遊技機
【課題】ヒートシンクのネジ止め等をなくして組み立て作業の能率化を促進できると共に、基板ケースのケース体側の構造を簡素化でき、生産性の向上を図ることができるようにする。
【解決手段】発熱性の電子部品37が装着された基板41を基板ケース26内に収容し、基板ケース26に、電子部品37の熱を放熱するヒートシンク39を備える。基板ケース26の基板41と対向して配置されたケース体33の取り付け部62と基板41とによりヒートシンク39を挟持する。ヒートシンク39には、このヒートシンク39を取り付け部62に対して位置決めする位置決め手段81,81を設ける。ヒートシンク39は熱伝導性樹脂により構成された熱伝導性樹脂部を少なくとも一部に有し、位置決め手段80,81は熱伝導性樹脂により熱伝導性樹脂部に一体に形成する。
【解決手段】発熱性の電子部品37が装着された基板41を基板ケース26内に収容し、基板ケース26に、電子部品37の熱を放熱するヒートシンク39を備える。基板ケース26の基板41と対向して配置されたケース体33の取り付け部62と基板41とによりヒートシンク39を挟持する。ヒートシンク39には、このヒートシンク39を取り付け部62に対して位置決めする位置決め手段81,81を設ける。ヒートシンク39は熱伝導性樹脂により構成された熱伝導性樹脂部を少なくとも一部に有し、位置決め手段80,81は熱伝導性樹脂により熱伝導性樹脂部に一体に形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機、スロットマシン等の遊技機に関し、ヒートシンクを基板と基板ケースのケース体とで挟持するようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機、例えばパチンコ機では、遊技盤の遊技領域内に特別図柄始動手段、普通入賞手段、大入賞手段等が装着されると共に、その遊技領域の略中央に液晶表示手段等の画像表示手段が装着されており、特別図柄始動手段、普通入賞手段、大入賞手段等による遊技状態の変化に応じて画像表示手段の画像表示部に各種の演出画像を表示するようにしている。特別図柄始動手段、普通入賞手段、大入賞手段等による遊技動作を制御する主制御基板、画像表示手段に表示される演出画像を制御する画像制御基板は、夫々の基板ケースに収容されて遊技盤の裏側に装着されている。
【0003】
近年のパチンコ機では、高解像度の画像表示手段を採用し、画像情報を高速度で処理する処理能力の高いLSIその他の電子部品を採用する傾向にある。一方、処理能力の高いLSIその他の電子部品を採用した場合には、その発熱によるオーバーヒートを防止する必要がある。そこで、発熱し易い電子部品に当接する放熱用のヒートシンクと、冷却空気によりヒートシンクを冷却する冷却ファンとを設けて、電子部品を強制冷却するようにしている。
【0004】
ヒートシンク、冷却ファンを設けるに当たっては、冷却ファンをケース体の内側又は外側にネジにより固定し、熱伝導性シートを介して基板の電子部品に当接するヒートシンクを、この冷却ファンと前後に対向させて基板又はケース体にネジ等により固定している(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−150341号公報
【特許文献2】特開2009−76505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来はヒートシンクを基板又はケース体にネジにより固定しているため、基板をケース体に固定する工程の他に、ヒートシンクを基板又はケース体に固定する工程が必要になり、組み立て作業が非常に煩雑になるという欠点がある。
【0007】
そこで、ケース体の取り付け部にヒートシンクを嵌合させて位置決めし、その後にケース体に基板を固定するときに、ケース板と基板との間でヒートシンクを挟持して固定することが考えられている。この場合には、ヒートシンクを基板又はケース体にネジ止めする必要がなくなり、組み立て作業の能率化を図ることが可能である。
【0008】
しかし、取り付け部に対してヒートシンクを位置決めする位置決め手段をケース体側に設けるとすれば、ケース体の構造が非常に複雑になるという問題がある。特に近年は各種部品の再利用が進んでいるが、ヒートシンク等の内部部品に比べて、基板ケースは傷付き易い上に構造の変更等により再利用されることは少ない。このため基板ケースのケース体の構造が複雑になれば、部品を再利用しながらも製作コストが高騰することになり、生産性の向上を図ることができない。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、ヒートシンクのネジ止め等をなくして組み立て作業の能率化を図ることができると共に、基板ケースのケース体側の構造を簡素化でき、生産性の向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、発熱性の電子部品が装着された基板を基板ケース内に収容し、該基板ケースに、前記電子部品の熱を放熱するヒートシンクを備えた遊技機において、前記基板ケースの前記基板と対向して配置されたケース体の取り付け部、又は前記基板ケース内に前記基板と対向して配置された取り付け台の取り付け部と前記基板とにより前記ヒートシンクを挟持し、該ヒートシンクに、該ヒートシンクを前記取り付け部に対して位置決めする位置決め手段を設けたものである。
【0011】
前記ヒートシンクは熱伝導性樹脂により構成された熱伝導性樹脂部を少なくとも一部に有し、該熱伝導性樹脂部に、前記熱伝導性樹脂により一体に形成された前記位置決め手段を有するものが望ましい。また前記位置決め手段は前記ヒートシンクを前記電子部品側に押圧するようにしてもよい。前記位置決め手段は前記ヒートシンクの前記基板の板面方向の位置を決める位置決め部を有するものが望ましい。
【0012】
前記取り付け部は前記ヒートシンクのフィン側が嵌合する収容部を有し、前記位置決め手段は前記収容部内の前記ヒートシンクを位置決めするものでもよい。また前記位置決め手段は前記ケース体又は前記取り付け台側に突出する位置決め突起を有し、該位置決め突起が前記ケース体又は前記取り付け台の位置決め凹部又は位置決め孔に嵌合するものでもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ヒートシンクのネジ止め等をなくして組み立て作業の能率化を墓ことができると共に、基板ケースのケース体側の構造を簡素化でき、生産性の向上を図ることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すパチンコ機の正面図である。
【図2】同遊技盤の背面図である。
【図3】同画像制御基板ケースの分解斜視図である。
【図4】同画像制御基板ケースの縦断面図である。
【図5】同画像制御基板ケースの横断面図である。
【図6】同画像制御基板ケースのヒートシンク部分の縦断面図である。
【図7】同ヒートシンクの要部の背面図である。
【図8】同第1ケース体の正面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態を示すヒートシンク部分の正面図である。
【図10】同ヒートシンク部分の横断面図である。
【図11】同ヒートシンク部分の縦断面図である。
【図12】本発明の第3の実施形態を示すヒートシンク部分の横断面図である。
【図13】同ヒートシンクの要部の背面図である。
【図14】同ヒートシンクの斜視図である。
【図15】本発明の第4の実施形態を示すヒートシンク部分の縦断面図である。
【図16】同ヒートシンク部分の横断面図である。
【図17】本発明の第5の実施形態を示すヒートシンク部分の縦断面図である。
【図18】同ヒートシンク部分の横断面図である。
【図19】本発明の第6の実施形態を示す画像制御基板ケースの分解斜視図である。
【図20】同画像制御基板ケースの横断面図である。
【図21】同要部の拡大図である。
【図22】同ヒートシンク部分の縦断面図である。
【図23】同ヒートシンクの背面図である。
【図24】同取り付け台の斜視図である。
【図25】同取り付け台の正面図である。
【図26】本発明の第7の実施形態を示すヒートシンク部分の縦断面図である。
【図27】同ヒートシンク部分の正面図である。
【図28】本発明の第8の実施形態を示すヒートシンク部分の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図8はパチンコ機に具現化した本発明の第1の実施形態を例示する。図1において、1は遊技機本体で、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3は左端側の上下一対のヒンジ4を介して外枠2に着脱及び開閉自在に装着されている。
【0016】
前枠3の上部側には遊技盤5が例えば前側から着脱自在に装着されると共に、遊技盤5の前側にガラス扉6が、ガラス扉6の下側に隣接して前面開閉板7が夫々配置されている。ガラス扉6、前面開閉板7はヒンジ4と同一側のヒンジ(図示省略)により前枠3に開閉自在に枢支されている。前面開閉板7には、発射用の遊技球を貯留する貯留皿8と、発射手段(図示省略)を作動させるための発射ハンドル9等が前面に設けられている。なお、発射手段は発射ハンドル9を操作したときに貯留皿8から供給される遊技球を遊技盤5側へと発射するようになっている。
【0017】
遊技盤5の前側には、発射手段により発射された遊技球を案内するガイドレール10が環状に装着されると共に、そのガイドレール10内の遊技領域12には、画像表示手段13を備えたセンターケース14、通過ゲート15、開閉式入賞手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種遊技部品が装着されている。
【0018】
また遊技盤5の裏側には、図2に示すように、センターケース14等の遊技部品を後側から覆う裏カバー20と集球ケース21とが上下に配置されている。例えば、集球ケース21の背面側に主制御基板22が格納された主制御基板ケース23が着脱自在に装着され、裏カバー20の背面側に演出制御基板24が格納された演出制御基板ケース25と、画像制御基板26が格納された画像制御基板ケース27とが着脱自在に装着されている。
【0019】
なお、主制御基板22はゲーム中の全体の遊技動作を統括的に制御し、また画像制御基板26は画像表示手段13に表示される演出画像を制御し、更に演出制御基板24は画像表示手段13の周辺に配置された可動演出手段(図示省略)の演出動作、遊技盤5側その他の演出ランプの演出発光、スピーカの効果音等を制御するようになっている。
【0020】
集球ケース21は開閉式入賞手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等に入賞して遊技盤5の裏側に案内された遊技球を集めて排出口28から回収通路(図示省略)側へと案内するためのもので、裏カバー20の下側に近接して配置され、遊技盤5の裏側に着脱自在に固定されている。
【0021】
集球ケース21の背面側には、例えば図2に示すように、その略中央に主制御基板ケース23を着脱自在に装着可能な主制御基板ケース装着部30が設けられている。また主制御基板ケース装着部30の一側には、前枠3側の枠側ジョイント部(図示省略)に対応する盤側ジョイント部31が設けられており、遊技盤5を前枠3に装着したときに前枠3側の枠側ジョイント部(図示省略)の前側に対向して、その盤側ジョイント部31が枠側ジョイント部の各枠側コネクタ(図示省略)に着脱自在に接続する。
【0022】
画像制御基板ケース27は前後に扁平な縦長略矩形状であって、図3〜図8に示すように、例えば透明な合成樹脂製の第1ケース体33と第2ケース体34とが係合手段35と封止手段36とを介して開閉可能に結合されている。画像制御基板ケース27内には、LSIその他の発熱性の電子部品37が裏面側に装着された画像制御基板26と、その電子部品37の放熱用のヒートシンク39とが収容され、またヒートシンク39と画像制御基板26の板面方向に並べて冷却ファン40が配置されている。
【0023】
画像制御基板26は画像制御側を構成する第1基板41と中継又はインターフェース側を構成する第2基板42とにより構成されている。第1基板41、第2基板42は対向端部が所定の間隔で前後に積層された第1ケース体33内に上下に配置されている。第2基板42は第1ケース体33の取り付けボス43にネジにより固定されている。第1基板41は第1ケース体33の取り付けボス44、位置決め突起45、取り付けボス44に螺合するネジ46等により固定されている。第1基板41、第2基板42の積層部分では、第1基板41用の取り付けボス44、位置決め突起45が第2基板42の通孔に挿通されている。なお、第1基板41、第2基板42は重合しないように配置してもよい。
【0024】
第1基板41の裏面側にはLSI等の発熱性の電子部品37、コネクタ47等が装着され、また第2基板42の裏面には左右両側に外部接続用コネクタ48が、その中間にコネクタ47と接続するコネクタ49とその他の電子部品(図示省略)とが夫々装着されている。なお、電子部品37は薄い偏平状であって、第1基板41からの突出量は小さくなっている。また第1基板41、第2基板42はコネクタ47,49を介して電気的に接続されている。
【0025】
第1ケース体33は前側が開放する縦長矩形状であって、図3、図4に示すように背壁50と、この背壁50の外周に一体に形成された外周壁51とを有し、この第1ケース体33内に第1基板41と第2基板42とが積層状に収容されている。第2ケース体34は蓋を構成する縦長矩形状で、前壁52と、この前壁52の外周に一体に形成された内周壁53とを有し、その内周壁53が第1ケース体33の外周壁51内に嵌合している。
【0026】
係合手段35は第2ケース体34の内周壁53の上側に設けられた被係合部55と、第1ケース体33の外周壁51の上側に設けられ且つ被係合部55が係脱自在に係合する係合部56とを有する。封止手段36は第2ケース体34の内周壁53の下側に設けられた封止突部57と、第1ケース体33の外周壁51下に設けられ且つ両ケース体33,34を閉じた状態で封止突部57が離脱不能に係合する封止部58とを有し、両ケース体33,34を開放すべく封止部58側を切断したときに、その封止部58に切断痕が残るようになっている。係合手段35、封止手段36は左右両端部に設けられている。なお、係合手段35、封止手段36はケース体33,34に対して上下逆に設けてもよいし、画像制御基板ケース27が左右方向に長い場合には、左右両側で上下両端部に設けてもよい。また係合手段35、封止手段36は1個でもよい。
【0027】
第1ケース体33の背壁50には、第2基板42に当接する段部60が設けられ、その各段部60に各外部接続用コネクタ48が臨むコネクタ口61が形成されている。そのコネクタ口61に第2基板42の外部接続用コネクタ48が嵌合している。
【0028】
第1ケース体33の背壁50には、図3〜図6、図8に示すように、上下方向の中間のヒートシンク39用の第1収容部(取り付け部)62と冷却ファン40用の第2収容部63とが左右に並べて内外逆向きに設けられ、その第1収容部62にヒートシンク39が、第2収容部63に冷却ファン40が夫々嵌合し保持されている。
【0029】
第1ケース体33の背壁50には、冷却ファン40用の第2収容部63の底壁64に複数個の排気口65が、その第2収容部63の底壁64を除く略全域に多数の吸気口66が夫々形成されている。
【0030】
また画像制御基板ケース27内には、図8に示すように、第1基板41と第1ケース体33の背壁50との間に、各吸気口66から排気口65に至る迷路状の冷却通路67〜69が背壁50の略全域に対応して設けられており、吸気口66から吸気した冷却空気をこの冷却通路67〜69を経て排気口65から排気することにより、画像制御基板ケース27内を強制的に冷却するようになっている。
【0031】
冷却通路67〜69は画像制御基板ケース27内の中間に形成された排気通路67と、この排気通路67の両側に形成された吸気通路68と、各吸気通路68を排気通路67に接続する吸気兼用の連通路69とを有し、背壁50に一体の隔壁70等により区画されている。
【0032】
排気通路67は上下方向の中間に左右方向に配置され、この排気通路67と上下の吸気通路68との間に、両者を区画する隔壁70が左右方向に設けられている。排気通路67は第1ケース体33の左右方向の一端側から他端側に伸びており、その他端側に上下の吸気通路68を排気通路67に接続する連通路69が上下方向に設けられている。
【0033】
なお、各吸気通路68と連通路69との間では、隔壁70に切り欠き部70aが設けられている。隔壁70は第1基板41に当接してもよいが、この実施形態では図4に示すように隔壁70と第1基板41との間に隙間を設けて、隔壁70で排気通路67と吸気通路68とを概ね区画する程度とし、隔壁70と第1基板41との隙間を経て吸気通路68から排気通路67への冷却空気の若干の移動を許容するようにしている。勿論、隔壁70を第1基板41に当接又は近接させて、この隔壁70により排気通路67と吸気通路68との間を略遮断してもよい。
【0034】
冷却ファン40用の第2収容部63は、図3〜図5、図8に示すように、排気通路67の連通路69と反対側の下手側の端部で第1ケース体33の背壁50に設けられており、この第2収容部63と連通路69との間の上手側にヒートシンク39用の第1収容部62が配置されている。従って、第1ケース体33の左右両側に第2収容部63と連通路69とが配置され、その間に第1収容部62が配置されている。
【0035】
第2収容部63は図3、図5、図8に示すように、背壁50にその裏側から第1基板41側へと凹入状に形成され、底壁64に略同心円状に円弧状の排気口65が設けられている。また第2収容部63には裏側から冷却ファン40が嵌合され、底壁64にネジ等により着脱自在に固定されている。
【0036】
冷却ファン40はハウジング74と、このハウジング74内に回転自在に配置された周方向に複数枚の回転羽根75と、ハウジング74の中央に装着され且つ回転羽根75を内周側から駆動する駆動モータ76とを備え、排気通路67からの冷却空気を排気口65を経て後方に排気するようになっている。
【0037】
第1収容部62は図3、図5、図6、図8に示すように、第1ケース体33の背壁50から前側に突出する上下の隔壁70と、この上下の隔壁70間で背壁50から前側に突出する左右の隔壁77,78と、底壁79とを有し、その隔壁70,77,78にヒートシンク39の後部側が位置決め手段80,81を介して前側から嵌合し保持されている。なお、第1収容部62はヒートシンク39の後部が隔壁70,77,78等の保持壁間に嵌合するものであればよく、例えば背壁50から凹入する保持壁、又は背壁50から突出する保持壁により外周が取り囲まれた嵌合凹部により構成してもよい。
【0038】
ヒートシンク39はアルミ等の熱伝導性金属と熱伝導性ゴム等の熱伝導性樹脂とを併用したハイブリッド型であって、図3、図5〜図8に示すように、電子部品37に熱伝導層84を介して当接する矩形状の本体部82と、この本体部82の一側面から突出し且つ排気通路67内の冷却空気の流れに沿って横方向に配置された上下方向に複数個(多数)のフィン83とを備え、そのフィン83側が位置決め手段80,81を介して第1収容部62に前側から着脱自在に嵌合され、第1ケース体33の背壁50と第1基板41との間で挟持されている。熱伝導性樹脂としてはPA6、PA12、PET、PBT、PC、PPS、LCPの材料が使用可能である。また熱伝導性樹脂には適度な弾性を有するものが使用されている。
【0039】
熱伝導層84は電子部品37とヒートシンク39の本体部82との隙間を防止して電子部品37からヒートシンク39への熱伝導が良くなるように、シリコンゴム系の熱伝導シートにより構成されている。
【0040】
本体部82はアルミ等の熱伝導性金属により電子部品37に対応して板状に構成され且つ電子部品37からの熱を受入れる熱受入れ部71と、この熱受入れ部71をモールドして形成された熱伝導性樹脂により形成され且つ熱受入れ部71からの熱を面方向に拡散する熱拡散部72とを備え、その熱拡散部72に熱伝導性樹脂により多数のフィン83が一体に形成されている。従って、この実施形態のヒートシンク39では、熱拡散部72及びフィン83が熱伝導性樹脂により構成された熱伝導性樹脂部となっている。
【0041】
この実施形態での位置決め手段80,81には、図3、図5〜図8に示すように、ヒートシンク39の第1基板41に沿う板面方向の位置を決める第1位置決め手段80と、ヒートシンク39の本体部82が第1基板41の電子部品37に当接するようにヒートシンク39の第1基板41の板厚方向の位置を決める第2位置決め手段81とがあり、その各位置決め手段80,81は熱伝導性樹脂により、熱伝導性樹脂部であるヒートシンク39と一体に形成されている。
【0042】
第1位置決め手段80は複数枚のフィン83の内、両端のフィン83aの板厚方向の外側に一体に設けられた補強兼用のリブ状の位置決め部85と、フィン83の長手方向の両端に設けられた位置決め部86とにより構成されている。位置決め部85は第1ケース体33の第1収容部62の上下両側の各隔壁70の内面に、位置決め部86は第1ケース体33の第1収容部62の左右両側の隔壁77,78の内面に夫々当接して、ヒートシンク39の上下及び左右方向の位置を決めるようになっている。
【0043】
位置決め部85は上下両側のフィン83aの長手方向の両端側に、その本体部82からフィン83aの先端側に跨がって突出方向に設けられている。位置決め部86は上下両側のフィン83aを他のフィン83よりも長手方向の両側に突出させて設けられている。なお、位置決め部85はフィン83aの長手方向の中間部に1個又は複数個設けてもよいし、位置決め部86は複数枚のフィン83の内、その一部又は全部に設けてもよいし、一部の場合には中間のフィン83に設けてもよい。また各位置決め部85,86の先端側には、ヒートシンク39を第1収容部62に嵌合し易くする傾斜案内面85a,86aが設けられている。
【0044】
第2位置決め手段81は複数枚のフィン83の内、上下両側のフィン83aの長手方向の両端部に設けられ且つ第1収容部62の底壁79に弾性的に押圧する弾性押圧部87を有し、この弾性押圧部87によりヒートシンク39を第1基板41の電子部品37側に押圧するようになっている。弾性押圧部87は基部側がフィン83aと一体のリブ状の位置決め部85に一体に形成され、先端がフィン83よりも底壁79側に突出している。なお、位置決め部85間には、弾性押圧部87の基部側と略対応する高さでフィン83aと一体に補強部88が設けられている。弾性押圧部87は両側のフィン83aの長手方向の中間に設けてもよいし、隣り合う複数枚のフィン83間に跨がって設けてもよい。
【0045】
第1収容部62の外周近傍には、図8に示すように、周方向に複数個の取り付けボス44と位置決め突起45とが配置され、その取り付けボス44と位置決め突起45とを介して第1基板41が第1ケース体33に固定されている。取り付けボス44は第1収容部62の一方の対角線方向の両端に、位置決め突起45は第1収容部62の他方の対角線方向の両端に夫々配置され、上下両側の隔壁70と一体に設けられている。第1基板41は位置決め突起45により位置決めされ、取り付けボス44に螺合するネジ46により固定されている。
【0046】
この実施形態では、冷却ファン40が作動すれば、画像制御基板ケース27内の上下の吸気通路68から連通路69、排気通路67を経て冷却空気が流れて、その冷却空気によりヒートシンク39を介して電子部品37を強制的に空気冷却することが可能であるので、画像制御基板ケース27内の第1基板41に発熱性の電子部品37があるにも拘わらず、その電子部品37の発熱によるオーバーヒートを防止できる。
【0047】
即ち、冷却ファン40が作動すると、画像制御基板ケース27内の排気通路67内の空気が冷却ファン40により排気口65を経て外部に排気されるので、画像制御基板ケース27内が負圧となり、第1ケース体33の背壁50に形成された多数の吸気口66を経て外気が画像制御基板ケース27内へと吸気される。
【0048】
そして、画像制御基板ケース27内に入った冷却空気は、上下の吸気通路68に沿って横方向に流れた後、連通路69を経て排気通路67に合流しながら、ヒートシンク39のフィン83に沿って横方向へと流れて排気口65から外部へと排気されて行く。勿論、一部の冷却空気は隔壁70と第1基板41との隙間を経て吸気通路68から排気通路67へと流れることもある。
【0049】
このようにヒートシンク39と冷却ファン40とを第1基板41の板面方向に並べて配置することにより、冷却ファン40の回転により吸気口66から吸気された冷却空気がヒートシンク39を通過して流れる構成を採る限り、排気口65によって決まる排気位置に対して吸気位置が板面方向に離れるので、第1ケース体33の背壁50の広範囲に配置された各吸気口66から満遍なく外気を吸気することができる。このため画像制御基板ケース27内の略全体に冷却空気が流通することになり、画像制御基板ケース27内での局部的な熱のこもり等を防止することができる。
【0050】
特に排気通路67の上下に吸気通路68を配置し、その各吸気通路68を連通路69を経て排気通路67に接続することにより、画像制御基板ケース27の略全体にわたって冷却通路67〜69を配置できるので、局部的な熱のこもりを防止できる。また画像制御基板ケース27の第1ケース体33の端部近傍に排気口65を設け、この排気口65に対応して冷却ファン40を配置することにより、画像制御基板ケース27内に吸気通路68、排気通路67を含む冷却通路67〜69を設けるに当たっても、排気口65が背壁50の略中央に位置する場合等に比して、その冷却通路67〜69を画像制御基板ケース27の全域にわたって容易に配置することができる。
【0051】
また第1基板41の電子部品37に当接させる必要のあるヒートシンク39は第1ケース体33の内側面に形成された第1収容部62に配置し、冷却ファン40は第1ケース体33の外側面に形成された第2収容部63に配置しているので、冷却ファン40を通過した後の冷却空気が画像制御基板ケース27内を循環することがなく、画像制御基板ケース27内での熱のこもり等を防止できる。
【0052】
基板41,42を収容する画像制御基板ケース27の組み立てに際しては、第1ケース体33の背壁50の第1収容部62内にヒートシンク39のフィン83側を嵌め込んで、そのヒートシンク39に一体の位置決め手段80,81により位置決めしながら、第1ケース体33と第1基板41との間でヒートシンク39を挟持して固定する。
【0053】
この場合、先ず第1位置決め手段80の上下の位置決め部85を上下の隔壁70間に、左右の位置決め部86を左右の隔壁77,78間に合わせて第1収容部62内へと押し込む。すると各位置決め部85,86の先端側には傾斜案内面85a,86aがあり、しかもフィン83a、位置決め部85,86が適度な弾性を有する熱伝導性樹脂製であるため、傾斜案内面85a,86aの傾斜に沿って摺動しながら各位置決め部85,86が上下両側の隔壁70間、左右両側の隔壁77,78間に嵌まり込み、ヒートシンク39を第1収容部62に対して上下方向、左右方向に位置決めすることができる。
【0054】
ヒートシンク39を第1収容部62に収めた後、取り付けボス43、段部60等を介して第1ケース体33内に第2基板42を取り付ける。そして、電子部品37を熱伝導層84を介してヒートシンク39の本体部82に当接させた後、同様に取り付けボス44、ネジ46等を介して第1ケース体33内に第1基板41を取り付ける。
【0055】
このとき第1基板41をネジ46等で第1ケース体33に固定すると、第1基板41と第1ケース体33の背壁50との間でヒートシンク39が挟持されるので、ヒートシンク39は第2位置決め手段81の弾性押圧部87により第1基板41側へと押圧され、その本体部82の熱受入れ部71が熱伝導層84を介して電子部品37に圧接する位置にヒートシンク39を位置決めすることができる。
【0056】
第1基板41を第1ケース体33に固定した後、第1ケース体33と第2ケース体34とを係合手段35、封止手段36を介して閉状態に結合する。なお、冷却ファン40は第1ケース体33の第2収容部63内に外側から取り付けるが、駆動モータ76を第2基板42等に接続するのであれば、両ケース体33,34を結合する前の何れかの時点で取り付ければよい。
【0057】
このように第1ケース体33の第1収容部62にヒートシンク39をセットした後、この第1ケース体33に第1基板41を固定して、第1ケース体33と第1基板41との間でヒートシンク39を挟持すれば、従来のようにヒートシンク39を第1ケース体33又は第1基板41にネジ止めする工程が不要になり、第1ケース体33と第2ケース体34とを結合して構成される画像制御基板ケース27内にヒートシンク39、第1基板41、第2基板42等の多数の部品を収容しているにも拘わらず、その組み立て作業を容易に行うことができる。また分解してヒートシンク39を再利用する場合にも、第1基板41を取り外した後、第1ケース体33の第1収容部62からヒートシンク39を抜き取ればよいので、分解時の作業も容易にできる。
【0058】
またヒートシンク39はその本体部82が第1基板41の電子部品37に当接する位置に固定する必要があり、第1ケース体33の第1収容部62に嵌合するヒートシンク39を位置決め手段80,81により位置決めしているが、その位置決め手段80,81をヒートシンク39に設けているため、第1ケース体33の第1収容部62の構造を簡素化することができ、低コストでの生産性の向上を図ることができる。
【0059】
即ち、再利用される可能性の高いヒートシンク39側に位置決め手段80,81を設けることによって、再利用される可能性の低い第1ケース体33の構造を簡素化できる。またヒートシンク39は熱伝導性金属と熱伝導性樹脂とを併用したハイブリッド型であり、その熱伝導性樹脂部に熱伝導性樹脂により一体に位置決め手段80,81を設けているので、ヒートシンク39を製作するに際しても、熱伝導性樹脂による金型成型等によって比較的容易に製作することが可能である。従って、組み立て、分解作業が容易であることと相俟って、容易に生産性を向上させることができる。
【0060】
また第1位置決め手段80と第2位置決め手段81とがあり、これらによりヒートシンク39を第1収容部62に対して板面方向及び板厚方向に位置決めしているので、第1ケース体33と第1基板41との間で挟持するだけでヒートシンク39を適正位置に位置決めすることができる。しかも第2位置決め手段81はその弾性押圧部87によりヒートシンク39を第1基板41側に付勢する構成であるため、ヒートシンク39の熱受入れ部71側を熱伝導層84を介して電子部品37に確実に接触させることができる。このためヒートシンク39により電子部品37を効率的に冷却することができる。
【0061】
図9〜図11は本発明の第2の実施形態を例示する。この実施形態では、第1収容部62は背壁50から突出する隔壁70,77,78等を備えた嵌合凹部により構成されている。またヒートシンク39には、第1位置決め手段80の位置決め部85,86が熱伝導性樹脂により一体に設けられている。第1位置決め手段80には、複数枚のフィン83のうち、その上下両側のフィン83aの外側面に設けられた位置決め部85と、中間のフィン83又は両側のフィン83aに設けられた位置決め部86とを有し、その各位置決め部85,86が相対応する上下両側の隔壁70、左右両側の隔壁77,78間に夫々摺動自在に嵌合している。なお、位置決め部85は両側のフィン83aの外側面に断面凸状に形成され、また位置決め部86は他のフィン83よりも長手方向の両側に突出して形成されている。
【0062】
第2位置決め手段81は位置決め部85の先端の突出部85cにより構成されている。この突出部85cは他の各フィン83の先端部よりも突出しており、適度な弾性で第1ケース体33の背壁50に当接することにより、ヒートシンク39を第1基板41の電子部品37に押圧するようになっている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0063】
この実施形態のように位置決め部の内、その位置決め部85の先端に突出部85cを設けて第2位置決め手段81としてもよい。このようにすれば、ヒートシンク39側の構造も簡素化することが可能である。なお、フィン83から長手方向に突出する位置決め部86に、背壁50側に突出する突出部を設けてもよい。また各位置決め部85,86に突出部を設けてもよい。
【0064】
図12〜図14は本発明の第3の実施形態を例示する。この実施形態では、ヒートシンク39の略四隅、例えば複数枚のフィン83の内、その両側のフィン83aの長手方向の両端部に位置決め手段80,81が設けられている。各位置決め手段80,81は、フィン83aの先端側外側面に一体に形成された支持部89と、この支持部89とフィン83aとに跨がって一体に形成された補強部90とを有し、その支持部89に第1ケース体33側に突出する位置決め突起91と弾性押圧部87とが設けられている。
【0065】
位置決め突起91は第1位置決め手段80を構成するもので、第1ケース体33の背壁50に対して略垂直に突出しており、第1ケース体33の嵌合部を構成する位置決め孔92又は位置決め凹部に係脱自在に係合している。なお、位置決め突起91は支持部89を挟んで補強部90と対応している。弾性押圧部87は第2位置決め手段81を構成するもので、支持部89からフィン83の長手方向に沿って斜めに傾斜状に突出しており、その先端部87aが第1ケース体33の背壁50に当接してヒートシンク39を第1基板41側に付勢するようになっている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0066】
この実施形態では、第1ケース体33にヒートシンク39、第1基板41を組み付ける場合には、次のようにして行う。先ずヒートシンク39の四隅の第1位置決め手段80の位置決め突起91を第1ケース体33の背壁50の位置決め孔92に挿入する。これによって第1ケース体33の背壁50に対してヒートシンク39を板面方向に位置決めすることができる。
【0067】
次に第1ケース体33と第1基板41とによりヒートシンク39を挟持するように、第1基板41を第1ケース体33にネジ46等により固定すると、弾性押圧部87が第1ケース体33の背壁50に圧接するため、ヒートシンク39を第1基板41側に押圧して位置決めすることができる。
【0068】
従って、この場合には第1ケース体33の背壁50側に、ヒートシンク39の位置決め突起91に対応して位置決め孔92又は位置決め凹部を形成しておけばよく、全体として第1収容部62を構成する周壁等を設ける必要がないので、第1ケース体33側の構造を更に簡素化することができる利点がある。
【0069】
なお、この実施形態では、位置決め突起91及び弾性押圧部87を支持部89に設けているが、位置決め突起91と弾性押圧部87とは別々にフィン83a等に設けてもよい。また位置決め突起91の数、弾性押圧部87の数は4個に限定されるものではなく、必要に応じて任意に設ければよい。
【0070】
図15、図16図は本発明の第4の実施形態を例示する。この実施形態では、第1位置決め手段80の位置決め突起91、補強部90は上下両側のフィン83aの長手方向の両端側にその高さ方向に略直線状に設けられて、その先端の位置決め突起91が第1ケース体33の位置決め孔92又は位置決め凹部に嵌合している。複数枚のフィン83の内、位置決め突起91を有するフィン83aの近傍のフィン83bは、他のフィン83,83aよりも先端が突出しており、その突出部93はフィン83を構成する熱伝導性樹脂の弾性により第1ケース体33の背壁50に当接するようになっている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0071】
この場合には、位置決め突起91を位置決め孔92に挿入すると、フィン83bの突出部93が第1ケース体33の背壁50に当接するので、そのフィン83bの弾性力により本体部82を第1基板41の電子部品37に当接させることができる。従って、ヒートシンク39側の位置決め手段80,81の構造を更に簡素化することができる。
【0072】
図17、図18は本発明の第5の実施形態を例示する。この実施形態では、複数枚のフィン83は熱伝導性樹脂によりジグザグ状に屈曲形成されている。両側のフィン83は先端側に内向きに屈曲する屈曲部94を有し、その各屈曲部94が上下の隔壁70間に挿入されるようになっている。各フィン83の長さは、左右両側の隔壁77,78間の間隔より若干大であり、その長手方向の両端にはその近傍のスリット95を介して弾性部96が形成されている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0073】
この実施形態では、ヒートシンク39のフィン83側を第1収容部62に挿入すると、その上下両側のフィン83が屈曲部94を介して上下の隔壁70間に入り、また長手方向の両端の弾性部96が左右の隔壁77,78間に入るので、これによって第1収容部62内でヒートシンク39を位置決めできる。そして、ジグザグ状のフィン83の弾性に抗して第1基板41を第1ケース体33に固定すればよい。この場合には位置決め手段80,81を含むヒートシンク39の構造が簡単になる他、フィン83がジグザグ状であるため、フィン83の表面積が大になり冷却効果が更に向上する利点がある。
【0074】
図19〜図25は本発明の第6の実施形態を例示し、この実施形態では第1基板41の第1ケース体33側に取り付け台100が固定され、この取り付け台100の前後両側にヒートシンク39と冷却ファン40とが取り付けられている。取り付け台100はヒートシンク39を収容する第1収容部62と、冷却ファン40を収容する第2収容部63と、第1収容部62内に連通し且つ第2収容部63の左右両側に開口する左右一対の冷却ダクト101と、これらにより第2収容部63から第1収容部62を経て左右の冷却ダクト101内に跨がって形成された冷却通路102とを一体に備え、第1基板41の裏側に着脱自在に固定されている。冷却通路102は収容部62,63、冷却ダクト101によって、画像制御基板ケース27内の基板収容室103から分離されている。
【0075】
第1収容部62、第2収容部63は図20、図22、図24、図25に示すように連通口104を有する仕切り壁105を挟んで両側に逆向き開口状に設けられており、その第1収容部62の左右の側壁106から第2収容部63の左右両側に一対の冷却ダクト101が設けられ、これらにより冷却通路102が形成されている。
【0076】
取り付け台100には第1収容部62側の外周壁107の上下両側から後方に突出する取り付けボス108、位置決め突起109等が設けられ、この取り付けボス108、位置決め突起109及びネジ110を介して取り付け台100が第1基板41に着脱自在に固定されている。
【0077】
第1収容部62にはヒートシンク39が第1基板41側から着脱自在に挿入され収容されている。ヒートシンク39は第1の実施形態と同様に本体部82と、複数枚のフィン83とを有し、本体部82の熱拡散部72とフィン83とが熱伝導性樹脂により一体に形成され、第1収容部62内で位置決め手段80により位置決めされている。
【0078】
位置決め手段80は図20〜図23に示すように、上下両側のフィン83aの長手方向の両端部にスリット111を介して設けられた弾性部112を有する。弾性部112はフィン83の長手方向、厚さ方向及び高さ方向に弾性変形可能であって、他のフィン83よりも長手方向の外側に突出する傾斜案内部112aと、フィン83aよりも厚さ方向(上下方向)の外側に突出する傾斜案内部112bと、各フィン83,83aの先端よりも高さ方向に突出する突出部112cとを有し、傾斜案内部112a,112bによりヒートシンク39を板面方向に位置決めし、突出部112cによりヒートシンク39を電子部品37に押圧するようになっている。
【0079】
なお、取り付け台100には、冷却ファン40のハーネスを上側から一側を経て第1基板41又は第2基板42のコネクタに接続する際に、そのハーネスが第1基板41に接触するのを防止するために掛け部113,114と押え部115がその第1ケース体33の背壁50側に設けられている。掛け部113は取り付け台100の上側に、掛け部114は取り付け台100の一側に夫々配置され、これらにハーネスを引っ掛けて止めるようになっている。押え部115は取り付け台100の一側に配置され、掛け部114に掛けられたハーネスを第1ケース体33の背壁50側に押えるようになっている。
【0080】
第1ケース体33の背壁50には、第2収容部63の後端部が嵌合する第1凹部116と、冷却ダクト101の後端部が嵌合する第2凹部117とが設けられ、その第1凹部116内に第2収容部63内の冷却ファン40に対応する吸気口66が、第2凹部117内に冷却ダクト101の冷却通路102に対応する排気口65が夫々設けられている。
【0081】
なお、第1ケース体33の背壁50には、取り付け台100に対応する部分を除く領域に必要に応じて多数の放熱口118が設けられ、各基板40,41に装着された他の電子部品37等からの発熱をその放熱口118を経て放熱するようになっている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0082】
この実施形態において、画像制御基板ケース27を組み立てる際には、先ず取り付け台100の第2収容部63に冷却ファン40を挿入して固定し、次に取り付け台100の第1収容部62内にヒートシンク39をフィン83側から挿入する。このとき上下両側のフィン83の長手方向の両端の弾性部112を第1収容部62に挿入すると、傾斜案内部112a及び傾斜案内部112bにより案内されながら弾性部112が屈曲して第1収容部62内に入り、ヒートシンク39を板面方向に位置決めすることができる。
【0083】
その後、取り付け台100の位置決め突起109を第1基板41の位置決め孔92に挿入して、第1収容部62内のヒートシンク39の本体部82が第1基板41の電子部品37に対応するように、取り付け台100を第1基板41に対して位置決めした後、第1基板41側からネジ110を取り付けボス108に螺合して、取り付け台100を第1基板41に固定する。このときヒートシンク39の弾性部112の突出部112cが仕切り壁105に当接し、弾性部112が取り付け台100と第1基板41との間で圧縮されるので、ヒートシンク39の本体部82を電子部品37に圧接させることができる。
【0084】
次に第2基板42を第1ケース体33内に取り付けた後、第1基板41を第1ケース体33内に取り付ける。この第1基板41の取り付けに際しては、先ず第1ケース体33の位置決め突起45により第1基板41を位置決めして、取り付け台100の第2収容部63、冷却ダクト101を第1ケース体33の背壁50の第1凹部116、第2凹部117に夫々嵌合するように、第1基板41を第1ケース体33に対して固定する。これによって第1ケース体33の吸気口66が冷却ファン40のハウジング74内に連通し、また第1ケース体33の排気口65が冷却ダクト101内の冷却通路102に連通する。
【0085】
この実施形態では、冷却ファン40が作動すれば吸気口66から外気を冷却通路102内に吸気し、その冷却通路102内を流れる冷却空気によりヒートシンク39を冷却するため、第1基板41に発熱性の電子部品37があるにも拘わらず、その冷却空気によりヒートシンク39を介して電子部品37を強制的に空気冷却することが可能であり、電子部品37の発熱によるオーバーヒートを防止できる。
【0086】
即ち、冷却ファン40が作動すると、画像制御基板ケース27の外部の空気が吸気口66を経て第1収容部62へと吸気され、その冷却空気がヒートシンク39のフィン83に吹き付けられるので、その冷却空気によりヒートシンク39を介して電子部品37を強制冷却することができる。そして、ヒートシンク39の本体部82に衝突してフィン83から熱を吸収した冷却空気は、左右の冷却ダクト101を経て排気口65から外部へと排気されて行く。
【0087】
従って、吸気口66から冷却通路102へと吸入された冷却空気は、画像制御基板ケース27内の基板収容室103から分離された冷却通路102を経て排気口65から画像制御基板ケース27の外部へと排気されるので、鉄粉等を含む塵埃が発生し易い環境下であっても、冷却空気と共に吸い込まれた鉄粉等を含む塵埃の基板収容室103内への侵入を未然に防止でき、基板の表面への付着等を極力抑えることができる。
【0088】
図26、図27は本発明の第7の実施形態を例示する。この実施形態では、自然放熱型のヒートシンク39により電子部品37を冷却するようにしたものである。第1ケース体33の背壁50には、嵌合受け部119と、この嵌合受け部119内に形成された開口部120とを有する取り付け部121が設けられている。ヒートシンク39はその本体部82の外周縁に所定間隔をおいて設けられ且つ前後方向に弾性を有する弾性部112が嵌合受け部119に嵌合され、また複数枚のフィン83が開口部120から外側に突出している。なお、この実施形態では、フィン83及び弾性部112により位置決め手段80が構成されている。
【0089】
この場合には、ヒートシンク39のフィン83を開口部120に嵌合することにより第1基板41の板面方向の位置が決まり、また第1基板41をネジ等で第1ケース体33に固定したときに、第1ケース体33と第1基板41との間でヒートシンク39を挟持して固定することになる。このとき第1基板41の電子部品37が弾性部112よりも内側でヒートシンク39の本体部82を押圧するため、弾性部112の弾性力により本体部82を電子部品37に圧接させることができる。
【0090】
またヒートシンク39は本体部82の熱受入れ部71を経て電子部品37の熱を受け入れた後、熱拡散部72を経て各フィン83へと拡散させて、開口部120から第1ケース体33の外側に突出する各フィン83を経て大気中に放熱することができる。従って、ヒートシンク39の自然放熱によっても電子部品37を冷却することが可能である。
【0091】
図28は本発明の第8の実施形態を例示する。この実施形態では、ヒートシンク39の本体部82は第1ケース体33の開口部120を塞ぐ大きさであり、その開口部120に複数枚のフィン83が嵌合している。本体部82の外周には第1ケース体33の開口部120の外周側で背壁50に当接する弾性部112が設けられ、また電子部品37は弾性部112よりも内周側で本体部82に当接している。弾性部112は断面L字状であって、本体部82の外周縁に沿って長手方向に所定間隔をおいて複数設けられている。他の構成は第7の実施形態と同様である。
【0092】
このように本体部82の大きさを開口部120と同等か又は若干大にすれば、第1ケース体33の開口部120にヒートシンク39のフィン83を嵌合させているにも拘わらず、ヒートシンク39の本体部82によって開口部120を内側から塞ぐことができる。このため開口部120を経て画像制御基板ケース27内に不正部材を挿入して第1基板41等に不正工作を施す等の不正行為を未然に防止することができる。なお、開口部120の外周で第1ケース体33とヒートシンク39の本体部82との間に凹凸状の不正行為阻止迷路を全周に設けてもよい。
【0093】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では基板ケースとして画像制御基板ケース27を例示しているが、発熱性の電子部品37が装着された基板を収容する基板ケースであれば、画像制御基板ケース27以外の各種の基板ケースでも同様に実施可能である。
【0094】
基板ケースは縦方向の取り付け箇所に縦長状に装着する他、縦方向の取り付け箇所に横長状に装着しても良いし、水平方向の取り付け箇所の上面又は下面に前後又は左右方向に装着しても良い。従って、基板と、その基板に装着された発熱性の電子部品37は、各実施形態に例示するように前後方向に当接する他、基板ケースの第1ケース体33と第2ケース体34との分割方向、そのケース体に対する基板の取り付け状態等に応じて上下方向、左右方向の何れに当接するようにしてもよい。
【0095】
また基板ケースは通常第1ケース体33と第2ケース体34とを開閉可能に結合して構成されるが、3個以上のケース体を結合したものでもよいし、片側が開放した基板ケースの場合であれば、1個のケース体により構成したものでもよい。実施形態では基板ケース内に第1基板41と第2基板42とを収容しているが、内部の基板は1個でもよいし、3個以上でもよい。
【0096】
発熱性の電子部品37はLSI等の半導体素子が一般的であるが、半導体素子以外のものでもよい。ヒートシンク39は発熱性の電子部品37が矩形状のLSI等の半導体素子であれば、その電子部品37の形状に対応して矩形状のものを使用するが、必ずしも矩形状である必要はなく、電子部品37の形状に合わせて適宜形状のものを使用すればよい。その場合、第1ケース体33に形成される第1収容部62は、ヒートシンク39に対応する形状にすればよい。
【0097】
ヒートシンク39はハイブリッド型の場合には金属製の熱受入れ部71と、この熱受入れ部71がモールドされ且つ熱伝導性樹脂により形成された熱拡散部72とにより本体部82を構成し、その本体部82の熱拡散部72と一体に複数枚の熱伝導性樹脂製のフィン83を設けるのが一般的である。しかし、熱伝導性樹脂部であるヒートシンク39と一体に熱伝導性樹脂により位置決め手段80,81を成型できるのであれば、本体部82に他の構造を採用したハイブリッド型のものでもよい。またハイブリッド型以外の熱伝導性樹脂製のヒートシンク39でもよい。
【0098】
ヒートシンク39を取り付け台100を介して取り付ける場合にも、第1〜第5の実施形態に例示のような位置決め手段80,81を採用することも可能である。また位置決め手段80,81は第1ケース体33側の取り付け部位に対してヒートシンク39を位置決めできるものであれば、その形状、構造等は別段問題ではない。
【0099】
更に実施形態では本発明をパチンコ機に適用した場合を例示しているが、アレンジボール機等の弾球遊技機は勿論のこと、スロットマシンを含む各種遊技機においても同様に実施可能であることは云うまでもない。
【符号の説明】
【0100】
26 画像制御基板ケース
33 第1ケース体
34 第2ケース体
37 電子部品
39 ヒートシンク
41 第2基板
62 第1収容部(取り付け部)
80 第1位置決め手段
81 第2位置決め手段
91 位置決め突起
92 位置決め孔
100 取り付け台
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機、スロットマシン等の遊技機に関し、ヒートシンクを基板と基板ケースのケース体とで挟持するようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機、例えばパチンコ機では、遊技盤の遊技領域内に特別図柄始動手段、普通入賞手段、大入賞手段等が装着されると共に、その遊技領域の略中央に液晶表示手段等の画像表示手段が装着されており、特別図柄始動手段、普通入賞手段、大入賞手段等による遊技状態の変化に応じて画像表示手段の画像表示部に各種の演出画像を表示するようにしている。特別図柄始動手段、普通入賞手段、大入賞手段等による遊技動作を制御する主制御基板、画像表示手段に表示される演出画像を制御する画像制御基板は、夫々の基板ケースに収容されて遊技盤の裏側に装着されている。
【0003】
近年のパチンコ機では、高解像度の画像表示手段を採用し、画像情報を高速度で処理する処理能力の高いLSIその他の電子部品を採用する傾向にある。一方、処理能力の高いLSIその他の電子部品を採用した場合には、その発熱によるオーバーヒートを防止する必要がある。そこで、発熱し易い電子部品に当接する放熱用のヒートシンクと、冷却空気によりヒートシンクを冷却する冷却ファンとを設けて、電子部品を強制冷却するようにしている。
【0004】
ヒートシンク、冷却ファンを設けるに当たっては、冷却ファンをケース体の内側又は外側にネジにより固定し、熱伝導性シートを介して基板の電子部品に当接するヒートシンクを、この冷却ファンと前後に対向させて基板又はケース体にネジ等により固定している(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−150341号公報
【特許文献2】特開2009−76505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来はヒートシンクを基板又はケース体にネジにより固定しているため、基板をケース体に固定する工程の他に、ヒートシンクを基板又はケース体に固定する工程が必要になり、組み立て作業が非常に煩雑になるという欠点がある。
【0007】
そこで、ケース体の取り付け部にヒートシンクを嵌合させて位置決めし、その後にケース体に基板を固定するときに、ケース板と基板との間でヒートシンクを挟持して固定することが考えられている。この場合には、ヒートシンクを基板又はケース体にネジ止めする必要がなくなり、組み立て作業の能率化を図ることが可能である。
【0008】
しかし、取り付け部に対してヒートシンクを位置決めする位置決め手段をケース体側に設けるとすれば、ケース体の構造が非常に複雑になるという問題がある。特に近年は各種部品の再利用が進んでいるが、ヒートシンク等の内部部品に比べて、基板ケースは傷付き易い上に構造の変更等により再利用されることは少ない。このため基板ケースのケース体の構造が複雑になれば、部品を再利用しながらも製作コストが高騰することになり、生産性の向上を図ることができない。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、ヒートシンクのネジ止め等をなくして組み立て作業の能率化を図ることができると共に、基板ケースのケース体側の構造を簡素化でき、生産性の向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、発熱性の電子部品が装着された基板を基板ケース内に収容し、該基板ケースに、前記電子部品の熱を放熱するヒートシンクを備えた遊技機において、前記基板ケースの前記基板と対向して配置されたケース体の取り付け部、又は前記基板ケース内に前記基板と対向して配置された取り付け台の取り付け部と前記基板とにより前記ヒートシンクを挟持し、該ヒートシンクに、該ヒートシンクを前記取り付け部に対して位置決めする位置決め手段を設けたものである。
【0011】
前記ヒートシンクは熱伝導性樹脂により構成された熱伝導性樹脂部を少なくとも一部に有し、該熱伝導性樹脂部に、前記熱伝導性樹脂により一体に形成された前記位置決め手段を有するものが望ましい。また前記位置決め手段は前記ヒートシンクを前記電子部品側に押圧するようにしてもよい。前記位置決め手段は前記ヒートシンクの前記基板の板面方向の位置を決める位置決め部を有するものが望ましい。
【0012】
前記取り付け部は前記ヒートシンクのフィン側が嵌合する収容部を有し、前記位置決め手段は前記収容部内の前記ヒートシンクを位置決めするものでもよい。また前記位置決め手段は前記ケース体又は前記取り付け台側に突出する位置決め突起を有し、該位置決め突起が前記ケース体又は前記取り付け台の位置決め凹部又は位置決め孔に嵌合するものでもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ヒートシンクのネジ止め等をなくして組み立て作業の能率化を墓ことができると共に、基板ケースのケース体側の構造を簡素化でき、生産性の向上を図ることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すパチンコ機の正面図である。
【図2】同遊技盤の背面図である。
【図3】同画像制御基板ケースの分解斜視図である。
【図4】同画像制御基板ケースの縦断面図である。
【図5】同画像制御基板ケースの横断面図である。
【図6】同画像制御基板ケースのヒートシンク部分の縦断面図である。
【図7】同ヒートシンクの要部の背面図である。
【図8】同第1ケース体の正面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態を示すヒートシンク部分の正面図である。
【図10】同ヒートシンク部分の横断面図である。
【図11】同ヒートシンク部分の縦断面図である。
【図12】本発明の第3の実施形態を示すヒートシンク部分の横断面図である。
【図13】同ヒートシンクの要部の背面図である。
【図14】同ヒートシンクの斜視図である。
【図15】本発明の第4の実施形態を示すヒートシンク部分の縦断面図である。
【図16】同ヒートシンク部分の横断面図である。
【図17】本発明の第5の実施形態を示すヒートシンク部分の縦断面図である。
【図18】同ヒートシンク部分の横断面図である。
【図19】本発明の第6の実施形態を示す画像制御基板ケースの分解斜視図である。
【図20】同画像制御基板ケースの横断面図である。
【図21】同要部の拡大図である。
【図22】同ヒートシンク部分の縦断面図である。
【図23】同ヒートシンクの背面図である。
【図24】同取り付け台の斜視図である。
【図25】同取り付け台の正面図である。
【図26】本発明の第7の実施形態を示すヒートシンク部分の縦断面図である。
【図27】同ヒートシンク部分の正面図である。
【図28】本発明の第8の実施形態を示すヒートシンク部分の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図8はパチンコ機に具現化した本発明の第1の実施形態を例示する。図1において、1は遊技機本体で、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3は左端側の上下一対のヒンジ4を介して外枠2に着脱及び開閉自在に装着されている。
【0016】
前枠3の上部側には遊技盤5が例えば前側から着脱自在に装着されると共に、遊技盤5の前側にガラス扉6が、ガラス扉6の下側に隣接して前面開閉板7が夫々配置されている。ガラス扉6、前面開閉板7はヒンジ4と同一側のヒンジ(図示省略)により前枠3に開閉自在に枢支されている。前面開閉板7には、発射用の遊技球を貯留する貯留皿8と、発射手段(図示省略)を作動させるための発射ハンドル9等が前面に設けられている。なお、発射手段は発射ハンドル9を操作したときに貯留皿8から供給される遊技球を遊技盤5側へと発射するようになっている。
【0017】
遊技盤5の前側には、発射手段により発射された遊技球を案内するガイドレール10が環状に装着されると共に、そのガイドレール10内の遊技領域12には、画像表示手段13を備えたセンターケース14、通過ゲート15、開閉式入賞手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種遊技部品が装着されている。
【0018】
また遊技盤5の裏側には、図2に示すように、センターケース14等の遊技部品を後側から覆う裏カバー20と集球ケース21とが上下に配置されている。例えば、集球ケース21の背面側に主制御基板22が格納された主制御基板ケース23が着脱自在に装着され、裏カバー20の背面側に演出制御基板24が格納された演出制御基板ケース25と、画像制御基板26が格納された画像制御基板ケース27とが着脱自在に装着されている。
【0019】
なお、主制御基板22はゲーム中の全体の遊技動作を統括的に制御し、また画像制御基板26は画像表示手段13に表示される演出画像を制御し、更に演出制御基板24は画像表示手段13の周辺に配置された可動演出手段(図示省略)の演出動作、遊技盤5側その他の演出ランプの演出発光、スピーカの効果音等を制御するようになっている。
【0020】
集球ケース21は開閉式入賞手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等に入賞して遊技盤5の裏側に案内された遊技球を集めて排出口28から回収通路(図示省略)側へと案内するためのもので、裏カバー20の下側に近接して配置され、遊技盤5の裏側に着脱自在に固定されている。
【0021】
集球ケース21の背面側には、例えば図2に示すように、その略中央に主制御基板ケース23を着脱自在に装着可能な主制御基板ケース装着部30が設けられている。また主制御基板ケース装着部30の一側には、前枠3側の枠側ジョイント部(図示省略)に対応する盤側ジョイント部31が設けられており、遊技盤5を前枠3に装着したときに前枠3側の枠側ジョイント部(図示省略)の前側に対向して、その盤側ジョイント部31が枠側ジョイント部の各枠側コネクタ(図示省略)に着脱自在に接続する。
【0022】
画像制御基板ケース27は前後に扁平な縦長略矩形状であって、図3〜図8に示すように、例えば透明な合成樹脂製の第1ケース体33と第2ケース体34とが係合手段35と封止手段36とを介して開閉可能に結合されている。画像制御基板ケース27内には、LSIその他の発熱性の電子部品37が裏面側に装着された画像制御基板26と、その電子部品37の放熱用のヒートシンク39とが収容され、またヒートシンク39と画像制御基板26の板面方向に並べて冷却ファン40が配置されている。
【0023】
画像制御基板26は画像制御側を構成する第1基板41と中継又はインターフェース側を構成する第2基板42とにより構成されている。第1基板41、第2基板42は対向端部が所定の間隔で前後に積層された第1ケース体33内に上下に配置されている。第2基板42は第1ケース体33の取り付けボス43にネジにより固定されている。第1基板41は第1ケース体33の取り付けボス44、位置決め突起45、取り付けボス44に螺合するネジ46等により固定されている。第1基板41、第2基板42の積層部分では、第1基板41用の取り付けボス44、位置決め突起45が第2基板42の通孔に挿通されている。なお、第1基板41、第2基板42は重合しないように配置してもよい。
【0024】
第1基板41の裏面側にはLSI等の発熱性の電子部品37、コネクタ47等が装着され、また第2基板42の裏面には左右両側に外部接続用コネクタ48が、その中間にコネクタ47と接続するコネクタ49とその他の電子部品(図示省略)とが夫々装着されている。なお、電子部品37は薄い偏平状であって、第1基板41からの突出量は小さくなっている。また第1基板41、第2基板42はコネクタ47,49を介して電気的に接続されている。
【0025】
第1ケース体33は前側が開放する縦長矩形状であって、図3、図4に示すように背壁50と、この背壁50の外周に一体に形成された外周壁51とを有し、この第1ケース体33内に第1基板41と第2基板42とが積層状に収容されている。第2ケース体34は蓋を構成する縦長矩形状で、前壁52と、この前壁52の外周に一体に形成された内周壁53とを有し、その内周壁53が第1ケース体33の外周壁51内に嵌合している。
【0026】
係合手段35は第2ケース体34の内周壁53の上側に設けられた被係合部55と、第1ケース体33の外周壁51の上側に設けられ且つ被係合部55が係脱自在に係合する係合部56とを有する。封止手段36は第2ケース体34の内周壁53の下側に設けられた封止突部57と、第1ケース体33の外周壁51下に設けられ且つ両ケース体33,34を閉じた状態で封止突部57が離脱不能に係合する封止部58とを有し、両ケース体33,34を開放すべく封止部58側を切断したときに、その封止部58に切断痕が残るようになっている。係合手段35、封止手段36は左右両端部に設けられている。なお、係合手段35、封止手段36はケース体33,34に対して上下逆に設けてもよいし、画像制御基板ケース27が左右方向に長い場合には、左右両側で上下両端部に設けてもよい。また係合手段35、封止手段36は1個でもよい。
【0027】
第1ケース体33の背壁50には、第2基板42に当接する段部60が設けられ、その各段部60に各外部接続用コネクタ48が臨むコネクタ口61が形成されている。そのコネクタ口61に第2基板42の外部接続用コネクタ48が嵌合している。
【0028】
第1ケース体33の背壁50には、図3〜図6、図8に示すように、上下方向の中間のヒートシンク39用の第1収容部(取り付け部)62と冷却ファン40用の第2収容部63とが左右に並べて内外逆向きに設けられ、その第1収容部62にヒートシンク39が、第2収容部63に冷却ファン40が夫々嵌合し保持されている。
【0029】
第1ケース体33の背壁50には、冷却ファン40用の第2収容部63の底壁64に複数個の排気口65が、その第2収容部63の底壁64を除く略全域に多数の吸気口66が夫々形成されている。
【0030】
また画像制御基板ケース27内には、図8に示すように、第1基板41と第1ケース体33の背壁50との間に、各吸気口66から排気口65に至る迷路状の冷却通路67〜69が背壁50の略全域に対応して設けられており、吸気口66から吸気した冷却空気をこの冷却通路67〜69を経て排気口65から排気することにより、画像制御基板ケース27内を強制的に冷却するようになっている。
【0031】
冷却通路67〜69は画像制御基板ケース27内の中間に形成された排気通路67と、この排気通路67の両側に形成された吸気通路68と、各吸気通路68を排気通路67に接続する吸気兼用の連通路69とを有し、背壁50に一体の隔壁70等により区画されている。
【0032】
排気通路67は上下方向の中間に左右方向に配置され、この排気通路67と上下の吸気通路68との間に、両者を区画する隔壁70が左右方向に設けられている。排気通路67は第1ケース体33の左右方向の一端側から他端側に伸びており、その他端側に上下の吸気通路68を排気通路67に接続する連通路69が上下方向に設けられている。
【0033】
なお、各吸気通路68と連通路69との間では、隔壁70に切り欠き部70aが設けられている。隔壁70は第1基板41に当接してもよいが、この実施形態では図4に示すように隔壁70と第1基板41との間に隙間を設けて、隔壁70で排気通路67と吸気通路68とを概ね区画する程度とし、隔壁70と第1基板41との隙間を経て吸気通路68から排気通路67への冷却空気の若干の移動を許容するようにしている。勿論、隔壁70を第1基板41に当接又は近接させて、この隔壁70により排気通路67と吸気通路68との間を略遮断してもよい。
【0034】
冷却ファン40用の第2収容部63は、図3〜図5、図8に示すように、排気通路67の連通路69と反対側の下手側の端部で第1ケース体33の背壁50に設けられており、この第2収容部63と連通路69との間の上手側にヒートシンク39用の第1収容部62が配置されている。従って、第1ケース体33の左右両側に第2収容部63と連通路69とが配置され、その間に第1収容部62が配置されている。
【0035】
第2収容部63は図3、図5、図8に示すように、背壁50にその裏側から第1基板41側へと凹入状に形成され、底壁64に略同心円状に円弧状の排気口65が設けられている。また第2収容部63には裏側から冷却ファン40が嵌合され、底壁64にネジ等により着脱自在に固定されている。
【0036】
冷却ファン40はハウジング74と、このハウジング74内に回転自在に配置された周方向に複数枚の回転羽根75と、ハウジング74の中央に装着され且つ回転羽根75を内周側から駆動する駆動モータ76とを備え、排気通路67からの冷却空気を排気口65を経て後方に排気するようになっている。
【0037】
第1収容部62は図3、図5、図6、図8に示すように、第1ケース体33の背壁50から前側に突出する上下の隔壁70と、この上下の隔壁70間で背壁50から前側に突出する左右の隔壁77,78と、底壁79とを有し、その隔壁70,77,78にヒートシンク39の後部側が位置決め手段80,81を介して前側から嵌合し保持されている。なお、第1収容部62はヒートシンク39の後部が隔壁70,77,78等の保持壁間に嵌合するものであればよく、例えば背壁50から凹入する保持壁、又は背壁50から突出する保持壁により外周が取り囲まれた嵌合凹部により構成してもよい。
【0038】
ヒートシンク39はアルミ等の熱伝導性金属と熱伝導性ゴム等の熱伝導性樹脂とを併用したハイブリッド型であって、図3、図5〜図8に示すように、電子部品37に熱伝導層84を介して当接する矩形状の本体部82と、この本体部82の一側面から突出し且つ排気通路67内の冷却空気の流れに沿って横方向に配置された上下方向に複数個(多数)のフィン83とを備え、そのフィン83側が位置決め手段80,81を介して第1収容部62に前側から着脱自在に嵌合され、第1ケース体33の背壁50と第1基板41との間で挟持されている。熱伝導性樹脂としてはPA6、PA12、PET、PBT、PC、PPS、LCPの材料が使用可能である。また熱伝導性樹脂には適度な弾性を有するものが使用されている。
【0039】
熱伝導層84は電子部品37とヒートシンク39の本体部82との隙間を防止して電子部品37からヒートシンク39への熱伝導が良くなるように、シリコンゴム系の熱伝導シートにより構成されている。
【0040】
本体部82はアルミ等の熱伝導性金属により電子部品37に対応して板状に構成され且つ電子部品37からの熱を受入れる熱受入れ部71と、この熱受入れ部71をモールドして形成された熱伝導性樹脂により形成され且つ熱受入れ部71からの熱を面方向に拡散する熱拡散部72とを備え、その熱拡散部72に熱伝導性樹脂により多数のフィン83が一体に形成されている。従って、この実施形態のヒートシンク39では、熱拡散部72及びフィン83が熱伝導性樹脂により構成された熱伝導性樹脂部となっている。
【0041】
この実施形態での位置決め手段80,81には、図3、図5〜図8に示すように、ヒートシンク39の第1基板41に沿う板面方向の位置を決める第1位置決め手段80と、ヒートシンク39の本体部82が第1基板41の電子部品37に当接するようにヒートシンク39の第1基板41の板厚方向の位置を決める第2位置決め手段81とがあり、その各位置決め手段80,81は熱伝導性樹脂により、熱伝導性樹脂部であるヒートシンク39と一体に形成されている。
【0042】
第1位置決め手段80は複数枚のフィン83の内、両端のフィン83aの板厚方向の外側に一体に設けられた補強兼用のリブ状の位置決め部85と、フィン83の長手方向の両端に設けられた位置決め部86とにより構成されている。位置決め部85は第1ケース体33の第1収容部62の上下両側の各隔壁70の内面に、位置決め部86は第1ケース体33の第1収容部62の左右両側の隔壁77,78の内面に夫々当接して、ヒートシンク39の上下及び左右方向の位置を決めるようになっている。
【0043】
位置決め部85は上下両側のフィン83aの長手方向の両端側に、その本体部82からフィン83aの先端側に跨がって突出方向に設けられている。位置決め部86は上下両側のフィン83aを他のフィン83よりも長手方向の両側に突出させて設けられている。なお、位置決め部85はフィン83aの長手方向の中間部に1個又は複数個設けてもよいし、位置決め部86は複数枚のフィン83の内、その一部又は全部に設けてもよいし、一部の場合には中間のフィン83に設けてもよい。また各位置決め部85,86の先端側には、ヒートシンク39を第1収容部62に嵌合し易くする傾斜案内面85a,86aが設けられている。
【0044】
第2位置決め手段81は複数枚のフィン83の内、上下両側のフィン83aの長手方向の両端部に設けられ且つ第1収容部62の底壁79に弾性的に押圧する弾性押圧部87を有し、この弾性押圧部87によりヒートシンク39を第1基板41の電子部品37側に押圧するようになっている。弾性押圧部87は基部側がフィン83aと一体のリブ状の位置決め部85に一体に形成され、先端がフィン83よりも底壁79側に突出している。なお、位置決め部85間には、弾性押圧部87の基部側と略対応する高さでフィン83aと一体に補強部88が設けられている。弾性押圧部87は両側のフィン83aの長手方向の中間に設けてもよいし、隣り合う複数枚のフィン83間に跨がって設けてもよい。
【0045】
第1収容部62の外周近傍には、図8に示すように、周方向に複数個の取り付けボス44と位置決め突起45とが配置され、その取り付けボス44と位置決め突起45とを介して第1基板41が第1ケース体33に固定されている。取り付けボス44は第1収容部62の一方の対角線方向の両端に、位置決め突起45は第1収容部62の他方の対角線方向の両端に夫々配置され、上下両側の隔壁70と一体に設けられている。第1基板41は位置決め突起45により位置決めされ、取り付けボス44に螺合するネジ46により固定されている。
【0046】
この実施形態では、冷却ファン40が作動すれば、画像制御基板ケース27内の上下の吸気通路68から連通路69、排気通路67を経て冷却空気が流れて、その冷却空気によりヒートシンク39を介して電子部品37を強制的に空気冷却することが可能であるので、画像制御基板ケース27内の第1基板41に発熱性の電子部品37があるにも拘わらず、その電子部品37の発熱によるオーバーヒートを防止できる。
【0047】
即ち、冷却ファン40が作動すると、画像制御基板ケース27内の排気通路67内の空気が冷却ファン40により排気口65を経て外部に排気されるので、画像制御基板ケース27内が負圧となり、第1ケース体33の背壁50に形成された多数の吸気口66を経て外気が画像制御基板ケース27内へと吸気される。
【0048】
そして、画像制御基板ケース27内に入った冷却空気は、上下の吸気通路68に沿って横方向に流れた後、連通路69を経て排気通路67に合流しながら、ヒートシンク39のフィン83に沿って横方向へと流れて排気口65から外部へと排気されて行く。勿論、一部の冷却空気は隔壁70と第1基板41との隙間を経て吸気通路68から排気通路67へと流れることもある。
【0049】
このようにヒートシンク39と冷却ファン40とを第1基板41の板面方向に並べて配置することにより、冷却ファン40の回転により吸気口66から吸気された冷却空気がヒートシンク39を通過して流れる構成を採る限り、排気口65によって決まる排気位置に対して吸気位置が板面方向に離れるので、第1ケース体33の背壁50の広範囲に配置された各吸気口66から満遍なく外気を吸気することができる。このため画像制御基板ケース27内の略全体に冷却空気が流通することになり、画像制御基板ケース27内での局部的な熱のこもり等を防止することができる。
【0050】
特に排気通路67の上下に吸気通路68を配置し、その各吸気通路68を連通路69を経て排気通路67に接続することにより、画像制御基板ケース27の略全体にわたって冷却通路67〜69を配置できるので、局部的な熱のこもりを防止できる。また画像制御基板ケース27の第1ケース体33の端部近傍に排気口65を設け、この排気口65に対応して冷却ファン40を配置することにより、画像制御基板ケース27内に吸気通路68、排気通路67を含む冷却通路67〜69を設けるに当たっても、排気口65が背壁50の略中央に位置する場合等に比して、その冷却通路67〜69を画像制御基板ケース27の全域にわたって容易に配置することができる。
【0051】
また第1基板41の電子部品37に当接させる必要のあるヒートシンク39は第1ケース体33の内側面に形成された第1収容部62に配置し、冷却ファン40は第1ケース体33の外側面に形成された第2収容部63に配置しているので、冷却ファン40を通過した後の冷却空気が画像制御基板ケース27内を循環することがなく、画像制御基板ケース27内での熱のこもり等を防止できる。
【0052】
基板41,42を収容する画像制御基板ケース27の組み立てに際しては、第1ケース体33の背壁50の第1収容部62内にヒートシンク39のフィン83側を嵌め込んで、そのヒートシンク39に一体の位置決め手段80,81により位置決めしながら、第1ケース体33と第1基板41との間でヒートシンク39を挟持して固定する。
【0053】
この場合、先ず第1位置決め手段80の上下の位置決め部85を上下の隔壁70間に、左右の位置決め部86を左右の隔壁77,78間に合わせて第1収容部62内へと押し込む。すると各位置決め部85,86の先端側には傾斜案内面85a,86aがあり、しかもフィン83a、位置決め部85,86が適度な弾性を有する熱伝導性樹脂製であるため、傾斜案内面85a,86aの傾斜に沿って摺動しながら各位置決め部85,86が上下両側の隔壁70間、左右両側の隔壁77,78間に嵌まり込み、ヒートシンク39を第1収容部62に対して上下方向、左右方向に位置決めすることができる。
【0054】
ヒートシンク39を第1収容部62に収めた後、取り付けボス43、段部60等を介して第1ケース体33内に第2基板42を取り付ける。そして、電子部品37を熱伝導層84を介してヒートシンク39の本体部82に当接させた後、同様に取り付けボス44、ネジ46等を介して第1ケース体33内に第1基板41を取り付ける。
【0055】
このとき第1基板41をネジ46等で第1ケース体33に固定すると、第1基板41と第1ケース体33の背壁50との間でヒートシンク39が挟持されるので、ヒートシンク39は第2位置決め手段81の弾性押圧部87により第1基板41側へと押圧され、その本体部82の熱受入れ部71が熱伝導層84を介して電子部品37に圧接する位置にヒートシンク39を位置決めすることができる。
【0056】
第1基板41を第1ケース体33に固定した後、第1ケース体33と第2ケース体34とを係合手段35、封止手段36を介して閉状態に結合する。なお、冷却ファン40は第1ケース体33の第2収容部63内に外側から取り付けるが、駆動モータ76を第2基板42等に接続するのであれば、両ケース体33,34を結合する前の何れかの時点で取り付ければよい。
【0057】
このように第1ケース体33の第1収容部62にヒートシンク39をセットした後、この第1ケース体33に第1基板41を固定して、第1ケース体33と第1基板41との間でヒートシンク39を挟持すれば、従来のようにヒートシンク39を第1ケース体33又は第1基板41にネジ止めする工程が不要になり、第1ケース体33と第2ケース体34とを結合して構成される画像制御基板ケース27内にヒートシンク39、第1基板41、第2基板42等の多数の部品を収容しているにも拘わらず、その組み立て作業を容易に行うことができる。また分解してヒートシンク39を再利用する場合にも、第1基板41を取り外した後、第1ケース体33の第1収容部62からヒートシンク39を抜き取ればよいので、分解時の作業も容易にできる。
【0058】
またヒートシンク39はその本体部82が第1基板41の電子部品37に当接する位置に固定する必要があり、第1ケース体33の第1収容部62に嵌合するヒートシンク39を位置決め手段80,81により位置決めしているが、その位置決め手段80,81をヒートシンク39に設けているため、第1ケース体33の第1収容部62の構造を簡素化することができ、低コストでの生産性の向上を図ることができる。
【0059】
即ち、再利用される可能性の高いヒートシンク39側に位置決め手段80,81を設けることによって、再利用される可能性の低い第1ケース体33の構造を簡素化できる。またヒートシンク39は熱伝導性金属と熱伝導性樹脂とを併用したハイブリッド型であり、その熱伝導性樹脂部に熱伝導性樹脂により一体に位置決め手段80,81を設けているので、ヒートシンク39を製作するに際しても、熱伝導性樹脂による金型成型等によって比較的容易に製作することが可能である。従って、組み立て、分解作業が容易であることと相俟って、容易に生産性を向上させることができる。
【0060】
また第1位置決め手段80と第2位置決め手段81とがあり、これらによりヒートシンク39を第1収容部62に対して板面方向及び板厚方向に位置決めしているので、第1ケース体33と第1基板41との間で挟持するだけでヒートシンク39を適正位置に位置決めすることができる。しかも第2位置決め手段81はその弾性押圧部87によりヒートシンク39を第1基板41側に付勢する構成であるため、ヒートシンク39の熱受入れ部71側を熱伝導層84を介して電子部品37に確実に接触させることができる。このためヒートシンク39により電子部品37を効率的に冷却することができる。
【0061】
図9〜図11は本発明の第2の実施形態を例示する。この実施形態では、第1収容部62は背壁50から突出する隔壁70,77,78等を備えた嵌合凹部により構成されている。またヒートシンク39には、第1位置決め手段80の位置決め部85,86が熱伝導性樹脂により一体に設けられている。第1位置決め手段80には、複数枚のフィン83のうち、その上下両側のフィン83aの外側面に設けられた位置決め部85と、中間のフィン83又は両側のフィン83aに設けられた位置決め部86とを有し、その各位置決め部85,86が相対応する上下両側の隔壁70、左右両側の隔壁77,78間に夫々摺動自在に嵌合している。なお、位置決め部85は両側のフィン83aの外側面に断面凸状に形成され、また位置決め部86は他のフィン83よりも長手方向の両側に突出して形成されている。
【0062】
第2位置決め手段81は位置決め部85の先端の突出部85cにより構成されている。この突出部85cは他の各フィン83の先端部よりも突出しており、適度な弾性で第1ケース体33の背壁50に当接することにより、ヒートシンク39を第1基板41の電子部品37に押圧するようになっている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0063】
この実施形態のように位置決め部の内、その位置決め部85の先端に突出部85cを設けて第2位置決め手段81としてもよい。このようにすれば、ヒートシンク39側の構造も簡素化することが可能である。なお、フィン83から長手方向に突出する位置決め部86に、背壁50側に突出する突出部を設けてもよい。また各位置決め部85,86に突出部を設けてもよい。
【0064】
図12〜図14は本発明の第3の実施形態を例示する。この実施形態では、ヒートシンク39の略四隅、例えば複数枚のフィン83の内、その両側のフィン83aの長手方向の両端部に位置決め手段80,81が設けられている。各位置決め手段80,81は、フィン83aの先端側外側面に一体に形成された支持部89と、この支持部89とフィン83aとに跨がって一体に形成された補強部90とを有し、その支持部89に第1ケース体33側に突出する位置決め突起91と弾性押圧部87とが設けられている。
【0065】
位置決め突起91は第1位置決め手段80を構成するもので、第1ケース体33の背壁50に対して略垂直に突出しており、第1ケース体33の嵌合部を構成する位置決め孔92又は位置決め凹部に係脱自在に係合している。なお、位置決め突起91は支持部89を挟んで補強部90と対応している。弾性押圧部87は第2位置決め手段81を構成するもので、支持部89からフィン83の長手方向に沿って斜めに傾斜状に突出しており、その先端部87aが第1ケース体33の背壁50に当接してヒートシンク39を第1基板41側に付勢するようになっている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0066】
この実施形態では、第1ケース体33にヒートシンク39、第1基板41を組み付ける場合には、次のようにして行う。先ずヒートシンク39の四隅の第1位置決め手段80の位置決め突起91を第1ケース体33の背壁50の位置決め孔92に挿入する。これによって第1ケース体33の背壁50に対してヒートシンク39を板面方向に位置決めすることができる。
【0067】
次に第1ケース体33と第1基板41とによりヒートシンク39を挟持するように、第1基板41を第1ケース体33にネジ46等により固定すると、弾性押圧部87が第1ケース体33の背壁50に圧接するため、ヒートシンク39を第1基板41側に押圧して位置決めすることができる。
【0068】
従って、この場合には第1ケース体33の背壁50側に、ヒートシンク39の位置決め突起91に対応して位置決め孔92又は位置決め凹部を形成しておけばよく、全体として第1収容部62を構成する周壁等を設ける必要がないので、第1ケース体33側の構造を更に簡素化することができる利点がある。
【0069】
なお、この実施形態では、位置決め突起91及び弾性押圧部87を支持部89に設けているが、位置決め突起91と弾性押圧部87とは別々にフィン83a等に設けてもよい。また位置決め突起91の数、弾性押圧部87の数は4個に限定されるものではなく、必要に応じて任意に設ければよい。
【0070】
図15、図16図は本発明の第4の実施形態を例示する。この実施形態では、第1位置決め手段80の位置決め突起91、補強部90は上下両側のフィン83aの長手方向の両端側にその高さ方向に略直線状に設けられて、その先端の位置決め突起91が第1ケース体33の位置決め孔92又は位置決め凹部に嵌合している。複数枚のフィン83の内、位置決め突起91を有するフィン83aの近傍のフィン83bは、他のフィン83,83aよりも先端が突出しており、その突出部93はフィン83を構成する熱伝導性樹脂の弾性により第1ケース体33の背壁50に当接するようになっている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0071】
この場合には、位置決め突起91を位置決め孔92に挿入すると、フィン83bの突出部93が第1ケース体33の背壁50に当接するので、そのフィン83bの弾性力により本体部82を第1基板41の電子部品37に当接させることができる。従って、ヒートシンク39側の位置決め手段80,81の構造を更に簡素化することができる。
【0072】
図17、図18は本発明の第5の実施形態を例示する。この実施形態では、複数枚のフィン83は熱伝導性樹脂によりジグザグ状に屈曲形成されている。両側のフィン83は先端側に内向きに屈曲する屈曲部94を有し、その各屈曲部94が上下の隔壁70間に挿入されるようになっている。各フィン83の長さは、左右両側の隔壁77,78間の間隔より若干大であり、その長手方向の両端にはその近傍のスリット95を介して弾性部96が形成されている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0073】
この実施形態では、ヒートシンク39のフィン83側を第1収容部62に挿入すると、その上下両側のフィン83が屈曲部94を介して上下の隔壁70間に入り、また長手方向の両端の弾性部96が左右の隔壁77,78間に入るので、これによって第1収容部62内でヒートシンク39を位置決めできる。そして、ジグザグ状のフィン83の弾性に抗して第1基板41を第1ケース体33に固定すればよい。この場合には位置決め手段80,81を含むヒートシンク39の構造が簡単になる他、フィン83がジグザグ状であるため、フィン83の表面積が大になり冷却効果が更に向上する利点がある。
【0074】
図19〜図25は本発明の第6の実施形態を例示し、この実施形態では第1基板41の第1ケース体33側に取り付け台100が固定され、この取り付け台100の前後両側にヒートシンク39と冷却ファン40とが取り付けられている。取り付け台100はヒートシンク39を収容する第1収容部62と、冷却ファン40を収容する第2収容部63と、第1収容部62内に連通し且つ第2収容部63の左右両側に開口する左右一対の冷却ダクト101と、これらにより第2収容部63から第1収容部62を経て左右の冷却ダクト101内に跨がって形成された冷却通路102とを一体に備え、第1基板41の裏側に着脱自在に固定されている。冷却通路102は収容部62,63、冷却ダクト101によって、画像制御基板ケース27内の基板収容室103から分離されている。
【0075】
第1収容部62、第2収容部63は図20、図22、図24、図25に示すように連通口104を有する仕切り壁105を挟んで両側に逆向き開口状に設けられており、その第1収容部62の左右の側壁106から第2収容部63の左右両側に一対の冷却ダクト101が設けられ、これらにより冷却通路102が形成されている。
【0076】
取り付け台100には第1収容部62側の外周壁107の上下両側から後方に突出する取り付けボス108、位置決め突起109等が設けられ、この取り付けボス108、位置決め突起109及びネジ110を介して取り付け台100が第1基板41に着脱自在に固定されている。
【0077】
第1収容部62にはヒートシンク39が第1基板41側から着脱自在に挿入され収容されている。ヒートシンク39は第1の実施形態と同様に本体部82と、複数枚のフィン83とを有し、本体部82の熱拡散部72とフィン83とが熱伝導性樹脂により一体に形成され、第1収容部62内で位置決め手段80により位置決めされている。
【0078】
位置決め手段80は図20〜図23に示すように、上下両側のフィン83aの長手方向の両端部にスリット111を介して設けられた弾性部112を有する。弾性部112はフィン83の長手方向、厚さ方向及び高さ方向に弾性変形可能であって、他のフィン83よりも長手方向の外側に突出する傾斜案内部112aと、フィン83aよりも厚さ方向(上下方向)の外側に突出する傾斜案内部112bと、各フィン83,83aの先端よりも高さ方向に突出する突出部112cとを有し、傾斜案内部112a,112bによりヒートシンク39を板面方向に位置決めし、突出部112cによりヒートシンク39を電子部品37に押圧するようになっている。
【0079】
なお、取り付け台100には、冷却ファン40のハーネスを上側から一側を経て第1基板41又は第2基板42のコネクタに接続する際に、そのハーネスが第1基板41に接触するのを防止するために掛け部113,114と押え部115がその第1ケース体33の背壁50側に設けられている。掛け部113は取り付け台100の上側に、掛け部114は取り付け台100の一側に夫々配置され、これらにハーネスを引っ掛けて止めるようになっている。押え部115は取り付け台100の一側に配置され、掛け部114に掛けられたハーネスを第1ケース体33の背壁50側に押えるようになっている。
【0080】
第1ケース体33の背壁50には、第2収容部63の後端部が嵌合する第1凹部116と、冷却ダクト101の後端部が嵌合する第2凹部117とが設けられ、その第1凹部116内に第2収容部63内の冷却ファン40に対応する吸気口66が、第2凹部117内に冷却ダクト101の冷却通路102に対応する排気口65が夫々設けられている。
【0081】
なお、第1ケース体33の背壁50には、取り付け台100に対応する部分を除く領域に必要に応じて多数の放熱口118が設けられ、各基板40,41に装着された他の電子部品37等からの発熱をその放熱口118を経て放熱するようになっている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0082】
この実施形態において、画像制御基板ケース27を組み立てる際には、先ず取り付け台100の第2収容部63に冷却ファン40を挿入して固定し、次に取り付け台100の第1収容部62内にヒートシンク39をフィン83側から挿入する。このとき上下両側のフィン83の長手方向の両端の弾性部112を第1収容部62に挿入すると、傾斜案内部112a及び傾斜案内部112bにより案内されながら弾性部112が屈曲して第1収容部62内に入り、ヒートシンク39を板面方向に位置決めすることができる。
【0083】
その後、取り付け台100の位置決め突起109を第1基板41の位置決め孔92に挿入して、第1収容部62内のヒートシンク39の本体部82が第1基板41の電子部品37に対応するように、取り付け台100を第1基板41に対して位置決めした後、第1基板41側からネジ110を取り付けボス108に螺合して、取り付け台100を第1基板41に固定する。このときヒートシンク39の弾性部112の突出部112cが仕切り壁105に当接し、弾性部112が取り付け台100と第1基板41との間で圧縮されるので、ヒートシンク39の本体部82を電子部品37に圧接させることができる。
【0084】
次に第2基板42を第1ケース体33内に取り付けた後、第1基板41を第1ケース体33内に取り付ける。この第1基板41の取り付けに際しては、先ず第1ケース体33の位置決め突起45により第1基板41を位置決めして、取り付け台100の第2収容部63、冷却ダクト101を第1ケース体33の背壁50の第1凹部116、第2凹部117に夫々嵌合するように、第1基板41を第1ケース体33に対して固定する。これによって第1ケース体33の吸気口66が冷却ファン40のハウジング74内に連通し、また第1ケース体33の排気口65が冷却ダクト101内の冷却通路102に連通する。
【0085】
この実施形態では、冷却ファン40が作動すれば吸気口66から外気を冷却通路102内に吸気し、その冷却通路102内を流れる冷却空気によりヒートシンク39を冷却するため、第1基板41に発熱性の電子部品37があるにも拘わらず、その冷却空気によりヒートシンク39を介して電子部品37を強制的に空気冷却することが可能であり、電子部品37の発熱によるオーバーヒートを防止できる。
【0086】
即ち、冷却ファン40が作動すると、画像制御基板ケース27の外部の空気が吸気口66を経て第1収容部62へと吸気され、その冷却空気がヒートシンク39のフィン83に吹き付けられるので、その冷却空気によりヒートシンク39を介して電子部品37を強制冷却することができる。そして、ヒートシンク39の本体部82に衝突してフィン83から熱を吸収した冷却空気は、左右の冷却ダクト101を経て排気口65から外部へと排気されて行く。
【0087】
従って、吸気口66から冷却通路102へと吸入された冷却空気は、画像制御基板ケース27内の基板収容室103から分離された冷却通路102を経て排気口65から画像制御基板ケース27の外部へと排気されるので、鉄粉等を含む塵埃が発生し易い環境下であっても、冷却空気と共に吸い込まれた鉄粉等を含む塵埃の基板収容室103内への侵入を未然に防止でき、基板の表面への付着等を極力抑えることができる。
【0088】
図26、図27は本発明の第7の実施形態を例示する。この実施形態では、自然放熱型のヒートシンク39により電子部品37を冷却するようにしたものである。第1ケース体33の背壁50には、嵌合受け部119と、この嵌合受け部119内に形成された開口部120とを有する取り付け部121が設けられている。ヒートシンク39はその本体部82の外周縁に所定間隔をおいて設けられ且つ前後方向に弾性を有する弾性部112が嵌合受け部119に嵌合され、また複数枚のフィン83が開口部120から外側に突出している。なお、この実施形態では、フィン83及び弾性部112により位置決め手段80が構成されている。
【0089】
この場合には、ヒートシンク39のフィン83を開口部120に嵌合することにより第1基板41の板面方向の位置が決まり、また第1基板41をネジ等で第1ケース体33に固定したときに、第1ケース体33と第1基板41との間でヒートシンク39を挟持して固定することになる。このとき第1基板41の電子部品37が弾性部112よりも内側でヒートシンク39の本体部82を押圧するため、弾性部112の弾性力により本体部82を電子部品37に圧接させることができる。
【0090】
またヒートシンク39は本体部82の熱受入れ部71を経て電子部品37の熱を受け入れた後、熱拡散部72を経て各フィン83へと拡散させて、開口部120から第1ケース体33の外側に突出する各フィン83を経て大気中に放熱することができる。従って、ヒートシンク39の自然放熱によっても電子部品37を冷却することが可能である。
【0091】
図28は本発明の第8の実施形態を例示する。この実施形態では、ヒートシンク39の本体部82は第1ケース体33の開口部120を塞ぐ大きさであり、その開口部120に複数枚のフィン83が嵌合している。本体部82の外周には第1ケース体33の開口部120の外周側で背壁50に当接する弾性部112が設けられ、また電子部品37は弾性部112よりも内周側で本体部82に当接している。弾性部112は断面L字状であって、本体部82の外周縁に沿って長手方向に所定間隔をおいて複数設けられている。他の構成は第7の実施形態と同様である。
【0092】
このように本体部82の大きさを開口部120と同等か又は若干大にすれば、第1ケース体33の開口部120にヒートシンク39のフィン83を嵌合させているにも拘わらず、ヒートシンク39の本体部82によって開口部120を内側から塞ぐことができる。このため開口部120を経て画像制御基板ケース27内に不正部材を挿入して第1基板41等に不正工作を施す等の不正行為を未然に防止することができる。なお、開口部120の外周で第1ケース体33とヒートシンク39の本体部82との間に凹凸状の不正行為阻止迷路を全周に設けてもよい。
【0093】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では基板ケースとして画像制御基板ケース27を例示しているが、発熱性の電子部品37が装着された基板を収容する基板ケースであれば、画像制御基板ケース27以外の各種の基板ケースでも同様に実施可能である。
【0094】
基板ケースは縦方向の取り付け箇所に縦長状に装着する他、縦方向の取り付け箇所に横長状に装着しても良いし、水平方向の取り付け箇所の上面又は下面に前後又は左右方向に装着しても良い。従って、基板と、その基板に装着された発熱性の電子部品37は、各実施形態に例示するように前後方向に当接する他、基板ケースの第1ケース体33と第2ケース体34との分割方向、そのケース体に対する基板の取り付け状態等に応じて上下方向、左右方向の何れに当接するようにしてもよい。
【0095】
また基板ケースは通常第1ケース体33と第2ケース体34とを開閉可能に結合して構成されるが、3個以上のケース体を結合したものでもよいし、片側が開放した基板ケースの場合であれば、1個のケース体により構成したものでもよい。実施形態では基板ケース内に第1基板41と第2基板42とを収容しているが、内部の基板は1個でもよいし、3個以上でもよい。
【0096】
発熱性の電子部品37はLSI等の半導体素子が一般的であるが、半導体素子以外のものでもよい。ヒートシンク39は発熱性の電子部品37が矩形状のLSI等の半導体素子であれば、その電子部品37の形状に対応して矩形状のものを使用するが、必ずしも矩形状である必要はなく、電子部品37の形状に合わせて適宜形状のものを使用すればよい。その場合、第1ケース体33に形成される第1収容部62は、ヒートシンク39に対応する形状にすればよい。
【0097】
ヒートシンク39はハイブリッド型の場合には金属製の熱受入れ部71と、この熱受入れ部71がモールドされ且つ熱伝導性樹脂により形成された熱拡散部72とにより本体部82を構成し、その本体部82の熱拡散部72と一体に複数枚の熱伝導性樹脂製のフィン83を設けるのが一般的である。しかし、熱伝導性樹脂部であるヒートシンク39と一体に熱伝導性樹脂により位置決め手段80,81を成型できるのであれば、本体部82に他の構造を採用したハイブリッド型のものでもよい。またハイブリッド型以外の熱伝導性樹脂製のヒートシンク39でもよい。
【0098】
ヒートシンク39を取り付け台100を介して取り付ける場合にも、第1〜第5の実施形態に例示のような位置決め手段80,81を採用することも可能である。また位置決め手段80,81は第1ケース体33側の取り付け部位に対してヒートシンク39を位置決めできるものであれば、その形状、構造等は別段問題ではない。
【0099】
更に実施形態では本発明をパチンコ機に適用した場合を例示しているが、アレンジボール機等の弾球遊技機は勿論のこと、スロットマシンを含む各種遊技機においても同様に実施可能であることは云うまでもない。
【符号の説明】
【0100】
26 画像制御基板ケース
33 第1ケース体
34 第2ケース体
37 電子部品
39 ヒートシンク
41 第2基板
62 第1収容部(取り付け部)
80 第1位置決め手段
81 第2位置決め手段
91 位置決め突起
92 位置決め孔
100 取り付け台
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱性の電子部品が装着された基板を基板ケース内に収容し、該基板ケースに、前記電子部品の熱を放熱するヒートシンクを備えた遊技機において、前記基板ケースの前記基板と対向して配置されたケース体の取り付け部、又は前記基板ケース内に前記基板と対向して配置された取り付け台の取り付け部と前記基板とにより前記ヒートシンクを挟持し、該ヒートシンクに、該ヒートシンクを前記取り付け部に対して位置決めする位置決め手段を設けたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記ヒートシンクは熱伝導性樹脂により構成された熱伝導性樹脂部を少なくとも一部に有し、該熱伝導性樹脂部に、前記熱伝導性樹脂により一体に形成された前記位置決め手段を有することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記位置決め手段は前記ヒートシンクを前記電子部品側に押圧することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記位置決め手段は前記ヒートシンクの前記基板の板面方向の位置を決める位置決め部を有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の遊技機。
【請求項5】
前記取り付け部は前記ヒートシンクのフィン側が嵌合する収容部を有し、前記位置決め手段は前記収容部内の前記ヒートシンクを位置決めすることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の遊技機。
【請求項6】
前記位置決め手段は前記ケース体又は前記取り付け台側に突出する位置決め突起を有し、該位置決め突起が前記ケース体又は前記取り付け台の位置決め凹部又は位置決め孔に嵌合することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の遊技機。
【請求項1】
発熱性の電子部品が装着された基板を基板ケース内に収容し、該基板ケースに、前記電子部品の熱を放熱するヒートシンクを備えた遊技機において、前記基板ケースの前記基板と対向して配置されたケース体の取り付け部、又は前記基板ケース内に前記基板と対向して配置された取り付け台の取り付け部と前記基板とにより前記ヒートシンクを挟持し、該ヒートシンクに、該ヒートシンクを前記取り付け部に対して位置決めする位置決め手段を設けたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記ヒートシンクは熱伝導性樹脂により構成された熱伝導性樹脂部を少なくとも一部に有し、該熱伝導性樹脂部に、前記熱伝導性樹脂により一体に形成された前記位置決め手段を有することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記位置決め手段は前記ヒートシンクを前記電子部品側に押圧することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記位置決め手段は前記ヒートシンクの前記基板の板面方向の位置を決める位置決め部を有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の遊技機。
【請求項5】
前記取り付け部は前記ヒートシンクのフィン側が嵌合する収容部を有し、前記位置決め手段は前記収容部内の前記ヒートシンクを位置決めすることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の遊技機。
【請求項6】
前記位置決め手段は前記ケース体又は前記取り付け台側に突出する位置決め突起を有し、該位置決め突起が前記ケース体又は前記取り付け台の位置決め凹部又は位置決め孔に嵌合することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
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【図27】
【図28】
【公開番号】特開2012−34733(P2012−34733A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175179(P2010−175179)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】
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