説明

遊技機

【課題】短縮可変表示を実施する場合でも、演出媒体による演出を可能とすること。
【解決手段】各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行う可変表示手段8a,8bにおいて、可変表示時間が短い短縮可変表示時間が決定される割合が通常割合よりも高い時短状態が発生し、識別情報の可変表示に連動して第1経路と該第1経路よりも経路長さの短い第2経路における演出媒体による演出を実施する遊技機1であって、短縮可変表示時間が決定されないときには演出媒体の流路を第1経路とし、短縮可変表示時間が決定されたときには演出媒体の流路を第2経路とする経路切り替え手段86を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者が所定の遊技を行うことによる始動条件の成立にもとづいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行う可変表示手段を備え、前記可変表示手段に表示結果を導出することで遊技の結果を確定し、遊技の結果が特定遊技結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の興趣を向上させることを目的として、可変表示装置における特別図柄の可変表示が開始される始動口に入賞した始動入賞球を貯留しておき、遊技結果が大当りとなるときには、当該大当りとなる可変表示の開始時において貯留している始動入賞球を所定長さの1の経路を通じてステージ230上に供給し、該ステージ230において供給した始動入賞球が所定のチャンスゾーンに入るか否かにより大当りとなるか否かの可能性を報知する演出を実施するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−239251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年の遊技機においては、始動口への入賞がし易くなる時短状態においては、単位時間当たりの可変表示回数の消化回数を高めることで効率良く遊技を実施できるようにするために、可変表示の可変表示時間として、通常の可変表示時間よりも非常に短い短縮可変表示時間にて可変表示を実施するものがあるが、これら短縮可変表示時間は通常の可変表示時間よりも非常に短いため、引用文献1の遊技機にあっては、経路を通じて始動入賞球をステージ230上に供給することができず、これら短縮可変表示時間による可変表示を実施する場合においては、ステージ230に演出媒体となる始動入賞球を供給して該演出媒体による演出を実施することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、短縮可変表示時間による可変表示を実施する場合においても、演出媒体による演出を実施することのできる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、
遊技者が所定の遊技(遊技球を使用した遊技)を行うことによる始動条件(第1始動入賞口13に始動入賞したこと。第2始動入賞口14に始動入賞したこと)の成立にもとづいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(第1特別図柄、第2特別図柄)の可変表示を行う可変表示手段(第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b)と、該識別情報の可変表示の表示結果が導出されるまでに、遊技の結果を遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)を発生させる特定遊技結果(例えば、大当り表示結果)とするか否かを決定するとともに前記可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでの時間が異なる複数の可変表示時間(複数の演出パターン)の内から1の可変表示時間(1の演出パターン)を決定する事前決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS301、S312,S313を実行する部分)と、前記始動条件の成立頻度が所定の通常頻度であって前記表示結果が導出されるまでの時間が短い短縮可変表示時間(「短縮」や「超短縮」の演出パターン)が決定される割合が通常割合である第1遊技状態(低ベースの遊技状態)または前記始動条件の成立頻度が前記通常頻度よりも高い特別頻度であって前記短縮可変表示時間が決定される割合が前記通常割合よりも高い特別割合である第2遊技状態(高ベース状態)に遊技状態を制御する遊技制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてステップS307で時短フラグをセットする部分)と、を備え、前記可変表示手段に表示結果を導出することで遊技の結果を確定し、該確定した遊技の結果が特定遊技結果であるときに特定遊技状態に前記遊技制御手段により制御される遊技機(パチンコ機1)であって、
前記遊技に使用される遊技媒体(遊技球)と同一の演出媒体(演出球)または前記遊技に使用される遊技媒体と異なる所定の演出媒体が流下可能であって該演出媒体の流下を遊技者が視認可能に設けられ、該演出媒体が順次通過する複数の区画(セクション1〜4)を有する第1経路(第1ルート)並びに該第1経路よりも経路の長さが短い第2経路(第3ルート)と、
前記第1経路並びに前記第2経路の終端に接続され、前記識別情報の可変表示結果が特定遊技結果となるときに前記第1経路または前記第2経路を通過してきた演出媒体を所定の当選流入口(V流入口)に流入させる一方、前記識別情報の可変表示結果が特定遊技結果とならないときに前記第1経路または前記第2経路を通過してきた演出媒体を前記当選流入口とは異なる非当選流入口(ハズレ流入口)に流入させる振分け演出を行う振分け演出装置(大当り振分け役物140)と、
前記第1経路における各区画の終端位置に設けられ、前記演出媒体の次の区画への通過または経路外への排出を行う複数の関門装置(第1ルート第1関門ユニット111、第1ルート第2関門ユニット112、第1ルート第31関門ユニット113、第1ルート第4関門ユニット114)と、
前記可変表示の開始に伴って前記演出媒体の流下を開始させ、該演出媒体が流下により前記第1経路において到達する前記区画である到達区画を、前記事前決定手段にて決定した可変表示時間に基づいて特定して(ステップS821)、該特定した到達区画よりも上流位置に設けられている前記関門装置に該演出媒体を通過させるとともに(ステップS848)該特定した到達区画に対応する前記関門装置に該演出媒体を排出させる制御(ステップS869)を行う演出媒体制御手段(演出制御用CPU86)と、
前記事前決定手段により前記短縮可変表示時間が決定されないときには前記演出媒体の流路を前記第1経路とし、前記事前決定手段により前記短縮可変表示時間が決定されたときには前記演出媒体の流路を前記第2経路とする経路切り替え手段(演出制御用CPU86がステップS827を実施する部分)と、
を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、事前決定手段により短縮可変表示時間が決定されるときには演出媒体の流路が第2経路とされることにより、演出媒体が該第2経路を通じて短時間にて振分け演出装置に供給されて演出に使用されるので、短縮可変表示時間による可変表示を実施する場合においても、演出媒体による演出を実施することができる。
【0007】
本発明の手段1の遊技機は、請求項1に記載の遊技機であって、
前記遊技媒体が進入可能な始動入賞口(第1始動入賞口13、第2始動入賞口14)と、
前記始動入賞口に入賞した遊技媒体を貯留する貯留部(第1始動入賞貯留部41、第2始動入賞貯留部42)と、
を備え、前記始動入賞口への入賞が前記始動条件の成立条件であって、
前記演出媒体制御手段(演出制御用CPU86)は、
前記可変表示毎に、前記貯留部に貯留されている1の遊技媒体を前記演出媒体として使用する(演出制御用CPU86がステップS827において第1特別図柄の可変表示のときには第1始動入賞貯留部41を演出球として投入し、第1特別図柄の可変表示のときには第2始動入賞貯留部42を演出球として投入する部分)ことを特徴としている。
この特徴によれば、貯留部に貯留される遊技媒体と、可変表示に伴って演出媒体として使用される遊技媒体の数が等しくなるので、演出媒体による演出を各可変表示毎に確実に実施することができる。
【0008】
本発明の手段2の遊技機は、請求項1または手段1に記載の遊技機であって、
透明板から成り、該透明板の前面に前記遊技媒体が流下する遊技領域(遊技領域7)が形成された透明遊技盤(透明遊技盤6)を備え、
前記第1経路(第1ルート)または前記第2経路(第3ルート)の少なくとも一部が前記透明遊技盤の背面側に設けられている
ことを特徴としている。
この特徴によれば、透明遊技盤とすることで、遊技者は、遊技盤を通して背面側も視認できるので、第1経路や前記第2経路を遊技盤の背面側に設けることが可能となるため、遊技領域と演出媒体による演出を行う領域とを共に広くとることができる。
【0009】
本発明の手段3の遊技機は、請求項1、手段1、手段2のいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技領域(遊技領域7)を流下する遊技媒体を該透明遊技盤の背面側に誘導する導入路(ワープ入口11)と、該導入路により誘導された遊技媒体を該透明遊技盤の背面側において遊技者が視認可能に流下させる第3経路(ワープ経路R4)と、該第3経路を流下した遊技媒体を前記遊技領域に排出する排出路(途中排出口17、終端排出口12)と、
を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、入賞する可能性のない演出媒体に加えて、入賞する可能性がある遊技媒体も透明遊技盤の背面側を流下するようになるため、透明遊技盤の背面側において演出媒体と遊技媒体とが混在するようになるので、興趣を向上できる。
【0010】
本発明の手段4の遊技機は、請求項1または手段1〜手段3のいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技媒体が進入可能な第1始動入賞口(第1始動入賞口13)と第2始動入賞口(第2始動入賞口14)とを備え、各始動入賞口への入賞が前記始動条件の成立条件であるとともに、前記第1始動入賞口への入賞に基づいて発生する前記特定遊技状態である第1特定遊技状態(8ラウンドが付与される通常大当りB)よりも遊技者にとって有利な第2特定遊技状態(15ラウンドが付与される通常大当りAまたは確変大当り)が前記第2始動入賞口への入賞に基づいて発生する遊技機であって、
前記事前決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)は、前記短縮可変表示時間(「超短縮」、「短縮」の演出パターン)を前記第1始動入賞口への入賞に基づく可変表示の可変表示時間として決定する割合よりも高い割合にて前記第2始動入賞口への入賞に基づく可変表示の可変表示時間として前記短縮可変表示時間を決定する(ハズレ用演出パターン種別判定テーブルBにおいて「超短縮・短縮」に割り当てられている判定値数よりも多い判定値数が割り当てられているハズレ用演出パターン種別判定テーブルCを用いて演出パターンを決定する部分)ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者にとって有利な第2特定遊技状態が発生する第2始動入賞口への入賞については、第1始動入賞口への入賞よりも高い割合にて短縮可変表示時間が決定されることにより、演出媒体が第2経路を通過して、特定遊技状態となる可能性が高い振分け演出装置に到達して該振分け演出装置における演出が多く発生するように見えるため、有利な第2特定遊技状態が発生するのではないかという遊技者の期待感を効果的に高めることができるので、遊技機の興趣を向上できる。
【0011】
本発明の手段5に記載の遊技機は、請求項1または手段1〜手段4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技媒体が進入可能な第1始動入賞口(第1始動入賞口13)と第2始動入賞口(第2始動入賞口14)とを備え、各始動入賞口への入賞が前記始動条件の成立条件であるとともに、前記第1始動入賞口への入賞に基づいて発生する前記特定遊技状態である第1特定遊技状態(8ラウンドが付与される通常大当りB)よりも遊技者にとって有利な第2特定遊技状態(15ラウンドが付与される通常大当りAまたは確変大当り)が前記第2始動入賞口への入賞に基づいて発生する遊技機であって、
前記第1経路(第1ルート)上の所定の関門装置(第1ルート第1関門ユニット111、第1ルート第2関門ユニット112、第1ルート第3関門ユニット113、第1ルート第4関門ユニット114)は、該関門装置に到着していない演出媒体(演出球)を新たに次の区画(セクション)に放出する放出機能(放出機能)を有し、
前記演出媒体制御手段は、前記第1始動入賞口への入賞に基づく可変表示のときに前記所定の関門装置を前記演出媒体の流下を開始する開始位置として決定する割合よりも高い割合にて、前記第2始動入賞口への入賞に基づく可変表示のときに前記所定の関門装置を前記開始位置として決定し、該決定した所定の関門装置から前記演出媒体を放出させる(変形例において、演出制御用CPU86が、第1始動入賞口13への入賞よりも高い割合にて「超短縮」や「短縮」の演出パターンが決定される第2始動入賞口14への入賞に基づく可変表示のときに、「超短縮」や「短縮」の演出パターンが決定されているときには、所定の関門ユニットを演出球の流下を開始する開始位置として決定し、該決定した所定の関門ユニットから演出球を放出させる部分)ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者にとって有利な第2特定遊技状態が発生する第2始動入賞口への入賞については、第1経路途中の所定の関門装置から演出媒体が放出されることにより、演出媒体が特定遊技状態となる可能性が高い振分け演出装置に到達して該振分け演出装置における演出が多く発生するように見えるため、有利な第2特定遊技状態が発生するのではないかという遊技者の期待感を効果的に高めることができるので、遊技機の興趣を向上できる。
【0012】
本発明の手段6に記載の遊技機は、請求項1または手段1〜手段4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記特定遊技状態として第1特定遊技状態(8ラウンドが付与される通常大当りB)と該第1特定遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2特定遊技状態(15ラウンドが付与される通常大当りA)が発生する遊技機であって、
前記事前決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)は、前記特定遊技状態として前記第1特定遊技状態または前記第2特定遊技状態を決定(ステップS312、S314を実施する部分)し、
前記振分け演出装置(大当り振分け役物140)の下流に設けられ、前記識別情報の可変表示結果が特定遊技結果となることにより発生する前記特定遊技状態が、前記事前決定手段により少なくとも前記第1特定遊技状態に決定されていることに基づいて前記振分け演出装置の前記当選流入口(V流入口)を通過してきた演出媒体(演出球)を前記第1特定遊技状態に対応する所定の第1流入口(8ラウンド流入口)に流入させる一方、前記事前決定手段により前記第2特定遊技状態に決定されていることに基づいて前記振分け演出装置の前記当選流入口を通過してきた演出媒体を前記第2特定遊技状態に対応する所定の第2流入口(15ラウンド流入口)に流入させる種別決定演出(第1ラウンド振分け演出)を行う種別決定演出装置(ラウンド振分け役物150)を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特定遊技状態の種別決定演出についても、振分け演出に続いて演出媒体にて実施するので、これら種別決定演出に対する遊技者の注目を高めることができる。
【0013】
本発明の手段7に記載の遊技機は、請求項1または手段1〜手段4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記特定遊技状態として第1特定遊技状態(8ラウンドが付与される通常大当りB)と該第1特定遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2特定遊技状態(15ラウンドが付与される通常大当りA)が発生する遊技機であって、
前記事前決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)は、前記特定遊技状態として前記第1特定遊技状態または前記第2特定遊技状態を決定(ステップS312、S314を実施する部分)し、
前記演出媒体制御手段(演出制御用CPU86)は、前記事前決定手段により前記特定遊技状態として前記第2特定遊技状態が決定され、該特定遊技状態の発生において該発生した特定遊技状態が前記第1特定遊技状態であることが報知されていること(演出制御プロセスフラグの値が第2ラウンド振分け演出処理(ステップS805)に対応した値であること)を条件に、該特定遊技状態中(大当り中の所定ラウンド)において該特定遊技状態が前記第2特定遊技状態であることを、前記演出媒体並びに前記第1経路又は前記第2経路を使用して報知する昇格演出を実施する(第1ルート第4関門ユニットから放出された演出球を使用して第2ラウンド振分け演出を実施する部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特定遊技状態中において昇格演出を実施することにより、該特定遊技状態中においても、演出媒体並びに第1経路又は第2経路による演出を有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】実施例におけるパチンコ機を示す背面図である。
【図3】パチンコ機の回路構成例を示すブロック図である。
【図4】パチンコ機の回路構成例を示すブロック図である。
【図5】実施例におけるパチンコ機に用いた遊技盤の構成を示す斜視図である。
【図6】実施例に用いた遊技盤の各演出球経路(ルート)における流下状況を示す説明図である。
【図7】(a)〜(c)は、実施例に用いた関門ユニットの構成例を示す図である。
【図8】実施例に用いた関門ユニットの構成例を示すブロック図である。
【図9】実施例のパチンコ機における演出球の流れについての説明図である。
【図10】あらかじめ用意された演出パターンを示す説明図である。
【図11】各乱数を示す説明図である。
【図12】(a)は大当り判定テーブル、(b)は大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、(c)は大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を示す図である。
【図13】(a)は大当り演出パターン種別判定テーブルA(通常用)、(b)は大当り演出パターン種別判定テーブルB(時短用)を示す図である。
【図14】(a)は、ハズレ用演出パターン種別判定テーブルA(通常用)、(b)は、ハズレ用演出パターン種別判定テーブルB(短縮用第1特別図柄)、(c)は、ハズレ用演出パターン種別判定テーブルC(短縮用第2特別図柄)を示す図である。
【図15】ハズレ用演出パターン判定テーブルを示す図である。
【図16】タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図17】特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。
【図18】演出制御用CPUが実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
【図19】演出制御用CPUが使用する乱数を示す説明図である。
【図20】経路演出制御パターンテーブルを示す説明図である。
【図21】予告演出決定テーブルを示す図である。
【図22】演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図23】経路演出開始処理を示すフローチャートである。
【図24】予告演出設定処理を示すフローチャートである。
【図25】経路演出中処理を示すフローチャートである。
【図26】経路演出終了処理を示すフローチャートである。
【図27】その他の形態の関門ユニットを示す図である。
【図28】その他の形態の関門ユニットを示す図である。
【図29】その他の形態の関門ユニットを示す図である。
【図30】その他の形態の関門ユニットを示す図である。
【図31】その他の形態の関門ユニットを示す図である。
【図32】その他の形態の関門ユニットを示す図である。
【図33】その他の形態の関門ユニットを示す図である。
【図34】その他の形態の関門ユニットを示す図である。
【図35】その他の形態の関門ユニットを示す図である。
【図36】その他の形態の関門ユニットを示す図である。
【図37】その他の形態の関門ユニットを示す図である。
【図38】その他の形態の関門ユニットを示す図である。
【図39】その他の形態の関門ユニットを示す図である。
【図40】その他の形態の経路役物を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0016】
まず、本発明の遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ機1(以下、パチンコ機1と略称する)を正面からみた正面図であり、図2はパチンコ機1を示す背面図である。尚、以下の説明において、図1の手前側(遊技者側)をパチンコ機1の前面側、奥側を背面側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ機1の前面とは、遊技者側からパチンコ機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。
【0017】
図1に示すように、パチンコ機1は、縦長の方形状に形成された外枠100と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠(図示略)とで構成され、該遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示略)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示略)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。そしてパチンコ機1は、図1に示すように、上下方向を向く起立姿勢で図示しない遊技機設置島等の設置部に設置される。
【0018】
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球(パチンコ球)を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、透明な遊技盤6が遊技枠(図示略)に対して着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状の透明樹脂板と、その透明樹脂板に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、所定位置に遊技釘が立設され、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
【0019】
尚、これら遊技釘は、後述するように、遊技盤6の背面に設けられている各ルート内を流下する演出球の視認の妨げにならないように、これら各ルートの前方部分を可能な限り避ける態様にて穿設されている。
【0020】
遊技領域7の上部中央位置には、第1始動入賞口13が設けられ、その左右位置には、一般入賞口19が設けられている。
【0021】
また、遊技領域7の向かって左中央高さ位置にはワープ入口11が設けられているとともに、その下方位置には、ワープ入口11から遊技盤6の背面に設けられたワープ経路R4(図5参照)を流下する遊技球が、ワープ経路R4の経路途中で排出される途中排出口17と、ワープ経路R4の終端位置で排出される終端排出口12と、該終端排出口12と対向するように設けられ、該終端排出口12から排出された遊技球が入賞する第2始動入賞口14とが設けられている。
【0022】
遊技盤6の背面側には、第1始動入賞口13並びに第2始動入賞口14に入賞した始動入賞球を演出球として使用して、該演出球が流下可能な複数の流下経路(ルート)を備えるとともに、該ルート上に各種の仕掛け(ギミック)装置や後述する複数の関門ユニットを有し、これら流下経路(ルート)を演出球が各種の仕掛け(ギミック)装置や関門ユニットにより流下態様を変化しながら流下していくことにより演出を行うギミック演出装置9が遊技盤6のほぼ全面に渡って設けられ、これらギミック演出装置9を流下する演出球を、遊技者が透明遊技盤6を通して視認できるようになっているとともに、遊技領域7の中央位置には、ギミック演出装置9の流下経路(ルート)を成す後述する第3ルートを構成する透明管が遊技盤6の前面に露出するように設けられており、該透明管内を演出球が流下する様子を遊技者が視認できるようになっている。
【0023】
第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出され、第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、後述する揚送装置180にて揚送された後に第2始動口スイッチ14aによって検出され、一般入賞口19に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、入賞口スイッチ(図3参照)によって検出される。
【0024】
尚、本実施例の第1始動入賞口(第1始動口)13は可変入賞球装置15が設けられており、該可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第1始動入賞口13に入賞し易くなり、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態でも、第1始動入賞口13に入賞するが、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞し難い。
【0025】
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
【0026】
なお、この実施例では、図1に示すように、第1始動入賞口13に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよいし、第2始動入賞口14のみに可変入賞球装置15を設けた構成としても良い。
【0027】
また、図1に示すように、遊技領域7の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに発生する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
【0028】
また、第1始動入賞口13の向かって左側方位置には、図1に示すように、遊技球が通過可能なゲート32が設けられているとともに、遊技盤6の向かって右側下方位置には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、例えば、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。尚、これら普通図柄表示器10を、交互に点灯することによって可変表示が可能な2つのランプ等により構成しても良い。
【0029】
この実施例では、7セグメントLEDに、当りとなる図柄(例えば0)とハズレとなる図柄「−」の異なる2つの図柄を交互に表示することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に当りとなる図柄が表示されれば当りとなる。そして、当りとなる図柄が表示されて当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄表示器10に当り図柄が表示されて当りである場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第1始動入賞口13に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。また、普通図柄表示器10の近傍位置には、図1に示すように、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(例えば、4つのLED)を有する普通図柄保留記憶表示器17(図2参照)が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器17は点灯する表示部(LED)を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示部(LED)を1減らす。
【0030】
さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10に当り図柄が表示されて当りになる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8aにおける可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、この実施例では、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。
【0031】
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)ことによって、遊技球が始動入賞口に進入しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8aにおける可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行してもよい。
【0032】
また、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長するのでなく、普通図柄表示器10における当り図柄の表示確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10において当り図柄が表示されると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10において当りになる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、当り図柄が表示されて当りとなったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
【0033】
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
【0034】
また、特別図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
【0035】
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
【0036】
また、普通図柄表示器10の近傍位置には、図1に示すように、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aや、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8b(図2参照)が設けられている。この実施例では、第1特別図柄表示器8a並びに第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8a並びに第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
【0037】
この実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば2つの7セグメントLED等を用いて00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
【0038】
ギミック演出装置9は、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に連動して演出球による演出が実施されるように、後述する演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81によって制御される。また、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときにも、その可変表示に連動して演出球による演出が実施されるように、演出制御用マイクロコンピュータ81によって制御される。
【0039】
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
【0040】
これら特別図柄表示器の近傍には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する第1特別図柄保留記憶表示部(4つのLED)と、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示部(4つのLED)と、が設けられた特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示部は、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器(LED)の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器(LED)の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示部は、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数(LED)を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器(LED)の数を1減らす。
【0041】
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
【0042】
ギミック演出装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、遊技盤6の背面(一部前面)に設けられた複数の経路において演出球を流下させる経路演出を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、ギミック演出装置9における経路演出とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、ギミック演出装置9における経路演出とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が演出の開始および終了とほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間と演出の期間とがほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。
【0043】
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、ギミック演出装置9において、演出球が経路の下流位置に設けられている、回転可能に遊技側に傾斜配置され、大当りに対応する流入口であるV流入口とハズレ流入口とが外周に設けられた回転盤を有する大当り振分け役物140に到達してV流入口に流入するように演出制御用マイクロコンピュータ81によって制御される。一方、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されないときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されないときには、ギミック演出装置9において、ルートの途中に設けられた各関門において演出球が経路外に排出されるか、或いは、大当り振分け役物140に到達しても、ハズレ流入口に流入するように演出制御用マイクロコンピュータ81によって制御される。
【0044】
また、本実施例では、大当り振分け役物140の下方に、大当り振分け役物140と同様の構成とされたラウンド振分け役物150が設けられており、大当り振分け役物140において、発生した大当りのラウンド数(特別可変入賞球装置20の開閉板の開放数)が、具体的には、8ラウンドか、15ラウンドかが報知される。
【0045】
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する図示しない賞球LEDが設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する図示しない球切れLEDが設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LED25は、パチンコ機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
【0046】
また、打球供給皿3を構成する部材に、遊技者が操作可能な操作手段としての操作部50が設けられている。操作部50の内部には、点灯可能なLED50b(図3参照)と、操作部50の押圧操作を検出するための操作スイッチ50aが設けられている(図3参照)。
【0047】
パチンコ機1には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示略)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、ギミック演出装置9にて演出球による経路演出が開始される。すなわち、第1特別図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値である4に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
【0048】
遊技球が第2始動入賞口14に入り、後述する揚送装置にて揚送されて第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、ギミック演出装置9にて、演出球による経路演出が開始される。すなわち、第2特別図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値である4に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
【0049】
特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動表示時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放中に遊技球がV入賞領域に入賞しカウントスイッチ23で検出されると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、例えば15ラウンドや8ラウンドのような所定回数を上限値として許容される。このような制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれる。
【0050】
停止時の特別図柄表示器8における特別図柄が大当り図柄のうちの予め定められた特別な大当り図柄(確変大当り図柄)である場合には、大当り遊技状態後に大当りとすると判定される確率(大当り確率)が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。
【0051】
また、特別図柄表示器8での変動表示の停止時における特別図柄の表示結果が、確変大当り図柄である場合には、大当り遊技状態後に変動時間短縮状態である時短状態に所定期間に亘り制御される。時短状態とは、通常遊技状態に比べて、特別図柄表示器8および、普通図柄表示器10のそれぞれの変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。さらに、時短状態中には、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くされ、開放回数が増加させられる。時短状態中では、図柄の変動表示時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(例えば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。このように、確変大当りの場合は、大当り遊技状態の終了後の所定期間において、高確率状態かつ時短状態に制御されることとなる。大当り遊技状態の終了後の所定期間に亘る時短状態は、次の大当り遊技状態が発生するか、または、特別図柄の変動表示が所定回数(100回)行なわれるまでの、いずれか早い方の条件が成立するまで継続される。
【0052】
尚、本実施例では大当りとして、後述するように通常大当りA,Bおよび確変大当りというような複数種類の大当りが設けられている。以下の説明においては、大当りの種類を特定せずに単に「大当り」と示すときは、これら複数種類の大当りを代表して示す場合である。
【0053】
通常大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態にならず(低確率状態)、所定期間(例えば、始動回数100回)に亘り時短状態(高ベース状態)となる大当り(非確変大当り)である。このような、低確率状態かつ高ベース状態となった状態は、低確高ベース状態と呼ばれる。
【0054】
尚、本実施例では、これら通常大当りとして大当りにおいて付与されるラウンド数が15ラウンドの通常大当りAと、付与されるラウンド数が8ラウンドの通常大当りBとが決定される。
【0055】
確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、所定期間に亘り時短状態になる高確率状態、かつ、高ベース状態となる大当りである。このような、高確率状態かつ高ベース状態となった状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。確変大当りとなった後においては、所定期間が経過すると時短状態が終了し、高確率状態、かつ、低ベース状態になる。このような、高確率状態かつ低ベース状態となった状態は、高確低ベース状態と呼ばれる。
【0056】
また、入賞に応じた遊技球の払出しの面から考えると、時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における可変入賞球装置15の開放時間が長くされ、当り時における可変入賞球装置15の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて可変入賞球装置15が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、第1始動口13への入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだ遊技球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出される遊技球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。
【0057】
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。
【0058】
また、前述の時短状態に制御されていない状態においては、特別図柄の保留記憶数が所定個数以上となるごとに、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間を短縮する記憶変動短縮状態に制御する記憶変動短縮制御が行なわれるようにしても良い。つまり、時短状態に制御されていない状態においても、特別図柄の変動表示時間が短縮される場合があるようにしても良い。
【0059】
ここで、本実施例のギミック演出装置9について説明する。本実施例のパチンコ機1に用いたギミック演出装置9は、第1始動入賞貯留部41に貯留された第1始動入賞口13の始動入賞球、または第2始動入賞貯留部42に貯留された第2始動入賞口14の始動入賞球を各流下経路(ルート)を流下する演出球として使用し、演出球が大当り振分け役物140に到達してV流入口に流入するか否かにより、大当りとなるか否かの演出を演出球の流下状況によって行う。
【0060】
本実施例のギミック演出装置9は、図1、図5、図6に示すように、演出球が流下する経路(ルート)として、経路の長さが長い第1ルートR1と、第1ルートR1よりも経路の長さの短い第2ルートR2と、最も経路の短い第3ルートR3の、主に3つのルートを有している。
【0061】
第1ルートR1は、第2ルートR2、第3ルートR3は、いずれも第1始動入賞口13の直下位置に設けられている演出球振分け投入ユニット101を始点として設けられており、該演出球振分け投入ユニット101にて演出球が第1ルートR1は、第2ルートR2、第3ルートR3のいずれかに投入されて流下が開始される。
【0062】
この演出球振分け投入ユニット101には、第1始動入賞貯留部41並びに第2始動入賞貯留部42が連結されており、これら第1始動入賞貯留部41並びに第2始動入賞貯留部42に最大4個まで貯留される第1始動入賞口13や第2始動入賞口14の入賞球が、当該入賞球による特別図柄の可変表示に連動して演出球として演出球振分け投入ユニット101により投入される。
【0063】
尚、第1始動入賞貯留部41並びに第2始動入賞貯留部42は、図5に示すように、その前面部分が、内部に貯留されている遊技球を遊技者が視認可能な透明窓とされ、演出球振分け投入ユニット101に向けて傾斜配置された玉通路をなしている。
【0064】
そして、第1始動入賞貯留部41には、第1始動入賞口13の後方と結ぶ誘導通路40が連結されており、第1始動入賞口13に入賞した遊技球が第1始動入賞貯留部41に誘導されて貯留される。また、第2始動入賞貯留部42には、揚送装置180の上端と連結されたL字状の上部誘導通路44が連結されているとともに、揚送装置180の下端は、第2始動入賞口14に下部誘導通路43を介して連結されており、第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、下部誘導通路43→揚送装置180→上部誘導通路44を通じて第2始動入賞貯留部42に貯留される。
【0065】
尚、第2始動入賞貯留部42の流入口近傍位置には、第2始動口スイッチ14aが設けられており、該第2始動口スイッチ14aにて検出された遊技球が第2始動入賞貯留部42に流入するタイミング(早さ)と第1始動口スイッチ13aにて検出されて第1始動入賞貯留部41に入流するタイミングとが、ほぼ同じタイミングとなるようにされていることで、検出した時点から所定時間後において可変表示と経路演出とを開始することにより、入賞した入賞球が該開始時において第1始動入賞貯留部41並びに第2始動入賞貯留部42に貯留されて、該入賞球を演出球として確実に使用できるようになっている。
【0066】
第1ルートR1は、第2ルートR2は、4つのセクション(区間)に分けられ、各区間の接続部分には、4つの関門ユニットが設けられている。
【0067】
具体的に、第1ルートR1は、演出球振分け投入ユニット101から向かって左下方位置に設けられている第1ルート第1関門ユニット111までの区間が第1セクション(R1−1)であり、第1ルート第1関門ユニット111から第1ルート第2関門ユニット112までの区間が第2セクション(R1−2)であり、第1ルート第2関門ユニット112から第1ルート第3関門ユニット113までの区間が第3セクション(R1−3)であり、第1ルート第3関門ユニット113から第1ルート第4関門ユニット114までの区間が第4セクション(R1−4)であり、第1ルート第4関門ユニット114を通過する演出球が大当り振分け役物140に供給される。
【0068】
尚、本実施例の第1ルートには、第2セクション(R1−2)に分岐経路が設けられており、これら分岐経路のいずれか一方を演出球が通過し、通過した演出球はいずれも第1ルート第2関門ユニット112に到達する。
【0069】
また、第2ルートR2は、演出球振分け投入ユニット101から向かって右下方位置にて一旦折り返し、演出球振分け投入ユニット101から向かって左下方位置に設けられている第2ルート第1関門ユニット121までの区間が第1セクション(R2−1)であり、第2ルート第1関門ユニット121から第2ルート第2関門ユニット122までの区間が第2セクション(R2−2)であり、第2ルート第2関門ユニット122から第2ルート第3関門ユニット123までの区間が第3セクション(R2−3)であり、第2ルート第3関門ユニット123から第2ルート第4関門ユニット124までの区間が第4セクション(R2−4)であり、第2ルート第4関門ユニット124を通過する演出球が大当り振分け役物140に供給される。
【0070】
これら、第1ルートR1並びに第2ルートR2は、いずれも、図5に示すように、遊技盤6の背面側に、遊技盤6の背面に沿って設けられている。
【0071】
また、第3ルートR3は、演出球振分け投入ユニット101から垂直方向に向かう経路であり、図5に示すように、その一部が遊技盤6の前面の遊技領域に露出するように設けられている。そして、該露出部分は、第1分岐ルート(R3−1)と第2分岐ルート(R3−2)に分岐しており、これら分岐部には、演出球を第1分岐ルート(R3−1)と第2分岐ルート(R3−2)に振分ける第3ルート振分けユニット130が設けられていて、演出球は、これら第1分岐ルート(R3−1)と第2分岐ルート(R3−2)のいずれかに振分けられる。
【0072】
そして、これら各第1分岐ルート(R3−1)と第2分岐ルート(R3−2)上には、第3ルート第1関門ユニット131と、第3ルート第2関門ユニット132が設けられており、これら第3ルート第1関門ユニット131と、第3ルート第2関門ユニット132により下方への演出球の流下が演出制御用マイクロコンピュータ81によって阻止され、該演出球が第1分岐ルート(R3−1)または第2分岐ルート(R3−2)の経路外に排出される場合がある。
【0073】
この第3ルートR3も、第1ルートR1並びに第2ルートR2と同じく、大当り振分け役物140に連結されており、第3ルート第1関門ユニット131または第3ルート第2関門ユニット132を通過した演出球が大当り振分け役物140に供給される。
【0074】
尚、これら第1ルートR1、第2ルートR2の経路上には、図1、図4に示すように、経路内に出没する複数のピストンや回転体等を有して、第1ルートR1、第2ルートR2内を流下する演出球の流下状態に変化を与える各種の役物装置、具体的には、第1ルート第1セクションに配置された第1ルート第1セクション役物161や、第1ルート第2セクションに配置された第1ルート第2セクション役物162a〜eや、第2ルート第1セクションに配置された第2ルート第1セクション役物171a,171bや、第2ルート第3セクションに配置された第2ルート第3セクション役物173が設けられている。
【0075】
ここで、各ルートの関門に設けられる関門ユニットについて、第1ルート第1関門ユニット111を例に、図7、図8を用いて説明する。
【0076】
第1ルート第1関門ユニット111は、図7に示すように、第1ルート第1セクション(R1−1)と第1ルート第2セクション(R1−2)との接続部となる経路の折り返し部分に設けられた装置であり、第1ルート第1セクション(R1−1)を流下して来た演出球を次ぎのセクションである第1ルート第2セクション(R1−2)に通過させる通過機能と、第1ルート第1セクション(R1−1)を流下して来た演出球を第1ルート第2セクション(R1−2)に通過させずに経路外に排出する排出機能と、演出球が所定の到着時間までに到着センサ204にて検出されないときに、新たな演出球を次のセクションである第1ルート第2セクション(R1−2)に放出する放出機能とを有している。
【0077】
第1ルート第1関門ユニット111は、図7に示すように、第1ルート第1セクション(R1−1)の終端部並びに第1ルート第2セクション(R1−2)の始端部に、遊技球を収納可能な複数(本実施例では4つ)の凹部202’が形成された外周が臨むように配置された円形の回転体202と、該回転体202を回転駆動するステッピングモータ201と、第1ルート第1セクション(R1−1)の終端位置に到着した演出球を検出するための到着検出センサ204と、回転体202が所定角度に位置することで、前記凹部202’に収納された演出球が排出されて遊技盤6の背面側に設けられた排出路215に誘導する排出口210と、第1ルート第2セクション(R1−2)の始端位置に設けられ、演出球貯留部212に貯留されている演出球が第1ルート第2セクション(R1−2)に供給される演出球供給口211とを備えている。
【0078】
演出球貯留部212は、一般入賞口19に連結されており、一般入賞口19に入賞した入賞球が演出球貯留部212に貯留され、該貯留された遊技球が演出球供給口211に接続された供給路213を介して演出球供給口211から第1ルート第2セクション(R1−2)に供給されることにより、演出球として使用できるようになっている。
【0079】
尚、演出球貯留部212には、演出球貯留部212内に遊技球が貯留されていることを検知するための貯留センサ205が設けられているとともに、供給路213への流出部には、供給路213への流入口の開閉により貯留されている遊技球の供給路213への流入を制御する開閉ユニット203が設けられており、これら開閉ユニット203にて供給路213への流入口の開放されることで、1の遊技球が演出球供給口211から第1ルート第2セクション(R1−2)に供給される。
【0080】
尚、貯留センサ205は、演出球貯留部212の流出口の近傍に設けられており、貯留センサ205にて遊技球が検出されていない場合には、貯留センサ205に1球の遊技球も貯留されていないことになるので、これら貯留センサ205による遊技球の検出がない場合には、該第1ルート第1関門ユニット111(他の関門ユニットも同じ)から演出制御用CPU86に対して、貯留エラーが出力されることで、演出球として使用する遊技球が不足していることが、ガラス扉枠2に設けられた図示しない補充LEDが点灯されて報知される。この補充LEDが点灯された場合には、入賞口19から遊技球を投入することで、該遊技球が演出球貯留部212に貯留される。
【0081】
これら演出球貯留部212が一杯になっている場合には、一般入賞口19に入賞した入賞球は、演出球貯留部212に貯留されることなく、オーバーフロー経路21を介して排出路215に排出される。
【0082】
尚、これら排出路215は、順次、下方に設けられている他の関門ユニット(例えば、第1ルート第2関門ユニット121)の演出球貯留部に接続されており、一般入賞口19に入賞した入賞球や、各関門ユニットにて経路外に排出された演出球が各演出球貯留部に貯留される。
【0083】
図7(a)は、演出球による経路演出が、第1ルート第1セクション(R1−1)で終了せずに、次のセクションに通過される場合を示しており、第1ルート第1セクション(R1−1)の終端に到着して到着検出センサ204により検出された演出球は、回転体202が時計回りに回転することにより、凹部202’に収納された状態で回転体202の回転に伴って外周を移動し、次のセクションである第1ルート第2セクション(R1−2)の始端部において第1ルート第2セクション(R1−2)の経路内へ排出されるので、次のセクションである第1ルート第2セクション(R1−2)に通過される。
【0084】
図7(b)は、演出球による経路演出が、第1ルート第1セクション(R1−1)で終了する場合において、排出口210から演出球が排出される場合の状態を示す図である。 図7(b)に示すように、第1ルート第1セクション(R1−1)の終端に到着して到着検出センサ204により検出された演出球は、回転体202の回転により凹部202’に収納された状態で回転体202の回転に伴って外周を移動し、該凹部202’が排出口210に対応する位置に到達したときに、該排出口210へ排出されるので、次のセクションである第1ルート第2セクション(R1−2)には通過されない。
【0085】
図7(c)は、演出球による経路演出が、第1ルート第1セクション(R1−1)で終了せずに、次のセクションに通過されるときに、所定の通過時間となっても演出球が到着しない場合を示しており、所定の通過時間において到着検出センサ204により演出球が検出されない場合には、開閉ユニット203により供給路213への流入口の開放されて演出球貯留部212に貯留されている遊技球が演出球供給口211から第1ルート第2セクション(R1−2)に供給されることで、次のセクション以降の経路演出が、所定のタイムスケジュール(関門ユニットにおける通過時間)通りに実施されていく。尚、所定の通過時間に遅れて到達した演出球は、図7(b)と同様にして経路外に排出される。
【0086】
これら第1ルート第1関門ユニット111の構成は、図8のブロック図に示すようになっており、ステッピングモータ201、開閉ユニット203、到着検出センサ204、貯留センサ205が接続されて、第1ルート第1関門ユニット111の動作を、演出制御用マイクロコンピュータ81からの指示により制御するコントローラ200と、演出制御用マイクロコンピュータ81とのデータの入出力を行うシリアル入力回路206並びにシリアル出力回路207とを有している。
【0087】
尚、上記においては、第1ルート第1関門ユニット111を例に説明したが、その他の各関門ユニットも、回転体の構成等が異なるのみで、上述した演出球の通過機能、排出機能、放出機能を有しており、これらの機能を有するものであれば、どのような形態の関門ユニットも使用することができる。但し、第3ルート第1関門ユニット131と第3ルート第2関門ユニット132は、通過機能、排出機能のみを有し、放出機能は有していない。
【0088】
また、第1ルート第4関門ユニット114と第2ルート第4関門ユニット124は、図1に示すように、回転することにより遊技球を揚送可能なスクリュー部材が内部に設けられたものとされている点が異なるものの、その内部には、到達した演出球を経路外に排出する排出口並びに新たな演出球の供給口(図6参照)が設けられており、他の関門ユニットと同じく、演出球の通過機能、排出機能並びに放出機能を備えている。
【0089】
次いで、本実施例に用いた大当り振分け役物140にいて簡潔に説明すると、大当り振分け役物140は、該大当り振分け役物140に到達した演出球を用いて、可変表示結果が大当りの表示結果となるか否か、つまり、大当りであるか否かを遊技者に報知する大当り振分け演出を行う装置であり、遊技側(前方側)に傾斜して回転可能に配置された回転盤を有し、該回転盤の外周に形成されたV流入口とハズレ流入口とのいずれかに演出球が流入することにより、大当りとなるか否かが報知される。
【0090】
つまり、第1ルート第4関門ユニット114、第2ルート第4関門ユニット124、第3ルート第1関門ユニット131、または第3ルート第2関門ユニット132を通過して大当り振分け役物140に到達した演出球は、回転盤上に供給され、回転盤上において傾斜している遊技者側の最も低い位置に滞留することになり、大当りであるとき(可変表示結果が大当りの図柄となるときに)は、特別図柄の導出表示とほぼ同時に、この演出球が滞留している位置にV流入口が回転移動されることで、演出球がV流入口に流入して大当りであることが報知され、大当りでないとき(可変表示結果が大当りの図柄とならないときに)は、特別図柄の導出表示とほぼ同時に、この演出球が滞留している位置にハズレ流入口が回転移動されることで、演出球がハズレ流入口に流入してハズレであることが報知される。
【0091】
これら大当り振分け役物140の下方位置に設けられているラウンド振分け役物150の構成も、大当り振分け役物140と同様とされており、該大当り振分け役物140においてV流入口に流入した演出球がラウンド振分け役物150に供給されて、発生する大当りにおけるラウンド数が8ラウンドか、15ラウンドかを遊技者に報知するラウンド振分け演出を行う装置であり、遊技側(前方側)に傾斜して回転可能に配置された回転盤を有し、該回転盤の外周に形成された8ラウンド流入口と15ラウンド流入口とのいずれかに演出球が流入することにより、大当りのラウンド数が報知される。
【0092】
つまり、大当り振分け役物140を通過してきた演出球は、回転盤上に供給され、回転盤上において傾斜している遊技者側の最も低い位置に滞留することになり、大当りのラウンド数が8ラウンド、つまり、大当りが後述する通常大当りBである場合には、この演出球が滞留している位置に8ラウンド流入口が回転移動されることで、演出球が8ラウンド流入口に流入して8ラウンドであることが報知されるとともに確変大当りでないことが報知され、大当りのラウンド数が15ラウンド、つまり、大当りが後述する確変大当りまたは通常大当りAである場合には、この演出球が滞留している位置に15ラウンド流入口が回転移動されることで、演出球が15ラウンド流入口に流入して15ラウンドであることとともに確変大当りである可能性があることが報知される。
【0093】
尚、これら演出球がラウンド振分け役物150におけるラウンド振分け演出は、大当り振分け役物140における大当り振分け演出により大当りであることが報知された直後に実施されるもの(第1ラウンド振分け演出)以外に、大当り中の所定時期(例えば、ラウンド数が5回となった時点)においても第2ラウンド振分け演出が実施される場合がある。
【0094】
つまり、第1ラウンド振分け演出においては、大当りのラウンドが15ラウンドに決定されている場合であっても、8ラウンドであることを報知する演出を抽選による実施する場合があり、これら15ラウンドに決定されている場合に第1ラウンド振分け演出において8ラウンドであることを報知する演出を実施した場合には、第2ラウンド振分け演出(昇格演出ともいう)において15ラウンドであることが報知される。
【0095】
次に、パチンコ機1の背面(裏面)の構造について図2を参照して説明する。図2は、パチンコ機を示す背面図である。
【0096】
図2に示すように、パチンコ機1裏面側では、ギミック演出装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む演出制御ユニット、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、LEDドライバ基板35、および、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。
【0097】
さらに、パチンコ機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板960や発射制御基板91Aが設けられている。電源基板960は、発射制御基板91Aの背面側に取り付けられ、その背面側に払出制御基板37が重なっているが、払出制御基板37に重なることなく外部から視認可能に露出した露出部分には、パチンコ機1における主基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチが設けられている。さらに、露出部分における電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
【0098】
尚、演出制御基板80には、演出制御用マイクロコンピュータ81を含む電気部品制御手段が搭載されている。演出制御手段は、遊技制御手段となる主基板31等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)にしたがってパチンコ機1に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、ギミック演出装置9、LEDなどの発光体、スピーカ27L、27R、27a、27b等)を制御する。以下、主基板31を電気部品制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、演出制御基板80に搭載される電気部品制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号にしたがってパチンコ機1に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。
【0099】
パチンコ機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ機1外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板(図示略)が設置されている。ターミナル基板には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報をパチンコ機1外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)36が設置されている。
【0100】
図示しない遊技機設置島から供給される球を貯留可能な球タンク38に貯留された遊技球は、タンクレールを通り、カーブ樋を経てケースカバーで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方の球経路761には、通路内に球がない旨を検出する遊技媒体切れ検出手段としての球切れ検出スイッチ167が設けられている。球切れ検出スイッチ167が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れ検出スイッチ167は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチである。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
【0101】
入賞に基づく景品としての遊技球や球貸し要求に基づく遊技球が多数払出されて上皿3が満杯になると、遊技球は後述する溢れ球通路を経て下皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、スイッチ片(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19(図3参照)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
【0102】
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施例では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ156には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路53が内蔵されている。
【0103】
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
【0104】
乱数回路53は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路53は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
【0105】
乱数回路53は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切替え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
【0106】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路53が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路53が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路53が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
【0107】
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aにて入賞球を検出したときに乱数回路53から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
【0108】
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
【0109】
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
【0110】
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
【0111】
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
【0112】
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ81で構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から、特別図柄の可変表示時間を特定可能な演出内容(演出パターン)を指示する演出制御コマンドを受信し、該演出制御コマンドから特定される可変表示時間においてギミック演出装置9における経路演出の制御を行う。
【0113】
図4に示すように、演出制御基板80は、演出制御用CPU86、RAM85を含む演出制御用マイクロコンピュータ81を搭載している。演出制御基板80において、演出制御用CPU86は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作しシリアル入力回路60および入力ポート61を介して演出制御コマンドを受信する。この場合、シリアル入力回路60は、シリアルデータ方式として受信した演出制御コマンドをパラレルデータに変換し出力する。そして、演出制御コマンドにもとづいて、ギミック演出装置9における演出球による経路演出を制御する。なお、RAMは外付けであってもよい。
【0114】
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路(図示略)が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。さらに、単方向性回路であるI/Oポート部を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。
【0115】
演出制御基板80には、シリアル出力回路93、シリアル入力回路92、クロック信号出力部91および入力取込信号出力部94を含む入出力回路90が設けられており、該入出力回路90に、前述した音声出力基板70、LEDドライバ基板35、操作部50並びにギミック演出装置9が接続されている。
【0116】
演出制御用CPU86は、入出力回路90を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU86は、入出力回路90を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
【0117】
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ(図示略)を介してLEDドライバに入力される。LEDドライバは、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤6側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
【0118】
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ(図示略)を介して音声合成用IC(図示略)に入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路(図示略)に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM(図示略)には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば特別図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
【0119】
また、演出制御用CPU86は、入出力回路90を介して操作部50に接続されており、該入出力ポートを介して操作部50内のLED50bを駆動する信号を出力するとともに、操作部50内の操作スイッチ50aから遊技者の押圧操作に応じて出力される操作信号が入力される。
【0120】
また、演出制御用CPU86は、図4に示すように、入出力回路90並びに中継基板99を介してギミック演出装置9に接続され、該ギミック演出装置9を構成する図4の各ユニットや各装置と接続されていることにより、これら各ユニットや各装置を制御する。
【0121】
つまり、図4に示すように、演出球振分け投入ユニット101や、第1ルート第1関門ユニット111〜第3ルート第2関門ユニット132から成る各関門ユニットや、大当り振分け役物140や、ラウンド振分け役物150や、揚送装置180や、第1ルート第1セクション役物161〜第2ルート第3セクション役物173から成る各種セクション役物や、経路の近傍に設けられて動作する演出役物等が接続されており、これらの動作制御を演出制御用CPU86が実施する。
【0122】
次に、本実施例に用いたギミック演出装置9における演出球が流れ方の態様(パターン)を図9に示す。
【0123】
遊技により第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞した遊技球(入賞球)は、第1始動入賞貯留部41または第2始動入賞貯留部42に、当該入賞に対応した可変表示が第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにて開始されるまで、貯留される。
【0124】
そして、当該入賞に対応した可変表示が第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにて開始されるとほぼ同時に経路演出が開始され、第1始動入賞貯留部41または第2始動入賞貯留部42に貯留されている当該遊技球(入賞球)が演出球として、第1ルート、第2ルート、第3ルートのいずれかに決定されたルートに振分け放出される。
【0125】
これら演出球が放出されるルートや、放出されたルートにおいて到達するセクションは、該演出球の入賞時において、遊技制御用マイクロコンピュータ560により事前決定された演出パターン種別に基づいて決定される。
【0126】
具体的には、後述するように、遊技制御用マイクロコンピュータ560により事前決定された演出パターン種別がはずれの演出パターンであるか大当りの演出パターンであるかにより異なる。
【0127】
演出パターン種別が大当りのときには、いずれのルートであっても最終の大当り振分け役物140まで通過して、該大当り振分け役物140にてV流入口に入流するように制御され、その後、ラウンド振分け役物150にてラウンド振分け演出に使用される。
【0128】
また、ハズレの演出パターンである場合には、演出パターン種別で異なる。演出パターン種別が非リーチA、Bである場合には、第1セクションで経路演出が終了(第1ルート第1関門ユニット111または第2ルート第1関門ユニット121で排出)され、演出パターン種別がノーマルリーチA、Bである場合には、第2セクションで経路演出が終了(第1ルート第2関門ユニット112または第2ルート第2関門ユニット122で排出)され、演出パターン種別がスーパーリーチA、Bである場合には、第3セクションで経路演出が終了(第1ルート第3関門ユニット113または第2ルート第3関門ユニット123で排出)され、演出パターン種別がスペシャルリーチA、Bである場合には、第4セクションで経路演出が終了(第1ルート第4関門ユニット114または第2ルート第4関門ユニット124で排出)され、演出パターン種別が激烈リーチである場合には、大当り振分け役物140にてハズレとなる。
【0129】
尚、決定された演出パターン種別が、確変状態または時短状態において決定される短縮または超短縮の演出パターンである場合には、全て、第3ルートが決定される。
【0130】
次に、本実施例のパチンコ機1における特別図柄の可変表示時間に基づく演出パターンについて、図10を用いて説明する。図10は、あらかじめ異なる可変表示時間に決定された演出パターンを示す説明図である。図10に示すように、この実施例では、可変表示結果が「ハズレ」である場合には、可変表示時間が最も短い「超短縮」から、可変表示時間が最も長い「激烈リーチA」までの12の演出パターンが予め設けられている。
【0131】
最も可変表示時間が短い「超短縮」の演出パターンにて特別図柄の可変表示が実施される場合には、ギミック演出装置9においては、第3ルートの途中の第3ルート第1関門ユニット131または第3ルート第2関門ユニット132にて演出球が排出される経路演出が実施される。
【0132】
「短縮」の演出パターンにて特別図柄の可変表示が実施される場合にギミック演出装置9においては、第3ルートを通過した演出球が大当り振分け役物140においてハズレ流入口に流入する経路演出が実施される。
【0133】
「非リーチA」の演出パターンにて特別図柄の可変表示が実施される場合には、第1ルート途中の第1ルート第1関門ユニット111にて演出球が排出される経路演出が実施される経路演出が実施される。
【0134】
「非リーチB」の演出パターンにて特別図柄の可変表示が実施される場合には、第2ルート途中の第2ルート第1関門ユニット121にて演出球が排出される経路演出が実施される経路演出が実施される。
【0135】
「ノーマルリーチA」の演出パターンにて特別図柄の可変表示が実施される場合には、第1ルート途中の第1ルート第2関門ユニット112にて演出球が排出される経路演出が実施される経路演出が実施される。
【0136】
「ノーマルリーチB」の演出パターンにて特別図柄の可変表示が実施される場合には、第2ルート途中の第2ルート第2関門ユニット122にて演出球が排出される経路演出が実施される経路演出が実施される。
【0137】
「スーパーリーチA」の演出パターンにて特別図柄の可変表示が実施される場合には、第1ルート途中の第1ルート第3関門ユニット113にて演出球が排出される経路演出が実施される経路演出が実施される。
【0138】
「スーパーリーチB」の演出パターンにて特別図柄の可変表示が実施される場合には、第2ルート途中の第2ルート第3関門ユニット123にて演出球が排出される経路演出が実施される経路演出が実施される。
【0139】
「スペシャルリーチA」の演出パターンにて特別図柄の可変表示が実施される場合には、第1ルート途中の第1ルート第4関門ユニット114にて演出球が排出される経路演出が実施される経路演出が実施される。
【0140】
「スペシャルリーチB」の演出パターンにて特別図柄の可変表示が実施される場合には、第2ルート途中の第2ルート第4関門ユニット124にて演出球が排出される経路演出が実施される経路演出が実施される。
【0141】
「激烈リーチA」の演出パターンにて特別図柄の可変表示が実施される場合には、第1ルートを通過した演出球が大当り振分け役物140においてハズレ流入口に流入する経路演出が実施される。
【0142】
「激烈リーチB」の演出パターンにて特別図柄の可変表示が実施される場合には、第2ルートを通過した演出球が大当り振分け役物140においてハズレ流入口に流入する経路演出が実施される。
【0143】
また、図10に示すように、この実施例では、可変表示結果が「大当り」である場合には、「短縮」、「激烈リーチA」、「激烈リーチB」の演出パターンが予め設けられている。
【0144】
大当りとなる場合の「短縮」の演出パターンにて特別図柄の可変表示が実施される場合にギミック演出装置9においては、第3ルートを通過した演出球が大当り振分け役物140においてV流入口に流入する経路演出が実施される。
【0145】
大当りとなる場合の「激烈リーチA」の演出パターンにて特別図柄の可変表示が実施される場合には、第1ルートを通過した演出球が大当り振分け役物140においてV流入口に流入する経路演出が実施される。
【0146】
大当りとなる場合の「激烈リーチB」の演出パターンにて特別図柄の可変表示が実施される場合には、第2ルートを通過した演出球が大当り振分け役物140においてV流入口に流入する経路演出が実施される。
【0147】
よって、大当りとなる「短縮」、「激烈リーチA」、「激烈リーチB」の演出パターンにおける可変表示時間は、ハズレとなる場合の「短縮」、「激烈リーチA」、「激烈リーチB」の演出パターンにおける可変表示時間と同一とされており、最終的に大当りとなるかハズレとなるかを可変表示時間から遊技者が判別することは困難とされている。
【0148】
遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、これら演出パターンの内から1の演出パターンが決定されて、該決定された演出パターンを特定可能な演出パターンコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ81(演出制御用CPU86)に出力され、該演出パターンコマンドにより特定される演出パターンに対応した経路演出がギミック演出装置9において実施される。
【0149】
尚、本実施例では、演出パターンの種別として「非リーチ」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」、「スペシャルリーチ」、「激烈リーチ」というようにリーチの名称を使用しているが、特別図柄の可変表示において、これら特別図柄の可変表示とともに3つの演出図柄(飾り図柄)を個別の表示領域に表示する従来の演出図柄表示装置において、2つの演出図柄(飾り図柄)が揃った表示状態であるリーチ状態が実際に生じる演出パターンではなく、これらの演出パターンは、各演出パターンが従来の演出図柄表示装置における演出図柄(飾り図柄)において該当する変動パターンの名称を単に踏襲しているものに過ぎず、これらの名称は演出パターンの具体的な演出状況を示すものではなく、適宜な名称を適用しても良い。
【0150】
なお、この実施例では、図10に示すように、演出パターンの種類に応じて特別図柄の可変表示時間が固定的に定められている形態(例えば、非リーチAの場合は6.75秒で固定であり、スーパーリーチAの場合には変動時間が20.50秒で固定であり、激烈リーチBの場合には変動時間が26.50秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチAであっても、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数、或いは、第1保留記憶数と第2保留記憶数の合計である合算保留記憶数に応じて、特別図柄の可変表示時間を異ならせるようにしてもよい。具体的には、スーパーリーチAの場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数、或いは合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数、或いは合算保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の演出パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の演出パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数や第2保留記憶数、或いは合算保留記憶数の値に応じた判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
【0151】
図11は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する確変大当り、通常大当りA、通常大当りB)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):演出パターンの種類(種別)を決定する(演出パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):演出パターン(パターンAまたはパターンB)を決定する(演出パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
【0152】
なお、この実施例では、演出パターンは、まず、演出パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて演出パターン種別を決定し、演出パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した演出パターン種別に含まれるいずれかの演出パターン(パターンAまたはパターンB)に決定する。そのように、この実施例では、2段階の抽選処理によって演出パターンが決定されるが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら演出パターンを1の乱数を用いて1段階にて決定するようにしても良い。
【0153】
図12(a)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図12(a)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図12(a)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図12(a)に記載されている数値が大当り判定値である。
【0154】
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図12(a)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りにすることに決定する。なお、図12(a)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
【0155】
よって、本実施例では、通常遊技状態(低確状態)においては、大当り確率が1/399であるのに対し、確変状態(高確状態)においては、大当り確率が10倍の1/40となり、大当りが発生し易くなる。
【0156】
また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
【0157】
図12(b)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)を示す説明図である。大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづいて大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブルである。つまり、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)は、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「確変大当り」、「通常大当りA」、「通常大当りB」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
【0158】
なお、この実施例では、「確変大当り」に対して6個の判定値が割り当てられ(40分の6の割合で確変大当りと決定される)、「通常大当りA」に対して14個の判定値が割り当てられている(40分の14の割合で通常大当りAと決定される)、「通常大当りB」に対して20個の判定値が割り当てられている(40分の20の割合で通常大当りBと決定される)。従って、この実施例では、第1特別図柄の可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときには、8ラウンドの通常大当りBが最も決定され易く、確変大当りが最も決定され難い。
【0159】
図12(c)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を示す説明図である。大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづいて大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブルである。つまり、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)は、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「確変大当り」、「通常大当りA」、「通常大当りB」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
【0160】
なお、この実施例では、「確変大当り」に対して15個の判定値が割り当てられ(40分の15の割合で確変大当りと決定される)、「通常大当りA」に対して15個の判定値が割り当てられている(40分の15の割合で通常大当りAと決定される)、「通常大当りB」に対して10個の判定値が割り当てられている(40分の10の割合で通常大当りBと決定される)。従って、この実施例では、第2特別図柄の可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときには、15ラウンドの確変大当りまたは通常大当りAが決定され易く、通常大当りBが最も決定され難い。
【0161】
また、本実施例では、上述したように、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の可変表示が実行される場合と、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の可変表示が実行される場合とで、「確変大当り」、「通常大当りA」、「通常大当りB」に決定される割合がことなり、第1始動入賞口13に入賞した場合においては第2始動入賞口14に入賞した場合よりも「通常大当りB」が決定され易く、第2始動入賞口14に入賞した場合においては第1始動入賞口13に入賞した場合よりも「確変大当り」が決定され易くなっている。
【0162】
また、同様に、第1始動入賞口13に入賞した場合においては第2始動入賞口14に入賞した場合よりも8ラウンドの大当りが決定され易く、第2始動入賞口14に入賞した場合においては第1始動入賞口13に入賞した場合よりも15ラウンドの大当りが決定され易くなっている。
【0163】
尚、本実施例では遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に入賞して、第1始動口スイッチ13aや第2始動口スイッチ14aにて検出された時点で、大当りの判定や大当り種別を決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの判定を、始動入賞したことにもとづく保留記憶による特別図柄の可変表示が開始される時点において実施するようにしても良い。
【0164】
本実施例の「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態および所定期間(可変表示回数100回)までの時短状態(確変・時短状態、高確高ベース状態)が付与される大当りである。
【0165】
尚、本実施例では、時短状態が付与される所定期間を可変表示回数100回としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら所定期間を次の大当りが発生するまでとして、始動回数による制限を設けないようにしても良い。
【0166】
「通常大当りA」とは、確変大当りと同じく15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態とはならずに、可変表示を100回終了するまで(始動回数が100回となるまで)、時短状態のみの低確高ベース状態に移行させる大当りである。つまり、大当り終了後、変動表示が100回となるまで時短状態が継続する。
【0167】
「通常大当りB」とは、8ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態とはならずに、可変表示を100回終了するまで(始動回数が100回となるまで)、時短状態のみの低確高ベース状態に移行させる大当りである。つまり、大当り終了後、変動表示が100回となるまで時短状態が継続する。
【0168】
尚、本実施例では、設定していないが、確変大当りについても8ラウンドの確変大当りBを設定して、8ラウンドの大当りの発生した場合でも、その後の遊技状態が、高確状態にあるのか或いは低確状態にあるのかを遊技者が判別できないようにしても良い。
【0169】
図13(a)は、大当り演出パターン判定テーブルA(通常用)を示す説明図である。大当り演出パターン判定テーブルA(通常用)は、低確低ベース状態(通常遊技状態)並びに高確低ベース状態において可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、演出パターンを、演出パターン判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類(「短縮」、「激烈リーチA」、「激烈リーチB」)のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
【0170】
大当り演出パターン判定テーブルA(通常用)には、図13(a)に示すように、演出パターン判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、「短縮」、「激烈リーチA」、「激烈リーチB」の演出パターンのいずれかに対応する判定値が、大当りの種別毎に設定されている。
【0171】
これら判定値の数としては、図13(a)に示すように、大当りの種別が「確変大当り」である場合には、「短縮」や「激烈リーチA」に比較して「激烈リーチB」の判定値の数が多くなるように設定されており、「確変大当り」となる場合には、演出パターンとして「激烈リーチB」が多く決定されることで、ギミック演出装置9においては、第2ルートの経路演出が多く実施されるように設定されている。
【0172】
一方、大当りの種別が「通常大当りA」または「通常大当りB」である場合には、「短縮」や「激烈リーチB」に比較して「激烈リーチA」の判定値の数が多くなるように設定されており、「通常大当り」となる場合には、演出パターンとして「激烈リーチA」が多く決定されることで、ギミック演出装置9においては、第1ルートの経路演出が多く実施されるように設定されている。
【0173】
また、これら低確低ベース状態(通常遊技状態)並びに高確低ベース状態、つまり、時短制御が実施されていない遊技状態においても、「短縮」に対して判定値の数が割り当てられているとともに、これら判定値の数が「確変大当り」となる場合の方が「通常大当り」となる場合に比較して多く設定されており、これら時短制御が実施されていない遊技状態において「短縮」の演出パターンが決定されることにより、ギミック演出装置9においては、第3ルートの経路演出が実施されるので、これら時短制御が実施されていない遊技状態において第3ルートの経路演出が実施された場合には、確変大当りになるのではないかという期待を遊技者に与えることができるようになっている。
【0174】
また、図13(b)は、大当り演出パターン判定テーブルB(時短用)を示す説明図である。大当り演出パターン判定テーブルB(時短用)は、低確高ベース状態並びに高確高ベース状態において可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、演出パターンを、演出パターン判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類(「短縮」、「激烈リーチA」、「激烈リーチB」)のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
【0175】
大当り演出パターン判定テーブルB(時短用)には、図13(b)に示すように、演出パターン判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、「短縮」、「激烈リーチA」、「激烈リーチB」の演出パターンのいずれかに対応する判定値が、大当りの種別毎に設定されている。
【0176】
これら判定値の数としては、図13(b)に示すように、大当りの種別が「確変大当り」である場合には、「短縮」や「激烈リーチA」に比較して「激烈リーチB」の判定値の数が多くなるように設定されており、「確変大当り」となる場合には、演出パターンとして「激烈リーチB」が多く決定されることで、ギミック演出装置9においては、第2ルートの経路演出が多く実施されるように設定されている。尚、「短縮」の演出パターンに割り当てられている判定値の数が大当り演出パターン判定テーブルA(通常用)よりも多く(10→30)設定されることで、時短状態において大当りが発生する場合にも、「短縮」の演出パターンが決定されやすくなっている。
【0177】
また、大当りの種別が「通常大当りA」または「通常大当りB」である場合には、「短縮」や「激烈リーチB」に比較して「激烈リーチA」の判定値の数が多くなるように設定されており、「通常大当り」となる場合には、演出パターンとして「激烈リーチA」が多く決定されることで、ギミック演出装置9においては、第1ルートの経路演出が多く実施されるように設定されている。尚、「短縮」の演出パターンに割り当てられている判定値の数が大当り演出パターン判定テーブルA(通常用)よりも多く(3→10)設定されることで、時短状態において大当りが発生する場合にも、「短縮」の演出パターンが決定されやすくなっている。
【0178】
図14(a)〜(c)は、本実施例のハズレ用演出パターン種別判定テーブルA〜Cを示す説明図である。ハズレ用演出パターン種別判定テーブルA〜Cは、可変表示結果をハズレ図柄にする旨の判定がなされたとき(大当りとすることを決定しなかったとき)に、演出パターンを、演出パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
【0179】
各ハズレ用演出パターン種別判定テーブルAには、遊技状態が低確低ベース状態、または高確低ベース状態において演出パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、「非リーチ」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」、「スペシャルリーチ」、「激烈リーチ」の演出パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
【0180】
また、ハズレ用演出パターン種別判定テーブルB、Cには、遊技状態が低確高ベース状態、または高確高ベース状態において演出パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、「短縮、超短縮」、「非リーチ」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」、「スペシャルリーチ」、「激烈リーチ」の演出パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
【0181】
ハズレ用演出パターン種別判定テーブルBは、第1特別図柄の可変表示の演出パターンを決定する際に参照されるテーブルであり、ハズレ用演出パターン種別判定テーブルCは、第2特別図柄の可変表示の演出パターンを決定する際に参照されるテーブルである。
【0182】
尚、図14(a)〜(c)に示すように、この実施例では、ハズレである場合には、演出パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が190〜251であれば、遊技状態にかかわらず、少なくともスーパーリーチよりも可変表示時間が長い演出パターンが決定されることがわかる。
【0183】
また、図14(a)示す通常用のハズレ用演出パターン種別判定テーブルAにおいては、「超短縮」や「短縮」の演出パターン種別に対して判定値の割り当てがないのに対し、短縮用のハズレ用演出パターン種別判定テーブルB、Cにおいては、「超短縮」や「短縮」の演出パターン種別に対して判定値が割り当てられていることにより、変動時間が短い「超短縮」(変動時間1.25秒)や「短縮」(変動時間2.5秒)が決定されるようになるため、変動時間の平均時間が通常よりも短縮されることで、単位時間当たりに実施される変動回数が多くなる。
【0184】
更に、第2特別図柄に対応するハズレ用演出パターン種別判定テーブルCにおいて「超短縮」や「短縮」の演出パターン種別に対して割り当てられている判定値の数が、第1特別図柄に対応するハズレ用演出パターン種別判定テーブルBにおいて「超短縮」や「短縮」の演出パターン種別に対して割り当てられている判定値の数よりも多いことにより、「超短縮」や「短縮」の演出パターンが決定される時短状態においては、第2始動入賞による第2特別図柄の可変表示において、可変表示時間が短い「超短縮」や「短縮」が多く決定されることで、第3ルートの演出が多く発生するようになる。
【0185】
図15は、本実施例のハズレ用演出パターン判定テーブルを示す説明図である。ハズレ用演出パターン判定テーブルは、図14に示す各ハズレ用演出パターン種別判定テーブルA〜Cに基づいて演出パターン種別が決定されたときに、該決定された演出パターン種別のうち、パターンAまたはパターンBのいずれのパターンとするかを決定するために参照されるテーブルである。
【0186】
本実施例のハズレ用演出パターン判定テーブルには、遊技状態が非時短の状態(低ベース状態)であるときにおいて演出パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、「パターンA」と「パターンB」にそれぞれ対応する判定値と、遊技状態が時短の状態(高ベース状態)であるときにおいて演出パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、「パターンA」と「パターンB」にそれぞれ対応する判定値とが記憶されており、抽出された演出パターン判定用の乱数(ランダム3)の値が合致することで「パターンA」または「パターンB」が決定される。
【0187】
本実施例の「パターンA」は、ギミック演出装置9において第1ルートの経路演出が実施される演出パターンであり、「パターンB」は、ギミック演出装置9において第2ルートの経路演出が実施される演出パターンであり、これら「パターンA」または「パターンB」を決定することにより、ギミック演出装置9における第1ルートの経路演出を実施するか、或いは第2ルートの経路演出を実施するかを決定することに該当する。
【0188】
よって、「パターンA」に該当し、経路長さが長い第1ルートの経路演出が実施される「非リーチA」、「ノーマルリーチA」、「スーパーリーチA」、「スペシャルリーチA」、「激烈リーチA」については、「パターンB」に該当し、経路長さが短い第2ルートの経路演出が実施される「非リーチB」、「ノーマルリーチB」、「スーパーリーチB」、「スペシャルリーチB」、「激烈リーチB」よりも、経路の通過に要する時間が多くかかることから、特別図柄の可変表示(変動)時間が長くなるように設定されている(図10参照)。
【0189】
本実施例では、図15に示すように、非時短の状態(低ベース状態)であるときにおいては「パターンA」に対する判定値の割り当て数が多く、時短の状態(高ベース状態)であるときにおいては「パターンB」に対する判定値の割り当て数が多くなっている。つまり、図10に示すように、「パターンB」の演出パターンの可変表示時間は、「パターンA」の演出パターンの可変表示時間よりも短いので、時短状態においては、「パターンB」を決定する比率を多くすることで、単位時間当たりに実施される変動回数を多くできる。
【0190】
次に、パチンコ機1の動作について説明する。パチンコ機1に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、図示しないメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
【0191】
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
【0192】
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
【0193】
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
【0194】
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0195】
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
【0196】
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。なお、この実施例では、CPU56は、ステップS43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
【0197】
なお、この実施例では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
【0198】
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
【0199】
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
【0200】
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ81は、初期化指定コマンドを受信すると、天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cを所定の点灯状態に制御して、パチンコ機1の初期化がなされたことを報知する初期化報知を行う。
【0201】
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
【0202】
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
【0203】
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、パチンコ機1に設けられている可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0204】
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図16に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23、入賞口スイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
【0205】
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器17の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
【0206】
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
【0207】
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
【0208】
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
【0209】
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ81に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
【0210】
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
【0211】
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23、入賞口スイッチの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
【0212】
この実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
【0213】
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
【0214】
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「0」および「−」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「−」を示す1と「0」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
【0215】
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
【0216】
以上の制御によって、この実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0217】
図17は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)の一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
【0218】
尚、第1始動口スイッチ通過処理並びに第2始動口スイッチ通過処理においては、ランダムR、ランダム1(MR1)、ランダム2(MR2)、ランダム3(MR3)を抽出し、該始動入賞記憶に対応付けて記憶する。これら記憶されたランダムR、ランダム1(MR1)と大当り判定テーブル(図12(a))、大当り種別判定テーブル(図12(b)、図12(c))、に基づいて大当りの種別或いはハズレとするかが決定されるとともに、該抽出されたランダム2(MR2)、ランダム3(MR3)と決定した大当りの種別並びに大当り演出パターン判定テーブルA、B、ハズレ用演出パターン種別判定テーブルA〜C、ハズレ用演出パターン判定テーブルとに基づいて、後述する演出パターン設定処理において、変動パターンが決定される。
【0219】
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
【0220】
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
【0221】
演出パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、演出パターンを決定し、その演出パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
【0222】
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ81に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
【0223】
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。演出パターン設定処理で選択された演出パターンの可変表示時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
【0224】
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ81に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信するとギミック演出装置9において演出球を排出(ハズレ)またはV流入口に流入させて経路演出を終了するように制御する。
【0225】
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
【0226】
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ81に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
【0227】
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する演出制御を演出制御用マイクロコンピュータ81に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
【0228】
次に、演出制御手段である演出制御基板80の動作を説明する。図18は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ81(具体的には、演出制御用CPU86)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU86は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS700)。その後、演出制御用CPU86は、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS701)。
【0229】
その後、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU86は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU86は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。また、タイマ割込が発生していない場合には、ステップS701の乱数更新処理を実施して再度ステップS702に戻る。
【0230】
演出制御処理において、演出制御用CPU86は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU86は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。その後、ステップS701に移行する。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択してギミック演出装置9の経路演出を制御する。
【0231】
尚、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンドであるのか解析する。
【0232】
図19は、演出制御用マイクロコンピュータ81が用いる乱数を示す説明図である。図19に示すように、この実施例では、予告演出を実施するか否かを決定するための予告演出決定用乱数SR1を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
【0233】
予告演出決定用乱数SR1は、予告演出を実施するか否かを決定するために使用される乱数であり、1〜100の数値範囲の値をとる。
【0234】
尚、これら予告演出決定用乱数SR1の乱数を生成するためのカウンタがRAMに形成されている。そして、各カウンタの数値は、図18に示す乱数更新処理(ステップS706)で更新される。すなわち、値が+1される。そして、カウンタのカウント値が乱数の上限値(図19に示された範囲における最大値)を越えると下限値(図19に示された範囲における最小値)に戻される。乱数を生成するためのカウンタのカウント値を読み出すことを、乱数を抽出するという。
【0235】
演出制御用マイクロコンピュータ81におけるROMには、図20に示す経路演出制御パターンテーブルを初めとする、予告演出の演出制御パターンを含む予告演出制御パターンテーブル(図示略)、大当り状態中における昇格演出等の演出制御パターンを含む各種演出制御パターンテーブル(図示略)等が記憶されている。
【0236】
図20に示す経路演出制御パターンテーブルには、特別図柄の可変表示に伴って演出球による経路演出が開始されてから演出球が経路外に排出されて経路演出が終了されるまでの期間における、演出球の流下を制御するための制御内容を示すデータが、各演出パターンに応じて格納されている。各経路演出制御パターンには、例えば、プロセスタイマ設定値、関門ユニット制御実行データ、セクション役物制御実行データ、ランプ制御実行データ、並びに音制御実行データといった各演出パターンに応じた各種の経路演出動作を制御するための複数の制御データ(プロセスデータ)が時系列的に設定されており、各セクションの通過タイミングも含まれている。
【0237】
また、予告演出制御パターンテーブルにも、予告演出期間における、各種の経路演出動作を制御するための複数の制御データ(プロセスデータ)が時系列的に設定されている。
【0238】
なお、これら各演出制御パターンにおける各々の制御データの集まりを、プロセステーブルという。
【0239】
プロセスタイマ設定値は、演出制御用CPU86における演出制御用のプロセスタイマの格納値であるプロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、プロセスタイマ設定値に代えて、例えば主基板31から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU86において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
【0240】
関門ユニット制御実行データには、例えば各関門ユニットにおける動作態様を示すデータといった、各関門ユニットの通過機能、排出機能、放出機能を実行させるためのデータが含まれている。すなわち、関門ユニット制御実行データは、ギミック演出装置9の経路演出の演出内容を指定するデータの一部である。
【0241】
セクション役物制御実行データには、例えば各セクション役物における動作態様を示すデータが含まれており、これら各セクション役物がセクション役物制御実行データに基づいて所定のタイミングにて所定の動作をすることで、各ルートを流下する演出球の流下が各演出パターンにおいてほぼ同じとなるように制御される。すなわち、セクション役物制御実行データも、ギミック演出装置9の経路演出の演出内容を指定するデータの一部である。音制御実行データには、例えば、ギミック演出装置9における経路演出中における演出球の流下に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、各スピーカ27からの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音制御実行データは、各スピーカ27からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御実行データには、例えば装飾LED25や天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28cといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御実行データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、関門ユニット制御実行データ、セクション役物制御実行データ、音声制御実行データ、ランプ制御実行データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータがあってよい。さらに、例えば、その他の演出表示装置に表示する表示内容を制御するための表示制御実行データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
【0242】
尚、演出制御用マイクロコンピュータ81におけるRAMには、第1保留記憶表示部並びに第2保留記憶表示部の表示を行うための第1保留表示バッファと第2保留表示バッファや、時短回数をカウントするための時短回数カウンタ等が設けられている。
【0243】
また、演出制御用マイクロコンピュータ81におけるROMには、図21に示す、予告演出を実施するか否かの決定において使用される予告演出決定テーブルが記憶されている。
【0244】
本実施例の予告演出決定テーブルには、「予告あり」に対応するSR1の判定値と、「予告なし」に対応するSR1の判定値とが、各演出パターン種別毎に、図21に示す判定値数となるように割り当てられている。
【0245】
具体的には、決定された演出パターン種別が、あたりの激烈リーチA,Bである場合には「予告あり」に対して90の判定値数が割り当てられ、「予告なし」に対して10の判定値数が割り当てられることで、「予告あり」が非常に決定され易い。
【0246】
一方、決定された演出パターン種別が、ハズレの激烈リーチAである場合には、「予告あり」に対して65の判定値数が割り当てられ、「予告なし」に対して35の判定値数が割り当てられ、ハズレの激烈リーチBである場合には、「予告あり」に対して75の判定値数が割り当てられ、「予告なし」に対して25の判定値数が割り当てられている。よって、同一の演出パターンが発生する場合においては、大当りとなる場合の方がハズレとなる場合よりも「予告あり」に決定され易く、「予告あり」が決定されて予告演出が実施されることで、遊技者に大当りとなるのではないかという期待感を与えることができる。
【0247】
また、ハズレのスペシャルリーチAである場合には、「予告あり」に対して40の判定値数が割り当てられ、「予告なし」に対して60の判定値数が割り当てられ、ハズレのスペシャルリーチBである場合には、「予告あり」に対して50の判定値数が割り当てられ、「予告なし」に対して50の判定値数が割り当てられている。
【0248】
また、ハズレのスーパーリーチAである場合には、「予告あり」に対して25の判定値数が割り当てられ、「予告なし」に対して75の判定値数が割り当てられ、ハズレのスーパーリーチBである場合には、「予告あり」に対して30の判定値数が割り当てられ、「予告なし」に対して70の判定値数が割り当てられている。
【0249】
また、ハズレのノーマルリーチAである場合には、「予告あり」に対して10の判定値数が割り当てられ、「予告なし」に対して90の判定値数が割り当てられ、ハズレのノーマルリーチBである場合には、「予告あり」に対して15の判定値数が割り当てられ、「予告なし」に対して85の判定値数が割り当てられている。
【0250】
つまり、いずれのハズレの演出パターンにおいても、経路演出において第1ルートが決定されるパターンAの演出パターンよりも、第2ルートが決定されるパターンBの演出パターンの方が「予告あり」に決定されて予告演出が実施され易くなっており、確変大当りの発生する可能性並びに15ラウンドの大当りが発生する可能性が高い第2ルートの方が、予告演出が実施される確率が高いので、経路演出の開始時において予告演出が実施されことにより、第2ルートが決定されて確変大当りまたは15ラウンドの大当り(通常大当りA)が発生するのではないかという期待感を遊技者に与えることができるようになる。
【0251】
尚、本実施例では、図21に示された演出パターン種別以外の演出パターンについては、全ての判定値が「予告なし」に割り当てられていることで、「短縮」並びに「超短縮」の演出パターンが決定されているときには、「予告なし」が決定されて予告演出が実施されないようになっている。
【0252】
図22は、図18に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU86は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S805のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、ギミック演出装置9における演出球の流下が制御されて経路演出が実現されるが、第1特別図柄の可変表示に同期した経路演出に関する制御も、第2特別図柄の可変表示に同期した経路演出に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
【0253】
演出パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から、可変表示に該当する第1保留記憶または第2保留記憶(保留記憶がない場合には第1始動入賞または第2始動入賞)に対して、演出パターン設定処理にて決定された演出パターンを特定可能な演出パターンコマンド(例えば、図20の経路演出制御パターンテーブルにおける経路演出制御パターンのデータコード(PA1−0等)を含むコマンドデータ)を受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる演出パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。演出パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を経路演出開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
【0254】
経路演出開始処理(ステップS801):演出パターンコマンドにて特定される経路演出制御パターンに基づいて演出球を放出するルートを決定し、該決定したルートに、第1始動入賞貯留部41または第2始動入賞貯留部42に貯留されている当該可変表示に対応する遊技球(始動入賞球)を演出球として放出して経路演出を開始する。そして、演出制御プロセスフラグの値を経路演出中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
【0255】
経路演出中処理(ステップS802):経路演出制御パターン(プロセステーブル)に含まれる関門ユニット制御実行データやセクション役物制御実行データや、各セクションの通過タイミングに基づいて、各セクション役物の動作を切替える切替タイミングや、各関門ユニットの動作動作を切替える切替タイミング等を制御するとともに、経路演出時間の終了(特別図柄の可変表示の終了)を監視する。そして、経路演出時間が経過したら、演出制御プロセスフラグの値を経路演出終了処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
【0256】
経路演出終了処理(ステップS803):経路演習の終了を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出球による経路演出を終了する制御、具体的には、経路演出の到達セクションが該当する関門ユニットにおいて、演出球を経路外に排出させる制御(ハズレ)、または大当り振分け役物140においてハズレ流入口に演出球を流入させる制御(ハズレ)、または大当り振分け役物140においてV流入口に演出球を流入させる制御(大当り)を行う。そして、大当りである場合には、演出制御プロセスフラグの値を第1ラウンド振分け演出処理(ステップS804)に対応した値に更新し、ハズレである場合には、演出制御プロセスフラグの値を演出パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
【0257】
第1ラウンド振分け演出処理(ステップS804):ラウンド振分け役物150において、大当り振分け役物140から供給された演出球を、決定された大当りの種別が通常大当りBであれば8ラウンド流入口に流入させる制御、決定された大当りの種別が通常大当りBでなければ(確変大当りまたは通常大当りAであれば)15ラウンド流入口に流入させる制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。尚、決定された大当りの種別が通常大当りBでない場合には乱数SR1を抽出し、該抽出した乱数が奇数である場合には、演出球を8ラウンド流入口に流入させる制御を実施するともに、演出制御プロセスフラグの値を第2ラウンド振分け演出処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
【0258】
第2ラウンド振分け演出処理(ステップS805):ラウンド回数が所定回数(例えば5回)に到達した段階において、例えば、第1セクション第4関門ユニットから大当り振分け役物140に演出球を供給してV流入口に演出球を流入させる制御(大当り)を行って、ラウンド振分け役物150に演出球を供給するとともに、該供給された演出球をラウンド振分け役物150において、15ラウンド流入口に流入させる制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
【0259】
尚、本実施例では、第2ラウンド振分け演出処理においては、全て15ラウンド流入口に流入させる制御が実施されるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、決定されている大当りの種別が通常大当りBであるときにおいても、第2ラウンド振分け演出処理に対応する演出制御プロセスフラグを抽選により設定し、該第2ラウンド振分け演出処理において、演出球が15ラウンド流入口に流入せずに8ラウンド流入口に流入させる制御を実施することで、昇格に失敗した演出を実施するようにしても良い。
【0260】
図23は、図22に示された演出制御プロセス処理における経路演出開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。経路演出開始処理において、演出制御用CPU86は、まず、演出パターンコマンド格納領域から演出パターンコマンドを読み出す(ステップS821)。尚、演出パターンコマンド格納領域には、主基板31から受信した演出パターンを特定可能な演出パターンコマンドが格納されており、該演出パターンコマンドから特定される演出パターンに対応する経路演出制御パターンを特定して実行可能にセットする。次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて大当りの種別と可変表示の対象が第1特別図柄であるか第2特別図柄であるかを特定する。
【0261】
尚、この実施例において遊技制御用マイクロコンピュータ560からは、決定された大当りの種別が第1特別図柄の確変大当りである場合には表示結果2指定コマンドが送信され、決定された大当りの種別が第1特別図柄の通常大当りAである場合には表示結果3指定コマンドが送信され、決定された大当りの種別が第1特別図柄の通常大当りBである場合には表示結果4指定コマンドが送信される。また、決定された大当りの種別が第2特別図柄の確変大当りである場合には表示結果6指定コマンドが送信され、決定された大当りの種別が第2特別図柄の通常大当りAである場合には表示結果7指定コマンドが送信され、決定された大当りの種別が第2特別図柄の通常大当りBである場合には表示結果8指定コマンドが送信される。尚、第1特別図柄のハズレである場合には表示結果1指定コマンドが送信され、第2特別図柄のハズレである場合には表示結果5指定コマンドが送信される。よって、これら表示結果指定コマンドから演出制御用CPU86は、当該可変表示の対象が第1特別図柄または第2特別図柄のいずれであるかとともに、大当りの種別を特定できる。
【0262】
そして、ステップS823に進み、予告演出を実施するか否かとともに、実施を決定した予告演出に関する設定を行う予告演出設定処理を実施する。
【0263】
そして、ステップS824に進んで、予告演出の実施が決定されているか否か、具体的には、後述するステップS834にてセットされる予告実行決定フラグがセットされているか否かを判定する。
【0264】
予告実行決定フラグがセットされている場合には、ステップS825+に進んで、予告演出開始待ち時間を特定し、該特定した待ち時間を予告演出開始待ちタイマにセットした後、ステップS825に進む。
【0265】
一方、予告実行決定フラグがセットされていない場合には、ステップS825+を経由することなくステップS825に進み、演出パターンコマンドに応じた経路演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS826)。
【0266】
そして演出制御用CPU86は、ステップS821にてセットした経路演出制御パターン(プロセステーブル)のプロセスデータ1の内容(関門ユニット制御実行データ1、セクション役物制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としてのギミック演出装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する。尚、これら経路演出制御パターン(プロセステーブル)には、演出球振分け投入ユニット101により演出球を振分けるルートが設定されており、演出パターンコマンドから特定される演出パターンに該当する経路演出制御パターン(プロセステーブル)を実行することで、決定された演出パターンに該当する各ルートに、ステップS821にて特定した可変表示の対象(第1特別図柄または第2特別図柄のいずれか)に該当する演出球が、第1始動入賞貯留部41(可変表示の対象が第1特別図柄)または第2始動入賞貯留部42(可変表示の対象が第2特別図柄)から投入されて経路演出が開始される(ステップS827)。
【0267】
つまり、非リーチA、ノーマルリーチA、スーパーリーチA、スペシャルリーチA、激烈リーチAから成るパターンAの演出パターンである場合には、演出球が第1ルートに投入されるように演出球振分け投入ユニット101が制御され、非リーチB、ノーマルリーチB、スーパーリーチB、スペシャルリーチB、激烈リーチBから成るパターンBの演出パターンである場合には、演出球が第2ルートに投入されるように演出球振分け投入ユニット101が制御され、超短縮と短縮の演出パターンである場合には、演出球が第3ルートに投入されるように演出球振分け投入ユニット101が制御される。
【0268】
そして、ギミック演出装置9においてセクション役物を動作させて、演出球を投入したルートを流下する演出球の流下態様を変化させる演出を実施する。また、左枠LED28b、右枠LED28c、並びに天ランプモジュール530内の各LEDに対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
【0269】
なお、この実施例では、演出制御用CPU86は、演出パターンコマンドに1対1に対応する演出パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU86は、演出パターンコマンドに対応する複数種類の演出パターンから、使用する演出パターンを選択するようにしてもよい。
【0270】
そして、演出時間タイマに、演出パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS828)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS829)。
【0271】
図24は、演出図柄変動開始処理における予告演出設定処理(ステップS823)の処理内容を示すフローチャートである。
【0272】
本実施例の予告演出設定処理においては、まず、予告演出決定用乱数SR1を抽出する(ステップS831)。
【0273】
次いで、該抽出した予告演出決定用乱数SR1と図21に示す予告演出決定テーブルとステップS821にて読み出した演出パターンコマンドにて特定される演出パターンの種別に基づいて予告演出の実施、非実施とを決定する。
【0274】
具体的には、演出パターンコマンド格納領域に読み出した演出パターンコマンドから該変動表示(可変表示)における演出パターンの種別を特定して、予告演出決定テーブルにおけるどの演出パターンに対応する判定値を使用するかを決定する。つまり、演出パターンコマンドから特定される演出パターンの種別が、例えば、「スーパーリーチA」の演出パターンである場合には「スーパーリーチA」に対応する判定値を判定に使用する判定値として決定し、「激烈リーチB」の演出パターンである場合には「激烈リーチB」に対応する判定値を判定に使用する判定値として決定する。
【0275】
そして、これら使用対象に決定した判定値において、ステップS831にて抽出したSR1の判定値が「予告あり」の項目に格納されている判定値に該当する場合には予告演出を実施することを決定し、抽出したSR1の判定値が「予告なし」の項目に格納されている判定値に該当する場合には予告演出を実施しないことを決定する。
【0276】
そして、ステップS833に進み、ステップS832において予告演出を実施することを決定したか否かを判定し、予告演出を実施することを決定した場合にはステップS834に進んで予告実行決定フラグをセットして当該処理を終了する一方、予告演出を実施しないことを決定した場合にはステップS834を経由することなく当該処理を終了する。
【0277】
図25は、演出制御プロセス処理における経路演出中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。経路演出中処理において、演出制御用CPU86は、プロセスタイマ、演出時間タイマ、演出制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B,S840C)。また、演出制御用CPU86は、予告演出を行うことに決定されているか、またはこれら予告演出の実行中である場合には(ステップS841でYes)、予告演出処理を実行する(ステップS842)。予告演出を行うことに決定されているか否かは、予告実行決定フラグがセットされているか否かによって判定される。予告演出の実行中であるか否かは、予告演出を開始するときにセットされる予告実行中フラグによって判定される。予告実行決定フラグがセットされていない場合にはステップS842の予告演出処理を実施することなく、ステップS843に進む。
【0278】
また、演出制御用CPU86は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS843)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(ステップS844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS845)。また、その次に設定されている関門ユニット制御実行データ、セクション役物制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データにもとづいて、ギミック演出装置9を含む各演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS846)。
【0279】
また、演出制御タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS847)、演出制御用CPU86は、演出球放出処理を実施する。この演出球放出処理において演出制御用CPU86は、タイムアウトした演出制御タイマが対応するセクション(区画)の終端位置に設けられている関門ユニット、例えば、演出制御タイマが対応するセクション(区画)が第1ルート第1セクションである場合には、第1ルート第1関門ユニット111の到着センサ204にて、演出球が検出されているか否かを判定し、到着している場合には、該第1ルート第1関門ユニット111に通過指示を出力して、到着している演出球を次の第1ルート第2セクションに通過させる。一方、演出球が検出されていない場合、つまり、演出球が未到着である場合には、該第1ルート第1関門ユニット111に供給指示を出力して、演出球貯留部212に貯留されている遊技球を新たな演出球として次の第1ルート第2セクションに供給させた後、排出指示を出力して遅れて到着した演出球を経路外に排出させる(ステップS848)。尚、排出指示は、供給指示と共に供給指示と排出指示の順に出力され、第1ルート第1関門ユニット111(他の関門ユニットも同じ)では、出力順に指示を実行することで、供給指示に基づく演出球の供給動作後において、排出指示に基づく演出球の排出動作を、予め設定された所定のシーケンスに則してコントローラ200により実施される。
【0280】
このように演出制御用CPU86が制御することで、経路演出制御パターン(プロセステーブル)に設定されたタイミングにて演出球が各ルートの関門ユニットを通過していくように制御されていく。
【0281】
その後、演出制御タイマに経路演出制御パターン(プロセステーブル)に記述された設定値を再セットする(ステップS849)。
【0282】
また、演出制御用CPU86は、演出時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS850)。演出時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を経路演出終了処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS852)。演出時間タイマがタイムアウトしていなくても、特別図柄の導出表示の実施に伴う図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS851)、演出制御プロセスフラグの値を経路演出終了処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS852)。演出時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら経路演出を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い経路演出を行う演出パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の演出時間経過時(特別図柄の可変表示終了時)に、経路演出を終了させることができる。なお、経路演出の制御に用いられているプロセステーブルには、経路演出中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は経路演出の演出時間(特別図柄の可変表示時間と同じ)に相当する。よって、ステップS843の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイムアウトしたときには、切替えるべきプロセスデータはなく、プロセステーブルにもとづく経路演出の制御は終了する。
【0283】
尚、本実施例のステップS842において実施される予告演出処理について説明すると、該予告演出処理において演出制御用CPU86は、予告実行中フラグがセットされているか否かにより、予告演出が開始されているか否かを判定する。
【0284】
予告演出が開始されていない場合に演出制御用CPU86は、予告実行中フラグをセットし、実行する予告演出パターンに対応する予告プロセステーブル(予告演出制御パターン)を、予告演出制御パターンテーブル(図示略)から読み出してセットした後、選択した予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)のプロセスデータ1における予告プロセスタイマをスタートさせて、予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)の最初のプロセスデータを実行して予告演出の制御を開始する。
【0285】
予告プロセスデータに基づいて予告演出が開始された後において演出制御用CPU86は、予告プロセスタイマの値を−1し、予告演出期間の終了を計時するための予告期間タイマの値を−1する。
【0286】
そして、予告期間タイマがタイムアウト(値が0になる)した場合には、予告実行中フラグをリセットして予告演出を終了する。
【0287】
このように予告演処理を実施することで、予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)に記述された制御内容、具体的には、ギミック演出装置9に設けられている、全てのセクション役物が一斉に短時間だけ激しく動作することで、前述したように、確変大当りや15ラウンド大当りが発生しやすい第2ルートによる経路演出が発生するかも知れないという期待感を遊技者に与えることができる。
【0288】
図26は、演出制御プロセス処理における経路演出終了処理(ステップS803)を示すフローチャートである。経路演出終了処理において、演出制御用CPU86は、特別図柄の導出表示に伴う確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS861)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS862)。
【0289】
そして、大当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS863)。大当りとすることに決定されているか否かは、前述したように、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認できる。
【0290】
大当りとすることに決定されている場合には、大当り振分け役物140においてV流入口に演出球を流入させる制御(大当り)を実行した後(ステップS864)、演出制御プロセスフラグの値を第1ラウンド振分け演出処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS865)。
【0291】
一方、大当りとすることに決定されていない場合には、当該経路演出において演出球が到達するセクションが大当り振分け役物140に対応する第5セクションではない場合には、該当する関門ユニットに対して排出指示を出力して、演出球を経路外に排出させ、演出球が到達するセクションが大当り振分け役物140に対応する第5セクションである場合には、大当り振分け役物140においてハズレ流入口に演出球を流入させる制御(ハズレ)を実行した後(ステップS869)、演出制御プロセスフラグの値を演出パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
【0292】
以上に示す各制御を演出制御用CPU86が実施することにより、本実施例のパチンコ機1では、特別図柄の可変表示に連動してギミック演出装置9において、第1ルート、第2ルート、第3ルートのいずれかを演出球が流下し、これら流下した演出球が大当り振分け役物140へ到達する前のいずれかのセクションで排出される演出や、大当り振分け役物140へ到達して振分けが実施される演出が実施されることで、演出球が順次、次のセクションに通過されることで、大当り振分け役物140へ到達して大当りとなるのではないかという期待感を遊技者に与えることのできる経路演出を実施することで、遊技機の興趣を向上することができる。
【0293】
以上、本実施例のパチンコ機1によれば、事前決定手段となる遊技制御用マイクロコンピュータ560により、特別図柄の可変表示時間が短縮の可変表示時間とされる「短縮」、「超短縮」の演出パターンが決定されるときには、演出媒体となる演出球の流路が最も経路長さの短い第3ルート(本発明の第2経路)とされることにより、演出球が該第3ルートを通じて短時間にて大当り振分け役物140(振分け演出装置)に供給されて演出に使用されるので、これら短縮可変表示時間による可変表示が第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて実施される場合においても、演出球による経路演出を実施することができる。
【0294】
また、本実施例のパチンコ機1によれば、第1始動入賞口13に入賞した始動入賞球が貯留される第1始動入賞貯留部41と、第2始動入賞口14に入賞した始動入賞球が貯留される第2始動入賞貯留部42とを有し、これら第1始動入賞貯留部41や第2始動入賞貯留部42に貯留されている始動入賞球を演出球として使用するので、これら第1始動入賞貯留部41や第2始動入賞貯留部42に貯留される遊技球の数と、可変表示に伴って演出球として使用される遊技球の数が等しくなるので、演出球による経路演出を各可変表示毎に確実に実施することができる。
【0295】
また、本実施例のパチンコ機1によれば、透明遊技盤6とすることで、遊技者は、透明遊技盤6を通して背面側も視認できるので、各ルートを透明遊技盤6の背面側に設けることが可能となるため、遊技領域7と演出球による経路演出を行う領域とを共に広くとることができる。
【0296】
また、本実施例のパチンコ機1によれば、ワープ経路R4が透明遊技盤6の背面側に設けられているので、入賞する可能性のない演出球(死に球)に加えて、入賞する可能性がある遊技球(生き球)も透明遊技盤6の背面側を流下するようになるため、透明遊技盤6の背面側において演出球(死に球)と遊技球(生き球)とが混在するようになるので、遊技者の興趣を向上できる。
【0297】
また、本実施例のパチンコ機1によれば、遊技者にとって有利な確変大当りや、15ラウンドが付与される通常大当りAが発生し易い第2始動入賞口14への入賞については、第1始動入賞口13への入賞よりも高い割合にて「短縮」、「超短縮」の演出パターンが決定されることにより、演出球が第3ルートを通過して大当り振分け役物140に到達し、該大当り振分け役物140における演出が多く発生するようになるため、遊技者自身にとって有利な確変大当りや、15ラウンドが付与される通常大当りAが発生するのではないかという遊技者の期待感を効果的に高めることができるので、パチンコ機1の興趣を向上できる。
【0298】
また、本実施例のパチンコ機1によれば、ラウンド振分け役物150(種別決定演出装置)において本発明における種別決定演出となる第1ラウンド振分け演出を大当り振分け演出に続いて同じ演出球を用いて実施するので、これら第1ラウンド振分け演出に対する遊技者の注目を高めることができる。
【0299】
また、本実施例のパチンコ機1によれば、ラウンド振分け役物150(種別決定演出装置)において大当り中に第2ラウンド振分け演出(昇格演出)を実施することにより、該大当り中(特定遊技状態中)においても、ギミック演出装置9における演出球並びに第1ルート又は第2ルートを有効に演出に活用することができる。
【0300】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0301】
例えば、前記実施例では、ギミック演出装置9におけるルート(経路)を3つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらのルート(経路)を、第1ルートまたは第2ルートのいずれかと、第3ルートの2つのみとしても良い。つまり、経路長さの長いルート(経路)と短いルート(経路)を有するものであれば良い。尚、ルート(経路)の数を4以上としても良い。
【0302】
また、前記実施例では、回転体やスクリューを備えた関門ユニットを例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら関門ユニットとしては、図27〜図39の各関門ユニットを使用しても良い。
【0303】
具体的には、図27に示すように、遊技球を収納可能に回転体に形成された外周凹部として、排出口への流入を阻止する阻止面を有する通過外周凹部と阻止面を有しない排出外周凹部とを設けて、どちらの外周凹部に入るかにより通過または排出が実施されるものや、図28に示すように、分岐通路が設けられた複数のブロックを設け、中央のブロックが回転することにより、流路が切り替わるものであって、所定の通過経路に対応する回転位置に中央ブロックが位置しているときに遊技球が流下することで通過できるが、それ以外の回転位置では排出経路に排出されるものや、図29に示すように、流路に沿って開閉部材により開閉される通過口と、該通過口に隣接して排出口とを設け、開閉部材により通過口が開放されているときに遊技球が流下してきた場合は通過するが、開閉部材により通過口が閉鎖されているときに遊技球が流下してきた場合は排出されるものや、図30に示すように、揺動することによって遊技球の進路を排出口側または下流側に連続的に変更可能な進路変更部材を流路上に設けて、進路変更部材による進路が下流側に位置しているときに遊技球が流下してきた場合は通過するが、進路変更部材による進路が排出口側に位置しているときに遊技球が流下してきた場合は排出されるものとしても良い。
【0304】
また、図31に示すように、磁石を有する回転部材を流路に沿って設けるとともに、流路の側壁に開閉する排出口を設け、流下してきた遊技球が磁石により回転部材に補足された場合には、回転部材が回転することにより排出口から排出され、回転部材に補足されなかった場合には通過するものや、図32に示すように、遊技球を収納可能な凹部を先端に有し、回転することで遊技球を低い位置から高い位置へ移送可能なアーム部材を設け、該アーム部材が上方に移動するときに該アーム部材に遊技球が供給されたときには高い位置に設けられた通過流路に移送されることで通過し、アーム部材が下方に移動するときに該アーム部材に遊技球が供給されたときには低い位置に設けられた排出口に移送されることで排出されるものや、図33に示すように、外周に複数の磁石が埋設された回転ドラムと、該回転ドラムの回転方向側に排出口と通過口とを設け、通過口に対応する磁石に遊技球が吸着された場合には通過し、排出口に対応する磁石に遊技球が吸着された場合には排出されるものや(回転によりどちらに対応する磁石に吸着させるかを制御)、図34に示すように、経路の折り返し部分に排出口を設けるとともに、該折り返し部分への遊技球の進入を揺動により可能・不能とする揺動部材を設け、折り返し部分へ進入可能な位置に揺動部材が位置しているときに遊技球が流下してきた場合には排出され、折り返し部分へ進入不能な位置に揺動部材が位置しているときに遊技球が流下してきた場合には通過されるものや、図35に示すように、遊技球の流路の終端位置に、遊技球が進入可能であって、左右方向に往復移動されるボックス部材を設け、ボックス部材に遊技球が進入した場合には通過し、進入できなかった場合には排出されるものや、図36に示すように、上下に離間配置された経路間に、上経路の終端位置と下経路の始端位置を上下往復移動可能であって、遊技球を収納可能な孔部を有する昇降部材を設け、昇降部材の孔部に遊技球が収納されない場合には排出され、孔部に遊技球が収納された場合には下方の通路に通過されるものとしても良い。
【0305】
また、図37に示すように、下方の通路に繋がる通過口を有する回転ドーム体と、該回転ドーム体の両側方に排出口とを設け、遊技球が通過口に進入できた場合には、下方の通路に通過し、遊技球が通過口に進入できなかった場合には排出されるものや、図38に示すように、内部が空間とされて回転可能とされた正方形体に通過口と排出口とを設け、通過口が排出口よりも先に下方に位置するように正方形体が回転した場合には遊技球が通過口に流入して通過し、排出口が通過口よりも先に下方に位置するように正方形体が回転した場合には遊技球が排出口に流入して排出されるものや、遊技球が通過して排出される複数の排出孔と、遊技球が排出されずに収納される複数の通過孔とを有し、各排出孔と通過孔と同軸に回転可能とされた回転体を、上流側経路の終端位置に設け、上流側経路の終端位置に排出孔が位置しているときに遊技球が流下してきた場合には排出され、上流側経路の終端位置に通過孔が位置しているときに遊技球が流下してきた場合には通過されるものとしてもよい。
【0306】
また、上述した各関門ユニットに加えて、図40に示すように、遊技球を保持して経路上を移動させることが可能なベルトコンベア役物を設け、演出球の流下が早い時には、ベルトコンベア役物における移動速度を遅くし、逆に、演出球の流下が遅い時には、ベルトコンベア役物における移動速度を早くする制御を実施して、演出球が各関門ユニットに到着するタイミングがほぼ一定となるように調整するようにしても良い。
【0307】
また、前記実施例では、全面が透明な透明遊技盤6を使用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技盤6の一部または全部を不透明な遊技盤としても良い。
【0308】
また、前記実施例では、「超短縮」や「短縮」の演出パターンが決定されたときには、全て、第3ルートを使用する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら「超短縮」や「短縮」の演出パターンが決定されたときにおいて、第1ルートまたは第2ルートを使用し、これら第1ルートまたは第2ルートにおいて、「超短縮」や「短縮」の演出パターンの演出時間(該当する特別図柄の可変表示時間に同じ)に対応する所定の関門ユニットを演出球の流下開始位置として決定し、該決定した関門ユニットから演出球を供給(放出)させて経路演出を実施するようにしても良い。
【0309】
つまり、演出制御用CPU86は、第1始動入賞口13への入賞よりも高い割合にて「超短縮」や「短縮」の演出パターンが決定される第2始動入賞口14への入賞に基づく可変表示のときに、「超短縮」や「短縮」の演出パターンが決定されているときには、所定の関門ユニット(例えば、第1ルート第4関門ユニット114または第2ルート第4関門ユニット124)を演出球の流下を開始する開始位置として決定し、該決定した所定の関門ユニットから演出球を放出させるようにしても良い。
【0310】
よって、上記した場合にあっては、「超短縮」や「短縮」の演出パターンが決定される場合において演出制御用CPU86(演出媒体制御手段)は、第1始動入賞口13への入賞に基づく可変表示のときに所定の関門ユニットを演出球の流下を開始する開始位置として決定する割合よりも高い割合にて、第2始動入賞口14への入賞に基づく可変表示のときに所定の関門ユニットを開始位置として決定することになり、このようにすることで、遊技者にとって有利な確変大当りや、15ラウンドが付与される通常大当りAが発生し易い第2始動入賞口14への入賞については、第1始動入賞口13への入賞よりも高い割合にて「短縮」、「超短縮」の演出パターンが決定されることにより、所定の関門ユニットが経路演出の開始位置として決定されて該決定された関門ユニットから演出球が放出されることにより、演出球が大当り振分け役物140に到達し、該大当り振分け役物140における演出が多く発生するようになるため、遊技者自身にとって有利な確変大当りや、15ラウンドが付与される通常大当りAが発生するのではないかという遊技者の期待感を効果的に高めることができるので、パチンコ機1の興趣を向上できる。
【0311】
また、前記実施例では、ラウンド振分け役物150における第2ラウンド振分け演出(昇格演出)において15ラウンドであることを報知するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら15ラウンドとともに、確変大当りであることを報知することで、確変に昇格する昇格演出を実施するようにしても良い。
【0312】
また、前記実施例では、ギミック演出装置9において、遊技に使用される遊技球(パチンコ球)であって、始動入賞した遊技球自体を貯留して演出球として使用する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら演出球を始動入賞球ではない他の遊技球を使用するようにしても良い。
【0313】
また、前記実施例では、演出球として遊技に使用する遊技球を使用した形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技球とは異なる演出媒体、例えば、遊技球と材質や大きさが異なる球体や、円盤やメダル等を演出媒体として使用しても良い。
【0314】
また、前記実施例では、第2ラウンド振分け演出を演出球がラウンド振分け役物150における15ラウンド流入口への流入することにより報知するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら15ラウンドの昇格報知を、例えば、第1ルートにおいて全ての関門ユニットを通過して大当り振分け役物140に到達するか否かによって報知したり、これら昇格報知において第2ルートに演出球が放出されて全ての関門ユニットを通過して大当り振分け役物140に到達することで、確変大当りであることを報知するようにしても良い。
【0315】
また、前記実施例では、第1ルートと該第1ルートよりも経路の長さが短いルートとして第3ルートを設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら経路の長さ短い経路としては、例えば、第1ルートのみを用いて、該第1ルートのセクション1からセクション4に直接移動する短絡経路を設けて、セクション2、3を省略するようにしたり、特定のセクションに次のセクションに進むまでの長さが通常の長さの経路と該経路よりも短い短縮経路とを設け、短縮経路により同一のセクションにおいて通過に要する時間を短くするようにしても良い。
【0316】
また、前記実施例では、各関門ユニットから演出球が排出された場合には経路演出が終了してしまう形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、通過する関門ユニットにおいて、排出動作を実施させて演出球を排出させた後に、新たな演出球を放出させることで、一旦経路演出が終了してしまうように遊技者に思わせておいて、経路演出を継続することで、遊技者に意外性を与えて興趣をより効果的に向上できるようにしても良いし、更には、第1セクションの関門ユニットにて演出球を排出させた後、下流の第4セクションの関門ユニットから演出球を放出させて、演出球があたかも復活したかのように遊技者に思わせるような経路演出を実施しても良い。
【0317】
また、前記実施例では、透明遊技盤6に、特別図柄の可変表示に連動して飾り図柄(演出図柄)の可変表示を行う演出表示装置を設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら演出表示装置を透明遊技盤6に設けたものとしても良い。
【0318】
また、前記実施例では実施していないが、例えば、演出球が第1ルートや第2ルートに設けられたセクション役物により流下しなくなってしまい、下流の関門ユニットにおいて、所定の到達時間から規定の時間が経過しても当該演出球の到着が検出されない場合には、これらセクション役物も始めとする各役物装置を激しく動作させて、詰まりが解消する可能性を高くするとともに、詰まりが発生していることを遊技者や係員が認識できるようにしても良い。
【符号の説明】
【0319】
1 パチンコ機
6 透明遊技盤
8a 第1特別図柄表示器
8b 第2特別図柄表示器
9 ギミック演出装置
10 普通図柄表示器
13 第1始動入賞口
14 第2始動入賞口
15 可変入賞球装置
31 主基板
32 ゲート
41 第1始動入賞貯留部
42 第2始動入賞貯留部
80 演出制御基板
81 演出制御用マイクロコンピュータ
86 演出制御用CPU
111 第1ルート第1関門ユニット
140 大当り振分け役物
150 ラウンド振分け役物
180 揚送装置
560 遊技制御用マイクロコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が所定の遊技を行うことによる始動条件の成立にもとづいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行う可変表示手段と、該識別情報の可変表示の表示結果が導出されるまでに、遊技の結果を遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させる特定遊技結果とするか否かを決定するとともに前記可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでの時間が異なる複数の可変表示時間の内から1の可変表示時間を決定する事前決定手段と、前記始動条件の成立頻度が所定の通常頻度であって前記表示結果が導出されるまでの時間が短い短縮可変表示時間が決定される割合が通常割合である第1遊技状態または前記始動条件の成立頻度が前記通常頻度よりも高い特別頻度であって前記短縮可変表示時間が決定される割合が前記通常割合よりも高い特別割合である第2遊技状態に遊技状態を制御する遊技制御手段と、を備え、前記可変表示手段に表示結果を導出することで遊技の結果を確定し、該確定した遊技の結果が特定遊技結果であるときに特定遊技状態に前記遊技制御手段により制御される遊技機であって、
前記遊技に使用される遊技媒体と同一の演出媒体または前記遊技に使用される遊技媒体と異なる所定の演出媒体が流下可能であって該演出媒体の流下を遊技者が視認可能に設けられ、該演出媒体が順次通過する複数の区画を有する第1経路並びに該第1経路よりも経路の長さが短い第2経路と、
前記第1経路並びに前記第2経路の終端に接続され、前記識別情報の可変表示結果が特定遊技結果となるときに前記第1経路または前記第2経路を通過してきた演出媒体を所定の当選流入口に流入させる一方、前記識別情報の可変表示結果が特定遊技結果とならないときに前記第1経路または前記第2経路を通過してきた演出媒体を前記当選流入口とは異なる非当選流入口に流入させる振分け演出を行う振分け演出装置と、
前記第1経路における各区画の終端位置に設けられ、前記演出媒体の次の区画への通過または経路外への排出を行う複数の関門装置と、
前記可変表示の開始に伴って前記演出媒体の流下を開始させ、該演出媒体が流下により前記第1経路において到達する前記区画である到達区画を、前記事前決定手段にて決定した可変表示時間に基づいて特定して、該特定した到達区画よりも上流位置に設けられている前記関門装置に該演出媒体を通過させるとともに該特定した到達区画に対応する前記関門装置に該演出媒体を排出させる制御を行う演出媒体制御手段と、
前記事前決定手段により前記短縮可変表示時間が決定されないときには前記演出媒体の流路を前記第1経路とし、前記事前決定手段により前記短縮可変表示時間が決定されたときには前記演出媒体の流路を前記第2経路とする経路切り替え手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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