を前記本体部42に着脱するに際して、工具を必要としないから、前述した機種変更等により、ベース部材44を交換する必要が生じた場合であっても、交換作業を短時間で簡単に行なうことが可能である。
【0037】
〔変更例〕
なお、本発明に係る遊技機としては、前述した実施例のものに限られるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、ベース部材の形状・大きさとしては、該ベース部材に保持する中継基板の形状・大きさに合わせて適宜変更すればよい。また、実施例では、
第1の電気部品の配線が接続される第1接続部および第2の電気部品の配線が接続される第2接続部を同一面側に有する中継基板を、前記ベース部材に保持するようにしたが、これら第1接続部と第2接続部とを夫々反対の面側に設けた中継基板をベース部材に保持するよう構成してもよい。この場合には、前記ベース部材に収容部を形成する必要がなく、該ベース部材に、取付部に取付けた中継基板の第2接続部を保護カバーの外側に臨ませる通孔を開設すれば、中継基板の第1および第2接続部に対して、対応の配線を直接着脱することができる。
【0038】
また、実施例では、ベース部材に保持した中継基板が、保護カバーの内側に位置する(取付部を保護カバーの内面に形成する)ようにしたが、該中継基板が保護カバーの外側に位置する(取付部を保護カバーの外面に形成する)ようにしてもよい。この場合は、保護カバーの内側に位置する第1の電気部品の配線を接続する第1接続部を、ベース部材の通孔を介して内側に臨ませるよう構成する。また、前記第1および第2接続部を同一面側に有する中継基板を保護カバーの外側に位置するようにする場合には、図13に示すように、第1および第2コネクタ受部39a,39bを設けた面を保護カバー41の内側に向けた状態で、ベース部材65に第2の中継基板39を保持すると共に、該ベース部材65における第2コネクタ受部39bを収容する収容部47を後方に開口させ、該開口を介して該第2コネクタ受部39bが保護カバー41の外側に臨むよう構成することで、保護カバー41の外側から第2コネクタ受部39bに中継接続線38を着脱し得る。なお、図13において、実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付してある。
【0039】
なお、実施例では、ベース部材に中継基板の取付部を形成するようにしたが、該取付部を保護カバー(本体部)に形成し、保護カバー(本体部)に中継基板を直接保持するようにしてもよい。この場合には、本体部にベース部材を装着する開口部を開設する必要はなく、第1または第2接続部を挿通する通孔を形成すればよい。なお、前記保護カバーの内側に配置する第1の電気部品としては、実施例のように図柄表示装置(表示制御装置)に限定されるものではなく、任意の電気部品を配置するようにすればよく、また該保護カバーの外側に配置される第2の電気部品としても、実施例のように接触検出装置に限定されるものではなく、保護カバーの内側に配置した第1の電気部品に対し電気的に接続されるものであれば、何れの電気部品であってもよい。
【0040】
また、保護カバーの形状・大きさとしては、内側に配置される第1の電気部品を覆蓋保護し得る大きさ・形状に形成すればよい。なお、実施例では、保護カバーにおけるヒンジ機構から離間する側板に、前記中継基板を取付けるようにしたが、該中継基板を、ヒンジ機構を形成した側板側に取付けるようにすれば、保護カバーの開閉動作をよりスムーズに行なうことができる。また、実施例では、遊技機としてパチンコ機を採用したが、アレンジボール機等であってもよく、遊技盤の裏側に配設した第1の電気部品を保護カバーで覆蓋保護すると共に、保護カバーの外側に配置した第2の電気部品と、該第1の電気部品とを配線を介して接続するよう構成されたものであれば、何れの遊技機も採用し得る。
【0041】
〔付記〕
なお、本発明に係る遊技機の具体的構成としては、以下のような限定が可能である。
(1) 請求項1〜3の何れか一項に係る遊技機に関しては、前記開口部に着脱可能で、前記取付部および通孔の何れも形成していない第2のベース部材を設け、前記ベース部材と第2のベース部材とを所要に応じて着脱交換し得るようにする。
このように、取付部および通孔の何れも形成していない第2のベース部材を設け、前記ベース部材と第2のベース部材とを適宜着脱交換し得るようにすることで、中継基板を必要とする場合と、必要としない場合とに容易に変更することができる。
(2) 請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機に関しては、前記保護カバーを、ヒンジ機構を介して開閉自在に構成すると共に、該保護カバーの内面における前記通孔とヒンジ機構との間に前記第1の電気部品の配線を保持する配線留めを形成し、該配線留めに保持した配線が、前記保護カバーの内面に沿って前記ヒンジ機構と開口部との間に延在するようにする。
このように、第1の電気部品の配線を、保護カバーの内面に沿ってヒンジ機構と開口部との間に延在させることにより、該配線が保護カバーの開閉動作を阻害するのは防止される。
【符号の説明】
【0042】
20 接触検出装置(第2の電気部品)
22a 配線
30 遊技盤
36 図柄表示装置(第1の電気部品)
37a 配線
38 中継接続線
39 第2の中継基板(中継基板)
39a 第1コネクタ受部(第1接続部)
39b 第2コネクタ受部(第2接続部)
41 保護カバー
42 本体部
42a 背面板(第2の板部)
42d 第2側板(第1の板部)
43 開口部
44 ベース部材
45 基板保持部(取付部)
45a 通孔
47 収容部
52 上フランジ部(フランジ部)
53 下フランジ部(フランジ部)
56 弾性部
57 規制片
58 当接片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤の裏側に着脱可能に設置されて、第1の電気部品を覆蓋保護する保護カバーを備え、この保護カバーの外側に設けられる第2の電気部品と、前記第1の電気部品とを配線を介して接続するようにした遊技機において、
前記第1の電気部品の配線が接続される第1接続部および第2の電気部品の配線が接続される第2接続部を有する中継基板が設けられて、
前記保護カバーは、前記中継基板を取付けるベース部材と、該ベース部材を着脱可能な開口部を開設した本体部とから構成され、
前記ベース部材における前記保護カバーの外面側に形成された取付部に、前記第2接続部を該保護カバーの外側に臨ませた状態で前記中継基板が取付けられると共に、該ベース部材に開設した通孔から取付部に取付けた中継基板の第1接続部が保護カバーの内側に臨むよう構成され、
前記取付部に取付けられた前記中継基板の第1接続部に、前記第1の電気部品の配線が保護カバーの内側から着脱されると共に、該取付部に取付けられた中継基板の第2接続部に、前記第2の電気部品の配線が保護カバーの外側から着脱されるようにした
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技盤の裏側に着脱可能に設置されて、第1の電気部品を覆蓋保護する保護カバーを備え、この保護カバーの外側に設けられる第2の電気部品と、前記第1の電気部品とを配線を介して接続するようにした遊技機において、
前記第1の電気部品の配線が接続される第1接続部および第2の電気部品の配線が接続される第2接続部を有する中継基板が設けられて、
前記保護カバーは、前記中継基板を取付けるベース部材と、該ベース部材を着脱可能な開口部を開設した本体部とから構成され、
前記ベース部材における前記保護カバーの内面側に形成された取付部に、前記第1接続部を該保護カバーの内側に臨ませた状態で前記中継基板が取付けられると共に、該ベース部材に開設した通孔から取付部に取付けた中継基板の第2接続部が保護カバーの外側に臨むよう構成され、
前記取付部に取付けられた前記中継基板の第1接続部に、前記第1の電気部品の配線が保護カバーの内側から着脱されると共に、該取付部に取付けられた中継基板の第2接続部に、前記第2の電気部品の配線が保護カバーの外側から着脱されるようにした
ことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
前記本体部には、該本体部の交差する第1の板部および第2の板部に亘って前記開口部が形成され、
前記ベース部材は、
前記取付部の縁部に所要の隙間を持って一体的に形成されて取付部側に弾性変形可能な弾性部と、
前記弾性部に形成され、前記本体部の第1の板部に対して外側から当接する規制片と、
前記弾性部に形成され、前記本体部に開設した前記開口部の開口内縁に当接する当接片と、
前記取付部における前記弾性部が形成される縁部に交差する一対の縁部に夫々形成され、前記本体部の第1の板部および第2の板部に対して内側から当接するフランジ部とを備えて、
前記ベース部材における前記取付部および弾性部を含む外郭形状が、前記本体部に開設した開口部の輪郭形状に整合するよう形成され、
前記ベース部材を前記弾性部の弾性変形を伴って前記本体部の内側から前記開口部に挿入した際に、前記規制片および一対のフランジ部が前記第1の板部を挟むと共に、該一対のフランジ部が第2の板部に当接し、前記当接片が開口部の開口内縁に当接することで、該ベース部材が本体部の開口部に着脱可能に取付けられる請求項1または2記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−297574(P2009−297574A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−229800(P2009−229800)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【分割の表示】特願2004−73142(P2004−73142)の分割
【原出願日】平成16年3月15日(2004.3.15)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】