説明

遊技機

【課題】 副制御手段が受信したコマンド信号を異常な信号と判定した場合に、副制御手段が受信したコマンド信号と同一の命令情報を含む主コマンド信号を再送信するように主制御手段に対して要求可能とすることによって、主制御手段にコマンド信号を再送信させることを可能とする
【解決手段】副制御手段400は、前記主制御手段により送信されたコマンド信号に対してコマンド正異判定を実行し、コマンド信号を異常な信号と判定した場合は、遊技者に使用済み状態となった入力手段200の操作を促す演出を行うように演出手段500を制御する。この演出後に、使用済み状態となった入力手段200が操作された場合、主制御手段100は、前に送信したコマンド信号と同一の命令情報を含む主コマンド信号を再び送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技機として外周面に複数の図柄が配列された複数のリールを備えた回胴式遊技機(スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、遊技を統括して制御する主制御手段と、演出表示装置、照明装置、または音響装置などを介して遊技上の演出を制御する副制御手段とを備える。主制御手段は、入賞確率を制御するため、不正を防止するために外部からの信号を受信不可能となるように予め設定され、副制御手段へは命令情報を含むコマンド信号を送信可能ではあるが、副制御手段からのコマンド信号を受信可不能となるように単方向通信で副制御手段と電気的に接続される。
【0003】
この種の遊技機は、遊技を行うことにより電気機器から発生する電磁波ノイズ等の原因により、主制御手段から副制御手段へ送信されるコマンド信号が異常な信号に変化することがある。電磁波ノイズの対策としてシールド加工されたセンサーアンプやセンサーケーブルの使用や、電磁波ノイズのみを除去するフィルタの設置等が行われているが、電磁波ノイズを完全に防止できるものではない。また、副制御手段は、電磁波ノイズの影響により異常な信号に変化したコマンド信号を受信することによって本来実行すべき演出を実行することができなくなるため、その演出を視聴できない遊技者に遊技上の不利益を与える可能性がある。
【0004】
このような問題を解消する遊技機として、主制御手段が副制御手段へコマンド信号を送信する際に、副制御手段へ送信するコマンド信号と同一のコマンド信号を、主制御手段に設けられている受信部へも送信し、主制御手段が送信したコマンド信号と主制御手段の受信部が受信したコマンド信号との差異を検出することによってコマンド信号を正常な信号か異常な信号かを判定(正異判定)し、判定の結果、異常な信号であると判定された場合、主制御手段は送信したコマンド信号と同一のコマンド信号を副制御手段に再送信するものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−275441
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この遊技機では、主制御手段の受信部が受信したコマンド信号を正常な信号と判定したことに基いて、副制御手段が受信したコマンド信号も正常な信号と推定しているだけであって、実際に副制御手段が受信したコマンド信号が正常な信号とは限らない。同様に、主制御手段の受信部が受信したコマンド信号を異常な信号と判定したことに基いて、副制御手段が受信したコマンド信号も異常な信号と推定しているだけであって、実際に副制御手段が受信したコマンド信号が異常な信号とは限らない。即ち、この遊技機は、コマンド信号を正常な信号か異常な信号かを判定する正異判定を、コマンド信号を受信する副制御手段側で行っていないため、コマンド送信中のトラブル等により副制御手段に異常なコマンド信号が送信された場合には、これを判定できず、上記正異判定の正確性に乏しい。
【0007】
また、この遊技機では、主制御手段が送信したコマンド信号と主制御手段の受信部が受信したコマンド信号との差異を検出することによってコマンド信号の正異判定を行っているが、この正異判定のタイミングと、副制御手段がコマンド信号を実際に受信するタイミングとにずれが生じる可能性、換言すると、主制御手段によるコマンド信号の再送信が遊技上適切なタイミングで行われない可能性がある。即ち、上述のように送信中のトラブル等により副制御手段に異常なコマンド信号が送信されたとしても、主制御手段側ではこれを把握することができないため、何ら処理が行われず異常なコマンド信号を放置してしまうことが考えられる。また、コマンド信号の異常を判定して、コマンド信号を再送信したときには、既に遊技者により遊技が進行または終了していて、当該コマンド信号に対応した演出を表示するタイミングを逸してしまうことも考えられる。これらの事態は、上述の一方向通信のため、主制御手段が副制御手段において実際に何が起きているのかを把握できないことに起因する。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、主制御手段と副制御手段との単方向通信方式の通信環境において、副制御手段が受信したコマンド信号の正異判定の正確性を高めるとともに、異常なコマンド信号と判定した場合に、主制御手段に対して適切なタイミングでコマンド信号を再送信するように要求可能とする遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)遊技の演出を実行する演出手段と、遊技を統括して制御可能な主制御手段と、前記主制御手段と単方向通信で接続され、前記主制御手段により送信されたコマンド信号に基いて前記演出手段を制御可能な副制御手段と、遊技を行うために必要な操作が遊技者によって実行されることにより、当該操作に対応する入力信号を前記主制御手段に送信可能な入力手段とを備える遊技機において、前記入力手段は、前記入力信号を前記主制御手段に送信して所定の機能を果たすことにより、操作が無効となる使用済み状態に制御され、前記副制御手段は、前記主制御手段により送信された前記コマンド信号が正常な信号か異常な信号かを判定するコマンド正異判定を実行し、前記コマンド正異判定の結果、前記コマンド信号を正常な信号と判定した場合は、前記コマンド信号に基づく演出を行うように前記演出手段を制御し、前記コマンド信号を異常な信号と判定した場合は、遊技者に対して前記使用済み状態に制御された前記入力手段の操作を促す演出である操作促進演出を行うように前記演出手段を制御し、前記主制御手段は、前記操作促進演出後、前記使用済み状態に制御された前記入力手段が操作された場合、前回送信された前記コマンド信号と同一の命令情報を含むコマンド信号を前記副制御手段へ再び送信する。
【0010】
この構成によれば、コマンド信号を実際に受信する受信側である副制御手段によりコマンド信号が正常な信号か異常な信号かを判定することが可能となる。そして、判定の結果、異常な信号と判定された場合は、操作促進演出を行うことによって、遊技者に対して、使用済み状態に制御された入力手段の操作を実行させることが可能となり、この操作を契機として、一度送信したコマンド信号と同一の命令情報を含むコマンド信号を再送信させることができる。従って、副制御手段から主制御手段への信号送信ができない単方向通信環境であっても、遊技者を介して主制御手段に対してコマンド信号を再送信する旨の要求ができ、1回の遊技が終了する前にコマンド信号を適切なタイミングで再送信させることが可能となる。
【0011】
(2)上記(1)項において、前記副制御手段は、前記主制御手段により再送信された前記コマンド信号に対して前記コマンド正異判定を実行し、再送信された前記コマンド信号を正常な信号と判定した場合は、前記コマンド信号に基づく演出を行うように前記演出手段を制御し、再送信された前記コマンド信号を異常な信号と判定した場合は、エラーを告知するためのエラー演出を行うように前記演出手段を制御する。
【0012】
この構成によれば、再送信されたコマンド信号のコマンド正異判定を実行し、再送信されたコマンド信号を異常な信号と判定した場合にエラー演出を実行することによって、遊技機の管理者に遊技機の異常を報知することが可能となり、エラー演出に基いて遊技機の管理者がこの異常を改善可能となるため遊技機のメンテナンス性が向上する。
【発明の効果】
【0013】
副制御手段から主制御手段への信号の送信ができない単方向通信であっても、コマンド信号を異常な信号と判定した場合に、主制御手段に対して既に送信されたコマンド信号と同一の命令情報を含むコマンド信号の再送信を、遊技者による使用済み状態となった入力手段への操作のタイミングで要求することが可能となるため、異常な信号と判定されたコマンド信号を看過せずに、適切なタイミングでコマンド信号を再び送信することができる。また、コマンド信号を実際に受信する副制御手段においてコマンド信号の正異判定を行うことができるため、正異判定の正確性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る遊技機の正面図である。
【図2】同じく、遊技機の各構成要素の関係を示すブロック図である。
【図3】同じく、遊技機のコマンド送受信処理において、再送信設定されたコマンド信号か否かの判定処理を含む遊技の制御手法を説明するためのフローチャートである。
【図4】同じく、遊技機のコマンド送受信処理において、コマンド信号が異常な信号と判定されなくなるまでコマンド信号の再送信を要求するように設定された遊技の制御手法を説明するためのフローチャートである。
【図5】同じく、遊技機のコマンド送受信処理において、異常な信号と判定されたコマンド信号を数え上げる処理を含む遊技の制御手法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を、図面に基いて説明する。なお、本実施形態の遊技機は、所謂、スロットマシンと呼ばれるものであって、遊技媒体としてメダルを使用する種類の遊技機である。
なお、図1における紙面手前側を遊技機の「前方」とし、同じく紙面奥側を「後方」とし、同じく左方を「左方」とし、同じく右方を「右方」とする。
図1に示すように、本実施形態に係る遊技機であるスロットマシンSは、前面に設けられた開口部(図示省略)を有する筐体1と、筐体1の開口部を開閉可能に取り付けられた前扉2と、前扉2の前面上部に設けられ外周面に複数の図柄が配列された右側に位置する右リール、中央に位置する中リール、及び左側に位置する左リール(以下、これらをまとめてリール3という)を前方から視認可能とするための表示窓4と、表示窓4の上方に設けられ複数種類の映像または画像を表示可能な演出表示部5と、前扉2の上下の両隅部に設けられた複数種類の音声が出力されるスピーカ6と、前扉2の上部周囲縁には複数種類の点滅パターンを有する演出ランプ7とが設けられている。
【0016】
前扉2の表示窓4の下方には、メダルが投入されるメダル投入口8が設けられており、また、後述する入力手段200として、予めメダル投入口8に投入されてクレジット(貯留)されたメダルのうち遊技を行うためのメダルを1枚ずつ設定するための1ベットボタン9と、同じく、遊技を行うためのメダル3枚(最大賭数)を一回の操作で設定するためのMAXベットボタン10と、3つのリール3の回転を始動させるためのスタートレバー11と、前扉2の前面に左右方向に並列し、回転中の右リール、中リール、左リールのそれぞれに対応して停止させるための左ストップボタン、中ストップボタン、右ストップボタン(以下、これらをまとめてストップボタン12という)とが設けられている。
【0017】
さらに、前扉2の前面におけるストップボタン12の下方には、スロットマシンSの機種名等を表示するための表示パネル13が設けられ、前扉2の前面における表示パネル13の下方には、スロットマシンSの遊技においてメダル払出口14から払い出されたメダルを溜めておくためのメダル受皿15が設けられている。
【0018】
筐体1の内部には、表示窓4から視認可能なリール3、及びリール3を回転及び停止制御可能とするリール制御装置(図示省略)等から構成されるリールユニット310(図2参照)と、リールユニット310の下部に設けられておりメダルを払い出し可能なホッパーユニット320(図2参照)等が収容されている。また、筐体1の内部には遊技機全体を統括して制御する主制御手段100(図2参照)と、主制御手段100から送信される信号を受けて遊技の状況に合わせた表示演出や音響演出等を実行するための制御を行う副制御手段400(図2参照)とが収容されている。
【0019】
本実施形態の遊技機における遊技の概要を説明する。
遊技者がメダルをメダル投入口8に3枚投入するか、メダルがクレジットされた状態で1ベットボタン9またはMAXベットボタン10の押下操作を行って遊技可能な規定枚数である3枚のメダルを設定することによって、遊技機をリール3が回転始動可能な遊技準備状態にする。そして、遊技者によるスタートレバー11の押下操作に基いて、主制御手段100は、リール3をリール制御装置を介して回転始動させるとともに、役の当選に係る内部抽選を実行することによって遊技を始動させる。
【0020】
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタン12の押下操作を行うと、内部抽選の結果に応じた停止位置でリール3を停止させる。そして、表示窓4において予め設定された所定の表示位置に停止表示された各図柄の組合せが、予め定められた役に対応する図柄の組合せである場合には、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口14からメダル受皿15へ払い出される等の所定の遊技上の処理を実行する。
【0021】
次に図2を用いて本実施形態の遊技機の機能を説明する。
本実施形態の遊技機は、主制御手段100及び副制御手段400によって制御される。主制御手段100は、入力手段200としての、ベットスイッチ210、スタートスイッチ220、ストップスイッチ230等からの入力信号の受信に基いて、遊技を実行制御するための各種の演算処理を行うとともに、演算結果に基づく命令情報を含むコマンド信号を出力手段300であるリールユニット310やホッパーユニット320等に送信し、出力動作に係る制御を実行する。
【0022】
また、副制御手段400は、主制御手段100からのコマンド信号を受信して、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基いて演出手段500である演出表示装置510、音響装置520、及び照明装置530等の演出に係る制御を実行する。なお、主制御手段100から副制御手段400へ送信される通信信号は単方向のみ送信可能となるように設定されている(単方向通信)。
【0023】
なお、主制御手段100及び副制御手段400の機能は、CPUやROMやRAM等のハードウエアや、ROMに予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウエアにより実現される。
【0024】
本実施形態の遊技機では、主制御手段100、入力手段200、出力手段300、副制御手段400、及び演出手段500間で送受信される通信信号として、命令情報を含み、主制御手段100から出力手段300または副制御手段400へ送信される主コマンド信号と、同じく命令情報を含み、副制御手段400から演出手段500へ送信される含む副コマンド信号と、入力手段200から主制御手段100へ送信される入力信号とが設定されている。
【0025】
主コマンド信号は、入力手段200の操作に基いて送信される入力信号を受信したことを契機として主制御手段100が演算処理によって生成した命令情報を含むコマンド信号のことであって、出力手段300及び副制御手段400に送信され、リール3を回転始動させるための情報や内部抽選の結果である当選役の情報などが含まれたものである。
【0026】
副コマンド信号は、主コマンド信号を受信したことを契機として副制御手段400が演算処理によって生成した命令信号を含むコマンド信号のことであって、演出手段500へ送信され、演出の内容、演出の実行タイミング等の情報が含まれたものである。
【0027】
入力信号は、入力手段200であるベットボタン9、10の押下操作によりベットスイッチ210が作動して送信されるベット信号、同じくスタートレバー11の押下操作によりスタートスイッチ220が作動して送信されるスタート信号、及び同じくストップボタン12の押下操作によりストップスイッチ230が作動して送信されるストップ信号等のことである。
【0028】
主制御手段100は、遊技制御装置110とメインメモリ120とを含んで構成されている。また、副制御手段400は演出制御装置410と、サブメモリ420とを含んで構成されている。
【0029】
まず、主制御手段100の各構成要素について説明する。
遊技制御装置110は、投入されたメダルの設定、抽選用の乱数値の生成、役の当否を決定するための内部抽選、リール3の回転及び停止、内部抽選で当選した役の入賞の判定、入賞等に基づくメダルの払い出し、及び予め設定された複数の遊技状態間の移行等の遊技を実行するための制御である遊技実行処理を行う。
【0030】
また、遊技制御装置110は、入力信号に係る処理として、入力手段200により送信された入力信号を受信する入力信号受信処理、及び入力信号受信処理により受信した入力信号に基づく演算処理等を行う。
また、主コマンド信号に係る処理として、演算処理の結果に基づいて上述の複数の遊技上の制御に係る命令情報を含む主コマンド信号を生成する主コマンド生成処理、主コマンド生成処理の結果生成された主コマンド信号を副制御手段400へ送信する主コマンド送信処理、所定の入力手段200の押下操作を契機として主コマンド信号を再送信するように設定する再送信設定処理、及び再送信する主コマンド信号に所定の識別情報を付加する識別情報付加処理等を行う。
【0031】
入力信号受信処理では、入力信号の受信状態に基いて、入力信号を有効な信号として受信するか、または無効の信号として受信するかの受信処理を行う。入力信号を有効な信号として受信処理すると、遊技制御装置110は入力手段200の操作(入力信号)に対応する遊技実行処理を実行するが、無効の信号として受信処理すると、入力手段200の操作(入力信号)に対応する遊技実行処理を実行しない。ここで遊技実行処理とは、具体的には、1ベットボタン9及びMAXベットボタン10に対応する処理としては、内部貯留されているメダルを規定枚数(3枚)に設定する処理のことであり、スタートレバー11に対応する処理としては、リール3を回転始動する処理のことであり、ストップボタン12に対応する処理としては、回転中のリール3を停止制御する処理のことである。
【0032】
例えば、1ベットボタン9及びMAXベットボタン10は、1ベットボタン9またはMAXベットボタン10のいずれかの押下操作によって内部貯留されているメダルを規定枚数(3枚)に設定した(メダルをメダル投入口8から投入した場合も含む)後、その遊技においてメダルを規定枚数設定するという本来の機能(所定の機能)が果たされ、使用する必要がなくなる。従って、遊技制御装置110は、メダルの規定枚数設定(メダルをメダル投入口8から投入した場合も含む)後における1ベットボタン9及びMAXベットボタン10の押下操作に基づくベット信号を、無効な信号として受信して、内部貯留されているメダルを設定するための処理を実行しない。換言すると、1ベットボタン9及びMAXベットボタン10は、遊技制御装置110によって押下操作が無効となるように使用済み状態として制御される。ここで1ベットボタン9の操作は、メダルが規定枚数に設定されるまで有効なものであるため、メダルが設定されていない状態から3回の押下操作までは有効な操作とされる。即ち、1ベットボタン9の操作によるベット信号は、3回までは有効な信号として受信される。
【0033】
また、スタートレバー11は、押下操作によってリール3が回転して遊技が開始された後、その遊技においてリール3を始動させるという本来の機能(所定の機能)が果たされ、使用する必要がなくなる。従って、遊技制御装置110は、リール3の回転後におけるスタートレバー11の押下操作に基づくスタート信号を、無効な信号として受信して、リール3を始動するための処理を実行しない。換言すると、スタートレバー11は、遊技制御装置110によって押下操作が無効となるように使用済み状態として制御される。
【0034】
また、ストップボタン12は、押下操作によって回転中のリール3を停止した後、その遊技において、リール3を停止するという本来の機能(所定の機能)が果たされ、使用する必要がなくなる。具体的には、ストップボタン12のうちの左ストップボタンの押下操作によって回転中のリール3のうちの左リールを、同じく中ストップボタンの押下操作によって回転中のリール3のうちの中リールを、同じく右ストップボタンの押下操作によって回転中のリール3のうちの右リールをそれぞれ停止することによって各ストップボタンの本来の機能が果たされる。従って、遊技制御装置110は、回転中のリール3を停止した後におけるストップボタン12の押下操作に基づくストップ信号を、無効な信号として受信して、回転中のリール3を停止するための処理を実行しない。換言すると、ストップボタン12は、遊技制御装置110によって押下操作が無効となるように使用済み状態として制御される。
【0035】
なお、ここで入力信号受信処理は、入力信号の受信状態に基いて、入力信号の受信を許可または受信を拒否する処理を行うようにしてもよい。
例えば、遊技制御装置110は、メダルの規定枚数設定(メダルをメダル投入口8から投入した場合も含む)前に、1ベットボタン9及びMAXベットボタン10の押下操作より送信されたベット信号の受信を許可し、メダルの規定枚数設定(メダルをメダル投入口8から投入した場合も含む)後に、1ベットボタン9及びMAXベットボタン10の押下操作より送信されたベット信号の受信を拒否する。
【0036】
また、遊技制御装置110は、リール3の回転前に、スタートレバー11の押下操作により送信されたスタート信号の受信を許可し、リール3の回転後に、スタートレバー11の押下操作により送信されたスタート信号の受信を拒否する。
【0037】
また、遊技制御装置110は、回転中のリール3を停止させる前に、ストップボタン12の押下操作により送信されたストップ信号の受信を許可し、回転中のリール3を停止させた後に、ストップボタン12の押下操作により送信されたストップ信号の受信を拒否する。
【0038】
このように、各入力手段200は、各入力信号の受信が拒否されることにより、遊技制御装置110によって上述の使用済み状態として制御される。
【0039】
なお、遊技制御装置110によって使用済み状態に制御された各入力手段200は、1回の遊技が終了すると使用済み状態が解除され、各入力信号は上述のように本来の機能を発揮するための信号として有効に受信処理される初期状態に設定される。
【0040】
再送信設定処理は、後述する副制御手段400による操作促進演出処理後に、使用済み状態に制御されたMAXベットボタン10の押下操作、即ち、遊技制御装置110によるベット信号の受信を契機として、主コマンド生成処理において生成された主コマンド信号と同一の命令情報を含む主コマンド信号を再送信するように設定する処理のことである。また、この際、再送信設定処理によって、使用済み状態に制御されたMAXベットボタン10の押下操作に基づいて送信されるベット信号は、無効な信号から、上述の本来の機能を発揮するための信号とは異なる主コマンドを再送信させるための信号として有効に受信処理される。従って、再送信設定処理がされた後であっても操作促進演出処理が行われる前であれば、使用済み状態に制御されたMAXベットボタン10の押下操作によるベット信号は無効な信号として処理されるため、操作促進演出処理前のMAXベットボタン10の誤操作による誤処理を防止することができる。
【0041】
なお、再送信設定処理では、MAXベットボタン10の押下操作の代わりにスタートレバー11の押下操作を契機として主コマンド信号を再送信するものとしてもよい。
また、MAXベットボタン10(スタートレバー11)の押下操作に対する再送信設定は、1回の遊技が終了するとリセットされる。
【0042】
識別情報付加処理は、再送信設定処理を行うときに、再送信設定処理される主コマンド信号に対して、再送信される信号であることを識別するための再送信識別情報を付加する処理のことである。
【0043】
メインメモリ120は、遊技制御装置110が遊技に係る諸々の制御または処理等を実行するために必要な情報を予め記憶したり、遊技制御装置110による所定の制御または処理等に応じて所定の情報を一時的に記憶したりするための記憶手段である。
【0044】
次に、副制御手段400の構成について説明する。
演出制御装置410は、サブメモリ420に格納されている演出データ記憶手段422に記憶されている演出データに基いて、演出表示装置510を介して行う表示演出、音響装置520を介して行う音響演出、または照明装置530を介して行う照明演出に係る制御を行う。例えば、メダル投入口8からのメダルの投入、ベットボタン9、10、スタートレバー11、ストップボタン12の押下操作や、役の当選時の予告として、また、役の入賞時の払い出しに合わせて、さらには、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じて各種演出を行う制御を実行することによって遊技の補助をしたり、遊技を盛り上げたりする。
【0045】
演出制御装置410は、主コマンド信号に係る処理として、遊技制御装置110から主コマンド信号を受信するコマンド受信処理、受信処理した主コマンド信号に基づく演算処理、コマンド受信処理した主コマンド信号が正常な信号か異常な信号かを判定するコマンド正異判定処理、及び主コマンド信号の識別情報に基いて再送信された主コマンド信号か否かの判定をする再送信コマンド判定処理等を行う。
また、副コマンド信号に係る処理として、上述の複数の制御に係る命令情報を含む副コマンド信号を演算処理の結果に基づいて生成する副コマンド生成処理、及び副コマンド生成処理の結果生成された副コマンド信号を演出手段500へ送信する副コマンド送信処理等を行う。
さらに、演出に係る処理として、遊技者に対して遊技制御装置110の再送信設定処理の際に設定された入力手段200の操作を促すための操作促進演出処理、並びにコマンド正異判定処理及び再送信コマンド判定処理の判定結果に基いて演出処理として行われる読み捨て処理や通常演出処理等を行っている。
【0046】
コマンド正異判定処理は、演出制御装置410が受信した主コマンド信号を、サブメモリ420に格納されているコマンド信号判定テーブル記憶手段424に記憶されているコマンド判定テーブルを参照して、正常な信号か異常な信号かを判定する処理のことである。なお、コマンド判定テーブルには、主制御手段100の遊技制御装置110から送信される主コマンド信号に係る複数の情報が予め記憶されており、コマンド正異判定処理では、副制御手段400が受信した主コマンド信号が、コマンド判定テーブルに記憶された主コマンド信号のいずれかと一致した場合に、送信された主コマンド信号を正常な信号と判定し、不一致の場合に、送信された主コマンド信号を異常な信号と判定する。
【0047】
再送信コマンド判定処理は、識別情報付加処理において付加された再送信識別情報の有無を判定して、再送信された主コマンド信号か否かを判定する処理であって、判定結果に基づいて演出制御装置410が実行する演出処理が変化するように設定されている。
【0048】
操作促進演出処理は、コマンド正異判定処理の結果、異常な信号と判定された主コマンド信号が、演出制御装置410の再送信コマンド判定処理によって再送信された主コマンド信号ではないと判定された場合に、遊技者に対してMAXベットボタン10の押下操作を促すための演出を演出手段500の演出表示装置510、音響装置520及び/または照明装置530を介して実行する処理のことである。
なお、再送信設定処理においてスタートレバー11の押下操作を契機としてコマンド信号を再送信するものと設定した場合には、スタートレバー11の押下操作を促すための演出を行う必要がある。
【0049】
読み捨て処理は、コマンド正異判定処理の結果、異常な信号と判定された主コマンド信号が、演出制御装置410の再送信コマンド判定処理によって再送信された主コマンド信号と判定された場合に、当該主コマンド信号を破棄して無効とする処理のことである。
【0050】
通常演出処理は、主コマンド信号がコマンド正異判定処理の結果、正常な信号と判定された場合に実行される演出処理であって、演出の内容や演出を実行するタイミング等の情報を含む副コマンド信号に基いて演出を行う処理のことである。例えば、当選役を予告する予告演出などがある。
【0051】
なお、演出制御装置410は、操作促進演出後の遊技者によるMAXベット10の押下操作のタイミングと、演出が実際に実行されるタイミングとによって、通常演出処理または読み捨て処理を選択的に実行する。
例えば、遊技者が、操作促進演出を無視して、MAXベット10の押下操作の前にストップボタン12(例えば、ストップボタン12のうちの左ストップボタン)の押下操作を行った場合、その後にMAXベット10の押下操作により再送信されたコマンド信号を正常な信号と判定した場合であっても、当該コマンド信号に基づく演出がストップボタン12(例えば、ストップボタン12のうちの左ストップボタン)の押下操作を契機として始動するものであった場合には、既に演出の始動契機となるストップボタン12(例えば、ストップボタン12のうちの左ストップボタン)は押下操作されているため、通常演出処理は行われず、読み捨て処理が行われる。また、操作促進演出を無視して、MAXベット10の押下操作を行わずにすべてのストップボタン12の押下操作を行った場合も通常演出処理は行われず、読み捨て処理が行われる。
【0052】
サブメモリ420は、演出制御装置410が演出に係る諸々の制御または処理を実行するために必要な情報を予め記憶したり、制御または処理に応じて所定の情報を一時的に記憶したりするための記憶手段である。また、サブメモリ420は、演出データが記憶されている演出データ記憶手段422と、主コマンド信号を正常な信号か異常な信号かを判定をするためデータが格納されているコマンド信号判定テーブル記憶手段424とを含んで構成されている。
【0053】
次に、本実施形態における主コマンド信号の送受信の制御について説明する。
本実施形態における遊技機は、主制御手段100から副制御手段400へ送信した主コマンド信号を異常な信号と判定した際に、遊技者に対して所定の入力手段200(例えば、MAXベットボタン10)の押下操作を促す操作促進演出を実行する。そして、操作促進演出によって遊技者が当該入力手段を操作することによって、主制御手段100に対して主コマンド信号の再送信をさせることを可能とするものである。
【0054】
具体的に説明すると、メダルがクレジットされた状態で遊技者がMAXベットボタン10を押下操作すると、ベットスイッチ210が作動してベット信号が主制御手段100へ送信される(メダルが3枚投下された場合もベット信号と同等の信号が主制御手段100へ送信される)。主制御手段100の遊技制御装置110は送信されたベット信号を受信したことに基いて遊技機を遊技準備状態に設定する。
【0055】
そして、遊技者によるスタートレバー11の押下操作により、スタートスイッチ220が作動し、スタート信号が主制御手段100へ送信されると、主制御手段100の遊技制御装置110はスタート信号を受信し(入力信号受信処理)、かつ、スタート信号に基いてリール3を回転始動させる制御を実行するとともに、役の内部抽選を実行する(演算処理)。さらに、遊技制御装置110は、内部抽選の結果である小役の当選情報などを含む主コマンド信号を生成し(主コマンド生成処理)、操作促進演出処理後に、使用済み状態に制御されたMAXベットボタン10の押下操作を行うことを契機として主コマンド生成処理された主コマンド信号と同一の命令情報を含む主コマンド信号を再送信する設定を行い(再送信設定処理)、再送信設定された主コマンド信号に対して識別情報を付加する(識別情報付加処理)。そして、主コマンド生成処理において生成した主コマンド信号を副制御手段400に対して送信(主コマンド送信処理)する。
【0056】
副制御手段400の演出制御装置410は、主コマンド信号を受信し(コマンド受信処理)、受信した主コマンド信号をコマンド判定テーブルを参照して主コマンド信号が正常な信号か異常な信号かを判定する(コマンド正異判定処理)。コマンド正異判定処理の結果、異常な信号と判定すると、識別情報付加処理において付加された識別情報に基いて、再送信された主コマンド信号か否かの判定を行い(再送信コマンド判定処理)、判定の結果、再送信された主コマンド信号ではないと判定した場合は、演出制御装置410は、MAXベットボタン10の押下操作を促す演出、例えば「MAXベットボタンを押せ!」というような操作促進演出を演出手段500の演出表示装置510等を介して実行する(操作促進演出処理)。また、演出制御装置410によって、主コマンド信号を正常な信号と判定した場合は、主コマンド信号に基づく通常演出が行われる(通常演出処理)。
【0057】
演出制御装置410の操作促進演出処理後に、遊技者が操作促進演出に従ってMAXベットボタン10の押下操作を行うと、ベットスイッチ210が作動してベット信号が主制御手段100に送信される。主制御手段100の遊技制御装置110がベット信号を受信した(入力信号受信処理)ことを契機として実行される再送信設定処理、及び再送信設定処理時に実行される識別情報付加処理に基いて、主コマンド送信処理された主コマンド信号と同一の命令情報を含み、かつ再送信された信号を判定するための識別情報が付加された主コマンド信号を副制御手段400へ再送信する(主コマンド送信処理)。
【0058】
演出制御装置410は、再送信された主コマンド信号を受信する(コマンド受信処理)とともに、主コマンド信号をコマンド判定テーブルを参照して正常な信号か異常な信号かを判定する(コマンド正異判定処理)。コマンド正異判定処理の結果、異常な信号と判定すると、異常な信号と判定された主コマンド信号の識別情報に基いて、再送信された主コマンド信号か否かの判定を行う(再送信コマンド判定処理)。判定の結果、再送信された主コマンド信号と判定した場合は、演出制御装置410は、再送信された主コマンド信号を破棄して無効とする処理を行う(読み捨て処理)。なお、主コマンド信号の読み捨て処理を行う代わりに、遊技機にエラーが発生した旨を報知するエラー演出を実行するようにしてもよい(エラー演出処理)。
【0059】
このようなコマンド信号の送受信環境を構築することにより、副制御手段400から主制御手段100への信号の送信ができない単方向通信であっても、コマンド信号を異常な信号と判定した場合に、主制御手段100に対して既に送信されたコマンド信号と同一の命令情報を含むコマンド信号の再送信を要求することが可能となるため、異常な信号と判定されたコマンド信号を看過せずに、適切なタイミングでコマンド信号の再送信処理をすることができる。また、コマンド信号を実際に受信する副制御手段400においてコマンド信号の正異判定処理を行うことができるため、正異判定処理の正確性が高まる。
【0060】
次に、図3に示すフローチャートを参照しながら本実施形態の制御手法を実現する処理の一例について説明する。
遊技準備状態において、遊技者がスタートレバー11の押下操作を行う(S100)と、主制御手段100は、スタートスイッチ220が作動することによって送信されるスタート信号の受信処理を行う(S105)。この受信処理に基づく演算処理において主コマンド信号を生成し(S110)、生成した主コマンド信号と同一の命令情報を含む主コマンド信号を、使用済み状態に制御されたMAXベットボタン10の押下操作によって、再送信させる設定である再送信設定処理を行う(S115)。さらに、再送信設定処理の際に設定した主コマンド信号に対して再送信されるコマンド信号か否かを判定するための識別情報を付加する識別情報付加処理を行う(S120)。そして、S110において生成した主コマンド信号を副制御手段400に対して送信する主コマンド送信処理を行う(S125)。
【0061】
副制御手段400は、主制御手段100によって送信処理された主コマンド信号のコマンド受信処理を行い(S130)、コマンド受信処理された主コマンド信号に対してコマンド正異判定処理を行う(S140)。判定の結果、正常な信号と判定した場合は(S150でNO)、コマンド信号に基づく通常演出処理を行う(S155)。また、判定の結果、異常な信号と判定した場合は、(S150でYES)、識別情報付加処理において付加された識別情報に基いて、再送信コマンド判定処理を行う(S157)。判定の結果、主コマンド信号が再送信されたものではないと判定した場合(S160でNO)、既に押下操作され使用済み状態に制御されたMAXベットボタン10の押下操作を促すための操作促進演出処理を行う(S170)。
【0062】
遊技者が、操作促進演出に従って使用済み状態に制御されたMAXベットボタン10への押下操作を行うと(S180)、主制御手段100は、ベットスイッチ210が作動することによって送信されたベット信号の受信処理を行う(S190)。ベット信号の受信を契機としてS115及びS120で行った再送信設定処理及び識別情報付加処理に基いて設定された主コマンド信号の送信処理を実行する(S125)。
【0063】
また、異常な信号と判定した(S150でYES)主コマンド信号を、再送信されたものと判定した場合(S160でYES)、主コマンド信号の読み捨て処理を実行する(S165)。なお、ここで読み捨て処理の代わりにエラーを報知するエラー演出処理を実行するようにしてもよい。
【0064】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、本実施形態に対して、次のような種々の変形や変更を施すことが可能である。
(第1変形例)
上述の主コマンド生成処理(図3におけるS110)の直後に再送信設定処理(図3におけるS115)及び識別情報付加処理(図3におけるS120)を行わずに、ベット信号受信処理(図3におけるS190)の後に、上述の再送信設定処理に代わるコマンド信号を再送信する処理、及びこの再送信されるコマンド信号に対して上述の識別情報付加処理を行うように設定してもよい。
【0065】
具体的に説明すると、まず、主制御手段100は、上述の図3におけるステップS100〜S125からステップS115及びS120を除いた処理を実行する。なお、主制御手段100は、主コマンド送信処理(図3におけるS125)において送信される主コマンド信号と同一の主コマンド信号を、図3におけるステップS110〜S120の間のいずれかのタイミングでメインメモリ120に格納されている一時記憶手段(図示省略)に記憶する。続いて、副制御手段400は、上述の図3におけるステップS130〜S170の処理を実行する。そして、遊技者が、操作促進演出に従ってMAXベットボタン10への押下操作を行うと(図3におけるS180)、主制御手段100は、ベット信号の受信処理を実行する(図3におけるS190)。このベット信号の受信(MAXベットボタン10への押下操作)を契機として、上述の一時記憶手段に記憶された主コマンド信号と同一の命令情報を含むコマンド信号を再送信する再送信処理を行う。さらに、再送信処理を行うときに、再送信する主コマンド信号に対して再送信識別情報を付加する識別情報付加処理を行う。そして、副制御手段400は、主制御手段100によって識別情報付加処理及び再送信処理された主コマンド信号のコマンド受信処理を行う(図3におけるS130)。
なお、主コマンド信号を記憶した一時記憶手段は、1回の遊技が終了するとリセットされる。
【0066】
このような手順で処理を実行することにより、正常な主コマンド信号を受信した場合(図3におけるS150でNO)には、上述の再送信処理及び識別情報付加処理を行う必要がなくなり、異常な主コマンド信号が副制御手段へ送信された場合(図3におけるS150でYES)にのみ、上述の再送信処理及び識別情報付加処理を行うだけで済むため、正常な主コマンド信号及び異常な主コマンド信号に対して無駄な処理を行うことなく効率的に処理を行うことが可能となる。
【0067】
(第2変形例)
上述の識別情報付加処理(図3におけるS120)、再送信コマンド判定処理(図3におけるS157、S160)、及び読み捨て処理(図3におけるS165)を省略し、コマンド信号を正常な信号と判定されるまで一連の主コマンド信号の送受信に係る処理を繰り返すループ処理を実行するように設定してもよい。
【0068】
第2変形例を図4に示すフロー図に基いて説明する。なお、図中のステップS200〜S225の説明は、図3におけるステップS100〜S125からステップS120の説明を除いた説明と同一のため省略する。
副制御手段400は、主制御手段100によって送信処理された主コマンド信号のコマンド受信処理を行い(S230)、コマンド受信処理された主コマンド信号に対してコマンド正異判定処理を行う(S240)。判定の結果、正常な信号と判定した場合(S250でNO)、コマンド信号に基づく通常演出処理を行い(S255)、また、判定の結果、異常な信号と判定した場合(S250でYES)、MAXベットボタン10への押下操作を促すための操作促進演出処理を行う(S260)。
【0069】
遊技者が、操作促進演出に従って使用済み状態に制御されたMAXベットボタン10への押下操作を行うと(S270)、主制御手段100は、ベットスイッチ210が作動することによって送信されたベット信号の受信処理を行う(S280)。ベット信号の受信を契機としてS215で行った再送信設定処理に基いて設定された主コマンド信号の送信処理を実行する(S225)。
【0070】
(第3変形例)
上述の識別情報付加処理(図3におけるS120)、及び再送信コマンド判定処理(図3におけるS157、S160)を省略する代わりに、コマンド正異判定処理において異常な信号と判定された主コマンド信号を数え上げるための異常信号カウンタ(図示省略)を用いて一連の主コマンド信号の受信に係る処理を実行させるように設定してもよい。
【0071】
異常信号カウンタは、サブメモリ420に格納され、コマンド正異判定処理において主コマンド信号を異常な信号と判定する毎に、演出制御装置410によって異常信号カウンタの記憶値に1件分の異常な信号の件数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新が行われ、1回の遊技が終了すると異常信号カウンタの記憶値は初期値(例えば、0)に設定される。
異常信号カウンタの記憶値と演出制御装置410による主コマンド信号の処理方法とが対応付けられており、記憶値の変化に基いて演出制御装置410によるコマンド信号の処理方法が変化するように設定されている。例えば、記憶値「1」には演出制御装置410における操作促進演出処理が対応付けられており、記憶値「2」以上には演出制御装置410における主コマンド信号の読み捨て処理が対応付けられている。また、これらの対応付けは自由に変更可能であって、例えば、記憶値が3以上のときに読み捨て処理が実行されるようにしてもよく、また、読み捨て処理の代わりにエラー演出処理を対応付けるようにしてもよい。
【0072】
第3変形例を図5に示すフロー図に基いて説明する。なお、図中のステップS300〜S325の説明は、図3におけるステップS100〜S125からステップS120の説明を除いた説明と同一のため省略する。
副制御手段400は、主制御手段100によって送信処理された主コマンド信号のコマンド受信処理を行い(S330)、コマンド受信処理された主コマンド信号に対してコマンド正異判定処理を行う(S340)。判定の結果、正常な信号と判定した場合は(S350でNO)、コマンド信号に基づく通常演出処理を行う(S355)。また、判定の結果、異常な信号と判定した場合は、(S350でYES)、異常信号カウンタの記憶値に1を加算する(S360)。その結果、異常信号カウンタの記憶値が2未満の場合は(S370でYES)、MAXベットボタン10の押下操作を促すための操作促進演出処理を行う(S380)。
【0073】
遊技者が、操作促進演出に従って使用済み状態に制御されたMAXベットボタン10への押下操作を行うと(S385)、主制御手段100は、ベットスイッチ210が作動することによって送信されたベット信号の受信処理を行う(S390)。ベット信号の受信を契機としてS315で行った再送信設定処理に基いて設定された主コマンド信号の送信処理を実行する(S325)。
また、コマンド正異判定処理(S340)において異常な信号と判定され(S350でYES)、異常信号カウンタの記憶値に1を加算した(S360)結果、異常信号カウンタの記憶値が2以上の場合は(S370でNO)、コマンド信号の読み捨て処理が実行される(S375)。なお、ここで読み捨て処理の代わりにエラー演出処理を実行するようにしてもよい。
【0074】
(第4変形例)
上述の第2変形例の異常信号カウンタの他に、異常な信号と判定された主コマンド信号を累積的に数え上げる異常信号累積カウンタ(図示省略)を設けてもよい。
異常信号累積カウンタは、サブメモリ420に格納され、コマンド正異判定処理において主コマンド信号を異常な信号と判定する毎に、演出制御装置410によって異常信号累積カウンタの記憶値がインクリメント更新され、1回の遊技が終了しても記憶値は初期化されずに値を累積させるものである。
これにより、長期的に異常な信号の発生状況を確認することができるため、遊技機のメンテナンス性が向上する。
【符号の説明】
【0075】
S スロットマシン 1 筐体 2 前扉 3 リール 4 表示窓
5 演出表示部 6 スピーカ 7 演出ランプ 8 メダル投入口
9 1ベットボタン 10 MAXベットボタン 11 スタートレバー
12 ストップボタン
100 主制御手段 110 遊技制御装置 120 メインメモリ
200 入力手段 210 ベットスイッチ 220 スタートスイッチ
230 ストップスイッチ
300 出力手段 310 リールユニット 320 ホッパーユニット
400 副制御手段 410 演出制御装置 420 サブメモリ
422 演出データ記憶手段 424 コマンド信号判定テーブル記憶手段
500 演出手段 510 演出表示装置 520 音響装置
530 照明装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の演出を実行する演出手段と、遊技を統括して制御可能な主制御手段と、前記主制御手段と単方向通信で接続され、前記主制御手段により送信されたコマンド信号に基いて前記演出手段を制御可能な副制御手段と、遊技を行うために必要な操作が遊技者によって実行されることにより、当該操作に対応する入力信号を前記主制御手段に送信可能な入力手段とを備える遊技機において、
前記入力手段は、前記入力信号を前記主制御手段に送信して所定の機能を果たすことにより、操作が無効となる使用済み状態に制御され、
前記副制御手段は、前記主制御手段により送信された前記コマンド信号が正常な信号か異常な信号かを判定するコマンド正異判定を実行し、前記コマンド正異判定の結果、前記コマンド信号を正常な信号と判定した場合は、前記コマンド信号に基づく演出を行うように前記演出手段を制御し、前記コマンド信号を異常な信号と判定した場合は、遊技者に対して前記使用済み状態に制御された前記入力手段の操作を促す演出である操作促進演出を行うように前記演出手段を制御し、
前記主制御手段は、前記操作促進演出後、前記使用済み状態に制御された前記入力手段が操作された場合、前回送信された前記コマンド信号と同一の命令情報を含むコマンド信号を前記副制御手段へ再び送信することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記副制御手段は、前記主制御手段により再送信された前記コマンド信号に対して前記コマンド正異判定を実行し、再送信された前記コマンド信号を正常な信号と判定した場合は、前記コマンド信号に基づく演出を行うように前記演出手段を制御し、再送信された前記コマンド信号を異常な信号と判定した場合は、エラーを告知するためのエラー演出を行うように前記演出手段を制御することを特徴とする請求項1記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−22318(P2013−22318A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161256(P2011−161256)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】