遊星型配置ならびに関連するシステムおよび方法
遊星型配置を備えるシステム。いくつかの実施形態では、遊星型配置は、一次入力要素、入力駆動軸に固定された二次入力要素、一次入力要素と二次入力要素の間に軸方向に配置された少なくとも一部を含み、出力部材に結合された担体、および担体に付随する遊星部材を有することができる。本発明のシステムのいくつかの実施形態は、遊星型配置が配置される筺体および/または筺体内に含まれる流体を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、参照により本明細書にその全体の内容が組み込まれている、2009年9月10日に出願した米国仮出願第61/241,343号の優先権を主張するものである。
【0002】
[0002]本発明は、全体的に遊星型配置、遊星型配置の特定の構成要素ならびにそのような配置を含むシステムおよび方法に関し、軸方向に配向された遊星型配置を含む無段変速機およびそのような変速機を含む車両(芝刈り用トラクタなど)を含むがそれらに限定されるわけではない。
【背景技術】
【0003】
[0003]遊星型配置を含む変速機システムの例には、米国特許第3,494,224号、第5,074,830号および英国特許出願第GB2452710A号に開示された例が含まれる。
【発明の概要】
【0004】
[0004]以下の図面は例として示され、限定するものではない。簡潔で分かりやすくするために、所与の構造のすべての特性が、その構造が表示されるすべての図面で必ずしも符号が付けられているとは限らない。同じ参照符号が必ずしも同じ構造を示すものではない。むしろ、同じ参照符号が類似の特性または類似の機能の特性を示すために使用されることがあり、同じ参照符号ではないこともある。図面は原寸に比例して描かれており(特に注記しない限り)、図示された要素の寸法は、少なくとも図面に描かれた一組の実施形態に対しては、相互に関して正確であると意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1A】[0005]本発明の遊星型配置の1つの実施形態の斜視図である。
【図1B】[0005]本発明の遊星型配置の1つの実施形態の斜視図である。
【図2A】[0006]図1Aに図示された実施形態の端面図である。
【図2B】[0007]図2Aの線2B−2Bに沿って取られた横断面図である。
【図2C】[0008]図2Bに図示された図面の一部の拡大図である。
【図3A】[0009]図1Aに図示された実施形態の担体および裏打を示す組立斜視図である。
【図3B】[00010]図1Aに図示された実施形態の担体および裏打を示す分解斜視図である。
【図4A】[00011]図1Aに図示された実施形態の分解斜視図である。
【図4B】[00011]図1Aに図示された実施形態の分解斜視図である。
【図5】[00012]システムの一部として図1Aに図示された実施形態の横断面図である。
【図6】[00013]図5の横断面図に図示されたシステムの分解斜視図である。
【図7−1】[00014]図6に図示された実施形態に一致するシステムの作動特性に関連する算出されたデータの表である。
【図7−2】[00014]図6に図示された実施形態に一致するシステムの作動特性に関連する算出されたデータの表である。
【図8】[00015]本発明の遊星型配置の別の実施形態の横断面図である。
【図9A】[00016]図1Aに図示された実施形態と共に使用されることができる担体および裏打の別の実施形態の組立斜視図である。
【図9B】[00017]図1Aに図示された実施形態と共に使用されることができる担体および裏打の別の実施形態の分解斜視図である。
【図10】[00018]図6に図示されたシステムの実用的な実施形態の技術図面である。
【図11】[00018]図6に図示されたシステムの実用的な実施形態の技術図面である。
【図12】[00018]図6に図示されたシステムの実用的な実施形態の技術図面である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[00019]「連結された(coupled)」という用語は、結合された(connected)として定義されるが、必ずしも直接的結合ではなく、必ずしも機械的結合でもない。「1つの(a)」および「1つの(an)」は、本開示が明確にそうではないと要求しない限り、1つまたは複数と定義される。「実質的に(substantially)」、「おおよそ(approximately)」および「約(about)」は概して(largely)と定義され、当業者によって理解されるように指定された(および指定されたもの全体を含む)もの全体を定義するものではない。「備える(comprise)」(ならびに「comprises」および「comprising」などのcompriseの任意の語形)、「有する(have)」(ならびに「has」および「having」などのhaveの任意の語形)、「含有する(contain)」(ならびに「contains」および「containing」などのcontainの任意の語形)および「含む(include)」(ならびに「includes」および「including」などのincludeの任意の語形)という用語は、開放式連結動詞である。その結果、1つまたは複数の要素を「備える」、「有する」、「含有する」または「含む」システムまたは方法がこれらの1つまたは複数の要素を有するが、これらの1つまたは複数の要素またはステップのみを有すると限定されるのではない。同様に、1つまたは複数の特性を「備える」、「有する」、「含有する」または「含む」システムまたは方法の要素がこれらの1つまたは複数の特性を有するが、これらの1つまたは複数の特性のみを有すると限定されるわけではない。加えて、特定の方法で構成された構造(例えば装置)は、少なくともその方法で構成されねばならないが、特定されない1つのまたは複数の方法で構成されてもよい。メートル法は、換算を適用し、最近値のミリメータに丸めることにより提供される英単位から得ることができる。
【0007】
[00020]本発明の遊星型配置は、様々な形態(遊星部材(または遊星要素)は例えばボールまたはローラであってよい)を取ることができ、限定されるわけではないが、配置に入力の1つを提供する連続可変式変速機(CVT)を含む無段変速機(IVT)の一部として含まれる様々な用途、およびそうではなく、従来型遊星歯車対または歯車列が使用され得る(その例は以下に考察されるであろう)任意の用途に使用されることができる。当業者なら理解するであろうが、本発明の遊星型配置の実施形態はギアードニュートラル状態を有するIVTを提供するCVTと併せて使用可能である。「ギアードニュートラル」(例えばギアードニュートラル比率で)では、遊星型配置への2つの入力が互いに打ち消し合い、配置の出力が静止したままである。そのような状態で、エンジン(または他の駆動機)は車両が静止している間、依然として作動状態であり、変速機によって駆動輪に連結されており、したがってクラッチがエンジンを駆動輪から切り離す必要性が減少する。
【0008】
[00021]いくつかの実施形態では、本発明の遊星型配置は、通常の作動中のある時に(短時間ではあるが)摩擦よりもむしろけん引によって構成要素間に駆動を伝達するが、これは駆動伝達に関わる構成要素が互いに実際には接触しない(好ましくは)ことを意味する。その代わりに、トラクション流体(トラクション駆動流体と特徴付けることもできる)の薄膜が、構成要素を分離し、駆動伝達を十分可能にする特性を有する。例えば、トラクション流体に使用される長い鎖分子は、流体が圧縮されると互いにインターロックし、圧力下で非常に粘着性の(粘り気のある)高いものになる。本発明の配置およびシステムと共に使用され得る適切なトラクション流体の例は、INVARITORC 105トラクション流体(Valvoline(Lexington,KY)、Ashland Inc.(Covington,KY)の部所から入手可能)であるが、ShellまたはIdemitsuからのトラクション流体も使用可能であり、市販されていない、または「トラクション」流体として販売されていないが、類似の特性を持つ流体であってもよい。配置の構成要素間の接触点で圧力が働くと、オイルがすべる傾向に抵抗し、駆動を効果的に伝達する。これらのけん引の実施形態では、駆動は通常の作動中のある時点(短時間ではあるが)でけん引によって(薄い弾性流体力学流体膜をせん断することにより)構成要素間に伝達されるが、金属対金属の摩擦によるのではない。このような実施形態の配置はけん引遊星型配置として詳細に説明されることができる。さらに具体的には、そのような実施形態の配置は、けん引軸方向に配向された遊星型配置として説明され得る。いくつかの実施形態では、軸方向に配向された遊星型配置とは、環状部材および太陽歯車が、配置がその周りに回転する軸の方向に沿って互いから離隔されている配置であり、環状部材のどの部分も軸方向に太陽部材の任意の部分に重ならないようになっている(そのような配置の例は図2Bおよび図8に示される)。いくつかの実施形態では、もし配置の要素全体に伝達される1つまたは複数の負荷が軸方向の成分を有するならば(要素全体に伝達される1つまたは複数の負荷が理想的な作動状態下で軸方向の成分を持たない、放射状に配向された遊星部材駆動列と対称的に)、遊星型配置は軸方向に配向される。
【0009】
[00022]より大きなシステム(IVTなど)の一部として使用され得る本発明の遊星型配置の一実施形態が図1A乃至図4Bに示される。遊星型配置100(軸方向に配向された遊星型配置またはけん引軸方向に配向された遊星型配置として特徴付けることもできる)には、太陽部材10、環状部材20、および太陽部材と環状部材との間に軸方向に配置されている少なくとも一部を含む担体30が含まれ、(図2Bに示すように、担体の少なくとも一部分が太陽部材または環状部材のいずれかの任意の部分に軸方向に重なることがないという意味である)図示された実施形態ではこの部分は実質的に担体30のすべてを備える。配置100は、軸150の周りに回転し、軸150は入力駆動軸125および出力駆動軸175の中央になる。したがって太陽部材10(図示された実施形態ではディスクまたはプレートである)、環状部材20(図示された実施形態ではディスクまたはプレートである)および担体30(図示された実施形態ではディスクまたはプレートであり、担体プレートとも言及される)もまた軸150の周りを回転する。配置100はまた、担体30に付随する遊星部材40も含む。
【0010】
[00023]この実施形態では担体30は、担体30の中心の周り(または軸150の周り)に円周上に整列し、互いに角度離隔された開口35を有する。この実施形態では、角度の間隔は実質的に互いに等しいが、他の実施形態ではその必要はない。この実施形態では、配置100もまた担体30に連結された裏打50を含む。より具体的には、裏打50は各開口35内に固定して配置されている(裏打が開口内部で回転しないということを意味する)。この実施形態では、遊星部材40は、担体30の開口35内に配置され、より具体的には裏打50内に配置されているボール(球形遊星部材、球体、駆動ボールまたは駆動球体と言及されることもある)を備える。この点で、各遊星部材40は、裏打50によって完全に包囲され、裏打50(この実施形態では、環状裏打である)内で回転可能であることを特徴とすることができる。しかし、概して裏打50は、開口35内に配置され、遊星部材を担体から(より具体的には、問題の担体開口を画定する担体材料から)分離する裏打(または担体開口裏打)の一例である。裏打50は、少なくとも配置の作動中に、遊星部材と、遊星部材が配置される開口を画定する担体材料との間の任意の接触を防止するように構成された裏打の例でもある。この実施形態では、5つの開口、5つの環状裏打および5つの球形遊星部材が存在するが、他の実施形態では、それぞれ1つ以上(例えば2つ、3つ、4つ、6つ、7つ、またはそれ以上)の任意の数の遊星部材が存在することもできる。
【0011】
[00024]加えて、裏打50は連続する環状環であるが、連続する環状環ではないが(図9Aおよび図9B参照)、少なくとも配置の作動中に、球形の遊星と遊星部材が配置される開口を画定する担体材料との間の接触をやはり減少させる働きをする本発明の裏打の他の実施形態が使用されてもよい。
【0012】
[00025]遊星部材40は、それらがボールであるので、任意の形態の軸または軸受上に支持される必要がないが、一方従来の遊星歯車または放射状けん引用に構成された遊星は支持される必要がある。さらに、遊星部材40は、それらが球形であるので、それらの中心を通って負荷を伝達する遊星部材の例であり、所与の遊星部材をずらす傾向にあるモーメントが存在しない。
【0013】
[00026]図示された実施形態では、担体30は出力部材60に結合されており(具体的には固定式に結合されている)、その結果、出力部材60(図示された実施形態ではハブであり、そのハブは、ハブのねじ切りされた開口67を貫通し、担体30の対応するねじ切りされた開口37を貫通して配置された軸方向に配向されたねじ62を使用して担体にボルトで止められている)の回転速度は、担体30の回転速度と同じである。
【0014】
[00027]配置100の通常の作動中に、遊星部材は担体(より具体的には、担体内の開口、さらに具体的には開口内の環状裏打)によって円周上に制限され、太陽部材および環状部材によって軸方向に円周上に制限される。
【0015】
[00028]図示された実施形態では、配置100は力発生器70も含み、その力発生器70は環状部材20に接触し、環状部材20に対して軸方向の力(締め付け力または端壁荷重として特徴付けることもできる)を加えるように構成される。「軸方向」として説明される力および方向は、遊星型配置の回転軸に平行な方向である(必ずしも整列しているとは限らないが)。この実施形態では、力発生器70は、円錐形皿ばねなどの円盤ばねを備え、技術図面に精通した当業者なら理解するであろうが、皿ばねは環状部材の後部に干渉する形で図示されている。別の実施形態では、力発生器は任意の適切な装置(可変油圧締め付け装置または異なる機械的締め付け装置など)を備えることがあり、適切な端壁荷重または締め付け力を環状部材20に伝達するために任意の適切な位置に配置されることができる。
【0016】
[00029]図示された実施形態では、太陽部材10は、配置の通常の作動中に太陽部材と遊星部材との間に駆動を伝達する太陽軌道12を含み、環状部材20は、配置の通常の作動中に環状部材と遊星部材との間に駆動を伝達する環状軌道22を含む。太陽部材10および環状部材20は入力要素として言及され得るものの例である。いくつかの実施形態では、太陽軌道12の中心と軸150との間の距離R1は、環状軌道22の中心と軸150との間の距離R2よりも小さい。別の実施形態では、2つの距離は実質的に同じであり(および同じであることができ)、そのような実施形態では、太陽部材および環状部材は入力要素と言及される。これらの軌道の中心は、それらを通って延在する線が軸150に45°の角度で交差するように配置されることができるが、他の数値のR1およびR2が使用されてもよい(したがって異なる角度が達成され得る)。軸150の周りを回転することに加えて、各遊星部材40もまた、2つの軌道の中心に交差する線に垂直であるそれ自体の軸41の周りを回転する(図2C参照)。図2Cに示された距離R3は、軸125から遊星部材40の中心までの距離である(したがって軸125の周りの遊星部材の中心の回転半径である)。
【0017】
[00030]当業者なら理解するであろうが、担体30の回転速度(遊星型配置の被駆動要素(または被駆動要素30)として特徴付けられることがある)は、環状部材20および太陽部材10(入力要素20および10と言及されることもある)の入力回転速度によって決定され、それらの入力回転速度は遊星部材40に伝達される。具体的には、要素の回毎分(RPM)の回転速度ωは、以下の数式によって定義される:ωR1(入力要素10)=2ωR3(被駆動要素30)−ωR2(入力要素20)
【0018】
[00031]図示された実施形態では、配置100は0.80よりも大きくまたは等しく、0.90よりも小さくまたは等しい相似比、具体的には0.81よりも大きくまたは等しく、0.89よりも小さくまたは等しい相似比、具体的には0.82よりも大きくまたは等しく、0.88よりも小さくまたは等しい相似比、具体的には0.83よりも大きくまたは等しく、0.87よりも小さくまたは等しい相似比、具体的には0.84よりも大きくまたは等しく、0.86よりも小さくまたは等しい相似比、具体的には0.85の相似比を有するように構成される。この開示では、参照された相似比は太陽軌道および環状軌道の一方または両方の直径の比率に対する所与の球形遊星部材40(および各球形遊星部材が同じ直径を有することが好ましい)の直径の比率である。本発明者が、図示された実施形態が毎分3000回転のエンジン速度で負荷ゼロの状態で使用されると、0.95の相似比は安定した作動状態をもたらさなかったと発見したことは驚くべきであり、予期外である。同じ状態で0.80の相似比は連続使用で240時間以上耐えられず、さらに相似比が減少するにつれて耐久性はさらに減少した。
【0019】
[00032]いくつかの実施形態で配置100の一部となり得る、または他の実施形態では配置100が共に使用され得る追加の詳細が複数の図面(例えば図1A乃至図2Bおよび図4A乃至図4B)に示されている。例えば図2Bは、太陽部材10が入力駆動軸125の大体周りに配置された中央開口13を有することを示す。より具体的には針軸受15が中央開口13に配置され、入力駆動軸125の周りに配置され、したがって太陽部材10は入力駆動軸125の周りに自由に回転することができる。同様に担体30は、入力駆動軸125の大体周りに配置される中央開口33を有する。具体的には、針軸受36が開口33に配置され、入力駆動軸125の周りに配置され、したがって担体30は入力駆動軸125の周りに自由に回転することができる。環状部材20は入力駆動軸125に(例えば固定して取り付けられて)結合されている。具体的には、環状部材20は、ハブ25が2つの間の相対的回転を防止するように固定して配置される(図示された実施形態では、分解図4Aおよび図4Bに示すように2つは歯車歯を備え付けて、環状部材20がハブ25にスプライン結合されることができるが、その2つの相対的回転を防止する任意の他の適切な結合手段が使用されてもよい)中央開口23を有する。ハブ25はキー部材127および環128によって入力駆動軸125に結合されるが、任意の他の適切な結合手段が使用されてもよい。環状部材20を入力駆動軸125に固定して結合した結果、環状部材20は入力駆動軸125と同じ速度で回転する。ハブ25は、環状部材20が担体30から離れる軸方向の動きを制限するように構成された保持肩部26、および図示された型の力発生器70を備える皿ばねの一部分に接触するように構成された締め付け肩部27を含む。ボール軸受80は出力部材60とハブ25との間に配置され、出力部材60が入力駆動軸125および軸150の周りに滑らかに相対的に回転することを可能にする。出力部材60はまた出力駆動軸175にも結合されている。図示された実施形態では、これは出力駆動軸175と出力部材60の中央開口64との間のスプライン結合によって達成される。加えて、出力部材60は、中央開口62に隣接し、境界を有する内側肩部63を含み、座金66がその内側肩部63に対して配置され、出力駆動軸175は外側に突出した肩部172を含み、六角キャップねじ68は座金を貫通して、出力駆動軸175内のねじ凹所177の中にあり、出力駆動軸175を軸方向に出力部材60の方へ引っ張り、肩部172を出力部材60の外側端部68に当接させ、座金66を出力部材60の内側肩部63に当接させる。当業者なら認識するであろうが、出力部材60を出力駆動軸175に固定するために他の適切な技術が使用されてもよい。
【0020】
[00033]図5は遊星型配置100が一部分であるシステムを示す。具体的には、図5はIVT 1000(システムの例である)の一部の横断面を示し、IVT 1000は遊星型配置100に連結された従来のバリエータ500を備える。図示された実施形態では、フルトロイダル型(ドーナツ型)レース(軌道輪)、ローリングトラクション型バリエータであるバリエータ500の詳細は当業者によく理解されるので、本明細書では繰り返す必要はないが、バリエータ500は、キー部材を使用して入力駆動軸125に結合されている入力ディスク510、太陽部材10が共に一体に形成され(具体的には、太陽部材10は出力ディスク520の後部を備える)、入力駆動軸125の周りを自由に回転する出力ディスク520、その動作がローラ540の配置を制御するレバー組立体530、および遊星型配置100を取り囲み、トラクション流体(図示せず)が配置される液密の空所560を提供する筺体550を含むことが指摘される。図5はまた、遊星型配置100の出力駆動軸175が平歯車210に結合され得ることを示す。図6はIVT 1000の分解図であり、その詳細は当業者によく理解されるので、本明細書では繰り返す必要はないが、この図が、遊星型配置100の出力が車両の駆動輪に結合される一方法を示し、平歯車210が平歯車216に結合され、平歯車216が差動機構217に結合され、差動機構217が駆動軸218に結合され、駆動軸218が駆動輪(図示せず)に結合可能であることが指摘される。太陽部材10は、図示された実施形態では出力ディスク520と一体であり、したがって2つの回転速度は同じであるが、他の実施形態では、太陽部材10は一体ではなく、出力ディスク520に連結されることができる(太陽部材10の回転速度はやはり出力ディスク520の回転速度と同じである)。
【0021】
[00034]バリエータ500の代わりに、以下の任意の連続可変式変速機(CVT)が使用されて、それに付随することがある任意の軸方向の負荷を考慮して、入力の1つ(太陽部材10に結合される、または一体の関係である)を提供することができ、以下の連続可変式変速機(CVT)とは、ベルト式CVT、ハーフトロイダル型CVT、電動機型CVT、静油圧式CVT、油圧機械式CVT、ローラボール型CVT(例えば「Milner CVT」)、および連続可変式遊星型変速機(例えばFallbrook Technologies Inc.によるもの、およびNuVinci(登録商標)の下で現在開発されたものなど)である。
【0022】
[00035]図7−1および図7−2は、図5に示すシステム内の遊星型配置100の実施形態で使用するために算出された数値を含む一覧表を示す。算出された数値は以下の仮定に基づく。一方の入力に対する遊星部材40と太陽部材10との間の摩擦係数、および他方の入力に対する遊星部材40と環状部材20との間の摩擦係数は0.045であり、その摩擦係数はトラクション流体の使用の結果によるものであり、R1=24.44082148mm(0.962237インチ)、およびR2=40.15626969mm(1.580955インチ)(図2C参照)、各遊星部材40(ボール)の直径は22.225mm(0.875インチ)、各遊星部材40の中心と軸(回転)150との間の距離は32.29854559mm(1.271596インチ)、遊星部材の数=5、力発生器(この実施形態では皿ばね)によって環状部材に伝達される端壁力=5000ニュートン(N)、出力駆動軸(175)と駆動輪の車軸との間の比率=13.35、エンジン速度3450回毎分(RPM)、バリエータ比率幅=5、最小バリエータ比率=−0.447213595、最大バリエータ比率=−2.236067977、駆動輪の仮定出力トルク338.95447ニュートンメートル(250フートポンド(ft lbf))、同じトルクを達成するために必要とされる変速機の出力トルクは25.389847ニュートンメートル(18.72659176フートポンド(ft lbf))と決定された。
【0023】
[00036]図1A乃至図6に示された遊星型配置100の型は、異なる直径(または異なる半径)の遊星軌道を含む。具体的には、環状軌道は太陽軌道よりも大きい直径を有する。しかし、図8に示すような本発明の遊星型配置の他の実施形態では、遊星型配置は同じ半径/直径の軌道を有することができる。遊星型配置300(トラクション遊星型配置またはトラクション軸方向に配向された遊星型配置としても特徴づけることができる)は、そのような配置の例であり、太陽部材310(図示された実施形態ではディスクまたはプレートである)、環状部材320(図示された実施形態ではディスクまたはプレートである)、担体330(図示された実施形態ではディスクまたはプレートである)および担体330に付随する遊星部材340(図示された実施形態ではボールである)を含む。
【0024】
[00037]配置300の図示された実施形態では、担体330は、担体330の中心の周りに(または軸350の周りに)円周上に位置合わせされ、実質的に等しい角度の間隔を置いて互いに離隔された開口335を有する。配置300は各開口335に固定して配置される裏打(例えば環状または環状ではない裏打)と共には図示されていないが、その省略は見やすくするためだけのものであり、遊星部材の寸法対裏打寸法、対開口335寸法の比率は、図2Bに示す同じ構成要素の比率と同じであることができる。この実施形態では、遊星部材340は担体330の開口335に配置されているボール(球形遊星部材、球、駆動ボールまたは駆動球として言及されることもある)を備える。この実施形態では3つの開口335および3つの球形遊星部材340が存在するが、他の実施形態ではより少ない(2つ)またはより多い(例えば4つ以上)それぞれが存在することもできる。
【0025】
[00038]図示された実施形態では、配置300もまた力発生器370を含み、その力発生器370は環状部材320に接触し、環状部材320に対して軸方向の力(締め付け力または端壁荷重としても特徴付けることができる)を加えるように構成される。この実施形態では、力発生器370は、円錐形皿ばねなどの円盤ばねを備え、技術図面に精通した当業者なら理解するであろうが、皿ばねは環状部材の後部に干渉する形で図示されている。別の実施形態では、力発生器は任意の適切な装置(可変油圧締め付け装置または異なる機械的締め付け装置など)を備えることがあり、適切な端壁荷重を環状部材320に伝達するために任意の適切な位置に配置されることができる。
【0026】
[00039]担体330は放射状に配向されたねじ362で出力部材360(ハブとして図示される)に固定して結合され、出力部材360は出力駆動軸375に結合され、出力駆動軸375は軸350を介して入力駆動軸325と軸方向に整列し、軸350の周りに配置300が回転する。太陽部材310は太陽軌道312を含み、環状部材320は環状軌道322を含み、通常の工学的耐性を説明するためにこれらの軌道の半径/直径は、同じまたは実質的に同じである。配置300は、0.80よりも大きくまたは等しく、0.90よりも小さくまたは等しい相似比、具体的には0.81よりも大きくまたは等しく、0.89よりも小さくまたは等しい相似比、具体的には0.82よりも大きくまたは等しく、0.88よりも小さくまたは等しい相似比、具体的には0.83よりも大きくまたは等しく、0.87よりも小さくまたは等しい相似比、具体的には0.84よりも大きくまたは等しく、0.86よりも小さくまたは等しく、具体的には0.85の相似比を有するように構成されることができる。本発明の開示では、参照された相似比は、所与の球形遊星部材340の直径の比率(各球形遊星部材が同じ直径を有することが好ましい)、対太陽軌道および環状軌道の一方または両方の直径の比率である。
【0027】
[00040]担体330の回転速度が決定される方法は、遊星型配置100用に上記に記載した方法と同じである。
【0028】
[00041]図8は、いくつかの実施形態で配置300の一部となり得る、または他の実施形態では配置300が共に使用され得る追加の詳細を示す。具体的には、図8は、太陽部材310が入力駆動軸325の大体周りに配置された中央開口313を有することを示す。より具体的には、針軸受315が中央開口313に配置され、入力駆動軸325の周りに配置され、したがって太陽部材310は入力駆動軸325の周りに自由に回転することができる。同様に担体330は、入力駆動軸325の大体周りに配置される中央開口333を有する。具体的には、針軸受336が中央開口333に配置され、入力駆動軸325の周りに配置され、したがって担体330は入力駆動軸325の周りに自由に回転することができる。環状部材320は入力駆動軸325に(例えば固定して取り付けられて)結合されている。具体的には、環状部材320は、ハブ325が2つの間の相対的回転を防止するように固定して配置される(図示された実施形態では、2つは歯車歯を備え付けて、環状部材320がハブ325にスプライン結合されることができるが、その2つの相対的回転を防止する任意の他の適切な結合手段が使用されてもよい)中央開口323を有する。ハブ325はキー部材427および環428によって入力駆動軸325に結合されるが、任意の他の適切な結合手段が使用されてもよい。環状部材320を入力駆動軸325に固定して結合した結果、環状部材320は入力駆動軸325と同じ速度で回転する。ハブ325は、環状部材320が担体330から離れる軸方向の動きを制限するように構成された保持肩部326、および図示された型の力発生器370を備える皿ばねの一部分に接触するように構成された締め付け肩部327を含む。ボール軸受380は環状部材320の周りに配置され、出力部材360の内側部分に接触し、したがってハブが環状部材320の周りに滑らかに(独立して)回転することを可能にする。環状部材320は軸方向にボール軸受380を含む外側放射状肩部329を含む。出力部材360は、ボール軸受380もまた軸方向に制限する内側肩部363を備える。出力部材360は、キー部材387および環(図示せず)によって出力駆動軸375に固定して結合されているが、中央開口362上の歯、および出力駆動軸375上の歯を提供することなどにより、他の適切な結合機構が使用されてもよく、その結果その2つはスプライン結合され得る。当業者なら認識するであろうが、出力部材360を出力駆動軸375に固定するために他の適切な技術が使用されてもよい。
【0029】
[00042]図8が示すように、太陽部材310はバリエータの出力ディスクと一体にされることができる。この開示の恩恵を有する当業者なら理解するであろうが、そのようなバリエータはIVT(図5および図6に示すシステム(IVT 1000)に関して類似する)の一部であってよい。上記に列挙したような他のCVTが、フルトロイダル型バリエータの代わりにそのようなシステム(例えば遊星型配置300と共に)内で使用されてもよい。
【0030】
[00043]上記に開示された裏打は、本発明の配置およびシステム内で使用するための適切な裏打の一例である。裏打の使用は、ボールとボールが配置される担体内の開口との間の摩擦を軽減することにより遊星型配置の有益な寿命を増加させるように設計される。裏打のないいくつかの担体に比較すると、裏打は、裏打がない場合に担体とボールとの間に起こり得る損傷を防止するのに役立つことができる。一般に、本発明の裏打に使用される材料は、遊星部材に使用される材料よりも軟質であるべきである(例えばロックウェル硬さスケールで)。
【0031】
[00044]開示された裏打のいくつかの実施形態に適切な材料の例には、デュポン社(DuPont)によって製造された、いくつかのVESPEL(商標)ポリマーなど、ポリイミド系ポリマー(プラスチックス)が含まれる。図1A乃至図6に示された配置100の実施形態は、車輪で474.53626ニュートンメートル(350フートポンド(ft lbf))の下、3000rpmでテストされ、裏打50は500時間のライフサイクルテストに合格したVESPEL SP−1から作成され、同様に裏打50はVESPEL SP−21から作成された。他の類似の材料が本発明の裏打に使用されてもよい。以下はテストされていないが、それらが適切であると証明可能である。それらの材料は、以下の商標;VTEC PI(Richard Blaine International,Inc., Reading,PAから市販で入手可能)、およびMELDIN 7001(Saint−Gobain Performance Plasticsによって製造され、Professional Plastics,Inc.,Fullerton,CAから市販で入手可能)により販売されるものなどの一次ポリイミドを備えるポリイミド合成物、以下の商標;VTEC BG21およびMELDIN 7021により販売されるものなどの重量15%の黒鉛を備えるポリイミド合成物、以下の商標;VESPEL SP−22、VTEC BG22およびMELDIN 7022により販売されるものなどの重量40%の黒鉛を備えるポリイミド合成物、以下の商標;VESPEL SP−211、VTEC BG211およびMELDIN 7211により販売されるものなどの重量10%のポリ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)および重量15%の黒鉛を備えるポリイミド合成物である。他の適切な材料が以下の商標により販売されるポリイミド合成物を含む。以下の商標は、TORLON 4301(Solvay Advanced Polymers,L.L.C.(Alpharetta, GA)によって製造され、Professional Plastics,Inc.,Fullerton,CAから市販で入手可能である)およびTORLON 4435である。VICTREX PEEKポリマーなどの特定のポリアリールエーテルエーテルケトン(PEEK)ポリマーもまた適切であることがある。特定のポリ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)ポリマー(例えばPERMAGLIDE PTFE)もまた適切であることがある。
【0032】
[00045]ポリマー(および具体的にはプラスチック)に加えて、ブロンズなどの特定の低摩擦金属または合金が使用され得る。他の潜在的に適切な材料には、CT−1000−K40 PMブロンズなどのいくつかの粉体金属、またはPM自己潤滑性軸受手引書で発表された標準に従う任意の材料が含まれる。適切な材料を選択するために使用され得る別の指針は、問題のシステムに要求される「pv」値に一致するものである。
【0033】
[00046]加えて、裏打50は連続環状環であるが、少なくとも配置の作動中に、球形遊星部材と、それらの遊星部材が配置される開口を画定する担体材料との間の接触を減少させる働きをする本発明の裏打の他の実施形態が使用されてもよい。例えば図9Aおよび図9Bは、分割または区分された裏打の例(原寸に比例しない)を示し、その結果、その裏打は球形遊星部材を担体材料から分離する役目をするが、切れ目のない連続した方法で遊星部材を取り囲むのではない。担体30aは、配置100のいくつかの実施形態で使用され得るが、裏打分割部分50sを受けるように構成された裏打分割部分取り付け用切欠き部35d(この実施形態では、鳩尾形である)と共に構成されている開口35aを含み、裏打分割部分50sの2つが遊星部材を完全に取り囲まないように構成された裏打の例を備える。そのような裏打分割部分は、圧入/摩擦嵌めによって適当な位置に保持される。図9Aおよび図9Bが示すように、所与の開口35aの中心から任意の所与の裏打分割部分上の最接近点までの距離は、その開口の中心から開口を画定する材料の最接近点までの距離よりも小さい。図9Aおよび図9Bに示された分割/区分された裏打の例は、遊星部材を担体から(より具体的には、問題の担体の開口を画定する担体材料から)分離するために、担体の開口に配置され得る1つの例である。担体30a内の中央開口33aおよびねじ切り開口37aは、中央開口33およびねじ切り開口37がそれぞれ担体30内で果たす機能と同じ機能を果たす。
【0034】
[00047]一般的に、本発明のディスク形担体(例えば担体30および担体330)は、当業者なら理解するであろうが、駆動輪で要求される出力トルクに耐えるために十分な硬度を持つべきである。VESPEL SP−1およびSP−21から作成された裏打50と共に良好に機能すると決定された硬さの例は、65HRC(ロックウェルCスケール:Rockwell C scale)であるが、異なる硬さが使用されてもよい。
【0035】
[00048]本発明の遊星型配置のいくつかの例では、ディスク形担体30および30aを、遊星部材よりも軟らかいが、駆動輪で所望されるトルクを生成するために要求されるトルクに耐えるために十分な硬さを有する材料から作成することにより、複数の裏打50および裏打50sなしで済ますことも可能である。そのような担体は裏打のない担体として特徴付けることができる。そのような担体を備える配置は、担体開口と遊星部材との間に配置される材料がない担体として特徴付けることができる。
【0036】
[00049]本発明のシステムおよび方法は、開示された具体的な形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。むしろ、それらは特許請求の範囲内に収まるすべての修正形態、等価の形態および代替形態を含むものである。例えば担体30に示された担体開口は実質的に等しい角度を置いて離隔されているが、他の配置に開口をグループ分けすることができる。例えば、6つの担体開口35が3つの開口を有する2つのグループに離隔される使用が可能であり、この場合45°の2つの角度を置いた間隔が各グループ3つの開口を分離し、各グループの最外開口が互いから90°角度を置いて分離される。別の例では、配置100と共に使用され得る上記に示す担体(担体30および30a)が、外側輪郭が略円形を有するが、他の担体形状が使用されてもよい。例えば、少なくとも部分的に特定のボールを取り囲むように設計された開口(または切欠き部)の所与の部分を超えて放射状に延在しない担体形状が使用されてもよく、そのような担体は360°よりも小さいが180°よりも大きい円から成る切欠き部を含むことができ、裏打はそれぞれそのような各切欠き部内でそのような担体に連結されることができ、ボールは少なくとも部分的に所与の切欠き部によって取り囲まれる(またはそうでなければ、境界を接する)ように配置されることができる。
【0037】
[00050]特許請求の範囲は、限定がそれぞれ「方法のための(means for)」または「工程のための(step for)」の語句を使用して所与の請求項で明確に列挙されないならば、そのような限定を超える方法または機能限定を超える工程を含むと解釈されるべきではない。
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、参照により本明細書にその全体の内容が組み込まれている、2009年9月10日に出願した米国仮出願第61/241,343号の優先権を主張するものである。
【0002】
[0002]本発明は、全体的に遊星型配置、遊星型配置の特定の構成要素ならびにそのような配置を含むシステムおよび方法に関し、軸方向に配向された遊星型配置を含む無段変速機およびそのような変速機を含む車両(芝刈り用トラクタなど)を含むがそれらに限定されるわけではない。
【背景技術】
【0003】
[0003]遊星型配置を含む変速機システムの例には、米国特許第3,494,224号、第5,074,830号および英国特許出願第GB2452710A号に開示された例が含まれる。
【発明の概要】
【0004】
[0004]以下の図面は例として示され、限定するものではない。簡潔で分かりやすくするために、所与の構造のすべての特性が、その構造が表示されるすべての図面で必ずしも符号が付けられているとは限らない。同じ参照符号が必ずしも同じ構造を示すものではない。むしろ、同じ参照符号が類似の特性または類似の機能の特性を示すために使用されることがあり、同じ参照符号ではないこともある。図面は原寸に比例して描かれており(特に注記しない限り)、図示された要素の寸法は、少なくとも図面に描かれた一組の実施形態に対しては、相互に関して正確であると意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1A】[0005]本発明の遊星型配置の1つの実施形態の斜視図である。
【図1B】[0005]本発明の遊星型配置の1つの実施形態の斜視図である。
【図2A】[0006]図1Aに図示された実施形態の端面図である。
【図2B】[0007]図2Aの線2B−2Bに沿って取られた横断面図である。
【図2C】[0008]図2Bに図示された図面の一部の拡大図である。
【図3A】[0009]図1Aに図示された実施形態の担体および裏打を示す組立斜視図である。
【図3B】[00010]図1Aに図示された実施形態の担体および裏打を示す分解斜視図である。
【図4A】[00011]図1Aに図示された実施形態の分解斜視図である。
【図4B】[00011]図1Aに図示された実施形態の分解斜視図である。
【図5】[00012]システムの一部として図1Aに図示された実施形態の横断面図である。
【図6】[00013]図5の横断面図に図示されたシステムの分解斜視図である。
【図7−1】[00014]図6に図示された実施形態に一致するシステムの作動特性に関連する算出されたデータの表である。
【図7−2】[00014]図6に図示された実施形態に一致するシステムの作動特性に関連する算出されたデータの表である。
【図8】[00015]本発明の遊星型配置の別の実施形態の横断面図である。
【図9A】[00016]図1Aに図示された実施形態と共に使用されることができる担体および裏打の別の実施形態の組立斜視図である。
【図9B】[00017]図1Aに図示された実施形態と共に使用されることができる担体および裏打の別の実施形態の分解斜視図である。
【図10】[00018]図6に図示されたシステムの実用的な実施形態の技術図面である。
【図11】[00018]図6に図示されたシステムの実用的な実施形態の技術図面である。
【図12】[00018]図6に図示されたシステムの実用的な実施形態の技術図面である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[00019]「連結された(coupled)」という用語は、結合された(connected)として定義されるが、必ずしも直接的結合ではなく、必ずしも機械的結合でもない。「1つの(a)」および「1つの(an)」は、本開示が明確にそうではないと要求しない限り、1つまたは複数と定義される。「実質的に(substantially)」、「おおよそ(approximately)」および「約(about)」は概して(largely)と定義され、当業者によって理解されるように指定された(および指定されたもの全体を含む)もの全体を定義するものではない。「備える(comprise)」(ならびに「comprises」および「comprising」などのcompriseの任意の語形)、「有する(have)」(ならびに「has」および「having」などのhaveの任意の語形)、「含有する(contain)」(ならびに「contains」および「containing」などのcontainの任意の語形)および「含む(include)」(ならびに「includes」および「including」などのincludeの任意の語形)という用語は、開放式連結動詞である。その結果、1つまたは複数の要素を「備える」、「有する」、「含有する」または「含む」システムまたは方法がこれらの1つまたは複数の要素を有するが、これらの1つまたは複数の要素またはステップのみを有すると限定されるのではない。同様に、1つまたは複数の特性を「備える」、「有する」、「含有する」または「含む」システムまたは方法の要素がこれらの1つまたは複数の特性を有するが、これらの1つまたは複数の特性のみを有すると限定されるわけではない。加えて、特定の方法で構成された構造(例えば装置)は、少なくともその方法で構成されねばならないが、特定されない1つのまたは複数の方法で構成されてもよい。メートル法は、換算を適用し、最近値のミリメータに丸めることにより提供される英単位から得ることができる。
【0007】
[00020]本発明の遊星型配置は、様々な形態(遊星部材(または遊星要素)は例えばボールまたはローラであってよい)を取ることができ、限定されるわけではないが、配置に入力の1つを提供する連続可変式変速機(CVT)を含む無段変速機(IVT)の一部として含まれる様々な用途、およびそうではなく、従来型遊星歯車対または歯車列が使用され得る(その例は以下に考察されるであろう)任意の用途に使用されることができる。当業者なら理解するであろうが、本発明の遊星型配置の実施形態はギアードニュートラル状態を有するIVTを提供するCVTと併せて使用可能である。「ギアードニュートラル」(例えばギアードニュートラル比率で)では、遊星型配置への2つの入力が互いに打ち消し合い、配置の出力が静止したままである。そのような状態で、エンジン(または他の駆動機)は車両が静止している間、依然として作動状態であり、変速機によって駆動輪に連結されており、したがってクラッチがエンジンを駆動輪から切り離す必要性が減少する。
【0008】
[00021]いくつかの実施形態では、本発明の遊星型配置は、通常の作動中のある時に(短時間ではあるが)摩擦よりもむしろけん引によって構成要素間に駆動を伝達するが、これは駆動伝達に関わる構成要素が互いに実際には接触しない(好ましくは)ことを意味する。その代わりに、トラクション流体(トラクション駆動流体と特徴付けることもできる)の薄膜が、構成要素を分離し、駆動伝達を十分可能にする特性を有する。例えば、トラクション流体に使用される長い鎖分子は、流体が圧縮されると互いにインターロックし、圧力下で非常に粘着性の(粘り気のある)高いものになる。本発明の配置およびシステムと共に使用され得る適切なトラクション流体の例は、INVARITORC 105トラクション流体(Valvoline(Lexington,KY)、Ashland Inc.(Covington,KY)の部所から入手可能)であるが、ShellまたはIdemitsuからのトラクション流体も使用可能であり、市販されていない、または「トラクション」流体として販売されていないが、類似の特性を持つ流体であってもよい。配置の構成要素間の接触点で圧力が働くと、オイルがすべる傾向に抵抗し、駆動を効果的に伝達する。これらのけん引の実施形態では、駆動は通常の作動中のある時点(短時間ではあるが)でけん引によって(薄い弾性流体力学流体膜をせん断することにより)構成要素間に伝達されるが、金属対金属の摩擦によるのではない。このような実施形態の配置はけん引遊星型配置として詳細に説明されることができる。さらに具体的には、そのような実施形態の配置は、けん引軸方向に配向された遊星型配置として説明され得る。いくつかの実施形態では、軸方向に配向された遊星型配置とは、環状部材および太陽歯車が、配置がその周りに回転する軸の方向に沿って互いから離隔されている配置であり、環状部材のどの部分も軸方向に太陽部材の任意の部分に重ならないようになっている(そのような配置の例は図2Bおよび図8に示される)。いくつかの実施形態では、もし配置の要素全体に伝達される1つまたは複数の負荷が軸方向の成分を有するならば(要素全体に伝達される1つまたは複数の負荷が理想的な作動状態下で軸方向の成分を持たない、放射状に配向された遊星部材駆動列と対称的に)、遊星型配置は軸方向に配向される。
【0009】
[00022]より大きなシステム(IVTなど)の一部として使用され得る本発明の遊星型配置の一実施形態が図1A乃至図4Bに示される。遊星型配置100(軸方向に配向された遊星型配置またはけん引軸方向に配向された遊星型配置として特徴付けることもできる)には、太陽部材10、環状部材20、および太陽部材と環状部材との間に軸方向に配置されている少なくとも一部を含む担体30が含まれ、(図2Bに示すように、担体の少なくとも一部分が太陽部材または環状部材のいずれかの任意の部分に軸方向に重なることがないという意味である)図示された実施形態ではこの部分は実質的に担体30のすべてを備える。配置100は、軸150の周りに回転し、軸150は入力駆動軸125および出力駆動軸175の中央になる。したがって太陽部材10(図示された実施形態ではディスクまたはプレートである)、環状部材20(図示された実施形態ではディスクまたはプレートである)および担体30(図示された実施形態ではディスクまたはプレートであり、担体プレートとも言及される)もまた軸150の周りを回転する。配置100はまた、担体30に付随する遊星部材40も含む。
【0010】
[00023]この実施形態では担体30は、担体30の中心の周り(または軸150の周り)に円周上に整列し、互いに角度離隔された開口35を有する。この実施形態では、角度の間隔は実質的に互いに等しいが、他の実施形態ではその必要はない。この実施形態では、配置100もまた担体30に連結された裏打50を含む。より具体的には、裏打50は各開口35内に固定して配置されている(裏打が開口内部で回転しないということを意味する)。この実施形態では、遊星部材40は、担体30の開口35内に配置され、より具体的には裏打50内に配置されているボール(球形遊星部材、球体、駆動ボールまたは駆動球体と言及されることもある)を備える。この点で、各遊星部材40は、裏打50によって完全に包囲され、裏打50(この実施形態では、環状裏打である)内で回転可能であることを特徴とすることができる。しかし、概して裏打50は、開口35内に配置され、遊星部材を担体から(より具体的には、問題の担体開口を画定する担体材料から)分離する裏打(または担体開口裏打)の一例である。裏打50は、少なくとも配置の作動中に、遊星部材と、遊星部材が配置される開口を画定する担体材料との間の任意の接触を防止するように構成された裏打の例でもある。この実施形態では、5つの開口、5つの環状裏打および5つの球形遊星部材が存在するが、他の実施形態では、それぞれ1つ以上(例えば2つ、3つ、4つ、6つ、7つ、またはそれ以上)の任意の数の遊星部材が存在することもできる。
【0011】
[00024]加えて、裏打50は連続する環状環であるが、連続する環状環ではないが(図9Aおよび図9B参照)、少なくとも配置の作動中に、球形の遊星と遊星部材が配置される開口を画定する担体材料との間の接触をやはり減少させる働きをする本発明の裏打の他の実施形態が使用されてもよい。
【0012】
[00025]遊星部材40は、それらがボールであるので、任意の形態の軸または軸受上に支持される必要がないが、一方従来の遊星歯車または放射状けん引用に構成された遊星は支持される必要がある。さらに、遊星部材40は、それらが球形であるので、それらの中心を通って負荷を伝達する遊星部材の例であり、所与の遊星部材をずらす傾向にあるモーメントが存在しない。
【0013】
[00026]図示された実施形態では、担体30は出力部材60に結合されており(具体的には固定式に結合されている)、その結果、出力部材60(図示された実施形態ではハブであり、そのハブは、ハブのねじ切りされた開口67を貫通し、担体30の対応するねじ切りされた開口37を貫通して配置された軸方向に配向されたねじ62を使用して担体にボルトで止められている)の回転速度は、担体30の回転速度と同じである。
【0014】
[00027]配置100の通常の作動中に、遊星部材は担体(より具体的には、担体内の開口、さらに具体的には開口内の環状裏打)によって円周上に制限され、太陽部材および環状部材によって軸方向に円周上に制限される。
【0015】
[00028]図示された実施形態では、配置100は力発生器70も含み、その力発生器70は環状部材20に接触し、環状部材20に対して軸方向の力(締め付け力または端壁荷重として特徴付けることもできる)を加えるように構成される。「軸方向」として説明される力および方向は、遊星型配置の回転軸に平行な方向である(必ずしも整列しているとは限らないが)。この実施形態では、力発生器70は、円錐形皿ばねなどの円盤ばねを備え、技術図面に精通した当業者なら理解するであろうが、皿ばねは環状部材の後部に干渉する形で図示されている。別の実施形態では、力発生器は任意の適切な装置(可変油圧締め付け装置または異なる機械的締め付け装置など)を備えることがあり、適切な端壁荷重または締め付け力を環状部材20に伝達するために任意の適切な位置に配置されることができる。
【0016】
[00029]図示された実施形態では、太陽部材10は、配置の通常の作動中に太陽部材と遊星部材との間に駆動を伝達する太陽軌道12を含み、環状部材20は、配置の通常の作動中に環状部材と遊星部材との間に駆動を伝達する環状軌道22を含む。太陽部材10および環状部材20は入力要素として言及され得るものの例である。いくつかの実施形態では、太陽軌道12の中心と軸150との間の距離R1は、環状軌道22の中心と軸150との間の距離R2よりも小さい。別の実施形態では、2つの距離は実質的に同じであり(および同じであることができ)、そのような実施形態では、太陽部材および環状部材は入力要素と言及される。これらの軌道の中心は、それらを通って延在する線が軸150に45°の角度で交差するように配置されることができるが、他の数値のR1およびR2が使用されてもよい(したがって異なる角度が達成され得る)。軸150の周りを回転することに加えて、各遊星部材40もまた、2つの軌道の中心に交差する線に垂直であるそれ自体の軸41の周りを回転する(図2C参照)。図2Cに示された距離R3は、軸125から遊星部材40の中心までの距離である(したがって軸125の周りの遊星部材の中心の回転半径である)。
【0017】
[00030]当業者なら理解するであろうが、担体30の回転速度(遊星型配置の被駆動要素(または被駆動要素30)として特徴付けられることがある)は、環状部材20および太陽部材10(入力要素20および10と言及されることもある)の入力回転速度によって決定され、それらの入力回転速度は遊星部材40に伝達される。具体的には、要素の回毎分(RPM)の回転速度ωは、以下の数式によって定義される:ωR1(入力要素10)=2ωR3(被駆動要素30)−ωR2(入力要素20)
【0018】
[00031]図示された実施形態では、配置100は0.80よりも大きくまたは等しく、0.90よりも小さくまたは等しい相似比、具体的には0.81よりも大きくまたは等しく、0.89よりも小さくまたは等しい相似比、具体的には0.82よりも大きくまたは等しく、0.88よりも小さくまたは等しい相似比、具体的には0.83よりも大きくまたは等しく、0.87よりも小さくまたは等しい相似比、具体的には0.84よりも大きくまたは等しく、0.86よりも小さくまたは等しい相似比、具体的には0.85の相似比を有するように構成される。この開示では、参照された相似比は太陽軌道および環状軌道の一方または両方の直径の比率に対する所与の球形遊星部材40(および各球形遊星部材が同じ直径を有することが好ましい)の直径の比率である。本発明者が、図示された実施形態が毎分3000回転のエンジン速度で負荷ゼロの状態で使用されると、0.95の相似比は安定した作動状態をもたらさなかったと発見したことは驚くべきであり、予期外である。同じ状態で0.80の相似比は連続使用で240時間以上耐えられず、さらに相似比が減少するにつれて耐久性はさらに減少した。
【0019】
[00032]いくつかの実施形態で配置100の一部となり得る、または他の実施形態では配置100が共に使用され得る追加の詳細が複数の図面(例えば図1A乃至図2Bおよび図4A乃至図4B)に示されている。例えば図2Bは、太陽部材10が入力駆動軸125の大体周りに配置された中央開口13を有することを示す。より具体的には針軸受15が中央開口13に配置され、入力駆動軸125の周りに配置され、したがって太陽部材10は入力駆動軸125の周りに自由に回転することができる。同様に担体30は、入力駆動軸125の大体周りに配置される中央開口33を有する。具体的には、針軸受36が開口33に配置され、入力駆動軸125の周りに配置され、したがって担体30は入力駆動軸125の周りに自由に回転することができる。環状部材20は入力駆動軸125に(例えば固定して取り付けられて)結合されている。具体的には、環状部材20は、ハブ25が2つの間の相対的回転を防止するように固定して配置される(図示された実施形態では、分解図4Aおよび図4Bに示すように2つは歯車歯を備え付けて、環状部材20がハブ25にスプライン結合されることができるが、その2つの相対的回転を防止する任意の他の適切な結合手段が使用されてもよい)中央開口23を有する。ハブ25はキー部材127および環128によって入力駆動軸125に結合されるが、任意の他の適切な結合手段が使用されてもよい。環状部材20を入力駆動軸125に固定して結合した結果、環状部材20は入力駆動軸125と同じ速度で回転する。ハブ25は、環状部材20が担体30から離れる軸方向の動きを制限するように構成された保持肩部26、および図示された型の力発生器70を備える皿ばねの一部分に接触するように構成された締め付け肩部27を含む。ボール軸受80は出力部材60とハブ25との間に配置され、出力部材60が入力駆動軸125および軸150の周りに滑らかに相対的に回転することを可能にする。出力部材60はまた出力駆動軸175にも結合されている。図示された実施形態では、これは出力駆動軸175と出力部材60の中央開口64との間のスプライン結合によって達成される。加えて、出力部材60は、中央開口62に隣接し、境界を有する内側肩部63を含み、座金66がその内側肩部63に対して配置され、出力駆動軸175は外側に突出した肩部172を含み、六角キャップねじ68は座金を貫通して、出力駆動軸175内のねじ凹所177の中にあり、出力駆動軸175を軸方向に出力部材60の方へ引っ張り、肩部172を出力部材60の外側端部68に当接させ、座金66を出力部材60の内側肩部63に当接させる。当業者なら認識するであろうが、出力部材60を出力駆動軸175に固定するために他の適切な技術が使用されてもよい。
【0020】
[00033]図5は遊星型配置100が一部分であるシステムを示す。具体的には、図5はIVT 1000(システムの例である)の一部の横断面を示し、IVT 1000は遊星型配置100に連結された従来のバリエータ500を備える。図示された実施形態では、フルトロイダル型(ドーナツ型)レース(軌道輪)、ローリングトラクション型バリエータであるバリエータ500の詳細は当業者によく理解されるので、本明細書では繰り返す必要はないが、バリエータ500は、キー部材を使用して入力駆動軸125に結合されている入力ディスク510、太陽部材10が共に一体に形成され(具体的には、太陽部材10は出力ディスク520の後部を備える)、入力駆動軸125の周りを自由に回転する出力ディスク520、その動作がローラ540の配置を制御するレバー組立体530、および遊星型配置100を取り囲み、トラクション流体(図示せず)が配置される液密の空所560を提供する筺体550を含むことが指摘される。図5はまた、遊星型配置100の出力駆動軸175が平歯車210に結合され得ることを示す。図6はIVT 1000の分解図であり、その詳細は当業者によく理解されるので、本明細書では繰り返す必要はないが、この図が、遊星型配置100の出力が車両の駆動輪に結合される一方法を示し、平歯車210が平歯車216に結合され、平歯車216が差動機構217に結合され、差動機構217が駆動軸218に結合され、駆動軸218が駆動輪(図示せず)に結合可能であることが指摘される。太陽部材10は、図示された実施形態では出力ディスク520と一体であり、したがって2つの回転速度は同じであるが、他の実施形態では、太陽部材10は一体ではなく、出力ディスク520に連結されることができる(太陽部材10の回転速度はやはり出力ディスク520の回転速度と同じである)。
【0021】
[00034]バリエータ500の代わりに、以下の任意の連続可変式変速機(CVT)が使用されて、それに付随することがある任意の軸方向の負荷を考慮して、入力の1つ(太陽部材10に結合される、または一体の関係である)を提供することができ、以下の連続可変式変速機(CVT)とは、ベルト式CVT、ハーフトロイダル型CVT、電動機型CVT、静油圧式CVT、油圧機械式CVT、ローラボール型CVT(例えば「Milner CVT」)、および連続可変式遊星型変速機(例えばFallbrook Technologies Inc.によるもの、およびNuVinci(登録商標)の下で現在開発されたものなど)である。
【0022】
[00035]図7−1および図7−2は、図5に示すシステム内の遊星型配置100の実施形態で使用するために算出された数値を含む一覧表を示す。算出された数値は以下の仮定に基づく。一方の入力に対する遊星部材40と太陽部材10との間の摩擦係数、および他方の入力に対する遊星部材40と環状部材20との間の摩擦係数は0.045であり、その摩擦係数はトラクション流体の使用の結果によるものであり、R1=24.44082148mm(0.962237インチ)、およびR2=40.15626969mm(1.580955インチ)(図2C参照)、各遊星部材40(ボール)の直径は22.225mm(0.875インチ)、各遊星部材40の中心と軸(回転)150との間の距離は32.29854559mm(1.271596インチ)、遊星部材の数=5、力発生器(この実施形態では皿ばね)によって環状部材に伝達される端壁力=5000ニュートン(N)、出力駆動軸(175)と駆動輪の車軸との間の比率=13.35、エンジン速度3450回毎分(RPM)、バリエータ比率幅=5、最小バリエータ比率=−0.447213595、最大バリエータ比率=−2.236067977、駆動輪の仮定出力トルク338.95447ニュートンメートル(250フートポンド(ft lbf))、同じトルクを達成するために必要とされる変速機の出力トルクは25.389847ニュートンメートル(18.72659176フートポンド(ft lbf))と決定された。
【0023】
[00036]図1A乃至図6に示された遊星型配置100の型は、異なる直径(または異なる半径)の遊星軌道を含む。具体的には、環状軌道は太陽軌道よりも大きい直径を有する。しかし、図8に示すような本発明の遊星型配置の他の実施形態では、遊星型配置は同じ半径/直径の軌道を有することができる。遊星型配置300(トラクション遊星型配置またはトラクション軸方向に配向された遊星型配置としても特徴づけることができる)は、そのような配置の例であり、太陽部材310(図示された実施形態ではディスクまたはプレートである)、環状部材320(図示された実施形態ではディスクまたはプレートである)、担体330(図示された実施形態ではディスクまたはプレートである)および担体330に付随する遊星部材340(図示された実施形態ではボールである)を含む。
【0024】
[00037]配置300の図示された実施形態では、担体330は、担体330の中心の周りに(または軸350の周りに)円周上に位置合わせされ、実質的に等しい角度の間隔を置いて互いに離隔された開口335を有する。配置300は各開口335に固定して配置される裏打(例えば環状または環状ではない裏打)と共には図示されていないが、その省略は見やすくするためだけのものであり、遊星部材の寸法対裏打寸法、対開口335寸法の比率は、図2Bに示す同じ構成要素の比率と同じであることができる。この実施形態では、遊星部材340は担体330の開口335に配置されているボール(球形遊星部材、球、駆動ボールまたは駆動球として言及されることもある)を備える。この実施形態では3つの開口335および3つの球形遊星部材340が存在するが、他の実施形態ではより少ない(2つ)またはより多い(例えば4つ以上)それぞれが存在することもできる。
【0025】
[00038]図示された実施形態では、配置300もまた力発生器370を含み、その力発生器370は環状部材320に接触し、環状部材320に対して軸方向の力(締め付け力または端壁荷重としても特徴付けることができる)を加えるように構成される。この実施形態では、力発生器370は、円錐形皿ばねなどの円盤ばねを備え、技術図面に精通した当業者なら理解するであろうが、皿ばねは環状部材の後部に干渉する形で図示されている。別の実施形態では、力発生器は任意の適切な装置(可変油圧締め付け装置または異なる機械的締め付け装置など)を備えることがあり、適切な端壁荷重を環状部材320に伝達するために任意の適切な位置に配置されることができる。
【0026】
[00039]担体330は放射状に配向されたねじ362で出力部材360(ハブとして図示される)に固定して結合され、出力部材360は出力駆動軸375に結合され、出力駆動軸375は軸350を介して入力駆動軸325と軸方向に整列し、軸350の周りに配置300が回転する。太陽部材310は太陽軌道312を含み、環状部材320は環状軌道322を含み、通常の工学的耐性を説明するためにこれらの軌道の半径/直径は、同じまたは実質的に同じである。配置300は、0.80よりも大きくまたは等しく、0.90よりも小さくまたは等しい相似比、具体的には0.81よりも大きくまたは等しく、0.89よりも小さくまたは等しい相似比、具体的には0.82よりも大きくまたは等しく、0.88よりも小さくまたは等しい相似比、具体的には0.83よりも大きくまたは等しく、0.87よりも小さくまたは等しい相似比、具体的には0.84よりも大きくまたは等しく、0.86よりも小さくまたは等しく、具体的には0.85の相似比を有するように構成されることができる。本発明の開示では、参照された相似比は、所与の球形遊星部材340の直径の比率(各球形遊星部材が同じ直径を有することが好ましい)、対太陽軌道および環状軌道の一方または両方の直径の比率である。
【0027】
[00040]担体330の回転速度が決定される方法は、遊星型配置100用に上記に記載した方法と同じである。
【0028】
[00041]図8は、いくつかの実施形態で配置300の一部となり得る、または他の実施形態では配置300が共に使用され得る追加の詳細を示す。具体的には、図8は、太陽部材310が入力駆動軸325の大体周りに配置された中央開口313を有することを示す。より具体的には、針軸受315が中央開口313に配置され、入力駆動軸325の周りに配置され、したがって太陽部材310は入力駆動軸325の周りに自由に回転することができる。同様に担体330は、入力駆動軸325の大体周りに配置される中央開口333を有する。具体的には、針軸受336が中央開口333に配置され、入力駆動軸325の周りに配置され、したがって担体330は入力駆動軸325の周りに自由に回転することができる。環状部材320は入力駆動軸325に(例えば固定して取り付けられて)結合されている。具体的には、環状部材320は、ハブ325が2つの間の相対的回転を防止するように固定して配置される(図示された実施形態では、2つは歯車歯を備え付けて、環状部材320がハブ325にスプライン結合されることができるが、その2つの相対的回転を防止する任意の他の適切な結合手段が使用されてもよい)中央開口323を有する。ハブ325はキー部材427および環428によって入力駆動軸325に結合されるが、任意の他の適切な結合手段が使用されてもよい。環状部材320を入力駆動軸325に固定して結合した結果、環状部材320は入力駆動軸325と同じ速度で回転する。ハブ325は、環状部材320が担体330から離れる軸方向の動きを制限するように構成された保持肩部326、および図示された型の力発生器370を備える皿ばねの一部分に接触するように構成された締め付け肩部327を含む。ボール軸受380は環状部材320の周りに配置され、出力部材360の内側部分に接触し、したがってハブが環状部材320の周りに滑らかに(独立して)回転することを可能にする。環状部材320は軸方向にボール軸受380を含む外側放射状肩部329を含む。出力部材360は、ボール軸受380もまた軸方向に制限する内側肩部363を備える。出力部材360は、キー部材387および環(図示せず)によって出力駆動軸375に固定して結合されているが、中央開口362上の歯、および出力駆動軸375上の歯を提供することなどにより、他の適切な結合機構が使用されてもよく、その結果その2つはスプライン結合され得る。当業者なら認識するであろうが、出力部材360を出力駆動軸375に固定するために他の適切な技術が使用されてもよい。
【0029】
[00042]図8が示すように、太陽部材310はバリエータの出力ディスクと一体にされることができる。この開示の恩恵を有する当業者なら理解するであろうが、そのようなバリエータはIVT(図5および図6に示すシステム(IVT 1000)に関して類似する)の一部であってよい。上記に列挙したような他のCVTが、フルトロイダル型バリエータの代わりにそのようなシステム(例えば遊星型配置300と共に)内で使用されてもよい。
【0030】
[00043]上記に開示された裏打は、本発明の配置およびシステム内で使用するための適切な裏打の一例である。裏打の使用は、ボールとボールが配置される担体内の開口との間の摩擦を軽減することにより遊星型配置の有益な寿命を増加させるように設計される。裏打のないいくつかの担体に比較すると、裏打は、裏打がない場合に担体とボールとの間に起こり得る損傷を防止するのに役立つことができる。一般に、本発明の裏打に使用される材料は、遊星部材に使用される材料よりも軟質であるべきである(例えばロックウェル硬さスケールで)。
【0031】
[00044]開示された裏打のいくつかの実施形態に適切な材料の例には、デュポン社(DuPont)によって製造された、いくつかのVESPEL(商標)ポリマーなど、ポリイミド系ポリマー(プラスチックス)が含まれる。図1A乃至図6に示された配置100の実施形態は、車輪で474.53626ニュートンメートル(350フートポンド(ft lbf))の下、3000rpmでテストされ、裏打50は500時間のライフサイクルテストに合格したVESPEL SP−1から作成され、同様に裏打50はVESPEL SP−21から作成された。他の類似の材料が本発明の裏打に使用されてもよい。以下はテストされていないが、それらが適切であると証明可能である。それらの材料は、以下の商標;VTEC PI(Richard Blaine International,Inc., Reading,PAから市販で入手可能)、およびMELDIN 7001(Saint−Gobain Performance Plasticsによって製造され、Professional Plastics,Inc.,Fullerton,CAから市販で入手可能)により販売されるものなどの一次ポリイミドを備えるポリイミド合成物、以下の商標;VTEC BG21およびMELDIN 7021により販売されるものなどの重量15%の黒鉛を備えるポリイミド合成物、以下の商標;VESPEL SP−22、VTEC BG22およびMELDIN 7022により販売されるものなどの重量40%の黒鉛を備えるポリイミド合成物、以下の商標;VESPEL SP−211、VTEC BG211およびMELDIN 7211により販売されるものなどの重量10%のポリ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)および重量15%の黒鉛を備えるポリイミド合成物である。他の適切な材料が以下の商標により販売されるポリイミド合成物を含む。以下の商標は、TORLON 4301(Solvay Advanced Polymers,L.L.C.(Alpharetta, GA)によって製造され、Professional Plastics,Inc.,Fullerton,CAから市販で入手可能である)およびTORLON 4435である。VICTREX PEEKポリマーなどの特定のポリアリールエーテルエーテルケトン(PEEK)ポリマーもまた適切であることがある。特定のポリ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)ポリマー(例えばPERMAGLIDE PTFE)もまた適切であることがある。
【0032】
[00045]ポリマー(および具体的にはプラスチック)に加えて、ブロンズなどの特定の低摩擦金属または合金が使用され得る。他の潜在的に適切な材料には、CT−1000−K40 PMブロンズなどのいくつかの粉体金属、またはPM自己潤滑性軸受手引書で発表された標準に従う任意の材料が含まれる。適切な材料を選択するために使用され得る別の指針は、問題のシステムに要求される「pv」値に一致するものである。
【0033】
[00046]加えて、裏打50は連続環状環であるが、少なくとも配置の作動中に、球形遊星部材と、それらの遊星部材が配置される開口を画定する担体材料との間の接触を減少させる働きをする本発明の裏打の他の実施形態が使用されてもよい。例えば図9Aおよび図9Bは、分割または区分された裏打の例(原寸に比例しない)を示し、その結果、その裏打は球形遊星部材を担体材料から分離する役目をするが、切れ目のない連続した方法で遊星部材を取り囲むのではない。担体30aは、配置100のいくつかの実施形態で使用され得るが、裏打分割部分50sを受けるように構成された裏打分割部分取り付け用切欠き部35d(この実施形態では、鳩尾形である)と共に構成されている開口35aを含み、裏打分割部分50sの2つが遊星部材を完全に取り囲まないように構成された裏打の例を備える。そのような裏打分割部分は、圧入/摩擦嵌めによって適当な位置に保持される。図9Aおよび図9Bが示すように、所与の開口35aの中心から任意の所与の裏打分割部分上の最接近点までの距離は、その開口の中心から開口を画定する材料の最接近点までの距離よりも小さい。図9Aおよび図9Bに示された分割/区分された裏打の例は、遊星部材を担体から(より具体的には、問題の担体の開口を画定する担体材料から)分離するために、担体の開口に配置され得る1つの例である。担体30a内の中央開口33aおよびねじ切り開口37aは、中央開口33およびねじ切り開口37がそれぞれ担体30内で果たす機能と同じ機能を果たす。
【0034】
[00047]一般的に、本発明のディスク形担体(例えば担体30および担体330)は、当業者なら理解するであろうが、駆動輪で要求される出力トルクに耐えるために十分な硬度を持つべきである。VESPEL SP−1およびSP−21から作成された裏打50と共に良好に機能すると決定された硬さの例は、65HRC(ロックウェルCスケール:Rockwell C scale)であるが、異なる硬さが使用されてもよい。
【0035】
[00048]本発明の遊星型配置のいくつかの例では、ディスク形担体30および30aを、遊星部材よりも軟らかいが、駆動輪で所望されるトルクを生成するために要求されるトルクに耐えるために十分な硬さを有する材料から作成することにより、複数の裏打50および裏打50sなしで済ますことも可能である。そのような担体は裏打のない担体として特徴付けることができる。そのような担体を備える配置は、担体開口と遊星部材との間に配置される材料がない担体として特徴付けることができる。
【0036】
[00049]本発明のシステムおよび方法は、開示された具体的な形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。むしろ、それらは特許請求の範囲内に収まるすべての修正形態、等価の形態および代替形態を含むものである。例えば担体30に示された担体開口は実質的に等しい角度を置いて離隔されているが、他の配置に開口をグループ分けすることができる。例えば、6つの担体開口35が3つの開口を有する2つのグループに離隔される使用が可能であり、この場合45°の2つの角度を置いた間隔が各グループ3つの開口を分離し、各グループの最外開口が互いから90°角度を置いて分離される。別の例では、配置100と共に使用され得る上記に示す担体(担体30および30a)が、外側輪郭が略円形を有するが、他の担体形状が使用されてもよい。例えば、少なくとも部分的に特定のボールを取り囲むように設計された開口(または切欠き部)の所与の部分を超えて放射状に延在しない担体形状が使用されてもよく、そのような担体は360°よりも小さいが180°よりも大きい円から成る切欠き部を含むことができ、裏打はそれぞれそのような各切欠き部内でそのような担体に連結されることができ、ボールは少なくとも部分的に所与の切欠き部によって取り囲まれる(またはそうでなければ、境界を接する)ように配置されることができる。
【0037】
[00050]特許請求の範囲は、限定がそれぞれ「方法のための(means for)」または「工程のための(step for)」の語句を使用して所与の請求項で明確に列挙されないならば、そのような限定を超える方法または機能限定を超える工程を含むと解釈されるべきではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次入力要素、入力駆動軸に固定された二次入力要素、前記一次入力要素と前記二次入力要素との間に軸方向に配置された少なくとも一部を含み、出力部材に結合された担体、および前記担体に付随する遊星部材を有する遊星型配置と、
前記遊星型配置が中に配置された筺体と、
前記筺体内部に含まれた流体とを備え、
前記遊星型配置は、作動中のある時点で駆動が前記一次入力要素から前記遊星部材まで前記流体のいくらかを通って伝達され得るように構成された、システム。
【請求項2】
前記入力要素はバリエータの出力ディスクと一体である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記遊星部材はボールを備えた、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記遊星部材は5つのボールを備えた、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項5】
前記遊星部材はボールを備え、前記遊星型配置は、前記担体と前記遊星部材との間の接触を防止するために前記担体に連結された裏打をさらに備えた、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項6】
各裏打は遊星部材を完全に取り囲む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
各裏打は遊星部材を完全には取り囲まない、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記遊星型配置に連結された連続可変式変速機をさらに備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記連続可変式変速機はバリエータを備えた、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記一次入力要素は、凹面を有する太陽部材を備え、前記凹面を通して駆動が太陽部材から前記遊星部材に伝達される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記二次入力要素は、凹面を有する環状部材を備え、前記凹面を通して駆動が環状部材から前記遊星部材に伝達される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
太陽部材と、
入力駆動軸に固定された環状部材と、
前記太陽部材と前記環状部材との間に軸方向に配置された少なくとも一部を含み、出力部材に結合され、軸の周りに回転可能である担体と、
前記担体に付随する遊星部材とを有する遊星型配置であって、
前記環状部材は環状軌道を有し、前記環状軌道を通して前記環状部材から前記遊星部材に駆動が伝達され、前記太陽部材は太陽軌道を有し、前記太陽軌道を通して前記太陽部材から前記遊星部材に駆動が伝達され、前記軸と前記環状軌道との間の距離は前記軸と前記太陽軌道との間の距離よりも大きい遊星型配置を備えた、システム。
【請求項13】
前記太陽部材はバリエータの出力ディスクと一体になっている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記遊星部材はボールを備えた、請求項12または13に記載のシステム。
【請求項15】
前記遊星部材は5つのボールを備えた、請求項12または13に記載のシステム。
【請求項16】
前記遊星部材はボールを備え、前記遊星型配置は、前記担体と前記遊星部材との間の接触を防止するために前記担体に連結された裏打をさらに備えた、請求項12または13に記載のシステム。
【請求項17】
各裏打は遊星部材を完全に取り囲む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
各裏打は遊星部材を完全には取り囲まない、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記遊星型配置に連結された連続可変式変速機をさらに備えた、請求項12に記載のシステム。
【請求項20】
前記連続可変式変速機はバリエータを備えた、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
一次入力要素と、
入力駆動軸に固定された二次入力要素と、
前記一次入力要素と前記二次入力要素との間に軸方向に配置された少なくとも一部を含み、出力部材に結合された担体であって、中心および中心の周りに円周に位置合わせされ、角度を置いて離隔された開口を含む担体と、
前記担体内の各開口に固定して配置された裏打と、
各裏打内に配置された球形遊星部材とを有する遊星型配置を備えた、システム。
【請求項22】
前記一次入力要素はバリエータの出力ディスクと一体になっている、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記球形遊星部材は5つの球形遊星部材を備えた、請求項21または22に記載のシステム。
【請求項24】
各裏打は遊星部材を完全に取り囲む、請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
各裏打は遊星部材を完全には取り囲まない、請求項21に記載のシステム。
【請求項26】
前記遊星型配置に連結された連続可変式変速機をさらに備えた、請求項21に記載のシステム。
【請求項27】
前記連続可変式変速機はバリエータを備えた、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
太陽部材と、
入力駆動軸に固定された環状部材であって、環状軌道直径を有する環状軌道を含む、環状部材と、
前記太陽部材と前記環状部材の間に軸方向に配置された少なくとも一部を含み、出力部材に結合された担体であって、中心および中心の周りに円周に位置合わせされ、角度を置いて離隔された開口を含む担体と、
各開口に配置された球形遊星部材であって、球形遊星部材の1つが球形遊星部材直径を有し、球形遊星部材の直径対環状軌道の直径の比率が0.84乃至0.86である球形遊星部材とを有する遊星型配置を備えたシステム。
【請求項29】
前記太陽部材はバリエータの出力ディスクと一体になっている、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記球形遊星部材は5つの球形遊星部材を備えた、請求項28または29に記載のシステム。
【請求項31】
前記遊星型配置は、前記担体と前記遊星部材との間の接触を防止するために前記担体に連結されている裏打をさらに備えた、請求項28または29に記載のシステム。
【請求項32】
各裏打は、前記開口の個別の1つに固定して配置され、完全に遊星部材を取り囲む、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
各裏打は、前記開口の個別の1つに固定して配置され、完全には遊星部材を取り囲まない、請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
前記遊星型配置に連結された連続可変式変速機をさらに備えた、請求項28に記載のシステム。
【請求項35】
前記連続可変式変速機はバリエータを備えた、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
一次入力要素と、
入力駆動軸に固定された二次入力要素と、
前記一次入力要素と前記二次入力要素との間に軸方向に配置された少なくとも一部を含み、出力部材に結合された担体と、
前記担体に付随する球形遊星部材と、
前記球形遊星部材を前記担体から分離するために前記担体に連結された裏打であって、各裏打の硬度は、裏打が前記担体から分離する球形遊星部材の硬度よりも小さい裏打とを有する遊星型配置を備えた、システム。
【請求項37】
前記一次入力要素はバリエータの出力ディスクと一体になっている、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記球形遊星部材が5つの球形遊星部材を備えた、請求項36または37に記載のシステム。
【請求項39】
各裏打は球形遊星部材を完全に取り囲む、請求項36に記載のシステム。
【請求項40】
各裏打は球形遊星部材を完全には取り囲まない、請求項36に記載のシステム。
【請求項41】
前記遊星型配置に連結された連続可変式変速機をさらに備えた、請求項36に記載のシステム。
【請求項42】
前記連続可変式変速機はバリエータを備えた、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
一次入力要素と、
入力駆動軸に固定された二次入力要素と、
前記一次入力要素と前記二次入力要素との間に軸方向に配置された少なくとも一部を含み、出力部材に結合された担体と、
前記担体に付随し、負荷が前記一次入力要素から前記担体に伝達されたときに、所与の遊星部材によって伝達される前記負荷が前記所与の遊星部材をずらす傾向にあるモーメントに関連しないように構成された遊星部材とを有する遊星型配置を備えるシステム。
【請求項44】
前記一次入力要素はバリエータの出力ディスクと一体になっている、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記遊星部材は5つの球形遊星部材を備えた、請求項43または44に記載のシステム。
【請求項46】
前記遊星型配置は、前記担体から前記遊星部材を分離するために前記担体に連結された裏打をさらに備えた、請求項43に記載のシステム。
【請求項47】
各裏打は遊星部材を完全に取り囲む、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
各裏打は遊星部材を完全には取り囲まない、請求項46に記載のシステム。
【請求項49】
前記遊星型配置に連結された連続可変式変速機をさらに備えた、請求項43に記載のシステム。
【請求項50】
前記連続可変式変速機はバリエータを備えた、請求項49に記載のシステム。
【請求項1】
一次入力要素、入力駆動軸に固定された二次入力要素、前記一次入力要素と前記二次入力要素との間に軸方向に配置された少なくとも一部を含み、出力部材に結合された担体、および前記担体に付随する遊星部材を有する遊星型配置と、
前記遊星型配置が中に配置された筺体と、
前記筺体内部に含まれた流体とを備え、
前記遊星型配置は、作動中のある時点で駆動が前記一次入力要素から前記遊星部材まで前記流体のいくらかを通って伝達され得るように構成された、システム。
【請求項2】
前記入力要素はバリエータの出力ディスクと一体である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記遊星部材はボールを備えた、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記遊星部材は5つのボールを備えた、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項5】
前記遊星部材はボールを備え、前記遊星型配置は、前記担体と前記遊星部材との間の接触を防止するために前記担体に連結された裏打をさらに備えた、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項6】
各裏打は遊星部材を完全に取り囲む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
各裏打は遊星部材を完全には取り囲まない、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記遊星型配置に連結された連続可変式変速機をさらに備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記連続可変式変速機はバリエータを備えた、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記一次入力要素は、凹面を有する太陽部材を備え、前記凹面を通して駆動が太陽部材から前記遊星部材に伝達される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記二次入力要素は、凹面を有する環状部材を備え、前記凹面を通して駆動が環状部材から前記遊星部材に伝達される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
太陽部材と、
入力駆動軸に固定された環状部材と、
前記太陽部材と前記環状部材との間に軸方向に配置された少なくとも一部を含み、出力部材に結合され、軸の周りに回転可能である担体と、
前記担体に付随する遊星部材とを有する遊星型配置であって、
前記環状部材は環状軌道を有し、前記環状軌道を通して前記環状部材から前記遊星部材に駆動が伝達され、前記太陽部材は太陽軌道を有し、前記太陽軌道を通して前記太陽部材から前記遊星部材に駆動が伝達され、前記軸と前記環状軌道との間の距離は前記軸と前記太陽軌道との間の距離よりも大きい遊星型配置を備えた、システム。
【請求項13】
前記太陽部材はバリエータの出力ディスクと一体になっている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記遊星部材はボールを備えた、請求項12または13に記載のシステム。
【請求項15】
前記遊星部材は5つのボールを備えた、請求項12または13に記載のシステム。
【請求項16】
前記遊星部材はボールを備え、前記遊星型配置は、前記担体と前記遊星部材との間の接触を防止するために前記担体に連結された裏打をさらに備えた、請求項12または13に記載のシステム。
【請求項17】
各裏打は遊星部材を完全に取り囲む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
各裏打は遊星部材を完全には取り囲まない、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記遊星型配置に連結された連続可変式変速機をさらに備えた、請求項12に記載のシステム。
【請求項20】
前記連続可変式変速機はバリエータを備えた、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
一次入力要素と、
入力駆動軸に固定された二次入力要素と、
前記一次入力要素と前記二次入力要素との間に軸方向に配置された少なくとも一部を含み、出力部材に結合された担体であって、中心および中心の周りに円周に位置合わせされ、角度を置いて離隔された開口を含む担体と、
前記担体内の各開口に固定して配置された裏打と、
各裏打内に配置された球形遊星部材とを有する遊星型配置を備えた、システム。
【請求項22】
前記一次入力要素はバリエータの出力ディスクと一体になっている、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記球形遊星部材は5つの球形遊星部材を備えた、請求項21または22に記載のシステム。
【請求項24】
各裏打は遊星部材を完全に取り囲む、請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
各裏打は遊星部材を完全には取り囲まない、請求項21に記載のシステム。
【請求項26】
前記遊星型配置に連結された連続可変式変速機をさらに備えた、請求項21に記載のシステム。
【請求項27】
前記連続可変式変速機はバリエータを備えた、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
太陽部材と、
入力駆動軸に固定された環状部材であって、環状軌道直径を有する環状軌道を含む、環状部材と、
前記太陽部材と前記環状部材の間に軸方向に配置された少なくとも一部を含み、出力部材に結合された担体であって、中心および中心の周りに円周に位置合わせされ、角度を置いて離隔された開口を含む担体と、
各開口に配置された球形遊星部材であって、球形遊星部材の1つが球形遊星部材直径を有し、球形遊星部材の直径対環状軌道の直径の比率が0.84乃至0.86である球形遊星部材とを有する遊星型配置を備えたシステム。
【請求項29】
前記太陽部材はバリエータの出力ディスクと一体になっている、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記球形遊星部材は5つの球形遊星部材を備えた、請求項28または29に記載のシステム。
【請求項31】
前記遊星型配置は、前記担体と前記遊星部材との間の接触を防止するために前記担体に連結されている裏打をさらに備えた、請求項28または29に記載のシステム。
【請求項32】
各裏打は、前記開口の個別の1つに固定して配置され、完全に遊星部材を取り囲む、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
各裏打は、前記開口の個別の1つに固定して配置され、完全には遊星部材を取り囲まない、請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
前記遊星型配置に連結された連続可変式変速機をさらに備えた、請求項28に記載のシステム。
【請求項35】
前記連続可変式変速機はバリエータを備えた、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
一次入力要素と、
入力駆動軸に固定された二次入力要素と、
前記一次入力要素と前記二次入力要素との間に軸方向に配置された少なくとも一部を含み、出力部材に結合された担体と、
前記担体に付随する球形遊星部材と、
前記球形遊星部材を前記担体から分離するために前記担体に連結された裏打であって、各裏打の硬度は、裏打が前記担体から分離する球形遊星部材の硬度よりも小さい裏打とを有する遊星型配置を備えた、システム。
【請求項37】
前記一次入力要素はバリエータの出力ディスクと一体になっている、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記球形遊星部材が5つの球形遊星部材を備えた、請求項36または37に記載のシステム。
【請求項39】
各裏打は球形遊星部材を完全に取り囲む、請求項36に記載のシステム。
【請求項40】
各裏打は球形遊星部材を完全には取り囲まない、請求項36に記載のシステム。
【請求項41】
前記遊星型配置に連結された連続可変式変速機をさらに備えた、請求項36に記載のシステム。
【請求項42】
前記連続可変式変速機はバリエータを備えた、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
一次入力要素と、
入力駆動軸に固定された二次入力要素と、
前記一次入力要素と前記二次入力要素との間に軸方向に配置された少なくとも一部を含み、出力部材に結合された担体と、
前記担体に付随し、負荷が前記一次入力要素から前記担体に伝達されたときに、所与の遊星部材によって伝達される前記負荷が前記所与の遊星部材をずらす傾向にあるモーメントに関連しないように構成された遊星部材とを有する遊星型配置を備えるシステム。
【請求項44】
前記一次入力要素はバリエータの出力ディスクと一体になっている、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記遊星部材は5つの球形遊星部材を備えた、請求項43または44に記載のシステム。
【請求項46】
前記遊星型配置は、前記担体から前記遊星部材を分離するために前記担体に連結された裏打をさらに備えた、請求項43に記載のシステム。
【請求項47】
各裏打は遊星部材を完全に取り囲む、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
各裏打は遊星部材を完全には取り囲まない、請求項46に記載のシステム。
【請求項49】
前記遊星型配置に連結された連続可変式変速機をさらに備えた、請求項43に記載のシステム。
【請求項50】
前記連続可変式変速機はバリエータを備えた、請求項49に記載のシステム。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7−1】
【図7−2】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7−1】
【図7−2】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2013−504724(P2013−504724A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528867(P2012−528867)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/048060
【国際公開番号】WO2011/031708
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(504290859)トロトラク・(ディヴェロプメント)・リミテッド (33)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/048060
【国際公開番号】WO2011/031708
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(504290859)トロトラク・(ディヴェロプメント)・リミテッド (33)
【Fターム(参考)】
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