遊技機
【課題】 他の遊技者と情報端末連動遊技の面白さを共有でき、情報端末連動遊技に参加している遊技機を容易に認識できる遊技機を提供する。
【解決手段】 遊技領域を備えた前面枠(12)に設けられた発光可能な装飾装置(18)と、始動入賞領域(36,37)への遊技球の入賞を契機に複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置(41)と、変動表示装置の制御を行う演出制御手段(300)とを備えた遊技機において、演出制御手段は、複数の遊技機間で遊技情報を送受信する遊技機間通信手段(350)を備え、該遊技機間通信手段によって他の遊技機から変動表示ゲームに係わる遊技情報を取得し、取得した複数の遊技情報が所定条件を達成した場合に、装飾装置または変動表示装置もしくは装飾装置および変動表示装置による共通演出を実行するようにした。
【解決手段】 遊技領域を備えた前面枠(12)に設けられた発光可能な装飾装置(18)と、始動入賞領域(36,37)への遊技球の入賞を契機に複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置(41)と、変動表示装置の制御を行う演出制御手段(300)とを備えた遊技機において、演出制御手段は、複数の遊技機間で遊技情報を送受信する遊技機間通信手段(350)を備え、該遊技機間通信手段によって他の遊技機から変動表示ゲームに係わる遊技情報を取得し、取得した複数の遊技情報が所定条件を達成した場合に、装飾装置または変動表示装置もしくは装飾装置および変動表示装置による共通演出を実行するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、始動入賞領域への遊技球の入賞を契機に複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置と、変動表示装置の制御を行う演出制御手段とを備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機、例えばパチンコ遊技機には、遊技における演出情報を携帯電話などの情報端末で受け取る遊技機が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1で提案されている遊技機においては、演出パターンとして表示させる演出内容と関連する表示内容であって、遊技者に有利な状態となることを示唆する表示内容を符号化した二次元コードが表示される特殊演出パターンを設け、特殊演出パターンが選択された場合には、携帯電話などのカメラ機能により撮像可能な態様である二次元コードを演出表示装置に表示する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−237328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1で提案されている遊技機においては、携帯情報端末を使用した遊技を遊技機ごとに個別に行う方式であるため、他の遊技者と携帯情報端末を使用した遊技の面白さを共有することができない。また、遊技者には、周囲に携帯情報端末を使用した遊技(以下、情報端末連動遊技と称する)を行っている遊技者がいることが分かり辛く、情報端末連動遊技の面白さが他の遊技者に伝わり難いという課題があった。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、遊技者が携帯所持する情報端末と連携した遊技を可能に構成された遊技機において、他の遊技者と情報端末連動遊技の面白さを共有でき、情報端末連動遊技に参加している遊技機を容易に認識できる遊技機を提供することを目的とする。
また、本発明は、所定の通信範囲内の複数の遊技機間で所定の条件が達成された場合に共通演出を実行可能にすることにより、他の遊技者と興趣を分かち合うことができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、
遊技領域を備えた前面枠に設けられた発光可能な装飾装置と、
始動入賞領域への遊技球の入賞を契機に複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置と、
前記変動表示装置の制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機において、
前記演出制御手段は、
複数の遊技機間で遊技情報を送受信する遊技機間通信手段を備え、
該遊技機間通信手段によって他の遊技機から前記変動表示ゲームに係わる遊技情報を取得し、取得した複数の前記遊技情報が所定条件を達成した場合に、前記装飾装置または前記変動表示装置もしくは前記装飾装置および前記変動表示装置による共通演出を実行することを特徴とする。
【0007】
ここで、「発光可能な装飾装置」は、ランプのような発光手段を内蔵するものの他、液晶表示パネルのような表示装置であっても良い。「遊技情報」には大当りの発生などが含まれる。請求項1に記載の発明によれば、遊技機間通信手段によって他の遊技機との間で遊技情報を送受信し、取得した複数の遊技情報が所定条件を達成すると複数の遊技機において共通演出が行われるので、他の遊技者と興趣を分かち合うことができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
遊技者が携帯所持する情報端末と連携した遊技を可能にする情報端末連動手段と、
前記変動表示ゲームにかかわる特定の遊技情報が発生した場合に遊技得点を付与する遊技得点付与手段と、
前記遊技得点を蓄積し、蓄積した遊技得点に応じて段階的に上昇する遊技レベル情報を生成する遊技レベル情報生成手段と、
前記遊技情報と、前記遊技得点付与手段によって付与された前記遊技得点と、前記遊技レベル情報生成手段によって生成された前記遊技レベル情報と、を一時的に記憶する遊技情報記憶手段と、を備え、
前記情報端末連動手段は、前記情報端末が前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記情報もしくは該情報を取得可能にする情報を出力する情報出力手段を備え、
前記演出制御手段は、
前記遊技レベル情報に基づいて前記変動表示ゲームにかかわる装飾演出態様を設定し、
前記情報端末連動手段による情報端末と連携した遊技を行うように設定している場合に前記共通演出を実行することを特徴とする。
【0009】
ここで、「情報端末連動手段」は、演出制御装置による特別な遊技サービスにログイン・ログアウトすることを可能にする機能を提供するもので、例えばパスワード入力処理などにより実現される。「遊技情報出力手段」は、遊技情報(遊技履歴)を暗号化して情報端末に送る機能を提供するもので、例えば遊技情報もしくはそれを取得可能にする情報を含む二次元コードを生成する処理などにより実現される。
請求項2に記載の発明によれば、演出制御手段は、情報端末連動手段による情報端末と連携した遊技を行うように設定している場合に共通演出を実行するので、他の遊技者と情報端末連動遊技の面白さを共有できるとともに、他の遊技者に対して情報端末連動遊技参加中であることをアピールすることができるので、共通演出を見るために情報端末連動遊技を行う遊技者が増えることが期待できる。また、演出制御手段は、遊技得点に応じて段階的に上昇する遊技レベル情報に基づいて変動表示ゲームにかかわる装飾演出態様を変更するので、遊技者は変化する装飾演出態様を長時間にわたって楽しむことができるとともに、遊技レベルを上げようと遊技を行うようになるので遊技機の稼働率を高めることができ、遊技店にもメリットを与えることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、前記遊技情報の取得状況が所定条件を達成したときに、前記遊技機間通信手段により情報端末と連携した遊技を行うように設定している遊技機に対して通信得点を送信することを特徴とする。
ここで、「所定条件」は大当りが5回発生したことなどを意味する。請求項3に記載の発明によれば、通信範囲内の遊技機における遊技情報の取得状況が所定条件を達成した時に情報端末連動遊技に参加している遊技機に対して通信得点が付与されるので、他の遊技機との共通演出に興味がない遊技者にも情報端末連動遊技を行う利点がある。そのため、情報端末連動遊技を行う遊技者が増えることが期待できる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記通信得点を累積した総合通信得点を計数する通信得点計数手段を備え、
情報端末と連携した遊技を終了する遊技機に対して、前記通信得点計数手段によって計数された総合通信得点と前記遊技得点とに基づいて還元得点を演算し、前記遊技機間通信手段により該還元得点を送信することを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、情報端末連動遊技参加中に取得した通信得点を蓄積しておき、情報端末連動遊技終了の際に遊技中取得した総合通信得点と遊技得点に応じて還元得点が付与されるため、大当りのような特定の遊技状態を多く発生させることで多くの遊技得点を集めることができる上、長い時間遊技することでも多くの通信得点を取得して還元得点を増加させることができる。また、情報端末連動遊技の終了時に還元得点が決定されるため、獲得できる還元得点が最後まで分からないので期待感を高めることができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の遊技機において、
前記還元得点は、前記遊技得点を前記通信得点に応じて加算して付与されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、通信得点は遊技得点を加算させるための得点であるため、自身が遊技得点を多く取得できなくても、他の遊技者によって蓄積された総合通信得点によって還元得点が増加されるので、情報端末連動遊技に参加することで遊技結果を充実させることができる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、前記前面枠の前記装飾装置の発光による演出態様を前記遊技レベル情報に基づいて変更する枠装飾変更手段を備え、
該枠装飾変更手段は、前記共通演出を実行する際には前記遊技レベル情報にかかわらず前記装飾装置により他の遊技機の装飾装置と同一の演出を行うことを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、遊技情報の取得状況が所定条件を達成した場合に、情報端末連動遊技に参加している複数の遊技機の前面枠の装飾装置を同じ色で発光させるなど共通の演出が行われるため、他の遊技者から情報端末連動遊技に参加していることが分かり易くなる。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、前記遊技機間通信手段によって他の遊技機から前記遊技情報を収集して、前記所定条件の達成を判定する統括制御遊技機の演出制御手段、または、前記遊技機間通信手段により前記統括制御遊技機の演出制御手段へ前記遊技情報を送信するとともに前記統括制御遊技機の演出制御手段からの指令によって前記共通演出を実行する従属制御遊技機の演出制御手段として機能可能に構成されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、統括制御遊技機(親機)の演出制御手段が従属制御遊技機(子機)の演出制御手段を統括的に制御し、共通演出は統括制御遊技機の指令によって一斉に実行される。つまり、通信範囲内の複数の遊技装置の従属関係がはっきりしているので共通演出が実行し易くなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、所定の通信範囲内の複数の遊技機間で所定の条件が達成された場合に共通演出を実行可能にすることにより、他の遊技者と興趣を分かち合うことができる遊技機を実現することができる。
また、本発明によれば、遊技者が携帯所持する情報端末と連携した遊技を可能に構成された遊技機において、他の遊技者と情報端末連動遊技の面白さを共有できるとともに、他の遊技者に対して情報端末連動遊技参加中であることが分かり易くすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る遊技機の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】実施形態の遊技機における遊技盤の構成例を示す正面図である。
【図3】実施形態の遊技機の裏面に設けられる制御システムおよび遊技制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちメイン処理の具体的な手順の前半部分を示すフローチャートである。
【図5】実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちメイン処理の具体的な手順の後半部分を示すフローチャートである。
【図6】実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちタイマ割込み処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】図6のタイマ割込み処理中に実行される特図ゲーム処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】図7の特図ゲーム処理中に実行される始動口スイッチ監視処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】図8の始動口スイッチ監視処理中に実行される特図始動口スイッチ共通処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】図7の特図ゲーム処理中に実行される特図普段処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】図10の特図普段処理中に実行される特図1変動開始処理および特図2変動開始処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】図11の特図1変動開始処理および特図2変動開始処理中に実行される後半変動パターン設定処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】図11の特図1変動開始処理および特図2変動開始処理中に実行される変動パターン設定処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】図11の特図1変動開始処理および特図2変動開始処理中に実行される変動開始情報設定処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】図7の特図ゲーム処理中に実行される特図表示中処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図16】図15の特図表示中処理の続きを示すフローチャートである。
【図17】実施形態の遊技機が設置される遊技場の構成例を示す概略図である。
【図18】遊技場の通信範囲内における遊技機間の通信方式を示す説明図である。
【図19】実施形態の情報端末連動遊技に関連して遊技者の携帯情報端末の表示画面に表示される内容の例を示す説明図である。
【図20】通信範囲内の遊技機間における得点の第1付与方式を示す説明図である。
【図21】通信範囲内の遊技機間における得点の第2付与方式を示す説明図である。
【図22】通信範囲内の統括制御遊技機による情報端末連動遊技に係わるデータの管理テーブルの構成例を示す説明図である。
【図23】実施形態の情報端末連動遊技に関連して各遊技機の表示装置の画面に表示される内容の例を示す説明図である。
【図24】実施形態の情報端末連動遊技に関連して通信範囲内の複数の遊技機で前面枠の装飾を使用して行われる遊技レベルに応じた発光態様の例を示す説明図である。
【図25】実施形態の情報端末連動遊技に関連して通信範囲内の複数の遊技機で前面枠の装飾を使用して行われる共通演出の例を示す説明図である。
【図26】図24の遊技レベルに応じた発光態様の具体例および図25の共通演出の具体例を示す図である。
【図27】実施形態の遊技機の制御システムを構成する演出制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図28】実施形態の演出制御装置によって実行される演出制御のうち1stCPUによる1stメイン処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図29】図28の1stメイン処理中に実行される統括制御遊技機処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図30】図29の統括制御遊技機処理中に実行される情報端末連動遊技処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図31】図29の統括制御遊技機処理中に実行される共通演出処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図32】図28の1stメイン処理中に実行される従属制御遊技機処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図33】図28の1stメイン処理中に実行される情報端末連動遊技開始処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図34】図28の1stメイン処理中に実行される情報端末連動遊技終了処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図35】図28の1stメイン処理中に実行されるイベント報知処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図36】図35のイベント報知処理中に実行される情報端末連動遊技中処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図37】図28の1stメイン処理中に実行される1stシーン制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図38】図37の1stシーン制御処理中に実行される変動中処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図39】図38の変動中処理中に実行される変動パターン情報設定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図40】実施形態の演出制御装置によって実行される演出制御のうち2ndCPUによるメイン処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図41】図40の2ndメイン処理中に実行される通常ゲーム処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図42】本発明の第2の実施例における遊技機間通信の様子を示す説明図である。
【図43】本発明の第2の実施例における通信範囲内の遊技機間における得点の付与方式を示す説明図である。
【図44】本発明の第2の実施例における統括制御遊技機処理中に実行される情報端末連動遊技処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図45】本発明の第2の実施例における1stメイン処理中に実行される情報端末連動遊技終了処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図46】本発明の第3の実施例における遊技機間の通信の様子と、遊技機における演出の例、および第3の実施例を適用する場合に記憶領域に設けられる他の遊技機の情報記憶領域の構成例を示す説明図である。
【図47】第3の実施例を適用した場合に通信範囲内の各遊技機で実行される演出表示の例を示す説明図である。
【図48】本発明の第3の実施例における1stメイン処理中に実行されるイベント報知処理の手順の概略を示すフローチャートである。
【図49】図48のイベント報知処理中の内部イベント報知開始処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図50】図48のイベント報知処理中の内部イベント報知終了処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図51】図48のイベント報知処理中の外部イベント報知開始処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図52】図48のイベント報知処理中の外部イベント報知終了処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図53】本発明の第3の実施例における図38の変動中処理中に実行される変動パターン情報設定処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図54】他の実施例において使用して好適な遊技機の構成例を示す斜視図である。
【図55】図54の遊技機に設けられている装飾表示装置により実行される表示の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
【0019】
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。枠装飾装置18は、半透明なプラスチックなどで形成され前面枠のほぼ全域にわたって発光可能に構成されているとともに、内蔵ランプには3原色である赤、青、緑それぞれの色を発光可能なLEDがセット(組)でマトリックス状に配置されたものが使用され、多色カラー発光が可能にされている。
【0020】
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作ハンドル24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。演出ボタン25は、内部に複数の検出スイッチを備え押圧することで入力とするプッシュ機能の他、傾動操作することでカーソルを上下、左右へシフトすることを指示可能なシフト操作機能を備えているものが望ましい。
【0021】
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作ハンドル24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を反映させた演出やシステムへのログイン、ログアウト等を行わせることができる。
さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
【0022】
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
【0023】
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当たり表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0024】
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための球検出手段としての入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
【0025】
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
【0026】
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
【0027】
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉を有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉によって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
【0028】
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する球検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下隅)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
【0029】
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52を備える。また、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部、遊技状態を報知する表示部、エラーを表示するエラー表示部、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部などからなるLED表示部53が設けられている。
【0030】
特図1表示器と特図2表示器における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0031】
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
【0032】
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50のLED表示部53の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示される。
【0033】
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられたLED表示部53の変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
【0034】
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
【0035】
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、LED表示部53の普図表示器に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、当たり状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ(センサ)36aと始動口2スイッチ(センサ)37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
【0036】
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
【0037】
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、一括表示装置50に設けられた特図1表示器または特図2表示器(変動表示装置)で第1または第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器若しくは特図2表示器の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
【0038】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
【0039】
なお、特図1表示器、特図2表示器は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器、特図2表示器を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
【0040】
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
【0041】
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0042】
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0043】
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
【0044】
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0045】
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
【0046】
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0047】
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0048】
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0049】
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0050】
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
【0051】
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0052】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0053】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0054】
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0055】
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0056】
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
【0057】
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0058】
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
【0059】
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
【0060】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0061】
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0062】
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
【0063】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0064】
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0065】
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
【0066】
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
【0067】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
【0068】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
【0069】
次に、遊技制御装置100により行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の開閉部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0070】
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
【0071】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
【0072】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0073】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。
この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
【0074】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
【0075】
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
【0076】
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。
遊技用マイコン111による制御処理は、ループ処理として繰り返されるメインルーチンであるメイン処理(主に図4及び図5参照)と、メイン処理に対する割り込みルーチンとして、所定時間周期(例えば4ms)で行われるタイマ割込み処理(図6参照)とからなる。
【0077】
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図4に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
【0078】
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ:RAM111C)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施形態では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
【0079】
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックし(ステップS10)、正常であれば(ステップS11;Yes)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックする(ステップS12)。次に、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS13;Yes)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS14)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムを比較して(ステップS15)、一致するかを判定する(ステップS16)。そして、一致する場合(ステップS16;Yes)は、図5のステップS17へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
【0080】
また、初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS11;NoもしくはステップS13;No)、チェックサムが正常でない(ステップS16;No)と判定された場合は、図5のステップS24へ移行して初期化の処理を行う。
図5のステップS17では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップS18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
【0081】
また、ステップS20で高確率である(ステップS20;Yes)と判定した場合は、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のON(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS22)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS23)を行ってステップS29へ進む。
【0082】
一方、ステップS9、S11、S13、S16からステップS24へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS25)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。そして、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0083】
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0084】
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
【0085】
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS34)、停電監視信号がONであるかの判定を行う(ステップS35)。停電監視信号がONでない場合(ステップS35;No)は、初期値乱数更新処理(ステップS33)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0086】
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0087】
また、停電監視信号がONである場合(ステップS35;Yes)は、ステップS34で設定したチェック回数分停電監視信号のON状態が継続しているかを判定する(ステップS36)。そして、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続していない場合(ステップS36;No)は、停電監視信号がONであるかの判定(ステップS35;Yes)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続している場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。
【0088】
その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS40)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)、チェックサムをセーブする処理(ステップS42)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
【0089】
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について図6のフローチャートを用いて説明する。
図6に示すタイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
【0090】
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
【0091】
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁気エラー監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
【0092】
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図7に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。
【0093】
始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。なお、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)の詳細については後述する。
【0094】
次に、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップまたは特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルを設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
【0095】
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。なお、特図変動中処理(ステップA10)の詳細については後述する。
【0096】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。なお、特図表示中処理(ステップA11)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
【0097】
さらに、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
【0098】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行う。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
【0099】
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。
図8に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。
なお、ステップA113における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117おける特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
【0100】
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA113)、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。
普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
【0101】
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合も(ステップA115;Yes)、ステップS116およびS117をスキップして始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
【0102】
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA113、A120)の詳細について説明する。
特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
【0103】
図9に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、大当り乱数をロード(大当り乱数を抽出)する(ステップA204)。
【0104】
続いて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(ステップA205)。そして、ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA206)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA207;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA208)、処理をステップA209に移行する。一方、ステップA207にて、出力回数がオーバーフローしないと判定された場合は(ステップA207;Yes)、処理をステップA209に移行する。
【0105】
そして、ステップA209にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA209)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA210)を行う。
ステップA210にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA210;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA211)を行った後、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA212)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA213)、コマンド設定処理(ステップA214)を行う。
【0106】
続いて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA215)を行う。そして、大当り乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA216)、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロード(大当り図柄乱数を抽出)し(ステップA217)、対応する大当り図柄乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブするとともに、その大当り図柄乱数をレジスタに退避する(ステップA218)。
次に、対応する変動パターン乱数1をロード(変動パターン乱数1を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA219)、次に、対応する変動パターン乱数2をロード(変動パターン乱数2を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA220)、次に、対応する変動パターン乱数3をロード(変動パターン乱数3を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA221)。
【0107】
ここで、RWM(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動領域への遊技球の流入に基づいて各種乱数を抽出し、該抽出された各種乱数を始動記憶として記憶可能な始動記憶手段をなす。
続いて、特図保留情報判定処理(ステップA222)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0108】
一方、ステップA210にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA210;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA224)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA225;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA226)、コマンド設定処理(ステップA227)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA225にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合にも(ステップA225;No)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0109】
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図10に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA301)。
ここで、特図2保留数が0である(ステップA302;Yes)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA303)。そして、特図1保留数が0である(ステップA304;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA305)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA306;No)と判定すると、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモフラグをセーブする処理(ステップA307)を行う。
【0110】
続いて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA308)、コマンド設定処理(ステップA309)を行う。
一方、ステップA305にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA306;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA307)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA308)され、コマンド設定処理(ステップA309)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA310に移行する。
【0111】
次に、特図普段処理移行設定処理1(ステップA310)を行って、特図普段処理を終了する。なお、ステップA310における特図普段処理移行設定処理1の詳細については後述する。
一方、ステップA302にて、特図2保留数が0でない(ステップA302;No)と判定すると、特図2変動開始処理(ステップA311)を行う。なお、ステップA311における特図2変動開始処理の詳細については後述する。
その後、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA312)を行って、特図普段処理を終了する。
【0112】
また、ステップA304にて、特図1保留数が0でない(ステップA304;No)と判定すると、特図1変動開始処理(ステップA313)を行う。なお、ステップA313における特図1変動開始処理の詳細については後述する。その後、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA314)を行って、特図普段処理を終了する。
このように、ステップA301とステップA302における特図2保留数のチェックを、ステップA303とステップA304における特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA311)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
【0113】
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA313)および特図2変動開始処理(ステップA314)の詳細について説明する。
特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図11(A)に示すように、先ず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA321)を行う。
次に、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA322)を行った後、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄番号)に対応する信号を試験信号の出力データ領域にセーブする(ステップA323)。
続いて、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄情報をロードし、当該停止図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA324)。
【0114】
次に、特図1変動フラグを設定して準備し(ステップA325)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA326)。
その後、特図後半変動の設定に係るテーブルを準備して(ステップA327)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA328)を行う。続いて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA329)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA330)を行う。
その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA331)を行って、特図1変動開始処理を終了する。
なお、ステップA329における後半変動パターン設定処理、ステップA330における変動パターン設定処理、ステップA331における特図1変動開始処理の詳細については後述する。
【0115】
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA311)の詳細について説明する。
特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図11(B)に示すように、先ず、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA341)を行う。
次に、特図2停止図柄の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA342)を行った後、特図2停止図柄番号に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA343)。続いて、特図2停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードし、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA344)。
【0116】
次に、特図2変動フラグを設定して準備し(ステップA345)、特図2変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA346)。
続いて、特図後半変動の設定に係るテーブルを準備して(ステップA347)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA348)を行う。続いて、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA349)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA350)を行う。その後、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA351)を行って、特図2変動開始処理を終了する。
【0117】
〔後半変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理および特図2変動開始処理における後半変動パターン設定処理(ステップA350)の詳細について説明する。
図12に示すように、後半変動パターン設定処理では、先ず、第1特図及び第2特図のうち、特図情報設定処理にて設定された特図情報(例えば、第1特図等)に対応する変動グループ選択テーブルのアドレスを算出する処理(ステップA451)を行う。
【0118】
次に、作業用の図柄情報領域から停止図柄情報をロードし、特図1停止図柄設定処理または特図2停止図柄設定処理にて設定された停止図柄情報がはずれ図柄パターンであるか否かをチェックして(ステップA452)、停止図柄パターン情報がはずれ図柄パターンである(ステップA453;Yes)と判定すると、設定対象の変動選択グループ情報1から保留数ポインタをロードした後(ステップA454)、当該保留数ポインタに対応する変動グループ選択テーブルのアドレスを算出する処理(ステップA455)を行う。
【0119】
続いて、特図変動表示ゲームの後半変動パターングループを選択するための判定用乱数として、2バイト(複数バイト)で構成された変動パターン乱数1を対象の領域からロードして準備した後(ステップA456)、後半変動選択テーブルの特定に係る2バイト振り分け処理(ステップA457)を行う。
また、ステップA453にて、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンでない(ステップA453;No)と判定されると、処理をステップA456に移行して、変動パターン乱数1を対象の領域からロードして準備した後、後半変動選択テーブルの特定に係る2バイト振り分け処理(ステップA457)を行う。
【0120】
次に、2バイト振り分け処理を行うことにより得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備した後(ステップA458)、特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択するための判定用乱数として、変動パターン乱数2を対象の領域からロードして準備し(ステップA459)、後半変動番号の特定に係る振り分け処理(ステップA460)を行う。
そして、振り分け処理を行うことにより得られた後半変動番号を取得する処理(ステップA461)を行って、当該後半変動番号をRWMの対象となる後半変動番号領域にセーブして(ステップA462)、後半変動パターン設定処理を終了する。
【0121】
〔変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における変動パターン設定処理(ステップA351)の詳細について説明する。
図13に示すように、変動パターン設定処理では、先ず、変動選択グループ情報2をロードして(ステップA471)、当該変動選択グループ情報2に対応する前半変動選択アドレステーブル(1st)を設定する処理(ステップA472)を行う。
【0122】
次に、後半変動番号を対象の後半変動番号領域からロードして(ステップA473)、前半変動選択アドレステーブル(1st)の後半変動番号に対応するアドレスを算出する処理(ステップA474)を行う。続いて、後半変動番号がリーチなし変動の番号1であるか否かをチェックして(ステップA475)、後半変動番号がリーチなし変動でない(ステップA476;No)と判定すると、対象の前半変動情報2をテーブルポインタとしてロードする(ステップA477)。
続いて、テーブルポインタに対応する前半変動選択アドレステーブル(2nd)のアドレスを算出する処理(ステップA479)を行う。
【0123】
また、ステップA476にて、後半変動番号がリーチなし変動である(ステップA476;Yes)と判定すると、処理をステップA478に移行して、対象の前半変動情報2をテーブルポインタとしてロードしてから、テーブルポインタに対応する前半変動選択アドレステーブル(2nd)のアドレスを算出する処理(ステップA479)を行う。
次に、ステップA479にて算出されたアドレスから前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備した後(ステップA480)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを選択するための判定用乱数として、変動パターン乱数3を対象の領域からロードして準備し(ステップA481)、前半変動番号を特定する振り分け処理(ステップA482)を行う。
そして、振り分け処理の結果得られた前半変動番号を取得し準備する処理(ステップA483)を行って、変動パターン設定処理を終了する。
【0124】
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA352)の詳細について説明する。
図14に示すように、変動開始情報設定処理では、先ず、対象となる変動パターン乱数1〜3のRWMのセーブ領域をクリアした後(ステップA491)、変動パターン設定処理にて取得された前半変動番号に対応する前半変動時間値テーブルを設定する処理(ステップA492)、該前半変動時間値テーブルを用いて前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する処理(ステップA493)を行う。
【0125】
続いて、後半変動パターン設定処理にて取得された後半変動番号に対応する後半変動時間値テーブルを設定する処理(ステップA494)、該後半変動時間値テーブルを用いて後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する処理(ステップA495)を行う。
次に、取得された前半変動時間値と後半変動時間値とを加算する処理(ステップA496)を行った後、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA497)。
続いて、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を算出して準備した後(ステップA498)、後半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として準備して(ステップA499)、コマンド設定処理(ステップA500)を行う。
【0126】
次に、RWMの飾り特図コマンド領域から、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをロードして準備し(ステップA501)、コマンド設定処理(ステップA502)を行う。
続いて、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数(表示装置41に表示)に係る飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備して(ステップA503)、変動図柄判別フラグに対応するRWMの乱数セーブ領域のアドレスを設定する(ステップA504)。それから、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を更新(−1)する処理(ステップS505)を行う。
その後、特図保留数に対応する特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA506)、コマンド設定処理(ステップA507)を行う。そして、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域をシフトし(ステップA508)、シフト後の空き領域をクリアする処理(ステップA509)を行って、変動開始情報設定処理を終了する。
【0127】
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA11)の詳細について説明する。
図15に示すように、特図表示中処理では、先ず、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2をロードして(ステップA541)、RWMの大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA542)を行う。
次に、ロードされた大当りフラグ2をチェックして(ステップA543)、大当りである(ステップA544;Yes)と判定すると、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA550)を行い、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA551)、ステップA552に処理を移行する。
【0128】
一方、ステップA544にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA544;No)と判定すると、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1をロードして(ステップA545)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA546)を行う。
続いて、ロードされた大当りフラグ1をチェックして(ステップA547)、大当りである(ステップA548;Yes)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA549)、ステップA552に処理を移行する。
【0129】
ステップA552では、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理を行う。
次に、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンド数上限値を取得し、当該ラウンド数上限値をRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA553)。続いて、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンドLEDポインタを取得し、当該ラウンドLEDポインタをRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA554)。
【0130】
次に、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA555)、コマンド設定処理(ステップA556)を行う。
続いて、停止図柄パターン情報に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA557)、コマンド設定処理(ステップA558)を行う。
その後、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA559)、コマンド設定処理(ステップA560)を行う。
【0131】
次に、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA561)。続いて、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定して(ステップA562)、当該ファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA563)。
その後、大入賞口への不正入賞数をリセットした後(ステップA564)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA565)。
そして、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するための設定処理1(ステップA566)を実行する。
【0132】
一方、ステップA548にて、大当りフラグ1のチェックの結果、大当りでない(ステップA548;No)と判定すると、符号2で示すように、図16のステップA570へ移行して、遊技状態が、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームを時短動作状態とし、普通変動入賞装置37の開放時間を延長する時短状態であるか否かを判定する。
ここで、遊技状態が時短状態でない(ステップA570;No)と判定すると、特図普段処理に移行するための特図普段処理移行設定処理1(ステップA571)を行って、特図表示中処理を終了する。
【0133】
一方、ステップA570にて、遊技状態が時短状態である(ステップA570;Yes)と判定すると、特図変動表示ゲームが時短動作状態で行われる回数(例えば、100回)に係る時間短縮変動回数を更新(−1)した後(ステップA572)、当該更新後の時間短縮変動回数が0であるか否かを判定する処理(ステップA573)を行う。
ここで、時間短縮変動回数が0でない(ステップA573;No)と判定すると、処理をステップA571に移行して、特図普段処理移行設定処理1を行って、特図表示中処理を終了する。
【0134】
一方、ステップA573にて、時間短縮変動回数が0である(ステップA573;Yes)と判定すると、即ち、時短状態にて特図変動表示ゲームが時短動作状態での所定回数(例えば、100回)の実行が完了した場合には、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームの時短動作状態と普通変動入賞装置37の開放時間を延長する状態(時短状態)を終了する場合の確率情報コマンドを準備して(ステップA574)、コマンド設定処理(ステップA575)を行う。
その後、特図普段処理に移行するためのテーブル(時短終了時用)を準備する特図普段処理移行設定処理2(ステップA576)を行って、特図表示中処理を終了する。
【0135】
次に、図17を用いて、本実施形態の遊技機の特徴と該遊技機を設置した遊技場における遊技機間の通信範囲の設定の仕方について説明する。
本実施形態の遊技機は、遊技機間でデータ通信を行う通信機能と、遊技者が保持する携帯電話やPDA(パーソナルデジタルアシスタンツ)などの携帯情報端末(以下、情報端末と称する)を使用した連動遊技を提供する連動遊技機能とを有することを特徴としている。
具体的には、図17に示すように、遊技場において複数の遊技機が1列に配設されてなる各遊技島の遊技機のうち所定の関係を有する遊技機同士が通信可能に構成される。遊技機間の通信は、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)と呼ばれる無線通信規格に従った無線通信でもよいし、イーサネット(登録商標)のようなLAN(ローカルエリアネットワーク)を使用した有線方式の通信であってもよい。
【0136】
ここで、通信範囲の遊技機とされる関係は、基本的には島単位で横一列の同一メーカー・同一機種の遊技機間とするのが良いが、同一メーカー・同一機種の遊技機であれば、図17において一点鎖線A1で囲まれているように島を越えた通信範囲を設定してもよいし、同一遊技場内であれば同一メーカー・同一機種の遊技機を全て通信可能としてもよい。
また、A2のように、同一メーカー・同一機種でスペックが異なる遊技機を通信可能としてもよい。さらに、A3のように、同一メーカー・異機種であって共通枠を使用している遊技機間や同一メーカー・異機種であって、ともに本発明に特有の遊技形態である情報端末連動遊技に対応した遊技機間を通信可能としてもよい。また、A4のように、異なる複数のメーカーの遊技機が同一島に混在する場合は同一機種のものが所定台数確保されているのであれば通信可能としてもよい。さらに、A5のように、複数メーカーの遊技機でも共通枠であれば通信可能としてもよい。また、A6のように、情報端末連動遊技対応機種が一部のメーカーのみであれば大当り等の異機種同士で共通した遊技情報のみを通信可能としてもよい。なお、情報端末連動遊技については後に説明する。
【0137】
次に、図18を用いて、本実施形態の遊技機を設置した遊技場における遊技機間の通信方式について説明する。
本実施形態の遊技機は、遊技機間通信機能に関して、図18(A)に示すように、遊技島の一番端に配置されている遊技機Aを通信の中心となる親機とし、同一島内の他の遊技機B,C,D,E・・・を子機として、通信を行うように構成されている。ただし、親機の設定の仕方は、島の一番端のものを親機とする方式に限定されず、遊技場や島設備の状況に応じて適宜変更するようにしてもよい。
本実施例では、上記のようにして親機(以下、統括制御遊技機と称する)として設定された遊技機Aは、子機(従属遊技機)としての遊技機B,C,D,E・・・に対してトークン(発言権)を回すことで通信を行って、通信範囲内の遊技機を把握する。この際、統括制御遊技機Aは、通信範囲内の遊技機の中に異機種であって情報端末連動遊技を実行できない情報端末連動遊技非対応機種があれば、その遊技機を把握しておく。図18(A)においては、遊技機Eが情報端末連動遊技非対応の遊技機である。
【0138】
また、統括制御遊技機(親機)Aは、図18(B)に示すように、子機としての遊技機B,C,D,E・・・に対して通信を行って、情報端末連動遊技を行っている遊技機の数を把握する。図18(B)においては、太枠で示されている遊技機A,C,Dが、情報端末連動遊技を行っている遊技機である。
なお、情報端末連動遊技の開始の際に子機としての遊技機の側から統括制御遊技機Aへ情報を送信すること(通信割込み)で、統括制御遊技機Aが情報端末連動遊技を行っている遊技機(自機および子機)の数を把握するようにしてもよい。
【0139】
次に、本実施例における情報端末連動遊技への参加(ログイン)および終了(ログアウト)の仕方について説明する。
情報端末連動遊技対応の遊技機は、所定時間遊技が行われていないデモ画面表示期間に自動的にあるいはデモ期間に遊技機の前面に設けられている演出ボタン25を操作すると、表示装置41に情報端末連動遊技へ参加(ログイン)するためのパスワードの入力を促す画像を表示する。この画面で、遊技者が演出ボタン25を操作してパスワードを入力すると、情報端末連動遊技へ参加が認可され、以下に説明するような情報端末連動遊技(得点の獲得、共通演出の享受)が実行される。
そして、遊技者が獲得した得点に応じて遊技レベルが段階的に上がり、レベルに応じた遊技サービス(他の遊技機と連動した共通演出の実行や自遊技機における装飾演出態様の変化等)が提供されるとともに、獲得した得点により情報端末による画像コンテンツの取得、飲み物の提供など様々なサービスを遊技者が受けられようになる。なお、遊技レベルには上限(例えば「100」)を設けても良い。
【0140】
ログイン時の最初のパスワードは、ウェブサーバから入手しても良いし、来店時に遊技店から遊技者に与えるようにしても良い。あるいは初回のログインはパスワードなしでもよい。
ウェブサーバからパスワードを入手する方法としては、遊技者が遊技機のメーカーあるいは遊技店が開設している携帯サイトで会員登録をすることで最初のパスワードを受ける方法がある。また、遊技機の前面にシール等で示されているQRコード(登録商標)のような2次元コードを携帯電話などの情報端末のカメラ機能を使用して取り込み、サイトを提供するウェブサーバ等へアクセスすることで、情報端末に返信されたパスワードを使用するようにしてもよい。そして、2回目以降に情報端末連動遊技へ参加(ログイン)するためのパスワードは、前回の情報端末連動遊技の終了(ログアウト)時に表示装置41に表示される2次元コードを情報端末に取り込み、ウェブサーバ等へアクセスすることで取得する方式が考えられる。
【0141】
ログイン後、遊技機の制御装置は、その後の情報端末連動遊技中における履歴情報や遊技者に付与された得点などを記憶する。
情報端末連動遊技の終了(ログアウト)は、遊技者が演出ボタン25を操作して表示装置41に表示させたログアウト画面にて所定の操作を行うことで実行され、遊技機の制御装置は、情報端末連動遊技中に記憶した履歴情報や得点等を加味して2次元コードを作成し、表示装置41に表示させて情報端末のカメラ機能による取り込みを促す表示もしくはメッセージを出力する。また、遊技機の制御装置は、2次元コードの表示後もしくは次の遊技者によるログインの際に、それまで記憶していた情報端末連動遊技中の履歴情報や得点をクリアする。
【0142】
また、遊技客がログアウトの際に遊技機の表示装置に表示された2次元コードを情報端末により取り込んでウェブサーバ等にアクセスすると、遊技データが保存される。これにより、図19(A)に示すように、情報端末の表示パネルに履歴情報や達成条件等が表示されて確認できるようになる。また、図19(B)に示すように、情報端末の表示パネルに遊技当日に遊技者に付与された得点またはそれまでの得点と合計した得点を表示するとともに、当該得点によって享受することできるサービスの内容を表示させることができる。なお、遊技客は、次に遊技をする際には、ログインの前にウェブサーバ等にアクセスしてパスワードを受け取り、遊技機に入力することで情報端末連動遊技へ参加することができる。
【0143】
次に、本実施例における情報端末連動遊技の具体的な内容について、図20及び図21を用いて説明する。
本実施例における情報端末連動遊技は、通信範囲内のいずれかの遊技機において、大当りのような特別なイベントが発生(条件成立)した場合に、それを統括制御遊技機(親機)Aが認知して、イベントが発生した遊技機に対して所定の得点(遊技得点と呼ぶ)を付与するとともに、情報端末連動遊技に参加している遊技機(自機を含む)にも所定の得点(通信得点と呼ぶ)を付与するものである。通信得点は、情報端末連動遊技に参加し通信範囲内で所定の条件が成立することで得られる参加得点である。本実施例では、得点は統括制御遊技機により管理され、情報端末連動遊技を終了(ログアウト)する際に対応する遊技機(子機)へ送信される。
【0144】
ここで、上記「所定の条件」は、例えば通信範囲内の2以上の遊技機において同じ時期に大当りが発生したことなどがある。図20で説明すると、例えば図20(A)に示すように、通信範囲内の遊技機CとDで大当りが発生したとすると、当該遊技機CとDに遊技得点を付与するとともに、図20(B)に示すように、このとき情報端末連動遊技に参加している遊技機A,C,Dに通信得点を付与する。これを示したのが図20(C)である。
また、大当りが発生した遊技機は、通信範囲内であれば情報端末連動遊技に参加していなくてもよい。例えば、遊技機Bが情報端末連動遊技に参加していない場合に、図21(A)に示すように、通信範囲内の遊技機BとDで大当りが発生したとすると、遊技機Dに遊技得点を付与するとともに、図21(B)に示すように、このとき情報端末連動遊技に参加している遊技機A,C,Dに通信得点を付与する。これを示したのが図21(C)である。なお、「所定の条件」は、例えば通信範囲内のいずれか1つの遊技機において大当りが発生したこと、あるいはプレミアスペシャルリーチが発生したことなどであってもよい。
【0145】
図22には、統括制御遊技機により管理されるデータテーブルの例が示されている。このうち、図22(A)は、通信範囲内で情報端末連動遊技に参加している遊技機とその遊技機の遊技レベルおよび遊技得点を管理するテーブルである。また、図22(B)は情報端末連動遊技に参加している遊技機において発生した大当りやスペシャルリーチなどの遊技履歴としての特定遊技情報を記憶し管理するリスト(管理テーブル)である。なお、図22(B)のテーブルは時系列的なデータを記憶する。このような遊技履歴情報テーブルを設けているのは、共通演出を行うためである。
【0146】
本実施例における共通演出実行の条件としては、通信範囲内の遊技機で大当りが3回発生したとか、大当りが5回、大当りが10回、大当りが15回、発生したなどがある。図22(B)の場合には、大当り3回の条件達成しているので共通演出を行う。共通演出実行の条件として大当り10回発生とか、15回発生等がある場合には、大当り5回達成は継続的な条件であるので、この時点で大当たりの特定遊技情報をリストから削除せずにデータを残しておく。一方、共通演出実行の条件が「特定キャラクタを見た」といった単発的な条件であれば、共通演出実行後にこの特定遊技情報をリストから削除する。
【0147】
なお、共通演出実行の条件が達成された場合、通信範囲内の遊技機で共通演出を実行するとともに、遊技者に所定の得点を付与するようにしても良い。また、この際に付与する得点は、達成条件の難易度に応じて「+1」または「+2」のように変えてもよいし、達成条件のいかんにかかわらず付与する得点を固定してもよい。
図22(C)は、情報端末連動遊技に参加している各遊技機(統括制御遊技機および従属制御遊技機)ごとにその遊技機の遊技レベルおよび遊技得点を、ログインからログアウトまで時系列的に記憶する履歴情報記憶領域の例を示したものである。図に示すように、この実施例では、遊技得点が10に達すると遊技レベルが1段階上がり、遊技得点は0に戻るようにされる。
【0148】
次に、情報端末連動遊技に参加している遊技機で行われる装飾演出、通信範囲内の遊技機において大当りが5回などの所定の条件が達成された場合に実行される共通演出の具体例について、図23〜図26を用いて説明する。
図23(A),(B)は情報端末連動遊技に参加している遊技機の表示装置41に表示される画面の例を示す。特に限定されるわけではないが、この実施例では、表示画面の右上に当該遊技者が獲得した得点と遊技レベルを表形式で表示するようにしている。図23(C)の画面においては、得点表が表示されていないので、当該遊技機は情報端末連動遊技に参加していないことを表している。得点表のうち、得点表示欄は、図23(D)に示すように、10個のます目を表示し、そのときの得点に応じて塗り潰しによるグラフ表示(段階表示)を行うようにしている。そして、遊技得点が10に達すると遊技レベルが1段階上がり、遊技得点のグラフ表示は0に戻るようにされる。また、遊技の途中で得点付与となる遊技条件が達成されると、図23(B)に示すように、画面の右下に達成した条件の内容を表示するようになしている。
【0149】
図24および図25には、通信範囲内の各遊技機における演出の例が示されている。
このうち、図24は、通信範囲内の複数の遊技機のうち情報端末連動遊技に参加している遊技機において、前面枠の装飾ランプを使用してそれぞれの遊技レベルに応じて異なる発光装飾を行うようにした様子が示されている。このように、情報端末連動遊技に参加すると前面枠の発光装飾が行われることで、情報端末連動遊技に参加していることが他の遊技者から分かり易くなるとともに、自分の遊技レベルが高い場合には他とは異なる発光装飾が行われることで、遊技者は優越感を得ることができる。
【0150】
図25は、通信範囲内の遊技機において大当りが5回発生などの所定の条件が達成された場合に実行される共通演出の具体例が示されている。ここでは、一例として、情報端末連動遊技に参加している複数の遊技機A,C,Dにおいて、各々前面枠の装飾ランプ(枠装飾装置18等)を同一の態様で発光させることで共通演出を行うようにした様子が示されている。
このような共通演出を行うことで、遊技者間に連帯感が生まれるとともに、他の遊技機で大当りが発生したような場合には自分も大当りを発生させたいという遊技意欲を遊技者に与えることができる。所定の条件が達成されたか否かの判定は特定遊技情報を一括管理する統括制御遊技機Aが行い、統括制御遊技機Aから子機C,Dへ所定の条件が達成されたことを知らせることで、共通演出が実行される。なお、共通演出は前面枠の装飾ランプを使用したものに限らず、表示装置41における演出を同一もしくは関連させるものであっても良い。
【0151】
遊技レベルに応じた発光装飾による演出は、図24に示すようなものに限定されず、例えば図26(A)に示すように、遊技レベルに応じてそれぞれ異なる発光装飾による演出を行うようにするとよい。また、図26(A)のようなものに限定されず、遊技レベルに応じて遊技者が情報端末で好みのものにカスタマイズできるように構成しても良い。
一方、共通演出は、図25に示すようなものに限定されず、例えば図26(B)に示すように、達成条件に応じて異なる共通演出を実行するようにするとよい。図26(B)における発光態様も、記述されているものに限定されず、点灯による発光色だけでなく点滅を組み合わせても良いし、隣接する台に跨って配色パターンを決定しても良い。また、複数の特定遊技情報に対して共通のパターンを使用しても良いし、特定遊技情報のイメージに合わせた発光パターンにしたり、達成しにくいものに対してはより豪華な発光パターンを割り当てるようにしても良い。
【0152】
次に、上述したような遊技機間通信機能と、情報端末を使用した連動遊技機能(得点付与と共通演出)とを実現する演出制御装置300の構成について、図27を用いて説明する。
図27に示すように、演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
【0153】
演出制御装置300には、通信強度を設定するための通信強度設定スイッチ65や、遊技機の台番号を設定する台番号設定スイッチ66、通信範囲としての設置範囲を設定する設置範囲設定スイッチ67、営業時間を設定する営業時間設定スイッチ68、親機として動作かることを設定するためのMASTER設定スイッチ69、現在時刻の情報を与えるリアルタイムクロックRTCからの信号が入力され、これらの入力信号に応じた制御を行うようにプログラムが作成されている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。
【0154】
主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
【0155】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
【0156】
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
【0157】
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
【0158】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0159】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
【0160】
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
また、演出制御装置300には、他の遊技機の演出制御装置との間で、無線または有線による通信を行うための通信回路350が設けられており、情報端末連動遊技の実行ための遊技機間通信は演出制御装置300によって行われるようになっている。
【0161】
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0162】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
【0163】
次に、上記演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311によって実行される制御について説明する。
主制御用マイコン311による制御処理は、図28に示す1stメイン処理と、所定時間ごと(例えば2msecごと)に行われるコマンド受信割込み処理とからなる。1stメイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。
【0164】
〔1stメイン処理〕
図28に示すように、1stメイン処理においては、先ず、割込みを禁止する処理(ステップB1)を行ってから、RAMを0クリアする処理(ステップB2)を行い、1stCPU311の初期化処理(ステップB3)を行う。
次に、RAMに初期値を設定する処理(ステップB4)を行い、乱数初期化処理(ステップB5)を行う。その後、各種割込みのタイマを起動する処理(ステップB6)を行い、割込みを許可する(ステップB7)。その後、主制御用マイコン311は、メインループ処理ステップB8〜B23を行う。
【0165】
このメインループ処理では、先ず、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(ステップB8)を行う。そして、演出操作ボタンSW25aからの信号の立ち上がりエッジを検出して入力データを作成する入力処理(ステップB9)、遊技制御装置100から送信されたコマンドを受信割込み処理で受信バッファに取り込んで情報を読み込む遊技制御コマンド解析処理(ステップB10)を行う。
この遊技制御コマンド解析処理では、遊技制御装置100から送信された遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドをシーン制御のために区分けし確定する処理を行う。遊技制御装置100から送信される一つのコマンドは、第1コマンド(MODE)と、第2コマンド(ACTION)との一対のデータにより構成されている。
【0166】
そして、受信した第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾しない場合(例えば、MODE→ACTIONの順に受信した場合)に正しくコマンドを受信したと判定し、第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾する場合(例えば、ACTION→ACTIONの順やMODE→MODE→MODEの順に受信した場合)にコマンドの受信が異常であると判定するようになっている。
続いて、表示や装飾のランプや役物等の動作確認をするためのテストモード処理(ステップB11)、特図変動表示ゲームに関する処理を行う1stシーン制御処理(ステップB12)を行う。
【0167】
その後、統括制御遊技機として設定されている遊技機において、各種情報設定や外部通信のための設定を行う統括制御遊技機処理(ステップB13)、従属制御遊技機として設定されている遊技機において統括制御遊技機からの設定情報に基づいて各種情報設定を行う従属制御遊技機処理(ステップB14)、情報端末連動遊技を開始するための設定を行う処理(ステップB15)、情報端末連動遊技を終了するための処理(ステップB16)、遊技制御装置からのコマンドを受信して対応する演出や報知を開始するための情報設定を行い統括制御遊技機へ特定遊技情報の発生を報告するイベント報知処理(ステップB17)を行う。
【0168】
さらに、内部レジスタに書き込むことで2ndCPU312へコマンドを送出して特図変動表示ゲームにおける演出に関する設定を行う演出コマンド編集処理(ステップB18)、音声の出力に関する処理(スピーカ19a、19bの駆動処理)であるサウンド制御処理(ステップB19)、前面枠に設けられた枠装飾装置18の制御に関する処理である装飾制御処理(ステップB20)を行う。そして、センターケース40に設けられた役物等を駆動させる盤演出モータ/SOL制御回路334の制御に関するモータ/SOL制御処理(ステップB21)、飾り特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)等の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB22)、通信回路350による外部通信の設定を行う処理(ステップB23)を行い、ウォッチドッグタイマをクリアする処理(ステップB8)に戻る。
【0169】
図29には、図28の1stメイン処理中に実行される統括制御遊技機処理(ステップB13)の具体的な手順の一例が示されている。
この統括制御遊技機処理は、MASTER設定スイッチ69(図27参照)により統括制御遊技機として設定された遊技機が、電源投入時や所定時間経過毎に通信範囲内の子機となる遊技機(この実施例では同一機種とする)の台数を把握し、情報端末連動遊技に参加している遊技機から特定遊技情報を取得して管理するとともに、特定の条件が成立したか判定して共通演出を実行させるための処理である。
この統括制御遊技機処理においては、先ず設定スイッチ69からの信号を見て統括制御遊技機として設定されているか否か判定する(ステップB311)。そして、統括制御遊技機として設定されていない(ステップB311:No)と判定すると、ステップB322へジャンプする。
【0170】
一方、ステップB311での判定で、統括制御遊技機として設定されている(Yes)と判定すると、ステップB312へ進み、台数を特定する条件(電源投入1回目および所定時間毎)が成立しているか否か判定する。そして、台数を特定する条件が成立していない(ステップB312:No)と判定すると、ステップB315へ移行する。また、ステップB312での判定で、台数を特定する条件が成立している(Yes)と判定すると、ステップB313へ進み、同一機種に対して応答(台番号を含む)を要求する応答要求コマンドを外部通信バッファにセットし、応答待ちのための待機タイマをセットする(ステップB314)。
【0171】
その後、応答待機中であるか否か判定する(ステップB315)。そして、応答待機中でない(ステップB315:No)と判定すると、ステップB322へジャンプする。また、ステップB315での判定で、応答待機中である(Yes)と判定すると、ステップB316へ進み、要求に対する応答があったか否か判定し、応答がない(ステップB316:No)と判定すると、ステップB319へ移行する。また、応答があった(ステップB316:Yes)と判定すると、ステップB317へ進み、要求に対する応答をしてきた遊技機(台)に関する情報と台番号と紐付けて応答リストに追加する。それから、同一機種の台数を計数するためのカウンタを更新(+1)する(ステップB318)。
【0172】
次に、ステップB314でセットした応答待機タイマがタイムアップしたかチェックする(ステップB319)。そして、応答待機タイマがタイムアップしてない(ステップB320:No)と判定すると、ステップB321をスキップしてステップB322へ移行する。また、ステップB320での判定で、応答待機タイマがタイムアップした(Yes)と判定すると、ステップB321へ進み、ステップB318で更新した同一機種台数カウンタの値に基づいて同一機種台数を確定する。その後、情報端末連動遊技処理(ステップB322)、共通演出処理(ステップB323)を実行して統括制御遊技機処理から抜ける。情報端末連動遊技処理と共通演出処理について、図30および図31を用いて説明する。
【0173】
図30には、図29の統括制御遊技機処理中に実行される上記情報端末連動遊技処理(ステップB322)の具体的な手順の一例が示されている。この情報端末連動遊技処理は、統括制御遊技機が、通信範囲内のいずれかの遊技機で情報端末連動遊技への参加すなわちログインがあったことや、情報端末連動遊技の終了すなわちログアウトがあったことをリアルタイムで把握するための処理である。
この情報端末連動遊技処理では、先ず、各遊技機から受信したデータに情報端末連動遊技開始情報があるかチェックする(ステップB331)。そして、情報端末連動遊技開始情報がある(ステップB332:Yes)と判定すると、ステップB333へ進み、要求に対する応答をしてきた遊技機(台)に関する情報と台番号と紐付けてログインリストに追加して、ステップB334へ進む。また、情報端末連動遊技開始情報がない(ステップB332:No)と判定すると、ステップB333をスキップしてステップB334へ移行する。
【0174】
ステップB334では、各遊技機の情報に情報端末連動遊技終了情報があるかチェックする。そして、情報端末連動遊技終了情報がある(ステップB335:Yes)と判定すると、ステップB340へ進み、遊技機(台)に関する情報と台番号と紐付けて記憶しているログインリストからこれらの情報を削除する。また、情報端末連動遊技終了情報がない(ステップB335:No)と判定すると、ステップB341へ移行する。
ステップB341では、各遊技機から特定遊技情報を取得したか否か判定する。そして、特定遊技情報を取得した(ステップB341:Yes)と判定すると、ステップB342へ進み、要求に対する応答をしてきた遊技機(台)に関する情報と台番号と紐付けてログインリストに特定遊技情報を追加して当該情報端末連動遊技処理から抜ける。また、特定遊技情報を取得していない(ステップB341:No)と判定すると、ステップB342をスキップして当該情報端末連動遊技処理から抜ける。
【0175】
図31には、図29の統括制御遊技機処理中に実行される共通演出処理(ステップB233)の具体的な手順の一例が示されている。この共通演出処理は、図25で説明した各遊技機の前面枠の装飾ランプ(装飾装置18)を使用して行われる共通演出の実行を制御する処理である。
この共通演出処理においては、先ず共通演出実行フラグがセットされているか否か判定する(ステップB344)。そして、共通演出実行フラグがセットされていない(ステップB344:No)と判定すると、ステップB345へ進み、ログインリストの情報を取得する。そして、ログインリストの情報が通信範囲内で、大当りが5回発生などの共通演出実行のための所定条件が達成されているかチェックする(ステップB346)。ここで、共通演出実行条件が達成されていていない(ステップB347:No)と判定すると、当該共通演出処理から抜ける。
【0176】
一方、ステップB347で、共通演出実行条件が達成されている(Yes)と判定すると、ステップB348へ進み、達成した条件に対応した共通演出情報を含む外部報知情報を、情報端末連動遊技に参加している他の遊技機(子機)の台番号と共に外部通信バッファにセットする。そして、共通演出実行フラグをセットし(ステップB349)、共通演出を実行する期間を規定する共通演出タイマをセットする(ステップB350)。
その後、当該統括制御遊技機自身が情報端末連動遊技を実行中であるか否か判定する(ステップB348)。そして、情報端末連動遊技を実行中でない(ステップB348:No)と判定すると、当該共通演出処理から抜ける。また、統括制御遊技機が情報端末連動遊技を実行中である(ステップB348:Yes)と判定すると、ステップB349へ進み、達成した条件に対応した共通演出情報を自遊技機にも設定して当該共通演出処理から抜ける。
【0177】
また、上記ステップB344で、共通演出実行フラグがセットされている(Yes)と判定すると、ステップB353へ移行して、ステップB350でセットした共通演出タイマがタイムアップしたか否か判定する。そして、共通演出タイマがタイムアップしていない(ステップB353:No)と判定すると、当該共通演出処理から抜ける。一方、ステップB353で、共通演出タイマがタイムアップした(Yes)と判定すると、ステップB354へ進み、共通演出終了情報を、参加している遊技機の台番号と共に外部通信バッファにセットする。そして、共通演出実行フラグをクリアする(ステップB355)。
【0178】
その後、当該統括制御遊技機自身が共通演出を実行中であるか否か判定する(ステップB356)。そして、共通演出を実行中でない(ステップB356:No)と判定すると、当該共通演出処理から抜ける。また、統括制御遊技機が共通演出を実行中である(ステップB356:Yes)と判定すると、ステップB357へ進み、共通演出を終了して当該共通演出処理から抜ける。
上記のような処理を行うことにより、統括制御遊技機は自機において情報端末連動遊技が実行されていない場合にも、従属制御遊技機から情報の送信を受けて共通演出を実行するか否かの判定を行い、従属制御遊技機においてのみ共通演出を実行させることも可能となっている。
【0179】
なお、ステップB350でセットする共通演出タイマの設定時間は例えば10秒程度が考えられるが、該タイマがタイムアップする前に他の共通演出実行条件が重複して達成される場合がある。その場合には、既に開始している共通演出を中断して後から発生した共通演出を実行してもよいし、後で達成した条件が既に達成し開始している共通演出と同一の条件の場合には後で達成した条件は無視しても良い。また、後で達成した条件による共通演出をグレードアップしても良い。また、達成した条件がことなる場合には、条件達成の難易度の高い方の共通演出を優先して実行するようにしても良い。
【0180】
図32には、図28の1stメイン処理中に実行される従属制御遊技機処理(B14)の具体的な手順の一例が示されている。
この従属制御遊技機処理は、従属制御遊技機として設定された遊技機が、電源投入時や所定時間経過毎に統括制御遊技機が通信範囲内の子機となる遊技機(この実施例では同一機種とする)や連動遊技に参加している遊技機の台数を把握するために送信してくる応答要求に対して応答するとともに、統括制御遊技機から送信されてくる情報に基づいて共通演出を実行する設定を行うための処理である。
この統括制御遊技機処理においては、先ずMASTER設定スイッチ69(図27参照)からの信号を見て従属制御遊技機として設定されているか否か判定する(ステップB361)。そして、従属制御遊技機として設定されていない(ステップB361:No)と判定すると、ステップB366へジャンプする。
【0181】
一方、ステップB361での判定で、従属制御遊技機として設定されている(Yes)と判定すると、ステップB362へ進み、統括制御遊技機からの応答要求を受信しているか否か判定する。そして、応答要求を受信していない(ステップB362:No)と判定すると、ステップB366へジャンプする。また、ステップB312での判定で、応答要求を受信している(Yes)と判定すると、ステップB363へ進み、統括制御遊技機と同一の機種であるか否か判定する。そして、統括制御遊技機と同一の機種でない(ステップB364:No)と判定すると、ステップB366へジャンプする。また、ステップB364での判定で、統括制御遊技機と同一の機種である(Yes)と判定すると、ステップB365へ進み、要求元に対する要求応答(台番号を含む)を外部通信バッファにセットしステップB366へ移行する。
【0182】
ステップB366では、自遊技機が情報端末連動遊技中であるか否か判定する。そして、情報端末連動遊技中でない(ステップB366:No)と判定すると、当該従属制御遊技機処理から抜ける。一方、ステップB366で情報端末連動遊技中である(Yes)と判定すると、ステップB367へ進み、統括制御遊技機から送信されて来た共通演出情報があるかチェックする。そして、共通演出情報がない(ステップB368:No)と判定すると、当該従属制御遊技機処理から抜ける。また、ステップB368で共通演出情報がある(Yes)と判定すると、ステップB369へ進み、共通演出情報に基づいて共通演出パターンを設定して当該従属制御遊技機処理から抜ける。
【0183】
図33(A)には、図28の1stメイン処理中に実行される情報端末連動遊技開始処理(B15)の具体的な手順の一例が示されている。
この情報端末連動遊技開始処理では、先ずログインが可能な状態かすなわち情報端末連動遊技への参加が可能な状態であるかチェックする(ステップB371)。ここで、ログインが可能な状態とは、図33(B)に示すように、変動表示ゲームの変動が停止し、所定時間経過しても次の変動が開始しないと表示される客待ち画面が表示されている状態のことで、本実施形態の遊技機は、この状態において遊技者が、演出ボタン25を操作するとログイン画面が表示され、パスワードを入力するとログインが完了するようになっている。
【0184】
ログインが可能な状態か否かの判定で、ログインが可能でない(ステップB372:No)と判定すると、当該情報端末連動遊技開始処理から抜ける。一方、ログインが可能である(ステップB372:Yes)と判定すると、ステップB373へ進み、演出ボタン25の操作による入力があったかチェックする。そして、入力がない(ステップB374:No)と判定すると、当該情報端末連動遊技開始処理から抜ける。また、入力があった(ステップB374:Yes)と判定すると、ステップB375へ進み、遊技情報記憶領域内の遊技情報をクリアする。前回の遊技者がログアウトせずに遊技を終了した場合等に、前回遊技に伴い発生した情報がこれから実行する情報端末連動遊技において加算されないようにするためである。
【0185】
次に、遊技得点を計数する遊技得点カウンタに初期値(0)をセットし(ステップB376)、遊技者により入力されたパスワードから取得した遊技履歴に基づいて前回の遊技終了時の遊技レベル情報を取得する(ステップB377)。そして、その遊技レベル情報を表示装置41に表示する(ステップB378)。この際、遊技得点として初期値(0)を合わせて表示するようにしても良い。その後、パスワードから取得した遊技レベルに応じて前面枠の装飾ランプによるレベル別装飾態様を設定する(ステップB379)。
なお、パスワードは、遊技者が情報端末を用いてウェブサーバから取得しログイン時に入力するものであるが、ウェブサーバと各遊技機の演出制御装置とがそれぞれ遊技終了時情報として遊技レベルとパスワードとの関係を記述した共通のテーブル(リスト)を各々保有するようにしておく。そして、ウェブサーバがテーブルを参照してパスワードを生成して情報端末へ送信することで、演出制御装置は入力されたパスワードからテーブルを参照して前回の遊技終了時の遊技レベルを取得することができる。また、パスワード自身に前回遊技終了時の遊技レベル情報を含ませるようにしても良い。さらに、遊技レベルの他に前回の遊技終了時の遊技得点も再現できるようにしても良い。
【0186】
上記ステップB379に続いて、MASTER設定スイッチ69(図27参照)からの信号を見て自遊技機が統括制御遊技機として設定されているか否か判定する処理(ステップB380)を実行する。そして、統括制御遊技機として設定されている(ステップB380:Yes)と判定すると、ステップB381へ進み、自遊技機の台番号をログインリストに追加して、当該情報端末連動遊技開始処理から抜ける。一方、統括制御遊技機として設定されていない(ステップB380:No)と判定すると、ステップB382へ移行して情報端末連動遊技開始情報(台番号を含む)を外部通信バッファにセットして、当該情報端末連動遊技開始処理から抜ける。
【0187】
図34には、図28の1stメイン処理中に実行される情報端末連動遊技終了処理(B16)の具体的な手順の一例が示されている。
この情報端末連動遊技開始処理では、先ず遊技者により演出ボタン25による情報端末連動遊技終了操作すなわちログアウト操作がなされたか否か判定する(ステップB391)。ここで、情報端末連動遊技終了操作がなされていない(ステップB391:No)と判定すると、当該情報端末連動遊技終了始処理から抜ける。一方、情報端末連動遊技終了操作がなされた(ステップB391:Yes)と判定すると、ステップB392へ進み、自遊技機が統括制御遊技機として設定されているか否か判定する。
【0188】
そして、統括制御遊技機として設定されている(ステップB392:Yes)と判定すると、ステップB393へ進み、自遊技機の台番号をログインリストから削除する。また、統括制御遊技機として設定されていない(ステップB392:No)と判定すると、ステップB395へ移行して情報端末連動遊技終了始情報(台番号を含む)を外部通信バッファにセットする。
次に、遊技情報の出力を行うか否か判定する(ステップB398)。そして、遊技情報の出力を実行しない(ステップB398:No)と判定すると、当該情報端末連動遊技終了処理から抜ける。また、遊技情報の出力を実行する(ステップB398:Yes)と判定すると、ステップB399へ進み、遊技情報記憶領域内の遊技情報(遊技終了時の情報)を出力し、遊技情報出力タイマをセットする(ステップB400)。なお、ステップB399で遊技情報を出力するとき、本実施例では、遊技情報に基づいて2次元コードを生成し、それを表示装置41の画面に表示させることで出力としている。
【0189】
その後、遊技情報の表示を消すか否か判定し(ステップB401)、遊技情報の表示を消す(Yes)と判定すると、ステップB403へジャンプする。また、遊技情報の表示を消さない(ステップB401:No)と判定すると、ステップB402へ進み、遊技情報出力タイマがタイムアップしたか否か判定する。ここで、ステップB401における遊技情報の表示を消すか否かの判定は、例えば表示装置に表示された2次元コードを遊技者が携帯端末の撮像機能で取り込んでから、終了を確認するため演出ボタン25を操作することで入力される信号に基づいて行うようにすることができる。
【0190】
ステップB402で、遊技情報出力タイマがタイムアップしてない(No)と判定すると、ステップB401へ戻り上記処理を繰り返す。一方、ステップB402で、遊技情報出力タイマがタイムアップした(Yes)と判定すると、ステップB403へ進む。これにより、2次元コードがいつまでも表示され続けて、他の遊技者が取得できしまう事態が発生するのを回避することができる。
ステップB403では、遊技情報の表示を消して、遊技情報記憶領域内の遊技情報をクリアする(ステップB404)。その後、遊技レベル情報の表示をクリアし(ステップB405)、前面枠のレベル別装飾態様をデフォルト状態に変更(ステップB406)して、当該情報端末連動遊技終了処理から抜ける。
【0191】
図35には、図28の1stメイン処理中に実行されるイベント報知処理(B17)の手順の一例が示されている。このイベント報知処理は、遊技制御装置(主基板)からイベント(大当り等、得点付与対象となるイベントまたはノーマルリーチ等、得点付与対象とならないイベント)の発生を知らせるコマンドを受信した場合に、イベントに対応する演出の開始を設定するとともに、自遊技機が所定の条件(大当り等、得点付与対象となるイベントの発生)を達成したかどうか判断し、達成したら統括制御遊技機へ特定遊技情報を送信するための処理である。
【0192】
このイベント報知処理においては、先ず遊技制御装置(主基板)からイベントの発生を知らせるコマンドを受信したかチェックする(ステップB411)。そして、コマンドを受信していない(ステップB412:No)と判定すると、当該イベント報知処理から抜ける。一方、コマンドを受信し(ステップB412:Yes)と判定すると、ステップB413へ進み、受信したイベント発生コマンドは特定演出の実行対象となるイベントのコマンドであるかチェックする。そして、特定演出の実行対象となるイベントのコマンドでない(ステップB414:No)と判定すると、ステップB415へ移行して受信したイベント発生コマンドに対応する演出開始情報を設定して、当該イベント報知処理から抜ける。
【0193】
一方、特定演出の実行対象となるイベントのコマンドで(ステップB414:Yes)と判定すると、ステップB416へ進み、特定演出開始情報を設定した後、大当りやスペシャルリーチ等、得点付与対象となるイベントの発生を示す特定遊技情報があるか否か判定する(ステップB417)。そして、特定遊技情報がある(ステップB417:Yes)と判定すると、ステップB419へ進み、情報端末連動遊技中処理を実行する。この情報端末連動遊技中処理(ステップB419)については、図36を用いて説明する。
【0194】
続いて、MASTER設定スイッチ69(図27参照)からの信号を見て自遊技機が統括制御遊技機として設定されているか否か判定する(ステップB420)。そして、統括制御遊技機として設定されている(ステップB420:Yes)と判定すると、ステップB421へ進み、特定遊技情報をログインリストに追加して、当該イベント報知処理から抜ける。一方、統括制御遊技機として設定されていない(ステップB420:No)と判定すると、ステップB422へ移行して特定遊技情報(台番号を含む)を外部通信バッファにセットして、当該イベント報知処理から抜ける。
【0195】
図36には、図35のイベント報知処理中に実行される情報端末連動遊技中処理(B419)の手順の一例が示されている。
この情報端末連動遊技中処理においては、先ず情報端末連動遊技中であるか否か判定する(ステップB430)。そして、情報端末連動遊技中でない(ステップB430:No)と判定すると、当該情報端末連動遊技中処理から抜け、図35のイベント報知処理へ戻る。一方、情報端末連動遊技中である(ステップB430:Yes)と判定すると、ステップB431へ進み、情報端末連動遊技中である特定遊技情報を遊技情報記憶領域にセット(格納)する。それから、取得した特定遊技情報に応じて遊技得点を決定する(ステップB432)。ここで、遊技得点は、大当りは1得点、プレミア演出は2得点のように、発生イベントの出現頻度や達成の難易度に応じて決定してもよいし、特定遊技情報の内容にかかわらず付与する得点を固定するようにしてもよい。
【0196】
次に、遊技得点カウンタを+1更新し(ステップB433)、表示装置に表示する遊技得点情報表示を更新する(ステップB434)。それから、遊技得点カウンタの値が例えば「10」のような所定値に到達したか否か判定する(ステップB435)。そして、所定値に到達していない(ステップB435:No)と判定すると、当該情報端末連動遊技中処理から抜け、図35のイベント報知処理へ戻る。一方、所定値に到達した(ステップB435:Yes)と判定すると、ステップB436へ進み、遊技レベル情報を取得して更新(+1)した後、遊技得点カウンタを0にクリアする(ステップB437)。
【0197】
それから、表示装置41に表示する遊技レベル情報の表示を更新する設定を行う(ステップB438)。そして、前面枠の装飾ランプ(装飾装置18)によるレベル別装飾態様を、更新後の遊技レベルに応じた態様に変更(ステップB439)して、当該情報端末連動遊技中処理から抜ける。なお、本実施例では、遊技得点カウンタをインクリメント(+1)で更新する方式のものとしたが、デクリメント(−1)で更新する方式のものであってもよい。そして、その場合、カウンタの初期値として「10」をセットし、「0」になった時点で遊技レベルを1段階上げるようにしてもよい。
【0198】
〔1stシーン制御処理〕
図37には、図28に示した1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB12)の具体的な手順の一例を示す。この1stシーン制御処理は、演出制御装置300が遊技制御装置100からの各種コマンドに応じて表示装置41における画像表示制御を行う処理である。
この1stシーン制御処理では、まず、テストモード中であるかを判定し(ステップB61)、テストモード中である場合(ステップB61;Yes)は、1stシーン制御処理を終了する。また、テストモード中でない場合(ステップB61;No)は、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB62)。
【0199】
シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。このシーン変更コマンドを受信した場合(ステップB62;Yes)は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB63)、有効なコマンドであるかを判定する(ステップB64)。有効なコマンドであるかの判定(ステップB64)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定する。そして、有効なコマンドである場合(ステップB64;Yes)は、受信コマンドをセーブし(ステップB65)、演出リクエストフラグをセットして(ステップB66)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。
【0200】
一方、シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB62;No)や、有効なコマンドでなかった場合(ステップB64;No)は、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合は電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB68)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合は停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB69)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB70)を行う。
【0201】
また、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB71)を行う。この変動中処理(ステップB71)では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。
【0202】
また、ファンファーレコマンドを受信した場合は特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB72)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合はラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB73)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合はラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB74)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合は特別遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップB75)を行う。
【0203】
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う図柄コマンド受信処理(ステップB76)を行い、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB77)を行う。
さらに、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド)に基づく処理を行う先読み予告設定処理(ステップB78)を行う。その後、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンド(確率情報コマンド(低確率、高確率))に基づく処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB79)を行って1stシーン制御処理から抜ける。
【0204】
図38には、図37の1stシーン制御処理中に実行される変動中処理(B71)の手順の一例が示されている。
この変動中処理では、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップB121)。演出リクエストフラグは、有効なコマンドを受信した場合に設定されるフラグであって、このフラグがある場合は受信したコマンドに基づく処理を行う。
【0205】
具体的には、演出リクエストフラグがある場合(ステップB121;Yes)は、演出ボタン25の入力に関する情報である演出ボタン関連情報をクリアし(ステップB122)、可動体リクエストセット処理(ステップB123)を行う。次に、時短状態とする期間や変動パターン選択テーブルを切り替えるタイミング等を管理するための変動回数管理処理(ステップB124)、特図変動表示ゲームの実行態様を設定するための変動パターン情報設定処理(ステップB125)を行い、乱数シード初期化処理(ステップB126)を行って、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB127)。
【0206】
シーンシーケンステーブルは、飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや時間を管理するテーブルである。シーンシーケンステーブルには、実行内容と時間とが定義された複数のシーンの実行順序が設定されており、このシーンシーケンステーブルに従い順次シーンを実行することで飾り特図変動表示ゲームが実行される。なお、表示モードについても遊技制御装置100から送信された情報に基づきシーンシーケンステーブルに設定される。ただし、演出制御装置300が単独で表示モードを決定して設定するようにしても良い。
【0207】
その後、特図変動表示ゲームの変動時間を設定する変動時間設定処理(ステップB128)を行った後、演出リクエストフラグをクリアし(ステップB129)、当該変動中処理から抜ける。
一方、上記ステップB121で、演出リクエストフラグがない(No)と判定した場合は、ステップB130へ移行して更新タイマの値が0であるかを判定する。この場合、更新タイマはシーンシーケンステーブルに従い管理されるシーンの実行時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとは、実行されていたシーンが終了したことを示す。
【0208】
この更新タイマの値が0でない場合(ステップB130;No)は、変動中処理から抜ける。また、この更新タイマの値が0である(ステップB130;Yes)と判定した場合は、次のシーンを設定する次シーンデータ設定処理(ステップB131)を行う。これにより、新たなシーンが開始されるとともに更新タイマにシーンに応じた所定の値が設定される。
次に、最終シーンであるか判定する(ステップB132)。ここで、最終シーンでない場合(ステップB132;No)と判定した場合は、当該変動中処理から抜ける。また、最終シーンである(ステップB132;Yes)と判定した場合は、次のステップB133へ進んで変動表示ゲームの終了を設定して変動中処理を終了する。
【0209】
図39には、図38の変動中処理中に実行される変動パターン情報設定処理(B125)の手順の一例が示されている。
この変動パターン情報設定処理では、先ず、特図変動表示ゲームの停止図柄情報を取得し(ステップB471)、始動記憶に関する情報である保留情報をセーブする(ステップB472)。
次に、確率状態や普通変動入賞装置37の動作状態、演出モード等の遊技状態を取得し(ステップB473)、始動記憶領域に記憶されている演出情報を取得する(ステップB474)。演出情報とは先読み情報に基づく先読み演出を実行する際に、当該先読み演出の対象となる始動記憶について設定される情報である。
その後、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を設定し(ステップB475)、遊技状態と演出情報に基づきコマンドに対応する変動パターンを決定し(ステップB482)、変動パターン情報設定処理を終了する。
【0210】
次に、2ndCPU312による制御について説明する。2ndCPU312による制御処理には、図40に示す2ndメイン処理と、所定時間ごと(例えば2msecごと)に行われるVブランク割込み処理がある。
図40には、実施形態の演出制御装置によって実行される演出制御のうち2ndCPUによる2ndメイン処理の手順の一例が示されている。
2ndメイン処理においては、先ず、2ndCPU312の初期化処理(ステップB41)を行ってから、RAMを0クリアする処理(ステップB42)を行う。
次に、RAMに初期値を設定する処理(ステップB43)を行い、VDP313の初期化処理(ステップB44)を行う。その後、各種割込みを許可する処理(ステップB45)を行い、各種制御処理の初期化処理(ステップB46)を行う。
【0211】
次いで、VDP313による画像描画を許可する処理(ステップB47)を行った後、後述するVブランク割込み処理にてセットされるシステム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB48)を行う。
ここで、システム周期待ちフラグが「1」でない場合(ステップB49;No)は、Vブランク割込み処理にてシステム周期待ちフラグがセットされるまで、ステップB49の処理を繰り返し行う。
一方、システム周期待ちフラグが「1」である場合(ステップB49;Yes)は、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(ステップB50)を行い、通常ゲーム処理(ステップB51)を行い、ステップB48へ戻る。
【0212】
図41には、図40の2ndメイン処理中に実行される通常ゲーム処理(ステップB51)の手順の一例が示されている。
この通常ゲーム処理では、先ず、1stCPUから受信したコマンドを特定し区分けする受信コマンドチェック処理(ステップB511)を行う。
続いて、予告キャラクタ等の設定や表示の優先順位を設定して表示内容を決定する2ndシーン制御処理(ステップB512)、確率状態(通常確率/高確率)や客待ちなどの遊技状態、演出モード、リーチシーンに応じた背景表示設定を行う背景処理(ステップB513)、変動表示ゲームにおける図から変動に関する表示制御を行うリール制御/表示処理(ステップB514)、始動記憶領域に記憶されている事前演出情報に基づいて保留表示を変化させて先読み演出を行う保留表示処理(ステップB515)、客待ちデモ画面表示を行う客待ちデモ処理(ステップB516)、画像ROMに格納されている画像データをRAMに転送して表示装置への表示を行わせる表示システム処理(ステップB517)を行い、通常ゲーム処理を終了する。
【0213】
(第2実施例)
次に、本発明の実施形態における第2の実施例について説明する。
第2の実施例は、図42に示すように、統括制御遊技機の演出制御装置300に、自機を含む通信範囲内の遊技機の通信得点を一括で管理する機能と、所定の計算式による通信得点計算機能を持たせ、遊技者に付与する得点を前述した実施例における得点とは異なる式で計算し付与するようにしたものである。
以下、第2の実施例における得点の計算方法の一例を、図43を用いて説明する。なお、図43において、総合通信得点は、1日の営業中に各遊技機が取得した通信得点の合計(累積値)である。また、取得通信得点は、還元得点と参加得点を含む概念(上位概念)である。
【0214】
ここでは、例えば図42に示すように遊技機A,C,Dにおいて連動遊技が行われ、各遊技機の遊技終了時点での遊技得点が、図43(A)に示すように、遊技機Aが「30」点、遊技機Cが「10」、遊技機Dが「0」点であり、各遊技機の遊技終了時点で取得していた通信得点が、図43(B)に示すように、遊技機Cが「10」、遊技機Aが「50」、遊技機Dが「100」であったと仮定する。
本実施例では、遊技者に付与する還元得点を、遊技得点×総合通信得点×1/10=還元得点なる式を用いて計算するようにしたものである。なお、総合通信得点の代わりに、各遊技者が遊技中に得たトータルの通信得点つまり複数回付与された通信得点の合計得点を用いて計算するようにしてもよい。
【0215】
ところで、図43(B)の場合、遊技機Dは他の遊技機が遊技得点を獲得したことにより付与された得点のみであるため、上記式を用いて掲載すると還元得点は「0」になってしまう。そこで、通信得点があるにも関わらず、遊技得点は「0」であるため還元得点が「0」になるような場合には、最低の還元得点として参加得点「5」を付与することとした。なお、参加得点の獲得のみを目的として遊技台を次々と変える行為を防止するため、1つの遊技機で所定時間以上遊技したこと、所定回数以上変動表示ゲームを実行したこと等を最低の参加得点付与条件とするのが望ましい。
【0216】
次に、第2の実施例を適用した場合の統括制御遊技機の演出制御装置300による制御処理について説明する。なお、第1の実施例との差異は、図29の統括制御遊技機処理中に実行される図30の情報端末連動遊技処理の手順が、図44のように変更される点と、図34の情報端末連動遊技終了処理の手順が、図45のように変更される点にある。それ以外の処理は、第1の実施例と同様であるので、重複した説明は省略する。
図44の情報端末連動遊技処理は、図30のステップB335とB340との間に、ステップB336〜B339が追加されているとともに、ステップB342の後にステップB343が追加されているだけで、それ以外は同じある。すなわち、図44の情報端末連動遊技処理においては、ステップB335で情報端末連動遊技終了情報がある(Yes)と判定すると、ステップB336へ進み、特定遊技情報を取得したか否か判定する。そして、特定遊技情報を取得した(Yes)と判定すると、ステップB337へ進み、台番号に基づいて還元得点を計算する。また、ステップB336で、特定遊技情報を取得していない(No)と判定すると、ステップB338へ進み、台番号に基づいて参加得点を付与する。
【0217】
その後、ステップB339へ進み、還元得点または参加得点を台番号に紐付けて外部通信バッファにセットして、遊技機(台)に関する情報と台番号と紐付けて記憶しているログインリストからこれらの情報を削除するステップB340へ進む。
ステップB340以降の処理は図30と同様であり、ステップB341では、各遊技機から特定遊技情報を取得したか否か判定する。そして、特定遊技情報を取得した(ステップB341:Yes)と判定すると、ステップB342へ進み、要求に対する応答をして来た遊技機(台)に関する情報と台番号と紐付けてログインリストに特定遊技情報を追加し、総合通信得点記憶領域に算出された得点を累積記憶する処理(ステップB343)して当該情報端末連動遊技処理から抜ける。また、特定遊技情報を取得していない(ステップB341:No)と判定すると、ステップB342,B343をスキップして当該情報端末連動遊技処理から抜ける。
【0218】
図45の情報端末連動遊技終了処理は、図34のステップB393とB395の後に、それぞれステップB394とB396およびB397が追加されているだけで、それ以外は同じある。すなわち、図45の情報端末連動遊技終了処理においては、先ず遊技者により演出ボタン25による情報端末連動遊技終了操作すなわちログアウト操作がなされたか否か判定する(ステップB391)。ここで、情報端末連動遊技終了操作がなされていない(ステップB391:No)と判定すると、当該情報端末連動遊技終了始処理から抜ける。一方、情報端末連動遊技終了操作がなされた(ステップB391:Yes)と判定すると、ステップB392へ進み、自遊技機が統括制御遊技機として設定されているか否か判定する。
【0219】
そして、統括制御遊技機として設定されている(ステップB392:Yes)と判定すると、ステップB393へ進み、自遊技機の台番号をログインリストから削除してから、還元得点を演算して取得または参加得点を取得する(ステップB394)。その後、ステップB397へ進み、取得した得点を遊技得点に加算する。
一方、ステップB392で、統括制御遊技機として設定されていない(No)と判定すると、ステップB395へ移行して情報端末連動遊技終了始情報(台番号を含む)を外部通信バッファにセットし、統括制御遊技機から還元得点または参加得点を取得する(ステップB396)。その後、ステップB397へ進み、取得した得点を遊技得点に加算する。ステップB397以降の処理B398〜B406は、図34の情報端末連動遊技終了処理のステップの処理B398〜B406と同じである。
【0220】
すなわち、ステップB397で取得得点を遊技得点に加算した後、遊技情報の出力を行うか否か判定する(ステップB398)。そして、遊技情報の出力を実行しない(ステップB398:No)と判定すると、当該情報端末連動遊技終了処理から抜ける。また、遊技情報の出力を実行する(ステップB398:Yes)と判定すると、ステップB399へ進み、遊技情報記憶領域内の遊技情報(遊技終了時の情報)を出力し、遊技情報出力タイマをセットする(ステップB400)。遊技情報を出力するとき、本実施例では、遊技情報に基づいて2次元コードを生成し、それを表示装置41の画面に表示させることで出力としている。
【0221】
その後、遊技情報の表示を消すか否か判定し(ステップB401)、遊技情報の表示を消す(Yes)と判定すると、ステップB403へジャンプする。また、遊技情報の表示を消さない(ステップB401:No)と判定すると、ステップB402へ進み、遊技情報出力タイマがタイムアップしたか否か判定する。
ステップB402で、遊技情報出力タイマがタイムアップしてない(No)と判定すると、ステップB401へ戻り上記処理を繰り返す。一方、ステップB402で、遊技情報出力タイマがタイムアップした(Yes)と判定すると、ステップB403へ進む。ステップB403では、遊技情報の表示を消して、遊技情報記憶領域内の遊技情報をクリアする(ステップB404)。その後、遊技レベル情報の表示をクリアし(ステップB405)、前面枠のレベル別装飾態様をデフォルト状態に変更(ステップB406)して、当該情報端末連動遊技終了処理から抜ける。
【0222】
(第3実施例)
次に、図46〜図53を用いて、本発明の実施形態における第3の実施例について説明する。
上述の実施例においては、統括制御遊技機が通信範囲内の各遊技機の遊技レベルに応じた前面枠の装飾発光および共通演出を制御するように構成したものについて説明したが、この第3の実施例は、大当り等の所定のイベントが発生した遊技機が統括制御遊技機のみならず従属制御遊技機へも特定遊技情報を送信し、これを受信した従属制御遊技機が自らの判断で演出を行えるようにしたものである。また、大当り等の所定のイベントが発生した遊技機においても、発生したイベントに対応した演出を自らの判断で行えるようにしている。
【0223】
具体的には、図46(A)に示すように、遊技機Cで大当りが発生した場合に、図46(B)および図47に示すように、遊技機Aでは通信範囲内(同一島内)で大当りが発生したことを報知するような演出を表示装置により行う一方、遊技機Cの隣の遊技機Dが連動遊技に参加していれば、遊技機Dでは隣の台で大当りが発生したことを報知するような演出を行うものである。また、上記報知は、遊技者がログイン時に選択したキャラクタを用いて行えるように構成することも可能である。なお、この演出は当該遊技機において変動表示ゲームが開始される際に行う。これにより、上記のような演出が行われると遊技者は同一島内であと何回大当り等が発生すると共通演出が実行されるか予想できるので、期待しながら遊技を行うことができる。
さらに、図46(C)に示すように、通信範囲内の他の遊技機の情報を記憶する領域を各遊技機の演出制御装置の記憶装置(RAM)内に用意して、どの台がログインしていてどのような特定遊技が発生したかを示す情報を記憶しておき、該記憶領域の情報に基づいて各遊技機が自らの判断で共通演出を行えるようにしてもよい。
【0224】
次に、第3の実施例を適用した場合の統括制御遊技機の演出制御装置300による制御処理について説明する。なお、第1の実施例との差異は、図28のメイン処理中に実行される図35のイベント報知処理の手順が、図48〜図52のように変更される点と、図38の変動中処理中に実行される図39の変動パターン情報設定処理の手順が、図53のように変更される点にある。それ以外の処理は、第1の実施例と同様であるので、重複した説明は省略する。
本実施例におけるイベント報知処理は、図48に示すように、内部イベント報知開始処理B410と、内部イベント報知終了処理B425と、外部イベント報知開始処理B440と、外部イベント報知終了処理B460とからなり、その具体的な手順が図49〜図52に示されている。
【0225】
このうち、図49の内部イベント報知開始処理は、自遊技機で条件を達成したら対応する演出を実行するとともに他の遊技機へ特定遊技情報を送信することを内容とするものである。図35のイベント報知処理とほぼ同様な内容となっている。図35のイベント報知処理との差異は、図49の内部イベント報知開始処理では、ステップB417の後に、特定遊技情報に基づいて自遊技機の演出態様を決定する処理(ステップB418)が追加されている点のみである。
【0226】
図50には、図48のイベント報知処理中に実行される内部イベント報知終了処理B425の手順の一例が示されている。図50に示す内部イベント報知終了処理においては、特定演出対象のイベントの終了に関するコマンドを他の遊技機から受信したかチェックする(ステップB426)。ここで、イベント終了に関するコマンドを受信していない(ステップB427:No)と判定すると、当該内部イベント報知終了処理から抜ける。一方、ステップB427でイベント終了に関するコマンドを受信した(Yes)と判定すると、ステップB428へ進み、特定遊技情報取得報知の終了をセットし、他の遊技機へ知らせるために特定遊技情報取得報知終了情報を外部通信バッファへセットし(ステップB429)、当該内部イベント報知終了処理から抜ける。
【0227】
図51には、図48のイベント報知処理中に実行される外部イベント報知開始処理B440の手順の一例が示されている。図51に示す外部イベント報知開始処理は、他の遊技機で大当り等のイベントが発生した場合に、インバータベントの発生に基づく情報を受信し、該情報と現在の自遊技機の遊技状態に基づいて演出情報を設定して演出を行う処理である。
この処理においては、先ず、外部通信情報を受信したかチェックする(ステップB441)。ここで、外部通信情報を受信していない(ステップB442:No)と判定すると、当該外部イベント報知開始処理から抜ける。
【0228】
一方、ステップB442で外部通信情報を受信した(Yes)と判定すると、ステップB443へ進み、受信した外部通信情報が情報端末連動遊技に参加すなわちログインしたことを知らせる連動遊技開始情報であるかチェックする(ステップB443)。
そして、連動遊技開始情報でない(ステップB444:No)と判定すると、ステップB446へ移行する。また、ステップB444の判定で、連動遊技開始情報である(Yes)と判定すると、ステップB445へ進み、受信した情報端末連動遊技開始情報を他の遊技機の情報記憶領域(図46(C)参照)に記憶する。その後、ステップB446で自遊技機の遊技状態を示す情報を取得する。そして、自遊技機が情報端末連動遊技を実行中であるか否か判定する(ステップB447)。
【0229】
ここで、情報端末連動遊技を実行中でない(ステップB447:No)と判定すると、当該外部イベント報知開始処理から抜ける。一方、ステップB447で情報端末連動遊技を実行中である(Yes)と判定すると、ステップB448へ進み、受信した外部通信情報が特定遊技情報かチェックする。そして、外部通信情報が特定遊技情報でない(ステップB449:No)と判定すると、当該外部イベント報知開始処理から抜ける。
また、ステップB449の判定で、外部通信情報が特定遊技情報である(Yes)と判定すると、ステップB450へ進み、他の遊技機の情報記憶領域(図46(C)参照)から特定遊技情報を取得する。その後、ステップB450で取得した特定遊技情報に基づいて自遊技機の変動中演出情報として設定し(ステップB451)、当該外部イベント報知開始処理から抜ける。
【0230】
図52には、図48のイベント報知処理中に実行される外部イベント報知終了処理B460の手順の一例が示されている。
図52に示す外部イベント報知終了処理においては、先ず、外部通信情報を受信したかチェックする(ステップB461)。ここで、外部通信情報を受信していない(ステップB462:No)と判定すると、ステップB466へ移行する。また、ステップB462の判定で外部通信情報を受信した(Yes)と判定すると、ステップB463へ進み、受信した外部通信情報が情報端末連動遊技を終了したすなわちログアウトしたことを知らせる連動遊技終了情報かチェックする。
【0231】
ここで、連動遊技終了情報でない(ステップB464:No)と判定すると、ステップB466へ移行する。一方、ステップB464で情報端末連動遊技終了情報である(Yes)と判定すると、ステップB465へ進み、他の遊技機の情報記憶領域(図46(C)参照)から当該情報端末連動遊技終了情報を削除し、ステップB466へ進む。
ステップB466では、自遊技機が情報端末連動遊技を実行中であるか否か判定する。ここで、情報端末連動遊技を実行中でない(ステップB466:No)と判定すると、当該外部イベント報知終了処理から抜ける。
【0232】
一方、ステップB466で情報端末連動遊技を実行中である(Yes)と判定すると、ステップB467へ進み、受信した外部通信情報が特定遊技情報に基づくイベントの終了に関する情報であるかチェックする。そして、イベント終了に関する情報でない(ステップB468:No)と判定すると、当該外部イベント報知終了処理から抜ける。
また、ステップB468の判定で、外部通信情報がイベント終了に関する情報である(Yes)と判定すると、ステップB469へ進み、他の遊技機の情報記憶領域(図46(C)参照)から該当する特定遊技情報を取得する。その後、ステップB470で、自遊技機の演出情報と遊技状態に基づいて演出状態を変更し、当該外部イベント報知終了処理から抜ける。
【0233】
図53には、図38の変動中処理中に実行される変動パターン情報設定処理の手順の一例が示されている。
この変動パターン情報設定処理では、先ず、特図変動表示ゲームの停止図柄情報を取得し(ステップB471)、始動記憶に関する情報である保留情報をセーブする(ステップB472)。
次に、確率状態や普通変動入賞装置37の動作状態、演出モード等の遊技状態を取得し(ステップB473)、始動記憶領域に記憶されている演出情報を取得する(ステップB474)。演出情報とは先読み情報に基づく先読み演出を実行する際に、当該先読み演出の対象となる始動記憶について設定される情報である。
【0234】
その後、特図変動表示ゲームの停止図柄を設定し(ステップB475)、変動中の演出情報があるかチェックする(ステップB476)。ここで、変動中の演出情報がない(ステップB477:No)と判定すると、ステップB482へ移行する。また、ステップB477の判定で変動中の演出情報がある(Yes)と判定すると、ステップB478へ進み、演出変更可能な変動であるか否か判定する。既に自遊技機において、大当り等となる変動表示ゲームの演出を実行している場合に、他の遊技機からの特定遊技情報により演出内容が変更されてしまうのを回避するためである。
【0235】
ステップB478で、演出変更可能な変動でない(No)と判定すると、ステップB482へ移行する。また、ステップB478の判定で演出変更可能な変動である(Yes)と判定すると、ステップB479へ進み、他の遊技機の情報記憶領域(図46(C)参照)から演出情報を取得し、ステップB480へ進む。そして、取得した演出情報に基づいて自遊技機の変動中演出情報として設定する。
その後、変動中演出情報に基づいて演出用変動パターン情報を設定し(ステップB481)、ステップB482へ移行する。ステップB482では、遊技状態と演出情報に基づきコマンドに対応する変動パターンを決定し、変動パターン情報設定処理を終了する。
上記のような一連の処理を行うことで、自遊技機で特定の演出を実行していなければ他の遊技機で発生した特定遊技情報に起因する演出情報に基づいて演出を変更することが可能となる。
【0236】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、上記実施形態では、前面枠12に設けた装飾ランプ(装飾装置18)により共通演出を実行するようにしたものを説明したが、図54に示すように前面枠12の一側に装飾表示装置20を設け、該装飾表示装置20により共通演出を行うようにしても良い。
なお、装飾表示装置20は、液晶表示パネルや有機LEパネルのような表示装置でもよいし、内部に複数のランプを内蔵し表面が半透明パネル部材で被覆された構成のものであっても良い。また、装飾表示装置20は、両面に表示部があってもよいし、外側あるいは内側の一方の面にのみ表示部があってもよい。また、装飾表示装置20の配設位置は遊技機の右側部に限定されず、左側部あるいは上部であっても良い。
【0237】
図55には、上記装飾表示装置20による通常時の表示の例(A)と共通演出実行時の表示の例(B)を示す。なお、図55(B)の共通演出は、A〜Eのすべての遊技機が情報端末連動遊技に参加している場合を示しており、情報端末連動遊技に参加していない遊技機があればその遊技機においては異なる演出がなされる。
前面枠12の一側に設けた装飾表示装置20によりこのような表示や演出を行うことで、同一島内の他の遊技機で遊技をしている遊技者に情報端末連動遊技に参加していること、また情報端末連動遊技に参加することで特殊な演出を楽しむことができることを容易に分からせることが可能となる。
【0238】
また、上記実施形態では、遊技終了時に情報端末により遊技機から取得した2次元コードをウェブサーバに送信して次回の遊技の際に入力するパスワードを受け取るようにしたものを説明したが、情報端末に専用のアプリケーションソフトを搭載し、遊技機から取得した2次元コードをウェブサーバに送信せずに情報端末において処理(復号)し、次回の遊技の際に入力するパスワードを生成するようにしても良い。また、遊技機に赤外線通信機能もしくはブルートゥースのような短距離無線通信機能を設け、同様な通信機能を有する情報端末により遊技機の演出制御装置との間でデータ通信を行って、ログイン、ログアウト処理を行ったり、遊技履歴情報の取得、得点(ポイント)の受信などの利益を受けられるように構成しても良い。
さらに、前記実施形態では、主として本発明を、スロットマシンに適用したものを説明したが、本発明はスロットマシンに限定されず、パチンコ遊技機、アレンジボール遊技機及び雀球遊技機など他の遊技機にも適用可能である。
【0239】
以上の説明から、本出願には、
遊技領域を備えた前面枠(12)に設けられた発光可能な装飾装置(18)と、
始動入賞領域(36,37)への遊技球の入賞を契機に複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置(41)と、
前記変動表示装置の制御を行う演出制御手段(300)と、を備えた遊技機において、
前記演出制御手段は、
複数の遊技機間で遊技情報を送受信する遊技機間通信手段(350)を備え、
該遊技機間通信手段によって他の遊技機から前記変動表示ゲームに係わる遊技情報を取得し、取得した複数の前記遊技情報が所定条件を達成した場合に、前記装飾装置または前記変動表示装置もしくは前記装飾装置および前記変動表示装置による共通演出を実行するようにした発明が含まれていることが分かる。
そして、かかる発明によれば、遊技機間通信手段によって他の遊技機との間で遊技情報を送受信し、取得した複数の遊技情報が所定条件を達成すると複数の遊技機において共通演出が行われるので、他の遊技者と興趣を分かち合うことができる。
【0240】
また、本出願には、上記発明において、前記演出制御手段は、
遊技者が携帯所持する情報端末と連携した遊技を可能にする情報端末連動手段と、
前記変動表示ゲームにかかわる特定の遊技情報が発生した場合に遊技得点を付与する遊技得点付与手段と、
前記遊技得点を蓄積し、蓄積した遊技得点に応じて段階的に上昇する遊技レベル情報を生成する遊技レベル情報生成手段と、
前記遊技情報と、前記遊技得点付与手段によって付与された前記遊技得点と、前記遊技レベル情報生成手段によって生成された前記遊技レベル情報と、を一時的に記憶する遊技情報記憶手段と、を備え、
前記情報端末連動手段は、前記情報端末が前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記情報もしくは該情報を取得可能にする情報を出力する情報出力手段を備え、
前記演出制御手段は、前記遊技レベル情報に基づいて前記変動表示ゲームにかかわる装飾演出態様を設定し、前記情報端末連動手段による情報端末と連携した遊技を行うように設定している場合に前記共通演出を実行するようにした発明が含まれている。
【0241】
そして、かかる発明によれば、演出制御手段は、情報端末連動手段による情報端末と連携した遊技を行うように設定している場合に共通演出を実行するので、他の遊技者と情報端末連動遊技の面白さを共有できるとともに、他の遊技者に対して情報端末連動遊技参加中であることをアピールすることができるので、共通演出を見るために情報端末連動遊技を行う遊技者が増えることが期待できる。また、演出制御手段は、遊技得点に応じて段階的に上昇する遊技レベル情報に基づいて変動表示ゲームにかかわる装飾演出態様を変更するので、遊技者は変化する装飾演出態様を長時間にわたって楽しむことができるとともに、遊技レベルを上げようと遊技を行うようになるので遊技機の稼働率を高めることができ、遊技店にもメリットを与えることができる。
【0242】
また、本出願には、上記発明において、前記演出制御手段は、前記遊技情報の取得状況が所定条件を達成したときに、前記遊技機間通信手段により情報端末と連携した遊技を行うように設定している遊技機に対して通信得点を送信するようにした発明が含まれている。
そして、かかる発明によれば、通信範囲内の遊技機における遊技情報の取得状況が所定条件を達成した時に情報端末連動遊技に参加している遊技機に対して通信得点が付与されるので、他の遊技機との共通演出に興味がない遊技者にも情報端末連動遊技を行う利点がある。そのため、情報端末連動遊技を行う遊技者が増えることが期待できる。
【0243】
また、前述した第2実施例の説明から、本出願には、上記発明において、前記演出制御手段としての演出制御装置(300)は、通信得点を累積した総合通信得点を計数する通信得点計数手段を備え、情報端末と連携した遊技を終了する遊技機に対して、前記通信得点計数手段によって計数された総合通信得点と前記遊技得点とに基づいて還元得点を演算し、遊技機間通信手段により該還元得点を送信するようにした発明が含まれているが分かる。
そして、かかる発明によれば、情報端末連動遊技参加中に取得した通信得点を蓄積しておき、情報端末連動遊技終了の際に遊技中取得した総合通信得点と遊技得点に応じて還元得点が付与されるため、大当りのような特定の遊技状態を多く発生させることで多くの遊技得点を集めることができる上、長い時間遊技することでも多くの通信得点を取得して還元得点を増加させることができる。また、情報端末連動遊技の終了時に還元得点が決定されるため、獲得できる還元得点が最後まで分からないので期待感を高めることができる。
【0244】
さらに、本出願には、上記発明において、前記還元得点は、前記遊技得点を前記通信得点に応じて加算して付与されるようにした発明が含まれている。
そして、かかる発明によれば、通信得点は遊技得点を加算させるための得点であるため、自身が遊技得点を多く取得できなくても、他の遊技者によって蓄積された総合通信得点によって還元得点が増加されるので、情報端末連動遊技に参加することで遊技結果を充実させることができる。
【0245】
また、本出願には、上記発明において、前記演出制御手段は、前記前面枠の前記装飾装置の発光による演出態様を前記遊技レベル情報に基づいて変更する枠装飾変更手段を備え、該枠装飾変更手段は、前記共通演出を実行する際には前記遊技レベル情報にかかわらず前記装飾装置により他の遊技機の装飾装置と同一の演出を行うようにした発明が含まれている。
そして、かかる発明によれば、遊技情報の取得状況が所定条件を達成した場合に、情報端末連動遊技に参加している複数の遊技機の前面枠の装飾装置を同じ色で発光させるなど共通の演出が行われるため、他の遊技者から情報端末連動遊技に参加していることが分かり易くなる。
【0246】
また、本出願には、上記発明において、前記演出制御手段は、前記遊技機間通信手段によって他の遊技機から前記遊技情報を収集して、前記所定条件の達成を判定する統括制御遊技機の演出制御手段、または、前記遊技機間通信手段により前記統括制御遊技機の演出制御手段へ前記遊技情報を送信するとともに前記統括制御遊技機の演出制御手段からの指令によって前記共通演出を実行する従属制御遊技機の演出制御手段として機能可能に構成されているようにした発明が含まれている。
そして、かかる発明によれば、統括制御遊技機(親機)の演出制御手段が従属制御遊技機(子機)の演出制御手段を統括的に制御し、共通演出は統括制御遊技機の指令によって一斉に実行される。つまり、通信範囲内の複数の遊技装置の従属関係がはっきりしているので共通演出が実行し易くなる。
【符号の説明】
【0247】
10 遊技機
12 前面枠
18 装飾装置
25 演出ボタン
30 遊技盤
32 遊技領域
34 普図始動ゲート
35 一般入賞口
36 特図1始動入賞口(始動入賞領域)
37 普通変動入賞装置(始動入賞領域)
40 センターケース
41 表示装置(変動表示装置)
100 遊技制御装置(遊技制御手段)
111 遊技用マイクロコンピュータ(始動記憶手段、始動記憶報知制御手段、始動記憶データ格納手段、始動記憶データ設定手段)
300 演出制御装置(演出制御手段、情報端末連動手段、遊技得点付与手段、遊技レベル情報生成手段、遊技情報記憶手段、情報出力手段、通信得点計数手段、枠装飾変更手段)
350 通信回路(遊技機間通信手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、始動入賞領域への遊技球の入賞を契機に複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置と、変動表示装置の制御を行う演出制御手段とを備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機、例えばパチンコ遊技機には、遊技における演出情報を携帯電話などの情報端末で受け取る遊技機が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1で提案されている遊技機においては、演出パターンとして表示させる演出内容と関連する表示内容であって、遊技者に有利な状態となることを示唆する表示内容を符号化した二次元コードが表示される特殊演出パターンを設け、特殊演出パターンが選択された場合には、携帯電話などのカメラ機能により撮像可能な態様である二次元コードを演出表示装置に表示する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−237328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1で提案されている遊技機においては、携帯情報端末を使用した遊技を遊技機ごとに個別に行う方式であるため、他の遊技者と携帯情報端末を使用した遊技の面白さを共有することができない。また、遊技者には、周囲に携帯情報端末を使用した遊技(以下、情報端末連動遊技と称する)を行っている遊技者がいることが分かり辛く、情報端末連動遊技の面白さが他の遊技者に伝わり難いという課題があった。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、遊技者が携帯所持する情報端末と連携した遊技を可能に構成された遊技機において、他の遊技者と情報端末連動遊技の面白さを共有でき、情報端末連動遊技に参加している遊技機を容易に認識できる遊技機を提供することを目的とする。
また、本発明は、所定の通信範囲内の複数の遊技機間で所定の条件が達成された場合に共通演出を実行可能にすることにより、他の遊技者と興趣を分かち合うことができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、
遊技領域を備えた前面枠に設けられた発光可能な装飾装置と、
始動入賞領域への遊技球の入賞を契機に複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置と、
前記変動表示装置の制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機において、
前記演出制御手段は、
複数の遊技機間で遊技情報を送受信する遊技機間通信手段を備え、
該遊技機間通信手段によって他の遊技機から前記変動表示ゲームに係わる遊技情報を取得し、取得した複数の前記遊技情報が所定条件を達成した場合に、前記装飾装置または前記変動表示装置もしくは前記装飾装置および前記変動表示装置による共通演出を実行することを特徴とする。
【0007】
ここで、「発光可能な装飾装置」は、ランプのような発光手段を内蔵するものの他、液晶表示パネルのような表示装置であっても良い。「遊技情報」には大当りの発生などが含まれる。請求項1に記載の発明によれば、遊技機間通信手段によって他の遊技機との間で遊技情報を送受信し、取得した複数の遊技情報が所定条件を達成すると複数の遊技機において共通演出が行われるので、他の遊技者と興趣を分かち合うことができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
遊技者が携帯所持する情報端末と連携した遊技を可能にする情報端末連動手段と、
前記変動表示ゲームにかかわる特定の遊技情報が発生した場合に遊技得点を付与する遊技得点付与手段と、
前記遊技得点を蓄積し、蓄積した遊技得点に応じて段階的に上昇する遊技レベル情報を生成する遊技レベル情報生成手段と、
前記遊技情報と、前記遊技得点付与手段によって付与された前記遊技得点と、前記遊技レベル情報生成手段によって生成された前記遊技レベル情報と、を一時的に記憶する遊技情報記憶手段と、を備え、
前記情報端末連動手段は、前記情報端末が前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記情報もしくは該情報を取得可能にする情報を出力する情報出力手段を備え、
前記演出制御手段は、
前記遊技レベル情報に基づいて前記変動表示ゲームにかかわる装飾演出態様を設定し、
前記情報端末連動手段による情報端末と連携した遊技を行うように設定している場合に前記共通演出を実行することを特徴とする。
【0009】
ここで、「情報端末連動手段」は、演出制御装置による特別な遊技サービスにログイン・ログアウトすることを可能にする機能を提供するもので、例えばパスワード入力処理などにより実現される。「遊技情報出力手段」は、遊技情報(遊技履歴)を暗号化して情報端末に送る機能を提供するもので、例えば遊技情報もしくはそれを取得可能にする情報を含む二次元コードを生成する処理などにより実現される。
請求項2に記載の発明によれば、演出制御手段は、情報端末連動手段による情報端末と連携した遊技を行うように設定している場合に共通演出を実行するので、他の遊技者と情報端末連動遊技の面白さを共有できるとともに、他の遊技者に対して情報端末連動遊技参加中であることをアピールすることができるので、共通演出を見るために情報端末連動遊技を行う遊技者が増えることが期待できる。また、演出制御手段は、遊技得点に応じて段階的に上昇する遊技レベル情報に基づいて変動表示ゲームにかかわる装飾演出態様を変更するので、遊技者は変化する装飾演出態様を長時間にわたって楽しむことができるとともに、遊技レベルを上げようと遊技を行うようになるので遊技機の稼働率を高めることができ、遊技店にもメリットを与えることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、前記遊技情報の取得状況が所定条件を達成したときに、前記遊技機間通信手段により情報端末と連携した遊技を行うように設定している遊技機に対して通信得点を送信することを特徴とする。
ここで、「所定条件」は大当りが5回発生したことなどを意味する。請求項3に記載の発明によれば、通信範囲内の遊技機における遊技情報の取得状況が所定条件を達成した時に情報端末連動遊技に参加している遊技機に対して通信得点が付与されるので、他の遊技機との共通演出に興味がない遊技者にも情報端末連動遊技を行う利点がある。そのため、情報端末連動遊技を行う遊技者が増えることが期待できる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記通信得点を累積した総合通信得点を計数する通信得点計数手段を備え、
情報端末と連携した遊技を終了する遊技機に対して、前記通信得点計数手段によって計数された総合通信得点と前記遊技得点とに基づいて還元得点を演算し、前記遊技機間通信手段により該還元得点を送信することを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、情報端末連動遊技参加中に取得した通信得点を蓄積しておき、情報端末連動遊技終了の際に遊技中取得した総合通信得点と遊技得点に応じて還元得点が付与されるため、大当りのような特定の遊技状態を多く発生させることで多くの遊技得点を集めることができる上、長い時間遊技することでも多くの通信得点を取得して還元得点を増加させることができる。また、情報端末連動遊技の終了時に還元得点が決定されるため、獲得できる還元得点が最後まで分からないので期待感を高めることができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の遊技機において、
前記還元得点は、前記遊技得点を前記通信得点に応じて加算して付与されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、通信得点は遊技得点を加算させるための得点であるため、自身が遊技得点を多く取得できなくても、他の遊技者によって蓄積された総合通信得点によって還元得点が増加されるので、情報端末連動遊技に参加することで遊技結果を充実させることができる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、前記前面枠の前記装飾装置の発光による演出態様を前記遊技レベル情報に基づいて変更する枠装飾変更手段を備え、
該枠装飾変更手段は、前記共通演出を実行する際には前記遊技レベル情報にかかわらず前記装飾装置により他の遊技機の装飾装置と同一の演出を行うことを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、遊技情報の取得状況が所定条件を達成した場合に、情報端末連動遊技に参加している複数の遊技機の前面枠の装飾装置を同じ色で発光させるなど共通の演出が行われるため、他の遊技者から情報端末連動遊技に参加していることが分かり易くなる。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、前記遊技機間通信手段によって他の遊技機から前記遊技情報を収集して、前記所定条件の達成を判定する統括制御遊技機の演出制御手段、または、前記遊技機間通信手段により前記統括制御遊技機の演出制御手段へ前記遊技情報を送信するとともに前記統括制御遊技機の演出制御手段からの指令によって前記共通演出を実行する従属制御遊技機の演出制御手段として機能可能に構成されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、統括制御遊技機(親機)の演出制御手段が従属制御遊技機(子機)の演出制御手段を統括的に制御し、共通演出は統括制御遊技機の指令によって一斉に実行される。つまり、通信範囲内の複数の遊技装置の従属関係がはっきりしているので共通演出が実行し易くなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、所定の通信範囲内の複数の遊技機間で所定の条件が達成された場合に共通演出を実行可能にすることにより、他の遊技者と興趣を分かち合うことができる遊技機を実現することができる。
また、本発明によれば、遊技者が携帯所持する情報端末と連携した遊技を可能に構成された遊技機において、他の遊技者と情報端末連動遊技の面白さを共有できるとともに、他の遊技者に対して情報端末連動遊技参加中であることが分かり易くすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る遊技機の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】実施形態の遊技機における遊技盤の構成例を示す正面図である。
【図3】実施形態の遊技機の裏面に設けられる制御システムおよび遊技制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちメイン処理の具体的な手順の前半部分を示すフローチャートである。
【図5】実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちメイン処理の具体的な手順の後半部分を示すフローチャートである。
【図6】実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちタイマ割込み処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】図6のタイマ割込み処理中に実行される特図ゲーム処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】図7の特図ゲーム処理中に実行される始動口スイッチ監視処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】図8の始動口スイッチ監視処理中に実行される特図始動口スイッチ共通処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】図7の特図ゲーム処理中に実行される特図普段処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】図10の特図普段処理中に実行される特図1変動開始処理および特図2変動開始処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】図11の特図1変動開始処理および特図2変動開始処理中に実行される後半変動パターン設定処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】図11の特図1変動開始処理および特図2変動開始処理中に実行される変動パターン設定処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】図11の特図1変動開始処理および特図2変動開始処理中に実行される変動開始情報設定処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】図7の特図ゲーム処理中に実行される特図表示中処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図16】図15の特図表示中処理の続きを示すフローチャートである。
【図17】実施形態の遊技機が設置される遊技場の構成例を示す概略図である。
【図18】遊技場の通信範囲内における遊技機間の通信方式を示す説明図である。
【図19】実施形態の情報端末連動遊技に関連して遊技者の携帯情報端末の表示画面に表示される内容の例を示す説明図である。
【図20】通信範囲内の遊技機間における得点の第1付与方式を示す説明図である。
【図21】通信範囲内の遊技機間における得点の第2付与方式を示す説明図である。
【図22】通信範囲内の統括制御遊技機による情報端末連動遊技に係わるデータの管理テーブルの構成例を示す説明図である。
【図23】実施形態の情報端末連動遊技に関連して各遊技機の表示装置の画面に表示される内容の例を示す説明図である。
【図24】実施形態の情報端末連動遊技に関連して通信範囲内の複数の遊技機で前面枠の装飾を使用して行われる遊技レベルに応じた発光態様の例を示す説明図である。
【図25】実施形態の情報端末連動遊技に関連して通信範囲内の複数の遊技機で前面枠の装飾を使用して行われる共通演出の例を示す説明図である。
【図26】図24の遊技レベルに応じた発光態様の具体例および図25の共通演出の具体例を示す図である。
【図27】実施形態の遊技機の制御システムを構成する演出制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図28】実施形態の演出制御装置によって実行される演出制御のうち1stCPUによる1stメイン処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図29】図28の1stメイン処理中に実行される統括制御遊技機処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図30】図29の統括制御遊技機処理中に実行される情報端末連動遊技処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図31】図29の統括制御遊技機処理中に実行される共通演出処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図32】図28の1stメイン処理中に実行される従属制御遊技機処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図33】図28の1stメイン処理中に実行される情報端末連動遊技開始処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図34】図28の1stメイン処理中に実行される情報端末連動遊技終了処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図35】図28の1stメイン処理中に実行されるイベント報知処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図36】図35のイベント報知処理中に実行される情報端末連動遊技中処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図37】図28の1stメイン処理中に実行される1stシーン制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図38】図37の1stシーン制御処理中に実行される変動中処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図39】図38の変動中処理中に実行される変動パターン情報設定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図40】実施形態の演出制御装置によって実行される演出制御のうち2ndCPUによるメイン処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図41】図40の2ndメイン処理中に実行される通常ゲーム処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図42】本発明の第2の実施例における遊技機間通信の様子を示す説明図である。
【図43】本発明の第2の実施例における通信範囲内の遊技機間における得点の付与方式を示す説明図である。
【図44】本発明の第2の実施例における統括制御遊技機処理中に実行される情報端末連動遊技処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図45】本発明の第2の実施例における1stメイン処理中に実行される情報端末連動遊技終了処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図46】本発明の第3の実施例における遊技機間の通信の様子と、遊技機における演出の例、および第3の実施例を適用する場合に記憶領域に設けられる他の遊技機の情報記憶領域の構成例を示す説明図である。
【図47】第3の実施例を適用した場合に通信範囲内の各遊技機で実行される演出表示の例を示す説明図である。
【図48】本発明の第3の実施例における1stメイン処理中に実行されるイベント報知処理の手順の概略を示すフローチャートである。
【図49】図48のイベント報知処理中の内部イベント報知開始処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図50】図48のイベント報知処理中の内部イベント報知終了処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図51】図48のイベント報知処理中の外部イベント報知開始処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図52】図48のイベント報知処理中の外部イベント報知終了処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図53】本発明の第3の実施例における図38の変動中処理中に実行される変動パターン情報設定処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
【図54】他の実施例において使用して好適な遊技機の構成例を示す斜視図である。
【図55】図54の遊技機に設けられている装飾表示装置により実行される表示の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
【0019】
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。枠装飾装置18は、半透明なプラスチックなどで形成され前面枠のほぼ全域にわたって発光可能に構成されているとともに、内蔵ランプには3原色である赤、青、緑それぞれの色を発光可能なLEDがセット(組)でマトリックス状に配置されたものが使用され、多色カラー発光が可能にされている。
【0020】
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作ハンドル24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。演出ボタン25は、内部に複数の検出スイッチを備え押圧することで入力とするプッシュ機能の他、傾動操作することでカーソルを上下、左右へシフトすることを指示可能なシフト操作機能を備えているものが望ましい。
【0021】
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作ハンドル24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を反映させた演出やシステムへのログイン、ログアウト等を行わせることができる。
さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
【0022】
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
【0023】
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当たり表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0024】
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための球検出手段としての入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
【0025】
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
【0026】
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
【0027】
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉を有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉によって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
【0028】
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する球検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下隅)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
【0029】
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52を備える。また、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部、遊技状態を報知する表示部、エラーを表示するエラー表示部、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部などからなるLED表示部53が設けられている。
【0030】
特図1表示器と特図2表示器における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0031】
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
【0032】
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50のLED表示部53の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示される。
【0033】
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられたLED表示部53の変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
【0034】
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
【0035】
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、LED表示部53の普図表示器に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、当たり状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ(センサ)36aと始動口2スイッチ(センサ)37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
【0036】
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
【0037】
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、一括表示装置50に設けられた特図1表示器または特図2表示器(変動表示装置)で第1または第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器若しくは特図2表示器の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
【0038】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
【0039】
なお、特図1表示器、特図2表示器は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器、特図2表示器を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
【0040】
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
【0041】
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0042】
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0043】
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
【0044】
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0045】
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
【0046】
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0047】
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0048】
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0049】
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0050】
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
【0051】
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0052】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0053】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0054】
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0055】
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0056】
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
【0057】
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0058】
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
【0059】
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
【0060】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0061】
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0062】
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
【0063】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0064】
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0065】
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
【0066】
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
【0067】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
【0068】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
【0069】
次に、遊技制御装置100により行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の開閉部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0070】
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
【0071】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
【0072】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0073】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。
この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
【0074】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
【0075】
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
【0076】
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。
遊技用マイコン111による制御処理は、ループ処理として繰り返されるメインルーチンであるメイン処理(主に図4及び図5参照)と、メイン処理に対する割り込みルーチンとして、所定時間周期(例えば4ms)で行われるタイマ割込み処理(図6参照)とからなる。
【0077】
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図4に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
【0078】
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ:RAM111C)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施形態では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
【0079】
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックし(ステップS10)、正常であれば(ステップS11;Yes)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックする(ステップS12)。次に、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS13;Yes)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS14)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムを比較して(ステップS15)、一致するかを判定する(ステップS16)。そして、一致する場合(ステップS16;Yes)は、図5のステップS17へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
【0080】
また、初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS11;NoもしくはステップS13;No)、チェックサムが正常でない(ステップS16;No)と判定された場合は、図5のステップS24へ移行して初期化の処理を行う。
図5のステップS17では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップS18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
【0081】
また、ステップS20で高確率である(ステップS20;Yes)と判定した場合は、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のON(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS22)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS23)を行ってステップS29へ進む。
【0082】
一方、ステップS9、S11、S13、S16からステップS24へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS25)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。そして、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0083】
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0084】
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
【0085】
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS34)、停電監視信号がONであるかの判定を行う(ステップS35)。停電監視信号がONでない場合(ステップS35;No)は、初期値乱数更新処理(ステップS33)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0086】
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0087】
また、停電監視信号がONである場合(ステップS35;Yes)は、ステップS34で設定したチェック回数分停電監視信号のON状態が継続しているかを判定する(ステップS36)。そして、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続していない場合(ステップS36;No)は、停電監視信号がONであるかの判定(ステップS35;Yes)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続している場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。
【0088】
その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS40)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)、チェックサムをセーブする処理(ステップS42)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
【0089】
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について図6のフローチャートを用いて説明する。
図6に示すタイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
【0090】
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
【0091】
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁気エラー監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
【0092】
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図7に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。
【0093】
始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。なお、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)の詳細については後述する。
【0094】
次に、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップまたは特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルを設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
【0095】
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。なお、特図変動中処理(ステップA10)の詳細については後述する。
【0096】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。なお、特図表示中処理(ステップA11)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
【0097】
さらに、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
【0098】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行う。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
【0099】
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。
図8に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。
なお、ステップA113における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117おける特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
【0100】
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA113)、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。
普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
【0101】
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合も(ステップA115;Yes)、ステップS116およびS117をスキップして始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
【0102】
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA113、A120)の詳細について説明する。
特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
【0103】
図9に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、大当り乱数をロード(大当り乱数を抽出)する(ステップA204)。
【0104】
続いて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(ステップA205)。そして、ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA206)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA207;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA208)、処理をステップA209に移行する。一方、ステップA207にて、出力回数がオーバーフローしないと判定された場合は(ステップA207;Yes)、処理をステップA209に移行する。
【0105】
そして、ステップA209にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA209)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA210)を行う。
ステップA210にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA210;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA211)を行った後、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA212)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA213)、コマンド設定処理(ステップA214)を行う。
【0106】
続いて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA215)を行う。そして、大当り乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA216)、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロード(大当り図柄乱数を抽出)し(ステップA217)、対応する大当り図柄乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブするとともに、その大当り図柄乱数をレジスタに退避する(ステップA218)。
次に、対応する変動パターン乱数1をロード(変動パターン乱数1を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA219)、次に、対応する変動パターン乱数2をロード(変動パターン乱数2を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA220)、次に、対応する変動パターン乱数3をロード(変動パターン乱数3を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA221)。
【0107】
ここで、RWM(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動領域への遊技球の流入に基づいて各種乱数を抽出し、該抽出された各種乱数を始動記憶として記憶可能な始動記憶手段をなす。
続いて、特図保留情報判定処理(ステップA222)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0108】
一方、ステップA210にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA210;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA224)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA225;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA226)、コマンド設定処理(ステップA227)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA225にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合にも(ステップA225;No)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0109】
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図10に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA301)。
ここで、特図2保留数が0である(ステップA302;Yes)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA303)。そして、特図1保留数が0である(ステップA304;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA305)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA306;No)と判定すると、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモフラグをセーブする処理(ステップA307)を行う。
【0110】
続いて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA308)、コマンド設定処理(ステップA309)を行う。
一方、ステップA305にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA306;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA307)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA308)され、コマンド設定処理(ステップA309)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA310に移行する。
【0111】
次に、特図普段処理移行設定処理1(ステップA310)を行って、特図普段処理を終了する。なお、ステップA310における特図普段処理移行設定処理1の詳細については後述する。
一方、ステップA302にて、特図2保留数が0でない(ステップA302;No)と判定すると、特図2変動開始処理(ステップA311)を行う。なお、ステップA311における特図2変動開始処理の詳細については後述する。
その後、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA312)を行って、特図普段処理を終了する。
【0112】
また、ステップA304にて、特図1保留数が0でない(ステップA304;No)と判定すると、特図1変動開始処理(ステップA313)を行う。なお、ステップA313における特図1変動開始処理の詳細については後述する。その後、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA314)を行って、特図普段処理を終了する。
このように、ステップA301とステップA302における特図2保留数のチェックを、ステップA303とステップA304における特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA311)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
【0113】
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA313)および特図2変動開始処理(ステップA314)の詳細について説明する。
特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図11(A)に示すように、先ず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA321)を行う。
次に、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA322)を行った後、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄番号)に対応する信号を試験信号の出力データ領域にセーブする(ステップA323)。
続いて、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄情報をロードし、当該停止図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA324)。
【0114】
次に、特図1変動フラグを設定して準備し(ステップA325)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA326)。
その後、特図後半変動の設定に係るテーブルを準備して(ステップA327)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA328)を行う。続いて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA329)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA330)を行う。
その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA331)を行って、特図1変動開始処理を終了する。
なお、ステップA329における後半変動パターン設定処理、ステップA330における変動パターン設定処理、ステップA331における特図1変動開始処理の詳細については後述する。
【0115】
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA311)の詳細について説明する。
特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図11(B)に示すように、先ず、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA341)を行う。
次に、特図2停止図柄の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA342)を行った後、特図2停止図柄番号に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA343)。続いて、特図2停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードし、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA344)。
【0116】
次に、特図2変動フラグを設定して準備し(ステップA345)、特図2変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA346)。
続いて、特図後半変動の設定に係るテーブルを準備して(ステップA347)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA348)を行う。続いて、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA349)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA350)を行う。その後、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA351)を行って、特図2変動開始処理を終了する。
【0117】
〔後半変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理および特図2変動開始処理における後半変動パターン設定処理(ステップA350)の詳細について説明する。
図12に示すように、後半変動パターン設定処理では、先ず、第1特図及び第2特図のうち、特図情報設定処理にて設定された特図情報(例えば、第1特図等)に対応する変動グループ選択テーブルのアドレスを算出する処理(ステップA451)を行う。
【0118】
次に、作業用の図柄情報領域から停止図柄情報をロードし、特図1停止図柄設定処理または特図2停止図柄設定処理にて設定された停止図柄情報がはずれ図柄パターンであるか否かをチェックして(ステップA452)、停止図柄パターン情報がはずれ図柄パターンである(ステップA453;Yes)と判定すると、設定対象の変動選択グループ情報1から保留数ポインタをロードした後(ステップA454)、当該保留数ポインタに対応する変動グループ選択テーブルのアドレスを算出する処理(ステップA455)を行う。
【0119】
続いて、特図変動表示ゲームの後半変動パターングループを選択するための判定用乱数として、2バイト(複数バイト)で構成された変動パターン乱数1を対象の領域からロードして準備した後(ステップA456)、後半変動選択テーブルの特定に係る2バイト振り分け処理(ステップA457)を行う。
また、ステップA453にて、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンでない(ステップA453;No)と判定されると、処理をステップA456に移行して、変動パターン乱数1を対象の領域からロードして準備した後、後半変動選択テーブルの特定に係る2バイト振り分け処理(ステップA457)を行う。
【0120】
次に、2バイト振り分け処理を行うことにより得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備した後(ステップA458)、特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択するための判定用乱数として、変動パターン乱数2を対象の領域からロードして準備し(ステップA459)、後半変動番号の特定に係る振り分け処理(ステップA460)を行う。
そして、振り分け処理を行うことにより得られた後半変動番号を取得する処理(ステップA461)を行って、当該後半変動番号をRWMの対象となる後半変動番号領域にセーブして(ステップA462)、後半変動パターン設定処理を終了する。
【0121】
〔変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における変動パターン設定処理(ステップA351)の詳細について説明する。
図13に示すように、変動パターン設定処理では、先ず、変動選択グループ情報2をロードして(ステップA471)、当該変動選択グループ情報2に対応する前半変動選択アドレステーブル(1st)を設定する処理(ステップA472)を行う。
【0122】
次に、後半変動番号を対象の後半変動番号領域からロードして(ステップA473)、前半変動選択アドレステーブル(1st)の後半変動番号に対応するアドレスを算出する処理(ステップA474)を行う。続いて、後半変動番号がリーチなし変動の番号1であるか否かをチェックして(ステップA475)、後半変動番号がリーチなし変動でない(ステップA476;No)と判定すると、対象の前半変動情報2をテーブルポインタとしてロードする(ステップA477)。
続いて、テーブルポインタに対応する前半変動選択アドレステーブル(2nd)のアドレスを算出する処理(ステップA479)を行う。
【0123】
また、ステップA476にて、後半変動番号がリーチなし変動である(ステップA476;Yes)と判定すると、処理をステップA478に移行して、対象の前半変動情報2をテーブルポインタとしてロードしてから、テーブルポインタに対応する前半変動選択アドレステーブル(2nd)のアドレスを算出する処理(ステップA479)を行う。
次に、ステップA479にて算出されたアドレスから前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備した後(ステップA480)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを選択するための判定用乱数として、変動パターン乱数3を対象の領域からロードして準備し(ステップA481)、前半変動番号を特定する振り分け処理(ステップA482)を行う。
そして、振り分け処理の結果得られた前半変動番号を取得し準備する処理(ステップA483)を行って、変動パターン設定処理を終了する。
【0124】
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA352)の詳細について説明する。
図14に示すように、変動開始情報設定処理では、先ず、対象となる変動パターン乱数1〜3のRWMのセーブ領域をクリアした後(ステップA491)、変動パターン設定処理にて取得された前半変動番号に対応する前半変動時間値テーブルを設定する処理(ステップA492)、該前半変動時間値テーブルを用いて前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する処理(ステップA493)を行う。
【0125】
続いて、後半変動パターン設定処理にて取得された後半変動番号に対応する後半変動時間値テーブルを設定する処理(ステップA494)、該後半変動時間値テーブルを用いて後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する処理(ステップA495)を行う。
次に、取得された前半変動時間値と後半変動時間値とを加算する処理(ステップA496)を行った後、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA497)。
続いて、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を算出して準備した後(ステップA498)、後半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として準備して(ステップA499)、コマンド設定処理(ステップA500)を行う。
【0126】
次に、RWMの飾り特図コマンド領域から、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをロードして準備し(ステップA501)、コマンド設定処理(ステップA502)を行う。
続いて、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数(表示装置41に表示)に係る飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備して(ステップA503)、変動図柄判別フラグに対応するRWMの乱数セーブ領域のアドレスを設定する(ステップA504)。それから、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を更新(−1)する処理(ステップS505)を行う。
その後、特図保留数に対応する特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA506)、コマンド設定処理(ステップA507)を行う。そして、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域をシフトし(ステップA508)、シフト後の空き領域をクリアする処理(ステップA509)を行って、変動開始情報設定処理を終了する。
【0127】
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA11)の詳細について説明する。
図15に示すように、特図表示中処理では、先ず、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2をロードして(ステップA541)、RWMの大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA542)を行う。
次に、ロードされた大当りフラグ2をチェックして(ステップA543)、大当りである(ステップA544;Yes)と判定すると、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA550)を行い、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA551)、ステップA552に処理を移行する。
【0128】
一方、ステップA544にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA544;No)と判定すると、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1をロードして(ステップA545)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA546)を行う。
続いて、ロードされた大当りフラグ1をチェックして(ステップA547)、大当りである(ステップA548;Yes)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA549)、ステップA552に処理を移行する。
【0129】
ステップA552では、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理を行う。
次に、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンド数上限値を取得し、当該ラウンド数上限値をRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA553)。続いて、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンドLEDポインタを取得し、当該ラウンドLEDポインタをRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA554)。
【0130】
次に、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA555)、コマンド設定処理(ステップA556)を行う。
続いて、停止図柄パターン情報に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA557)、コマンド設定処理(ステップA558)を行う。
その後、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA559)、コマンド設定処理(ステップA560)を行う。
【0131】
次に、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA561)。続いて、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定して(ステップA562)、当該ファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA563)。
その後、大入賞口への不正入賞数をリセットした後(ステップA564)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA565)。
そして、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するための設定処理1(ステップA566)を実行する。
【0132】
一方、ステップA548にて、大当りフラグ1のチェックの結果、大当りでない(ステップA548;No)と判定すると、符号2で示すように、図16のステップA570へ移行して、遊技状態が、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームを時短動作状態とし、普通変動入賞装置37の開放時間を延長する時短状態であるか否かを判定する。
ここで、遊技状態が時短状態でない(ステップA570;No)と判定すると、特図普段処理に移行するための特図普段処理移行設定処理1(ステップA571)を行って、特図表示中処理を終了する。
【0133】
一方、ステップA570にて、遊技状態が時短状態である(ステップA570;Yes)と判定すると、特図変動表示ゲームが時短動作状態で行われる回数(例えば、100回)に係る時間短縮変動回数を更新(−1)した後(ステップA572)、当該更新後の時間短縮変動回数が0であるか否かを判定する処理(ステップA573)を行う。
ここで、時間短縮変動回数が0でない(ステップA573;No)と判定すると、処理をステップA571に移行して、特図普段処理移行設定処理1を行って、特図表示中処理を終了する。
【0134】
一方、ステップA573にて、時間短縮変動回数が0である(ステップA573;Yes)と判定すると、即ち、時短状態にて特図変動表示ゲームが時短動作状態での所定回数(例えば、100回)の実行が完了した場合には、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームの時短動作状態と普通変動入賞装置37の開放時間を延長する状態(時短状態)を終了する場合の確率情報コマンドを準備して(ステップA574)、コマンド設定処理(ステップA575)を行う。
その後、特図普段処理に移行するためのテーブル(時短終了時用)を準備する特図普段処理移行設定処理2(ステップA576)を行って、特図表示中処理を終了する。
【0135】
次に、図17を用いて、本実施形態の遊技機の特徴と該遊技機を設置した遊技場における遊技機間の通信範囲の設定の仕方について説明する。
本実施形態の遊技機は、遊技機間でデータ通信を行う通信機能と、遊技者が保持する携帯電話やPDA(パーソナルデジタルアシスタンツ)などの携帯情報端末(以下、情報端末と称する)を使用した連動遊技を提供する連動遊技機能とを有することを特徴としている。
具体的には、図17に示すように、遊技場において複数の遊技機が1列に配設されてなる各遊技島の遊技機のうち所定の関係を有する遊技機同士が通信可能に構成される。遊技機間の通信は、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)と呼ばれる無線通信規格に従った無線通信でもよいし、イーサネット(登録商標)のようなLAN(ローカルエリアネットワーク)を使用した有線方式の通信であってもよい。
【0136】
ここで、通信範囲の遊技機とされる関係は、基本的には島単位で横一列の同一メーカー・同一機種の遊技機間とするのが良いが、同一メーカー・同一機種の遊技機であれば、図17において一点鎖線A1で囲まれているように島を越えた通信範囲を設定してもよいし、同一遊技場内であれば同一メーカー・同一機種の遊技機を全て通信可能としてもよい。
また、A2のように、同一メーカー・同一機種でスペックが異なる遊技機を通信可能としてもよい。さらに、A3のように、同一メーカー・異機種であって共通枠を使用している遊技機間や同一メーカー・異機種であって、ともに本発明に特有の遊技形態である情報端末連動遊技に対応した遊技機間を通信可能としてもよい。また、A4のように、異なる複数のメーカーの遊技機が同一島に混在する場合は同一機種のものが所定台数確保されているのであれば通信可能としてもよい。さらに、A5のように、複数メーカーの遊技機でも共通枠であれば通信可能としてもよい。また、A6のように、情報端末連動遊技対応機種が一部のメーカーのみであれば大当り等の異機種同士で共通した遊技情報のみを通信可能としてもよい。なお、情報端末連動遊技については後に説明する。
【0137】
次に、図18を用いて、本実施形態の遊技機を設置した遊技場における遊技機間の通信方式について説明する。
本実施形態の遊技機は、遊技機間通信機能に関して、図18(A)に示すように、遊技島の一番端に配置されている遊技機Aを通信の中心となる親機とし、同一島内の他の遊技機B,C,D,E・・・を子機として、通信を行うように構成されている。ただし、親機の設定の仕方は、島の一番端のものを親機とする方式に限定されず、遊技場や島設備の状況に応じて適宜変更するようにしてもよい。
本実施例では、上記のようにして親機(以下、統括制御遊技機と称する)として設定された遊技機Aは、子機(従属遊技機)としての遊技機B,C,D,E・・・に対してトークン(発言権)を回すことで通信を行って、通信範囲内の遊技機を把握する。この際、統括制御遊技機Aは、通信範囲内の遊技機の中に異機種であって情報端末連動遊技を実行できない情報端末連動遊技非対応機種があれば、その遊技機を把握しておく。図18(A)においては、遊技機Eが情報端末連動遊技非対応の遊技機である。
【0138】
また、統括制御遊技機(親機)Aは、図18(B)に示すように、子機としての遊技機B,C,D,E・・・に対して通信を行って、情報端末連動遊技を行っている遊技機の数を把握する。図18(B)においては、太枠で示されている遊技機A,C,Dが、情報端末連動遊技を行っている遊技機である。
なお、情報端末連動遊技の開始の際に子機としての遊技機の側から統括制御遊技機Aへ情報を送信すること(通信割込み)で、統括制御遊技機Aが情報端末連動遊技を行っている遊技機(自機および子機)の数を把握するようにしてもよい。
【0139】
次に、本実施例における情報端末連動遊技への参加(ログイン)および終了(ログアウト)の仕方について説明する。
情報端末連動遊技対応の遊技機は、所定時間遊技が行われていないデモ画面表示期間に自動的にあるいはデモ期間に遊技機の前面に設けられている演出ボタン25を操作すると、表示装置41に情報端末連動遊技へ参加(ログイン)するためのパスワードの入力を促す画像を表示する。この画面で、遊技者が演出ボタン25を操作してパスワードを入力すると、情報端末連動遊技へ参加が認可され、以下に説明するような情報端末連動遊技(得点の獲得、共通演出の享受)が実行される。
そして、遊技者が獲得した得点に応じて遊技レベルが段階的に上がり、レベルに応じた遊技サービス(他の遊技機と連動した共通演出の実行や自遊技機における装飾演出態様の変化等)が提供されるとともに、獲得した得点により情報端末による画像コンテンツの取得、飲み物の提供など様々なサービスを遊技者が受けられようになる。なお、遊技レベルには上限(例えば「100」)を設けても良い。
【0140】
ログイン時の最初のパスワードは、ウェブサーバから入手しても良いし、来店時に遊技店から遊技者に与えるようにしても良い。あるいは初回のログインはパスワードなしでもよい。
ウェブサーバからパスワードを入手する方法としては、遊技者が遊技機のメーカーあるいは遊技店が開設している携帯サイトで会員登録をすることで最初のパスワードを受ける方法がある。また、遊技機の前面にシール等で示されているQRコード(登録商標)のような2次元コードを携帯電話などの情報端末のカメラ機能を使用して取り込み、サイトを提供するウェブサーバ等へアクセスすることで、情報端末に返信されたパスワードを使用するようにしてもよい。そして、2回目以降に情報端末連動遊技へ参加(ログイン)するためのパスワードは、前回の情報端末連動遊技の終了(ログアウト)時に表示装置41に表示される2次元コードを情報端末に取り込み、ウェブサーバ等へアクセスすることで取得する方式が考えられる。
【0141】
ログイン後、遊技機の制御装置は、その後の情報端末連動遊技中における履歴情報や遊技者に付与された得点などを記憶する。
情報端末連動遊技の終了(ログアウト)は、遊技者が演出ボタン25を操作して表示装置41に表示させたログアウト画面にて所定の操作を行うことで実行され、遊技機の制御装置は、情報端末連動遊技中に記憶した履歴情報や得点等を加味して2次元コードを作成し、表示装置41に表示させて情報端末のカメラ機能による取り込みを促す表示もしくはメッセージを出力する。また、遊技機の制御装置は、2次元コードの表示後もしくは次の遊技者によるログインの際に、それまで記憶していた情報端末連動遊技中の履歴情報や得点をクリアする。
【0142】
また、遊技客がログアウトの際に遊技機の表示装置に表示された2次元コードを情報端末により取り込んでウェブサーバ等にアクセスすると、遊技データが保存される。これにより、図19(A)に示すように、情報端末の表示パネルに履歴情報や達成条件等が表示されて確認できるようになる。また、図19(B)に示すように、情報端末の表示パネルに遊技当日に遊技者に付与された得点またはそれまでの得点と合計した得点を表示するとともに、当該得点によって享受することできるサービスの内容を表示させることができる。なお、遊技客は、次に遊技をする際には、ログインの前にウェブサーバ等にアクセスしてパスワードを受け取り、遊技機に入力することで情報端末連動遊技へ参加することができる。
【0143】
次に、本実施例における情報端末連動遊技の具体的な内容について、図20及び図21を用いて説明する。
本実施例における情報端末連動遊技は、通信範囲内のいずれかの遊技機において、大当りのような特別なイベントが発生(条件成立)した場合に、それを統括制御遊技機(親機)Aが認知して、イベントが発生した遊技機に対して所定の得点(遊技得点と呼ぶ)を付与するとともに、情報端末連動遊技に参加している遊技機(自機を含む)にも所定の得点(通信得点と呼ぶ)を付与するものである。通信得点は、情報端末連動遊技に参加し通信範囲内で所定の条件が成立することで得られる参加得点である。本実施例では、得点は統括制御遊技機により管理され、情報端末連動遊技を終了(ログアウト)する際に対応する遊技機(子機)へ送信される。
【0144】
ここで、上記「所定の条件」は、例えば通信範囲内の2以上の遊技機において同じ時期に大当りが発生したことなどがある。図20で説明すると、例えば図20(A)に示すように、通信範囲内の遊技機CとDで大当りが発生したとすると、当該遊技機CとDに遊技得点を付与するとともに、図20(B)に示すように、このとき情報端末連動遊技に参加している遊技機A,C,Dに通信得点を付与する。これを示したのが図20(C)である。
また、大当りが発生した遊技機は、通信範囲内であれば情報端末連動遊技に参加していなくてもよい。例えば、遊技機Bが情報端末連動遊技に参加していない場合に、図21(A)に示すように、通信範囲内の遊技機BとDで大当りが発生したとすると、遊技機Dに遊技得点を付与するとともに、図21(B)に示すように、このとき情報端末連動遊技に参加している遊技機A,C,Dに通信得点を付与する。これを示したのが図21(C)である。なお、「所定の条件」は、例えば通信範囲内のいずれか1つの遊技機において大当りが発生したこと、あるいはプレミアスペシャルリーチが発生したことなどであってもよい。
【0145】
図22には、統括制御遊技機により管理されるデータテーブルの例が示されている。このうち、図22(A)は、通信範囲内で情報端末連動遊技に参加している遊技機とその遊技機の遊技レベルおよび遊技得点を管理するテーブルである。また、図22(B)は情報端末連動遊技に参加している遊技機において発生した大当りやスペシャルリーチなどの遊技履歴としての特定遊技情報を記憶し管理するリスト(管理テーブル)である。なお、図22(B)のテーブルは時系列的なデータを記憶する。このような遊技履歴情報テーブルを設けているのは、共通演出を行うためである。
【0146】
本実施例における共通演出実行の条件としては、通信範囲内の遊技機で大当りが3回発生したとか、大当りが5回、大当りが10回、大当りが15回、発生したなどがある。図22(B)の場合には、大当り3回の条件達成しているので共通演出を行う。共通演出実行の条件として大当り10回発生とか、15回発生等がある場合には、大当り5回達成は継続的な条件であるので、この時点で大当たりの特定遊技情報をリストから削除せずにデータを残しておく。一方、共通演出実行の条件が「特定キャラクタを見た」といった単発的な条件であれば、共通演出実行後にこの特定遊技情報をリストから削除する。
【0147】
なお、共通演出実行の条件が達成された場合、通信範囲内の遊技機で共通演出を実行するとともに、遊技者に所定の得点を付与するようにしても良い。また、この際に付与する得点は、達成条件の難易度に応じて「+1」または「+2」のように変えてもよいし、達成条件のいかんにかかわらず付与する得点を固定してもよい。
図22(C)は、情報端末連動遊技に参加している各遊技機(統括制御遊技機および従属制御遊技機)ごとにその遊技機の遊技レベルおよび遊技得点を、ログインからログアウトまで時系列的に記憶する履歴情報記憶領域の例を示したものである。図に示すように、この実施例では、遊技得点が10に達すると遊技レベルが1段階上がり、遊技得点は0に戻るようにされる。
【0148】
次に、情報端末連動遊技に参加している遊技機で行われる装飾演出、通信範囲内の遊技機において大当りが5回などの所定の条件が達成された場合に実行される共通演出の具体例について、図23〜図26を用いて説明する。
図23(A),(B)は情報端末連動遊技に参加している遊技機の表示装置41に表示される画面の例を示す。特に限定されるわけではないが、この実施例では、表示画面の右上に当該遊技者が獲得した得点と遊技レベルを表形式で表示するようにしている。図23(C)の画面においては、得点表が表示されていないので、当該遊技機は情報端末連動遊技に参加していないことを表している。得点表のうち、得点表示欄は、図23(D)に示すように、10個のます目を表示し、そのときの得点に応じて塗り潰しによるグラフ表示(段階表示)を行うようにしている。そして、遊技得点が10に達すると遊技レベルが1段階上がり、遊技得点のグラフ表示は0に戻るようにされる。また、遊技の途中で得点付与となる遊技条件が達成されると、図23(B)に示すように、画面の右下に達成した条件の内容を表示するようになしている。
【0149】
図24および図25には、通信範囲内の各遊技機における演出の例が示されている。
このうち、図24は、通信範囲内の複数の遊技機のうち情報端末連動遊技に参加している遊技機において、前面枠の装飾ランプを使用してそれぞれの遊技レベルに応じて異なる発光装飾を行うようにした様子が示されている。このように、情報端末連動遊技に参加すると前面枠の発光装飾が行われることで、情報端末連動遊技に参加していることが他の遊技者から分かり易くなるとともに、自分の遊技レベルが高い場合には他とは異なる発光装飾が行われることで、遊技者は優越感を得ることができる。
【0150】
図25は、通信範囲内の遊技機において大当りが5回発生などの所定の条件が達成された場合に実行される共通演出の具体例が示されている。ここでは、一例として、情報端末連動遊技に参加している複数の遊技機A,C,Dにおいて、各々前面枠の装飾ランプ(枠装飾装置18等)を同一の態様で発光させることで共通演出を行うようにした様子が示されている。
このような共通演出を行うことで、遊技者間に連帯感が生まれるとともに、他の遊技機で大当りが発生したような場合には自分も大当りを発生させたいという遊技意欲を遊技者に与えることができる。所定の条件が達成されたか否かの判定は特定遊技情報を一括管理する統括制御遊技機Aが行い、統括制御遊技機Aから子機C,Dへ所定の条件が達成されたことを知らせることで、共通演出が実行される。なお、共通演出は前面枠の装飾ランプを使用したものに限らず、表示装置41における演出を同一もしくは関連させるものであっても良い。
【0151】
遊技レベルに応じた発光装飾による演出は、図24に示すようなものに限定されず、例えば図26(A)に示すように、遊技レベルに応じてそれぞれ異なる発光装飾による演出を行うようにするとよい。また、図26(A)のようなものに限定されず、遊技レベルに応じて遊技者が情報端末で好みのものにカスタマイズできるように構成しても良い。
一方、共通演出は、図25に示すようなものに限定されず、例えば図26(B)に示すように、達成条件に応じて異なる共通演出を実行するようにするとよい。図26(B)における発光態様も、記述されているものに限定されず、点灯による発光色だけでなく点滅を組み合わせても良いし、隣接する台に跨って配色パターンを決定しても良い。また、複数の特定遊技情報に対して共通のパターンを使用しても良いし、特定遊技情報のイメージに合わせた発光パターンにしたり、達成しにくいものに対してはより豪華な発光パターンを割り当てるようにしても良い。
【0152】
次に、上述したような遊技機間通信機能と、情報端末を使用した連動遊技機能(得点付与と共通演出)とを実現する演出制御装置300の構成について、図27を用いて説明する。
図27に示すように、演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
【0153】
演出制御装置300には、通信強度を設定するための通信強度設定スイッチ65や、遊技機の台番号を設定する台番号設定スイッチ66、通信範囲としての設置範囲を設定する設置範囲設定スイッチ67、営業時間を設定する営業時間設定スイッチ68、親機として動作かることを設定するためのMASTER設定スイッチ69、現在時刻の情報を与えるリアルタイムクロックRTCからの信号が入力され、これらの入力信号に応じた制御を行うようにプログラムが作成されている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。
【0154】
主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
【0155】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
【0156】
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
【0157】
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
【0158】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0159】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
【0160】
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
また、演出制御装置300には、他の遊技機の演出制御装置との間で、無線または有線による通信を行うための通信回路350が設けられており、情報端末連動遊技の実行ための遊技機間通信は演出制御装置300によって行われるようになっている。
【0161】
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0162】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
【0163】
次に、上記演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311によって実行される制御について説明する。
主制御用マイコン311による制御処理は、図28に示す1stメイン処理と、所定時間ごと(例えば2msecごと)に行われるコマンド受信割込み処理とからなる。1stメイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。
【0164】
〔1stメイン処理〕
図28に示すように、1stメイン処理においては、先ず、割込みを禁止する処理(ステップB1)を行ってから、RAMを0クリアする処理(ステップB2)を行い、1stCPU311の初期化処理(ステップB3)を行う。
次に、RAMに初期値を設定する処理(ステップB4)を行い、乱数初期化処理(ステップB5)を行う。その後、各種割込みのタイマを起動する処理(ステップB6)を行い、割込みを許可する(ステップB7)。その後、主制御用マイコン311は、メインループ処理ステップB8〜B23を行う。
【0165】
このメインループ処理では、先ず、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(ステップB8)を行う。そして、演出操作ボタンSW25aからの信号の立ち上がりエッジを検出して入力データを作成する入力処理(ステップB9)、遊技制御装置100から送信されたコマンドを受信割込み処理で受信バッファに取り込んで情報を読み込む遊技制御コマンド解析処理(ステップB10)を行う。
この遊技制御コマンド解析処理では、遊技制御装置100から送信された遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドをシーン制御のために区分けし確定する処理を行う。遊技制御装置100から送信される一つのコマンドは、第1コマンド(MODE)と、第2コマンド(ACTION)との一対のデータにより構成されている。
【0166】
そして、受信した第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾しない場合(例えば、MODE→ACTIONの順に受信した場合)に正しくコマンドを受信したと判定し、第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾する場合(例えば、ACTION→ACTIONの順やMODE→MODE→MODEの順に受信した場合)にコマンドの受信が異常であると判定するようになっている。
続いて、表示や装飾のランプや役物等の動作確認をするためのテストモード処理(ステップB11)、特図変動表示ゲームに関する処理を行う1stシーン制御処理(ステップB12)を行う。
【0167】
その後、統括制御遊技機として設定されている遊技機において、各種情報設定や外部通信のための設定を行う統括制御遊技機処理(ステップB13)、従属制御遊技機として設定されている遊技機において統括制御遊技機からの設定情報に基づいて各種情報設定を行う従属制御遊技機処理(ステップB14)、情報端末連動遊技を開始するための設定を行う処理(ステップB15)、情報端末連動遊技を終了するための処理(ステップB16)、遊技制御装置からのコマンドを受信して対応する演出や報知を開始するための情報設定を行い統括制御遊技機へ特定遊技情報の発生を報告するイベント報知処理(ステップB17)を行う。
【0168】
さらに、内部レジスタに書き込むことで2ndCPU312へコマンドを送出して特図変動表示ゲームにおける演出に関する設定を行う演出コマンド編集処理(ステップB18)、音声の出力に関する処理(スピーカ19a、19bの駆動処理)であるサウンド制御処理(ステップB19)、前面枠に設けられた枠装飾装置18の制御に関する処理である装飾制御処理(ステップB20)を行う。そして、センターケース40に設けられた役物等を駆動させる盤演出モータ/SOL制御回路334の制御に関するモータ/SOL制御処理(ステップB21)、飾り特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)等の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB22)、通信回路350による外部通信の設定を行う処理(ステップB23)を行い、ウォッチドッグタイマをクリアする処理(ステップB8)に戻る。
【0169】
図29には、図28の1stメイン処理中に実行される統括制御遊技機処理(ステップB13)の具体的な手順の一例が示されている。
この統括制御遊技機処理は、MASTER設定スイッチ69(図27参照)により統括制御遊技機として設定された遊技機が、電源投入時や所定時間経過毎に通信範囲内の子機となる遊技機(この実施例では同一機種とする)の台数を把握し、情報端末連動遊技に参加している遊技機から特定遊技情報を取得して管理するとともに、特定の条件が成立したか判定して共通演出を実行させるための処理である。
この統括制御遊技機処理においては、先ず設定スイッチ69からの信号を見て統括制御遊技機として設定されているか否か判定する(ステップB311)。そして、統括制御遊技機として設定されていない(ステップB311:No)と判定すると、ステップB322へジャンプする。
【0170】
一方、ステップB311での判定で、統括制御遊技機として設定されている(Yes)と判定すると、ステップB312へ進み、台数を特定する条件(電源投入1回目および所定時間毎)が成立しているか否か判定する。そして、台数を特定する条件が成立していない(ステップB312:No)と判定すると、ステップB315へ移行する。また、ステップB312での判定で、台数を特定する条件が成立している(Yes)と判定すると、ステップB313へ進み、同一機種に対して応答(台番号を含む)を要求する応答要求コマンドを外部通信バッファにセットし、応答待ちのための待機タイマをセットする(ステップB314)。
【0171】
その後、応答待機中であるか否か判定する(ステップB315)。そして、応答待機中でない(ステップB315:No)と判定すると、ステップB322へジャンプする。また、ステップB315での判定で、応答待機中である(Yes)と判定すると、ステップB316へ進み、要求に対する応答があったか否か判定し、応答がない(ステップB316:No)と判定すると、ステップB319へ移行する。また、応答があった(ステップB316:Yes)と判定すると、ステップB317へ進み、要求に対する応答をしてきた遊技機(台)に関する情報と台番号と紐付けて応答リストに追加する。それから、同一機種の台数を計数するためのカウンタを更新(+1)する(ステップB318)。
【0172】
次に、ステップB314でセットした応答待機タイマがタイムアップしたかチェックする(ステップB319)。そして、応答待機タイマがタイムアップしてない(ステップB320:No)と判定すると、ステップB321をスキップしてステップB322へ移行する。また、ステップB320での判定で、応答待機タイマがタイムアップした(Yes)と判定すると、ステップB321へ進み、ステップB318で更新した同一機種台数カウンタの値に基づいて同一機種台数を確定する。その後、情報端末連動遊技処理(ステップB322)、共通演出処理(ステップB323)を実行して統括制御遊技機処理から抜ける。情報端末連動遊技処理と共通演出処理について、図30および図31を用いて説明する。
【0173】
図30には、図29の統括制御遊技機処理中に実行される上記情報端末連動遊技処理(ステップB322)の具体的な手順の一例が示されている。この情報端末連動遊技処理は、統括制御遊技機が、通信範囲内のいずれかの遊技機で情報端末連動遊技への参加すなわちログインがあったことや、情報端末連動遊技の終了すなわちログアウトがあったことをリアルタイムで把握するための処理である。
この情報端末連動遊技処理では、先ず、各遊技機から受信したデータに情報端末連動遊技開始情報があるかチェックする(ステップB331)。そして、情報端末連動遊技開始情報がある(ステップB332:Yes)と判定すると、ステップB333へ進み、要求に対する応答をしてきた遊技機(台)に関する情報と台番号と紐付けてログインリストに追加して、ステップB334へ進む。また、情報端末連動遊技開始情報がない(ステップB332:No)と判定すると、ステップB333をスキップしてステップB334へ移行する。
【0174】
ステップB334では、各遊技機の情報に情報端末連動遊技終了情報があるかチェックする。そして、情報端末連動遊技終了情報がある(ステップB335:Yes)と判定すると、ステップB340へ進み、遊技機(台)に関する情報と台番号と紐付けて記憶しているログインリストからこれらの情報を削除する。また、情報端末連動遊技終了情報がない(ステップB335:No)と判定すると、ステップB341へ移行する。
ステップB341では、各遊技機から特定遊技情報を取得したか否か判定する。そして、特定遊技情報を取得した(ステップB341:Yes)と判定すると、ステップB342へ進み、要求に対する応答をしてきた遊技機(台)に関する情報と台番号と紐付けてログインリストに特定遊技情報を追加して当該情報端末連動遊技処理から抜ける。また、特定遊技情報を取得していない(ステップB341:No)と判定すると、ステップB342をスキップして当該情報端末連動遊技処理から抜ける。
【0175】
図31には、図29の統括制御遊技機処理中に実行される共通演出処理(ステップB233)の具体的な手順の一例が示されている。この共通演出処理は、図25で説明した各遊技機の前面枠の装飾ランプ(装飾装置18)を使用して行われる共通演出の実行を制御する処理である。
この共通演出処理においては、先ず共通演出実行フラグがセットされているか否か判定する(ステップB344)。そして、共通演出実行フラグがセットされていない(ステップB344:No)と判定すると、ステップB345へ進み、ログインリストの情報を取得する。そして、ログインリストの情報が通信範囲内で、大当りが5回発生などの共通演出実行のための所定条件が達成されているかチェックする(ステップB346)。ここで、共通演出実行条件が達成されていていない(ステップB347:No)と判定すると、当該共通演出処理から抜ける。
【0176】
一方、ステップB347で、共通演出実行条件が達成されている(Yes)と判定すると、ステップB348へ進み、達成した条件に対応した共通演出情報を含む外部報知情報を、情報端末連動遊技に参加している他の遊技機(子機)の台番号と共に外部通信バッファにセットする。そして、共通演出実行フラグをセットし(ステップB349)、共通演出を実行する期間を規定する共通演出タイマをセットする(ステップB350)。
その後、当該統括制御遊技機自身が情報端末連動遊技を実行中であるか否か判定する(ステップB348)。そして、情報端末連動遊技を実行中でない(ステップB348:No)と判定すると、当該共通演出処理から抜ける。また、統括制御遊技機が情報端末連動遊技を実行中である(ステップB348:Yes)と判定すると、ステップB349へ進み、達成した条件に対応した共通演出情報を自遊技機にも設定して当該共通演出処理から抜ける。
【0177】
また、上記ステップB344で、共通演出実行フラグがセットされている(Yes)と判定すると、ステップB353へ移行して、ステップB350でセットした共通演出タイマがタイムアップしたか否か判定する。そして、共通演出タイマがタイムアップしていない(ステップB353:No)と判定すると、当該共通演出処理から抜ける。一方、ステップB353で、共通演出タイマがタイムアップした(Yes)と判定すると、ステップB354へ進み、共通演出終了情報を、参加している遊技機の台番号と共に外部通信バッファにセットする。そして、共通演出実行フラグをクリアする(ステップB355)。
【0178】
その後、当該統括制御遊技機自身が共通演出を実行中であるか否か判定する(ステップB356)。そして、共通演出を実行中でない(ステップB356:No)と判定すると、当該共通演出処理から抜ける。また、統括制御遊技機が共通演出を実行中である(ステップB356:Yes)と判定すると、ステップB357へ進み、共通演出を終了して当該共通演出処理から抜ける。
上記のような処理を行うことにより、統括制御遊技機は自機において情報端末連動遊技が実行されていない場合にも、従属制御遊技機から情報の送信を受けて共通演出を実行するか否かの判定を行い、従属制御遊技機においてのみ共通演出を実行させることも可能となっている。
【0179】
なお、ステップB350でセットする共通演出タイマの設定時間は例えば10秒程度が考えられるが、該タイマがタイムアップする前に他の共通演出実行条件が重複して達成される場合がある。その場合には、既に開始している共通演出を中断して後から発生した共通演出を実行してもよいし、後で達成した条件が既に達成し開始している共通演出と同一の条件の場合には後で達成した条件は無視しても良い。また、後で達成した条件による共通演出をグレードアップしても良い。また、達成した条件がことなる場合には、条件達成の難易度の高い方の共通演出を優先して実行するようにしても良い。
【0180】
図32には、図28の1stメイン処理中に実行される従属制御遊技機処理(B14)の具体的な手順の一例が示されている。
この従属制御遊技機処理は、従属制御遊技機として設定された遊技機が、電源投入時や所定時間経過毎に統括制御遊技機が通信範囲内の子機となる遊技機(この実施例では同一機種とする)や連動遊技に参加している遊技機の台数を把握するために送信してくる応答要求に対して応答するとともに、統括制御遊技機から送信されてくる情報に基づいて共通演出を実行する設定を行うための処理である。
この統括制御遊技機処理においては、先ずMASTER設定スイッチ69(図27参照)からの信号を見て従属制御遊技機として設定されているか否か判定する(ステップB361)。そして、従属制御遊技機として設定されていない(ステップB361:No)と判定すると、ステップB366へジャンプする。
【0181】
一方、ステップB361での判定で、従属制御遊技機として設定されている(Yes)と判定すると、ステップB362へ進み、統括制御遊技機からの応答要求を受信しているか否か判定する。そして、応答要求を受信していない(ステップB362:No)と判定すると、ステップB366へジャンプする。また、ステップB312での判定で、応答要求を受信している(Yes)と判定すると、ステップB363へ進み、統括制御遊技機と同一の機種であるか否か判定する。そして、統括制御遊技機と同一の機種でない(ステップB364:No)と判定すると、ステップB366へジャンプする。また、ステップB364での判定で、統括制御遊技機と同一の機種である(Yes)と判定すると、ステップB365へ進み、要求元に対する要求応答(台番号を含む)を外部通信バッファにセットしステップB366へ移行する。
【0182】
ステップB366では、自遊技機が情報端末連動遊技中であるか否か判定する。そして、情報端末連動遊技中でない(ステップB366:No)と判定すると、当該従属制御遊技機処理から抜ける。一方、ステップB366で情報端末連動遊技中である(Yes)と判定すると、ステップB367へ進み、統括制御遊技機から送信されて来た共通演出情報があるかチェックする。そして、共通演出情報がない(ステップB368:No)と判定すると、当該従属制御遊技機処理から抜ける。また、ステップB368で共通演出情報がある(Yes)と判定すると、ステップB369へ進み、共通演出情報に基づいて共通演出パターンを設定して当該従属制御遊技機処理から抜ける。
【0183】
図33(A)には、図28の1stメイン処理中に実行される情報端末連動遊技開始処理(B15)の具体的な手順の一例が示されている。
この情報端末連動遊技開始処理では、先ずログインが可能な状態かすなわち情報端末連動遊技への参加が可能な状態であるかチェックする(ステップB371)。ここで、ログインが可能な状態とは、図33(B)に示すように、変動表示ゲームの変動が停止し、所定時間経過しても次の変動が開始しないと表示される客待ち画面が表示されている状態のことで、本実施形態の遊技機は、この状態において遊技者が、演出ボタン25を操作するとログイン画面が表示され、パスワードを入力するとログインが完了するようになっている。
【0184】
ログインが可能な状態か否かの判定で、ログインが可能でない(ステップB372:No)と判定すると、当該情報端末連動遊技開始処理から抜ける。一方、ログインが可能である(ステップB372:Yes)と判定すると、ステップB373へ進み、演出ボタン25の操作による入力があったかチェックする。そして、入力がない(ステップB374:No)と判定すると、当該情報端末連動遊技開始処理から抜ける。また、入力があった(ステップB374:Yes)と判定すると、ステップB375へ進み、遊技情報記憶領域内の遊技情報をクリアする。前回の遊技者がログアウトせずに遊技を終了した場合等に、前回遊技に伴い発生した情報がこれから実行する情報端末連動遊技において加算されないようにするためである。
【0185】
次に、遊技得点を計数する遊技得点カウンタに初期値(0)をセットし(ステップB376)、遊技者により入力されたパスワードから取得した遊技履歴に基づいて前回の遊技終了時の遊技レベル情報を取得する(ステップB377)。そして、その遊技レベル情報を表示装置41に表示する(ステップB378)。この際、遊技得点として初期値(0)を合わせて表示するようにしても良い。その後、パスワードから取得した遊技レベルに応じて前面枠の装飾ランプによるレベル別装飾態様を設定する(ステップB379)。
なお、パスワードは、遊技者が情報端末を用いてウェブサーバから取得しログイン時に入力するものであるが、ウェブサーバと各遊技機の演出制御装置とがそれぞれ遊技終了時情報として遊技レベルとパスワードとの関係を記述した共通のテーブル(リスト)を各々保有するようにしておく。そして、ウェブサーバがテーブルを参照してパスワードを生成して情報端末へ送信することで、演出制御装置は入力されたパスワードからテーブルを参照して前回の遊技終了時の遊技レベルを取得することができる。また、パスワード自身に前回遊技終了時の遊技レベル情報を含ませるようにしても良い。さらに、遊技レベルの他に前回の遊技終了時の遊技得点も再現できるようにしても良い。
【0186】
上記ステップB379に続いて、MASTER設定スイッチ69(図27参照)からの信号を見て自遊技機が統括制御遊技機として設定されているか否か判定する処理(ステップB380)を実行する。そして、統括制御遊技機として設定されている(ステップB380:Yes)と判定すると、ステップB381へ進み、自遊技機の台番号をログインリストに追加して、当該情報端末連動遊技開始処理から抜ける。一方、統括制御遊技機として設定されていない(ステップB380:No)と判定すると、ステップB382へ移行して情報端末連動遊技開始情報(台番号を含む)を外部通信バッファにセットして、当該情報端末連動遊技開始処理から抜ける。
【0187】
図34には、図28の1stメイン処理中に実行される情報端末連動遊技終了処理(B16)の具体的な手順の一例が示されている。
この情報端末連動遊技開始処理では、先ず遊技者により演出ボタン25による情報端末連動遊技終了操作すなわちログアウト操作がなされたか否か判定する(ステップB391)。ここで、情報端末連動遊技終了操作がなされていない(ステップB391:No)と判定すると、当該情報端末連動遊技終了始処理から抜ける。一方、情報端末連動遊技終了操作がなされた(ステップB391:Yes)と判定すると、ステップB392へ進み、自遊技機が統括制御遊技機として設定されているか否か判定する。
【0188】
そして、統括制御遊技機として設定されている(ステップB392:Yes)と判定すると、ステップB393へ進み、自遊技機の台番号をログインリストから削除する。また、統括制御遊技機として設定されていない(ステップB392:No)と判定すると、ステップB395へ移行して情報端末連動遊技終了始情報(台番号を含む)を外部通信バッファにセットする。
次に、遊技情報の出力を行うか否か判定する(ステップB398)。そして、遊技情報の出力を実行しない(ステップB398:No)と判定すると、当該情報端末連動遊技終了処理から抜ける。また、遊技情報の出力を実行する(ステップB398:Yes)と判定すると、ステップB399へ進み、遊技情報記憶領域内の遊技情報(遊技終了時の情報)を出力し、遊技情報出力タイマをセットする(ステップB400)。なお、ステップB399で遊技情報を出力するとき、本実施例では、遊技情報に基づいて2次元コードを生成し、それを表示装置41の画面に表示させることで出力としている。
【0189】
その後、遊技情報の表示を消すか否か判定し(ステップB401)、遊技情報の表示を消す(Yes)と判定すると、ステップB403へジャンプする。また、遊技情報の表示を消さない(ステップB401:No)と判定すると、ステップB402へ進み、遊技情報出力タイマがタイムアップしたか否か判定する。ここで、ステップB401における遊技情報の表示を消すか否かの判定は、例えば表示装置に表示された2次元コードを遊技者が携帯端末の撮像機能で取り込んでから、終了を確認するため演出ボタン25を操作することで入力される信号に基づいて行うようにすることができる。
【0190】
ステップB402で、遊技情報出力タイマがタイムアップしてない(No)と判定すると、ステップB401へ戻り上記処理を繰り返す。一方、ステップB402で、遊技情報出力タイマがタイムアップした(Yes)と判定すると、ステップB403へ進む。これにより、2次元コードがいつまでも表示され続けて、他の遊技者が取得できしまう事態が発生するのを回避することができる。
ステップB403では、遊技情報の表示を消して、遊技情報記憶領域内の遊技情報をクリアする(ステップB404)。その後、遊技レベル情報の表示をクリアし(ステップB405)、前面枠のレベル別装飾態様をデフォルト状態に変更(ステップB406)して、当該情報端末連動遊技終了処理から抜ける。
【0191】
図35には、図28の1stメイン処理中に実行されるイベント報知処理(B17)の手順の一例が示されている。このイベント報知処理は、遊技制御装置(主基板)からイベント(大当り等、得点付与対象となるイベントまたはノーマルリーチ等、得点付与対象とならないイベント)の発生を知らせるコマンドを受信した場合に、イベントに対応する演出の開始を設定するとともに、自遊技機が所定の条件(大当り等、得点付与対象となるイベントの発生)を達成したかどうか判断し、達成したら統括制御遊技機へ特定遊技情報を送信するための処理である。
【0192】
このイベント報知処理においては、先ず遊技制御装置(主基板)からイベントの発生を知らせるコマンドを受信したかチェックする(ステップB411)。そして、コマンドを受信していない(ステップB412:No)と判定すると、当該イベント報知処理から抜ける。一方、コマンドを受信し(ステップB412:Yes)と判定すると、ステップB413へ進み、受信したイベント発生コマンドは特定演出の実行対象となるイベントのコマンドであるかチェックする。そして、特定演出の実行対象となるイベントのコマンドでない(ステップB414:No)と判定すると、ステップB415へ移行して受信したイベント発生コマンドに対応する演出開始情報を設定して、当該イベント報知処理から抜ける。
【0193】
一方、特定演出の実行対象となるイベントのコマンドで(ステップB414:Yes)と判定すると、ステップB416へ進み、特定演出開始情報を設定した後、大当りやスペシャルリーチ等、得点付与対象となるイベントの発生を示す特定遊技情報があるか否か判定する(ステップB417)。そして、特定遊技情報がある(ステップB417:Yes)と判定すると、ステップB419へ進み、情報端末連動遊技中処理を実行する。この情報端末連動遊技中処理(ステップB419)については、図36を用いて説明する。
【0194】
続いて、MASTER設定スイッチ69(図27参照)からの信号を見て自遊技機が統括制御遊技機として設定されているか否か判定する(ステップB420)。そして、統括制御遊技機として設定されている(ステップB420:Yes)と判定すると、ステップB421へ進み、特定遊技情報をログインリストに追加して、当該イベント報知処理から抜ける。一方、統括制御遊技機として設定されていない(ステップB420:No)と判定すると、ステップB422へ移行して特定遊技情報(台番号を含む)を外部通信バッファにセットして、当該イベント報知処理から抜ける。
【0195】
図36には、図35のイベント報知処理中に実行される情報端末連動遊技中処理(B419)の手順の一例が示されている。
この情報端末連動遊技中処理においては、先ず情報端末連動遊技中であるか否か判定する(ステップB430)。そして、情報端末連動遊技中でない(ステップB430:No)と判定すると、当該情報端末連動遊技中処理から抜け、図35のイベント報知処理へ戻る。一方、情報端末連動遊技中である(ステップB430:Yes)と判定すると、ステップB431へ進み、情報端末連動遊技中である特定遊技情報を遊技情報記憶領域にセット(格納)する。それから、取得した特定遊技情報に応じて遊技得点を決定する(ステップB432)。ここで、遊技得点は、大当りは1得点、プレミア演出は2得点のように、発生イベントの出現頻度や達成の難易度に応じて決定してもよいし、特定遊技情報の内容にかかわらず付与する得点を固定するようにしてもよい。
【0196】
次に、遊技得点カウンタを+1更新し(ステップB433)、表示装置に表示する遊技得点情報表示を更新する(ステップB434)。それから、遊技得点カウンタの値が例えば「10」のような所定値に到達したか否か判定する(ステップB435)。そして、所定値に到達していない(ステップB435:No)と判定すると、当該情報端末連動遊技中処理から抜け、図35のイベント報知処理へ戻る。一方、所定値に到達した(ステップB435:Yes)と判定すると、ステップB436へ進み、遊技レベル情報を取得して更新(+1)した後、遊技得点カウンタを0にクリアする(ステップB437)。
【0197】
それから、表示装置41に表示する遊技レベル情報の表示を更新する設定を行う(ステップB438)。そして、前面枠の装飾ランプ(装飾装置18)によるレベル別装飾態様を、更新後の遊技レベルに応じた態様に変更(ステップB439)して、当該情報端末連動遊技中処理から抜ける。なお、本実施例では、遊技得点カウンタをインクリメント(+1)で更新する方式のものとしたが、デクリメント(−1)で更新する方式のものであってもよい。そして、その場合、カウンタの初期値として「10」をセットし、「0」になった時点で遊技レベルを1段階上げるようにしてもよい。
【0198】
〔1stシーン制御処理〕
図37には、図28に示した1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB12)の具体的な手順の一例を示す。この1stシーン制御処理は、演出制御装置300が遊技制御装置100からの各種コマンドに応じて表示装置41における画像表示制御を行う処理である。
この1stシーン制御処理では、まず、テストモード中であるかを判定し(ステップB61)、テストモード中である場合(ステップB61;Yes)は、1stシーン制御処理を終了する。また、テストモード中でない場合(ステップB61;No)は、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB62)。
【0199】
シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。このシーン変更コマンドを受信した場合(ステップB62;Yes)は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB63)、有効なコマンドであるかを判定する(ステップB64)。有効なコマンドであるかの判定(ステップB64)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定する。そして、有効なコマンドである場合(ステップB64;Yes)は、受信コマンドをセーブし(ステップB65)、演出リクエストフラグをセットして(ステップB66)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。
【0200】
一方、シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB62;No)や、有効なコマンドでなかった場合(ステップB64;No)は、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合は電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB68)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合は停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB69)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB70)を行う。
【0201】
また、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB71)を行う。この変動中処理(ステップB71)では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。
【0202】
また、ファンファーレコマンドを受信した場合は特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB72)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合はラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB73)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合はラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB74)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合は特別遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップB75)を行う。
【0203】
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う図柄コマンド受信処理(ステップB76)を行い、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB77)を行う。
さらに、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド)に基づく処理を行う先読み予告設定処理(ステップB78)を行う。その後、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンド(確率情報コマンド(低確率、高確率))に基づく処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB79)を行って1stシーン制御処理から抜ける。
【0204】
図38には、図37の1stシーン制御処理中に実行される変動中処理(B71)の手順の一例が示されている。
この変動中処理では、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップB121)。演出リクエストフラグは、有効なコマンドを受信した場合に設定されるフラグであって、このフラグがある場合は受信したコマンドに基づく処理を行う。
【0205】
具体的には、演出リクエストフラグがある場合(ステップB121;Yes)は、演出ボタン25の入力に関する情報である演出ボタン関連情報をクリアし(ステップB122)、可動体リクエストセット処理(ステップB123)を行う。次に、時短状態とする期間や変動パターン選択テーブルを切り替えるタイミング等を管理するための変動回数管理処理(ステップB124)、特図変動表示ゲームの実行態様を設定するための変動パターン情報設定処理(ステップB125)を行い、乱数シード初期化処理(ステップB126)を行って、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB127)。
【0206】
シーンシーケンステーブルは、飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや時間を管理するテーブルである。シーンシーケンステーブルには、実行内容と時間とが定義された複数のシーンの実行順序が設定されており、このシーンシーケンステーブルに従い順次シーンを実行することで飾り特図変動表示ゲームが実行される。なお、表示モードについても遊技制御装置100から送信された情報に基づきシーンシーケンステーブルに設定される。ただし、演出制御装置300が単独で表示モードを決定して設定するようにしても良い。
【0207】
その後、特図変動表示ゲームの変動時間を設定する変動時間設定処理(ステップB128)を行った後、演出リクエストフラグをクリアし(ステップB129)、当該変動中処理から抜ける。
一方、上記ステップB121で、演出リクエストフラグがない(No)と判定した場合は、ステップB130へ移行して更新タイマの値が0であるかを判定する。この場合、更新タイマはシーンシーケンステーブルに従い管理されるシーンの実行時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとは、実行されていたシーンが終了したことを示す。
【0208】
この更新タイマの値が0でない場合(ステップB130;No)は、変動中処理から抜ける。また、この更新タイマの値が0である(ステップB130;Yes)と判定した場合は、次のシーンを設定する次シーンデータ設定処理(ステップB131)を行う。これにより、新たなシーンが開始されるとともに更新タイマにシーンに応じた所定の値が設定される。
次に、最終シーンであるか判定する(ステップB132)。ここで、最終シーンでない場合(ステップB132;No)と判定した場合は、当該変動中処理から抜ける。また、最終シーンである(ステップB132;Yes)と判定した場合は、次のステップB133へ進んで変動表示ゲームの終了を設定して変動中処理を終了する。
【0209】
図39には、図38の変動中処理中に実行される変動パターン情報設定処理(B125)の手順の一例が示されている。
この変動パターン情報設定処理では、先ず、特図変動表示ゲームの停止図柄情報を取得し(ステップB471)、始動記憶に関する情報である保留情報をセーブする(ステップB472)。
次に、確率状態や普通変動入賞装置37の動作状態、演出モード等の遊技状態を取得し(ステップB473)、始動記憶領域に記憶されている演出情報を取得する(ステップB474)。演出情報とは先読み情報に基づく先読み演出を実行する際に、当該先読み演出の対象となる始動記憶について設定される情報である。
その後、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を設定し(ステップB475)、遊技状態と演出情報に基づきコマンドに対応する変動パターンを決定し(ステップB482)、変動パターン情報設定処理を終了する。
【0210】
次に、2ndCPU312による制御について説明する。2ndCPU312による制御処理には、図40に示す2ndメイン処理と、所定時間ごと(例えば2msecごと)に行われるVブランク割込み処理がある。
図40には、実施形態の演出制御装置によって実行される演出制御のうち2ndCPUによる2ndメイン処理の手順の一例が示されている。
2ndメイン処理においては、先ず、2ndCPU312の初期化処理(ステップB41)を行ってから、RAMを0クリアする処理(ステップB42)を行う。
次に、RAMに初期値を設定する処理(ステップB43)を行い、VDP313の初期化処理(ステップB44)を行う。その後、各種割込みを許可する処理(ステップB45)を行い、各種制御処理の初期化処理(ステップB46)を行う。
【0211】
次いで、VDP313による画像描画を許可する処理(ステップB47)を行った後、後述するVブランク割込み処理にてセットされるシステム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB48)を行う。
ここで、システム周期待ちフラグが「1」でない場合(ステップB49;No)は、Vブランク割込み処理にてシステム周期待ちフラグがセットされるまで、ステップB49の処理を繰り返し行う。
一方、システム周期待ちフラグが「1」である場合(ステップB49;Yes)は、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(ステップB50)を行い、通常ゲーム処理(ステップB51)を行い、ステップB48へ戻る。
【0212】
図41には、図40の2ndメイン処理中に実行される通常ゲーム処理(ステップB51)の手順の一例が示されている。
この通常ゲーム処理では、先ず、1stCPUから受信したコマンドを特定し区分けする受信コマンドチェック処理(ステップB511)を行う。
続いて、予告キャラクタ等の設定や表示の優先順位を設定して表示内容を決定する2ndシーン制御処理(ステップB512)、確率状態(通常確率/高確率)や客待ちなどの遊技状態、演出モード、リーチシーンに応じた背景表示設定を行う背景処理(ステップB513)、変動表示ゲームにおける図から変動に関する表示制御を行うリール制御/表示処理(ステップB514)、始動記憶領域に記憶されている事前演出情報に基づいて保留表示を変化させて先読み演出を行う保留表示処理(ステップB515)、客待ちデモ画面表示を行う客待ちデモ処理(ステップB516)、画像ROMに格納されている画像データをRAMに転送して表示装置への表示を行わせる表示システム処理(ステップB517)を行い、通常ゲーム処理を終了する。
【0213】
(第2実施例)
次に、本発明の実施形態における第2の実施例について説明する。
第2の実施例は、図42に示すように、統括制御遊技機の演出制御装置300に、自機を含む通信範囲内の遊技機の通信得点を一括で管理する機能と、所定の計算式による通信得点計算機能を持たせ、遊技者に付与する得点を前述した実施例における得点とは異なる式で計算し付与するようにしたものである。
以下、第2の実施例における得点の計算方法の一例を、図43を用いて説明する。なお、図43において、総合通信得点は、1日の営業中に各遊技機が取得した通信得点の合計(累積値)である。また、取得通信得点は、還元得点と参加得点を含む概念(上位概念)である。
【0214】
ここでは、例えば図42に示すように遊技機A,C,Dにおいて連動遊技が行われ、各遊技機の遊技終了時点での遊技得点が、図43(A)に示すように、遊技機Aが「30」点、遊技機Cが「10」、遊技機Dが「0」点であり、各遊技機の遊技終了時点で取得していた通信得点が、図43(B)に示すように、遊技機Cが「10」、遊技機Aが「50」、遊技機Dが「100」であったと仮定する。
本実施例では、遊技者に付与する還元得点を、遊技得点×総合通信得点×1/10=還元得点なる式を用いて計算するようにしたものである。なお、総合通信得点の代わりに、各遊技者が遊技中に得たトータルの通信得点つまり複数回付与された通信得点の合計得点を用いて計算するようにしてもよい。
【0215】
ところで、図43(B)の場合、遊技機Dは他の遊技機が遊技得点を獲得したことにより付与された得点のみであるため、上記式を用いて掲載すると還元得点は「0」になってしまう。そこで、通信得点があるにも関わらず、遊技得点は「0」であるため還元得点が「0」になるような場合には、最低の還元得点として参加得点「5」を付与することとした。なお、参加得点の獲得のみを目的として遊技台を次々と変える行為を防止するため、1つの遊技機で所定時間以上遊技したこと、所定回数以上変動表示ゲームを実行したこと等を最低の参加得点付与条件とするのが望ましい。
【0216】
次に、第2の実施例を適用した場合の統括制御遊技機の演出制御装置300による制御処理について説明する。なお、第1の実施例との差異は、図29の統括制御遊技機処理中に実行される図30の情報端末連動遊技処理の手順が、図44のように変更される点と、図34の情報端末連動遊技終了処理の手順が、図45のように変更される点にある。それ以外の処理は、第1の実施例と同様であるので、重複した説明は省略する。
図44の情報端末連動遊技処理は、図30のステップB335とB340との間に、ステップB336〜B339が追加されているとともに、ステップB342の後にステップB343が追加されているだけで、それ以外は同じある。すなわち、図44の情報端末連動遊技処理においては、ステップB335で情報端末連動遊技終了情報がある(Yes)と判定すると、ステップB336へ進み、特定遊技情報を取得したか否か判定する。そして、特定遊技情報を取得した(Yes)と判定すると、ステップB337へ進み、台番号に基づいて還元得点を計算する。また、ステップB336で、特定遊技情報を取得していない(No)と判定すると、ステップB338へ進み、台番号に基づいて参加得点を付与する。
【0217】
その後、ステップB339へ進み、還元得点または参加得点を台番号に紐付けて外部通信バッファにセットして、遊技機(台)に関する情報と台番号と紐付けて記憶しているログインリストからこれらの情報を削除するステップB340へ進む。
ステップB340以降の処理は図30と同様であり、ステップB341では、各遊技機から特定遊技情報を取得したか否か判定する。そして、特定遊技情報を取得した(ステップB341:Yes)と判定すると、ステップB342へ進み、要求に対する応答をして来た遊技機(台)に関する情報と台番号と紐付けてログインリストに特定遊技情報を追加し、総合通信得点記憶領域に算出された得点を累積記憶する処理(ステップB343)して当該情報端末連動遊技処理から抜ける。また、特定遊技情報を取得していない(ステップB341:No)と判定すると、ステップB342,B343をスキップして当該情報端末連動遊技処理から抜ける。
【0218】
図45の情報端末連動遊技終了処理は、図34のステップB393とB395の後に、それぞれステップB394とB396およびB397が追加されているだけで、それ以外は同じある。すなわち、図45の情報端末連動遊技終了処理においては、先ず遊技者により演出ボタン25による情報端末連動遊技終了操作すなわちログアウト操作がなされたか否か判定する(ステップB391)。ここで、情報端末連動遊技終了操作がなされていない(ステップB391:No)と判定すると、当該情報端末連動遊技終了始処理から抜ける。一方、情報端末連動遊技終了操作がなされた(ステップB391:Yes)と判定すると、ステップB392へ進み、自遊技機が統括制御遊技機として設定されているか否か判定する。
【0219】
そして、統括制御遊技機として設定されている(ステップB392:Yes)と判定すると、ステップB393へ進み、自遊技機の台番号をログインリストから削除してから、還元得点を演算して取得または参加得点を取得する(ステップB394)。その後、ステップB397へ進み、取得した得点を遊技得点に加算する。
一方、ステップB392で、統括制御遊技機として設定されていない(No)と判定すると、ステップB395へ移行して情報端末連動遊技終了始情報(台番号を含む)を外部通信バッファにセットし、統括制御遊技機から還元得点または参加得点を取得する(ステップB396)。その後、ステップB397へ進み、取得した得点を遊技得点に加算する。ステップB397以降の処理B398〜B406は、図34の情報端末連動遊技終了処理のステップの処理B398〜B406と同じである。
【0220】
すなわち、ステップB397で取得得点を遊技得点に加算した後、遊技情報の出力を行うか否か判定する(ステップB398)。そして、遊技情報の出力を実行しない(ステップB398:No)と判定すると、当該情報端末連動遊技終了処理から抜ける。また、遊技情報の出力を実行する(ステップB398:Yes)と判定すると、ステップB399へ進み、遊技情報記憶領域内の遊技情報(遊技終了時の情報)を出力し、遊技情報出力タイマをセットする(ステップB400)。遊技情報を出力するとき、本実施例では、遊技情報に基づいて2次元コードを生成し、それを表示装置41の画面に表示させることで出力としている。
【0221】
その後、遊技情報の表示を消すか否か判定し(ステップB401)、遊技情報の表示を消す(Yes)と判定すると、ステップB403へジャンプする。また、遊技情報の表示を消さない(ステップB401:No)と判定すると、ステップB402へ進み、遊技情報出力タイマがタイムアップしたか否か判定する。
ステップB402で、遊技情報出力タイマがタイムアップしてない(No)と判定すると、ステップB401へ戻り上記処理を繰り返す。一方、ステップB402で、遊技情報出力タイマがタイムアップした(Yes)と判定すると、ステップB403へ進む。ステップB403では、遊技情報の表示を消して、遊技情報記憶領域内の遊技情報をクリアする(ステップB404)。その後、遊技レベル情報の表示をクリアし(ステップB405)、前面枠のレベル別装飾態様をデフォルト状態に変更(ステップB406)して、当該情報端末連動遊技終了処理から抜ける。
【0222】
(第3実施例)
次に、図46〜図53を用いて、本発明の実施形態における第3の実施例について説明する。
上述の実施例においては、統括制御遊技機が通信範囲内の各遊技機の遊技レベルに応じた前面枠の装飾発光および共通演出を制御するように構成したものについて説明したが、この第3の実施例は、大当り等の所定のイベントが発生した遊技機が統括制御遊技機のみならず従属制御遊技機へも特定遊技情報を送信し、これを受信した従属制御遊技機が自らの判断で演出を行えるようにしたものである。また、大当り等の所定のイベントが発生した遊技機においても、発生したイベントに対応した演出を自らの判断で行えるようにしている。
【0223】
具体的には、図46(A)に示すように、遊技機Cで大当りが発生した場合に、図46(B)および図47に示すように、遊技機Aでは通信範囲内(同一島内)で大当りが発生したことを報知するような演出を表示装置により行う一方、遊技機Cの隣の遊技機Dが連動遊技に参加していれば、遊技機Dでは隣の台で大当りが発生したことを報知するような演出を行うものである。また、上記報知は、遊技者がログイン時に選択したキャラクタを用いて行えるように構成することも可能である。なお、この演出は当該遊技機において変動表示ゲームが開始される際に行う。これにより、上記のような演出が行われると遊技者は同一島内であと何回大当り等が発生すると共通演出が実行されるか予想できるので、期待しながら遊技を行うことができる。
さらに、図46(C)に示すように、通信範囲内の他の遊技機の情報を記憶する領域を各遊技機の演出制御装置の記憶装置(RAM)内に用意して、どの台がログインしていてどのような特定遊技が発生したかを示す情報を記憶しておき、該記憶領域の情報に基づいて各遊技機が自らの判断で共通演出を行えるようにしてもよい。
【0224】
次に、第3の実施例を適用した場合の統括制御遊技機の演出制御装置300による制御処理について説明する。なお、第1の実施例との差異は、図28のメイン処理中に実行される図35のイベント報知処理の手順が、図48〜図52のように変更される点と、図38の変動中処理中に実行される図39の変動パターン情報設定処理の手順が、図53のように変更される点にある。それ以外の処理は、第1の実施例と同様であるので、重複した説明は省略する。
本実施例におけるイベント報知処理は、図48に示すように、内部イベント報知開始処理B410と、内部イベント報知終了処理B425と、外部イベント報知開始処理B440と、外部イベント報知終了処理B460とからなり、その具体的な手順が図49〜図52に示されている。
【0225】
このうち、図49の内部イベント報知開始処理は、自遊技機で条件を達成したら対応する演出を実行するとともに他の遊技機へ特定遊技情報を送信することを内容とするものである。図35のイベント報知処理とほぼ同様な内容となっている。図35のイベント報知処理との差異は、図49の内部イベント報知開始処理では、ステップB417の後に、特定遊技情報に基づいて自遊技機の演出態様を決定する処理(ステップB418)が追加されている点のみである。
【0226】
図50には、図48のイベント報知処理中に実行される内部イベント報知終了処理B425の手順の一例が示されている。図50に示す内部イベント報知終了処理においては、特定演出対象のイベントの終了に関するコマンドを他の遊技機から受信したかチェックする(ステップB426)。ここで、イベント終了に関するコマンドを受信していない(ステップB427:No)と判定すると、当該内部イベント報知終了処理から抜ける。一方、ステップB427でイベント終了に関するコマンドを受信した(Yes)と判定すると、ステップB428へ進み、特定遊技情報取得報知の終了をセットし、他の遊技機へ知らせるために特定遊技情報取得報知終了情報を外部通信バッファへセットし(ステップB429)、当該内部イベント報知終了処理から抜ける。
【0227】
図51には、図48のイベント報知処理中に実行される外部イベント報知開始処理B440の手順の一例が示されている。図51に示す外部イベント報知開始処理は、他の遊技機で大当り等のイベントが発生した場合に、インバータベントの発生に基づく情報を受信し、該情報と現在の自遊技機の遊技状態に基づいて演出情報を設定して演出を行う処理である。
この処理においては、先ず、外部通信情報を受信したかチェックする(ステップB441)。ここで、外部通信情報を受信していない(ステップB442:No)と判定すると、当該外部イベント報知開始処理から抜ける。
【0228】
一方、ステップB442で外部通信情報を受信した(Yes)と判定すると、ステップB443へ進み、受信した外部通信情報が情報端末連動遊技に参加すなわちログインしたことを知らせる連動遊技開始情報であるかチェックする(ステップB443)。
そして、連動遊技開始情報でない(ステップB444:No)と判定すると、ステップB446へ移行する。また、ステップB444の判定で、連動遊技開始情報である(Yes)と判定すると、ステップB445へ進み、受信した情報端末連動遊技開始情報を他の遊技機の情報記憶領域(図46(C)参照)に記憶する。その後、ステップB446で自遊技機の遊技状態を示す情報を取得する。そして、自遊技機が情報端末連動遊技を実行中であるか否か判定する(ステップB447)。
【0229】
ここで、情報端末連動遊技を実行中でない(ステップB447:No)と判定すると、当該外部イベント報知開始処理から抜ける。一方、ステップB447で情報端末連動遊技を実行中である(Yes)と判定すると、ステップB448へ進み、受信した外部通信情報が特定遊技情報かチェックする。そして、外部通信情報が特定遊技情報でない(ステップB449:No)と判定すると、当該外部イベント報知開始処理から抜ける。
また、ステップB449の判定で、外部通信情報が特定遊技情報である(Yes)と判定すると、ステップB450へ進み、他の遊技機の情報記憶領域(図46(C)参照)から特定遊技情報を取得する。その後、ステップB450で取得した特定遊技情報に基づいて自遊技機の変動中演出情報として設定し(ステップB451)、当該外部イベント報知開始処理から抜ける。
【0230】
図52には、図48のイベント報知処理中に実行される外部イベント報知終了処理B460の手順の一例が示されている。
図52に示す外部イベント報知終了処理においては、先ず、外部通信情報を受信したかチェックする(ステップB461)。ここで、外部通信情報を受信していない(ステップB462:No)と判定すると、ステップB466へ移行する。また、ステップB462の判定で外部通信情報を受信した(Yes)と判定すると、ステップB463へ進み、受信した外部通信情報が情報端末連動遊技を終了したすなわちログアウトしたことを知らせる連動遊技終了情報かチェックする。
【0231】
ここで、連動遊技終了情報でない(ステップB464:No)と判定すると、ステップB466へ移行する。一方、ステップB464で情報端末連動遊技終了情報である(Yes)と判定すると、ステップB465へ進み、他の遊技機の情報記憶領域(図46(C)参照)から当該情報端末連動遊技終了情報を削除し、ステップB466へ進む。
ステップB466では、自遊技機が情報端末連動遊技を実行中であるか否か判定する。ここで、情報端末連動遊技を実行中でない(ステップB466:No)と判定すると、当該外部イベント報知終了処理から抜ける。
【0232】
一方、ステップB466で情報端末連動遊技を実行中である(Yes)と判定すると、ステップB467へ進み、受信した外部通信情報が特定遊技情報に基づくイベントの終了に関する情報であるかチェックする。そして、イベント終了に関する情報でない(ステップB468:No)と判定すると、当該外部イベント報知終了処理から抜ける。
また、ステップB468の判定で、外部通信情報がイベント終了に関する情報である(Yes)と判定すると、ステップB469へ進み、他の遊技機の情報記憶領域(図46(C)参照)から該当する特定遊技情報を取得する。その後、ステップB470で、自遊技機の演出情報と遊技状態に基づいて演出状態を変更し、当該外部イベント報知終了処理から抜ける。
【0233】
図53には、図38の変動中処理中に実行される変動パターン情報設定処理の手順の一例が示されている。
この変動パターン情報設定処理では、先ず、特図変動表示ゲームの停止図柄情報を取得し(ステップB471)、始動記憶に関する情報である保留情報をセーブする(ステップB472)。
次に、確率状態や普通変動入賞装置37の動作状態、演出モード等の遊技状態を取得し(ステップB473)、始動記憶領域に記憶されている演出情報を取得する(ステップB474)。演出情報とは先読み情報に基づく先読み演出を実行する際に、当該先読み演出の対象となる始動記憶について設定される情報である。
【0234】
その後、特図変動表示ゲームの停止図柄を設定し(ステップB475)、変動中の演出情報があるかチェックする(ステップB476)。ここで、変動中の演出情報がない(ステップB477:No)と判定すると、ステップB482へ移行する。また、ステップB477の判定で変動中の演出情報がある(Yes)と判定すると、ステップB478へ進み、演出変更可能な変動であるか否か判定する。既に自遊技機において、大当り等となる変動表示ゲームの演出を実行している場合に、他の遊技機からの特定遊技情報により演出内容が変更されてしまうのを回避するためである。
【0235】
ステップB478で、演出変更可能な変動でない(No)と判定すると、ステップB482へ移行する。また、ステップB478の判定で演出変更可能な変動である(Yes)と判定すると、ステップB479へ進み、他の遊技機の情報記憶領域(図46(C)参照)から演出情報を取得し、ステップB480へ進む。そして、取得した演出情報に基づいて自遊技機の変動中演出情報として設定する。
その後、変動中演出情報に基づいて演出用変動パターン情報を設定し(ステップB481)、ステップB482へ移行する。ステップB482では、遊技状態と演出情報に基づきコマンドに対応する変動パターンを決定し、変動パターン情報設定処理を終了する。
上記のような一連の処理を行うことで、自遊技機で特定の演出を実行していなければ他の遊技機で発生した特定遊技情報に起因する演出情報に基づいて演出を変更することが可能となる。
【0236】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、上記実施形態では、前面枠12に設けた装飾ランプ(装飾装置18)により共通演出を実行するようにしたものを説明したが、図54に示すように前面枠12の一側に装飾表示装置20を設け、該装飾表示装置20により共通演出を行うようにしても良い。
なお、装飾表示装置20は、液晶表示パネルや有機LEパネルのような表示装置でもよいし、内部に複数のランプを内蔵し表面が半透明パネル部材で被覆された構成のものであっても良い。また、装飾表示装置20は、両面に表示部があってもよいし、外側あるいは内側の一方の面にのみ表示部があってもよい。また、装飾表示装置20の配設位置は遊技機の右側部に限定されず、左側部あるいは上部であっても良い。
【0237】
図55には、上記装飾表示装置20による通常時の表示の例(A)と共通演出実行時の表示の例(B)を示す。なお、図55(B)の共通演出は、A〜Eのすべての遊技機が情報端末連動遊技に参加している場合を示しており、情報端末連動遊技に参加していない遊技機があればその遊技機においては異なる演出がなされる。
前面枠12の一側に設けた装飾表示装置20によりこのような表示や演出を行うことで、同一島内の他の遊技機で遊技をしている遊技者に情報端末連動遊技に参加していること、また情報端末連動遊技に参加することで特殊な演出を楽しむことができることを容易に分からせることが可能となる。
【0238】
また、上記実施形態では、遊技終了時に情報端末により遊技機から取得した2次元コードをウェブサーバに送信して次回の遊技の際に入力するパスワードを受け取るようにしたものを説明したが、情報端末に専用のアプリケーションソフトを搭載し、遊技機から取得した2次元コードをウェブサーバに送信せずに情報端末において処理(復号)し、次回の遊技の際に入力するパスワードを生成するようにしても良い。また、遊技機に赤外線通信機能もしくはブルートゥースのような短距離無線通信機能を設け、同様な通信機能を有する情報端末により遊技機の演出制御装置との間でデータ通信を行って、ログイン、ログアウト処理を行ったり、遊技履歴情報の取得、得点(ポイント)の受信などの利益を受けられるように構成しても良い。
さらに、前記実施形態では、主として本発明を、スロットマシンに適用したものを説明したが、本発明はスロットマシンに限定されず、パチンコ遊技機、アレンジボール遊技機及び雀球遊技機など他の遊技機にも適用可能である。
【0239】
以上の説明から、本出願には、
遊技領域を備えた前面枠(12)に設けられた発光可能な装飾装置(18)と、
始動入賞領域(36,37)への遊技球の入賞を契機に複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置(41)と、
前記変動表示装置の制御を行う演出制御手段(300)と、を備えた遊技機において、
前記演出制御手段は、
複数の遊技機間で遊技情報を送受信する遊技機間通信手段(350)を備え、
該遊技機間通信手段によって他の遊技機から前記変動表示ゲームに係わる遊技情報を取得し、取得した複数の前記遊技情報が所定条件を達成した場合に、前記装飾装置または前記変動表示装置もしくは前記装飾装置および前記変動表示装置による共通演出を実行するようにした発明が含まれていることが分かる。
そして、かかる発明によれば、遊技機間通信手段によって他の遊技機との間で遊技情報を送受信し、取得した複数の遊技情報が所定条件を達成すると複数の遊技機において共通演出が行われるので、他の遊技者と興趣を分かち合うことができる。
【0240】
また、本出願には、上記発明において、前記演出制御手段は、
遊技者が携帯所持する情報端末と連携した遊技を可能にする情報端末連動手段と、
前記変動表示ゲームにかかわる特定の遊技情報が発生した場合に遊技得点を付与する遊技得点付与手段と、
前記遊技得点を蓄積し、蓄積した遊技得点に応じて段階的に上昇する遊技レベル情報を生成する遊技レベル情報生成手段と、
前記遊技情報と、前記遊技得点付与手段によって付与された前記遊技得点と、前記遊技レベル情報生成手段によって生成された前記遊技レベル情報と、を一時的に記憶する遊技情報記憶手段と、を備え、
前記情報端末連動手段は、前記情報端末が前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記情報もしくは該情報を取得可能にする情報を出力する情報出力手段を備え、
前記演出制御手段は、前記遊技レベル情報に基づいて前記変動表示ゲームにかかわる装飾演出態様を設定し、前記情報端末連動手段による情報端末と連携した遊技を行うように設定している場合に前記共通演出を実行するようにした発明が含まれている。
【0241】
そして、かかる発明によれば、演出制御手段は、情報端末連動手段による情報端末と連携した遊技を行うように設定している場合に共通演出を実行するので、他の遊技者と情報端末連動遊技の面白さを共有できるとともに、他の遊技者に対して情報端末連動遊技参加中であることをアピールすることができるので、共通演出を見るために情報端末連動遊技を行う遊技者が増えることが期待できる。また、演出制御手段は、遊技得点に応じて段階的に上昇する遊技レベル情報に基づいて変動表示ゲームにかかわる装飾演出態様を変更するので、遊技者は変化する装飾演出態様を長時間にわたって楽しむことができるとともに、遊技レベルを上げようと遊技を行うようになるので遊技機の稼働率を高めることができ、遊技店にもメリットを与えることができる。
【0242】
また、本出願には、上記発明において、前記演出制御手段は、前記遊技情報の取得状況が所定条件を達成したときに、前記遊技機間通信手段により情報端末と連携した遊技を行うように設定している遊技機に対して通信得点を送信するようにした発明が含まれている。
そして、かかる発明によれば、通信範囲内の遊技機における遊技情報の取得状況が所定条件を達成した時に情報端末連動遊技に参加している遊技機に対して通信得点が付与されるので、他の遊技機との共通演出に興味がない遊技者にも情報端末連動遊技を行う利点がある。そのため、情報端末連動遊技を行う遊技者が増えることが期待できる。
【0243】
また、前述した第2実施例の説明から、本出願には、上記発明において、前記演出制御手段としての演出制御装置(300)は、通信得点を累積した総合通信得点を計数する通信得点計数手段を備え、情報端末と連携した遊技を終了する遊技機に対して、前記通信得点計数手段によって計数された総合通信得点と前記遊技得点とに基づいて還元得点を演算し、遊技機間通信手段により該還元得点を送信するようにした発明が含まれているが分かる。
そして、かかる発明によれば、情報端末連動遊技参加中に取得した通信得点を蓄積しておき、情報端末連動遊技終了の際に遊技中取得した総合通信得点と遊技得点に応じて還元得点が付与されるため、大当りのような特定の遊技状態を多く発生させることで多くの遊技得点を集めることができる上、長い時間遊技することでも多くの通信得点を取得して還元得点を増加させることができる。また、情報端末連動遊技の終了時に還元得点が決定されるため、獲得できる還元得点が最後まで分からないので期待感を高めることができる。
【0244】
さらに、本出願には、上記発明において、前記還元得点は、前記遊技得点を前記通信得点に応じて加算して付与されるようにした発明が含まれている。
そして、かかる発明によれば、通信得点は遊技得点を加算させるための得点であるため、自身が遊技得点を多く取得できなくても、他の遊技者によって蓄積された総合通信得点によって還元得点が増加されるので、情報端末連動遊技に参加することで遊技結果を充実させることができる。
【0245】
また、本出願には、上記発明において、前記演出制御手段は、前記前面枠の前記装飾装置の発光による演出態様を前記遊技レベル情報に基づいて変更する枠装飾変更手段を備え、該枠装飾変更手段は、前記共通演出を実行する際には前記遊技レベル情報にかかわらず前記装飾装置により他の遊技機の装飾装置と同一の演出を行うようにした発明が含まれている。
そして、かかる発明によれば、遊技情報の取得状況が所定条件を達成した場合に、情報端末連動遊技に参加している複数の遊技機の前面枠の装飾装置を同じ色で発光させるなど共通の演出が行われるため、他の遊技者から情報端末連動遊技に参加していることが分かり易くなる。
【0246】
また、本出願には、上記発明において、前記演出制御手段は、前記遊技機間通信手段によって他の遊技機から前記遊技情報を収集して、前記所定条件の達成を判定する統括制御遊技機の演出制御手段、または、前記遊技機間通信手段により前記統括制御遊技機の演出制御手段へ前記遊技情報を送信するとともに前記統括制御遊技機の演出制御手段からの指令によって前記共通演出を実行する従属制御遊技機の演出制御手段として機能可能に構成されているようにした発明が含まれている。
そして、かかる発明によれば、統括制御遊技機(親機)の演出制御手段が従属制御遊技機(子機)の演出制御手段を統括的に制御し、共通演出は統括制御遊技機の指令によって一斉に実行される。つまり、通信範囲内の複数の遊技装置の従属関係がはっきりしているので共通演出が実行し易くなる。
【符号の説明】
【0247】
10 遊技機
12 前面枠
18 装飾装置
25 演出ボタン
30 遊技盤
32 遊技領域
34 普図始動ゲート
35 一般入賞口
36 特図1始動入賞口(始動入賞領域)
37 普通変動入賞装置(始動入賞領域)
40 センターケース
41 表示装置(変動表示装置)
100 遊技制御装置(遊技制御手段)
111 遊技用マイクロコンピュータ(始動記憶手段、始動記憶報知制御手段、始動記憶データ格納手段、始動記憶データ設定手段)
300 演出制御装置(演出制御手段、情報端末連動手段、遊技得点付与手段、遊技レベル情報生成手段、遊技情報記憶手段、情報出力手段、通信得点計数手段、枠装飾変更手段)
350 通信回路(遊技機間通信手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域を備えた前面枠に設けられた発光可能な装飾装置と、
始動入賞領域への遊技球の入賞を契機に複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置と、
前記変動表示装置の制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機において、
前記演出制御手段は、
複数の遊技機間で遊技情報を送受信する遊技機間通信手段を備え、
該遊技機間通信手段によって他の遊技機から前記変動表示ゲームに係わる遊技情報を取得し、取得した複数の前記遊技情報が所定条件を達成した場合に、前記装飾装置または前記変動表示装置もしくは前記装飾装置および前記変動表示装置による共通演出を実行することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記演出制御手段は、
遊技者が携帯所持する情報端末と連携した遊技を可能にする情報端末連動手段と、
前記変動表示ゲームにかかわる特定の遊技情報が発生した場合に遊技得点を付与する遊技得点付与手段と、
前記遊技得点を蓄積し、蓄積した遊技得点に応じて段階的に上昇する遊技レベル情報を生成する遊技レベル情報生成手段と、
前記遊技情報と、前記遊技得点付与手段によって付与された前記遊技得点と、前記遊技レベル情報生成手段によって生成された前記遊技レベル情報と、を一時的に記憶する遊技情報記憶手段と、を備え、
前記情報端末連動手段は、前記情報端末が前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記情報もしくは該情報を取得可能にする情報を出力する情報出力手段を備え、
前記演出制御手段は、
前記遊技レベル情報に基づいて前記変動表示ゲームにかかわる装飾演出態様を設定し、
前記情報端末連動手段による情報端末と連携した遊技を行うように設定している場合に前記共通演出を実行することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記演出制御手段は、前記遊技情報の取得状況が所定条件を達成したときに、前記遊技機間通信手段により情報端末と連携した遊技を行うように設定している遊技機に対して通信得点を送信することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記演出制御手段は、
前記通信得点を累積した総合通信得点を計数する通信得点計数手段を備え、
情報端末と連携した遊技を終了する遊技機に対して、前記通信得点計数手段によって計数された総合通信得点と前記遊技得点とに基づいて還元得点を演算し、前記遊技機間通信手段により該還元得点を送信することを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記還元得点は、前記遊技得点を前記通信得点に応じて加算して付与されることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記演出制御手段は、前記前面枠の前記装飾装置の発光による演出態様を前記遊技レベル情報に基づいて変更する枠装飾変更手段を備え、
該枠装飾変更手段は、前記共通演出を実行する際には前記遊技レベル情報にかかわらず前記装飾装置により他の遊技機の装飾装置と同一の演出を行うことを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
【請求項7】
前記演出制御手段は、
前記遊技機間通信手段によって他の遊技機から前記遊技情報を収集して、前記所定条件の達成を判定する統括制御遊技機の演出制御手段、または、前記遊技機間通信手段により前記統括制御遊技機の演出制御手段へ前記遊技情報を送信するとともに前記統括制御遊技機の演出制御手段からの指令によって前記共通演出を実行する従属制御遊技機の演出制御手段として機能可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の遊技機。
【請求項1】
遊技領域を備えた前面枠に設けられた発光可能な装飾装置と、
始動入賞領域への遊技球の入賞を契機に複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置と、
前記変動表示装置の制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機において、
前記演出制御手段は、
複数の遊技機間で遊技情報を送受信する遊技機間通信手段を備え、
該遊技機間通信手段によって他の遊技機から前記変動表示ゲームに係わる遊技情報を取得し、取得した複数の前記遊技情報が所定条件を達成した場合に、前記装飾装置または前記変動表示装置もしくは前記装飾装置および前記変動表示装置による共通演出を実行することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記演出制御手段は、
遊技者が携帯所持する情報端末と連携した遊技を可能にする情報端末連動手段と、
前記変動表示ゲームにかかわる特定の遊技情報が発生した場合に遊技得点を付与する遊技得点付与手段と、
前記遊技得点を蓄積し、蓄積した遊技得点に応じて段階的に上昇する遊技レベル情報を生成する遊技レベル情報生成手段と、
前記遊技情報と、前記遊技得点付与手段によって付与された前記遊技得点と、前記遊技レベル情報生成手段によって生成された前記遊技レベル情報と、を一時的に記憶する遊技情報記憶手段と、を備え、
前記情報端末連動手段は、前記情報端末が前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記情報もしくは該情報を取得可能にする情報を出力する情報出力手段を備え、
前記演出制御手段は、
前記遊技レベル情報に基づいて前記変動表示ゲームにかかわる装飾演出態様を設定し、
前記情報端末連動手段による情報端末と連携した遊技を行うように設定している場合に前記共通演出を実行することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記演出制御手段は、前記遊技情報の取得状況が所定条件を達成したときに、前記遊技機間通信手段により情報端末と連携した遊技を行うように設定している遊技機に対して通信得点を送信することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記演出制御手段は、
前記通信得点を累積した総合通信得点を計数する通信得点計数手段を備え、
情報端末と連携した遊技を終了する遊技機に対して、前記通信得点計数手段によって計数された総合通信得点と前記遊技得点とに基づいて還元得点を演算し、前記遊技機間通信手段により該還元得点を送信することを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記還元得点は、前記遊技得点を前記通信得点に応じて加算して付与されることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記演出制御手段は、前記前面枠の前記装飾装置の発光による演出態様を前記遊技レベル情報に基づいて変更する枠装飾変更手段を備え、
該枠装飾変更手段は、前記共通演出を実行する際には前記遊技レベル情報にかかわらず前記装飾装置により他の遊技機の装飾装置と同一の演出を行うことを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
【請求項7】
前記演出制御手段は、
前記遊技機間通信手段によって他の遊技機から前記遊技情報を収集して、前記所定条件の達成を判定する統括制御遊技機の演出制御手段、または、前記遊技機間通信手段により前記統括制御遊技機の演出制御手段へ前記遊技情報を送信するとともに前記統括制御遊技機の演出制御手段からの指令によって前記共通演出を実行する従属制御遊技機の演出制御手段として機能可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【公開番号】特開2013−22218(P2013−22218A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159476(P2011−159476)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]