説明

遊技機

【課題】 照明ユニットのベース板への取り付けに際して、照明ユニットの転倒を防止して取り付け時の作業効率を向上させる遊技機を提供する。
【解決手段】 リールユニットは、帯状シートと、帯状シートとモータの軸との間に配置され帯状シートを後方から照明する照明ユニット45と、ベース板42と、を有し、照明ユニット45は、ネジ4を介してベース板42に固定される固定部451aと、延出部451bとを有する略L字状に形成され、照明ユニット45のベース板42への取り付けに際して、ほぼ水平に配置されたベース板42上に固定部451aを接触させた状態で照明ユニット45を直立させたときに、照明ユニット45が延出部451aの形成されている側に転倒しないようにその直立姿勢を保持させながら照明ユニットをベース板に仮固定する仮固定手段4271,4272を設けた構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外周面に図柄の表された複数のリールを収納するリールユニットを備える遊技機に関し、特に、この図柄を後方から照明する照明ユニットを備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシン、パチンコ機などの遊技機には、外周面に図柄の表された複数のリールの収納されたリールユニットを備えるものがある。
例えば、スロットマシンは、遊技者が遊技媒体となる遊技用のメダル(コイン)や遊技球(パチンコ球)を投入してスタートレバーを押下操作することにより、外周面に所定の絵柄や数字,文字等の図柄が表された複数のリール(通常3個のリール)が回転を開始し、定速回転後、任意のタイミングで停止ボタンが押されることでリールが停止し、停止したリール上の図柄の組合せに応じて所定数の遊技媒体が払い出されるように構成され、このような複数のリールは、一体的にユニット化されたリールユニットに収納されている。
【0003】
リールユニットには、通常、複数の図柄が表された帯状シートと、帯状シートを円筒状に保形するとともにモータに軸支されて回転するホイールフレームと、帯状シートとモータの軸との間に配置され帯状シートを後方から照明する照明ユニットと、モータを支持する板状のベース板とを備えるリールモジュールが、水平方向に積層された状態で複数収納されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−072406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このようなリールモジュールにおいて、照明ユニットは、通常、ベース板に取り付けられるようになっており、その取り付けの際には、以下のような問題が生じていた。
照明ユニットは、LEDの実装されたLED基板と、LED基板を支持する基板ホルダーと、を備え、この基板ホルダーが所定のネジを介してベース板に固定されることで取り付けが完了するようになっている。
このような照明ユニットは、帯状シートとモータの軸との間であって、LEDが帯状シートを後方から照明可能な位置に配置されることから、基板ホルダーには、ベース板に固定される部分となる固定部と、LED基板を固定する部分となる延出部とが形成されている。
【0006】
固定部は、帯状シートとモータの軸との間の限られた面積で照明ユニット全体を支持可能に形成され、延出部は、LED基板をベース板から離間させて帯状シートの後方中央付近で固定可能に形成されていることから、基板ホルダーは、延出部が固定部よりも長い略L字状に形成せざるを得ない。
このようなL字状の形態から、照明ユニットのベース板への取り付けに際して、ほぼ水平に配置されたベース板上に固定部を接触させた状態で当該照明ユニットを直立させたときに、照明ユニットが延出部の配置されている側に転倒してしまうことになり、そのため取り付け作業に時間が掛かり、作業効率の向上が求められていた。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するために提案されたもので、照明ユニットのベース板への取り付けに際して、照明ユニットの転倒を防止して取り付け作業の効率を向上させたリールユニットを備える遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の遊技機は、複数の図柄が表された帯状シートと、前記帯状シートを円筒状に保形するとともにモータに軸支されて回転するホイールフレームと、前記帯状シートと前記モータの軸との間に配置され帯状シートを後方から照明する照明ユニットと、前記モータを支持する板状のベース板と、を有するリールユニットを備える遊技機であって、前記照明ユニットは、所定の光源の配置された基板と、前記基板を支持する基板ホルダーと、を備え、前記基板ホルダーは、前記ベース板に固定される固定部と、前記固定部から前記帯状シートの後方中央に向けて延出され前記基板の固定される延出部とを有する、前記延出部が前記固定部よりも長い略L字状に形成され、前記照明ユニットの前記ベース板への取り付けに際して、ほぼ水平に配置された前記ベース板上に前記固定部を接触させた状態で当該照明ユニットを直立させたときに、前記照明ユニットが前記延出部の形成されている側に転倒しないようにその直立姿勢を保持させながら前記照明ユニットを前記ベース板に仮固定する仮固定手段を設けた構成としてある。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る遊技機によれば、照明ユニットのベース板への取り付けに際して、照明ユニットの転倒を防止して取り付け時の作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】遊技機の概略正面図である。
【図2】遊技機の内部構成を示す概略斜視図である。
【図3】リールユニットの外観斜視図を示し、(a)は、前方から見た斜視図であり、(b)は、後方から見た斜視図である。
【図4】リールユニットの分解斜視図である。
【図5】リールモジュールの分解斜視図である。
【図6】照明ユニットをベース板に取り付けた状態を示す外観図であり、(a)、斜視図、(b)は、正面図、(c)は、側面図である。
【図7】照明ユニットと帯状シートとモータの軸との配置関係を示す配置図であり、(a)は、平面図、(b)は、A−A断面図である。
【図8】照明ユニットの外観斜視図である。
【図9】照明ユニットの外観図であり、(a)は、側面図、(b)は、背面図である。
【図10】ベース板の外観斜視図である。
【図11】照明ユニットのベース板への取り付け工程を示す工程図であり、(a)は、取り付け前の状態を示し、(b)は、取り付け完了状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について、各図を参照して説明する。
リールユニットを備える遊技機には、スロットマシンをはじめ、パチンコ機など様々な種類があるが、本実施形態では、スロットマシンを実施例に挙げて説明する。
【0012】
本実施形態のスロットマシン1は、複数のリールを回転させることによって遊技媒体であるメダルを獲得できる一般的な回胴式遊技機であるものの、前述した照明ユニットのベース板への取り付けに際して、照明ユニットの転倒を防止して取り付け作業効率を向上させるようになっている。
以下、このような作用効果を発揮する本実施形態に係るスロットマシン1の各部の構成について詳述する。
【0013】
[スロットマシン本体]
図1は、スロットマシンの外観を示す概略正面図、図2は、スロットマシンの内部構成を示す概略斜視図である。
これらの図に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、複数のリール41a,41b,41cを回転させることによって遊技媒体であるメダルを獲得することができる回胴式遊技機を構成している。
【0014】
スロットマシン1は、正面側が開口した筐体1bと、筐体1bの正面側を開閉可能に覆う前扉1aとで構成され、内部には、マイクロコンピュータ等で構成された制御部10、制御部10からの指令により、表示器8,スピーカ9,LED等のランプ類を制御する演出制御部20、及び必要な機械,装置等が収納されている。
【0015】
前扉1aは、図2に示すように、スロットマシン1の筐体1bにヒンジ等を介して開閉可能に取り付けられる扉体で、この前扉1aに遊技操作に係る複数の操作手段が設けられて、スロットマシン1の正面部を構成している。
【0016】
操作手段としては、メダルが投入されるメダル投入口2と、装置内部にクレジットとして貯留されたメダルをゲームに投じるベットボタン2aと、各リール41a,41b,41cの回転を始動させるスタートレバー3と、回転している各リール41a,41b,41cを停止させる3つの停止ボタン5a,5b,5cなどが設けられている。
さらに、前扉1aには、各リール41a,41b,41cに表示された図柄を視認可能とする表示窓6が、各操作手段の上側に設けられている。また、前扉1a上部には、効果音等が出力されるスピーカ9が設けられている。
【0017】
筐体1bの中央には、リール41a,41b,41c備えるリールユニット4が設けられる。
また、筐体1bの下部には、メダルの貯留・払出しを行うメダル払出装置7が設けられる。メダル払出装置7には、メダルを貯留するホッパー7aが設けられ、メダル投入口2より投入されたメダルは、メダルセレクタ2bにより検出されるとともに、ホッパー7aに誘導されるようになっている。
【0018】
スロットマシン1では、上記の各操作手段からの信号やメダルセレクタ2bからの信号に基づき、制御部10が、リールユニット4、メダル払出装置7などの各装置を制御することで、以下のようなスロットマシン遊技が進行する。
【0019】
具体的には、遊技者によりメダル投入口2からメダルが投入されると、メダルがメダルセレクタ2bにより検出され、検出信号が制御部10に入力される。また、ベットボタン2aが操作された場合は、その検出信号が制御部10に入力される。制御部10は、これらの検出信号の入力数からゲーム可能なメダル数を監視するとともに、スタートレバー3の操作を監視する。
ゲーム可能なメダル数となったときに、スタートレバー3が操作されると、制御部10は、リールユニット4に対して、各リール41a,41b,41cを回転させる制御を行う。
【0020】
さらに、制御部10は、スタートレバー3が操作されたときに、ボーナス役、小役、再遊技役、ハズレの複数の抽選対象の中から今回ゲームの当選対象を抽選する内部抽選を行い、各停止ボタン5a,5b,5cが押下操作されたタイミングに基づき、抽選結果に応じた図柄の組合せで停止するよう、回転している各リール41a,41b,41cの停止制御を行う。
【0021】
また、制御部10は、各リール41a,41b,41cに停止表示される図柄の組合せを判定し、所定の図柄の組合せのときには、メダル払出装置7に対して所定数のメダルを払い出す制御を行い、メダルをメダル払出口7bから払い出す。
【0022】
このように構成されたスロットマシン1において、各リール41a,41b,41cを個別に回転可能に軸支しながら収納する装置がリールユニット4であり、このリールユニット4には、複数の図柄が表された帯状シート411と、帯状シート411を円筒状に保形するとともにモータ43に軸支されて回転するホイールフレーム413と、帯状シート411とモータ43の軸432との間に配置され帯状シート411を後方から照明する照明ユニット45と、モータ43を支持する板状のベース板42と、を備えるリールモジュール40が水平方向に積層された状態で複数収納されている。
そして、この照明ユニット45のベース板42への取り付けに際して、照明ユニット45が転倒しないようにその直立姿勢を保持させながら照明ユニット45をベース板42に仮固定する仮固定手段を設けているので、取り付け作業時の効率化が図れるようになっている。
以下、本実施形態に係るリールユニット4について詳述する。
【0023】
[リールユニット]
図3は、リールユニットの外観斜視図を示し、(a)は、前方から見た斜視図、(b)は、後方から見た斜視図であり、図4は、リールユニットの分解斜視図である。また、図5は、リールモジュールの分解斜視図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係るリールユニット4は、それぞれ一つずつリール41を有する三つのリールモジュール40(40a,40b,40c)と、これらを収納する収納ラック46と、基板ユニット47とを備え、各リール41をそれぞれ独立して回転制御可能に構成されている。
【0024】
本実施形態のリールモジュール40は、収納ラック46の左端に収納される左リールモジュール40aと、中央に収納される中リールモジュール40bと、右端に収納される右リールモジュール40cと、からなる三つのリールモジュールからなり、収納ラック46の開口部461から挿着されるようになっている。
リールモジュール40は、図5に示すように、リール41と、ベース板42と、モータ43(パルスモータ)と、光センサ44(フォトインタラプタ)と、照明ユニット45とから構成されている。
【0025】
リール41は、複数種類の図柄が表された帯状シート411と、帯状シート411を円筒状に保形する環状のリングフレーム412と、モータ43に軸支されつつその縁端で帯状シート411を円筒状に保形するホイールフレーム413とから構成されている。
リール41は、ネジ3を介して軸432に軸止されるホイールフレーム413がモータ43によって駆動されて回転するとともに、ホイールフレーム413に形成された遮光板が光センサ44の光路を遮ることで、その回転位置を検出できるようになっている。
【0026】
照明ユニット45は、帯状シート411と軸432との間に配置され、帯状シート411の後方から図柄を照らす発光装置であり、光源としてのLEDの実装されたLED基板452と、これを支持する基板ホルダー451から構成されている。
【0027】
ベース板42は、略板状に成形された合成樹脂からなり、モータ43と、光センサ44と、照明ユニット45の取り付け部となっている。
具体的には、図5に示すように、ベース板42には、その後方から挿入されるモータ43がネジ2を介して固定されるとともに、同じく後方から挿入されるセンサ44が所定の凹部に挿嵌されて固定されるようになっている。さらに、前方から照明ユニット45がネジ4を介して固定されるようになっている。つまり、ベース板42には、モータ43と、光センサ44と、照明ユニット45が固定されているので、モータ43に軸支されたリール41もベース板42が支えるようになっている。
このような構成から、ベース板42は、収納ラック46に収納された状態で、リールモジュール40を直立不動に支える支持部としても機能するようになっている。
【0028】
具体的には、収納ラック46には、図4に示すように、ベース板42の上端部421と下端部422をそれぞれ板厚方向から挟持するガイド溝462(462a、462b、462c)が、その内側上面と底面に形成され、ベース板42をこのガイド溝462に沿って挿入するとともに、ベース板42の上下に形成された固定部423においてネジ1を介して収納ラック46と固定することで、各リール41を回転自在としながらリールモジュール40を揺動不能に収納ラック46に固定することができるようになっている。
【0029】
また、ベース板42には、モータ43と、光センサ44と、照明ユニット45が固定されているので、モータ43からのモータ配線431と、光センサ44からのセンサ配線441と、LED基板452からのLED配線4521がベース板42に集結することになる。
そこで、ベース板42は、これらの配線をリールモジュール40ごとに配線ケーブルK(Ka,Kb,Kc)として一つに束ねて、基板ユニット47に向けて引き出すようなっている。
本実施形態では、収納ラック46の上面に基板ユニット47を配置したことから、配線ケーブルK(Ka,Kb,Kc)は、ベース板42の上端部421側から引き出されるとともに、各リール41に絡まないように、リール41の配置された面の反対側の面に沿って引き出されるようになっている。
【0030】
基板ユニット47は、図示しない中継基板と基板カバーとから構成されている。
中継基板は、所定の配線ケーブルを介して制御部10と演出制御部20と接続されるとともに、さらに、モータ配線431と、センサ配線441と、LED配線4521が接続されるようになっている。
【0031】
このような構成からなるリールユニット4において、照明ユニット45のベース板42への取り付けに際して、照明ユニット45が転倒しないようにその直立姿勢を保持させながら照明ユニット45をベース板42に仮固定可能に構成されている。以下に、照明ユニット45と、ベース板42について詳述する。
【0032】
図6は、照明ユニットをベース板に取り付けた状態を示す外観図であり、(a)は、斜視図、(b)は、正面図、(c)は、側面図を示し、図7は、照明ユニットと帯状シートとモータの軸との配置関係を示す配置図であり、(a)は、平面図、(b)は、A−A断面図を示す。
また、図8は、照明ユニットの外観斜視図、図9は、照明ユニットの外観図であり、(a)は、側面図、(c)は背面図を示し、図10は、ベース板の外観斜視図であり、図11は、照明ユニット45のベース板42への取り付け工程を示す工程図であり、(a)は、取り付け前の状態を示し、(b)は、取り付け完了状態を示す図である。
【0033】
ベース板42は、照明ユニット45を取り付けた状態では、図6(a)に示すように、その板面が鉛直方向に沿うようベース板42を立てた状態で使用されるものの、照明ユニット45を取り付ける際には、図6(b)、(c)に示すように、ベース板42をほぼ水平な面に載置した状態とし、その上に照明ユニット45を載せ、これをネジ4で固定するようになっている。
また、照明ユニット45は、帯状シート411を後方から照明する機能を有することから、図7(a)、(b)に示すように、モータ43の軸432と帯状シート411の間に配置されるとともに、LED基板452に実装されたLEDにより、シート上の図柄が照射されるようになっている。
このような照明ユニット45の取り付け方法、取り付け位置及びその機能から、照明ユニット45の形状はおのずと定形化され、以下のように構成されることになる。
【0034】
照明ユニット45は、図8及び図9の各図に示すように、LED基板452と、これを支持する基板ホルダー451とから構成されている。
LED基板452は、ほぼ矩形状に形成されるとともに、複数のLED452aが実装され、基板ホルダー451の背面側に固定されるようになっている。
【0035】
基板ホルダー451は、前述の取り付け方法、取り付け位置及び機能を達成可能に形成されている。
具体的には、基板ホルダー451は、照明ユニット45をベース板42に固定するための固定部451aと、LED基板452を固定するための延出部451bとから構成されている。
固定部451aは、モータ43の軸432と帯状シート411の間の限られた領域内でベース板42に接触しながら、ネジ4を介してベース板42に螺着される部分となっている。
【0036】
延出部451bは、固定部451aから帯状シート411の後方中央に向けて延出され、LED基板452をベース板42から離間させるとともに、LED452aが帯状シート411の後方中央付近にある図柄を照射するようにLED基板452を支持する部分となっている。
そのため、延出部451bには、それぞれLED基板452の縁端部と係合する、二つの固定爪4514aと弾性変形可能な二つの弾性爪4514bとが形成され、固定爪4514aにLED基板452の一端部側を引っ掛けた後に、LED基板452の他端部側を弾性爪4514bに押し込むことで、LED基板452が延出部451bの背面側に固定されるようになっている。
【0037】
このような各部の機能から、基板ホルダー451は、図9(a)に示すように、延出部451bが固定部451aよりも長い略L字形状をなす不安定な形態とならざるを得ない。その結果、照明ユニット45のベース板42への取り付けに際して、ほぼ水平に配置されたベース板42上に固定部451aを接触させた状態で当該照明ユニット45を直立させたときに、照明ユニット45が延出部451bの形成される側に転倒してしまい、作業効率を悪化させていた。
そこで、照明ユニット45が延出部451bの形成される側に転倒しないようにその直立姿勢を保持させながら照明ユニット45をベース板42に仮固定する以下のような仮固定手段を設けてある。
【0038】
[仮固定手段]
仮固定手段は、ベース板42と固定部451aとを複数箇所において係合させ、ベース板42に対する照明ユニット45の位置ずれを抑制する位置ずれ抑制手段と、固定部451aの一部をベース板42の一部に係入させ、ベース板42上における照明ユニット45の転倒を抑制する転倒抑制手段と、を備え、これらが有機的に協働して照明ユニット45をベース板42に仮固定するようになっている。
基板ホルダー451とベース板42との物理的な相互の係り合いにより、位置ずれ及び転倒が抑制されるようなっているので、位置ずれ抑制手段と転倒抑制手段は、それぞれ基板ホルダー451とベース板42に分散して配置されている。以下、仮固定手段を構成する位置ずれ抑制手段と転倒抑制手段について説明する。
【0039】
まず、位置ずれ抑制手段として、ベース板42と固定部451aとの接触面において凹凸嵌合する凹凸嵌合部を備えている。
凹凸嵌合部は、図8及び図9の各図に示すように、固定部451aの底面4510bにベース板42側に向かって凸設形成された凸部4511(−1),4511(−2)(ダボ)と、図10、図11に示すように、ベース板42のベース面420aに凹設形成された凹部424(−1),424(−2)(孔)とからなり、これらがそれぞれ一対一に対応して凹凸嵌合することで、ベース板42における照明ユニット45の取り付け位置が位置決めされる。
これらが複数箇所で一対一に対応して凹凸嵌合することから、ベース板42における照明ユニット45の取り付け位置が確実に決定され、照明ユニット45の取り付け作業が容易化される。
【0040】
なお、本実施形態では、凸部を固定部451aに形成し、凹部をベース板42に形成したが、凸部をベース板42に形成し、凹部を固定部451aに形成することもできる。
また、照明ユニット45のベース板42への取り付けに際して、ベース板42の壁部420bと固定部451aの端面4510とが所定の長さに渡って当接可能に形成することで、この当接関係により位置ずれを抑制することもできる。この場合は、複数形成した凹凸嵌合部を減らすことができる。
【0041】
また、凸部4511が凹部424にきつめに挿入(嵌入、圧入)されるように、これらの外径及び内径を形成することにより、位置ずれ抑制手段としてのみならず、転倒抑制手段として機能させることもできる。
また、凸部4511が凹部424に深く挿入される所定の長さに形成することでも、転倒抑制手段として機能させることになる。
【0042】
次に、本実施形態では、転倒抑制手段として、ベース板42に載置された照明ユニット45の傾動時に固定部451aの上面4510aが当接するとともに、ベース板42との間で固定部451aの一部を挟み込む挟持部427を備えている。
【0043】
挟持部427は、図10、図11に示すように、ベース板42の壁部420bに形成され、ベース面420aから垂直に延びるリブ状の押さえ部4272と、押さえ部4272のベース面420a側の一部を切り欠いた切欠部4271からなる。
挟持部427は、切欠部4271に挿入される固定部451aの端部4510(板厚)を、押さえ部4272の底面と、ベース面42aとで挟み込むようになっている。
これにより、照明ユニット45が延出部451b側へ転倒しようとすると、その傾動時に、固定部451aの上面4510aが押さえ部4272の底面に当接することになるので、照明ユニット45の倒れ込みが抑制されることになる。
また、挟持部427は、照明ユニット45の延出部451bの形成される側と反対側に位置することから、照明ユニット45の延出部451b側への倒れ込みを効率的に抑制することができる。
【0044】
このような転倒抑制手段を備えることで、照明ユニット45のベース板42への取り付けに際して、ほぼ水平に配置されたベース板42上に固定部451aを接触させた状態で照明ユニット45が直立したまま仮固定されることとなり、延出部451bの形成されている側に転倒してしまうことがなくなるので、取り付け時の作業効率を向上させることができる。
【0045】
なお、このような挟持部427と前述の位置ずれ抑制手段として機能する凹凸嵌合部は、位置ずれ抑制手段によって照明ユニット45をベース板42の取り付け位置に位置合わせするときに、その位置合わせを妨げないように、以下に示すような所定の形状及び配置関係に基づいて形成されている。
【0046】
凹凸嵌合部は、凸設形成された凸部4511を有しており、例えば、本実施形態の場合では、固定部451aの底面4510bからベース板42に向かって所定の高さで突出するものの、この高さは、位置合わせを容易にすべくなるべく高い方が望ましい。
一方、切欠部427は、固定部451aの板厚(2mm)より広い幅に設定されているものの、その幅は、照明ユニット45の倒れ込みを防止すべく、なるべく狭い方が望ましい。しかしながら、固定部451aの板厚(2mm)に凸部4511の高さ分を加えるまでの幅は有していない。
その結果、位置決めを優先すべく、凹凸嵌合を先行して行おうとしても、押さえ部4272(リブ)が固定部451aの端部4510に当接してしまい、凹凸嵌合はもちろん固定部451aの挟持部427への挿入もままならない状態となる。
【0047】
このようなことから、固定部451aの挟持部427への挿入を優先すべく、固定部451aの端部4510が切欠部4271に先行して挿入されるように、図11(a)に示すように、照明ユニット45をベース面420aに対して全体的にB方向に傾けて挿入することになる。
【0048】
そこで、照明ユニット45を傾けて挿入する際には、凸部4511の高さはなるべく低い方が挿入し易くなることから、例えば、凸部4511の高さを3mmに設定し、また、凸部4511と挟持部427との距離はなるべく離れている方が挿入し易くなることから、例えば、固定部451aの挟持部427への挿入方向に対して少なくとも5mm以上離間させてそれぞれ形成してある。
また、切欠部4271の幅は、照明ユニット45の倒れ込みを防止可能としながら、なるべく広く幅に設定される方が挿入し易くなることから、例えば、固定部451aの板厚(2mm)+1mmとなる3mmに設定してある。
【0049】
このように、挟持部427と凹凸嵌合部は、凹凸嵌合によって照明ユニット45をベース板42の取り付け位置に位置合わせするときには、凸部4511の高さと切欠部427の幅は相反する関係を有することを考慮して、その位置合わせを妨げない所定の形状及び配置関係に基づいて形成したものとなっている。
これにより、照明ユニット45をベース面420aに対して、全体的にB方向に傾けながら、固定部451aの端部4510の切欠部4271への挿入を優先するものの、位置合わせに係る確実な凹凸嵌合も実現されることとなる。
【0050】
さらに、このような形状及び配置関係に加え、凸部4511の頂面を挟持部427に向かって傾斜させてある。
具体的には、凸部4511の頂面を、図9(a)に示すように、傾斜面4511aとして形成し、挟持部427側に向かって傾斜させてある。
これにより、図11(a)に示すように、照明ユニット45をベース面420aに対してB方向に傾けながら、固定部451aの端部4510を切欠部4271に挿入するときに、凸部4511とベース面420aとの干渉が回避されることから、円滑な挿入が図られる。その上、切欠部4271の幅を極力狭くすることができるので、延出部451bの形成されている側への照明ユニット45の倒れ込みを最小限に抑えることができる。
【0051】
さらに、仮固定手段として、ベース面420a上において照明ユニット45を自立させる自立手段を備え、さらに、この自立手段は、ベース面420上においてのみ照明ユニット45を自立させるだけではなく、水平面に載置した照明ユニット45を自立させるようになっている。
【0052】
まず、ベース面420上において照明ユニット45を自立させる構成は、照明ユニット45とベース面420aとの関係により実現されるようになっている。
具体的には、ベース面420aには、照明ユニット45と当接する、当接面426aと当接面426bとが形成され、当接面426bは、当接面426aより一段低い位置に形成してある(図11(a)参照)。
そこで、照明ユニット45は、当接面426間のこのような高低差を補完するために、当接面426bと対向する面側にリブ4512を立設してある。
このリブ4512により、当接面426間の高低差は補完され、ベース面420aにおける照明ユニット45の座りを安定させることができるものの、照明ユニット45は依然として延出部451bが形成される側に倒れ込むおそれがある。
【0053】
そこで、照明ユニット45は、ベース面420に載置された状態で、ベース面420からの抗力及び重力を受ける以外は何ら外力を受けることなく、自立可能に形成してある。
これは、LED基板452を取り付けることなく基板ホルダー451単体でベース面420に載置させた状態では、基板ホルダー451は延出部451bが形成される側に倒れ込むものの、照明ユニット45をLED基板452が取り付けられた状態で自立可能に構成することで実現されている。
【0054】
具体的には、LED基板452を取り付けることにより、照明ユニット45の重心をLED基板452側、すなわち、延出部451bが形成される側と反対側に移動させるようになっている。
このような重心の移動量は、構造解析等に基づき、基板ホルダー451単体での重心位置を予め求めるとともに、LED基板452の重量及びこの取り付け位置により、どの程度重心が端部4510側に移動するかを求めて設定したものとなっている。
また、基板ホルダー451は樹脂製の一体的な成形品であるため、単体での重心位置は、基板ホルダー451の形状に拘束されることから、基板ホルダー451は、延出部451bの高さを極力低く設定するとともに、固定部451aの肉厚を厚く設定することで、重心位置をなるべく低い位置に設定するとともに、LED基板452の取り付け面となる背面側に重心が位置するように、延出部451bの正面側(帯状シート411側)よりも、背面側の肉厚を増大させるように設定されている。
これにより、照明ユニット45を、ベース面420aに載置された状態で自立させることができ、照明ユニット45の取り付け時の作業効率が向上する。
【0055】
なお、本実施形態では、LED基板452を取り付けた状態で、照明ユニット45を自立可能に構成したが、さらに、延出部451bの高さを低くしたり、固定部451aの肉厚を厚くしたり、LED基板452の取り付け面側に重心が位置するように、この面側の肉厚を増大させたりすることで、基板ホルダー451単体で自立可能に構成することもできる。
【0056】
また、ベース面420a上において照明ユニット45の座りを安定させる方法として、当接面426bを当接面426aより一段低く設定するとともに、照明ユニット45にリブ4512を形成したが、当接面426aと当接面426bの高さを同じ高さに揃えるとともに、リブ4512を形成しないことにより、上記の場合と同様、照明ユニット45の座りを安定させることができる。
【0057】
さらに、仮固定手段は、ベース面420上において照明ユニット45を自立させるだけでなく、所定の水平面に載置した照明ユニット45をも自立させるようになっている。
具体的には、図9(a)に示すように、照明ユニット45には、凹凸嵌合部に係る凸部4511を形成してある。そうすると、リブ4512を有しない形状では、照明ユニット45は、延出部451bの形成されている側に倒れ込み易くなる。
そこで、基板ホルダー451に積極的にリブ4512を形成することで、照明ユニット45を水平面に載置した場合でも自立するようにしてある。
これにより、照明ユニット45は、ベース面420上に載置しない状態、すなわち、水平面に載置した状態でも自立することになるため、照明ユニット45自体の組立て、及びこれを梱包する工程において、照明ユニット45単体での自立により、その扱いが容易となり、作業効率を向上させることができる。
なお、本実施形態のように、ベース板42において、当接面426aと当接面426bの高さをあえて同じ高さとすることなく、当接面426bを当接面426aより一段低い位置に形成したのは、上記のような作用効果を発揮させるためである。
【0058】
以上のような本実施形態に係る仮固定手段により、ベース板42と固定部451aとを複数箇所において係合させ、ベース板42に対する照明ユニット45の位置ずれを抑制するとともに、固定部451aの一部をベース板42の一部に係入させ、ベース板42上における照明ユニット45の転倒を抑制するので、照明ユニット45はベース板42に直立した状態で仮固定され、最後に、ネジ4を固定部451aに形成された固定孔4513に貫通させつつ、ベース板42に形成されたネジ孔425に螺入させることで、図11(b)に示すように、照明ユニット45のベース板42への取り付けが完了することになる。
これにより、照明ユニット45のベース板42への取り付けに際して、照明ユニット45の転倒が防止され、作業効率を向上させることができる。
【0059】
以上説明したように、本実施形態のスロットマシン1によれば、照明ユニット45が延出部451bの形成されている側に転倒しないようにその直立姿勢を保持させながら照明ユニット45をベース板42に仮固定する仮固定手段を備えているので、照明ユニットのベース板への取り付けに際して、照明ユニットの転倒を防止して取り付け時の作業効率を向上させることができる。
【0060】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
【0061】
例えば、挟持部427は、本実施形態に拘泥されず、種々の構成を提示できる。
具体的には、ベース板42の壁部420bに孔を形成するとともに、固定部451aの端部4510側に壁部420bに向かって延びる舌片を形成し、舌片を孔に挿入させることで、照明ユニット45の延出部451b側への倒れ込みを抑制することもできる。
【0062】
また、転倒抑制手段は挟持部427にとらわれず、例えば、ベース面420aと接触する固定部451aの底面4510bに、ベース面420aに向かって突出するとともに底面4510bに沿って延出形成される断面L字状の鉤部を形成するとともに、ベース面420aに孔を形成し、鉤部を孔にスライド挿入させることで、照明ユニット45の延出部451b側への倒れ込みを抑制することもできる。
【0063】
また、本実施形態では、スロットマシンを例に挙げて説明したが、リールユニットを備えるパチンコ機やその他の遊技機にも適用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、外周面に図柄の表された複数のリールを収納するリールユニットを備える遊技機に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 スロットマシン
2 メダル投入口
3 スタートレバー
4 リールユニット
40(40a,40b,40c) リールモジュール
41(41a,41b,41c) リール
42 ベース板
424 凹部(凹凸嵌合部)
427 狭持部
43 モータ
45 照明ユニット
451 基板ホルダー
451a 固定部
4511 凸部(凹凸嵌合部)
4511a 傾斜面
451b 延出部
452 LED基板
452a LED(光源)
4512 リブ(自立手段)
46 収納ラック
5(5a,5b,5c) 停止ボタン
6 表示窓
7 メダル払出装置
8 表示器
9 スピーカ
10 制御部
20 演出制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図柄が表された帯状シートと、前記帯状シートを円筒状に保形するとともにモータに軸支されて回転するホイールフレームと、前記帯状シートと前記モータの軸との間に配置され帯状シートを後方から照明する照明ユニットと、前記モータを支持する板状のベース板と、を有するリールユニットを備える遊技機であって、
前記照明ユニットは、
所定の光源の配置された基板と、前記基板を支持する基板ホルダーと、を備え、
前記基板ホルダーは、
前記ベース板に固定される固定部と、前記固定部から前記帯状シートの後方中央に向けて延出され前記基板の固定される延出部とを有する、前記延出部が前記固定部よりも長い略L字状に形成され、
前記照明ユニットの前記ベース板への取り付けに際して、ほぼ水平に配置された前記ベース板上に前記固定部を接触させた状態で当該照明ユニットを直立させたときに、前記照明ユニットが前記延出部の形成されている側に転倒しないようにその直立姿勢を保持させながら前記照明ユニットを前記ベース板に仮固定する仮固定手段を設けた
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記仮固定手段は、
前記ベース板と前記固定部とを複数箇所において係合させ、前記ベース板に対する前記照明ユニットの位置ずれを抑制する位置ずれ抑制手段と、
前記固定部の一部を前記ベース板の一部に係入させ、前記ベース板上における前記照明ユニットの転倒を抑制する転倒抑制手段と、を備える
ことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記転倒抑制手段は、
前記照明ユニットの傾動時に前記固定部の上面が当接するとともに、前記ベース板との間で前記固定部の一部を挟み込む挟持部を備え、
前記挟持部と前記位置ずれ抑制手段とは、前記位置ずれ抑制手段によって前記照明ユニットを前記ベース板の取り付け位置に位置合わせするときに、その位置合わせを妨げない所定の形状及び配置関係に基づいて形成された
ことを特徴とする請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記位置ずれ抑制手段は、前記ベース板と前記固定部との接触面において凹凸嵌合する凹凸嵌合部を備え、
前記凹凸嵌合部のうちの凸部の頂面を前記挟持部側に傾斜させた
ことを特徴とする請求項3記載の遊技機。
【請求項5】
前記仮固定手段は、
前記ベース板上において前記照明ユニットを自立させる自立手段を備え、
前記照明ユニットは、前記ベース板に形成された凹部と嵌合する凸部を有し、
前記自立手段は、水平面に載置した前記照明ユニットを自立させる
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−13532(P2013−13532A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147940(P2011−147940)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】