説明

遊技機

【課題】遊技制御手段と遊技手段との間で信号のやり取りを行う場合において、これらの手段の誤動作を抑制することが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】遊技盤に設けられている可変入賞装置22は、大入賞口及び当該大入賞口を開閉する開閉扉を備えているとともに、当該開閉扉を開閉動作させる可変入賞駆動部22cを備えている。また、可変入賞装置22は、大入賞口に入賞した遊技球を検知する可変入賞検知センサ22eを備えている。可変入賞装置22は、インターフェース回路93を介して主制御基板81のMPU82に対して電気的に接続されている。ここで、インターフェース回路93は、可変入賞検知センサ22eからの検知信号が異常となった場合には、MPU82に対して異常が発生したことを示す信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機として、例えば制御装置又は各種センサ等の複数の遊技機器(遊技制御手段及び遊技手段)を備えたものが知られている。当該遊技機では、複数の遊技機器間で信号のやり取りを行いながら各遊技機器にて所定の動作が行われることで遊技が行われる。
【0003】
これら複数の遊技機器を備える構成として、例えばパチンコ遊技機では、遊技制御手段としての主制御装置と遊技手段としての払出制御装置とを備えている。主制御装置では遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したか否かの入球判定が行われ、遊技球の払出に係る入球部への入球が発生した場合には主制御装置から払出制御装置へ賞球コマンドが出力される。払出制御装置は賞球コマンドに対応した個数の遊技球が払い出されるように、払出装置を駆動制御する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−213766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、複数の遊技機器間での信号のやり取りを行う場合、例えば複数の電気配線を通じて各遊技機器間を接続する構成が考えられる。この場合、短絡等によって異常が生じ、信号のやり取りにおいて異常が発生することが考えられる。すると、遊技機器の誤動作が生じ、例えば遊技者に不利益を与えてしまう可能性もある。
【0006】
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技制御手段と遊技手段との間で信号のやり取りを行う遊技機においてこれらの手段の誤動作を抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、遊技の制御を行う遊技制御手段と、当該遊技制御手段と信号のやり取りを行う遊技手段と、前記遊技制御手段及び前記遊技手段間において信号を伝送する伝送手段と、を備えた遊技機において、前記伝送手段は、前記遊技制御手段及び前記遊技手段間での所定の信号の伝送に用いられる信号線を備え、前記信号線には、前記所定の信号として第1信号の伝送に用いられる第1信号線と、前記所定の信号として第2信号の伝送に用いられる第2信号線と、が含まれており、前記第1信号を監視することにより、前記第2信号の異常を監視する異常監視手段を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技制御手段及び遊技手段の誤動作を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】パチンコ機を示す正面図。
【図2】(a)遊技盤の構成を示す正面図、(b)可変入賞装置22を説明するための断面図。
【図3】遊技盤の構成を示す背面図。
【図4】内枠の構成を示す背面図。
【図5】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図。
【図6】図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための説明図。
【図7】当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図。
【図8】主制御基板と可変入賞装置との接続に係る構成を示すブロック図。
【図9】可変入賞装置に対応する基板側コネクタのピン配列を示す概略図。
【図10】インターフェース回路の回路図。
【図11】インターフェース回路の信号態様を示すタイムチャート。
【図12】主制御装置のMPUにおけるタイマ割込み処理を示すフローチャート。
【図13】通常処理を示すフローチャート。
【図14】遊技回制御処理を示すフローチャート。
【図15】遊技状態移行処理を示すフローチャート。
【図16】大入賞口開閉処理を示すフローチャート。
【図17】遊技停止中処理を示すフローチャート。
【図18】ピン配置の変形例を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図である。
【0011】
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット(図示略)とを備えている。
【0012】
遊技機本体12のうち内枠13が、左右両側部のうち一方を支持側として外枠11に回動可能に支持されている。また、内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニットが回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として後方へ回動可能とされている。
【0013】
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
【0014】
内枠13には遊技盤20が搭載されている。ここで、遊技盤20の構成を図2に基づいて説明する。図2(a)は、遊技盤20の正面図であり、図2(b)は遊技盤20に設けられた可変入賞装置22の構成を説明するための縦断面図である。
【0015】
遊技盤20には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口21,可変入賞装置22,上作動口(第1始動入球部)23,下作動口(第2始動入球部)24,スルーゲート25、可変表示ユニット26、メイン表示部33及び役物用表示部34等がそれぞれ設けられている。
【0016】
一般入賞口21、可変入賞装置22、上作動口23及び下作動口24への入球が発生すると、それが遊技盤20の背面側に配設された検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。
【0017】
その他に、遊技盤20の最下部にはアウト口27が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口27を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤20には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘28が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0018】
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口27への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置22、上作動口23、下作動口24又はスルーゲート25への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
【0019】
上作動口23及び下作動口24は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤20に設置されている。上作動口23及び下作動口24は共に上向きに開放されている。また、上作動口23が上方となるようにして両作動口23,24は鉛直方向に並んでいる。下作動口24には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物24aが設けられている。電動役物24aの閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)では遊技球が下作動口24に入賞できず、電動役物24aが開放状態(サポート状態又はガイド状態)となることで下作動口24への入賞が可能となる。
【0020】
可変入賞装置22は、図2(b)に示すように、遊技盤20の背面側へと通じる大入賞口22aを備えているとともに、当該大入賞口22aを開閉する開閉扉22bを備えている。
【0021】
開閉扉22bは、可変入賞装置22として一体的に設けられた可変入賞駆動部22cに連結されている。開閉扉22bは、可変入賞駆動部22cにより駆動されて、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、通常は大入賞口22aに対して遊技球が入賞できない又は入賞しにくい閉鎖状態になっている。そして、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に、大入賞口22aに対して遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられる。
【0022】
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置22の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置22が繰り返し開放される態様がある。
【0023】
また、可変入賞装置22には、大入賞口22aを介して可変入賞装置22に入賞した遊技球が必ず通過する位置に、入賞用通過部22dが形成されている。当該入賞用通過部22dの位置に検知部が存在するようにして可変入賞検知センサ22eが設けられている。可変入賞検知センサ22eによって可変入賞装置22に入賞した遊技球が個別に検知される。
【0024】
可変入賞装置22は、可変入賞駆動部22c及び可変入賞検知センサ22eをユニット化した状態で構成されている。これにより、可変入賞装置22の構成の簡素化を図るとともに、当該可変入賞装置22の取り付けの容易化を図ることができる。
【0025】
メイン表示部33及び役物用表示部34は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材29に設けられている。装飾部材29は、遊技盤20の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材29の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材29の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
【0026】
装飾部材29の前面から露出するようにしてメイン表示部33及び役物用表示部34が設けられている。つまり、メイン表示部33及び役物用表示部34は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部33,34の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
【0027】
メイン表示部33では、上作動口23又は下作動口24への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口23への入賞と下作動口24への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部33にて明示される。そして、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部33にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
【0028】
なお、メイン表示部33は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部33にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
【0029】
役物用表示部34では、スルーゲート25への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート25への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート25への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部34にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口24に設けられた電動役物24aが所定の態様で開放状態となる。
【0030】
可変表示ユニット26には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置31が設けられている。また、可変表示ユニット26には、図柄表示装置31を囲むようにしてセンターフレーム32が配設されている。このセンターフレーム32は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置31の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
【0031】
図柄表示装置31は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置31は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
【0032】
図柄表示装置31には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置31における変動表示は、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて開始される。すなわち、メイン表示部33において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置31において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置22の大入賞口22aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置31では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
【0033】
ちなみに、いずれかの作動口23,24への入賞に基づいて、メイン表示部33及び図柄表示装置31にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
【0034】
センターフレーム32の前面側における左上部分には、メイン表示部33及び図柄表示装置31に対応した第1保留ランプ部35が設けられている。遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部35の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
【0035】
センターフレーム32の右上部分には、役物用表示部34に対応した第2保留ランプ部36が設けられている。遊技球がスルーゲート25を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留ランプ部36の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部35,36の機能が図柄表示装置31の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
【0036】
遊技盤20には、内レール部41と外レール部42とが取り付けられており、これら内レール部41と外レール部42とにより誘導レールが構成され、内枠13において遊技盤20の下方に搭載された遊技球発射機構(図示略)から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構は、前扉枠14に設けられた発射ハンドル43が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
【0037】
次に遊技盤20の背面側の構成について図3を用いて説明する。図3は遊技盤20の背面側の構成を示す背面図である。
【0038】
遊技盤20の背面には、可変表示ユニット26の下方に集合板ユニット51が設けられている。集合板ユニット51には、前記一般入賞口21、可変入賞装置22、両作動口23,24に対応して且つ下流側で1カ所に集合する回収通路52が形成されている。一般入賞口21等に入賞した遊技球は何れも回収通路52を介して遊技盤20の下方に集合する。遊技盤20の下方には排出通路があり、回収通路52により遊技盤20の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口27も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口27を介して排出通路内に導出される。
【0039】
回収通路52において各一般入賞口21と対応する位置には、それぞれ一般入賞口用入賞検知センサ53aが設けられており、両作動口23,24に対応する位置には作動口用入賞検知センサ53bが設けられている。スルーゲート25は、当該スルーゲート25を通過する遊技球を検知するゲート用入賞検知センサ53cを備えている。これら各入賞検知センサ53a〜53cにより遊技球の入賞がそれぞれ検知される。各入賞検知センサ53a〜53cは配線を通じて両作動口23,24の裏側に設けられた中継基板54に接続されている。中継基板54は後述する主制御装置と配線を通じて接続されており、各入賞検知センサ53a〜53cによる検知結果は中継基板54を介して主制御装置に入力される。
【0040】
各入賞検知センサ53a〜53c及び主制御装置等の各種機器と中継基板54との接続に係る構成について具体的には、パチンコ機10は、中継基板54と各種機器とを接続するものであって、複数の配線を有するワイヤーハーネスH(以降単にハーネスHという)を備えている。ハーネスHの端部にはハーネス側コネクタHCNが設けられており、当該ハーネス側コネクタHCNに対応させて、中継基板54には上記ハーネス側コネクタHCNと接続可能な基板側コネクタSCNが複数設けられている。基板側コネクタSCNに対してハーネス側コネクタHCNを差し込むことによって、中継基板54と各種機器とが接続される。
【0041】
各コネクタHCN,SCNは、配線の本数に対応させて多数のピンを有しており、各配線及び各ピンを介して中継基板54及び各種機器間で複数種類の信号及び電力のやり取りを並列して行うことができる。これらの詳細な説明については後述する。
【0042】
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
【0043】
窓部61の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
【0044】
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿65aが設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿66aが設けられている。上皿65aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿66aは、上皿65a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿65a及び下皿66aには、裏パックユニットに搭載された払出装置から払い出された遊技球が排出される。
【0045】
次に、遊技機本体12の背面側の構成について図4を用いて説明する。図4は、内枠13の背面図である。
【0046】
図4に示すように、内枠13(遊技盤20)の背面には、主制御装置ユニット71及び音声ランプ制御装置ユニット75が搭載されている。
【0047】
主制御装置ユニット71は、集合板ユニット51を後方から覆うように取り付けられている。主制御装置ユニット71は合成樹脂製の取付台72を有し、取付台72に主制御装置73が搭載されている。主制御装置73は、遊技の主たる制御を司る機能と、電源を監視する機能と、を有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス74に収容されて構成されている。
【0048】
主制御装置73には、正常に遊技を行うことが可能な状態に復帰させる復帰スイッチ73aが設けられている。何らかの原因で遊技が停止された場合には、管理者が復帰スイッチ73aを操作することにより、パチンコ機10の再起動を行うことなく正常な状態に復帰させることができる。
【0049】
なお、基板ボックス74に対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けておくようにしてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックス74を構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしにして粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックス74を構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
【0050】
音声ランプ制御装置ユニット75は、音声ランプ制御装置76と、取付台77とを具備する構成となっており、取付台77上に音声ランプ制御装置76が装着されている。音声ランプ制御装置76は、主制御装置ユニット71に搭載された主制御装置73からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス78に収容されて構成されている。
【0051】
また、内枠の背面には既に説明したとおり裏パックユニットが設けられている。裏パックユニットは、主制御装置ユニット71の一部や音声ランプ制御装置ユニット75などを後方から覆うように設けられている。当該裏パックユニットには、払出装置を含む払出機構部と、払出制御装置と、電源及び発射制御装置とが搭載されている。以下、パチンコ機10の電気的な構成について説明する。
【0052】
<パチンコ機10の基本的な電気的構成>
図5は、パチンコ機10の基本的な電気的構成を示すブロック図である。
【0053】
主制御装置73は、遊技の主たる制御を司る主制御基板81と、電源を監視する停電監視基板85と、を具備している。主制御基板81には、MPU82が搭載されている。MPU82には、当該MPU82により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM83と、そのROM83内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM84とが内蔵されている。MPU82には、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
【0054】
復帰スイッチ73aは、バスを介してMPU82と接続されており、復帰スイッチ73aが押されているか否かの信号がMPU82に対して出力される。これにより、MPU82は、復帰スイッチ73aが押されているか否か(操作されているか否か)を判断することができる。
【0055】
主制御基板81には、信号又は電力のやり取りを中継するインターフェース回路91〜93が設けられている。これらインターフェース回路91〜93を介して、MPU82と各種装置とが接続されている。
【0056】
具体的には、インターフェース回路91を介して、MPU82が、主制御装置73に設けられた停電監視基板85、音声ランプ制御装置76及び払出制御装置100に対して接続されている。この場合に、停電監視基板85には動作電力を供給する機能を有する電源及び発射制御装置110が接続されており、MPU82には停電監視基板85を介して電力が供給される。
【0057】
MPU82は、払出制御装置100に対して、例えば入賞判定結果に基づいて賞球コマンドを出力する。この場合、賞球コマンドの出力に際して、ROM83のコマンド情報記憶エリア83dが参照される。払出制御装置100は、賞球コマンドを受信した場合に、当該賞球コマンドにて設定された遊技球数だけ払出が行われるように払出装置101を駆動制御する。
【0058】
払出装置101は、遊技球を払い出す駆動部101aと、払い出された遊技球をカウントする払出カウントセンサ101bとがユニット化されている。駆動部101a及び払出カウントセンサ101bは、払出制御装置100に対してそれぞれ別系統で接続されている。払出カウントセンサ101bの検知結果は、払出制御装置100に対して入力されるようになっている。払出制御装置100は、払出カウントセンサ101bの検知結果に基づいて払い出された遊技球数を把握し、駆動部101aを駆動制御する。
【0059】
MPU82は、音声ランプ制御装置76に対して、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドを出力する。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM83のコマンド情報記憶エリア83dが参照される。音声ランプ制御装置76は、上記各種コマンドを受信した場合に、当該受信したコマンドに対応する処理を実行する。
【0060】
インターフェース回路92及び中継基板54を介して、MPU82と各種入賞検知センサ53a〜53cとが接続されている。各種入賞検知センサ53a〜53cの検知結果に基づいて、MPU82において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。各入球部に対して遊技球が入賞した場合、所定の数の遊技球が払い出される。
【0061】
ここで、作動口用入賞検知センサ53bにて各作動口23,24への遊技球の入賞が検知された場合には、MPU82において大当たり発生抽選を実行する。さらに、ゲート用入賞検知センサ53cによってスルーゲート25への遊技球の入賞が検知された場合にはサポート発生抽選を実行する。
【0062】
また、インターフェース回路92及び中継基板54を介して、MPU82が、下作動口24の電動役物24aを開閉動作させる電動役物駆動部24b、メイン表示部33及び役物用表示部34に対して接続されている。主制御基板81には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU82は各種駆動部の駆動制御を実行する。
【0063】
つまり、電動役物24aの開放状態当選となった場合には、電動役物24aが開閉されるように、MPU82において電動役物駆動部24bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU82においてメイン表示部33の表示制御が実行される。また、電動役物24aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU82において役物用表示部34の表示制御が実行される。
【0064】
インターフェース回路93及び中継基板54を介して、MPU82と可変入賞装置22とが接続されている。可変入賞装置22は、既に説明した通り、可変入賞駆動部22cと、可変入賞検知センサ22eとを備えている。これらとMPU82とが、上記インターフェース回路93及び中継基板54を介して接続されている。
【0065】
かかる構成において、MPU82は、可変入賞駆動部22cに対して当該可変入賞駆動部22cを制御するための信号を出力する。可変入賞駆動部22cは、上記信号に基づいて開閉扉22bを駆動制御する。
【0066】
また、可変入賞検知センサ22eの検知結果はMPU82に対して入力されるように構成されている。MPU82は、可変入賞検知センサ22eの検知結果に基づいて大入賞口22aに入賞した遊技球数を把握する。
【0067】
停電監視基板85は、主制御基板81と電源及び発射制御装置110とを中継し、また電源及び発射制御装置110から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置100は、主制御装置73から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置101により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
【0068】
電源及び発射制御装置110は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板81や払出制御装置100等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。また、電源及び発射制御装置110は遊技球発射機構111の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構111は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
【0069】
音声ランプ制御装置76は、主制御装置73から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた各種ランプ部35,36,63やスピーカ部64を駆動制御するとともに、表示制御装置120を制御するものである。表示制御装置120では、音声ランプ制御装置76から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置31の表示制御を実行する。
【0070】
ここで、図柄表示装置31の表示内容について図6に基づいて説明する。図6は図柄表示装置31の表示画面Gを示す図である。
【0071】
図6(a)に示すように、図柄表示装置31の表示画面Gには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
【0072】
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。
【0073】
図6(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
【0074】
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
【0075】
また、後述する明示2R確変大当たり結果となる場合には、同一の図柄の組み合わせとは異なる所定の図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、明示用動画が表示されるようになっている。
【0076】
なお、図柄表示装置31における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。図柄表示装置31にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
【0077】
<各種カウンタ及び保留球格納エリア84bについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
【0078】
MPU82は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部33の表示の設定、図柄表示装置31の図柄表示の設定、役物用表示部34の表示の設定などを行うこととしている。具体的には、図7に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置31が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部33及び図柄表示装置31における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口24の電動役物24aを電役開放状態とするか否かの抽選において、電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
【0079】
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM84の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ84aに適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファ84aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口23又は下作動口24への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア84bに格納される。
【0080】
保留球格納エリア84bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口23又は下作動口24への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ84aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
【0081】
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口23又は下作動口24への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口23又は下作動口24への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留用エリアREは、保留数記憶エリアNAを備えており、当該保留数記憶エリアNAには上作動口23又は下作動口24への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
【0082】
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
【0083】
実行エリアAEは、メイン表示部33の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
【0084】
上記各カウンタについて詳細に説明する。
【0085】
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞したタイミングでRAM84の保留球格納エリア84bに格納される。
【0086】
大当たり当選となる乱数の値は、ROM83における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア83aに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
【0087】
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
【0088】
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞したタイミングでRAM84の保留球格納エリア84bに格納される。
【0089】
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先(すなわち、当否抽選及び振分抽選による抽選結果)は、ROM83における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア83bに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
【0090】
通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなる大当たり結果である。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
【0091】
確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなる大当たり結果である。これら高確率モードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、確変大当たり結果は、確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
【0092】
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードである状態をいう。
【0093】
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
【0094】
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞したタイミングでRAM84の保留球格納エリア84bに格納される。
【0095】
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置31における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置31を備え、可変入賞装置22の開閉実行モードに移行する遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置31における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
【0096】
期待演出には、リーチ表示と、当該リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や特別表示結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
【0097】
リーチ表示には、図柄表示装置31の表示画面Gに表示される複数の図柄列Z1〜Z3のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。
【0098】
また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面Gの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
【0099】
図柄の変動表示に係るリーチ表示について具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置31の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
【0100】
図6の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、遊技結果が大当たり結果である場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
【0101】
予告表示には、図柄表示装置31の表示画面Gにおいて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
【0102】
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部33における変動表示時間と、図柄表示装置31における図柄の変動表示時間とをMPU82において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、メイン表示部33における変動表示の開始時及び図柄表示装置31による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
【0103】
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート25に遊技球が入賞したタイミングでRAM84の電役保留エリア84cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物24aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
【0104】
既に説明したように、MPU82では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、メイン表示部33における変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM83の変動表示時間テーブル記憶エリア83cが用いられる。
【0105】
<主制御基板81及び各種機器間で行われる電力及び信号のやり取りに係る構成>
次に、中継基板54を介して、主制御基板81と各種機器(遊技手段)とが接続されている状況において、両者の間で行われる信号及び電力のやり取りに係る構成について図8を用いて説明する。ここで、説明の便宜上、各種機器のうち可変入賞装置22について説明する。図8は、主制御基板81と各種機器としての可変入賞装置22との接続に係る構成を示すブロック図である。
【0106】
本パチンコ機10は、可変入賞装置22と主制御基板81とを接続するのに用いられる2つのハーネスH1,H2を備えている。両ハーネスH1,H2を介して、可変入賞装置22と主制御基板81との間で電力及び信号のやり取りが行われるように構成されている。
【0107】
具体的には、ハーネスH1の両端部には、主制御基板81と可変入賞装置22との間でやり取りされる信号数に対応させて形成されたハーネス側コネクタHCN1,HCN2が設けられている。ハーネス側コネクタHCN1,HCN2はメス型のコネクタであり、複数の差込口を有している。
【0108】
各ハーネス側コネクタHCN1,HCN2に対応させて、主制御基板81及び中継基板54にはそれぞれ、ハーネス側コネクタHCN1,HCN2に対して差込可能なオス型の基板側コネクタSCN1,SCN2が設けられている。各ハーネス側コネクタHCN1,HCN2に対して各基板側コネクタSCN1,SCN2がそれぞれ差し込まれることによって、主制御基板81と中継基板54とが電気的に接続される。
【0109】
ハーネスH2の端部には、上記ハーネスH1のハーネス側コネクタHCN1,HCN2と同一のハーネス側コネクタHCN3が設けられている。当該ハーネス側コネクタHCN3に対応させて、中継基板54には基板側コネクタSCN3が設けられている。基板側コネクタSCN3は、中継基板54に設けられた導線パターンを介して基板側コネクタSCN2と電気的に接続されている。
【0110】
中継基板54は、上記基板側コネクタSCN2を介して主制御基板81から入力された電力及び信号をそのまま基板側コネクタSCN3に対して伝送するように構成されている。基板側コネクタSCN3に対してハーネス側コネクタHCN3が差し込まれることで、中継基板54と可変入賞装置22とが電気的に接続される。以上の接続によって、主制御基板81と可変入賞装置22とが電気的に接続される。
【0111】
可変入賞装置22には、各ハーネスH1,H2を介して主制御基板81から動作に必要な動作電力が供給されている。可変入賞装置22は、動作電力が供給されている場合に所定の動作、具体的には開閉扉22bの開閉動作及び遊技球の検知を行う。この場合、各ハーネスH1,H2を介して上記開閉動作を制御する信号及び遊技球の検知信号が伝送される。
【0112】
具体的には、各ハーネスH1,H2は、複数の配線のうち可変入賞装置22が正常に動作するのに要する動作電圧を伝送する電源線ELN1と、可変入賞装置22を接地させる(基準電位を設定する)のに用いるグランド線GLN1とを備えている。電源線ELN1は、基板側コネクタSCN1を介して主制御基板81に設けられたインターフェース回路93に接続されている。電源線ELN1は、インターフェース回路93内に設けられた所定の電圧(詳細には+32V)を印加する端子に接続されている。これにより、可変入賞装置22には電源線ELN1を介して+32Vが入力される。
【0113】
同様に、グランド線GLN1は、基板側コネクタSCN1を介してインターフェース回路93に接続されており、接地されている。これにより、可変入賞装置22にはグランド線GLN1を介して接地に対応した電圧、すなわち0Vが入力される。これにより、電源線ELN1及びグランド線GLN1によって可変入賞装置22が動作する動作電圧が供給されることとなる。
【0114】
なお、電源線ELN1が常時+32Vの電圧を伝送していることに鑑みれば、電源線ELN1は常時HI信号を伝送しているものとも言え、グランド線GLN1が常時基準電位(0V)を伝送していることに鑑みれば、グランド線GLN1は常時LOW信号を伝送しているものとも言える。
【0115】
ここで、ハーネスH1,H2の複数の配線には、可変入賞駆動部22cの駆動制御を行うための駆動信号SG1を伝送する第1信号線LN1が含まれている。第1信号線LN1は可変入賞駆動部22cに対して接続されている。可変入賞駆動部22cは、電源線ELN1及びグランド線GLN1によって所定の駆動電圧(+32V)が印加されている状況において、インターフェース回路93を介して入力される駆動信号SG1に基づいて開閉扉22bの開閉制御を行う。
【0116】
具体的には、可変入賞駆動部22cは、直流駆動式のソレノイド131を備えている。ソレノイド131は、所定の駆動電流が流れることにより開閉扉22bを開放するように構成されている。ソレノイド131は、電源線ELN1及び第1信号線LN1に対して接続されている。
【0117】
かかる構成によれば、第1信号線LN1を介してHI信号(例えば+32V)が入力されている場合には、ソレノイド131の両端間に電位差が生じないため、ソレノイド131に電流は流れない。このため、ソレノイド131は駆動せず、開閉扉22bは閉鎖されている。一方、第1信号線LN1を介してLOW信号(例えば0V)が入力された場合には、ソレノイド131間に電位差が生じ、ソレノイド131に対して所定の駆動電流が流れる。これにより、ソレノイド131が駆動し、開閉扉22bが開放される。すなわち、可変入賞駆動部22cは、駆動信号SG1がLOW信号である場合に動作するように構成されているLOWアクティブ回路である。
【0118】
なお、LOW信号の電位は、0Vに限られず、電源線ELN1から印加される駆動電圧(+32V)に対して、ソレノイド131が駆動可能な電位差が生じるように設定されていればよい。例えば、LOW信号として+12Vの信号が入力される構成としてもよい。この場合であっても、ソレノイド131間に電位差が生じるため、ソレノイド131が駆動し得る。但し、開閉扉22bを予め定められた開放位置まで開放させるに鑑みれば、LOW信号として0Vが入力される構成の方が好ましい。
【0119】
また、ハーネスH1,H2の複数の配線には、可変入賞検知センサ22eの検知結果に対応した検知信号SG2を伝送する第2信号線LN2が含まれている。第2信号線LN2は可変入賞検知センサ22eに対して接続されている。可変入賞検知センサ22eは、駆動電圧が供給されている状況において、第2信号線LN2を介して検知信号SG2をMPU82に対して出力する。
【0120】
具体的には、可変入賞検知センサ22eは、電源線ELN1及びグランド線GLN1に対して接続されている。電源線ELN1及びグランド線GLN1によって、当該可変入賞検知センサ22eには+32Vの駆動電圧が印加されている。可変入賞検知センサ22eは、上記駆動電圧が印加されている状況において遊技球を検知していない場合には、第2信号線LN2を介してLOW信号(例えば+7V)を出力する。一方、可変入賞検知センサ22eは、上記駆動電圧が印加されている状況において遊技球を検知した場合には、第2信号線LN2を介してHI信号(例えば+11V)を出力する。すなわち、可変入賞検知センサ22eは、遊技球を検知した場合にHI信号を出力するHIアクティブ回路であると言える。
【0121】
なお、可変入賞検知センサ22eの具体的な構成については任意であるが、例えば入賞用通過部22dを囲むように検出コイルを設ける。そして、当該検出コイルが含まれる発振回路、及び当該発振回路からの出力信号に対応した信号を出力する出力回路を設ける。かかる構成によれば、遊技球が入賞用通過部22dを通過すると、検出コイルのインダクタンスが変化して発振が停止し、発振回路からの出力信号が変化する。出力回路は、当該変化に基づいて、出力する信号をLOW信号からHI信号に切り換える。
【0122】
ここで、各基板側コネクタSCN1〜SCN3は、複数の配線に対応させて複数のピンを備えている。当該複数のピンに対応させて、各ハーネス側コネクタHCN1〜HCN3は上記複数のピンがそれぞれ挿入可能な差込口を備えている。これにより、動作電力及び信号のやり取りをそれぞれ独立して(並列で)行うことができる。この場合、やり取りを行う信号の数に応じてピン数が決められている。
【0123】
かかる構成において、各基板側コネクタSCN1〜SCN3と各ハーネス側コネクタHCN1〜HCN3との接続部分において、何らかの要因によってピン同士が接触し、短絡するおそれがある。これに対して、本実施形態によれば、伝送を行う信号の種類に応じて基板側コネクタSCN1〜SCN3のピン配列が決定されている。以下、当該ピン配列について図9を用いて詳細に説明する。図9は、基板側コネクタSCN3のピン配列を示す概略図である。
【0124】
なお、各基板側コネクタSCN1〜SCN3については同一の構成であるため、基板側コネクタSCN3について説明し、その他のコネクタについては説明を省略する。また、各ハーネス側コネクタHCN1〜HCN3についても、メス型である点を除いて、各基板側コネクタSCN1〜SCN3と同一であるため、説明を省略する。
【0125】
図9に示すように、基板側コネクタSCN3は、当該基板側コネクタSCN3の外枠を構成するハウジング141を備えている。ハウジング141は絶縁性材料から構成されており、一方に開口した直方体形状をなしている。当該ハウジング141によって長尺状のピン配列領域142が形成されている。ピン配列領域142は、ハウジング141の内壁部により囲まれた空間である。
【0126】
ピン配列領域142には一列に配列された4つのピンが形成されている。4つのピンは等間隔に配置されている。当該4つのピンには、電源ピンPE1及びグランドピンPG1が含まれている。また、上記4つのピンには、駆動信号SG1を伝送する第1信号線LN1が接続される第1信号ピンPS1と、検知信号SG2を伝送する第2信号線LN2が接続される第2信号ピンPS2とが含まれている。
【0127】
電源ピンPE1及びグランドピンPG1はピン配列領域142の両端に設けられており、その間に第1信号ピンPS1及び第2信号ピンPS2が設けられている。この場合、グランドピンPG1よりも電源ピンPE1寄りに(電源ピンPE1の隣に)、第1信号ピンPS1が設けられている。そして、電源ピンPE1よりもグランドピンPG1寄りに(グランドピンPG1の隣に)、第2信号ピンPS2が設けられている。
【0128】
かかる構成によれば、第1信号ピンPS1はグランドピンPG1から離間した位置に配置されているとともに、当該第1信号ピンPS1とグランドピンPG1との間に第2信号ピンPS2が設けられているため、第1信号ピンPS1とグランドピンPG1とが短絡しにくくなっている。
【0129】
また、第1信号ピンPS1は電源ピンPE1の隣に配置されているため、仮に電源ピンPE1がピン配列領域142の内側に曲がった場合、電源ピンPE1と第1信号ピンPS1とが短絡する。すると、第1信号ピンPS1には駆動電圧が入力され、第1信号線LN1にて伝送される駆動信号SG1が常時HI信号(+32V)となる。この場合、開閉扉22bは駆動信号SG1がLOW信号(例えば0V)である場合に開放されるため、開閉扉22bは開放状態とならず、閉鎖状態を維持する。これにより、電源ピンPE1と第1信号ピンPS1とが短絡することによって生じ得る開閉扉22bの常時開放を回避することができる。つまり、電源ピンPE1の隣に、LOW信号で動作する可変入賞駆動部22cの制御を行う第1信号ピンPS1を配置することにより、電源ピンPE1と第1信号ピンPS1との短絡に基づく開閉扉22bの誤動作を抑制することができる。
【0130】
また、駆動信号SG1がHI信号である場合に開閉扉22bが開放状態となる場合、不正な利益を得る目的で、意図的に第1信号ピンPS1と電源ピンPE1とを短絡させる不正行為が考えられる。特に、基板側コネクタSCN3の内部で上記不正行為が行われている場合には、短絡箇所の確認が困難になる。このため、上記短絡による不正行為の発見が困難となる。
【0131】
これに対して、本実施形態によれば、第1信号ピンPS1と電源ピンPE1とを短絡させても開閉扉22bは開放されない。さらに、第1信号ピンPS1とグランドピンPG1とを短絡させようとしても第2信号ピンPS2が邪魔になり、当該短絡を行うことができない。これにより、開閉扉22bを強制的に開放させる不正行為を抑制することができる。
【0132】
グランドピンPG1の隣に第2信号ピンPS2が設けられているため、仮にグランドピンPG1と第2信号ピンPS2とが短絡した場合、第2信号ピンPS2にはLOW信号が入力され、第2信号線LN2を伝送する信号は常時LOW信号となる。この場合、可変入賞検知センサ22eは、遊技球を検知した場合に検知信号SG2をLOW信号からHI信号にするものであるため、上記短絡が発生した場合であっても検知信号SG2は遊技球検知に係る信号とはならない。これにより、グランドピンPG1と第2信号ピンPS2とが短絡することによる遊技球の誤検知を回避することができる。
【0133】
すなわち、電源ピンPE1及びグランドピンPG1の隣に、これらのピンを介して伝送される信号(電源ピンPE1であればHI信号、グランドピンPG1であればLOW信号)とは逆の信号で動作又は検知する回路に対応した信号ピンを配置する。これにより、電源ピンPE1又はグランドピンPG1との短絡による誤動作を抑制することができる。
【0134】
ここで、既に説明した通り、MPU82及び可変入賞装置22間における駆動信号SG1及び検知信号SG2の伝送には、インターフェース回路93が用いられている。当該インターフェース回路93について図10を用いて説明する。図10はインターフェース回路93を示す回路図である。
【0135】
インターフェース回路93は、MPU82と基板側コネクタSCN1とに接続されている。インターフェース回路93は、基板側コネクタSCN1に対して動作電圧及び駆動信号SG1を出力するとともに、基板側コネクタSCN1を介して入力される検知信号SG2をMPU82に対して伝送する。
【0136】
ここで、既に説明した通り、可変入賞装置22は、構成の簡素化及び取り付けの容易化を図る観点から、MPU82からの駆動信号SG1に応じて駆動する可変入賞駆動部22cと、検知信号SG2をMPU82に対して出力する可変入賞検知センサ22eとをユニット化した構成となっている。この場合、駆動信号SG1と検知信号SG2とで、信号の伝送方向が異なるとともに、信号の電圧レベル(電圧範囲)が異なる。このため、インターフェース回路93は、各信号SG1,SG2それぞれに対応させてICを備えている。
【0137】
具体的には、インターフェース回路93は、入力側IC151と出力側IC152とを備えている。各IC151,152は、それぞれ異なる駆動電圧で動作するよう構成されており、各IC151,152には、動作可能な駆動電圧がそれぞれ印加されている。また、各IC151,152はGND端子を備えており、当該GND端子が接地されている。
【0138】
入力側IC151は、入力端子としてA1端子を備えており、出力端子としてY1端子を備えている。A1端子には、第2信号線LN2が接続されている。Y1端子には、MPU82が接続されている。
【0139】
入力側IC151は、A1端子に入力される信号に応じた信号をY1端子から出力する。具体的には、入力側IC151は、A1端子に対してLOW信号が入力されている場合には、Y1端子からLOW信号を出力する。一方、入力側IC151は、A1端子に対してHI信号が入力されている場合には、Y1端子からHI信号を出力する。
【0140】
MPU82は、Y1端子から出力される信号に基づいて、遊技球を検知したか否かを判断する。具体的には、MPU82は、Y1端子からLOW信号が出力されている場合には、遊技球が検知されていないと判断する。一方、MPU82は、Y1端子からHI信号が出力されている場合には、遊技球が検知されたと判断し、所定の遊技球数の払出を行う。
【0141】
出力側IC152は、入力端子としてA2端子を備えており、出力端子としてY2端子を備えている。A2端子にはMPU82が接続されている。Y2端子には、第1信号線LN1が接続されている。第1信号線LN1は、逆接続された(カソード側が+32V側に接続された)ダイオード161を介して、+32Vにプルアップされている。
【0142】
出力側IC152は、A2端子に入力される信号に応じた信号をY2端子から出力する。具体的には、出力側IC152は、A2端子に対してLOW信号が入力されている場合には、Y2端子をオープンとする。このため、A2端子に対してLOW信号が入力されている場合には、第1信号線LN1を介して+32VのHI信号が伝送される。
【0143】
一方、出力側IC152は、A2端子に対してHI信号が入力されている場合には、Y2端子からLOW信号(0V)を出力する。このため、第1信号線LN1を介して0VのLOW信号が伝送されることとなる。
【0144】
以上のことから、MPU82はA2端子に対して出力する信号を制御することにより、可変入賞駆動部22cの駆動制御を行うことができる。
【0145】
なお、出力側IC152の具体的な構成について説明すると、出力側IC152は、n型のMOSFETを備えている。MOSFETは、ソースがY2端子に接続されており、ドレインがGND端子に接続されている。MOSFETのゲートは、A2端子に接続されており、当該A2端子とゲートとの間にはシュミット型のインバータが設けられている。
【0146】
この場合、シュミット型のインバータとMOSFETのゲートとの間に第1抵抗が設けられている。そして、MOSFETのゲートとドレインとの間に第2抵抗が設けられている。これにより、MOSFETのゲートに対して入力される信号に混入されるノイズの影響が軽減されている。
【0147】
ダイオード161は、可変入賞駆動部22cのソレノイド131の動作停止に伴うサージ電圧を吸収するためのものである。具体的には、ソレノイド131への通電が停止した場合には、ソレノイド131にはサージ電圧(逆起電力)が発生する。この場合、ソレノイド131とダイオード161とで閉ループ回路を形成し、サージ電圧がダイオード161の順方向の閾値電圧となるまで当該閉ループ回路にてサージ電流が流れる。これにより、サージ電圧が出力側IC152に対して印加される事態を避けることができ、出力側IC152がサージ電圧により破壊されることを抑制することができる。
【0148】
ちなみに、図示は省略するが、中継基板54においても、電源線ELN1と第1信号線LN1とに逆接続されたダイオードが設けられている。これにより、サージ電圧の吸収をより好適に行うことができる。
【0149】
入力側IC151は、A1端子から入力される検知信号SG2を監視し、当該監視結果に対応したエラー信号SG3を出力する。具体的には、入力側IC151は、エラー信号SG3が出力されるE端子を備えている。E端子は、MPU82に接続されている。入力側IC151は、A1端子から入力される検知信号SG2の電圧が予め定められた正常範囲である場合には、エラー信号SG3をHI信号にする。一方、入力側IC151は、検知信号SG2の電圧が上記正常範囲ではない場合には、エラー信号SG3をLOW信号にする。
【0150】
正常範囲は、第1信号線LN1を介して伝送される駆動信号SG1の電圧と、第2信号線LN2を介して伝送される検知信号SG2の電圧との関係で設定されている。具体的には、正常範囲は、検知信号SG2の変動範囲(+7V〜+11V)よりも大きく、且つ駆動信号SG1の変動範囲(0V〜32V)よりも小さく設定されており、詳細には+4V〜+12Vに設定されている。換言すれば、異常範囲として0V〜+4V及び+12V〜+32Vが設定されている。
【0151】
ここで、既に説明した通り、電源ピンPE1及びグランドピンPG1と、各信号ピンPS1,PS2との短絡による誤動作を抑制する観点から、第1信号ピンPS1及び第2信号ピンPS2を隣同士に配置したため、第1信号ピンPS1と第2信号ピンPS2とが短絡するおそれがある。第1信号ピンPS1と第2信号ピンPS2とが短絡すると、第1信号線LN1の検知信号SG2の電圧が駆動信号SG1の電圧、具体的には0V又は+32Vとなる。このため、エラー信号SG3がLOW信号となり、上記短絡が生じたことを把握することができる。
【0152】
特に、第1信号線LN1と第2信号線LN2との短絡が生じると、可変入賞検知センサ22eの誤動作だけでなく可変入賞駆動部22cの誤動作が生じ得る。また、上記短絡が生じている状況においてソレノイド131の通電を停止させると、ソレノイド131とダイオード161とによって形成される閉ループ回路とは別に閉ループ回路が形成され、ソレノイド131の駆動状態が長時間維持される場合がある。この場合、駆動信号SG1がHI信号であるにも関わらず開閉扉22bが開放状態となる。
【0153】
これに対して、本パチンコ機10によれば、上記短絡が発生した場合にはエラー信号SG3がLOW信号となるため、当該エラー信号SG3のLOW信号に基づいて、可変入賞駆動部22cにもエラーが生じていると把握することができる。
【0154】
なお、エラー信号SG3の出力に係る構成について具体的に説明すると、入力側IC151は、A1端子に対して入力される入力信号を監視する異常監視回路を備えている。当該異常監視回路は、入力信号が予め定められた特定高電位よりも高いか否かを判定し、当該判定の結果に対応した信号を出力する高電位側監視回路(第1コンパレータ)を備えている。異常監視回路は、入力信号が予め定められた特定低電位よりも低いか否かを判定し、当該判定の結果に対応した信号を出力する低電位側監視回路(第2コンパレータ)を備えている。そして、各電位監視回路から出力される信号は、入力側IC151に設けられたエラー信号出力回路に入力されるよう構成されている。エラー信号出力回路は、各電位監視回路のうちいずれかから異常に対応した信号が入力された場合に、E端子からLOW信号を出力する。
【0155】
出力側IC152は、A1端子からの入力信号の電圧が異常電圧である場合には、Y1端子から強制的にLOW信号を出力する。これにより、A1端子からの入力信号が異常である状況においてHI信号がMPU82に対して伝送されることとなり、遊技球を誤検知するという事象を回避することができる。
【0156】
以上のように構成されたインターフェース回路93の信号態様について、図11のタイムチャートを用いて説明する。図11(a)はA1端子に入力される検知信号SG2の電圧を示すグラフであり、図11(b)はY1端子から出力される信号を示すタイムチャートであり、図11(c)はエラー信号SG3を示すタイムチャートである。なお、駆動信号SG1の電圧は常時+32Vであるとする。
【0157】
先ず、遊技球を検知していないt0のタイミングにおいて、検知信号SG2の電圧は、LOW信号に対応した第1検知電圧VLとなっている。この場合、Y1端子から出力される信号はLOW信号である。そして、検知信号SG2の電圧は正常範囲内(Vth1〜Vth2)であるため、E端子からエラー信号SG3としてHI信号が出力される。
【0158】
その後、t1のタイミングにて入賞用通過部22dを遊技球が通過し始めると、可変入賞検知センサ22eから出力される検知信号SG2がLOW信号からHI信号に切り換わる。具体的には、検知信号SG2の電圧は、HI信号に対応した第2検知電圧VHとなる。当該検知信号SG2の切換に基づいて、Y1端子から出力される信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。
【0159】
また、検知信号SG2のHI信号の電圧は正常範囲内であるため、E端子からのエラー信号SG3はHI信号を維持する。
【0160】
そして、t2のタイミングにて、遊技球が入賞用通過部22dを通過し終わると、検知信号SG2はHI信号からLOW信号に切り換わる。具体的には、検知信号SG2の電圧が第2検知電圧VHから第1検知電圧VLに切り換わる。そして、Y1端子から出力される信号がHI信号からLOW信号に切り換わる。この場合、検知信号SG2の電圧は正常範囲内の+7Vであるため、エラー信号SG3はHI信号を維持する。
【0161】
続くt3のタイミングにて、第1信号線LN1と第2信号線LN2とが短絡すると、検知信号SG2の電圧が、正常範囲を超えた異常電圧Veとなる。この場合、Y1端子からの出力信号は強制的にLOW信号となり、E端子から出力されるエラー信号SG3はLOW信号となる。当該LOW信号がMPU82に対して入力されることにより、上記短絡が発生したことをMPU82が把握できる。
【0162】
<主制御装置73にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置73内のMPU82にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU82では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
【0163】
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU82により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
【0164】
ステップS101では、遊技に関する各種検知センサの読み込み処理を実行する。当該読み込み処理には、各種入賞検知センサ22e、53a〜53cの状態を読み込むとともに、これら各種入賞検知センサ22e、53a〜53cの状態を判定して入賞検知情報を保存する処理が含まれる。
【0165】
ステップS101にて読み込み処理を実行した後は、ステップS102に進む。ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM84の該当するバッファ領域に格納する。
【0166】
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM84の該当するバッファ領域に格納する。
【0167】
続くステップS104ではスルーゲート25への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、スルーゲート25への入賞が発生していた場合には、電役保留エリア84cに記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリア84cに格納する。また、音声ランプ制御装置76に対して、役物保留記憶数と対応する可変表示ユニット26の第2保留ランプ部36を点灯させるための処理を実行する。
【0168】
続くステップS105では上作動口23又は下作動口24への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行する。作動口用の入賞処理では、上作動口23又は下作動口24への入賞が発生していた場合には、保留球格納エリア84bに記憶されている始動保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を保留球格納エリア84bの保留用エリアREに格納する。この場合、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリア、すなわち現状の始動保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。また、始動保留記憶数と対応する可変表示ユニット26の第1保留ランプ部35を点灯させるための処理を実行する。
【0169】
その後、ステップS106〜ステップS109にて、可変入賞装置22に異常が発生しているか否かを監視する異常監視処理を実行する。
【0170】
具体的には、先ずステップS106にてエラー信号SG3を読み込む。続くステップS107では、ステップS106にて読み込まれたエラー信号SG3に基づいて異常が発生しているか否かを判定する。具体的には、読み込まれたエラー信号SG3がLOW信号であるか否かを判定する。
【0171】
エラー信号SG3がLOW信号ではない場合、詳細にはHI信号である場合には、異常が発生していないことを意味する。この場合、そのまま本タイマ割込み処理を終了する。一方、エラー信号SG3がLOW信号である場合には、可変入賞検知センサ22e及び可変入賞駆動部22c双方に異常があるとして、ステップS108及びステップS109の処理を実行し、本タイマ割込み処理を終了する。
【0172】
具体的には、ステップS108にて、RAM84の各種フラグ格納エリア84eに設けられた異常発生フラグ格納エリアに異常発生フラグをセットする。異常発生フラグは、可変入賞装置22に異常が発生したことを特定するためのフラグである。
【0173】
続くステップS109では、RAM84の各種フラグ格納エリア84eに設けられた遊技停止開始フラグ格納エリアに遊技停止開始フラグをセットする。遊技停止開始フラグは、遊技停止の開始タイミングを特定するためのフラグである。
【0174】
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図13のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S209の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS210,S211のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
【0175】
通常処理において、ステップS201では、遊技停止中か否かを判定する。具体的には、異常発生フラグ格納エリアに異常発生フラグがセットされているか否かを判定する。異常発生フラグがセットされていない場合には、ステップS202に進む。
【0176】
ステップS202では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置100に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置76に対して送信する。
【0177】
続くステップS203では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントすると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM84の該当するバッファ領域に格納する。
【0178】
続くステップS204では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置31による図柄の変動表示の設定、及びメイン表示部33の表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
【0179】
その後、ステップS205では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モードなどに移行する。
【0180】
続くステップS206では、下作動口24に設けられた電動役物24aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM84の電役保留エリア84cに格納されている情報を用いて電動役物24aを開放状態とするか否かの判定、電動役物24aの開閉処理及び役物用表示部34の表示制御などを行う。
【0181】
その後、ステップS207では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置110から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構111のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
【0182】
続くステップS208では、RAM84に停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板85において停電の発生が確認され当該停電監視基板85からMPU82のNMI端子に停電信号が入力されることにより格納され、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
【0183】
停電フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS209にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
【0184】
つまり、ステップS210では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM84の該当するエリアに格納する。また、ステップS211では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM84の該当するエリアに格納する。
【0185】
一方、ステップS208にて、停電フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS212以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS212では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS213にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS214にてRAM84のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
【0186】
<遊技回制御処理>
次に、ステップS203の遊技回制御処理を図14のフローチャートを参照しながら説明する。
【0187】
遊技回制御処理では、先ずステップS301にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM84の各種フラグ格納エリア84eにおける開閉実行モードフラグ格納エリアに開閉実行モードフラグが格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
【0188】
開閉実行モード中である場合には、ステップS302以降の処理、すなわちステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理及びステップS306〜ステップS309の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口23,24への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
【0189】
開閉実行モード中でない場合には、ステップS302にて、メイン表示部33が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM84の各種フラグ格納エリア84eにおける変動表示中フラグ格納エリアに変動表示中フラグが格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、メイン表示部33において変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
【0190】
メイン表示部33が変動表示中でない場合には、ステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS303にて、保留球格納エリア84bの保留数記憶エリアNAを参照し、保留記憶されている保留情報の数である始動保留記憶数Nが「0」か否かを判定する。始動保留記憶数Nが「0」である場合とは、保留球格納エリア84bに保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。始動保留記憶数Nが「0」でない場合には、ステップS304にてデータ設定処理を実行する。
【0191】
データ設定処理では先ず始動保留記憶数Nを1減算する。また、保留球格納エリア84bにおける保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されているデータを実行エリアAEに移動する。その後、保留用エリアREの各保留エリアRE1〜RE4に格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリアRE1のデータをクリアするとともに、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
【0192】
なお、データ設定処理では、保留情報のシフトが行われたことを音声ランプ制御装置76に認識させて第1保留ランプ部35における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるための処理を実行する。
【0193】
データ設定処理を実行した後は、ステップS305にて変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。変動開始処理では今回の遊技回が大当たり当選か否かの当否判定を行うとともに、当該遊技回の変動表示態様を決定する処理を実行する。
【0194】
具体的には、先ず当否抽選モードを把握し、把握された抽選モードに対応した当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1に係る値が大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
【0195】
一致している場合には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値を取得し、振分テーブルを参照して、上記取得した大当たり種別カウンタC2の値がいずれの大当たり種別に対応しているのかを特定する。
【0196】
その後、これらの把握結果(大当たりであるか否か、大当たりである場合にはその種別)に基づいて、メイン表示部33に最終的に停止表示させる絵柄の態様を決定し、その決定された態様に対応した情報をRAM84に記憶する。今回の遊技回の当否判定結果が、確変大当たり結果又は通常大当たり結果である場合には、MPU82にてこれらの結果であることを特定するための情報をRAM84に格納する。具体的には、確変大当たり結果である場合にはRAM84に確変フラグをセットし、通常大当たり結果である場合にはRAM84に通常大当たりフラグをセットする。
【0197】
そして、上記把握結果に基づいて、メイン表示部33の変動表示時間を決定する。この場合、リーチ表示を行なうか否かを判定し、リーチ表示を行なうと判定した場合には、ROM83の変動表示時間テーブル記憶エリア83cに記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、その変動表示時間情報をRAM84の各種カウンタエリア84dに設けられた変動表示時間カウンタ(変動表示時間計測手段)にセットする。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、変動表示時間テーブル記憶エリア83cに記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、その変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタにセットする。
【0198】
その後、変動用コマンド及び種別コマンドを設定し、メイン表示部33において絵柄の変動表示を開始させた後、本遊技回制御処理を終了する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
【0199】
変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS202にて、音声ランプ制御装置76に送信される。音声ランプ制御装置76では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における表示ランプ部63の発光パターンやスピーカ部64からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるように表示ランプ部63及びスピーカ部64を制御する。また、音声ランプ制御装置76は、上記変動用コマンド及び種別コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置120に送信する。表示制御装置120では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における図柄表示装置31での変動表示パターンを決定し、その変動表示パターンが実行されるように図柄表示装置31を表示制御する。
【0200】
メイン表示部33が変動表示中である場合には、ステップS306〜ステップS309の遊技回進行用処理を実行する。
【0201】
遊技回進行用処理では、先ずステップS306にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM84の変動表示時間カウンタに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動開始処理(ステップS305)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図12)が起動される度に1減算される。
【0202】
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS307にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、メイン表示部33における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
【0203】
変動表示時間が経過している場合には、ステップS308にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS305の処理において決定した停止結果がメイン表示部33にて表示されるように当該メイン表示部33を表示制御する。
【0204】
続くステップS309では、変動終了コマンドを設定する。この設定された変動終了コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS202にて、音声ランプ制御装置76に送信される。音声ランプ制御装置76では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置120に送信する。表示制御装置120では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。その後、本遊技回制御処理を終了する。
【0205】
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS204の遊技状態移行処理を図15のフローチャートを参照して説明する。
【0206】
先ず、ステップS401では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS402に進み、1の遊技回のメイン表示部33における絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
【0207】
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS403にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM84に、確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
【0208】
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS404にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのオープニング用に可変入賞装置22の開閉扉22bの開放を開始することなく待機するためのオープニング用待機時間(開始用待機期間)を設定する。具体的には、RAM84の各種カウンタエリア84dに設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM83に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報をセットする。
【0209】
続くステップS405では、RAM84の各種カウンタエリア84dに設けられたラウンドカウンタRCに、「15」をセットする。ラウンドカウンタRCは、開閉扉22bが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。
【0210】
ステップS405の処理を実行した後は、ステップS406にてオープニングコマンドを設定した後に、本遊技状態移行処理を終了する。ステップS406にて設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図13)におけるステップS202にて、音声ランプ制御装置76に送信される。
【0211】
音声ランプ制御装置76では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードにおける表示ランプ部63の発光パターンやスピーカ部64からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるように表示ランプ部63やスピーカ部64を制御する。また、音声ランプ制御装置76は、上記オープニングコマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置120に送信する。表示制御装置120では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を図柄表示装置31において開始させる。
【0212】
一方、開閉実行モード中である場合(ステップS401:YES)には、ステップS407に進む。ステップS407では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS408にて大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理について、図16のフローチャートを参照しながら説明する。
【0213】
先ず、ステップS501にて開閉扉22bを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部22cの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。開閉扉22bを開放中でない場合には、ステップS502にてラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS503にてRAM84の各種カウンタエリア84dに設けられたタイマTの値が「0」か否かを判定する。
【0214】
ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合又はタイマTの値が「0」でない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」でなく且つタイマTの値が「0」である場合には、ステップS504に進み、開閉扉22bを開放すべく可変入賞駆動部22cを駆動状態とする。具体的には、駆動信号SG1がHI信号からLOW信号となるようにA2端子に対して出力する信号をHI信号にする。これにより、ソレノイド131が駆動し、開閉扉22bが開放状態となる。
【0215】
ここで、駆動信号SG1は通常の遊技状態においては大入賞口22aが開放されないようにHI信号に設定されている。つまり、駆動信号SG1は、通常状態においてHI信号であって大入賞口22aを開放する場合にのみLOW信号となる信号である。
【0216】
詳細には、パチンコ機10の電源がONとなることによって行われる立ち上げ処理にて、駆動信号SG1がHI信号となるようにA2端子に対してLOW信号を出力する処理を実行する。これにより、遊技が開始される前段階においてY2端子からHI信号が出力される。よって、開閉扉22bが開放状態となった状態で遊技が開始されることを、抑制することができる。
【0217】
特に、Y2端子からの出力はオープンコレクタになっており、第1信号線LN1の電圧は+32Vにプルアップされている。このため、仮にY2端子からの出力が不安定な状態であったとしても可変入賞駆動部22cが駆動しないようになっている。
【0218】
続くステップS505では、タイマTに、「15000」(すなわち30sec)をセットする。ここでセットされたカウント値は、タイマ割込み処理(図12)が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。また、大入賞口22aへの遊技球の入賞数をカウントするために、RAM84の各種カウンタエリア84dに設けられた入賞カウンタエリアPCに、「10」をセットする。
【0219】
その後、ステップS506にて開放コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS202にて、音声ランプ制御装置76に送信される。音声ランプ制御装置76は、受信した開放コマンドに基づいて、表示ランプ部63やスピーカ部64における演出内容を変更する。また、音声ランプ制御装置76は、上記開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置120に送信する。表示制御装置120では、受信した開放コマンドに基づいて、図柄表示装置31における開閉実行モード用の演出を切り換える。当該表示制御の具体的な内容については、後に説明する。
【0220】
一方、開閉扉22bが開放中である場合(ステップS501:YES)には、ステップS507に進みタイマTの値が「0」か否かを判定する。タイマTの値が「0」でない場合、ステップS508にて、可変入賞検知センサ22eから出力される検知信号SG2に基づいて、大入賞口22aに遊技球が入賞したか否かを判定する。具体的には、検知信号SG2が、遊技球を検知していることに対応したHI信号であるか否かを判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップS509にて入賞カウンタエリアPCの値を1減算した後にステップS510に進む。ステップS510では、入賞カウンタエリアPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
【0221】
ステップS507にてタイマTの値が「0」の場合、又はステップS510にて入賞カウンタエリアPCの値が「0」の場合には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。かかる場合にはステップS511にて開閉扉22bを閉鎖すべく可変入賞駆動部22cを非駆動状態とする。具体的には、駆動信号SG1をLOW信号からHI信号に設定する処理を実行する。これにより、ソレノイド131に対する電圧印加が停止する。
【0222】
続くステップS512ではラウンドカウンタRCの値を1減算し、ステップS513にてラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合には、ステップS514にてタイマTに「1000」(すなわち2sec)をセットする。その後、ステップS515にて閉鎖コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。
【0223】
この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS202にて、音声ランプ制御装置76に送信される。音声ランプ制御装置76は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の開閉扉22bの開放が終了したことを特定する。
【0224】
遊技状態移行処理(図15)の説明に戻り、ステップS408にて大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップS409にてラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS410にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。ここで、本パチンコ機10では、開閉実行モードの終了に際しては図柄表示装置31などにてエンディング用の演出が実行されるように構成されており、エンディング用の待機時間とは当該エンディング用の演出が終了するまで主制御装置73にて次の遊技回の開始を待機するための期間である。
【0225】
ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS411にて、エンディングコマンドを設定する。当該エンディングコマンドは、通常処理(図13)におけるステップS202にて、音声ランプ制御装置76に送信される。音声ランプ制御装置76は、受信したエンディングコマンドに基づいて、表示ランプ部63やスピーカ部64における開閉実行モード用の演出を終了させる。また、音声ランプ制御装置76は、上記エンディングコマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置120に送信する。表示制御装置120では、受信したエンディングコマンドに基づいて、図柄表示装置31における開閉実行モード用の演出を終了させる。
【0226】
続くステップS412では、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。当該移行処理では、RAM84に確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれが格納されているか否かを判定する。そして、確変フラグが格納されている場合には、当否抽選モードを高確率モードに設定し、通常大当たりフラグが格納されている場合には、当否抽選モードを低確率モードに設定する。
【0227】
その後、ステップS413にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、確変フラグ、通常大当たりフラグのいずれかが格納されている場合には、それを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。
【0228】
<遊技停止中処理について>
通常処理(図13)のステップS201において、遊技停止中と判定した場合には、ステップS215に進み、遊技停止中処理を実行し、ステップS201に戻る。つまり、遊技発生フラグがセットされている場合には、遊技停止中処理のみが繰り返し実行されることとなる。
【0229】
遊技停止中処理について図17のフローチャートを用いて説明する。
【0230】
先ず、ステップS601にて、遊技停止開始フラグがセットされているか否かを判定する。遊技停止開始フラグは、既に説明した通り、異常を検知した場合にセットされるフラグである。
【0231】
遊技停止開始フラグがセットされている場合には、ステップS602に進み、遊技停止開始フラグを消去する。すなわち、遊技停止開始フラグは、異常発生の検知に基づいてセットされ、当該検知に基づく最初の遊技停止処理にて消去される。
【0232】
その後、ステップS603にて割込み処理の発生を禁止する。これにより、割込み処理の実行が規制されるため、正常な遊技の進行が不可となる。具体的には、読み込み処理の実行が規制されるため、遊技球の入賞、及びそれに基づく遊技球(特典)の払出が規制される。さらに、大当たりか否かの抽選及びサポート抽選も規制されることとなる。
【0233】
そして、ステップS604にて異常発生コマンドを音声ランプ制御装置76に対して出力する処理を実行し、本遊技停止処理を終了する。
【0234】
異常発生コマンドは、後述する外部出力処理にて音声ランプ制御装置76に対して出力される。音声ランプ制御装置76は、異常発生コマンドを受信したことに基づいて、可変入賞検知センサ22e及び可変入賞駆動部22cに異常が発生している旨の報知が行われるように、表示制御装置120及びスピーカ部64等を制御する。これにより、管理者は、可変入賞検知センサ22e及び可変入賞駆動部22cに異常が発生していることを把握することができる。
【0235】
一方、遊技停止開始フラグがセットされていない場合には、ステップS605に進み、停止解除操作が行われているか否かを判定する。具体的には、復帰スイッチ73aが操作されているか否か(押されているか否か)を判定する。
【0236】
停止解除操作が行われていない場合には、そのまま本遊技停止中処理を終了する。一方、停止解除操作が行われている場合には、ステップS606に進み、割込み処理を許可する。そして、ステップS607にて異常発生フラグを消去して、本遊技停止処理を終了する。
【0237】
上記処理が実行された場合、割込み処理が実行可能となるとともに、通常処理における遊技の進行に係る一連の処理が実行可能となる。これにより、正常に遊技の進行が行われることとなる。
【0238】
ここで、各ハーネス側コネクタHCN1〜HCN3と、各基板側コネクタSCN1〜SCN3との接合具合によっては、各信号ピンPS1,PS2が接触する場合がある。この場合、上記接合を一旦解除し、再度各ハーネス側コネクタHCN1〜HCN3を、各基板側コネクタSCN1〜SCN3に対して挿入することにより、上記接触を回避することができる。この場合、復帰スイッチ73aを操作することにより、パチンコ機10の再起動を行うことなく正常な遊技状態に復帰することができる。よって、管理者が上記接合の不具合であるか否かを判断することを可能としつつ、正常な遊技の復帰を迅速にすることが可能となる。
【0239】
ここで、電源投入に伴い起動されるメイン処理では、タイマ割込み処理の割込みを禁止して、各種データ領域を初期化する処理と、各種装置に対して初期化信号として初期電圧を印加する処理とを実行する。そして、これらの処理を実行した後に、タイマ割込み処理の割込みを許可して、メイン処理を実行する。これにより、初期電圧として異常電圧を印加する場合又は初期電圧として異常電圧が印加されてエラー信号SG3が異常を示すものとなったとしても、遊技停止となることがない。よって、初期化に係る処理を好適に行うことが可能となる。この場合、仮に異常電圧を印加する行為を検知することはできないが、そもそも遊技が開始されていないため、管理者の不利益はない。
【0240】
以上詳述した本実施形態によれば以下の優れた効果を奏する。
【0241】
検知信号SG2と、駆動信号SG1とを同一コネクタで伝送する構成において、検知信号SG2を監視することにより、駆動信号SG1の異常を監視する構成とした。これにより、各信号SG1,SG2の異常に起因する可変入賞駆動部22c及び可変入賞検知センサ22eの誤動作を把握しつつ、構成の簡素化を図ることができる。
【0242】
具体的には、検知信号SG2の異常範囲を、当該検知信号SG2の変動範囲よりも大きく、且つ駆動信号SG1の変動範囲よりも小さく設定した。これにより、駆動信号SG1と検知信号SG2とが短絡した場合には、検知信号SG2の電圧が駆動信号SG1の電圧となることに起因して、検知信号SG2の電圧が異常範囲となる。よって、可変入賞駆動部22c及び可変入賞検知センサ22eの誤動作を好適に把握することができる。
【0243】
可変入賞駆動部22c及び可変入賞検知センサ22eをユニット化し、当該ユニット化に合わせて、ハーネスH1,H2に、信号電圧が異なる第1信号線LN1及び第2信号線LN2を設けた。そして、ピン配列領域142において、電源ピンPE1、第1信号線LN1が接続される第1信号ピンPS1、第2信号線LN2が接続される第2信号ピンPS2、グランドピンPG1の順に配置した。これにより、第1信号ピンPS1とグランドピンPG1との短絡に起因する可変入賞駆動部22cの誤動作を抑制することができるとともに、第2信号ピンPS2と電源ピンPE1との短絡に起因する可変入賞検知センサ22eの誤検知を抑制することができる。
【0244】
かかる構成の場合、第1信号ピンPS1と第2信号ピンPS2とが短絡し得る。これに対して、本実施形態によれば、検知信号SG2の異常を監視することにより、第1信号ピンPS1と第2信号ピンPS2との短絡を把握することが可能となる。これにより、上記のようにピン配置がなされた構成において、各信号ピンPS1,PS2の短絡に起因する可変入賞駆動部22c及び可変入賞検知センサ22eの誤動作を抑制することができる。
【0245】
また、検知信号SG2は、LOW信号とHI信号とを区別して把握することが可能であればその電圧範囲は小さくてもよい。一方、駆動信号SG1は、ソレノイド131を駆動させるのに必要な電圧差を生じさせる必要があることから、その電圧範囲は比較的大きく設定されている必要がある。
【0246】
この点、本実施形態によれば、各信号SG1、SG2の電圧範囲が異なることを利用して、各信号SG1,SG2の短絡を好適に把握することができる。これにより、可変入賞駆動部22c及び可変入賞検知センサ22eを好適に動作させつつ、各信号SG1,SG2の短絡を好適に把握することができる。
【0247】
ここで、出力側IC152に電圧監視に係る構成を設ける構成も考えられる。しかしながら、この場合、入力側IC151に入力される検知信号SG2の電圧よりも、出力側IC152から出力される駆動信号SG1の電圧の方が大きく設定されているため、駆動信号SG1と検知信号SG2とが短絡した場合における駆動信号SG1への影響が少ない。かといって、駆動信号SG1は、ソレノイド131を駆動させるために所定の大きさの電圧を要するため、当該駆動信号SG1の電圧を検知信号SG2よりも小さくすることは難しい。
【0248】
さらに、上記電圧監視に係る構成を設けた場合、当該電圧監視に係る構成の分だけ電力を消費することとなるため、ソレノイド131に対して供給可能な電力が少なくなり易い。これに対して、本実施形態によれば、比較的低い電力で動作する可変入賞検知センサ22e側に電圧監視に係る構成を設けることにより、比較的高い電力を要する可変入賞駆動部22c側に電圧監視に係る構成を省略することができ、高い電力を確保することが可能となる。
【0249】
<その他の実施形態>
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
【0250】
(1)上記実施形態では、駆動信号SG1と検知信号SG2とが短絡した場合に、検知信号SG2の電圧が異常電圧Veになるように構成されていたが、これに限られない。例えば、各ハーネス側コネクタHCN1〜HCN3と、各基板側コネクタSCN1〜SCN3との接合のうちいずれかが外れれば、A1端子に対して入力される電圧が異常電圧Veとなるように構成してもよい。この場合であっても、同一コネクタにて接続されている駆動信号SG1に異常が発生していることが明確である。このため、両者に異常が生じていると特定することができる。
【0251】
(2)上記実施形態では、各信号ピンPS1,PS2を隣同士に配置したが、これに限られず、例えば両者の間に、電源ピンPE1又はグランドピンPG1を配置する構成としてもよい。但し、短絡による誤動作抑制の観点に着目すれば、電源ピンPE1とグランドピンPG1との間に、各信号ピンPS1,PS2を隣同士に配置する構成の方がよい。
【0252】
(3)上記実施形態では、各信号線LN1,LN2及び各信号ピンPS1,PS2の他に、電源線ELN1及び電源ピンPE1、グランド線GLN1及びグランドピンPG1を設けたが、これに限られず、例えば各信号線LN1,LN2及び各信号ピンPS1,PS2のみでもよい。この場合であっても、本発明を適用することができる。なお、この場合、可変入賞駆動部22cに対して電力を供給する手段を別に設ける。
【0253】
(4)上記実施形態では、異常範囲として、低電位範囲(0〜+4V)と、高電位範囲(+12V〜+32V)との2つの電位範囲を設けたが、これに限られず、例えば一方の電位範囲を設ける構成としてもよい。この場合、駆動信号SG1は、通常状態(開閉扉22bが閉鎖状態)においてHI信号(+32V)であることを考慮して、高電位範囲を設定するとよい。
【0254】
(5)上記実施形態では、可変入賞装置22について説明したが、これに限られず、例えば電動役物24aと作動口用入賞検知センサ53bとのユニットに対して本発明を適用してもよい。要は、駆動信号SG1により駆動する駆動装置と、検知信号SG2を出力する検知装置とがユニット化されているものに対して本発明を適用することができる。
【0255】
ここで、各作動口23,24への遊技球の入賞に基づいて、大当たり結果となるか否かの抽選が行われるため、作動口用入賞検知センサ53bの誤検知による遊技への影響は、一般入賞口用入賞検知センサ53a等と比較して大きい。このため、特に作動口用入賞検知センサ53bの誤検知が生じないようにする必要がある。さらに、電動役物24aの開閉態様に応じて下作動口24への遊技球の入球期待度が変化するため、電動役物24aの誤動作の発生を抑制する必要がある。
【0256】
また、遊技への影響の大きさから、作動口用入賞検知センサ53bにおいて強制的に誤検知を行わせようとする不正行為、及び電動役物24aを強制的に誤動作させる不正行為が行われやすい。
【0257】
これに対して、本発明によれば、検知信号SG2と駆動信号SG1との短絡を好適に把握することが可能となるため、上記誤検知及び上記不正行為を抑制することができる。
【0258】
なお、作動口用入賞検知センサ53bに限られず、他の入賞検知センサ53a〜53cに対しても本発明を適用してもよい。要は、制御装置から電力が供給されている状況において何らかの物理量を検知し、その検知結果を出力する検知装置と、何らかの動作を行わせる駆動装置とがユニット化されている遊技機において、本発明を適用することができる。
【0259】
(6)(5)にて示した作動口用入賞検知センサ53b及び電動役物24aの他に、払出装置101に対して、本発明を適用してもよい。
【0260】
払出装置101は、既に説明した通り、駆動部101a及び払出カウントセンサ101bをユニット化させて構成されており、当該払出装置101と払出制御装置100とが電気的に接続されている。
【0261】
払出制御装置100は、払出カウントセンサ101bの検知結果に基づいて、所定の遊技球の払出が行われるように払出装置101の駆動部101aを駆動制御する。このため、当該払出カウントセンサ101bの誤検知又は駆動部101aの誤動作が生じると、正規に払い出されるべき遊技球数よりも少ない数の遊技球が払い出される場合がある。このため、遊技者に対して不測の不利益を与えることとなる。また、これらの誤検知及び誤動作を利用した不正行為が想定される。
【0262】
これに対して、本発明を適用することにより、駆動部101aの誤動作及び払出カウントセンサ101bの誤検知を好適に把握することが可能となり、上記不利益の発生及び上記不正行為を抑制することができる。
【0263】
また、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示部から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにおいては、メダルの払い出しを行う駆動部と、当該駆動部によって払い出されるメダルをカウントする払出カウントセンサとを有する払出装置が設けられている。当該払出装置に対して本発明を適用してもよい。
【0264】
(7)上記実施形態では、検知信号SG2が異常である場合には、強制的にY1端子からLOW信号を出力させる構成としたが、これに限られず、例えば異常の有無に関わらず、Y1端子からの信号を変化させない構成としてもよい。この場合であっても、遊技が停止するため、異常がある状態での遊技の進行を制限することができる。
【0265】
(8)上記実施形態では、出力側IC152を設けたが、これに限られず、当該出力側IC152を省略してもよい。この場合、MPU82が+32V又は0Vの電圧を出力する構成とするとよい。
【0266】
(9)上記実施形態では、停止解除操作として、復帰スイッチ73aの操作を設定したが、これに限られず、他の操作でもよい。例えば、復帰用のスイッチを別途設ける構成としてもよい。また、再起動を要する構成としてもよい。但し、正常な遊技への迅速な復帰という点に着目すれば、再起動を要しない構成の方が好ましい。
【0267】
(10)上記実施形態では、異常を検知した場合には遊技が停止する構成であったが、これに限られず、遊技に関する処理のうち少なくとも一部の処理の実行が制限される構成であればよい。例えば、タイマ割込み処理の割込みを制限する構成や、遊技回制御処理の実行を制限する構成としてもよい。
【0268】
(11)上記実施形態では、可変入賞駆動部22cと可変入賞検知センサ22eとを設け、駆動信号SG1と検知信号SG2とを伝送する構成としたが、これに限られず、動作電圧が異なる2つの駆動装置を設け、2つの駆動信号を伝送する構成としてもよい。また、検知信号の電圧が異なる2つのセンサを設け、2つの検知信号を伝送する構成としてもよい。
【0269】
また、1の駆動装置を設け、当該駆動装置を、電圧レベルが異なる2つの駆動信号で制御する構成としてもよい。具体的には、例えばソレノイド131とトランジスタとの直列接続体を設ける。当該直列接続体に対して第1信号線LN1及びグランド線GLN1を接続する。そして、第2信号線LN2をトランジスタのベースに対して接続する。かかる構成によれば、第1信号線LN1からの電圧(第1駆動信号に係る電圧)が0Vである場合、又はトランジスタのベース電圧(第2駆動信号に係る電圧)がオフに対応した電圧(例えば0V)である場合には、ソレノイド131は動作しない。
【0270】
一方、第1信号線LN1からの電圧が所定の駆動電圧(例えば+32V)である場合、且つトランジスタのベース電圧がオンに対応した電圧(例えば+3V)である場合には、ソレノイド131が動作する。
【0271】
かかる構成であっても、第2駆動信号を監視することにより、2つの駆動信号の短絡を監視することが可能となる。
【0272】
(12)上記実施形態では、可変入賞駆動部22cをLOWアクティブに設定し、可変入賞検知センサ22eをHIアクティブに設定したが、これに限られず、逆に設定してもよい。この場合、第1信号ピンPS1と第2信号ピンPS2との位置を逆に設定する。これにより、既に説明した効果を得ることができる。
【0273】
(13)上記実施形態によれば、ピン配列領域142において各ピンPE1,PG1,PS1,PS2は等間隔に配置されていたが、これに限られない。例えば図18(a)に示すように、グランドピンPG1及び第2信号ピンPS2間の距離並びに電源ピンPE1及び第1信号ピンPS1間の距離が、第1信号ピンPS1及び第2信号ピンPS2間の距離よりも大きくなるように、各ピンPE1,PG1,PS1,PS2の位置を設定する構成としてもよい。これにより、電源ピンPE1等と第1信号ピンPS1等の短絡をより抑制することができるとともに、駆動信号SG1及び検知信号SG2に与える電源ピンPE1等の影響をより小さくすることができる。当該影響としては、例えば駆動電流が流れることによって発生する磁力等が考えられる。
【0274】
さらに、専用のコネクタとなるため、接続可能なコネクタが一義的に決まる。これにより、コネクタの接続ミスが低減され、接続作業の作業性の向上を図ることができる。
【0275】
この場合、各信号ピンPS1,PS2間の距離が小さくなるため、両者が短絡し易くなる。これに対して、本発明を適用することにより、両者の短絡を好適に把握することができるため、両者の短絡による誤動作を抑制することができる。
【0276】
(14)上記実施形態によれば、ピン配列領域142の両端に電源ピンPE1及びグランドピンPG1を配置する構成としたが、これに限られない。例えば、図18(b)に示すように、ピン配列領域142の両端に第1信号ピンPS1及び第2信号ピンPS2をそれぞれ配置し、これら信号ピンPS1,PS2の間に電源ピンPE1及びグランドピンPG1を配置する構成としてもよい。この場合、第1信号ピンPS1側に電源ピンPE1を配置し、第2信号ピンPS2側にグランドピンPG1を配置するとよい。
【0277】
この場合、第2信号ピンPS2とグランドピンPG1とが短絡する場合がある。この場合、検知信号SG2の電圧は0Vになるため、入力側IC151は異常と判断する。よって、第2信号ピンPS2とグランドピンPG1との短絡を容易に把握することが可能となる。
【0278】
(15)上記実施形態では、中継基板54を設け、当該中継基板54を介して主制御基板81と各種機器とを接続する構成としたが、これに限られず、各種機器の一部又は全部を直接接続する構成としてもよい。この場合、主制御基板81と各種機器とを接続するのに用いられるコネクタに対して本発明を適用することができる。
【0279】
(16)上記実施形態では、ピン配列領域142に複数のピンが一列に配列されていたが、これに限られず、複数列に亘って配列されている構成としてもよく、さらに千鳥状に配列されている構成としてもよい。要は、所定の規則性があれば、ピン配列の態様は任意である。
【0280】
(17)上記実施形態では、基板側にオス型の基板側コネクタSCN1〜SCN3を設け、ハーネス側にメス型のハーネス側コネクタHCN1〜HCN3を設ける構成としたが、これに限られず、基板側にメス型のコネクタを設け、ハーネス側にオス型のコネクタを設ける構成としてもよい。
【0281】
(18)上記実施形態では、電源ピンPE1と第1信号ピンPS1とが隣同士に配置されていたが、これに限られず、例えば両者の間にフローティングに設定されたダミー端子を設ける構成としてもよい。これにより、電源ピンPE1と第1信号ピンPS1との短絡を抑制することができる。
【0282】
同様に、グランドピンPG1と第2信号ピンPS2との間に上記ダミー端子を設ける構成としてもよい。
【0283】
(19)上作動口23への入賞に係る保留情報と、下作動口24への入賞に係る保留情報とが区別して記憶されるとともに、下作動口24への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよく、これとは逆に上作動口23への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよい。この場合、各作動口23,24それぞれに対応させて遊技球検知センサを設ける。そして、各遊技球検知センサの検知結果を伝送する配線を2系統用意する構成とする。
【0284】
かかる構成において、各遊技球検知センサの検知結果を示す検知信号を異なる電圧レベルに設定するとよい。具体的には、一方の検知信号に対してバイアス電圧を印加するとよい。これにより、短絡による異常を監視することが可能となる。
【0285】
また、上記構成において、複数の作動口が上下に並設されているのではなく、上作動口23に対応した第1作動口と、下作動口24に対応した第2作動口とが左右に並設された構成としてもよく、これら両作動口が斜めに並設された構成としてもよい。さらにまた、発射ハンドル43の操作態様に応じて、第1作動口への入賞のみ又は第2作動口への入賞のみを狙えるように、両作動口を離間して配置する構成としてもよい。この場合、遊技者にとっては、状況に応じて、第1作動口又は第2作動口の一方の入賞のみを狙うことが可能となる。
【0286】
(20)上記実施形態では、検知信号SG2の電圧を監視することにより、駆動信号SG1の異常を監視する構成としたが、これに限られず、例えば検知信号SG2の電流を監視することにより、駆動信号SG1の異常を監視する構成としてもよい。両者が短絡した場合には、通常よりも大きな電流が流れることが想定されるからである。詳細な構成としては、例えば第2信号線LN2を流れる電流が予め定められた異常電流値よりも大きいか否かを比較する回路を設ける構成が考えられる。
【0287】
(21)駆動信号SG1又は検知信号SG2としてHI/LOWが交互に切り換わるパルス信号、又は交流電圧等の所定の周波数を有する信号を出力する構成としてもよい。この場合、検知又は駆動の場合には、上記信号の出力状態が切り換わる(例えば出力されていない状態から出力される状態に切り換わる)構成としてもよい。
【0288】
かかる構成において、検知信号SG2の周波数を監視することにより、駆動信号SG1の異常を監視する構成としてもよい。両者が短絡した場合には、周波数特性が異なることが想定されるからである。詳細な構成としては、例えば第2信号線LN2を流れる信号の周波数が予め定められた正常範囲内であるか否かを比較する回路(バンドパスフィルタ回路等)を設ける構成が考えられる。
【0289】
(22)上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
【0290】
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作される又は所定期間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも、本発明を適用できる。
【0291】
また、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
【0292】
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0293】
特徴1.遊技の制御を行う遊技制御手段(MPU82)と、
当該遊技制御手段と信号のやり取りを行う遊技手段(可変入賞装置22)と、
前記遊技制御手段及び前記遊技手段間において信号を伝送する伝送手段(各ハーネスH1,H2及び基板側コネクタSCN1〜SCN3)と、
を備えた遊技機において、
前記伝送手段は、前記遊技制御手段及び前記遊技手段間での所定の信号の伝送に用いられる信号線(電源線ELN1、グランド線GLN1、各種信号線LN1,LN2)を備え、
前記信号線には、
前記所定の信号として第1信号の伝送に用いられる第1信号線と、
前記所定の信号として第2信号の伝送に用いられる第2信号線と、
が含まれており、
前記第1信号を監視することにより、前記第2信号の異常を監視する異常監視手段(入力側IC151)を備えていることを特徴とする遊技機。
【0294】
特徴1によれば、第1信号を監視することにより、第2信号に異常が発生しているか否かを判断することができる。これにより、第1信号を監視することにより、第1信号及び第2信号双方の異常を監視することができる。よって、比較的簡素な構成で第1信号及び第2信号の異常を把握することができ、当該異常に起因する遊技制御手段及び遊技手段の誤動作を好適に抑制することができる。
【0295】
特徴2.前記異常監視手段は、前記第1信号の電圧を監視することにより、前記第2信号の異常を監視するものであることを特徴とする特徴1に記載の遊技機。
【0296】
特徴2によれば、第1信号の電圧を監視する構成とすることにより、電流や周波数を比較する構成よりも、比較的容易に上記監視を行うことができる。また、電圧変化は電流変化や周波数変化を把握するよりも比較的早く把握することができるため、応答性の向上を図ることができる。
【0297】
特徴3.前記第1信号線と前記第2信号線とが短絡した場合には前記第1信号の電圧が予め定められた特定電圧(異常電圧Ve)となるように構成し、
前記異常監視手段は、前記第1信号の電圧が前記特定電圧となった場合に、異常であると判断する異常判断手段(入力側IC151のエラー信号SG3を出力する機能)を備えていることを特徴とする特徴2に記載の遊技機。
【0298】
特徴3によれば、第1信号線と第2信号線とが短絡した場合には、第1信号の電圧が特定電圧となり、異常判断手段により異常と判断される。これにより、第2信号に異常が生じていることを把握することができる。
【0299】
特徴4.列状に配列された複数の端子を有し、前記各信号線を前記遊技制御手段及び前記遊技手段に対して接続するのに用いるコネクタ(基板側コネクタSCN1〜SCN3及びハーネス側コネクタHCN1〜HCN3)を備え、
前記複数の端子には、
前記第1信号線が接続される第1信号端子(第1信号ピンPS1)と、
前記第1信号端子に対して隣に配置され、前記第2信号線が接続される第2信号端子(第2信号ピンPS2)と、
が含まれており、
前記第1信号端子と前記第2信号端子とが短絡した場合には第1信号の電圧が予め定められた特定電圧(異常電圧Ve)となるように構成し、
前記異常監視手段は、前記第1信号の電圧が前記特定電圧となった場合に、異常であると判断する異常判断手段(入力側IC151のエラー信号SG3を出力する機能)を備えていることを特徴とする特徴2又は特徴3に記載の遊技機。
【0300】
特徴4によれば、コネクタを用いて複数の信号線をまとめて接続する構成において、第1信号端子と第2信号端子とが隣同士に配置されているため、当該第1信号端子と第2信号端子とが短絡する場合がある。この場合、第1信号の電圧が特定電圧となり、異常判断手段により異常と判断される。これにより、第2信号に異常が発生したことを把握することができる。
【0301】
特徴5.前記異常判断手段は、前記第1信号の電圧が前記特定電圧として予め定められた特定範囲(0〜+4V、及び+12V〜+32V)内の電圧である場合に、異常と判断するものであり、
前記第2信号の電圧は、当該第2信号の態様に関わらず前記特定範囲内に設定されていることを特徴とする特徴4に記載の遊技機。
【0302】
特徴5によれば、第2信号の電圧は当該第2信号の態様に関わらず特定範囲内の電圧に設定されているため、第1信号と第2信号とが短絡した場合には、第2信号の態様に関わらず第1信号の電圧が特定範囲内となり易い。これにより、上記短絡を把握することができる。よって、第1信号及び第2信号に異常が発生していることを把握することができる。
【0303】
本特徴の具体的な構成としては、例えば「前記異常判断手段は、前記特定範囲として、予め定められた設定範囲(正常範囲、+4V〜+12V)より低電圧であるか否かを判断する第1判断手段と、前記設定範囲よりも高電圧であるか否かを判断する第2判断手段と、を備え、当該異常判断手段は、前記第1判断手段により前記設定範囲よりも低電圧と判断される、又は前記第2判断手段により前記設定範囲よりも高電圧であると判断された場合に異常と判断するものであり、前記第2信号の電圧は、前記設定範囲よりも低電圧である第1状態と、前記設定範囲よりも高電圧である第2状態とに切換可能である」構成が考えられる。
【0304】
特徴6.前記遊技手段は、
予め定められた特定事象(大入賞口22aへの遊技球の入球)を検知するものであって、前記第1信号として前記特定事象の検知信号を出力する検知手段(可変入賞検知センサ22e)と、
前記第2信号として所定の駆動電圧に対応した駆動信号が入力された場合に駆動する駆動手段(可変入賞駆動部22c)と、
を備えていることを特徴とする特徴4又は特徴5に記載の遊技機。
【0305】
特徴6によれば、電圧が異なる検知信号と駆動信号とが同一のコネクタで伝送することとなる。この場合、駆動手段を駆動させる必要があるため、所定の駆動電圧に対応した駆動信号は比較的高い電圧が要求される。これに対して、検知信号は検知しているか否かを判断することが可能であればよいため、検知信号は比較的低い電圧で十分であることが多い。
【0306】
この点、本特徴によれば、異常監視のために異なる電圧に設定した第1信号及び第2信号を、それぞれ検知信号及び駆動信号として用いることにより、検知手段及び駆動手段を好適に扱うことができる。
【0307】
なお、「前記検知手段及び前記駆動手段をユニット化する」構成としてもよい。これにより、1のコネクタを用いて両者を、遊技制御手段に対して接続したい事情が生じ、第1信号端子と第2信号端子とを隣同士に配置したい事情が生じ得る。これに対して、上記特徴4等によれば、両者の接続を好適に行いつつ、駆動信号と検知信号との短絡を監視することができる。
【0308】
特徴7.前記遊技制御手段は、前記駆動信号の電圧範囲とは異なる電圧範囲の制御信号(MPU82とA2端子間の信号)を出力する手段(MPU82におけるA2端子に対して信号を出力する機能)を備え、
前記伝送手段は、
前記制御信号を前記駆動信号に変換する手段(出力側IC152及び+32V電源)と、
前記検知手段から出力される前記検知信号を、前記制御信号の電圧レベルと同一レベルの信号に変換する手段(入力側IC151におけるY1端子から信号を出力する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴6に記載の遊技機。
【0309】
特徴7によれば、遊技制御手段から出力される制御信号の電圧、及び遊技制御手段に対して入力される信号の電圧レベルを同一に設定することが可能となる。これにより、遊技制御手段が異なる電圧レベルの信号を扱う必要がない点で、遊技制御手段の信号制御を好適に行うことができる。
【0310】
特徴8.遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤を備え、
前記遊技手段は、前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第1状態と遊技球の入球が不可又は困難な第2状態とに切換可能な可変入球手段(可変入賞装置22、又は下作動口24)であり、
前記駆動手段は、前記駆動信号に応じて、前記可変入球手段を前記第1状態と第2状態とに切り換えるものであり、
前記検知手段は、前記特定事象として前記可変入球手段への遊技球の入球を検知し、当該検知結果を前記検知信号として出力する遊技球検知手段(可変入賞検知センサ22e、又は作動口用入賞検知センサ53b)であり、
前記検知信号が前記可変入球手段への遊技球の入球を検知したことに対応したものである場合に、遊技者に対して特典を付与する特典付与手段(遊技球の払出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴6又は特徴7に記載の遊技機。
【0311】
特徴8によれば、第1状態と第2状態とに切り換わる可変入球手段に対して遊技球が入球し、当該遊技球が遊技球検知手段により検知された場合に遊技者に対して特典を付与する。このため、可変入球手段及び遊技球検知手段の誤動作は、遊技者の利益に対して直接影響を与えることとなる。また、不正な利益を得る目的で、可変入球手段及び遊技球検知手段を意図的に誤動作させる不正行為が想定される。
【0312】
これに対して、特徴4等の構成によれば、検知信号及び駆動信号に対して異常が発生したことを好適に発見することができるため、遊技者に対して不測の不利益を与えること及び意図的に誤動作させる不正行為を抑制することができる。
【0313】
さらに、上記構成によれば、構成の簡素化を図る観点から、可変入球手段と遊技球検知手段とをユニット化して1の装置として遊技盤に対して取り付けたい事情が生じ得る。この場合、1のコネクタで電圧レベルが異なる検知信号及び駆動信号を伝送させたい事情が生じ得る。
【0314】
これに対して、特徴4等の構成を適用することにより、検知信号の電圧を監視することにより駆動信号の異常を監視しつつ、異なる電圧レベルの各信号を同一コネクタで伝送することが可能となる。
【0315】
特徴9.予め定められた抽選契機(各作動口23,24への遊技球の入賞)が発生した場合に、予め定められた終了条件が成立するまで前記可変入球手段の切換制御が継続されるラウンド遊技が特定回数に亘って行われる有利状態に移行させるか否かの判定を行う移行判定手段(MPU82における当否判定を行う機能)と、
当該移行判定手段の判定結果が前記有利状態に移行させることに対応した移行対応結果である場合に、前記有利状態に移行させる遊技状態移行手段(MPU82における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記終了条件には、前記遊技球検知手段により検知された遊技球の数が予め定められた特定数となること、及び前記可変入球手段における前記第1状態となっている期間が予め定められた特定期間となることが含まれていることを特徴とする特徴8に記載の遊技機。
【0316】
特徴9によれば、有利状態においてラウンド遊技を特定回数行うことにより、可変入球手段に対して遊技球が入球し易くなる。これにより、有利状態では遊技者に対して特典が付与され易くなっている。
【0317】
かかる構成において、ラウンド遊技の終了条件には、遊技球検知手段により検知された遊技球の数及び可変入球手段が第1状態となっている期間が含まれているため、遊技球検知手段及び可変入球手段の誤動作は遊技者の利益に多大な影響を与える場合がある。また、不正な利益を得る目的で、可変入球手段及び遊技球検知手段を意図的に誤動作させる不正行為が想定される。
【0318】
これに対して、特徴4等の構成によれば、遊技者に対して不測の不利益を与えること及び意図的に誤動作させる不正行為を抑制することができる。
【0319】
特徴10.前記検知信号に基づいて、前記可変入球手段に対して遊技球が入球したことが特定された場合に、遊技者に有利な有利状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選手段(MPU82における当否判定を行う機能)と、
前記抽選手段の抽選結果が前記有利状態を発生させることに対応した結果である場合には、前記有利状態に移行させる有利状態移行手段(MPU82における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴8に記載の遊技機。
【0320】
特徴10によれば、可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて有利状態に移行するか否かの抽選が行われる。このため、可変入球手段への入球が遊技者の利益に影響を与え得る。よって、可変入球手段の誤動作及び遊技球検知手段の誤動作は遊技者の利益に影響を与え得る。また、不正な利益を得る目的で、可変入球手段及び遊技球検知手段を意図的に誤動作させる不正行為が想定される。
【0321】
これに対して、特徴4等の構成によれば、両者の誤動作を好適に把握することができるため、遊技者に対して不測の不利益を与えること及び意図的に誤動作させる不正行為を抑制することができる。
【0322】
特徴11.前記伝送手段は、
前記遊技制御手段及び前記遊技手段間での電力の伝送に用いられる電源線と、
グランド線と、
を備え、
前記複数の端子には、
前記電源線に対して接続する電源端子(電源ピンPE1)と、
前記グランド線に対して接続するグランド端子(グランドピンPG1)と、
が含まれており、
前記第1信号は、LOW信号であって予め定められた特定契機が発生した場合にLOW信号からHI信号に切り換わるものであり、
前記第2信号は、HI信号であって予め定められた特定契機が発生した場合にHI信号からLOW信号に切り換わるものであり、
前記複数の端子の配列方向において前記第1信号端子と前記電源端子との間に前記第2信号端子が配置され、前記第2信号端子と前記グランド端子との間に前記第1信号端子が配置されるように各端子が配置されていることを特徴とする特徴4乃至10のいずれか1に記載の遊技機。
【0323】
特徴11によれば、第1信号端子と第2信号端子とが隣同士に配置されている状況において、第1信号端子と電源端子との間に第2信号端子が配置されているため、第1信号端子と電源端子とが短絡しにくい。この場合、第1信号端子とグランド端子とが短絡するおそれがある。しかしながら、当該短絡が発生した場合であっても第1信号はHI信号とならないため、各遊技手段において特定契機が発生したとは認識されない。よって、仮に各遊技手段が特定契機の発生に基づいて何らかの処理又は動作等を行うように構成された状況において、第1信号端子とグランド端子との短絡が生じた場合であっても、各遊技手段において誤動作が生じにくい。
【0324】
また、第2信号端子とグランド端子との間に第1信号端子が配置されているため、第2信号端子とグランド端子とが短絡しにくい。この場合、第2信号端子と電源端子とが短絡するおそれがある。しかしながら、当該短絡が発生した場合であっても第2信号はLOW信号とならないため、各遊技手段において特定契機が発生したとは認識されない。よって、上記効果を奏する。
【0325】
ここで、本特徴によれば、第1信号端子と第2信号端子とが隣同士に配置されることとなる。これに対して、特徴4等によれば、第1信号端子と第2信号端子とが隣同士に配置されることによって生じ得る両者の短絡を好適に把握することが可能となる。これにより、各端子間の短絡による誤動作を好適に抑制することが可能となる。
【0326】
特徴12.前記第1信号は、第1態様であって予め定められた特定契機が発生した場合に第1態様から第2態様に切り換わるものであり、
前記伝送手段は、前記異常判断手段により前記異常が判断された場合に、前記第1信号を前記第1態様に設定する手段(Y1端子から強制的にLOW信号を出力する機能)を備えていることを特徴とする特徴3乃至11のいずれか1に記載の遊技機。
【0327】
特徴12によれば、異常と判断された場合には、第1信号が第1態様に設定される。これにより、各遊技手段において特定契機が発生したと認識される事態を回避することができる。
【0328】
特徴13.前記異常判断手段により異常と判断された場合に予め定められた異常発生信号(エラー信号SG3におけるLOW信号)を出力する異常発生信号出力手段(入力側IC151におけるE端子からの信号出力機能)と、
前記異常発生信号出力手段により前記異常発生信号が出力された場合に、予め定められた異常対応処理(遊技停止中処理)を実行する異常対応手段を備えていることを特徴とする特徴3乃至12のいずれか1に記載の遊技機。
【0329】
特徴13によれば、異常発生信号が出力された場合に異常対応処理を実行することにより、当該異常発生に対応することが可能となる。
【0330】
特徴14.遊技の進行に関する遊技進行処理(タイマ割込み処理、通常処理)を実行する手段(MPU82におけるタイマ割込み処理及び通常処理を実行する機能)を備え、
前記異常対応処理には、前記遊技進行処理の少なくとも一部の処理を制限する処理が含まれていることを特徴とする特徴13に記載の遊技機。
【0331】
特徴14によれば、異常と判断された場合には、遊技進行処理の少なくとも一部の処理を制限することにより、正常な遊技の進行を制限することができる。これにより、異常が発生したに関わらず、遊技が行われる事態を避けることが可能となる。
【0332】
特徴15.前記異常監視手段は、前記第1信号の電流を監視することにより、前記第2信号の異常を監視するものであることを特徴とする特徴1に記載の遊技機。
【0333】
特徴15によれば、第1信号の電流を監視することで、第2信号の異常を監視することができる。
【0334】
なお、本特徴に対して、特徴3〜14の構成を適用してもよい。この場合、「電圧」を「電流」に置き換える。
【0335】
特徴16.前記第1信号は、所定の周波数を有する信号であり、
前記異常監視手段は、前記第1信号の周波数を監視することにより、前記第2信号の異常を監視するものであることを特徴とする特徴1に記載の遊技機。
【0336】
特徴16によれば、第1信号の周波数を監視することで、第2信号の異常を監視することができる。
【0337】
なお、本特徴に対して、特徴3〜14の構成を適用してもよい。この場合、「電圧」を「周波数」に置き換える。
【0338】
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
【0339】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
【0340】
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
【符号の説明】
【0341】
10…パチンコ機、22…可変入賞装置、22a…大入賞口、22b…開閉扉、22c…可変入賞駆動部、22e…可変入賞検知センサ、54…中継基板、81…主制御基板、82…MPU、131…ソレノイド、142…ピン配列領域、151…入力側IC、152…出力側IC、H1,H2…ハーネス、SCN1〜SCN3…基板側コネクタ、HCN1〜HCN3…ハーネス側コネクタ、ELN1…電源線、GLN1…グランド線、LN1…第1信号線、LN2…第2信号線、PE1…電源ピン、PG1…グランドピン、PS1…第1信号ピン、PS2…第2信号ピン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の制御を行う遊技制御手段と、
当該遊技制御手段と信号のやり取りを行う遊技手段と、
前記遊技制御手段及び前記遊技手段間において信号を伝送する伝送手段と、
を備えた遊技機において、
前記伝送手段は、前記遊技制御手段及び前記遊技手段間での所定の信号の伝送に用いられる信号線を備え、
前記信号線には、
前記所定の信号として第1信号の伝送に用いられる第1信号線と、
前記所定の信号として第2信号の伝送に用いられる第2信号線と、
が含まれており、
前記第1信号を監視することにより、前記第2信号の異常を監視する異常監視手段を備えていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記異常監視手段は、前記第1信号の電圧を監視することにより、前記第2信号の異常を監視するものであることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
列状に配列された複数の端子を有し、前記各信号線を前記遊技制御手段及び前記遊技手段に対して接続するのに用いるコネクタを備え、
前記複数の端子には、
前記第1信号線が接続される第1信号端子と、
前記第1信号端子に対して隣に配置され、前記第2信号線が接続される第2信号端子と、
が含まれており、
前記第1信号端子と前記第2信号端子とが短絡した場合には第1信号の電圧が予め定められた特定電圧となるように構成し、
前記異常監視手段は、前記第1信号の電圧が前記特定電圧となった場合に、異常であると判断する異常判断手段を備えていることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記異常判断手段は、前記第1信号の電圧が前記特定電圧として予め定められた特定範囲内の電圧である場合に、異常と判断するものであり、
前記第2信号の電圧は、当該第2信号の態様に関わらず前記特定範囲内に設定されていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記遊技手段は、
予め定められた特定事象を検知するものであって、前記第1信号として前記特定事象の検知信号を出力する検知手段と、
前記第2信号として所定の駆動電圧に対応した駆動信号が入力された場合に駆動する駆動手段と、
を備えていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤を備え、
前記遊技手段は、前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第1状態と遊技球の入球が不可又は困難な第2状態とに切換可能な可変入球手段であり、
前記駆動手段は、前記駆動信号に応じて、前記可変入球手段を前記第1状態と第2状態とに切り換えるものであり、
前記検知手段は、前記特定事象として前記可変入球手段への遊技球の入球を検知し、当該検知結果を前記検知信号として出力する遊技球検知手段であり、
前記検知信号が前記可変入球手段への遊技球の入球を検知したことに対応したものである場合に、遊技者に対して特典を付与する特典付与手段を備えていることを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
【請求項7】
予め定められた抽選契機が発生した場合に、予め定められた終了条件が成立するまで前記可変入球手段の切換制御が継続されるラウンド遊技が特定回数に亘って行われる有利状態に移行させるか否かの判定を行う移行判定手段と、
当該移行判定手段の判定結果が前記有利状態に移行させることに対応した移行対応結果である場合に、前記有利状態に移行させる遊技状態移行手段と、
を備え、
前記終了条件には、前記遊技球検知手段により検知された遊技球の数が予め定められた特定数となること、及び前記可変入球手段における前記第1状態となっている期間が予め定められた特定期間となることが含まれていることを特徴とする請求項6に記載の遊技機。
【請求項8】
前記伝送手段は、
前記遊技制御手段及び前記遊技手段間での電力の伝送に用いられる電源線と、
グランド線と、
を備え、
前記複数の端子には、
前記電源線に対して接続する電源端子と、
前記グランド線に対して接続するグランド端子と、
が含まれており、
前記第1信号は、LOW信号であって予め定められた特定契機が発生した場合にLOW信号からHI信号に切り換わるものであり、
前記第2信号は、HI信号であって予め定められた特定契機が発生した場合にHI信号からLOW信号に切り換わるものであり、
前記複数の端子の配列方向において前記第1信号端子と前記電源端子との間に前記第2信号端子が配置され、前記第2信号端子と前記グランド端子との間に前記第1信号端子が配置されるように各端子が配置されていることを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1に記載の遊技機。
【請求項9】
前記第1信号は、第1態様であって予め定められた特定契機が発生した場合に第1態様から第2態様に切り換わるものであり、
前記伝送手段は、前記異常判断手段により前記異常が判断された場合に、前記第1信号を前記第1態様に設定する手段を備えていることを特徴とする請求項3乃至8のいずれか1に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−176129(P2012−176129A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40950(P2011−40950)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】